JP5535051B2 - 動力工具 - Google Patents

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Description

本発明は、先端工具の駆動時に工具本体ないしグリップ部に生ずる振れ回り振動を低減することができる手持式の動力工具に関する。
特開2007−237357号公報(特許文献1)は、工具本体としてのハウジングからグリップ部への振動伝達を減衰する防振構造を有する電動ディスクグラインダ等の手持式動力工具を開示している。公報に記載の防振構造は、ハウジングの軸方向端部に球面構造を介してグリップ部を連接するとともに、ハウジングとグリップ部の間に弾性部材を介在し、これによってハウジングに発生する振動のグリップ部への伝達を減衰している。
先端工具としての砥石を回転動作させて研削・研磨作業を行う電動ディスクグラインダの場合、当該電動ディスクグラインダに備えられた回転体(砥石、モータ等)が回転駆動されたとき、当該回転体が回転軸に関しアンバランスな状態(質量中心と回転中心がずれた状態)にあると、当該回転体は、その回転軸が当該回転軸と直交する方向(径方向)に振れた状態での回転運動、すなわち振れ回り運動を行うことになる。すると、回転体の振れ回り運動により工具本体ないしグリップ部が、電動ディスクグラインダの重心を支点としてスイング運動(円又は楕円運動)する。すなわち、工具本体ないしグリップ部の長軸線が、電動ディスクグラインダの重心を支点として、当該長軸線と直交する方向に振れた状態でスイング運動し、振れ回り振動を発生する。このような振れ回り振動は、砥石に対する負荷の有無に関係なく常時に発生する。しかるに、弾性部材を用いてグリップ部への振動伝達を減衰する従来の防振構造の場合、上記の振れ回り振動を十分に低減できないという問題があり、この点でなお改良の余地がある。
特開2007−237357号公報(特許文献1)
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、回転体のアンバランスによる振れ回り振動を効果的に低減できるように改良された手持式の動力工具を提供することをその目的とする。
上記課題を達成するため、本発明の好ましい形態によれば、工具本体を有し、当該工具本体に取付けられた先端工具を所定の駆動源で駆動させ、これによって所定の加工作業を行う動力工具が構成される。
本発明は、特徴的構成として、工具本体に連接されるとともに作業者が把持するグリップ部と、先端工具の駆動時に、工具本体ないしグリップ部に生ずる振れ回り振動を抑制するための自己同期機構とを有する。自己同期機構は、位相可変式であって、先端工具の駆動源とは別の駆動源で回転駆動される振動子としての回転運動体を有している。そして自己同期機構は、振れ回り振動が生ずる工具本体ないしグリップ部に設けられるとともに、回転運動体の振動の位相が、工具本体ないしグリップ部の振れ回り振動の位相に自動的に同調し、これによって当該振れ回り振動を低減するように設定されている。
本発明における「動力工具」は、典型的には先端工具が回転駆動されることで被加工材に加工作業を遂行する、電動ディスクグラインダ、刈り払い機等の手持式の回転工具がこれに該当するが、例えば先端工具をモータによって駆動する構成の場合であれば、当該モータの回転駆動によって工具本体ないしグリップ部に振れ回り振動が生ずる作業工具を好適に包含する。ここで、「工具本体ないしグリップ部に生ずる振れ回り振動」とは、動力工具に備えられた回転体が、当該回転体の質量中心(重心)が当該回転体の回転軸からずれた状態で回転することにより、当該回転体が回転軸と直交する方向(径方向)に振れて回転することに起因し、工具本体ないしグリップ部が、動力工具の重心を支点としてスイング運動(円又は楕円運動)することで発生する振動であり、工具本体ないしグリップ部の長軸線が当該長軸線と直交する方向に振れた状態で回転することによる振動である。動力工具に備えられた回転体は、通常複数存在する。従って、自己同期機構の回転運動体の回転数は、動力工具の回転体のうち振れ回り振動を引き起こす原因となっている1つあるいは複数の回転体の回転数に一致するように設定することが好ましい。
本発明によれば、動力工具の先端工具が駆動され、工具本体ないしグリップ部に振れ回り振動が生じた場合、先端工具とは別に回転駆動される自己同期機構の回転運動体の振動の位相が、工具本体ないしグリップ部の振れ回り振動の位相に自動的に同調する。これにより工具本体ないしグリップ部に発生する振れ回り振動を低減することが可能となる。
ここで「回転運動体の振動の位相が、工具本体ないしグリップ部の振れ回り振動の位相に自動的に同調する」とは、制振対象としての振動体(工具本体ないしグリップ部)に対し、それとは異なる位相可変式の振動体(回転運動体)を設定し、当該位相可変式振動体の振動の振幅および周波数を制振対象振動体の振動の振幅および周波数に合わせた場合、駆動後において時間経時とともに位相可変式振動体の振動の位相が、制振対象振動体の振動の位相と逆位相に自動的に調整されること(現象)をいう。但し、振幅については、その大きさを完全に一致させることを条件とするものではなく、少なくとも振幅の一部が相殺されるように設定すれば足りる。
本発明の更なる形態によれば、回転運動体の回転軸が工具本体ないしグリップ部に生ずる振れ回り振動の運動平面に対して直交または交差するように設定されている。このような設定とすることで、振れ回り振動の位相に対する回転運動体の位相の同調を効率よく行わせることができる。
本発明の更なる形態によれば、先端工具が回転駆動される構成とされ、当該先端工具の回転軸と回転運動体の回転軸は互いに交差している。このため、動力工具が、長尺状に形成される工具本体の長軸方向の先端領域に、先端工具としての砥石が当該工具本体の長軸方向と交差する方向の回転軸回りに回転するように取付けられる電動ディスクグラインダの場合であれば、回転運動体を工具本体側の長軸方向上に配置することが可能なため、当該回転運動体の配置スペースが確保し易い。
本発明の更なる形態によれば、回転運動体は、動力工具の重心を挟んで先端工具の反対側に設定されている。工具本体ないしグリップ部に生ずる振れ回り振動は、動力工具の重心を支点とする運動であり、従って、回転運動体を動力工具の重心を挟んで先端工具の反対側に設定することにより、工具本体ないしグリップ部に生ずる振れ回り振動を効率的に低減できる。
本発明の更なる形態によれば、回転運動体は、回転軸から偏心した位置に置かれるウェイトによって構成されている。本発明によれば、ウェイトの質量ないし回転軸からの偏心距離を調整することによって、位相可変式振動体の振動の振幅につき、制振対象振動体の振動の振幅に容易に対応させることができる。
本発明の更なる形態によれば、先端工具を駆動する駆動源としてのメインモータ、および回転運動体を回転駆動する駆動源としてのサブモータを有する。そしてメインモータの駆動電源がサブモータの駆動電源を兼用する構成とした。ここで「駆動電源」としては、交流電源あるいは直流電源のいずれも用いることが可能である。
本発明によれば、グリップ部の振れ回り振動を効果的に低減できるように改良された手持式の動力工具が提供されることとなった。
本発明の実施形態に係る電動ディスクグラインダの構成を示す断面図である。 電動ディスクグラインダの外観を示す平面図である。 同じく電動ディスクグラインダの外観を示す側面図である。 図1の一部を拡大して示す拡大断面図である。
以下、本発明の実施形態につき、図1〜図4を参照しつつ詳細に説明する。本実施の形態は、手持式の動力工具の一例として電動ディスクグラインダを用いて説明する。電動ディスクグラインダ101(以下、ディスクグラインダという)は、概括的に見て、ディスクグラインダ101の外郭を形成する本体部103と、本体部103の先端領域に配置される砥石113(図3参照)とを主体として構成される。本体部103は、モータハウジング105およびギアハウジング107を主体として構成される。本体部103は、本発明における「工具本体」に対応し、砥石113は、本発明における「先端工具」に対応する。なお、説明の便宜上、本体部103の長軸方向につき、砥石113側を前、その反対側を後という。
図1にはディスクグラインダ101の内部構造が示される。図1に示すように、モータハウジング105は概ね円筒形状に形成され、当該モータハウジング105の内部空間には駆動モータ111が収容されている。駆動モータ111は、本発明における「先端工具を駆動する駆動源」および「メインモータ」に対応する。駆動モータ111は、その回転軸線方向がディスクグラインダ101の長軸方向、すなわち本体部103の長軸方向と並行に配置されている。
モータハウジング105の前端部(図1の左端)に連接されるギアハウジング107内には、駆動モータ111の回転出力を砥石113に伝達する動力伝達機構(図1に構成部材の一部としての駆動ギア115と、最終出力軸としてのスピンドル117が示される。)が収容されている。砥石113は、本発明における「先端工具」に対応する。駆動モータ111の回転出力は、動力伝達機構115,117を介して砥石113に周方向の回転運動として伝達される。スピンドル117は、本体部103の長軸方向の一端側(前側)において、その回転軸線が本体部103の長軸方向(駆動モータ111の回転軸線)に対して直交する上下方向に延在されるとともに、図3に示すように、延在方向(軸方向)の一端がギアハウジング107から外部に所定長さで突出され、突出端部が砥石113を取付けるための砥石取付部117aとして設定される。砥石113は、スピンドル117の砥石取付部117aに着脱自在に取付けられ、スピンドル117と一体に回転される。
モータハウジング105の後端(図示右端)には、ディスクグラインダ101を操作して加工作業を行う際、作業者が握るためのグリップ部109が一体状に連接されている。グリップ部109は、図2に示すように、軸方向に沿って2分割されるとともに、当該分割された左右のグリップ分割体の先端側をモータハウジング105の後端部に外側から被せた状態で当該左右のグリップ分割体を互いにネジ(便宜上図示を省略する)によって締結することでモータハウジング105と一体化されている。なお、グリップ部109は、モータハウジング105の後端部に被さる先端領域以外の領域がモータハウジング105よりも細い略筒状に形成されている。また、グリップ部109は、その長軸方向が本体部103の長軸方向となるように設けられる。すなわち、グリップ部109は、本体部103の長軸方向と同方向に概ね直線状に延在されている。なお、便宜上図示を省略するが、ディスクグラインダ101は、グリップ部109のほかに、ギアハウジング107の側面あるいは上面に着脱自在とされた補助グリップを有する。補助グリップは、その長軸方向が本体部103の長軸方向に概ね直交するように装着される。作業者はグリップ部109および補助グリップを手で握り、砥石113を回転駆動して被加工材の研削作業あるいは切断作業等の加工作業を行うことができる。
ディスクグラインダ101による加工作業時において、ディスクグラインダ101の駆動モータ111、砥石113および駆動モータ111の回転出力を砥石113に伝達する動力伝達機構115,117等(以下、ディスクグラインダ101の回転体という)が回転駆動されるとき、当該回転体の質量中心が回転軸からずれた状態(回転対称につきアンバランス)にあると、当該回転体の回転軸が当該回転軸と直交する方向に振れた状態でスイング運動を行う。つまり、ディスクグラインダ101の回転体が振れ回り振動を発生することになり、この振れ回り振動は、砥石113の負荷の有無に関わらず、駆動モータ111を駆動し、砥石113を回転させた時点で発生する。本実施の形態の場合、この振れ回り振動は、主として出力側のスピンドル117に装着される砥石113のアンバランスが起因して発生する。そして、本体部103ないしグリップ部109は、図2および図3に示すように、回転体の振れ回り振動によってディスクグラインダ101の重心Gを支点とするスイング運動を行う。つまり、本体部103ないしグリップ部109は、本体部103の長軸線Lと直交する方向(径方向)に振れてスイングする。更に言えば、本体部103ないしグリップ部109には、ディスクグラインダ101の重心Gを支点として、当該重心Gを通って延在する本体部103の長軸線Lと直交する平面(図1の紙面に直交するX軸と紙面の上下方向のY軸とによって規定されるX−Y平面)に沿って振れた状態でのスイング運動、すなわち振れ回り振動を生ずる。
そこで、本実施の形態においては、ディスクグラインダ101の回転体のアンバランスによって本体部103ないしグリップ部109に発生する本体側振れ回り振動を低減するべく、本体部103には、図1に示すように、振動低減手段としての自己同期防振機構121が搭載されている。自己同期防振機構121は、本発明における「自己同期機構」に対応する。
自己同期防振振機構121は、図1の一部を拡大した図4に示すように、振動発生駆動源としてのサブモータ123と、当該サブモータ123によって回転駆動される振動子としての偏心ウェイト125とを主体として構成される。偏心ウェイト125は、本発明における「回転運動体」に対応する。偏心ウェイト125は、サブモータ123の出力軸123a上に固定状に設けられるとともに、当該出力軸123aの回転軸線から当該回転軸線と交差する方向に所定量だけ離間(偏心)した位置に当該偏心ウェイト125の重心が置かれるように設定されたアンバランス部材として備えられる。
自己同期防振機構121は、モータハウジング105における駆動モータ111の後方領域において、サブモータ123の回転軸線、従って偏心ウェイト125の回転軸線が、ディスクグラインダ101に発生する振れ回り振動の運動平面(X−Y平面)に対して直交するように配置されている。すなわち、サブモータ123の回転軸線が、ディスクグラインダ101の重心Gを通って前後方向に延在する本体部103の長軸線Lに対して同軸上に配置されている。また、サブモータ123の回転方向、従って偏心ウェイト125の回転方向は、ディスクグラインダ101に発生する振れ回り振動の回転方向と同じ向きに設定される。
上記のように構成される自己同期防振機構121は、サブモータ123によって偏心ウェイト125が回転駆動されることで、当該偏心ウェイト125の回転軸線と直交する平面に沿った振れ回り振動を発生する。以下の説明では、自己同期防振機構121が発生する振れ回り振動を、ウェイト側振れ回り振動という。自己同期防振機構121は、本体側振れ回り振動に対してウェイト側振れ回り振動の相対的な位相を可変とする位相可変式の振動発生装置(振動源)を構成するものであり、ウェイト側振れ回り振動の振幅および周波数を、本体側振れ回り振動の振幅および周波数に合せるように調整される。なお、本実施の形態では、偏心ウェイト125の回転数を、本体側振れ回り振動の発生原因となっているスピンドル117と共に回転する砥石113の回転数と一致させている。要するに、本体側に振れ回り振動を発生させる回転体の回転数と一致するように設定される。また、ウェイト側振れ回り振動の振幅については、偏心ウェイト125の質量および回転軸線からの偏心距離を変えることで調整される。
なお、本実施の形態では、駆動モータ111は、交流モータであり、サブモータ123は、直流モータである。従って、駆動モータ111は、外部からコードを経て供給される交流電源で駆動され、サブモータ123は、交流を直流に変換するコンバータを経て供給される直流電源で駆動される。そして、グリップ部109に設置されたトリガ109aが引き操作されることで通電駆動されるよう構成される。
本実施形態のディスクグラインダ101は、上記のように構成されている。ディスクグラインダ101によって加工作業を行なうべくトリガ109aを引き操作した場合、駆動モータ111およびサブモータ123がそれぞれ通電駆動される。駆動モータ111の駆動により動力伝達機構115,117を経て砥石113が回転駆動され、それに伴い本体部103ないしグリップ部109に本体側振れ回り振動が発生する。一方、サブモータ123の駆動により偏心ウェイト125が回転駆動されることで自己同期防振機構121がウェイト側振れ回り振動を発生する。ウェイト側振れ回り振動の振幅および周波数を、本体側振れ回り振動の振幅および周波数に合せてあるため、駆動後において時間径時とともに当該ウェイト側振れ回り振動の位相(偏心ウェイト125の位相)が、制振対象としての本体側振れ回り振動の位相に対して逆位相に自動的に調整される。すなわち、自己同期防振機構121によって発生させた振れ回り振動は、ディスクグラインダ101に発生する振れ回り振動を増幅させることなく低減させるように逆位相で同調する。これにより本体部103ないしグリップ部109の振れ回り振動を低減することができる。
このように、本実施の形態によれば、ディスクグラインダ101の回転体とは別途にアンバランスを持った偏心ウェイト125を設定し、ディスクグラインダ101の本体部103に発生する振れ回り振動に対して、偏心ウェイト125の回転により発生する振れ回り振動を作用させることで、ディスクグラインダ101の振れ回り振動を低減させる構成としている。従って、偏心ウェイト125の振れ回り振動の振幅および周波数を、制振対象としての本体側振れ回り振動の振幅および周波数に合せることで、広範囲の振幅および周波数に応じた振動を低減することが可能となる。この場合、振幅については、その大きさが完全に一致することを条件にするものではなく、例えば偏心ウェイト125の振れ回り振動の振幅が本体側振れ回り振動の振幅よりも小さい場合であっても、本体側振れ回り振動の振幅の一部については相殺(低減)することが可能となる。
また、本実施の形態によれば、本体部103に対してグリップ部109を一体成形あるいはネジ等の止着手段で接合することが可能なことから、グリップ部109の本体部103に対する取付剛性を高めることができる。特許文献1に開示された弾性部材による防振構造の場合であれば、グリップ部109が本体部103に対して弾性部材を介して相対的に変形する構成であるため、加工作業時において、使用感(操作性)が悪いものとなる。しかるに、本実施形態によれば、上記のように、グリップ部109の取付剛性を高くできることで、加工作業時におけるグリップ部109の操作性を向上できる。
また、本実施の形態では、偏心ウェイト125の回転軸線が本体側振れ回り振動の運動平面(X−Y平面)に対して直交するように設定している。このため、本体側振れ回り振動の位相に対するウェイト側振れ回り振動の位相の同調を効率よく行わせ、防振効果を向上することが可能となるが、直交に限らず交差する形態であれば、防振効果を得ることができる。
本実施の形態では、自己同期防振機構121は、本体部103のうちディスクグラインダ101の重心Gを挟んで砥石113の反対側であるモータハウジング105内に設置する構成である。このため、自己同期防振機構121の配置スペースが確保し易いとともに、本体側振れ回り振動を効率よく低減できる。
また、本実施の形態では、偏心ウェイト125の質量ないし回転軸線からの偏心距離を調整することによって、ウェイト側振れ回り振動の振幅を、制振対象として本体側振れ回り振動の振幅に容易に対応させることができる。
また、本実施の形態では、砥石113を駆動する駆動モータ111とサブモータ123を共通の駆動電源で駆動する構成としたので、駆動回路を合理的に構築することが可能となる。この場合、本実施の形態では、交流電源を用いるとして説明したが、直流電源(充電式バッテリ)を用いてもよい。
なお、本実施の形態は、動力工具の一例としてディスクグラインダ101に適用した場合で説明したが、これに限らず、例えば刈り払い機等のように、先端工具の回転駆動時に回転体のアンバランスによって工具本体ないしグリップ部に振れ回り振動が生ずるような動力工具であれば、適用可能である。
また、自己同期防振機構121の駆動源は、電気モータに限らず、エアモータ、エンジンを用いてもよい。
上記発明の趣旨に鑑み、下記のごとき態様が構成可能である。
(態様1)
「請求項1〜6のいずれかに記載の動力工具であって、
前記動力工具は、前記先端工具が、回転駆動されることで被加工材に研削・研磨加工を行う砥石によって構成されている電動ディスクグラインダであることを特徴とする動力工具。」
(態様2)
「態様1に記載の動力工具であって、
前記先端工具を駆動する駆動源としてのメインモータ、および前記回転運動体を回転駆動する駆動源としてのサブモータを有し、前記メインモータとサブモータは、互いに近接して配置されていることを特徴とする動力工具。」
101 電動ディスクグラインダ(動力工具)
103 本体部(工具本体)
105 モータハウジング
107 ギアハウジング
109 グリップ部
109a トリガ
111 駆動モータ(駆動源、メインモータ)
113 砥石(先端工具)
115 駆動ギア
117 スピンドル
121 自己同期防振機構(自己同期機構)
123 サブモータ(回転運動体の駆動源)
123a 出力軸
125 偏心ウェイト(回転運動体)

Claims (6)

  1. 工具本体を有し、当該工具本体に取付けられた先端工具を所定の駆動源で駆動させ、これによって所定の加工作業を行う動力工具であって、
    前記工具本体に連接されるとともに作業者が把持するグリップ部と、
    前記先端工具の駆動時に、前記工具本体ないし前記グリップ部に生ずる振れ回り振動を抑制するための自己同期機構と、を有し、
    前記自己同期機構は、
    位相可変式であって、前記先端工具の駆動源とは別の駆動源で回転駆動される振動子としての回転運動体を有しており、前記振れ回り振動が生ずる前記工具本体ないし前記グリップ部に設けられるとともに、前記回転運動体の位相が、前記振れ回り振動の位相に自動的に同調し、これによって当該振れ回り振動を抑制するように設定されていることを特徴とする動力工具。
  2. 請求項1に記載の動力工具であって、
    前記回転運動体の回転軸が前記振れ回り振動の運動平面に対して直交または交差するように設定されていることを特徴とする動力工具。
  3. 請求項1または2に記載の動力工具であって、
    前記先端工具が回転駆動される構成とされ、当該先端工具の回転軸と前記回転運動体の回転軸は互いに交差していることを特徴とする動力工具。
  4. 請求項1〜3のいずれか1つに記載の動力工具であって、
    前記回転運動体は、動力工具の重心を挟んで前記先端工具の反対側に設定されていることを特徴とする動力工具。
  5. 請求項1〜4のいずれか1つに記載の動力工具であって、
    前記回転運動体は、回転軸から偏心した位置に置かれるウェイトによって構成されていることを特徴とする動力工具。
  6. 請求項1〜5のいずれか1つに記載の動力工具であって、
    前記先端工具を駆動する駆動源としてのメインモータ、および前記回転運動体を回転駆動する駆動源としてのサブモータを有し、
    前記メインモータの駆動電源が前記サブモータの駆動電源を兼用することを特徴とする動力工具。
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