JP5532280B2 - 抗原および細菌分泌シグナルポリペプチドを含む融合タンパク質をコードする組換え核酸分子、発現カセット、および細菌、ならびにこれらを使用する方法 - Google Patents

抗原および細菌分泌シグナルポリペプチドを含む融合タンパク質をコードする組換え核酸分子、発現カセット、および細菌、ならびにこれらを使用する方法 Download PDF

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Description

(関連出願への相互参照)
本出願は、以下の米国仮特許出願の各々の米国特許法第119条(e)のもとの優先権の利益を主張し、以下の各々の開示は、その全体が、本明細書において参考として援用される:「Bacterial Expression Cassettes, Bacterial Vaccine Compositions, and Methods of Use Thereof」と表題付けられたThomas W. Dubensky, Jr.らによる米国仮特許出願第60/616,750号(2004年10月6日出願)(事件整理番号282173003923);「Bacterial Expression Cassettes, Bacterial Vaccine Compositions, and Methods of Use Thereof」と表題付けられたThomas W.Dubensky,Jr.らによる米国仮特許出願第60/615,287号(2004年10月1日出願)(事件整理番号282173003922);米国仮特許出願第60/599,377号(2004年8月5日出願);米国仮特許出願第60/556,744号(2004年3月26日出願);米国仮特許出願第60/541,515号(2004年2月2日出願);および米国仮特許出願第60/532,598号(2003年12月24日出願)。さらに、本出願は、以下の出願の各々の一部係属出願であり、以下の各々の開示は、その全体が、本明細書において参考として援用される:国際出願番号PCT/US2004/23881(2004年7月23日出願);米国特許出願第10/883,599号(2004年6月30日出願);米国特許出願第10/773,618号(2004年2月6日出願);および米国特許出願第10/773,792号(2004年2月6日出願)。
(連邦政府によって後援を受けた研究または開発に関する声明)
本発明は、一部には、国立衛生研究所によって与えられたSBIR助成金番号1 R43 CA101421−01のもと、政府の支持によってなされた。政府は、本発明において特定の権利を有し得る。
(発明の分野)
本発明の分野は、一般に、組換え細菌において、異種ポリペプチドを含めたポリペプチドの発現で有用な新規なポリヌクレオチドおよび発現カセットに関する。特に、本発明は、ワクチン組成物で有用な、新規の発現カセットおよび/または核酸分子を含む組換え細菌に関する。
(発明の背景)
異種抗原を送達するワクチンとして用いるために微生物が開発し始められている。異種抗原送達は、異なる種に由来するタンパク質または抗原をコードする核酸配列を含有するように修飾された微生物によって提供される。異種抗原送達は、天然感染剤または癌細胞の注入は受容生物に対して潜在的に有害であり、減弱されたまたは殺された剤または細胞の投与は効果的な免疫応答を誘導するのに成功しないことが判明しており、または感染剤または癌細胞の十分な減弱が許容される確実性をもって確保できない、癌および病原体(例えば、HIVまたはB型肝炎)のような特にビルレントなまたは致死的な源に由来する障害または疾患を治療または予防するのに特に有利である。最近、ある種の細菌株が組換えワクチンとして開発されている。例えば、Plasmodium bergheiサーカムスポロザイト(circumsporozite)抗原を発現するように修飾された減弱化Salmonellaの経口ワクチンは、マラニアに対してマウスを保護することが示されている(非特許文献1)。
Listeria monocytogenes (Listeria)は、MHCクラスIおよびクラスIIの双方の抗原提示経路を介して優れたCD4+/CD8+T−細胞媒介応答を始動させるその能力のため、抗原特異的ワクチンで用いるために開発されているグラム−陽性通性細胞内細菌である。例えば、特許文献1、特許文献2、および特許文献3参照。
Listeriaは、先天性および適応T細胞依存性抗菌免疫を共に刺激するためのモデルとして長年研究されてきた。細胞性免疫を効果的に刺激するListeriaの能力は、その細胞内ライフサイクルに基づく。宿主を感染させるに際して、該細菌は、マクロファージおよび樹状細胞(DC)を含めた食細胞によって、ファゴリソソーム区画に迅速に取り込まれる。該細菌の大部分は引き続いて分解される。感染されたAPCのファゴソーム内での病原体のタンパク質分解による分解から得られるペプチドは、MHCクラスII分子に直接負荷され、処理された抗原はクラスIIエンドソーム経路を介して抗原提示細胞の表面に発現され、これらのMHC II−ペプチド複合体は、抗体の生産を刺激するCD4+「ヘルパー」T細胞を活性化する。酸性区画内では、ある種の細菌遺伝子が活性され、これはコレステロール依存性サイトリシンLLOを含み、これはファゴリソソームを分解することができ、該細菌を宿主細胞のサイトゾル区画に放出させ、そこで生き残ったListeriaは増殖する。MHCクラスI経路を介する異種抗原の効果的な提示は、Listeriaによるデ・ノボ内因性タンパク質発現を必要とする。抗原提示細胞(APC)の細胞内では、Listeriaによって合成され分泌されたタンパク質がサンプリングされ、プロテオソームによって分解される。得られたペプチドはTAPタンパク質によって小胞体にシャトルされ、MHCクラスI分子に負荷される。MHC I−ペプチド複合体は細胞表面に送達され、それは、効果的な共刺激(シグナル2)と組み合わされて、同属T細胞受容体を有する細胞傷害性Tリンパ球(CTL)を活性化し、刺激して、例えば、腫瘍細胞に提示されたMHCI−ペプチド複合体を拡大し、引き続いてそれを認識する。適当なミクロ環境においては、活性化されたT細胞は癌性細胞を標的とし、それを殺す。
ListeriaがMHCクラスI経路を介する異種抗原の提示をプログラムすることによるメカニズムを仮定すれば、異種遺伝子の発現および細菌からの新たに合成されたタンパク質の感染された(抗原提示)細胞の細胞質への分泌の双方の効率は、CD8+T細胞プライミングおよび/または活性化の能力に直接関連する。Ag特異的T細胞プライミングのレベルはワクチン効率に直接関連するため、異種タンパク質の発現および分泌の効率はワクチン能力に直接関連する。
かくして、異種タンパク質の発現および分泌の効率を最大化して、Listeriaベースのワクチンおよび他の細菌ベースのワクチンの能力を最大化する新規な方法が当該分野で求められる。また、多量の異種タンパク質の発現および分泌が望まれる細菌宿主発現系における、異種タンパク質の発現の分泌および効率を最大化するのは有益であろう。
米国特許第6,051,237号明細書 米国特許第6,565,852号明細書 米国特許第5,830,702号明細書 Aggarwalら、「J.Exp.Med.」1990年、第172巻:1083
(発明の要旨)
本発明は、一般に、細菌、特にListeriaにおいて、ポリペプチド(例えば、異種ポリペプチド)を発現し、および/または分泌するのに用いられる、新規な組換え核酸分子、発現カセット、およびベクターを含めた新規なポリヌクレオチドを提供する。いくつかの実施形態において、これらのポリヌクレオチドは、細菌においてポリペプチドの増強された発現および/または分泌を提供する。また、本発明は、一般には、組換え核酸分子、発現カセット、またはベクターを含む細菌、ならびに該細菌を含む医薬、免疫原性、およびワクチン組成物も提供する。これらの細菌および組成物は、免疫応答の誘導、および癌、感染症および自己免疫疾患を含めた広い範囲の障害または他の疾患の治療および/または予防で有用である。
1つの態様において、本発明は、シグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド、ここに、該第一のポリヌクレオチドは細菌における発現に対してコドン最適化されており、およびポリペプチド(例えば、抗原)をコードする第二のポリヌクレオチド、ここに、該第二のポリヌクレオチドは第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあり;を含む組換え核酸分子を提供し、ここに、該組換え核酸分子は、該シグナルペプチドおよび該ポリペプチドを含む融合タンパク質をコードする。いくつかの実施形態において、第二のポリヌクレオチドは、Listeriaのような細菌における発現についてもコドン最適化されている。また、本発明は、この組換え核酸分子を含み、さらに、該組換え核酸分子に操作可能に連結したプロモーターを含む発現カセットも提供する。該細菌を含む薬学的組成物、免疫原性組成物、およびワクチンがそうであるように、組換え核酸分子および/または発現カセットを含むベクターおよび細菌も提供される。宿主において免疫応答を誘導し、および/または障害のような疾患を予防しまたは治療するための、該細菌を用いる方法、または該細菌を含む組成物も提供される。
もう1つの態様において、本発明は、(a)細菌本来のシグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド、ここに、該第一のポリヌクレオチドは該細菌における発現に対してコドン最適化されており、および(b)ポリペプチドをコードする第二のポリヌクレオチド、ここに、該第二のポリヌクレオチドは第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあり;を含む組換え核酸分子を提供し、ここに、該組換え核酸分子はシグナルペプチドおよびポリペプチドを含む融合タンパク質をコードする。いくつかの実施形態において、第二のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドは該シグナルペプチドに対して異種である。いくつかの実施形態において、第二のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドは該細菌に対して外来性である。また、本発明は、この組換え核酸分子を含み、かつ該組換え核酸分子に操作可能に連結したプロモーターをさらに含む発現カセットも提供する。該細菌を含む薬学的組成物、免疫原性組成物、およびワクチンがそうであるように、該組換え核酸分子および/または発現カセットを含むベクターおよび細菌も提供される。宿主において免疫原性を誘導し、および/または疾患(例えば、障害)を予防しまたは治療するための、該細菌を用いる方法、または該細菌を含む組成物も提供される。
もう1つの態様において、本発明は組換え核酸分子を含む組換えListeria細菌を提供し、ここに、該組換え核酸分子は、(a)シグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド、ここに、該第一のポリヌクレオチドはListeriaにおける発現についてコドン最適化されており、および(b)ポリペプチドをコードする第二のポリヌクレオチド、ここに、該第二のポリヌクレオチドは第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにおけるものであり;を含み、ここに、該組換え核酸分子は該シグナルペプチドおよび該ポリペプチドを含む融合タンパク質をコードする。いくつかの実施形態において、第二のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドはシグナルペプチドに対して異種である。いくつかの実施形態において、該ポリペプチドはListeria細菌に対して外来性である。いくつかの実施形態において、該シグナルペプチドはListeriaに対して天然である。該Listeriaを含む薬学的組成物、免疫原性組成物、およびワクチンも提供される。宿主において、免疫応答を誘導し、および/または疾患(例えば、障害)を予防しまたは治療するための、該Listeriaを用いる方法(または害Listeriaを含む組成物)も提供される。
もう1つの態様において、本発明は、非secA1細菌シグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド、および(抗原のような)ポリペプチドをコードする第二のポリヌクレオチドを含む組換え核酸分子を提供し、ここに、該第二のポリヌクレオチドは第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあり、およびここに、該組換え核酸分子は該シグナルペプチドおよび該ポリペプチドを含む融合タンパク質をコードする。いくつかの実施形態において、該ポリペプチドは該シグナルペプチドに対して異種である。いくつかの実施形態において、第一および/または第二のポリヌクレオチドは、Listeriaのような細菌において発現につきコドン最適化されている。本発明は、この組換え核酸分子を含み、かつ該組換え核酸分子に作動可能に連結されたプロモーターをさらに含む発現カセットも提供する。該細菌を含む薬学的組成物、免疫原性組成物、およびワクチンのように、該組換え核酸分子および/または発現カセットを含むベクターおよび細菌も提供される。宿主において、免疫応答を誘導し、および/または障害のような疾患を治療するための、該細菌を用いる方法、または該細菌を含む組成物も提供される。
なおさらなる態様において、本発明は組換え核酸分子を含む組換えListeria細菌を提供し、ここに、該組換え核酸分子は(a)非secA1細菌シグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド、および(b)該シグナルペプチドに対して異種である、または該細菌に対して外来性であるのいずれかであるポリペプチドをコードする第二のポリヌクレオチドを含み、ここに、第二のポリヌクレオチドは第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあり、ここに、該組換え核酸分子は該シグナルペプチドおよび該ポリペプチドを含む融合タンパク質をコードする。いくつかの実施形態において、第二のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドは該シグナルペプチドに対して異種であるか、または該細菌に対して外来性であり(すなわち、該細菌に対して異種であり)、または双方である。該Listeriaを含む薬学的組成物、免疫原性組成物、およびワクチンも提供される。宿主において、免疫応答を誘導し、および/または疾患(例えば、障害)を予防しまたは治療するための、該Listeriaを用いる方法(または該Listeria)を含む組成物)も提供される。
もう1つの態様において、本発明は組換え核酸分子を提供し、ここに、該組換え核酸分子はListeriaに対して外来性であるポリペプチド(例えば、癌または非Listeria感染症抗原)をコードするポリヌクレオチドを含み、ここに、外来性ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドはListeriaにおける発現につきコドン最適化されている。いくつかの実施形態において、組換え核酸分子は、さらに、Listeriaに対して外来性であるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあるシグナルペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、シグナルペプチドはListeria細菌に対して天然である。他の実施形態において、シグナルペプチドはListeria細菌に対して外来性である。いくつかの実施形態において、シグナルペプチドをコードするポリヌクレオチドはListeriaにおける発現につきやはりコドン最適化されている。該組換え核酸分子を含むListeriaも提供される。該Listeriaを含む薬学的組成物、免疫原性組成物、およびワクチンも提供される。加えて、本発明は、宿主において、免疫応答を誘導し、および/または(限定されるものではないが、障害のような)疾患を予防しまたは治療するための、該組換えListeria細菌を用いる方法を提供する。
もう1つの態様において、本発明は、発現カセットを含む組換えListeria細菌を提供し、ここに、該発現カセットは、Listeriaに対して外来性であるポリペプチド(例えば、癌または非Listeria感染症抗原)をコードするポリヌクレオチド、ここに、外来性ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドはListeriaにおける発現につきコドン最適化されており、および外来性ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーターを含む。いくつかの実施形態において、該発現カセットは、さらに、発現カセットがシグナルペプチドおよび外来性ポリペプチドを含む融合タンパク質を発現するように、Listeriaに対して外来性であるポリペプチドをコードし、かつプロモーターに作動可能に連結されたポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにある、シグナルペプチド(Listeria細菌に対して天然または外来性いずれかであるシグナルペプチド)をコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、シグナルペプチドをコードするポリヌクレオチドは、Listeriaにおける発現につきやはりコドン最適化されている。Listeriaを含む薬学的組成物、免疫原性組成物、およびワクチンも提供される。加えて、本発明は、宿主において、免疫応答を誘導し、および/または疾患(例えば、障害)を予防しまたは治療するための、組換えListeria細菌を用いる方法を提供する。
もう1つの態様において、本発明は組換え核酸分子を提供し、ここに、該組換え核酸分子は(a)非Listerialシグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド、および(b)第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあるポリペプチドをコードする第二のポリヌクレオチドを含み、ここに、該組換え核酸分子は非Listerialシグナルペプチドおよびポリペプチドを共に含む融合タンパク質をコードする。本発明は、該組換え核酸分子を含む発現カセットも提供し、ここに、該発現カセットは、さらに、該組換え核酸分子の第一および第二のポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーターも含む。組換え核酸分子および/または発現カセットを含むベクターも提供される。加えて、該組換え核酸分子および/または該発現カセットを含むListeria細菌も提供される。該Listeria細菌を含む薬学的組成物、免疫原性組成物、およびワクチンも提供される。宿主において、免疫応答を誘導し、および/または疾患(例えば、障害)を予防しまたは治療するための、該Listeria細菌を用いる方法(またはListeria細菌を含む組成物)も提供される。
さらなる態様において、本発明は組換え核酸分子を含む組換えListeria細菌を提供し、ここに、該組換え核酸分子は(a)非Listerialシグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド、および(b)第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあるポリペプチドをコードする第二のポリヌクレオチドを含み、ここに、該組換え核酸分子は非Listerialシグナルペプチドおよび該ポリペプチドを共に含む融合タンパク質をコードする。該Listeriaを含む薬学的組成物、免疫原性組成物、およびワクチンも提供される。宿主において、免疫応答を誘導し、および/または疾患(例えば、障害)を予防しまたは治療するための、該Listeriaを用いる方法(または該Listeriaを含む組成物)も提供される。
なおさらなる態様において、本発明は、非Listerialシグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド、第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあるポリペプチド(例えば、抗原)をコードする第二のポリヌクレオチド、および第一および第二のポリヌクレオチド双方に作動可能に連結されたプロモーターを含む発現カセットを含む(例えば、種Listeria monocytogenesからの)Listeria細菌を提供する。該発現カセットは非Listerialシグナルペプチドおよびポリペプチドを共に含む融合タンパク質をコードする。いくつかの実施形態において、第一および/または第二のポリヌクレオチドはListeriaにおいて発現につきコドン最適化されている。該Listeriaを含む薬学的組成物、免疫原性組成物、およびワクチンも提供される。加えて、本発明は、宿主において、免疫応答を誘導し、および/または疾患(例えば、障害)を予防または治療するための、該組換えListeria細菌を用いる方法を提供する。
また、本発明は、(a)細菌自己溶解素、またはその触媒的に活性なフラグメントまたは触媒的に活性な変種をコードする第一のポリヌクレオチド、および(b)ポリペプチドをコードする第二のポリヌクレオチドを含む組換え核酸分子を提供し、ここに、第二のポリヌクレオチドは第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあり、ここに、該組換え核酸分子は第二のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチド、および自己溶解素、またはその触媒的に活性なフラグメントまたは触媒的に活性な変種を含むタンパク質キメラをコードし、ここに、該タンパク質キメラにおいては、ポリペプチドは自己溶解素、またはその触媒的に活性なフラグメントまたは触媒的に活性な変種に融合されるか、またはそれ内に位置する。該細菌を含む薬学的組成物、免疫原性組成物、およびワクチンのような、該組換え核酸分子および/または発現カセットを含むベクターおよび細菌も提供される。宿主において、免疫応答を誘導し、および/または障害のような疾患を治療するための、該細菌または該細菌を含む組成物を用いる方法も提供される。
もう1つの態様において、本発明は組換え核酸分子を提供し、ここに、該核酸分子は少なくとも2つの区別される非Listerialポリペプチドをコードする。本発明は、さらに、該組換え核酸分子を含み、かつプロモーターをさらに含む発現カセットを提供し、ここに、該プロモーターは該組換え核酸分子に操作可能に連結されている。該組換え核酸分子および/または発現カセットを含むベクターがさらに提供される。加えて、該組換え核酸分子(および/または発現カセット)を含む組換えListeria細菌も提供される。該Listeriaを含む薬学的組成物、免疫原性組成物、およびワクチンも提供される。宿主において、免疫応答を誘導し、および/または疾患(例えば、障害)を予防しまたは治療するための、該Listeriaを用いる方法(または該Listeriaを含む組成物)も提供される。
さらなる態様において、本発明はポリシストロニック発現カセットを含む組換えListeria細菌を提供し、ここに、該ポリシストロニック発現カセットは少なくとも2つの区別される非Listerialポリペプチドをコードする。該Listeriaを含む薬学的組成物、免疫原性組成物、およびワクチンも提供される。宿主において、免疫応答を誘導し、および/または疾患(例えば、障害)を予防しまたは治療するための、該Listeriaを用いる方法(または該Listeriaを含む組成物)も提供される。
他の態様において、本発明は(a)シグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド、(b)分泌されたタンパク質、またはそのフラグメントをコードする第二のポリヌクレオチド、ここに、該第二のポリヌクレオチドは第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあり、および(c)該分泌されたタンパク質、またはそのフラグメントに対して異種であるポリペプチドをコードする第三のポリヌクレオチド、ここに、該第三のポリヌクレオチドは第一および第二のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあり;を含む組換え核酸分子を提供し、ここに、該組換え核酸分子は該シグナルペプチド、該第三のポリヌクレオチドによってコードされたポリペプチド、および該分泌されたタンパク質、またはそのフラグメントを含むタンパク質キメラをコードし、およびここに、該第三のポリヌクレオチドによってコードされたポリペプチドは、該タンパク質キメラにおいて、該分泌されたタンパク質、またはそのフラグメントに融合されているか、あるいは該分泌されたタンパク質、またはそのフラグメント内に位置する。該組換え核酸分子を含み、および該組換え核酸分子の第一、第二および第三のポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーターをさらに含む発現カセットも提供される。該細菌を含む薬学的組成物、免疫原性組成物、およびワクチンのような、該組換え核酸分子および/または発現カセットを含むベクターおよび細菌も提供される。宿主において、免疫応答を誘導し、および/または疾患を予防しまたは治療するための、該細菌を用いる方法、または該細菌を含む組成物も提供される。
いくつかの実施形態において、抗原に対して宿主において免疫応答を誘導する方法は、(例えば、前記態様のいずれかにおける、または以下の発明の詳細な記載または実施例における)宿主に対するここに記載された組換え細菌を含む組成物の有効量を宿主に投与することを含み、ここに、該細菌における該組換え核酸分子、発現カセットおよび/またはベクターによってコードされるポリペプチドは抗原を含む。いくつかの実施形態において、宿主において障害のような疾患を予防または治療する方法は、有効量の宿主に対するここに記載された組換え細菌を含む組成物を宿主に投与することを含む。
本発明は、さらに、抗原に対する宿主における免疫応答を誘導するための医薬の製造における、(例えば、前記態様のいずれかにおける、または以下の発明の詳細な記載または実施例における)ここに記載された組換え細菌の使用を提供し、ここに、該細菌における該組換え核酸分子、発現カセット、および/またはベクターによってコードされたポリペプチドは抗原を含む。いくつかの実施形態において、該抗原は異種抗原である。また、本発明は、宿主において疾患(例えば、癌または感染症のような障害)を予防し、または治療するための医薬の製造における、本明細書中に記載された組換え細菌の使用も提供する。本発明は、さらに、抗原に対して宿主において免疫応答を誘導するのに用いる本明細書中に記載された組換え細菌を提供し、ここに、該細菌における該組換え核酸分子、発現カセット、および/またはベクターは抗原を含む。本発明は、さらに、宿主において(障害のような)疾患の予防または治療で用いられる本明細書中に記載された組換え細菌を提供する。
さらなる態様において、本発明は、宿主細菌において異種タンパク質を発現し、および分泌する改良された方法を提供する。
前記された組換え核酸分子および発現カセットの各々を含む細菌を生産する方法も提供される。ワクチンを生産するための該細菌の使用方法も提供される。
本発明は、さらに、Listeria monocytogenesにおける発現につきコドン最適化されているポリヌクレオチドを含めた、シグナルペプチドおよび/または抗原をコードする種々のポリヌクレオチドを提供する。
(I.緒言)
本発明は、Listeriaのような細菌における、異種ポリペプチド(例えば、抗原および/または哺乳動物タンパク質)を含めた、ポリペプチドの発現および/または分泌で有用な組換え核酸分子、発現カセット、および発現ベクターを含めた種々のポリヌクレオチドを提供する。いくつかの実施形態において、これらのポリヌクレオチドは、細菌におけるポリペプチドの増強された発現および/または分泌で用いることができる。発現カセットのいくつかは、ポリペプチドについておよび/またはシグナルペプチドについてのコドン最適化コード配列を含む。加えて、細菌で用いる発現カセットのいくつかは、他の細菌源から、および/または種々の異なる分泌経路から由来するシグナルペプチド配列を含む。細菌を含有するワクチンのような組成物のような、発現カセットを含む細菌も提供される。宿主細胞において、免疫応答を誘導し、および/または障害(例えば、癌)のような疾患を予防し、または治療するための、該ポリヌクレオチド、細菌および組成物を用いる方法も提供される。
本発明は、部分的には、発現カセットにおけるシグナルペプチド配列のコドン最適化が、シグナルペプチド配列が細菌に対して天然である場合でさえ、(特に、異種ポリペプチドのコドン最適化と組み合わせた)組換え細菌からの(抗原のような)異種ポリペプチドの発現および/または分泌を促進するという発見に基づいている(例えば、以下の実施例19および27参照)。加えて、非secA1分泌経路からのシグナルペプチド配列および/または非Listerial細菌源からのシグナルペプチド配列を用いて、Listeriaからの異種ポリペプチドの効果的な発現および/または分泌を行うこともできることが判明した(例えば、以下の実施例19、27および30参照)。また、本発明は、部分的には、異種ポリペプチドのコード配列のコドン最適化がListeriaにおける異種ポリペプチドの発現および/または分泌を増強するというさらなる発見に基づいている(例えば、以下の実施例19参照)。発現カセットの最適化を通じて得られた異種タンパク質の増強された発現および/または分泌は、最適化された発現カセットを含む細菌の増強された免疫原性に導くことも示されている(例えば、以下の実施例20参照)。加えて、自己溶解素内に埋められた異種抗原を含むタンパク質キメラをコードする発現カセットは、Listeriaにおける異種抗原の効果的な発現および分泌を行うのに有用であることが示されている(例えば、以下の実施例29参照)。自己溶解素タンパク質キメラは免疫原性であることも示されている(例えば、以下の実施例31A参照)。加えて、コドン最適化発現カセットおよび/または非Listerialシグナルペプチドを含む発現カセットを含むListeriaは、免疫原性であり、腫瘍容量を低下させ、およびマウスモデルにおける生存を増大させることも示されている(例えば、以下の31BないしE参照)。
従って、1つの態様において、本発明は、シグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド、ここに、該第一のポリヌクレオチドは細菌における発現に対してコドン最適化されており、およびポリペプチド(例えば、抗原)をコードする第二のポリヌクレオチド、ここに、該第二のポリヌクレオチドは第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあり;を含む組み換え核酸分子を提供し、ここに、該組換え核酸分子は該シグナルペプチドおよび該ポリペプチドを含む融合タンパク質をコードする。いくつかの実施形態において、第二のポリヌクレオチドは同様に(例えば、第一のポリヌクレオチドと同一の細菌のタイプにおける発現につき)コドン最適化されている。いくつかの実施形態において、第一のポリヌクレオチドまたは第一および第二のポリヌクレオチドはListeria、Bacillus、Yersinia pestis、Salmonella、Shigella、Brucella、マイコバクテリアまたはE.coliにおける発現につきコドン最適化されている。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドはListeria monocytogenesのようなListeriaにおける発現につきコドン最適化されている。いくつかの実施形態において、第二のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドは抗原であり(またはそれを含み)、該抗原は、いくつかの場合において、非細菌抗原であり得る。例えば、該抗原は、いくつかの実施形態において、腫瘍関連抗原であるか、あるいはそのような腫瘍関連抗原に由来する。例えば、いくつかの実施形態において、該抗原はK−Ras、H−Ras、N−Ras、12−K−Ras、メソセリン(mesothelin)、PSCA、NY−ESO−1、WT−1、スルビビン(survivin)、gp100、PAP、プロテイナーゼ3、SPAS−1、SP−17、PAGE−4、TARP、またはCEAであるか、あるいはK−Ras、H−Ras、N−Ras、12−K−Ras、メソセリン、PSCA、NY−ESO−1、WT−1、スルビビン、gp100、PAP、プロテイナーゼ3、SPAS−1、SP−17、PAGE−4、TARP、またはCEAに由来する。例えば、いくつかの実施形態において、該抗原はメソセリン、またはメソセリンの抗原性フラグメントまたは抗原性改変体である。いくつかの他の実施形態において、該抗原はNY−ESO−1、またはNY−ESO−1の抗原性フラグメントまたは抗原性改変体である。いくつかの実施形態において、該抗原は感染症抗原であり、あるいは感染症抗原に由来する。いくつかの実施形態において、該シグナルペプチドは細菌(Listerialまたは非Listerial)のものである。いくつかの実施形態において、コドン最適化された第一のポリヌクレオチドによってコードされるシグナルペプチドは細菌に対して天然である。他の実施形態において、コドン最適化された第一のポリヌクレオチドによってコードされるシグナルペプチドは細菌に対して外来性である。いくつかの実施形態において、シグナルペプチドはListeria monocytogenesからのLLOシグナルペプチド、Lactococcus lactisからのUsp45シグナルペプチド、またはBacillus anthracisからの保護抗原シグナルペプチドのようなsecA1シグナルペプチドである。いくつかの実施形態において、該シグナルペプチドはsecA2シグナルペプチドである。例えば、該シグナルペプチドはListeria monocytogenesからのp60シグナルペプチドであり得る。加えて、該組換え核酸分子は、所望により、第一および第二のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにある、P60、またはそのフラグメントをコードする第三のポリヌクレオチド配列を含んでもよく、ここに、第二のポリヌクレオチドは第三のポリヌクレオチド内、または第一および第三のポリヌクレオチドの間に位置する。なおさらなる実施形態において、該シグナルペプチドはB.subtilis Tatシグナルペプチド(例えば、PhoD)のようなTatシグナルペプチドである。本発明は、該組換え核酸分子を含み、かつ該組換え核酸分子に(例えば、第一および第二のポリヌクレオチド(およびもし存在すれば第三のポリヌクレオチド)に)作動可能に連結されたプロモーターをさらに含む発現カセットも提供する。該細菌を含む薬学的組成物、免疫原性組成物、およびワクチンのような、該発現カセットを含む発現ベクターおよび組換え細菌(例えば、Listeria)もまた提供される。免疫応答を誘導し、および/または障害のような疾患を予防しまたは治療するための、該細菌を用いる方法、または該細菌を含む組成物も提供される。抗原に対する宿主における免疫応答を誘導するための医薬の製造における該細菌の使用も提供され、ここに、第二のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドは抗原を含む。
第二の態様において、本発明は(a)細菌に対して天然であるシグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド、ここに、該第一のポリヌクレオチドは細菌における発現に対してコドン最適化去れており、および(b)ポリペプチドをコードする第二のポリヌクレオチド、ここに、該第二のポリヌクレオチドは第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあり;を含む組換え核酸分子を提供し、ここに、該組換え核酸分子は該シグナルペプチドおよび該ポリペプチドを含む融合タンパク質をコードする。いくつかの実施形態において、第二のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドはシグナルペプチドに対して異種である。いくつかの実施形態において、該第二のポリヌクレオチドは第一のポリヌクレオチドに対して異種である。いくつかの実施形態において、該ポリペプチドは、それに対してシグナルペプチドが天然である細菌に対して外来性である。いくつかの実施形態において、第二のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドは、該シグナルペプチドに対して異種であり、該細菌に対して外来性であり、あるいはその双方である。いくつかの実施形態において、それからシグナルペプチドが由来する細菌は細胞内細菌である。いくつかの実施形態において、該細菌はListeria、Bacillus、Yersinia pestis、Salmonella、Shigella、Brucella、マイコバクテリアおよびE.coliからなる群より選択される。いくつかの実施形態において、該細菌はListeria細菌(例えば、Listeria monocytogenes)である。いくつかの実施形態において、第二のポリヌクレオチドは細菌における発現に対してコドン最適化されている。いくつかの実施形態において、第一および/または第二のポリヌクレオチドのコドン最適化は、(非コドン最適化配列に対して)コードされた融合タンパク質の細菌における発現、および/または該細菌からの分泌を増強する。いくつかの実施形態において、第二のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドは抗原を含む。第二のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドは抗原である。いくつかの実施形態において、該抗原は非細菌抗原である。いくつかの実施形態において、該抗原は腫瘍関連抗原であるか、あるいは腫瘍関連抗原に由来する抗原を含む。いくつかの実施形態において、該抗原はK−Ras、H−Ras、N−Ras、12−K−Ras、メソセリン、PSCA、NY−ESO−1、WT−1、スルビビン、gp100、PAP、プロテイナーゼ3、SPAS−1、SP−17、PAGE−4、TARP、およびCEAからなる群より選択され、あるいはK−Ras、H−Ras、N−Ras、12−K−Ras、メソセリン、PSCA、NY−ESO−1、WT−1、スルビビン、gp100、PAP、プロテイナーゼ3、SPAS−1、SP−17、PAGE−4、TARP、およびCEAからなる群より選択される抗原に由来する。例えば、いくつかの実施形態において、抗原はメソセリン、またはその抗原性フラグメントまたは変種であるか、あるいはNY−ESO−1、またはその抗原性フラグメントまたは変種である。いくつかの別の実施形態において、抗原は感染症抗原であるか、あるいは感染症抗原に由来する。いくつかの実施形態において、シグナルペプチドはsecA1シグナルペプチド(例えば、Listeria monocytogenesからのLLOシグナルペプチド)である。いくつかの実施形態において、シグナルペプチドはsecA2シグナルペプチド(例えば、Listeria monocytogenesからのp60シグナルペプチド)である。該組換え核酸分子を含み、かつ該組換え核酸分子の第一および第二のポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーターをさらに含む発現カセットも提供される。該発現カセットを含む発現ベクターも提供される。該組換え核酸分子を含む組換え細菌も提供され、ここに、第一のポリヌクレオチドは組換え細菌における発現に対してコドン最適化されている。いくつかの実施形態において、組換え細菌は細胞内細菌である。いくつかの実施形態において、組換え細菌はListeria、Bacillus、Yersinia pestis、Salmonella、Shigella、Brucella、マイコバクテリアおよびE.coliからなる群より選択される。いくつかの実施形態において、細菌は組換えListeria細菌(例えば、組換えListeria monocytogenes細菌)である。該組換え細菌を含む免疫原性組成物がさらに提供され、ここに、第二のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドは抗原である。有効量の該組換え細菌を含む組成物を宿主に投与することを含む、抗原に対する宿主における免疫応答を誘導する方法も提供され、ここに、第二のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドは抗原であり(または該抗原を含む)。抗原に対する宿主における免疫応答を誘導するための医薬の製造における該細菌の使用も提供され、ここに、第二のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドは該抗原を含む。
第三の態様において、本発明は組換え核酸分子を含む組換えListeria細菌(例えば、Listeria monocytogenes)を提供し、ここに、該組換え核酸分子は(a)シグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド、ここに、該第一のポリヌクレオチドはListeria細菌における発現に対してコドン最適化されており、および(b)ポリペプチドをコードする第二のポリヌクレオチド、ここに、該第二のポリヌクレオチドは第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあり;を含み、ここに、該組換え核酸分子は該シグナルペプチドおよび該ポリペプチドを含む融合タンパク質をコードする。いくつかの実施形態において、第二のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドはシグナルペプチドに対して異種である。いくつかの実施形態において、組換え核酸分子は、第一および第二のポリヌクレオチド双方に作動可能に連結されたプロモーターをさらに含む発現カセットの部分である。換言すれば、いくつかの実施形態において、組換えListeria細菌は組換え核酸分子を含む発現カセットを含み、ここに、該発現カセットは、該組換え核酸分子の第一および第二のポリペプチド双方に作動可能に連結されたプロモーターをさらに含む。いくつかの実施形態において、発現カセットはポリシストロニック発現カセットである。いくつかの実施形態において、第二のポリヌクレオチドはListeria細菌における発現に対してコドン最適化されている。いくつかの実施形態において、第一および/または第二のポリヌクレオチドのコドン最適化は(非コドン最適化配列に対する)コードされた融合タンパク質のListeria細菌における発現および/または該細菌からの分泌を増強させる。いくつかの実施形態において、第二のポリヌクレオチドによってコードされたポリペプチドはListeria細菌に対して外来性である(すなわち、Listeria細菌に対して異種である)。いくつかの実施形態において、第二のポリヌクレオチドによってコードされたポリペプチドは抗原(例えば、非Listerialまたは非細菌抗原)を含む。いくつかの実施形態において、第二のポリヌクレオチドによってコードされたポリペプチドは抗原である。いくつかの実施形態において、抗原は腫瘍関連抗原であるか、または腫瘍関連抗原に由来する。いくつかの実施形態において、抗原はK−Ras、H−Ras、N−Ras、12−K−Ras、メソセリン、PSCA、NY−ESO−1、WT−1、スルビビン、gp100、PAP、プロテイナーゼ3、SPAS−1、SP−17、PAGE−4、TARP、およびCEAからなる群より選択されるか、またはK−Ras、H−Ras、N−Ras、12−K−Ras、メソセリン、PSCA、NY−ESO−1、WT−1、スルビビン、gp100、PAP、プロテイナーゼ3、SPAS−1、SP−17、PAGE−4、TARP、およびCEAからなる群より選択される抗原に由来する。例えば、いくつかの実施形態において、該抗原はメソセリン、またはその抗原性フラグメントまたは抗原性改変体である。いくつかの実施形態において、該抗原はヒトメソセリンである。いくつかの実施形態において、該抗原はそのシグナルペプチドおよびGPIリンカードメインが欠失されたヒトメソセリンである。いくつかの別の実施形態において、抗原はNY−ESO−1、またはその抗原性フラグメントまたは抗原性改変体である。いくつかの別の実施形態において、抗原は感染症抗原であるか、または感染症抗原に由来する抗原である。いくつかの実施形態において、シグナルペプチドは非Listerialである。いくつかの実施形態において、シグナルペプチドは細菌のものである。いくつかの実施形態において、シグナルペプチドはListeria細菌に対して外来性である。他の実施形態において、シグナルペプチドはListeria細菌に対して天然である。いくつかの実施形態において、シグナルペプチドはsecA1シグナルペプチド(例えば、Listeria monocytogenesからのLLOシグナルペプチド、Lactcoccus lactisからのUsp45シグナルペプチド、およびBacillus anthracisからの保護抗原シグナルペプチド)である。いくつかの実施形態において、シグナルペプチドはsecA2シグナルペプチド(例えば、Listeria monocytogenesからのp60シグナルペプチド)である。いくつかの実施形態において、シグナルペプチドはTatシグナルペプチド(例えば、B.subtilisからのPhoDシグナルペプチド)である。いくつかの実施形態において、Listeria細菌は弱毒化されている。例えば、Listeriaは細胞間拡大、非食細胞への進入、または増殖につき弱毒化されている。いくつかの実施形態において、組換えListeria細菌はActA、インターナリンB、またはActAおよびインターナリンB双方が欠乏している(例えば、ΔactaΔinlB二重欠失変異体)。いくつかの実施形態において、組換えListeria細菌は機能的ActA、インターナリンB、またはActAおよびインターナリンB双方が欠失されている。いくつかの実施形態において、組換え細菌の核酸は核酸標的化化合物(例えば、プソラレン化合物)との反応によって修飾されている。また、本発明は、組換えListeria細菌および薬学的に受容可能なキャリアを含む薬学的組成物、ならびに該組換えListeria細菌を含む免疫原性組成物も提供し、ここに、第二のポリヌクレオチドによってコードされたポリペプチドは抗原である。本発明は、該組換えListeria細菌を含むワクチンも提供する。該組換え細菌を含む組成物の有効量を宿主に投与することを含む抗原に対する宿主における免疫応答を誘導する方法も提供され、ここに、第二のポリヌクレオチドによってコードされたポリペプチドは抗原である(または抗原を含む)。また、組換えListeria細菌を含む組成物の有効量を宿主に投与することを含む宿主において疾患(例えば、癌または感染症のような障害)を予防または治療する方法も提供される。抗原に対する宿主における免疫応答を誘導するための医薬の製造における該細菌の使用も提供され、ここに、第二のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドは抗原を含む。
第四の態様において、本発明は、非secA1細菌シグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド、およびポリペプチド(例えば、抗原)をコードする第二のポリヌクレオチドを含む組換え核酸分子を提供し、ここに、該第二のポリヌクレオチドは第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあり、およびここに、該組換え核酸分子は該シグナルペプチドおよび該ポリペプチドを含む融合タンパク質をコードする。いくつかの実施形態において、該ポリヌクレオチドおよび/または該第二のポリヌクレオチドは細菌の特別なタイプにおける発現につきコドン最適化されている。いくつかの実施形態において、第一および/または第二のポリヌクレオチドのコドン最適化は、(非コドン最適化配列に対する)融合タンパク質の細菌における発現、および/または該細菌からの分泌を促進する。いくつかの実施形態において、第一のポリヌクレオチドおよび/または第二のポリヌクレオチドはListeria、Bacillus、Yersinia pestis、Salmonella、Shigella、Brucella、マイコバクテリア、またはE.coliにおける発現につきコドン最適化されている。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドはListeria monocytogenesのようなListeriaにおける発現につきコドン最適化されている。いくつかの実施形態において、コドン最適化された第一のポリヌクレオチドによってコードされるシグナルペプチドは、それに対してそれがコドン最適化されている細菌に対して天然である。いくつかの実施形態において、シグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチドは第二のポリヌクレオチドに対して異種である。いくつかの実施形態において、第二のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドはシグナルペプチドに対して異種である。いくつかの実施形態において、第二のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドは抗原を含む。いくつかの実施形態において、第二のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドは抗原であり、これは、いくつかの場合において、非細菌抗原であり得る。いくつかの実施形態において、抗原は腫瘍関連抗原であり、あるいはそのような腫瘍関連抗原に由来する。例えば、いくつかの実施形態において、抗原はK−Ras、H−Ras、N−Ras、12−K−Ras、メソセリン、PSCA、NY−ESO−1、WT−1、スルビビン、gp100、PAP、プロテイナーゼ3、SPAS−1、SP−17、PAGE−4、TARP、またはCEAであるか、あるいはK−Ras、H−Ras、N−Ras、12−K−Ras、メソセリン、PSCA、NY−ESO−1、WT−1、スルビビン、gp100、PAP、プロテイナーゼ3、SPAS−1、SP−17、PAGE−4、TARP、またはCEAに由来する。例えば、いくつかの実施形態において、抗原はメソセリンであるか、またはメソセリンの抗原性フラグメントまたは抗原性改変体である。いくつかの他の実施形態において、抗原はNY−ESO−1、またはNY−ESO−1の抗原性フラグメントまたは抗原性改変体である。いくつかの実施形態において、抗原は感染症抗原であるか、または感染症抗原に由来する。いくつかの実施形態において、組換え核酸分子の第一のポリヌクレオチドによってコードされるシグナルペプチドはListerialのものである。他の実施形態において、シグナルペプチドは非Listerialである。いくつかの実施形態において、シグナルペプチドはグラム陽性菌に由来する。いくつかの実施形態において、シグナルペプチドは属Bacillus、Staphylococcus、またはLactococcusに属する細菌に由来する。いくつかの実施形態において、シグナルペプチドはsecA2シグナルペプチドである。例えば、シグナルペプチドはListeria monocytogenesからのp60シグナルペプチドであり得る。加えて、組換え核酸分子は、所望により、第一および第二のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにある、p60、またはそのフラグメントをコードする第三のポリヌクレオチド配列を含み、ここに、第二のポリヌクレオチドは第三のポリヌクレオチド内、または第一および第三のポリヌクレオチドの間に位置する。なおさらなる実施形態において、シグナルペプチドはB.subtilis Tatシグナルペプチド(例えば、B.subtilis PhoDシグナルペプチド)のようなTatシグナルペプチドである。本発明は、該組換え核酸分子を含み、かつ該組換え核酸分子の第一および第二のポリヌクレオチドに操作可能に連結したプロモーターをさらに含む発現カセットも提供する。該発現カセットおよび/または組換え核酸分子を含む薬学的組成物、免疫原性組成物、およびワクチンのような、発現ベクターおよび細菌も提供される。いくつかの実施形態において、該発現カセットまたは組換え核酸分子を含む組換え細菌は細胞内細菌である。いくつかの実施形態において、細菌はListeria、Bacillus、Yersinia pestis、Salmonella、Shigella、Brucella、マイコバクテリアまたはE.coliからなる群より選択される細菌である。いくつかの実施形態において、該細菌はListeria細菌(例えば、種Listeria monocytogenesのメンバー)である。いくつかの実施形態において、第二のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドは細菌に対して外来性(すなわち、細菌に対して異種)である。宿主において、免疫応答を誘導し、および/または疾患(例えば、障害)を予防しまたは治療するための、該細菌を用いる方法、または該細菌を含む組成物も提供される。いくつかの実施形態において、該疾患は癌である。他の実施形態において、該疾患は感染症である。抗原に対する宿主における免疫応答を誘導するための医薬の製造における該細菌の使用も提供され、ここに、第二のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドは抗原を含む。
もう1つの態様において、本発明は組換え核酸分子を含む組換えLiseteria細菌を提供し、ここに、該組換え核酸分子は(a)非secA1細菌シグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド、および(b)ポリペプチドをコードする第二のポリヌクレオチド、ここに、該第二のポリヌクレオチドは第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあり;を含み、ここに、該組換え核酸分子は該シグナルペプチドおよび該ポリペプチド含む融合タンパク質をコードする。いくつかの実施形態において、第二のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドはシグナルペプチドに対して異種であるか、または細菌に対して外来性であるか、または双方である。いくつかの実施形態において、Listeria細菌は種Listeria monocytogenesに属する。いくつかの実施形態において、組換え核酸分子は、第一および第二のポリヌクレオチド双方に作動可能に連結されたプロモーターをさらに含む発現カセットの一部である。換言すれば、いくつかの実施形態において、組換えListeria細菌は組換え核酸分子を含む発現カセットを含み、ここに、該発現カセットは該組換え核酸分子の第一および第二のポリヌクレオチド双方に作動可能に連結されたプロモーターをさらに含む。いくつかの実施形態において、該発現カセットはポリシストロニック発現カセットである。いくつかの実施形態において、第一のポリヌクレオチド、第二のポリヌクレオチド、あるいは第一および第二のポリヌクレオチド双方はListeria細菌(例えば、Listeria monocytogenes)における発現につきコドン最適化されている。いくつかの実施形態において、第一および/または第二のポリヌクレオチドのコドン最適化は、(非コドン最適化配列に対して)融合タンパク質の細菌における発現、および/または該細菌からの分泌を増強させる。いくつかの実施形態において、第一および第二のポリヌクレオチドは相互に対して異種である。いくつかの実施形態において、第一のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチド、およびシグナルペプチドは相互に対して異種である。いくつかの実施形態において、第二のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドはListeria細菌に対して外来性(すなわち、Listeria細菌に対して異種)である。いくつかの実施形態において、第二のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドは抗原を含む。いくつかの実施形態において、第二のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドは抗原(例えば、非Listerialまたは非細菌抗原)である。いくつかの実施形態において、抗原は腫瘍関連抗原であるか、または腫瘍関連抗原に由来する。いくつかの実施形態において、抗原はK−Ras、H−Ras、N−Ras、12−K−Ras、メソセリン、PSCA、NY−ESO−1、WT−1、スルビビン、gp100、PAP、プロテイナーゼ3、SPAS−1、SP−17、PAGE−4、TARP、およびCEAからなる群より選択されるか、あるいはK−Ras、H−Ras、N−Ras、12−K−Ras、メソセリン、PSCA、NY−ESO−1、WT−1、スルビビン、gp100、PAP、プロテイナーゼ3、SPAS−1、SP−17、PAGE−4、TARP、およびCEAからなる群より選択される抗原に由来する。例えば、いくつかの実施形態において、抗原はメソセリン、またはその抗原性フラグメントまたは抗原性改変体である。いくつかの実施形態において、抗原はヒトメソセリンである。いくつかの実施形態において、抗原はそのシグナルペプチドおよびGPIリンカードメインを欠失したヒトメソセリンである。いくつかの別の実施形態において、抗原は感染症抗原であるか、または感染症抗原に由来する。いくつかの実施形態において、シグナルペプチドは非Listerialである。いくつかの実施形態において、非secA1シグナルペプチドはListerialシグナルペプチドである。他の実施形態において、非secA1シグナルペプチドは非Listerialシグナルペプチドである。いくつかの実施形態において、シグナルペプチドはsecA2シグナルペプチド(例えば、Listeria monocytogenesからのp60シグナルペプチド)である。いくつかの実施形態において、secA2シグナルペプチドを含む組換え核酸分子は、さらに、第一および第二のポリペプチドと同一の翻訳リーディングフレームにある、secA2自己溶解素(例えば、p60またはN−アセチルムラミダーゼ)、またはそのフラグメント(例えば、触媒的に活性なフラグメント)をコードする第三のポリヌクレオチドを含み、ここに、該第二のポリヌクレオチドは第三のポリヌクレオチド内、または組換え核酸分子の第一および第三のポリヌクレオチド間に位置する。いくつかの実施形態において、第二のポリヌクレオチドは第三のポリヌクレオチド内に位置する。いくつかの実施形態において、シグナルペプチドはTatシグナルペプチドである。いくつかの実施形態において、シグナルペプチドはB.subtilis由来Tatシグナルペプチドである(例えば、B.subtilisからのPhoDシグナルペプチド)。いくつかの実施形態において、Listeria細菌は弱毒化されている。例えば、Listeriaは細胞間拡大、非食細胞への進入、または増殖につき減弱化され得る。いくつかの実施形態において、組換えListeria細菌はActA、インターナリンB、またはActAおよびインターナリンB双方が結合している(例えば、ΔactA、ΔinlB二重欠失変異体)である。いくつかの実施形態において、組換えListeria細菌は機能的ActA、インターナリンB、ActAおよびインターナリンB双方が欠失している。いくつかの実施形態において、組換え細菌の核酸は核酸標的化化合物(例えば、プソアレン化合物)との反応によって修飾されている。本発明は該組換えListeria細菌および薬学的に受容可能なキャリアを含む薬学的組成物も提供する。本発明は該組換え細菌を含む免疫原性組成物も提供し、ここに、該第二のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドは抗原である。本発明は、組換えListeria細菌を含むベクターも提供する。有効量の組換え細菌を含む組成物を宿主に投与することを含む抗原に対する宿主における免疫応答を誘導する方法も提供され、ここに、第二のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドは抗原であり(またはそれを含む)。また、有効量の組換えListeria細菌を含む組成物を宿主に投与することを含む、宿主において疾患(例えば、癌または感染症のような障害)を予防または治療する方法も提供される。抗原に対する宿主における免疫応答を誘導するための医薬の製造における該細菌の使用も提供され、ここに、第二のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドは抗原を含む。
もう1つの態様において、本発明は(癌抗原または非Listerial細菌抗原のような抗原のごとき)Listeria細菌に対して外来性であるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む組換え核酸分子を提供し、ここに、該ポリヌクレオチドはListeriaにおける発現につきコドン最適化されている。いくつかの実施形態において、該ポリヌクレオチドのコドン最適化は(非コドン最適化配列に対する)ポリヌクレオチドのListeria細菌における発現、および/または該細菌からの分泌を増強させる。いくつかの実施形態において、外来性ポリペプチドは抗原を含む。いくつかの実施形態において、外来性ポリペプチドは抗原である。いくつかの実施形態において、該抗原は非細菌抗原である。例えば、該抗原は、いくつかの実施形態において、腫瘍関連抗原であるか、あるいはそのような腫瘍関連抗原に由来する。例えば、いくつかの実施形態において、ポリペプチドはK−Ras、H−Ras、N−Ras、12−K−Ras、メソセリン、PSCA、NY−ESO−1、WT−1、スルビビン、gp100、PAP、プロテイナーゼ3、SPAS−1、SP−17、PAGE−4、TARP、またはCEAであるか、またはK−Ras、H−Ras、N−Ras、12−K−Ras、メソセリン、PSCA、NY−ESO−1、WT−1、スルビビン、gp100、PAP、プロテイナーゼ3、SPAS−1、SP−17、PAGE−4、TARP、またはCEAに由来する。いくつかの実施形態において、抗原はメソセリン、またはメソセリンの抗原性フラグメントまたは抗原性改変体である。いくつかの他の実施形態において、抗原はNY−ESO−1であるか、またはNY−ESO−1の抗原性フラグメントまたは変種である。いくつかの他の実施形態において、抗原は感染症抗原であるか、または感染症抗原に由来する。いくつかの実施形態において、組換え核酸分子は、組換え核酸分子がシグナルペプチドおよび外来性ポリペプチドを含む融合タンパク質をコードするように、外来性ポリペプチドと同一の翻訳フレームにある、シグナルペプチドをコードするポリヌクレオチドをさらに含む。いくつかの実施形態において、(Listeriaに対するものであってもなくてもよい)シグナルペプチドをコードするポリヌクレオチドはListeria monocytogenesにおける発現につきコドン最適化されている。本発明は、さらに、該組換え核酸分子を含み、かつ該組換え核酸分子の第一および第二のポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーターをさらに含む発現カセットを提供する。該組換え核酸分子および/または発現カセットを含むベクター(例えば、発現ベクター)も提供される。本発明は、該組換え核酸分子および/または発現カセットを含む組換えListeria細菌も提供する。いくつかの実施形態において、Listeria細菌はListeria monocytogenesに属する。該組換えLisetria細菌を含む薬学的組成物、免疫原性組成物、およびベクターも提供される。本発明は、さらに、有効量の組換えListeria細菌を含む組成物を宿主に投与することを含む、抗原に対する宿主における免疫応答を誘導する方法を提供し、ここに、該ポリペプチドは抗原であり(または抗原を含む)。加えて、本発明は、免疫応答を誘導し、および/または疾患(例えば、障害)を予防しまたは治療するための、組換えListeria細菌を用いる方法を提供する。抗原に対する宿主における免疫応答を誘導するための医薬の製造における該細菌の使用も提供され、ここに、該外来性ポリペプチドは抗原を含む。
もう1つの態様において、本発明は、発現カセットを含む組換えListeria細菌を提供し、ここに、該発現カセットは(癌抗原または非Listerial細菌抗原のような抗原のごとき)Listeria細菌に対して外来性であるポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、ここに、該ポリヌクレオチドはListeriaにおける発現につきコドン最適化されており、および外来性ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに対して作動可能に連結されたプロモーターを含む。いくつかの実施形態において、Listeria細菌は種Listeria monocytogenesに属する。いくつかの実施形態において、該ポリヌクレオチドのコドン最適化は(非コドン最適化配列に対して)該ポリペプチドのListeria細菌における発現、および/または該細菌からのポリペプチドの分泌を増強する。いくつかの実施形態において、外来性ポリペプチドは抗原を含む。いくつかの実施形態において、外来性ポリペプチドは抗原であり、これは、いくつかの例においては、非細菌抗原であってよい。例えば、該抗原は、いくつかの実施形態においては、腫瘍関連抗原であるか、あるいはそのような腫瘍関連抗原に由来する。例えば、いくつかの実施形態においては、該ポリペプチドはK−Ras、H−Ras、N−Ras、12−K−Ras、メソセリン、PSCA、NY−ESO−1、WT−1、スルビビン、gp100、PAP、プロテイナーゼ3、SPAS−1、SP−17、PAGE−4、TARP、またはCEAであるか、またはK−Ras、H−Ras、N−Ras、12−K−Ras、メソセリン、PSCA、NY−ESO−1、WT−1、スルビビン、gp100、PAP、プロテイナーゼ3、SPAS−1、SP−17、PAGE−4、TARP、またはCEAに由来する。いくつかの実施形態において、該抗原はメソセリンであるか、またはメソセレンの抗原フラグメント、抗原性改変体である。いくつかの他の実施形態は、該抗原はNY−ESO−1であるか、またはNY−ESO−1の抗原性フラグメントまたは抗原性改変体である。いくつかの他の実施形態において、該抗原は感染症抗原であるか、または感染症抗原に由来する。いくつかの実施形態において、発現カセットは、該発現カセットが該シグナルペプチドおよび該外来性ポリペプチドを含む融合タンパク質をコードするように、プロモーターに操作可能に連結したシグナルペプチドをコードし、かつ外来性ポリペプチドと同様の翻訳フレームにあるポリヌクレオチドをさらに含む。いくつかの実施形態において、(Listeriaに対して天然であってもまたは無くてもよい)シグナルペプチドをコードするポリヌクレオチドはListeria monocytogenesにおける発現につきコドン最適化されている。該組換えListeria細菌を含む薬学的組成物、免疫原性組成物、およびワクチンも提供される。本発明は、さらに、有効量の組換えListeria細菌を含む組成物を宿主に投与することを含む、抗原に対する宿主における免疫応答を誘導することができる方法を提供する。加えて、本発明は、免疫応答を誘導し、および/または疾患(例えば、障害)を予防または治療するために、組換えListeria細菌を用いる方法を提供する。抗原に対する宿主における免疫応答を誘導する医薬の製造における該細菌の使用も提供され、ここに、該外来性ポリペプチドは該抗原を含む。
さらなる態様において、本発明は組換え核酸を含む組換えListeria細菌(例えば、Listeria monocytogenes)を提供し、ここに、該組換え核酸分子は(a)非Listerialシグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチドおよび(b)第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあるポリペプチドをコードする第二のポリヌクレオチドを含み、ここに、該組換え核酸分子は該非Listerialシグナルペプチドおよび該ペプチドを共に含む融合タンパク質をコードする。いくつかの実施形態において、該組換え核酸分子は、さらに、第一および第二のポリヌクレオチド双方に操作可能に連結したプロモーターを含む発現カセット内に位置する。かくして、いくつかの実施形態において、該組換えListeria細菌は組換え核酸分子を含む発現カセットを含み、ここに、該発現カセットは、さらに、該組換え核酸分子の第一および第二のポリヌクレオチド双方に作動可能に連結されたプロモーターを含む。いくつかの実施形態において、該発現カセットはポリシストロニック発現カセット(例えば、ビシストロニック発現カセット)である。いくつかの実施形態において、第一のポリヌクレオチド、第二のポリヌクレオチドまたは第一および第二の双方のポリヌクレオチドはListeria(例えば、Listeria monocytogenes)における発現につきコドン最適化されている。いくつかの実施形態において、第一および/または第二のポリヌクレオチドのコドン最適化は(非コドン最適化配列に対して)該細菌における融合タンパク質の発現、および/または該細菌からの融合タンパク質の分泌を増強させる。いくつかの実施形態において、該第一および第二のポリヌクレオチドは相互に対して異種である。いくつかの実施形態において、第二のポリヌクレオチドによってコードされたポリヌクレオチド、および該シグナル配列は相互に対して異種である。いくつかの実施形態において、外第二のポリヌクレオチドによってコードされたポリヌクレオチドはListeria細菌に対して外来性(すなわち、Listeria細菌に対して異種)である。いくつかの実施形態において、第二のポリヌクレオチドによってコードされたポリペプチドは抗原(例えば、非Listerial抗原)を含む。第二のポリヌクレオチドによってコードされたポリペプチドはいくつかの実施形態によって抗原である。いくつかの実施形態において、該抗原は腫瘍関連抗原であるか、または腫瘍関連抗原に由来する。いくつかの実施形態において、該抗原はK−Ras、H−Ras、N−Ras、12−K−Ras、メソセリン、PSCA、NY−ESO−1、WT−1、スルビビン、gp100、PAP、プロテイナーゼ3、SPAS−1、SP−17、PAGE−4、TARP、およびCEAからなる群より選択されるか、またはK−Ras、H−Ras、N−Ras、12−K−Ras、メソセリン、PSCA、NY−ESO−1、WT−1、スルビビン、gp100、PAP、プロテイナーゼ3、SPAS−1、SP−17、PAGE−4、TARP、およびCEAからなる群より選択される抗原に由来する。例えば、いくつかの実施形態において、該抗原はメソセレン、またはその抗原性フラグメント、または抗原性改変体である。いくつかの実施形態において、該抗原はヒトメソセレンである。いくつかの実施形態において、該抗原はそのシグナルペプチドおよびGPIリンカードメインが欠失されたヒトメソセレンである。いくつかの別の実施形態において、該抗原は感染症抗原であるか、または感染症抗原に由来する。いくつかの実施形態において、該シグナルペプチドは細菌のものである。いくつかの実施形態において、該シグナルペプチドは細胞内細菌に由来する。いくつかの実施形態において、該シグナルペプチドはグラム陽性菌に由来する。いくつかの実施形態において、該シグナルペプチドは属Bacillus、Staphylococcus、またはLactococcus(例えば、Bacillus anthracis、Bacillus subtilis、Staphylococcus aureus、またはLactococcus lactis)に属する細菌からのものである。いくつかの実施形態において、該シグナルペプチドはsecA1シグナルペプチド(例えば、Lactococcus lactisからのUsp45シグナルペプチド、またはBacillus anthracisからの保護抗原シグナルペプチド)である。いくつかの実施形態において、シグナルペプチドはsecA2シグナルペプチドである。いくつかの実施形態において、シグナルペプチドはTatシグナルペプチド(例えば、B.subtilisからのPhoDシグナルペプチド)である。いくつかの実施形態において、Listeria細菌は減弱化されている。例えば、いくつかの実施形態において、Listeriaは細胞間拡大、非食細胞への進入、または増殖につき減弱化されている。いくつかの実施形態において、組換えListeria細菌はActA、インターナリンB、またはActAおよびインターナリンB双方に関して欠乏している(例えば、ΔactAΔinlB二重欠失変異体)。いくつかの実施形態において、組換えListeria細菌は機能的ActA、インターナリンB、またはActAおよびインターナリンB双方が欠失している。いくつかの実施形態において、組換え細菌の核酸は核酸標的化化合物(例えば、プソラレン化合物)との反応によって修飾されている。本発明は該組換えListeria細菌および薬学的に受容可能なキャリアを含む薬学的組成物も提供する。本発明は、さらに、該組換え細菌を含む免疫原性組成物を提供し、ここに、第二のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドは抗原である。本発明は、組換えListeria細菌を含むワクチンも提供する。有効量の該組換えListeria細菌を含む組成物を宿主に投与することを含む、抗原に対する宿主における免疫応答を誘導する方法も提供され、ここに、第二のポリヌクレオチドにコードされるポリヌクレオチドは抗原であるか(または抗原を含む)。また、有効量の該組換えListeria細菌を含む組成物を宿主に投与することを含み、宿主において疾患(例えば、癌または感染症のような障害を予防または治療する方法も提供される)。抗原に対する宿主における免疫応答を誘導するための医薬の製造における該細菌の使用も提供され、ここに、第二のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドは抗原を含む。
なおもう1つの態様において、本発明は、非Listerialシグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド、第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあるポリペプチドをコードする第二のポリヌクレオチド、および第一および第二のポリヌクレオチド双方に作動可能に連結されたプロモーターを含む発現カセットを含む(例えば、種Listeria monocytogenesからの)組換えListeria細菌を提供する。該発現カセットは、非Listerialシグナルペプチドおよび該ポリペプチドを含む融合タンパク質をコードする。いくつかの実施形態において、該Listeria細菌は細胞間拡大、非食細胞への進入、または増殖について弱毒化されている。いくつかの実施形態において、第一のポリヌクレオチド、第二のポリヌクレオチド、または第一および第二双方のポリヌクレオチドはListeriaにおける発現につきコドン最適化されている。いくつかの実施形態において、第一および/または第二のポリヌクレオチドのコドン最適化は、(非コドン最適化配列に対して)コードされた融合タンパク質の細菌における発現、および/または該細菌からの分泌を増強させる。いくつかの実施形態において、第一のポリヌクレオチドおよび/または第二のポリヌクレオチドはListeria monocytogenesにおける発現につきコドン最適化されている。いくつかの実施形態において、第二のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドは抗原も含む。いくつかの実施形態において、第二のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドは抗原であり、これは、いくつかの例において、非細菌抗原であってよい。例えば、該抗原は、いくつかの実施形態において、腫瘍関連抗原であるか、またはそのような腫瘍関連抗原に由来する。例えば、いくつかの実施形態において、該抗原はK−Ras、H−Ras、N−Ras、12−K−Ras、メソセリン、PSCA、NY−ESO−1、WT−1、スルビビン、gp100、PAP、プロテイナーゼ3、SPAS−1、SP−17、PAGE−4、TARP、またはCEAであるか、またはK−Ras、H−Ras、N−Ras、12−K−Ras、メソセリン、PSCA、NY−ESO−1、WT−1、スルビビン、gp100、PAP、プロテイナーゼ3、SPAS−1、SP−17、PAGE−4、TARP、またはCEAに由来する。例えば、いくつかの実施形態において、該抗原はメソセレンであるか、あるいはメソセレンの抗原性フラグメントまたは抗原性改変体である。いくつかの他の実施形態において、該抗原はNY−ESO−1、またはNY−ESO−1の抗原性フラグメントまたは抗原性改変体である。いくつかの実施形態において、該抗原は感染症抗原であるか、または感染症抗原に由来する。好ましい実施形態において、該シグナルペプチドは細菌のものである。いくつかの実施形態において、該シグナルペプチドは属Bacillus、Staphylococcus、またはLactococcusに属する細菌からのものである。例えば、いくつかの実施形態において、該シグナルペプチドはBacillus anthracis、Bacillus subtilis、Staphylcoccus aureus、またはLactococcus lactisからのものである。いくつかの実施形態において、シグナルペプチドは、Lactococcus lactisからのUsp45シグナルペプチド、またはBacillus anthracisからの保護抗原シグナルペプチドのようなsecA1シグナルペプチドである。いくつかの実施形態において、該シグナルペプチドはsecA2シグナルペプチドである。なおさらなる実施形態において、該シグナルペプチドはB.subtilis Tatシグナルペプチド(例えば、PhoD)のようなTatシグナルペプチドである。本明細書中に記載された組換えListeria細菌を含む薬学的組成物、免疫原性組成物、およびワクチンも提供される。加えて、本発明は、免疫応答を誘導する、および/または障害のような疾患を予防しまたは治療するために、組換えListeria細菌を用いる方法を提供する。抗原に対する宿主における免疫応答を誘導するための医薬の製造における細菌の使用も提供され、ここに、該第二のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドは抗原も含む。
本発明は、さらに、(a)細菌自己溶解素、またはその触媒的に活性なフラグメントまたは触媒的に活性な変種;および(b)ポリペプチドをコードする第二のポリヌクレオチドを含む組換え核酸分子を提供し、ここに、第二のポリヌクレオチドは第一のポリヌクレオチドと同様の翻訳リーディグフレームにある、ここに、該組換え核酸分子は該第二のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドおよび該自己溶解素、またはその触媒的に活性なフラグメントまたは触媒的に活性な変種を含むタンパク質キメラをコードし、ここに、該タンパク質キメラにおいては、該ポリペプチドは自己溶解素、またはその触媒的に活性なフラグメントまたは触媒的に活性な変種に融合しており、あるいは自己溶解素またはその触媒的に活性なフラグメントまたは触媒的に活性な変種内に位置する。いくつかの実施形態において、第一のポリヌクレオチドは細菌自己溶解素をコードする。いくつかの実施形態において、タンパク質キメラは自己溶解素として触媒的に活性である。いくつかの実施形態において、細菌自己溶解素は細胞内細菌(例えば、Listeria)からのものである。いくつかの実施形態において、細菌自己溶解素はListeria自己溶解素である。いくつかの実施形態において、ポリペプチドをコードする第二のポリヌクレオチドは自己溶解素、またはその触媒的に活性なフラグメントまたは触媒的に活性な変種をコードする第一のポリヌクレオチド内に位置し、組換え核酸分子は、ポリペプチドが自己溶解素、またはその触媒的に活性なフラグメントまたは触媒的に活性な変種内に位置するタンパク質キメラをコードする(すわなち、該ポリペプチドは自己溶解素または触媒的に活性なフラグメントまたは変種内に埋められている)。いくつかの別の実施形態において、第二のポリヌクレオチドは自己溶解素、またはその触媒的に活性なフラグメントまたは触媒的に活性な変種をコードする第一のポリヌクレオチドの外部に位置し、および組換え核酸分子は、該ポリペプチドが自己溶解素、またはその触媒的に活性なフラグメントまたは触媒的に活性な変種に融合しているタンパク質キメラをコードする。いくつかの実施形態において、該ポリペプチドは自己溶解素に対して異種である。いくつかの実施形態において、第一のポリヌクレオチドおよび第二のポリヌクレオチドは相互に対して異種である。いくつかの実施形態において、組換え核酸分子は、さらに、(c)第一および第二のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあるシグナルペプチドをコードする第三のポリヌクレオチドを含み、ここに、該組換え核酸分子はシグナルペプチド、第二のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチド、および自己溶解素、またはその触媒的に活性なフラグメントまたは触媒的に活性な変種を含むタンパク質キメラをコードする。いくつかの実施形態において、シグナルペプチドは(p60のような)secA2シグナルペプチドである。いくつかの実施形態において、シグナルペプチドは天然において自己溶解素と会合するシグナルペプチドである(例えば、シグナルペプチドはp60であって、自己溶解素はp60である)。いくつかの実施形態において、自己溶解素はsecA2依存性自己溶解素である。いくつかの実施形態において、自己溶解素はペプチドグリカンヒドロラーゼ(例えば、N−アセチルムラミダーゼまたはp60)である。いくつかの実施形態において、第二のポリヌクレオチドによってコードされたポリペプチドは抗原を含む。いくつかの実施形態において、ポリペプチドは抗原(例えば、腫瘍関連抗原、腫瘍関連抗原に由来する抗原、感染症抗原、または感染症抗原に由来する抗原)である。いくつかの実施形態において、抗原はK−Ras、H−Ras、N−Ras、12−K−Ras、メソセリン、PSCA、NY−ESO−1、WT−1、スルビビン、gp100、PAP、プロテイナーゼ3、SPAS−1、SP−17、PAGE−4、TARP、およびCEAからなる群より選択されるか、あるいはK−Ras、H−Ras、N−Ras、12−K−Ras、メソセリン、PSCA、NY−ESO−1、WT−1、スルビビン、gp100、PAP、プロテイナーゼ3、SPAS−1、SP−17、PAGE−4、TARP、およびCEAからなる群より選択される抗原に由来する。例えば、いくつかの実施形態において、抗原はメソセリン、またはその抗原性フラグメントまたは抗原性改変体である。いくつかの実施形態において、抗原はヒトメソセリンである。いくつかの実施形態において、抗原はそのシグナルペプチドおよびGPIアンカーを欠失したヒトメソセリンである。本発明は、該組換え核酸分子を含み、さらに、該組換え核酸分子の第一および第二のポリヌクレオチドに操作可能に連結したプロモーターを含む発現カセット、ならびに該発現カセットを含む発現ベクターも提供する。本発明は、さらに、組換え核酸分子を含む組換え細菌を提供する。いくつかの実施形態において、組換え細菌はListeria細菌(例えば、Listeria monocytogenes)のような細胞内細菌である。いくつかの実施形態において、第二のポリヌクレオチドによってコードされたポリペプチドは組換え細菌に対して外来性である。(a)該組換え細菌、および(b)薬学的に受容可能なキャリアを含む薬学的組成物も提供される。加えて、該組換え細菌を含む免疫原性組成物も提供され、ここに、第二のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドは抗原である。また、該組換え細菌を含むワクチンも提供され、ここに、第二のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドは抗原である。本発明は、有効量の組換え細菌を含む組成物を宿主に投与することを含む、抗原に対する宿主における免疫を誘導する方法も提供し、ここに、第二のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドは抗原であるか(または抗原を含む)。有効量の該組換え細菌を含む組成物を宿主に投与することを含む宿主において疾患を予防または治療する方法も提供される。抗原に対する宿主における免疫応答を誘導するための医薬の製造における該細菌の使用も提供され、ここに、第二のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドは抗原を含む。
なおもう1つの態様において、本発明はポリシストロニック発現カセットを含む組換えListeria細菌を提供し、ここに、該ポリシストロニック発現カセットは少なくとも2つの区別される非Listerialポリペプチドをコードする。例えば、いくつかの実施形態において、該発現カセットは第一の非Listerialポリペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド、第二の非Listerialポリペプチドをコードする第二のポリヌクレオチド、および第一および第二のポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーターを含む。いくつかの実施形態において、発現カセットは、さらに、第一および第二のポリヌクレオチドの間の遺伝子間配列を含む。いくつかの実施形態において、ポリシストロニック発現カセットは、2つの区別される非Listerialポリペプチドをコードするビシストロニック発現カセットである。いくつかの実施形態において、組換えListeria細菌は種listeria monocytogenesに属する。いくつかの実施形態において、ポリシストロニック発現カセットによってコードされる非Listerialポリペプチドの少なくとも1つは抗原を含む。いくつかの実施形態において、非Listerialポリペプチドの少なくとも2つは、各々、同一抗原のフラグメントを含む。いくつかの実施形態において、抗原は腫瘍関連抗原であるか、または腫瘍関連抗原に由来する。例えば、いくつかの実施形態において、抗原はK−Ras、H−Ras、N−Ras、12−K−Ras、メソセリン、PSCA、NY−ESO−1、WT−1、スルビビン、gp100、PAP、プロテイナーゼ3、SPAS−1、SP−17、PAGE−4、TARP、およびCEAからなる群より選択される抗原であるか、あるいはK−Ras、H−Ras、N−Ras、12−K−Ras、メソセリン、PSCA、NY−ESO−1、WT−1、スルビビン、gp100、PAP、プロテイナーゼ3、SPAS−1、SP−17、PAGE−4、TARP、およびCEAからなる群より選択される抗原に由来する。いくつかの実施形態において、抗原はメソセリン、またはその抗原性フラグメントまたは抗原性改変体である。いくつかの実施形態において、抗原はヒトメソセリンである。いくつかの実施形態において、抗原はシグナルペプチドおよびGPIアンカーが欠失したヒトメソセリンである。いくつかの実施形態において、抗原は感染症抗原であるか、または感染症抗原に由来する。いくつかの実施形態において、ポリシストロニック発現カセットによってコードされる非Listerialポリペプチドの少なくとも1つはシグナルペプチド(Listerialシグナルペプチドまたは非Listerialシグナルペプチドいずれか)を含む。いくつかの実施形態において、シグナルペプチドはsecA1シグナルペプチドである。いくつかの実施形態において、シグナルペプチドはsecA2シグナルペプチドである。他の実施形態において、シグナルペプチドはTatシグナルペプチドである。いくつかの実施形態において、発現カセットはシグナルペプチドをコードするポリヌクレオチドを含み、ここに、シグナルペプチドをコードするポリヌクレオチドはListeriaにおける発現につきコドン最適化されている。本発明は:(a)組換えListeria細菌、および(b)薬学的に受容可能なキャリアを含む薬学的組成物を提供する。また、該組換えListeria細菌を含む免疫原性組成物も提供される。また、該組換えListeria細菌を含むワクチンも提供される。有効量の該組換えListeria細菌を含む組成物を宿主に投与することを含む抗原に対する宿主における免疫応答を誘導する方法も提供され、ここに、非Listerialポリペプチドの少なくとも1つは抗原を含む。有効量の組換えListeria細菌を含む組成物を宿主に投与することを含む宿主において疾患を予防または治療する方法も提供される。抗原に対する宿主における免疫応答を誘導するための医薬の製造における該細菌の使用も提供され、ここに、ポリシストロニック発現カセットによってコードされる非Listerialポリペプチドの少なくとも1つは抗原を含む。
他の態様において、本発明は、(a)シグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド、(b)分泌されたタンパク質、またはそのフラグメントをコードする第二のポリヌクレオチド、ここに、該第二のポリヌクレオチドは第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあり、および(c)分泌されたタンパク質、またはそのフラグメントに対して異種であるポリペプチドをコードする第三のポリヌクレオチド、ここに、該第三のポリヌクレオチドは、第一および第二のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあり;を含む組換え核酸分子を提供し、ここに、該組換え核酸分子は該シグナルペプチド、該第三のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチド、および分泌されたタンパク質、またはそのフラグメントを含むタンパク質キメラをコードし、およびここに、第三のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドは分泌されたタンパク質、またはそのフラグメントに融合しており、あるいはタンパク質キメラにおいて分泌されたタンパク質、またはそのフラグメント内に位置する。いくつかの実施形態において、分泌されたタンパク質は、天然で分泌されたタンパク質(すなわち、その天然細胞から分泌されたタンパク質)である。いくつかの実施形態において、第三のポリヌクレオチドは組換え核酸分子における第二のポリヌクレオチド内に位置し、第三のポリヌクレオチドによってコードされたポリペプチドは、組換え核酸分子によってコードされたタンパク質キメラにおいて、分泌されたタンパク質、またはそのフラグメント内に位置する。いくつかの実施形態において、第三のポリヌクレオチドは、組換え核酸分子において第二のポリヌクレオチドの外側に位置し、および第三のポリヌクレオチドによってコードされるポリヌクレオチドはタンパク質キメラにおいて分泌されたタンパク質またはそのフラグメントに融合している。該組換え核酸分子を含み、かつ該組換え核酸分子の第一、第二および第三のポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーターをさらに含む発現カセットも提供される。いくつかの実施形態において、第二のポリヌクレオチドによってコードされたポリペプチドは抗原も含む。いくつかの実施形態において、第二のポリヌクレオチドによってコードされたポリペプチド抗原である。例えば、いくつかの実施形態において、抗原は腫瘍関連抗原であるか、または腫瘍関連抗原に由来する(例えば、K−Ras、H−Ras、N−Ras、12−K−Ras、メソセリン、PSCA、NY−ESO−1、WT−1、スルビビン、gp100、PAP、プロテイナーゼ3、SPAS−1、SP−17、PAGE−4、TARP、およびCEAからなる群より選択される抗原であるか、あるいはK−Ras、H−Ras、N−Ras、12−K−Ras、メソセリン、PSCA、NY−ESO−1、WT−1、スルビビン、gp100、PAP、プロテイナーゼ3、SPAS−1、SP−17、PAGE−4、TARP、およびCEAからなる群より選択される抗原に由来する)。いくつかの実施形態において、抗原はメソセリン、またはその抗原性フラグメントまたは抗原性改変体である。例えば、いくつかの実施形態において、抗原はヒトメソセリンであるか、またはそのシグナルペプチドおよびGPIアンカーが欠失したヒトメソセリンである。別の実施形態において、抗原は感染症抗原であるか、または感染症抗原に由来する。発現カセットを含む発現ベクターも提供される。組換え核酸分子を含む組換え細菌も提供される。組換えListeria細菌(例えば、Listeria monocytogenes)も提供され、いくつかの実施形態において、第三のヌクレオチドによってコードされたポリペプチドはListeria細菌に対して外来性である。また、本発明は、該組換え細菌を含む免疫原性組成物も提供し、ここに、第三のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドは抗原である。また、有効量の該組換え細菌を含む組成物を宿主に投与することを含む抗原に対する宿主における免疫応答を誘導する方法も提供され、ここに、第三のポリヌクレオチドによってコードされるポリヌクレオチドは抗原であるか、(または抗原を含む)。宿主において疾患を予防しまたは治療するための、該細菌を用いる方法、または外細菌を含む組成物のような、該細菌を含む薬学的組成物またはワクチンも提供される。抗原に対する宿主における免疫応答を誘導するための医薬の製造における該細菌の使用も提供され、ここに、第三のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドは抗原を含む。
さらなる態様において、本発明は、宿主細菌において異種タンパク質を発現させ、それを分泌する改良された方法を提供する。また、本発明は、細菌における異種タンパク質の発現および分泌を改良する方法も提供する。本発明は、さらに、本明細書中に記載された組換え核酸分子、発現カセット、発現ベクターおよび組換え細菌の生産方法を提供する。
本発明は、Listeriaのような細菌において異種ポリヌクレオチドの発現を最適化するのに有用な種々のポリヌクレオチドを提供する。
マーカッシュ群、マーカッシュクレーム、または「またはの用語」によって記載された実施形態は、明示的に、または文脈によって他のことが指令されない限り、各別々の実施形態、別々の実施形態の各々のいずれかの組合せならびに、別々の実施形態の各々の全てよりなる、またはそれを含む発明を含む。
前記した態様および実施形態、ならびに本発明のさらなる実施形態および態様のさらなる記載を以下に掲げる。
(II.組換え核酸分子)
本発明は、Listeriaのような細菌における、異種ポリヌクレオチドのようなポリヌクレオチドの発現で有用な種々のポリヌクレオチドを提供する。例えば、異種抗原のようなポリペプチドのコード配列とシグナルペプチド(またはシグナルペプチドを含むポリペプチド)をコードする配列との新規な組合せを含む組換え核酸分子が提供される。コドン最適化されたポリヌクレオチド配列を含む組換え核酸分子が提供される。いくつかの実施形態において、これらの組換え核酸分子は、それらが、同一核酸分子の部分として相互に組み合わせて天然では見出されないポリヌクレオチド(すなわち、ポリヌクレオチド配列)を含む点で異種である。いくつかの実施形態において、組換え核酸分子が単離される。いくつかの実施形態において、組換え核酸分子は発現カセット、発現ベクター、細菌内のプラスミドDNA、および/または(挿入に続く)細菌のゲノムDNAでさえ配列内に位置する。いくつかの実施形態において、組換え核酸分子は、細菌内のポリペプチド(例えば、異種ポリペプチド)の増強された発現または分泌を提供する。
いくつかの実施形態において、組換え核酸分子はDNAである。いくつかの実施形態において、組換え核酸分子はRNAである。いくつかの実施形態において、組換え核酸分子は一本鎖である。他の実施形態において、組換え核酸は二本鎖である。
いくつかの実施形態において、本明細書中に記載された組換え核酸分子は、シグナルペプチド、および該シグナルペプチドに対して異種であるポリペプチドのようなもう1つのポリペプチドを含む融合タンパク質のような融合タンパク質をコードする。いくつかの実施形態において、シグナルペプチドは細菌シグナルペプチドである。融合タンパク質の引用されたポリペプチド成分は、相互に直接的に融合できるが、必ずしもその必要が無いことが理解される。融合タンパク質のポリペプチド成分は、いくつかの実施形態において、1以上の介入アミノ酸配列によってポリペプチド配列上で分離され得る。いくつかの実施形態において、他のポリペプチドは非細菌、例えば、哺乳動物またはウイルスである。
例えば、1つの態様において、本発明は(a)シグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド、ここに、該第一のポリヌクレオチドは細菌における発現に対してコドン最適化されており;および(b)ポリペプチド(例えば、抗原)をコードする第二のポリヌクレオチド、ここに、第二のポリヌクレオチドは第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあり;を含む組換え核酸分子を提供し、ここに、該組換え核酸分子は該シグナルペプチドおよび該ペプチドを含む融合タンパク質をコードする。さらなる実施形態において、第二のポリヌクレオチド(抗原のようなポリペプチドをコードするポリヌクレオチド)もまた細菌において発現につきコドン最適化されている。それにつき第一および/または第二のポリヌクレオチドがコドン最適化された細菌は、該組換え核酸分子を入れることが意図されたタイプの細菌とすべきである。
もう1つの態様において、本発明は(a)細菌に対して天然であるシグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド、ここに、該第一のポリヌクレオチドは細菌において発現につきコドン最適化されており、および(b)ポリペプチドをコードする第二のポリペプチド、ここに、該第二のポリヌクレオチドは第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあり;を含む組換え核酸分子を提供し、ここに、該組換え核酸分子は該シグナルペプチドおよび該ポリペプチドを含む融合タンパク質をコードする。いくつかの実施形態において、第二のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドはシグナルペプチドに対して異種である。いくつかの実施形態において、第二のポリヌクレオチドは第一のポリヌクレオチドに対して異種である。いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、それに対してシグナルペプチドが天然である細菌に対して異種である(すなわち、該細菌に対して外来性である)。いくつかの実施形態において、第二のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドはシグナルペプチドに対して異種であり、該細菌に対して外来性であり、または双方である。いくつかの実施形態において、それからシグナルペプチドが由来する細菌は細胞内細菌である。いくつかの実施形態において細菌はListeria、Bacillus、Yersinia pestis、Salmonella、Shigella、Brucella、マイコバクテリアおよびE.coliからなる群より選択される。いくつかの実施形態において、シグナルペプチドはListeria細菌に対して天然である。いくつかの実施形態において、シグナルペプチドは種Listeria monocytogenesに属するListeria細菌に対して天然である。いくつかの実施形態において、第二のポリヌクレオチドは該細菌において発現につきコドン最適化されている。
もう1つの態様において、本発明は組換え核酸分子を提供し、ここに、該組換え核酸分子は(a)シグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド、ここに、該第一のポリヌクレオチドはListeria細菌における発現に対してコドン最適化されており、および(b)ポリペプチドをコードする第二のポリヌクレオチド、ここに、該第二のポリヌクレオチドは第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあり、ここに、該組換え核酸分子は該シグナルペプチドおよび該ポリペプチドを含む融合タンパク質をコードする。いくつかの実施形態において、シグナルペプチドはListeria細菌に対して天然である。いくつかの他の実施形態において、シグナルペプチドはListeria細菌に対して外来性である。いくつかの実施形態においてシグナルペプチドは第二のポリヌクレオチドによってコードされたポリペプチドに対して異種である。いくつかの実施形態において第二のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドはListeria細菌に対して異種である。いくつかの実施形態においてListeria細菌は種Listeriamonocytogensに属する。
また、本発明は、Listeria細菌に対して外来性であるポリペプチド(例えば、癌または非Listerial感染症抗原)をコードするポリヌクレオチドを含む組換え核酸分子を提供し、ここに、外来性ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドはListeria細菌において発現につきコドン最適化されている。
もう1つの態様において、本発明は(a)非secA1細菌シグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド、および(b)抗原のようなポリペプチドをコードする第二のポリヌクレオチド、ここに、該第二のポリヌクレオチドは第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあり;を含み、ここに、該組換え核酸分子は該シグナルペプチドおよび該ポリペプチドを含む融合タンパク質をコードする。いくつかの実施形態において、非secA1細菌シグナルペプチドはsecA2シグナルペプチドまたはTatシグナルペプチドである。いくつかの実施形態において、非secA1シグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチドは、該組換え核酸分子を入れることが意図されている細菌(例えば、Listeria)において発現につきコドン最適化されている。いくつかの実施形態において、抗原のようなポリペプチドをコードする第二のポリヌクレオチドは、該組換え核酸分子が入れられることが意図される細菌において発現につきコドン最適化されている。いくつかの実施形態において、第二のポリヌクレオチドによってコードされたポリペプチドはシグナルペプチドに対して異種である。いくつかの実施形態において、第二のポリヌクレオチドによってコードされたポリペプチドは、該組換え核酸分子が取り込まれるべき、または取り込まれた細菌に対して外来性である。いくつかの実施形態において、第二のポリヌクレオチドによってコードされたポリペプチドは該組換え核酸分子が取り込まれるべき、または取り込まれた細菌に対して外来性であり、第二のポリヌクレオチドによってコードされたポリペプチドもまたはポリペプチドに対して異種である。
本発明は、さらに、非secA1細菌シグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド、ポリペプチド(例えば、異種タンパク質および/または抗原)をコードする第二のポリヌクレオチド、および第一および第二のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあり、SecA2自己溶解素、またはそのフラグメントをコードする第三のポリヌクレオチドを含む組換え核酸分子を提供し、ここに、該第二のポリヌクレオチドは第三のポリヌクレオチド内、または第一および第三のポリヌクレオチドの間に位置する。いくつかの実施形態において、組換え核酸分子は該シグナルペプチド、該ポリペプチド、および該自己溶解素を含む融合タンパク質をコードする。いくつかの実施形態において、自己溶解素のフラグメントは自己溶解素として触媒的に活性である。いくつかの実施形態において、自己溶解素は細胞内細菌からのものである。いくつかの実施形態において、自己溶解素はペプチドグリカンヒドラーエである。いくつかの実施形態において、細菌自己溶解素はListerial自己溶解素である。いくつかの実施形態において、自己溶解素はp60である。いくつかの実施形態において、自己溶解素はN−アセチルムラミダーゼである。
また、本発明は組換え核酸分子を提供し、ここに、該組換え核酸分子は(a)非Listerialシグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド;および(b)第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあるポリペプチドをコードする第二のポリヌクレオチドを含み、ここに、該組換え核酸分子は該非Listerialシグナルペプチドおよび該ポリペプチドを共に含む融合タンパク質をコードする。いくつかの実施形態において、非Liseterialシグナルペプチドは第二のポリヌクレオチドによってコードされるポリヌクレオチドに対して異種である。いくつかの実施形態において、第一のポリヌクレオチド、第二のポリヌクレオチド、または第一および第二の双方のポリヌクレオチドはListeria細菌において発現につきコドン最適化されている。
また、本発明は(a)細菌自己溶解素、またはその触媒的に活性なフラグメントまたは触媒的に活性な変種をコードする第一のポリヌクレオチド、および(b)ポリペプチドをコードする第二のポリヌクレオチド、ここに、該第二のポリヌクレオチドは第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあり;を含む組換え核酸分子を提供し、ここに、該組換え核酸分子は第二のポリヌクレオチドによってコードされるポリヌクレオチドおよび自己溶解素、またはその触媒的に活性なフラグメントまたは触媒的に活性な変種を含むタンパク質キメラをコードし、ここに、タンパク質キメラにおいて、該ポリペプチドは自己溶解素、またはその触媒的に活性なフラグメントまたは触媒的に活性な変種に融合しているか、あるいは自己溶解素、またはその触媒的に活性なフラグメントまたは触媒的に活性な変種内に位置する。いくつかの実施形態において、第二のポリヌクレオチドは第一のポリヌクレオチド内に位置し、該組換え核酸分子は、第二のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドが自己溶解素またはその触媒的に活性なフラグメントまたは触媒的に活性な変種内に位置するタンパク質キメラをコードする。いくつかの実施形態において、第二のポリヌクレオチドは第二のポリヌクレオチドの外部に位置し、該組換え核酸分子は、第二のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドが自己溶解素、またはその触媒的に活性なフラグメントまたはその触媒的に活性な変種に融合しているタンパク質キメラをコードする。いくつかの実施形態において、第一のポリヌクレオチドは自己溶解素をコードする。いくつかの実施形態において、組換え核酸分子は、さらに、(c)第一および第二のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあるシグナルペプチドをコードする第三のポリヌクレオチドを含み、ここに、該組換え核酸分子は該シグナルペプチド、該第二のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドおよび該自己溶解素、またはその触媒的に活性なフラグメント、触媒的に活性な変種を含むタンパク質キメラをコードする。いくつかの実施形態において、第二のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドは自己溶解素に対して異種である。いくつかの実施形態において、自己溶解素のフラグメントは長さが少なくとも約30、少なくとも約40、少なくとも約50、または少なくとも約100のアミノ酸である。いくつかの実施形態において、自己溶解素は細胞内細菌からのものである。いくつかの実施形態において、細菌自己溶解素はListerial自己溶解素である。自己溶解素の触媒的に活性な変種は、1以上の置換、欠失、付加および/または挿入において元の自己溶解素とは異なる。いくつかの実施形態において、自己溶解素はペプチドグリカンヒドロラーゼである。いくつかの実施形態において、自己溶解素はp60である。いくつかの実施形態において、自己溶解素はN−アセチルムラミダーゼである。
さらなる自己溶解素は当業者に知られた技術であるチモグラフィーによって同定し特徴付けることができる(例えば、Lenz et al.(2003)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 100:12432−12437参照)。チモグラフィーを用いて、自己溶解素の与えられたフラグメントおよび/または変種が自己溶解素として触媒的に活性であるか否かを決定することもできる。該技術を用いて、特定のタンパク質キメラが自己溶解素として活性であるか否かを評価することもできる。
いくつかの実施形態において、自己溶解素の触媒的に活性なフラグメントおよび/または変種は天然自己溶解素の少なくとも約10%、少なくとも約30%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約90%、または少なくとも約95%の自己溶解素として触媒的に活性である。
いくつかの実施形態において、タンパク質キメラは自己溶解素として触媒的に活性である。いくつかの実施形態において、タンパク質キメラは天然自己溶解素の少なくとも約10%、少なくとも約30%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、少なくとも約90%、または少なくとも約95%の自己溶解素として触媒的に活性である。
異種タンパク質発現のためのもう1つのオプションは、その中へ異種タンパク質が機能的に「イン−フレーム」にて挿入されるタンパク質「スカフォールド」を利用することである。この組成物においては、全遺伝子、または例えば、MHCクラスIまたはMHCクラスIIエピトープに対応する遺伝子の成分はスカフォールドタンパク質内に、およびそれを通って挿入される。スカフォールドタンパク質は(LLOまたはp60のような、Listeriaタンパク質のごとき)高度に発現された細菌タンパク質であり得るが、もう1つの実施形態においては、その高い発現、安定性、分泌および/または免疫原性(の欠如)につき選択される異種タンパク質であり得る。スカフォールドタンパク質の代表的な例はニワトリオボアルブミン、あるいはβ−グロビンまたはアルブミンのような他のヒトタンパク質である。
また、本発明は(a)シグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド、(b)分泌されたタンパク質、またはそのフラグメントをコードする第二のポリヌクレオチド、ここに、該第二のポリヌクレオチドは第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあり、および(c)該分泌されたタンパク質、またはそのフラグメントに対して異種であるポリペプチドをコードする第三のポリヌクレオチド、ここに、該第三のポリヌクレオチドは第一および第二のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあり;を含む組換え核酸分子を提供し、ここに、該組換え核酸分子は該シグナルペプチド、該第二のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチド、および該分泌されたタンパク質またはそのフラグメントを含むタンパク質キメラをコードし、およびここに、該ポリペプチドは該分泌されたタンパク質またはそのフラグメントに融合しているか、またはタンパク質キメラにおいて、分泌されたタンパク質、またはそのフラグメント内に位置する。いくつかの実施形態において、第二のポリヌクレオチドは分泌されたタンパク質をコードする。いくつかの実施形態において、分泌されたタンパク質はその天然細胞から分泌されタンパク質である。いくつかの実施形態において、第三のポリヌクレオチドは組換え核酸分子において第二のポリヌクレオチド内に位置し、第三のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドは、組換え核酸分子によってコードされたタンパク質キメラにおいて、分泌されたタンパク質、またはそのフラグメント内に位置する。いくつかの実施形態において、第三のポリヌクレオチドは、核酸分子において第二のポリヌクレオチドの外側に位置し、第三のポリヌクレオチドによってコードされたポリペプチドは、タンパク質キメラにおいて、分泌されたタンパク質またはそのフラグメントに融合している。いくつかの実施形態において、分泌されたタンパク質はオボアルブミンである。いくつかの実施形態において、オボアルブミンの切形形態を用いる。いくつかの実施形態において、分泌されたタンパク質はp60である。いくつかの実施形態において、分泌されたタンパク質はN−アセチルムラミダーゼである。いくつかの実施形態において、シグナルペプチドは通常は分泌されたタンパク質と会合するシグナルペプチドである。いくつかの実施形態において、シグナルペプチドは分泌されたタンパク質に対して異種である。いくつかの実施形態において、分泌されたタンパク質のフラグメントは長さが少なくとも約30、少なくとも約40、少なくとも約50、または少なくとも約100アミノ酸である。
いくつかの実施形態において、組換え核酸分子、発現カセット、または発現ベクターは、細菌内で高度に発現されるタンパク質の部分または全コード配列内に埋められた、細菌に対して外来性であるポリペプチドに対するコード配列を含む。いくつかの実施形態において、高度に発現された配列は、該配列をそこで発現させるべき細菌に対して天然である。他の実施形態において、高度に発現された配列は、その中でそれを発現させるべき細菌に対して天然ではないが、さもなければ、十分な発現を提供する。
もう1つの態様において、本発明は組換え核酸分子を提供し、ここに、該核酸分子は少なくとも2つの区別される非Listerialポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態において、非ListerialポリペプチドをコードするポリヌクレオチドはListeria細菌において発現につきコドン最適化されている。
前記したものを含めた組換え核酸分子を調製する方法は当業者に良く知られている、例えば、組換え核酸分子は、相互に重複する長いオリゴヌクレオチドをDNAシンセサイザーで合成し、次いで、延長反応および/またはPCRを行って、所望の量の二本鎖DNAを生じさせることによって調製することができる。二本鎖DNAを制限酵素で切断し、所望の発現またはクローニングベクターに挿入することができる。配列決定を行って、正しい配列が得られたことを確認することができる。また、非限定的例ではあるが、別法として、組換え核酸分子の1以上の部分を、外部分を含有するプラスミドから得ることができる。プラスミドの関連部分のPCRおよび/またはプラスミドの関連部分の制限酵素切除を行い、続いて、連結および/またはPCRを行って、関連ポリヌクレオチドを合わせて、所望の組換え核酸分子を生じさせることができる。そのような技術は当該分野で標準的である。標準クローニング技術を用いて、組換え核酸配列をプラスミドに挿入し、細菌のような宿主細胞内で組換え核酸を複製することもできる。次いで、組換え核酸を宿主細胞から単離することができる。
また、本発明は、本明細書中に記載された組換え核酸分子のいずれかを用いて、組換え細菌(例えば、組換えListeria細菌)を生産する方法も提供する。いくつかの実施形態において、本明細書中に記載された組換え核酸分子を用いて、組換え細菌を作成する方法は、組換え核酸分子を細菌に導入することを含む。いくつかの実施形態において、組換え核酸分子を細菌のゲノムに組み込む。いくつかの他の実施形態において、組換え核酸分子は細菌内に取り込まれるプラスミド上にある。いくつかの実施形態において、組換え核酸分子の細菌への取り込みはコンジュゲーションによって起こる。細菌への導入は、当該分野で知られた標準技術のいずれかによって行うことができる。例えば、組換え核酸分子の細菌への取り込みはコンジュゲーション、形質導入(トランスフェクション)または形質転換によって起こり得る。
(III.シグナルペプチド)
いくつかの実施形態において、本発明の組換え核酸分子、発現カセットおよび/またはベクターは、シグナルペプチドを含み、細菌のような宿主細胞における発現、およびそれからの分泌に適した融合タンパク質またはタンパク質キメラをコードする。かくして、いくつかの実施形態において、本発明の組換え核酸分子、発現カセットおよび/またはベクターはシグナルペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。
用語「シグナルペプチド」および「シグナル配列」はここでは相互交換的に用いられる。いくつかの実施形態において、シグナルペプチドは、当該ポリペプチドが細胞から分泌されるように、シグナルペプチドに融合したポリペプチドの細胞(例えば、細菌細胞)の細胞膜を横切っての輸送を容易とするのを助ける。従って、いくつかの実施形態において、シグナルペプチドは「分泌性シグナルペプチド」または「分泌性配列」である。いくつかの実施形態において、シグナルペプチドは分泌すべきポリペプチドのN−末端に位置する。
いくつかの実施形態において、組換え核酸分子または発現カセットにおけるシグナルペプチドをコードする配列は、コードされたシグナルペプチドが、それに対してそれが所望の宿主細胞(例えば、細菌)から融合するポリペプチドの分泌を行うように、組換え核酸分子または発現カセット内に位置する。いくつかの実施形態において、組換え核酸分子または発現カセットにおいて、シグナルペプチドをコードするポリヌクレオチドは、分泌すべきポリペプチド(例えば、抗原を含むポリペプチド)をコードするポリヌクレオチドの5’末端において(直接的に、または介入ポリヌクレオチドによって分離されて)イン・フレームにて位置する。
いくつかの実施形態において、組換え核酸分子、発現カセットおよび/または発現ベクターによってコードされる融合タンパク質および/またはタンパク質キメラの部分であるシグナルペプチドは、融合タンパク質および/またはタンパク質キメラにおいて少なくとも1つの他のポリペプチド配列に対して異種である。いくつかの実施形態において、組換え核酸分子、発現カセットおよび/または発現ベクターによってコードされるシグナルペプチドは、その中へ組換え核酸分子、発現カセットおよび/または発現ベクターが取り込まれるべき、または取り込まれた細菌に対して異種(すなわち、外来性)である。いくつかの実施形態において、シグナルペプチドは、組換え核酸分子、発現カセットおよび/または発現ベクターが取り込まれるべき細菌に対して天然である。
いくつかの実施形態において、シグナルペプチドをコードするポリヌクレオチドは細菌(例えば、Listeria monocytogenesのようなListeria)において発現につきコドン最適化されている。いくつかの実施形態において、特定の細菌につきコドン最適化されたポリヌクレオチドは細菌に対して外来性である。他の実施形態において、特定の細菌につきコドン最適化されたポリヌクレオチドはその細菌に対して天然である。
非常に種々のシグナルペプチドが当該分野で知られている。加えて、シグナルペプチド配列を予測するのに用いることができる「SignalP」アルゴリズムのような種々のアルゴリズムおよびソフトウエアプログラムが当該分野で入手可能である。例えば、Antelmann et al.,Genome Res.,11:1484−502(2001);Menne et al.,Bioinformatics,16:741−2(2000);Nielsen et al., Protein Eng.,10:1−6(1997);Zhang et al.,Protein Sci.,13:2819−24(2004);Bendtsen et al.,J.Mol.Biol.,340:783−95(2004)(SignalP 3.0に関する;Hiller et al.,Nucleic Acids Res.,32:W375−9(2004);Schneider et al.,Proteomics 4:1571−80(2004);Chou, Curr.Protein Pept.Sci.,3:615−22(2002);Shah et al.,Bioinformatics,19:1985−96(2003);およびYuan et al.,Biochem.Biophys.Res.Commun.312:1278−83(2003)参照。
いくつかの実施形態において、シグナルペプチドは原核生物のものである。いくつかの別の実施形態において、シグナルペプチドは真核生物のものである。Escherichia oliにおけるタンパク質の発現のための真核生物シグナルペプチドの使用は、例えば、Humphreys et al.,Protein Expression and Purification,20:252−264(2000)に記載されている。
いくつかの実施形態において、シグナルペプチドは細菌シグナルペプチドである。いくつかの実施形態において、シグナルペプチドは非Listerialシグナルペプチドである。いくつかの実施形態において、シグナルペプチドは、Listeriaシグナルペプチドである。いくつかの実施形態において、シグナルペプチドはグラム/陽性菌に由来する。いくつかの実施形態において、シグナルペプチドは細胞内細菌に由来する。
いくつかの実施形態において、組換え核酸分子、発現カセット、または発現ベクターで用いるシグナルペプチド(例えば、非secA1細菌シグナルペプチド)はListeriaに由来する。いくつかの実施形態において、このシグナルペプチドはListeria monocytogenesに由来する。いくつかの実施形態において、シグナルペプチドは、Listeria monocytogenesからのシグナルペプチドである。いくつかの実施形態において、シグナルペプチドはListeriaに由来しないが、その代わり、属Listeriaに属する細菌以外に由来する。いくつかの実施形態において、細菌シグナルペプチドはBacillus細菌に由来する。いくつかの実施形態において、細菌シグナルペプチドはBacillus eubtilisに由来する。いくつかの実施形態において、細菌シグナルペプチドは属Staphylococcusに属する細菌に由来する。いくつかの実施形態において、細菌シグナルペプチドはLactococcus細菌に由来する。いくつかの実施形態において細菌シグナルペプチドはBacillus、StaphylococcusまたはLactococcus細菌に由来する。いくつかの実施形態において、細菌シグナルペプチドはBacillus、StaphylococcusまたはLactococcus細菌からのシグナルペプチドである。いくつかの実施形態において、細菌シグナルペプチドはBacillus anthracis、Bacillus subtilis、Staphylococcus aureus、またはLactococcus lactisに由来するシグナルペプチドである。いくつかの実施形態において、細菌シグナルペプチドはBacillus anthracisからのシグナルペプチドである。いくつかの実施形態において細菌シグナルペプチドはBacillus subtiliusからのシグナルペプチドである。いくつかの実施形態において、細菌シグナルペプチドはLactococcus lactisからのシグナルペプチドである。いくつかの実施形態において、細菌シグナルペプチドはStaphylococcus aureuからのシグナルペプチドである。
本明細書中に記載されたポリヌクレオチドのいくつかの実施形態において、細菌のような生物に由来するシグナルペプチドは、該生物から得られた天然に生じるシグナルペプチド配列と同一である。他の実施形態において、組換え核酸分子、発現カセット、および/または発現ベクターによってコードされたシグナルペプチド配列は天然に生じるシグナルペプチド配列、すなわち、天然に生じるシグナルペプチド配列のフラグメントおよび/または変種に由来し、ここに、該フラグメントまたは変種はシグナルペプチドとして依然として機能する。変種は、1以上の置換、欠失、付加および/または挿入だけ元の配列とは異なるポリペプチドを含む。例えば、いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドによってコードされるシグナルペプチドは1以上の保存的変異を含む。可能な保存的アミノ酸変化は当業者に良く知られている。例えば、保存的アミノ酸変化に関するさらなる情報については、詳細な記載のセクションIVを参照されたし。
もう1つのシグナルペプチドに由来するシグナルペプチド(すなわち、他のシグナルペプチドのフラグメントおよび/または変種)は、好ましくは、元のシグナルペプチドと実質的に同等である。例えば、シグナルペプチドとして機能するもう1つのシグナルペプチドに由来するシグナルペプチドの能力は、元のシグナルペプチド配列に対して成された変形(欠失、変異等)によって実質的に影響されるべきではない。いくつかの実施形態において、誘導されたシグナルペプチドは天然シグナルペプチド配列の少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、または少なくとも約95%シグナルペプチドとして機能することができる。いくつかの実施形態において、シグナルペプチドは元のシグナルペプチドに対してアミノ酸配列において少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、または少なくとも約95%同一性を有する。いくつかの実施形態において、シグナルペプチドの配列においてなされた唯一の改変は保存的アミノ酸置換である。シグナルペプチドのフラグメントは、好ましくは、元のシグナルペプチドの少なくとも約80%または少なくとも約90%の長さである。
いくつかの実施形態において、組換え核酸分子、発現カセット、または発現ベクターにおけるポリヌクレオチドによってコードされたシグナルペプチドはsecA1シグナルペプチド、secA2シグナルペプチド、またはTwin−アルギニントランスローケーション(Tat)シグナルペプチドである。いくつかの実施形態において、シグナルペプチドはsecA1シグナルペプチドシグナルペプチドである。いくつかの実施形態において、シグナルペプチドは非secA1シグナルペプチドである。いくつかの実施形態において、シグナルペプチドはsecA2シグナルペプチドである。いくつかの実施形態において、シグナルペプチドはtwin−アルギニントランスローケーション(Tat)シグナルペプチドである。いくつかの実施形態において、これらのsecA1、secA2、またはTatシグナルペプチドはListeriaに由来する。いくつかの実施形態において、これらのsecA1、secA2、またはTatシグナルペプチドは非Listerialである。例えば、いくつかの実施形態において、secA1、secA2、およびTatシグナルペプチドは以下の属:Bacillus、Staphylococcus、またはLactococcusのうちの1つに属する細菌に由来する。
細菌はsecA1、secA2、およびTwin−Argトランスローケーション
(Tat)を含めたタンパク質分泌についての多様な経路を利用する。いずれの経路が利用されるかは、プレ−タンパク質のN−末端に位置したシグナル配列のタイプによって大いに決定される。分泌されたタンパク質の大部分はSec経路を利用し、そこでは、タンパク質は折り畳まれていない立体配座の細菌膜−包埋タンパク質性Secポアを通って移動する。対照的に、Tat経路を利用するタンパク質は折り畳まれた立体配座で分泌される。これらのタンパク質分泌経路のいずれかに対応するシグナルペプチドをコードするヌクレオチド配列は、所望の異種タンパク質コード配列に対して遺伝子的にイン・フレームにて融合することができる。シグナルペプチドは、最適には、真正な所望のタンパク質の細胞外環境への放出のためのそれらのカルボキシル末端におけるシグナルペプチダーゼ切断を含む(Sharkov and Cai.2002 J.Biol.Chem.277:5796−5803;Nielsen et al.,1997 Protein Engineering 10:1−6;およびwww.cbs.dtu.dk/services/SignalP/)。
本発明のポリヌクレオチドで用いるシグナルペプチドは多様な分泌経路からのみならず、多様な細菌属から由来することができる。シグナルペプチドは、一般には、荷電N−末端(N−ドメイン)、疎水性コア領域(H−ドメイン)およびより極性のC−末端領域(C−ドメイン)を有する共通の構造的組織化を有するが、それらは配列保存を示さない。いくつかの実施形態において、シグナルペプチドのC−ドメインは、切断部位に対して位置−1および−3においてコンセンサス配列A−X−Aを有するタイプIシグナルペプチダーゼ(SPaseI)を運ぶ。sec経路を介して分泌されたタンパク質は平均28残基のシグナルペプチドを有する。secA2タンパク質分泌経路は、最初、Listeria monocytogenesで発見され;secA2パラログにおける変異体は寒天培地上での大まかなコロニー表現型、およびマウスにおける減弱化ビルデンス表現型によって特徴付けられる(Lenz and Portnoy,2002 Mol.Microbiol.45:1043−1056;およびLenz et al2003 PNAS 100:12432−12437)。Tat経路によって分泌されたタンパク質に関連するシグナルペプチドはSecシグナルペプチドと同様な三部分組織化を有するが、N−ドメイン/H−ドメイン境界に位置したRR−モチーフ(R−R−X−#−#、ここに#は疎水性残基である)を有することによって特徴付けられる。細菌Tatシグナルペプチドはsecシグナルペプチドよりも長い平均して14アミノ酸である。Bacillus subtilisセクレトームは、その内14がSPase I切断部位を含むTat分泌経路を利用する69と多くの推定タンパク質を含有することができる(Jongbloed et al.2002 J.Biol.Chem.277:44068−44078;Thalsma et al.,2000 Microbiol.Mol.Biol.Rev.64:515−547)。
以下の表1に示されるのは、コードされたタンパク質の細菌からの分泌をもたらす、異種ポリペプチドのような選択された他のポリペプチドとの(タンパク質キメラ組成物を含めた)融合組成部で用いることができるシグナルペプチドの非限定的例である。
Figure 0005532280
Figure 0005532280
従って、いくつかの実施形態において、シグナルペプチドをコードする配列はsecA1シグナルペプチドをコードする。secA1シグナルペプチドの例はListeria monocytogenesからのリステリオリシンO(LLO)シグナルペプチドである。いくつかの実施形態において、LLOシグナルペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む組換え核酸分子または発現カセットは、さらに、LLO PEST配列をコードするポリヌクレオチド配列を含む。本発明で用いるのに適したsecA1シグナルペプチドの他の例はLactococcus lactisにおけるUsp45遺伝子からのシグナルペプチド(前記表1、および後記実施例12参照)およびBacillus antheracisからのPag(保護抗原)遺伝子を含む。かくして、いくつかの実施形態において、シグナルペプチドはBacillus anthracisからの保護抗原シグナルペプチドである。いくつかの他の実施形態においてシグナルペプチドはBacillus anthracisからの保護抗原シグナルペプチド以外のsecA1シグナルペプチドである。secA1シグナルペプチドのもう1つの例はStaphylococcus aureusからのSpsBシグナルペプチドである(Sharkov et al.,J. of Biological Chemistry, 277:5796−5803(2002))。
いくつかの別の実施形態において、異種コード配列は、secA2経路タンパク質分泌複合体によって認識されるシグナルペプチドと遺伝子的に融合される。補助的SecAパラログ(SecA2)は、ヒトの酷いまたは致死的な感染を引き起こす9つのグラム−陽性菌で同定されている。SecA2はListeria、Mycobacteria、およびStreptococciの輸出されたプロテオーム(セクレトーム)のサブセットの分泌で必要である(Braunstein et al., Mol.Microbiol.48:453−64(2003);Bensing et al.,Mol.Microbiol.,44:1081−94(2002);Lenz et al.,Mol.Microbiol.,45:1043−1056(2002);およびBraunstin et al.,J.Bacteriology,183:6979−6990(2001))。該Listeria monocytogenes SecA2は細菌平滑−粗い変形、およびL.monocytogenesおよびMycobacterium tuberculosisのsecA2低下ビルレンスにおける変異へのその関連を通じて同定された。
例えば、Listeriaタンパク質p60はsecA2経路によって分泌されたペプチドグリカン自己溶解素である。例として、p60からのsecA2シグナルペプチドおよびシグナルペプチダーゼ切断部位は、所望のタンパク質(例えば、抗原)−コーディング遺伝子のアミノ末端に遺伝子的に連結させることができる。1つの実施形態において、secA2シグナルペプチドおよびシグナルペプチダーゼ−抗原融合よりなるプレ−タンパク質は細菌内の発現カセットから翻訳され、グラム−陽性細胞壁を通じて輸送され、ここに、真正異種タンパク質は細胞外媒体に放出される。
別法として、異種タンパク質がキメラp60−異種タンパク質の形態で分泌されるように、異種配列はp60内に「イン−フレーム」にて取り込むことができる。異種タンパク質コード配列のp60へのイン−フレームでの挿入は、例えば、シグナルペプチダーゼ切断部位および成熟p60タンパク質の間の接合にて起こり得る。この実施形態においては、キメラタンパク質は適切なsecA2分泌シグナル、およびその自己溶解素活性も保有し、これは、異種タンパク質がp60の非代謝パッセンジャーとして分泌されることを意味する。異種抗原のp60へのイン・フレーム取り込みは、p60タンパク質の分泌および自己溶解素の活性を共に保有するp60内のいずれかの地点で作成することができる。所望の抗原または他の異種ポリペプチドコード配列の挿入に適した部分的発現カセットの例は以下の実施例13に記載される。
いくつかの実施形態において、組換え核酸分子によってコードされた融合タンパク質は、(抗原のような所望の異種タンパク質に加えて)特定の望ましい特性を有する細菌タンパク質を含むキメラである。いくつかの実施形態において、該キメラはヒドロラーゼを含む。いくつかの実施形態において、組換え核酸分子はエンドペプチダーゼp60、細菌細胞壁を分解するペプチドグリキアンヒドラーゼを含むp60キメラをコードする。いくつかの実施形態において、組換え核酸分子によってコードされた融合タンパク質は、その双方が、細胞壁を分解するsecA2依存性分泌タンパク質である、L. monocytogenesヒドロラーゼ、例えば、p60(例えば、Genbank受託番号NP 464110参照)またはN−アセチルムラミダーゼ(NamA)(Genbank受託番号NP 466213)を含む。そのような特定のタンパク質キメラ組成物は、細菌タンパク質の分泌が必要な分子シャペロンのみならずその分泌を必要とすることができる細菌タンパク質の活性を利用する。異種タンパク質コード配列の、L.monocytogenesヒドロラーゼでの正確な置き換えを含む特定のタンパク質キメラの結果、異種タンパク質の効果的な発現および分泌がもたらされる(例えば、特定の例、以下の実施例29参照)。従って、いくつかの実施形態において、融合タンパク質の一部としての組換え核酸分子によってコードされたシグナルペプチドはp60シグナルペプチドである。いくつかの実施形態において、融合タンパク質の一部としての組換え核酸分子によってコードされたシグナルペプチドはNamAシグナルペプチドである。
いくつかの実施形態において、組換え核酸分子は、p60シグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチドおよび他のポリペプチド(例えば、抗原)をコードする第二のポリヌクレオチド双方と同一の翻訳リーディンググレームである、p60タンパク質、またはそのフラグメントをコードする第三のポリヌクレオチド配列を含む。従って、組換え核酸分子は、シグナルペプチド、第二のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチド(例えば、抗原)およびp60タンパク質、またはそのフラグメントを含む融合タンパク質をコードする。そのような実施形態において、第二のポリヌクレオチドは、好ましくは、第三のポリヌクレオチド内、または第一および第三のポリヌクレオチドの間いずれかに位置する。
いくつかの実施形態において、secA2シグナルペプチドはListeriaに由来するsecA2シグナルペプチドである。例えば、いくつかの実施形態において、シグナルペプチドはL.monocytogenesからのp60シグナルペプチドまたはN−アセチルムラミダーゼ(NamA)シグナルペプチドのようなsecA2シグナルペプチドである。加えて、他のL.monocytogenesタンパク質はsecA2の不存在下で分泌されないものとして同定されており(Lenz et al.,Mol.Microbiology 45:1043−1056(2002))、これらのタンパク質からのシグナルペプチドをコードするポリヌクレオチドはいくつかの実施形態において用いることができる。加えて、Listeria以外の細菌からのsecA2シグナルペプチドは、組換えListeriaまたは他の細菌からの異種タンパク質の発現および分泌で利用することができる。例えば、例示的であるが非限定的には、B.anthracisからのsecA2シグナルペプチドは組換え核酸分子および/または発現カセットで用いることができる。他の実施形態において、S.aureusからのsecA2シグナルペプチドを用いる。表1参照。他の細菌におけるSecA2経路を介して分泌されたタンパク質も同定されている(例えば、Braunstein et al.,Mol.Microbiol.,48:453−64(2003)およびBensing et al.,Mol.Microbiol.,44:1081−94(2002)参照)。
secA2経路を介して分泌されたさらなるタンパク質を同定することができる。SecA2ホモログは多数の細菌種で同定されている(例えば、Lenz et al.,Mol.Microbiology 45:1043−1056(2002)およびBraunstin et al.,J.Bacteriology, 183:6979−6990(2001)。さらなるsecA2ホモログは、当業者に知られた技術を用いてさらなる配列比較によって同定することができる。一旦ホモログが同定されたならば、ホモログは細菌生物から欠失させて、ΔsecA2変異体を得ることができる。野生型および変異体細菌培養の上清タンパク質は、当該分野で知られたプロテオミックス技術のいずれかによってTCA−沈殿させ、分析して、いずれのタンパク質がΔsecA2変異体ではなく野生型細菌によって分泌されるかを決定することができる。例えば、分泌されたタンパク質はSDS−PAGEおよび銀染色を介して分析することができる。得られたバンドを比較して、分泌がSecA2の不存在下で起こらなかったタンパク質を同定することができる(例えば、Lenz et al.,Mol.Microbiology 45:1043−1056(2002)参照)。次いで、これらのタンパク質のN−末端配列を(例えば、シグナルペプチド切断部位を予測するためのアルゴリズムにて)、分析して、そのタンパク質によって用いられるsecA2シグナルペプチド配列を決定することができる。また、自動エドマン分解によるN−末端配列決定を行って、シグナルペプチドの配列を同定することもできる。
別の実施形態において、ポリヌクレオチドは、Tat経路タンパク質分泌複合体によって認識されるシグナルペプチドと遺伝的に融合させる。Tat分泌経路は、細菌内で折り畳まれるタンパク質の分泌についての、Listeria spp.を含めた細菌によって利用される。例えば、Listeria innocuaタンパク質YwbNはそのアミノ末端において推定Tatモチーフを有し、かくして、分泌のためのTat経路を用いる(Genbank受託番号NP 469731[gi│16799463│ref│NP 469731.1│B. scbtilis YwbNタンパク質(Listeria innocua)と同様な保存された仮定タンパク質]、ここに引用して援用する)。Tatシグナルペプチドを含有するもう1つのタンパク質はListeria monocytogenes株EGD(e)からのYwbNタンパク質である(Genbank受託番号NP 463897[gi│16802412│ref│NP 463897.1│B.subtilis YwbNタンパク質(Listeria monocytogenes EGD(e))と同様な保存された仮定タンパク質])。その例として、YwbNからのYwbNシグナルペプチドおよびシグナルペプチダーゼ切断は、所望のタンパク質(例えば、抗原)−コーディング遺伝子のアミノ末端に遺伝子的に連結させることができる。この組成において、Tatシグナルペプチドおよびシグナルペプチダーゼ−抗原融合よりなるプレ−タンパク質は細菌内の発現カセットから翻訳され、グラム−陽性細胞壁を通って輸送され、ここに、真正異種タンパク質は細胞外媒体に放出される。Tat経路を介するListeria innocuaから分泌されると予測されるもう1つのタンパク質は3−オキソキアシル−アシルキャリアータンパク質シンターゼである(Genbank受託番号NP 471636[3(オキソアシル(アシルキャリアータンパク質シンターゼ(Listeria innocua)と同様なgi│16801368│ref│NP 471636.1])。Tat分泌経路を介してListeriaから分泌されると予測されるこれらのタンパク質のいずれかからのシグナル配列をコードするポリヌクレオチドは本明細書中に記載されたポリヌクレオチド、発現カセットおよび/または発現ベクターで用いることができる。
他の細菌からのTatシグナル配列もまたシグナルペプチドとして用いることもでき、限定されるものではないが、B.subtilisからのphoDを含む。phoDのようなBacillus subtilisからのTatシグナルペプチドの例はJongbloed et al.,J.of Biological Chemistry,277:44068−44078(2002);Jongbloed et al.,J.of Biological Chemistry, 275:41350−41357(2000),Pop et al.,J.of Biological Chemistry, 277:3268−3273(2002); van Dijl et al.,J.of Biotechnology,98:243−254(2002);およびTjalsma et al.,Microbiology and Molecular Biology Reviews,64:515−547(2000)に記載されており、その全てをここに引用してその全体を援用する。Tat経路によって分泌されると予測されていたB.subtilisにおいて同定された他のタンパク質は以下のGenbank/Embl受託番号を有する配列を含む:その配列が全てここに引用して援用されるCAB15017[2つの(コンポーネントセンサーヒスチジンキナーゼ(YtsA)(Bacillus subtilis)と同様なgi│2635523│emb│CAB15017.1│];CAB12056[gi│2632548│emb│CAB12056.1│ホスホジエステラーゼ/アルカリ性ホスファターゼD](Bacillus subtilis)];CAB12081[仮定タンパク質(Bacillus subtilis)と同様なgi│2632573│emb│CAB12081.1│];CAB13278[仮定タンパク質(Bacillus subtilis)と同様なgi│2633776│emb│CAB13278.1│];CAB14272[gi│2634674│emb│CAB14172.1│メナキノール:チロクロームcオキシドレダクターゼ(鉄(硫黄サブユニット)(Bacillus subtilis)];CAB15089[gi│2635595│emb│CAB15089.1│yubF(Bacillus subtilis)];およびCAB15852[gi│2636361│emb│CAB15852.1│別の遺伝子名称:ipa(仮定タンパク質(Bacillus subtilis)と同様な29d]。かくして、いくつかの実施形態において、組換え核酸分子および/または発現カセットにおけるポリヌクレオチドによってコードされたシグナルペプチドはB.subtilisに由来するTatシグナルペプチドである。Pseudomonas aeruginosaからのTatシグナルペプチドについての情報はOchsner et al.,PNAS,99:8312−8317(2002)に提供される。また、広く種々の他の細菌からのTatシグナルペプチドは、共に、ここに引用してその全体が援用される、Dilks et al.,J.of Bacteriology,185:1478−1483(2003)およびBerks et al.,Molecular Microbiology,35:260−274(2000)に記載されている。
さらなるTatシグナルペプチドはそれらの「twin−アルギニン」コンセンサスモチーフによってSec−タイプのシグナルペプチドから同定し、識別することができる。前記したように、Tat経路によって分泌されるタンパク質に関連されるシグナルペプチドはSecシグナルペプチドと同様な三部分組織化を有するが、N−ドメイン/H−ドメイン境界に位置したRR−モチーフ(R−R−X−#−#、ここに#は疎水性残基である)を有することによって特徴付けられる。Tatシグナルペプチドは、一般には、Sec−タイプのシグナルペプチドよりもやはり長くかつ疎水性が低い。例えば、Berks et al.,Adv.Microb.Physiol.,47:187−254(2003)およびBerks et al.,Mol.Microboil.35:260−74(2000)参照。
加えて、SecA2経路によって分泌された新しいタンパク質およびそれらの対応するSecA2シグナルペプチドを同定するための前記した同様な技術を用いて、Tat経路およびそれらのシグナルペプチドを介して分泌された新しいたんぱく質を同定することもできる。文献Jongbloed et al.,J.Biological Chem.,277:44068−44078(2002)は、twin−アルギニントランスローケーション経路を介して分泌されたタンパク質として細菌のタイプによって発現されたタンパク質を同定するのに用いることができる技術の例を提供する。
(IV.ポリペプチド)
本明細書中で記載された組換え核酸分子、ならびに本明細書中で記載された発現カセットまたは発現ベクターを用いていずれの所望のポリペプチドもコードすることができる。特に、組換え核酸分子、発現カセット、および発現ベクターは細菌において異種ポリペプチドを発現させるのに有用である。
(用いる組換え核酸分子、発現カセットまたは発現ベクターに依存して)いくつかの実施形態において、組換え核酸分子、発現カセット、および/または発現ベクターのポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドはシグナルペプチドとの融合タンパク質の一部としてコードされる。他の実施形態において、コードされたポリペプチドは組換え核酸分子、発現カセット、または発現ベクターによって区別されるポリペプチドとしてコードされる。さらに他の実施形態において、組換え核酸分子、発現カセットまたは発現ベクターのポリヌクレオチドによってコードされたポリペプチドは、シグナルペプチドを含まない融合タンパク質の一部としてコードされる。なお他の実施形態において、本発明の組換え核酸分子、発現カセット、または発現ベクターのポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドは、ポリペプチドがもう1つのポリペプチド配列内に埋もれた(ここではタンパク質キメラともいわれる)融合タンパク質の一部としてコードされる。
かくして、本発明の組換え核酸分子、発現カセット、または発現ベクターのポリヌクレオチドによってコードされる本明細書中にて(以下および他の箇所)リストされたポリペプチドの各々は、用いる特定の組換え核酸分子、発現カセットまたは発現ベクターに応じて、組換え核酸分子、発現カセット、または発現ベクターによって(シグナルペプチドに、および/または他のポリペプチドに、またはその中に融合した)融合タンパク質として、または区別されるポリペプチドとして発現させることができる。例えば、いくつかの実施形態において、抗原CEAをコードするポリヌクレオチドを含む組換え核酸分子はシグナルペプチドとの融合タンパク質としてCEAをコードするであろう。
いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、組換え核酸分子、発現カセット、または発現ベクターによってコードされる融合タンパク質の一部であり、融合タンパク質のシグナルペプチドに対して異種である。いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、それに対してそれが異種であるもう1つのポリペプチド配列(例えば、分泌されたタンパク質、または自己溶解素、またはそのフラグメントまたは変種)内に位置する。
いくつかの実施形態において、ポリペプチドは細菌(Listerialまたは非Listerial)である。いくつかの実施形態において、ポリペプチドは細菌ではない。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドによってコードされたポリペプチドは哺乳動物ポリペプチドである。例えば、ポリペプチドはヒトで見出されたポリペプチド配列に対応することができる(すなわち、ヒトポリペプチド)。いくつかの実施形態において、ポリペプチドはListerialである。いくつかの実施形態において、ポリペプチドは非Listerialである。いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、組換え核酸分子、発現カセット、および/または発現ベクターが取り込まれるべき、または取り込まれた細菌に対して天然ではない(すなわち、外来性)である。
いくつかの実施形態において、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは細菌において発現につきコドン最適化されている。いくつかの実施形態において、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは細菌において発現につき十分にコドン最適化されている。いくつかの実施形態において、コドン最適化されたポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドは細菌に対して外来性である(すなわち、細菌に対して異種)である。
用語「ポリペプチド」は、「ペプチド」および「タンパク質」と相互交換的に用いられ、そこに含まれるアミノ酸配列の長さまたはサイズに関する制限は意図されない。しかしながら、典型的には、ポリペプチドは少なくとも約6つのアミノ酸を含む。いくつかの実施形態において、ポリペプチドは少なくとも約9、少なくとも約12、少なくとも約20、少なくとも約30、または少なくとも約50アミノ酸を含むであろう。いくつかの実施形態において、ポリペプチドは少なくとも約100アミノ酸を含む。いくつかの実施形態において、ポリペプチドは少なくとも約100アミノ酸を含む。いくつかの実施形態において、ポリペプチドはタンパク質の1つの特定のドメインである(例えば、細胞外ドメイン、細胞内ドメイン、触媒ドメインまたは結合ドメイン)。いくつかの実施形態において、ポリペプチドは全(すなわち、全長)タンパク質を含む。
いくつかの実施形態において、組換え核酸分子、発現カセット、および/または発現ベクターのポリヌクレオチドによってコードされたポリペプチドは、障害に対して緩和する治療を提供する抗原またはタンパク質を含む。いくつかの実施形態において、組換え核酸分子、発現カセット、および/または発現ベクターのポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドは、障害に対して緩和する治療を提供する抗原またはタンパク質である。いくつかの実施形態において、コードされるポリペプチドは治療タンパク質である(または治療タンパク質を含む)。
いくつかの実施形態において、組換え核酸分子、発現カセット、および/またはベクターのポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドは抗原(例えば、本明細書中に記載した抗原のいずれか)を含む。いくつかの実施形態において、組換え核酸分子、発現カセット、および/またはベクターのポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドは抗原である。いくつかの実施形態において、該抗原は細菌抗原である。いくつかの実施形態において、抗原は非Listerialの細菌抗原である。いくつかの実施形態において、しかしながら、抗原は非Listerial抗原である。他の実施形態において、抗原は非細菌抗原である。いくつかの実施形態において、抗原は哺乳動物抗原である。いくつかの実施形態において、抗原はヒト抗原である。いくつかの実施形態において、ポリペプチドは1以上の免疫原生エピトープを含む抗原である(または該抗原を含む)。いくつかの実施形態において、抗原は1以上のMHCクラスIエピトープを含む。他の実施形態において、抗原は1以上のMHCクラスIIエピトープを含む。いくつかの実施形態において、エピトープはCD4+T−細胞エピトープである。他の実施形態において、エピトープはCD8+T−細胞エピトープである。
抗原をコードするポリヌクレオチドはいずれかの正確な核酸配列(例えば、天然に生じる全長抗原をコードするもの)に限定されないが、本発明の細菌または組成物内で個体に投与する場合に所望の免疫応答を誘導するのに十分なポリペプチドをコードするいずれの配列でもあり得る。本明細書中で用いる用語「抗原」は、フラグメントが抗原性(すなわち、免疫原生)である限りは、より長い抗原タンパク質のフラグメントを含むとも理解される。加えて、いくつかの実施形態において、組換え核酸、発現カセット、または発現ベクターのポリヌクレオチドによってコードされる抗原は、天然に生じる抗原配列の変種であってもよい(同様に、他の非抗原タンパク質をコードするポリヌクレオチドについては、個体に応用した場合に、発現される所望のタンパク質が所望の効果(例えば、緩和効果)を供する限り、与えられたタンパク質をコードするポリヌクレオチドの配列は変化し得る)。
もう一つの抗原に由来する抗原は、他の抗原の抗原性(すなわち、免疫原生)フラグメント、他の抗原の抗原性改変体、または他の抗原のフラグメントの抗原性改変体である抗原を含む。抗原の変種は、1以上の置換、欠失、付加、および/または挿入において元の抗原とは異なる抗原を含む。
抗原性フラグメントはいずれの長さのものであってもよいが、最も典型的には、少なくとも約6アミノ酸、少なくとも約9アミノ酸、少なくとも約12アミノ酸、少なくとも約20アミノ酸、少なくとも約30アミノ酸、少なくとも約50アミノ酸、または少なくとも約100アミノ酸である。抗原の抗原性フラグメントは、抗原からの少なくとも1つのエピトープを含む。いくつかの実施形態において、エピトープはMHCクラスIエピトープである。他の実施形態において、エピトープはMHCクラスIIエピトープである。いくつかの実施形態において、エピトープはCD4+T−細胞エピトープである。他の実施形態において、エピトープはCD8+T−細胞エピトープである。
タンパク質内の(エピトープを含めた)抗原性領域を予測するのに有用な種々のアルゴリズムおよびソフトウェアパッケージが当業者に入手可能である。例えば、MHCクラスIおよびII分子に結合するエピトープをするのに選択するのに用いられるアルゴリズムは公に入手可能である。例えば、公に入手可能な「SYFPEITHI」アルゴリズムは、MHC−結合ペプチドを予測するのに用いることができる(Rammensee et al.(1999) Immunogenetics 50:213−9)。公に入手可能なアルゴリズムの他の例については、以下の文献を参照されたし:Parker et al.(1994) J.Immunol 152:163−75;Singh and Raghava(2001) Bioinformatics 17:1236−1237;Singh and Raghava(2003) Bioinformatics 19:1009−1014;Mallios(2001) Bioinformatics 17:942−8;Nielsen et al.(2004) Bioinformatics 20:1388−97; Donnes et al.(2002) BMC Bioinformatics 3:25;Bhasin、 et al.(2004) Vaccine 22:3195−204; Guan et al.(2003) Nucleic Acids Res 31:3621−4; Reche et al.(2002) Hum.Immunol.63:701−9;Schirle et al.(2001) J.Immunol Methods 257:1−16;Nussbaum et al.(2001) Immunogenetics(2001) 53:87−94;Lu et al.(2000)Cancer Res.60:5223−7。また、例えば、Vector NTI(登録商標) Suite(Informax、 Inc、 Bethesda、 MD)、GCG Wisconsin Package(Accelrys、 Inc.、San Diego、 CA) Welling、 et al.(1985) FEBS Lett.188:215−218、Parker et al.(1986) Biochemistry 25:5425−5432、 Van Regenmortel and Pellequer(1994) Pept.Res.7:224−228、 Hopp and Woods(1981) PNAS 78:3824−3828、およびHopp(1993) Pept.Res.6:183−190参照。このパラグラフにおいて前記でリストした文献で議論されたアルゴリズムまたはソフトウェアパッケージのいくつかはMHCクラスIおよび/またはクラスII結合ペプチドまたはエピトープに向けられ、他のものはプロテオソーム切断部位の同定に向けられ、なお他のものは親水性に基づく抗原性の予測に向けられる。
一旦、所望の性質の少なくとも1つのエピトープを含有すると信じられる候補抗原性フラグメントが同定されれば、その配列をコードするポリヌクレオチド配列を発現カセットに組み込み、Listerialワクチンベクターまたは他の細菌ワクチンベクターに導入することができる。次いで、該フラグメントを発現するListerialまたは他の細菌によって生じた免疫応答を評価することによって、抗原性フラグメントの免疫原生を確認することができる。ELISPOTアッセイ、細胞内サイトカイン染色(ICS)アッセイ、細胞傷害性T−細胞活性アッセイ等のような標準的免疫学的アッセイを用いて、選択された抗原のフラグメントが所望の免疫原生を維持することを確認することができる。これらのタイプのアッセイの例は後の実施例(例えば、実施例21)に供される。加えて、実施例にて後に記載される方法を用い、Listerialおよび/または細菌ワクチンの抗−腫瘍効果を評価することもできる(例えば、マウスへの、抗原フラグメントを発現するCT26ネズミ結腸細胞の移植、続いての、候補ワクチンでのマウスのワクチン接種、およびコントロールおよび/または全長抗原に対する、腫瘍のサイズ、転移、生存等に対する効果の観察)。
加えて、抗原性フラグメントを同定するために用いられるエピトープおよび/またはMHCリガンド情報を含む大きなデータベースは公に入手可能である。例えば、Brusic et al.(1998) Nucleic Acids Res.26:368−371;Schonbach et al.(2002) Nucleic Acids Research 30:226−9;およびBhasin et al.(2003) Bioinformatics 19:665−666;およびRammensee et al.(1999) Immunogenetics 50:213−9参照。
抗原性改変体のアミノ酸配列は、元の抗原に対して、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約98%同一性を有する。
いくつかの実施形態において、抗原性改変体は、元の抗原に対して少なくとも約80%同一性を有する保存的変種であり、抗原性改変体および元の抗原の間の置換は保存的アミノ酸置換である。以下の置換は保存的アミノ酸置換と考えられる:バリン、イソロイシン、またはロイシンはアラニンに代えて置換され;リシン、グルタミン、またはアスパラギンはアルギニンに代えて置換され、グルタミン、ヒスチジン、リシンまたはアルギニンはアスパラギンに代えて置換され;グルタミン酸はアスパラギン酸に代えて置換され、セリンはシステインに代えて置換され;アスパラギンはグルタミンに代えて置換され;アスパラギン酸はグルタミン酸に代えて置換され;プロミンまたはアラニンはグリシンに代えて置換され;アスパラギン、グルタミン、リシンまたはアルギニンはヒスチジンに代えて置換され;ロイシン、バリン、メチオニン、アラニン、フェニルアラニン、またはノルロイシンはイソロイシンに代えて置換され;ノルロイシン、イソロイシン、バリン、メチオニン、アラニン、またはフェニルアラニンはロイシンに代えて置換され;アルギニン、グルタミン、またはアスパラギンはリシンに代えて置換され;ロイシン、フェニルアラニン、またはイソロイシンはメチオニンに代えて置換され;ロイシン、バリン、イソロイシン、アラニン、またはチロシンはフェニルアラニンに代えて置換され;アラニンはプロリンに代えて置換され;スレオニンはセリンに代えて置換され;セリンはスレオニンに代えて置換され;チロシンまたはフェニルアラニンはトリプトファンに代えて置換され;トリプトファン、フェニルアラニン、スレオニン、またはセリンはチロシンに代えて置換され;トリプトファン、フェニルアラニン、チロシン、またはセリンはチロシンに代えて置換され;イソロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、アラニン、またはノルロイシンはバリンに代えて置換される。いくつかの実施形態において、抗原変種は、元の抗原に対して少なくとも約90%同一性を有する保存的変種である。
いくつかの実施形態において、もう1つの抗原に由来する抗原は他の抗原に対して実質的に同等である。もう1つの抗原に由来する抗原は、もし誘導された抗原が元の抗原に対してアミノ酸配列において少なくとも約70%同一性を有し、かつ元の抗原の少なくとも約70%の免疫原生を維持するならば、それからそれが由来する元の抗原と実質的に同等である。いくつかの実施形態において、実質的に同等な抗原が、元の抗原に対してアミノ酸配列において少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約98%同一性を有する。いくつかの実施形態において、実質的に同等な抗原は元の抗原に対して保存的置換のみを含む。いくつかの実施形態において、実質的に同等な抗原は、元の抗原の少なくとも約80%、少なくとも約90%、または少なくとも約95%の免疫原生を有する。特別な誘導された抗原の免疫原生を決定し、元の抗原のそれと比較して、誘導抗原が元の抗原と実質的に同等か否かを判断するためには、当業者に知られた多数の免疫原性アッセイのいずれかにおいて誘導されたおよび元の抗原双方をテストすることができる。例えば、元の抗原または誘導された抗原いずれかを発現するListeriaを本明細書中に記載されたように調製することができる。免疫応答を生じさせる異なる抗原を発現するListeriaの能力は、Listeriaでマウスをワクチン接種し、次いで、ELISPOTアッセイ、細胞内サイトカイン染色(ICS)アッセイ、細胞傷害性T−活性アッセイ等の標準技術を用いて免疫原生応答を評価することによって測定することができる。これらのタイプのアッセイの例は後に実施例に供する(例えば、実施例21参照)。
いくつかの実施形態において、組換え核酸分子、発現カセット、および/またはベクターのポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドは抗原を含む。いくつかの実施形態において、抗原は腫瘍関連抗原、腫瘍関連抗原に由来するポリペプチド、感染症抗原、および感染症抗原に由来するポリペプチドからなる群より選択される。
いくつかの実施形態において、組換え核酸分子、発現カセット、および/またはベクターのポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドは腫瘍関連抗原を含み、あるいは腫瘍関連抗原に由来する抗原を含む。いくつかの実施形態において、ポリペプチドは腫瘍関連抗原を含む。いくつかの実施形態において、コードされたポリペプチドは腫瘍関連抗原または腫瘍関連抗原に由来する抗原である1を超える抗原を含む。例えば、いくつかの実施形態において、コードされたポリペプチドはメソセリン(またはその抗原性フラグメントまたは抗原性改変体)およびK−Ras、12−K−Ras、またはPSCA(またはK−Ras、12−K−Ras、またはPSCAの抗原性フラグメントまたは抗原性改変体)を共に含む。
いくつかの実施形態において、組換え核酸分子、発現カセットおよび/または発現ベクターのポリヌクレオチドによってコードされる抗原は腫瘍関連抗原であるか、あるいは腫瘍関連抗原に由来する抗原である。いくつかの実施形態において、抗原は腫瘍関連抗原である。
いくつかの実施形態において、組換え核酸分子、発現カセット、および/または発現ベクターにおけるポリペプチドは、腫瘍関連抗原とは同一ではないが、むしろ、腫瘍関連抗原に由来する抗原である抗原をコードし(または抗原を含むポリペプチドをコードする)。例えば、いくつかの実施形態において、組換え核酸分子、発現カセット、および/または発現ベクターのポリヌクレオチドによってコードされる抗原は腫瘍関連抗原のフラグメント、腫瘍関連抗原の変種、または腫瘍関連抗原のフラグメントの変種を含むことができる。いくつかの場合において、腫瘍抗原のような抗原は、アミノ酸配列が宿主に対して内因性であるものとはわずかに異なる場合、ワクチンにおいてより有意な免疫応答を誘導することができる。他の場合には、誘導された抗原は元の抗原よりも有意ではない免疫応答を誘導するが、例えば、より小さなサイズのためListerialワクチンベクターにおいて異種発現でより便宜である。いくつかの実施形態において、腫瘍関連抗原、または腫瘍関連抗原のフラグメントの変種のアミノ酸配列は、1以上のアミノ酸だけ、腫瘍関連抗原、またはその対応するフラグメントのそれとは異なる。腫瘍関連抗原に由来する抗原は、宿主内での抗原をコードするポリヌクレオチドの発現に対して所望の免疫応答を誘導することができる少なくとも1つのエピトープ配列を含むであろう。
従って、いくつかの実施形態において、組換え核酸分子、発現カセット、またはベクターにおけるポリヌクレオチドは、腫瘍関連抗原に由来する抗原を含むポリペプチドをコードし、ここに、該抗原は腫瘍関連抗原の少なくとも1つの抗原性フラグメントを含む。いくつかの実施形態において、組換え核酸分子、発現カセット、またはベクターに受けるポリヌクレオチドは腫瘍関連抗原に由来する抗原をコードし、ここに、該抗原が腫瘍関連抗原の少なくとも1つの抗原性フラグメントを含む。抗原性フラグメントは、腫瘍関連抗原の少なくとも1つのエピトープを含む。いくつかの実施形態において、もう1つの抗原に由来する抗原は他の抗原の抗原性(すなわち、免疫原性)フラグメントまたは抗原性改変体である。いくつかの実施形態において、該抗原が他の抗原の抗原性フラグメントである。いくつかの実施形態において、該抗原が他の抗原の抗原性改変体である。
T細胞によって認識される非常に多数の腫瘍関連抗原が同定されている(Renkvist et al.、 Cancer Immunol Innumother 50:3−15(2001))。これらの腫瘍関連抗原が分化抗原(例えば、PSMA、チロシナーゼ、gp100)、組織特異的抗原(例えば、PAP、PSA)、発生抗原、腫瘍関連ウイルス抗原(例えば、HPV 16 E7)、癌−精巣抗原(例えば、MAGE、BAGE、NY−ESO−1)、胚抗原(例えば、CEA、アルファ−フェトプロテイン)、癌タンパク質抗原(例えば、Ras、p53)、過剰発現タンパク質抗原(例えば、ErbB2(Her2/Neu)、MUC1)、または変異したタンパク質抗原であり得る。異種核酸配列によってコードされ得る腫瘍関連抗原は、限定されるものではないが、707−AP、アネキシンII、AFP、ART−4、BAGE、β−カテニン/m、BCL−2、bcr−abl、bcr−abl p190、bcr−abl p210、BRCA−1、BRCA−2、CAMEL、CAP−1、CASP−8、CDC27/m、CDK−4/m、CEA(Huang et al., Exper Rev.Vaccines(2002)1:49−63)、CT9、CT10、Cyp−B、Dek−cain、DAM−6(MAGE−B2)、DAM−10(MAGE−B1)、EphA2(Zantek et al., Cell Growth Differ.(1999) 10:629−38;Carles−Kinch et al., Cancer Res.(2002) 62:2840−7)、ELF2M、EphA2(Zantek et al., Cell Growth Differ.(1999) 10:629−38;Carles−Kinch et al., Cancer Res.(2002) 62:2840−7)、ETV6−AML1、G250、GAGE−1、GAGE−2、GAGE−3、GAGE−4、GAGE−5、GAGE−6、GAGE−7B、GAGE−8、GnT−V、gp100、HAGE、HER2/neu、HLA−A*0201−R170I、HPV−E7、H−Ras、HSP70−2M、HST−2、hTERT、hTRT、iCE、アポトーシスの阻害剤(例えば、スルビビン)、KIAA0205、K−Ras、12−K−Ras(コドン12変異を伴うK−Ras)、LAGE、LAGE−1、LDLR/FUT、MAGE−1、MAGE−2、MAGE−3、MAGE−6、MAGE−A1、MAGE−A2、MAGE−A3、MAGE−A4、MAGE−A6、MAGE−A10、MAGE−A12、MAGE−B5、MAGE−B6、MAGE−C2、MAGE−C3、MAGE−D、MART−1、MART−1/Melan−A、MC1R、MDM−2、メソセリン、Myosin/m、MUC1、MUC2、MUM−1、MUM−2、MUM−3、neo−ポリAポリメラーゼ、NA88−A、N−Ras、NY−ESO−1、NY−ESO−1a(CAG−3)、PAGE−4、PAP、プロテイナーゼ3(PR3)(Molldrem et al., Blood(1996) 88:2450−7;Molldrem et al., Blood(1997) 90:2529−34)、P15,p190、Pml/RARα、PRAME、PSA、PSM、PSMA、RAGE、RAS、RCAS1、RU1、RU2、SAGE、SART−1、SART−2、SART−3、SP17、SPAS−1、TEL/AML1、TPI/m、チロシナーゼ、TARP、TRP−1(gp75)、TRP−2、TRP−2/INT2、WT−1、および別法としてNY−ESO−1およびLAGE−1遺伝子に由来する翻訳されたNY−ESO−ORF2およびCAMELタンパク質を含む。
いくつかの実施形態において、組換え核酸分子、発現カセット、および/またはベクターにおけるポリヌクレオチドによってコードされる抗原は、いまだ同定すべき抗原を含めた、腫瘍特異的免疫応答を誘導することができるいずれの腫瘍関連抗原も含むことができる。いくつかの実施形態において、組換え核酸分子、発現カセット、および/またはベクターにおけるポリヌクレオチドは1を超える腫瘍関連抗原をコードする。
いくつかの実施形態において、抗原はメソセリン(Argani et al., Clin Cancer Res.7(12):3862−8(2001))、Sp17(Lim et al., Blood 97(5):1508−10(2001))、gp100(Kawakami et al., Proc.Natl.Acad.Sci.USA 91:6458(1994))、PAGE−4(Brinkmann et al., Cancer Res.59(7):1445−8(1999))、TARP(Wolfgang et al., Proc.Natl.Acad.Sci.USA 97(17):9437−42(2000))、EphA2(Tatsumi et al., Cancer Res.63(15):4481−9(2003))、PR3(Muller−Berat et al., Clin.Immunol.Immunopath.70(1):51−9(1994))、前立腺幹細胞抗原(PSCA)(Reiter et al., Proc.Natl.Acad.Sci.、95:1735−40(1998);Kiessling et al., Int.J.Cancer、 102:390−7(2002))、またはSPAS―1(米国特許出願公開番号2002/0150588)である。
本発明のいくつかの実施形態において、組換え核酸分子または発現カセットによってコードされた抗原はCEAである。他の実施形態において、抗原はCEAの抗原性フラグメント、および/または抗原性改変体である。CEAの結直腸、胃および膵臓の90%、の非小細胞肺癌の70%、および乳癌の50%を含めた、優位な割合のヒト腫瘍において過剰発現される180−kDA膜細胞間接着タンパク質である(Hammarstrom、 Semin Cancer Biol.,9:67−81)。CEAを模倣する抗−イディオタイプモノクローナル抗体(Foon et al., Clin.Cancer Res.、87:982−90(1995))、またはCEAを発現する組換えワクシニアウイルスを用いるワクチン接種(Tsang et al., J.Natl.Cancer Inst.、87:982−90(1995))のような種々の免疫療法が調べられているが、あいにくと、限定された成功である。それにも拘らず、研究者は、ワクチン接種された患者から生じたヒトT細胞系によって認識されるHLA*0201−制限エピトープ、CAP−1(CEA605−613)を同定した。このエピトープをDCパルスした患者のワクチン接種は、臨床的応答を誘導しなかった(Morse et al., Clin.Cancer Res.、5:1331−8(1999))。最近、CEA605−613ペプチドアゴニストが、位置610におけるアスパラギンに対するヘテロクリティックアスパルテート置換で同定された(CAP1−6D)。このアミノ酸置換はこのペプチドのMHC結合親和性を改変しなかったが、改変されたリガンド(APL)の使用の結果、インビトロにてCEA特異的細胞傷害性Tリンパ球(CTL)の改良された創製がもたらされた。CAP1−6D特異的CTLは、天然CEAを発現する腫瘍細胞を認識し、それを溶解させる能力を維持した(Zaremba et al., Cancer Res.、57:4570−7(1997);Salazar et al., Int.J.Cancer 85:829−38(2000))。Fong et al.は、このAPLと共にインキュベートしたFlt3−リガンド拡大DCでワクチン接種した結腸癌を持つ患者におけるCEA特異的免疫の誘導を示した。有望なことには、ワクチン接種後の12人の患者のうちの2人は、ペプチド−MHCテトラマーT細胞の誘導に相関した劇的な腫瘍後退を経験した(Fong et al., Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.、98:8809−14(2001))。
もう1つの実施形態において、抗原がプロテイナーゼ−3であるか、あるいはプロテイナーゼ−3に由来する。例えば、1つの実施形態において、抗原はHLA−A2.1−制限ペプチドPR1(aa 169−177;VLQELNVTV(配列番号:63))を含む。プロテイナーゼ−3および/またはPR1エピトープについての情報は以下の文献で入手可能である:米国特許第5,180、819号、Molldrem、 et al., Blood、 90:2529−2534(1997);Molldrem et al., Cancer Research、 59:2675−2681(1999);Molldrem、 et al., Nature Medicine、 6:1018−1023(2000);およびMolldrem et al., Oncogene、 21:8668−8673(2002)。
いくつかの実施形態において、組換え核酸分子、発現カセット、および/またはベクターにおけるポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドはK−Ras、H−Ras、N−Ras、12−K−Ras、メソセリン、PSCA、NY−ESO−1、WT−1、スルビビン、gp100、PAP、プロテイナーゼ3、SPAS−1、SP−17、PAGE−4、TARP、およびCEAからなる群より選択される抗原を含み、またはK−Ras、H−Ras、N−Ras、12−K−Ras、メソセリン、PSCA、NY−ESO−1、WT−1、スルビビン、gp100、PAP、プロテイナーゼ3、SPAS−1、SP−17、PAGE−4、TARP、およびCEAからなる群より選択される抗原に由来する抗原を含む。
いくつかの実施形態において、組換え核酸分子、発現カセット、および/またはベクターにおけるポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドはK−Ras、H−Ras、N−Ras、12−K−Ras、メソセリン、PSCA、NY−ESO−1、WT−1、スルビビン、gp100、PAP、プロテイナーゼ3、SPAS−1、SP−17、PAGE−4、TARP、またはCEAからなる群より選択される抗原を含む。いくつかの実施形態において、ポリペプチドはK−Rasを含む。いくつかの実施形態において、ポリペプチドはH−Rasを含む。いくつかの実施形態において、ポリペプチドはN−Rasを含む。いくつかの実施形態において、ポリペプチドはK−Rasを含む。いくつかの実施形態において、ポリペプチドはメソセリン(例えば、ヒトメソセリン)を含む。いくつかの実施形態において、ポリペプチドはPSCAを含む。いくつかの実施形態において、ポリペプチドはNY−ESO−1を含む。いくつかの実施形態において、ポリペプチドはWT−1を含む。いくつかの実施形態において、ポリペプチドはスルビビンを含む。いくつかの実施形態において、ポリペプチドはgp100を含む。いくつかの実施形態において、ポリペプチドはPAPを含む。いくつかの実施形態において、ポリペプチドはプロテイナーゼ3を含む。いくつかの実施形態において、ポリペプチドはSPAS−1を含む。いくつかの実施形態において、ポリペプチドはSP−17を含む。いくつかの実施形態において、ポリペプチドはPAGE−4を含む。いくつかの実施形態において、ポリペプチドはTARPを含む。いくつかの実施形態において、ポリペプチドはCEAを含む。
いくつかの実施形態において、組換え核酸分子、発現カセット、および/またはベクターにおけるポリヌクレオチドによってコードされた抗原はK−Ras、H−Ras、N−Ras、12−K−Ras、メソセリン、PSCA、NY−ESO−1、WT−1、スルビビン、gp100、PAP、プロテイナーゼ3、SPAS−1、SP−17、PAGE−4、TARP、またはCEAからなる群より選択される抗原である。いくつかの実施形態において、抗原はK−Rasである。いくつかの実施形態において、抗原はH−Rasである。いくつかの実施形態において、抗原はN−Rasである。いくつかの実施形態において、抗原はK−Rasである。いくつかの実施形態において、抗原はメソセリンである。いくつかの実施形態において、抗原はPSCAである。いくつかの実施形態において、抗原はNY−ESO−1である。いくつかの実施形態において、抗原はWT−1である。いくつかの実施形態において、抗原はスルビビンである。いくつかの実施形態において、抗原はgp100である。いくつかの実施形態において、抗原はPAPである。いくつかの実施形態において、抗原はプロテイナーゼ3である。いくつかの実施形態において、抗原はSPAS−1である。いくつかの実施形態において、抗原はSP−17である。いくつかの実施形態において、抗原はPAGE−4である。いくつかの実施形態において、抗原はTARPである。いくつかの実施形態において、抗原はCEAである。いくつかの実施形態において、抗原はヒトメソセリンである。
いくつかの実施形態において、抗原はメソセリン、SPAS−1、プロテイナーゼ−3、EphA2、SP−17、gp100、PAGE−4、TARPまたはCEAであるか、あるいはそれのタンパク質の内の1つに由来する抗原である。いくつかの実施形態において、抗原はメソセリンであるか、またはメソセリンに由来する。他の実施形態において、抗原はEphA2であるか、またはEphA2に由来する抗原である。いくつかの実施形態において、本明細書中に記載された組換え核酸分子、発現カセット、または発現ベクターにおけるポリヌクレオチドによってコードされた抗原はEphA2(またはEphA2に由来する抗原)ではない。いくつかの実施形態において、抗原はEphA2以外の腫瘍関連抗原である。いくつかの実施形態において、抗原はEphA2以外の腫瘍関連抗原に由来する。いくつかの実施形態において、組換え核酸分子、発現カセットおよび/または発現ベクターにおけるポリヌクレオチドによってコードされたポリペプチドはEphA2以外の抗原を含む。いくつかの実施形態において、組換え核酸分子、発現カセット、および/または発現ベクターにおけるポリヌクレオチドによってコードされたポリペプチドはEphA2またはEphA2に由来する抗原以外の抗原を含む。
いくつかの実施形態において、組換え核酸分子、発現カセットおよび/または発現ベクターにおけるポリヌクレオチドはK−Ras、H−Ras、N−Ras、12−K−Ras、メソセリン、PSCA、NY−ESO−1、WT−1、スルビビン、gp100、PAP、プロテイナーゼ3、SPAS−1、SP−17、PAGE−4、TARP、またはCEAに由来する抗原を含むポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態において、ポリペプチドはK−Rasに由来する抗原を含む。いくつかの実施形態において、ポリペプチドはH−Rasに由来する抗原を含む。いくつかの実施形態において、ポリペプチドはN−Rasに由来する抗原を含む。いくつかの実施形態において、ポリペプチドは12−K−Rasに由来する抗原を含む。いくつかの実施形態において、ポリペプチドはメソセリンに由来する抗原を含む。いくつかの実施形態において、ポリペプチドはPSCAに由来する抗原を含む。いくつかの実施形態において、ポリペプチドはNY−ESO−1に由来する抗原を含む。いくつかの実施形態において、ポリペプチドはWT−1に由来する抗原を含む。いくつかの実施形態において、ポリペプチドはスルビビンに由来する抗原を含む。いくつかの実施形態において、ポリペプチドはgp100に由来する抗原を含む。いくつかの実施形態において、ポリペプチドはPAPに由来する抗原を含む。いくつかの実施形態において、ポリペプチドはプロテイナーゼ3に由来する抗原を含む。いくつかの実施形態において、ポリペプチドはSPAS−1に由来する抗原を含む。いくつかの実施形態において、ポリペプチドはSP−17に由来する抗原を含む。いくつかの実施形態において、ポリペプチドはPAGE−4に由来する抗原を含む。いくつかの実施形態において、ポリペプチドはTARPに由来する抗原を含む。いくつかの実施形態において、ポリペプチドはCEAに由来する抗原を含む。
いくつかの実施形態において、組換え核酸分子、発現カセットおよび/または発現ベクターにおけるポリペプチドはK−Ras、H−Ras、N−Ras、12−K−Ras、メソセリン、PSCA、NY−ESO−1、WT−1、スルビビン、gp100、PAP、プロテイナーゼ3、SPAS−1、SP−17、PAGE−4、TARP、またはCEAに由来する抗原をコードする。いくつかの実施形態において、抗原はK−Rasに由来する。いくつかの実施形態において、抗原はH−Rasに由来する。いくつかの実施形態において、抗原はN−Rasに由来する。いくつかの実施形態において、抗原は12−K−Rasに由来する。いくつかの実施形態において、抗原はメソセリンに由来する抗原である。いくつかの実施形態において、抗原はPSCAに由来する抗原である。いくつかの実施形態において、抗原はNY−ESO−1に由来する抗原である。いくつかの実施形態において、抗原はWT−1に由来する抗原である。いくつかの実施形態において、抗原はスルビビンに由来する抗原である。いくつかの実施形態において、抗原はgp100に由来する抗原である。いくつかの実施形態において、抗原はPAPに由来する抗原である。いくつかの実施形態において、抗原はプロテイナーゼ3に由来する抗原である。いくつかの実施形態において、抗原はSPAS−1に由来する抗原である。いくつかの実施形態において、抗原はSP−17に由来する抗原である。いくつかの実施形態において、抗原はPAGE−4に由来する抗原である。いくつかの実施形態において、抗原はTARPに由来する抗原である。いくつかの実施形態において、抗原はCEAに由来する抗原である。
いくつかの実施形態において、抗原はメソセリン、またはその抗原性フラグメントまたは抗原性改変体である。かくして、いくつかの実施形態において、組換え核酸分子、発現カセットおよび/またはベクターにおけるポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドはメソセリン、またはその抗原性フラグメントまたは抗原性改変体を含む。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドはメソセリン、またはその抗原性フラグメントまたは抗原性改変体である。
いくつかの実施形態において、抗原はメソセリンシグナルペプチド、および/またはGPI(グリコシルホスファチジルノシトール)アンカーが欠失されたメソセリン(例えば、ヒトメソセリン)である。従って、いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドは、メソセリンシグナルペプチド、および/またはGPIアンカーが欠失されたメソセリンを含む。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドによってコードされたポリペプチドは、メソセリンシグナルペプチド、および/またはGPIアンカーが欠失されたメソセリンである。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドによってコードされたポリペプチドは、メソセリンシグナルペプチド、および/またはGPIアンカーが欠失されたヒトメソセリンである。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドによってコードされたポリペプチドは、メソセリンシグナルペプチド、および/またはGPIアンカーが共に欠失されたヒトメソセリンである。
いくつかの実施形態において、抗原はNY−ESO−1、またはその抗原性フラグメントまたは抗原性改変体である。かくして、いくつかの実施形態において、組換え核酸分子、発現カセットまたはベクターにおけるポリヌクレオチドによってコードされたポリペプチドは、NY−ESO−1、またはその抗原性フラグメントまたは抗原性改変体である抗原を含む。いくつかの実施形態において、ポリペプチドはNY−ESO−1、またはその抗原性フラグメントまたは抗原性改変体である抗原である。
いくつかの実施形態において、組換え核酸分子、発現カセットまたはベクターにおけるポリヌクレオチドによってコードされたポリペプチドは、腫瘍関連抗原、例えば、ヒト前立腺幹細胞抗原(PSCA;GenBank受託番号AF043498)、ヒト精巣抗原(NY−ESO−1;GenBank受託番号NM 001327)、ヒト癌胚性抗原(CEA;GenBank受託番号M29540)、ヒトメソセリン(GenBank受託番号U40434)、ヒトスルビビン(GenBank受託番号U75285)、ヒトプロテイナーゼ3(GenBankNo.X55668)、ヒトK−Ras(GenBank受託番号M54969 & P01116)、ヒトH−Ras(GenBank受託番号P01112)、ヒトN−Ras(GenBank受託番号P01111)、およびヒト12−K−Ras(Gly12Asp変異を含むK−Ras)(例えば、GenBank受託番号K00654参照)の少なくとも1つの抗原性フラグメントを含む。いくつかの実施形態において組換え核酸分子、発現カセット、または発現ベクターにおけるポリヌクレオチドによってコードされたポリペプチドは、少なくとも1つの保存的に置換されたアミノ酸を持つ腫瘍関連抗原の抗原性フラグメントを含む。いくつかの実施形態において、組換え核酸分子、発現カセット、または発現ベクターにおけるポリヌクレオチドによってコードされたポリペプチドは、少なくとも1つの欠失されたアミノ酸残基を持つ抗原性フラグメントを含む。いくつかの実施形態において、組換え核酸分子、発現カセット、または発現ベクターにおけるポリヌクレオチドによってコードされたポリペプチドは、腫瘍関連抗原の1を超えるタイプに由来する抗原性配列の組合せ、例えば、メソセリンおよびRas双方に由来する抗原性フラグメントの組合せを含む。
抗原性であると予測される腫瘍抗原の例示的領域は以下の:GenBank受託番号AF043498におけるPSCAアミノ酸配列のアミノ酸25ないし35;70ないし80;および90ないし118;GenBank受託番号NM 001327のNY−ESO−1のアミノ酸40ないし55、75ないし85、100ないし115、および128ないし146;GenBank受託番号M29540のCEAアミノ酸配列のアミノ酸70ないし75、150ないし155、205ないし225、330ないし340、および510ないし520;GenBank受託番号U40434のメソセリンポリペプチド配列のアミノ酸90ないし110、140ないし150、205ないし225、280ないし310、390ないし410、420ないし425、および550ないし575;GenBank受託番号U75285のスルビビンポリペプチド配列のアミノ酸12ないし20、30ないし40、45ないし55、65ないし82、90ないし95、102ないし115、および115ないし130;GenBank受託番号X55668で見出されるプロテイナーゼ−3のアミノ酸配列のアミノ酸10ないし20、30ないし35、65ないし75、110ないし120、および160ないし170;GenBank受託番号P01117またはM54968(ヒトK−Ras)のアミノ酸10ないし20、30ないし50、55ないし75、85ないし110、115ないし135、145ないし155、および160ないし185;GenBank受託番号P01112(ヒトH−Ras)のアミノ酸10ないし20、25ないし30、35ないし45、50ないし70、90ないし110、115ないし135、および145ないし175;GenBank受託番号P01111(ヒトN−Ras)のアミノ酸10ないし20、25ないし45、50ないし75、85ないし110、115ないし135、140ないし155、および160ないし180;12−K−Rasの最初の25−アミノ酸(GenBank受託番号K00654に開示された配列)を含む。これらの抗原性領域はHopp−WoodsおよびWelling抗原性プロットによって予測された。
いくつかの実施形態において、区別されるポリペプチドとしての、選択せれたシグナルペプチドとの融合タンパク質としての、またはポリペプチドがもう1つのポリペプチドに挿入されたタンパク質キメラとしてのいずれかの、本発明のポリヌクレオチドによってコードされたポリペプチドは、ヒトメソセリンの以下のペプチドの1以上を含むポリペプチドである;SLLFLLFSL(アミノ酸20ないし28;(配列番号:64));VLPLTVAEV(アミノ酸530ないし538;(配列番号:65));ELAVALAQK(アミノ酸83ないし92;(配列番号:66));ALQGGGPPY(アミノ酸225ないし234;(配列番号:67));FYPGYLCSL(アミノ酸435ないし444;(配列番号:68));およびLYPKARLAF(アミノ酸475ないし484;(配列番号:69))。例えば、いくつかの実施形態において、本発明のポリヌクレオチドによってコードされた抗原はこれらのペプチドの1以上を含むヒトメソセリンの(抗原性)フラグメントである。これらのメソセリンペプチド配列および医療的に関連する免疫応答とのそれらの相関に関するさらなる情報はPCT公開WO 2004/006837に見出すことができる。
別法として、組換え核酸分子、発現カセット、または発現ベクターにおけるポリヌクレオチドは自己免疫疾患特異的抗原(または自己免疫疾患特異的抗原を含むポリペプチド)をコードすることができる。T細胞媒介自己免疫疾患においては、自己抗原に対するT細胞の応答の結果自己免疫疾患がもたらされる。本発明のワクチンで自己免疫疾患を治療するのに用いる抗原のタイプは、自己免疫応答を担う特異的T細胞を標的とするであろう。例えば、該抗原は、自己免疫応答を引き起こすT細胞に特異的な、T細胞受容体、イディオタイプの一部であってもよく、ここに、本発明のワクチンに取り込まれた抗原は、自己免疫応答を引き起こすT細胞に特異的な免疫応答を誘導するであろう。それらのT細胞の排除は、自己免疫疾患の軽減に対する治療的メカニズムであろう。もう1つの可能性は、自己免疫疾患において自己抗原に対して生じる抗体を標的とする、または該抗体を分泌する特異的B細胞クローンを標的とする免疫応答をもたらすであろう抗原をコードするポリヌクレオチドを組換え核酸分子に組み込むことであろう。例えば、イディオタイプ抗原をコードするポリヌクレオチドは、自己免疫疾患において自己抗原と反応するそのようなB細胞、および/または抗体に対する抗−イディオタイプ免疫応答をもたらす組換え核酸分子に取り込むことができる。本発明の発現カセット、および/組換え核酸分子を含む細菌を含むワクチンで治療可能な自己免疫疾患は、限定されるものではないが、慢性関節リウマチ、多発性硬化症、クローン病、紅斑、重症筋無力症、白斑、強皮症、乾癬、尋常性天疱瘡、線維筋痛、結腸炎および糖尿病を含む。同様なアプローチはアレルギー性応答を治療するために取ることができ、ここに、ワクチン細菌に取り込まれた抗原は、アレルギー反応を変調するのに効果的なT細胞、B細胞または抗体いずれかを標的とする。乾癬のようないくつかの自己免疫疾患において、該障害の結果過剰増殖性細胞成長がもたらされ、同様に標的化することができる抗原が発現される。過剰増殖性細胞に対する免疫応答をもたらすであろうそのような抗原が考えられる。
いくつかの実施形態において、該抗原はユニークな障害関連タンパク質構造を標的とする抗原である。これの1つの例は先に議論したイディオタイプ抗原を用いる抗体、B細胞またはT細胞の標的化である。もう1つの可能性は、特定の障害に由来するユニークなタンパク質構造を標的化することである。これの例は、アルツハイマー病、クロイツフェルト−ヤコブ病(CJD)およびウシ海綿状脳障害(BSE)のような障害で観察されるアミロイドプラークを引き起こすタンパク質に対する免疫応答を生じるであろう抗原を取り込むことであろう。このアプローチはプラーク形成の低下を供するに過ぎないが、CJDのような障害の場合に治癒ワクチンを供する可能性があろう。この障害はプリオンタンパク質の感染性形態によって引き起こされる。いくつかの実施形態において、本発明のポリヌクレオチドは、ワクチンによって生じる免疫応答がCJDを引き起こす感染性タンパク質を排除し、低下させ、または制御し得るように、プリオンタンパク質の感染性形態に対する抗原をコードする。
いくつかの実施形態において、組換え核酸分子、発現カセット、および/または発現ベクターのポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドは、感染症抗原、または感染症抗原に由来する抗原を含む。いくつかの実施形態において、ポリペプチドは感染症抗原を含む。いくつかの他の実施形態において、ポリペプチドは感染症抗原に由来する抗原を含む。いくつかの実施形態において、組換え核酸分子、発現カセット、および/または発現ベクターのポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドは感染症抗原であるか、あるいは感染症抗原に由来する抗原である。いくつかの実施形態において、組換え核酸分子、発現カセット、および/または発現ベクターによってコードされるポリペプチドは感染症抗原である。いくつかの実施形態において、組換え核酸分子、発現カセット、および/または発現ベクターによってコードされるポリペプチドは感染症抗原に由来する。
本発明の他の実施形態において、抗原はヒトまたは動物病原体に由来する。病原体は、所望により、ウイルス、細菌、真菌、または原生動物である。例えば、抗原はウイルスまたは真菌または細菌抗原であり得る。1つの実施形態において、該病原体に由来する組換え核酸分子、発現カセット、および/または発現ベクターによってコードされる抗原は、病原体によって生産されるタンパク質であるか、あるいは病原体によって生産されるタンパク質に由来する。例えば、いくつかの実施形態において、組換え核酸分子、発現カセット、および/または発現ベクターによってコードされるポリペプチドは病原体によって生産されるタンパク質のフラグメントおよび/または変種である。
例えば、いくつかの実施形態において、抗原は(gp120、gp160、gp41、p24gagおよびp55gagのようなgag抗原、ならびにHIVのpol、env、tat、vif、rev、nef、vpr、vpuおよびLTR領域に由来するタンパク質のような)ヒト免疫不全ウイルス、ネコ免疫不全ウイルス、またはヒトまたは動物ヘルペスウイルスに由来する。例えば、いくつかの実施形態において、抗原はgp120である。1つの実施形態において、抗原は(gD、gB、gH、ICP27のごとき即時型タンパク質のような)単純疱疹ウイルス(HSV)タイプ1および2、(gBおよびgHのような)サイトメガロウイルス、メタニューモウイルス、エプスタイン−バールウイルス、または(gpI、IIまたはIIIのような)帯状水痘ウイルスに由来する(例えば、Chee et al.(1990) Cytomegaloviruses(J.K.McDougall編、 Springer Verlag、pp.125−169;McGeoch et al.(1988) J.Gen.Virol.69:1531−1574;米国特許第5、171、568号;Baer et al.(1984) Nature 310:207−211;およびDavidson et al.(1986) J.Gen.Virol.67:1759−1816参照)。
もう1つの実施形態において、抗原はB型関連ウイルス(例えば、B型肝炎表面抗原)、A型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、デルタ肝炎ウイルス、E型肝炎ウイルス、またはG型肝炎ウイルスのような肝炎ウイルスに由来する。例えば、WO 89/04669;WO 90/11089;およびWO 90/14436参照。該肝炎抗原は表面、コア、または他の関連抗原であり得る。HCVゲノムはE1およびE2を含めたいくつかのウイルスタンパク質をコードする。例えば、Houghton et al.、 Hepatology 14:381−388(1991)参照。
ウイルス抗原である抗原は、所望により、科Picornaviridae(例えば、ポリオウイルス、リノウイルス等);Caliciviridae;Togaviridae(例えば、ルベラウイルス、デングウイルス等);Flaviviridae;Coronaviridae;Reoviridae(例えば、ロタウイルス等);Birnaviridae;Rhabodoviridae(例えば、狂犬病ウイルス等);Orthomyxoviridae(例えば、インフルエンザウイルスタイプA、BおよびC等);Filoviridae;Paramyxoviridae(例えば、流行性耳下腺炎ウイルス、麻疹ウイルス、呼吸系シンチシウムウイルス、パラインフルエンザウイルス等);Bunyaviridae;Arenaviridae;限定されるものではないが、単離体HIVI11b、HIVSF2、HTVLAV、HIVLAI、HIVMNからの抗原を含めたRetroviriadae((HTLV−111、LAV、ARV、hTLR等としても知られた)HTLV−1;HTLV−11;HIV−1);HIV−1CM235、HIV−1;とりわけHIV−2;シミアン免疫不全ウイルス(SIV));Papillomavirus、マダニで生じた脳炎ウイルス等のいずれか1つに由来するウイルスに由来する。例えば、これらのおよび他のウイルスの記載については、Virology、 第3版(W.K.Joklik編、1988);Fundamental Virology、 第3版(B.N.Fields、 D.M.Knipe and P.M.Howley編、1996)参照。1つの実施形態において、抗原はFlu−HA(Morgan et al.、 J.Immunol.160:643(1998))である。
いくつかの別の実施形態において、抗原はMycobacterium、Bacillus、Yersinia、Salmonella、Neisseria、Borrelia(例えば、OspAまたはOspBまたはその誘導体)、Chlamydia、またはBordetella(例えば、P.69、PTおよびFHA)、のような細菌病原体に由来するか、またはプラスモジウムまたはトキソプラズマのような寄生虫に由来する。1つの実施形態において、抗原はMycobacterium tuberculosis(例えば、ESAT−6、85A、85B、85C、72F)、Bacillus anthracis(例えば、PA)、またはYersinia pestis(例えば、F1、V)に由来する。加えて、本発明で用いる適当な抗原は、限定されるものではないが、ジフテリア、百日咳、破傷風、結核、細菌または真菌肺炎、中耳炎、淋病、コレラ、チフス、髄膜炎、単核細胞症、プラーク、細菌性赤痢またはサルモネラ症、レギオナーレ病、ライム病、らい病、マラリア、鉤虫症、オンコセルカ症、住血吸虫症、トリパノソーマ症、リーシュマニア症、ジアルジア症、アメーバ症、フィラリア症、ボレリア症および旋毛虫症を含めた障害を担う公知の原因体から得られるか、またはそれに由来し得る。なおさらなる抗原はクール、クロイツフェルト−ヤコブ病(CJD)、スクラピー、ミンクの伝染性脳症、および慢性るいそう病のような非慣用的病原体、あるいは狂牛病に関連するプリオンのようなタンパク質性感染性粒子から得られることができるか、またはそれに由来し得る。
さらに他の実施形態において、抗原は(アルツハイマー病のような)神経変性病、(I型糖尿病のような)代謝病、(ニコチン中毒のような)薬物中毒の開始または進行に関与する生物学的剤から得られるかまたはそれに由来する。別法として、組換え核酸分子によってコードされる抗原は疼痛管理で用いられ、抗原は疼痛受容体、または疼痛シグナルの伝播に関与する他の剤である。
いくつかの実施形態において、抗原はヒトタンパク質であるか、またはヒトタンパク質に由来する。他の実施形態において、抗原は非ヒトタンパク質であるか、または非ヒトタンパク質(そのフラグメントおよび/または変種)に由来する。いくつかの実施形態において、発現カセットによってコードされる融合タンパク質の抗原部分は非ヒト動物からのタンパク質であるか、あるいは非ヒト動物に由来するタンパク質である。例えば、たとえ抗原がヒトで用いるべきListeriaベースのワクチンで発現させるべきであっても、いくつかの実施形態においては、抗原はネズミメソセリンであり得るか、あるいはネズミメソセリンに由来し得る。
(V.コドン最適化)
いくつかの実施形態において、組換え核酸分子、発現カセットおよび/または発現ベクター内のポリヌクレオチドの1以上(すなわち、ポリヌクレオチド配列)は、(天然コード配列に対して)、コドン最適化される。いくつかの実施形態において、シグナルペプチドをコードする本明細書中に記載された組換え核酸分子(および/または発現カセットおよび/または発現ベクター)におけるポリヌクレオチドは細菌において発現につきコドン最適化される。いくつかの実施形態において、抗原または他の治療タンパク質のような、シグナルペプチド以外のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドは細菌において発現につきコドン最適化される。いくつかの実施形態において、シグナルペプチドをコードするポリヌクレオチドおよび該シグナルペプチドに融合したもう1つのポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの双方は細菌において発現につきコドン最適化される。いくつかの実施形態において、スカフォールドとして用いられる分泌されたタンパク質(またはそのフラグメント)をコードするポリヌクレオチド、または自己溶解素(またはそのフラグメントまたは変種)をコードするポリヌクレオチドはコドン最適化される。
コード配列を含むポリヌクレオチドは、もしポリヌクレオチドの天然コード配列の少なくとも1つのコドンが、天然コード配列の元のコドンよりも、コード配列を発現させるべき生物(「標的生物」)によってより頻繁に用いられるコドンで置き換えられたならば、「コドン最適化」されている。例えば、もし天然細菌ポリヌクレオチド配列からのコドンの少なくとも1つが、非細菌抗原を発現させるべき細菌のその特定の種において優先的に発現されるコドンで置き換えられたならば、細菌の特定の種で発現させるべき非細菌抗原をコードするポリヌクレオチドはコドン最適化されている。もう1つの例として、もしポリヌクレオチド配列における少なくとも1つのコドンが、元のヒト配列におけるコドンよりもアミノ酸につきListeria monocytogenesによってより頻繁に使用されるコドンに置き換えられていたならば、組換えListeria monocytogenesにおける発現カセットの一部となるヒト癌抗原をコードするポリヌクレオチドはコドン最適化されている。同様に、もしシグナルペプチドをコードするポリヌクレオチド配列における少なくとも1つのコドンが元の(天然)配列におけるコドンよりもそのアミノ酸につきListeria monocytogenesによってより頻繁に用いられるコドンで置き換えられているならば、組換えListeria monocytogenesにおけるヒト癌抗原を含む融合タンパク質をコードする発現カセットの一部となる(L.monocytogenesからのLLOシグナルペプチドのような)Listeria monocytogenesに対して天然であるシグナルペプチドをコードするポリヌクレオチドはコドン最適化されている。いくつかの実施形態において、コドン最適化配列において置き換えられた少なくとも1つのコドンは、同一アミノ酸をコードする標的生物によって最も頻繁に用いられるコドンで置き換えられている。
いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドの天然コード配列の少なくとも2つのコドンは、天然コード配列の元のコドンよりも、コード配列を発現させるべき生物によってより頻繁に用いられるコドンで置き換えられている。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドの天然コード配列の少なくとも約5つのコドン、少なくとも約10のコドン、または少なくとも約20のコドンは、天然コード配列の元のコドンよりも、コード配列を発現させるべき生物によってより頻繁に用いられるコドンによって置き換えられている。
いくつかの実施形態において、コドン最適化されたポリヌクレオチドにおけるコドンの少なくとも約10%は(天然の配列の元のコドンよりも)標的生物によってより頻繁に(最も頻繁に)用いられるコドンで置き換えられている。他の実施形態において、コドン最適化されたポリヌクレオチドにおけるコドンの少なくとも約25%は、標的生物によってより頻繁に(または最も頻繁に)用いられるコドンで置き換えられている。他の実施形態において、コドン最適化されたポリヌクレオチドにおけるコドンの少なくとも約50%は標的生物によってより頻繁に用いられる(または最も頻繁に用いられる)コドンで置き換えられている。なお他の実施形態において、コドン最適化されたポリヌクレオチドにおけるコドンの少なくとも約75%は標的生物によってより頻繁に用いられる(または最も頻繁に用いられる)コドンによって置き換えられている。
異なる生物のコドン優先性は当業者によって広く調べられてきた。例えば、Sharp et al., Nucleic Acids Res.、15:1281−95(1987)およびUchijima et al., The Jounal of Immunology、161:5594−9(1998)参照。結果として、コドン用法の表は広く種々の生物について公に入手可能である。例えば、コドン用法の表は広く種々の生物について、www.kazusa.or.jp/codon/にてインターネットにおいて、ならびに他の公に利用できるサイトで見出すことができる(例えば、Nakamura et al.(2000)Nucleic Acids Research 28:292.参照)。www.kazusa.or.jp/codon/からの例示的コドン用法の表Listeria monocytogenesについてのコドン用法の表(http://www.kazusa.or.jp/codon/cgi―bin/showcodon.cgi?species=Listeria+monocytogenes+[gbbct])は表2Aにて便宜のために下に再現する。Bacillus anthracis、Mycobacterium toberculosis、Salmonella typhimurium、Mycobacterium bovis BCG、およびShigella flexneriについての例示的コドン用法の表は、各々、以下の表2B、2C、2D、2Eおよび2Fに掲げる。
Figure 0005532280
Figure 0005532280
Figure 0005532280
Figure 0005532280
本発明のいくつかの実施形態において、コドン最適化コード配列における少なくとも約10%、少なくとも約25%、少なくとも約50%、または少なくとも約75%は、標的生物で用いるそのアミノ酸についての最も好ましいコドンである。他の実施形態において、コドン最適化コード配列におけるコドンの100%は標的生物におけるそのアミノ酸についての最も好ましいコドンである(すなわち、該配列は「十分にコドン最適化されている」)。例えば、以下に示す実施例において、コドン最適化されたとして特徴づけられる配列のコドンの全ては標的生物についての最も頻繁に用いられるコドンであった;しかしながら、元の(天然の)配列よりも頻繁に用いられるコドンをもたらすいずれのコドン置換も「コドン最適化された」と考えることができる。以下の表3は、各アミノ酸についてのListeria monocytogenesにおける最適なコドン用法を示す。
Figure 0005532280
いくつかの実施形態において、コドン最適化されたポリヌクレオチドはシグナルペプチドをコードする。いくつかの実施形態において、シグナルペプチドは、それに対して配列がコドン最適化された細菌に対して外来性である。他の実施形態において、シグナルペプチドは、それに対して配列がコドン最適化された細菌に対して天然である。例えば、いくつかの実施形態において、コドン最適化ポリヌクレオチドはListeria monocytogenesからのLLOシグナルペプチド、Lactococcus lactisからのUsp45シグナルペプチド、Bacillus anthracisからの保護抗原シグナルペプチド、Listeria monocytogenesからのp60シグナルペプチド、およびB.subtilis TatシグナルペプチドからのPhoDシグナルペプチドからなる群より選択されるシグナルペプチドをコードする。いくつかの実施形態において、コドン最適化されたポリヌクレオチドは、Bacillus anthracisからの保護抗原シグナルペプチド以外のシグナルペプチドをコードする。いくつかの実施形態において、シグナルペプチドをコードするポリヌクレオチドはListeria monocytogenesにおける発現につきコドン最適化されている。
いくつかの実施形態において、コドン最適化されたポリヌクレオチドは、それに対してポリヌクレオチド配列がコドン最適化された細菌に対して外来性である(非シグナルペプチド)タンパク質をコードする。いくつかの実施形態において、コドン最適化ポリヌクレオチドは抗原を含むポリペプチドをコードする。例えば、いくつかの実施形態において、コドン最適化ポリヌクレオチドは、腫瘍関連抗原である抗原、あるいは腫瘍関連抗原に由来する抗原を含むポリペプチドをコードする。
いくつかの実施形態において、シグナルペプチドおよび/または他のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドのコドン最適化は、コドン最適化無しの対応するポリヌクレオチドに対して、細菌におけるシグナルペプチドおよび/または他のポリペプチドを含む(組換え核酸分子、発現カセット、または発現ベクターによってコードされる融合タンパク質、タンパク質キメラおよび/または外来性ポリペプチドのような)ポリペプチドの発現を増強させる。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドのコドン最適化は(コドン最適化無しの対応するポリヌクレオチドに対して)少なくとも約2倍だけ、少なくとも約5倍だけ、少なくとも約10倍だけ、または少なくとも約20倍だけ発現を増強させる。いくつかの実施形態において、シグナルペプチドおよび/または他のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドのコドン最適化は、コドン最適化無しの対応するポリヌクレオチドに対して、細菌からのシグナルペプチドおよび/または他のポリペプチドを含む(融合タンパク質、タンパク質キメラおよび/または外来性ポリペプチドのような)ポリペプチドの分泌を増強する。いくつかの実施形態において、コドン最適化は(コドン最適化無しの対応するポリヌクレオチドに対して)少なくとも約2倍だけ、少なくとも約5倍だけ、少なくとも約10倍だけ、または少なくとも約20倍だけ分泌を増強させる。いくつかの実施形態において、発現および分泌のレベルの双方が増強される。発現および/または分泌のレベルは、種々の関連細菌培養画分のウェスタンブロットのような当業者に標準的な技術を用いて容易に評価することができる。
(VI.発現カセット)
また、発現カセットが本発明によって提供される。例えば、いくつかの実施形態において、本発明は、本明細書中に記載された組換え核酸分子のいずれかを含み、該組換え核酸分子中のコード配列(例えば、シグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチドおよび他のポリペプチドをコードする第二のポリヌクレオチド)に作動可能に連結されたプロモーター配列をさらに含む発現カセットを提供する。いくつかの実施形態において、発現カセットは、単離される。いくつかの他の実施形態において、発現カセットは発現ベクター内に含有され、これは単離することができるか、あるいは細菌内に含有させることができる。なおさらなる実施形態において、発現カセットは細菌の染色体DNAに位置する。例えば、いくつかの実施形態において、発現カセットは細菌のゲノム内に組み込まれている。いくつかの実施形態において、細菌のゲノム内に組み込まれた発現カセットはゲノムDNAからの1以上のエレメントを含む。例えば、いくつかの実施形態において、組換え核酸分子は、該組換え核酸分子がゲノムDNAに既に存在するプロモーターに操作可能に連結され、それにより、ゲノムDNA内に組み込まれた新しい発現カセットを生じるように、(例えば、部位特異的組み込みまたは相同組換えを介して)細菌のゲノムDNA中の部位に挿入される。いくつかの他の実施形態において、発現カセットは、プロモーターおよび組換え核酸分子を共に含む無傷ユニットとして、(例えば、部位特異的組み込みまたは相同組換えを介して)ゲノムDNAに組み込まれる。
いくつかの実施形態において、発現カセットは、細菌中のポリペプチドの発現のために設計される。いくつかの実施形態において、発現カセットは、細菌中の異種抗原のような異種ポリペプチドの発現のために設計される。いくつかの実施形態において、発現カセットはポリペプチドの増強された発現および/または分泌を提供する。
一般に、発現カセットは以下の順序のエレメント:(1)プロモーターおよび(2)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。いくつかの実施形態において、発現カセットは以下のエレメント:(1)プロモーター;(2)シグナルペプチドをコードするポリヌクレオチド;および(3)ポリペプチド(例えば、異種タンパク質)をコードするポリヌクレオチドを含む。さらに他の実施形態において、発現カセットは以下のエレメント:(1)原核生物プロモーター;(2)シャイン−ダルガルノ配列;(3)シグナルペプチドをコードするポリヌクレオチド;および(4)(異種タンパク質のような)ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。
いくつかの実施形態において、発現ベクターは、異種ポリペプチドに関連する翻訳停止コドンのC−末端から下流に挿入された翻訳停止配列を含むこともできる。例えば、いくつかの実施形態において、翻訳停止配列は細菌染色体内での安定な組み込みのために設計された構築体において用いることができる。必要とされるものではないが、異種遺伝子発現カセットにおける最終の順番のエレメントとしての翻訳停止配列を含めると、リード−スルー転写による隣接遺伝子の発現の調節に対する極性効果を防止することができる。従って、いくつかの実施形態において、rho依存性またはrho−非依存性転写停止いずれかを促進する当業者に知られた適当な配列エレメントを異種タンパク質発現カセットに入れることができる。
1つの態様において、本発明は以下の:(a)シグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド、ここに、該第一のポリヌクレオチドは細菌における発現に対してコドン最適化されており;(b)ポリペプチドをコードする第二のポリヌクレオチド、ここに、該第二のポリヌクレオチドは第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあり;および(c)発現カセットがシグナルペプチドおよびポリペプチドを含む融合タンパク質をコードするように、第一および第二のポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーターを含む発現カセットを提供する。
もう1つの態様において、本発明は(a)細菌に対して天然であるシグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド、ここに、該第一のポリヌクレオチドは細菌において発現につきコドン最適化されており、(b)ポリペプチドをコードする第二のポリヌクレオチド、ここに、該第二のポリヌクレオチドは第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあり、および(c)発現カセットの第一および第二のポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーターを含む発現カセットを提供し、ここに、該組換え核酸分子はシグナルペプチドおよびポリペプチドを含む融合タンパク質をコードする。いくつかの実施形態において、第二のポリヌクレオチドによってコードされたポリペプチドはシグナルペプチドに対して異種である。いくつかの実施形態において、第二のポリヌクレオチドは第一のポリヌクレオチドに対して異種である。いくつかの実施形態において、ポリペプチドは、それに対してシグナルペプチドが天然である細菌に対して異種である(すなわち、細菌に対して外来性である)。いくつかの実施形態において、それからシグナルペプチドが由来する細菌は細胞内細菌である。いくつかの実施形態において、細菌はListeria、Bacillus、Yersinia pestis、Salmonella、Shigella、Brucella、マイクバクテリアおよびE.coliからなる群より選択される。いくつかの実施形態において、細菌はListeria細菌(例えば、Listeria monocytogenes)である。いくつかの実施形態において、第二のポリヌクレオチドは細菌において発現につきコドン最適化されている。
もう1つの態様において、本発明は発現カセットを提供し、ここに、該発現カセットは(a)シグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド、ここに、該第一のポリヌクレオチドはListeria細菌において発現につきコドン最適化されており、(b)ポリペプチドをコードする第二のポリヌクレオチド、ここに、該第二のポリヌクレオチドは第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあり、および(c)発現カセットの第一および第二のポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーターを含み、ここに、該組換え核酸分子はシグナルペプチドおよびポリペプチドを含む融合タンパク質をコードする。いくつかの実施形態において、発現カセットはポリシストロニック発現カセットである。いくつかの実施形態において、第二のポリヌクレオチドはListeria細菌において発現につき、コード最適化されている。いくつかの実施形態において、第二のポリヌクレオチドによってコードされたポリペプチドはListeria細菌に対して外来性である(すなわち、Listeria細菌に対して異種である)。いくつかの実施形態において、第二のポリヌクレオチドによってコードされたポリペプチドはシグナルペプチドに対して異種である。いくつかの実施形態において、発現カセットは1を超えるプロモーターを含む。
もう1つの態様において、本発明は(a)非secA1細菌シグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド;(b)第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあるポリペプチドをコードする第二のポリヌクレオチド;および(c)当該発現カセットが該シグナルペプチドおよび該ポリペプチドを含む融合タンパク質をコードするように、第一および第二のポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーターを含む発現カセットを提供する。いくつかの実施形態において、第一のポリヌクレオチドおよび/または第二のポリヌクレオチドは、Listeria、Bacillus、Yersinia pestis、Salmonella、Shigella、Brucella、マイクバクテリアまたはE.coliのような細菌において発現につきコドン最適化されている。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドはListeria monocytogenesのようなListeriaにおいて発現につきコドン最適化されている。いくつかの実施形態において、コドン最適化された第一のポリヌクレオチドによってコードされたシグナルペプチドは、それに対してそれがコドン最適化されている細菌に対して天然である。いくつかの実施形態において、シグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチドは第二のポリヌクレオチドに対して異種である。いくつかの実施形態において、第二のポリヌクレオチドによってコードされたポリペプチドはシグナルペプチドに対して異種である。いくつかの実施形態において、発現カセットはポリシストロニック発現カセットである。いくつかの実施形態において、第一のポリヌクレオチド、第二のポリヌクレオチド、または第一および第二の双方のポリヌクレオチドはListeria細菌(例えば、Listeria monocytogenes)において発現につきコドン最適化されている。いくつかの実施形態において、第一および第二のポリヌクレオチドは相互に対して異種である。いくつかの実施形態において、第二のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチド、およびシグナルペプチドは相互に対して異種である。いくつかの実施形態において、第二のポリヌクレオチドによってコードされたポリペプチドはListeria細菌に対して外来性である(すなわち、Listeria細菌に対して異種である)。いくつかの実施形態において、発現カセットは1を超えるプロモーターを含む。
また、本発明は以下の:(a)Listeriaに対して外来性であるポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、ここに、該ポリヌクレオチドはListeriaにおいて発現につきコドン最適化されており;および(b)外来性ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーターを含む発現カセットを提供する。いくつかの実施形態において、発現カセットによってコードされたポリペプチドは抗原である(例えば、前記したいくつかの可能な抗原の記載を参照されたし)。いくつかの実施形態において、発現カセットは、さらに、シグナルペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。シグナルペプチドをコードするポリヌクレオチドは、発現カセットが外来性ポリペプチドおよびシグナルペプチドを共に含む融合タンパク質を発現するようにプロモーターにやはり操作可能に連結されている。発現カセットで用いるのに適したシグナルペプチドをコードするポリヌクレオチドは、限定されるものではないが、前記したものを含む。いくつかの実施形態において、発現カセットに含まれるシグナルペプチドをコードするポリヌクレオチドは、前記したように、Listeria(例えば、L.monocytogenes細菌)のような細菌において発現につきコドン最適化されている。
また、本発明は以下の:(a)非Listerialシグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド;(b)第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあるポリペプチドをコードする第二のポリヌクレオチド;および(c)第一および第二の双方のポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーターを含む発現カセットを提供し、ここに、該発現カセットは非Listerialシグナルペプチドおよびポリペプチド双方を含む融合タンパク質をコードする。いくつかの実施形態において、発現カセットはポリシストロニック発現カセットである。いくつかの実施形態において、第一のポリヌクレオチド、第二のポリヌクレオチド、または第一および第二の双方のポリヌクレオチドはListeria(例えば、Listeria monocytogenes)において発現につきコドン最適化されている。いくつかの実施形態において、第一および第二のポリヌクレオチドは相互に対して異種である。いくつかの実施形態において、第二のポリヌクレオチドによってコードされたポリペプチド、およびシグナルペプチドは相互に対して異種である。いくつかの実施形態において、第二のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドはListeria細菌に対して外来性である(すなわち、Listeria細菌に対して異種である)。いくつかの実施形態において、発現カセットは1を超えるプロモーターを含む。
本発明は、さらに、発現カセットを提供し、ここに、該発現カセットは(a)細菌自己溶解素、またはその触媒的に活性なフラグメントまたは触媒的に活性な変種;および(b)ポリペプチドをコードする第二のポリヌクレオチド、ここに、該第二のポリヌクレオチドは第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあり、および(c)第一および第二のポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーターを含み、ここに、該発現カセットは第二のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチド、および自己溶解素、またはその触媒的に活性なフラグメントまたは触媒的に活性な変種を含むタンパク質キメラをコードし、ここに、該タンパク質キメラにおいては、ポリペプチドは自己溶解素、またはその触媒的に活性なフラグメントまたは触媒的に活性な変種に融合しているか、あるいは自己溶解素、またはその触媒的に活性なフラグメントまたは触媒的に活性な変種内に挿入される。いくつかの実施形態において、タンパク質キメラは自己溶解素として触媒的に活性である。いくつかの実施形態において、ポリペプチドは自己溶解素に対して異種である。いくつかの実施形態において、細菌自己溶解素が細胞内細菌(例えば、Listeria)からのものである。いくつかの実施形態において、ポリペプチドをコードする第二のポリヌクレオチドは自己溶解素、またはその触媒的に活性なフラグメントまたは触媒的に活性な変種をコードする第一のポリヌクレオチド内に挿入され、発現カセットは、ポリペプチドが自己溶解素、またはその触媒的に活性なフラグメントまたは触媒的に活性な変種内に挿入されたタンパク質キメラをコードする(すなわち、ポリペプチドは自己溶解素、またはその触媒的に活性なフラグメントまたは触媒的に活性な変種内に埋められている)。別の実施形態において、第二のポリヌクレオチドは自己溶解素、またはその触媒的に活性なフラグメントまたは触媒的に活性な変種をコードする第一のポリヌクレオチドの外側に位置し、発現カセットは、ポリペプチドが自己溶解素、またはその触媒的に活性なフラグメントまたは触媒的に活性な変種に融合したタンパク質キメラをコードする。いくつかの実施形態において、ポリペプチドは自己溶解素に対して異種である。いくつかの実施形態において、第一のポリヌクレオチドおよび第二のポリヌクレオチドは相互に対して異種である。いくつかの実施形態において、自己溶解素はSecA2依存性自己溶解素である。いくつかの実施形態において、自己溶解素はペプチドグリカンヒドロラーゼ(例えば、N−アセチルムラミダーゼまたはp60)である。いくつかの実施形態において、発現カセットは、さらに、シグナルペプチド(例えば、自己溶解素と通常は会合したシグナルペプチド、またはシグナルペプチドに対して異種であるシグナルペプチド)をコードするポリヌクレオチドを含む。例えば、いくつかの実施形態において、発現カセットは、p60配列内に埋められた、p60シグナルペプチド、p60タンパク質(またはその触媒的に活性なフラグメントまたは触媒的に活性な変種)、およびp60に対して異種であるポリペプチドを含むタンパク質キメラをコードする。いくつかの実施形態において、第二のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドは非Listerialポリペプチドである。
もう1つの態様において、本発明は(a)シグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド、(b)分泌されたタンパク質、またはそのフラグメントをコードする第二のポリヌクレオチド、ここに、該第二のポリヌクレオチドは第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあり、(c)該分泌されたタンパク質、またはそのフラグメントに対して異種であるポリペプチドをコードする第三のポリヌクレオチド、ここに、該第三のポリヌクレオチドは第一および第二のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあり、および(d)第一、第二および第三のポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーターを含む発現カセットを提供し、ここに、該組換え核酸分子はシグナルペプチド、第二のポリヌクレオチドによってコードされたポリペプチド、および分泌されたタンパク質、またはそのフラグメントを含むタンパク質キメラをコードし、ここに、第三のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドは分泌されたタンパク質、またはそのフラグメントに融合されているか、あるいはタンパク質キメラにおいて分泌されたタンパク質、またはそのフラグメント内に位置する。
いくつかの実施形態において、本明細書中に記載された発現カセット(または本明細書中に記載された組換え核酸分子)中のプロモーターは原核生物プロモーターである。例えば、原核生物プロモーターはListerialプロモーターであり得る。いくつかの実施形態において、Listerialプロモーターはhlyプロモーターである。いくつかの実施形態において、プロモーターはprfA依存性プロモーター(例えば、actAプロモーター)である。いくつかの実施形態において、プロモーターは構成的プロモーター(例えば、p60プロモーター)である。いくつかの実施形態において、本明細書中に記載された組換え核酸分子を含む発現カセットは、組換え核酸分子のポリヌクレオチドに作動可能に連結されたhly、actA、またはp60プロモーターを含む。当業者であれば、発現カセット、および発現カセットを入れる宿主細菌の意図した使用に鑑みて、発現カセットに用いるのに適したさらなる原核生物および/またはListerialプロモーターを容易に同定することができるであろう。
例えば、マイクバクテリアおよび他の細菌内で組換え発現カセットにおいて用いるのに適した種々のマイクバクテリアプロモーターが公知である。これらはMycobacterium bovis BCGプロモーターHSP60およびHSP70を含み、また、マイコバクチンプロモーター、α−抗原プロモーター、およびM.tuverculosisおよびBCGの45KDa抗原プロモーター、スーパーオキシドジスムターゼプロモーター、MBP−70、マイコバクテリアasdプロモーター、マイコバクテリア14kDaおよび12kDa抗原プロモーター、Bxb1、Bxb2、およびBxb3プロモーターのようなマイコバクテリアファージプロモーター、L1およびL5プロモーター、D29プロモーターおよびTM4プロモーターのようなプロモーターを含む(例えば、米国特許第6、566、121号参照)。Bacillus anthracisで用いるのに適したプロモーターは、限定されるものではないが、pagAプロモーター、アルファ−アミダーゼプロモーター(Pamy)、およびPntrを含む(例えば、Gat et al.、 Infect.Immun.、71;801−13(2003)参照)。組換えSalmonella発現カセットおよびワクチンで用いるのに適したプロモーターも公知であり、nirBプロモーター、osmCプロモーター、P(pagC)、およびP(tac)を含む(例えば、Bumann,Infect.Immun.69:7493−500(2001);Wang et al., Vaccine、 17:1−12(1999);McSorley et al., Infect.Immun.65:171−8(1997)参照)。種々のE.coliプロモーターも当業者に知られている。
いくつかの実施形態において、本明細書中に記載された発現カセットで用いるプロモーターは構成的プロモーターである。他の実施形態において、本明細書中で記載された発現カセットで用いるプロモーターは誘導性プロモーターである。誘導性プロモーターは、発現カセットがそこで用いられるべき細菌に対して内因性である分子(例えば、タンパク質)によって誘導することができる。別法として、誘導性プロモーターは、そこで発現カセットが用いられるべき細菌に対して異種である分子(例えば、小分子またはタンパク質)によって誘導され得る。種々の誘導性プロモーターが当業者に良く知られている。
発現カセットのいくつかの実施形態において、プロモーターの3’−末端はポリ−プリンシャイン−ダルガルノ配列、異種遺伝子RNA転写体に対する(16S rRNAを介する)30Sリボソーンサブユニットの従事、および翻訳の開始に必要なエレメントである。シャイン−ダルガルノ配列は典型的には以下のコンセンサス配列:
Figure 0005532280
を有する。ポリ−プリンシャイン−ダルガルノ配列の変形がある。注目すべきことには、リステロリシンO(LLO)をコードするListeria hly遺伝子は以下のシャイン−ダルガルノ配列:
Figure 0005532280
を有する(シャイン−ダルガルノ配列には下線を施し、翻訳停止コドンは太文字とする)。
細菌で用いられる発現カセットの構築、および組換え細菌ワクチンで特異的に用いられる発現カセットの構築でさえ当該分野で知られている。例えば、種々の細菌発現カセットおよび/または組換え細菌ワクチンの生産および使用の記載は、ここに引用してその各々をその全体を援用する以下の文献に見出すことができる:Horwitz et al., Proc.Natl.Acad.Sci.USA、 97:13853−8(2000);Garmory et al., J.Drug Target、 11:471−9(2003);Kang et al., FEAS Immunol.Med.Microbiol.、37:99−104(2003);Garmory et al., Vaccine、 21:3051−7(2003):Kang et al., Infect.Immun.、1739−49(2002);Russman、 et al., J.Immunol.、167:357−65(2001);Harth et al., Microbiology、 150:2143−51(2004);Varaldo et al., Infect.Immun.、72:3336−43(2004);Goonetilleke et al., J.Immunol.、171:1602−9(2003);Uno−Furuta et al., Vaccine、 21:3149−56(2003);Biet et al., Infect.Immun.、71:2933−7(2003);Bao et al., Infect.Immun.、71:1656−61(2003);Kawahara et al., Clin.Immunol.、105:326−31(2002);Anderson et al., Vaccine、 18:2193−202(2000);Bumann、 Infect.Immun.、69:7493−500(2001);Wang et al., Vaccine、 17:1−12(1999);McSorley et al., Infect.Immun.、65:171−8(1997);Gat et al., Infect.Immun.、71:801−13(2003);米国特許第5、504、005号;米国特許第5、830、702号;米国特許第6、051、237号;米国特許公開番号2002/0025323;米国特許公開番号2003/0202985;WO 04/062597;米国特許第6、566、121号;および米国特許第6、270、776号。
いくつかの実施形態において、異種コード配列のビシストロニック、(マルチシストロニックとしても知られた)ポリシストロニック発現を利用する発現カセットを構築するのが望ましい。そのような発現カセットは、例えば、2以上の独立したコード配列に操作可能に連結した単一プロモーターを利用することができる。これらのコード配列は、例えば、個々の遺伝子に対応させることができるか、あるいは別法として、全設計された遺伝子の望まれるおよび/または選択されたサブ−フラグメントに対応することができる。この後者の例において、遺伝子は、Listeriaからの効果的な分泌を潜在的に阻害し得る、疎水性膜貫通ドメインをコードする配列を含むであろう。かくして、疎水性ドメインからのこの遺伝子のコード配列を2つのサブ−フラグメントに分離するのが望ましいであろう;この場合、次いで、2つのサブ−フラグメントはビシストロニックメッセージとして発現される。ポリシストロニック発現の利用は、30sリボソームサブユニットが、第一のコード配列の翻訳停止および50sリボソームサブ−ユニットの放出、引き続いての、その間に50sリボソームサブ−ユニットはRNA−結合30sリボソームサブユニットに結合する次の開始コドンまでのRNAメッセージの「リード−スルー」、および翻訳の再開始に続いてポリシストロニックRNAメッセージにとどまることが必要である。
他の細菌のようにListeria monocytogenesはそのゲノムレパートリーのポリシストロニック発現を利用する。その例として、選択されたポリシストロニックメッセージからのListeria monocytogenes遺伝子間領域の配列を用いて、組換えListeria種からの選択された異種タンパク質の発現のためにポリシストロニック発現カセットを構築することができる。例えば、Listeria monocytogenesからのprfA依存性ビューレンス因子のいくつかがポリシストロニックメッセージから発現される。例えば、Listeria monocytogenes ActAおよびPlcBタンパク質はビシストロニックメッセージとして発現される。Listeria monocytogenes actA−plcB遺伝子間配列(5’−3’)に対応するDNA配列は以下に示す:
Figure 0005532280
(plcBの翻訳開始のためのシャイン−ダルガルノ配列を太文字で示す。配列の最初の3つのヌクレオチドはOchre停止コドンに対応する)。ビシストロニック発現ベクター、Listeria monocytogenesで用いられるビシストロニックhEphA2発現ベクターの非限定的例については、以下の実施例28参照。
別法として、他の公知の遺伝子間または合成配列を用いて、Listeriaまたは他の細菌で用いられるポリシストロニック発現カセットを構築することができる。実質的2次RNA構造に導く遺伝子間領域の構築を妨げて、rho−非依存性メカニズムによる望まない転写停止を回避すべきである。
重要なことには、もしポリシストロニックメッセージから発現されたいずれかのまたは全ての翻訳されたタンパク質の分泌が望まれるのであれば、シグナルペプチドは各コーディング領域に機能的に連結されなければならない。いくつかの実施形態において、これらのシグナルペプチドは相互に異なる。
かくして、いくつかの実施形態において、Listeriaまたは他の細菌で用いられる本明細書中に記載された発現カセットはポリシストロニック(例えば、ビシストロニック)である。2以上のポリペプチドが、区別されるポリペプチドとしてビシストロニックまたはポリシストロニック発現カセットによってコードされる。いくつかの実施形態において、ビシストロニックまたはポリシストロニック発現カセットは、2つのポリペプチドのコード配列の間に位置した(例えば、ビシストロニックまたはポリシストロニック遺伝子から)遺伝子間配列を含む。いくつかの実施形態において、遺伝子間配列は、リボソーム進入および翻訳の開始を促進する配列を含む。いくつかの実施形態において、遺伝子間配列はシャイン−ダルガルノ配列を含む。いくつかの実施形態において、遺伝子間配列はListeria monocytogenes actA−plcB遺伝子間配列である。典型的には、遺伝子間配列は、第一のポリペプチド(または第一のポリペプチドおよびシグナルペプチドを含む第一の融合タンパク質)をコードするポリヌクレオチド配列、および第二のポリペプチド(または第二のポリペプチドおよびシグナルペプチドを含む第二の融合タンパク質)の間に位置する。
従って、1つの態様において、本発明は以下の:(a)第一のポリペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド;(b)第二のポリペプチドをコードする第二のポリヌクレオチド;(c)第一および第二のポリヌクレオチドの間に位置した遺伝子間配列;および(f)第一および第二のポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーターを含む発現カセットを提供し、ここに、該発現カセットは2つの区別されるポリペプチドとしての第一および第二のポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態において、第一および第二のポリペプチドは(例えば、前記セクションIVにおいて)本明細書中に記載されたポリペプチドのいずれかから選択されたポリペプチドである。いくつかの実施形態において、第一および第二のポリペプチドの少なくとも1つは抗原を含む。いくつかの実施形態において、第一および第二のポリヌクレオチドは、各々、同一抗原の(異なるまたは同一)フラグメントを含む。いくつかの実施形態において、抗原は腫瘍関連抗原であるか、あるいは腫瘍関連抗原に由来する。
本発明の、さらに、以下の:(a)第一のシグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド;(b)第一の(非シグナル)ポリペプチドをコードする第二のポリヌクレオチド、ここに、該第二のポリヌクレオチドが第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあり;(c)第二のシグナルペプチドをコードする第三のポリヌクレオチド;(d)第二の(非シグナル)ポリペプチドをコードする第四のポリヌクレオチド、ここに、該第四のポリヌクレオチドが第三のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあり;(e)(典型的には、第二のポリヌクレオチドおよび第三のポリヌクレオチドの間に位置した)遺伝子間配列;および(f)当該発現カセットが第一のシグナルペプチドおよび第一のポリペプチドを含む第一の融合タンパク質、および第二のシグナルペプチドおよび第二のポリペプチドを含む第二の融合タンパク質を共にコードするように、第一のポリヌクレオチド、第二のポリヌクレオチド、第三のポリヌクレオチド、および第四のポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーターを含む発現カセットを提供する。いくつかの実施形態において、シグナルペプチドをコードするポリヌクレオチドの1以上は細菌において発現につきコドン最適化されている。いくつかの実施形態において、第三および/または第四のポリヌクレオチドは(好ましくは、シグナルペプチドをコードするポリヌクレオチドのコドン最適化に加えて)細菌において発現につきコドン最適化されている。いくつかの実施形態において、第一および/または第二のシグナルペプチドが非secA1細菌シグナルペプチドである。いくつかの実施形態において、遺伝子間配列はListeria monocytogenes actA−plcB遺伝子間配列である。いくつかの実施形態において、第二および第三のポリペプチドは、抗原を含むポリペプチドのような(例えば、前記セクションIVにおいて)本明細書中において記載されたポリペプチドのいずれかから選択されるポリペプチドである。いくつかの実施形態において、第一および第二のポリペプチドが(例えば、前記セクションIVにおいて)本明細書中において記載されたポリペプチドのいずれかから選択されるポリペプチドである。いくつかの実施形態において、第一または第二のポリペプチドの少なくとも1つは抗原を含む。いくつかの実施形態において、第一および第二のポリヌクレオチドは、各々、同一抗原のフラグメントを含む。いくつかの実施形態において、抗原は腫瘍関連抗原であるか、あるいは腫瘍関連抗原に由来する。
例えば、本発明はListeriaにおける異種ポリペプチドの発現のためのポリシストロニック発現カセットを提供し、ここに、該発現カセットは少なくとも2つの区別される非Listerialポリペプチドをコードする。いくつかの実施形態において、ポリシストロニック発現カセットが、2つの区別される非Listerialポリペプチドをコードするビシストロニック発現カセットである。いくつかの実施形態において、発現カセットは以下の:(a)第一の非Listerialポリペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド;(b)第二の非Listerialポリペプチドをコードする第二のポリヌクレオチド;(c)第一および第二のポリヌクレオチドの間に位置した遺伝子間配列;および(d)第一および第二のポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーターを含み、ここに、該発現カセットは第一および第二のポリヌクレオチドを2つの区別されるポリペプチドとしてコードする。もし発現カセットが、3つのポリペプチドを区別されるポリペプチドとしてコードするポリシストロニック発現カセットであれば、発現カセットはプロモーターに作動可能に連結された第三のポリヌクレオチド、および第二および第三のポリヌクレオチドの間に位置した第二の遺伝子間配列を含むであろう。いくつかの実施形態において、非Listerialポリペプチドの少なくとも1つは抗原である。いくつかの実施形態において、非Listerialポリペプチドの少なくとも2つは各々、同一抗原のフラグメントを含む。
いくつかの実施形態において、発現カセットは以下の:(a)第一のシグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド;(b)第一の(非シグナル)非Listerialポリペプチドをコードする第二のポリヌクレオチド、ここに、該第二のポリヌクレオチドは第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあり;(c)第二のシグナルペプチドをコードする第三のポリヌクレオチド;(d)第二の(非シグナル)非Listerialポリペプチドをコードする第四のポリヌクレオチド、ここに、該第四のポリヌクレオチドは第三のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあり;(e)第二のポリヌクレオチドおよび第三のポリヌクレオチドの間に位置した遺伝子間配列;および(f)当該発現カセットが第一のシグナルペプチドおよび第二のポリペプチドを含む第一の融合タンパク質、および第二のシグナルペプチドおよび第二のポリペプチドを含む第二の融合タンパク質を共にコードするように、第一のポリヌクレオチド、第二のポリヌクレオチド、第三のポリヌクレオチド、および第四のポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーターを含む。いくつかの実施形態において、非Listerialポリペプチドの少なくとも1つは抗原である。いくつかの実施形態において、非Listerialポリペプチドの少なくとも2つは、各々、同一抗原のフラグメントである。
また、本発明は、組換え細菌(例えば、組換えListeria細菌)を生産するための本明細書中に記載された発現カセットのいずれかの使用方法も提供する。いくつかの実施形態において、組換え細菌を作成するための本明細書中に記載された発現カセットを用いる方法は、発現カセットを細菌に導入することを含む。いくつかの実施形態において、発現カセットは細菌のゲノムに組み込まれる。いくつかの他の実施形態において、発現カセットは細菌内に取り込まれたプラスミド上にある。いくつかの実施形態において、発現カセットの細菌への取り込みはコンジュゲーションによって起こる。発現カセットの細菌への導入は、当該分野で公知の標準的技術のいずれかによって行うことができる。例えば、発現カセットの細菌への取り込みはコンジュゲーション、形質導入(トランスフェクション)または形質転換によって起こり得る。
(VII.ベクター)
本発明は、さらに、本明細書中に記載された発現カセットおよび/または組換え核酸分子のいずれか1つを含む発現ベクターのようなベクターを提供する。いくつかの実施形態において、ベクターはプラスミドである。いくつかの実施形態において、ベクターは線状である。いくつかの実施形態において、ベクターは環状である。いくつかの実施形態において、ベクターは組み込みまたは相同組換えベクターである。いくつかの実施形態において、ベクターはpAM401である。いくつかの実施形態において、ベクターはpPL2である。いくつかの実施形態において、ベクターは単離される。
前記で示したように、いくつかの実施形態において、本明細書中で記載された発現カセットは発現ベクター内に含まれる。いくつかの実施形態において、ベクターはプラスミドである。他の実施形態において、ベクターは線状である。別の実施形態において、発現カセットは、発現ベクターを用いて細菌のゲノムDNA内に挿入される(すなわち、組み込まれる)。いくつかの実施形態において、発現ベクターは線状である。他の実施形態において、発現ベクターは環状である。
Listeriaのような細菌で用いるのに適した発現ベクターは当業者に公知である。発現カセットの組立用のプラスミド構築体骨格として用いるのに適した種々の適当なベクターがある。特別なプラスミド構築体骨格は、細菌染色体からの、または染色体外エピソームからのポリヌクレオチド(すなわち、異種抗原をコードするポリヌクレオチド)の発現が望まれるかに基づいて選択される。
いくつかの実施形態において、Listeria monocytogenes(Listeria)の細菌染色体への発現カセット(および/または組換え核酸分子)の組み込みは、Listeria染色体へのベクターの配列特異的組み込みを触媒するリステリオファージインテグラーゼ用の発現カセットを含有する組み込みベクターで達成される。例えば、pPL1およびpPL2として公知の組み込みベクターは、細菌ゲノムの無害領域内への異種タンパク質発現カセットの安定な単一−コピー組み込みをプログラムし、これは文献に記載されている(Lauer et al.2002 J.Bacteriol.184:4177−4178;米国特許公開番号20030203472)。組み込みベクターはE.coliにおいてプラスミドとして安定であり、コンジュゲーションを介して所望のListeriaバックグラウンドに導入される。各ベクターはListeria特異的複製起点を欠き、ベクターが染色体ファージ付着部位への取り込みに際して安定であるようにファージインテグラーゼをコードする。所望のプラスミド構築体で出発し、所望のタンパク質を発現する組換えListeria株を創製するプロセスはほぼ1週間を要する。pPL1およびpPL2組み込みベクターは、各々、U153およびPSAリステリオファージに基づく。pPL1ベクターはcomK遺伝子のオープンリーディングフレーム内に組み込まれ、他方、pPL2は、遺伝子の天然配列が成功した組み込みに際して保存され、かくして、その天然の発現された機能を無傷に保つように、tRNAArg遺伝子内に組み込まれる。pPL1およびpPL2組み込みベクターは、組換え核酸分子、または異種タンパク質発現カセットを含むプラスミドの構築を容易とするために、多重クローニング部位配列を含む。pPL2組み込みベクターの使用のいくつかの具体的な例は以下の実施例2および実施例3に記載されている。
別法として、Listeria染色体への発現カセット(および/または組換え核酸分子)の組み込みは、当業者に公知の対立遺伝子交換方法を通じて達成することができる。特に、抗生物質耐性タンパク質をコードする遺伝子を発現ベクターを含有する構築体の一部として組み込むのが望まれない組成物、対立遺伝子の交換の方法が望ましい。例えば、pKSV7ベクター(Camilli et al.Mol.Microbiol.(1993) 8、143−157)は、Listeria染色体に組換えられたpKSV7プラスミドを表す非許容性温度において組換えクローンにつき選択するのに利用される温度−感受性Listeriaグラム−陽性複製起点を含有する。pKSV7対立遺伝子交換プラスミドベクターは、タンパク質発現カセット、およびクロラムフェニコール耐性遺伝子を含有するプラスミドの構築を容易とするために、多重クローニング部位配列を含む。Listeria染色体への挿入のために、発現カセットは、所望の組み込みの正確な位置に対応するほぼ1kbの染色体DNA配列が近接することができる。pKSV7−発現カセットプラスミドは、グラム陽性菌のエレクトロポレーション用の標準的方法に従って、エレクトロポレーションによって所望の細菌株に導入することができる。pSKV7ベクターを用いて対立遺伝子交換を行う方法の非限定的例は以下の実施例16に供される。
他の実施形態において、安定なプラスミドエピソームからの(ポリペプチドを含む融合タンパク質を含めた)ポリペプチド発現させるのが望まれるであろう。多重創製用の継体を介するプラスミドエピソームの維持は、プラスミド−含有細菌に対して選択的利点を付与するタンパク質の共発現を必要とする。非限定的例として、ポリペプチドと組み合わせたプラスミドから共発現されたタンパク質は抗生物質耐性タンパク質、例えば、クロラモフェニコールであってよく、または選択的利点をやはり付与することができる(野生型細菌における染色体から発現される)細菌タンパク質であってもよい。細菌タンパク質の非限定的例は、(関連アミノ酸または他の必要な前駆体マクロ分子を欠く規定された培地を用いて選択された)プリンまたはアミノ酸生合成で必要な酵素、またはインビトロまたはインビボにて選択的利点を付与する遺伝子の発現に必要な転写因子を含む(Gunn et al.2001 J.Immunol.167:6471−6479)。非限定的例として、pAM401は多様なグラム−陽性菌属における選択されたポリペプチドのエピソーム発現に適したプラスミドである(Wirth et al. 1986 J.Bacteriol 165:831−836)。pAM401の例示的使用のさらなる記載については、後の実施例3および13を参照されたし。
B.anthracisの細菌染色体への発現カセットの組み込みは、例えば、B.anthracis染色体へのベクターの配列特異的組み込みを触媒するファージインテグラーゼ用の発現カセットを含有する組み込みベクターで達成することができる。該インテグラーゼ、およびB.anthracisファージの付着部位を用いて、組み込みベクターを駆動して、望まれる抗原発現カセットをワクチン組成物に取り込むことができる。非限定的例として、インテグラーゼ、およびB.anthracis鋳型ファージw−アルファからの付着部位を用いて、B.anthracis特異的組み込みベクターを駆動させる(McCloy、E.W.1951.Studies on a lysogenic Bacillus stain. I.A bacteriophage specific for Bacillus anthracis.J.Hyg.49:114−125)。
別法として、B.anthracis染色体への抗原発現カセットの組み込みは、当業者に知られた対立遺伝子交換方法を介して達成することができる。例えば、Gat et al., Infect.Immun.、71:801−13(2003)参照。特に、発現カセットを含有する構築体の一部として、抗生物質耐性タンパク質をコードする遺伝子を取り込まないのが望まれる組成物、対立遺伝子交換の方法が望ましい。例えば、pKSV7ベクター(Camilli et al.Mol.Microbiol.1993 8、143−157)は、細菌染色体に組換えられたpKSV7プラスミドを表す非許容性温度において組換えクローンにつき選択するのに利用される温度−感受性Listeria−由来グラム陽性複製起点を含有する。pKSV7対立遺伝子交換プラスミドベクターは、発現カセット、およびクロラモフェニコール耐性遺伝子を含有するプラスミドの構築を容易とするために、多重クローニング部位配列を含有する。Bacillus anthracis染色体への挿入のためには、発現カセット構築体には、望まれる組み込みの正確な位置に対応する保護1kbの染色体DNA配列が近接できる。pKSV7−発現カセットプラスミドは、グラム陽性菌のエレクトロポレーション用の標準的方法に従って、エレクトロポレーションによって望まれる細菌株に導入することができる。B.anthracisにおける対立遺伝子交換を行う方法の非限定的例は、ここに引用してその全体を援用する米国特許出願第10/883、599号に供される。特に、pKSV7ベクターを用いる対立遺伝子交換をB.anthracisの株で用いて、細菌染色体のいずれかの所望の位置に望まれる抗原発現カセットを加えることができる。
pKSV7を用いる前記した対立遺伝子交換方法はグラム陽性菌での使用に広く適用できる。加えて、組換え細菌ベクターを含めた細菌で有用な種々の発現ベクターは当業者に知られている。その例は、その各々、ここに引用してその全体を援用する、以下の文献に記載されたベクターを含む:Horwitz et al.、 Proc.Natl.Acad.Sci.USA、97:13853−8(2000);Garmory et al., J.Drug Target、11:471−9(2003);Kang et al., FEMS Immunol.Med.Microbiol.、37:99−104(2003);Garmory et al., Vaccine、21:3051−7(2003);Kang et al., Infect.Immun.、1739−49(2002);Russman,et al.、 J.Immunol.、167:357−65(2001);Harth et al., Microbiology、 150:2143−51(2004);Varaldo et al., Infect.Immun.、72:3336−43(2004);Goonetilleke et al., J.Immunol.、171:1602−9(2003);Uno−Furuta et al., Vaccine、 21:3149−56(2003);Biet et al., Infect.Immun.、 71:2933−7(2003);Bao et al., Infect.Immun.、 71:1656−61(2003);Kawahara et al., Clin.Immunol.、105:326−31(2002);Anderson et al., Vaccine、18:2193−202(2000);Bumann,Infect.Immun.、69:7493−500(2001);Wang et al.,Vaccine、17:1−12(1999);McSorc et al., Infect.Immun.、65:171−8(1997);Gat et al.,Infect.Immun.、71:801−13(2003);米国特許第5、504、005号;米国特許第5、830、702号;米国特許第6、051、237号;米国特許公開番号2002/0025323;米国特許公開番号2003/0202985;WO 04/062597;米国特許第6、566、121号;および米国特許第6、270、776号。
本発明は、さらに、以下の:(a)第一のシグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド;(b)第一のポリペプチドをコードする第二のポリヌクレオチド、ここに、該第二のポリヌクレオチドは第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあり;(c)遺伝子間配列;(d)第二のシグナルペプチドをコードする第三のポリヌクレオチド;(e)第二のポリペプチドをコードする第四のポリヌクレオチド、ここに、該第四のポリヌクレオチドは第三のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあり;および(f)当該発現カセットが第一のシグナルペプチドおよび第一のポリペプチドを含む第一の融合タンパク質、および第二のシグナルペプチドおよび第二のポリペプチドを含む第二の融合タンパク質を共にコードするように、第一のポリヌクレオチド、第二のポリヌクレオチド、第三のポリヌクレオチド、第四のポリヌクレオチド、および遺伝子間配列に作動可能に連結されたプロモーターを含む発現カセットを含む発現ベクターを提供する。
本発明は、さらに、組換え細菌(例えば、組換えListeria細菌)を生産するための本明細書中に記載された発現ベクターのいずれかを用いる方法を提供する。いくつかの実施形態において、組換え細菌を作成するために本明細書中に記載された発現ベクターを用いる方法は細菌へ発現ベクターを導入することを含む。
(VIII.細菌および他の宿主細胞)
本発明は、さらに、本明細書中に記載された組換え核酸分子、発現カセット、および/またはベクターを含む宿主細胞を提供する(例えば、前記発明の概要、および詳細な記載のセクションI、II、VIおよびVII、ならびに後の具体的実施例参照)。いくつかの実施形態において、細胞は原核生物である。いくつかの実施形態において、細胞は真核生物である。いくつかの実施形態において、細胞は哺乳動物である。いくつかの実施形態において、細胞は樹上細胞のような抗原提示細胞である。いくつかの実施形態において、細胞は細菌細胞である。いくつかの実施形態において、宿主細胞は単離される。
例えば、本発明は、本明細書中に記載された組換え核酸分子、発現カセット、および/またはベクターを含む細菌を提供する(例えば、前記した発明の概要、および詳細な記載のセクションI、II、VIおよびVII、ならびに後の具体的実施例参照)。これらのポリヌクレオチドを含む細菌は、別法として、「組換え細菌」といい、本明細書中に記載された組換え核酸分子、発現カセットまたはベクターを含む細菌は、別法として、「組換え細菌」といわれる。いくつかの実施形態において、組換え核酸分子、発現カセット、および/または発現ベクターを含む細菌は単離される。いくつかの実施形態において、組換え核酸分子、発現カセット、および/または発現ベクターを含む組換え細菌は、そこに含まれた組換え核酸分子、発現カセット、および/または発現ベクターによってコードされるポリペプチドまたは融合タンパク質を発現する。いくつかの実施形態において、組換え細菌は、そこに含まれる組換え核酸分子、発現カセット、および/または発現ベクターによってコードされるポリペプチドまたは融合タンパク質を分泌する。いくつかの実施形態において、組換え細菌は、細菌(または該細菌を含む組成物)の宿主(例えば、ヒト対象)への投与に際して宿主において免疫応答を生じさせるのに十分な量のポリペプチドおよび/または融合タンパク質を発現し、それを分泌する。
いくつかの実施形態において、細菌はグラム陽性菌、グラム陰性菌、細胞内細菌およびマイコバクテリアからなる群より選択される。いくつかの実施形態において、細菌はグラム陽性菌である。本発明のいくつかの実施形態において、細菌は細胞内細菌(例えば、通性細胞内細菌)である。いくつかの実施形態において、細菌は属Listeriaに属する。他の実施形態において、細菌はListeria monocytogenes種のメンバーである。他のいくつかの実施形態において、細菌はListeria ivanovii、Listeria seeligeri、またはListeria innocua種のメンバーである。いくつかの実施形態において、細菌は属Bacillusのメンバーである。もう1つの実施形態において、細菌はBacillus anthracisである。さらにもう1つの実施形態において、細菌はYersinia pestisである。本発明の他の実施形態において、細菌は属Salmonellaからのものである。いくつかの実施形態において、細菌はSalmonella typhimuriumである。いくつかの実施形態において、細菌は属Shigellaに属する。例えば、いくつかの実施形態において、細菌はShigella flexneriである。いくつかの実施形態において、細菌は属Brucellaのメンバーである。別の実施形態において、細菌はマイコバクテリアである。マイコバクテリアは、所望により、種Mycobacterium tuberculosisのメンバーである。いくつかの実施形態において、細菌はBacillus Calmette−Guerin(BCG)である。いくつかの実施形態において、細菌はE.coli、例えば、リステリオリシンO(LLO)を発現するように修飾されているE.coliである。したがって、いくつかの実施形態において、本明細書中に記載された組換え核酸分子、発現カセット、および/またはベクターを含む細菌はLiseteria、Bacillus anthracis、Yersinia pestis、Salmonella、およびマイコバクテリアからなる群より選択される。いくつかの他の実施形態において、本明細書中に記載された組換え核酸分子、発現カセット、および/またはベクターを含む細菌はListeria、Bacillus、Yersinia pestis、Salmonella、Shigella、Brucella、マイコバクテリアおよびE.coliからなる群より選択される。
いくつかの実施形態において、本明細書中に記載された組換え核酸分子、発現カセット、および/またはベクター(例えば、前記発明の概要、詳細な記載のセクションI、II、VIおよびVII、および後記実施例参照)の挿入を介してポリペプチドを発現し、および少なくともいくつかの実施形態において、ポリペプチドを分泌するように修飾された本発明の細菌は野生型細菌である。例えば、いくつかの実施形態において、組換え細菌は、組換え核酸分子、発現カセット、および/またはベクターを含むListeria monocytogenes細菌のような野生型Listeria細菌である。しかしながら、本発明のいくつかの実施形態においては、発現カセットおよび/またはベクターを含む細菌は細菌の変異体株である。いくつかの実施形態において、細菌は減弱化されている。いくつかの実施形態において、細菌は細菌の減弱化された変異体株である。遺伝子「xyz」が欠失された変異体は、別法として、本明細書中においてはΔxyzまたはxyzまたはxyz欠失変異体といわれる。例えば、uvrA遺伝子が欠失された細菌株は、別法として、本明細書中においてはuvrA変異体、ΔuvrAまたはuvrAといわれる。加えて、「xyz」変異体「xyz」株としての特定の変異体または株への言及は、時々、xyz遺伝子が欠失されている変異体または株をいう。
発現カセットおよび/または発現ベクターを含む変異体細菌における変異はいずれのタイプ変異であってもよい。例えば、変異が点変異、フレーム−シフト変異遺伝子の一部または全ての挿入、欠失を構成し得る。加えて、修飾された株のいくつかの実施形態において、細菌ゲノムの一部が異種ポリヌクレオチドで置換されている。いくつかの実施形態において、変異は天然に生じる。他の実施形態において、変異は人工変異圧の結果である。なお他の実施形態において、細菌ゲノムにおける変異は遺伝子工学の結果である。
いくつかの実施形態において、本明細書中に記載された組換え核酸分子、発現カセットおよび/またはベクターのいずれか1つを含む細菌は(野生型細菌に対して)細胞間拡大、非食細胞への進入、または増殖につき減弱化されている。細菌は変異によって、または他の修飾によって減弱化することができる。いくつかの実施形態において、本明細書中に記載された組換え核酸分子、発現カセットおよび/または発現ベクターのいずれか1つを含む細菌は細胞間拡大につき減弱化されている(例えば、Listeria monocytogenes actA変異体)。いくつかの実施形態において、本明細書中に記載された組換え核酸分子、発現カセットおよび/または発現ベクターのいずれか1つを含む細菌は非食細胞への進入につき減弱化されている(例えば、inlB欠失変異体のようなListeria monocytogenesインターナリン変異体)。いくつかの実施形態において、本明細書中に記載された組換え核酸分子、発現カセットおよび/または発現ベクターのいずれか1つを含む細菌は増殖についての減弱化されている。いくつかの実施形態において、細菌は細胞間拡大および非食細胞への進入の双方につき減弱化されている。
いくつかの実施形態において、本明細書中に記載された発現カセットおよび/または発現ベクターを含む細菌が細胞間拡大につき減弱化されている。いくつかの実施形態において、細菌(例えば、Listeria)は(生物に応じて)(非変異体または野生型細菌に対しる)ActA、またはその同等体に関して結合している。いくつかの実施形態において、細菌はactAにおいて1以上の変異を含む。例えば、細菌(例えば、Listeria)はactA欠失変異体であり得る。ActAはactA遺伝子によってコードされたアクチンポリメラーゼである(Kocks、 et al., Cell、68:521−531(1992);GenBank受託番号AL591974、nts9456−11389)。アクチンポリメラーゼタンパク質は、Listeria細菌の1つの極における宿主F−アクチンの動因および重合に関与する。アクチンの引き続いての重合および溶解の結果、サイトゾルを通じての、および隣接細胞へのListeria推進がもたらされる。この移動は、細胞外環境へのさらなる暴露なくして細菌が細胞間に直接に拡大し、かくして、抗体発生のような宿主防御から逃げるのを可能とする。いくつかの実施形態において、減弱化されたListeriaは、所望により、inlBのようなインターナリン遺伝子におけるおよびactAにおける変異を共に含む。本発明のこの実施形態のListeria株は非食細胞への進入につき減弱化されており、ならびに細胞間拡大につき減弱化されている。
いくつかの実施形態において、細胞間拡大についての減弱化された細菌の能力は、減弱化変異の無い細菌(例えば、野生型細菌)に対して、少なくとも約10%、少なくとも約25%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、または少なくとも約90%だけ低下する。いくつかの実施形態において、細胞間拡大についての減弱化された細菌お能力は、弱毒化変異無しの細菌に対して少なくとも約25%だけ低下する。いくつかの実施形態において、細胞間拡大につき減弱化された減弱化細菌の能力は、減弱化変異無しの細菌に対して少なくとも約50%だけ低下する。
Listeria細菌のような細菌が細胞間拡大につき減弱化されているか否かを決定するためのインビトロアッセイは当業者に知られている。例えば、選択された培養細胞単相の感染後に経時的に形成されたプラークの直径を測定することができる。L2細胞単相内のプラークアッセイは、Skoble、 J.、D.A.Portnoy、 and M.D.Welch.2000、Three regions within ActA promote Arp2/3 complex−mediated actin nucleation and Listeria monocytogenes mobility.J.Cell Biol.150:527−538によって記載されているような測定の方法に修飾を施し、Sun, A.、A.Camilli、 and D.A.Portnoy.1990、Isolation of Listeria monocytogenes small−plaque mutants defective for intracellular growth and cell−to−cell spread.Infect.Immun.58:3770−3778に以前記載されたように行うことができる。簡単に述べれば、L2細胞を6−ウェル組織培養皿にて密集するまで増殖させ、次いで、細菌で1時間感染させる。感染後、0.8%アガロース、胎児ウシ血清(例えば、2%)および所望の濃度のゲンタマイシンを含有するDMEよりなる40℃まで温められた培地と重ねる。該培地中のゲンタマイシンの濃度はプラークのサイズに劇的に影響し、細胞間拡大を行う選択されたListeria株の能力の尺度である(Glomski、 I J.M.M.Gedde, A.W.Tsang、 J.A.Swanson、 and D.A.Portnoy.2002.J.Cell Biol.156:1029−1038)。例えば、単層の感染から3日後に、欠陥がある細胞間拡大の表現型を有するListeria株のプラークサイズは、50μg/mLの濃度のゲンタマイシンを含有する培地と重ねると、野生型Listeriaと比較して少なくとも50%だけ低下する。他方、欠陥がある細胞間拡大の表現型を有するListeria株および野生型Listeriaの間のプラークの差は、感染された単層を5μg/mLゲンタマイシンのみを含有する培地+アガロースと重ね合わせた場合、同様である。かくして、野生型Listeriaに対する、感染された細胞単層において細胞間拡大を行う選択された株の相対的能力は、アガロースを含有する培地中のゲンタマイシンの濃度を変化させることによって決定させることができる。所望により、プラーク直径の可視化および測定は、感染から48時間後における、ニュートラルレッド(GIBCO BRL;DME+アガロース培地中1:250希釈)を含有する培地の重ね合わせへの付加によって促進することができる。加えて、プラークアッセイは、他の1次細胞または連続細胞に由来する単層で行うことができる。例えば、HepG2細胞、肝細胞−由来細胞系、または一次ヒト肝細胞を用いて、野生型Listeriaと比較した、細胞間拡大を行う選択されたListeria変異体の能力を評価することができる。いくつかの実施形態において、細胞間拡大につきListeriaを減弱化させる変異または他の修飾を含むListeriaは、ゲンタマイシンの高濃度(約50μg/mL)において「ピンポイント」プラークを生じさせる。
いくつかの実施形態において、本明細書中に記載された発現カセットおよび/または発現ベクターを含む細菌は、(減弱化遺伝子変異無しの細菌のような野生型に対して)核酸修復につき減弱化された変異体細菌である。例えば、いくつかの実施形態において、細菌は少なくとも1つのDNA修復酵素に関して欠陥がある(例えば、Listeria monocytogenes uvrAB変異体)。いくつかの実施形態において、細菌は(細菌の属および種に依存して)PhrB、UvrA、UvrB、UvrC、UvrD、および/またはRecAまたはその同等体に関して欠陥がある。いくつかの実施形態において、細菌はUvrA、UvrB、および/またはUvrCに関して欠陥がある。いくつかの実施形態において、細菌はphrB、uvrA、uvrB、uvrC、uvrD、および/またはrecA遺伝子における減弱化変異を含む。いくつかの実施形態において、細菌はuvrA、uvrB、および/またはuvrC遺伝子において1以上の変異を含む。いくつかの実施形態において、細菌はUvrA、UvrB、および/またはUvrCにおいて機能的に欠失している。いくつかの実施形態において、細菌は機能的UvrAおよびUvrBにおいて欠失している。いくつかの実施形態において、細菌はuvrAB欠失変異体である。いくつかの実施形態において、細菌はΔuvrABΔactA変異体である。いくつかの実施形態において、核酸修復につき減弱化され、および/または少なくとも1つのDNA修復酵素に関して欠陥がある細菌の核酸を、核酸標的化化合物との反応によって修飾される(後記参照)。ΔuvrAB Listeria monocytogenes変異体のような核酸修復変異体、および該変異体を作成する方法は米国特許公開番号2004/0197343に詳細に記載されている(例えば、米国2004/0197343、実施例7参照)。
いくつかの実施形態において、核酸修復に対する減弱化された細菌の能力は、減弱化変異無しの細菌(例えば、野生型細菌)に対して、少なくとも約10%、少なくとも約25%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、または少なくとも約90%だけ低下する。いくつかの実施形態において、核酸修復に対する減弱化された細菌の能力は、減弱化変異無しの細菌に対して少なくとも約25%だけ低下する。いくつかの実施形態において、核酸修復につき減弱化された減弱化細菌の能力は、減弱化変異無しの細菌に対して少なくとも約50%だけ低下する。
特定の変異が細菌株に存在することの確認は、当業者に知られた種々の方法を介して得ることができる。例えば、株のゲノムの関連部分をクローン化し、配列決定することができる。別法として、特異的変異は、欠失または他の変異に隣接する領域をコードする対プライマーを用いてPCRを介して同定することができる。サザンブロットを用いて、細菌ゲノムの変化を検出することもできる。また、ウェスタンブロッティングのような当該分野で標準的な技術を用いて、特定のタンパク質が株によって発現されるか否かを分析することができる。株が望まれる遺伝子において変異を含むことの確認は、先に報告された表現型と株の表現型との比較を介して得ることもできる。例えば、uvrABの欠失のようなヌクレオチド切出し修復変異の存在は、ヌクレオチド切出し修復(NER)マシーンナリーを用いてその核酸を修復する細菌の能力をテストするアッセイを用い、その能力を野生型細菌と比較することにより評価することができる。例えば、シクロブタンダイマー切除またはUV−誘導(6−4)産物の切出しを測定して、変異体におけるNER酵素の欠乏を決定することができる(例えば、Franklin et al., Proc.Natl.Acad.Sci.USA、81:3821−3824(1984)参照)。別法として、生存測定を行って、核酸修復の欠乏を評価することができる。例えば、細菌をプソラレン/UVA処理に付し、次いで、野生型と比較して増殖し、および/または生存するそれらの能力につき評価することができる。
いくつかの実施形態において、細菌は(非変異体または野生型細菌に対する)非食細胞への進入につき減弱化される。いくつかの実施形態において、細菌(例えば、Listeria)は1以上のインターナリン(または同等体)に関して欠乏している。いくつかの実施形態において、細菌はインターナリンAに関して欠乏している。いくつかの実施形態において、細菌はインターナリンBに関して欠乏している。いくつかの実施形態において、細菌はinlAにおいて変異を含む。いくつかの実施形態において、細菌はinlBにおいて変異を含む。いくつかの実施形態において、細菌はactAおよびinlB双方において変異を含む。いくつかの実施形態において、細菌は機能的ActAおよびインターナリンBが欠失している。いくつかの実施形態において、細菌はΔactAΔinlB二重欠失変異体である。いくつかの実施形態において、細菌はActAおよびインターナリンB双方に関して欠乏している。
いくつかの実施形態において、非食細胞への進入に対する減弱化された細胞の能力は、減弱化変異無しの細菌(例えば、野生型細菌)に対して少なくとも約10%、少なくとも約25%、少なくとも約50%、少なくとも約75%、または少なくとも約90%だけ低下する。いくつかの実施形態において、非食細胞への進入に対する減弱化された細菌の能力は、減弱化変異無しの細菌に対して少なくとも約25%だけ低下する。いくつかの実施形態において、非食細胞への進入に対する減弱化された細菌の能力は、減弱化変異無しの細菌に対して少なくとも約50%だけ低下する。いくつかの実施形態において、非食細胞への進入に対する減弱化された細菌の能力は、減弱化変異無しの細菌に対して少なくとも約75%だけ低下する。
いくつかの実施形態において、変異体Listeria株のような減弱化された細菌は、非食細胞の1を超えるタイプへの進入に対して減弱化されない。例えば、減弱化された株は肝細胞への進入に対して減弱化され得るが、上皮細胞への進入に対しては減弱化されない。もう1つの例として、減弱化された株は上皮細胞への進入につき減弱化され得るが、肝細胞への進入についてはそうではない。また、特定の修飾された細菌の非食細胞への進入に対する減弱化は、指名された遺伝子の変異、例えば、特別な細胞受容体と相互作用するインバシンタンパク質をコードする欠失変異の結果、および非食細胞の感染を結果として促進する。例えば、Listeria ΔinlB変異体株は、肝細胞系(例えば、HepG2)、および一次ヒト肝細胞を含めた肝細胞成長因子受容体(c−met)を発現する非食細胞への進入につき減弱化されている。
いくつかの実施形態において、細菌(例えば、変異体Listeria)は非食細胞への進入につき減弱化されていたとしても、Listeriaは少なくとも樹状細胞および/またはマクロファージのような食細胞によって依然として摂取され得る。1つの実施形態において、食細胞に進入する減弱化された細菌の能力は、インバシンの変異のような、株になされた修飾によって減少しない(食細胞によって摂取される株の測定された能力のほぼ95%以上は修飾後に維持される)。他の実施形態において、食細胞に進入する減弱化された細菌の能力は、約10%以下、約25%以下、約50%以下、約75%以下だけ減少する。
本発明のいくつかの実施形態において、非食細胞に進入する細菌(例えばListeria細菌)の能力の減弱化の量は、2倍低下ないしかなりのレベルの減弱化の範囲である。いくつかの実施形態において、非食細胞に進入する細菌の能力の減弱化は少なくとも約0.3log、約1log、約2log、約3log、約4log、約5log、または少なくとも約6logである。いくつかの実施形態において、減弱化は約0.3ないし>8log、約2ないし>8log、約4ないし>8log、約6ないし>8log、約0.3ないし8log、約0.3ないし7log、約0.3ないし6log、約0.3ないし5log、約0.3ないし4log、約0.3ないし3log、約0.3ないし2log、約0.3ないし1logの範囲である。いくつかの実施形態において、減弱化は約1ないし>8log、1ないし7log、1ないし6log、約2ないし6log、約2ないし5log、約3ないし5logの範囲である。
多数のインターナリンがL.monocytogenesにおいて同定されている(Boland、 et al., Clinical Microbiology Reviews、 2001、14:584−640)。これらのインターナリンは、限定されるものではないが、InlA、InlB、InlC、InlC2、InlD、InlE、InlF、InlG、およびInlHを含む(Dramsi, et al.、 Infection and Immunity、 65:1615−1625(1997);Raffelsbauer et al., Mol.Gen.Genet.260:144−158(1988))。これらのタンパク質をコードする遺伝子配列は従前に報告されている。例えば、inlAおよびinlB双方についての配列はGaillard et al., Cell,65:1127−1141(1991)にGenBank受託番号M67471として報告されている。インターナリン関連タンパク質ファミリーのさらなるメンバーをコードする遺伝子はSupplementary Web material of Glaser et al., Science、294:849−852(2001)、(www.sciencemag.org/cgi/content/full/294/5543/849/DC1)のWeb表2で同定されており、lmo0327、lmo0331、lmo0514、lmo0610、lmo0732、lmo1136、lmo1289、lmo2396、lmo0171、lmo0333、lmo0801、lmo1290、lmo2026、およびlmo2891を含む。(インターナリン関連タンパク質ファミリーの各メンバーの配列はL.monocytogenes株EGDゲノム、GenBank受託番号AL591824、および/またはL.monocytogenes株EGD−eゲノム、GenBank受託番号NC 003210に見出すことができる。種々のインターナリン関連遺伝子の位置はGlaser et al.に示されている)。
inlA(インターナリンA)(Gaillard et al., Cell、65:1127−1141(1991);Genbank受託番号NC 003210)は腸のそれのような上皮細胞によるListeriaの取り込みを指令する。
InlB(インターナリンB)(その各々をここに引用してその全体を援用する、Gaillard et al.,Cell,65:1127−1141(1991);Genbank受託番号AL591975(Listeria monocytogenes株EGD, 完全なゲノム、セグメント3/12,inlB遺伝子領域:nts.97008−98963);およびGenbank受託番号NC 003210(Listeria monocytogenes株EGD, 完全なゲノム,inlB遺伝子領域:nts.457008−458963))は、肝細胞による、あるいは血液脳関門を含む脳微小血管系の血管内皮細胞のような内皮細胞によるListeriaの摂取を指令する。(インターナリンBのさらなる記載については、その全てを個々に引用してその全体を援用する、Ireton, et al.,J.of Biological Chemistry, 274:17025−17032(1999);Dramsi,et al.,Molecular Microbiology 16:251−261(1995);Mansell et al.,J.of Biological Chemistry, 276:43597−43603(2001);およびBierne et al.,J.of Cell Science 115:3357−3367(2002)参照)。
いくつかの実施形態において、細菌はActA、インターナリンB、またはActAおよびインターナリンB双方に関して欠乏している。いくつかの実施形態において、細菌は機能的ActA、インターナリンB、またはActAおよびインターナリンBの双方を欠失している。いくつかの実施形態において、細菌は機能的ActAが欠失している。いくつかの実施形態において、細菌は機能的インターナリンBが欠失している。いくつかの実施形態において、細菌は機能的ActAおよびインターナリンBが欠失している。
細菌(例えば、変異体Listeria株)が非食細胞への進入につき減弱化されているか否かを判断するためのインビトロアッセイは当業者に知られている。例えば、Dramsi et al.,Molecular Microbiology 16:251−261(1995)およびGaillard et al.,Cell 65:1127−1141(1991)は、ある種の細胞系に進入する変異体、L.monocytogenes株の能力をスクリーニングするためのアッセイを記載する。例えば、特定の修飾を施したListeria細菌が特定のタイプの非食細胞への進入につき減弱化されているか否かを判断するためには、特定のタイプの非食細胞に進入する減弱化されたListeria細菌の能力を測定し、修飾が施されていない同一のListeria細菌が非食細胞に進入する能力と比較する。同様に、特定の変異を持つListeria株が特定のタイプの非食細胞への進入につき減弱化されているかを判断するためには特定のタイプの非食細胞へ進入する変異体Listeria株の能力を、変異なしのListeria株が非食細胞に進入する能力と比較する。加えて、株がインターナリンBに関して欠陥があるかの確認は、株の表現型を、インターナリンB変異体につき以前に報告された表現型との比較を介して得ることもできる。
いくつかの実施形態において、細菌の減弱化は、宿主に対するListeriaの生物学的効果の項目において測定することができる。細菌株の病原性は、マウスまたは他の脊椎動物におけるLD50によって測定することができる。LD50は、脊椎動物の50%において死滅を引き起こすのに必要な脊椎動物へ注射されるListeriaの量または用量である。LD50値は、減弱化のレベルの尺度として、特定の修飾(例えば、変異)を有する細菌と、特定の修飾を持たない細菌と比較することができる。例えば、もし特定の変異を持たない細菌が10細菌のLD50を有し、特定の変異を有する細菌株が10細菌のLD50を有するならば、該株は、LD50が100倍、または2logだけ増加するように減弱化されている。
別法として、非食細胞に感染する細菌(例えば、Listeria細菌)の能力の減弱化の程度は、インビトロにてより直接的に評価することができる。例えば、肝細胞のような非食細胞に感染する修飾されたListeria細菌の能力は、食細胞に感染する非修飾Listeriaまたは野生型Listeriaの能力と比較することができる。そのようなアッセイにおいては、修飾されたおよび非修飾されたListeriaを典型的にはインビトロにて非食細胞に限定された時間の間(例えば、1時間)加え、次いで、細胞をゲンタマイシン−含有溶液で洗浄して、いずれの細胞外細菌も殺し、細胞を溶解し、次いで、平板培養して力価を評価する。そのようなアッセイの例は米国特許公開番号2004/0228877に見出される。
さらなる例として、減弱化の程度は、組織病理学の程度または血清中肝臓酵素レベルのような他の生物学的効果によって定量的に測定することもできる。血清中のアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、アスパラギンアミノトランスフェラーゼ(AST)、アルブミンおよびビリルビンレベルを、Listeria(または他の細菌)を注射したマウスについて臨床研究所で測定する。マウスまたは他の脊椎動物におけるこれらの効果の比較は、Listeriaの減弱化を評価する方法として特定の修飾/変異を持つまたは持たないListeriaに対してなすことができる。Listeriaの減弱化はまた、組織病理学より測定できる。肝臓、脾臓および神経系のような、感染した脊椎動物の種々の組織から回収することができるListeriaの量は、変異体−対−非変異体Listeriaを注射した脊椎動物におけるこれらの値を比較することによって、減弱化のレベルの尺度として用いることもできる。例えば、時間の関数としての肝臓または脾臓のような感染した組織から回収することができるListeriaの量は、変異体−vs−非変異体Listeriaを注射したマウスにおけるこれらの値を比較することによって減弱化の尺度として用いることができる。
したがって、Listeriaの減弱化は、野生型Listeriaによる標的であると知られたマウスにおける特定の選択された器官における細菌負荷の項目で測定することができる。例えば、Listeriaの減弱化は、(HO+0.2%NP40中でホモゲネートした)肝臓または脾臓ホモゲネートの希釈物をBHI寒天培地上で平板培養することから生起したコロニー(コロニー形成単位:CFU)を計算することによって測定することができる。肝臓または脾臓cfuは、例えば、静脈内、腹腔内、筋肉内、および皮下を含めたいずれかの数の経路を介する修飾されたListeriaの投与後のタイムコースに渡って測定することができる。加えて、Listeriaを測定し、前記したような競合指標アッセイによる投与後のタイムコースの間にわたる肝臓および脾臓(またはいずれかの他の選択された器官)中での薬物−耐性野生型Listeria(またはいずれかの他の選択されたListeria株)と比較することができる。
非食細胞による減弱化細菌の摂取における減弱化の程度は、安全活効果的なワクチンを提供するためには絶対的な減弱化である必要はない。いくつかの実施形態において、減弱化の程度は、生命を脅かすものではないレベルまで毒性の兆候を妨げる、または低下させるのに十分な毒性の低下を提供するものである。
本発明のいくつかの実施形態において、本明細書中に記載された組換え核酸分子、発現カセットおよび/または発現ベクターを含む細菌はListeriaの変異体株である。さらなる実施形態において、細菌はListeria monocytogenesの減弱化された変異体株である。減弱化されたListeriaの種々の例示的変異体株は(2003年2月6日に出願された)米国特許出願第60/446,051号、(2003年2月21日に出願された)第60/449,153号、(2003年10月15日に出願された)60/511,719号、(2003年10月15日に出願された)60/511,919号、(2003年10月15日に出願された)60/511,869号、(2004年2月2日に出願された)60/541,515号、(2004年6月30日に出願された)10/883,599号、ならびに米国特許公開番号2004/0197343およびUS2004/0228877に記載されており、その各々、ここに引用してその全体を援用するListeriaの変異体株は、ここに引用してその全体を援用する、2004年7月23日に出願されたPCT/US2004/23881にも記載されている。例えば、発現カセットおよび/またはベクターを含む細菌は、所望により、ActAまたはインターナリンB、またはActAおよびインターナリンB双方が欠乏したListeria monocytogenesの変異体株である。いくつかの実施形態において、細菌は、actA(例えば、DP−L4029(Lauer et al.,J.Bacteriol.184:4177(2002);米国特許公開番号2003/0203472)に記載されたそのプロファージが治癒された、ここに引用してその全体を援用する、Skoble et al., J.of Cell Biology, 150:527−537(2000)に記載されたDP−L3078株)、actAinlB(例えば、特許手続きの目的の微生物寄託の国際的承認に関するブタペスト条約の規定の下に、2003年10月3日に、American Type Culture Collection (ATCC)、10801 University Blvd.,Manassas, Virginia 20110−2209,United States of Americaに寄託され、受託番号PTA−5562が与えられたDP−L4029inlB)、actAuvrAB(例えば、特許手続きの目的の微生物の寄託の国際的承認に関するブタペスト条約の規定の下で、2003年10月3日に、American Type Culture Collection (ATCC)、10801 University Blvd.,Manassas, Virginia 20110−2209,United States of Americaに寄託され、受託番号PTA−5563が与えられたDP−L4029uvrAB)、またはactAinlBuvrABである、Listeria monocytogenesの変異体株である。いくつかの実施形態において、減弱化されたListeria細菌(例えば、Listeria monocytogenes細菌)はΔactAΔinlB二重欠失変異体である。
細菌変異は変異性化学物質または放射線のような伝統的な変異誘発方法、続いての、変異体の選択を介して達成することができる。細菌の変異は、組換えDNA技術を介して当業者によって達成することもできる。例えば、Camilli et al.,Molecular Micro 8:143−157(1993)に記載され、細菌ゲノムへの異種発現カセットの導入に関して前記したpKSV7ベクターを用いる対立遺伝子交換の方法は、欠失変異体を含めた変異体を創製するのに用いるのに適している(ここに引用してその全体を援用するCamilli et al.,(1993))。pKSV7ベクターを用いるListeria monocytogenesインターナリンB変異体の生産の1つの例示的な例は後に実施例24にて供される。別法として、Biswas et al.,J.Bacteriol.175:3628−3635(1993)に記載された遺伝子置き換えプロトコルを用いることができる。他の同様な方法が当業者に知られている。
種々の細菌変異体の構築は、その各々、ここに引用してその全体を援用する、米国特許出願第10/883,599号、米国特許公開番号2004/0197343および米国特許公開番号2004/0228877に記載されている。
本発明のいくつかの実施形態において、組換え核酸分子、発現カセットおよび/または発現ベクターを含む細菌はBacillus anthracisの変異体株である。いくつかの実施形態において、細菌はSterne株である。いくつかの実施形態において、細菌はAmes株である。いくつかの実施形態において、Bacillus anthracis細菌はuvrAB変異体である。いくつかの実施形態において、Bacillus anthracis株はuvrC変異体である。いくつかの実施形態において、Bacillus anthracis変異体はrecA変異体である。いくつかの実施形態において、細菌はBacillus anthracisのΔuvrAB変異体(例えば、特許手続きの目的の微生物の寄託の国際的承認に関するブタペスト条約の規定の下で、2004年2月20日に、American Type Culture Collection (ATCC)、108011 University Blvd.,Manassas, Virginia 20110−2209,United States of Americaに寄託され、受託番号PTA−5825が与えられたBacillus anthracis Sterne ΔuvrAB変異体)である。
Bacillus anthracisのゲノムを改変する方法は当業者に知られている。Bacillus anthracisにおける変異を作り出す1つの方法は、当業者に知られた対立遺伝子交換ベクターを用いる対立遺伝子交換による。例示的な対立遺伝子交換プラスミドはCamilli et al.,Molecular Microbiology, 8143−147(1993)に記載されたpKSV7である。変異体B.anthracisを作り出すにおける最初の工程として,B.anthracisゲノムの上流および下流双方にほぼ1000bp欠失させ、またはそうでなければ変異させるべきゲノムの領域をPCR−増幅し、次いで、pKSV7プラスミドベクター(類似のベクター)にクローン化する。(Bacillus属特異的またはB.anthracis特異的温度(ts)レプリコンは、pKSV7対立遺伝子交換プラスミドベクターに存在するListeria tsレプリコンに代えて置き換えることができる)。欠失させ、または変異させるべき領域における制限エンドヌクレアーゼ認識部位を用いて、該領域中の標的化遺伝子の望まれる部分を欠失させることができる。別法として、領域内の標的化遺伝子の部分を除去し、所望の変異または他の改変を含む配列で置き換えることができる。増幅させるB.anthracisゲノムの領域は、例えば、対立遺伝子交換プラスミドへクローニングの前にまたは後に、制限酵素、または制限酵素および合成遺伝子の配列の組合せを用いて改変することができる。いくつかの実施形態において、配列をPCRアンプリコンとして改変し、次いで、pKSV7にクローン化することができる。別の実施形態において、アンプリコンをまずもう1つのプラスミドに挿入し、次いで、改変し、引き出し、pKSV7に挿入する。別法として、PCRアンプリコンがpKSV7プラスミドに直接挿入し、次いで、例えば、便宜な制限酵素を用いて改変する。次いで、改変された配列を含有するpKSV7プラスミドをB.anthracisに導入する。これはエレクトロポレーションを介してなすことができる。次いで、クロラムフェニコールの存在下で許容温度にて培地で細菌を選択する。これに続いて、クロラムフェニコールの存在下で非許容温度で複数世代の間継体することによって、細菌染色体への単一交差組み込みにつき選択する。最後に、抗生物質を含有しない培地中で許容温度にて複数世代の間、コロニーを継体して、プラスミド切り出しおよびキュアリング(二重交差)を達成する。ここに引用してその全体を援用する、米国仮出願代60/584,886号、および第60/599,522号、および米国特許公開番号2004/0197343は、Bacillus anthracis変異体の異なるタイプの構築についてのさらなる記載を提供する。
本発明のいくつかの実施形態において、組換え核酸分子、発現カセット、および/または発現ベクターを含む細菌は、細菌が(非修飾細菌に対して)増殖につき減弱化されるように、修飾されている細菌である。好ましくは、修飾された細菌は、修飾にかかわらず十分なレベルの遺伝子発現を維持する。例えば、いくつかの実施形態において、遺伝子発現レベルは、抗原が、抗原を発現する細菌を宿主に投与するに際して抗原に対する免疫応答を誘導するのに十分なレベルで発現されるように、修飾によって実質的に影響されない。いくつかの実施形態において、細菌の核酸は、核酸標的化化合物との反応によって修飾されている。いくつかの実施形態において、修飾された細菌の核酸は、細菌の増殖が減弱化されるように、核酸と直接的に反応する核酸標的化化合物との反応によって修飾されている。いくつかの実施形態において、核酸標的化化合物はβ−アラニン、N−(アクリジン−9−イル)、2−[ビス(2−クロロエチル)アミノ]エチルエステルのような核酸アルキレーターである。いくつかの実施形態において、核酸標的化化合物はUVA照射のような照射によって活性化される。いくつかの実施形態において、細菌はプソラレン化合物で処理されている。例えば、いくつかの実施形態において、細菌は4’−(4−アミノ−2−オキサ)ブチル−4,5’,8−トリメチルプソラレン(「S−59」)のようなプソラレン、およびUVA光での処理によって修飾されている。いくつかの実施形態において、細菌の核酸はプソラレン化合物およびUVA照射での処理によって修飾されている。核酸標的化化合物を用いて増殖につきそれらを減弱化するための細菌を修飾する方法の記載は、その各々がここに引用してその全体を援用される、以下の米国特許出願または公開:(2003年2月6日に出願された)第60/446,051号、(2003年2月21日に出願された)第60/449,153号、(2003年7月24日に出願された)第60/490,089号、(2003年10月15日に出願された)第60/511,869号、(2004年2月2日に出願された)第60/541,515号、(2004年6月30日に出願された)第10/883,599号、およびUS2004/0197343の各々に記載されている。修飾された細菌およびそれらの使用は、ここに引用してその全体が援用される、2004年7月23日に出願された国際出願番号PCT/US2004/23881にも記載されている。
例えば、ΔactAΔuvrAB L.monocytogenesの処理については、いくつかの実施形態において、(ほぼ)OD600=0.5のlog−相培養においてS−59プソラレンを200nMまで加え、培養が1の光学密度に到達すると、続いて、6J/mのUVA光で不活化することができる。不活化条件は、UVA処理に先立ってS−59の濃度、UVA用量、S−59暴露の時間を変化させ、ならびにListeria actA/uvrAB株の細菌成長の間において処理の時間を変化させることによって最適化される。親Listeria株をコントロールとして用いる。Listeriaの不活化(log−殺傷)は、BHI(ブレインハートインヒュージョン)寒天平板上でコロニーを形成する細菌の能力によって決定される。加えて、35S−パルス−チェイス実験を用いてS−59/UVA不活化ListeriaのLLOおよびp60のような、異種タンパク質およびビルレンス因子の発現を確認して、新しく発現されたタンパク質の合成および分泌をS−59/UVA不活化の後に決定することができる。35S−代謝標識を用いるLLOおよびp60の発現はルーチン的に測定することができる。S−59/UVA不活化Listeria actA/uvrABを35S−メチオニンの存在下で1時間インキュベートすることができる。異種タンパク質、内因性LLOおよびp60の抗原の発現および分泌は全細胞溶解物および細菌培養流体のTCA沈殿双方で決定することができる。LLO−、p60−および異種タンパク質特異的モノクローナル抗体を免疫沈澱で用いて、組換えListeriaからの継続した発現および分泌を不活化後に確認することができる。
いくつかの実施形態において、増殖につき減弱化された細菌は、核酸修復につきやはり減弱化されており、および/または少なくとも1つのDNA修復酵素に関して欠乏している。例えば、いくつかの実施形態において、核酸が(UVA処理と組み合わせた)プソラレンのような核酸標的化化合物によって修飾された細菌はuvrAB欠失変異体である。
いくつかの実施形態において、細菌の増殖は少なくとも約0.3log、または少なくとも約1log、約2log、約3log、約4log、約6log、または少なくとも約8logだけ減弱化される。もう1つの実施形態において、細菌の増殖は約0.3ないし>10log約2ないし>10log、約4ないし>10log、約6ないし>10log、約0.3ないし>8log、約0.3ないし6log、約0.3ないし5log、約1ないし5log、または約2ないし5logだけ減弱化される。いくつかの実施形態において、細菌による抗原の発現は、細菌核酸が修飾されていない細菌による抗原の発現の少なくとも約10%、約25%、約50%、約75%、または少なくとも約90%である。
いくつかの実施形態において、細菌の核酸は核酸標的化化合物との反応によって修飾されている。いくつかの実施形態において、組換え細菌は増殖につき減弱化されていない。いくつかの実施形態において、組換え細菌は核酸修復についてのその能力が減弱化されていない。いくつかの実施形態において、組換え細菌は少なくとも1つのDNA修復酵素に関して欠乏していない。
いくつかの実施形態において、組換え細菌内に含まれる組換え核酸分子、発現カセット、および/または発現ベクターにおける第一のポリヌクレオチドによってコードされたシグナルペプチドは組換え細菌に対して天然である。いくつかの実施形態において、組換え細菌に対して天然であるシグナルペプチドをコードするポリヌクレオチドは、組換え細菌において発現につきコドン最適化されている。いくつかの実施形態において、ポリヌクレオチドは十分にコドン最適化されている。いくつかの実施形態において、組換え細菌内に含まれる組換え核酸分子、発現カセット、および/または発現ベクターの第一のポリヌクレオチドによってコードされるシグナルペプチドは宿主組換え細菌に対して外来性であるいくつかの実施形態において、宿主組換え細菌に対して外来性であるシグナルペプチドをコードするポリペプチドが組換え細菌において発現につきコドン最適化されている。
いくつかの実施形態において、組換え細菌内の組換え核酸分子、発現カセットおよび/または発現ベクターにおいて第二のポリヌクレオチドは組換え細菌において発現につきコドン最適化されている。いくつかの実施形態において、第二のポリヌクレオチドは組換え細菌において発現につき十分にコドン最適化されている。いくつかの実施形態において、組換え細菌内の第一および第二のポリヌクレオチドは共に組換え細菌において発現につきコドン最適化されている。いくつかの実施形態において、組換え細菌内の第一および第二のポリヌクレオチドは共に組換え細菌において発現につき十分にコドン最適化されている。
1つの態様において、本発明は発現カセットを含む細菌を提供し、ここに、該発現カセットは(a)シグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド、ここに、該第一のポリヌクレオチドは細菌において発現につきコドン最適化されており;または(b)ポリペプチドをコードする第二のポリヌクレオチド、ここに、該第二のポリヌクレオチドは第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあり;および(c)第一および第二のポリヌクレオチドに操作可能に連結したプロモーターに含み、ここに、該発現カセットはシグナルペプチドおよびポリペプチドを含む融合タンパク質をコードする。例えば、セクションIIIにて記載したように、いくつかの実施形態において、コードされるシグナルペプチドは細菌に由来する。いくつかの実施形態において、発現カセットによってコードされた細菌シグナルペプチドは発現カセットを含む細菌と同一の属および/または種の細菌に由来する。いくつかの実施形態において、シグナルペプチドは宿主組換え細菌に対して天然である。他の実施形態において、発現カセットによってコードされる細菌シグナルペプチドは発現カセットを含む細菌と異なる属および/または種の細菌に由来する。いくつかの実施形態において、シグナルペプチドは宿主組換え細菌に対して外来性である。いくつかの実施形態において、シグナルペプチドはsecA1、secA2、またはTatシグナルペプチドである。いくつかの実施形態において、第二のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドは細菌に対して異種(すなわち、外来性)である。
もう1つの態様において、本発明は(a)細菌に対して天然であるシグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド、該第一のポリヌクレオチドは細菌において発現につきコドン最適化されており、および(b)ポリペプチドをコードする第二のポリヌクレオチド、ここに、該第二のポリヌクレオチドは第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあり;を含む組換え核酸分子を含む細菌を提供し、ここに、該組換え核酸分子はシグナルペプチドおよびポリペプチドを含む融合タンパク質をコードする。いくつかの実施形態において、細菌は細胞内細菌である。いくつかの実施形態において、組換え核酸分子は、第一および第二の双方のポリヌクレオチドに操作可能に連結したプロモーターをさらに含む発現カセットの一部である。いくつかの実施形態において、細菌はListeria、Bacillus、Yersinia pestis、Salmonella、Shigella、Brucella、マイコバクテリアおよびE.coliからなる群より選択される。いくつかの実施形態において、細菌はListeria(例えば、Listeria monocytogenes)である。
もう1つの態様において、本発明は組換え核酸分子を含む組換えListeria細菌(例えば、Listeria monocytogenes)を提供し、ここに、該組換え核酸分子は(a)シグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド、ここに、該第一のポリヌクレオチドはListeria細菌において発現につきコドン最適化されており、および(b)ポリペプチドをコードする第二のポリヌクレオチド、ここに、該第二のポリヌクレオチドは第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあり;を含み、ここに、該組換え核酸分子はシグナルペプチドおよびポリペプチドを含む融合タンパク質をコードする。いくつかの実施形態において、組換え核酸分子は、第一および第二の双方のポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーターをさらに含む発現カセットの一部である。いくつかの実施形態において、第二のポリヌクレオチドはListeria細菌において発現につきコドン最適化されている。いくつかの実施形態において、第二のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドはListeria細菌に対して外来性である(すなわち、Listeria細菌に対して異種である)。いくつかの実施形態において、Listeria細菌は減弱化されている。例えば、Listeriaは細胞間拡大、非食細胞への進入、または増殖につき減弱化させることができる。いくつかの実施形態において、組換えListeria細菌はActA、インターリンB、またはActAおよびインターナリンB双方に関して欠乏している(例えば、ΔactAΔinlB二重欠失変異体)。いくつかの実施形態において、組換え細菌の核酸は核酸標的化化合物(例えば、プソラレン化合物)との反応によって修飾されている。
もう1つの態様において、本発明は組換え核酸分子を含む細菌を提供し、ここに、該組換え核酸分子は非secA1細菌シグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド、およびポリペプチド(例えば、抗原)をコードする第二のポリヌクレオチドを含み、ここに、第二のポリヌクレオチドは第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあり、およびここに、該組換え核酸分子はシグナルペプチドおよびポリペプチドを含む融合タンパク質をコードする。いくつかの実施形態において、第二のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドはシグナルペプチドに対して異種である。いくつかの実施形態において、組換え核酸分子は、第一および第二の双方のポリヌクレオチドに操作可能に連結したプロモーターをさらに含む発現カセットの一部である。いくつかの実施形態において、細菌はListeria、Bacillus、Yersinia pestis、Salmomella、Shigella、Brucella、マイコバクテリアまたはE.coliからなる群より選択される細菌である。いくつかの実施形態において、第二のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドは細菌に対して外来性である(すなわち、細菌に対して異種である)。
もう1つの態様において、本発明は発現カセットを含む細菌を提供し、ここに、該発現カセットは(a)非secA1細菌シグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド;(b)第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあるポリペプチド(例えば、細菌に対して異種であるポリペプチド)をコードする第二のポリヌクレオチド;および(c)第一および第二のポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーターを含み、ここに、該発現カセットはシグナルペプチドおよびポリペプチドを含む融合タンパク質をコードする。例えば、前記セクションIIIにてここに記載されたように、いくつかの実施形態において、非secA1細菌シグナルペプチドはsecA2シグナルペプチドである。いくつかの他の実施形態において、非secA1細菌シグナルペプチドはTatシグナルペプチドである。いくつかの実施形態において、発現カセットによってコードされた細菌シグナルペプチドは発現カセットを含む細菌と同一の属および/または種の細菌に由来する。他の実施形態において、発現カセットによってコードされた細菌シグナルペプチドは発現カセットを含む細菌と異なる属および/または種の細菌に由来する。
もう1つの態様において、本発明は組換え核酸分子を含む組換えListeria細菌を提供し、ここに、該組み替え核酸分子は(a)非secA1細菌シグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド、および(b)ポリペプチドをコードする第二のポリヌクレオチド、ここに、該第二のポリヌクレオチドは第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあり;を含み、ここに、該組換え核酸分子はシグナルペプチドおよびポリペプチドを含む融合タンパク質をコードする。いくつかの実施形態において、組換え核酸分子は、第一および第二の双方のポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーターをさらに含む発現カセットの一部である。いくつかの実施形態において、Listeria細菌は減弱化されている。いくつかの実施形態において、Listeria細菌はListeria monocytogenes細菌である。例えば、Listeriaは細胞間拡大、非食細胞への進入、または増殖につき減弱化することができる。いくつかの実施形態において、組換えListeria細菌はActA、インターナリンB、またはActAおよびインターナリンB双方に関して欠乏している(例えば、ΔactAΔinlB二重欠失変異体)。いくつかの実施形態において、組換え細菌の核酸は核酸標的化化合物(例えば、プソラレン化合物)との反応によって修飾されている。
もう1つの態様において、本発明は組換え核酸分子を含む組換えListeria細菌を提供し、ここに、該組換え核酸分子はListeria細菌に対して外来性であるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドをコードし、ここに、ポリヌクレオチドはListeriaにおいて発現につきコドン最適化されている。
さらなる態様において、本発明は発現カセットを含む組換えListeria細菌を提供し、ここに、該発現カセットは以下の:(a)Listeria細菌に対して外来性であるポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、ここに、該ポリヌクレオチドはListeriaにおいて発現につきコドン最適化されており;および(b)外来性ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーターを含む。再度、いくつかの実施形態において、ListeriaはListeria monocytogenesである。他の実施形態において、Listeria細菌はListeria ivanovii、Listeria seeligeriまたはListeria innocua種に属する。いくつかの実施形態においてListeria細菌は前記したようにListeria細菌の減弱化された株である。
さらなる態様において、本発明は組換え核酸分子を含む組換えListeria細菌(例えば、Listeria monocytogenes)を提供し、ここに、該組換え核酸分子は(a)非Listeriaシグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド;および(b)第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあるポリペプチドをコードする第二のポリヌクレオチドを含み、ここに、該組換え核酸分子は非Listeriaシグナルペプチドおよびポリペプチドを共に含む融合タンパク質をコードする。いくつかの実施形態において、Listeria細菌は減弱化されている。例えば、Listeriaは細胞間拡大、非食細胞への進入、または増殖につき減弱化させることができる。いくつかの実施形態において、組換えListeria細菌はActA、インターナリンB、またはActAおよびインターナリンB双方に関して欠乏している(例えば、ΔactAΔinlB二重欠失変異体)。いくつかの実施形態において、組換え細菌の核酸は核酸標的化化合物(例えば、プソラレン化合物)との反応によって修飾されている。
なおもう1つの態様において、本発明は非Listerialシグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド、第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあるポリペプチド(例えば、非Listerialポリペプチド)をコードする第二のポリヌクレオチド、および第一および第二のポリヌクレオチド双方に作動可能に連結されたプロモーターを含む発現カセットを含む(例えば、種Listeria monocytogenesからの)組換えListeria細菌を提供する。該発現カセットは非Listerialシグナルペプチドおよびポリペプチドを共に含む融合タンパク質をコードする。いくつかの実施形態において、Listeria細菌は細胞間拡大、非食細胞への進入、または増殖につき減弱化される。いくつかの実施形態において、Listeria細菌はActA、インターナリンB、またはActAおよびインターナリンB双方に関して欠乏している。いくつかの実施形態において、組換え細菌の核酸は核酸標的化化合物(例えば、プソラレン化合物)との反応によって修飾されている。いくつかの実施形態において、第一のポリヌクレオチド、第二のポリヌクレオチド、または第一および第二の双方のポリヌクレオチドはListeriaにおいて発現につきコドン最適化されている。いくつかの実施形態において、第一のポリヌクレオチドまたは第二のポリヌクレオチドはListeria monocytogenes発現につきコドン最適化されている。いくつかの実施形態において、第二のポリヌクレオチドによってコードされたポリペプチドはいくつかの実施形態において、非細菌抗原であり得る抗原である。例えば、ポリペプチドは、いくつかの実施形態において、腫瘍関連抗原または腫瘍関連抗原に由来する。例えば、いくつかの実施形態において、ポリペプチドはK−Ras、H−Ras、N−Ras、12−K−Ras、メソセリン、PSCA、NY−ESO−1、WT−1、スルビビン、gp100、PAP、プロテイナーゼ3、SPAS−1、SP−17、PAGE−4、TARP、またはCEAであるか、あるいはK−Ras、H−Ras、N−Ras、12−K−Ras、メソセリン、PSCA、NY−ESO−1、WT−1、スルビビン、gp100、PAP、プロテイナーゼ3、SPAS−1、SP−17、PAGE−4、TARP、またはCEAに由来する。例えば、いくつかの実施形態において、ポリペプチドはメソセリンであるか、またはメソセリンのフラグメントまたは変種である。いくつかの他の実施形態において、ポリペプチドはNY−ESO−1、またはメソセリンのフラグメントまたは変種である。いくつかの実施形態において、抗原は感染症抗原であるか、または感染症抗原に由来する。好ましい実施形態において、シグナルペプチドは細菌である。いくつかの実施形態において、シグナルペプチドは属Bacillus、StaphylcoccusまたはLactococcusに属する細菌からのものである。例えば、いくつかの実施形態において、シグナルペプチドはBacillus anthracis、Bacillus subtilis、Staphylcoccus aureus、またはLactococcus lactisからのものである。いくつかの実施形態において、シグナルペプチドはLactococcus lactisからのUsp45シグナルペプチド、またはBacillus anthracisからの保護抗原シグナルペプチドのようなsecA1シグナルペプチドである。いくつかの実施形態において、シグナルペプチドはsecA2シグナルペプチドである。なおさらなる実施形態において、シグナルペプチドはB.subtilis Tatシグナルペプチド(例えば、PhoD)のようなTatシグナルペプチドである。
本発明は、さらに、組換え核酸分子を含む組換え細菌を提供し、ここに、該組換え核酸分子は:(a)細菌自己溶解素、またはその触媒的に活性なフラグメントまたは触媒的に活性な変種をコードする第一のポリヌクレオチド;および(b)ポリペプチドをコードする第二のポリヌクレオチド、ここに、第二のポリヌクレオチドは第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあり、ここに、該組換え核酸分子は第二のポリヌクレオチドによってコードされたポリペプチド、および自己溶解素、またはその触媒的に活性なフラグメントまたは触媒的に活性な変種を含むタンパク質キメラをコードし、ここに、タンパク質キメラにおいて、ポリペプチドは自己溶解素、またはその触媒的に活性なフラグメントまたは触媒的に活性な変種に融合するかあるいは自己溶解素、またはその触媒的に活性なフラグメントまたは触媒的に活性な変種内に位置する。いくつかの実施形態において、組換え細菌はListeria細菌(例えば、Listeria monocytogenes)のような細胞内細菌である。いくつかの実施形態において、第二のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドは組換え細菌に対して外来性である。
さらにもう1つの態様において、本発明はポリシストロニック発現カセットを含む組換えListeria細菌を提供し、ここに、ポリシストロニック発現カセットは少なくとも2つの区別される非Listerialポリペプチドをコードする。例えば、いくつかの実施形態において、発現カセットは第一の非Listerialポリペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド、第二の非Listerialポリペプチドをコードする第二のポリヌクレオチド、および第一および第二のポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーターを含む。いくつかの実施形態において、組換えListeria細菌は種Listeria monocytogenesに属する。いくつかの実施形態において、第一および/または第二の非Listerialポリペプチドは抗原(またはそのフラグメント)を含む。
いくつかの実施形態において、本発明は以下の:(a)第一のシグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド;(b)第一のポリペプチドをコードする第二のポリヌクレオチド、ここに、第二のポリヌクレオチドは第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあり;(c)遺伝子間配列;(d)第二のシグナルペプチドをコードする第三のポリヌクレオチド;(e)第二のポリペプチドをコードする第四のポリヌクレオチド、ここに、第四のポリヌクレオチドは第三のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあり;および(f)発現カセットは第一のシグナルペプチドおよび第一のポリペプチドを含む第一の融合タンパク質、および第二のシグナルペプチドおよび第二のポリペプチドを含む第二の融合タンパク質を共にコードするように、第一のポリヌクレオチド、第二のポリヌクレオチド、第三のポリヌクレオチド、第四のポリヌクレオチド、および遺伝子間配列に作動可能に連結されたプロモーターを含む発言カセットを含む組換え細菌(例えば、Listeria)を提供する。いくつかの実施形態において、シグナルペプチドをコードするポリヌクレオチドの1以上は細菌において発現につきコドン最適化されている。いくつかの実施形態において、第三および/または第四のポリヌクレオチドは細菌において発現につきコドン最適化されている。いくつかの実施形態において、第一および/または第二のポリペプチドは組換え細菌に対して異種である(例えば、異種抗原)。いくつかの実施形態において、第一および/または第二のシグナルペプチドは非secA1細菌シグナルペプチドである。第一および/または第二のシグナルペプチドは組換え細菌に対して天然または外来性であり得る。いくつかの実施形態において、組換え細菌はListeria細菌であって、第一および/または第二のシグナルペプチドは非Listerialである。いくつかの実施形態において、遺伝子間配列はListeria monocytogenes actA−plcB遺伝子間配列である。いくつかの実施形態において、細菌はListeria monocytogenesである。
他の実施形態において、本発明は(a)シグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド、(b)分泌されたタンパク質、またはそのフラグメントをコードする第二のポリヌクレオチド、ここに、該第二のポリヌクレオチドは第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあり、および(c)分泌されたタンパク質、またはそのフラグメントに対して異種であるポリペプチドをコードする第三のポリヌクレオチド、ここに、第三のポリヌクレオチドは第一および第二のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあり;を含み、ここに、該組み替え核酸分子はシグナルペプチド、第二のポリヌクレオチドによってコードされたポリペプチド、および分泌されタンパク質またはそのフラグメントを含むタンパク質キメラをコードし、ここに、該ポリペプチドは分泌されたタンパク質、またはそのフラグメントに融合しているか、またはタンパク質キメラにおいて、分泌したタンパク質、またはそのフラグメント内に位置する。いくつかの実施形態において、細菌はListeria細菌である。いくつかの実施形態において、細菌がListeria細菌である場合、第三のポリヌクレオチドによってコードされたポリペプチドはListeriaに対して外来性である。いくつかの実施形態において、細菌はListeria monocytogenesである。
いくつかの実施形態において、(例えば、前記した態様の各々のいくつかの実施形態において)、細菌内に含まれる発現カセットが細菌のゲノムに組み込まれる。他の実施形態において、細菌内に含まれる発現カセットは細菌内のプラスミド上にある。
一般に、発現カセットで用いられるプロモーターは、選択された特定の細菌宿主での異種発現を行うのに適した発現カセットである。当業者であれば、いずれのプロモーターがいずれの細菌で用いるのに適しているかを容易に知ることができる。いくつかの実施形態において、プロモーターは細菌プロモーターである。さらなる実施形態において、細菌中の発現カセット上のプロモーターは、発現カセットを含有する細菌と同一の属に属する細菌からのプロモーターである。他の実施形態において、細菌中の発現カセット上のプロモーターは、発現カセットを含有する細菌と同一の種に属する細菌からのプロモーターである。例えば、もし発現カセットを含有する細菌が種Listeria monocytogenesに属するならば、発現カセットで用いるプロモーターは、所望により、hlyのようなListerial遺伝子から由来する。他の実施形態において、プロモーターは構成的プロモーター(例えば、p60プロモーター)であるか、prfA依存性プロモーター(例えば、actAプロモーター)である。再度、前記したように、発現カセットのプロモーターは、いくつかの実施形態において、構成的プロモーターである。他の実施形態において、発現カセットのプロモーターはやはり前記した誘導性プロモーターである。
いくつかの実施形態において、(例えば、前記した態様の各々のいくつかの実施形態において)、ポリペプチドまたは細菌中の発現カセットによってコードされるポリペプチドを含む融合タンパク質は、例えば、前記セクションIVにて記載したように、抗原または治療的価値がある他のタンパク質である。いくつかの実施形態において、ポリペプチド、またはポリペプチドを含むタンパク質は細菌から分泌される。いくつかの実施形態において、細菌から発現されるおよび/または分泌されるポリペプチドは細菌に対して異種である。
いくつかの実施形態において、従って、本発明は発現カセットを含む組換えListeriaを提供し、ここに、発現カセットは(a)細菌(Listerialまたは非Listerial)シグナルペプチドをコードするポリヌクレオチド、ここに、第一のポリヌクレオチドはListeriaにおいて発現につきコドン最適化されており;(b)非Listerial抗原をコードする第二のポリヌクレオチド、ここに、第二のポリヌクレオチドは第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあり、(c)第一および第二のポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーターを含み、ここに、該発現カセットはシグナルペプチドおよび抗原を含む融合タンパク質をコードする。さらなる実施形態において、ListeriaはactAinlB株のようなListeria monocytogenesの株である。いくつかの実施形態において、発現カセットは組換えListeriaのゲノムに組み込まれている。いくつかの実施形態において、第二のポリヌクレオチドはListeriaにおいて発現につきコドン最適化されている。
また、本発明は発現カセットを含むListeriaを提供し、ここに、該発現カセットは(a)secA2またはTat細菌シグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド;(b)第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにアル抗原をコードする第二のポリヌクレオチド、および(c)第一および第二のポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーターを含み、ここに、該発現カセットはシグナルペプチドおよび抗原を含む融合タンパク質をコードする。いくつかの実施形態において、細菌シグナルペプチドはListerialである。他の実施形態において、細菌シグナルペプチドは非Listerialである。さらなる実施形態において、ListeriaはactAinlB株のようなListeria monocytogenesの株である。いくつかの実施形態において、発現カセットは組換えListeriaのゲノムに組み込まれている。いくつかの実施形態において、(例えシグナルペプチドがListerialシグナルペプチドであっても)シグナルペプチドをコードするポリヌクレオチドおよび/または抗原をコードするポリヌクレオチドはListeriaにおいて発現につきコドン最適化されている。
さらなる実施形態において、本発明は発現カセットを含む組換えListeriaを提供し、発現カセットは以下の:(a)非Listerial抗原をコードするポリヌクレオチド、ここに、該ポリヌクレオチドはListeriaにおいて発現につきコドン最適化されており;および(b)外来性ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに操作可能に連結したプロモーターを含む。いくつかの実施形態において、発現カセットは、さらに、Listeriaにおいて発現につきやはりコドン最適化されている細菌シグナルペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む。1つの実施形態において、細菌シグナルペプチドはListerialである。もう1つの実施形態において、細菌シグナルペプチドは非Listerialである。いくつかの実施形態において、細菌シグナルペプチドはsecA1シグナルペプチド,secA2シグナルペプチド、またはTatシグナルペプチドである。さらなる実施形態において、ListeriaはactAinlB株のようなListeria monocytogenesの株である。いくつかの実施形態において、発現カセットは組換えListeriaのゲノムに組み込まれている。
なおもう1つの実施形態において、本発明は(a)細菌(Listerialまたは非Listerial)シグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド、ここに、該第一のポリヌクレオチドはListeriaおいて発現につきコドン最適化されており、(b)非Listerial抗原をコードする第二のポリヌクレオチド、ここに該第二のポリヌクレオチドはListeriaにおいて発現につきやはりコドン最適化されており、かつ第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあり、(c)第一および第二のポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーターを含む組換えListeria細菌を提供し、ここに、該組換えカセットはシグナルペプチドおよび抗原を含む融合タンパク質をコードする。いくつかの実施形態において、Listeria細菌は種Listeria monocytogenesに属する。いくつかの実施形態において、Listeria細菌はListeria monocytogenesのactAinlB変異体株である。
本発明は、さらに、本明細書中に記載された1を超える発現カセットを含むListeriaのような細菌を提供する。特別な組成物において、ある分子質量の与えられたタンパク質は組換えListeriaのような組換え細菌からのその発現を阻害することができる。この問題に取り組み1つのアプローチは、注目するタンパク質をコードする遺伝子を(分子的に)分割し、各分割を、細菌からのその分泌をプログラムする配列(例えば、secA1、secA2、またはTatエレメント)に機能的に融合させる。1つのアプローチは、異種遺伝子の各分割を発現する組換えListeriaを個々に誘導することである。別法として、(分泌用の適当なエレメントもやはり含めた)分子的に分割された遺伝子の個々の成分を、例えば、対立遺伝子交換によって、当該分野で良く確立された方法を用い、細菌染色体を通じて遺伝子間領域に導入することができる。もう1つの例は、単一ポリシストロニックメッセージとして分子的に分割された遺伝子を発現することである。この組成物に従うと、分子的に分割された遺伝子のタンパク質−コード配列の間に置かれるのは、ポリシストロニックメッセージでのタンパク質合成を再開するためのシャイン−ダルカルマリボソーム結合配列であろう。
さらなる態様において、本発明はListeriaのような組換え細菌における異種ポリペプチドの発現および/または分泌を改良する方法を提供する。本明細書中に記載されたポリヌクレオチド、発現カセットおよび/または発現ベクターのいずれもこれらの方法で用いることができる。例えば、本発明は、発現カセット上のポリペプチド−コード配列、発現カセットのシグナルペプチド−コード配列、または双方をコドン最適化することを含むListeriaにおいてシグナルペプチドに誘導した異種ポリペプチドの発現および/または分泌を改良する方法を提供する。また、本発明は、非Listerial源からの、および/またはsecA1以外の分泌経路からのシグナルペプチドを用いることを含むListerialにおいてシグナルペプチドに融合した異種ポリペプチドの発現および/または分泌を改良する方法を提供する。
また、本発明は、本明細書中に記載された組換え核酸分子、発現カセットおよび/または発現ベクターを細菌に導入して、組換え細菌を生じさせることを含む、組換え細菌(例えば、組換えListeria細菌)を生産する方法を提供する。例えば、いくつかの実施形態において、(a)細菌に対して天然であるシグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド、ここに、第一のポリヌクレオチドは細菌において発現につきコドン最適化されており、および(b)ポリペプチドをコードする第二のポリヌクレオチド、ここに、第二のポリヌクレオチドが第一のポリヌクレオチドと同様の翻訳リーディングフレームにあり、組換え核酸分子を細菌に導入して、組換え細菌を生産し、ここに、該組換え核酸分子はシグナルペプチドおよびポリペプチドをコードする融合タンパク質をコードする。いくつかの実施形態において、(a)非secA1細菌シグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド、および(b)ポリペプチドをコードする第二のポリヌクレオチド、ここに、該第二のポリヌクレオチドは第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあり;を含む組み換え核酸分子は細菌に導入されて、組換え細菌を生じ、ここに、該組換え核酸分子はシグナルペプチドおよびポリペプチドを含む融合タンパク質をコードする。いくつかの実施形態において、細菌に導入されて組換え細菌を生じる組換え核酸分子は、(a)非Listerialシグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド、および(b)第一のポリヌクレオチドと同一翻訳リーディングフレームにあるポリペプチドをコードする第二のポリヌクレオチドを含む組換え核酸分子であり、ここに、該組換え核酸分子は非Listeriaシグナルペプチドおよびポリペプチドを共に含む融合タンパク質をコードする。組換え細菌を生じさせるために用いられる組換え核酸分子は、いくつかの実施形態において、(a)細菌自己溶解素、またはその触媒的に活性なフラグメント、または触媒的に活性な変種をコードする第一のポリヌクレオチド、および(b)ポリペプチドをコードする第二のポリヌクレオチド、ここに、該第二のポリヌクレオチドは第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあり;を含む組換え核酸分子であり、ここに、該組み替え核酸分子は非Listeriaポリペプチドが自己溶解素、またはその触媒的に活性なフラグメントまたは触媒的に活性な変種に融合しているか、あるいは自己溶解素、またはその触媒的に活性なフラグメントまたは触媒的に活性な変種内に挿入されたタンパク質キメラをコードする。いくつかの他の実施形態において、Listeria細菌を生産する方法が提供され、これは、ポリシストロニック発現カセットをListeria細菌に導入して、組換えListeria細菌を生じさせることを含み、ここに、該発現カセットは少なくとも2つの区別される非Listerialポリペプチドをコードする。
(IX.医薬、免疫原性および/またはワクチン組成物)
薬学的組成物、免疫原性組成物、およびワクチンのような種々の異なる組成物も本発明によって提供される。これらの組成物は本明細書中に記載された組換え細菌のいずれかを含む(例えば、前記した発明の概要、詳細な記載のセクションIおよびVIII、および後の実施例を含めた明細書の他の箇所参照)。いくつかの実施形態において、組成物は単離される。
例えば、本発明は以下の(i)薬学的に受容可能なキャリア;および(ii)本明細書中に記載された組換え細菌を含む薬学的組成物を提供する。
例えば、本発明は以下の(i)薬学的に受容可能なキャリア;および(ii)シグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド、ここに、該第一のポリヌクレオチドは細菌において発現につきコドン最適化されており、ポリペプチドをコードする第二のポリヌクレオチド、ここに、該第二のポリヌクレオチドは第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあり、および当該発現カセットがシグナルペプチドおよびポリペプチドを含む融合タンパク質をコードするように、第一および第二のポリヌクレオチドと作動可能に連結されたプロモーターを含む発現カセットを含む組換え細菌を含む薬学的組成物を提供する。
また、本発明は(i)薬学的に受容可能なキャリア;および(ii)非secA1細菌シグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド、該第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあるポリペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド、および当該発現カセットがシグナルペプチドおよびポリペプチドを含む融合タンパク質をコードするように、第一および第二のポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーターを含む発現カセットを含む組換え細菌を含む薬学的組成物を提供する。
本発明は、さらに、(i)薬学的に受容可能なキャリア;および(ii)発現カセットを含む組換えListeria細菌を含む薬学的組成物を提供し、ここに、該発現カセットは以下の:(a)Listeriaに対して外来性であるポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、該ポリヌクレオチドはListeriaにおいて発現につきコドン最適化されており;および(b)外来性ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーターを含む。
また、本発明は(i)薬学的に受容可能なキャリア;および(ii)(a)非Listerialシグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド;(b)第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあるポリペプチドをコードする第二のポリヌクレオチド;および(c)第一および第二の双方のポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーターを含む発現カセットを含む組換えListeria細菌を含む薬学的組成物を提供し、ここに、該発現カセットは非Listerialシグナルペプチドおよびポリペプチド双方を含む融合タンパク質をコードする。
本明細書中で用いるように、「キャリア」はいずれかのおよび全ての溶媒、分散媒体、ビークル、コーティング、希釈剤、抗真菌剤、等張および吸収遅延剤、緩衝液、キャリア溶液、懸濁液、コロイドなどを含む。薬学的に受容可能なキャリアは当業者に良く知られており、有効成分と組み合わされた場合に、該成分が生物学的活性を保持するのを可能とし、かつ対象の免疫系と非反応性であるいずれの物質も含む。例えば、薬学的に受容可能なキャリアは、限定されるものではないが、水、緩衝生理食塩水溶液(例えば、0.9%生理食塩水)、油/水エマルジョンのようなエマルジョン、および種々のタイプの湿潤剤を含む。可能なキャリアは、限定されるものではないが、油(例えば、鉱油)、デキストロース溶液、グリセロール溶液、チョーク、澱粉、塩、グリセロールおよびゼラチンを含む。
当業者に知られたいずれの適当なキャリアを薬学的組成物で用いることもできるが、キャリアのタイプは投与の態様に応じて変化するであろう。本発明の組成物は、例えば、局所、経口、鼻腔内、静脈内、頭蓋内、腹腔内、皮下または筋肉内投与を含めたいずれかの適当な方法の投与のための処方することができる。いくつかの実施形態において、皮下注射のような非経口投与では、キャリアは水、生理食塩水、アルコール、脂肪、ワックスまたは緩衝液を含む。いくつかの実施形態において、マンニトール、ラクトース、澱粉、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、タルク、セルロース、グルコース、スクロース、および炭酸マグネシウムのような前記キャリアまたは固体キャリアのいずれかを経口投与で使用する。
そのようなキャリアを含む組成物は良く知られた慣用的方法によって処方される(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences,第18版,A.Gennaro編, Mack Publishing Co., Easton, PA, 1990;およびRemington, The Science and Practice of Pharmacy第20版, Mack Publishing,2000参照)。
薬学的組成物に加えて、免疫原性組成物が提供される。例えば、本発明は本明細書中に記載された組換え細菌を含む免疫原性組成物を提供する(例えば、前記発明の概要、詳細な記載のセクションIおよびVIII、および後の実施例を含めた明細書中の他の箇所)。いくつかの実施形態において、免疫原性組成物は組換え細菌を含み、ここに、(用いる組換え核酸分子または発現カセットに応じて)区別されるタンパク質としての、融合タンパク質の一部としての、またはタンパク質キメラに埋もれた、組換え細菌にて発現されるポリペプチドの部分であるポリペプチド配列は抗原であるか、または抗原を含む。換言すれば、いくつかの実施形態において、免疫原性組成物は、抗原を含むポリペプチドをコードする組換え核酸分子または発現カセットを含む組換え細菌を含む。適当な抗原は、限定されるものではないが、本明細書中に(例えば、前記セクションIVに)記載されたもののいずれも含む。いくつかの実施形態において、免疫原性組成物中の組換え細菌は、組成物の宿主(例えば、ヒトのような哺乳動物)への投与に際して抗原に対して免疫応答を誘導するのに十分なレベルにて抗原を含むポリペプチドを発現する。いくつかの実施形態において、免疫原性組成物によって刺激された免疫応答は細胞−媒介免疫応答である。いくつかの実施形態において、免疫原性組成物によって刺激された免疫応答はヒト免疫応答である。いくつかの実施形態において、免疫原性組成物によって刺激された免疫応答は液性および細胞−媒介免疫応答を共に含む。
例えば、1つの態様において、本発明は組換え細菌を含む免疫原性組成物を提供し、ここに、該細菌は以下の:(a)シグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド、ここに、該第一のポリヌクレオチドは細菌において発現につきコドン最適化されており;(b)抗原をコードする第二のポリヌクレオチド、ここに、該第二のポリヌクレオチドは第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあり;および(c)当該発現カセットがシグナルペプチド抗原を含む融合タンパク質をコードするように、第一および第二のポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーターを含む発現カセットを含む。
もう1つの態様において、本発明は組換え細菌を含む免疫原性組成物を提供し、ここに、該細菌は以下の:(a)非secA1細菌シグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド;(b)第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにある抗原をコードする第二のポリヌクレオチド;および(c)当該発現カセットがシグナルペプチドおよび抗原を含む融合タンパク質をコードするように、第一および第二のポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーターを含む発現カセットを含む。
なおもう1つの態様において、本発明は組換えListeria細菌を含む免疫原性組成物を提供し、ここに、組換えListeria細菌は発現カセットを含み、ここに、該発現カセットは以下の:(a)非Listerial抗原をコードし、かつListeriaにおける発現につきコドン最適化されたポリヌクレオチド;および(b)抗原をコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーターを含む。
また、本発明は(a)非Listerialシグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド;(b)第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにある抗原をコードする第二のポリヌクレオチド;および(c)第一および第二のポリヌクレオチド双方に操作可能に連結したプロモーターを含む発現カセットを含む組換えListeria細菌を含む免疫原性組成物を提供し、ここに、該発現カセットは非Listerialシグナルペプチドおよび抗原を共に含む融合タンパク質をコードする。
もう1つの態様において、本発明は組換え核酸分子を含む組換え細菌を含む免疫原性組成物(またはワクチン)を提供し、ここに、該組換え核酸分子は(a)細菌に対して天然であるシグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド、ここに、該第一のポリヌクレオチドは細菌において発現につきコドン最適化されており、および(b)抗原を含むポリペプチドをコードする第二のポリヌクレオチド、ここに、該第二のポリヌクレオチドは第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあり;を含み、ここに、該組換え核酸分子はシグナルペプチドおよびポリペプチドを含む融合タンパク質をコードする。
もう1つの態様において、本発明は組換えListeria細菌を含む免疫原性組成物(ワクチン)を提供し、ここに、該組換え細菌は(a)シグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド、ここに、該第一のポリヌクレオチドはListeriaにおける発現につきコドン最適化されており、および(b)抗原を含むポリペプチドをコードする第二のポリヌクレオチド、ここに、該第二のポリヌクレオチドは第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあり;を含む組換え核酸分子を含み、ここに、該組み替え核酸分子はシグナルペプチドおよびポリペプチドを含む融合タンパク質をコードする。
もう1つの態様において、本発明は組換え核酸分子を含む組換え細菌を含む免疫原性組成物(またはワクチン)を提供し、ここに、該組換え核酸分子は非secA1細菌シグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド、および抗原を含むポリペプチドをコードする第二のポリヌクレオチド、ここに、該第二のポリヌクレオチドは第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあり;を含み、ここに、該組換え核酸分子はシグナルペプチドおよびポリペプチドを含む融合タンパク質をコードする。
さらにもう1つの態様において、本発明は組換え核酸分子を含む組換えListeria細菌を含む免疫原性組成物(またはワクチン)を提供し、ここに、該組換え核酸分子は(a)非secA1細菌シグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド、および(b)シグナルペプチドに対して異種であるか、または細菌に対して外来性であるポリペプチドをコードする第二のポリヌクレオチド、ここに、該第二のポリヌクレオチドは第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあり;を含み、ここに、該組換え核酸分子はシグナルペプチドおよびポリペプチドを含む融合タンパク質をコードする。いくつかの実施形態において、第一のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドは抗原を含む。
もう1つの態様において、本発明は組換えLiseteria細菌を含む免疫原性組成物(またはワクチン)を提供し、ここに、該組換えListeria細菌は組換え核酸分子を含み、ここに、該組換え核酸分子はListeriaに対して外来性であるポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含み、ここに、外来性ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドはListeriaにおいて発現につきコドン最適化されている。いくつかの実施形態において、外来性ポリペプチドは抗原を含む。
もう1つの態様において、本発明は組換えListeria細菌を含む免疫原性組成物(またはワクチン)を提供し、ここに、組換え細菌は(a)非Listerialシグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド、および(b)抗原を含むポリペプチドをコードする第二のポリヌクレオチド、ここに、該第二のポリヌクレオチドは第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあり;を含む組換え核酸分子を含み、ここに、該組換え核酸分子は非Listerialシグナルペプチドおよびポリペプチドを共に含む融合タンパク質をコードする。
また、本発明は組換え細菌を含む免疫原性組成物(またはワクチン)を提供し、ここに、該組換え細菌は(a)細菌自己溶解素、またはその触媒的に活性なフラグメントまたは触媒的に活性な変種をコードする第一のポリヌクレオチド、および(b)ポリペプチドをコードする第二のポリヌクレオチド、ここに、第二のポリヌクレオチドは第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあり;を含む核酸分子を含み、ここに、該組換え核酸分子は第二のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチド、および自己溶解素、またはその触媒的に活性なフラグメント、または触媒的に活性な変種を含むタンパク質キメラをコードし、ここに、タンパク質キメラにおいては、ポリペプチドは自己溶解素、またはその触媒的に活性なフラグメントまたは触媒的に活性な変種に融合し、またはそれ内に位置する。いくつかの実施形態において、第二のポリヌクレオチドによってコードされたポリペプチドは抗原を含む。
もう1つの態様において、本発明は組換えListeria細菌を含む免疫原性組成物(またはワクチン)を提供し、ここに、組換えListeria細菌は組換え核酸分子を含み、ここに、組換え核酸分子は少なくとも2つの区別される非Listerialポリペプチドをコードし、その少なくとも1つは抗原を含む。
他の態様において、本発明は(a)シグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド、(b)分泌されたタンパク質、またはそのフラグメントをコードする第二のポリヌクレオチド、ここに、該第二のポリヌクレオチドは第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあり、および(c)分泌されたタンパク質、またはそのフラグメントに対して異種であるポリペプチドをコードする第三のポリヌクレオチド、ここに、該第三のポリヌクレオチドは第一および第二のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあり;を含む組換え核酸分子を含む組換え細菌を含む免疫原性タンパク質(またはワクチン)を提供し、ここに、該組換え核酸分子はシグナルペプチド、第三のポリヌクレオチドによってコードされたポリペプチド、および分泌されたタンパク質、またはそのフラグメントを含むタンパク質キメラをコードし、およびここに、第三のポリヌクレオチドによってコードされたポリペプチドは分泌されたタンパク質、またはそのフラグメントに融合するか、あるいはタンパク質キメラにおいて、分泌されたタンパク質、またはそのフラグメント内に位置する。いくつかの実施形態において、第三のポリヌクレオチドによってコードされた異種ポリペプチドは抗原を含む。
もし組換え細菌の特定の形態(および/または特定の発現カセット)がインビトロにてまたはモデル系において免疫応答を刺激する組換え細菌の能力をテストすることによって免疫原性組成物において(またはワクチンとして)有用であるかを決定することができる。
これらの免疫細胞応答をインビトロおよびインビボ双方の方法によって測定して、特定の組換え細菌(および/または特定の発現カセット)の免疫応答が効果的であるかを決定することができる。1つの可能性は、組換え細菌の集団と混合された抗原提示細胞による注目するタンパク質または抗原の提示を測定することである。組換え細菌は適当な抗原提示細胞または細胞系、例えば、樹状細胞と混合することができ、タンパク質または抗原を認識するT細胞への樹状細胞による抗原提示を測定することができる。もし組換え細菌が十分なレベルにてタンパク質または抗原を発現しているならば、樹状細胞によってそれをペプチドフラグメントに処理し、MHCクラスIまたはクラスIIの関係でT細胞に提示される。提示されたタンパク質または抗原を検出する目的で、特定のタンパク質または抗原に応答性のT細胞クローンまたはT細胞系を用いることができる。T細胞はT細胞ハイブリドーマであってもよく、ここに、T細胞は癌細胞系との融合によって不滅化される。そのようなT細胞ハイブリドーマ、T細胞クローン、またはT細胞系はCD8+またはCD4+T細胞いずれかを含むことができる。樹状細胞は、抗原が処理される経路に応じて、CD8+またはCD4+T細胞いずれかへ提示できる。CD8+T細胞はMHCクラスIの関係で抗原を認識し、他方、CD4+はMHCクラスIIの関係で抗原を認識する。T細胞はそのT細胞受容体による特異的認識を介して提示された抗原によって刺激され、その結果、(例えば、ELISAアッセイ、ELISPOTアッセイ、または細胞内サイトカイン染色(ICS)を用い)定量的に測定することができるIL−2、腫瘍壊死因子−α(TNF−α)、インターフェロン−γ(INF−γ)のようなある種のタンパク質の生産をもたらす。当該分野で良く知られ、実施例にて後にやはり例示する技術がある(例えば、後の実施例21参照)。
別法として、提示された抗原によるT細胞ハイブリドーマの刺激に際して活性化されるβ−ガラクトシダーゼのような、レポーター遺伝子を含むようにハイブリドーマを設計することができる。β−ガラクトシダーゼの生産の増加は、色の変化をもたらす、クロロフェノールレッド−B−ガラクトシドのような基質に対するその活性によって容易に測定することができる。色の変化は特異的抗原提示のインジケーターとして直接測定することができる。
本発明の組換え細菌ワクチンの抗原発現を評価するためのさらなるインビトロおよびインビボ方法は当業者に知られている。また、組換え細菌による特定の異種抗原の発現を直接的に測定することもできる。例えば、放射性標識されたアミノ酸を細胞集団に加えることができ、特定のタンパク質に取り込まれた放射能の量を測定することができる。細胞集団によって合成されたタンパク質は、例えば、ゲル電気泳動または毛細管電気泳動によって単離することができ、放射能の量を定量的に測定して、特定のタンパク質の発現レベルを評価することができる。別法として、タンパク質を放射能無くして発現させ、酵素結合抗体または蛍光標識抗体を用いる検出での、ELISAアッセイ、またはゲル電気泳動およびウェスタンブロットのような種々の方法によって可視化することができる。
以下の実施例21は、当業者に知られた技術のいくつかがどのようにして免疫原性を評価するのに用いることができるかのいくつかの特異的な例示的例を提供する。例えば、細胞内サイトカイン染色アッセイ(ICS)、刺激された脾臓のサイトカイン発現の測定、および細胞傷害性T細胞活性のインビトロおよびインビボでの評価は、全て、当業者に知られた免疫原性を評価するための技術である。モデル抗原を用いるこれらの技術の例示的な記載は実施例21に供される。また、例示的アッセイは以下の実施例31Aおよび31Eに記載される。
加えて、ワクチン組成物の治療効果は、免疫原性組成物またはワクチンをマウスモデルのような動物モデルに投与し、引き続いて、生存または腫瘍増殖の評価によってより直接的に評価することができる。例えば、生存は(例えば、腫瘍または病原体での)投与および挑戦に続いて測定することができる。例えば、以下の実施例20および31BないしDに記載されたアッセイ参照。
特定の抗原を発現する免疫原性組成物またはワクチンの免疫原性をテストするのに有用なマウスモデルは、それが注目する抗原またはモデル抗原を発現するように、まず腫瘍細胞を修飾し、次いで、注目する抗原を発現する腫瘍細胞をマウスに移植することによって生産することができる。(候補組成物の予防効率を測定するための)腫瘍細胞の移植に先立って、または(候補組成物の治療効果をテストするための)マウスにおける腫瘍細胞の移植に続いて、注目する抗原またはモデル抗原を含むポリペプチドを発現する組換え細菌を含む候補免疫原性組成物またはワクチンでマウスをワクチン接種することができる。
例として、CT26マウスネズミ結腸癌腫細胞を、当該分野で標準的な技術を用い、所望の抗原またはモデル抗原をコードする発現カセットを含む適当なベクターでトランスフェクトすることができる。次いで、フローサイトメトリーおよびウェスタンブロットのような標準的技術を用いて、免疫原性および/または効果アッセイで用いるのに十分なレベルで抗原またはモデル抗原を発現するクローンを同定するのに用いることができる。
別法として、腫瘍細胞系に対して内因性である抗原(例えば、CT26マウスネズミ結腸癌腫細胞に対して内因性であるレトロウイルスgp70腫瘍抗原AH1、またはヘテロクリティックエピトープAH1−A5)に対応するか、またはそれに由来する抗原を発現する組換え細菌を含む候補組成物をテストすることができる。そのようなアッセイにおいて、腫瘍細胞は、さらなる抗原を発現するようなさらなる修飾無しの動物モデルに移植することができる。抗原を含む候補ワクチンを次いでテストすることができる。
示されたように、本明細書中に記載された細菌を含むワクチン組成物も提供される。例えば、本発明は本明細書中に記載された組換え細菌を含むワクチンを提供し(例えば、前記発明の概要、詳細な記載のセクションIおよびVIII、および以下の実施例を含めた明細書中の他の箇所参照)、ここに、(用いる組換え核酸分子または発現カセットに応じて)区別されるタンパク質として、融合タンパク質の一部として、またはタンパク質キメラに埋められた、組換え細菌によって発現されるポリペプチドの一部であるポリペプチド配列は抗原である。適当な抗原は本明細書(例えば、前記セクションIVに)記載されたもののいずれも含む。
1つの態様において、本発明は細菌を含むワクチンを提供し、ここに、該細菌は以下の:(a)シグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド、ここに、該第一のポリヌクレオチドは細菌において発現につきコドン最適化されており;(b)抗原をコードする第二のポリヌクレオチド、ここに、該第二のポリヌクレオチドは第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあり;(c)発現カセットがシグナルペプチドおよび抗原を含む融合タンパク質をコードするように、第一および第二のポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーターを含む発現カセットを含む。
もう1つの態様において、本発明は細菌を含むワクチンを提供し、ここに、該細菌は以下の:(a)非secA1細菌シグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド;(b)第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにある抗原をコードする第二のポリヌクレオチド;および(c)当該発現カセットがシグナルペプチドおよび抗原を含む融合タンパク質をコードするように、第一および第二のポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーターを含む発現カセットを含む。
なおもう1つの態様において、本発明は核酸分子を含む組換えListeria細菌を含むワクチンを提供し、ここに、該核酸分子は以下の:(a)非Liseterial抗原をコードし、かつListeriaにおいて発現につきコドン最適化されたポリヌクレオチド;および(b)抗原をコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーターを含む。
もう1つの態様において、本発明は:(a)非Listerialシグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド;(b)該第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにある抗原をコードする第二のポリヌクレオチド;および(c)第一および第二の双方のポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーターを含む発現カセットを含む組換えListeria細菌を含むワクチンを提供し、ここに、該発現カセットは非Listerialシグナルペプチドおよび抗原を共に含む融合タンパク質コードする。
いくつかの実施形態において、ワクチン組成物は、本明細書中に記載された組換え細菌のいずれかで感染させている抗原提示細胞(APC)を含む。いくつかの実施形態において、ワクチン(または免疫原性または薬学的組成物)は抗原提示細胞を含まない(すなわち、ワクチンまたは組成物は細菌ベースのワクチンまたは組成物であり、APCベースのワクチンまたは組成物ではない)。
ワクチン組成物(および医薬および免疫原性組成物)の投与に適した投与方法は当該分野で知られており、投与の経口、静脈内、皮内、腹腔内、筋肉内、リンパ内、鼻腔内および皮下経路を含む。
ワクチン処方は当該分野で知られており、いくつかの実施形態においては、保存剤(例えば、チメロサール、2−フェニオキシエタノール)、安定化剤、アジュバント、(例えば、水酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム、サイトカイン)、抗生物質(例えば、ネオマイシン、ストレプトマイシン)および他の物質のような多数の添加剤を含むことができる。いくつかの実施形態において、ラクトースまたはグルタミン酸一ナトリウム(MSG)のような安定化剤を加えて、温度変動または凍結乾燥プロセスのような種々の条件に対してワクチン処方を安定化させる。いくつかの実施形態において、ワクチン処方は滅菌水、生理食塩水、または等張緩衝生理食塩水(例えば、生理学的pHに対して緩衝化されたホスフェート)のような懸濁化流体または希釈剤を含むこともできる。また、ワクチンは少量の製造プロセスからの残存物質を含むこともできる。
例えば、いくつかの例において、ワクチン組成物は凍結乾燥される。凍結乾燥された製剤は投与に先立って滅菌溶液(例えば、シトレート−炭酸水素塩緩衝液、緩衝水、0.4%生理食塩水など)と組み合わせることができる。
いくつかの実施形態において、ワクチン組成物は、さらに、アジュバントまたは共刺激分子のような、ワクチンに対する免疫応答を改良するための当該分野で知られたさらなる成分を含むことができる。前記リストしたものに加えて、可能なアジュバントはCpGのような、ケモカインおよび細菌核酸配列を含む。いくつかの実施形態において、ワクチンはCTLA4のような、ワクチンに対する免疫応答を改良する抗体を含む。いくつかの実施形態において、共刺激分子はGM−CSF、IL−2、IL−12、IL−14、IL−15、IL−18、B7.1、B7.2、およびB7−DCからなる群より選択される1以上の因子を含み、所望により、本発明のワクチン組成物に含められる。他の共刺激分子は当業者に知られている。
さらなる態様において、本発明は抗原を発現するListeriaを含むワクチンまたは免疫原性組成物を改良する方法を提供する。本明細書中に記載されたポリヌクレオチド、発現カセットおよび/または発現ベクターのいずれもこれらの方法で用いることができる。例えば、本発明は、発現カセット上のポリペプチド−コード配列、発現カセットのシグナルペプチド−コード配列、または双方のいずれかをコドン最適化することを含む、Listeria細菌を含むワクチンまたは免疫原性組成物を改良する方法を提供し、ここに、該Listeria細菌はシグナルペプチドに融合した異種抗原を発現する。本発明は、非Listerial源からの、および/またはsecA1以外の分泌経路からのシグナルペプチドを用いることを含む、Listeria細菌を含むワクチンまたは免疫原性組成物を改良する方法を提供し、ここに、該Listeria細菌はシグナルペプチドに融合した異種抗原を発現する。
本発明のワクチンを生産する方法も提供される。例えば、1つの実施形態において、組換え細菌(例えば、組換えListeria細菌)を含むワクチンを生産する方法は、組換え核酸分子を細菌に、本明細書中に記載された発現カセットまたは発現ベクターを細菌に導入することを含み、ここに、該組換え核酸分子、発現カセット、または発現ベクターは抗原をコードする。例えば、いくつかの実施形態において、(a)細菌に対して天然であるシグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド、ここに、該第一のポリヌクレオチドは細菌において発現につきコドン最適化されており、および(b)抗原をコードする第二のポリヌクレオチド、ここに、該第二のポリヌクレオチドは第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあり;を含む組換え核酸分子を細菌に導入してワクチンを生じさせ、ここに、該組換え核酸分子はシグナルペプチドおよび抗原を含む融合タンパク質をコードする。いくつかの実施形態において、(a)非secA1細菌シグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド、および(b)抗原をコードする第二のポリヌクレオチド、ここに、該第二のポリヌクレオチドは第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあり;を含む組換え核酸分子は細菌に導入されて、ワクチンを生じ、ここに、該組換え核酸分子はシグナルペプチドおよび抗原を含む融合タンパク質をコードする。いくつかの実施形態において、細菌に導入されてワクチンを生じる組換え核酸分子は、(a)非Listerialシグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド、および(b)該第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにある抗原をコードする第二のポリヌクレオチドであり、ここに、該組換え核酸分子は非Listerialシグナルペプチドおよび抗原を共に含む融合タンパク質をコードする。ワクチンを生じさせるのに用いられる組換え核酸分子は、ある実施形態において、(a)細菌自己溶解素、またはその触媒的に活性なフラグメントまたは触媒的に活性な変種をコードする第一のポリヌクレオチド、および(b)ポリペプチドをコードする第二のポリヌクレオチド、ここに、該第二のポリヌクレオチドは第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあり;を含む組換え核酸分子であり、ここに、該組換え核酸分子は非Listerialポリペプチドが自己溶解素、またはその触媒的に活性なフラグメントまたは触媒的に活性な変種であるか、あるいは自己溶解素、または触媒的に活性なフラグメントまたは触媒的に活性な変種内に挿入されたタンパク質キメラをコードする。いくつかの他の実施形態において、組換えListeria細菌を含むワクチンを生産する方法が提供され、これはポリシストロニック発現カセットをListeria細菌に導入して、ワクチンを生じさせることを含み、ここに、該ポリシストロニック発現カセットは少なくとも2つの区別される非Listerialポリペプチドをコードし、ここに、ポリペプチドの少なくとも1つは抗原である。
本発明の組換え核酸分子、発現カセット、ベクター、細菌および/または組成物のいずれかを含むキットも提供される。
(X.使用の方法)
宿主において免疫応答を誘導し、および/または疾患を予防しまたは治療するための、本明細書中に記載された組換え細菌または医薬、免疫原性またはワクチン組成物を用いる種々の方法が提供される。いくつかの実施形態において、治療されまたは予防される疾患は障害である。いくつかの実施形態において、障害は癌である。いくつかの実施形態において、障害は感染症である。加えて、組換え細菌は哺乳動物タンパク質のような異種タンパク質の生産および単離でも有用である。
本明細書中で用いるように、(疾患または障害に関して)「治療」または「治療する」は、好ましくは臨床的結果を含めた、有利なまたは所望の結果を得るためのアプローチである。本発明の目的では、障害に関する有利なまたは所望の結果は、限定されるものではないが、以下の:障害に関連する状態の改善、障害の治癒、障害の重症度の軽減、障害の進行の遅延、障害に関連する1以上の兆候の軽減、障害に罹った者の生活の質の増大、および/または生存の延長の1以上を含む。同様に、本発明の目的では、疾患に関して有利なまたは所望の結果は、限定されるものではないが、以下の:疾患の改善、疾患の治癒、疾患の重症度の軽減、疾患の進行の遅延、疾患に関連する1以上の兆候の軽減、疾患に罹った者の生活の質の向上、および/または生存の延長の1以上を含む。例えば、本明細書中に記載された組成物が癌の治療で用いられる実施形態において、有利なまたは所望の結果は、限定されるものではないが、以下の:新形成または癌細胞の増殖の低下(または破壊)、癌で見出された新形成細胞の転移の低下、腫瘍のサイズの縮み、癌に由来する兆候の減少、癌に罹った者の生活の質の向上、障害を治療するのに必要な他の投薬の用量の減少、癌の進行の遅延、および/または癌を有する患者の生存の遅延の1以上である。
本明細書中で用いるように、用語障害を「予防する」または障害からの「宿主の保護」(本明細書中では相互交換的に用いられる)は、限定されるものではないが、以下の:障害の開始または進行の停止、遅延、邪魔、遅くすること、遅らせることおよび/または遅らせ、障害の進行の安定化、および/または障害の発生の遅延の1以上を含む。用語疾患を「予防する」または疾患から「宿主を保護する」(本明細書中では相互交換的に用いられる)は、限定されるものではないが、以下の:疾患の開始または進行の停止、遅延、邪魔、遅くすること、遅らせることおよび/または遅らせ、障害の進行の安定化、および/または障害の発生の遅延の1以上を含む。本発明の期間は、障害または疾患の履歴および/または治療すべき個体に依存して、種々の長さの時間であり得る。例えば、病原体によって引き起こされた感染症に対して予防または保護するようにワクチンが設計される場合、用語障害を「遅延し」または障害から「宿主を保護する」は、限定されるものではないが、以下の:宿主の病原体による感染、宿主の病原体による感染の進行、または病原体による宿主の感染に関連する障害の開始または進行の停止、遅延、邪魔、遅くすること、遅らせることおよび/または遅らせ、および/または病原体による宿主の感染に関連する障害の進行の安定化を含む。また、例として、ワクチンの抗−癌ワクチンである場合、用語障害を「予防する」または障害から「宿主を保護する」は、限定されるものではないが、以下の:癌または転移の発生、癌の進行、または癌の再発の停止、遅延、邪魔、遅くすること、遅らせることおよび/または遅らせの1以上を含む。
1つの態様において、本発明は宿主に有効量の本明細書中に記載された組換え細菌を含む組成物(例えば、薬学的組成物、免疫原性組成物またはワクチン)(例えば、前記発明の概要、詳細な記載のセクションI、VIII、およびIX、または以下の実施例参照)を投与することを含む、抗原に対する宿主における免疫応答を誘導する方法を提供する。いくつかの実施形態において、組換え細菌における組換え核酸、発現カセット、および/または発現ベクターによってコードされるポリペプチドは抗原を含むか、または抗原を含む融合タンパク質またはタンパク質キメラである。
例えば、1つの態様において、本発明は宿主に有効量の組換え細菌を含む組成物を投与することを含む抗原に対する宿主における免疫応答を誘導する方法を提供し、ここに、該組換え細菌は以下の:(a)シグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド、ここに、該第一のポリヌクレオチドは細菌において発現につきコドン最適化されており;(b)抗原をコードする第二のポリヌクレオチド、ここに、該第二のポリヌクレオチドは第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあり;および(c)当該発現カセットはシグナルペプチドおよび抗原を含む融合タンパク質をコードするように、第一および第二のポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーターを含む発現カセットを含む。
もう1つの態様において、本発明は、宿主に有効量の発現カセットを含む組換え細菌を含む組成物を投与することを含む、抗原に対する宿主における免疫応答を誘導する方法を提供し、ここに、該発現カセットは以下の:(a)非secA1細菌シグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド;(b)第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにある抗原をコードする第二のポリヌクレオチド;および(c)当該発現カセットがシグナルペプチドおよび抗原を含む融合タンパク質をコードするように、第一および第二のポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーターを含む。
なおもう1つの態様において、本発明は宿主に有効量の核酸分子を含む組換えListeria細菌を含む組成物を投与することを含む、非Listerial抗原に対する宿主における免疫応答を誘導する方法を提供し、ここに、該核酸分子は以下の:(a)非Listerial抗原をコードし、かつListeriaにおいて発現につきコドン最適化されているポリヌクレオチド;および(b)抗原をコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーターを含む。
もう1つの態様において、本発明は、以下の(a)非Listerialシグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド;(b)第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにある抗原をコードする第二のポリヌクレオチド;および(c)第一および第二のポリヌクレオチド双方に作動可能に連結されたプロモーターを含む発現カセットを含む組み換えListeria細菌の有効量を宿主に投与することを含む、抗原に対する宿主における免疫応答を誘導する方法を提供し、ここに、該発現カセットは非Listerialシグナルペプチドおよびポリペプチド双方を含む融合タンパク質をコードする。
本明細書中に記載された免疫応答を誘導する方法のいくつかの実施形態において、細菌は薬学的組成物、免疫原性組成物および/またはワクチン組成物の形態で投与される。
いくつかの実施形態において、免疫応答はMHCクラスI免疫応答である。他の実施形態において、免疫応答はMHCクラスII免疫応答である。なお他の実施形態において、細菌または組成物の投与によって誘導される免疫応答はMHCクラスIおよびMHCクラスII応答の双方である。従って、いくつかの実施形態において、免疫応答はCD4+T−細胞応答を含む。いくつかの実施形態において、免疫応答はCD8+T−細胞応答を含む。いくつかの実施形態において、免疫応答はCD4+T−細胞応答CD8+T−細胞応答を共に含む。いくつかの実施形態において、免疫応答はB−細胞応答および/またはT−細胞応答を含む。B−細胞応答は、当業者に知られた方法を用い、抗原に対して向けられた抗体の力価を決定することによって測定することができる。いくつかの実施形態において、本明細書中に記載された組成物によって誘導される免疫応答は液性応答である。他の実施形態において、誘導される免疫応答は細胞性免疫応答である。いくつかの実施形態において、免疫応答は細胞性および液性双方の免疫応答を含む。いくつかの実施形態において、免疫応答は抗原特異的である。いくつかの実施形態において、免疫応答は抗原特異的T−細胞応答である。
免疫応答を誘導する方法の提供に加えて、本発明は宿主(例えば、ヒト患者のような対象)において疾患を予防または治療する方法も提供する。いくつかの実施形態において、疾患は障害である。該方法は宿主に有効量の本明細書中に記載された組換え細菌、または本明細書中に記載された組換え細菌を含む組成物(例えば、前記発明の概要、詳細な記載のセクションI、VIII、およびIX、または以下の実施例参照)を投与することを含む。いくつかの実施形態において、障害は癌である。いくつかの実施形態において、障害は感染症である。
例えば、1つの態様において、本発明は宿主に有効量の細菌を含む組成物を投与することを含む、宿主において障害(または疾患)を予防または治療する方法を提供し、ここに、該細菌は以下の:(a)シグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド、ここに、該第一のポリヌクレオチドは細菌において発現につきコドン最適化されており;(b)ポリペプチド(例えば、抗原および/または治療哺乳動物タンパク質)をコードする第二のポリヌクレオチド、ここに、該第二のポリヌクレオチドは第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあり;および(c)シグナルペプチドおよび抗原を含む融合タンパク質を発現カセットがコードするように、第一および第二のポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーターを含む発現カセットを含む。
もう1つの態様において、本発明は宿主に有効量の組換え細菌を含む組成物を投与することを含む、宿主において障害(疾患)を予防または治療する方法を提供し、ここに、該細菌は発現カセットを含み、ここに、該発現カセットは以下の:(a)非secA1細菌シグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド、(b)第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあるポリペプチド(例えば、抗原および/または哺乳動物タンパク質)をコードする第二のポリヌクレオチド;および(c)当該発現カセットがシグナルペプチドおよび抗原を含む融合タンパク質をコードするように、第一および第二のポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーターを含む。
なおもう1つの態様において、本発明は宿主に有効量の核酸分子を含む組み換えListeria細菌を含む組成物を投与することを含む、宿主において障害(または疾患)を予防または治療する方法を提供し、ここに、該核酸分子は:(a)非Listerialポリペプチド(例えば、抗原および/または治療哺乳動物タンパク質)をコードし、かつListeriaにおいて発現につきコドン最適化されているポリヌクレオチド;および(b)抗原をコードするポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーターを含む。
もう1つの態様において、本発明は、(a)非Listerialシグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチド;(b)第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにあるポリペプチド、(抗原および/または治療哺乳動物タンパク質)をコードする第二のポリヌクレオチド;および(c)第一および第二の双方のポリヌクレオチドに作動可能に連結されたプロモーターを含む発現カセットを含む組換えListeria細菌を含む組成物の有効量を宿主に投与することを含む、宿主において障害(または疾患)を予防または治療する方法を提供し、ここに、該発現カセットは非Listerialシグナルペプチドおよびポリペプチドを含む融合タンパク質をコードする。
いくつかの実施形態において、障害は癌である。いくつかの実施形態において、治療または予防すべき疾患が癌である場合、該障害はメラノーマ、乳癌、膵臓癌、肝臓癌、結腸癌、結直腸癌、肺癌、脳癌、精巣癌、卵巣癌、扁平細胞癌、胃腸癌、頸部癌、腎臓癌、甲状腺癌または前立腺癌である。いくつかの実施形態において、癌はメラノーマである。いくつかの実施形態において、癌は膵臓癌である。いくつかの実施形態において、癌は結腸癌である。いくつかの実施形態において、癌は前立腺癌である。いくつかの実施形態において、癌は転移性である。
他の実施形態において、障害は自己免疫疾患である。なお他の実施形態において、障害は感染症、またはウイルス、細菌、真菌または原生動物のような病原体によって引き起こされたもう1つの障害である。いくつかの実施形態において、障害は感染症である。
いくつかの実施形態において、癌の予防または治療における組換え細菌の使用は、存在する、または個体が環境暴露および/または家族的特性のような増大した危険因子を有する癌を予防または治療するための組換え細菌の個体の免疫系の細胞への送達を含む。他の実施形態において、癌の予防または治療における組換え細菌の使用は、腫瘍が除去された、または過去に癌を有した、しかし現在緩解中である個体への組換え細菌の送達を含む。
いくつかの実施形態において、宿主への本明細書中に記載された組換え細菌を含む組成物の投与は宿主においてCD4+T−細胞応答を誘導する。いくつかの他の実施形態において、宿主への本明細書中に記載された組換え細菌を含む組成物の投与は、宿主においてCD8+T−細胞応答を誘導する。いくつかの実施形態において、本明細書中に記載された組換え細菌を含む組成物の投与は、宿主においてCD4+T−細胞応答およびCD8+T−細胞応答を共に誘導する。
疾患の治療用のワクチンまたは他の組成物の効力は個体、例えば、マウスにおいて評価することができる。マウスモデルはヒトにおける効力に対するモデルとして認識されており、本発明のワクチンを評価し、規定するのに有用である。該マウスモデルを用いて、いずれかの個体におけるワクチンの有効性の潜在能力を示す。ワクチンは、特定の障害に対する予防的または治療的効果いずれかを供するそれらの能力につき評価することができる。例えば、感染症の場合には、マウスの集団を所望の量の本発明の適当なワクチンでワクチン接種することができ、ここに、組換え細菌は感染症関連抗原を発現する。マウスは引き続いてワクチン抗原に関連する感染剤で感染させ、感染に対する保護につき評価することができる。感染症の進行は、(ワクチン接種していないか、またはビークルのみ、または適当な抗原を含まない細菌でワクチン接種した)コントロール集団に対して観察することができる。
癌ワクチンの場合には、腫瘍細胞モデルが利用でき、そこでは、所望の腫瘍抗原を発現する腫瘍細胞系を、所望の腫瘍抗原を含有する本発明の細菌を含む組成物でのワクチン接種の前(治療モデル)または後(または予防モデル)いずれかにマウスの集団に注射することができる。腫瘍抗原を含有する組換え細菌でのワクチン接種を、ワクチン接種していない、ビークルをワクチン接種した、または無関係抗原を発現する組換え細菌でワクチン接種したコントロール集団と比較することができる。そのようなモデルにおけるワクチンの有効性は、腫瘍注射後の時間の関数として腫瘍容量の点で、腫瘍注射後の時間の関数として生存集団の点で評価することができる(例えば、実施例31D)。1つの実施形態において、組換えワクチンを含む組成物でワクチン接種したマウスにおける腫瘍容量は、ワクチン接種していないか、またはビークル、または無関係抗原を発現する細菌でワクチン接種したマウスにおける腫瘍容量よりも約5%、約10%、約25%、約50%、約75%、約90%または約100%低い。もう1つの実施形態において、腫瘍容量におけるこの差は、腫瘍のマウスへのインプラントから少なくとも約10、約17、または約24日に観察される。1つの実施形態において、組換え細菌を含む組成物でワクチン接種したマウスにおけるメジアン生存時間は、ワクチン接種していない、またはビークル、または無関係抗原を発現する細菌でワクチン接種したマウスにおけるよりも少なくとも約2、約5、約7または少なくとも約10日長い。
本明細書中に記載された方法における宿主(すなわち、対象)はいずれかの脊椎動物、好ましくは哺乳動物であり、家畜動物、スポーツ動物、およびヒトを含めた霊長類である。いくつかの実施形態において、宿主は哺乳動物である。いくつかの実施形態において、宿主はヒトである。
組換え細菌、または該株を含む組成物の送達は皮内、皮下、腹腔内、静脈内、筋肉内、リンパ内、経口または鼻腔内、ならびにいずれかの与えられた悪性または感染症または他の疾患に関連するいずれかの経路のようないずれかの適当な方法によることができる。
組換え細菌および免疫刺激剤を含む組成物を同時に、順次にまたは別々に宿主に投与することができる。免疫刺激剤の例は、限定されるものではないが、IL−2、IL−12、GMCSF、IL−15、B7.1、B7.2、およびB7−DCおよびIL−14を含む。刺激剤のさらなる例は前記セクションIXに供される。
本明細書中で用いるように、細菌または(薬学的組成物または免疫原性組成物のような)組成物の「有効量」は、有利なまたは所望の結果を実現するのに十分な量である。予防的使用では、有利なまたは所望の結果は、障害の危険性の排除または低下、重症度の低下、または開始の遅延のような結果を含み、これは、障害の生化学的、組織学的および/または挙動的兆候、障害の発生の間に示される合併症および中間的病理学的表現型を含む。治療的使用では、障害の阻害または抑制、障害から由来する1以上の兆候の減少(生化学的、組織学的および/または挙動的)のような臨床的結果を含み、これは、障害の発生の間に示されるその合併症および中間的病理学的表現型、障害に罹った者の生活の質の増大、障害を治療するのに必要な他の投薬の容量の減少、もう1つの投薬の効果の増強、障害の進行の遅延、および/または患者の生存の延長を含む。有効量は1以上の投与で投与することができる。本発明の目的では、有効量の薬物、化合物、または薬学的組成物は予防的または治療的処置を直接的または間接的に達成するのに十分な量である。臨床的意味で理解されるように、薬物、化合物、または薬学的組成物の有効量は、もう1つの薬物、化合物、または薬学的組成物と組み合わせて達成してもしなくてもよい。かくして、有効量は1以上の治療剤を投与する意味で考えることができ、単一の剤は、もし1以上の他の剤と組み合わせて、所望の結果が達成でき、または達成されるならば有効量で与えられると考えることができる。
いくつかの実施形態において、癌の治療的処置では、有効量は所望の免疫応答をもたらす量を含み、ここに、免疫応答は標的化腫瘍の成長を遅らせ、腫瘍のサイズを低下させ、あるいは好ましくは腫瘍を完全に排除する。ワクチンの投与は適切な間隔で反復することができ、ワクチン接種した個体において複数の区別される部位において同時に投与することができる。いくつかの実施形態において、癌の予防的処置では、有効量は、癌を発生する個体の尤度が有意に低下するような、保護的免疫応答をもたらす用量を含む。ワクチン接種計画は単一の用量よりなることができ、あるいは保護的免疫応答が確立されるまで適切な間隔で反復することができる。
いくつかの実施形態において、癌についての個体の治療的処置は初期処置として癌と診断された個体で開始することができるか、あるいは他の処置と組み合わせて用いることができる。例えば、外科的に腫瘍が除去され、または放射線療法で、あるいは化学療法によって処置された個体をワクチンで処理して、個体においていずれの残存する腫瘍も低下させまたは排除し、あるいは癌の再発の危険性を低下させることができる。いくつかの実施形態において、癌についての個体の予防的処置は、環境的条件または遺伝的素因いずれかのため、ある種の癌を招く増大した危険性を有する個体で開始されるであろう。
宿主に与えられた薬学的組成物またはワクチンの用量は宿主の種、宿主のサイズ、および宿主の疾患または障害に応じて変化するであろう。組成物の用量は、組成物の投与の頻度、および投与の経路にも依存するであろう。正確な用量は治療すべき患者を考慮して個々の意思によって選択される。
いくつかの実施形態において、該方法で用いる薬学的組成物、免疫原性組成物、またはワクチンは本明細書中に記載された組換え核酸分子、発現カセットおよび/または発現ベクターを含む組換え細菌を含む。いくつかの実施形態において、組換え細菌はその各々がここに引用してその全体が援用される、2004年6月30日に出願されたThomas W.Dubensky, Jr.et al.による「Modified Free−Living Microbes, Vaccine Compositions and Methods of Use Thereof」と題された米国特許出願第10/883,599号、米国特許公開番号2004/0228877および米国特許公開番号2004/0197343に記載されたもののような修飾されたおよび/または変異体細菌である。いくつかの実施形態において、そのような修飾されたおよび/または変異体細菌または本明細書中に記載された他の組換え細菌のいずれかを含む薬学的組成物またはワクチンの単一用量は約10ないし約1012の細菌生物を含む。もう1つの実施形態において、単一用量は約10ないし約1011の細菌生物を含む。もう1つの実施形態において、単一用量は約10ないし約1011の細菌生物を含む。なおもう1つの実施形態において、薬学的組成物またはワクチンの単一用量は約10ないし約1010の細菌生物を含む。なおもう1つの実施形態において、薬学的組成物またはワクチンの単一用量は約10ないし約10の細菌生物を含む。
いくつかの実施形態において、単一用量は少なくとも約1×10細菌生物を含む。いくつかの実施形態において、組成物の単一用量は少なくとも約1×10生物を含む。もう1つの実施形態において、組成物またはワクチンの単一用量は少なくとも約1×10細菌生物を含む。なおもう1つの実施形態において、組成物またはワクチンの単一用量は少なくとも約1×10の細菌生物を含む。
いくつかの実施形態において、本明細書中に記載された組換え、修飾されたおよび/または変異体細菌を含む薬学的組成物、免疫原性組成物、またはワクチンの単一用量は約1CFU/kgないし約1×1010CFU/kg(CFU=コロニー形成単位)を含む。いくつかの実施形態において、組成物の単一用量は約10CFU/kgないし約1×10CFU/kgを含む。もう1つの実施形態において、組成物またはワクチンの単一用量は約1×10CFU/kgないし約1×10CFU/kgを含む。なおもう1つの実施形態において、組成物またはワクチンの単一用量は約1×10CFU/kgないし約1×10CFU/kgを含む。なおもう1つの実施形態において、組成物またはワクチンの単一用量は約1×10CFU/kgないし約1×10CFU/kgを含む。いくつかの実施形態において、組成物の単一用量は少なくとも約1CFU/kgを含む。いくつかの実施形態において、組成物の単一用量は少なくとも約10CFU/kgを含む。もう1つの実施形態において、組成物またはワクチンの単一用量は少なくとも約1×10CFU/kgを含む。なおもう1つの実施形態において、組成物またはワクチンの単一用量は少なくとも約1×10CFU/kgを含む。なおもう1つの実施形態において、組成物またはワクチンの単一用量は少なくとも約1×10CFU/kgを含む。
いくつかの実施形態において、ヒトのような1の宿主についての適切な(すなわち、効果的な)投与量は、当業者に知られた方法を用い、マウスのようなもう1つの宿主についてのLD50から外挿することができる。
いくつかの実施形態において、薬学的組成物、免疫原性組成物、またはワクチンは、本明細書中に記載された組換え核酸分子、発現カセットおよび/または発現ベクターを含む組換え細菌で感染されている、樹状細胞のような抗原提示細胞を含む。いくつかの実施形態において、細菌は修飾されておりおよび/またはその各々をここに引用してその全体を援用する、2004年6月30日に出願された米国特許出願第10/883,599号、および米国特許公開番号2004/0228877およびUS2004/0197343に記載されたもののような変異体である。そのような抗原―提示細胞をベースとするワクチンは、例えば、以下の:その各々を、ここに引用してその全体を援用する、2004年7月23日に出願されたThomas W.Dubensky, Jr.et al.による「Antigen−Presenting Cell Vaccines and Methods of Use Thereof」なる発明の名称の国際出願番号PCT/US2004/23881;2004年6月30日に出願された米国特許出願第10/883,599号;米国特許公開番号2004/0228877;および米国特許公開番号US2004/0197343に記載されている。いくつかの実施形態において、本明細書中に記載されたもののような細菌を含む抗原提示細胞をベースとするワクチンの個々の投与量は約1×10ないし約1×1010抗原提示細胞を含む。いくつかの実施形態において、ワクチンの個々の投与量は約1×10ないし約1×10抗原提示細胞を含む。いくつかの実施形態において、ワクチンの個々の投与量は約1×10ないし約1×10抗原提示細胞を含む。
いくつかの実施形態において、投与単位の複数投与が、1日において、または週または月または年または数年の間にわたって好ましい。いくつかの実施形態において、投与単位は複数の日の間毎日1回、または複数週の間集に1回投与される。
本発明は、さらに、抗原に対する宿主における免疫応答を誘導するための医薬の製造における本明細書中に記載されたいずれかの組換え細菌(すなわち、本明細書中に記載された組換え核酸分子、発現カセット、またはベクターを含むいずれかの細菌)の使用を提供し、ここに、細菌中の組換え核酸分子、発現カセット、および/またはベクターによってコードされたポリペプチドは抗原を含む。いくつかの実施形態において、抗原は異種抗原である。本発明は、宿主における疾患(例えば、癌または感染症のような障害)を予防または治療するための医薬の製造における、本明細書中に記載された組換え細菌の使用も提供する。本発明は、さらに、抗原に対する宿主における免疫応答を誘導するのに用いられる本明細書中に記載された組換え細菌を提供し、ここに、細菌中の組換え核酸分子、発現カセット、および/またはベクターによってコードされたポリペプチドは抗原を含む。本発明は、さらに、宿主における(障害のような)疾患の予防または治療で用いられる本明細書中に記載された組換え細菌を提供する。
また、本発明は、本明細書中に記載された細菌を抗原提示細胞と接触させることを含み、抗原提示細胞へのMHCクラスI抗原の提示またはMHCクラスII抗原の提示を誘導する方法を提供する。
本発明は、さらに、以下の工程:(a)適当な条件下にて、抗原提示細胞を負荷するのに十分な時間の間、本明細書中に記載された組換え細菌を宿主からの抗原提示細胞と接触させ;次いで、(b)抗原提示細胞を宿主に投与することを含む、抗原に対する宿主における免疫応答を誘導する方法を提供する。
組換え核酸分子、発現カセット、および細菌の他の可能な使用は当業者によって認識されるであろう。例えば、本明細書中に記載された組換え核酸分子、発現カセット、ベクター、および組換え細菌(および他の宿主細胞)は異種ポリペプチドの生産および単離で有用である。従って、別の態様において、本発明は(a)本明細書中に記載された発現カセットまたはベクターを(例えば、トランスフェクション、形質転換、またはコンジュゲーションを介して)細菌に導入し;次いで、(b)タンパク質発現に適した条件下で培養中の細菌を成長させることを含む、細菌においてポリペプチドを発現させる方法を提供する。もう1つの別の態様において、本発明は以下の:(a)本明細書中に記載された発現カセットまたはベクターを(例えば、トランスフェクション、形質転換、またはコンジュゲーションを介して)細菌に導入し;(b)タンパク質発現に適した条件下で細胞培養中の細菌を成長させ;次いで、(c)細菌細胞培養からタンパク質を単離することを含み、単離されたポリペプチドを生産する方法を提供する。形質転換、トランスフェクション、およびコンジュゲーションの適当な方法は、細菌を培養し、成長させ、次いで、細胞培養から分泌されたまたは分泌されないタンパク質を単離する方法のように、当業者によく知られている。
以下の実施例は、本発明を説明するために掲げるものであり、それを限定するものではない。
(実施例1 例示的変異体Listeria株の調製)
Listeria株は10403Sに由来した(Bishop et al., J.Immunol.139:2005(1987))。示された遺伝子のイン−フレーム欠失を持つListeria株を、確立された方法でのSOE−PCRおよび対立遺伝子交換によって作成した(Camilli, et al., Mol.Microbiol.8:143(1993))。変異体株LLO L461T(DP−L4017)は、ここに引用して援用する、Glomski, et al., J.Cell.Biol.156:1029(2002)に記載されていた。actA−1変異体(DP−L4029)は、そのプロファージがキュアリングされた、ここに引用してその全体が援用される、Skoble et al., J.of Cell Biology, 150:527−537(2000)に記載されたDP−L3078株である。(プロファージキュアリングは(Lauer et al., J.Bacteriol.184:4177(2002);米国特許公開番号2003/0203472)に記載されている)。actAuvrAB株の構築は、2003年2月6日に出願された米国仮出願第60/446,051号に、L4029/uvrAB(例えば、その出願の実施例7参照)、ならびに米国特許公開番号2004/0197343に記載されている。DP−L4029uvrAB(Listeria monocytogenes actA/uvrAB二重欠失変異体)は、特許手続の目的のための微生物の寄託の国際的承認に関するブダペスト条約の規定の下で、2003年10月3日に、10801 University Blvd, Manassas, Virginia, 20110−2209, United States of AmericaのAmerican Type Culture Collection (ATCC)に寄託され、PTA−5563が与えられた。変異体Listeriaに関するさらなる記載は、その各々をここに引用してその全体を援用する、以下の出願または刊行物に供される:米国特許公開番号2004/0228877;米国特許公開番号US 2004/0197343;2004年7月23日に出願されたPCT国際出願番号PCT/US2004/23881;および2004年6月30日に出願された米国特許出願第10/883,599号。加えて、例示的Listeria monocytogenes ΔactAΔinlB二重欠失変異体は、特許手続の目的のための微生物の寄託の国際的承認に関するブタペスト条約の規定の下で、2003年10月3日に、10801 University Blvd, Manassas, Virginia, 20110−2209, United States of AmericaのAmerican Type Culture Collection (ATCC)に寄託され、PTA−5562が与えられた。
Listeria monocytogenesにおいて遺伝子を欠失して、減弱化された変異体を作成する方法の1つの非限定的例は以下の実施例24に供される。
(実施例2 AH1/OVAまたはAH1−A5/OVAを発現するListeria株の構築)
モデル抗原オボアルブミン(OVA)の切形形態、AH1として知られたマウス結直腸癌(CT26)からの免疫優性エピトープ(SPSYVYHQF(配列番号:72))、および改変されたエピトープAH1−A5(SPSYAYHQF(配列番号:73);Slansky et al., Immunity, 13:529−538(2000))を発現する変異体Listeria株を調製した。pPL2組込みベクター(Lauer et al., J.Bacteriol.184:4177(2002);米国特許公開番号2003/0203472)を用いて、Listeriaゲノムの無害部位に組み込まれた単一コピーを含有するOVAおよびAH1−A5/OVA組換えListeria株を誘導した。
(A.OVA−発現Listeria(DP−L4056)の構築)
切形OVAと融合し、pPL2組込みベクター(pPL2/LLO−OVA)に含まれたヘモリシン−欠失LLOよりなる抗原発現カセットをまず調製する。Listeria−OVAワクチン株は、pPL2/LLO−OVAをPSA(ScottAからのファージ)付着部位tRNAArg−attBB’においてファージ−キュアリングされたL.monocytogenes株DP−L4056に導入することによって誘導される。
PCRを用いて、以下の鋳型およびプライマーを用いてヘモリシン−欠失LLOを増幅させる:
源:DP−L4056ゲノムDNA
プライマー:
順方向(KpnI−LLO nts.1257−1276):
Figure 0005532280
(T:LLO−spec.52℃ 総じて:80℃)
逆方向(BamHI−XhoI−LLO nts.2811−2792):
Figure 0005532280
(T:LLO−spec.:52℃:総じて:102℃)。
また、PCRを用いて、以下の鋳型およびプライマーを用いて切形されたOVAを増幅する:
源:DP−E3616 E.coliからのpDP3616プラスミドDNA(Higgins et al., Mol.Molbiol.31:1631−1641(1999))
プライマー:
順方向(XhoI−NcoI OVA cDNA nts.174−186):
Figure 0005532280
:OVA−spec:60℃ 総じて:88℃)
逆方向(XhoI−NotI−HindIII):
Figure 0005532280
(T:総じて:82℃)
該構築プロセスを完成させるための1つのプロトコルは、まず、LLOアンプリコンをKpnIおよびBamHIで切断し、KpnI/BamHIベクターをpPL2ベクター(pPL2−LLO)に挿入することを含む。次いで、OVAアンプリコンをXhoIおよびNotIで切断し、XhoI/NotIで切断してあるpPL2−LLOに挿入する。(注意:pPL2ベクターはいずれのXhoI部位も含有せず;pDP−3616は、OVA逆方向プライマー設計で利用される1つのXhoI部位を含む)。構築体pPL2/LLO−OVAは制限分析(KpnI−LLO−XhoI−OVA−NotI)および配列決定によって確認する。Lauer et al.によって正確に記載されているように、形質転換、続いてのコンジュゲーションによるListeria(DP−L4056)への、(またはinlB変異体またはinlBactA二重変異体のようなListeriaのもう1つの望まれる株への)導入および取り込みによって、プラスミドpPL2/LLO−OVAをE.coliに導入する。
(B.AH1/OVAまたはAH1−A5/OVAを発現するListeria株の構築)
AH1/OVAまたはAH1−A5/OVA抗原配列いずれかを発現するListeriaを調製するために、抗原を担うインサートを、まず、オリゴヌクレオチドから調製し、次いで、(前記したように調製された)ベクターpPL2/LLO−OVAに連結させる。
以下のオリゴヌクレオチドをAH1またはAH1−A5インサートの調製で用いる:
AH1エピトープインサート(ClaI−PstI適合末端):
Figure 0005532280
与えられたエピトープについてのオリゴヌクレオチド対を等モル比率にて一緒に混合し、95℃にて5分間加熱する。次いで、オリゴヌクレオチド混合物をゆっくりと放冷する。次いで、アニールされたオリゴヌクレオチドを、関連制限酵素での消化によって調製されたpPL2−LLO/OVAプラスミドと200/1モラー比で連結させる。新しい構築体の同一性は制限分析および/または配列決定によって確認することができる。
次いで、Lauer et al.によって正確に記載されているように、形質転換、続いてのコンジュゲーションによるListeria(DP−L4056)への、あるいはactA−変異体株(DP−L0429)、LLO L461T株(DP−L4017)、またはactA/uvrAB株(DP−L4029uvrAB)のようなListeriaのもう1つの望まれる株への導入および取り込みによって、プラスミドをE.coliに導入することができる。
(実施例3 Listeriaポリヌクレオチドおよび発現カセットエレメントの構築)
(A.クローニングベクター)
選択された異種抗原発現カセット分子構築体をpPL2(Lauer et al.,J.Bacteriol.2002)、またはpAM401(Wirth et al., J.Bacteriol.165:831−836)に挿入し、pPL2の多重クローニング配列(Aat II小フラグメント、171bp)を含むように修飾し、テトラサイクリン耐性遺伝子(pAM401−MCS、図32)内の、平滑化Xba IおよびNru I認識部位間に挿入した。一般に、hlyプロモーターおよび(選択された)シグナルペプチド配列を、pPL2またはpAM401−MCSプラスミドベクター中のユニークなKpnIおよびBamHI部位の間に挿入した。(時々、N−末端およびC−末端エピトープタグを含有するように修飾された;後の記載参照)選択されたEphA2遺伝子を、引き続いて、ユニークなBamHIおよびSacI部位の間のこれらの構築体にクローン化した。pAM401−MCSプラスミドベクターに基づく分子構築体を、当業者にとって通常の方法を利用し、リソソームでも処理された選択されたListeria monocytogenes株にエレクトロポレーションによってエレクトロポレーションによって導入した。Listeria−トランスフェクタント中の予測されるプラスミド構造は、制限酵素分析によって、クロラムフェニコール−含有BHI寒天プレート(10μg/mL)上に形成されたコロニーからDNAを単離することによって確認した。種々のpAM401−MCSベースの異種タンパク質発現カセット構築体で形質転換された組換えListeriaを利用して、後に記載するように、異種タンパク質の発現および分泌を測定した。
従前に記載されている方法に従って[Lauer et al., J.Bacteriol.184,4177−4186(2002)]、pPL2ベースの異種タンパク質発現カセット構築体を、選択されたListeria株のゲノム中のtRNAArg遺伝子に組み込んだ。簡単に述べると、pPL2異種タンパク質発現カセット構築体プラスミド、まず、エレクトロポレーションによって、または化学的方法によって、E.coli宿主株SM10(Simon et al., Bio/Technology 1:784−791(1983))へ導入した。引き続いて、コンジュゲーションによって、pPL2ベースのプラスミドを、形質転換されたSM10から選択されたListeria株に移した。記載されたように、mL当たり7.5μgのクロラムフェニコールおよびmL当たり200μgのストレプトマイシンを含有する薬物−選択的BHI寒天プレートでのインキュベーションに続き、同一組成を持つプレートで3回継代することによって、選択されたコロニーを精製する。ファージ付着部位におけるpPL2ベクターの取り込みを確認するために、個々のコロニーを拾い、順方向プライマーNC16
Figure 0005532280
および逆方向プライマーPL95
Figure 0005532280
のプライマー対を用いるPCRによってスクリーニングする。選択されたListeria株のゲノム中のtRNAArg遺伝子に組み込まれたpPL2ベースのプラスミドを有する選択されたコロニーにより、499bpの診断DNAアンプリコンを得た。
(B.プロモーター)
異種タンパク質発現カセットは、リステリオリシンO(LLO)をコードする遺伝子の転写を駆動し、かつ感染された細胞のミクロ環境内で活性化されるprfA依存性hlyプロモーターを含有した。ヌクレオチド205586−206000(414bp)は、後に示すプライマー対を用い、Listeria monocytogenes株DP−L4056からPCRによって増幅した。増幅された領域はhlyプロモーター、また、secA1シグナルペプチド(前記参照)およびPESTドメインを含むLLOの最初の28アミノ酸を含む。Listeria monocytogenes株EGDについてのこの領域の予測される配列はGenBank(受託番号:gi|16802048|ref|NC 003210.1|[16802048])に見出すことができる。PCR反応で用いるプライマーは次の通りである:
Figure 0005532280
(制限エンドヌクレアーゼ認識部位に下線を施す)。
製造業者の仕様に従って、422bp PCRアンプリコンをプラスミドベクターpCR−XL−TOPO(Invitrogen,Carlsbad,CA)にクローン化した。pCR−XL−TOPO−hlyプロモータープラスミドクローンにおけるListeria特異的塩基のヌクレオチド配列を決定した。Listeria monocytogenes株DP−L4056は、EGD株と比較して、hlyプロモーターにおけるprfAボックスに近接する8つのヌクレオチド塩基変化を含んだ。Listeria monocytogenes DP−L4056およびEGD株についてのhlyプロモーター整列を以下の図1に示す。
当業者に良く知られた慣用的方法に従い、hlyプロモーターおよびsecA1 LLOシグナルペプチドに対応する422bp DNAを、KpnIおよびBamHIでの消化によってpCR−XL−TOPO−hlyプロモータープラスミドクローンから遊離させ、pPL2プラスミドベクター(Lauer et al.2002 J.Bact.)にクローン化した。このプラスミドはpPL2−hlyP(天然)として知られている。
(C.シャイン−ダルガルノ配列)
プロモーターの3’末端には、異種遺伝子RNA転写体への(16S rRNAを介する)30Sリボソームサブユニットの係合、および翻訳の開始に必要なエレメントであるポリ−プリンシャイン−ダルガルノ配列が含まれる。シャイン−ダルガルノ配列は、典型的には、以下のコンセンサス配列:
Figure 0005532280
を有する。ポリ−プリンシャイン−ダルガルノ配列の変形がある。注目すべきは、リステリオリシンO(LLO)をコードするListeria hly遺伝子は以下のシャイン−ダルガルノ配列を有する:
Figure 0005532280
(シャイン−ダルガルノ配列に下線を施し、翻訳開始コドンは太文字とする)。
(実施例4 secA1シグナルペプチド(LLO)およびヒトEphA2を含む融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド)
secA1シグナルペプチド(LLOシグナルペプチド)に融合した全長ヒトEphA2抗原をコードする発現カセットの配列、+LLO PEST配列を図2に示す。この発現カセットによってコードされる融合タンパク質のアミノ酸配列を図3に示す。
(実施例5 ヒトEphA2の細胞外ドメイン(EX2)のコドン最適化)
ヒトEphA2の細胞外ドメイン(アミノ酸25ないし526)をコードする配列はListeria monocytogenesにおける発現につきコドン最適化されている。ヒトEphA2の細胞外ドメインをコードする天然ヌクレオチド配列を図4に示す。Listeriaにおける最適コドン用法についてのヌクレオチド配列を図5に示す。ヒトEphA2の細胞外ドメインのアミノ酸配列を図6に示す。
(実施例6 secA1シグナルペプチド(LLO)およびhuEphA2の細胞外ドメイン(EX2)を含む融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド)
(A.コドン最適化無しのポリヌクレオチド)
secA1シグナルペプチド(LLOシグナルペプチド)に融合したヒトEphA2抗原の細胞外ドメインをコードするポリヌクレオチドの配列、+LLO PEST配列を図7に示す。この発現カセットによってコードされた融合タンパク質のアミノ酸配列を図8に示す。
(B.ヒトEphA2のコドン最適化細胞外ドメインを持つ発現カセット)
secA1シグナルペプチド(LLOシグナルペプチド)に融合したヒトEphA2抗原の細胞外ドメインをコードする発現カセットの配列、+LLO PEST配列を図9に示し、そこでは、EphA2の細胞外ドメインをコードする配列はListeria monocytogenesにおける発現につきコドン最適化されている。この発現カセットによってコードされた融合タンパク質のアミノ酸配列を図10に示す。
(C.コドン最適化secA1シグナルペプチドおよびヒトEphA2のコドン最適化細胞外ドメインを持つ発現カセット)
secA1シグナルペプチド(LLOシグナルペプチド)に融合したヒトEphA2抗原の細胞外ドメインをコードする発現カセットの配列、+LLO PEST配列を図11に示し、そこでは、EphA2の細胞外ドメイン、シグナルペプチドおよびPEST配列をコードする配列はListeria monocytogenesにおける発現につき全てコドン最適化されている。この発現カセットによってコードされた融合タンパク質のアミノ酸配列を図12に示す。
(実施例7 Tatシグナルペプチド(B.subtilis phoD)およびhuEphA2の細胞外ドメイン(EX2)を含む融合タンパク質をコードするコドン最適化発現カセット)
Tatシグナルペプチド(B.subtilis phoD)に融合したEphA2ドメインの細胞外ドメインをコードする発現カセットの配列を図13に示し、そこでは、EphA2の細胞外ドメインおよびシグナルペプチドをコードする配列はListeria monocytogenesにおける発現につきコドン最適化されている。この発現カセットによってコードされる融合タンパク質のアミノ酸配列を図14に示す。
(実施例8 ヒトEphA2(CO)の細胞内ドメインのコドン最適化)
ヒトEphA2の細胞内ドメイン(アミノ酸558ないし975)をコードする配列はListeria monocytogenesにおける発現につきコドン最適化されている。ヒトEphA2の細胞外ドメインをコードする天然ヌクレオチド配列を図15に示す。Listeriaにおける最適コドン用法についてのヌクレオチド配列を図16に示す。ヒトEphA2の細胞外ドメインのアミノ酸配列を図17に示す。
(実施例9 secA1シグナルペプチド(LLO)およびhuEphA2(CO)の細胞内ドメインを含む融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド)
(A.コドン最適化無しのポリヌクレオチド)
secA1シグナルペプチド(LLO)に融合したヒトEphA2抗原の細胞内ドメインをコードするポリヌクレオチドの配列、+LLO PEST配列を図18に示す。この発現カセットによってコードされる融合タンパク質のアミノ酸配列を図19に示す。
(B.ヒトEphA2のコドン最適化細胞内細胞ドメインを持つ発現カセット)
secA1シグナルペプチド(LLOシグナルペプチド)に融合したhuEphA2抗原の細胞内ドメインをコードする発現カセットの配列、+LLO PEST配列を図20に示し、そこでは、EphA2の細胞内ドメインをコードする配列がListeria monocytogenesにおける発現につきコドン最適化されている。この発現カセットによってコードされる融合タンパク質のアミノ酸配列を図21に示す。
(C.コドン最適化secA1シグナルペプチドおよびヒトEphA2のコドン最適化細胞内ドメインを持つ発現カセット)
secA1シグナルペプチド(LLOシグナルペプチド)に融合したEphA2抗原の細胞内ドメインをコードする発現カセットの配列、+LLO PESTを図22に示し、そこでは、EphA2の細胞内ドメイン、シグナルペプチドおよびPEST配列をコードする配列はListeria monocytogenesにおける発現につき全てコドン最適化されている。この発現カセットによってコードされた融合タンパク質のアミノ酸配列を図23に示す。
(実施例10 B.subtilis phoDシグナルペプチドおよびhuEphA2(CO)の細胞内ドメインを含む融合タンパク質をコードするコドン最適化発現カセット)
Tatシグナルペプチド(B.subtilis phoD)に融合したEphA2抗原の細胞内ドメインをコードする発現カセットの配列を図24に示し、ここに、EphA2の細胞内ドメインおよびシグナルペプチドをコードする配列はListeria monocytogenesにおける発現につき全てコドン最適化されている。この発現カセットによってコードされた融合タンパク質のアミノ酸配列を図25に示す。
(実施例11 LLOシグナルペプチドおよびNY−ESO−1を含む融合タンパク質をコードするコドン最適化発現カセット)
発現カセットを、Listeria monocytogenesにおけるヒト精巣癌抗原NY−ESO−1(Genbank受託番号NM 001327)の発現に対して設計した。secA1シグナルペプチド(LLO)に融合したNY−ESO−1をコードする発現カセットの配列、+LLO PEST配列を図26に示す。発現カセット中の該抗原ならびにシグナルペプチドにつきコードする配列はListeria monocytogenesにおける発現につきコドン最適化されていた。この発現カセットによってコードされる融合タンパク質のアミノ酸配列を図27に示す。
(実施例12 非Listerial secA1 シグナルペプチド(L.Lactis usp45)に融合した抗原をコードするコドン最適化発現カセット)
発現カセットを、非Listerial secA1シグナルペプチドを用いてListeria monocytogenesにおける異種抗原の発現につき設計した。Lactococcus lactis(Steidler et al., Nature Biotechnology,21:785−9(2003))からのusp45シグナルペプチドのアミノ酸配列、その天然コード配列、およびListeria monocytogenesにおける発現につき最適化されたコード配列を以下に示す。
Figure 0005532280
Usp45シグナルペプチドをコードするコドン最適化配列に作動可能に連結されたListeria monocytogenesからのhlyプロモーターを含む部分的発現カセットの配列を図28に示す。この配列は、Usp45シグナルペプチドおよび望まれる抗原を含む融合タンパク質の発現についてのコドン最適化または非コドン最適化抗原配列いずれかと組み合わせることができる。
(実施例13 secA2シグナルペプチド(p60)に融合した抗原をコードするコドン最適化発現カセットおよびベクター)
(A.コドン最適化発現カセットの設計)
発現カセットを、secA2分泌経路を用いるListeria monocytogenesにおける異種抗原の発現につき設計した。Listeria monocytogenesからのp60シグナルペプチドのアミノ酸配列、その天然コード配列、およびListeria monocytogenesにおける発現につき最適化されたコード配列を以下に示す。
Figure 0005532280
p60シグナルペプチドをコードする天然配列に作動可能に連結されたListeria monocytogenesからのhlyプロモーターを含む部分的発現カセットの配列を図29に示す。p60シグナルペプチドをコードするコドン最適化配列に作動可能に連結されたListeria monocytogenesからのhlyプロモーターを含む部分的発現カセットの配列を図30に示す。
(B.pPL2−hlypro p60の構築)
抗原コード配列がp60遺伝子のコード配列内の1以上の部位にイン・フレームにて挿入された発現カセットを構築することもできる。p60配列内に抗原配列をイン・フレームに挿入するのに有用な部分的発現カセットの構築の記載を以下に記載する。この部分的発現カセットはhlyプロモーターを含む。
PfxまたはVentポリメラーゼを用いる個々の一次PCR反応は、以下のプライマーおよび第一の鋳型としての(実施例2Aにて前記したpPL2/LLO−OVAと同一の)pPL2−hlyP−OVAを用いて行う:
Figure 0005532280
得られたアンプリコンのサイズは285bpである。
PfxまたはVentポリメラーゼを用いる個々の一次PCR反応もまた以下のプライマーおよび第二の鋳型としてのpCR−TOPO−p60を用いて行われる。(ベクターpCR−TOPO−p60は、Listeria monocytogenesからのゲノムp60配列が挿入されているInvitrogen,Carlspad,Californiaから得られたpCR−TOPOベクターから作成される。入手可能なp60コード配列の多くの代替源のいずれの他のものも代わりに鋳型として用いることができよう)。このPCR反応で用いられるプライマーは以下の通りである:
Figure 0005532280
得られたアンプリコンのサイズは1510bpである。次いで、PCR反応を56カラム(Bio−Rad Laboratories, Hercules, California)で清浄化する。
次いで、鋳型としてほぼ5μLの各一次PCR反応を用い、二次PCR反応を行う。二次PCR反応は以下のプライマーを用いる:
Figure 0005532280
得られたアンプリコンのサイズは1715bpである。すべてのPCR反応における予測されるアンプリコンのサイズはアガロースゲル分析によって確認する。二次PCR反応を清浄化し、BamHIで消化し、再度清浄化し、KpnIで消化する。次いで、hlyP−p60遺伝子フラグメント(KpnI−BamHI)(図30)を、pPL2および修飾されたpAM401(pAM401−MCS;図32)プラスミド双方のBamHIおよびKpnI部位の間に連結する。
次いで、pPL2−p60プラスミドの構築はBamHI/KpnI(1697,6024bp)およびHindIII(210,424,3460,3634bp)消化物で確認する。また、pPL2−p60プラスミドにおけるPstI部位はユニークなものとして確認される。(また、KpnI/PstI消化物は736および6985bpのフラグメントを生じるであろう)。pAM401−p60プラスミド(p60領域からのKpnI/PstI、およびKpnI/BamHIフラグメント)の構築はpPL2構築体のそれと同一である。
次いで、各プラスミドの大きなPREP単離物を、当業者に知られた方法を用いて調製する。
次いで、当業者によく知られた技術を用い、所望の抗原コード配列をp60配列内にp60配列と同一の翻訳フレームにて挿入することができる。典型的には、挿入または複数の挿入はp60のN−末端シグナルペプチド配列を無傷のままとするであろう。p60のC−末端自己溶解素配列もまた無傷のままとすべきである。
(実施例14 Listeria monocytogenesにおける発現についてのヒトメソセリン−コード配列のコドン最適化)
ヒトメソセリン、癌抗原をコードするコドン最適化ポリヌクレオチド配列を図33に示す。図32に示される配列はListeria monocytogenesにおける発現につきコドン最適化されている。図33における配列によってコードされたポリペプチド配列は図34に示す。
(実施例15 Listeria monocytogenesにおける発現についてのネズミメソセリン−コード配列のコドン最適化)
ヒトメソセリン、癌抗原をコードするコドン最適化ポリヌクレオチド配列を図35に示す。図35に示された配列はListeria monocytogenesにおける発現につきコドン最適化されている。図35における配列によってコードされるポリペプチド配列は図36に示される。
(実施例16 対立遺伝子交換を介するListeria染色体への発現カセットの組込み)
異種遺伝子発現カセットをListeriaの染色体に挿入するためにpPL2のような組込みベクターを用いる1つの可能な代替法として、対立遺伝子交換を用いることができる。
簡単に述べれば、pKSV7−異種タンパク質発現カセットプラスミドでエレクトロポレーションを行った細菌を、クロラムフェニコール(10μg/mL)を含有するBHI寒天培地上で平板培養することによって選択し、30℃の許容される温度でインキュベートする。細菌染色体への単一交差組込みは、クロラムフェニコールを含有する培地中で41℃の非許容温度にて複数世代の間、数個の個々のコロニーを継代することによって選択される。最後に、クロラムフェニコールを含有しないBHI培地中で30℃の許容温度にて複数世代の間、数個の個々のコロニーを継代することによって、プラスミドの切り出しおよびキュアリング(二重交差)が達成される。細菌染色体への異種タンパク質発現カセットの組込みの確認は、pKSV7プラスミドベクター構築体に含まれない細菌染色体標的化配列に対する異種タンパク質発現カセット内から規定された領域を増幅するプライマー対を利用してPCRによって確認される。
(実施例17 選択された組換えListeria monocytogenes株における発現のためのクローニング、およびEphA2のpPL2ベクターへの挿入)
EphA2膜貫通ラセンに近接するEphA2の外部(EX2)および細胞質(CO)ドメインを、種々のpPL2−シグナルペプチド発現構築体への挿入のために別々にクローン化した。EphA2 EX2およびCOドメインの天然哺乳動物配列、またはそのListeria monocytogenesにおける発現につきコドン最適化された配列に対応する遺伝子を用いた。20アミノ酸の各々についてのListeriaにおける最適コドン(前記表3参照)を、コドン最適化EphA2 EX2およびEphA2 COのために利用した。コドン最適化EphA2 EX2およびCOドメインは、当業者に通常の技術を用い、重複オリゴヌクレオチドの延長によって合成した。全ての合成されたEphA2構築体の予測された配列は、ヌクレオチド配列決定によって確認した。
EphA2のEX2およびCOドメインについての天然およびコドン最適化ヌクレオチド配列と共に、一次アミノ酸配列を図4ないし6(EX2配列)および図15ないし17(COドメイン配列)に示した。
加えて、FLAG(Stratagene, La Jolla,CA)およびmycエピトープタグを、FLAGまたはタンパク質に特異的な抗体を用いるウェスタンブロット分析によって、発現されたおよび分泌されたEphA2の検出のために合成されたEphA2 EX2およびCO遺伝子のアミノおよびカルボキシ末端において、各々、イン−フレーム挿入した。かくして、発現されたタンパク質は以下の純度のエレメント:NH−シグナルペプチド−FLAG−EphA2−myc−COを有した。以下に示すのはFLAGおよびmycエピトープタグアミノ酸およびコドン最適化ヌクレオチド配列である:
Figure 0005532280
(実施例18 ウェスタンブロット分析による合成されたおよび分泌された異種タンパク質の検出)
EphA2タンパク質の合成、および種々の選択された組換えListeria−EphA2株からの分泌は、トリクロロ酢酸(TCA)沈殿細菌培養流体のウェスタンブロット分析によって決定した。簡単に述べれば、BHI培地中で増殖したListeriaの中期−log相培養を50mL円錐遠心管中に集め、細菌をペレット化し、氷冷TCAを細菌培養上清へ最終[6%]濃度まで加え、氷上で最小限90分間または一晩インキュベートした。TCA−沈殿タンパク質を4℃における20分間の2400×gでの遠心によって集めた。次いで、15μg/mLフェノールレッドを含有する300ないし600μLの容量のTE、pH8.0に再懸濁させた。試料溶解は渦巻かせることによって促進した。もし必要であれば色がピンク色となるまでNHOHを加えることによって試料pHを調製した。100μLの4× SDS負荷緩衝液を加え、90℃にて10分間インキュベートすることによって、全ての試料を電気泳動のために調製した。次いで、ミクロ−遠心管において試料を14,000rpmにて5分間遠心し、上清を集め、−20℃にて貯蔵した。ウェスタンブロット分析では、20μLの調製された画分(1ないし4×10細菌からの培養流体の等量)を4ないし12%SDS−PAGEゲルに負荷し、電気泳動し、当業者によって用いられる通常の方法に従って、タンパク質をPDDF膜に移した。室温にて攪拌しつつPBS中の5%乾燥乳にて2時間インキュベートすることによって、移された膜を抗体とのインキュベーションのために調製した。抗体をPBST緩衝液(PBS中0.1%Tween)中の以下の希釈下で用いた:(1)1:10,000におけるウサギ抗−Mycポリクローナル抗体(ICL Laboratories, Newberg,Oregon);(2)1:2,000におけるネズミ抗−FLAGモノクローナル抗体(Stratagene,La Jolla,CA);および(3)ウサギ抗−EphA2(カルボキシ末端特異的)ポリクローナル抗体(sc−924,Santa Cruz Biotechnology,Inc.,Santa Cruz,CA)。タンパク質標的への抗体の特異的結合は、ホースラディッシュペルオキシダーゼとコンジュゲートしたヤギ抗−ウサギまたは抗−マウス抗体との二次インキュベーション、およびECLケミルミネセンスアッセイキット(Amersham)での検出、およびフィルムへの暴露によって評価した。
(実施例19 EphA2の種々の形態をコードする組換えListeriaによるEphA2タンパク質の選択)
(A.Listeria:[株DP−L4029(actA)またはDP−L4017(LLO L461T)])
発現カセット構築体:LLOss−PEST−CO−EphA2
EphA2 COドメインの天然配列を、遺伝子的に、天然secA1 LLO配列に融合させ、Listeria hlyプロモーターの制御したにある異種抗原発現カセットを、前記したように、KpnIおよびSacI部位の間にてpPL2プラスミドに挿入した。pPL2−EphA2プラスミド構築体は、前記したように、Listeria株DP−L4029(actA)およびDP−L4017(L461T LLO)へのコンジュゲーションによって導入した。図37は、4029−EphA2 COおよび4017−EphA2 COのTCA−沈殿細菌培養流体のウェスタンブロット分析の結果を示す。この分析は、異種タンパク質発現カセットを含有するように作成された組換えListeriaが、52kDaの予測された分子量よりも低いsecA1およびEphA2 CO融合タンパク質分泌多重EphA2特異的フラグメントに対応する天然配列よりなることを示し、これは発現カセットの修飾の必要性を示す。
(B.Listeria:[DP−L4029(actA)])
発現カセット構築体:
1.天然LLOss−PEST−FLAG−EX2 EphA2−myc−CodonOp
2.(CodonOp) LLOss−PEST−(codonOp)FLAG−EX2 EphA2−myc
天然secA1 LLOシグナルペプチド配列またはListeriaにおける発現につきコドン最適化されたsecA1 LLOシグナルペプチド配列を、遺伝子的に、Listeriaにおける発現につきコドン最適化されたEphA2 EX2ドメイン配列と融合させ、Listeria hlyプロモーターの制御下にある異種抗原発現カセットを、前記したように、KpnIおよびSacI部位の間にてpPL2プラスミドに挿入した。前記したように、Listeria株DP−L4029(actA)へのコンジュゲーションによって、pPL2−EphA2プラスミド構築体を導入した。図38は、コドン最適化EphA2 EX2ドメインと融合した天然またはコドン最適化secA1 LLOシグナルペプチドいずれかをコードするListeria actAのTCA−沈殿細菌培養流体のウェスタンブロット分析の結果を示す。この分析は、シグナルペプチド、およびListeria monocytogenesにおける好ましいコドン用法につき最適化された異種タンパク質双方についての配列を利用する組合せの結果、予測された全長EphA2 EX2ドメインタンパク質が発現されたことを示した。全長EphA2 EX2ドメインタンパク質の発現はEphA2コード配列単独のコドン最適化で乏しかった。異種タンパク質発現(フラグメント化または全長)のレベルは、Listeria monocytogenesにおける発現につきコドン最適化されたListeria monocytogenes LLO secA1シグナルペプチドを利用した場合に最大であった。
(C.Listeria:[DP−L4029(actA)])
発現カセット構築体:
3.天然LLOss−PEST−(CodonOp) FLAG−EphA2 CO−myc
4.CodonOp LLOss−PEST−(CodonOp) FLAG−EphA2 CO−myc
5.CodonOp PhoD−(CodonOp) FLAG−EphA2 CO−myc
天然secA1 LLOシグナルペプチド配列、またはListeriaにおける発現につきコドン最適化されたsecA1 LLOシグナルペプチド配列、あるいは別法として、Listeriaにおける発現につきコドン最適化されたBacillus subtilisからのphoD遺伝子のTatシグナルペプチドを、遺伝子的に、Listeriaにおける発現につきコドン最適化されたEphA2 CEドメイン配列と融合させ、Listeria hlyプロモーターの制御下にある異種抗原発現カセットを、前記したように、KpnIおよびSacI部位の間にてpAM401−MCSプラスミドに挿入した。前記したように、Listeria株DP−L4029(actA)へのエレクトロポレーションによって、pAM401−EphA2プラスミド構築体を導入した。図39は、天然またはコドン最適化secA1 LLOシグナルペプチド、またはコドン最適化EphA2 COドメインと融合したコドン最適化Bacillus subtilis phoD TatシグナルペプチドいずれかをコードするListeria actAのTCA−沈殿細菌培養流体のウェスタンブロット分析の結果を示す。この分析は、シグナルペプチド、およびListeria monocytogenesにおける好ましいコドン用法につき最適化された異種タンパク質双方についての配列を利用する組合せが、予測された全長EphA2 COドメインタンパク質の発現をもたらすことを再度示した。さらに、予測された全長EphA2 COドメインタンパク質の発現および分泌は、コドン最適化されたEphA2 COドメインと融合したコドン最適化Bacillus subtilis phoD Tatシグナルペプチドをコードする組換えListeriaに由来した。この結果は、区別される細菌種からのシグナルペプチドを利用して、組換えListeriaからの異種タンパク質の分泌をプログラムすることができるという新規かつ予期せぬ発見を示す。全長EphA2 COドメインタンパク質の発現は、丁度EphA2配列のコドン最適化で貧弱であった。異種タンパク質発現のレベルは、Listeria monocytogenesにおける発現につきコドン最適化されたシグナルペプチドを利用する場合に最大であった。
(D.全長EphA2発現カセット構築体をコードするpCDNA4プラスミドでの293細胞のトランスフェクション)
発現カセット構築体:
6.pCDNA4−EphA2
天然全長EphA2遺伝子を真核生物CMVプロモーターベースの発現プラスミドpCDNA4(Invitrogen, Carlsbad,CA)にクローン化した。図40は、pCDNA4−EphA2プラスミドでトランスフェクトされた293細胞から調製された溶解物のウェスタンブロット分析の結果を示し、全長EphA2タンパク質の哺乳動物細胞における豊富な発現を示す。
(実施例20 コドン最適化EphA2をコードする組換えListeriaで免疫化されたヒトEphA2をコードするCT26腫瘍を担うBalb/Cマウスにおける治療効果)
図41ないし44で示される以下のデータは以下のことを示した:
OVA.AH1(MMTV gp70免疫優性エピトープ)またはOVA.AH1−A5(増強されたT−細胞受容体結合についてのヘテロクリティック変化を伴うMMTV gp70免疫優性エピトープ)をコードする組換えListeriaでのCT26.24(huEphA2+)肺腫瘍を担うBalb/Cマウスの免疫化は長期生存を与える(図41)。
EphA2 COドメインは強く免疫原性であって、CT26.24(huEphA2+)肺腫瘍を担うBalb/Cマウスの生存におけるかなり長期の増加が、コドン最適化または天然EphA2 COドメイン配列をコードする組換えListeriaで免疫化した場合に観察された(図43)。
EphA2 EX2ドメインは貧弱に免疫原性であり、コドン最適化EphA2 EX2ドメイン配列と融合したコドン最適化secA1シグナルペプチドをコードする組換えListeriaで免疫化した場合のみ、CT26.24(huEphA2+)肺腫瘍を担うBalb/Cマウスの増大した生存が観察された。治療効果は、コドン最適化EphA2 EX2ドメイン配列と融合した天然secA1シグナルペプチドをコードする組換えListeriaで免疫化した場合にマウスで観察されなかった(図42)。コドン最適化secA1シグナルペプチドおよびEphA2 EX2ドメイン配列双方を用いる所望性は、以下の表4に示されるように、統計学的に有意な治療抗−腫瘍効果によって支持された。
Figure 0005532280
有意には、pCDNA4−EphA2プラスミドでトランスフェクトされた293細胞は非常に高レベルのタンパク質発現を生じたが、pCDNA4−EphA2プラスミドでのCT26.24(huEphA2+)肺腫瘍を担うBalb/Cマウスの免疫化は、治療抗−腫瘍効果のいずれの観察ももたらさなかった(図44)。
治療インビボ腫瘍研究では、雌Balb/Cマウスに、EphA2を安定に発現する5×10CT26細胞をIV移植した。3日後、マウスをランダム化し、EphA2をコードする種々の組換えListeria株をIVワクチン接種した。(図に示す)いくつかの場合において、マウスを脛側前方筋肉において100μgのpCDNA4プラスミドまたはpCDNA4−EphA2プラスミドでワクチン接種した。陽性コントロールとして、OVA.AHIまたはOVA.AH1−A5タンパク質キメラをコードする組換えListeria株でマウスをIV接種した。マウスを腫瘍細胞移植後3日および14日に接種した。ハンクスの平衡塩溶液(HBSS)緩衝液または未修飾Listeriaを注射したマウスを陰性コントロールとして供した。全ての実験コホートは5匹のマウスを含んだ。生存実験では、マウスがストレスまたは不自然な呼吸のいずれかの兆候を示し始めるとマウスを犠牲にした。
(実施例21 ワクチン接種後における抗原特異的免疫応答の評価)
本発明のワクチンは、種々のインビトロおよびインビボ方法を用いて評価することができる。いくつかのアッセイは、ワクチン接種されたマウスの脾臓からの抗原特異的T細胞の分析を含む。この実施例において、インビトロおよびインビボ免疫応答を評価する方法の非限定的例を掲げる。アッセイのこれらの例示的記載で引用した抗原はモデル抗原であり、本明細書中に記載された組換え核酸分子、発現カセット、および/または発現ベクターを用いて生じた抗原である必要は必ずしもない。当業者であれば、本実施例で記載したアッセイは、本明細書中に記載された組換え核酸分子、発現カセット、および/または発現ベクターを含む細菌のインビトロまたはインビボ免疫応答の評価で用いるのに容易に適用することができるのを容易に認識するであろう。
例えば、C57B1/6またはBalb/cは、0.1LD50のOVA(または他の適当な抗原)を発現するListeria株の静脈内注射によって接種した。接種から7日後に、脾臓を氷冷RPMI 1640培地に入れ、これから単一細胞懸濁液を調製することによって、マウスの脾臓細胞を収穫する(典型的には、群当たり3匹のマウス)。代替法として、マウスのリンパ節を同様に収穫し、単一細胞懸濁液として調製し、後に記載するアッセイにおける脾臓細胞に代えて置き換えることができよう。典型的には、脾臓細胞およびリンパ節からの細胞はワクチンの筋肉内、皮下または皮内投与につき評価するが、脾臓細胞はワクチンの静脈内または腹腔内投与につき評価する。
特記しない限り、これらの実施例で用いた全ての抗体はPharmingen, San Diego,CAから得ることができる。
ELISPOTアッセイ:例としてOVA抗原を有するListeria株を用い、マウスモデルでの免疫化に際して生じた抗原特異的T細胞の定量的頻度はELISPOTアッセイを用いて評価する。評価した抗原特異的T細胞はOVA特異的CD8+またはLLO特異的CD8+またはCD4+T細胞である。このOVA抗原モデルは、ワクチンに挿入された異種腫瘍抗原に対する免疫応答を評価し、注目するいずれかの抗原で置き換えることができよう。LLO抗原はListeriaに対して特異的である。特異的T細胞は、特異的抗原の認識に際してサイトカイン放出(例えば、IFN−γ)の検出によって評価される。PVDFベースの96ウェルプレート(BD Biosciences, San Jose,CA)を抗−ネズミIFN−γモノクローナル抗体(mAb R4;5μg/mL)で4℃にて一晩被覆する。プレートを洗浄し、室温にて200μLの完全なRPMIで2時間ブロックする。ワクチン接種したマウス(またはワクチン接種していないコントロールマウス)からの脾臓細胞をウェル当たり2×10細胞で加え、種々の濃度の0.01ないし10μMの範囲のペプチドの存在下で37℃にて20ないし22時間インキュベートする。OVAおよびLLOで用いるペプチドはOVAではSL8、MHCクラスIエピトープ、リステリオリシンO(Listeria抗原)についてはLLO190(NEKYAQAYPNVS(配列番号:100)Invitrogen)MHCクラスIIエピトープ、リステリオリシンOについてはLLO296(VAYGRQVYL(配列番号:101))、MHCクラスIエピトープ、またはリステリオリシンOについてはLLO91(GYKDGNEYI(配列番号:102))、MHCクラスIエピトープいずれかである。LLO190およびLLO296はC57B1/6モデルで用いられ、他方、LLO91はBalb/cモデルで用いられる。洗浄の後、PBS中に0.5μg/mLまで希釈したIFN−γ(XMG1.2)に特異的な二次ビオチニル化抗体と共にインキュベートする。室温での2時間のインキュベーションの後、プレートを洗浄し、1%BSAを含有するPBS中に希釈された1nm金ヤギ抗−ビオチンコンジュゲート(GAB−1;1:200希釈;Ted Pella, Redding, CA)と共に37℃にて1時間インキュベートする。徹底的な洗浄の後、スポット展開のために、基質(銀増強キット;30mL/ウェル;Ted Pella)と共に室温にて2ないし10分間インキュベートする。次いで、プレートを蒸留水で濯いで、基質の反応を停止させる。プレートを風乾した後、各ウェル中のスポットを自動ELISPOTプレートリーダー(CTL, Cleveland, OH)を用いてカウントする。サイトカイン応答は、OVA特異的T細胞またはListeria特異的T細胞いずれかについての2×10脾臓細胞当たりのIFN−γスポット−形成細胞(SFC)の数として表す。
細胞内サイトカイン染色アッセイ(ICS):抗原特異的CD8+またはCD4+T細胞の数をさらに評価し、結果をELISPOTアッセイから得られたものと相関させるために、ICSを行い、フローサイトメトリー分析によって細胞を評価する。マウスのワクチン接種およびコントロール群からの脾臓細胞をSL8(OVA特異的CD8+細胞を刺激)またはLLO190(LLO特異的CD4+細胞を刺激)と共にBrefeldinA(Pharmingen)の存在下で5時間インキュベートする。BrefeldinAはT細胞の刺激に際して生じたサイトカインの分泌を阻害する。無関係MHCクラスIペプチドと共にインキュベートした脾臓細胞をコントロールとして用いる。PMA(フォルボール−12−ミリステート−13−アセテート, Sigma)20ng/mLおよびイオノマイシン(Sigma)2μg/mL刺激脾臓細胞を、IFN−γおよびTNF−α細胞内サイトカイン染色のための陽性コントロールとして用いる。細胞質サイトカイン発現の検出のために、細胞をFITC−抗−CD4 mAb(RM4−5)およびPerCP−抗−CD8 mAb(53−6.7)で染色し、Cytofix/CytoPerm溶液(Pharmingen)で固定し、投下させ、氷上でPE−コンジュゲーテッド抗−TNF−α mAb(MP6−XT22)およびAPC−コンジュゲーテッド抗−IFN−γ mAb(XMG1.2)で30分間染色する。細胞内IFN−γおよび/またはTNF−αを発現する細胞のパーセンテージはフローサイトメトリー(FACScalibur, Becton Dickinson, Mountain View, CA)によって測定し、データはCELLQuestソフトウェア(Becton Dickinson Immunocytometry System)を用いて分析した。種々の抗体に対する蛍光標識は全てFACScaliburによって識別できるため、適当な細胞は、抗−IFN−γまたは抗−TNF−αのいずれかまたは双方で染色されるCD8+およびCD4+につきゲーティングすることによって同定される。
刺激された脾臓細胞のサイトカイン発現:マウスの脾臓細胞によるサイトカイン分泌のレベルはコントロールおよびワクチン接種C57B1/6マウスにつき評価することもできる。脾臓細胞をSL8またはLLO190で24時間刺激する。無関係ペプチドHSV−gB2(Invitrogen, SSIEFARL, 配列番号:4)での刺激はコントロールとして用いる。刺激された細胞の上清を収集し、Tヘルパー−1およびTヘルパー2サイトカインのレベルはELISAアッセイ(eBiosciences, CO)またはCytometric Bead Arrayキット(Pharmingen)を用いて測定される。
細胞傷害性T細胞活性の評価:OVA特異的CD8+T細胞は、インビトロにて、インビボにてC57B1/6マウスにおいて間接的にのいずれかで、それらの細胞傷害性活性を評価することによってさらに見積もることができる。CD8+T細胞は抗原特異的にそれらの各標的細胞を認識し、溶解する。インビトロ細胞傷害性はクロム放出アッセイを用いて決定される。ナイーブおよびListeria−OVA(内部)ワクチン接種のマウスの脾臓細胞を、照射したEG7.OVA細胞(OVAを発現するようにトランスフェクトされたEL−4腫瘍細胞系,ATCC, Manassas, VA)で、または100nM SL8で10:1の比率で刺激して、脾臓細胞集団におけるOVA特異的T細胞を拡大する。7日間の培養の後、エフェクター細胞の細胞傷害性活性を、標的細胞としてのEG7.OVAまたはSL8パルスドEL−4細胞(ATCC, Manassas, VA)および陰性コントロールとしてのEL−4細胞単独を用いて標準の4時間51Cr−放出アッセイで決定される。YAC−1細胞系ATCC, Manassas, VA)を標的として用いて、NK細胞活性を決定して、NK細胞によるそれからT細胞による活性を識別する。特異的細胞傷害性のパーセンテージは100×(実験的放出−自然発生放出)/(最大放出−自然放出)として計算される。自然発生放出は、エフェクター細胞無しの標的細胞のインキュベーションによって決定される。最大放出は0.1%トリトンX−100で細胞を溶解させることによって決定される。実験は、もし自然発生放出が最大放出の<20%であれば分析のために有効であると考えられる。
インビボでのOVA特異的CD8+T細胞の細胞傷害性活性の評価では、ナイーブC57B1/6マウスからの脾臓細胞を2つの等しいアリコットに分ける。各群を特異的ペプチド、標的(SL8)またはコントロール(HSV−gB2)いずれかで、0.5μg/mLにおいて37℃にて90分間パルスする。次いで、細胞を培地中で3回洗浄し、PBS+0.1%BSA中で2回洗浄する。カルボキシフルオレセインジアセテートスクシンイミジルエステル(CFSE, Molecular Probes, Eugene, OR)での標識のために、細胞を温かいPBS+0.1%BSA(10mL以下)にmLあたり1×10にて再懸濁させる。標的細胞懸濁液に、1.25μLのCFSEの5mMストックを加え、試料を渦巻かせることによって混合する。コントロール細胞懸濁液に、CFSEストックの10倍希釈を加え、試料を渦巻かせることによって混合する。細胞を37℃にて10分間インキュベートする。大容量(>40mL)の氷冷PBSを加えることによって染色を停止させる。細胞を室温にてPBSで2回洗浄し、次いで、再懸濁し、カウントする。各細胞懸濁液をmL当たり50×10まで希釈し、100μLの各集団を混合し、ナイーブまたはワクチン接種したマウスいずれかの尾静脈を介して注射する。12ないし24時間後、脾臓を収穫し、合計5×10細胞をフローサイトメトリーによって分析する。高(標的)および低(コントロール)蛍光ピークを数え、2つの比率を用いて、標的細胞溶解のパーセンテージを確立する。インビボ細胞傷害性アッセイは、インビトロ再刺激の必要性なくして、抗原特異的P細胞の溶解活性の評価を可能とする。さらに、このアッセイはそれらの天然環境においてT細胞機能を評価する。
(実施例22 EphA2を発現するListeria株でのBalb/cマウスのワクチン接種によって誘導されたヒトEphA2特異的免疫性)
2週間隔てて、hEphA2(図45においてListeria hEphA2−ICD)の細胞内ドメインを発現するListeria L461T、またはL.monocytogenesにおいて発現につきコドン最適化された配列からのhEphA2(図45においてListeria hEphA2−ECD)の細胞外ドメインを発現するListeriaのΔactA(actA)株でBalb/cマウス(n=3)を免疫化した。(hEphA2の細胞内ドメインは、別法として、hEphA2−ICD,hEphA2 ICD, EphA2 CO, またはCOといわれる。hEphA2の細胞ガイドメインは、別法として、ここではhEphA2−ECD,hEphA2 ECD, EphA2 EX2, またはEX2といわれる)。マウスを安楽死させ、脾臓を収穫し、最後の免疫化から6日後にプールした。ELISPOTアッセイでは、全長hEphA2を発現するP815細胞、またはこれらの細胞から調製した細胞溶解物で該細胞をインビトロで再度刺激した。親P815細胞または細胞溶解物は陰性コントロールとして供した。また、細胞を組換えhEphA2 Fc融合タンパク質で刺激した。IFN−ガンマ陽性スポット形成コロニー(SFC)を96ウェルスポットリーダーを用いて測定した。図45に示すように、増大したIFN−ガンマSFCが、Listeria−hEphA2でワクチン接種したマウスから得られた脾臓細胞で観察された。hEphA2発現細胞または細胞溶解物双方での刺激の結果、IFN−ガンマSFCが増大し、これは、EphA2特異的CD8+ならびにCD4+T細胞応答を示唆する。親Listeriaコントロールでワクチン接種したマウスからの脾臓細胞はIFN−ガンマSFCの増大を示さなかった。
(実施例23 CD4+およびCD8+T細胞応答は、EphA2特異的抗−腫瘍効果で必要である)
0日に、Balb/cマウス(n=10)を2×10CT26−hEphA2で静脈内接種した。1および3日に、200μgの抗−CD4(ATCCハイブリドーマGK1.5)または抗−CD8(ATCCハイブリドーマ2.4−3)を注射することによって、CD4+細胞およびCD8+T−細胞を枯渇させ、これをFACS分析によって確認した(データは示さず)。次いで、4日に、hEphA2 ICDを発現する0.1 LD50 Listeria L461Tでマウスを免疫化し、生存につきモニターした。
図46に示すように、CD4+およびCD8+枯渇群は共に非T細胞枯渇動物で観察された抗−腫瘍応答を示さなかった。データを以下の表5にまとめる。
Figure 0005532280
前記データは、腫瘍成長の最適抑制におけるCD4+およびCD8+T細胞双方についての要件を示す。
(実施例24 対立遺伝子交換によるListeriaからのinlBの欠失)
本明細書中に記載された組換え核酸分子および発現カセットを含む細菌は、いくつかの実施形態においては、変異体Listeriaである。例えば、いくつかの実施形態において、組換え核酸分子および発現カセットを含む細菌は、actA遺伝子、inlB遺伝子、または双方が欠失去れたListeria monocytogenes株である。Listeriaにおいて欠失変異体を作り出す1つの例示的な方法を以下に記載する。
Listeria DP−L4029からの(または他の選択された変異体株からの、または野生型Listeriaからの)インターナリンB遺伝子(inlB)の欠失は、Camilli et al.,Mol.Microbiol.8:143−147(1993)によって記載されているように、対立遺伝子交換によって行うことができる。巣プライス重複延長(SOE)PCRを用いて、対立遺伝子交換手法で用いる構築体を調製することができる。インターナリンB遺伝子の源は、ここに引用してその全体を援用する、Genbank受託番号AL591975(Listeria monocytogenes株EGD、完全なゲノム、セグメント3/12;inlB遺伝子領域:nts.97008−98963)としてリストされた配列、および/またはここに引用してその全体を援用する、Genbank受託番号NC 003210(Listeria monocytogenes株EGD、完全なゲノム、inlB遺伝子領域:nts.457008−458963)としてリストされた配列である。
一次PCR反応においては、各々、Listeria inlB遺伝子5’および3’末端から上流および下流のほぼ1000bpの配列を、以下の鋳型およびプライマーを用いて増幅する:
鋳型:DP−L4056またはDP−L4029ゲノムDNA
プライマー対1(inlBの5’末端から上流の領域の増幅用):
Figure 0005532280
(InlBカルボキシ末端から下流の領域に相補的な下線を施した配列)
アンプリコンのサイズ(bp):1007
プライマー対2(inlBの3’末端から下流の領域の増幅用):
Figure 0005532280
(InlBアミノ末端の上流の領域に対して相補的な下線を施した配列)
Figure 0005532280
二次PCR反応においては、対1からの逆方向プライマーおよび対2の順方向プライマーの間の相補性を利用し、一次PCRアンプリコンをSOE PCRを通じて融合させる。この結果、inlBコード配列:nts.97021−98910=1889bpの正確な欠失が得られる。以下の鋳型およびプライマーを二次PCR反応で利用した:
Figure 0005532280
構築プロセスを完了させるためのプロトコルは以下の通りである:
Vent DNAポリメラーゼ(NEB)および10μLの洗浄した30℃のListeria DP−L4056 OR DP−L4029の一晩の培養を用い、一次PCR反応(3温度サイクル)を行う。1%アガロースゲルによるListeriaアンプリコンの予測されたサイズ(1007bpおよび1074bp)。一次PCR反応をゲル精製し、GeneClean(BIO 101)でDNAを溶出させる。
ほぼ等しい量の各一字反応を鋳型(約5μL)として利用し、二次PCR反応を行う。二次PCR反応からのListeriaアンプリコンの予測されるサイズは、1%アガロースゲルによって確認される(2033bp)。アデノシン残基をTaqポリメラーゼでListeria dl inlBアンプリコンの3’末端に付加する。
次いで、Listeria dl inlBアンプリコンをpCR2.1−TOPOベクターに挿入する。pCR2.1−TOPO−dl inlBプラスミドDNAをXhoIおよびKpnIで消化し、2123bpフラグメントをゲル精製する。KpnI/XhoI 2123bpフラグメントを、KpnIおよびXhoIでの消化、およびCIAP(pKSV7−dl inlB)での処理によって調整されたpKSV7ベクターに挿入する。次いで、pKSV7―dl inlB中のdl inlB細胞の忠実度を確認する。pKSV7−dl inlBプラスミドとの対立遺伝子交換によって、inlB遺伝子を所望のListeria株から欠失させる。
(実施例25 組換えListeriaの構築のためのコドン最適化シグナルペプチド)
組換えListeriaにおける発現カセットで用いることができるいくつかの例示的コドン最適化シグナルペプチドを以下の表6に掲げる。
Figure 0005532280
示した配列はLLOからのPEST配列を含む。
(実施例26 Bacillus anthracis保護抗原(PA)シグナルペプチドを含むコドン最適化発現カセット)
非Listerial secA1シグナルペプチドを用いるListeria monocytogenesにおける異種抗原の発現のために発現カセットを設計した。Bacillus anthracis(Ba)(GenBank受託番号NC 007322)からの保護抗原(PA)シグナルペプチドのアミノ酸配列、その天然のコード配列、およびListeria monocytogenesにおける発現につき最適化されたコード配列を以下に示す。
Figure 0005532280
Ba PAシグナルペプチドをコードするコドン最適化配列に作動可能に連結されたListeria monocytogenesからのhlyプロモーターを含む部分的発現カセットの配列を図47に示す。この配列は、Bacillus anthracis PAシグナルペプチドおよび所望の抗原を含む融合タンパク質の発現のためにコドン−最適かまたは非コドン最適化抗原配列いずれかと組み合わせることができる。
(実施例27 コドン最適化発現カセットを含む組換えListeriaからの抗原の発現および分泌)
シグナルペプチドおよび腫瘍抗原双方のコドン最適化は組換えListeriaからの効果的な発現および分泌を提供する:シグナルペプチド−および異種タンパク質−コーディング遺伝子エレメントのコドン最適化は、疎水性ドメインを含有するヒト腫瘍抗原の組換えListeriaベースのワクチンからの最適な分泌を提供する。サイトゾル細菌からの効果的な抗原分泌は、MHCクラスI経路およびCD8+T−細胞プライミングを介する効果的な提示で必要であり、かくして、Listeriaベースのワクチンの能力に直接連結する。固体腫瘍の中でも、膵臓および卵巣癌(メソセリン)およびメラノーマ(NY−ESO−1)に関連する免疫標的である、2つの悪性細胞膜−欠乏ヒト腫瘍抗原、メソセリンおよびNY−ESO−1の組換えListeriaからの分泌は、抗原およびシグナルペプチドコード配列双方の組合せのコドン最適化を通じて最適化されている。
secA1に関連するシグナルペプチドをコードする天然またはコドン最適化配列いずれかに連結したhlyプロモーター、または選択されたヒト腫瘍抗原−ヒトNY−ESO−1またはヒトメソセリンとイン・フレームにて融合した、secA2およびTwinRGトランスローケーション(Tat)を含めた別の分泌経路を含む種々の発現カセットを構築した。(抗原配列またはシグナルペプチドについては前記した実施例11ないし14および25参照)。BHIブロス中で増殖させたListeriaのTCA−沈殿培養流体のウェスタンブロット分析を用いて、組換えListeriaからの異種タンパク質の合成および分泌を評価した。(前記実施例18で記載したものと同様な方法をウェスタンブロット分析で用いた)。
これらの実験の結果を図48AないしCに示す。組換えListeriaからの全長腫瘍抗原の効果的な発現および分泌は、Listeria monocytogenesに由来する場合を含めたシグナルペプチドコード配列、および作動可能に連結された外来性抗原コード配列が共にListeria monocytogenesにおけるコドン用法につき最適化された場合に観察された。図48Aは、LLOおよびメソセリン双方についての天然コドンを用いる、ヒトメソセリンと融合したLLOシグナルペプチドを含む構築体でのΔactA Listeria monocytogensによるヒトメソセリンの発現/分泌を示す。TCA−沈殿細菌培養流体のウェスタン分析によって、予測される全長メソセリン(62kDa)の分泌はこれらの構築体で観察されず、いくつかの小さなフラグメントの分泌のみが観察された(図48A)。
図48Bは、ヒトメソセリンと融合した種々のシグナルペプチドをコードする構築体を含有するプラスミド(pAM401)を含むListeria monocytogenes ΔactAによるヒトメソセリンの発現/分泌のウェスタンブロット分析を示す。各構築体において、メソセリンコード配列をListeria monocytogenes発現につきコドン最適化した。示した場合、用いたシグナルペプチドコード配列はいずれかの天然配列を含有し(「天然」)、あるいはListeria monocytogenes発現につきコドン最適化された(「CodOp」)。分泌されたメソセリンは、IFAと共に選択されたペプチドでのウサギの注射によって調製された、アフィニティー−精製ポリクローナル抗−ヒト/マウス抗体を用いて検出した。
有意には、図48Bのレーン3ないし5、および8ないし9に示すように、全長メソセリン(62kDa)の分泌は、シグナルペプチドおよびメソセリンコード配列が共にListeriaにおける発現につきコドン最適化されている場合にのみ観察された。この観察は、有意には、各々、その双方が頻繁には使用されないコドンを含有する、secA1およびsecA2分泌経路に関連する、細菌LLOおよびp60タンパク質からのListeria−由来シグナルペプチドも含んだ。(LLO PEST配列もまたLLOシグナルペプチドに含まれ、そのコード配列はやはりコドン最適化されている)。全長メソセリン(62kDa)の効果的な分泌は、コドン最適化Listeria LLOシグナルペプチドがコドン最適化メソセリンと連結された場合に観察された(レーン8、図48B)が、Listeria LLOシグナルペプチドの天然コード配列を用いた場合には観察されなかった(レーン7、図48B)。さらに、全長メソセリン(62kDa)の分泌は、コドン最適化Listeriap60シグナルペプチドがコドン最適化メソセリンと連結された場合に観察された(レーン3、図48B)が、Listeria p60シグナルペプチドの天然コード配列を用いた場合には観察されなかった(レーン6、図48B)。最後に、全長メソセリン(62kDa)の分泌は、Listeria monocytogenesとは異なる細菌種からのコドン最適化シグナルペプチドをコドン最適化メソセリンに操作可能に連結した場合に観察された(図48B)。Bacillus anthracis保護抗原(Ba PA)からのシグナルペプチド、またはLactococuus lactis Usp45タンパク質(Ll Usp45)からのシグナルペプチドは、組換えListeria株からの全長メソセリン(62kDa)の効果的な分泌をプログラムした(図48B、レーン4および5)。Bacillus subtilis phoDシグナルペプチド(Bs phoD)もまたListeriaからの全長メソセリンの効果的な分泌をプログラムした(図48B、レーン9)。約62,000の分子量を持つバンドはメソセリンに対応し、二重バンドの対は、おそらくは、切断されていない+切断されたメソセリンポリペプチド(すなわち、部分的切断)に対応する。
図48Cは、その双方がListeriaにおける発現につきコドン最適化された、ヒトNY−ESO−1をコードする配列と融合したLLOシグナルペプチドをコードする配列を含む構築体でのListeria moncoytogenes ΔactAΔinlBからのNY−ESO−1の発現/分泌を示す。分泌されたNy−ESO−1はNY−ESO−1モノクローナル抗体を用いて検出した。
本実施例においては、シグナルペプペプおよび腫瘍抗原ドメインを合成して、Listeriaゲノムからのコード配列中の1000コドン当たりの出現の頻度によって規定される、各アミノ酸についての最も好ましいコドンを利用した(http://www.kazusa.or.jp/codon/cgi−bin/showcodon.cgi?species=Listeria+monocytogenes+[gbbct])。Listeriaおよび他のグラム−陽性菌属からのsecA1、secA2、またはtwin−Argトランスローケーション(Tat)分泌経路に関連するシグナルペプチドは、組換えListeriaからのヒト腫瘍抗原の効果的な分泌をプログラムした。驚くべきことに、Listeriaタンパク質LLOおよびp60からのシグナルペプチドは、各々、稀なコドン(1000コドン当たり<10の頻度)を含有し、これらの配列の最適化は組換えListeriaからのメソセリンおよびNY−ESO−1の効果的な分泌に必要であった(図48B)。また、B.anthracis保護抗原(pagA)およびLactococcus lactis Usp45からのsecA1シグナルペプチド、およびB.subtilisのホスホジエステラーゼ/アルカリ性ホスファターゼD遺伝子(PhoD)からのTatシグナルペプチドに連結した場合に、メソセリン分泌がやはり観察された。
区別される分泌経路からのシグナルペプチドを用いて、特定の経路が異種タンパク質の最適な分泌に好都合であるか否かを決定した。例えば、Tat経路は細菌内で折り畳まれたタンパク質の分泌で利用され、B.subtilis phoDタンパク質はこのメカニズムを介して分泌される。それは、NY−ESO−1のような有意な疎水性のドメインを含有する腫瘍抗原の分泌は輸送に先立って折り畳まれることによって促進され得ると元来は仮定されていた。しかしながら、これらの結果は、分泌経路ではなく、シグナルペプチドおよび腫瘍抗原コード配列双方のコドン最適化が、哺乳動物タンパク質の効果的な分泌の一時的要件であることを示した。
重要なことには、腫瘍抗原分泌のためのいずれかの経路を利用する組換えワクチンの表現型は、親Listeria ΔactA/ΔinlB株と比較して、有意に影響されなかった。Listeria ΔactA/ΔinlBの平均致死性(LD50)はC57BL/6マウスにおいて1×10cfuである。Listeria ΔactA/ΔinlBの染色体上の無害な部位への腫瘍抗原発現カセットの安定な単一コピー部位特異的組込みは、pPL2組込みベクターを用いて達成された。Listeria ΔactA/ΔinlBをコードする腫瘍抗原のLD50はListeria ΔactA/ΔinlB株の5倍以内であった。
(実施例28 ビシストロニックhEphA2発現ベクターの構築)
非限定的例として、hEphA2の外部(EX2)および内部(CO;キナーゼ死滅)ドメインの発現がビシストロニックメッセージから起こる抗原発現カセットの構築が与えられる。EX2およびCOドメインの分泌は、各々、Ba PAおよびBs PhoDシグナルペプチドとEX2およびCOドメインとの機能的連結によって達成される。
phEphA2KDとして知られたコドン最適化ヒトEphA2キナーゼを、ビシストロニックEphA2発現ベクターの構築で用いる。(EphH2は受容体チロシンキナーゼであるか、キナーゼ活性は該酵素の活性部位におけるKからMへの変異によってなくなる)。phEphA2KDのコード配列は図49に示される。図49におけるphEphA2KD配列は膜貫通ドメインが欠失されたpEphA2についてのコドン最適化コード配列を含み、機能的抗原発現カセットの構築を容易とするためのユニークな5’および3’BamHIおよびSacI制限部位を含有する。Mlu I認識配列は図49において示される配列では太文字で示される。
2つのMlu I制限酵素認識配列の間のヒトEphA2(膜貫通ドメインが欠失された、キナーゼ−死滅)のサブ−フラグメントを(当該分野で公知の遺伝子合成方法によって、例えば、オリゴヌクレオチド合成、PCR、および/またはクレノウフィル−イン等によって)合成する。合成の間に、天然タンパク質においては疎水性膜貫通ドメインによって分離されている、EphA2細胞外および細胞内ドメインの間の正確に接合において、actA−plcB遺伝子間領域を挿入する。actA−plcB遺伝子間領域を含有するコドン最適化ヒトEphA2のMlu Iサブ−フラグメントの配列を図50に示す(遺伝子間領域を太線で示す)。加えて、コドン最適化Bs PHODシグナルペプチドをactA−plcB遺伝子間配列の3’末端に置き、下流EphA2 COドメインコーディング領域とイン−フレームで融合させる。
機能的ヒトEphA2ビシストロニックカセットは、図49に示される膜貫通欠失キナーゼ死滅ヒトEphA2配列における対応する領域に代えての、actA−plcB遺伝子間領域およびBs phoDシグナルペプチドを含有するMlu Iフラグメントの置換によって組み立てられる。この得られた配列は、各々、その5’および3’末端においてユニークなBamHiおよびSacI制限酵素認識部位を含有して、hlyプロモーターおよび初期シグナルペプチド、例えば、Ba PAへの挿入および機能的連結を容易とする。
かくして、ビシストロニックヒトEphA2抗原発現カセットの7つの順序立った機能的エレメントは以下の通りである:hlyプロモーター−Ba PAシグナルペプチド−EXドメインEphA2−停止コドン−actA−plcB遺伝子間領域(シャイン−ダルガルノ配列を含む)−Bs PhoDシグナルペプチド−COドメインEphA2−停止コドン。全てのEphA2およびシグナルペプチドコード配列は好ましくはコドン最適化されている。
EphA2 EXおよびCOドメインを発現し、分泌する組換えListeria株は、pAM401、pKSV7、またはpPL1およびPpL2組込みベクターを利用し、本出願で説明した方法によって誘導することができる。EphA2タンパク質の発現および分泌は、本明細書中に記載され、および/または当業者に知られた方法を用い、所望の細菌画分のウェスタン分析によって検出される。
(実施例29 抗原細菌タンパク質キメラを含む組換えListeriaからの抗原の発現および分泌)
本発明のいくつかの実施形態によって、シグナルペプチドおよびその異種タンパク質融合パートナーをコードする配列は共にコドン最適化されている。いくつかの実施形態において、コドン最適化異種タンパク質配列を、その天然形態がListeriaから分泌される、タンパク質の規定された領域に入れるのが望ましい。分泌されたタンパク質の組み合わされた分子量に対応するタンパク質キメラが合成され、分泌されるように、異種タンパク質配列は、選択された分泌Listeriaタンパク質配列の規定された配列内に機能的に入れられる。異種タンパク質の分泌は、オートゴラス細菌タンパク質の最適な分泌に必要な宿主Listeria細菌のマシーナリーを利用することによって容易とすることができる。分子シャペロンは選択された細菌タンパク質の分泌を容易とする。
非限定的例として、L.monocytogenesタンパク質p60およびヒト腫瘍抗原、メソセリンの間のタンパク質キメラを作成した。タンパク質キメラは、ヒト腫瘍抗原、メソセリンを、アミノ酸70におけるL.monocytogenesタンパク質p60へ正確に入れることによって作成した(が、いずれの所望の異種タンパク質コード配列もタンパク質キメラを作成するように選択できることが理解される)。タンパク質キメラは、p60アミノ酸1ないし70および全メソセリンコード配列におけるLiseteriaにおける発現につき最適なコドンを含有した。さらに、p60−ヒトメソセリンタンパク質キメラは、pPL2ベクターに組み込まれたL.monocytogeneshlyプロモーターに機能的に連結され、それは、引き続いて本明細書中に記載されたように用いて、ヒトメソセリンを発現し、分泌する組換えL.monocytogens株を作成した。p60−ヒトメソセリンタンパク質キメラを最適に発現し、分泌する組換えListeria株を構築するのに用いた実験方法は以下に記載する。
いくつかの実施形態において、選択されたL.monocytogenes遺伝子および選択された異種タンパク質間のタンパク質キメラの重要な特徴は、L.monocytogenes発現タンパク質と細菌シャペロンおよび分泌装置との相互作用との通じたタンパク質キメラの最適な分泌を保持し、ならびにタンパク質キメラの関係におけるL.monocytogensiタンパク質の機能的活性を保持するための、選択されたL.monocytogenes遺伝子内へ選択された異種タンパク質配列を適当に機能的に入れることである。いくつかの実施形態において、L.monocytogenes secA2依存性タンパク質NamAおよびp60内へ異種配列を機能的に入れることが、これらの該タンパク質のペプチドグリカン細胞壁活性を保持するために望ましい。(例えば、SecA2依存性NamAおよびp60タンパク質の記載については、2003 PNAS,100:12432−12437)参照)。いくつかの実施形態において、異種タンパク質コード配列の機能的設置は、シグナル配列(SS)および細胞壁結合ドメイン(LySM)、および触媒ドメインLyz−2(NamA)およびp60−dom(p60)の間で望ましい(Lenz et al.,(2003))。
いくつかの実施形態において、抗原または異種タンパク質の発現はprfA−疎水性プロモーターに機能的に連結される。それ自体、異種タンパク質の発現は組換えListeria感染細胞のミクロ環境内で誘導される。
p60−メソセリンタンパク質キメラの構築における第一の工程は、Listeriaにおける最適分泌のためのコドンにて、p60の最初の70アミノ酸をコードするDNA配列への機能的に連結したprfA依存性hlyプロモーターのDNA合成を含むものであった。(いくつかの実施形態において、コドン用法をさらに修飾して、タンパク質翻訳効率を阻害し得る、過剰のRNA二次構造の領域を回避することができる)。hly プロモーター−70N−末端p60アミノ酸に対応するDNAサブ−フラグメントを合成した。(これは、一般には、当該分野で知られた遺伝子合成方法によって、例えば、オリゴヌクレオチド合成、PCR、および/または、クレノウフィル−イン等によってなすことができる)。
L.monocytogenes、株10403Sからのp60の最初の70アミノ酸の配列は以下に示す:
Figure 0005532280
ヌクレオチド配列およびアミノ酸レベル双方において可変性を含み得る、p60を含めた、L.monocytogenesコーディング遺伝子の複数実験室およびフィールド単離体が存在するが、それにもかかわらず、実質的に同一の遺伝子およびタンパク質であることが当業者に認識できる。さらに、タンパク質キメラはL.monocytogenesの(食品で生じたまたは臨床的株を含めた)いずれかの実験室的またはフィールド単離体からの遺伝子を利用して構築することができる。
hlyプロモーター−70N−末端p60アミノ酸に対応する合成されたDNA配列を図51に示す。さらに、p60アミノ酸残基69(L)および70(Q)をコードするコドンは、ユニークなPstI酵素認識配列を含有して、異種配列の機能的挿入を容易とするように修飾した。さらに、合成されたサブ−フラグメントの5’末端はユニークなKpnI酵素認識配列を含有する。
447bp KpnIおよびPstI消化サブ−フラグメントをpPL2ベクターの対応するKpnIおよびPstI部位に連結し、KpnIおよびPstI酵素での消化、およびウシ腸アルカリ性ホスファターゼ(CIAP)での消化によって処理した。このプラスミドはpPL2−hlyP−Np60 CodOpとして知られている。引き続いて、天然p60遺伝子の残りは、ユニークなPstIおよびBamHI部位の間にて、pPL2−hlyP−Np60 CodOpプラスミドにクローン化した。プルーフリーディング含有熱安定性ポリメラーゼ、および以下のプラマー対を用いて、p60遺伝子の残りをPCRによってクローン化した:
Figure 0005532280
1241bpアンプリコンをPstIおよびBamHIで消化し、精製された1235bpをpPL2−hlyP−Np60 CodOpプラスミドに連結し、PstIおよびBamHIで消化し、CIAPで処理した。このプラスミドは、アミノ酸1ないし77に対応する最適コドンを持つ全長L.monocytogenes p60遺伝子、およびアミノ酸78ないし478に対応する天然コドンを含有し、L.monocytogenes hlyプロモーターに対して機能的に連結している。このプラスミドはpPL2−hlyP−Np60 CodOp(1−77)として知られており、p60コード配列二機能的に連結したhlyPを含有するKpnI−PanHIサブ−フラグメントの配列を図52に示す。pPL2−hlyP−Np60 CodOp(1−77)プラスミドの予測された配列は配列決定によって確認した。
構築における次の工程は、N−末端シグナル配列およびp60の第一のLysM細胞壁結合ドメインの間である、pPL2−hlyP−Np60 CodOp(1−77)としてのプラスミドのユニークなPstI部位における異種タンパク質コード配列の機能的挿入であり、かくして、L.monocytogenesタンパク質の正常な生物学的機能を保有する。
非限定的例として、L.monocytogenesタンパク質における最適な発現においてコドン最適化されたヒトメソセリンは、pPL2−hlyP−Np60 CodOp(1−77)としてのプラスミドのユニークなPstI部位に挿入した。具体的には、全長メソセリン、またはシグナルペプチドおよびGPIリンカードメイン(メソセリンΔSP/ΔGPI)が欠失したメソセリンを、プルーフ−リーディング活性を持つ熱安定性ポリメラーゼ、および以下のプライマー対を用い、L.monocytogenesにおける発現につき最適なコドンを含む、全長ヒトメソセリンを含有する実施例27に記載されたプラスミドからクローン化した。
Figure 0005532280
1932bp(全長メソセリン)および1637bp(メソセリンΔSP/ΔGP1)のPCRアンプリコンを精製し、PstIで消化し、精製し、プラスミドpPL2−hlyP−Np60 CodOp(1−77)のユニークなPstI部位に連結し、PstIでの消化、およびCIAPでの処理によって処理した。p60およびメソセリンドメインの一致したN−CO向きは、制限エンドヌクレアーゼマッピングによって確認した。これらのプラスミドはpPL2−hlyP−Np60 CodOp(1−77)−メソセリンおよびpPL2−hlyP−Np60 CodOp(1−77)−メソセリンΔSP/ΔGPIとして知られ、ここに含まれた実施例を通じて記載されているように、(ΔactAΔinlB二重欠失変異体のような)分泌されたL.monocytogenes株に導入した。
p60−ヒトメソセリンタンパク質キメラコーディング遺伝子に機能的に連結したhlyプロモーターを含有するプラスミドpPL2−hlyP−Np60 CodOp(1−77)−メソセリンのKpnI−BamHIサブ−フラグメントの配列を図53に示す。
p60−ヒトメソセリンΔSP/ΔGPIタンパク質キメラコーディング遺伝子に機能的に連結したhlyプロモーターを含有するプラスミドpPL2−hlyP−Np60 CodOp(1−77)−メソセリンΔSP/ΔGPIのKpnI−BamHIサブ−フラグメントの配列は図54に示す。
p60−メソセリンタンパク質キメラの発現および分泌のウェスタン分析:
実施例を通じて議論したように、選択された異種抗原の発現および分泌の結果MHCクラスI−制限CD8+T細胞応答の優れたプライミングがもたらされる。本明細書中に記載された方法によって作成された、pPL2−hlyP−Np60 CodOp(1−77)−メソセリンまたはpPL2−hlyP−Np60 CodOp(1−77)−メソセリンΔSP/ΔGPIプラスミドのtRNA−Arg染色体挿入を含有する組換えL.monocytogenes ΔactAΔinlB二重欠失変異体による培地へのタンパク質キメラの発現および分泌を、メソセリン特異的ポリクローナル抗体を用い、ここに含まれた実施例に記載された方法によってウェスタン分析によってテストした。
レーンのいくつかで示されたタンパク質についてのhメソセリン(ここではΔSSΔGPI、ΔSP/ΔGPI、ΔSS/ΔGPI等ともいわれるΔSPΔGPI)における示された作成欠失は以下の通りであった:欠失されたシグナル配列(ΔSP)はhメソセリンのN−末端34アミノ酸に対応する(ヒトメソセリンの配列については、例えば、図34またはGenBank受託番号BC009272参照)。欠失されたGPI(ΔGPI)ドメインは、アミノ酸残基Gly−Ile−Proで開始し、アミノ酸残基Thi−Leu−Alaで終わるC−末端42アミノ酸に対応する(例えば、図34参照)。
この分析の結果は、(N−末端シグナル配列および2つのLysM細胞壁結合ドメインの最初の間のp60のアミノ酸70においてイン・フレームに挿入された)ヒトメソセリンまたはヒトメソセリンΔSP/ΔGPIの正確な挿入をもつp60よりなるタンパク質キメラは組換えL.moncytogenesから効果的に発現され分泌されることを示した。図55参照。(図55のY−軸はかなり左側のレーンで実行されたラダーにおけるタンパク質の分子量(kDaで表す)を示す。具体的には、図55におけるレーン1ないし4は、ヒトメソセリンまたはヒトメソセリンΔSP/ΔGPIを含有する予測されるタンパク質キメラの発現および分泌を示す。全長メソセリンに対するヒトメソセリンΔSP/ΔGPIの発現および分泌の増大した効率はレーン2および4で明らかである。レーン3および4に示されたタンパク質キメラにおいては、真正N−末端p60アミノ酸を用いた。図55におけるレーン1および2で実行されたキメラにおいては、各々、位置29および64におけるアミノ酸TおよびVをコードするヌクレオチドが欠失された。レーン5は(シグナルペプチドおよびメソセリンコード配列がL.monocytogenesにおける発現につきコドン最適化された)ヒトΔSPΔGPI−メソセリンに融合したBacillus anthracis PAシグナルペプチドの発現および分泌を示し、レーン6は(シグナルペプチドおよびメソセリンコード配列が共にL.monocytogenesにおける発現につきコドン最適化された)全長ヒトメソセリンに融合したLLOの発現および分泌を示す。レーン8はJ293、ヒト細胞系タンパク質発現により示し、他方、レーン7は全長ヒトメソセリンをコードするプラスミドを含有するJ293によって発現され分泌されたタンパク質を示す(「J293/全長」)。レーン10は内因性p60が欠失したListeriaからのタンパク質の発現および分泌を示す。図55における下方パネルは、ポリクローナルα−p60抗体を用いるL.monocytogenes p60分泌のウェスタン分析を示す。結果は、等量のLm−分泌タンパク質がゲルに負荷されたことを示す。
p60は分子シャペロンとして用い、異種タンパク質を分泌し、MHCクラス経路の提示を容易とすることができることを示す。
(実施例30:組換えListeria monocytogenesによる抗原の発現および分泌のさらなる例)
(A.非Listerialシグナルペプチドを用いるビシストロニック構築体からのEphA2の細胞内ドメイン(ICD)の発現)
図56は、非Listerial、非secA1シグナル配列を用いるビシストロニックメッセージからのEphA2の細胞内ドメイン(ICD)の発現および分泌のウェスタンブロット分析を示す。
EphA2は細胞外ドメイン(ECD)および細胞内ドメイン(ICD)よりなるタンパク質である。Listeria ΔactAΔinlBはビシストロニックmRNAを発現するように作成され、ここに、ビシストロニックmRNAは区別されるポリペプチドとしてEphA2の細胞外ドメインおよび細胞内ドメインをコードした。構築体で用いたシグナル配列をコードする配列の全て(B.subtilis phoDシグナルペプチド、B.anthracis保護抗原シグナルペプチド、およびL.lactis Usp45シグナルペプチド)はL.monocytogenesにおける発現につきコドン最適化されていた。ECDおよびICDドメインをコードする配列もまたL.monocytogenesの発現につきコドン最適化されていた。LLO遺伝子からのListerialプロモーターhlyはこれらの構築体におけるプロモーターとして用いた。
ビシストロニックmRNAをコードする発現カセットは組み込みベクターpPL2を用いてListeriaゲノムに組み込んだ。標準的技術を用いる種々の細菌画分のウェスタンブロット分析を用いて、蓄積された細胞内EphA2ドメインを検出し、測定した。結果は、EphA2細胞内のドメインが、コドン最適化配列によってコードされた非Listerialシグナルペプチドを用いてビシストロニック構築体から発現され、分泌されたことを示した。
発現構築体は:(1)EphA2の細胞外ドメインについてのコード配列と操作可能に(機能的に)連結されたL.lactis Usp45分泌配列をコードするコドン最適化配列(第一のポリペプチド)およびEphA2の細胞内ドメインと操作可能に連結したB.subtilis phoD分泌シグナルをコードするコドン最適化配列(レーン1);および(2)EphA2の細胞外ドメインについてのコード配列と操作可能に連結したB.anthracis保護抗原分泌配列をコードするコドン最適化配列(第一のポリペプチド)およびEphA2の細胞内ドメインについてのコード配列に操作可能に連結したB.subtilis phoD分泌配列をコードするコドン最適化配列をコードする(第二のポリペプチド)(レーン2ないし3(2つの異なるクローン);前期実施例28におけるこの発現カセットの構築の記載参照)。減弱化された親ListeriaΔactAΔinlB株でのコントロール実験(レーン4)は、いくつかのコントロールブロットにおける可変量の検出可能な交差反応性を示した。レーン1ないし3はゆっくり移動するバンドおよび速く移動するバンドを示し、ここに、速く移動するバンドは細胞内ドメイン(ICD)に対応する。構築体(レーン1ないし3)の全てからのEphA2の発現された細胞内ドメインは全ての3つの細菌画分で観察された。レーン4(コントロール)は遅く移動するバンドのみを示す。抗体は細胞外ドメインで利用できなかったため、細胞外ドメインの発現/分泌はアッセイしなかった。
(B.種々のコドン最適化シグナルペプチドとのN−末端融合の関数としてのネズミメソセリンのプラスミドベースの発現および分泌)
図57は、非Listerialシグナル配列および非secA1シグナル配列を含めた、種々のシグナルペプチドを用いるコドン最適化メソセリンコード配列から発現されたネズミメソセリンのプラスミドベースの発現および分泌を示す。ネズミメソセリンのプラスミドベースの発現および分泌は、コドン最適化配列によってコードされた種々のシグナルペプチドとのN−末端融合の関数として示される。全ての場合、メソセリン融合タンパク質のシグナルペプチドをコードする配列はコドン最適化されており、ならびにネズミメソセリンコード配列はN.monocytogenesの発現につきコドン最適化されていた。L.monocytogenesからのネズミメソセリンの発現および分泌を測定し、ここに、ListeriaはpAM401プラスミドを保有し、ここに、プラスミドはメソセリンをコードした。種々のプラスミド−構築体をテストし、ここに、シグナル配列を変化させた。ウェスタンブロットを分泌されたタンパク質(A)細胞壁(B)細胞溶解物(C)の種々の画分から回収されたタンパク質で行った。各画分につき、レーン1ないし2はB.anthracis保護抗原シグナル配列との融合として発現されたネズミメソセリンを示し、レーン3ないし4はLactococcus lactis Usp45シグナル配列との融合として発現されたネズミメソセリンを示し、レーン5ないし6はB.subtilis phoDシグナル配列との融合として発現されたネズミメソセリンを示し、レーン7ないし8はp60シグナル配列との融合として発現されたネズミメソセリンを示し、レーン9ないし10はLLOシグナル配列との融合として発現されたネズミメソセリンを示し、レーン11はコントロール宿主Listeria ΔactaAΔinlBによって発現されたタンパク質を示す。結果は、最大の発現および分泌が見出され、そこでは、シグナル配列はB.anthracis保護抗原シグナル配列(レーン1ないし2)およびB.subtilis phoDシグナル配列(レーン5ないし6)よりなることを示す。
(C.Listeria monocytogenes染色体ベースの発現およびヒトメソセリンの分泌)
図58は、種々の細菌細胞画分(すなわち、分泌されたタンパク質、細胞壁、および溶解物)におけるヒトメソセリンのListeria monocytogenes染色体ベースの発現および分泌のウェスタンブロット分析を示す。非Listerial secA1および非secA1シグナルペプチドと融合した場合に、ヒトメソセリンの発現および分泌をテストした。テストしたListeria細菌は全てΔactA/ΔinlB Listeriaであり、以下の通りであった:Listeria ΔactA/ΔinlB(メソセリンを発現するように作成しなかったコントロールListeria)(レーン1);ΔSS/ΔGPI hメソセリンに融合したB.anthracis保護抗原シグナル配列をコードするListeria(レーン2ないし3);ΔSS/ΔGPI hメソセリンに融合したB.subtilis phoDシグナル配列をコードするListeria(レーン4ないし5);全長hメソセリンと融合したB.anthracis保護抗原シグナル配列をコードするListeria(レーン6ないし7);全長hメソセリンに融合したB.subtilis phoDシグナル配列をコードするListeria(レーン8ないし9)。
前記したListeriaの全てにおけるメソセリンに融合したシグナル配列をコードする配列をL.monocytogenesの発現につきコドン最適化した。加えて、メソセリンコード配列(ΔSS/ΔGPIおよび全長)を、構築体の各々において、L.monocytogenesでの発現につきコドン最適化した。メソセリンを発現する前記Listeriaの各々において、メソセリン発現カセットをpPL2との組込みを介してListeria染色体に挿入した。
最高の発現が、ヒトメソセリンをそのシグナル配列を欠失し、疎水性領域(gpi領域)を欠失するように作成したB.subtilis phoD分泌配列で起こった(レーン4ないし5)。
(実施例31 組換えListeria monocytogenesワクチンの免疫原性および抗−腫瘍効率のさらなる例)
以下の例は、本発明のListeriaでのワクチン接種の結果、例えば、サイトカイン発現のワクチン依存性刺激、腫瘍を持つ動物のワクチン依存性生存、腫瘍転移におけるワクチン依存性低下、および腫瘍容量におけるワクチン依存性低下を開示する。
(A.P−60モデル抗原キメラを含むListeriaワクチンの免疫原性)
図59AおよびBは、p60−抗原キメラまたはLLOシグナルペプチド−抗原融合タンパク質いずれかを発現するListeriaによるMHCクラスI経路への異種タンパク質の送達を示す。この実験で用いた異種抗原はAH1−A5であった。ワクチン接種は、N−末端p60シグナルペプチド配列を含めたp60ポリペプチド配列内に挿入された(OVA SL8ペプチドと融合した)AH1−A5をコードするp60タンパク質キメラ発現カセットを含むように作成されたListeria、(「p60ベースの構築体」)または同一抗原、OVA内に埋められたAH1−A5をコードする核酸に連結されたLLOシグナルペプチドをコードするように作成されたListeria(「LLOベースの構築体」)を用いた。これらの構築体は共にListerialプロモーターhlyを用いた。p60はsecA2経路によって分泌されるListerialペプチドグリカン自己溶解素であり、他方、LLOはリステリオリシンである。
p60ベースの構築体を作成するために、p60をコードする核酸をPstIクローニング部位を含むように作成し、ここに、PstIクローニング部位はサイレント変異を表し、すなわち、コードされたアミノ酸配列の変化をもたらさなかった。PstI部位はN−末端シグナル配列、およびp60配列における2つのLysM細胞壁結合ドメインの最初の間に位置した。AH1−A5エピトープ(SPSYAYHQF(配列番号:73))およびSL8エピトープ(SIINFEKL(配列番号:123))を含む異種ポリペプチドをコードするポリヌクレオチドをPstIクローニング部位にイン・フレーム挿入した。これらのエピトープについてのコード配列をユニークなXhoI部位によって分離し、L.monocytogenesにおける発現につきコドン最適化した。PstI部位への挿入は、p60のヌクレオチド塩基番号199の同等な箇所で起こった。p60コード配列の最初の1ないし70アミノ酸をL.monocytogenesにおける発現につきコドン最適化した。従って、シグナルペプチドに対応する最初の27アミノ酸はL.monocytogenesにおける発現についての最適なコドンから発現された。抗原発現カセットは、さらに、L.monocytogenesゲノムのtRNAArg遺伝子に隣接する部位特異的組込みのために、pPL2プラスミドのMCSへの挿入用の、各々、ユニークな5’および3’KpnIおよびSacI部位をさらに含んだ。LLOベースの構築体は(いずれのコドン最適化も用いることなく)OVA内のAH1−A5をコードする核酸に操作可能に連結したLLOシグナル配列をコードする配列を含んだ。かくして、本実験においては、シグナルペプチドはListeria LLOから、またはListeria p60からのものであった。
構築体をpPL2、Listeriaゲノムとの部位特異的組換えを媒介するベクターに入れ、Listeriaゲノムに挿入した。
図59AおよびBは、p60キメラとしてのp60シグナル配列/自己溶解素と共にAH1−A5抗原を発現するListeriaのワクチン接種(尾静脈)への免疫応答、およびLLOシグナル配列と連結したAH1−A5抗原を発現するListeriaのワクチン接種に対する免疫応答を示す。図面のx−軸において、「Unstim」は、ペプチドはウェルに加えられなかった(すなわち、細胞は刺激しなかった)ことを意味し、他方、「AH1」はAH1ナノペプチドをウェルに加えたことを意味し、および「AH1−A5」は、AH1−A5ナノペプチドをウェルに加えたことを意味する。全ての細菌ワクチンをAH1−A5をコードする組み込まれた核酸を含むように作成した(細菌ワクチンはAH1をコードしなかった)(例えば、Slansky, et al.,(2000)Immunity13:529−538参照)。ワクチン接種をp60ベースの構築体を含むListeriaで行った場合、該株は図面のx−軸上に「p60」として示される。ワクチン接種をLLOベースの構築体を含むListeriaで行う場合、該株は図面のx−軸上に「LLO」として示す。
p60ベースの構築体を発現するListeriaでのワクチン接種についての全プロトコルは以下の通りであった:(1)マウスを組み込まれた核酸を含有するListeriaでワクチン接種し(尾静脈(i.v.))、ここに、組み込まれた核酸はp60のヌクレオチド199に挿入されたAH1−A5をコードする核酸を含有するp60をコードした。換言すると、AH1−A5抗原をコードする核酸はp60シグナル配列およびp60自己溶解素とイン・フレームであり、それに操作可能に連結した。AH1−A5をコードする核酸はL.monocytogenesにおける発現につきコドン最適化された;(2)感染から7日後に脾臓を摘出し;(3)脾臓細胞をバラバラにし、ウェルに入れ、脾臓細胞を、x−軸上に示すように、ペプチドを加えずに(図59AおよびB)、AH1を加え(図59A)、またはAH1−A5を加え(図59B)、インキュベートした;(4)ペプチドを加えた後に、細胞を5時間インキュベートし、続いて、FACS分析によってCD8T細胞を発現するIFNガンマのパーセントの評価を行った。類似のプロトコルを、LLOベースの構築体を発現するListeriaでのワクチン接種で用いた。
結果は、ListeriaワクチンはIFNガンマのCD8+T細胞発現を刺激したことを示し、ここに、加えたペプチドはAH1(図59A)であり、または加えたペプチドはAH1−A5であった(図59B)。組み込まれたAH1−A5をLLOシグナル配列と操作可能に連結した場合、刺激は幾分高く、組み込まれたAH1−A5がp60シグナル配列と操作可能に連結した場合、刺激は幾分低かった(図59AおよびB)。
図60AおよびBは、前記したように、すなわち、図59AおよびBに示すように、同一の2つのListeriaワクチンで行った実験を示す。図60Aは、p60ベースの構築体を含有するように作成したListeria(「p60」)、またはLLOベースの構築体を含有するように作成されたListeria(「LLO」)でマウスをワクチン接種した結果を示す。図60Aのx−軸に示したように、細胞ベースのアッセイはペプチドを補足せず(未刺激;「unstim」)またはLLO91−99ペプチドを補足(「LLO91」);Badovinac & Harty(2000) J.Immunol.164:6444−6452)。結果は、Listeriaワクチンがp−60ベースの構築体またはLLOベースの構築体を含有する場合、同様な免疫応答(IFNガンマ発現)を示した。細胞ベースのアッセイからの結果に反映されるように、図60Aにおける刺激された免疫応答は、天然LLOのListeria内因性発現によるものである。
図60Bは、p60ベースの構築体を含むように作成されたListeriaでマウスをワクチン接種した場合、hlyプロモーターおよびシグナルペプチド配列をAH1−A5をコードする核酸と、またはLLOベースの構築体を含有するように作成されたListeriaと操作可能に連結した場合、hlyプロモーターおよびシグナルペプチドをAH1−A5をコードする核酸と操作可能に連結した場合の結果を示す。加えたペプチドは、x−軸上に示すように、ペプチド無し(未刺激;「unstim」)またはp60217−225(「p60−217」;Sijts, et al(1997) J.Biol.Chem.272:19261−19268)いずれかであった。細胞ベースのアッセイからの結果に反映されるように、図60Bにおける刺激された免疫応答は、LLOベースの構築体についての内因性p60のListeria発現、およびp60ベースの構築体についての内因性p60および発現されたp60タンパク質キメラ配列の組合せによるものである。
(B.ヒトメソセリンを発現するListeriaの治療効果)
図61に示した結果は、マウスにおける腫瘍細胞がヒトメソセリンを発現するように作成された場合、ヒトメソセリン(huメソセリン)を発現するListeriaでのワクチン接種が腫瘍−担持マウスにおける生存を延長することを明らかにする。腫瘍細胞はヒトメソセリンを発現するCT26細胞であり、マウスはBalb/cマウスであった。(本明細書中に記載された全てのCT26腫瘍実験はBalb/cマウスを含んだ)。発現カセットの1つにおいて、非Listerialシグナル配列をコードする配列は(そのシグナル配列およびGPIアンカーが欠失した)ヒトメソセリンをコードするコドン最適化配列とイン・フレームにて操作可能に連結した。ヒトメソセリンと融合したシグナルペプチドをコードする発現カセット(ΔGPIΔSS)を、腫瘍に対する免疫応答についての融合タンパク質の効果に関する実験においてListeriaワクチンにて腫瘍−担持マウスに投与した。メソセリン融合タンパク質をコードする発現カセットはListeria染色体に組み込まれていた。0日において、ヒトメソセリンを発現する2×10CT26細胞(CT.26 huMeso+)をBalb/cマウスに静脈内注射した。マウスのワクチン接種は尾静脈におけるものであった(i.v.)。le7コロニー形成タイム(CFU)Listeria(i.v.)での接種は3日に起こった。
図61は、ヒトメソセリンを発現するCT26腫瘍に対するマウスの(y−軸上に示した)パーセント生存を示し、ここにワクチンはハンクスの平衡塩溶液(HBSS)(偽ワクチン;「HBSS」);組み込まれた発現カセットからのSF−AH1A5を発現するListeria ΔactAΔinlB(陽性コントロールワクチン;「SF−AH1A5」);または(コドン最適化された配列によってコードされた)huメソセリンと融合された(非コドン最適化配列によってコードされたB.anthracis保護抗原シグナル配列をコードする発現カセットを含むListeria ΔactAΔinlBを含み、ここに、huメソセリンは欠失されたシグナルペプチドおよび疎水性gpi−アンカリングペプチドをコードする欠失された領域を有した(「BaPA−huMesoΔgpiΔss」)。SF−AH1A5構築体およびBaPA−huMeso ΔgpiΔss構築体を担うListeriaは、染色体に組み込まれた構築体としてこれらの構築体を含んだ。SF−AH1A5をコードする核酸分子、およびBaPA−huMeso ΔgpiΔss構築体をコードする核酸分子はpPL2を用いてListeriaゲノムに組み込まれていた。SFは、SL8としても知られた、オボアルブミンに由来する8つのアミノ酸ペプチドが不足している(例えば、Shastri and Ganzalez(1993) J.Immunol.150:2724−2736参照)。略語「SF−AH1A5」、「SF−AH1−A5」および「OVA/AH1−A5」とは、オボアルブミンスカフォールドに連結したAH1−A5をいう。「SF AH1−A5」とは、GenBank受託番号P01012(オボアルブミン)のアミノ酸138ないし386のN−末端に融合したAH1−A5(SPSYAYHQF(配列番号:73))およびSFペプチドをいう。「SF−AH1A5」をコードするポリヌクレオチドはこの例においては、AH1−A5をコードするコドン最適化核酸、およびオボアルブミン由来をコードする非コドン最適化核酸を含むものであった。
結果は、huメソセリンを発現するListeriaでの単一免疫化が、huメソセリン−発現腫瘍を含有するマウスの生存を延長することを示す。生存パーセンテージは、Δシグナル配列/Δgpi huメソセリンと融合した染色体に組み込まれたB.anthracis保護抗原シグナル配列(BaPA−huMeso ΔgpiΔss;塗り潰した四角)で最高であった。生存は、「ワクチン接種」がコントロール塩溶液で行った場合に最低であった。
(C.メソセリン特異的抗−腫瘍効率のためヒトメソセリンを発現するListeriaをワクチン接種した腫瘍−担持マウスにおける肺腫瘍節レベルの低下)
図62におけるデータは、肺腫瘍節のレベルがヒトメソセリンを発現するListeriaΔactAΔinlBでのワクチン接種によって低下することを示し、ここに、腫瘍細胞はヒトメソセリンを発現するように作成されていた。マウス株はBalb/cであって、肺腫瘍細胞はヒトメソセリンを発現するベクターを保有するCT26細胞であった。0日において、ヒトメソセリンを発現する2×10CT26細胞をBalb/cマウスに静脈内投与した。種々のシグナル配列をコードする配列は、発現カセット中のヒトメソセリンをコードするコドン最適化配列にイン・フレームにて操作可能に連結されていた。ヒトメソセリンに融合した種々のシグナルペプチドをコードする発現カセットを、発現カセットを含むListeriaワクチンを介する腫瘍−担持マウスに投与した。3日に、1×10CFU/100μLのListeriaワクチンを腫瘍−担持マウスに静脈内投与した。陰性コントロールワクチン接種はHBSSまたはListeria ΔactAΔinlBで行った。陽性コントロールワクチン接種は(OVA配列とイン・フレームである)AH1 A5を含むOVA融合タンパク質を発現するListeriaで行った(AH1A5を発現するOVA融合タンパク質は非―コドン最適化発現カセットによってコードされた)。19日に、マウスを犠牲にし、それらの肺を収穫し、肺腫瘍節をカウントした。
Listeriaワクチンは肺における転移の数を低下させた。HBBSまたはListeriaΔactAΔinlBのみを含むコントロールワクチンの結果、各々、肺当たり一致した250転移および肺当たり135転移の平均が検出された。ヒトメソセリンに融合したLLOシグナルペプチドをコードするプラスミド(pAM401)を担うListeria(「pAM−LLO−HuMeso」)は、肺当たり約25の転移を示した。LLOシグナルペプチドおよびヒトメソセリン配列をコードしたpAM−LLO−HuMesoプラスミドのポリヌクレオチド配列は、L.monocytogenesにおける発現につきコドン最適化された。huメソセリンと融合したB.anthracis保護抗原シグナル配列(BaPA)をコードする組み込まれた配列(Δgpi/Δシグナル配列)を担うListeria(「BaPA−HuMeso ΔgpiΔss」)は、平均して肺当たり平均約25の転移を示した。B.anthracis保護抗原シグナル配列をコードしたBaPA−HuMeso ΔgpiΔssにおけるポリヌクレオチドはコドン最適化されず、他方、メソセリンシグナルペプチドおよびGPIアンカーを欠失したヒトメソセリン配列をコードしたポリヌクレオチドはL.monocytogenesにおける発現につきコドン最適化された。
図63は、CT.26親標的細胞を用いて生じた肺腫瘍節を含むマウスを用いるコントロール実験の結果を示す。Balb/cマウスを用いたが、wt CT26はその代わり注射した(0日に2×10細胞(i.v.))。実験は、メソセリン融合タンパク質を発現するListeriaワクチンでのワクチン接種の抗−腫瘍効果はメソセリンと特異的であることを示す。種々のシグナル配列をコードする配列は発現カセット中のヒトメソセリンをコードするコドン最適化配列とイン・フレームと操作可能に連結していた。(この実験で用いた構築体は、図62で示したデータを生じた前記実験で用いたものと同一であった)。ヒトメソセリンと融合した種々のシグナルペプチドをコードする発現カセットは、発現カセットを含むListeriaワクチンを介して腫瘍−担持マウスに投与された。ワクチン接種は尾静脈におけるものであった(3日において1×10CFU/100μL i.v.)。この特定の実験において、腫瘍細胞はヒトメソセリンを発現しなかった。生存が測定された。データが利用できる場合、肺転移の数も測定した。各ワクチン接種群においては合計5匹のマウスがいた。陰性コントロール接種はHBSSまたはListeria ΔactAΔinlBを含んだ。陽性コントロール接種は、AH1A5を含むOVA融合を発現するListeriaを含んだ(コドン最適化せず)。
結果を図63に示す。十字は、生存しなかったことを示し、各ワクチン接種群は5匹のマウスを含んだ。陽性コントロール接種では、マウスは生存し、肺における検出された転移の数は平均して肺当たり約25であった。腫瘍細胞はヒトメソセリンを発現するように作成しなかったため、ヒトメソセリンと融合したLLOシグナルペプチドを発現するプラスミドを保有するListeria(「pAM−LLO−HuMeso」)接種したマウスは生存しなかった。マウスを、ヒトメソセリン(Δgpi/Δシグナル配列)(「BaPA−HuMeso ΔgpiΔss」)と融合した染色体に組み込まれたB.anthracis保護抗原分泌配列(BaPA;非コドン最適化ヌクレオチド配列によってコードされる)を担うListeriaで接種した場合、いくらかは生存したが、他は生存しなかった。
(D.コドン最適化ヒトメソセリンを発現するListeriaでのワクチン接種は腫瘍容量を低下させる)
図64は、コドン最適化メソセリンコドン配列を含む発現カセットからのヒトメソセリンを発現するListeria(ΔactAΔinlB)でのワクチン接種が腫瘍容量を低下させることを示す。
種々のシグナル配列をコードする配列は、発現カセット中のヒトメソセリンをコードするコドン最適化配列とイン・フレームにて操作可能に連結させた。ヒトメソセリンと融合した種々のシグナルペプチドをコードする発現カセットを、発現カセットを含むListeriaワクチンを介する腫瘍−担持マウスに投与した。この実験において腫瘍−担持マウスのワクチン接種で用いたヒトメソセリンを発現するListeriaワクチンは以下のものを含む:ヒトメソセリン(「pAM opt.LLO−opt.huMeso」)と融合した(L.monocytogenesにおける発現につきコドン最適化された配列によってコードされた)LLOシグナルペプチドを発現し、それを分泌するpAM401プラスミドを担持するListeria(ΔactAΔinlB L.monocytogenes);huメソセリン(「pAM非opt.BaPA−opt.huMeso」)と融合した(非コドン最適化発現カセットによってコードされた)B.anthracis保護抗原シグナル配列を発現するpAM401プラスミドを担うListeria;およびhuメソセリンと融合した非コドン最適化配列によってコードされたB.anthracis保護抗原シグナルペプチドをコードする組み込まれた発現カセットを含むListeria、ここに、huメソセリンは欠失されたシグナルペプチド、および疎水性gpi−アンカリングペプチド(「非opt.BaPA−opt.huMeso delgpi−ss」)をコードする欠失された領域を有した。
実験において、ヒトメソセリンを発現するように設計された2×10細胞のCT26ネズミコドン腫瘍細胞をBalb/cマウスに皮下移植した(0日)。5匹のマウスを各ワクチン接種群に含めた。CT26細胞の注射後3日に、非Listerialコントロール、または1×10コロニー形成単位(CFU)のListeriaワクチンをマウスに静脈内接種した。陰性コントロールはHBSSを含むものであった。陽性コントロール接種は、(コドン最適化された)SF−AH1A5を発現するListeriaを含んだ。(SFは、SL8(例えば、Shastri and Ganzalez(1993) J.Immunol.150:2724−2736)参照)としても知られた、オボアルブミンに由来する8つのアミノ酸ペプチドである)。種々の時点において、平均腫瘍容量を決定した。
この実験の結果は図64に示される。結果は、種々のシグナルペプチドと融合したヒトメソセリンを発現するListeriaでのワクチン接種が腫瘍容量を低下させることを示した。ヒトメソセリンと融合したB.anthracis保護抗原シグナルペプチドを発現するListeriaでのワクチン接種は保護的であった(点線を施した塗り潰ぶしていない丸)。LLOシグナルペプチドを融合したプラスミド−コーデッドヒトメソセリンを発現するListeriaとのワクチン接種は保護的であった(塗り潰ぶしていない三角)。ヒトメソセリン(Δgpi/Δシグナルペプチド)(実線を施した塗り潰していない卵型)と融合したB.anthracis保護抗原(非コドン最適化核酸)シグナルペプチドをコードする染色体に組み込まれた発現カセットを含むListeriaでのワクチン接種もまた保護的であった。陽性コントロールに関しては、染色体に組み込まれたSF−AH1A5(塗り潰ぶしていない四角)を発現するListeriaも保護的であった。最高の腫瘍容量、および腫瘍成長開始の最も早い時間は偽ワクチン(HBSS)を受けたマウスで起こった。
(E.非Listerialシグナル配列に融合したヒトメソセリンを発現するListeriaワクチンの免疫原性)
図65は、Listeria ΔactA/ΔinlB−hメソセリン株の免疫原性を示し、ここに、該ListeriaはBacillus anthracisシグナルペプチド(最適化Ba PA hMeso ΔGPIΔSS)に融合したhメソセリンをコードする染色体に組み込まれた核酸を含んだ。ELISPOTアッセイを用いて、免疫応答を評価し、ここに、アッセイはインターフェロン−ガンマ発現に感受性であった。
実験は以下の工程を含んだ:(1)マウス(Balb/cマウスまたはC57BL/6マウス)を、(メソセリンシグナル配列および疎水性gpi−アンカリング配列が欠失されたコドン最適化配列によってコードされた)huメソセリンに融合した(非コドン最適化配列によってコードされた)B.anthracis保護抗原シグナルペプチドをコードする組み込まれた発現カセットを含むListeriaでワクチン接種した(i.v.);(2)7日後、脾臓を摘出した;(3)脾臓から摘出した細胞をウェルに分散させた。各ウェルは約200,000脾臓細胞を収容した;(4)示したように、3種類の培地のうちの1つをウェルに加えた。Balb/cマウスでの実験からの脾臓細胞は培地のみ(「未刺激」)、メソセリンペプチドプール(「Mesoプール」)、またはP60217−225(「p60217」)を受けた。C57BL/6での実験からの脾臓細胞は培地のみ(「未刺激」)、メソセリンペプチドプール(「Mesoプール」)、またはLLO296−304(「LLO296−304」);を受領した;(5)ELISPOTアッセイを行って、加えたペプチドに応答する免疫細胞の数を決定した。メソセリンペプチドプールは153の異なるペプチドを含み、ここに、これらのペプチドはhメソセリンの全配列にわたっており、ここに、各ペプチドは15アミノ酸の長さであり、11アミノ酸だけ隣接ペプチドと重複していた。
ELISPOTアッセイの結果を図65に示す。結果は、B.anthracisシグナルペプチドと融合したヒトメソセリンを発現するListeriaワクチンがBalb/cマウスにおけるメソセリンに対する免疫応答を誘導できることを示した。Listeria−発現hメソセリンに対するより高いIGN−ガンマ応答が、C57BL/6免疫系よりもBalb/cマウス免疫系で観察された。p60またはLLOに対するELISPOTシグナルは、Listeriaの天然に起こるp60およびLLOタンパク質に応答した。
本明細書中で引用した全ての刊行物、特許、特許出願、インターネットサイト、および(ポリヌクレオチドおよびポリペプチド配列双方を含めた)受託番号/データベース配列は、あたかも各個々の刊行物、特許、特許出願、インターネットサイトまたは受託番号/データベース配列が引用によりそのように一体化されることを具体的にかつ個々に示されたかと同程度に、全ての目的のために、ここに引用してその全体を援用する。
図1は、Listeria monocytogenes DP−L4056(配列番号:1)(底部配列)およびEGD株(配列番号:2)(頂部配列)についてのhryプロモーターアラインメントを示す。 図2は、LLOシグナルペプチド、LLO PEST配列、および全長ヒトEphA2抗原を含む融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドの配列(配列番号:3)を示す。 図3は、図2に示されたポリヌクレオチドによってコードされた融合タンパク質の配列(配列番号:4)を示す。 図4は、ヒトEphA2細胞外ドメイン(EX2)をコードする天然ヌクレオチド配列(配列番号:5)を示す。 図5は、Listeria monocytogenesにおける発現につきコドン最適化されているヒトEphA2細胞外ドメインをコードするヌクレオチド配列(配列番号:6)を示す。 図6は、ヒトEphA2細胞外ドメイン(EX2)のアミノ酸配列(配列番号:7)を示す。 図7は、LLOシグナルペプチド、LLO PEST配列、およびヒトEphA2の細胞外ドメインを含む融合タンパク質をコードする非コドン最適化ポリヌクレオチド配列(配列番号:8)を示す。 図8は、図7に示されたコード配列によってコードされた融合タンパク質の配列(配列番号:9)を示す。 図9は、hlyプロモーターを含み、かつLLOシグナルペプチド、LLO PEST配列およびヒトEphA2の細胞外ドメインを含む融合タンパク質をコードする発現カセット(配列番号:10)を示す。この配列においては、ヒトEphA2細胞外ドメインをコードする配列はListeria monocytogenesにおける発現につきコドン最適化されている。 図10は、図9の発現カセットによってコードされたアミノ酸配列(配列番号:11)を示す。 図11は、hlyプロモーターを含み、かつLLOシグナルペプチド、LLO PEST配列およびヒトEphA2の細胞外ドメインを含む融合タンパク質をコードする発現カセット(配列番号:12)を示す。この配列においては、LLOシグナルペプチド、LLO PEST、およびヒトEphA2細胞外ドメインをコードする配列は、全て、Listeria monocytogenesにおける発現につきコドン最適化されている。 図12は、図11の発現カセットによってコードされたアミノ酸配列(配列番号:13)を示す。 図13は、hlyプロモーターを含み、かつphoD TatシグナルペプチドおよびヒトEphA2の細胞外ドメインを含む融合タンパク質をコードする発現カセット(配列番号:14)を示す。この配列においては、phoD TatシグナルペプチドおよびヒトEphA2細胞外ドメインをコードする配列は、共に、Listeria monocytogenesにおける発現につきコドン最適化されている。 図14は、図13の発現カセットによってコードされたアミノ酸配列(配列番号:15)を示す。 図15は、ヒトEphA2細胞内ドメイン(CO)をコードする天然ヌクレオチド配列(配列番号:16)を示す。 図16は、Listeria monocytogenesにおける発現につきコドン最適化されているヒトEphA2細胞内ドメインをコードするヌクレオチド配列(配列番号:17)を示す。 図17は、ヒトEphA2細胞内ドメイン(EX2)のアミノ酸配列(配列番号:18)を示す。 図18は、LLOシグナルペプチド、LLO PEST配列およびヒトEphA2の細胞内ドメインを含む融合タンパク質をコードする非コドン最適化ポリヌクレオチド配列(配列番号:19)を示す。 図19は、図18に示されたコード配列によってコードされた融合タンパク質の配列(配列番号:20)を示す。 図20は、hlyプロモーターを含み、かつLLOシグナルペプチド、LLO PEST配列、およびヒトEphA2の細胞内ドメインを含む融合タンパク質をコードする発現カセット(配列番号:21)を示す。この配列においては、ヒトEphA2細胞内ドメインをコードする配列はListeria monocytogenesにおける発現につきコドン最適化されている。 図21は、図20の発現カセットによってコードされたアミノ酸配列(配列番号:22)を示す。 図22は、hlyプロモーターを含み、かつLLOシグナルペプチド、LLO PEST配列、およびヒトEphA2の細胞内ドメインを含む融合タンパク質をコードする発現カセット(配列番号:23)を示す。この配列においては、LLOシグナルペプチド、LLO PEST、およびヒトEphA2細胞内ドメインをコードする配列は、全て、Listeria monocytogenesにおける発現につきコドン最適化されている。 図23は、図22の発現カセットによってコードされたアミノ酸配列(配列番号:24)を示す。 図24は、hlyプロモーターを含み、かつphoD TatシグナルペプチドおよびヒトEphA2の細胞内ドメインを含む融合タンパク質をコードする発現カセット(配列番号:25)を示す。この配列においては、phoD TatシグナルペプチドおよびヒトEphA2細胞内ドメインを共にコードする配列は、Listeria monocytogenesにおける発現につきコドン最適化されている。 図25は、図24の発現カセットによってコードされたアミノ酸配列(配列番号:26)を示す。 図26は、hlyプロモーターを含み、かつLLOシグナルペプチドおよびNY−ESO−1抗原を含む融合タンパク質をコードするコドン最適化発現カセット(配列番号:27)を示す。シグナルペプチドおよび抗原をコードする配列は共にListeria monocytogenesにおける発現につきコドン最適化されている。 図27は、図26の発現カセットによってコードされたアミノ酸配列(配列番号:28)を示す。 図28は、Usp45シグナルペプチドをコードするコドン最適化配列に操作可能に連結されたhlyプロモーターを含むポリヌクレオチド(配列番号:29)を示す。 図29は、p60シグナルペプチドをコードする天然配列に操作可能に連結されたhlyプロモーターを含むポリヌクレオチド(配列番号:30)を示す。 図30は、p60シグナルペプチドをコードするコドン最適化配列に操作可能に連結されたhlyプロモーターを含むポリヌクレオチド(配列番号:31)を示す。 図31は、hlyP−p60遺伝子フラグメントの配列(配列番号:32)を示す。 図32Aは、pAM401−MCSの配列(配列番号:33)を示し、該pAM401プラスミドはpPL2ベクターからの多重クローニング部位(MCS)を含有する。 図32Bは、pAM401−MCSの配列(配列番号:33)を示し、該pAM401プラスミドはpPL2ベクターからの多重クローニング部位(MCS)を含有する。 図32Cは、pAM401−MCSの配列(配列番号:33)を示し、該pAM401プラスミドはpPL2ベクターからの多重クローニング部位(MCS)を含有する。 図33は、Listeria monocytogenesにおける発現につきコドン最適化されているヒトメソセリンについてのコード配列(配列番号:34)を示す。 図34は、ヒトメソセリンのアミノ酸配列(配列番号:35)を示す。 図35は、Listeria monocytogenesにおける発現につきコドン最適化されているマウスメソセリンについてのコード配列(配列番号:36)を示す。 図36は、マウスメソセリンのアミノ酸配列(配列番号:37)を示す。 図37は、天然EphA2 COドメイン配列をコードする組換えListeriaからの分泌されたタンパク質のウェスタンブロット分析を示す。 図38は、コドン最適化EphA2 EX2ドメイン配列と融合された、組換えListeriaコーディング天然またはコドン最適化LLO secA1シグナルペプチドからの分泌されたタンパク質のウェスタンブロット分析を示す。 図39は、コドン最適化EphA2 COドメイン配列に融合された天然またはコドン最適化LLO secA1シグナルペプチドまたはコドン最適化Tatシグナルペプチドをコードする組換えListeriaからの分泌されたタンパク質のウェスタンブロット分析を示す。 図40は、全長天然EphA2配列をコードするpCDNA4プラスミドDNAでのトランスフェクションから48時間後における293細胞からの溶解物ウェスタンブロット分析を示す。 図41は、OVA.AH1またはOVA.AH1−A5をコードする組換えListeriaでのCT26.24(huEphA2+)肺腫瘍を担うBalb/Cマウスの免疫化が、長期生存を付与することを示すグラフである。 図42は、コドン最適化EphA2 EX2ドメイン配列と融合されたコドン最適化secA1シグナルペプチドをコードする組換えListeriaで免疫化した場合の、CT26.24(huEphA2+)肺腫瘍を担うBalb/Cマウスの増大した生存を示すグラフである。 図43は、EphA2 COドメインをコードする組換えListeriaでのCT26.24(huEphA2+)肺腫瘍を担うBalb/Cマウスの免疫化が長期生存を付与することを示すグラフである。 図44は、全長EphA2をコードするプラスミドDNAではなく、EphA2 COドメインをコードする組換えListeriaでのCT26.24(huEphA2+)肺腫瘍を担うBalb/Cマウスの免疫化が長期生存を付与することを示すグラフである。 図45は、hEphA2を発現するListeriaがEphA2特異的CD8+T細胞応答を誘導することを示すグラフである。 図46は、CD4+およびCD8+T細胞応答の双方がhEphA2を発現するListeriaのhEphA2指向性抗腫瘍効果に寄与することを示すグラフである。 図47は、Listeria monocytogenesにおける分泌につきコドン最適化された、B.anthracisからの保護抗原シグナルペプチドに操作可能に連結されたListeria monocytogenes株10403S hlyプロモーターの配列(配列番号:38)を示す。BamHI制限酵素認識部位に対応する6つのさらなるヌクレオチド(5’−GGATCC−3’)がシグナルペプチド配列のカルボキシ末端に含まれ、いずれかの選択されたコード配列に対する操作可能なイン−フレーム結合を容易とした。hlyプロモーターの5’末端はユニークなKpn I制限酵素認識部位を含有する。 図48は、組換えListeriaからの全長ヒト腫瘍抗原の効果的な発現および分泌を示す。図48Aは、天然コドンを用いる、ヒトメソセリンと融合されたLLOシグナルペプチドよりなる構築体でのメソセリン発現/分泌を示す。 図48は、組換えListeriaからの全長ヒト腫瘍抗原の効果的な発現および分泌を示す。図48Bは、Listeriaにおける発現につきコドン最適化されたヒトメソセリンと融合された種々のシグナルペプチドを含む構築体でのメソセリンの発現/分泌を示す。 図48は、組換えListeriaからの全長ヒト腫瘍抗原の効果的な発現および分泌を示す。図48Cは、ヒトメソセリンコドン最適化NY−ESO−1と融合されたコドン最適化LLOシグナルペプチドを含む構築体でのNY−ESO−1の発現/分泌を示す。 図49は、phEphA2KDのコード配列(配列番号:39)を示す。 図50は、actA−plcB遺伝子間領域を含有するコドン最適化ヒトEphA2のMlu 1サブフラグメント(配列番号:40)を示す。 図51は、hlyプロモーター−70 N−末端p60アミノ酸の配列(配列番号:41)を示す。 図52は、プラスミドpPL2−hlyP−Np60 CodOp(1−77)のKpnI−BamHIサブフラグメント(配列番号:42)を示す。 図53は、プラスミドpPL2−hlyP−Np60 CodOp(1−77)−メソセリンのKpnI−BamHIサブフラグメント(配列番号:43)を示す。 図54は、pPL2−hlyP−Np60 CodOp(1−77)−メソセリンΔSP/ΔGPIのKpnI−BamHIサブフラグメント(配列番号:44)を示す。 図55は、抗原細菌タンパク質キメラを含む組換えListeriaからの抗原の発現および分泌のウェスタンブロット分析を示す。 図56は、ビシストロニックメッセージからのEphA2の細胞内ドメイン(ICD)の発現のウェスタンブロット分析を示す。 図57は、異なる細菌画分:分泌されたタンパク質(図57A);細胞壁(図57B);および細胞溶解物(図57C)において証明されているように、種々のコドン最適化シグナルペプチドとのN−末端融合の関数としてのマウスメソセリンのプラスミドベースの発現および分泌のウェスタンブロット分析を示す。 図57は、異なる細菌画分:分泌されたタンパク質(図57A);細胞壁(図57B);および細胞溶解物(図57C)において証明されているように、種々のコドン最適化シグナルペプチドとのN−末端融合の関数としてのマウスメソセリンのプラスミドベースの発現および分泌のウェスタンブロット分析を示す。 図57は、異なる細菌画分:分泌されたタンパク質(図57A);細胞壁(図57B);および細胞溶解物(図57C)において証明されているように、種々のコドン最適化シグナルペプチドとのN−末端融合の関数としてのマウスメソセリンのプラスミドベースの発現および分泌のウェスタンブロット分析を示す。 図58は、Listeria monocytogenesにおけるヒトメソセリンの染色体ベースの発現および分泌のウェスタンブロット分析を示す。(メソセリンをコードしない)コントロールListeriaおよび示されたシグナル配列から発現されたメソセリンをコードするListeriaからの結果と共に、種々の細菌細胞画分におけるメソセリン発現のウェスタンブロット分析が示される。 図59Aおよび59Bは、ListeriaワクチンによるMHCクラスI経路への異種抗原(AH1−A5)の送達を示すグラフである。Listeriaワクチンはp60−AH1−A5タンパク質キメラ(p60に埋められたAH1−A5)(図59A)またはLLOシグナルペプチドおよびAH1−A5を含む融合タンパク質を発現するListeria(図59B)よりなるものであった。 図60Aおよび60Bは、MHCクラスI経路への細菌特異的抗原のListeriaワクチン媒介送達を示すグラフであり、ここに、該ワクチンはp60−AH1−A5タンパク質キメラ(p60に埋められたAH1−A5)を発現するListeria(図60A)またはLLOシグナルペプチドおよびAH1−A5を含む融合タンパク質を発現するListeria(図60B)を含むものであり、ここに、細胞ベースのアッセイに加えられたテストペプチドは(未刺激の)テストペプチド(図60A)ではなく、LLO91−99(図60A)であり、テストペプチド(図60B)ではなく、またはp60217−225(図60B)であった。 図61は、ワクチン接種した腫瘍担持動物においてヒトメソセリンを発現するListeriaの治療効率を示すグラフであり、ここに、腫瘍細胞はヒトメソセリンを発現するように作成されていた。 図62は、ヒトメソセリンを発現するListeriaをワクチン接種した腫瘍担持マウスにおける肺腫瘍節レベルの低下を示すグラフであり、ここに、該腫瘍細胞はヒトメソセリンを発現するように作成されていた。 図63は、Lm−Mesoワクチン接種の抗腫瘍効果がメソセリン特異的であることを示す、CT.26親標的細胞、すなわち、ヒトメソセリンを発現されるようには作成されなかった細胞を用いるコントロール実験を示すグラフである。 図64は、コドン最適化ヒトメソセリンを発現するListeriaでのワクチン接種が腫瘍容量を低下させることを示すグラフである。 図65は、Listeria ΔactA/ΔinlB−hメソセリン株の免疫原性を示すELISPOT実験の結果を示し、ここに、hメソセリンをコードする核酸はListeriaゲノムに組み込まれていた。

Claims (32)

  1. 組換え核酸分子であって、該組換え核酸分子は、
    (a)Listeria細菌本来のシグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチドであって、該シグナルペプチドは、配列番号91または113で示される核酸配列によってコードされる、第一のポリヌクレオチド;および
    (b)ポリペプチドをコードする第二のポリヌクレオチドであって、該第二のポリヌクレオチドは該第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにある、第二のポリヌクレオチドを含み、
    該組換え核酸分子は該シグナルペプチドおよび該ポリペプチドを含む融合タンパク質をコードする、組換え核酸分子。
  2. 前記第二のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドが、腫瘍関連抗原、腫瘍関連抗原に由来するポリペプチド、感染症抗原、および感染症抗原に由来するポリペプチドからなる群より選択される抗原を含む、請求項1に記載の組換え核酸分子。
  3. 組換え核酸分子を含む組換えListeria細菌であって、該組換え核酸分子は、
    (a)Listeria細菌本来のシグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチドであって、該シグナルペプチドは、配列番号91または113で示される核酸配列によってコードされる、第一のポリヌクレオチド;および
    (b)ポリペプチドをコードする第二のポリヌクレオチドであって、該第二のポリヌクレオチドは該第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにある、第二のポリヌクレオチドを含み、
    該組換え核酸分子は、該シグナルペプチドおよび該ポリペプチドを含む融合タンパク質をコードする、組換えListeria細菌。
  4. 前記Listeria細菌が、Listeria monocytogenes種に属する、請求項3に記載の組換えListeria細菌。
  5. 前記第二のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドが、腫瘍関連抗原、腫瘍関連抗原に由来するポリペプチド、感染症抗原、および感染症抗原に由来するポリペプチドからなる群より選択される抗原を含む、請求項3に記載の組換えListeria細菌。
  6. ActA、インターナリンB、またはActAおよびインターナリンB双方が欠損した、請求項3に記載の組換えListeria細菌。
  7. 請求項3に記載の組換えListeria細菌を含む、免疫原性組成物またはワクチン。
  8. 抗原に対する宿主における免疫応答を誘導するための組成物であって、該組成物は、
    請求項3に記載の組換えListeria細菌
    を含み、前記第二のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドが、該抗原を含む、組成物。
  9. 宿主において疾患を予防または処置するための組成物であって、該組成物は、
    請求項3に記載の組換えListeria細菌
    を含む、組成物。
  10. 組換え核酸分子であって、該組換え核酸分子は、
    (a)Listeria細菌本来の非secA1細菌シグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチドであって、該非secA1細菌シグナルペプチドは、配列番号91で示される核酸配列によってコードされる、第一のポリヌクレオチド;および
    (b)該シグナルペプチドに対して異種であるポリペプチドをコードする第二のポリヌクレオチドであって、該第二のポリヌクレオチドは、該第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにある、第二のポリヌクレオチドを含み、
    該組換え核酸分子は、該シグナルペプチドおよび該ポリペプチドを含む融合タンパク質をコードする、組換え核酸分子。
  11. 前記シグナルペプチドが、secA2シグナルペプチドである、請求項10に記載の組換え核酸分子。
  12. 請求項10に記載の組換え核酸分子を含む、組換えListeria細菌。
  13. 抗原に対する宿主における免疫応答を誘導するための組成物であって、該組成物は、
    請求項12に記載の組換え細菌
    を含み、前記第二のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドが、該抗原を含む、組成物。
  14. 組換え核酸分子を含む組換えListeria細菌であって、該組換え核酸分子は、
    (a)Listeria細菌本来の非secA1細菌シグナルペプチドをコードする第一のポリヌクレオチドであって、該非secA1細菌シグナルペプチドは、配列番号91で示される核酸配列によってコードされる、第一のポリヌクレオチド;および
    (b)該シグナルペプチドに対して異種であるか、または該細菌に対して外来性であるか、または双方であるポリペプチドをコードする第二のポリヌクレオチドであって、該第二のポリヌクレオチドは該第一のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにある、第二のポリヌクレオチドを含み、
    該組換え核酸分子は、該シグナルペプチドおよび該ポリペプチドを含む融合タンパク質をコードする、組換えListeria細菌。
  15. 前記組換え核酸分子を含む発現カセットを含み、該発現カセットは、該組換え核酸分子の第一のポリヌクレオチドおよび第二のポリヌクレオチド双方に作動可能に連結されたプロモーターをさらに含む、請求項14に記載の組換えListeria細菌。
  16. 前記第一のポリヌクレオチドおよび第二のポリヌクレオチド双方が、Listeria細菌における発現に対してコドン最適化されている、請求項14に記載の組換えListeria細菌。
  17. 前記細菌が、Listeria monocytogenes種に属する、請求項14に記載の組換えListeria細菌。
  18. 前記シグナルペプチドが、secA2シグナルペプチドである、請求項14に記載の組換えListeria細菌。
  19. 前記組換え核酸分子が、さらに、
    (c)前記第一のポリヌクレオチドおよび第二のポリヌクレオチドと同一の翻訳リーディングフレームにある、secA2自己溶解素、またはそのフラグメントをコードする第三のポリヌクレオチド
    を含み、該第二のポリヌクレオチドは、該第三のポリヌクレオチド内に位置するか、または該第一のポリヌクレオチドと該第三のポリヌクレオチドとの間に位置する、請求項18に記載の組換えListeria細菌。
  20. 前記シグナルペプチドが、Listeria monocytogenesからのp60シグナルペプチドである、請求項14に記載の組換えListeria細菌。
  21. 前記第二のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドが、腫瘍関連抗原、腫瘍関連抗原に由来するポリペプチド、感染症抗原、および感染症抗原に由来するポリペプチドからなる群より選択される抗原を含む、請求項14に記載の組換えListeria細菌。
  22. 前記第二のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドが、K−Ras、H−Ras、N−Ras、12−K−Ras、メソセリン、PSCA、NY−ESO−1、WT−1、スルビビン、gp100、PAP、プロテイナーゼ3、SPAS−1、SP−17、PAGE−4、TARP、およびCEAからなる群より選択される抗原を含むか、あるいはK−Ras、H−Ras、N−Ras、12−K−Ras、メソセリン、PSCA、NY−ESO−1、WT−1、スルビビン、gp100、PAP、プロテイナーゼ3、SPAS−1、SP−17、PAGE−4、TARP、およびCEAからなる群より選択される抗原に由来するポリペプチドを含む、請求項2に記載の組換えListeria細菌。
  23. 前記第二のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドが、メソセリン、またはその抗原性フラグメントもしくは抗原性改変体を含む、請求項2に記載の組換えListeria細菌。
  24. 前記第二のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドが、そのシグナルペプチドおよびGPIアンカーを欠失したヒトメソセリンを含む、請求項2に記載の組換えListeria細菌。
  25. 細胞間拡大、非食細胞への進入、または増殖に対して減弱化されている、請求項14に記載の組換えListeria細菌。
  26. ActA、インターナリンB、またはActAおよびインターナリンB双方が欠損している、請求項14に記載の組換えListeria細菌。
  27. 前記組換え細菌の核酸が、核酸標的化合物との反応によって修飾されている、請求項14に記載の組換えListeria細菌。
  28. 請求項14に記載の組換えListeria細菌を含む、免疫原性組成物またはワクチン。
  29. 抗原に対する宿主における免疫応答を誘導するための組成物であって、該組成物は、
    請求項14に記載の組換えListeria細菌
    を含み、前記第二のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドが、該抗原を含む、組成物。
  30. 宿主において疾患を予防または処置するための組成物であって、該組成物は、
    請求項14に記載の組換えListeria細菌
    を含む、組成物。
  31. 抗原に対する宿主における免疫応答を誘導するための医薬の製造における、請求項3、12または14に記載の組換え細菌の使用であって、前記第二のポリヌクレオチドによってコードされるポリペプチドは、該抗原を含む、使用。
  32. 宿主において疾患を予防または処置するための医薬の製造における、請求項3、12または14に記載の組換え細菌の使用。
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