JP5532604B2 - 積層型バンドパスフィルタ、高周波部品及びそれらを用いた通信装置 - Google Patents

積層型バンドパスフィルタ、高周波部品及びそれらを用いた通信装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5532604B2
JP5532604B2 JP2008547072A JP2008547072A JP5532604B2 JP 5532604 B2 JP5532604 B2 JP 5532604B2 JP 2008547072 A JP2008547072 A JP 2008547072A JP 2008547072 A JP2008547072 A JP 2008547072A JP 5532604 B2 JP5532604 B2 JP 5532604B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
resonator
capacitor
bandpass filter
electrodes
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2008547072A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2008066198A1 (ja
Inventor
貴弘 山下
和弘 萩原
啓介 深町
茂 釼持
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Proterial Ltd
Original Assignee
Hitachi Metals Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Metals Ltd filed Critical Hitachi Metals Ltd
Priority to JP2008547072A priority Critical patent/JP5532604B2/ja
Publication of JPWO2008066198A1 publication Critical patent/JPWO2008066198A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5532604B2 publication Critical patent/JP5532604B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01PWAVEGUIDES; RESONATORS, LINES, OR OTHER DEVICES OF THE WAVEGUIDE TYPE
    • H01P1/00Auxiliary devices
    • H01P1/20Frequency-selective devices, e.g. filters
    • H01P1/201Filters for transverse electromagnetic waves
    • H01P1/203Strip line filters
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01PWAVEGUIDES; RESONATORS, LINES, OR OTHER DEVICES OF THE WAVEGUIDE TYPE
    • H01P1/00Auxiliary devices
    • H01P1/20Frequency-selective devices, e.g. filters
    • H01P1/201Filters for transverse electromagnetic waves
    • H01P1/203Strip line filters
    • H01P1/20327Electromagnetic interstage coupling
    • H01P1/20336Comb or interdigital filters
    • H01P1/20345Multilayer filters

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • Control Of Motors That Do Not Use Commutators (AREA)
  • Filters And Equalizers (AREA)
  • Semiconductor Integrated Circuits (AREA)
  • Transceivers (AREA)

Description

本発明は、例えば携帯電話、無線LAN等の無線伝送に用いる積層型バンドパスフィルタ、高周波部品、及びそれらを用いた通信装置に関する。
通信機器において、バンドパスフィルタは特定の周波数帯域のみを低損失で通過させる一方、不要な高域又は低域の雑音を通過させない働きをする。携帯無線通信システム等に用いられる通信装置の小型化に伴い、バンドパスフィルタとして小型化に有利な積層型のものが多く用いられるようになった(例えば特開2006-166136号)。
図23は特開2006-166136号に開示されたバンドパスフィルタの等価回路を示し、図24は上記等価回路を有する積層型バンドパスフィルタの各層の電極パターンを示す。この積層型バンドパスフィルタは、シート4上に並列に配設された3個の片側短絡ストリップ共振器電極23a、23b、23c(短絡側の方向が互い違いになっている)と、上のシート3においてストリップ共振器電極23a、23b、23cと対応する位置に配設された3個の波長短縮電極22a、22b、22c(これらの短絡側はストリップ共振器電極の短絡側と反対)と、下のシート5に配設された容量電極28とを有する。入出力側の共振器電極23a、23cは容量電極28により容量結合している。
図23に示すように、中央のストリップ共振器電極23bは上側が接地されており、両側のストリップ共振器電極23a、23cと逆向きにグランド電極に接続している。この相違により、図24に示すように、両側の共振器電極23a、23cは一方の側で接地電極29と接続しているが、中央の共振器電極23bは逆の側で接地している。上記構成を有する特開2006-166136号に記載の積層型バンドパスフィルタは、減衰特性が改善されているとともに、小型化されている。しかし、無線伝送用バンドパスフィルタでは、必要な周波数帯域の信号だけ通過させるため、減衰量を大きくする要求が益々増大している。また無線通信機の小型化に応じ、バンドパスフィルタにも更なる小型化の要求が強い。しかし、特開2006-166136号のバンドパスフィルタは、小型化の要求を満たすには減衰特性が十分ではない。
小型化の要求に応えつつバンドパスフィルタのフィルタ特性を調整するため、特開2002-16403号は、負荷容量を接続せずに、1個の共振器電極の形状を他の共振器電極の形状と異ならせ、共振周波数の制御を行う誘電体フィルタを開示している。しかし、特開2002-16403号に示す共振電極の形状だけで共振周波数の調整を行うと、共振周波数だけでなく共振器間の結合度も変化し、フィルタ特性全体の調整が煩雑である。共振周波数を調整するために共振電極の形状を大きく変えると、フィルタの面積使用効率が低下し、小型化に不利になる。
特開2003-152403号は、第一伝送線路と直列に接続した第一接地容量を有する第一共振器と、第一共振器と平行に接続するとともに、第二伝送線路と直列に接続した第二接地容量を有する第二共振器と、第二共振器と平行に接続するとともに、第三伝送線路と直列に接続した第三接地容量を有する第三共振器と、第一共振器と第三共振器の間を結合する結合容量を含む積層型バンドパスフィルタであって、第一伝送線路と第二伝送線路が磁気結合され、第二伝送線路と第三伝送線路とが磁気結合されて、バンドパスフィルタの主要な結合を形成し、接合容量が減衰極の周波数を調整している積層型バンドパスフィルタを開示している。特開2003-152403号は、第二共振器の接地容量が第二接地容量と反対側に設けられた回路、及び第三共振器の接地容量が第三接地容量と反対側に設けられた回路を具体的に示す。この積層型バンドパスフィルタは、減衰特性の改善と小型化を図っている。
しかし、特開2003-152403号の積層型バンドパスフィルタでは、入出力端子はともに直流的に短絡しているため、直流カットコンデンサを必要とする。携帯通信機器等で使用する場合には基板上に直流カットコンデンサを搭載する必要があり、小型化を妨げる。一方、積層型バンドパスフィルタ内に直流カットコンデンサを設ける場合、このコンデンサを構成するための誘電体層が必要となり、例えば2.4 GHzで動作する積層型バンドパスフィルタは3.2 mm×2.5 mm×1.5 mmと基板上に搭載する他の回路部品より大きくなり、小型化を妨げる。また、単に上記構造で小型化及び低背化を試みると、伝送線路とグラウンドが近づき、伝送線路のインピーダンスが低下して無負荷Q値が悪化する。そのため、特開2006-166136号に示す急峻なフィルタ特性は得られない。
特開2003-152403号には、共振器に接続する接地容量の位置を調整することにより、通過帯域の低周波又は高周波側の付近に減衰極を有する周波数補償が得られると記載されているが、低周波側に減衰極を発生させると高周波側に十分な減衰特性が得られず、また高周波側に減衰極を発生させると、低周波側に十分な減衰特性が得られない。
従って、本発明の目的は、減衰特性に優れた小型の積層型バンドパスフィルタを提供することである。
本発明のさらに別の目的は、かかる積層型バンドパスフィルタを具備する高性能な高周波部品を提供することである。
本発明のさらに別の目的は、かかる高周波部品を具備する高性能な通信装置を提供することである。
本発明の積層型バンドパスフィルタは、隣同士が電磁結合するように並設された第一〜第三の共振器用電極と、両側の共振器用電極の一方と接続する入力端子と、両側の共振器用電極の他方と接続する出力端子とを有し、隣接する第一及び第二の共振器用電極の一方の側の端部は接地容量に接続しているとともに、他方の側の端部は直接接地されており、第三の共振器用電極の前記一方の側の端部は直接接地されているとともに、前記他方の側の端部は接地容量に接続しており、前記共振器用電極間に両側の共振器用電極の間に形成された飛び越し容量を含む接続容量が設けられており、前記飛び越し容量の電極は両側の共振器用電極の各々に面する対向電極部と前記対向電極部同士を接続する接続電極部を有し、前記接続電極部は前記一方又は他方の側で前記対向電極部の端部同士を接続しており、前記対向電極部は両側の共振器用電極の前記一方の側の端部にそれぞれ配置されるか、前記他方の側の端部にそれぞれ配置され、もって両側の共振器用電極のうち、一方の共振器用電極の直接接地側の端部と、他方の共振器用電極の接地容量側の端部とを容量結合し、前記共振器用電極及び前記接続容量を形成する電極はいずれも前記積層体中に形成されており、前記接続容量の電極は積層方向に見たときにグランド電極を介さずに前記共振器用電極の2つ以上と重なるように配設されていることを特徴とする。この構成により、小型化の向上とともに、両端の共振器用電極を容量結合し、通過帯域の両側(高周波側及び低周波側)で急峻な減衰特性が得られる。
前記接続容量の残部は中央の共振器用電極とそれに隣接する1つの共振器用電極との間に形成された段間容量であり、前記段間容量の電極は入力端子又は出力端子に直接接続しているのが好ましい。この構成により、1つの電極を段間容量と入出力端子に直接接続する容量に共用でき、積層型バンドパスフィルタを小型化することができる。
前記対向電極部の両端は前記共振器用電極の長手方向両端より内側にあり、前記接続電極部は前記対向電極部の少なくとも一方の両端より内側に接続しているのが好ましい。この構成により、積層型バンドパスフィルタの電極以外の素子への飛び越し容量の影響を小さくすることができる。前記接続電極部は、両対向電極部の両端より内側に接続しているのがより好ましい。
前記対向電極部の幅は両端の共振器用電極の幅以上であり、前記接続電極部の幅は前記対向電極部の幅より小さいのが好ましい。この構成により、効率的に飛び越し容量を形成できるとともに、中央の共振器用電極との間に不要な容量が形成されるのを抑制することができる。
各共振器用電極は複数の層にわたって形成された伝送線路の端部同士を並列に接続することにより構成されているのが好ましい。面内方向に隣接する共振器用電極の間隔より、積層方向に隣接する伝送線路の間隔の方が小さいのが好ましい。この構成により共振器用電極の抵抗を低減できるので、挿入損失を低減し、より高性能な積層型バンドパスフィルタを実現できる。
入力端子又は出力端子と接続する電極が形成された層と、前記共振器用電極が形成された層との間に、前記接続容量の電極が形成された層が配置されているのが好ましい。
積層方向に順に、第一のグランド電極が形成された層、前記第一のグランド電極と対向して容量を形成する電極が形成された層、前記共振器用電極が形成された少なくとも1つの層、第二のグランド電極と対向して容量を形成する電極が形成された層、及び前記第二のグランド電極が形成された層を配置するのが好ましい。この配置により、グランド電極からできるだけ共振器用電極を遠ざけることができ、より高性能な積層型バンドパスフィルタを実現できる。
前記第一及び第二の共振器用電極の間隔と、前記第二及び第三の共振器用電極の間隔とは異なるのが好ましい。特に、前記第一及び第二の共振器用電極の間隔は、前記第二及び第三の共振器用電極の間隔より大きいのが好ましい。
前記積層型バンドパスフィルタにおいて、前記接地容量を形成する電極の少なくとも一部はグランド電極に挟まれているのが好ましい。
本発明の一実施形態では、積層型バンドパスフィルタは、入力端子及び出力端子と、第一〜第八の容量とを有し、
前記第一、第二及び第五の容量は接続容量であり、
前記第六、第七及び第八の容量は接地容量であり、
前記第一の共振器用電極の一方の側の端部は前記第三の容量を介して前記入力端子に接続しているとともに前記第六の容量を介して接地されており、かつ他方の側の端部は直接接地されており、
前記第二の共振器用電極の一方の側の端部は前記第七の容量を介して接地されており、かつ他方の側の端部は直接接地されており、
前記第三の共振器用電極の一方の側の端部は直接接地されており、かつ他方の側の端部は前記第四の容量を介して前記出力端子に接続しているとともに前記第八の容量を介して接地されており、
前記第一の共振器用電極の一方の側の端部と前記第二の共振器用電極の一方の側の端部とは前記第一の容量を介して接続しており、
前記第二の共振器用電極の他方の側の端部と前記第三の共振器用電極の他方の側の端部とは前記第二の容量を介して接続しており、
前記第一の共振器用電極の一方の側の端部と前記第三の共振器用電極の一方の側の端部とは前記第五の容量を介して接続している。
本発明の別の実施形態では、積層型バンドパスフィルタは、入力端子及び出力端子と、第一〜第八の容量とを有し、
前記第一、第二及び第五の容量は前記接続容量であり、
前記第六、第七及び第八の容量は接地容量であり、
前記第一の共振器用電極の一方の側の端部は前記第三の容量を介して前記入力端子に接続しているとともに前記第六の容量を介して接地されており、かつ他方の側の端部は直接接地されており、
前記第二の共振器用電極の一方の側の端部は前記第七の容量を介して接地されており、かつ他方の側の端部は直接接地されており、
前記第三の共振器用電極の一方の側の端部は直接接地されており、かつ他方の側の端部は前記第四の容量を介して前記出力端子に接続しているとともに前記第八の容量を介して接地されており、
前記第二の共振器用電極の一方の側の端部と前記入力端子とは前記第一の容量を介して接続しており、
前記第二の共振器用電極の他方の側の端部と前記出力端子とは前記第二の容量を介して接続しており、
前記第一の共振器用電極の一方の側の端部と前記第三の共振器用電極の一方の側の端部とは前記第五の容量を介して接続している。
本発明のさらに別の実施形態では、積層型バンドパスフィルタは、入力端子及び出力端子と、第一〜第六の容量とを有し、
前記第一の共振器用電極の一方の側の端部は前記第一の容量を介して前記入力端子に接続しているとともに前記第四の容量を介して接地されており、かつ他方の側の端部は直接接地されており、
前記第二の共振器用電極の一方の側の端部は前記第五の容量を介して接地されており、かつ他方の側の端部は直接接地されており、
前記第三の共振器用電極の一方の側の端部は直接接地されており、かつ他方の側の端部は前記第二の容量を介して前記出力端子に接続しているとともに、前記第六の容量を介して接地されており、
前記第三の共振器用電極の他方の側の端部は第三の容量を介して前記入力端子に接続している。前記入力端子と前記出力端子を第七の容量を介して接続しても良い。第四〜第六の容量の少なくとも一つを形成する電極の少なくとも一部はグランド電極に挟まれているのが好ましい。
本発明の高周波部品は、通信装置に用いる高周波回路を形成するように、電極パターンを形成した複数の誘電体層からなる積層体と、前記積層体の表面に搭載された素子とを具備し、前記高周波回路が上記積層型バンドパスフィルタのいずれかを有することを特徴とする。
本発明の通信装置は上記高周波部品を具備することを特徴とする。
隣接する2本の共振器用電極が同じ向きで残りの1本の共振器用電極が逆向きの本発明の3段の積層型バンドパスフィルタは、共振器用電極の向きが全て同じ積層型バンドパスフィルタや、中央の共振器用電極の向きが両脇の共振器用電極の向きと異なる積層型バンドパスフィルタに比べて、通過帯域の低周波側及び高周波側において優れた減衰特性を有する。かかる積層型バンドパスフィルタを用いることにより、高性能の高周波部品及び通信機器が得られる。
本発明の第一の実施形態の積層型バンドパスフィルタの等価回路を示す図である。 第一の実施形態の積層型バンドパスフィルタにおける各層の電極パターンを示す分解斜視図である。 飛び越し容量の電極を示す拡大図である。 飛び越し容量の電極と共振器用電極との重なり状態を示す図である。 図2における伝送線路と段間容量電極との重なりを示す拡大斜視図である。 第二の実施形態の積層型バンドパスフィルタにおける伝送線路と段間容量電極との重なりを示す拡大斜視図である。 実施例1の積層型バンドパスフィルタ、及び比較例1,2の積層型バンドパスフィルタの減衰特性を示すグラフである。 第二の実施形態の積層型バンドパスフィルタの等価回路を示す分解斜視図である。 本発明の第三の実施形態の積層型バンドパスフィルタにおける各層の電極パターンを示す分解斜視図である。 本発明の第四の実施形態の積層型バンドパスフィルタの等価回路を示す図である。 第四の実施形態の積層型バンドパスフィルタにおける各層の電極パターンを示す分解斜視図である。 図9の積層型バンドパスフィルタの第6層〜第8層に形成された伝送線路からなる共振器用電極の一例を示す拡大図である。 図9の積層型バンドパスフィルタの第6層〜第8層に形成された伝送線路からなる共振器用電極の別の例を示す拡大図である。 実施例4及び比較例3の積層型バンドパスフィルタの減衰特性を示すグラフである。 本発明の第五の実施形態の積層型バンドパスフィルタの等価回路を示す図である。 実施例5の積層型バンドパスフィルタと比較例3の積層型バンドパスフィルタの減衰特性を示すグラフである。 第五の実施形態の積層型バンドパスフィルタにおける各層の電極パターンを示す分解斜視図である。 図14に示す積層型バンドパスフィルタの外観を示す斜視図である。 積層型バンドパスフィルタの等価回路を示す図である。 本発明の高周波部品の一例を示すブロック図である。 本発明の高周波部品の別の例を示すブロック図である。 本発明の高周波部品のさらに別の例を示すブロック図である。 本発明の高周波部品のさらに別の例を示すブロック図である。 本発明の高周波部品を構成する積層体内における回路の平面配置を示す図である。 本発明の高周波部品を構成する各層の電極パターンの一例を示す分解図である。 従来の積層型バンドパスフィルタの等価回路を示す図である。 従来の積層型バンドパスフィルタにおける各層の電極パターンを示す分解斜視図である。 従来の積層型バンドパスフィルタの等価回路を示す図である。
[1] 積層型バンドパスフィルタ
本発明の各実施形態による積層型バンドパスフィルタを添付図面を参照して詳細に説明するが、本発明の積層型バンドパスフィルタはそれらに限定されない。特に断りがなければ各例における説明は他の例にも適用できる。なお、「一方の側」及び「他方の側」は、図1,6,8及び12では図面の上側及び下側である。
本発明の積層型バンドパスフィルタは3段の共振器を有し、3本の共振器用電極は積層体中に形成されており、隣接する共振器用電極は電磁結合している。3段の共振器により減衰特性は急峻になる。さらに共振器を付加して、3段を超える共振器を有する積層型バンドパスフィルタとしても良いが、段数が多くなるほど積層型バンドパスフィルタが大型化するとともに挿入損失が増加するため、3段の共振器が好ましい。
3本の共振器用電極のうち、隣接する2本の共振器用電極の一方の側の端部は接地容量に接続しており、他方の側の端部は直接接地されている。残りの1本の共振器用電極は、隣接する2本の共振器用電極と逆に、一方の側で直接接地されており、他方の側で接地容量に接続している。すなわち、隣接する2本の共振器用電極は同じ向きであり、残りの1本の共振器用電極は逆向きである。ここで「直接接地」とは容量を介さない接地を意味し、「逆向き」とは接地方向が逆であることを意味する。ここで「接続」は、直接又はビアホールを介した接続だけでなく、容量結合も含む。また「電極の端部」は電極の末端又は末端付近の領域を意味する。
(1) 第一の実施形態
図1は第一の実施形態による積層型バンドパスフィルタを示す。共振器用電極間に形成される接続容量は、隣接する共振器用電極の間に形成される段間容量、又は両端の共振器用電極の間に形成される飛び越し容量である。接続容量の電極は共振器用電極を跨ぐように配設されている。ここで「共振器用電極を跨ぐ」とは、接続容量の電極が2本以上の共振器用電極と重なるように延在することを意味する。積層方向に見たときに接続容量はグランド電極を介さずに2本以上の共振器用電極に重なるように配設されている。特に一つの容量電極が2本以上の共振器用電極と重なると、重なり面積が大きいため接続容量が大きくなり、もって挿入損失が小さく、低周波側及び高周波側のいずれにも減衰量が大きい積層型バンドパスフィルタが得られる。また容量電極がグランド電極を介さずに共振器用電極と直接対向して接続容量を形成するので、積層型バンドパスフィルタを小型化できる。
図1に示す積層型バンドパスフィルタは、入力端子P1及び出力端子P2と、複数の容量電極C1〜C8と、複数(3本)の共振器用電極L1〜L3とを有し、共振器用電極L1〜L3は電磁結合して3段の共振器を形成している。第一及び第二の共振器用電極L1,L2は電磁結合するように並設されており、第二及び第三の共振器用電極L2,L3は電磁結合するように並設されている。電磁的結合は図1に記号「M」で表す。グランド電極との接続に関して、3本の共振器用電極L1〜L3のうち、隣接する2本の共振器用電極L1,L2は同じ向きで、一本の共振器用電極L3は逆向きであるのが好ましい。隣接する2本の共振器用電極L1,L2の他方の側の端部はグランド電極と直接接続し、共振器用電極L3の一方の側の端部はグランド電極と直接接続している。
第一の共振器用電極L1の一方の側の端部は、第三の容量C3を介して入力端子P1に接続しており、第六の容量C6を介して接地されている。また第一の共振器用電極L1の他方の側の端部は直接(実質的に容量を介さずに)接地されている。第二の共振器用電極L2の一方の側の端部は第七の容量C7を介して接地されており、他方の側の端部は直接(実質的に容量を介さずに)接地されている。第三の共振器用電極L3の一方の側の端部は直接(実質的に容量を介さずに)接地されており、他方の側の端部は、第四の容量C4を介して出力端子P2に接続されているとともに第八の容量C8を介して接地されている。第一の共振器用電極L1の一方の側の端部と第二の共振器用電極L2の一方の側の端部とは第一の容量C1を介して接続しており、第二の共振器用電極L2の他方の側の端部と第三の共振器用電極L3の他方の側の端部とは第二の容量C2を介して接続している。さらに、第一の共振器用電極L1の一方の側の端部と第三の共振器用電極L3の一方の側の端部とは第五の容量C5を介して接続している。第一、第二及び第五の容量C1,C2及びC5は共振器用電極間に形成された接続容量であり、第六〜第八の容量C6〜C8は各共振器用電極L1〜L3の片側に接続された接地容量である。第一及び第二の容量C1,C2は隣接する共振器用電極L1,L2及びL2,L3の間にそれぞれ形成された段間容量である。第五の容量C5は、第二の共振器用電極L2を飛び越して、第一の共振器用電極L1と第三の共振器用電極L3の間に形成された飛び越し容量である。この構成の積層型バンドパスフィルタ回路は減衰特性に優れている。
ここでは第一の共振器用電極L1が入力端子P1と接続し、第三の共振器用電極L3が出力端子P2と接続するが、本発明はこれに限定されず、第一の共振器用電極L1が出力端子P2と接続し、第三の共振器用電極L3が入力端子P1と接続しても良い。これは以下に説明する他の実施形態でも同様である。
このような等価回路を有する積層型バンドパスフィルタを図2に示す。黒丸はビアホールを示し、破線はビアホール同士の接続を示す。図2における電極の符号は、図1における対応する容量及び共振器用電極の符号と同じである。
最下層(第8層)はグランド電極E4を有し、第7層は共振器用電極L1〜L3に沿うように延在する帯状の接地容量電極C6,C7,C8を有する。容量電極C6,C7,C8は共振器用電極L1〜L3の端部から離れた位置で幅が大きくなるように長手方向途中で幅が変わり、もって容量を調整している。共振器用電極L1,L2に対応する容量電極C6,C7は、容量電極C8と逆側が幅広くなっている。なお、図2に示すように接地容量電極とグランド電極を対向させる場合に限らず、共振器用電極L1〜L3の一方の側の端部又は他方の側の端部をグランド電極と対向させても良い。
第6層は、共振器用電極L1〜L3の両端部に相当する位置に小面積の電極E2,E3を有する。電極E2,E3の形状には帯域幅を広くする工夫がある。電極E2は中央のビアホールの孔から左右に延びた短い電極であり、ビアホールを介して共振器用電極L1,L2の端部に接続している。共振器用電極L1,L2の端部はともに微小なインダクタンスを介して接地されているので、通過帯域の平坦度が大きくなり、帯域幅が広くなる。電極E2の中央のビアホールは、共振器用電極L1,L2の中間に位置するのが好ましい。電極E2と逆側に設けられた電極E3も同様の効果を発揮する。
第5層は3本の同じ長さの平行な帯状の共振器用電極L1〜L3を有する。共振器用電極L1〜L3は長手方向にずらしても良く、また長さ及び幅を変えても良い。さらに、共振器用電極L1〜L3は直線状に限らず、電磁結合部以外の部分で屈曲しても良い。共振器用電極L1〜L3の幅はビア電極の径の0.5〜2倍程度で良い。共振器用電極L1〜L3は伝送線路により形成されているが、その一部をインダクタとしても良い。隣接する共振器用電極L1,L2の他方の側の端部(図面左上側)はともにビアホールにより第6層の電極E2を経て、最下層(第8層)のグランド電極E4に接続している。1本の共振器用電極L3の一方の側の端部(図面右下側)はビアホールにより第6層の電極E3を経て最下層のグランド電極E4に接続している。共振器用電極L3の接地方向が隣接する共振器用電極L1,L2の接地方向と逆であるために、挿入損失が小さく、かつ低周波側及び高周波側ともに減衰量が大きい小型積層型バンドパスフィルタが得られる。
第4層は第五の容量(飛び越し容量)C5を形成するほぼH形の電極を有する。勿論、飛び越し容量の電極はH型に限らず、コの字状等他の形状でも良い。図2及び図3に示すように、飛び越し容量C5の電極は、各共振器用電極L1,L3に同じ側で重なるように長手方向に延在するほぼ矩形の対向電極部7,7、及び共振器用電極L1,L3の同じ側で対向電極部7,7を接続して共振器用電極L2と直交するように延在する接続電極部8により一体的に構成されている。この構成により、図1に示すように、共振器用電極L1の一方の側の端部(接地容量側)と共振器用電極L3の一方の側の端部(直接接地側)とを接続する飛び越し容量C5が形成され、もって両端間での容量結合を形成し、通過帯域の両側(高周波側及び低周波側)に急峻な減衰特性をもたらす。対向電極部7は図2に示す位置に限らず、共振器用電極L1,L3の他方の側の端部付近に形成しても良い。飛び越し容量C5を中央の共振器用電極L2を迂回せずに形成すると、積層型バンドパスフィルタの小型化が図れる。
図2及び図3に示すように、各対向電極部7の両端9、10は共振器用電極L1,L3の両端11,12より内側に位置する。この構成により、対向電極部7,7が共振器用電極L1,L3の長手方向にずれることによる特性変動を抑制できる。また接続電極部8は対向電極部7の両端9、10より内側にあるので、接続電極部8が共振器用電極L1,L3の長手方向にずれることによる特性変動を抑制できる。この構成は、共振器用電極L1〜L3の長さが異なる場合、特に中央の共振器用電極L2が両端の共振器用電極L1,L2より短い場合に好適である。なお、接続電極部8は少なくとも一方側の対向電極部7の両端より内側に接続していれば良い。
図3(b) に示すように、対向電極部7の幅W1が両端の共振器用電極L1,L3の幅W2以上であると、両者の位置が多少ずれても十分な重なりを確保でき、容量のばらつきを抑えることができる。接続電極部8の幅W4が対向電極部の長さW3未満であると、接続電極部8と中央の共振器用電極L2との間の不要な容量を抑制できる。さらに接続電極部8の幅W4が中央の共振器用電極L2の幅以下であると、接続電極部8と中央の共振器用電極L2との間の不要な容量が小さいので、減衰特性が向上する。この構成は、接続電極部8が中央の共振器用電極L2と重なる場合に好適である。なお接続電極部8の幅W4は長手方向に一定でも変化しても良い。接続電極部8の幅W4が変化する場合、幅W4は中央の共振器用電極L2との交差部における最大幅とする。
第3層は、入力端子P1、出力端子P2、入力端子P1と共振器用電極L1を接続する容量C3(入力側容量ともいう)を形成する電極、及び出力端子P2と共振器用電極L3を接続する容量C4(出力側容量ともいう)を形成する電極を有する。両端の共振器電極L1,L3の向きが逆であるため、積層型バンドパスフィルタの両端に入力端子及び出力端子を離隔して配置することができる。このため、入力端子と出力端子のアイソレーションを確保しやすい。図4(a) は容量電極C3,C4と共振器用電極L1,L2の重なり状態を示す。容量電極C3は、入力端子P1から共振器用電極L1の方向に延びる直線部と、共振器用電極L1と重なるように直線部と直交する部分からなる。容量電極C3と共振器用電極L1との重なりにより入力側容量C3が形成される。容量電極C4は、出力端子P2から共振器用電極L3の方向に延びる直線部と、共振器用電極L3と重なるように直線部と直交する部分からなる。容量電極C4と共振器用電極L3との重なりにより出力側容量C4が形成される。
第2層は、共振器用電極L1と共振器用電極L2の間の段間容量C1を形成するほぼ矩形の電極と、共振器用電極L2と共振器用電極L3の間の段間容量C2を形成するほぼ矩形の電極とを有する。容量電極C1は共振器用電極L1,L2の一方の側の端部と重なり、容量電極C2は伝送線路L2,L3の他方の側の端部と重なる。すなわち、段間容量C1,C2は共振器用電極の長手方向反対側に配置されている。
第1層はグランド電極E1を有する。第1層〜第8層のシートを積層し、一体化することにより積層型バンドパスフィルタが構成される。図2に示す構成では、共振器用電極L1〜L3を有する第5層より上の第2層及び第4層に段間容量電極C1,C2及び飛び越し容量電極C5が配設され、下の第7層に接地容量電極C6〜C8が配設されているので、帯域の調整が容易である。
共振器用電極L1〜L3とグランド電極E1との間、及び共振器用電極L1〜L3とグランド電極E4との間に、各グランド電極E1、E4と対向して容量を形成する電極が配置されているので、共振器用電極L1〜L3はグランド電極E1、E4から分離されている。容量電極C3,C4がグランド電極E1と共振器用電極L1〜L3との間に配置され、容量電極C3,C4とグランド電極E1との間に容量電極C1,C2が配置されているので、DCカットの機能を有する容量C3,C4を形成する際にグランドとの間の寄生容量を抑制できる。さらに容量電極C3,C4と共振器用電極L1〜L3との間に飛び越し容量電極C5が形成されているので、飛び越し容量電極C5は共振器用電極L1〜L3と直接対向し、もって飛び越し容量の形成に必要な電極面積を低減できる。図2に示す構成では、従来の積層型バンドパスフィルタより簡単な電極構造となり、回路線路を短くできるため、挿入損失の低減も図れる。
図5は、第一の実施形態の積層型バンドパスフィルタ(実施例1)、3本の共振器用電極L1〜L3が全て同じ一方の側の端部で接地された比較例1の積層型バンドパスフィルタ、及び3本の共振器用電極L1〜L3のうち中央の共振器用電極L2だけが逆側の端部で接地された(中央の共振器用電極L2が逆向きの)比較例2の積層型バンドパスフィルタの減衰特性を示す。比較例2は特開2006-166136号に記載された積層型バンドパスフィルタと同じである。図5において、ハッチング部は積層型バンドパスフィルタに要求される規格を示す。実施例1の積層型バンドパスフィルタは通過帯域の両側に急峻な減衰特性を有するが、比較例1及び2はいずれも要求規格を満たさない。
(2) 第二の実施形態
図6に示す第二の実施形態の積層型バンドパスフィルタは、第一の段間容量C1の一端が入力端子P1に接続し、第二の段間容量C2の一端が出力端子P2に接続している点だけが、図1に示す積層型バンドパスフィルタと異なるので、段間容量C1,C2以外の説明は省略する。この構成の積層型バンドパスフィルタ回路も減衰特性に優れている。
第二の実施形態の積層型バンドパスフィルタは、第3層の構成が異なる以外第一の実施形態の積層型バンドパスフィルタと同じである。第一の実施形態の積層型バンドパスフィルタの第3層における容量電極を図4(a) に示し、第二の実施形態の積層型バンドパスフィルタの第3層における容量電極を図4(b) に示す。第一の実施形態の積層型バンドパスフィルタと異なり、第二の実施形態の積層型バンドパスフィルタでは入力容量電極C3は第一の共振器用電極L1と第二の共振器用電極L2を跨ぐように延在し、出力容量電極C4は第二の共振器用電極L2と第三の共振器用電極L3を跨ぐように延在している。

このように、入出力容量電極C3,C4は第二の共振器用電極L2まで延在しているので、各端子P1,P2に直接接続された入出力容量C3,C4だけでなく、段間容量C1,C2をも形成する。図6に示すように、入力容量電極C3と隣接する2本の共振器用電極L1,L2との容量結合により、第二の共振器用電極L2は段間容量C1だけでなく入力容量C3も介して第一の共振器用電極L1と結合する。また出力容量電極C4と隣接する2本の共振器用電極L3,L2との容量結合により、第二の共振器用電極L2は段間容量C2だけでなく出力容量C4も介して第三の共振器用電極L3と結合する。すなわち、入力容量C3を形成する電極は、第一の共振器用電極L1と第二の共振器用電極L2との間の容量C1をも形成し、出力容量C4を形成する電極は第二の共振器用電極L2と第三の共振器用電極L3との間の容量C2をも形成する。この構成により減衰特性は更に向上する。
(3) 第三の実施形態
図7に示す第三の実施形態の積層型バンドパスフィルタは10層を有し、3本の共振器用電極を3層(第5層〜第7層)に分けて構成した点で図2に示す積層型バンドパスフィルタと異なる。従って、第5層〜第7層以外の層の説明を省略する。第5層は共振器用電極L1〜L3を構成する第一の伝送線路(L1a、L2a、L3a)を有し、第6層は共振器用電極L1〜L3を構成する第二の伝送線路(L1b、L2b、L3b)を有し、第7層は共振器用電極L1〜L3を構成する第三の伝送線路(L1c、L2c、L3c)を有する。伝送線路L1a、L1b、L1cはビアホールで並列接続されて1つの共振器用電極L1を形成し、伝送線路L2a、L2b、L2cはビアホールで並列接続されて1つの共振器用電極L2を形成し、伝送線路L3a、L3b、L3cはビアホールで並列接続されて1つの共振器用電極L3を形成する。複数の層に形成された電極の並列接続によりインピーダンスが低減され、挿入損失の少ない積層型バンドパスフィルタが得られる。この実施形態では各共振器用電極は最適に3分割されているが、勿論2分割でも4分割以上でも良い。共振器用伝送線路の面内方向(積層方向に垂直な方向)の間隔より積層方向の間隔の方が小さいのが好ましい。
接地容量電極C6〜C8は共振器用伝送線路L1c,L2c,L3cを有する第7層より下に形成されている。段間容量電極C3,C4及び飛び越し容量電極C5は共振器用伝送線路L1a,L2a,L3aを有する第5層より上に形成されている。
(4) 第四の実施形態
図8に示す積層型バンドパスフィルタは、入力端子P1、出力端子P2、第一〜第七の容量C21〜C27、及び第一〜第三の共振器用電極L1〜L3を有する。第6層〜第8層を重ねて示す図10(a) から明らかなように、本実施形態では共振器用電極L1,L2の間隔は共振器用電極L2,L3の間隔より広い。図10に示す共振器用電極L1〜L3の黒塗りの部1〜6はビア電極に接続された端部である。電磁結合する共振器用電極の間隔を変えてフィルタ特性を調整するので、共振器用電極の寸法及び形状を大きく変える必要がない。共振器用電極L1から共振器用電極L3までの距離は従来1.0 mmであったが、本例では0.9 mmに短縮できる。これにより積層型バンドパスフィルタの小型化が可能となる。なお、フィルタ特性の調整によっては、共振器用電極L1,L2の間隔を共振器用電極L2,L3の間隔より小さくしても良い。またフィルタ特性に応じて共振器用電極の幅及び長さを変えても良い。図10(a) に示す例では共振器用電極L1は共振器用電極L2,L3よりやや小幅で長く、図10(b) に示す例では全ての共振器用電極L1〜L3は同じ幅及び長さを有する。なお、共振器用電極の間隔は電磁結合する部分の間隔を言う。
第一の共振器用電極L1の一方の側の端部は第一の容量C21を介して入力端子P1と接続し、第四の容量C24を介して接地されている。第一の共振器用電極L1の他方の側の端部は実質的に容量を介さずに接地されている。第二の共振器用電極L2の一方の側の端部は第五の容量C25を介して接地されており、他方の側の端部は実質的に容量を介さずに接地されている。第三の共振器用電極L3の他方の側の端部は第二の容量C22を介して出力端子P2に接続し、第三の容量C23を介して入力端子P1と接続し、第六の容量C26を介して接地されている。第三の共振器用電極L3の一方の側の端部は実質的に容量を介さずに接地されている。従って、入力端子P1と容量C21の接続点と、共振器用電極L3と容量C26の接続点とは、容量C23を介して接続している。容量C23は第一の共振器用電極L1と第三の共振器用電極L3の間に形成された飛び越し容量である。非対称的に接続したC23は簡単な回路構造でありながら積層型バンドパスフィルタの高性能化及び小型化に寄与する。入力端子P1と出力端子P2の間に飛び越し容量C27が接続されている。
容量C21,C22は積層体内の電極により構成できるので、新たな直流カットコンデンサを設ける必要がない。そのため部品点数を減らすことができ、通信機器の小型化に有利である。また、接地容量C24,C25,C26及び/又は飛び越し容量C27を調整することにより積層型バンドパスフィルタの通過帯域及び減衰極を調整することができる。接地容量C24〜C26以外の容量の配置はフィルタ特性に応じて変更できる。例えば、容量C27及びC23は設けなくても良い。共振器用電極L1,L2を結合する段間容量、及び共振器用電極L2,L3を結合する段間容量をそれぞれ設けても良い。また入力端子P1と伝送線路L2を接続する容量、及び出力端子P2と共振器用電極L2を接続する容量を設けても良い。
図9は、図8に示す等価回路を有する積層型バンドパスフィルタを示す。黒四角はビアホールを示し、黒四角を積層方向に結ぶ破線はビアホールの接続を示す。第1層及び第11層のグランド電極E1,E3により、外部からの信号や雑音の影響を小さくできる。グランド電極E1,E3は積層体側面に設けられた外部電極や積層体内のビア電極により接続しても良い。第1層及び第11層の外側に誘電体シートを積層し、グランド電極E1,E3が表面に露出しないようにしても良い。
第2層〜第4層における電極C21a,C22,C24a,C24b,C26a,C26bは、容量C21,C22と、容量C24,C26の一部を形成する。容量C21,C22は電極C21a,C22が、それぞれ上下層の容量C24,C26を形成する電極に挟まれることにより形成される。積層体を上から見た場合、電極C21aは電極C24a及びC24bの内側にあるのが好ましく、電極C22は電極C26a及びC26bの内側にあるのが好ましい。電極C21aは入力端子P1と接続し、電極C22は出力端子P2と接続している。電極C21a,C22が電極C24a,C24b、及び電極C26a,C26bより外側にあると、グランド電極との間に寄生容量が発生し、高周波整合をとることが難しくなる。入出力端子P1,P2は積層体の側面に形成された外部電極に接続しているが、これに限定されない。
第5層は、容量C21の一部を形成する電極C21b及び電極C23を有する。電極C21b及びC23は接続電極部L0で接続しているので、接続容量電極C23は共振器用電極を跨ぐ。電極C21b及びC23は同じ層(第5層)に形成されており、積層型バンドパスフィルタの低背化に寄与する。共振器用電極L1が電極C24bと接続し、共振器用電極L3が電極C26bと接続しているため、C21b及びC23は共振器用電極L1,L3と重なっても良い。また電極C21b及びC23は共振器用電極L2と重ならない方が良い。これは、共振器用電極L2との間の寄生容量を小さくするためである。また電極C21b及びC23を接続する接続電極部L0の幅は80〜300μm程度と電極C21b,C23より狭くするのが好ましい。接続電極部L0の幅がこれより狭いと信号損失が大きく、また広いと共振器用電極L2との寄生容量が大きくなる。第5a層に印刷された電極C27は、積層体を上部から見た時に第5層に印刷された電極C23と少なくとも一部が重なるのが好ましい。図9に示す例では電極C27は新たな層(第5a層)に形成されているが、第2層又は第4層に形成しても良い。
第6層〜第8層は共振器用電極L1〜L3を有する。各共振器用電極L1〜L3を構成する複数の伝送線路は、図6と同様に、複数の層(第6層〜第8層)にわたって形成されている。図9において、共振器用電極L1,L2は右上側で接地されており、共振器用電極L3は共振器用電極L1,L2と逆に左下側で接地されている。高周波整合、減衰特性及び挿入損失を改善するために、伝送線路の長さ、幅等を調整しても良い。例えば、高周波整合をとるために共振器用電極L1を細くするとともに共振器用電極L3を太くしたり、共振器用電極L1を長くするとともに共振器用電極L3を短くしたりしても良い。
第9層及び第11層はグランド電極E2,E3を有し、第10層はグランド電極E2,E3に挟まれる容量電極C24c,C25,C26c(容量C24〜C26の一部を形成する)を有する。容量電極C24c,C25,C26cを同じ層に設けることにより、積層型バンドパスフィルタの小型化が図られる。さらに容量電極C24c,C25,C26cをグランド電極E2,E3で挟むことにより容量電極が小さくなり、積層型バンドパスフィルタの小型化に寄与する。また、容量電極C24c,C25,C26cと共振器用電極L1〜L3との間にグランド電極E2が配置されているため、容量電極C24c,C25,C26cと共振器用電極L1〜L3との不要な容量形成が防止される。従って、容量C24〜C26を形成する電極の形状及び配置の自由度が高い。図9に示す積層構造により、減衰特性に優れかつ通信機器への搭載が容易な積層型バンドパスフィルタが得られる。
この積層型バンドパスフィルタは、例えば1.4 mm2と小型化できる。図11は、この積層型バンドパスフィルタ(実施例4)、及び図25に示す等価回路を有する従来の積層型バンドパスフィルタ(比較例3)の減衰特性を示す。両フィルタとも2.45 GHz帯を通過帯域とする。図11において、減衰量を示す線がハッチング部と重なる場合、減衰量は要求レベルに達していない。2.45 GHz帯での挿入損失及び5 GHz帯での減衰量については、両フィルタはほぼ同レベルであるが、2.45 GHzより低周波側(2.2 GHz付近)では実施例4は目標の減衰量に達しているが、比較例3は達していない。
(5) 第五の実施形態
図12は第五の実施形態の積層型バンドパスフィルタの等価回路を示す。この積層型バンドパスフィルタは、入力端子P1と出力端子P2の間に飛び越し容量C27が接続されていない以外、図8に示す積層型バンドパスフィルタと同じである。図13は第五の実施形態の積層型バンドパスフィルタ(実施例5)及び図25に示す等価回路を有する従来の積層型バンドパスフィルタ(比較例3)の減衰特性を示す。図25における容量C11〜C13は図12における容量C24〜C26に対応する。これらのフィルタはいずれも2.45 GHzで動作する。図13において、減衰量を示す線がハッチング部と重なる場合、減衰量は要求レベルに達していない。2.45 GHz帯での挿入損失及び5 GHz帯での減衰量については、両フィルタはほぼ同レベルであるが、2.45 GHzより低周波側(2.2 GHz付近)では実施例5は目標の減衰量に達しているが、比較例3は達していない。実施例5の積層型バンドパスフィルタは、2.45 GHz帯の挿入損失を保持しつつ2.2 GHz付近の信号を減衰させることができる。
図14は第五の積層型バンドパスフィルタの積層構造を示す。黒四角はビアホールを示し、黒四角を積層方向に結ぶ破線はビアホールの接続を示す。第1層及び第11層のグラウンド電極E1,E3は外部からの信号や雑音等の影響を小さくする。図15はこの積層型バンドパスフィルタの外観を示す。積層型バンドパスフィルタの短手方向側面に入出力端子P3を設け、長手方向側面にグランド電極E4を設けている。黒丸は表裏を識別するマークである。図14に示す第五の積層型バンドパスフィルタは、容量C27を形成する電極が形成された第5a層がない点で図9に示す第四の実施形態の積層型バンドパスフィルタと異なる。
容量C23が入出力端子から見て非対称的に接続される回路構成自体は、図16に示すように3本の共振器用電極L1〜L3の向きが全て同じバンドパスフィルタや、中央の共振器用電極L2の向きだけが異なるバンドパスフィルタにも適用できる。図16の回路構成では、第三の共振器用電極L3の一方の側の端部は第二の容量C22を介して出力端子P2に接続されており、第三の容量C23を介して入力端子P1に接続されており、かつ第六の容量C26を介して接地されている。第三の共振器用電極L3の他方の側の端部は接地されている。容量C23は、入力端子P1と容量C21との接続点と、共振器用電極L3と容量C26の接続点との間に配置されている。
実施例5の積層型バンドパスフィルタの減衰特性(図13)と実施例4の積層型バンドパスフィルタの減衰特性(図11)との比較から明らかなように、容量C27を付加し、容量C23と容量C27を調整することにより、2.45 GHz帯の挿入損失を保ったまま、2.2 GHz帯に加えて1.3 GHz帯にも減衰極を作り出すことができ、より低周波側の減衰量を確保できることが分かる。
以上3段の積層型バンドパスフィルタについて説明したが、本発明は勿論4段以上の積層型バンドパスフィルタにも適用できる。
本発明の積層型バンドパスフィルタは、低抵抗率のAg、Cu等の導電性ペーストで電極パターンを印刷するとともにビアホールに導電性ペーストを充填したセラミック誘電体グリーンシートを積層した後、一体的に焼成することにより製造することができる。セラミック誘電体グリーンシートは、1000℃以下の低温で焼成可能なセラミック誘電体(LTCC)からなる約10〜200μmの厚さのシートが好ましい。セラミック誘電体は、例えば(a) Al、Si及びSrを主成分とし、Ti、Bi、Cu、Mn、Na、K等を副成分とする組成、(b) Al、Si及びSrを主成分とし、Ca、Pb、Na、K等を副成分とする組成、(c) Al、Mg、Si及びGdを含む組成、又は(d) Al、Si、Zr及びMgを含む組成を有するのが好ましい。セラミック誘電体の誘電率は5〜15程度が好ましい。HTCC(高温同時焼成セラミック)技術により、アルミナを主体とするセラミック誘電体からなる基板に、タングステン、モリブデン等の高温焼結可能な金属パターンを形成し、一体的に焼結することもできる。なお基板用材料として、セラミック誘電体の他に、樹脂又は樹脂/セラミック誘電体粉末の複合材を用いても良い。
[2] 高周波部品
本発明の積層型バンドパスフィルタは他の高周波回路とともに高周波部品(例えば、携帯電話の送受信や無線LAN等の送受信信号の切り替えを行うスイッチ回路を備えた高周波スイッチモジュール、高周波スイッチモジュールと増幅器回路とを一体化した複合モジュール等)を構成することができる。本発明の積層型バンドパスフィルタを用いる以外、高周波スイッチモジュール等は公知の構成を有しても良い。高周波部品は、例えば電極パターンを形成した複数の誘電体層からなる積層体の表面に素子を搭載した構成を有し、その中に本発明の積層型バンドパスフィルタが一体的に形成されている。例えば第四又は第五の実施形態の積層型バンドパスフィルタを用いれば、それが占める体積を1.5 mm3以下とすることができ、高周波部品全体の体積を150 mm3以下、特に30 mm3以下とすることができる。
図17は本発明の積層型バンドパスフィルタを具備する高周波部品の一例としての高周波スイッチモジュールを示す。この高周波スイッチモジュールは、アンテナANTに接続されるアンテナ端子と、送信側回路T、受信側回路Rの接続を切り換える高周波スイッチ回路SPDTと、アンテナ端子と高周波スイッチ回路SPDTとの間に配設された積層型バンドパスフィルタBPFと、受信側回路Rと高周波スイッチ回路SPDTとの間に配設された平衡−不平衡変換回路BALと、送信側回路Tと高周波スイッチ回路SPDTとの間に配設された高周波電力増幅回路PAとを有する。
図18は本発明の積層型バンドパスフィルタを具備する高周波部品の別の例としての高周波スイッチモジュールを示す。この高周波スイッチモジュールは、無線LANとブルートゥースで送受信可能なアンテナANTに接続されるアンテナ端子と、アンテナ端子と無線LANの送信側回路11bg-T、無線LANの受信側回路11bg-R、及びブルートゥースの送受信回路BLT-TRとの三通りの経路との接続を切り替える高周波スイッチ回路SP3Tと、アンテナ端子と高周波スイッチ回路SP3Tとの間に配設された第一のバンドパスフィルタBPF1と、無線LANの受信側回路11bg-Rと高周波スイッチ回路SP3Tとの間に配設された平衡−不平衡変換回路BALと、無線LANの送信側回路11bg-Tと高周波スイッチ回路SP3Tとの間に配設された高周波電力増幅回路PAと、無線LANの送信側回路11bg-Tと高周波電力増幅回路PAとの間に配設された第二のバンドパスフィルタBPF2とを有する。また図19に示すように、図18の高周波スイッチモジュールにおける高周波スイッチ回路SP3Tと平衡−不平衡変換回路BALとの間に順に、低雑音増幅回路LNA及び第三のバンドパスフィルタBPF3を配置しても良い。
図20は本発明の積層型バンドパスフィルタを具備する高周波部品のさらに別の例としての高周波スイッチモジュールを示す。この高周波スイッチモジュールは、アンテナ端子と無線LANの送信回路11bg-Tx、無線LANの受信回路11bg-Rx、及びブルートゥースの送受信回路BLTとを切り換える高周波スイッチ回路SP3Tと、アンテナ端子と高周波スイッチ回路SP3Tとの間に配設されたバンドパスフィルタBPFと、送信回路11bg-Txと高周波スイッチ回路SP3Tとの間に配設された高周波信号増幅回路PAと、高周波スイッチ回路SP3Tと受信回路11bg-Rxとの間に順に配設された低雑音増幅器LNA及び平衡―不平衡変換回路BALとを有する。
これらの高周波モジュールは挿入損失が少なく減衰量の大きなバンドパスフィルタを具備するので、消費電力が少なく高性能である。高周波モジュールは上記回路構成に限らず、異なる周波数帯域の信号を分岐するダイプレクサ、受信信号を増幅するローノイズアンプ、ローパスフィルタやハイパスフィルタ等の各種のフィルタ等を必要に応じて具備することができる。
ダイプレクサやフィルタ等を構成するLC回路等は積層体内に形成し、インダクタンス素子、キャパシタンス素子、抵抗素子、半導体素子等はチップ部品として積層体上に搭載するのが好ましい。バンドパスフィルタBPF1,BPF2の減衰極は2.17 GHz帯にするのが好ましい。上記高周波スイッチモジュールは、WCDMA帯域(1920〜2170 MHz)信号との干渉を防ぐため携帯通信機器に搭載される。
図21及び図22は、図19に概略的に示すバンドパスフィルタを具備する高周波部品の一例を示す。この高周波部品は、電極パターンを形成した17層の誘電体層からなる積層体を有する。高周波部品は図19に示す以外の回路部品を有するが、簡略化のために省略してある。アンテナ端子ANTと高周波スイッチSP3Tとの間に配置されたバンドパスフィルタBPF1、及び高周波電力増幅回路PAと送信端子11bg-Txとの間に配置されたバンドパスフィルタBPF2はいずれも本発明の3段の共振器を有する積層型バンドパスフィルタであり、積層型バンドパスフィルタBPF3は2段の共振器を有するバンドパスフィルタである。図18に示す構造を有するバンドパスフィルタBPF1,BPF2は矩形の積層体の主面上の対角の位置に配置されている。アイソレーションを保つため、各回路はグランド電極に接続されたシールドビアやシールド電極により仕切られている。バンドパスフィルタBPF3と平衡−不平衡変換回路BALとの間にはシールドビア等は配置されていない。
図22は、積層体の第2層〜第16層におけるバンドパスフィルタ用の電極パターンを示す。各共振器用電極は、第10層〜第12層にわたって形成された3本の線路を並列接続してなる。3本の共振器用電極は平行に配置されている。第4層及び第6層には接地容量C24,C26を形成する電極が配置されており、第5層には入出力端子に接続される容量C21,C22を形成する電極が配置されている。第7層には接続容量C23と容量C21の形成を兼ねた電極が配置されている。第8層又は第9層には接続容量C27を形成する電極が配置されている。第15層には、第14層及び第16層のグランド電極に挟まれた接地容量C24〜C26を形成する電極が配置されている。この構成により小さい電極面積で十分な接地容量を得ることができる。第4層の接地容量の電極に面する部分以外、第3層の全体にグランド電極が配置されている。第4層の接地容量の電極は第3層のグランド電極と対向するので、共振器用電極とグラウンドとの距離が遠ざかり、共振器用電極とグラウンドとの結合が低減し、高性能な積層型バンドパスフィルタを得ることができる。
[3] 通信装置
本発明の高周波部品は各種の通信装置、例えば、携帯電話機、Bluetooth(登録商標)通信機器、無線LAN通信機器(802.11a/b/g/n)、WIMAX (802.16e) 通信機器、IEEE802.20 (I-burst) 通信機器等に使用できる。例えば、2.4 GHz帯の無線LAN(IEEE802.11b及び/又はIEEE802.11g)と5 GHz帯の無線LAN(IEEE802.11a)の2つの通信システムを共用可能な高周波フロントエンドモジュール、又はIEEE802.11nの規格に対応可能な高周波フロントエンドモジュールを備えた小型のマルチバンド通信装置を実現することができる。通信システムは上記周波数帯域及び通信規格に限らず、また3つ以上の通信システムにも対応可能である。マルチバンド通信装置としては、携帯電話等の無線通信機器、パーソナルコンピュータ(PC)、プリンタ、ハードディスクドライブ、ブロードバンドルータ等のPC周辺機器、ファクシミリ、冷蔵庫、標準テレビ、高品位テレビ、デジタルカメラ、デジタルビデオ等の家庭用電子機器等が挙げられる。

Claims (17)

  1. 3段の共振器を有する積層型バンドパスフィルタであって、隣同士が電磁結合するように並設された第一〜第三の共振器用電極と、両側の共振器用電極の一方と接続する入力端子と、両側の共振器用電極の他方と接続する出力端子とを有し、
    隣接する第一及び第二の共振器用電極の一方の側の端部は接地容量に接続しているとともに、他方の側の端部は直接接地されており、第三の共振器用電極の前記一方の側の端部は直接接地されているとともに、前記他方の側の端部は接地容量に接続しており、
    前記共振器用電極間に両側の共振器用電極の間に形成された飛び越し容量を含む接続容量が設けられており、
    前記飛び越し容量の電極は両側の共振器用電極の各々に面する対向電極部と前記対向電極部同士を接続する接続電極部を有し、前記接続電極部は前記一方又は他方の側で前記対向電極部の端部同士を接続しており、前記対向電極部は両側の共振器用電極の前記一方の側の端部にそれぞれ配置されるか、前記他方の側の端部にそれぞれ配置されており、
    前記共振器用電極及び前記接続容量を形成する電極はいずれも前記積層体中に形成されており、前記接続容量の電極は積層方向に見たときにグランド電極を介さずに前記共振器用電極の2つ以上と重なるように配設されていることを特徴とする積層型バンドパスフィルタ。
  2. 請求項1に記載の積層型バンドパスフィルタにおいて、前記対向電極部の両端は前記共振器用電極の長手方向両端より内側にあり、前記接続電極部は前記対向電極部の少なくとも一方の両端より内側に接続していることを特徴とする積層型バンドパスフィルタ。
  3. 請求項1又は2に記載の積層型バンドパスフィルタにおいて、前記対向電極部の幅は両端の共振器用電極の幅以上であり、前記接続電極部の幅は前記対向電極部の幅より小さいことを特徴とする積層型バンドパスフィルタ。
  4. 請求項1に記載の積層型バンドパスフィルタにおいて、前記接続容量の残部は中央の共振器用電極とそれに隣接する1つの共振器用電極との間に形成された段間容量であり、前記段間容量の電極は入力端子又は出力端子に直接接続していることを特徴とする積層型バンドパスフィルタ。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の積層型バンドパスフィルタにおいて、各共振器用電極は複数の層にわたって形成された伝送線路の端部同士を並列に接続することにより構成されていることを特徴とする積層型バンドパスフィルタ。
  6. 請求項5に記載の積層型バンドパスフィルタにおいて、面内方向に隣接する共振器用電極の間隔より、積層方向に隣接する伝送線路の間隔の方が小さいことを特徴とする積層型バンドパスフィルタ。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の積層型バンドパスフィルタにおいて、入力端子又は出力端子と接続する電極が形成された層と、前記共振器用電極が形成された層との間に、前記接続容量の電極が形成された層が配置されていることを特徴とする積層型バンドパスフィルタ。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の積層型バンドパスフィルタにおいて、積層方向に順に、第一のグランド電極が形成された層、前記第一のグランド電極と対向して容量を形成する電極が形成された層、前記共振器用電極が形成された少なくとも1つの層、第二のグランド電極と対向して容量を形成する電極が形成された層、及び前記第二のグランド電極が形成された層が配置されていることを特徴とする積層型バンドパスフィルタ。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の積層型バンドパスフィルタにおいて、前記第一及び第二の共振器用電極の間隔と、前記第二及び第三の共振器用電極の間隔とが異なることを特徴とする積層型バンドパスフィルタ。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の積層型バンドパスフィルタにおいて、前記接地容量を形成する電極の少なくとも一部は前記積層体内においてグランド電極に挟まれていることを特徴とする積層型バンドパスフィルタ。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の積層型バンドパスフィルタにおいて、入力端子及び出力端子と、第一〜第八の容量とを有し、
    前記第一、第二及び第五の容量は接続容量であり、
    前記第六、第七及び第八の容量は接地容量であり、
    前記第一の共振器用電極の一方の側の端部は前記第三の容量を介して前記入力端子に接続しているとともに前記第六の容量を介して接地されており、かつ他方の側の端部は直接接地されており、
    前記第二の共振器用電極の一方の側の端部は前記第七の容量を介して接地されており、かつ他方の側の端部は直接接地されており、
    前記第三の共振器用電極の一方の側の端部は直接接地されており、かつ他方の側の端部は前記第四の容量を介して前記出力端子に接続しているとともに前記第八の容量を介して接地されており、
    前記第一の共振器用電極の一方の側の端部と前記第二の共振器用電極の一方の側の端部とは前記第一の容量を介して接続しており、
    前記第二の共振器用電極の他方の側の端部と前記第三の共振器用電極の他方の側の端部とは前記第二の容量を介して接続しており、
    前記第一の共振器用電極の一方の側の端部と前記第三の共振器用電極の一方の側の端部とは前記第五の容量を介して接続していることを特徴とする積層型バンドパスフィルタ。
  12. 請求項1〜10のいずれかに記載の積層型バンドパスフィルタにおいて、入力端子及び出力端子と、第一〜第八の容量とを有し、
    前記第一、第二及び第五の容量は前記接続容量であり、
    前記第六、第七及び第八の容量は接地容量であり、
    前記第一の共振器用電極の一方の側の端部は前記第三の容量を介して前記入力端子に接続しているとともに前記第六の容量を介して接地されており、かつ他方の側の端部は直接接地されており、
    前記第二の共振器用電極の一方の側の端部は前記第七の容量を介して接地されており、かつ他方の側の端部は直接接地されており、
    前記第三の共振器用電極の一方の側の端部は直接接地されており、かつ他方の側の端部は前記第四の容量を介して前記出力端子に接続しているとともに前記第八の容量を介して接地されており、
    前記第二の共振器用電極の一方の側の端部と前記入力端子とは前記第一の容量を介して接続しており、
    前記第二の共振器用電極の他方の側の端部と前記出力端子とは前記第二の容量を介して接続しており、
    前記第一の共振器用電極の一方の側の端部と前記第三の共振器用電極の一方の側の端部とは前記第五の容量を介して接続していることを特徴とする積層型バンドパスフィルタ。
  13. 請求項1〜10のいずれかに記載の積層型バンドパスフィルタにおいて、入力端子及び出力端子と、第一〜第六の容量とを有し、
    前記第一の共振器用電極の一方の側の端部は前記第一の容量を介して前記入力端子に接続しているとともに前記第四の容量を介して接地されており、かつ他方の側の端部は直接接地されており、
    前記第二の共振器用電極の一方の側の端部は前記第五の容量を介して接地されており、かつ他方の側の端部は直接接地されており、
    前記第三の共振器用電極の一方の側の端部は直接接地されており、かつ他方の側の端部は前記第二の容量を介して前記出力端子に接続しているとともに、前記第六の容量を介して接地されており、
    前記第三の共振器用電極の他方の側の端部は第三の容量を介して前記入力端子に接続していることを特徴とする積層型バンドパスフィルタ。
  14. 請求項13に記載の積層型バンドパスフィルタにおいて、さらに前記入力端子と前記出力端子を接続する第七の容量を有することを特徴とする積層型バンドパスフィルタ。
  15. 請求項13又は14に記載の積層型バンドパスフィルタにおいて、前記第四〜第六の容量の少なくとも一つを形成する電極の少なくとも一部はグランド電極に挟まれていることを特徴とする積層型バンドパスフィルタ。
  16. 通信装置に用いる高周波回路を形成するように、電極パターンを形成した複数の誘電体層からなる積層体と、前記積層体の表面に搭載された素子とを具備する高周波部品であって、前記高周波回路が請求項1〜15のいずれかに記載の積層型バンドパスフィルタを有することを特徴とする高周波部品。
  17. 請求項16に記載の高周波部品を具備することを特徴とする通信装置。
JP2008547072A 2006-12-01 2007-12-03 積層型バンドパスフィルタ、高周波部品及びそれらを用いた通信装置 Expired - Fee Related JP5532604B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008547072A JP5532604B2 (ja) 2006-12-01 2007-12-03 積層型バンドパスフィルタ、高周波部品及びそれらを用いた通信装置

Applications Claiming Priority (8)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006325808 2006-12-01
JP2006325808 2006-12-01
JP2007168136 2007-06-26
JP2007168136 2007-06-26
JP2007170097 2007-06-28
JP2007170097 2007-06-28
PCT/JP2007/073349 WO2008066198A1 (fr) 2006-12-01 2007-12-03 Filtre passe-bande multicouche, composant haute fréquence et appareil de communication les utilisant
JP2008547072A JP5532604B2 (ja) 2006-12-01 2007-12-03 積層型バンドパスフィルタ、高周波部品及びそれらを用いた通信装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2008066198A1 JPWO2008066198A1 (ja) 2010-03-11
JP5532604B2 true JP5532604B2 (ja) 2014-06-25

Family

ID=39467979

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008547072A Expired - Fee Related JP5532604B2 (ja) 2006-12-01 2007-12-03 積層型バンドパスフィルタ、高周波部品及びそれらを用いた通信装置

Country Status (3)

Country Link
US (1) US8093963B2 (ja)
JP (1) JP5532604B2 (ja)
WO (1) WO2008066198A1 (ja)

Families Citing this family (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102008020597B4 (de) * 2008-04-24 2017-11-23 Epcos Ag Schaltungsanordnung
JP2010041268A (ja) * 2008-08-04 2010-02-18 Taiyo Yuden Co Ltd 共振器、フィルタ回路素子、これを備えた回路基板並びに回路モジュール
WO2010018798A1 (ja) 2008-08-11 2010-02-18 日立金属株式会社 バンドパスフィルタ、高周波部品及び通信装置
JP5300865B2 (ja) * 2008-11-26 2013-09-25 京セラ株式会社 バンドパスフィルタならびにそれを用いた無線通信モジュールおよび無線通信機器
JP2010147589A (ja) * 2008-12-16 2010-07-01 Hitachi Metals Ltd 高周波回路、高周波部品及び通信装置
JP4983881B2 (ja) * 2009-09-28 2012-07-25 株式会社村田製作所 積層帯域通過フィルタ
JP5361660B2 (ja) * 2009-10-28 2013-12-04 京セラ株式会社 フィルタ装置
JP5489745B2 (ja) * 2010-01-25 2014-05-14 京セラ株式会社 フィルタ装置
JP5339092B2 (ja) * 2010-07-22 2013-11-13 Tdk株式会社 バンドパスフィルタモジュール及びモジュール基板
WO2016152206A1 (ja) * 2015-03-25 2016-09-29 株式会社村田製作所 ダイプレクサ
US9634823B1 (en) 2015-10-13 2017-04-25 Kumu Networks, Inc. Systems for integrated self-interference cancellation
EP3391459B1 (en) 2015-12-16 2022-06-15 Kumu Networks, Inc. Time delay filters
US10454444B2 (en) 2016-04-25 2019-10-22 Kumu Networks, Inc. Integrated delay modules
WO2017189592A1 (en) 2016-04-25 2017-11-02 Kumu Networks, Inc. Integrated delay modules
US10103774B1 (en) 2017-03-27 2018-10-16 Kumu Networks, Inc. Systems and methods for intelligently-tuned digital self-interference cancellation
TWI656732B (zh) * 2017-10-16 2019-04-11 國立臺灣大學 可調式濾波器
KR102339808B1 (ko) 2018-02-27 2021-12-16 쿠무 네트웍스, 아이엔씨. 구성가능한 하이브리드 자기-간섭 소거를 위한 시스템 및 방법
US10868661B2 (en) 2019-03-14 2020-12-15 Kumu Networks, Inc. Systems and methods for efficiently-transformed digital self-interference cancellation
CN111865252B (zh) * 2020-07-27 2022-03-08 电子科技大学 高抑制高通滤波器
CN113381141B (zh) * 2021-05-19 2023-02-28 南京智能高端装备产业研究院有限公司 采用双层圆形贴片的双通带平衡功分滤波器

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09294001A (ja) * 1996-04-26 1997-11-11 Matsushita Electric Ind Co Ltd 積層フィルタ及びその製造方法
JP2003152403A (ja) * 2001-11-07 2003-05-23 Ind Technol Res Inst 非対称高周波フィルター装置
JP2004032557A (ja) * 2002-06-27 2004-01-29 Kyocera Corp 高周波部品
JP2006033614A (ja) * 2004-07-20 2006-02-02 Tdk Corp 積層型誘電体フィルタ
JP2006166136A (ja) * 2004-12-08 2006-06-22 Koa Corp 積層型バンドパスフィルタ

Family Cites Families (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5374909A (en) * 1992-02-28 1994-12-20 Ngk Insulators, Ltd. Stripline filter having internal ground electrodes
US5412358A (en) * 1992-02-28 1995-05-02 Ngk Insulators, Ltd. Layered stripline filter
KR940704070A (ko) * 1992-10-14 1994-12-12 모리시다 요오이찌 필터 및 그 제조방법(filter and method of manufacturing the same)
US5621366A (en) * 1994-08-15 1997-04-15 Motorola, Inc. High-Q multi-layer ceramic RF transmission line resonator
DE19652799C2 (de) * 1996-12-18 1999-05-20 Siemens Ag Mikrowellenfilter
JP2002016403A (ja) 2000-06-29 2002-01-18 Matsushita Electric Ind Co Ltd 誘電体フィルタ、アンテナ共用器及び通信機器
US7023301B2 (en) * 2001-05-16 2006-04-04 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Laminated filter with a single shield conductor, integrated device, and communication apparatus
JP2005159512A (ja) * 2003-11-21 2005-06-16 Koa Corp 積層型バンドパスフィルタ
US7312676B2 (en) * 2005-07-01 2007-12-25 Tdk Corporation Multilayer band pass filter
JP4195036B2 (ja) * 2006-01-26 2008-12-10 Tdk株式会社 積層型共振器
JP4211994B2 (ja) * 2006-01-31 2009-01-21 Tdk株式会社 高周波フィルタ
JP2007306172A (ja) * 2006-05-10 2007-11-22 Tdk Corp バンドパスフィルタ素子および高周波モジュール
JP3911283B2 (ja) * 2006-07-24 2007-05-09 日本碍子株式会社 積層型誘電体フィルタ
CA2708978C (en) * 2006-12-11 2016-03-15 Tir Technology Lp Luminaire control system and method

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09294001A (ja) * 1996-04-26 1997-11-11 Matsushita Electric Ind Co Ltd 積層フィルタ及びその製造方法
JP2003152403A (ja) * 2001-11-07 2003-05-23 Ind Technol Res Inst 非対称高周波フィルター装置
JP2004032557A (ja) * 2002-06-27 2004-01-29 Kyocera Corp 高周波部品
JP2006033614A (ja) * 2004-07-20 2006-02-02 Tdk Corp 積層型誘電体フィルタ
JP2006166136A (ja) * 2004-12-08 2006-06-22 Koa Corp 積層型バンドパスフィルタ

Also Published As

Publication number Publication date
US20100073108A1 (en) 2010-03-25
US8093963B2 (en) 2012-01-10
JPWO2008066198A1 (ja) 2010-03-11
WO2008066198A1 (fr) 2008-06-05

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5532604B2 (ja) 積層型バンドパスフィルタ、高周波部品及びそれらを用いた通信装置
JP5402932B2 (ja) バンドパスフィルタ、高周波部品及び通信装置
JP5418516B2 (ja) 分波回路、高周波回路、高周波部品、及び通信装置
WO2009157357A1 (ja) 高周波回路、高周波部品及び通信装置
CN101447595B (zh) 带通滤波器、高频元件及通信装置
EP1265311B1 (en) Laminated filter, integrated device, and communication apparatus
JP2007295327A (ja) 高周波回路、高周波部品及び通信装置
JP4134004B2 (ja) 高周波モジュール
JP2010147589A (ja) 高周波回路、高周波部品及び通信装置
JP3223848B2 (ja) 高周波部品
JP4511478B2 (ja) バンドパスフィルタ及び高周波モジュール、並びにこれを用いた無線通信機器
WO2002032002A1 (fr) Module de commutation composite haute frequence
JPH11112264A (ja) フィルタ
JP2008193739A (ja) 高周波モジュール
JP2008271421A (ja) 弾性波フィルタ及び複合部品
JP2010041316A (ja) ハイパスフィルタ、高周波モジュールおよびそれを用いた通信機器
JP4936119B2 (ja) 積層型バラントランス及び高周波部品
EP2065966B1 (en) Band-pass filter, high-frequency component, and communication apparatus
JP2010136288A (ja) バンドパスフィルタ、高周波部品および通信装置
JP5382507B2 (ja) フィルタモジュールおよび通信装置
JP2007081769A (ja) 高周波モジュール
JP4221880B2 (ja) 高周波部品及びそれを用いた移動体通信装置
JPH11274876A (ja) ローパスフィルタおよび回路基板
JP2005323064A (ja) 分波器及びこれを用いた高周波複合部品
JP2009159412A (ja) 高周波部品及び通信装置

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20101104

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101104

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130507

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130621

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20131008

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140401

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5532604

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140414

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees