JP2009090941A - 車両用シートのパワースライド装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】樹脂製ナットをロアレールに固定するための金属製部材と金属製のスクリューロッドの間で異音が発生するおそれが小さく、かつ樹脂製ナットをロアレールに簡単に固定することが可能な車両用シートのパワースライド装置を提供する。
【解決手段】ロアレール13に固定した、アッパレール17のスライド方向と平行な貫通孔27を有する金属製ケース26と、貫通孔の周面に一体成形した、スクリューロッドが螺合する雌ねじ孔34、35を有する樹脂製ナット32と、ロアレールに対してアッパレールと一緒にスライドすると共に自身の軸線回りに回転可能な、樹脂製ナットの雌ねじ孔と螺合する金属製のスクリューロッド75と、を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、車両用シートのパワースライド装置に関する。
車両における車両用シートのパワースライド装置の従来技術としては、例えば特許文献1に開示されたものがある。
特許文献1のパワースライド装置は、車両床面に固定した前後方向に延びるロアレール11と、シートを支持すると共にロアレール11に対して前後方向にスライド可能なアッパレール12と、ロアレール11の底面に形成した嵌合孔21aに嵌合する突起部42bをその下面に備え、かつ前後方向に延びる貫通雌ねじ孔を有する樹脂製のナット部材42と、ナット部材42をロアレール11の底面に固定するための金属材からなるブラケット44と、アッパレール12にアッパレール12の長手方向に相対移動不能かつ自身の軸線回りに回転可能として設けた、ナット部材42の貫通雌ねじ孔と螺合するスクリュシャフト41と、ギヤ機構を介して金属製のスクリュシャフト41に回転力を付与するモータと、を具備している。
ブラケット44は、ナット部材42の前面、上面、及び後面をそれぞれ覆う略U字形をなす嵌合壁44aと、嵌合壁44aの前壁部及び後壁部の下端から水平方向に延びかつロアレール11の底面にねじ止めされる一対のフランジ部44bと、を具備しており、嵌合壁44aの前壁部及び後壁部にはナット部材の貫通雌ねじ孔と前後方向に対向すると共にスクリュシャフト41が相対移動可能に貫通する貫通孔44cが穿設してある。
従って、モータを作動させることによりスクリュシャフト41を回転させると、スクリュシャフト41がロアレール11と一体化しているナット部材42に対して自身の軸線方向に相対移動する。そのため、アッパレール12と一体化しているシートがスクリュシャフト41と一緒にロアレール11に対して前方または後方に相対スライドする。
特開2006−175953号公報
しかし、特許文献1のパワースライド装置には次のような欠点がある。
即ち、ナット部材42はブラケット44によってロアレール11の底面に固定されているものの両者は別部材であるため、ナット部材42の貫通雌ねじ孔とブラケット44の前後の貫通孔44cが同心をなさないおそれがある。仮に同心をなさないと、スクリュシャフト41が僅かに撓んだだけで、スクリュシャフト41がブラケット44の前後の貫通孔44cに接触してしまい、両者の間から異音が発生してしまう。
さらに、ナット部材42の突起部42bをロアレール11の嵌合孔21aに嵌合した上で、金属製のブラケット44のフランジ部44bをロアレール11の底面にねじ止めしなければならないので、ナット部材42のロアレール11への固定作業が面倒であった。
本発明の目的は、樹脂製ナットをロアレールに固定するための金属製部材と金属製のスクリューロッドの間で異音が発生するおそれが小さく、かつ樹脂製ナットをロアレールに簡単に固定することが可能な車両用シートのパワースライド装置を提供することにある。
本発明の車両用シートのパワースライド装置は、車両内の床面に固定したロアレールと、上記ロアレールに対して該ロアレールの長手方向にスライド可能かつシートを支持するアッパレールと、上記ロアレールとアッパレールの一方に固定した、上記アッパレールのスライド方向と平行な貫通孔を有する金属製ケースと、上記貫通孔の周面に一体成形した、貫通孔からなる雌ねじ孔を有する樹脂製ナットと、上記一方のレールに対して他方のレールと一緒にスライドすると共に上記ロアレールと平行な自身の軸線回りに回転可能な、樹脂製ナットの上記雌ねじ孔と螺合する金属製のスクリューロッドと、該スクリューロッドを回転させる駆動手段と、を備えることを特徴としている。
上記金属製ケースの上記貫通孔の周面に凹凸を形成するのが好ましい。
上記金属製ケースの上記貫通孔の周面に環状突部を形成し、上記樹脂製ナットの一方の端面を上記環状突起の端面に接触させるのが好ましい。
上記環状突起を上記貫通孔の周面における長手方向の中間部に形成し、上記樹脂製ナットが、該環状突起を挟んで上記貫通孔の長手方向に離間する前側ナット部及び後側ナット部と、該前側ナット部と後側ナット部を接続しかつ上記環状突起に接触する接続部と、を備え、上記前側ナット部と後側ナット部の対向端面を上記環状突起の端面にそれぞれ接触させるのが好ましい。
上記金属製ケースの上記貫通孔の周面の少なくとも一方の端部を上記樹脂製ナットで覆うのが好ましい。
本発明では、樹脂製ナットと金属製ケースは一体成形されるので、樹脂製ナットの雌ねじ孔と金属製ケースの貫通孔が互いに同心をなすように成形するのが容易である。そのため、樹脂製ナットの雌ねじ孔に螺合したスクリューロッドが多少撓んだとしても、スクリューロッドとケースの貫通孔が接触し、スクリューロッドと金属製ケースの間から異音が発生するおそれは小さい。
さらに、樹脂製ナットと金属製ケースは両者を一体成形した後にロアレールに固定するので、樹脂製ナットと金属製ケースをそれぞれ別個にロアレールに固定する場合に比べて、樹脂製ナットと金属製ケースをロアレールに簡単に固定できる。
請求項2のように構成すれば、樹脂製ナットの金属製ケースの貫通孔に対する剥離強度が高くなる。従って、樹脂製ナットが金属製ケースの貫通孔から剥離するおそれを小さくできる。
請求項3のように構成すれば、樹脂製ナットの一方の端面が金属製ケースの貫通孔の周面に形成した環状突起に接触するので、樹脂製ナットが該一方の端面側から貫通孔の外側に脱落するおそれがなくなる。
さらに、請求項4の樹脂製ナットは、環状突起を挟んで対向する前側ナット部と後側ナット部を接続部が接続する構造であり、前側ナット部と後側ナット部の対向端面が環状突起に接触するので、金属製ケースに対して前方及び後方に位置ずれすることがない。
請求項5のように構成すれば、スクリューロッドが撓んだときに該スクリューロッドが最も接触し易い貫通孔の端部を樹脂製ナットが覆うので、スクリューロッドと金属製ケース(貫通孔)の接触による異音の発生をより効果的に防止できるようになる。
以下、本発明の第1の実施形態を図1から図3を参照しながら説明する。なお、以下の説明中の前後方向と左右方向は図中に記載した矢線方向を基準とする。
車両内の床面(図示略)上には対をなす前側ブラケット11と後側ブラケット12が左右に並べて固定してあり、左右の前側ブラケット11及び後側ブラケット12の上面にはそれぞれロアレール13の下面の前端部と後端部がリベットR1、リベットR2によって固定してある。
図1に示すようにロアレール13は前後方向に直線的に延びる金属製のチャンネル材であり、その左右両側壁の上端からは水平な上片14が内向きに突出しており、左右の上片14の対向縁部からはそれぞれ垂下片15が下向きに突出している。
左右のロアレール13には、前後方向に延びる金属製のチャンネル材である左右一対のアッパレール17がそれぞれスライド可能に嵌合している。アッパレール17は断面下向きU字形をなす本体部18と、本体部18の左右両側部から一旦外側に延びた後に上方に延びる上向き嵌合片19と、を有している。アッパレール17は、その左右の上向き嵌合片19がロアレール13の側壁と垂下片15の間の空間内に位置し、かつその本体部18がロアレール13の左右の垂下片15の間に位置する状態で対応するロアレール13にスライド自在に嵌合している。さらに、左右のアッパレール17の上面にはそれぞれ左側シート用ブラケット20と右側シート用ブラケット21が複数のボルトB1とナットN1により固定してあり、左側シート用ブラケット20と右側シート用ブラケット21には図示を省略したシートの下面の左側部と右側部を固定してある。
図示するように、左右のロアレール13の底面の中央部より前寄りの部分には、前後一対のボルトB2によってナットユニット25が固定してある。このナットユニット25は、金属製ケース26と樹脂製ナット32からなるものである。
ブロック形状をなす金属製ケース26の上部には、金属製ケース26を前後方向に貫通する断面略円形の貫通孔27が形成してある。貫通孔27の周面の前半部は、切削加工により形成した前端側から貫通孔27の中央部近傍まで延びる前側ねじ溝28となっている。一方、貫通孔27の周面の後半部は、切削加工により形成した後端側から貫通孔27の中央部近傍まで延びる後側ねじ溝29となっている。さらに、貫通孔27の周面の前側ねじ溝28と後側ねじ溝29の間の部分は、切削加工されずに残された環状突部30となっている。
樹脂製ナット32はアウトサート成形によって金属製ケース26の前側ねじ溝28、後側ねじ溝29及び環状突部30に一体成形した筒状部材である。樹脂製ナット32は、前側ねじ溝28と一体化している前側ナット部32aと、後側ねじ溝29と一体化している後側ナット部32bと、環状突部30と一体化しかつ前側ナット部32aと後側ナット部32bを接続する接続部32cと、を具備している。さらに、前側ナット部32aと後側ナット部32bの内周面はそれぞれ雌ねじ孔34、35となっており、図示するように樹脂製ナット32の雌ねじ孔34及び雌ねじ孔35は互いに同心をなしている。さらに、前側ナット部32aの後端面は環状突部30の前面に接触しており、後側ナット部32bの前端面は環状突部30の後面に接触している。
このような構造のナットユニット25は、金属製ケース26の下面に形成した前後一対の雌ねじ孔31にロアレール13の底面に形成した孔を貫通する前後一対のボルトB2をそれぞれ螺合することによりロアレール13の底面に固定してある。
左右のアッパレール17の本体部18の前端部には、側面視L字形をなす金属製の支持ブラケット37の水平嵌合片38が本体部18の天井面に当接する状態で挿入してある。水平嵌合片38の左右幅は本体部18の左右両側壁の対向面間距離と等しく、さらに水平嵌合片38の上面に突設した突起39が本体部18の天井部に穿設した嵌合孔22に嵌合しているので、水平嵌合片38(支持ブラケット37)の本体部18(アッパレール17)に対する(上下方向の軸回りの)回転は規制されている。
さらに、支持ブラケット37の水平嵌合片38には荷重伝達部材45が一体的に設けてある。この荷重伝達部材45は、上方に向かって延出するねじ部46と、ねじ部46の下端に連なる水平当接片47と、水平当接片47の下面から下方に延びる下方突出部48と、を備えており、下方突出部48には下方突出部48を前後方向に貫通するスクリューロッド挿通孔49が穿設してある。荷重伝達部材45のねじ部46は、アッパレール17の本体部18の天井部に穿設した円形孔23、及び左側シート用ブラケット20に穿設した貫通孔を下方から上方に貫通しており、水平当接片47は水平嵌合片38の下面に当接している。そして、左側の荷重伝達部材45のねじ部46の左側シート用ブラケット20より上方に突出した部分にはナットN2が螺合し、かつ該ナットN2が左側シート用ブラケット20の上面に接触しているので、左側の荷重伝達部材45は左側の支持ブラケット37、左側のアッパレール17及び左側シート用ブラケット20と一体化している。さらに、右側の荷重伝達部材45のねじ部46の右側シート用ブラケット21より上方に突出した部分にはナットN2が螺合し、かつ該ナットN2が右側シート用ブラケット21の上面に接触しているので、右側の荷重伝達部材45は右側の支持ブラケット37、右側のアッパレール17及び右側シート用ブラケット21と一体化している。
左右の支持ブラケット37の垂直片41の直前には金属製のギヤボックス50が位置している。ギヤボックス50には、垂直片41に穿設したねじ孔42と同心をなす貫通孔51が形成してある。
さらに、左右のギヤボックス50の直前には、その左側部と右側部の前面が左右のギヤボックス50の前面にそれぞれ接触する金属製の連結ブラケット60が位置している。連結ブラケット60の左側部を貫通するボルトB3が左側のギヤボックス50の貫通孔51を貫通して垂直片41のねじ孔42に螺合することにより、左側の支持ブラケット37(垂直片41)、左側のギヤボックス50、及び連結ブラケット60の左端部が互いに固定されている。一方、連結ブラケット60の右端部はチャンネル状をなしており、図2に示すようにその右端部後壁61と右端部前壁62が右側のギヤボックス50の前面と後面に接触し、かつ右端部後壁61の後面が右側の支持ブラケット37の垂直片41の前面に接触している。そして、右端部前壁62の貫通孔、右側のギヤボックス50の貫通孔51、及び右端部後壁61の貫通孔を前方から貫通するボルトB3を、右側の支持ブラケット37(垂直片41)のねじ孔42に螺合することにより、右側の支持ブラケット37(垂直片41)、右側のギヤボックス50、及び連結ブラケット60の右端部を互いに固定している。このように、連結ブラケット60が左右のギヤボックス50及びアッパレール17を互いに連結している。
左右のギヤボックス50には、貫通孔51の下方において各ギヤボックス50を前後方向に貫通するウォームホイル収納孔52と、ウォームホイル収納孔52の上方において各ギヤボックス50を左右方向に貫通するウォーム収納孔53とが穿設してあり、ウォームホイル収納孔52とウォーム収納孔53は各ギヤボックス50の内部において互いに連通している。
左右のギヤボックス50のウォームホイル収納孔52の内部には、前後方向に延びる軸線を有する樹脂製のウォームホイル65が、該軸線回りに回転可能かつスライド不能として収納してある。
一方、ウォーム収納孔53の内部には、左右方向に延びる軸線を有する樹脂製のウォーム66が、該軸線回りに回転可能かつ該軸線方向に相対スライド不能として収納してある。ウォームホイル65とウォーム66はギヤボックス50の内部において互いに噛合している。
左側のギヤボックス50に収納したウォーム66には柔軟な金属材からなるフレキシブルシャフトFS1の左端部が同軸的に固着してあり、右側のギヤボックス50に収納したウォーム66にはフレキシブルシャフトFS1と同じ金属材からなると共にフレキシブルシャフトFS1より長いフレキシブルシャフトFS2の右端部が同軸的に固着してある。フレキシブルシャフトFS1の右端部とフレキシブルシャフトFS2の左端部は、連結ブラケット60に固定したモータ(駆動手段)70の内部に同軸的に挿入しており、かつモータ70の内部においてモータ70に内蔵した左右方向の軸線回りに回転する出力回転軸(図示略)に同軸的に固定している。また、フレキシブルシャフトFS2の周囲には、その左端部をモータ70の右端面に固定すると共にその右端部を右側のギヤボックス50の左側面に固定した可撓性材料からなるパイプ状カバー部材67が位置している。
左右のギヤボックス50に内蔵したウォームホイル65には、ウォームホイル65の後面から前方に向かって延びると共に、その周面に前後方向に延びる多数のセレーション溝を周方向に並べて形成したセレーション溝付き凹部68が形成してある。
左右のロアレール13に固定した金属製ケース26の貫通孔27には、前後方向に延びると共に断面円形をなす金属製のスクリューロッド75を挿通させてある。スクリューロッド75の後端部をなす後端軸受部76と、スクリューロッド75の前端部近傍をなす小径雄ねじ部77と、スクリューロッド75の前端部をなす前端セレーション部78はその他の部分に比べて小径である。後端軸受部76と小径雄ねじ部77の間に位置する部分は樹脂製ナット32の雌ねじ孔34及び雌ねじ孔35と螺合するナット螺合用雄ねじ部79であり、小径雄ねじ部77と前端セレーション部78の間に位置する部分は荷重伝達部材45のスクリューロッド挿通孔49を貫通する中間大径雄ねじ部80である。
左右のスクリューロッド75の前端セレーション部78は左右のウォームホイル65のセレーション溝付き凹部68に挿入しており、前端セレーション部78の周面に周方向に並べて形成したセレーション溝が対応するセレーション溝付き凹部68のセレーション溝とセレーション嵌合している。即ち、左右のスクリューロッド75の前端部は左右のセレーション溝付き凹部68に相対回転不能かつ相対スライド可能として支持されている。一方、左右のスクリューロッド75の後端軸受部76は、左右のアッパレール17の後端部に固定した後端軸受部材85の軸受用凹部86によって相対回転可能かつ相対スライド可能に支持されている。
図示するように、左右のスクリューロッド75の中間大径雄ねじ部80には、荷重伝達部材45を前後から挟むようにしてナットN3とナットN4が螺合してある。ナットN3及びナットN4は、かしめることによりスクリューロッド75に対して固定してある。荷重伝達部材45の前後両面はナットN3とナットN4の対向面にそれぞれ接触しているので、荷重伝達部材45はスクリューロッド75に対して相対回転可能であるが、スクリューロッド75に対する相対スライドは規制されている。即ち、ナットN3とナットN4が荷重伝達部材45を前後から挟持することにより、スクリューロッド75とアッパレール17は前後方向に一緒に移動するようになっている。
さらに、左右のスクリューロッド75のナット螺合用雄ねじ部79には、ナットユニット25の後方に位置するナットNSが螺合してあり、このナットNSをかしめることによりナット螺合用雄ねじ部79に固定している。
以上構成のパワースライド装置10の動作は次の通りである。
車両の室内(例えば、スライドさせようとするシートの側面)には、OFF位置(中立位置)から第1ON位置(前方スライド位置)と第2ON位置(後方スライド位置)とに移動可能なスライドスイッチ(図示略)が設けてあり、例えばこのスライドスイッチをOFF位置から第1ON位置側に移動させると、図示を省略したバッテリからモータ70に電流が流れモータ70が正転する。すると、モータ70の回転出力軸と一体化しているフレキシブルシャフトFS1及びフレキシブルシャフトFS2が図2において時計方向に回転する。すると、左右のギヤボックス50内においてウォーム66が同方向に回転し、さらにウォーム66と噛合しているウォームホイル65及びスクリューロッド75が前方から見て反時計方向に回転する。このようにスクリューロッド75が回転すると、スクリューロッド75がナットユニット25(樹脂製ナット32)に対して回転しながら前方に移動するので、左右のアッパレール17及びシートが左右のロアレール13(車両床面)に対して前方に移動する。アッパレール17及びシートは、ナットNSが金属製ケース26の後端面に当接するまでロアレール13に対して前方にスライド可能である。スライドスイッチを第1ON位置からOFF位置に復帰させれば、バッテリからモータ70への電流の供給が遮断されるので、アッパレール17及びシートのスライド動作は停止する。
一方、スライドスイッチを第2ON位置側に移動させると、バッテリからモータ70に電流が流れモータ70が逆転するので、ウォームホイル65及びスクリューロッド75が前方から見て時計方向に回転する。すると、スクリューロッド75がナットユニット25(樹脂製ナット32)に対して回転しながら後方に移動するので、左右のアッパレール17及びシートが左右のロアレール13(車両床面)に対して後方に移動する。アッパレール17及びシートはナットN4が金属製ケース26の前面に当接するまでロアレール13に対して後方にスライド可能である。スライドスイッチを第2ON位置からOFF位置に復帰させれば、バッテリからモータ70への電流の供給が遮断されるので、アッパレール17及びシートのスライド動作は停止する。
以上説明した本実施形態のパワースライド装置10には次のような利点がある。
即ち、金属製ケース26の貫通孔27(前側ねじ溝28、後側ねじ溝29)の内周面全体を樹脂製ナット32で覆っているので、スクリューロッド75が回転中に撓んでも、スクリューロッド75が金属製ケース26の内周面(前側ねじ溝28、後側ねじ溝29、環状突部30)に接触することはない。従って、共に金属製である金属製ケース26とスクリューロッド75の間から異音が発生することはない。
また、金属製ケース26と樹脂製ナット32を一体化したナットユニット25としてロアレール13にねじ止めするので、金属製ケース26と樹脂製ナット32をそれぞれ別個にロアレール13に固定する場合に比べてロアレール13に簡単に固定できる。
また、金属製ケース26の貫通孔27には前側ねじ溝28と後側ねじ溝29が形成してあり、この前側ねじ溝28と後側ねじ溝29に樹脂製ナット32を一体成形しているので、貫通孔27の周面に凹凸(前側ねじ溝28、後側ねじ溝29)がない場合に比べて樹脂製ナット32の金属製ケース26に対する剥離強度は高い。そのため、スクリューロッド75から樹脂製ナット32に力が掛かっても、樹脂製ナット32が金属製ケース26から剥離するおそれは殆どない。
しかも、前側ナット部32aの後端面と後側ナット部32bの前端面が金属製ケース26の環状突部30の前面と後面にそれぞれ接触しており、かつ前側ナット部32aと後側ナット部32bを接続部32cが接続しているので、樹脂製ナット32が金属製ケース26に対して前後方向に位置ずれを起こすおそれはない。
次に、本発明の第2の実施形態について図4から図7を参照しながら説明する。なお、第1の実施形態と同じ部材には同じ符号を付すに止めて、その詳細な説明は省略する。
本実施形態のパワースライド装置100の連結ブラケット105は、その左右両端部に垂直片106と、垂直片106の上端から水平に延出する水平片107と、を有している。左側の垂直片106にはモータ70がねじ止めしてある。さらに、左右の垂直片106の外側面には両端が開口する筒状突部108が突設してあり、フレキシブルシャフトFS1とフレキシブルシャフトFS2が左右の筒状突部108をそれぞれ貫通している。また、左右の水平片107には、切欠109と円形貫通孔110が形成してある。
連結ブラケット105の左右の水平片107の下方には、金属製の支持ブラケット112がそれぞれ位置している。左右の支持ブラケット112は共に、垂直片113と、垂直片113の上端から前方に延出する水平片114と、水平片114の両側部から下方に垂下する一対の側方垂下片115と、を有している。水平片114が連結ブラケット105の水平片107の下面に当接する状態で、ボルトB4を水平片114の貫通孔(図示略)及び水平片107の切欠109に通し、さらに水平片107の上方に位置するナットN5をボルトB4に螺合させている。さらに、水平片114の上面に突設した嵌合突起116を水平片107に穿設した円形貫通孔110に嵌合させることにより、左右の支持ブラケット112を連結ブラケット105の左右の水平片107にそれぞれ固定している。
支持ブラケット112の直後(水平片114の直下)には金属製のギヤボックス117が位置している。ギヤボックス117はウォームホイル収納孔52を有している。さらに、左側のギヤボックス117の右側面には左側に直線的に延びるウォーム収納凹部118が凹設してあり、右側のギヤボックス117の左側面には右側に直線的に延びるウォーム収納凹部118(図示略)が凹設してある。ウォームホイル収納孔52とウォーム収納凹部118にはウォームホイル65とウォーム66がそれぞれ相対回転可能かつ相対スライド不能として収納してある。そして、左右の支持ブラケット112の左右一対の側方垂下片115に両端部を固定した左右方向に延びる連結ピンPが、左右の側方垂下片115の間に位置するギヤボックス117の後端部を相対回転可能に貫通することにより、左右のギヤボックス117を左右の支持ブラケット112にそれぞれ支持させている。さらに、ギヤボックス117内に収納したウォーム66にはフレキシブルシャフトFS1の左端部とフレキシブルシャフトFS2の右端部がそれぞれ同軸的に固定してある。
左右のギヤボックス117に収納したウォームホイル65は、断面円形をなす金属製のスクリューロッド120と一体成形(インサート成形)したものであり、ウォームホイル65はスクリューロッド120の前端部121と一体化している。スクリューロッド120の前端部121の後方に位置する部分は前端部121より大径のナット螺合用雄ねじ部122となっている。さらに、スクリューロッド120の図示を省略した後端部は、後端軸受部材85の軸受用凹部86によって回転可能に支持される、ナット螺合用雄ねじ部122より小径の後端軸受部となっている。
さらに、スクリューロッド120のナット螺合用雄ねじ部122の前端部及び前端部近傍には、前後一対のナットN6とナットN7が螺合させてある。ナットN6及びナットN7は、かしめることによりスクリューロッド120に対して固定してある。さらに、ナット螺合用雄ねじ部122にはナットユニット135の後方に位置するナットNSが固定してある。
また、支持ブラケット112の垂直片113には金属製の座屈方向規制部材125の前端部が固定してある。この座屈方向規制部材125は略水平な底板部126と、底板部126の後端から前斜め上方に向かって延びる傾斜後壁部127と、傾斜後壁部127の上端から前方に向かって延びる天井部128と、を有している。傾斜後壁部127にはスクリューロッド120が貫通するスクリューロッド挿通孔129が穿設してあり、天井部128の右側縁部にはボルト挿通用切欠130が形成してある。
そして、左側の座屈方向規制部材125のボルト挿通用切欠130を下方から上方に向かって貫通するボルトB5を左右のアッパレール17の円形孔23及び左側シート用ブラケット20の底板部に形成した貫通孔に通し、さらに左側シート用ブラケット20の底板部の上方に位置するナットN8をボルトB5に螺合させるることにより、左側の座屈方向規制部材125、左側のアッパレール17及び左側シート用ブラケット20を互いに固定している。同様にボルトB5によって右側の座屈方向規制部材125、右側のアッパレール17及び右側シート用ブラケット21(図示略)を互いに固定している。
このようにアッパレール17と一体化している座屈方向規制部材125の前後長(底板部126の前後長)は、図5に示すようにナットN6とナットN7の前後間距離より短い。
ロアレール13の底面に固定したナットユニット135は、ブロック形状をなす金属製ケース136と、樹脂製ナット140とからなるものである。
金属製ケース136の上部には金属製ケース136を前後方向に貫通する断面略円形の貫通孔137が形成してある。貫通孔137の周面には貫通孔137の前端から後方に向かって延びるねじ溝138が切削加工により形成してあり、ねじ溝138を形成していない部分はねじ溝138より内周側に突出した環状突部139となっている。
樹脂製ナット140はアウトサート成形によって金属製ケース136のねじ溝138に一体成形した筒状部材であり、樹脂製ナット140の内周面はスクリューロッド120のナット螺合用雄ねじ部122が螺合する雌ねじ孔141となっている。さらに、樹脂製ナット140の後端面は環状突部139の前端面に接触しており、樹脂製ナット140の前端位置は金属製ケース136の前端位置と一致している。
このような構造のナットユニット135は、ロアレール13の底面に形成した孔を貫通した前後一対のボルトB2を金属製ケース136の雌ねじ孔31に螺合することによりロアレール13の底面に固定してある。
以上構成のパワースライド装置100の動作は次の通りである。
例えば、OFF位置に位置している上記スライドスイッチを第1ON位置(前方スライド位置)に移動させると、上記バッテリからモータ70に電流が流れモータ70が正転するので、第1の実施形態のパワースライド装置10と同様にモータ70の回転力がフレキシブルシャフトFS1及びフレキシブルシャフトFS2からウォーム66、ウォームホイル65を介してスクリューロッド120に伝わり、スクリューロッド120が前方から見て反時計方向に回転する。スクリューロッド120が回転するとスクリューロッド120がナットユニット135及びロアレール13に対して前方に移動し、さらにウォームホイル65、ギヤボックス117、支持ブラケット112、座屈方向規制部材125及びアッパレール17がスクリューロッド120と一緒に前方にスライドする。本実施形態のアッパレール17及びシートは、ナットNSが金属製ケース136の後端面に当接するまでロアレール13に対して前方にスライド可能である。
一方、スライドスイッチを第2ON位置側に移動させると、バッテリからモータ70に電流が流れモータ70が逆転するので、ウォームホイル65及びスクリューロッド120が前方から見て時計方向に回転する。すると、スクリューロッド120が金属製ケース136及び樹脂製ナット140に対して回転しながら後方に移動し、さらにウォームホイル65、ギヤボックス117、支持ブラケット112、座屈方向規制部材125及びアッパレール17がスクリューロッド120と一緒に後方にスライドする。本実施形態のアッパレール17及びシートは、ナットN7が金属製ケース136の前面に当接するまでロアレール13に対して後方にスライド可能である。
また、本実施形態のパワースライド装置100は、パワースライド装置100を搭載した車両の後部に別の車両が後方から衝突した場合に以下に説明する特別な機能を発揮する。
即ち、モータ70が停止しかつナットN7がナットユニット135から前方に十分離れた状態においてパワースライド装置100を搭載した車両に別の車両が後方から衝突(後突)すると、その衝撃によりシート及び左右のアッパレール17に左右のロアレール13に対して後方にスライドしようとする力が生じる。すると、連結ピンPがギヤボックス117に対して図2の時計方向に回転し、かつ左右の側方垂下片115が変形するので、左右のアッパレール17と一体化している左右の座屈方向規制部材125がスクリューロッド120に対して後方にスライドし、左右の座屈方向規制部材125の傾斜後壁部127が左右のスクリューロッド120と一体化している左右のナットN7に衝突する。
図8に示すように、このときに座屈方向規制部材125の傾斜後壁部127からナットN7に掛かる後ろ斜め上向きの力Fは、スクリューロッド120の軸方向後ろ向きの圧縮荷重である第1分力F1と、上向きの第2分力F2とからなるものなので、第1分力F1がスクリューロッド120の座屈荷重を超えている場合は第2分力F2の作用によってスクリューロッド120が上方に座屈する。このようにスクリューロッド120が上方に座屈すると、スクリューロッド120がアッパレール17の本体部18の下面に接触し、接触することによりスクリューロッド120のそれ以上の座屈が規制される。本実施形態においては、スクリューロッド120の上面から本体部18の下面までの距離が短い(スクリューロッド120の下面からロアレール13の底面までの距離より短い)ので、車両の後突時に生じるスクリューロッド120の座屈量を小さく抑えることが可能である。
以上説明した本実施形態のパワースライド装置100では、金属製ケース136のねじ溝138の周面全体を樹脂製ナット140で覆っているので、スクリューロッド120が回転中に撓んでもスクリューロッド120と金属製ケース136のねじ溝138が接触し両者の間から異音が発生することはない。
一方、金属製ケース136の環状突部139の周面には樹脂材を被せていない。しかし、樹脂製ナット140は金属製ケース136にアウトサート成形(一体成形)したものなので、雌ねじ孔141が貫通孔137(環状突部139の周面)と同心をなすように(設計形状通りに)樹脂製ナット140を貫通孔137に成形するのは容易であり、そのため本実施形態の樹脂製ナット140の雌ねじ孔141と金属製ケース136の貫通孔137(環状突部139の周面)は互いに同心をなしている。貫通孔137(環状突部139)の内径及びスクリューロッド120(ナット螺合用雄ねじ部122)の外径は、雌ねじ孔141と貫通孔137が同心をなしている場合には、スクリューロッド120の回転動作中にスクリューロッド120に撓みが生じてもナット螺合用雄ねじ部122と貫通孔137(環状突部139の周面)が接触しないような値として設計してある。そのため、本実施形態のように雌ねじ孔141と貫通孔137(環状突部139の周面)を設計通り互いに同心をなすように配置すれば、仮にスクリューロッド120が回転動作中に撓んでもスクリューロッド120(ナット螺合用雄ねじ部122)が環状突部139の周面に接触し両者の間から異音が発生するおそれは殆どない。
以上、第1及び第2の実施形態を利用して本発明を説明したが、本発明は上記実施形態以外の態様で実施することも可能である。
例えば、第1の実施形態では金属製ケース26の貫通孔27に環状突部30を設け第2の実施形態では金属製ケース136の貫通孔137に環状突部139を設けているが、貫通孔27の周面全体あるいは貫通孔137の周面全体にねじ溝を形成し(環状突部を形成せず)、貫通孔27の周面全体あるいは貫通孔137の周面全体に樹脂製ナットを一体成形してもよい。
また、金属製ケース26の貫通孔27の周面または金属製ケース136の貫通孔137の周面にねじ溝とは異なる形状の凹凸を形成し、この凹凸によって樹脂製ナットの剥離強度を高めても良い。
さらに、金属製ケース26の貫通孔27または金属製ケース136の貫通孔137の周面の前端部側に環状突部を形成し、環状突部を形成していない部分に樹脂製ナットを一体成形してもよい。
さらに、ナットユニット25(ナットユニット135)をアッパレール17側に設け、スクリューロッド75(スクリューロッド120)をロアレール13側に設けて実施することも可能である。
本発明の第1の実施形態のパワースライド装置の前方から見た分解斜視図である。 右側のロアレール、アッパレール、及びこれらの周辺部材の縦断側面図である。 図2のIII部の拡大図である。 本発明の第2の実施形態のパワースライド装置の要部の前方から見た分解斜視図である。 左側のロアレール、アッパレール、及びこれらの周辺部材の縦断側面図である。 座屈方向規制部材の拡大斜視図である。 図5のVII部の拡大図である。 第2の実施形態のパワースライド装置を適用した車両に別の車両が後突したときのパワースライド装置の要部の拡大縦断側面図である。
符号の説明
10 パワースライド装置
11 前側ブラケット
12 後側ブラケット
13 ロアレール
14 上片
15 垂下片
17 アッパレール
18 本体部
19 上向き嵌合片
20 左側シート用ブラケット
21 右側シート用ブラケット
22 嵌合孔
23 円形孔
25 ナットユニット
26 金属製ケース
27 貫通孔
28 前側ねじ溝(凹凸)
29 後側ねじ溝(凹凸)
30 環状突部
31 雌ねじ孔
32 樹脂製ナット
32a 前側ナット部
32b 後側ナット部
32c 接続部
34 35 雌ねじ孔
37 支持ブラケット
38 水平嵌合片
39 突起
41 垂直片
42 ねじ孔
45 荷重伝達部材
46 ねじ部
47 水平当接片
48 下方突出部
49 スクリューロッド挿通孔
50 ギヤボックス
51 貫通孔
52 ウォームホイル収納孔
53 ウォーム収納孔
60 連結ブラケット
61 右端部前壁
62 左端部後壁
65 ウォームホイル
66 ウォーム
67 パイプ状カバー部材
68 セレーション溝付き凹部
70 モータ(駆動手段)
75 スクリューロッド
76 後端軸受部
77 小径雄ねじ部
78 前端セレーション部
79 ナット螺合用雄ねじ部
80 中間大径雄ねじ部
85 後端軸受部材
86 軸受用凹部
100 パワースライド装置
105 連結ブラケット
106 垂直片
107 水平片
108 筒状突部
109 切欠
110 円形貫通孔
112 支持ブラケット
113 垂直片
114 水平片
115 側方垂下片
116 嵌合突起
117 ギヤボックス
118 ウォーム収納凹部
120 スクリューロッド
121 前端部
122 ナット螺合用雄ねじ部
125 座屈方向規制部材
126 底板部
127 傾斜後壁部
128 天井部
129 スクリューロッド挿通孔
130 ボルト挿通用切欠
135 ナットユニット
136 金属製ケース
137 貫通孔
138 ねじ溝(凹凸)
139 環状突部
140 樹脂製ナット
141 雌ねじ孔
B1 B2 B3 B4 B5 ボルト
FS1 FS2 フレキシブルシャフト
N1 N2 N3 N4 N5 N6 N7 N8 NS ナット
P 連結ピン
R1 R2 リベット

Claims (5)

  1. 車両内の床面に固定したロアレールと、
    上記ロアレールに対して該ロアレールの長手方向にスライド可能かつシートを支持するアッパレールと、
    上記ロアレールとアッパレールの一方に固定した、上記アッパレールのスライド方向と平行な貫通孔を有する金属製ケースと、
    上記貫通孔の周面に一体成形した、貫通孔からなる雌ねじ孔を有する樹脂製ナットと、
    上記一方のレールに対して他方のレールと一緒にスライドすると共に上記ロアレールと平行な自身の軸線回りに回転可能な、樹脂製ナットの上記雌ねじ孔と螺合する金属製のスクリューロッドと、
    該スクリューロッドを回転させる駆動手段と、
    を備えることを特徴とする車両用シートのパワースライド装置。
  2. 請求項1記載の車両用シートのパワースライド装置において、
    上記金属製ケースの上記貫通孔の周面に凹凸を形成した車両用シートのパワースライド装置。
  3. 請求項1または2記載の車両用シートのパワースライド装置において、
    上記金属製ケースの上記貫通孔の周面に環状突部を形成し、
    上記樹脂製ナットの一方の端面を上記環状突起の端面に接触させた車両用シートのパワースライド装置。
  4. 請求項3記載の車両用シートのパワースライド装置において、
    上記環状突起を上記貫通孔の周面における長手方向の中間部に形成し、
    上記樹脂製ナットが、該環状突起を挟んで上記貫通孔の長手方向に離間する前側ナット部及び後側ナット部と、該前側ナット部と後側ナット部を接続しかつ上記環状突起に接触する接続部と、を備え、上記前側ナット部と後側ナット部の対向端面を上記環状突起の端面にそれぞれ接触させた車両用シートのパワースライド装置。
  5. 請求項1から4のいずれか1項記載の車両用シートのパワースライド装置において、
    上記金属製ケースの上記貫通孔の周面の少なくとも一方の端部を上記樹脂製ナットで覆った車両用シートのパワースライド装置。
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