JP5531083B2 - 車両用シートのパワースライド装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両用シートのパワースライド装置に関する。
車両用シートのパワースライド装置の従来技術としては、例えば特許文献1に開示されたものがある。
特許文献1のパワースライド装置は、前後方向に延びると共にその前端部が後端部より上方に位置する態様で傾斜する、車両床面に固定した左右一対のロアレール3、4と、シートを支持すると共にロアレール3、4に対してそれぞれ前後方向にスライド可能な左右一対のアッパレール5、6と、左右のアッパレール5、6にそれぞれ固定した、前後方向に延びる雌ねじ11a、12a(貫通雌ねじ孔)を有する金属製のナット体11、12と、左右のアッパレール5、6に前後方向に相対移動不能かつ自身の軸線回りに回転可能として設けた、ナット体11、12の雌ねじ11a、12aとそれぞれ螺合する雄ねじ7b、8bを有する左右一対の金属製のリードスクリュー7、8と、ギヤ機構を介して左右のリードスクリュー7、8に回転力を付与するシートモータ2と、を具備している。
従って、シートモータ2を作動させることによりリードスクリュー7、8を回転させると、アッパレール5、6とそれぞれ一体化しているナット体11、12がロアレール3、4に対して自身の軸線方向に相対移動する。そのため、アッパレール5、6と一体化しているシートがロアレール3、4に対して前方または後方に相対スライドする。
さらに、このパワースライド装置ではリードスクリュー7、8の雄ねじ7b、8bとナット体11、12の雌ねじ11a、12aの形状に工夫を施してある。
即ち、このパワースライド装置では、ロアレール3、4及びアッパレール5、6の前端部が後端部より上方に位置しており(傾斜しており)、かつ、シートのスライド方向によってシートモータ2の回転力を調整することができない。そのため、特別な工夫を施さない場合は、シートが後下方にスライドするときのスライド速度が前上方にスライドするときのスライド速度より速くなる。すると、後下方へのスライド時にリードスクリュー7、8とナット体11、12との間から前上方へのスライド時に比べて大きな擦れ音が発生するので、運転者や乗客に違和感を感じさせてしまうことになる。
そこで、このパワースライド装置では、雄ねじ7b、8bの前側のフランク7b1のフランク角α1を後側のフランク7b2のフランク角α2より極端に小さくし、かつ、雌ねじ11a、12aをこれに対応する形状としている。
雄ねじ7b、8b及び雌ねじ11a、12aをこのような形状にすると、シートが後下方にスライドするときのリードスクリュー7、8からナット体11、12側への動力の伝達効率が、シートが前上方に向かってスライドするときのリードスクリュー7、8からナット体11、12側への動力の伝達効率より低くなるので、シートの後下方へのスライド速度と前上方へのスライド速度の差が小さくなる。従って、後下方へのスライド時にリードスクリュー7、8とナット体11、12との間から発生する擦れ音の大きさと前上方へのスライド時に発生する擦れ音の大きさの差が小さくなる。
特開平10−309963号公報
一般的にロアレール3、4及びアッパレール5、6の傾斜角度は車種によって異なるが、ロアレール3、4及びアッパレール5、6の傾斜角度が変わった場合には、リードスクリュー7、8及びナット体11、12を雄ねじ7b、8bと雌ねじ11a、12aの傾斜角度が異なる別のものに変えなければならない。
そのため、複数の車種に対応するためには複数種類のリードスクリュー7、8及びナット体11、12を用意しなければならないので、製造コストが大きくなってしまう。
本発明の目的は、スライドレールが傾斜している場合において互いに相対回転しながら接触する二部材の間から生じる擦れ音を、後下方へのスライド時と前上方へのスライド時とで同じ大きさにすることが可能で、しかも複数種類の車種に低コストで対応できる車両用シートのパワースライド装置を提供することにある。
本発明の車両用シートのパワースライド装置は、第1の態様によると、車両内の床面に固定した、前後方向に延びると共にその前端部側が後端部側に比べて上方に位置する態様で傾斜するロアレールと、シートを支持し、かつ上記ロアレールに対して該ロアレールの長手方向にスライド可能なアッパレールと、上記ロアレールに固定した、貫通孔からなる雌ねじ孔を有するナット部材と、上記ナット部材の上記雌ねじ孔と螺合し、かつ、上記アッパレールと一緒にスライドするスクリューロッドと、該スクリューロッドと一緒に回転する、その軸線が前後方向に延びるウォームホイルと、該ウォームホイルと噛合し、かつ駆動手段の動力によって回転する、その軸線が左右方向に延びるウォームと、を備え、上記ウォームホイルを、上記アッパレールと一緒にスライドするギヤボックスに回転可能に収納し、上記ウォームホイルの直前に位置する上記ギヤボックスの前側内壁面と上記ウォームホイルの間に挿入したワッシャからなり、上記スクリューロッドが前方にスライドするときの該前側内壁面と上記ウォームホイルの間の摩擦力である前部摩擦力を変更することにより、上記ウォームホイルの直後に位置する該ギヤボックスの後側内壁面と上記ウォームホイルの間の摩擦力である後部摩擦力と該前部摩擦力の差を小さくする摩擦変更手段を設けたことを特徴としている。
本発明の車両用シートのパワースライド装置は、第2の態様によると、車両内の床面に固定した、前後方向に延びると共にその前端部側が後端部側に比べて上方に位置する態様で傾斜するロアレールと、シートを支持し、かつ上記ロアレールに対して該ロアレールの長手方向にスライド可能なアッパレールと、上記ロアレールに固定した、貫通孔からなる雌ねじ孔を有するナット部材と、上記ナット部材の上記雌ねじ孔と螺合し、かつ、上記アッパレールと一緒にスライドするスクリューロッドと、該スクリューロッドと一緒に回転する、その軸線が前後方向に延びるウォームホイルと、該ウォームホイルと噛合し、かつ駆動手段の動力によって回転する、その軸線が左右方向に延びるウォームと、を備え、上記ウォームホイルを、上記アッパレールと一緒にスライドするギヤボックスに回転可能に収納し、上記ウォームホイルの直前に位置する上記ギヤボックスの前側内壁面と上記ウォームホイルの間に挿入した第1のワッシャ、及び、該ウォームホイルの直後に位置する該ギヤボックスの後側内壁面と上記ウォームホイルの間に挿入した、上記第1のワッシャより小寸の第2のワッシャ、を備え、かつ、上記スクリューロッドが前方にスライドするときの該前側内壁面と上記ウォームホイルの間の摩擦力である前部摩擦力と上記スクリューロッドが後方にスライドするときの該後側内壁面と上記ウォームホイルの間の摩擦力である後部摩擦力を変更することにより、該前部摩擦力と該後部摩擦力の差を小さくする摩擦変更手段を設けたことを特徴としている。
本発明の車両用シートのパワースライド装置は、第3の態様によると、車両内の床面に固定した、前後方向に延びると共にその前端部側が後端部側に比べて上方に位置する態様で傾斜するロアレールと、シートを支持し、かつ上記ロアレールに対して該ロアレールの長手方向にスライド可能なアッパレールと、上記ロアレールに固定した、貫通孔からなる雌ねじ孔を有するナット部材と、上記ナット部材の上記雌ねじ孔と螺合し、かつ、上記アッパレールと一緒にスライドするスクリューロッドと、該スクリューロッドと一緒に回転する、その軸線が前後方向に延びるウォームホイルと、該ウォームホイルと噛合し、かつ駆動手段の動力によって回転する、その軸線が左右方向に延びるウォームと、を備え、上記ウォームホイルを、上記アッパレールと一緒にスライドするギヤボックスに回転可能に収納し、上記ウォームホイルの直前に位置する上記ギヤボックスの前側内壁面と上記ウォームホイルの対向面の少なくとも一方に施した低摩擦加工からなり、上記スクリューロッドが前方にスライドするときの該前側内壁面と上記ウォームホイルの間の摩擦力である前部摩擦力を変更することにより、上記ウォームホイルの直後に位置する該ギヤボックスの後側内壁面と上記ウォームホイルの間の摩擦力である後部摩擦力と該前部摩擦力の差を小さくする摩擦変更手段を設けたことを特徴としている。
本発明の車両用シートのパワースライド装置は、第4の態様によると、車両内の床面に固定した、前後方向に延びると共にその前端部側が後端部側に比べて上方に位置する態様で傾斜するロアレールと、シートを支持し、かつ上記ロアレールに対して該ロアレールの長手方向にスライド可能なアッパレールと、上記ロアレールに固定した、貫通孔からなる雌ねじ孔を有するナット部材と、上記ナット部材の上記雌ねじ孔と螺合し、かつ、上記アッパレールと一緒にスライドするスクリューロッドと、該スクリューロッドと一緒に回転する、その軸線が前後方向に延びるウォームホイルと、該ウォームホイルと噛合し、かつ駆動手段の動力によって回転する、その軸線が左右方向に延びるウォームと、を備え、上記ウォームホイルを、上記アッパレールと一緒にスライドするギヤボックスに回転可能に収納し、上記ウォームホイルの直前に位置する上記ギヤボックスの前側内壁面と上記ウォームホイルの対向面の少なくとも一方に施した第1の低摩擦加工、及び、該ウォームホイルの直後に位置する該ギヤボックスの後側内壁面と上記ウォームホイルの対向面の少なくとも一方に施した、該第1の低摩擦加工より面積が小さい第2の低摩擦加工、を備え、かつ、上記スクリューロッドが前方にスライドするときの該前側内壁面と上記ウォームホイルの間の摩擦力である前部摩擦力と上記スクリューロッドが後方にスライドするときの該後側内壁面と上記ウォームホイルの間の摩擦力である後部摩擦力を変更することにより、該前部摩擦力と該後部摩擦力の差を小さくする摩擦変更手段を設けたことを特徴としている。
請求項1のように構成した場合は、シートが前方にスライドするときは、ウォームホイルがスクリューロッドから受ける力によりギヤボックスに対して前方に相対移動するので、ギヤボックスの前側内壁面とウォームホイルの間で摩擦力が生じ、一方、シートが後方にスライドするときは、ウォームホイルがスクリューロッドから受ける力によりギヤボックスに対して後方に相対移動するので、ギヤボックスの後側内壁面とウォームホイルの間で摩擦力が生じる。
そして、ロアレール及びアッパレールの前端部側が後端部側に比べて上方に位置しているので、特別な工夫を施さない場合は、シートが前方にスライドするときにギヤボックスの前側内壁面とウォームホイルの間で生じる摩擦力が、シートが後方にスライドするときに後側内側壁とウォームホイルの間で生じる摩擦力より大きくなる。
しかし、請求項1の発明では、摩擦変更手段によって上記双方の摩擦力の差が小さくなる。
従って、前上方へのスライド時にギヤボックスの前側内壁面とウォームホイルの間で発生する擦れ音の大きさと後下方へのスライド時にギヤボックスの後側内壁面とウォームホイルの間で発生する擦れ音の大きさの差が小さくなる。
しかも、スクリューロッドやナット部材に特別な加工を施す必要がないので、複数の車種のパワースライド装置に適用する場合も、スクリューロッドやナット部材は変更する必要がない。そのため、複数種類の車種に低コストで対応できる。
さらに、摩擦変更手段を極めて低コストで実現できる。
請求項2のように構成すれば、ウォームホイルと前側内壁面の間のみならず、ウォームホイルと後側内壁面の間にもワッシャを挿入するので、シートが前方にスライドするときの擦れ音だけでなく、後方にスライドするときの擦れ音も小さくなる。
請求項3のように摩擦変更手段を低摩擦加工によって実現すると、摩擦変更手段を極めて低コストで実現できるだけでなく、重量の増加が殆どがないので、パワースライド装置の軽量化を実現し易くなる。
請求項4のように構成すれば、ウォームホイルと前側内壁面の対向面のみならず、ウォームホイルと後側内壁面の対向面にも低摩擦加工を施すので、シートが前方にスライドするときの擦れ音だけでなく、後方にスライドするときの擦れ音も小さくなる。
本発明の参考例のパワースライド装置の前方から見た分解斜視図である。 右側のロアレール、アッパレール、及びこれらの周辺部材の縦断側面図である。 支持ブラケットとその周辺部材の拡大縦断側面図である。 参考例の変形例の図3と同様の拡大縦断側面図である。 本発明の第1の実施形態のパワースライド装置の要部の前方から見た分解斜視図である。 左側のロアレール、アッパレール、及びこれらの周辺部材の縦断側面図である。 座屈方向規制部材の拡大斜視図である。 ギヤボックスをウォームホイルの中心軸が位置する平面に沿って切断したときの横断平面図である。 ギヤボックスをウォームの中心軸が位置する平面に沿って切断したときの横断平面図である。 第1の実施形態のパワースライド装置を適用した車両に別の車両が後突したときのパワースライド装置の要部の拡大縦断側面図である。
以下、本発明の参考例を図1から図3を参照しながら説明する。なお、以下の説明中の前後方向と左右方向は図中に記載した矢線方向を基準とする。
車両内の床面(図示略)上には対をなす前側ブラケット11と後側ブラケット12が左右に並べて固定してあり、左右の前側ブラケット11及び後側ブラケット12の上面にはそれぞれロアレール13の下面の前端部と後端部がリベットR1、リベットR2によって固定してある。
図1に示すようにロアレール13は前後方向に直線的に延びる金属製のチャンネル材であり、ロアレール13はその前端部が後端部より上方に位置する態様で車両床面(水平面)に対して傾斜している。また、ロアレール13の左右両側壁の上端からは水平な上片14が内向きに突出しており、左右の上片14の対向縁部からはそれぞれ垂下片15が下向きに突出している。
左右のロアレール13には、前後方向に直線的に延びる金属製のチャンネル材である左右一対のアッパレール17がそれぞれスライド可能に嵌合している。左右のアッパレール17はロアレール13と同様にその前端部が後端部より上方に位置している(水平面に対してロアレール13と同じ角度で傾斜している)。アッパレール17は断面下向きU字形をなす本体部18と、本体部18の左右両側部から一旦外側に延びた後に上方に延びる上向き嵌合片19と、を有している。アッパレール17は、その左右の上向き嵌合片19がロアレール13の側壁と垂下片15の間の空間内に位置し、かつその本体部18がロアレール13の左右の垂下片15の間に位置する状態で対応するロアレール13にスライド自在に嵌合している。さらに、左右のアッパレール17の上面にはそれぞれ左側シート用ブラケット20と右側シート用ブラケット21が複数のボルトB1とナットN1により固定してあり、左側シート用ブラケット20と右側シート用ブラケット21には図示を省略したシートの下面の左側部と右側部を固定してある。
図示するように、左右のロアレール13の底面の中央部より前寄りの部分には、前後一対のボルトB2によってナットユニット25が固定してある。このナットユニット25は、ブロック形状をなし、かつ、その下面に形成した前後一対の雌ねじ孔31にロアレール13の底部を貫通する前後一対のボルトB2がそれぞれ螺合する金属製ケース26と、金属製ケース26を前後方向に貫通する断面略円形の貫通孔の内周面にアウトサート成形(一体成形)した、その内周面が雌ねじ孔34となっている樹脂製ナット32と、を備えている。
左右のアッパレール17の本体部18の前端部には、側面視L字形をなす金属製の支持ブラケット37の水平嵌合片38が本体部18の天井面に当接する状態で挿入してある。水平嵌合片38の左右幅は本体部18の左右両側壁の対向面間距離と等しく、さらに水平嵌合片38の上面に突設した突起39が本体部18の天井部に穿設した嵌合孔22に嵌合しているので、水平嵌合片38(支持ブラケット37)の本体部18(アッパレール17)に対する(上下方向の軸回りの)回転は規制されている。
さらに、支持ブラケット37の水平嵌合片38には金属製の荷重伝達部材(被押圧部材)45が一体的に設けてある。この荷重伝達部材45は、上方に向かって延出するねじ部46と、ねじ部46の下端に連なる水平当接片47と、水平当接片47の下面から下方に延び、かつ前後両面が被押圧面48a、48bを構成する下方突出部48と、を備えており、下方突出部48には下方突出部48を前後方向に貫通するスクリューロッド挿通孔49が穿設してある。荷重伝達部材45のねじ部46は、アッパレール17の本体部18の天井部に穿設した円形孔23、及び左側シート用ブラケット20に穿設した貫通孔を下方から上方に貫通しており、水平当接片47は水平嵌合片38の下面に当接している。そして、左側の荷重伝達部材45のねじ部46の左側シート用ブラケット20より上方に突出した部分にはナットN2が螺合し、かつ該ナットN2が左側シート用ブラケット20の上面に接触しているので、左側の荷重伝達部材45は左側の支持ブラケット37、左側のアッパレール17及び左側シート用ブラケット20と一体化している。さらに、右側の荷重伝達部材45のねじ部46の右側シート用ブラケット21より上方に突出した部分にはナットN2が螺合し、かつ該ナットN2が右側シート用ブラケット21の上面に接触しているので、右側の荷重伝達部材45は右側の支持ブラケット37、右側のアッパレール17及び右側シート用ブラケット21と一体化している。
左右の支持ブラケット37の垂直片41の直前には金属製のギヤボックス50が位置している。ギヤボックス50には、垂直片41に穿設したねじ孔42と同心をなす貫通孔51が形成してある。
さらに、左右のギヤボックス50の直前には、その左側部と右側部の前面が左右のギヤボックス50の前面にそれぞれ接触する金属製の連結ブラケット60が位置している。連結ブラケット60の左側部を貫通するボルトB3が左側のギヤボックス50の貫通孔51を貫通して垂直片41のねじ孔42に螺合することにより、左側の支持ブラケット37(垂直片41)、左側のギヤボックス50、及び連結ブラケット60の左端部が互いに固定されている。一方、連結ブラケット60の右端部はチャンネル状をなしており、図2に示すようにその右端部後壁61と右端部前壁62が右側のギヤボックス50の前面と後面に接触し、かつ右端部後壁61の後面が右側の支持ブラケット37の垂直片41の前面に接触している。そして、右端部前壁62の貫通孔、右側のギヤボックス50の貫通孔51、及び右端部後壁61の貫通孔を前方から貫通するボルトB3を、右側の支持ブラケット37(垂直片41)のねじ孔42に螺合することにより、右側の支持ブラケット37(垂直片41)、右側のギヤボックス50、及び連結ブラケット60の右端部を互いに固定している。このように、連結ブラケット60が左右のギヤボックス50及びアッパレール17を互いに連結している。
左右のギヤボックス50には、貫通孔51の下方において各ギヤボックス50を前後方向に貫通するウォームホイル収納孔52と、ウォームホイル収納孔52の上方において各ギヤボックス50を左右方向に貫通するウォーム収納孔53とが穿設してあり、ウォームホイル収納孔52とウォーム収納孔53は各ギヤボックス50の内部において互いに連通している。
左右のギヤボックス50のウォームホイル収納孔52の内部には、前後方向に延びる軸線を有する樹脂製のウォームホイル65が、該軸線回りに回転可能かつスライド不能として収納してある。
一方、ウォーム収納孔53の内部には、左右方向に延びる軸線を有する樹脂製のウォーム66が、該軸線回りに回転可能かつ該軸線方向に相対スライド不能として収納してある。ウォームホイル65とウォーム66はギヤボックス50の内部において互いに噛合している。
左側のギヤボックス50に収納したウォーム66には柔軟な金属材からなるフレキシブルシャフトFS1の左端部が同軸的に固着してあり、右側のギヤボックス50に収納したウォーム66にはフレキシブルシャフトFS1と同じ金属材からなると共にフレキシブルシャフトFS1より長いフレキシブルシャフトFS2の右端部が同軸的に固着してある。フレキシブルシャフトFS1の右端部とフレキシブルシャフトFS2の左端部は、連結ブラケット60に固定したモータ(駆動手段)70の内部に同軸的に挿入しており、かつモータ70の内部においてモータ70に内蔵した左右方向の軸線回りに回転する出力回転軸(図示略)に同軸的に固定している。また、フレキシブルシャフトFS2の周囲には、その左端部をモータ70の右端面に固定すると共にその右端部を右側のギヤボックス50の左側面に固定した可撓性材料からなるパイプ状カバー部材67が位置している。
左右のギヤボックス50に内蔵したウォームホイル65には、ウォームホイル65の後面から前方に向かって延びると共に、その周面に前後方向に延びる多数のセレーション溝を周方向に並べて形成したセレーション溝付き凹部68が形成してある。
左右のロアレール13に固定した樹脂製ナット32の雌ねじ孔34には、前後方向に延びると共に断面円形をなす金属製のスクリューロッド75を挿通させてある。スクリューロッド75の後端部をなす後端軸受部76と、スクリューロッド75の前端部近傍をなす小径雄ねじ部77と、スクリューロッド75の前端部をなす前端セレーション部78はその他の部分に比べて小径である。後端軸受部76と小径雄ねじ部77の間に位置する部分は樹脂製ナット32の雌ねじ孔34と螺合するナット螺合用雄ねじ部79であり、小径雄ねじ部77と前端セレーション部78の間に位置する部分は荷重伝達部材45のスクリューロッド挿通孔49を相対回転可能に貫通する中間大径雄ねじ部80である。
左右のスクリューロッド75の前端セレーション部78は左右のウォームホイル65のセレーション溝付き凹部68に挿入しており、前端セレーション部78の周面に周方向に並べて形成したセレーション溝が対応するセレーション溝付き凹部68のセレーション溝とセレーション嵌合している。即ち、左右のスクリューロッド75の前端部は左右のセレーション溝付き凹部68に相対回転不能かつ相対スライド可能として支持されている。一方、左右のスクリューロッド75の後端軸受部76は、左右のアッパレール17の後端部に固定した後端軸受部材85の軸受用凹部86によって相対回転可能かつ相対スライド可能に支持されている。
図示するように、左右のスクリューロッド75の中間大径雄ねじ部80には、荷重伝達部材45を前後から挟むようにして共に金属製のナット(押圧部材)N3とナット(押圧部材)N4が螺合してある。これらナットN3及びナットN4は、かしめることにより中間大径雄ねじ部80に固定してあり、ナットN3の後面とナットN4の前面がそれぞれ押圧面N3a、N4aを構成している。
さらに、中間大径雄ねじ部80には荷重伝達部材45の下方突出部48とナットN4の間に位置する金属製のワッシャ(摩擦変更手段)(第1のワッシャ)W1と、下方突出部48とナットN3の間に位置する金属製のワッシャ(第2のワッシャ)W2が装着してある。ワッシャW1とワッシャW2の正面形状は共に略円形であり、図3に示すようにワッシャW1はワッシャW2に比べて大径である。図3に示すように、ワッシャW1の前後両面はナットN4の前面と下方突出部48の後面に回転可能に接触しており、ワッシャW2の前後両面はナットN3の後面と下方突出部48の前面に回転可能に接触しているので、荷重伝達部材45のスクリューロッド75に対する相対スライドは規制されている。即ち、ナットN3、ナットN4及びワッシャW1、ワッシャW2が荷重伝達部材45を前後から挟持することにより、スクリューロッド75とアッパレール17は前後方向に一緒に移動するようになっている。
さらに、左右のスクリューロッド75のナット螺合用雄ねじ部79には、ナットユニット25の後方に位置するナットNSが螺合してあり、このナットNSをかしめることによりナット螺合用雄ねじ部79に固定している。
以上構成のパワースライド装置10の動作は次の通りである。
車両の室内(例えば、スライドさせようとするシートの側面)には、OFF位置(中立位置)から第1ON位置(前方スライド位置)と第2ON位置(後方スライド位置)とに移動可能なスライドスイッチ(図示略)が設けてあり、例えばこのスライドスイッチをOFF位置から第1ON位置側に移動させると、図示を省略したバッテリからモータ70に電流が流れモータ70が正転する。すると、モータ70の回転出力軸と一体化しているフレキシブルシャフトFS1及びフレキシブルシャフトFS2が図2において時計方向に回転する。すると、左右のギヤボックス50内においてウォーム66が同方向に回転し、さらにウォーム66と噛合しているウォームホイル65及びスクリューロッド75が前方から見て反時計方向に回転する。このようにスクリューロッド75が回転すると、スクリューロッド75がナットユニット25(樹脂製ナット32)に対して回転しながら前方に移動するので、スクリューロッド75と一体化しているナットN4がワッシャW1を介して荷重伝達部材45(下方突出部48)を前方に押圧することにより、左右のアッパレール17及びシートが左右のロアレール13(車両床面)に対して前方に移動する。アッパレール17及びシートは、ナットNSが金属製ケース26の後端面に当接するまでロアレール13に対して前方にスライド可能である。スライドスイッチを第1ON位置からOFF位置に復帰させれば、バッテリからモータ70への電流の供給が遮断されるので、アッパレール17及びシートのスライド動作は停止する。
一方、スライドスイッチを第2ON位置側に移動させると、バッテリからモータ70に電流が流れモータ70が逆転するので、ウォームホイル65及びスクリューロッド75が前方から見て時計方向に回転する。すると、スクリューロッド75がナットユニット25(樹脂製ナット32)に対して回転しながら後方に移動するので、スクリューロッド75と一体化しているナットN3がワッシャW2を介して荷重伝達部材45(下方突出部48)を後方に押圧することにより、左右のアッパレール17及びシートが左右のロアレール13(車両床面)に対して後方に移動する。アッパレール17及びシートはナットN4が金属製ケース26の前面に当接するまでロアレール13に対して後方にスライド可能である。スライドスイッチを第2ON位置からOFF位置に復帰させれば、バッテリからモータ70への電流の供給が遮断されるので、アッパレール17及びシートのスライド動作は停止する。
以上説明した参考例のパワースライド装置10には次のような利点がある。
即ち、参考例では乗客の座り心地を良くするためにロアレール13及びアッパレール17の前端部を後端部より上方に位置させているので、シート及びアッパレール17には常に自身の自重によって後下方にスライド移動しようとする力が掛かっている。そのため、仮にワッシャW1及びワッシャW2を介在させずにナットN3とナットN4で下方突出部48を直接挟持した場合は、シートが前方にスライドするときにナットN4と下方突出部48の後面の間に生じる摩擦力が、シートが後方にスライドするときにナットN3と下方突出部48の前面の間に生じる摩擦力より大きくなり、その結果、シートが前方にスライドするときにナットN4と下方突出部48の後面の間で発生する摺り音がシートが後方にスライドするときにナットN3と下方突出部48の前面の間で発生する摺り音より大きくなってしまう。
しかし、参考例のようにナットN4と下方突出部48の後面の間に挿入したワッシャW1をナットN3と下方突出部48の前面の間に挿入したワッシャW2より大きくすることにより、ワッシャW1のナットN4及び下方突出部48との接触面積をワッシャW2のナットN3及び下方突出部48との接触面積より大きくすると、シートが前方にスライドするときに生じる下方突出部48の後面とナットN4の間の摩擦力(後部摩擦力。前方移動時摩擦力)がシートが後方にスライドするときに生じるナットN3と下方突出部48の前面の間の摩擦力(前部摩擦力。後方移動時摩擦力)に比べて大きく低減されるので、シートが前方にスライドするときに生じる下方突出部48の後面とナットN4の間の摩擦力とシートが後方にスライドするときに生じるナットN3と下方突出部48の前面の間の摩擦力が(ほぼ)同じ大きさになる(あるいは摩擦力の差が小さくなる)。
そのため、前上方へのスライド時にナットN4と下方突出部48の後面の間から発生する擦れ音の大きさと、後下方へのスライド時にナットN3と下方突出部48の前面の間から発生する擦れ音の大きさとが(ほぼ)同じになるので(あるいは大きさの差が小さくなるので)、運転者や乗客に違和感を感じさせることがない。
しかも、ワッシャW1のみならずワッシャW2をも装着しているので、前上方へのスライド時におけるナットN4と下方突出部48の間の摺り音が小さくなるだけでなく、後下方へのスライド時におけるナットN3と下方突出部48の間の摺り音も小さくなる。従って、運転者や乗客は違和感をより感じ難くなっている。
しかも、金属製ケース26の貫通孔27の内周面全体を樹脂製ナット32で覆っているので、シートが前方と後方のいずれにスライドするときも、スクリューロッド75と樹脂製ナット32の間から擦れ音が発生することはない。
さらに、ロアレール13及びアッパレール17の傾斜角度は車種によって異なるため、車種に応じてワッシャW1やワッシャW2の形状を変える必要があるが、ナットユニット25及びスクリューロッド75には何ら加工を施す必要がない。そのため、参考例のパワースライド装置10を複数の車種に適用する場合は、(ワッシャW1やワッシャW2に比べて製造コストが高い)ナットユニット25及びスクリューロッド75の設計変更を行う必要がない。従って、参考例のパワースライド装置10は低いコストで複数種類の車種に対応できる。
図4は参考例の変形例を示している。
この変形例の一体型ワッシャ(摩擦変更手段)W3は、ワッシャW1に相当する大径ワッシャ部W3aとワッシャW2に相当する小径ワッシャ部W3b(大径ワッシャ部W3aより小径)を筒状連結部W3cで接続することにより、大径ワッシャ部W3aとワッシャW2を一体化したものである。
さらに本変形例では、筒状連結部W3cの内周面と中間大径雄ねじ部80の外周面の間に樹脂製のカラー部材90を回転可能に設けている。
このような変形例によっても、前上方へのスライド時にナットN4と下方突出部48の後面の間から発生する擦れ音の大きさと後下方へのスライド時にナットN3と下方突出部48の前面の間から発生する擦れ音の大きさを(ほぼ)同じにする(あるいは大きさの差を小さくする)ことが可能である。
次に、本発明の第1の実施形態について図5から図10を参照しながら説明する。なお、参考例と同じ部材には同じ符号を付すに止めて、その詳細な説明は省略する。
本実施形態のパワースライド装置100の連結ブラケット105は、その左右両端部に垂直片106と、垂直片106の上端から水平に延出する水平片107と、を有している。左側の垂直片106にはモータ70がねじ止めしてある。さらに、左右の垂直片106の外側面には両端が開口する筒状突部108が突設してあり、フレキシブルシャフトFS1とフレキシブルシャフトFS2が左右の筒状突部108をそれぞれ貫通している。また、左右の水平片107には、切欠109と円形貫通孔110が形成してある。
連結ブラケット105の左右の水平片107の下方には、金属製の支持ブラケット112がそれぞれ位置している。左右の支持ブラケット112は共に、垂直片113と、垂直片113の上端から前方に延出する水平片114と、水平片114の両側部から下方に垂下する一対の側方垂下片115と、を有している。水平片114が連結ブラケット105の水平片107の下面に当接する状態で、ボルトB4を水平片114の貫通孔(図示略)及び水平片107の切欠109に通し、さらに水平片107の上方に位置するナットN5をボルトB4に螺合させている。さらに、水平片114の上面に突設した嵌合突起116を水平片107に穿設した円形貫通孔110に嵌合させることにより、左右の支持ブラケット112を連結ブラケット105の左右の水平片107にそれぞれ固定している。
支持ブラケット112の直前(水平片114の直下)には金属製のギヤボックス117が位置している。ギヤボックス117はウォームホイル収納孔52を有している。さらに、左側のギヤボックス117の右側面には左側に直線的に延びるウォーム収納凹部118が凹設してあり、右側のギヤボックス117の左側面には右側に直線的に延びるウォーム収納凹部118(図示略)が凹設してある。ウォームホイル収納孔52とウォーム収納凹部118にはウォームホイル65とウォーム66がそれぞれ相対回転可能かつ相対スライド不能として収納してある。
図8に示すように、ウォームホイル65の前後に突設した互いに同軸をなしかつ略円柱形状をなす回転支持軸65aと回転支持軸65bが、ギヤボックス117の凹部に回転可能に支持されている。さらに、ウォームホイル65の前端面はギヤボックス117の前側内壁面117aと対向しており、ウォームホイル65の後端面はギヤボックス117の後側内壁面117bに回転可能に接触している。さらに、回転支持軸65aの基端部には、ウォームホイル65の前端面及び前側内壁面117aに回転可能に接触するワッシャ(摩擦変更手段)W4が装着してある。
一方、図9に示すように、ウォーム66の左右両側面に同軸的に突設したウォーム66より小寸の第1回転軸66cと第2回転軸66dはギヤボックス117に凹設した第1軸受け凹部117cと第2軸受け凹部117dにそれぞれ回転可能に支持されている。図示するように、第1回転軸66cの端面及び外周面は第1軸受け凹部117cの端面及び内周面に接触しており、第2回転軸66dの端面及び外周面は第2軸受け凹部117dの端面及び内周面に接触している。
そして、左右の支持ブラケット112の左右一対の側方垂下片115に両端部を固定した左右方向に延びる連結ピンPが、左右の側方垂下片115の間に位置するギヤボックス117の後端部を相対回転可能に貫通することにより、左右のギヤボックス117を左右の支持ブラケット112にそれぞれ支持させている。さらに、ギヤボックス117内に収納したウォーム66にはフレキシブルシャフトFS1の左端部とフレキシブルシャフトFS2の右端部がそれぞれ同軸的に固定してある。
左右のギヤボックス117に収納したウォームホイル65は、断面円形をなす金属製のスクリューロッド120と一体成形(インサート成形)したものであり、ウォームホイル65はスクリューロッド120の前端部121と一体化している。スクリューロッド120の前端部121の後方に位置する部分は前端部121より大径のナット螺合用雄ねじ部122となっている。さらに、スクリューロッド120の図示を省略した後端部は、後端軸受部材85の軸受用凹部86によって回転可能に支持される、ナット螺合用雄ねじ部122より小径の後端軸受部となっている。
さらに、スクリューロッド120のナット螺合用雄ねじ部122の前端部及び前端部近傍には、前後一対のナットN6とナットN7が螺合させてある。ナットN6及びナットN7は、かしめることによりナット螺合用雄ねじ部122に固定してある。さらに、ナット螺合用雄ねじ部122にはナットユニット135の後方に位置するナットNSが固定してある。
また、支持ブラケット112の垂直片113には金属製の座屈方向規制部材125の前端部が固定してある。この座屈方向規制部材125は略水平な底板部126と、底板部126の後端から前斜め上方に向かって延びる傾斜後壁部127と、傾斜後壁部127の上端から前方に向かって延びる天井部128と、を有している。傾斜後壁部127にはスクリューロッド120が貫通するスクリューロッド挿通孔129が穿設してあり、天井部128の右側縁部にはボルト挿通用切欠130が形成してある。
そして、左側の座屈方向規制部材125のボルト挿通用切欠130を下方から上方に向かって貫通するボルトB5を左右のアッパレール17の円形孔23及び左側シート用ブラケット20の底板部に形成した貫通孔に通し、さらに左側シート用ブラケット20の底板部の上方に位置するナットN8をボルトB5に螺合させることにより、左側の座屈方向規制部材125、左側のアッパレール17及び左側シート用ブラケット20を互いに固定している。同様にボルトB5によって右側の座屈方向規制部材125、右側のアッパレール17及び右側シート用ブラケット21(図示略)を互いに固定している。
このようにアッパレール17と一体化している座屈方向規制部材125の前後長(底板部126の前後長)は、図5に示すようにナットN6とナットN7の前後間距離より短い。
ロアレール13の底面に固定したナットユニット135は、ブロック形状をなす金属製ケース136と、樹脂製ナット140とからなるものである。
金属製ケース136の上部には金属製ケース136を前後方向に貫通する断面略円形の貫通孔137が形成してある。樹脂製ナット140はアウトサート成形によって金属製ケース136の貫通孔137の前半部に一体成形した筒状部材であり、樹脂製ナット140の内周面はスクリューロッド120のナット螺合用雄ねじ部122が螺合する雌ねじ孔141となっている。
このような構造のナットユニット135は、ロアレール13の底面に形成した孔を貫通した前後一対のボルトB2を金属製ケース136の雌ねじ孔31に螺合することによりロアレール13の底面に固定してある。
以上構成のパワースライド装置100の動作は次の通りである。
例えば、OFF位置に位置している上記スライドスイッチを第1ON位置(前方スライド位置)に移動させると、上記バッテリからモータ70に電流が流れモータ70が正転するので、参考例のパワースライド装置10と同様にモータ70の回転力がフレキシブルシャフトFS1及びフレキシブルシャフトFS2からウォーム66、ウォームホイル65を介してスクリューロッド120に伝わり、スクリューロッド120が前方から見て反時計方向に回転する。スクリューロッド120が回転するとスクリューロッド120がナットユニット135及びロアレール13に対して前方に移動し、さらにウォームホイル65、ギヤボックス117、支持ブラケット112、座屈方向規制部材125及びアッパレール17がスクリューロッド120と一緒に前方にスライドする。本実施形態のアッパレール17及びシートは、ナットNSが金属製ケース136の後端面に当接するまでロアレール13に対して前方にスライド可能である。
一方、スライドスイッチを第2ON位置側に移動させると、バッテリからモータ70に電流が流れモータ70が逆転するので、ウォームホイル65及びスクリューロッド120が前方から見て時計方向に回転する。すると、スクリューロッド120が金属製ケース136及び樹脂製ナット140に対して回転しながら後方に移動し、さらにウォームホイル65、ギヤボックス117、支持ブラケット112、座屈方向規制部材125及びアッパレール17がスクリューロッド120と一緒に後方にスライドする。本実施形態のアッパレール17及びシートは、ナットN7が金属製ケース136の前面に当接するまでロアレール13に対して後方にスライド可能である。
以上説明した本実施形態のパワースライド装置100には次のような利点がある。
即ち、シートが後方にスライドするときはスクリューロッド120と一緒にギヤボックス117がナットユニット135に対して後方にスライドするので、ギヤボックス117の後側内壁面117bとウォームホイル65の後端面との間で力が発生する。一方、シートが前方にスライドするときはスクリューロッド120と一緒にギヤボックス117が前方にスライドするので、ギヤボックス117の前側内壁面117aとウォームホイル65の前端面との間で力が発生する。
そして、ロアレール13及びアッパレール17の前端部が後端部より上方に位置するため、アッパレール17と一体化しているギヤボックス117には常にロアレール13に対して後下方にスライドしようとする力が掛かっている。そのため仮にワッシャW4を介在させない場合は、シートが前方にスライドするときにウォームホイル65の前面と前側内壁面117aの間に生じる摩擦力がシートが後方にスライドするときにウォームホイル65の後面と後側内壁面117bの間に生じる摩擦力より大きくなり、その結果、シートが前方にスライドするときにウォームホイル65の前面と前側内壁面117aの間で発生する摺り音がシートが後方にスライドするときにウォームホイル65の後面と後側内壁面117bの間で発生する摺り音より大きくなってしまう。
しかし、本実施形態のようにウォームホイル65の前面と前側内壁面117aの間にワッシャW4を挿入すると、シートが前方にスライドするときのウォームホイル65の前面と前側内壁面117aの間の摩擦力(前部摩擦力)が低減されるので、この前部摩擦力がシートが後方にスライドするときのウォームホイル65の後面と後側内壁面117bの間の摩擦力(後部摩擦力)と(ほぼ)同じ大きさになる(あるいは摩擦力の差が小さくなる)。
そのため、前上方へのスライド時にウォームホイル65の前面と前側内壁面117aの間から発生する擦れ音の大きさと、後下方へのスライド時にウォームホイル65の後面と後側内壁面117bの間から発生する擦れ音の大きさが(ほぼ)同じになるので(あるいは大きさの差が小さくなるので)、運転者や乗客に違和感を感じさせることがない。
さらに、同様の工夫がウォーム66にも施してある。
即ち、シートが後方にスライドするとき、ウォームホイル65と噛合しているウォーム66はウォームホイル65から図9の矢印F1方向(車両内側)の反力を受けるので、第2回転軸66dから第2軸受け凹部117dに力が及ぶ。一方、シートが前方にスライドするとき、ウォーム66はウォームホイル65から図9の矢印F2方向(車両外側)の反力を受けるので、第1回転軸66cから第1軸受け凹部117cに力が及ぶ。そして、シートには常に後下方に向かってスライドしようとする力が常に掛かっているので、シートを前方にスライドさせるときにウォーム66がウォームホイル65から受ける反力はシートを後方にスライドさせるときにウォーム66がウォームホイル65から受ける反力よりも大きくなる。そのため、シートが前方にスライドするときに第1回転軸66cから第1軸受け凹部117cに及ぶ力は、シートが後方にスライドするときに第2回転軸66dから第2軸受け凹部117dに及ぶ力より大きくなる。
そのため、仮に第1回転軸66cと第1軸受け凹部117cの接触面積と第2回転軸66dと第2軸受け凹部117dの接触面積を同じにすると、シートが前方にスライドするときに第1回転軸66cと第1軸受け凹部117cの間に生じる摩擦力が、シートが後方にスライドするときに第2回転軸66dと第2軸受け凹部117dの間に生じる摩擦力より大きくなり、その結果、シートが前方にスライドするときに第1回転軸66cと第1軸受け凹部117cの間で発生する摺り音がシートが後方にスライドするときに第2回転軸66dと第2軸受け凹部117dの間で発生する摺り音より大きくなってしまう。
しかし、本実施形態のように第1回転軸66cと第1軸受け凹部117cの接触面積を第2回転軸66dと第2軸受け凹部117dの接触面積より大きくすると、シートが前方にスライドするときの第1回転軸66cと第1軸受け凹部117cの間の摩擦力は、第1回転軸66cと第1軸受け凹部117cの接触面積を第2回転軸66dと第2軸受け凹部117dの接触面積と同じ場合に比べて低減される。そのため、シートが前方にスライドするときの第1回転軸66cと第1軸受け凹部117cの間の摩擦力がシートが後方にスライドするときの第2回転軸66dと第2軸受け凹部117dの間の摩擦力と(ほぼ)同じ大きさになる(あるいは摩擦力の差が小さくなる)。
従って、前上方へのスライド時に第1回転軸66cと第1軸受け凹部117cの間から発生する擦れ音の大きさが後下方へのスライド時に第2回転軸66dと第2軸受け凹部117dの間から発生する擦れ音の大きさと(ほぼ)同じになるので(あるいは大きさの差が小さくなるので)、運転者や乗客に違和感を感じさせることがない。
さらに本実施形態においても、ナットユニット25及びスクリューロッド75には何ら加工を施す必要がないため、本実施形態のパワースライド装置100を複数の車種に適用する場合は、(ウォームホイル65、ウォーム66、ギヤボックス117に比べて製造コストが高い)ナットユニット25及びスクリューロッド75の設計変更を行う必要がない。従って、本実施形態のパワースライド装置100は低いコストで複数種類の車種に対応できる。
また、本実施形態のパワースライド装置100は、パワースライド装置100を搭載した車両の後部に別の車両が後方から衝突した場合に以下に説明する特別な機能を発揮する。
即ち、モータ70が停止しかつナットN7がナットユニット135から前方に十分離れた状態においてパワースライド装置100を搭載した車両に別の車両が後方から衝突(後突)すると、その衝撃によりシート及び左右のアッパレール17に左右のロアレール13に対して後方にスライドしようとする力が生じる。すると、連結ピンPがギヤボックス117に対して図6の時計方向に回転し、かつ左右の側方垂下片115が変形するので、左右のアッパレール17と一体化している左右の座屈方向規制部材125がスクリューロッド120に対して後方にスライドし、左右の座屈方向規制部材125の傾斜後壁部127が左右のスクリューロッド120と一体化している左右のナットN7に衝突する。
図10に示すように、このときに座屈方向規制部材125の傾斜後壁部127からナットN7に掛かる後ろ斜め上向きの力Fは、スクリューロッド120の軸方向後ろ向きの圧縮荷重である第1分力F3と、上向きの第2分力F4とからなるものなので、第1分力F3がスクリューロッド120の座屈荷重を超えている場合は第2分力F4の作用によってスクリューロッド120が上方に座屈する。このようにスクリューロッド120が上方に座屈すると、スクリューロッド120がアッパレール17の本体部18の下面に接触し、接触することによりスクリューロッド120のそれ以上の座屈が規制される。本実施形態においては、スクリューロッド120の上面から本体部18の下面までの距離が短い(スクリューロッド120の下面からロアレール13の底面までの距離より短い)ので、車両の後突時に生じるスクリューロッド120の座屈量を小さく抑えることが可能である。
以上、第1の実施形態及び参考例を利用して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態及び参考例以外の態様で実施することも可能である。
例えば、第1の実施形態において回転支持軸65bにウォームホイル65の後面と後側内壁面117bとに回転可能に接触し、かつワッシャW4よりも小径のワッシャを装着し、前上方へのスライド時にウォームホイル65の前面と前側内壁面117aの間から発生する擦れ音の大きさと後下方へのスライド時にウォームホイル65の後面と後側内壁面117bの間から発生する擦れ音の大きさを(ほぼ)同じにしつつ(あるいは大きさの差を小さくしつつ)、後下方へのスライド時にウォームホイル65の後面と後側内壁面117bの間から発生する擦れ音を小さくしてもよい。
また、参考例において、ワッシャW2を省略しつつ、前上方へのスライド時にナットN4と下方突出部48の後面の間から発生する擦れ音の大きさと後下方へのスライド時にナットN3と下方突出部48の前面の間から発生する擦れ音の大きさを(ほぼ)同じに(あるいは大きさの差を小さく)してもよい。
さらに、第1の実施形態において、第1回転軸66cにウォーム66の第1回転軸66c側の端面(第1端面)とウォーム収納凹部118の第1端面との対向面(内壁面)に回転可能に接触するワッシャを挿入してもよい。あるいは、第1回転軸66cにウォーム66の第1端面とウォーム収納凹部118の第1端面との対向面(内壁面)に回転可能に接触する第1のワッシャを挿入し、かつ、第2回転軸66dにウォーム66の第2回転軸66d側の端面(第2端面)とウォーム収納凹部118の第2端面との対向面(内壁面)に回転可能に接触する第1のワッシャより小径の第2のワッシャを挿入してもよい。さらに、このようにワッシャを設ける場合は、第1回転軸66cと第1軸受け凹部117cの接触面積を第2回転軸66dと第2軸受け凹部117dの接触面積と同じにしてもよい。
さらに、参考例においてワッシャW1とワッシャW2を省略する代わりに、ナットN4と下方突出部48の対向面の少なくとも一方にワッシャW1、ワッシャW2と同様に摩擦抵抗を低減する作用をする低摩擦加工(例えばフッ素加工)を施してもよい。また、ナットN4と下方突出部48の対向面の少なくとも一方に第1の低摩擦加工を施し、かつ、ナットN3と下方突出部48の対向面の少なくとも一方に、第1の低摩擦加工より面積の小さい第2の低摩擦加工を施してもよい。
また、第1の実施形態においてワッシャW4を省略する代わりに、ウォームホイル65と前側内壁面117aの対向面の少なくとも一方に低摩擦加工を施しても良い。さらに、ウォームホイル65と前側内壁面117aの対向面の少なくとも一方に第1の低摩擦加工を施し、かつ、ウォームホイル65と後側内壁面117bの対向面の少なくとも一方に、第1の低摩擦加工より面積の小さい第2の低摩擦加工を施してもよい。
また、第1の実施形態において、ウォーム66の第1端面とウォーム収納凹部118の第1端面との対向面(内壁面)の少なくとも一方に低摩擦加工を施しても良い。あるいは、ウォーム66の第1端面とウォーム収納凹部118の第1端面との対向面(内壁面)の少なくとも一方に第1の低摩擦加工を施し、ウォーム66の第2端面とウォーム収納凹部118の第2端面との対向面(内壁面)の少なくとも一方に、第1の低摩擦加工より面積の小さい第2の低摩擦加工を施しても良い。さらに、このように低摩擦加工を施す場合は、第1回転軸66cと第1軸受け凹部117cの接触面積を第2回転軸66dと第2軸受け凹部117dの接触面積と同じにしてもよい。
また、参考例のギヤボックス50内におけるウォームホイル65の収納部に第1の実施形態のワッシャW4を適用したり、ギヤボックス50の収納部の内面とウォームホイル65の対向面に低摩擦加工を施して実施してもよい。
さらに、参考例のギヤボックス50に第1軸受け凹部117cと第2軸受け凹部117dに相当する凹部を形成し、かつ、第1回転軸66cと第2回転軸66dを具備するウォーム66をこの第1軸受け凹部117cと第2軸受け凹部117dとで回転可能に支持してもよい。
また、上記実施形態(参考例)及び変形例では、摩擦低減手段であるワッシャや低摩擦加工により、下方突出部48の後面とナットN4の間の摩擦力、ウォームホイル65の前面と前側内壁面117aの間の摩擦力、及びウォーム66の第1端面とウォーム収納凹部118の第1端面との対向面の間の摩擦力を低減している。
しかし、下方突出部48の前面とナットN3の間の摩擦力、ウォームホイル65の後面と後側内壁面117bの間の摩擦力、及びウォーム66の第2端面とウォーム収納凹部118の第2端面との対向面の間の摩擦力を高める摩擦増大手段(摩擦変更手段)を設けることにより、これらの摩擦力と、下方突出部48の後面とナットN4の間の摩擦力、ウォームホイル65の前面と前側内壁面117aの間の摩擦力、及びウォーム66の第1端面とウォーム収納凹部118の第1端面との対向面の間の摩擦力との差を(ほぼ)同じ大きさにしたり、あるいは差を小さくしてもよい。このような摩擦増大手段は、例えば、下方突出部48の前面とナットN3の後面の少なくとも一方、ウォームホイル65の後面と後側内壁面117bの間の少なくとも一方、及びウォーム66の第2端面とウォーム収納凹部118の第2端面との対向面の少なくとも一方に設けた、対向面と回転可能に接触する粗面により実現できる。
また、下方突出部48の前面とナットN3の間の摩擦力、ウォームホイル65の後面と後側内壁面117bの間の摩擦力、及びウォーム66の第2端面とウォーム収納凹部118の第2端面との対向面の間の摩擦力を第1の摩擦増大手段により増大させた上で、下方突出部48の後面とナットN4の間の摩擦力、ウォームホイル65の前面と前側内壁面117aの間の摩擦力、及びウォーム66の第1端面とウォーム収納凹部118の第1端面との対向面の間の摩擦力を第2の摩擦増大手段により第1の摩擦増大手段に比べて小さい範囲で増大させて、双方の摩擦力の差を(ほぼ)同じ大きさにしたり、あるいは差を小さくしてもよい。
さらに、参考例においてアッパレール17側にナットユニット25を設けて、ロアレール13側に荷重伝達部材45、ギヤボックス50、スクリューロッド75を設けてもよい。
10 パワースライド装置
11 前側ブラケット
12 後側ブラケット
13 ロアレール
14 上片
15 垂下片
17 アッパレール
18 本体部
19 上向き嵌合片
20 左側シート用ブラケット
21 右側シート用ブラケット
22 嵌合孔
23 円形孔
25 ナットユニット
26 金属製ケース
27 貫通孔
31 雌ねじ孔
32 樹脂製ナット
34 雌ねじ孔
37 支持ブラケット
38 水平嵌合片
39 突起
41 垂直片
42 ねじ孔
45 荷重伝達部材(被押圧部材)
46 ねじ部
47 水平当接片
48 下方突出部
49 スクリューロッド挿通孔
50 ギヤボックス
51 貫通孔
52 ウォームホイル収納孔
53 ウォーム収納孔
60 連結ブラケット
61 右端部前壁
62 左端部後壁
65 ウォームホイル
65a 65b 回転支持軸
66 ウォーム
66c 第1回転軸
66d 第2回転軸
67 パイプ状カバー部材
68 セレーション溝付き凹部
70 モータ(駆動手段)
75 スクリューロッド
76 後端軸受部
77 小径雄ねじ部
78 前端セレーション部
79 ナット螺合用雄ねじ部
80 中間大径雄ねじ部
85 後端軸受部材
86 軸受用凹部
90 カラー部材
100 パワースライド装置
105 連結ブラケット
106 垂直片
107 水平片
108 筒状突部
109 切欠
110 円形貫通孔
112 支持ブラケット
113 垂直片
114 水平片
115 側方垂下片
116 嵌合突起
117 ギヤボックス
117a 前側内壁面
117b 後側内壁面
117c 第1軸受け凹部
117d 第2軸受け凹部
118 ウォーム収納凹部
120 スクリューロッド
121 前端部
122 ナット螺合用雄ねじ部
125 座屈方向規制部材
126 底板部
127 傾斜後壁部
128 天井部
129 スクリューロッド挿通孔
130 ボルト挿通用切欠
135 ナットユニット
136 金属製ケース
137 貫通孔
140 樹脂製ナット
141 雌ねじ孔
B1 B2 B3 B4 B5 ボルト
FS1 FS2 フレキシブルシャフト
N1 N2 N5 N6 N7 N8 NS ナット
N3 N4 ナット(押圧部材)
P 連結ピン
R1 R2 リベット
W1 ワッシャ(摩擦変更手段)(第1のワッシャ)
W2 ワッシャ(第2のワッシャ)
W4 ワッシャ(摩擦変更手段)
W3 一体型ワッシャ(摩擦変更手段)
W3a 大径ワッシャ部
W3b 小径ワッシャ部
W3c 筒状連結部

Claims (4)

  1. 車両内の床面に固定した、前後方向に延びると共にその前端部側が後端部側に比べて上方に位置する態様で傾斜するロアレールと、
    シートを支持し、かつ上記ロアレールに対して該ロアレールの長手方向にスライド可能なアッパレールと、
    上記ロアレールに固定した、貫通孔からなる雌ねじ孔を有するナット部材と、
    上記ナット部材の上記雌ねじ孔と螺合し、かつ、上記アッパレールと一緒にスライドするスクリューロッドと、
    該スクリューロッドと一緒に回転する、その軸線が前後方向に延びるウォームホイルと、
    該ウォームホイルと噛合し、かつ駆動手段の動力によって回転する、その軸線が左右方向に延びるウォームと、
    を備え、
    上記ウォームホイルを、上記アッパレールと一緒にスライドするギヤボックスに回転可能に収納し、
    上記ウォームホイルの直前に位置する上記ギヤボックスの前側内壁面と上記ウォームホイルの間に挿入したワッシャからなり、上記スクリューロッドが前方にスライドするときの該前側内壁面と上記ウォームホイルの間の摩擦力である前部摩擦力を変更することにより、上記ウォームホイルの直後に位置する該ギヤボックスの後側内壁面と上記ウォームホイルの間の摩擦力である後部摩擦力と該前部摩擦力の差を小さくする摩擦変更手段を設けたことを特徴とする車両用シートのパワースライド装置。
  2. 車両内の床面に固定した、前後方向に延びると共にその前端部側が後端部側に比べて上方に位置する態様で傾斜するロアレールと、
    シートを支持し、かつ上記ロアレールに対して該ロアレールの長手方向にスライド可能なアッパレールと、
    上記ロアレールに固定した、貫通孔からなる雌ねじ孔を有するナット部材と、
    上記ナット部材の上記雌ねじ孔と螺合し、かつ、上記アッパレールと一緒にスライドするスクリューロッドと、
    該スクリューロッドと一緒に回転する、その軸線が前後方向に延びるウォームホイルと、
    該ウォームホイルと噛合し、かつ駆動手段の動力によって回転する、その軸線が左右方向に延びるウォームと、
    を備え、
    上記ウォームホイルを、上記アッパレールと一緒にスライドするギヤボックスに回転可能に収納し、
    上記ウォームホイルの直前に位置する上記ギヤボックスの前側内壁面と上記ウォームホイルの間に挿入した第1のワッシャ、及び、該ウォームホイルの直後に位置する該ギヤボックスの後側内壁面と上記ウォームホイルの間に挿入した、上記第1のワッシャより小寸の第2のワッシャ、を備え、かつ、上記スクリューロッドが前方にスライドするときの該前側内壁面と上記ウォームホイルの間の摩擦力である前部摩擦力と上記スクリューロッドが後方にスライドするときの該後側内壁面と上記ウォームホイルの間の摩擦力である後部摩擦力を変更することにより、該前部摩擦力と該後部摩擦力の差を小さくする摩擦変更手段を設けたことを特徴とする車両用シートのパワースライド装置。
  3. 車両内の床面に固定した、前後方向に延びると共にその前端部側が後端部側に比べて上方に位置する態様で傾斜するロアレールと、
    シートを支持し、かつ上記ロアレールに対して該ロアレールの長手方向にスライド可能なアッパレールと、
    上記ロアレールに固定した、貫通孔からなる雌ねじ孔を有するナット部材と、
    上記ナット部材の上記雌ねじ孔と螺合し、かつ、上記アッパレールと一緒にスライドするスクリューロッドと、
    該スクリューロッドと一緒に回転する、その軸線が前後方向に延びるウォームホイルと、
    該ウォームホイルと噛合し、かつ駆動手段の動力によって回転する、その軸線が左右方向に延びるウォームと、
    を備え、
    上記ウォームホイルを、上記アッパレールと一緒にスライドするギヤボックスに回転可能に収納し、
    上記ウォームホイルの直前に位置する上記ギヤボックスの前側内壁面と上記ウォームホイルの対向面の少なくとも一方に施した低摩擦加工からなり、上記スクリューロッドが前方にスライドするときの該前側内壁面と上記ウォームホイルの間の摩擦力である前部摩擦力を変更することにより、上記ウォームホイルの直後に位置する該ギヤボックスの後側内壁面と上記ウォームホイルの間の摩擦力である後部摩擦力と該前部摩擦力の差を小さくする摩擦変更手段を設けたことを特徴とする車両用シートのパワースライド装置。
  4. 車両内の床面に固定した、前後方向に延びると共にその前端部側が後端部側に比べて上方に位置する態様で傾斜するロアレールと、
    シートを支持し、かつ上記ロアレールに対して該ロアレールの長手方向にスライド可能なアッパレールと、
    上記ロアレールに固定した、貫通孔からなる雌ねじ孔を有するナット部材と、
    上記ナット部材の上記雌ねじ孔と螺合し、かつ、上記アッパレールと一緒にスライドするスクリューロッドと、
    該スクリューロッドと一緒に回転する、その軸線が前後方向に延びるウォームホイルと、
    該ウォームホイルと噛合し、かつ駆動手段の動力によって回転する、その軸線が左右方向に延びるウォームと、
    を備え、
    上記ウォームホイルを、上記アッパレールと一緒にスライドするギヤボックスに回転可能に収納し、
    上記ウォームホイルの直前に位置する上記ギヤボックスの前側内壁面と上記ウォームホイルの対向面の少なくとも一方に施した第1の低摩擦加工、及び、該ウォームホイルの直後に位置する該ギヤボックスの後側内壁面と上記ウォームホイルの対向面の少なくとも一方に施した、該第1の低摩擦加工より面積が小さい第2の低摩擦加工、を備え、かつ、上記スクリューロッドが前方にスライドするときの該前側内壁面と上記ウォームホイルの間の摩擦力である前部摩擦力と上記スクリューロッドが後方にスライドするときの該後側内壁面と上記ウォームホイルの間の摩擦力である後部摩擦力を変更することにより、該前部摩擦力と該後部摩擦力の差を小さくする摩擦変更手段を設けたことを特徴とする車両用シートのパワースライド装置。
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