(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1に係る照明システム10を、図1〜図11を参照して説明する。照明システム10は、図1に示すように、制御装置100と、第1〜第4の照明装置200〜230と、計測装置300と、を備えている。
照明システム10は、計測装置300が計測した照度に基づいて、計測装置300の位置を求める(推定する)。この照明システム10は、例えば、求められた位置で計測装置300が計測した照度が目標の照度になるよう、各照明装置200〜230から照射される可視光の強度(発光強度)を調整するシステムに広く適用することができる。
制御装置100は、可視光を照射する各照明装置200〜230にケーブルを介して接続される。制御装置100は、照明装置200〜230それぞれの発光強度を周波数分解(周波数解析;フーリエ級数展開)したときの主要周波数成分が所定の周波数帯域内となる変動パターンを示す変動パターン情報に従って、照明装置200〜230それぞれの発光強度を変化させる。
また、制御装置100は、照明装置200〜230それぞれの発光強度を、時分割で順次変化させる(別々の時間帯に変化させる)。このとき、計測装置300は、可視光の照度を測定し、測定値を、計測時間と対応付けて、制御装置100に送信する。
制御装置100は、各照明装置200〜230から照射された光の照度の計測値を計測装置300から受信すると、受信した計測値に対応付けられた計測時間と、時間帯とから、各時間帯に適合する計測値(計測値の時間変化)を特定する。そして、制御装置100は、特定した計測値と時間帯とを対応付ける。その後、制御装置100は、特定された時間帯毎の計測値(の変動)を、例えば、高速フーリエ変換等で周波数分解して、所定の周波数帯(本実施の形態では、0.005Hzから0.02Hz)の周波数成分を特定し、特定した周波数成分の大きさ(振幅)を示す照度情報を、時間帯毎に生成する。制御装置100は、生成した照度情報を、それぞれの時間帯に可視光を照射した照明装置を示す照明装置名(ID)に対応付ける。そして、制御装置100は、照明装置名に対応付けられた照度情報が表す照度(振幅)の大小関係から、照明装置に対する計測装置300の位置を推定する(求める)。
このように、制御装置100は、計測装置300で計測された計測値から、所定の周波数帯域に含まれる可視光の照度を、時間帯毎に特定し、特定した照度から、計測装置300の位置を求める。つまり、制御装置100は、所定の周波数帯域外の周波数を示す外乱光の影響(例えば、外光や室内を人間が移動することによる照度のゆらぎ)を取り除いた照度から、計測装置300の位置を求める。従って、制御装置100は、外乱光の影響を取り除かない照度から計測装置300の位置を求める装置と比較して、求めた計測装置300の位置が高い精度を示す。
第1〜第4の照明装置200〜230は、例えば窓400が設けられた屋内の、それぞれ異なる位置に配置される。各照明装置200〜230は、同一の構成である。各照明装置200〜230は、制御装置100の制御によって(変動パターン情報に従って)、発光強度を変化させながら、可視光を照射する。各照明装置200〜230は、最大強度のとき(強度設定値が100%のとき)、照明装置200〜230のそれぞれの直下で計測される照度が、図3に示す照度になるような発光強度で、可視光を照射する。
即ち、強度設定値が100%のとき、第1の照明装置200および第3の照明装置220は、直下での計測される照度が250ルクスとなるような発光強度で、可視光を照射する。また、強度設定値が100%のとき、第2の照明装置210は直下で計測される照度が400ルクスになるような発光強度で可視光を照射し、第4の照明装置230は直下で計測される照度が100ルクスになるような発光強度で可視光を照射する。
なお、強度設定値が小さくなれば、各照明装置200〜230は、発光強度を弱くする。よって、強度設定値が50%のとき、第1の照明装置200および第3の照明装置220は、直下で計測される照度が125ルクスとなるような発光強度で、可視光を照射する。また、強度設定値が50%のとき、第2の照明装置210は直下で計測される照度が200ルクスになるような発光強度で可視光を照射し、第4の照明装置230は直下で計測される照度が50ルクスになるような発光強度で可視光を照射する。そして、強度設定値が0%のとき、各照明装置200〜230は、可視光を照射しない。
計測装置300は、各照明装置200〜230が照射した光を受光する位置に配置されている。計測装置300は、可視光の照度を計測する。計測装置300は、可視光の照度を、所定期間中、具体的には、全ての照明装置200〜230による可視光の発光強度の変化が完了するまでの期間中、計測すると、測定値を、無線通信によって制御装置100へ送信する。
上述した制御装置100と、各照明装置200〜230と、計測装置300と、を備える照明システム10のブロック図は、図2に示す通りである。
制御装置100は、例えば、パーソナルコンピュータから構成される。制御装置100は、制御部110と、記憶部120と、有線通信部130と、入力部140と、表示部150と、無線通信部160と、を備えている。
制御部110は、制御装置100の制御を行う。制御部110は、図示しないCPU(Central Processing Unit)と、ROM(Read only Memory)と、RAM(Random Access Memory)と、を備えている。
CPUは、ROMに格納されたプログラム(例えば、後述する図11に示す処理を実現するプログラム)を実行する。
また、CPUがROMに格納されたプログラムを実行することにより、制御部110は、発光制御部111と、計測値取得部112と、特定部113と、生成部114と、位置推定部115と、の機能を実現する。
発光制御部111は、各照明装置200〜230のそれぞれへ、有線通信部130から制御コマンドを送信する。この制御コマンドにより、発光制御部111は、照明装置200〜230の発光強度を周波数分解したときの主要周波数成分が所定の周波数帯域内となるよう、各照明装置200〜230それぞれの発光強度を変化させる。
変動パターン情報は、図4に示すように、照明装置の発光強度を強度設定値によって規定した照射パターンと、照射パターンによる発光強度の変化の開始時間と終了時間とを規定した時間帯と、から構成される。
また、変動パターン情報には、図4に示すように、可視光を照射する照明装置を示す照明装置名が、時間帯に対応付けられている。
よって、発光制御部111は、第1の照明装置200を、例えば午前6時からの経過時間が25000秒になったときに、パターン1に従って発光強度が変化開始するよう制御し、経過時間が27999秒になったときに、発光強度の変化を終了するように制御する。また、発光制御部111は、例えば、第4の照明装置200を、例えば午前6時からの経過時間が34000秒になったときに、パターン1に従って発光強度が変化開始するよう制御し、経過時間が36999秒になったときに、発光強度の変化を終了するように制御する。
このように、発光制御部111は、照明装置200〜230それぞれの発光強度をパターン1に従って制御することで、照明装置200〜230それぞれの発光強度の変化の態様を同一にし、且つ、照明装置200〜230それぞれの発光強度を時分割で順次変化させる制御を行う。
パターン1は、図5に示すように、強度設定値と発光強度の1周期分の時間とが対応付けられている。パターン1は、発光強度の変化開始直後に照明装置の強度設定値を50%にし、発光強度の変化開始から約10秒後に照明装置の強度設定値を100%にし、発光強度の変化開始から約42秒後に照明装置の強度設定値を50%にする。加えて、パターン1は、発光強度の変化開始から約60秒後に照明装置の強度設定値をゼロにして、発光強度の変化開始から約91秒後に照明装置の強度設定値を50%にする制御を、発光制御部111に実現させる。
このパターン1に従って、発光制御部111は、照明装置の強度設定値を、各時間帯中、繰り返し変化させて、各照明装置200〜230の発光強度を制御する。
ここで、パターン1は、所定の周波数帯域、即ち、0.005Hzから0.02Hzの周波数帯域に含まれる0.01Hzの逆数を周期とする正弦波を3段階で離散化した方形波状に、各照明装置200〜230それぞれの発光強度が変化するように、強度設定値が設定されている。これにより、照度を周波数変換(周波数分解)すると、照度は、0.01Hzを主要周波数成分として、0.01Hz付近の周波数成分を示す。ここで、照度の周波数成分が、0.01Hz付近の周波数分布を示すようにしているのは、例えば窓400(図1参照)から入射した外光の影響を、計測装置300で計測された計測値(照度)から取り除くためである。
具体的な説明を以下に示す。まず、窓400(図1参照)から入射した外光による室内の一般的な照度の推移(照明装置200〜230は全て消灯している状態の推移)は、午前6時から午後8時までにおいて、図6に示すような推移を示す。また、図6に示した外光による照度を、全ての時間にわたって高速フーリエ変換により周波数変換(周波数分解)した場合に示される照度(振幅)の周波数分布は、図7に示すような分布を示す。
即ち、図6に示すように、外光による室内の一般的な照度の推移は、時間が経過するにつれて上昇する照度を示し、200ルクスを超えた辺りで最大値の照度になる。その後、外光による室内の一般的な照度の推移は、時間が経過するにつれて下降する照度を示す。このとき、外光による照度の主要周波数成分は、図7に示すように、0.003Hz以下になる。
ここで、発光制御部111は、外光による照度を周波数分解したときの主要周波数成分が示す周波数(0.003Hz)よりも、所定の周波数帯域の下限周波数が高い周波数を示すよう、複数の照明装置それぞれの発光強度を、パターン1に従い変化させている。
このように、各照明装置200〜230の発光強度を周波数分解したときの主要周波数成分が0.01Hz付近になるように、各照明装置200〜230の発光強度を制御すれば、外光による照度を周波数分解したときの主要周波数成分が0.003Hz以下であることから、それぞれの主要周波数成分を、別々にすることができる。
この結果、制御装置100は、計測装置300で計測された計測値から、所定の周波数帯域(0.005Hzから0.02Hz)に含まれる照度を特定することで、結果、計測装置300で計測された計測値から、所定の周波数帯域外の周波数を示す外光の影響を取り除くことができる。よって、パターン1は、照度の周波数成分が、0.01Hz付近の周波数分布を示すように、発光強度を規定しているのである。
計測値取得部112は、計測装置300へ、無線通信部160を介して送信コマンドを送信する。この送信コマンドを受信した計測装置300は、可視光の照度の計測値(計測装置300が測定した照度の変化)を、制御装置100へ送信する。このように、送信コマンドを送信することで、計測値取得部112は、計測値を、無線通信部160を介して、計測装置300から取得する。
計測装置300から送信される測定値は、例えば、図8に示すように、外光による照度(図5参照)と各照明装置200〜230から照射された可視光の照度とが重畳された変化を示す。
ここで、外光の影響があり、更に、照明装置が点灯している場合、計測装置300で計測した照度の測定値は、それぞれの光による照度の和になることが一般的に知られている。例えば、外光の照度が150ルクスであり、照明装置200から照射された可視光の照度が250ルクスであり(強度設定値が100%の場合)、照明装置210から照射された可視光の照度が200ルクスであり(強度設定値が50%の場合)、照明装置220および照明装置230強度設定値がゼロの場合、計測装置300で計測される照度の測定値は、600ルクス(150ルクス+250ルクス+200ルクス)になる。
よって、計測装置300から送信される測定値は、外光による照度(図5参照)に、各照明装置200〜230から各時間帯に照射された可視光の照度が重畳された推移を示すのである。
従って、計測装置300から送信される測定値は、例えば午前6時からの経過時間が0秒〜24999秒までは外光のみによる照度を示し、経過時間が25000秒〜27999秒までは外光の照度と第1の照明装置200が照射した可視光の照度との和の照度を示す。
また、計測装置300から送信される測定値は、経過時間が28000秒〜30999秒までは外光の照度と第2の照明装置210が照射した可視光の照度との和の照度を示し、経過時間が31000秒〜33999秒までは外光の照度と第3の照明装置220が照射した可視光の照度との和の照度を示し、経過時間が34000秒〜36999秒までは外光の照度と第4の照明装置230が照射した可視光の照度との和の照度を示す。なお、計測値取得部112は、受信した計測値を、計測値記憶部122に記憶する。
特定部113は、計測値記憶部122に記憶された計測値(照度の変化、図8参照)から、各時間帯に適合する計測値を、時間帯毎に特定する。そして、特定部113は、特定した計測値と各時間帯とを対応付ける。
具体的には、特定部113は、計測値記憶部122に記憶された計測値から、経過時間が25000秒〜27999秒の時間帯に適合する計測値、経過時間が28000秒〜30999秒の時間帯に適合する計測値、経過時間が31000秒〜33999秒の時間帯に適合する計測値、および経過時間が34000秒〜36999秒の時間帯に適合する計測値を特定し、特定した各計測値を、各時間帯に対応付ける。
ここで、各時間帯と各照明装置とは、対応付けられているので(図4参照)、特定部113は、特定した各計測値を、各照明装置に対応付けると言い換えることができる。
生成部114は、特定部113により特定された時間帯毎の計測値(照度の変化)を、周波数分解して、所定の周波数帯(本実施の形態では、0.005Hzから0.02Hz)の周波数成分を特定し、特定した周波数成分の大きさ(振幅)を示す照度情報を、時間帯毎に生成する。そして、生成部114は、生成した照度情報を、時間帯に対応して発光強度を変化させた照明装置を示す照明装置名と対応付ける。
具体的には、生成部114は、特定部113により特定された、経過時間が25000秒〜27999秒の時間帯に適合する計測値を、所定の周波数帯域で高速フーリエ変換して(周波数分解して)、図9(a)に示すようなピーク値を示す波形(照度情報)を、照明装置200を表す装置名に対応付けて生成する。同様に、生成部114は、特定部113により特定された、経過時間が28000秒〜30999秒の時間帯に適合する計測値を、所定の周波数帯域で高速フーリエ変換して、図9(b)に示すようなピーク値を示す波形(照度情報)を、照明装置210を表す装置名に対応付けて生成する。
また、生成部114は、特定部113により特定された、経過時間が31000秒〜33999秒の時間帯に適合する計測値を、所定の周波数帯域で高速フーリエ変換して、図9(c)に示すようなピーク値を示す波形(照度情報)を、照明装置220を表す装置名に対応付けて生成する。同様に、生成部114は、特定部113により特定された、経過時間が34000秒〜36999秒の時間帯に適合する計測値を、所定の周波数帯域で高速フーリエ変換して、図9(d)に示すようなピーク値を示す波形(照度情報)を、照明装置230を表す装置名に対応付けて生成する。
ここで、生成部114は、上述以外にも、次のようにして、照度情報を生成してもよい。
即ち、生成部114は、特定部113により特定された、経過時間が25000秒〜27999秒の時間帯に適合する計測値、経過時間が28000秒〜30999秒の時間帯に適合する計測値、経過時間が31000秒〜33999秒の時間帯に適合する計測値、および経過時間が34000秒〜36999秒の時間帯に適合する計測値を、カットオフ周波数が例えば0.008Hzのハイパスフィルタに通す。つまり、計測装置300から送信された測定値(図8参照)を、ハイパスフィルタに通し、外光による照度(図5参照)を取り除いた、所定の周波数帯域における図10に示すような波形を生成する。
そして、生成部114は、所定の周波数帯域における波形(図10参照)のうち、経過時間が25000秒〜27999秒の時間帯に適合する波形の振幅の平均値(照度情報)を、照明装置200を表す装置名に対応付けて生成する。また、生成部114は、所定の周波数帯域における波形のうち、経過時間が28000秒〜30999秒の時間帯に適合する波形の振幅の平均値(照度情報)を、照明装置210を表す装置名に対応付けて生成する。また、生成部114は、所定の周波数帯域における波形のうち、経過時間が31000秒〜33999秒の時間帯に適合する波形の振幅の平均値(照度情報)を、照明装置220を表す装置名に対応付けて生成する。更に、生成部114は、所定の周波数帯域における波形のうち、経過時間が34000秒〜36999秒の時間帯に適合する波形の振幅の平均値(照度情報)を、照明装置230を表す装置名に対応付けて生成する。
このように、生成部114は、上述のような処理によっても、照度情報を生成することができる。
位置推定部115は、照明装置200〜230の各々を表す照明装置名に対応付けられた波形のピーク値(振幅)に基づく大小関係から、照明装置に対する計測装置300の位置を求める(推定する)。
なお、本実施の形態では、各照明装置200〜230で照射される可視光の強度(発光強度)を同じにしているので不要であるが、発光強度が異なる場合、位置推定部115は、各照明装置名に対応付けられた波形のピーク値に、補正値を掛ける。
この補正値は、各照明装置200〜230で照射される可視光の強度の違いを抑制する値である。補正値は、例えば、照明装置210と照明装置220との最大発光強度(強度設定値が100%の場合)が異なる場合、その倍率である。また、例えば、照明装置210と照明装置220との最大発光強度は同じだが、照射パターン(図5参照)の振幅が異なる場合、補正値は、その倍率である。
例えば、照明装置210が照明装置220の1.5倍の最大発光強度である場合、位置推定部115は、照明装置220を表す装置名に対応付けられた波形のピーク値に1.5を掛けることで、ピーク値の補正を行う。また、例えば、照明装置220の照射パターンが、照明装置210の0.5倍の振幅(強度設定値50%を中心に、25%から75%で強度設定値が変動)である場合、位置推定部115は、照明装置220を表す装置名に対応付けられた波形のピーク値に2.0を掛けることで、ピーク値の補正を行う。
その結果、補正されたピーク値(補正が不要な場合は、補正されたピーク値ではなく、単に、ピーク値)の大小関係が、例えば、照明装置210を表す装置名に対応付けられた補正後のピーク値>照明装置200を表す装置名に対応付けられた補正後のピーク値≒照明装置220を表す装置名に対応付けられた補正後のピーク値>照明装置230を表す装置名に対応付けられた補正後のピーク値の関係を示す場合、位置推定部115は、ピーク値に基づく大小関係から、次のように、計測装置300の位置を推定する。即ち、位置推定部115は、計測装置300が、照明装置210の付近に位置し、更に、照明装置200から照射された可視光の照度と照明装置220から照射された可視光の照度とが同程度の場所に位置すると推定する。そして、位置推定部115は、推定した計測装置300の位置を、表示部150に表示する。
記憶部120は、例えばフラッシュメモリから構成される。記憶部120は、照射情報記憶部121と、計測値記憶部122とを備えている。
照射情報記憶部121は、図4に示す情報を、具体的には、異なる位置に配置された複数の照明装置200〜230それぞれの発光強度を周波数分解したときの主要周波数成分が所定の周波数帯域内となるように、照明装置200〜230それぞれの発光強度を制御するための変動パターン情報を記憶する。また、照射情報記憶部121は、変動パターン情報に従って照明装置200〜230が可視光を照射する時間帯と発光強度を変化させる照明装置を表す照明装置名とを、変動パターン情報に対応付けて記憶する。
図1に示す計測値記憶部122は、計測装置300から取得した計測値を記憶する。
有線通信部130は、通信インターフェイスである。有線通信部130は、ケーブルを介して、各照明装置200〜230の各有線通信部250に接続される。有線通信部130は、各照明装置200〜230の各有線通信部250へ、制御コマンドを送信する。
入力部140は、例えば、キーボードである。入力部140は、例えば、照射情報記憶部121に記憶される変動パターン情報や照明装置名の入力に使用される。
表示部150は、例えば、液晶ディスプレイである。表示部150は、例えば、推定された計測装置300の位置を表示する。
無線通信部160は、無線通信インターフェイスである。無線通信部160は、無線通信により、計測装置300の無線通信部330へ、制御コマンドおよび送信コマンドを送信する。また、無線通信部160は、送信コマンドに応答して計測装置300から送信された計測値を受信する。
照明装置200〜230は、照射する可視光の発光強度が調整可能に構成されている。照明装置200〜230は、それぞれ、制御部240と、有線通信部250と、光源部260と、を備えている。
制御部240は、照明装置の制御を行う。制御部240は、図示しないCPUと、ROMと、RAMと、を備えている。
CPUは、ROMに格納されたプログラムを実行することで、制御装置100から送信される制御コマンド(強度設定値を示すコマンド)に従って、言い換えれば、照射情報記憶部121に記憶された変動パターン情報に従って、光源部260から照射される可視光の発光強度を、時間帯で指定された期間、PWM(Pulse Width Modulation)変調によって、変化させる。なお、強度設定値は、5%刻みの値で構成されているので、CPUは、制御コマンドで指示される5%刻みの強度設定値に従って、光源部260から照射される可視光の強度を変化させる。
有線通信部250は、通信インターフェイスである。有線通信部250は、制御装置100の有線通信部130から送信された制御コマンドを受信する。
光源部260は、例えば蛍光灯やLED(Light Emitting Diode)ライトである。
計測装置300は、例えば無線機から構成される。計測装置300は、制御部310と、照度センサ部320と、無線通信部330と、を備えている。
制御部310は、計測装置300の制御を行う。制御部310は、図示しないCPUと、ROMと、RAMと、を備えている。
CPUは、ROMに格納されたプログラムを実行することで、制御装置100からの制御コマンドが無線通信部330で受信されると、可視光の照度の計測を開始する。また、CPUは、照度の計測開始から所定期間が経過すると、即ち、全ての照明装置200〜230による発光強度の変化が完了するまでの期間が経過すると、照度の計測を完了する。
照度センサ部320は、フォトレジスタやフォトダイオードである。照度センサ部320は、可視光の照度を計測する。
無線通信部330は、無線通信インターフェイスである。無線通信部330は、制御装置100の無線通信部160から送信された制御コマンドおよび送信コマンドを受信する。また、無線通信部330は、受信した送信コマンドに応答して、計測値を、制御装置100の無線通信部160へ送信する。
上述した計測装置300、制御装置100および各照明装置200〜230の電源がオンされている状態で、計測装置300の位置の推定の実行が、入力部140を介してユーザにより指示されると、制御装置100は、図11に示す位置推定処理を開始する。
位置推定処理では、まず、制御部110(発光制御部111)は、各照明装置200〜230および計測装置300へ、制御コマンドを送信する(ステップS1)。この制御コマンドを受信すると、各照明装置200〜230は、光源部260から照射される可視光の強度を、制御コマンドで示される強度設定値に従って、言い換えれば、変動パターン情報に従って、変化させる。また、計測装置300は、制御コマンドを受信すると、可視光の照度の計測を開始する。
ステップS1の実行後、所定期間が経過すると、具体的には、全ての照明装置200〜230による発光強度の変化が完了するまでの期間が経過すると、制御部110(計測値取得部112)は、計測装置300へ送信コマンドを送信する。そして、制御部110(計測値取得部112)は、送信コマンドに応答して計測装置300から送信された計測値を受信し、受信した計測値(図8参照)を、計測値記憶部122に記憶する(ステップS2)。
ステップS2の実行後、制御部110(特定部113)は、計測値記憶部122に記憶された計測値(図8参照)から、各時間帯に適合する計測値を、時間帯毎に特定して、特定した計測値と各時間帯とを対応付ける(ステップS3)。
具体的には、制御部110(特定部113)は、ステップS3で、計測値記憶部122に記憶された計測値から、経過時間が25000秒〜27999秒の時間帯に適合する計測値、経過時間が28000秒〜30999秒の時間帯に適合する計測値、経過時間が31000秒〜33999秒の時間帯に適合する計測値、および経過時間が34000秒〜36999秒の時間帯に適合する計測値を特定し、特定した各計測値を、各時間帯に対応付ける。
ステップS3の実行後、制御部110(生成部114)は、ステップS4を実行する。即ち、制御部110(生成部114)は、ステップS3で特定部113により特定された時間帯毎の計測値(照明装置別の計測値)を、周波数分解して、所定の周波数帯(本実施の形態では、0.005Hzから0.02Hz)の周波数成分を特定し、特定した周波数成分の大きさ(振幅)を示す照度情報を、時間帯毎に生成する。そして、制御部110(生成部114)は、生成した照度情報を、時間帯に対応して発光強度を変化させた照明装置を示す照明装置名と対応付ける(ステップS4)。
具体的には、制御部110(生成部114)は、ステップS4で、特定部113により特定された、例えば、経過時間が25000秒〜27999秒の時間帯に適合する計測値を、高速フーリエ変換して、ピーク値を示す波形(図9(a)参照)を、照明装置200を表す装置名に対応付けて生成する。同様に、制御部110(生成部114)は、特定部113により特定された、例えば、経過時間が34000秒〜36999秒の時間帯に適合する計測値を、高速フーリエ変換して、ピーク値を示す波形(図9(d)参照)を、照明装置230を表す装置名に対応付けて生成する。
ステップS4の実行後、制御部110(位置推定部115)は、照明装置200〜230の各々を表す照明装置名に対応付けられた波形のピーク値(振幅)に基づく大小関係から、照明装置に対する計測装置300の位置を求める(ステップS5)。
具体的には、制御部110(位置推定部115)は、ピーク値に基づく大小関係を求めるために、まず、各照明装置名に対応付けられた波形のピーク値に、補正値を掛ける。
そして、補正されたピーク値の大小関係、即ち、ピーク値に基づく大小関係から、制御部110(位置推定部115)は、計測装置300の位置を推定する。そして、制御部110(位置推定部115)は、推定した計測装置300の位置を、表示部150に表示する。
ステップS5の実行後、制御部110は、この位置推定処理を終了する。
上述した通り、実施の形態1の制御装置100は、特定された時間帯毎の計測値(の変動)を、周波数分解して、所定の周波数帯域(本実施の形態では、0.005Hzから0.02Hz)の周波数成分を特定し、特定した周波数成分の大きさ(振幅)を示す照度情報を、時間帯毎に生成する。そして、制御装置100は、照度情報で示される照度(振幅)に基づく大小関係から、照明装置に対する計測装置300の位置を求める。つまり、制御装置100は、所定の周波数帯域外の周波数を示す外乱光の影響(例えば、外光や室内を人間が移動することによる照度のゆらぎ)を取り除いた照度によって、計測装置300の位置を求める。従って、制御装置100は、外乱光の影響を取り除かない照度から計測装置300の位置を求める装置と比較して、求めた計測装置300の位置が高い精度を示す。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2に係る制御装置100を、図12〜図15を参照して説明する。実施の形態2に係る制御装置100は、実施の形態1に係る制御装置100に対して、照射情報記憶部121に記憶される変動パターン情報の内容を変更したものである。よって、実施の形態2に係る制御装置100については、実施の形態1の制御装置100と同一の構成・同一の処理については同一の番号を付している。
実施の形態2に係る制御装置100の照射情報記憶部121に記憶される変動パターン情報は、図12に示すように、照明装置の発光強度を強度設定値によって規定した照射パターン(パターン11〜パターン14)と、可視光の発光強度の周波数成分のうちの主要周波数と、から構成される。
また、変動パターン情報には、可視光を照射する照明装置を示す照明装置名が、対応付けられている。
よって、発光制御部111は、パターン11で示される強度設定値に従って発光強度が変化するよう第1の照明装置200を制御し、パターン12で示される強度設定値に従って発光強度が変化するよう第2の照明装置210を制御する。また、発光制御部111は、パターン13で示される強度設定値に従って発光強度が変化するよう第3の照明装置220を制御し、パターン14で示される強度設定値に従って発光強度が変化するよう第4の照明装置230を制御する。
なお、発光制御部111は、実施の形態1の制御装置100と異なり、各照明装置200〜230の発光強度を、全て、同一の期間内に変化させる。具体的には、例えば、発光制御部111は、各照明装置200〜230の発光強度を、全て、例えば、午前6時からの経過時間が25000秒〜27999秒の間に、変化させる。
パターン11〜パターン14は、図13(a)〜図13(d)に示すように、強度設定値と時間とが対応付けられている。
図13(a)に示すパターン11は、所定の周波数帯域(本実施の形態では、0.005Hzから0.06Hz)に含まれる0.05Hzの逆数を周期とする正弦波を3段階で離散化した方形波状に、第1の照明装置200の発光強度が変化するよう、強度設定値が規定されている。これにより、パターン11に従って変化した照度を周波数変換(周波数分解)すると、照度は、0.05Hzを主要周波数成分として、0.05Hz付近の周波数成分を示す。
図13(b)に示すパターン12は、所定の周波数帯域に含まれる0.025Hzの逆数を周期とする正弦波を3段階で離散化した方形波状に、第2の照明装置210の発光強度が変化するよう、強度設定値が規定されている。これにより、パターン12に従って変化した照度を周波数変換すると、照度は、0.025Hzを主要周波数成分として、0.025Hz付近の周波数成分を示す。
図13(c)に示すパターン13は、所定の周波数帯域に含まれる0.017Hzの逆数を周期とする正弦波を3段階で離散化した方形波状に、第3の照明装置220の発光強度が変化するよう、強度設定値が規定されている。これにより、パターン13に従って変化した照度を周波数変換すると、照度は、0.017Hzを主要周波数成分として、0.017Hz付近の周波数成分を示す。
図13(d)に示すパターン14は、所定の周波数帯域に含まれる0.01Hzの逆数を周期とする正弦波を3段階で離散化した方形波状に、第4の照明装置230の発光強度が変化するよう、強度設定値が規定されている。これにより、パターン14に従って変化した照度を周波数変換すると、照度は、0.01Hzを主要周波数成分として、0.01Hz付近の周波数成分を示す。
このパターン11〜パターン14に従って、発光制御部111は、照明装置の強度設定値を、所定の期間内(例えば午前6時からの経過時間が25000秒から27999秒までの間)、繰り返し変化させて、各照明装置200〜230の照度を制御する。
よって、発光制御部111は、照明装置200〜230それぞれの発光強度を周波数分解したときの主要周波数成分のそれぞれが別々の周波数を示すよう、照明装置200〜230それぞれの発光強度を変化させる。
上述したパターン11〜パターン14に従って各照明装置200〜230の発光強度を変化させた場合に、計測装置300で測定され、計測装置300から送信される測定値は、例えば、図14に示すように、外光による照度(図5参照)と各照明装置200〜230から照射された可視光の照度とが重畳された変化を示す。
なお、図14では、経過時間が25000秒から27999秒まで、各照明装置200〜230の発光強度を変化させた場合を示している。
よって、計測装置300から送信された測定値は、経過時間が25000秒から27999秒までの間、各照明装置200〜230から照射された各可視光の照度と、外光の照度との和の照度を示す。なお、計測装置300から送信された測定値は、計測値記憶部122に記憶される。
計測値記憶部122に記憶された計測値(照度の変化、図14参照)から、特定部113は、各主要周波数に適合する計測値(照度の変化)を、主要周波数毎に特定する。そして、特定部113は、特定した計測値と各主要周波数とを対応付ける。
具体的には、特定部113は、次のようにして、特定した計測値と各主要周波数とを対応付ける。即ち、特定部113は、計測値記憶部122に記憶された計測値を中心周波数0.05HzのBPF(Band Pass Filter)に通し、計測値記憶部122に記憶された計測値から、主要周波数0.05Hzに適合する計測値を、特定し、主要周波数0.05Hzに対応付ける。
同様に、特定部113は、計測値記憶部122に記憶された計測値を中心周波数0.025HzのBPFに通し、計測値記憶部122に記憶された計測値から、主要周波数0.025Hzに適合する計測値を、特定し、主要周波数0.025Hzに対応付ける。
また、特定部113は、計測値記憶部122に記憶された計測値を中心周波数0.017HzのBPFに通し、計測値記憶部122に記憶された計測値から、主要周波数0.017Hzに適合する計測値を、特定し、主要周波数0.017Hzに対応付ける。
更に、特定部113は、計測値記憶部122に記憶された計測値を中心周波数0.01HzのBPFに通し、計測値記憶部122に記憶された計測値から、主要周波数0.01Hzに適合する計測値を、特定し、主要周波数0.01Hzに対応付ける。
上述のようにして、特定部113により特定された、主要周波数0.05Hzに適合する計測値は、図15(a)に示すように、平均約18ルクス程度の振幅を示す。また、特定部113により特定された、主要周波数0.025Hzに適合する計測値は、図15(b)に示すように、平均約27ルクス程度の振幅を示す。また、特定部113により特定された、主要周波数0.017Hzに適合する計測値は、図15(c)に示すように、平均約22ルクス程度の振幅を示す。そして、特定部113により特定された、主要周波数0.01Hzに適合する計測値は、図15(d)に示すように、平均約14ルクス程度の振幅を示す。
生成部114は、特定部113により特定された主要周波数毎の計測値(照度の変化)を、周波数分解して、所定の周波数帯(本実施の形態では、0.005Hzから0.06Hz)の周波数成分を特定し、特定した周波数成分の大きさ(振幅)を示す照度情報を、主要周波数毎に生成する。そして、生成部114は、生成した照度情報を、主要周波数に対応して発光強度を変化させた照明装置を示す照明装置名と対応付ける。
具体的には、生成部114は、特定部113により特定された、主要周波数0.05Hzに適合する計測値から、振幅の平均値を求め、求めた振幅の平均値(約18ルクス)を、照明装置200を表す装置名に対応付ける。同様に、生成部114は、特定部113により特定された、主要周波数0.025Hzに適合する計測値から、振幅の平均値を求め、求めた振幅の平均値(約27ルクス)を、照明装置210を表す装置名に対応付ける。
また、生成部114は、特定部113により特定された、主要周波数0.017Hzに適合する計測値から、振幅の平均値を求め、求めた振幅の平均値(約22ルクス)を、照明装置220を表す装置名に対応付ける。同様に、生成部114は、特定部113により特定された、主要周波数0.01Hzに適合する計測値から、振幅の平均値を求め、求めた振幅の平均値(約14ルクス)を、照明装置230を表す装置名に対応付ける。
位置推定部115は、照明装置200〜230の各々を表す照明装置名に対応付けられた振幅の平均値に基づく大小関係から、照明装置に対する計測装置300の位置を求める(推定する)。
具体的には、位置推定部115は、振幅の平均値に基づく大小関係を求めるために、まず、各照明装置名に対応付けられた振幅の平均値に、補正値を掛ける。
具体的には、位置推定部115は、照明装置200を表す装置名に対応付けられた振幅の平均値に1.6を掛け、照明装置210を表す装置名に対応付けられた振幅の平均値に1.0を掛け、照明装置220を表す装置名に対応付けられた振幅の平均値に1.6を掛けて、照明装置230を表す装置名に対応付けられた振幅の平均値に4.0を掛けることで、振幅の平均値の補正を行う。
その結果、補正された振幅の平均値の大小関係が、例えば、照明装置210を表す装置名に対応付けられた補正後の振幅の平均値>照明装置220を表す装置名に対応付けられた補正後の振幅の平均値>照明装置200を表す装置名に対応付けられた補正後の振幅の平均値>照明装置230を表す装置名に対応付けられた補正後の振幅の平均値の関係を示す場合、位置推定部115は、振幅の平均値に基づく大小関係から、次のように、計測装置300の位置を推定する。即ち、位置推定部115は、計測装置300が、照明装置210の付近に位置し、更に、照明装置210と照明装置200との間ではなく、照明装置210と照明装置220との間に位置すると推定する。そして、位置推定部115は、推定した計測装置300の位置を、表示部150に表示する。
上述した通り、実施の形態2の制御装置100は、特定された時間帯毎の計測値(の変動)を、周波数分解して、所定の周波数帯域(本実施の形態では、0.005Hzから0.06Hz)の周波数成分を特定し、特定した周波数成分の大きさ(振幅の平均値)を示す照度情報を、主要周波数毎に生成する。そして、制御装置100は、照度情報で示される照度(振幅の平均値)に基づく大小関係から、照明装置に対する計測装置300の位置を求める。つまり、制御装置100は、所定の周波数帯域外の周波数を示す外乱光の影響(例えば、外光や室内を人間が移動することによる照度のゆらぎ)を取り除いた照度によって、計測装置300の位置を求める。従って、制御装置100は、外乱光の影響を取り除かない照度から計測装置300の位置を求める装置と比較して、求めた計測装置300の位置が高い精度を示す。
また、実施の形態2の制御装置100は、各照明装置200〜230の発光強度を、全て、同一の期間内に変化させる。よって、実施の形態2の制御装置100は、実施の形態1の制御装置100と比較して、各照明装置200〜230の発光強度の変化開始から終了までに費やされる期間を、短期間に留めることができる。従って、実施の形態2の制御装置100は、実施の形態1の制御装置100と比較して、計測装置300の位置を求める処理の開始までの期間も、短期間に留めることが可能である。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、この発明は上記の実施の形態に限定されず、種々の変形および応用が可能である。
上述した実施の形態1および実施の形態2の制御装置100は、所定の周波数帯域を、それぞれ、0.005Hz〜0.02Hzおよび0.005Hzおよび0.06Hzにしたが、これに限られるものではない。即ち、所定の周波数帯域は、外光の照度の変化を周波数変換した場合に示される0.003Hz以下の周波数や室内を人間が移動することによる照度のゆらぎによる周波数を含まない周波数帯であればよい。従って、各実施の形態の制御装置100は、所定の周波数帯域を、0.003Hzを越える任意の周波数帯域(例えば、0.004Hz〜1.0Hzや、0.008Hz〜0.5Hz等)にしてもよい。
また、上述した各実施の形態の照明システム10の制御装置100は、1台の計測装置300で構成されたが、これに限られるものではない。即ち、照明システム10を構成する計測装置300は、複数でもよい。この構成の場合、各計測装置300は、各計測装置300の装置名を示す情報等(各計測装置300を識別可能な情報)を、計測値に対応付けて、制御装置100に送信する。そして、制御装置100は、各計測装置300の装置名等に対応付けられた各計測値から、各計測装置300の位置を求めればよい。
また、上述した各実施の形態の制御装置100は、それぞれ、波形のピーク値に基づく大小関係、或いは、振幅の平均値に基づく大小関係から、各照明装置200〜230に対する計測装置300の位置を求めたが、これに限られるものではない。即ち、各実施の形態の制御装置100は、各照明装置200〜230の配置の位置(座標)を用いて、各照明装置200〜230に対する計測装置300の位置ではなく、計測装置300の位置する座標を求めてもよい。
この構成の場合、各実施の形態の制御装置100は、記憶部120に、予め明らかになっている各照明装置200〜230の配置の位置を記憶させる。具体的には、各実施の形態の制御装置100は、記憶部120に、各照明装置200〜230のそれぞれの配置の位置を、x座標およびy座標で示した座標情報を記憶させる。ここで、x座標は、各照明装置200〜230が一列に並ぶ方向を示し(図1参照)、y座標は、図1の紙面奥から紙面手前の方向を示している。
そして、各実施の形態の制御装置100(位置推定部115)は、例えば、照明装置210を表す装置名に対応付けられた補正後のピーク値(或いは、補正後の振幅の平均値。補正が不要な場合は、補正されたピーク値ではなく、単に、ピーク値)>照明装置220を表す装置名に対応付けられた補正後のピーク値(或いは、補正後の振幅の平均値。補正が不要な場合は、補正されたピーク値ではなく、単に、ピーク値)>照明装置200を表す装置名に対応付けられた補正後のピーク値(或いは、補正後の振幅の平均値。補正が不要な場合は、補正されたピーク値ではなく、単に、ピーク値)>照明装置230を表す装置名に対応付けられた補正後のピーク値(或いは、補正後の振幅の平均値。補正が不要な場合は、補正されたピーク値ではなく、単に、ピーク値)の関係を示す場合、次のようにして、計測装置300の位置する座標を求める。
即ち、各実施の形態の制御装置100(位置推定部115)は、計測装置300が、照明装置210の付近に位置することから、照明装置210の座標を、記憶部120から読み出す。その後、各実施の形態の制御装置100(位置推定部115)は、読み出した照明装置210の座標を、表示部150に表示すると共に、表示した座標付近に、計測装置300が位置することを示すメッセージを、表示部150に表示する。このように、各実施の形態の制御装置100は、各照明装置200〜230の配置の位置(座標)を用いて、計測装置300の位置を座標で求めてもよい。
また、各実施の形態の制御装置100の記憶部120に、窓400の配置の位置(座標)が記憶されている場合、各実施の形態の制御装置100を次のように利用することができる。即ち、計測装置300から送信された計測値が飽和を示している場合(計測装置300が窓400に近いために照度が大き過ぎる場合)、制御装置100は、計測装置300が、窓400の付近に位置することから、窓400の座標を、記憶部120から読み出す。その後、各実施の形態の制御装置100(位置推定部115)は、読み出した窓400の座標を、表示部150に表示すると共に、表示した座標付近に、計測装置300が位置することを示すメッセージを、表示部150に表示してもよい。この場合、制御装置100は、計測値が飽和を示しているので、各照明装置200〜230に対する計測装置300の位置を求めることはできないが、計測装置300が窓400の付近に位置することを示すことができる。
また、上述した各実施の形態の制御装置100は、所定の周波数帯域に含まれる主要周波数の逆数を周期とする正弦波を3段階で離散化した方形波状に、各照明装置200〜230それぞれの発光強度が変化するよう、各照明装置200〜230を制御したが、これに限られるものではない。即ち、各実施の形態の制御装置100は、主要周波数の逆数を周期とする正弦波を、例えば、2段階や5段階で離散化した方形波状に、各照明装置200〜230それぞれの発光強度が変化するよう、各照明装置200〜230を制御してもよい。なお、正弦波の離散化が2段階で行われた場合、各実施の形態の制御装置100は、各照明装置200〜230からの可視光の照射(オン)および照射停止(オフ)を切り換えることで、各照明装置200〜230を制御する。
その他にも、各実施の形態の制御装置100は、外光による照度を周波数分解した場合に示される0.003Hzの周波数を超える周波数の逆数を周期とする正弦波を離散化した方形波状に、各照明装置200〜230それぞれの発光強度が変化するよう、各照明装置200〜230を制御してもよい。即ち、各実施の形態の制御装置100は、例えば、所定の周波数帯域に含まれる周波数(例えば、0.004Hzや0.1Hz)の正弦波を3段階で離散化した方形波状に、各照明装置200〜230それぞれの発光強度が変化するよう、各照明装置200〜230を制御してもよい。
また、上述した各実施の形態の制御装置100は、発光強度が方形波状に変化するよう、各照明装置200〜230を制御したが、これに限られるものではない。即ち、各実施の形態の制御装置100は、例えば、所定の周波数帯域に含まれる主要周波数の逆数を周期とする矩形波状や三角波状に、発光強度が変化するよう、各照明装置200〜230を制御してもよい。
また、上述した各実施の形態の照明システム10を、例えば、温度センサを備えた計測装置300を用い、求められた位置で計測装置300が計測した温度が目標の温度になるよう、温度調整を行う空調機を制御するシステムに応用してもよい。
また、上述した各実施の形態の照明システム10は、照明装置を4個使用したものであったが、これに限られるものではない。即ち、照明システム10は、例えば、照明装置を、2個や、6個使用してもよい(配置してもよい)。
また、上述した実施の形態1の制御装置100は、1つの照明装置の発光強度を変化させている場合、他の照明装置からの照射を停止したが(図4参照)、これに限られるものではない。即ち、実施の形態1の制御装置100は、他の照明装置からの照射を必ずしも停止する必要はない。つまり、所定の周波数帯域外になる照度の変化であれば、照度の測定値から取り除くことができるので、例えば、他の照明装置から照射されている可視光をユーザの操作に対応して消灯させる、或いは、他の照明装置から一定の照度で可視光を照射させてもよい。
また、上述した実施の形態2の制御装置100は、各照明装置200〜230の発光強度を、全て、同一の期間内に変化させたが、これに限られるものではない。即ち、実施の形態2の制御装置100は、主要周波数を別々の周波数にした上で、実施の形態1の制御装置100と同様、別々の時間帯に、各照明装置200〜230の発光強度を変化させてもよい。
なお、上述の実施の形態において、制御装置100を制御するプログラムは、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read−Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)、MO(Magneto−Optical Disc)等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、そのプログラムを、コンピュータ等にインストールすることにより、図11に示す処理を実行する制御装置を構成することとしてもよい。
また、上述のプログラムをインターネット等の通信ネットワーク上の所定のサーバ装置が有するディスク装置等に格納しておき、例えば、搬送波に重畳させて、ダウンロード等するようにしてもよい。
また、上述の図11に示す処理を、各OS(Operating System)が分担して実現する場合、又は、OSとアプリケーションとの協働により実現する場合等には、OS以外の部分のみを媒体に格納して配布してもよく、また、ダウンロード等してもよい。
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。すなわち、本発明の範囲は、上述した実施形態ではなく、請求の範囲によって示される。そして、請求の範囲内およびそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、本発明の範囲内とみなされる。