JP5534400B2 - テトラビシクロベンゾポルフィリン及び半導体材料の製造方法 - Google Patents

テトラビシクロベンゾポルフィリン及び半導体材料の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は半導体材料及び半導体材料の前駆体に関する。
有機化合物の半導体材料を用いる電子デバイスが注目されている。例えば、軽量化及び薄膜化がより容易である化合物半導体系太陽電池が現在注目されている。化合物半導体系太陽電池においては、有機化合物を光電変換素子の構成要素として用いる。その中でも、太陽電池の光電変換素子を作製するのにテトラベンゾポルフィリンを用いる例が、特許文献1に記載されている。
特開2008−135622号公報
しかしながら、より高性能で耐久性の高い電子デバイスを実現するための半導体材料が、さらに求められている。例えば、高い光電変換効率を持つ光電変換素子を実現することが望まれている。さらには、空気中に放置した際の特性の変化が小さい光電変換素子を実現することも望まれている。化合物に対して置換基を導入することは化合物特性を変化させ、この化合物を用いた光電変換素子のような電子デバイスの特性を変化させる1つの方法である。しかしながら、テトラベンゾポルフィリンのような平面分子に対して置換基を導入すると平面性を崩してしまい、半導体特性を失わせることになりかねない。
本発明は、平面性を失わないようにテトラベンゾポルフィリンの特性を変化させ、半導体材料として提供することを目的とする。
本発明の目的は、2か所のメソ位が複素環基で置換された、テトラビシクロベンゾポルフィリンによって達成される。
平面性を失わないようにテトラベンゾポルフィリンの特性を変化させ、半導体材料として提供できる。
本発明に係るビシクロ化合物の吸光スペクトルを示す。 本発明に係る二置換テトラベンゾポルフィリン化合物の吸光スペクトルを示す。 図2のスペクトルの600−750nm付近を拡大した図である。 本発明に係る光電変換素子の一例を示す。 本発明に係るFETの一例を示す。
太陽電池の変換効率を向上させる手法の一つとして、p型半導体のエネルギー準位を調整する、すなわち最高被占(HOMO)準位を低くすることがあげられる。これにより、開放電圧(Voc)が増加することが期待される。さらに、酸化電位が上がり酸化されにくくなる為、このp型半導体材料の空気中での安定性が向上することも期待される。
テトラベンゾポルフィリン(p型半導体材料)のエネルギー準位を調整するのに、メソ位に置換基を導入することが考えられる。メソ位の置換基はポルフィリン骨格の炭素原子に直接結合することから、テトラベンゾポルフィリンの特性を大きく変化させることが期待される。しかしながらメソ位は立体障害の大きい位置であり、すなわちメソ位に導入した置換基はテトラベンゾポルフィリン環と相互作用しやすい。もし4か所のメソ位全部に置換基を導入すると、テトラベンゾポルフィリン環の平面性が阻害され、半導体特性が劣化することが考えられる。半導体特性の劣化を抑制しながらHOMO準位を低くする手法として、4つあるメソ位のうち2か所に置換基を導入することが有効であることを本発明者らは見出し、本発明に至った。4か所のメソ位に置換基を導入するよりも2か所のメソ位のみに置換基を導入する方が、立体的により大きな置換基の導入を可能にできると考えられる。さらに、置換基の導入により光吸収帯が長波長シフトする効果も認められ、より広い波長の光を利用できることを見出した。
[本発明に係る二置換テトラベンゾポルフィリン化合物]
本発明の要旨は、メソ位に有機基が2個置換した以下のテトラベンゾポルフィリン化合物1a又は1b(以下、二置換テトラベンゾポルフィリン化合物と称す)にある。
及びRは、それぞれ独立に有機基を示す。置換基R及びRはそれぞれ異なる置換基であってもよいし、同じ置換基であってもよい。これらの有機基は1価の有機基であればよく、特には限定されない。しかしながら、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を持つアルコキシ基、カルボキシル基、アシル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、ハロゲン基、芳香族炭化水素基、炭素数6〜30のアリール基及び炭素数4〜30の複素環基を含む芳香族基、からなる群から選ばれることが好ましい。
芳香族炭化水素基としては、炭素数6〜20のものが好ましく、これらは単環基に何ら限定されず、縮合多環式炭化水素基、環縮合炭化水素基、であっても良い。具体例としてはフェニル基等の単環基、ビフェニル基、フェナントリル基、ナフチル基、アントリル基、フルオレニル基,ピレニル基,ペリレニル基等の縮合多環式炭化水素基、ビフェニル基、ターフェニル等の環縮合炭化水素基等が挙げられる。芳香族炭化水素基として好ましくは、フェニル基、ナフチル基である。
複素環基としては、炭素数4〜30のものが好ましく、具体例としてはピリジル基、チエニル基、フリル基,オキサゾール基、チアゾール基、オキサジアゾール基、ベンゾチエニル基、ジベンゾフリル基、ジベンゾチエニル基、ピラジル基、ピリミジル基、ピラゾイル基、イミダゾイル基、フェニルカルバゾイル基等が挙げられる。芳香族複素環基として好ましくは、ピリジル基、チエニル基、イミダゾイル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾフリル基、ジベンゾチエニル基、フェナントリル基である。
アルキル基としては、炭素数1〜20のものが好ましく、具体例としてはメチル基,エチル基,i−プロピル基、t−ブチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。アルケニル基としては、炭素数2〜20のものが好ましく、具体例としてはビニル基、スチリル基、ジフェニルビニル基等が挙げられる。アルキニル基としては、炭素数2〜20のものが好ましく、具体例としてはメチルエチニル基、フェニルエチニル基、トリメチルシリルエチニル基等が挙げられる。アルコキシ基としては、炭素数2〜20のものが好ましく、具体例としてはメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、i−ブトキシ基、t−ブトキシ基など直鎖または分岐のアルコキシ基が挙げられる。
芳香族炭化水素基、複素環基、及びアルキル基を含むこれらの置換基は、置換基上に更に置換基を有していても良い。更に有しても良い置換基としては、アリール基、アリールアミノ基、アルキル基、パーフルオロアルキル基、ハロゲン基、カルボキシル基、シアノ基、アルコキシル基、アリールオキシ基、カルボニル基、オキシカルボニル基、複素環基などが挙げられる。好ましくは、フルオロ基を含むハロゲン基、炭素数6〜16のアリール基、炭素数12〜30のアリールアミノ基、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のパーフルオロアルキル基、炭素数1〜10のオキシカルボニル基、シアノ基、炭素数1〜10のアルコキシ基、炭素数6〜16のアリールオキシ基、炭素数2〜16のカルボニル基、炭素数5〜20の芳香族複素環基などが挙げられる。これらの中でも、立体的に小さくかつ電子吸引性によりHOMOを低くすることが考えられるフルオロ基を有することは特に好ましい。
更に有しても良い置換基のうち、炭素数6〜16のアリール基の例としては、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、ピレニル基、ペリレニル基、アントリル基などが挙げられる。炭素数12〜30のアリールアミノ基の例としては、ジフェニルアミノ基、カルバゾイル基、フェニルカルバゾイル基などが挙げられる。炭素数1〜12のアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、ブチル基、t−ブチル基などが挙げられる。炭素数1〜12のパーフルオロアルキル基の例としては、トリフルオロメチル基などが挙げられる。炭素数1〜10のオキシカルボニル基の例としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などが挙げられる。炭素数1〜10のアルコキシ基の例としては、メトキシ基、エトキシ基などが挙げられる。炭素数6〜16のアリールオキシ基の例としては、フェニルオキシ基などが挙げられる。炭素数2〜16のカルボニル基の例としては、アセチル基、フェニルカルボニル基などが挙げられる。炭素数5〜20の芳香族複素環基の例としては、ピリジル基、チエニル基、オキサゾール基、オキサジアゾール基、フリル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾフリル基、ジベンゾチエニル基、ピラジル基、ピリミジル基、ピラゾイル基、イミダゾイル基などが挙げられる。
これらの中でも、メソ位の置換基はアルキル基又は複素環基であることが望ましい。アルキル基は疎水性が強いために、有機半導体の分子間配向を促進すると期待される。本発明の二置換テトラベンゾポルフィリン化合物は比較的大きい置換基を導入することが可能であり、その点からもエチル基又はそれより大きい(炭素数の多い)アルキル基を導入することは有利である。さらに、疎水性の強いアルキル基を導入することで有機溶媒への溶解性を向上することが考えられる。また、メソ位の置換基には、チエニル環、イミダゾール環、ピリジン環のうちの少なくとも1つが含まれていることが望ましい。複素環基、例えば置換されていてもよいチエニル基、置換されていてもよいイミダゾイル基、又は置換されていてもよいピリジル基をメソ位の置換基として導入することが特に望ましい。これらの複素環は有機半導体としてよく利用されるユニットであり、これらの環の相互作用を通して分子間相互作用が大きくなり、半導体特性が改良されることが期待できるものである。また、Mは2個の水素原子または金属を表し、価数に応じて置換基若しくは配位子、または双方を有しても良い。金属としては、例えば亜鉛、マグネシウム、銅、チタン、鉛、バナジウム、鉄、コバルト、ニッケル、ガリウム、アルミニウム、珪素、イリジウム、白金、銀、ランタンなどを用いることができるが、これらには限定されない。配位子としては以下の式に示すものが挙げられるが、これらには限定されない。
本発明の二置換テトラベンゾポルフィリン化合物は2か所のメソ位が置換されたものであればよいが、とりわけポルフィリン環の5位及び15位に置換基が導入されたもの、すなわち上記化合物1aであることが好ましい。
また、上式の二置換テトラベンゾポルフィリン化合物を構成するメソ位以外の各炭素原子が、さらに置換されていてもよい。置換基は何でもよいが、上記の置換基R及びRと同様の置換基を導入することもできる。また、各炭素原子が相互に置換基を通して連結されていてもよい。例えば、ポルフィリン環の1位及び2位に縮環しているベンゼン環に、さらに別のベンゼン環が縮環した構造を持っていてもよい。
さらに、本発明に係る二置換テトラベンゾポルフィリン化合物は、クロロホルム溶媒中での吸収スペクトルにおいて、可視波長領域すなわち350nmから700nmの間での吸収極大波長が430nmよりも長波長であることが望ましく、434nmよりも長波長であることがより望ましく、445nmよりも長波長であることがさらに望ましく、455nmよりも長波長であることが特に望ましい。また、640nmから700nmの間、すなわちQ帯での吸収極大波長が660nmよりも長波長であることが望ましく、665nmよりも長波長であることがより望ましく、670nmよりも長波長であることが特に望ましい。このような吸収特性を有することにより、本発明に係る二置換テトラベンゾポルフィリン化合物を含む光電変換素子はより広い波長の光を利用することができる。さらには、本発明に係る二置換テトラベンゾポルフィリン化合物は平面性を失っていないことが望ましい。この観点から、本発明に係る二置換テトラベンゾポルフィリン化合物の640nmから700nmの間、すなわちQ帯での吸収極大波長における吸光係数εは、4.50以上であることが望ましく、4.60以上であることがさらに望ましい。
[テトラベンゾポルフィリン前駆体としてのテトラビシクロベンゾポルフィリン]
本発明に係る二置換テトラベンゾポルフィリン化合物は、以下の二置換テトラビシクロベンゾポルフィリン化合物を変換することによって得ることが好適である。
(上式において置換基R及びR、並びに金属Mは、上述の化合物1a及び1bについてのR及びR、並びに金属Mと同様のものである。また、メソ位以外の各炭素原子がさらに置換されていてもよいのも同様である。)
本発明に係るテトラベンゾポルフィリン化合物は結晶性が非常に高いため、溶解性が低く精製が困難である。また、溶解性の低さゆえに成形すること、例えば膜形成することが難しい。一方、上記のテトラビシクロベンゾポルフィリン化合物は、立体的にかさ高いビシクロ構造を有するため、結晶性が悪い。ビシクロ構造を有する分子は溶解性が良好であり、かつ溶液から塗布した際に結晶性の低い又はアモルファス膜が得やすい性質を有することが多い。一方で、本発明に係るテトラビシクロベンゾポルフィリン化合物のビシクロ構造は、以下のように加熱によってベンゼン環に変化させることができる。すなわち本発明に係るテトラビシクロベンゾポルフィリン化合物1c及び1dは、加熱によってテトラベンゾポルフィリン化合物1a及び1bに変換することができる。以下、二置換テトラビシクロベンゾポルフィリン化合物を、簡略化のためにビシクロ化合物と呼ぶことがある。
この変換工程により結晶性の悪いビシクロ化合物は、分子構造の平面性が高いすなわち結晶性の良好な分子に変化する。従って、ビシクロ化合物を例えば塗布した後に、上記の変換反応を利用することにより、結晶性の良好な有機半導体膜を得ることができる。特に二置換テトラベンゾポルフィリン化合物の溶解性が低い場合に、二置換テトラビシクロベンゾポルフィリン化合物を経由する二置換テトラベンゾポルフィリン化合物の製造方法は有利となる。
[二置換テトラビシクロベンゾポルフィリン化合物の製造方法]
次に、本発明に係る二置換テトラベンゾポルフィリン化合物の合成方法を説明する。
まず、次に示すルートで、cis-1,2-ジクロロエチレンからジピロメタンを合成する。この手法は、J. Chem. Soc., Perkin Trans. 1, 3161 (1997)に記載されている。
次に、適当な溶媒中、水酸化ナトリウムのような塩基を作用させることにより、αフリージピロメタンを合成する。溶媒としては例えばジエチレングリコールのようなアルコールを用いることができるが、この反応を実現可能な溶媒であれば何でもよい。次に、得られたαフリージピロメタンを所望のアルデヒドと反応させた後、クロラニル又はDDQのような任意の酸化剤で酸化することにより、二置換テトラビシクロベンゾポルフィリン化合物が得られる。αフリージピロメタンとアルデヒドとの反応はどのような条件でもよく、例えば当業者には周知であるように酸性条件下で求核付加させてもよい。溶媒の選択も、反応が進むものであれば任意である。次式に以上の反応を示す。
[二置換テトラベンゾポルフィリン化合物の製造方法]
以上で得られたビシクロ化合物を加熱することにより、二置換テトラベンゾポルフィリン化合物が得られる。加熱温度は、100℃以上、好ましくは130℃以上、最も好ましくは150℃以上であるのがよい。低温ほど反応を長時間行うことが好ましく、150℃では3時間以上、180℃では10分以上、200℃では5分以上が望ましい。二置換テトラベンゾポルフィリン化合物は、例えば光電変換素子、FET等の電子デバイスとして用いることができる。これらの用途によっては、ビシクロ化合物の一部のみを変換することで特性を調整することも可能である。この際には、低温あるいは短時間での処理で行われる。また、加熱には、ヒーターを用いた伝熱による加熱の他、炭酸ガスレーザーや赤外線ランプ、あるいはこのビシクロ化合物が吸収する波長の光を照射する事も利用できる。この際、ビシクロ化合物の近傍に光を吸収する層を設け、光をこの層で吸収させることにより、加熱することも可能である。反応雰囲気は特に規定されないが、窒素又はアルゴンのような不活性ガス中、あるいは真空中が望ましい。
[二置換テトラベンゾポルフィリン化合物の金属錯体の製造方法]
合成された二置換テトラビシクロベンゾポルフィリン化合物を用いることで、以下のような金属錯体を得ることができる。例えば、クロロホルム−メタノールのような適当な溶媒中で、酢酸亜鉛二水和物と反応させることによって、二置換テトラビシクロベンゾポルフィリン化合物の亜鉛錯体を合成することができる。酢酸亜鉛の代わりに適当な金属塩を用いることもでき、例えばマグネシウム、銅、チタン、鉛、バナジウム、鉄、コバルト、ニッケル、ガリウム、アルミニウム、珪素、イリジウム、白金、銀、ランタン等の錯体を合成してもよい。得られた二置換テトラビシクロベンゾポルフィリン化合物の金属錯体は、金属錯体とする前の二置換テトラビシクロベンゾポルフィリン化合物と同様に、二置換テトラベンゾポルフィリン化合物の金属錯体へと変換することができる。
[二置換テトラベンゾポルフィリン化合物を半導体材料として用いる電子デバイス]
次に、本発明の化合物を半導体材料として、電子デバイス、例えば半導体に用いる方法について説明する。本発明の二置換テトラベンゾポルフィリン化合物を利用して得られる電子デバイスとは、本発明の二置換テトラベンゾポルフィリン化合物を有機半導体として用い、2個以上の電極を有し、その電極間に流れる電流や生じる電圧を、電気、光、磁気、又は化学物質等により制御するデバイス、あるいは、印加した電圧や電流により、光や電場、磁場を発生させる装置である。例えば、電圧や電流の印加により電流や電圧を制御する素子、磁場の印加による電圧や電流を制御する素子、化学物質を作用させて電圧や電流を制御する素子が挙げられる。この制御としては、整流、スイッチング、増幅、発振が挙げられる。
現在シリコン等で実現されている対応するデバイスとしては、抵抗器、整流器(ダイオード)、スイッチング素子(トランジスタ、サイリスタ)、増幅素子(トランジスタ)、メモリー素子、化学センサー等、あるいはこれらの素子の組み合わせや集積化したデバイスが挙げられる。また、光により起電力を生じる太陽電池や、光電流を生じるフォトダイオード、フォトトランジスター等の光素子も挙げることができる。本発明に係る二置換テトラベンゾポルフィリン化合物は、これらの電子デバイスにおいて、有機半導体として用いることができる。中でも、本発明の電子デバイスは、電界効果トランジスタ、太陽電池、又はエレクトロルミネッセンス素子であることが好ましい。なお、本発明に係る二置換テトラベンゾポルフィリン化合物を有機半導体として使用する場合、本発明に係る二置換テトラベンゾポルフィリン化合物以外の有機半導体を併用しても良い。
本発明に係る二置換テトラベンゾポルフィリン化合物を、電子デバイスにおいて有機半導体以外の用途で用いても良い。例えば、本発明に係る二置換テトラベンゾポルフィリン化合物を用いて電子デバイスの所望の位置に膜を形成し、その膜の導電率を分子構造あるいはドーピング等で制御することにより、この膜を配線に用いたりコンデンサやFET中の絶縁層に用いたりすることもできる。
電子デバイスのより具体的な例は、S.M.Sze著、Physics of Semiconductor Devices、2nd Edition(Wiley Interscience 1981)に記載されているものを挙げることができる。
・基板処理
本発明に係る電子デバイスは、基板上に作製するが、その基板処理により特性を向上させることができる。これは基板の親水性/疎水性を調整して、製膜の際に得られる膜質を向上させること、特に基板と半導体層の界面部分の特性を改良することがその原理であると推定される。このような基板処理としては、ヘキサメチルジシラザン、シクロヘキセン、オクタデシルトリクロロシラン等の疎水化処理、塩酸や硫酸、酢酸等の酸や水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、アンモニア等のアルカリ処理、オゾン処理、フッ素化処理、酸素やアルゴン等のプラズマ処理、ラングミュアブロジェット膜の形成処理、その他の絶縁体や半導体の薄膜の形成処理が挙げられる。
・膜厚
本発明の電子デバイスには、例えば基板上に形成した、二置換テトラベンゾポルフィリン化合物が用いられる。この化合物を膜状に形成して薄膜電子デバイスで用いる場合、膜厚が薄いと十分に光吸収ができなかったり短絡することが多くなる。また、膜厚が厚くなると膜厚方向の抵抗が増して特性が劣化する事が多い。従って、好ましい膜厚は1nmから10μmの範囲であり、より好ましくは10nmから500nmの範囲であることが望ましい。また、基板上に均一な膜があるのではなく、ビシクロ化合物を含む溶液を液滴として付着させて電子デバイスを製造する場合でも、その付着物の厚さが上記範囲であることが好ましい。
・混合
本発明の二置換テトラベンゾポルフィリン化合物が電子デバイスの製造において単独で有機半導体として使用できることはもちろんであるが、他の化合物と混合して用いることもできる。さらには、他の層との積層構造として用いることも出来る。
・成膜
上述の通り、ビシクロ化合物を溶媒に溶解した後に塗布し、その後上記で述べたように変換反応を行うことによって、本発明の二置換テトラベンゾポルフィリン化合物を含む電子デバイスを作製することが出来る。塗布の方法としては、キャスティング、スピンコーティング、ディップコーティング、ブレードコーティング、ワイヤバーコーティング、スプレーコーティング等のコーティング法や、インクジェット印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、凸版印刷等の印刷法、マイクロコンタクトプリンティング法等のソフトリソグラフィーの手法等、さらにはこれらの手法を複数組み合わせた方法を用いることができる。さらに、塗布に類似の技術として、水面上に形成した単分子膜を基板に移し積層するラングミュア・ブロジェット法、液晶や融液状態を2枚の基板で挟んだり毛管現象で基板間に導入する方法等も挙げられる。
塗布液の溶媒、即ち、本発明に係るビシクロ化合物を溶解させる溶媒としては、例えば有機溶媒が挙げられる。中でも、ケトン系溶媒、エステル系溶媒、及びハロゲン非含有芳香族系溶媒からなる群より選ばれるいずれかが好ましい。ケトン系溶媒の具体例を挙げると、メチルエチルケトン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、ジイソブチルケトン、アセトニルアセトン、メシチルオキシド、ホロン、イソホロン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、メチルシクロヘキサノン、アセトフェノン、ショウノウ等が挙げられる。これらの中で、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンが更に好ましい。
また、エステル系溶媒の具体例を挙げると、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸sec−ヘキシル、酢酸2−エチルブチル、酢酸2−エチルヘキシル、酢酸シクロヘキシル、酢酸ベンジル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸イソペンチル、酪酸エステル、イソ酪酸エステル、イソ吉草酸エステル、ステアリン酸エステル、安息香酸エステル、桂皮酸エチル、アビエチン酸エステル、アジピン酸ビス(2−エチルヘキシル)、γ−ブチロラクトン、シュウ酸エステル、マロン酸エステル、マレイン酸エステル、酒石酸ジブチル、クエン酸トリブチル、セバシン酸エステル、フタル酸エステル、エチレングリコールモノアセタート、二酢酸エチレン、エチレングリコールエステル、ジエチレングリコールモノアセタート、モノアセチン、ジアセチン、トリアセチン、モノブチリン、炭酸ジエチル、炭酸プロピレン、ホウ酸エステル、リン酸エステル等が挙げられる。これらの中で、安息香酸エステル、エチレングリコールモノアセタート、エチレングリコールエステル、ジエチレングリコールモノアセタートが更に好ましく、安息香酸エステルが特に好ましく、安息香酸エチルが最も好ましい。
さらに、ハロゲン非含有芳香族系溶媒の具体例を挙げると、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、クメン、メシチレン、p−シメン、シクロヘキシルベンゼン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、ジペンチルベンゼン、ドデシルベンゼン、テトラリン、アニソール、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、ペンチルフェニルエーテル、メトキシトルエン、ベンジルエチルエーテル、メトキシトルエン、アニリン、ベラトロール、ニトロベンゼン等が挙げられる。これらの中で、トルエン、キシレン、テトラリン、アニソールが更に好ましい。なお、溶媒は1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
さらに、本発明に係る二置換テトラベンゾポルフィリン化合物又はビシクロ化合物を、真空プロセスにより基板上に成膜して半導体デバイスを作製することもできる。この場合には、ビシクロ化合物をルツボや金属のボートに入れて真空中で加熱し、基板に付着させる真空蒸着法を用いることが出来る。この際、真空度としては、通常1×10−3Torr以下、好ましくは1×10−5Torr以下が望ましい。なお、1Torr=1.33322×10Paである。
また、真空度と、蒸着源である本発明に係る二置換テトラベンゾポルフィリン化合物又はビシクロ化合物の加熱温度の条件を調節することにより、種々の方法を採用できる。例えば、ビシクロ化合物を蒸着源でまず脱エチレンさせた後に蒸着する事もできるし、この反応温度より低温でビシクロ化合物のまま蒸着した後に、基板上に成膜された膜の加熱処理を行ない、脱エチレン反応により有機半導体層に変換することもできる。このような方法を採用することにより、本発明に係る二置換テトラベンゾポルフィリン化合物を高純度で含む半導体層を得ることができる。
また、基板温度でデバイスの特性が変化するので、最適な基板温度を選択することが好ましい。具体的には、蒸着時の温度は0℃から200℃の範囲が好ましい。また、蒸着速度は通常0.01Å/秒以上、好ましくは0.1Å/秒以上、また、通常100Å/秒以下、好ましくは10Å/秒以下である。材料を蒸発させる方法としては、加熱の他、加速したアルゴン等のイオンを衝突させるスパッタ法も用いることが出来る。なお、1Å=10-10mである。
さらに、作製された半導体層は、後処理により特性を改良することが可能である。例えば、加熱処理により、成膜時に生じた膜中の歪みを緩和することができ、特性の向上や安定化を図ることができる。さらに、酸素や水素等の酸化性あるいは還元性の気体や液体にさらすことにより、酸化あるいは還元による特性変化を誘起することもできる。これは例えば膜中のキャリア密度の増加あるいは減少の目的で利用することができる。
また、ドーピングと呼ばれる微量の原子や原子団、分子、高分子を加えることにより、特性を変化させて望ましいものにすることができる。例えば、酸素、水素、塩酸、硫酸、スルホン酸等の酸、PF、AsF、FeCl等のルイス酸、ヨウ素等のハロゲン原子、ナトリウム、カリウム等の金属原子等をドーピングする事が挙げられる。これは、これらのガスに接触させたり、溶液に浸したり、電気化学的なドーピング処理をすることにより達成できる。これらのドーピングは膜の形成後でなくても、材料合成時に添加したり、溶液からの作製プロセスでは、その溶液に添加したり、前駆体膜の段階で添加することができる。また蒸着時に添加する材料を共蒸着したり、膜形成時の雰囲気に混合したり、さらにはイオンを真空中で加速して膜に衝突させてドーピングすることも可能である。
これらのドーピングの効果は、キャリア密度の増加あるいは減少による電気伝導度の変化、キャリアの極性の変化(p型、n型)、フェルミ準位の変化等が挙げられ、半導体デバイスでは良く利用されているものである。ドーピング処理はFETを含む様々な電子デバイスの作成時に行うことができる。
本明細書において「半導体」とは、固体状態におけるキャリア移動度の大きさによって定義されるものである。キャリア移動度とは、周知であるように、電荷をどれだけ速く(又は多く)移動されることができるかという指標となるものである。具体的には、本明細書における「半導体」は、室温におけるキャリア移動度が1.0x10-7cm2/V・s以上、好ましくは1.0x10-6cm2/V・s以上、より好ましくは1.0x10-7cm2/V・s以上であることが望ましい。なお、キャリア移動度は、例えば電界効果トランジスタのIV特性、タイムオブフライト法等により測定できる。
本発明に係る二置換テトラベンゾポルフィリン化合物を含む半導体膜の特性としては、室温におけるキャリア移動度が1.0x10-7cm2/V・s以上、好ましくは1.0x10-6cm2/V・s以上、より好ましくは1.0x10-5cm2/V・s以上であることが望ましい。また、HOMOのエネルギーの真空準位からの低さが4.6eVを超えることが好ましく、4.7eVを超えることがさらに好ましく、4.8eVを超えることが最も望ましい。
さらに、本発明に係る二置換テトラベンゾポルフィリン化合物は、クロロホルム溶媒中での吸収スペクトルにおいて、短波長側の吸収帯の立ち上がりの位置が350nmより長波長であることが望ましい。また、長波長側の吸収帯の立ち上がりの位置が、600nmより長波長であることが望ましい。
また、本発明に係る二置換テトラベンゾポルフィリン化合物を含む半導体膜の吸収スペクトルにおいて、短波長側の吸収帯の立ち上がりの位置は、300nmより長波長であり、長波長側の吸収帯の立ち上がりの位置は、600nmより長波長であることが望ましい。また、半導体膜は結晶性のものが望ましい。結晶性は膜のX線回折により確認できる。
・電極、配線及び保護層
また、光電変換素子及びFETを含む電子デバイス作製の為の電極や配線には、金、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル、コバルト、チタン、白金、等の金属、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリジアセチレン、等の導電性高分子及びそのドーピングされた材料、シリコン、ゲルマニウム、ガリウム砒素、等の半導体及びそのドーピングされた材料、フラーレン、カーボンナノチューブ、グラファイト等の炭素材料、等を用いることができる。これらを形成する方法も、真空蒸着法、スパッタ法、塗布法、印刷法、ゾルゲル法等を用いることができる。また、そのパターニング方法も、フォトレジストのパターニングとエッチング液や反応性のプラズマでのエッチングを組み合わせたフォトリソグラフィー法、インクジェット印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、凸版印刷等の印刷法、マイクロコンタクトプリンティング法等のソフトリソグラフィーの手法及びこれらの手法の複数の組み合わせた手法を利用することができる。また、レーザーや電子線等のエネルギー線を照射して材料を除去したり材料の導電性を変化させる事により、直接パターンを作製することも利用できる。
さらに、電子デバイスには、半導体特性を改良したり、外気の影響を最小限にするために、保護膜を形成することができる。これには、スチレン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート樹脂等のポリマー膜、酸化珪素、窒化珪素、酸化アルミニウム等の無機酸化膜や窒化膜等が挙げられる。ポリマー膜は、溶液の塗布乾燥する方法、モノマーを塗布あるいは蒸着して重合する方法が挙げられ、さらに架橋処理や多層膜を形成することも可能である。無機物の膜の形成には、スパッタ法、蒸着法等の真空プロセスでの形成方法や、ゾルゲル法に代表される溶液プロセスでの形成方法も用いることができる。半導体に接するポリマー膜は、半導体特性の改良にはポリスチレン、ポリビニルナフタレン、ポリベンジルメタクリレート、ポリアセナフチレン、ポリカーボネート樹脂等の芳香環を含むものが好ましく、その上にガスバリア性を有する膜、例えば窒化珪素や酸化ケイ素等の無機膜、アルミニウムやクロム等の金属膜を積層するのが好ましい。また、用途などに応じて、電子デバイスには上述した以外の層や部材を設けても良い。
[本発明に係る半導体材料を用いる光電変換素子]
本発明の光電変換素子は基板と1対の電極を有し、当該1対の電極間に、少なくとも電子受容体と、電子供与体とを含む混合物層を有する。また、混合物層と電極(正極)との間にp型半導体層を設けることができる。本発明に係る光電変換素子は、混合物層とp型半導体層との少なくとも一方に、上記の二置換テトラベンゾポルフィリン化合物又はその金属錯体を含む。
図4は本発明の光電変換素子の一例を示す図である。図4において、1は基板、2は電極(正極)、3は正孔取り出し層、4は混合物層、5は電極(負極)、6は電子取り出し層、7はp型半導体層、8はn型半導体層を示す。ただし、全ての層が存在することは本発明にとって必須ではない。各層については以下で詳細に説明する。
・基板
本発明の光電変換素子の基板は電極等の支持体となるものである。基板の材料(基板材料)は電極等の支持体となり得るであれば特に限定されない。ただし、本発明の光電変換素子において、基板に照射された光を素子内に取り込むため、基板には透光性の材料が用いられる。基板材料としては、当該基板を透過する可視光の透過率が、60%以上が好ましく、80%以上がさらに好ましい。
基板材料の好適な例としては、石英、ガラス、サファイア、チタニア等の無機材料;ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ナイロン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、エチレンビニルアルコール共重合体、フッ素樹脂フィルム、塩化ビニル、ポリエチレン、セルロース、ポリ塩化ビニリデ
ン、アラミド、ポリフェニレンスルフィド、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリノルボルネン等の有機材料;紙、合成紙等の紙材料;ステンレス、チタン、アルミニウム等の金属に、絶縁性を付与するために表面をコート或いはラミネートしたもの等の複合材料などが挙げられる。これらの中でも、ガラス、ポリエステル、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスルホンが好ましい。なお、基板材料は、1種のみを用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
基板のガスバリヤ性が低いと、基板を通過する外気により有機光電変換素子1が劣化する可能性がある。そこで、基板材料としてガスバリヤ性の低い材料(例えば合成樹脂)を用いる場合には、基板のどちらか片側もしくは両側に、ガスバリヤ性を有する層(ガスバリヤ層)を形成することが好ましい。このガスバリヤ層としては、例えば、緻密なシリコン酸化膜などが挙げられる。
基板の形状に制限はなく、例えば、板、フィルム、シートなどの形状を用いることができる。基板の厚みには制限はないが、5μm〜20mmが好ましく、20μm〜10mmがさらに好ましい。基板が薄すぎると有機光電変換素子1を保持する強度が不足する可能性があり、厚すぎるとコストが高くなったり、重量が重くなりすぎたりする可能性があるからである。
・電極
本発明の光電変換素子において、電極に用いられる材料は、導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば、ITO、酸化スズ、酸化亜鉛、Au、Co、Ni、Ptなどの仕事関数が高い材料と、Al、Ag、Li、In、Ca、Mg、LiFなどを組み合わせて用いることが好ましい。なかでも、光が透過する位置にある電極は、ITO、酸化スズ、酸化亜鉛などの透明電極を用いることが好ましい。これら電極の製造方法及び膜厚などは適宜選択することができる。
・混合物層
混合物層は、電子供与体として用いられる化合物と電子受容体として用いられる化合物とを含めば特に限定されない。電子供与体及び電子受容体には、1種の化合物を単独で用いてもよいし、2種以上の化合物を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。また、混合物層に電子供与体又は電子受容体として働かない他の化合物を含んでもよい。
また、混合物層は、電子供与体と電子受容体の化合物との混合物の層の他に、電子供与体を含む層(電子供与体層)、電子受容体を含む層(電子受容体層)、及び電子供与体層と電子受容体層とを含む層、のうちの少なくとも1つの層をさらに含んでもよい。
混合物層の製造方法は特に限定されないが、電子供与体と電子受容体の化合物とを共に溶解した溶液を、基板や基板上に設けられた層にスピンコート等を用いて塗布することによって製造できる(塗布型の混合物層)。また、電子供与体と電子受容体の化合物とを、基板や基板上に設けられた層に蒸着させることによっても製造できる(蒸着型の混合物層)。
混合物層の厚さは特に限定されないが、0.1nm未満では均一性が十分ではなく、短絡を起こしやすいという問題が生じる。他方、混合物層の厚さが5000nmを超えると内部抵抗が大きくなり、また素子1個当たりの固体層の占める体積割合が高くなるため、容量が低下し好ましくない。また、電極間の距離が離れるので、電荷の拡散が悪くなる問題が生じる。そこで、混合物層の厚さは0.1〜5000nmが好ましく、1〜1000nmがさらに好ましい。より好ましくは20〜500nmがさらに好ましい。
本発明においては、電子供与体として上述の二置換テトラベンゾポルフィリン化合物又はその金属錯体を用いることができる。その他、電子供与体として高分子化合物、ポルフィリン化合物またはフタロシアニン化合物を用いることもできる。
電子供与体として用いられる高分子化合物としては、例えば、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリフラン、ポリピリジン、ポリカルバゾール、ポリフェニレンビニレンなどの芳香族を有する高分子を用いることができる。これらの中でも、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリフラン、ポリフェニレンビニレンは、種々の置換基が結合しているものが存在し、種々の構造が存在するために、多種多様なポリマーを合成できることで好ましい。
電子供与体として用いられるポルフィリン化合物としては、例えば、5,10,15,20−テトラフェニル−21H,23H−ポルフィン、5,10,15,20−テトラフェニル−21H,23H−ポルフィンコバルト(II)、5,10,15,20−テトラフェニル−21H,23H−ポルフィン銅(II)、5,10,15,20−テトラフェニル−21H,23H−ポルフィン亜鉛(II)、5,10,15,20−テトラフェニル−21H,23H−ポルフィンバナジウム(IV)オキシド、5,10,15,20−テトラ(4−ピリジル)−21H,23H−ポルフィン等が挙げられる。
また、電子供与体として用いられるフタロシアニン化合物としては、例えば、29H,31H−フタロシアニン、銅フタロシアニン錯体、亜鉛フタロシアニン錯体、チタンフタロシアニンオキシド錯体、マグネシウムフタロシアニン錯体、鉛フタロシアニン錯体、銅4,4’,4’’,4’’’−テトラアザ−29H,31H−フタロシアニン錯体が挙げられる。これらの中でも、銅フタロシアニン錯体が好ましい。
また、電子受容体の好ましい例を挙げると、フラーレン誘導体;8−ヒドロキシキノリンアルミニウムに代表されるキノリノール誘導体金属錯体;ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド等の縮合環テトラカルボン酸ジイミド類;ターピリジン金属錯体、トロポロン金属錯体、フラボノール金属錯体、ペリノン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、ベンズオキサゾール誘導体、ベンズチアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、アルダジン誘導体、ビススチリル誘導体、ピラジン誘導体、フェナントロリン誘導体、キノキサリン誘導体、ベンゾキノリン誘導体、ビピリジン誘導体;アントラセン、ピレン、ナフタセン、ペンタセン等の縮合多環芳香族の全フッ化物;単層カーボンナノチューブ;二酸化チタン等の無機半導体;等があげられる。
・p型半導体層
電子供与体と電子受容体を含む混合物層と電極(正極)との間に、p型半導体層が設けることができる。p型半導体層の材料(p型半導体材料)としては、混合物層で生成した正孔を効率よく正極へ輸送できるものが好ましい。そのためには、p型半導体材料は、正孔移動度が高いこと、導電率が高いこと、正極との間の正孔注入障壁が小さいこと、混合物層からp型半導体層への正孔注入障壁が小さいこと、などの性質を有することが好ましい。
また、p型半導体層を有する光電変換素子では、p型半導体層を通じて光電変換素子内に光を取り込むので、p型半導体層は透明であることが望ましい。通常は光のうちでも可視光を光電変換素子の内に取り込むことになるため、透明なp型半導体材料としては、当該p型半導体層を透過する可視光の透過率が、60%以上がこのましく、80%以上がさらに好ましい。
光電変換素子の製造コストの抑制、大面積化などを実現するためには、p型半導体材料として有機半導体材料を用い、p型半導体層をp型有機半導体層として形成することが好ましい。
本発明においては、p型半導体材料として上記の二置換テトラベンゾポルフィリン化合物、又はその金属錯体を用いることができる。p型半導体材料のその他の好ましい例を挙げると、顔料が挙げられ、好ましくはポルフィリン化合物又はフタロシアニン化合物が挙げられる。これらの化合物は、中心金属を有していてもよいし、無金属のものでもよい。その具体例としては、29H,31H−フタロシアニン、銅(II)フタロシアニン、亜鉛(II)フタロシアニン、チタンフタロシアニンオキシド、銅(II)4,4’,4’’,4’’’−テトラアザ−29H,31H−フタロシアニン等のフタロシアニン化合物;ポルフィリン化合物;などが挙げられる。
また、ポルフィリン化合物及びフタロシアニン化合物等の顔料以外の好ましいp型半導体材料の例としては、正孔輸送性高分子にドーパントを混合した系が挙げられる。この場合、正孔輸送性高分子の例としては、ポリ(エチレンジオキシチオフェン)、ポリチオフェン、ポリアニリン、ポリピロールなどが挙げられる。一方、ドーパントの例としては、ヨウ素;ポリ(スチレンスルホン酸)、カンファースルホン酸等の酸;PF、AsF、FeCl等のルイス酸;などが挙げられる。なお、p型半導体材料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
p型半導体層の厚みに制限はないが、厚すぎると透過率が低下したり、直列抵抗が増大したりする可能性があり、薄すぎると不均一な膜となる可能性がある。そこで、p型半導体層の厚みは3nm〜200nmが好ましく、10nm〜100nmがさらに好ましい。なお、p型半導体層の形成方法に制限は無いが、顔料を含むp型半導体層を形成する場合には、潜在顔料(顔料の前駆体)を塗布し、その後に潜在顔料を顔料へと変換することが好ましい。
・n型半導体層
電子供与体と電子受容体を含む混合物層と電極(負極)との間に、n型半導体層を設けることができる。n型半導体層の材料(n型半導体材料)としては、混合物層で生成した電子を効率よく負極へ輸送できるものが好ましい。混合物層で生成される励起子(エキシトン)が負極により消光されるのを防ぐために、電子供与体と電子受容体が有する光学的ギャップより大きい光学的ギャップを、n型半導体層の材料(n型半導体材料)が有することが好ましい。
n型半導体材料の好ましい例を挙げると、フラーレン誘導体;8−ヒドロキシキノリンアルミニウムに代表されるキノリノール誘導体金属錯体;ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド等の縮合環テトラカルボン酸ジイミド類;ターピリジン金属錯体、トロポロン金属錯体、フラボノール金属錯体、ペリノン誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、ベンズオキサゾール誘導体、ベンズチアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、アルダジン誘導体、ビススチリル誘導体、ピラジン誘導体、フェナントロリン誘導体、キノキサリン誘導体、ベンゾキノリン誘導体、ビピリジン誘導体;アントラセン、ピレン、ナフタセン、ペンタセン等の縮合多環芳香族の全フッ化物;単層カーボンナノチューブ;二酸化チタン等の無機半導体;等があげられる。なお、n型半導体材料は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
n型半導体層の厚みに制限はないが、2nm〜200nmが好ましく、5nm〜100nmがさらに好ましい。
・正孔取り出し層及び電子取り出し層
本発明の光電変換素子は、1対の電極、およびその間に配置された電子供与体と電子受容体の化合物の他に、さらに正孔取り出し層と電子取り出し層とからなる群から選ばれる1以上を有することができる。
正孔取り出し層の材料は、電子受容体と電子供与体を含む層から電極(正極)へ正孔の取り出し効率を向上させることが可能な材料であれば特に限定されない。具体的には、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアセチレン、トリフェニレンジアミンなどの導電性有機化合物などが挙げられる。また、Au、In、Ag、Pdなどの金属などの薄膜も使用することができる。さらに、金属などの薄膜は、単独で形成してもよく、上記の有機材料と組み合わせて用いることもできる。
電子取り出し層の材料は、電子受容体と電子供与体を含む層から電極(負極)へ電子の取り出し効率を向上させることが可能な材料であれば特に限定されない。具体的には、バソキュプロイン(BCP)または、バソフェナントレン(Bphen)、及びこれらにアルカリ金属あるいはアルカリ金属土類をドープした層が挙げられる。また、電子取り出し層の材料にフラーレン類やシロール類などを用いることも可能であり、たとえば、上記のバソキュプロイン(BCP)、バソフェナントレン(Bphen)、または、バソキュプロイン(BCP)とバソフェナントレン(Bphen)にアルカリ金属もしくはアルカリ金属土類をドープした層を組み合わせたものも用いることができる。
正孔取り出し層と電子取り出し層は1対の電極間に、電子受容体と電子供与体(たとえば、混合物層、または、混合物層とn型半導体層とp型半導体層)を挟むように配置される。すなわち、本発明の光電変換素子が正孔取り出し層と電子取り出し層の両者を含む場合、電極、正孔取り出し層、電子受容体と電子供与体(たとえば、混合物層、または、混合物層とn型半導体層とp型半導体層)、電子取り出し層、電極の順に配置される構成を有する。また、本発明の光電変換素子が正孔取り出し層を含み電子取り出し層を含まない場合、電極、正孔取り出し層、電子受容体と電子供与体(たとえば、混合物層、または、混合物層とn型半導体層とp型半導体層)、電極の順に配置される構成を有する。本発明の光電変換素子が電子取り出し層を含み正孔取り出し層を含まない場合、電極、電子受容体と電子供与体(たとえば、混合物層、または、混合物層とn型半導体層とp型半導体層)、電子取り出し層、電極の順に配置される構成を有する。
電子供与体と電子受容体を含む層(たとえば、混合物層)に光が照射されると、照射による励起によって発生した電子は当該層中の電子受容体を通って対極に移動する。また、電子受容体に電子が移動すると電子供与体の化合物は酸化された状態になり、正孔が作用電極に移動する。このようにして、電流が流れることになる。
・光電変換素子の用途
本発明の光電変換素子は、太陽電池に限らず、光スイッチング装置、センサなどの各種の光電変換装置に好適に使用することができる。
[本発明に係る半導体材料を用いるFET]
本発明に係る二置換テトラベンゾポルフィリン化合物を適用するのに好適な電子デバイスの別の例としては、電界効果トランジスタ(FET)が挙げられる。以下、このFETについて詳細に説明する。
図5は、FETの構造の例を模式的に示す図である。図5において、1が半導体層、2が絶縁体層、3及び4がソース電極及びドレイン電極、5がゲート電極、6が基板をそれぞれ示す。図5(A)〜(D)は、それぞれが本発明に係るFETの構造の一例を示す。
ソース電極、ドレイン電極及びゲート電極の各電極には、例えば、白金、金、アルミニウム、クロム、ニッケル、銅、チタン、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ナトリウム等の金属の他、InO、SnO、ITO等の導電性の酸化物、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン等の導電性高分子、及び、それに塩酸、硫酸、スルホン酸等の酸、PF、AsF、FeCl等のルイス酸、ヨウ素等のハロゲン原子、ナトリウム・カリウム等の金属原子等のドーパントを添加したもの、カーボンブラックや金属粒子を分散した導電性の複合材料等の、導電性を有する材料が用いられる。
また、絶縁体層に用いられる材料としては、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリビニルフェノール、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリスルホン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等のポリマー及びこれらを組み合わせた共重合体、二酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化チタン等の酸化物、窒化珪素等の窒化物、チタン酸ストロンチウムやチタン酸バリウム等の強誘電性酸化物、あるいは、上記酸化物や窒化物、強誘電性酸化物等の粒子を分散させたポリマー等が挙げられる。
一般に絶縁膜の静電容量が大きくなるほどゲート電圧を低電圧で駆動できることになるので、有利になる。このことは、誘電率の大きな絶縁材料を用いるか、絶縁体層の厚さを薄くする事で実現できる。絶縁体層は、塗布(スピンコーティングやブレードコーティング)、蒸着、スパッタ、スクリーン印刷やインクジェット等の印刷法、アルミ上のアルマイトの様に金属上に酸化膜を形成する方法等、材料特性に合わせた方法で作製することができる。
また、FETは、通常基板上に作製する。基板としては任意のものを用いることができ、例えば、ポリマーの板、フィルム、ガラス、あるいは金属をコーティングにより絶縁膜を形成したもの、ポリマーと無機材料の複合材等を用いることができる。さらに、基板に処理を施すことにより、FETの特性を向上させることができる。これは基板の親水性/疎水性を調整して、成膜の際に得られる膜質を向上させること、特に基板と半導体層の界面部分の特性を改良することによるものと推定される。このような基板処理としては、ヘキサメチルジシラザン、シクロヘキセン、オクタデシルトリクロロシラン等による疎水化処理、塩酸や硫酸、酢酸等の酸や水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、アンモニア等のアルカリ処理、オゾン処理、フッ素化処理、酸素やアルゴン等のプラズマ処理、ラングミュアブロジェット膜の形成処理、その他の絶縁体や半導体の薄膜の形成処理が挙げられる。
さらに、このFETにおいては、半導体層を、本発明に係る二置換テトラベンゾポルフィリン化合物を含む有機半導体により形成する。半導体層は、基板上に直接又は他の層を介して有機半導体を膜状に形成したものである。ここで、半導体層には、本発明に係る二置換テトラベンゾポルフィリン化合物以外にも、他の化合物(他の有機半導体など)を含有させても良い。また、半導体層は、特定化合物の層と、それ以外の半導体の層とを積層した積層構造で構成しても良い。
半導体層の膜厚に制限は無く、例えば横型の電界効果トランジスタの場合、素子の特性は必要な膜厚以上であれば膜厚には依存しない。ただし、膜厚が厚くなりすぎると漏れ電流が増加してくることが多いため、半導体層の膜厚は、通常1nm以上、好ましくは10nm以上、また、通常10μm以下、好ましくは500nm以下である。また、半導体層の形状は基板上に形成された均一な膜の状態以外にも、例えば塗布液(有機半導体を適切な溶媒に溶解させた溶液)が液滴として付着した場合であっても、その付着物の厚さが上記範囲であるのが好ましい。
[実施例]
以下に本発明の実施例を示すが、本発明の範囲はこれらに制限されるものではない。1H NMRは、JEOL JNM-AL400、JEOL JNM-EX400、又はVarian VXR-500を用いて測定した。吸収スペクトルは、JASCO V-630を用いて測定した。MALDI-TOF質量分析は、JEOL JMS-700を用いて行った。元素分析は、Yanaco MT-5を用いて行った。
[合成例1:5,15-ジメチルBCODP(2−1)]
反応容器にビシクロジピロメタン(2−0)(0.5000g, 1.12mmol)、水酸化ナトリウム(0.65g)、エチレングリコール(15ml)を入れ、アルゴン置換した。反応容器を遮光した後、160℃で2時間撹拌させた。反応終了後、反応容器を室温まで冷却し、溶液を水の中に注ぎ、1M塩酸を加えクエンチし、クロロホルムで抽出した。有機層を炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮した。これを遮光した反応容器に入れ、クロロホルム(700ml)を加え、アルゴン置換した。次いでアセトアルデヒド(2.0ml, 35.7mmol)を加え撹拌した後、酸触媒として1M塩酸を1滴加え、室温で一晩撹拌した。その後、クロラニル(0.2750g, 1.12mmol)を加え6時間反応させ酸化を行った。反応終了後、炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮した。得られた生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)で精製し、再沈殿(メタノール+水)することで目的物を得た。
収率: 27.6%;
元素組成(分子量): C46H42N4 (650.85);
外観: 紫色結晶;
1H NMR(CDCl3, 500MHz): δ= 10.16(s, 2H), 7.07-7.17(m, 8H), 5.89(m 4H), 5.74(m, 4H), 4.91(s, 6H), 2.11-2.19(m, 8H), 1.81-2.03(m, 8H), -3.12(brs, 2H);
質量分析(MALDI-TOF-MS) :652[M+];
UV-vis (CHCl3max (ε): 410 (5.13), 509 (4.19), 580 (3.75);
Elemental analysis for C46H42N4・CHCl3+1/2H2O (calcd): C, 72.40(72.44), H, 5.53(5.69), N, 7.31(7.19);
[合成例2:5,15-ジエチルBCODP(2−2)]
反応容器にビシクロジピロメタン(2−0)(0.5000g, 1.12mmol)、水酸化ナトリウム(0.65g)、エチレングリコール(15ml)を入れ、アルゴン置換した。反応容器を遮光した後、160℃で2時間撹拌させた。反応終了後、反応容器を室温まで冷却し、溶液を水の中に注ぎ、1M塩酸を加えクエンチし、クロロホルムで抽出した。有機層を炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮した。これを遮光した反応容器に入れ、クロロホルム(700ml)を加え、アルゴン置換した。次いでプロピオンアルデヒド(0.1680g, 2.89mmol)を加え撹拌した後、酸触媒として1M塩酸を1滴加え、室温で一晩撹拌した。その後、クロラニル(0.2750g, 1.12mmol)を加え6時間反応させ酸化を行った。反応終了後、炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮した。得られた生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)で精製し、再沈殿(メタノール+水)することで目的物を得た。
収率: 5.0%;
元素組成(分子量): C48H46N4 (678.90);
外観: 紫色結晶;
1H NMR(CDCl3, 500MHz): δ= 10.23(s, 2H), 7.13(brs, 8H), 5.79(m, 8H), 5.34(m, 2H), 5.25(m, 2H), 2.37(s,6H), 1.88-2.20(m, 16H), -3.21(brs, 2H)
質量分析(MALDI-TOF-MS) : 680[M+];
UV-vis (CHCl3max (ε): 410 (5.11), 508 (4.21), 576 (3.81);
Elemental analysis for C48H46N4・5/4CHCl3+H2O (calcd): C, 69.89(69.91), H, 5.52(5.87), N, 6.72(6.62);
[合成例3:5,15-ジメチルBCODP-Zn(2−3)]
反応容器にビシクロ化合物(2−1)(0.0100g, 0.0154mmol)を入れ、クロロホルム(5ml)に溶解させた。これに酢酸亜鉛飽和メタノール溶液(2ml)を加え、室温で一時間撹拌した。反応終了後、水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮した。得られた生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)で精製し、再沈殿(メタノール+水)することで目的物を得た。
収率: 95%
元素組成(分子量): C46H40N4Zn (714.23);
外観: 赤紫色結晶;
1H NMR(CDCl3, 500MHz): δ= 10-14(s, 2H), 7.12(m, 8H), 5.95(m, 4H), 5.72(m, 4H), 4.97(m, 6H), 2.16(m, 8H), 1.89-2.05(m, 8H);
質量分析(MALDI-TOF-MS): 714[M+];
UV-vis (CHCl3max (ε): 415 (5.37), 541 (4.13);
[合成例4:5,15-ジエチル-BCODP-Zn(2−4)]
反応容器にビシクロ化合物(2−2)(0.010g, 0.0147mmol)を入れ、クロロホルム(5ml)に溶解させた。これに酢酸亜鉛飽和メタノール溶液(2ml)を加え、室温で一時間撹拌した。反応終了後、水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮した。得られた生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)で精製し、再沈殿(メタノール+水)することで目的物を得た。
収率: 95%;
元素組成(分子量): C48H44N4Zn (742.29);
外観: 赤紫色結晶;
1H NMR(CDCl3, 500MHz): δ= 10.02(s, 2H), 7.15(m, 8H), 5.85(m, 4H), 5.78(m, 4H), 5.28-5.48(m, 4H), 2.54(s, 3H), 2.44(s, 3H), 1.87-2.20(m, 16H);
質量分析(MALDI-TOF-MS): 742[M+];
UV-vis (CHCl3max (ε): 414 (5.44), 538 (4.15);
[合成例5:5,15-ジフェニル-BCODP(2−5)]
反応容器にビシクロジピロメタン(2−0)(0.5000g, 1.12mmol)、水酸化ナトリウム(0.65g)、エチレングリコール(15ml)を入れ、アルゴン置換した。反応容器を遮光した後、160℃で2時間撹拌させた。反応終了後、反応容器を室温まで冷却し、溶液を水の中に注ぎ、1M塩酸を加えクエンチし、クロロホルムで抽出した。有機層を炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮した。これを遮光した反応容器に入れ、クロロホルム(50ml)を加え、アルゴン置換した。次いでベンズアルデヒド(0.1200g, 1.13mmol)を加え撹拌した後、酸触媒としてトリフルオロボロンジエチルエーテラート(20μml)を加え、室温で一晩撹拌した。その後、クロラニル(0.2750g, 1.12mmol)を加え6時間反応させ酸化を行った。反応終了後、水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮した。得られた生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)で精製し、再沈殿(メタノール+水)することで目的物を得た。
収率: 44.7%;
元素組成(分子量): C56H46N4 (775.00);
外観: 茶色粉末;
1H NMR(CDCl3, 500MHz): δ= 10.36(s, 2H), 8.18-8.33(m, 4H), 7.78-7.95(m, 6H), 7.03(m, 4H), 6.71(m, 4H), 5.71(m, 4H), 3.72(m, 4H), 2.17(m, 4H), 1.81-1.90(m, 4H), 1.72(m, 4H), 1.54-1.68(m, 4H), -3.80(s, 4H);
質量分析(MALDI-TOF-MS): 776[M+];
UV-vis (CHCl3max (ε): 406 (5.29), 504 (4.35), 572 (3.91);
Elemental analysis for C56H46N4・1/2H2O (calcd): C, 85.45(85.79), H, 5.86(6.04), N, 7.31(7.15);
[合成例6:5,15-ジペンタフルオロフェニル-BCODP(2−6)]
反応容器にビシクロジピロメタン(2−0)(0.5000g, 1.12mmol)、水酸化ナトリウム(0.65g)、エチレングリコール(15ml)を入れ、アルゴン置換した。反応容器を遮光した後、160℃で2時間撹拌させた。反応終了後、反応容器を室温まで冷却し、溶液を水の中に注ぎ、1M塩酸を加えクエンチし、クロロホルムで抽出した。有機層を炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮した。これを遮光した反応容器に入れ、クロロホルム(50ml)を加え、アルゴン置換した。次いでペンタフルオロベンズアルデヒド(0.2200g, 1.12mmol)を加え撹拌した後、酸触媒としてトリフルオロボロンジエチルエーテラート(20μml)を加え、室温で一晩撹拌した。その後、トリアミンエチルを加え、中和した後、DDQ(0.2500g)を加え3時間反応させ酸化を行った。反応終了後、水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮した。得られた生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)で精製し、再沈殿(メタノール+水)することで目的物を得た。
収率: 16.7%;
元素組成(分子量): C56H36F10N4 (954.90);
外観: 茶色粉末;
1H NMR(CDCl3, 500MHz): δ= 10.40(s, 2H), 7.10(m, 4H), 6.85(m, 4H), 5.77(s, 4H), 4.03(s, 4H), 0.87-2.17(16H), -3.76(s, 2H);
質量分析(MALDI-TOF-MS): 956[M+];
UV-vis (CHCl3max (ε): 392 (5.10), 503 (4.06), 536 (3.85), 573 (3.70), 626 (3.59);
[合成例7:5,15-ジフェニル-BCODP-Zn(2−7)]
反応容器にビシクロ化合物(2−5)(0.0100g, 0.0129mmol)を入れ、クロロホルム(5ml)に溶解させた。これに酢酸亜鉛飽和メタノール溶液(2ml)を加え、室温で一時間撹拌した。反応終了後、水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮した。得られた生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)で精製し、再沈殿(メタノール+水)することで目的物を得た。
収率: 96%;
元素組成(分子量): C56H44N4Zn (838.37);
外観: 赤色粉末;
1H NMR(CDCl3, 500MHz): δ= 10.35(s, 2H), 8.20-8.30(m, 4H), 7.80-7.95(m, 6H), 6.99-7.05(m, 4H), 6.68-6.72(m, 4H), 5.70(m, 4H), 3.63(m, 4H), 2.07(m, 4H), 1.87(m, 6H), 1.69(m, 6H);
質量分析(MALDI-TOF-MS): 838[M+];
UV-vis (CHCl3max (ε): 411 (5.51), 535 (4.26), 570 (3.80);
[合成例8:5,15-ジペンタフルオロフェニル-BCODP-Zn(2−8)]
反応容器にビシクロ化合物(2−6)(0.0100g, 0.0105mmol)を入れ、クロロホルム(5ml)に溶解させた。これに酢酸亜鉛飽和メタノール溶液(2ml)を加え、室温で一時間撹拌した。反応終了後、水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮した。得られた生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)で精製し、再沈殿(メタノール+水)することで目的物を得た。
収率: 95%;
元素組成(分子量): C56H34F10N4Zn (1018.28);
外観: 赤色粉末;
1H NMR(CDCl3, 500MHz): δ= 10.45(s, 2H), 7.10(m, 4H), 6.85(m, 4H), 5.77(m, 4H), 3.92(m, 4H), 1.75-2.17(m, 16H);
質量分析(MALDI-TOF-MS): 1018[M+];
UV-vis (CHCl3max (ε): 410 (5.13), 538 (3.98), 575 (3.95);
[合成例9:5,15-ジ(2-チエニル)-BCODP(2−9)]
反応容器にビシクロジピロメタン(2−0)(0.5000g, 1.12mmol)、水酸化ナトリウム(0.65g)、エチレングリコール(15ml)を入れ、アルゴン置換した。反応容器を遮光した後、160℃で2時間撹拌させた。反応終了後、反応容器を室温まで冷却し、溶液を水の中に注ぎ、1M塩酸を加えクエンチし、クロロホルムで抽出した。有機層を炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮した。これを遮光した反応容器に入れ、クロロホルム(700ml)を加え、アルゴン置換した。次いで2-チオフェンカルボキシアルデヒド(0.1290g, 1.15mmol)を加え撹拌した後、酸触媒として1M塩酸を1滴加え、室温で一晩撹拌した。その後、クロラニル(0.2750g, 1.12mmol)を加え6時間反応させ酸化を行った。反応終了後、炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮した。得られた生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)で精製し、再沈殿(メタノール+水)することで目的物を得た。
収率: 10.1%;
元素組成(分子量): C52H42N4S2 (787.05);
外観: 赤色粉末;
1H NMR(CDCl3, 500MHz): δ= 10.37(s, 2H), 7.92-7.95(m, 4H), 7.60-7.61(m, 2H), 7.02(m, 4H), 6.82(m, 4H), 5.71(s, 4H), 3.95(s, 4H), 1.72-2.11(m, 16H), -3.81(brs, 2H);
質量分析(MALDI-TOF-MS): 788[M+];
UV-vis (CHCl3max (ε): 404 (5.21), 507 (4.23), 541 (3.88), 574 (3.84), 627 (3.50);
Elemental analysis for C52H42N4S2・3/2H2O (calcd): C, 76.41(76.72), H, 5.22(5.57), N, 6.94(6.88);
[合成例10:5,15-ジ(3-チエニル)-BCODP(2−10)]
反応容器にビシクロジピロメタン(2−0)(0.5000g, 1.12mmol)、水酸化ナトリウム(0.65g)、エチレングリコール(15ml)を入れ、アルゴン置換した。反応容器を遮光した後、160℃で2時間撹拌させた。反応終了後、反応容器を室温まで冷却し、溶液を水の中に注ぎ、1M塩酸を加えクエンチし、クロロホルムで抽出した。有機層を炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮した。これを遮光した反応容器に入れ、クロロホルム(50ml)を加え、アルゴン置換した。次いで3-チオフェンカルボキシアルデヒド(0.1322g, 1.18mmol)を加え撹拌した後、酸触媒としてトリフルオロボロンジエチルエーテラート(20μml)を加え、室温で一晩撹拌した。その後、クロラニル(0.2750g, 1.12mmol)を加え6時間反応させ酸化を行った。反応終了後、水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮した。得られた生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)で精製し、再沈殿(メタノール+水)することで目的物を得た。
収率: 27.9%;
元素組成(分子量): C52H42N4S2 (787.05);
外観: 赤色粉末;
1H NMR(CDCl3, 500MHz): δ= 10.36(s, 2H), 8.01(m, 4H), 7.83(m, 2H), 7.05(m, 4H), 6.80(m, 4H), 5.72(s, 4H), 3.92(s, 4H), 1.83-2.10(m, 16H), -3.84(brs, 2H);
質量分析(MALDI-TOF-MS): 788[M+];
UV-vis (CHCl3max (ε): 405 (5.15), 505 (4.19), 538 (3.59), 573 (3.76);
[合成例11:5,15-ジ(1-メチルイミダゾール-2-イル)-BCODP(2−11)]
反応容器にビシクロジピロメタン(2−0)(0.5000g, 1.12mmol)、水酸化ナトリウム(0.65g)、エチレングリコール(15ml)を入れ、アルゴン置換した。反応容器を遮光した後、160℃で2時間撹拌させた。反応終了後、反応容器を室温まで冷却し、溶液を水の中に注ぎ、1M塩酸を加えクエンチし、クロロホルムで抽出した。有機層を炭酸水素ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮した。これを遮光した反応容器に入れ、クロロホルム(300ml)を加え、アルゴン置換した。次いで1-メチル-2イミダゾールカルボキシアルデヒド(0.1230g, 1.12mmol)を加え撹拌した後、酸触媒としてトリフルオロ酢酸(0.0870g, 0.762mmol)を加え、室温で一晩撹拌した。トリアミンエチルを加え、クエンチした後、クロラニルを加え6時間反応させ酸化を行った。反応終了後、反応溶液を濃縮し、をアルミナカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)で精製した。さらにシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=99:1)で生成し、再沈殿(ヘキサン)することで目的物を得た。
収率: 10.3%;
元素組成(分子量): C52H46N8 (782.98);
外観: 茶色粉末;
1H NMR(CDCl3, 500MHz): δ= 10.43(s, 2H), 7.78(m, 2H), 7.63(m, 2H), 7.05(m, 4H), 6.92(m, 2H), 6.81(m, 2H), 5.72(s, 4H), 3.25-3.79(m, 10H), 2.12(m, 4H), 1.90(m, 12H), -4.11(s, 2H);
質量分析(MALDI-TOF-MS): 784[M+];
UV-vis (CHCl3max (ε): 394(5.05), 502(4.08), 536(3.86), 572(3.73), 624(3.56);
[合成例12:5,15-ジ(2-チエニル)-BCODP-Zn(2−12)]
反応容器にビシクロ化合物(2−9)(0.0100g, 0.0127mmol)を入れ、クロロホルム(5ml)に溶解させた。これに酢酸亜鉛飽和メタノール溶液(2ml)を加え、室温で一時間撹拌した。反応終了後、水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮した。得られた生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)で精製し、再沈殿(メタノール+水)することで目的物を得た。
収率: 88%;
元素組成(分子量): C52H40N4S2Zn (850.43);
外観: 赤色粉末;
1H NMR(CDCl3, 500MHz): δ= 10.33(s, 2H), 7.91(m, 4H), 7.60(m, 2H), 7.04(m, 4H), 6.82(m, 4H), 5.71(m, 4H), 3.85(m, 4H), 1.85-2.10(m, 16H);
質量分析(MALDI-TOF-MS): 850[M+];
UV-vis (CHCl3max (ε): 413 (5.26), 538 (4.05), 576 (3.91);
[合成例13:5,15-ジ(3-チエニル)-BCODP-Zn(2−13)]
反応容器にビシクロ化合物(2−10)(0.0100g, 0.0127mmol)を入れ、クロロホルム(5ml)に溶解させた。これに酢酸亜鉛飽和メタノール溶液(2ml)を加え、室温で一時間撹拌した。反応終了後、水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮した。得られた生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)で精製し、再沈殿(メタノール+水)することで目的物を得た。
収率: 95%;
元素組成(分子量): C52H40N4S2Zn (850.73);
外観: 赤色粉末;
1H NMR(CDCl3, 500MHz): δ= 10.37(m, 2H), 8.00(m, 4H), 7.83(m, 2H), 7.04(m, 4H), 6.79(m, 4H), ;
質量分析(MALDI-TOF-MS):851[M+];
UV-vis (CHCl3max (ε): 411 (5.06), 536 (3.80), 572 (3.39);
[合成例14:5,15-ジ(1-メチルイミダゾール-2-イル)-BCODP-Zn(2−14)]
反応容器にビシクロ化合物(2−11)(0.0100g, 0.0128mmol)を入れ、クロロホルム(5ml)に溶解させた。これに酢酸亜鉛飽和メタノール溶液(2ml)を加え、室温で一時間撹拌した。反応終了後、水、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮した。得られた生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム)で精製し、再沈殿(メタノール+水)することで目的物を得た。
収率: 95%;
元素組成(分子量): C52H44N8Zn (846.37);
外観: 赤色粉末;
1H NMR(CDCl3, 500MHz): δ= 10.29(s, 2H), 7.78(m, 2H), 7.63(m, 2H), 7.05(m, 4H), 6.90(m, 2H), 6.78(m, 2H), 6.76(m, 2H), 5.72(4, H), 3.03-3.75(m, 10H), 1.81-2.08(m, 16H);
質量分析(MALDI-TOF-MS): 845[M+];
UV-vis (CHCl3max (ε): 411(5.17), 543(4.15), 579(4.06);
[合成例15:5,15-ジメチル-BP(2−15)]
ビシクロ化合物(2−1)(0.0050g, 0.00768mmol)をマイクロチューブに入れ、これをナス型フラスコの中にいれた。真空ポンプ減圧し、さらにクーゲルロール中で220℃、10分間加熱した。色が完全に変化したことを確認した後、反応容器を室温まで戻した後、ナス型フラスコからマイクロチューブを取り出し、目的物を得た。熱分析の結果、変換開始温度は145.5℃であった。
収率: 100%;
元素組成(分子量): C38H26N4 (538.64);
外観: 緑色結晶;
質量分析(MALDI-TOF-MS): 538[M+];
UV-vis (CHCl3-TFA)λmax (ε): 449(5.41), 459(5.39), 620(4.06), 676(4.74);
[合成例16:5,15-ジエチル-BP(2−16)]
ビシクロ化合物(2−2)(0.0050g, 0.00736mmol)をマイクロチューブに入れ、これをナス型フラスコの中にいれた。真空ポンプ減圧し、さらにクーゲルロール中で220℃、10分間加熱した。色が完全に変化したことを確認した後、反応容器を室温まで戻した後、ナス型フラスコからマイクロチューブを取り出し、目的物を得た。
収率: 100%;
元素組成(分子量): C40H30N4 (566.69);
外観: 緑色結晶;
質量分析(MALDI-TOF-MS): 566[M+];
UV-vis (CHCl3-TFA)λmax (ε): 451(5.30), 617(3.99), 674(4.57);
[合成例17:5,15-ジフェニル-BP(2−17)]
ビシクロ化合物(2−5)(0.0050g, 0.00645mmol)をマイクロチューブに入れ、これをナス型フラスコの中にいれた。真空ポンプ減圧し、さらにクーゲルロール中で220℃、10分間加熱した。色が完全に変化したことを確認した後、反応容器を室温まで戻した後、ナス型フラスコからマイクロチューブを取り出し、目的物を得た。熱分析の結果、変換開始温度は145.6℃であった。
収率: 100%;
元素組成(分子量): C48H30N4 (662.78);
外観: 緑色粉末;
質量分析(MALDI-TOF-MS): 662[M+];
UV-vis (CHCl3-TFA)λmax (ε): 454(5.51), 608(4.05), 666(4.55);
[合成例18:5,15-ジペンタフルオロフェニル-BP(2−18)]
ビシクロ化合物(2−6)(0.0050g, 0.00524mmol)をマイクロチューブに入れ、これをナス型フラスコの中にいれた。真空ポンプ減圧し、さらにクーゲルロール中で220℃、10分間加熱した。色が完全に変化したことを確認した後、反応容器を室温まで戻した後、ナス型フラスコからマイクロチューブを取り出し、目的物を得た。熱分析の結果、変換開始温度は164.6℃であった。
収率: 100%;
元素組成(分子量): C48H20F10N4 (842.68);
外観: 緑色粉末;
質量分析(MALDI-TOF-MS):812[M+];
UV-vis (CHCl3-TFA)λmax (ε): 450(5.54), 673(4.81);
[合成例19:5,15-ジ (2-チエニル)-BP(2−19)]
ビシクロ化合物(2−9)(0.0050g, 0.00635mmol)をマイクロチューブに入れ、これをナス型フラスコの中にいれた。真空ポンプ減圧し、さらにクーゲルロール中で220℃、10分間加熱した。色が完全に変化したことを確認した後、反応容器を室温まで戻した後、ナス型フラスコからマイクロチューブを取り出し、目的物を得た。熱分析の結果、変換開始温度は146.5℃であった。
収率: 100%;
元素組成(分子量): C44H26N4S2 (674.83);
外観: 緑色粉末;
質量分析(MALDI-TOF-MS): 674[M+];
UV-vis (CHCl3-TFA)λmax (ε): 464(5.39), 619(4.10), 674(4.70);
[合成例20:5,15-ジ(3-チエニル)-BP(2−20)]
ビシクロ化合物(2−10)(0.0050g, 0.00635mmol)をマイクロチューブに入れ、これをナス型フラスコの中にいれた。真空ポンプ減圧し、さらにクーゲルロール中で220℃、10分間加熱した。色が完全に変化したことを確認した後、反応容器を室温まで戻した後、ナス型フラスコからマイクロチューブを取り出し、目的物を得た。熱分析の結果、変換開始温度は148.9℃であった。
収率: 100%;
元素組成(分子量): C44H26N4S2 (674.83);
外観: 緑色粉末;
質量分析(MALDI-TOF-MS): 674[M+];
UV-vis (CHCl3-TFA)λmax (ε):458(5.44), 615(4.05), 672(4.62);
[合成例21:5,15-ジ(1-メチルイミダゾール-2-イル)-BP(2−21)]
ビシクロ化合物(2−11)(0.0050g, 0.00639mmol)をマイクロチューブに入れ、これをナス型フラスコの中にいれた。真空ポンプ減圧し、さらにクーゲルロール中で220℃、10分間加熱した。色が完全に変化したことを確認した後、反応容器を室温まで戻した後、ナス型フラスコからマイクロチューブを取り出し、目的物を得た。熱分析の結果、変換開始温度は103.3℃であった。
収率: 100%;
元素組成(分子量): C44H30N8 (670.76);
外観: 緑色結晶;
質量分析(MALDI-TOF-MS): 670[M+];
UV-vis (CHCl3-TFA)λmax (ε): 391(4.60), 419(5.22), 435(5.30), 574(4.07), 605(4.62), 614(4.65), 671(4.64);
[吸収スペクトル測定]
・ビシクロ化合物
各ビシクロ化合物の吸収スペクトルを測定した。溶媒としてはクロロホルムを用いた。図1に測定したスペクトルを示す。図1において、「H」は式(1a)においてR=R=Hである化合物を示す。同様に、「Me」は上記の化合物(2−1)を、「Et」は化合物(2−2)を、「Ph」は化合物(2−5)を、「C」は化合物(2−6)を、「2−thienyl」は化合物(2−9)を、「3−thienyl」は化合物(2−10)を、「1−methylimidazol−2−yl」は化合物(2−11)を、それぞれ示す。
二置換ビシクロテトラベンゾポルフィリン化合物は、無置換体と比べて、メソ位の置換基によって吸収帯が長波長シフトしているのが分かる。
・二置換テトラベンゾポルフィリン化合物
各二置換テトラベンゾポルフィリン化合物の吸収スペクトルを測定した。溶媒としてはクロロホルム−トリフルオロ酢酸(TFA)混合溶媒を用いた。図2には測定したスペクトルについて300−750nmの部分を示し、図3には600−750nmの部分、すなわちQ帯付近を拡大して示す。図2及び図3において、「H」は式(1c)においてR=R=Hである化合物を示す。同様に、「Me」は上記の化合物(2−15)を、「Et」は化合物(2−16)を、「Ph」は化合物(2−17)を、「C」は化合物(2−18)を、「2−thienyl」は化合物(2−19)を、「3−thienyl」は化合物(2−20)を、「1−methylimidazol−2−yl」は化合物(2−21)を、それぞれ示す。
各二置換テトラベンゾポルフィリン化合物について、Q帯における立ち上がり波長及び吸収極大波長を以下の表に示す。以下の表において、「H」「Me」「Et」「Ph」「C」「2−thienyl」「3−thienyl」及び「1−methylimidazol−2−yl」との表記は、上記二置換テトラベンゾポルフィリン化合物の吸収スペクトル測定におけるのと同一の化合物を示す。また、Qband(Q帯)の頂とは、Q帯領域での吸収極大点での波長である。Qband(Q帯)の立ち上がりとは、Q帯の吸収スペクトルにおける吸収極大点を含む山がベースラインと接する2点のうち、長波長側の点の波長を示す。このQbandの立ち上がりは例えば、各化合物の吸収スペクトルにおけるベースラインと、Q帯領域内のある10nmの波長範囲での吸収スペクトルの近似直線であって傾きが負であるものとの交点のうち、一番長波長である交点の波長として求めることができる。
図2及び図3から分かるように、本発明の化合物(2−15)〜(2−21)のそれぞれは、Soret帯及びQ帯にポルフィリンに特徴的なピークを有している。このことから、化合物(2−15)〜(2−21)のようにメソ位に置換基を導入しても、化合物の平面性は保たれていると考えられる。また、二置換テトラベンゾポルフィリン化合物も、無置換体と比べて、メソ位の置換基によって吸収帯及び吸収極大波長が長波長シフトしているのが分かる。特に長波長側の立ち上がりで、約20nm以上長波長シフトしている。
[イオン化ポテンシャル測定]
各種ビシクロ化合物の10mmol/lのクロロホルム溶液を調製し、ITO付きガラス基板上にスピンコートすることにより、膜を良好に生成した。その後、210℃で20分間加熱処理を行うことにより、各二置換テトラベンゾポルフィリン化合物の半導体膜を作製した。この半導体膜のイオン化ポテンシャルを、住友重機械メカトロニクス製イオン化ポテンシャル測定装置PCR-101を用いて測定した。測定結果を以下の表に示す。以下の表において、「H」「Me」「Et」「Ph」「C」「2−thienyl」「3−thienyl」及び「1−methylimidazol−2−yl」との表記は、上記二置換テトラベンゾポルフィリン化合物の吸収スペクトル測定におけるのと同一の化合物を示す。
二置換テトラベンゾポルフィリン化合物は、無置換体に対してHOMO準位が低くなっていることが分かる。これは、とりわけ複素環基を含む芳香族基を置換基として有する場合に顕著である。
[トランジスタ特性測定]
膜厚300nmの酸化膜を形成したn型シリコン(Si)基板(Sbドープ、抵抗率0.02Ω・cm以下、住友金属工業社製)上に、フォトリソグラフィーで長さ(L)10μm、幅(W)500μmのギャップを有する金属極をソース、ドレイン電極として形成した。また、この電極とは異なる位置の酸化膜を削り取ってむき出しになったSi部分にクロムを蒸着して、この部分をシリコン基板に電圧を印加するためのゲート電極として利用した。各種ビシクロ化合物の10mmol/lのクロロホルム溶液を調製し、それを上述の基板上にスピンコートすることにより、膜を良好に生成した。その後210℃で20分間加熱処理をすることによって、以下の二置換テトラベンゾポルフィリン化合物の半導体膜を、電極を形成した基板上に作製した。こうして得られたFET(電界効果トランジスタ)素子を、Agilent社製半導体パラメータアナライザー4155Cを用いて評価した。上記化合物(2−15)はFET特性を示し、その飽和移動度は、8.4x10−6[cm2/V・s] であった。また、上記化合物(2−16)はFET特性を示し、その飽和移動度は、4.4x10−5[cm2/V・s] であった。

Claims (2)

  1. 2か所のメソ位が複素環基で置換された、テトラビシクロベンゾポルフィリン。
  2. 請求項に記載のテトラビシクロベンゾポルフィリンを変換して、テトラベンゾポルフィリンとする工程を含む、半導体材料の製造方法。
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