以下、本発明を遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下「パチンコ機」と示す)に具体化した一実施形態を図1〜図9に基づいて説明する。
図1には、パチンコ遊技機10と該パチンコ遊技機10が遊技場の遊技機設置設備(遊技島)に設置された際に並設される遊技媒体貸出用ユニットとしてのカードユニット装置11が略示されている。カードユニット装置11には、遊技者に貸し出される貸出用遊技媒体としての遊技球(貸し球)と交換可能な交換媒体としてのプリペイドカードを投入するための投入口11aが設けられている。カードユニット装置11は、投入されたプリペイドカードの価値を読み書き可能な構成となっている。具体的に言えば、カードユニット装置11は、投入時にプリペイドカードの残金(価値)を読込むとともに、貸し球の払出しに伴ってプリペイドカードの残金(価値)を書き替える。
パチンコ遊技機10の機体の外郭をなす外枠12の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠13が開放及び着脱自在に組み付けられているとともに、中枠13の前面側には前枠14が開閉及び着脱自在に組み付けられている。前枠14は、図1に示すようにパチンコ遊技機10を機正面側から見た場合において、中枠13に重なるように組み付けられている。このため、中枠13は、前枠14の後側に配置されており、機正面側からは視認し得ないようになっている。前枠14は、中央部に窓口15を有するとともに、該窓口15の下方にパチンコ遊技機10の遊技媒体となる遊技球を貯留可能な第1貯留皿としての上皿(貯留皿)16を一体成形した構成とされている。前枠14の裏面側には、機内部に配置された遊技盤YBを保護し、かつ窓口15を覆う大きさのガラスを支持する図示しないガラス支持枠が着脱及び傾動開放可能に組み付けられている。遊技盤YBは、中枠13に装着される。また、前枠14には、窓口15のほぼ全周を囲むように、図示しない発光体(ランプ、LEDなど)の発光(点灯や点滅)により発光演出を行う電飾表示部を構成する上側枠用装飾ランプ17と、左側枠用装飾ランプ18と、右側枠用装飾ランプ19とが配置されている。各枠用装飾ランプ17,18,19は、前枠14の前面に装着される複数の発光体を、該各発光体の発する光を透過可能に成形したランプレンズ17a,18a,19aで覆って構成されている。
前枠14には、窓口15の左右上部に、各種音声を出力して音声演出を行う左スピーカ20aと、右スピーカ20bとが配置されている。左スピーカ20aと右スピーカ20bは、前枠14の裏面に装着されており、該前枠14の前面であって左スピーカ20a及び右スピーカ20bの装着部位に対応する部位には図示しない放音孔が複数形成されている。
中枠13の前面側であって前枠14の下部には、上皿16から溢れ出た遊技球を貯留する第2貯留皿としての下皿(貯留皿)21が装着されている。また、中枠13の前面側であって下皿21の右方には、遊技球を遊技盤YBに発射させる際に遊技者によって回動操作される遊技球発射用の発射ハンドル22が装着されている。また、前枠14には、下皿21の左方に、各種音声を出力して音声演出を行う下スピーカ20cが配置されている。下スピーカ20cは、中枠13に装着されている。
上皿16には、その左方側に機内部から払出される遊技球の払出口16aが設けられているとともに、遊技者の保有する遊技球を貯留する凹状の貯留通路16bが連設されており、さらに右方側に貯留通路16b内の遊技球を機内部に取り込む図示しない上皿取込口が設けられている。上皿16に貯留された遊技球は、貯留通路16bにより前記上皿取込口へ案内されるとともに該上皿取込口を介して1球ずつ機内に取り込まれ、遊技盤YBに向けて発射される。遊技盤YBに向けて発射される遊技球は、発射ハンドル22の回動量に応じて発射の強弱が設定される。また、下皿21には、上皿16から溢れ出て流下した遊技球の出口21aが設けられているとともに、遊技球を貯留する凹状の貯留部21bが遊技球の出口21aに連設されている。
次に、遊技盤YBの構成について図2にしたがって詳しく説明する。
遊技盤YBの前面には、発射ハンドル22の操作によって発射された遊技球を誘導し、かつパチンコ遊技の主体となるほぼ円形の遊技領域YH1を形成する誘導レール23が円形渦巻き状に敷設されている。この誘導レール23によって遊技盤YBには、該遊技盤YBの左下方から左上方に向かって延びる遊技球の誘導路23aが形成されるとともに、誘導レール23の内側に遊技領域YH1が形成される。また、遊技盤YBの前面であって誘導レール23の外側となる遊技領域YH1外は、パチンコ遊技に直接関与しない非遊技領域YH2とされている。
図2において、遊技盤YBの遊技領域YH1の左下方には、7セグメント型の表示手段としての特図表示器H1が設置されている。また、遊技盤YBの遊技領域YH1には、液晶ディスプレイ型の演出実行手段としての可変表示器H2が配設されている。また、遊技盤YBの遊技領域YH1には、装飾部材としてのセンター役物CYが設けられている。特図表示器H1では、複数種類の図柄を変動させて表示する図柄変動ゲームが行われる。可変表示器H2では、特図表示器H1で行われる図柄変動ゲームに係わる表示演出が行われるようになっている。具体的には、可変表示器H2では、変動画像(又は画像表示)に基づく表示演出が行われるとともに、複数種類の図柄を複数列で変動させて図柄組み合わせを表示する図柄変動ゲーム(以下、図柄組み合わせゲームと示す場合がある)が行われる。
そして、図柄変動ゲームにおいて特図表示器H1では、複数種類の特別図柄(以下、「特図」と示す場合がある)を1列で変動させて特図を表示する。この特図は、大当りか否かなどの内部抽選の結果を示す報知用の図柄である。一方、図柄変動ゲームに係わる表示演出において可変表示器H2では、複数種類の飾り図柄(以下、「飾図」と示す場合がある)を複数列(本実施形態では3列)で変動させて各列毎に飾図を表示する。この飾図は、表示演出を多様化するために用いられる演出用の図柄である。
そして、特図表示器H1では、図柄変動ゲームの開始により同時に図柄の変動表示が開始され、該ゲームの終了と同時に特図が確定停止表示される。また、可変表示器H2では、図柄変動ゲームの開始により同時に飾図の変動表示が開始され、該ゲーム終了前に飾図がゆれ変動状態で一旦停止表示され、該ゲームの終了と同時に各列の飾図が確定停止表示される。「変動表示」とは、図柄を表示する表示器に定める表示領域内において表示される図柄の種類が変化している状態であり、「一旦停止表示」とは、前記表示領域内において図柄がゆれ変動状態で表示されている状態である。また、「確定停止表示」とは、前記表示領域内において図柄が確定停止している状態である。なお、特図表示器H1と可変表示器H2では、同時に図柄変動ゲームと図柄変動ゲームに係わる表示演出が開始され、同時に終了する(すなわち、同時に特図と飾図が確定停止表示される)。
本実施形態において特図表示器H1には、複数種類(本実施形態では101種類)の特図の中から、大当り抽選の抽選結果に対応する1つの特図が選択され、その選択された特図が図柄変動ゲームの終了によって個別に確定停止表示される。101種類の特図は、大当りを認識し得る図柄となる100種類の大当り図柄(大当り表示結果に相当する)と、はずれを認識し得る図柄となる1種類のはずれ図柄とに分類される。なお、大当り図柄が表示された場合、遊技者には、大当り遊技が付与される。
また、本実施形態において可変表示器H2には、各列毎に[1]、[2]、[3]、[4]、[5]、[6]、[7]、[8]の8種類の数字図柄(演出図柄)と、星の形を模したブランク図柄が飾図として表示されるようになっている。ブランク図柄は、図3に示すように、各数字図柄の間に配置される図柄である。具体的には、…1→☆→2→☆→3→☆→4→☆→5→☆→6→☆→7→☆→8→☆→1…というように数字図柄とブランク図柄とが交互に変動表示されるとともに1から順番に数字が大きくなっていき、8となった場合には1に戻るような順番で変動表示されるようになっている。また、本実施形態において可変表示器H2は、特図表示器H1に比較して大きい表示領域で構成されるとともに、飾図は特図に比較して遥かに大きく表示されるようになっている。このため、遊技者は、可変表示器H2に停止表示された図柄組み合わせから大当り又ははずれを認識できる。
そして、本実施形態の可変表示器H2には、図2、図3に示すように3つの図柄表示位置D1〜D3が定められている。そして、可変表示器H2では、図柄表示位置D1〜D3に表示された3つの図柄により図柄組み合わせが有効とされ、これら3つの図柄表示位置D1〜D3によって図柄組み合わせが有効となる有効ラインが形成される。この可変表示器H2の有効ライン上に停止表示された全列の図柄が同一種類の数字図柄である場合には、その図柄組み合わせ([222][777]など)から大当り遊技が付与される大当りを認識できる。この大当りを認識できる図柄組み合わせが飾図による大当りの図柄組み合わせ(大当り表示結果)となる。大当りの図柄組み合わせが確定停止表示されると、遊技者には、図柄変動ゲームの終了後に大当り遊技が付与される。一方、可変表示器H2の有効ライン上に確定停止表示された全列の図柄が異なる種類の場合、又は1列の図柄が他の2列の図柄とは異なる種類の場合、又はブランク図柄が含まれている場合には、その図柄組み合わせ([123][122][767][☆73][12☆][☆6☆][1☆2][☆☆2][7☆☆]など)からはずれを認識できる。なお、ブランク図柄のみからなる図柄組み合わせ([☆☆☆])も、はずれの図柄組み合わせとなっており、有効ライン上に同一のブランク図柄が揃っても図柄変動ゲームは大当りとならない。このはずれを認識できる図柄組み合わせが飾図によるはずれの図柄組み合わせ(はずれ表示結果)となる。
また、本実施形態において、可変表示器H2における各列は、図柄変動ゲームが開始すると、予め定めた変動方向(縦スクロール方向)に沿って飾図が変動表示されるようになっている。そして、図柄変動ゲームが開始すると(各列の飾図が変動を開始すると)、可変表示器H2において遊技者側から見て左列(左図柄)→右列(右図柄)→中列(中図柄)の順に飾図が停止表示されるようになっている。そして、停止表示された左図柄(第1図柄表示位置D1に表示された図柄)と右図柄(第2図柄表示位置D2に表示された図柄)が同一種類の数字図柄である場合には、その図柄組み合わせ([1↓1]など、「↓」は変動中を示す)からリーチ状態を認識できる。リーチ状態は、複数列のうち、特定列(本実施形態では左列と右列)の飾図が同一種類となって停止表示され、かつ前記特定列以外の列(本実施形態では中列)の飾図が変動表示されている状態である。このリーチ状態を認識できる図柄組み合わせが飾図によるリーチの図柄組み合わせとなる。また、本実施形態のパチンコ機10では、図柄変動ゲームの開始後、最初に飾図を停止表示させる左列が第1停止図柄列になるとともに、次に飾図を停止表示させる右列が第2停止図柄列になり、さらに最後に飾図を停止表示させる中列が第3停止図柄列となる。
また、可変表示器H2には、特図表示器H1の表示結果に応じた図柄組み合わせが表示されるようになっている。より詳しくは、特図表示器H1に表示される特図と、可変表示器H2に表示される飾図による図柄組み合わせが対応されており、図柄変動ゲームが終了すると、特図と飾図による図柄組み合わせが対応して確定停止表示されるようになっている。例えば、特図表示器H1に大当り図柄が確定停止表示される場合には、可変表示器H2にも[222]や[444]などの大当りの図柄組み合わせが確定停止表示されるようになっている。また、特図表示領域H1にはずれ図柄が停止表示される場合には、可変表示器H2にも[121]や[345]などのはずれの図柄組み合わせが確定停止表示されるようになっている。なお、特図に対する飾図の図柄組み合わせは一対一とは限らず、1つの特図に対して複数の飾図による図柄組み合わせの中から1つの飾図による図柄組み合わせが選択されるようになっている。以上のように、本実施形態の可変表示器H2では、図柄変動ゲームに係わる表示演出(3列の図柄を変動表示させて図柄の組み合わせを表示させる図柄変動ゲーム)が行われるようになっている。
また、図2に示すように、センター役物CYの下方には、常時遊技球が入球可能な第1始動用入球口を有する第1始動入賞口25が配設されている。第1始動入賞口25の奥方には、入球した遊技球を検知する第1始動口センサSE1(図4に示す)が設けられている。また、第1始動入賞口25の下方には、遊技球が入球可能な第2始動用入球口と、普通電動役物ソレノイドSOL2(図4に示す)の作動により開閉動作を行う開閉部材としての開閉羽根(普通電動役物)26とを備えた第2始動入賞口27が配設されている。第2始動入賞口27の奥方には、入球した遊技球を検知する第2始動口センサSE2(図4に示す)が設けられている。第1始動入賞口25及び第2始動入賞口27は、遊技球の入球を契機に、図柄変動ゲームの始動条件を付与し得る。この第1始動入賞口25、第2始動入賞口27、第1始動口センサSE1、第2始動口センサSE2により、始動入賞手段が構成されている。
第2始動入賞口27の第2始動用入球口は、常には開閉羽根26が閉状態とされて閉鎖されている。第2始動用入球口が閉鎖されている状態において第2始動入賞口27は、入球不能な状態(入球が規制された状態)とされる。そして、第2始動用入球口は、予め定めた開放条件が成立すると、開閉羽根26が閉状態から開状態に作動することにより、1回又は複数回だけ予め定めた開放時間の間、開放される。第2始動用入球口が開放されている状態において第2始動入賞口27は、入球可能な状態(入球が許容された状態)とされる。第1始動入賞口25と第2始動入賞口27は、遊技盤YBの遊技領域YH1に発射される遊技球の流下方向(上下方向)に沿って並設されており、本実施形態の遊技盤YBには始動条件を付与し得る始動条件装置(入賞検知手段)が複数設けられていることとなる。なお、本実施形態の第1始動入賞口25及び第2始動入賞口27は、遊技球の入球を契機に、3球の賞球を払い出させるようになっている。
また、センター役物CYであって、可変表示器H2の上方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う上大入賞口扉28aを備えた特別入賞手段としての上大入賞口装置(特別電動役物)28が配設されている。上大入賞口装置28の奥方には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSE3(図4に示す)が配設されている。上大入賞口装置28は、入球した遊技球を検知することにより、予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。また、第2始動入賞口27の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う下大入賞口扉29aを備えた特別入賞手段としての下大入賞口装置(特別電動役物)29が配設されている。下大入賞口装置29の奥方には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSE4(図4に示す)が配設されている。下大入賞口装置29は、入球した遊技球を検知することにより、予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。本実施形態のパチンコ遊技機10は、2つの大入賞口を有し、遊技盤YBの上側と下側のそれぞれに各1つの大入賞口が配設されている。
そして、大当り遊技が付与されると、付与された大当り遊技の種類に応じて大入賞口扉(上大入賞口扉28a又は下大入賞口扉29a)が開動作して大入賞口(上大入賞口装置28又は下大入賞口装置29)が開放され、その開放により遊技球の入球が許容される。このため、遊技者は、多数の賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。本実施形態において大当り遊技は、多数の賞球を獲得できるチャンスを得られることから、遊技者に有利な状態となる。そして、この大当り遊技は、内部抽選で大当りが決定し、図柄変動ゲームにて大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示されることを契機に付与される。なお、本実施形態の上大入賞口装置28は、遊技球の入球を契機に、14球の賞球を払い出させるようになっている。また、本実施形態の下大入賞口装置29は、遊技球の入球を契機に、12球の賞球を払い出させるようになっている。
また、図2に示すように、特図表示器H2の下部には、保留表示器Raが配設されている。保留表示器Raは、第1始動入賞口25又は第2始動入賞口27に入球し、始動保留球となって機内部(RAM30c)で記憶された始動保留球の記憶数(以下、「特図始動保留記憶数」と示す)を表示する表示器であり、保留表示器Raの表示内容によって保留されている図柄変動ゲームの回数が報知される。
特図始動保留記憶数は、第1始動入賞口25又は第2始動入賞口27へ遊技球が入球すると1加算(+1)され、図柄変動ゲームが開始されることにより1減算(−1)される。そして、図柄変動ゲーム中に第1始動入賞口25又は第2始動入賞口27へ遊技球が入球すると特図始動保留記憶数は更に加算(+1)されて所定の上限数(本実施形態では4)まで累積される。そして、保留表示器Raは、複数(4個)の発光手段で構成されている。例えば、1個の発光手段が点灯している場合には1回の図柄変動ゲームが保留中であることを報知している。従って、遊技者は、保留表示器Raの表示内容を見て、保留されている図柄変動ゲームの回数が減ったときには、現在図柄変動ゲームが実行されていることを認識することができる。また、可変表示器H2は、その表示領域の一部に、特図始動保留記憶数に対応する数の保留表示画像Gaを表示することにより、特図始動保留記憶数を示している。
また、センター役物CYの左方には、作動ゲート24が配設されている。作動ゲート24の奥方には、入賞(通過)した遊技球を検知するゲートセンサSE5(図4に示す)が設けられている。作動ゲート24は、遊技球の入賞検知(通過検知)を契機に、普図ゲームの始動条件を付与し得る。普図ゲームは、第2始動入賞口27を開状態とするか否か(第2始動入賞口27に遊技球を入賞可能とするか)の抽選結果を導出するために行われる演出である。第2始動入賞口27は、開閉羽根26により常には入り口が閉鎖された閉状態となっており、この閉状態では遊技球を入賞させることができない。その一方で、第2始動入賞口27は、普図当り遊技が付与されると、開閉羽根26が開放されることにより第2始動入賞口27が開状態となり、遊技球を入賞させることができる。即ち、普図当り遊技が付与されると、開閉羽根26の開放によって第2始動入賞口27に遊技球を入賞させることができるため、第2始動入賞口27に遊技球を入賞させやすくなり、遊技者は、第2の変動ゲームの始動条件と賞球を容易に獲得できるチャンスを得ることができる。なお、第1始動入賞口25へは常に同じ条件で遊技球を入賞させることができるようになっている。
また、本実施形態のパチンコ機10は、大当り遊技終了後に遊技者に有利な特別遊技状態として確率変動(以下、「確変」と示す)機能を備えている。確変機能は、確定停止表示された大当り図柄(特図)の種類が予め定めた確変図柄であることを条件として、大当り遊技終了後に大当りの抽選確率(当選確率)を低確率(通常状態)である通常確率(本実施形態では4/1439)から高確率(本実施形態では36/1439)に変動させる確変状態(確率変動状態)を付与する機能である。本実施形態では、大当り遊技終了後に確変状態が付与される大当りが確変大当りであり、確変状態が付与されない大当りが非確変大当りとなる。また、確変状態は、次の大当りが生起される迄の間、付与される。このように、確変状態が付与されると、大当りの抽選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、確変状態は遊技者にとって有利であり、遊技者は確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。
また、確変状態が付与されると、開閉羽根26を開動作させるか否かの抽選結果を導出する普図ゲームの変動時間が短縮される、及び普図ゲームの普通当り確率が通常確率から高確率に変動する入球率向上状態が特典として付与される場合がある。この入球率向上状態において、開閉羽根26は、普図ゲームにおいて当選した際、通常状態(非確変状態)である場合とは異なる動作パターンで開閉動作するようになっている。すなわち、通常状態時に普図ゲームに当選する場合には、開閉羽根26が1回開放し、開放してから300ms経過するまで開放状態を維持するようになっている。その一方、入球率向上状態時に普図ゲームに当選する場合には、開閉羽根26が3回開放するとともに、1回の開放において開放してから1460msが経過するまで開放状態を維持するようになっている。つまり、開閉羽根26は、入球率向上状態が付与されている場合、通常状態が付与されている状態に比較して、合計開放時間が長く、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。
また、本実施形態のパチンコ機10は、非確変状態となる大当り遊技終了後に遊技者に有利な特別遊技状態として変動時間短縮(以下、「時短」と示す)状態を付与する時短機能を備えている。時短状態が付与されると、開閉羽根26を開動作させるか否かの抽選結果を導出する普図ゲームの変動時間が短縮される、及び普図ゲームの当り確率が通常確率から高確率に変動する入球率向上状態が特典として付与されるようなっている。入球率向上状態において、開閉羽根26は、前述同様、普図ゲームにおいて当選した際、通常状態である場合と異なる動作パターンで開閉動作するようになっている。
すなわち、通常状態時に普図ゲームに当選する場合には、開閉羽根26が1回開放し、開放してから300ms経過するまで開放状態を維持するようになっている。その一方で、入球率向上状態時に普図ゲームに当選する場合には、開閉羽根26が3回開放するとともに、1回の開放において開放してから1460msが経過するまで開放状態を維持するようになっている。つまり、開閉羽根26は、時短状態が付与されている場合、通常状態が付与されている状態に比較して、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。また、時短状態は、予め定めた回数(本実施形態では100回)の図柄変動ゲームが行われる迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間、付与される。本実施形態では、非確変大当りとなるとき、大当り遊技終了後、時短状態が付与されるようになっている。
次に、本実施形態のパチンコ機10に規定する大当り遊技について、図5に基づき詳しく説明する。
大当り遊技は、図柄変動ゲームにて各表示器H0〜H1に大当り図柄(及び大当りの図柄組み合わせ)が停止表示されて該ゲームの終了後、開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出終了後には、上大入賞口装置28(又は下大入賞口装置29)が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限(本実施形態では16ラウンド)として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、上大入賞口扉28a又は下大入賞口扉29aの開閉が所定回数行われるまでであり、1回のラウンド遊技中に上大入賞口装置28又は下大入賞口装置29は、規定個数(入球上限個数)の遊技球が入賞するまでの間、又は規定時間(ラウンド遊技時間)が経過するまでの間、開放される。また、ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われ、大当り遊技は終了される。
そして、本実施形態のパチンコ機10では、大当り抽選に当選した場合、図5に示す3種類の大当り遊技の中から1つの大当り遊技が決定され、その決定された大当り遊技が付与されるようになっている。そして、3種類の大当り遊技のうち、何れの大当り遊技が付与されるかは、大当り抽選に当選した際に決定する特別図柄(大当り図柄)の種類に応じて決定されるようになっている。本実施形態において特図表示器H1に表示される100種類の特別図柄の大当り図柄は、図5に示すように、図柄A、図柄B及び図柄Cの5つのグループに分類される。
そして、図柄Aには特図表示器H1に表示される大当り図柄のうち40種類の大当り図柄が振り分けられている。同様に、図柄Bには特図表示器H1に表示される大当り図柄のうち30種類の大当り図柄が振り分けられている。図柄Cには特図表示器H1に表示される大当り図柄のうち30種類の大当り図柄が振り分けられている。
図柄Aに分類される大当り図柄が特図表示器H1に表示されたときに付与される大当り遊技は、規定ラウンド数が「16回」に設定されているとともに、大当り遊技終了後に確変状態を付与する16ラウンド大当り遊技である。以下、図柄Aに分類される大当り図柄が特図表示器H1に表示されたときに付与される大当り遊技を「16R特別確変大当り遊技」と示す。16R特別確変大当り遊技では、1回のラウンド遊技の入球上限個数(規定個数)が「10球」に設定されている。また、16R特別確変大当り遊技における16回のラウンド遊技では、各ラウンド遊技において上大入賞口装置28の上大入賞口扉28aを「1回」開放させるように設定されている。また、16R特別確変大当り遊技では、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に確変状態と、その確変状態の終了時まで入球率向上状態が付与されるようになっている。なお、図5では、確変状態が付与されてから次回の大当りまで入球率向上状態が付与される場合を「リミット無し」と表記している。
また、16R特別確変大当り遊技では、オープニング時間として「7(秒)」が、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間(規定時間)として「25(秒)」が、エンディング時間として「12(秒)」がそれぞれ設定されている。各ラウンド遊技は、入球上限個数分の遊技球が入球することにより終了する場合もある。このため、16R特別確変大当り遊技において、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間である「25(秒)」は最大時間となる。なお、図5には図示しないが、16R特別確変大当り遊技における各ラウンド間のインターバル時間(ラウンド間インターバル)は、「1.0(秒)」に設定されている。
図柄Bに分類される大当り図柄が特図表示器H1に表示されたときに付与される大当り遊技は、規定ラウンド数が「16回」に設定されている。また、当該大当り遊技は、大当り遊技終了後に確変状態が付与され、15ラウンド目及び16ラウンド目のラウンド遊技における下大入賞口装置29の開放態様を、16R特別確変大当り遊技の開放態様と異ならせた16ラウンド大当り遊技である。以下、図柄Bに分類される大当り図柄が特図表示器H1に表示されたときに付与される大当り遊技を「16R通常確変大当り遊技」と示す。16R通常確変大当り遊技では、1回のラウンド遊技の入球上限個数(規定個数)が「10球」に設定されている。また、16R通常確変大当り遊技では、ラウンド遊技において下大入賞口装置29の下大入賞口扉29aを「1回」開放させるように設定されている。また、16R通常確変大当り遊技では、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に確変状態と、その確変状態の終了時まで入球率向上状態が付与されるようになっている。
また、16R通常確変大当り遊技では、オープニング時間として「7(秒)」が、エンディング時間として「12(秒)」がそれぞれ設定されている。そして、16R通常確変大当り遊技において1ラウンド目〜14ラウンド目では、下大入賞口装置29(の下大入賞口扉29a)の開放回数がそれぞれ「1回」とされ、ラウンド遊技時間として「25(秒)」がそれぞれ設定されている。また、16R通常確変大当り遊技において15ラウンド目〜16ラウンド目では、下大入賞口装置29(の下大入賞口扉29a)の開放回数がそれぞれ「1回」とされ、ラウンド遊技時間として「0.1(秒)」がそれぞれ設定されている。なお、図5には図示しないが、16R通常確変大当り遊技における各ラウンド間のインターバル時間は、「2.0(秒)」に設定されている。
図柄Cに分類される大当り図柄が特図表示器H1に表示されたときに付与される大当り遊技は、規定ラウンド数が「16回」に設定されているとともに、大当り遊技終了後に確変状態を付与しない(非確変状態を付与する)16ラウンド大当り遊技である。以下、図柄Cに分類される大当り図柄が特図表示器H1に表示されたときに付与される大当り遊技を「16R通常非確変大当り遊技」と示す。16R通常非確変大当り遊技では、ラウンド遊技における下大入賞口装置29の開放態様を、16R通常確変大当り遊技における開放態様と同一としている。また、16R通常非確変大当り遊技では、1回のラウンド遊技の入球上限個数(規定個数)が「10球」に設定されている。また、16R通常非確変大当り遊技における16回のラウンド遊技では、各ラウンド遊技において下大入賞口装置29(の下大入賞口扉29a)を「1回」開放させるように設定されている。また、16R通常非確変大当り遊技では、大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後には確変状態が付与されずに、予め定めた回数(本実施形態では100回)を上限回数として時短状態が付与されるようになっている。
また、16R通常非確変大当り遊技では、オープニング時間として「7(秒)」が、エンディング時間として「12(秒)」がそれぞれ設定されている。そして、16R通常非確変大当り遊技において1ラウンド目〜14ラウンド目のラウンド遊技では、下大入賞口装置29(の下大入賞口扉29a)の開放回数がそれぞれ「1回」とされ、ラウンド遊技時間として「25(秒)」がそれぞれ設定されている。その一方で、16R通常非確変大当り遊技において15ラウンド目〜16ラウンド目のラウンド遊技では、下大入賞口装置29(の下大入賞口扉29a)の開放回数がそれぞれ「1回」とされ、ラウンド遊技時間として「0.1(秒)」がそれぞれ設定されている。なお、図5には図示しないが、16R通常非確変大当り遊技における各ラウンド間のインターバル時間は、「2.0(秒)」に設定されている。これにより、16R通常非確変大当り遊技における各ラウンド遊技の下大入賞口装置29の下大入賞口扉29aの開放態様、及び入球率向上状態が付与される図柄変動ゲームの回数は、16R通常確変大当り遊技と同じとなっている。
次に、パチンコ機10の制御構成について図4に基づき説明する。
パチンコ機10の機裏側には、パチンコ機10全体を制御する主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、パチンコ機10全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて遊技を制御するための各種の制御信号(制御コマンド)を演算処理し、該制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、統括制御基板31と、表示制御基板32と、ランプ制御基板33と、音声制御基板34とが装着されている。統括制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、表示制御基板32、ランプ制御基板33及び音声制御基板34を統括的に制御する。表示制御基板32は、主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、可変表示器H2の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)を制御する。また、ランプ制御基板33は主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、装飾ランプ17〜19の発光態様(点灯(点滅)/消灯のタイミングなど)を制御する。また、音声制御基板34は、主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、スピーカ20a〜20cの音声出力態様(音声出力のタイミングなど)を制御する。
以下、主制御基板30、統括制御基板31及び表示制御基板32について、その具体的な構成を説明する。
前記主制御基板30には、メインCPU30aが備えられている。該メインCPU30aには、ROM30b及びRAM30cが接続されている。メインCPU30aには、第1始動口センサSE1と、第2始動口センサSE2と、カウントスイッチSE3と、カウントスイッチSE4等が接続されている。また、メインCPU30aには、特図表示器H1と、保留表示器Raが接続されている。また、メインCPU30aには、大入賞口ソレノイドSOL1と、普通電動役物ソレノイドSOL2が接続されている。また、メインCPU30aは、ゲートセンサSE5が接続されている。また、メインCPU30aは、当り判定用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値をRAM30cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。
ROM30bには、パチンコ機10全体を制御するためのメイン制御プログラムが記憶されている。また、ROM30bには、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、図柄(特図及び飾図)が変動を開始(図柄変動ゲームが開始)してから図柄が停止表示(図柄変動ゲームが終了)される迄の間の遊技演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンを示すものである。すなわち、変動パターンは、特図が変動開始してから特図が確定停止表示されるまでの間の図柄変動ゲームの演出内容及び演出時間(変動時間)を特定することができる。
変動パターンは、大当り判定に当選した際に選択される当り演出用の変動パターンと、大当り判定に当選しなかったはずれの場合に選択されるはずれ演出用の変動パターンとからなる。はずれ演出用の変動パターンには、リーチを形成し、リーチ演出が行われた後に最終的にはずれとするはずれリーチ演出用の変動パターンと、リーチを形成せずにはずれとするはずれ演出用の変動パターンとがある。
なお、大当り演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経て、最終的に大当りの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。はずれリーチ演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経て、最終的にはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。はずれ演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経ることなく最終的にはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される演出である。リーチ演出は、可変表示器H2の飾り図柄による図柄変動ゲームにおいて、リーチの図柄組み合わせが形成されてから、大当りの図柄組み合わせ、又ははずれの図柄組み合わせが導出される迄の間に行われる演出である。
また、ROM30bには、大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、大当りか否かの内部抽選で用いる判定値であり、当り判定用乱数の取り得る数値(0〜1438までの全1439通りの整数)の中から定められている。なお、大当り判定値は、確変状態が付与されているか否かでその数が異なっており、確変状態時の大当り判定値の数(本実施形態では36個)は、通常状態時の大当り判定値の数(本実施形態では4個)よりも多く設定されている。また、RAM30cには、大当り判定時に使用する当り判定用乱数が記憶されている。
本実施形態において、当り判定用乱数は、第1始動入賞口25の第1始動口センサSE1又は第2始動入賞口27の第2始動口センサSE2により遊技球が入賞検知されたことを契機に取得するようになっている。第1始動入賞口25へ遊技球が入賞したことを契機に取得する当り判定用乱数は、第2始動入賞口27へ遊技球が入賞したことを契機に取得する当り判定用乱数と同一のものである。
また、RAM30cには、大当り決定時に大当り図柄となる特図の種類を決定する際に用いる特図振分乱数が記憶されている。各特図には、この特図振分乱数が所定個数(本実施形態では1個)ずつ振り分けられており、メインCPU30aは、大当りの決定時(大当り判定が肯定となった場合)、取得した特図振分乱数に基づき大当り図柄を決定する。この特図振分乱数は、予め定められた数値範囲内(本実施形態では、「0」〜「99」の全100通りの整数)の数値を取り得るように、メインCPU30aが所定の周期毎(4ms毎)に数値を1加算して更新するようになっている。そして、メインCPU30aは、更新後の値を特図振分乱数の値としてRAM30cに記憶し、既に記憶されている特図振分乱数の値を書き換えることで特図振分乱数の値を順次更新するようになっている。本実施形態において、特図振分乱数は、第1始動入賞口25又は第2始動入賞口27へ遊技球が入賞したことを契機に取得するようになっている。また、RAM30cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(各種乱数の値など)が記憶されるようになっている。
次に、図4に基づき統括制御基板31について説明する。
統括制御基板31には、統括CPU31aが備えられている。該統括CPU31aには、ROM31b及びRAM31cが接続されている。また、統括CPU31aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値をRAM31cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。また、ROM31bには、表示制御基板32、ランプ制御基板33及び音声制御基板34を統括的に制御するための統括制御プログラムが記憶されている。統括CPU31aは、各種制御コマンドを入力すると、当該統括制御プログラムに基づき各種制御を実行する。
次に、図4に基づき表示制御基板32について説明する。
表示制御基板32には、サブCPU32aが備えられている。該サブCPU32aには、ROM32b及びRAM32cが接続されている。また、表示制御基板32(サブCPU32a)には、可変表示器H2が接続されている。ROM32bには、可変表示器H2の表示内容を制御するための表示制御プログラムが記憶されている。また、ROM32bには、各種の画像データ(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。また、RAM32cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。
次に、メインCPU30aが、メイン制御プログラムに基づき実行する特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理について説明する。最初に、特別図柄入力処理を図6に従って説明する。
メインCPU30aは、第1始動入賞口25又は第2始動入賞口27に遊技球が入球したか否かを判定する(ステップS1)。すなわち、ステップS1においてメインCPU30aは、第1始動口センサSE1又は第2始動口センサSE2が遊技球を検知した時に出力する検知信号を入力したか否かを判定する。ステップS1の判定結果が否定の場合、メインCPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。ステップS1の判定結果が肯定の場合、メインCPU30aは、RAM30cに記憶されている特図始動保留記憶数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップS2)。ステップS2の判定結果が否定(特図始動保留記憶数=4)の場合、メインCPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
ステップS2の判定結果が肯定(特図始動保留記憶数<4)の場合、メインCPU30aは、特図始動保留記憶数を+1(1加算)し、特図始動保留記憶数を書き換える(ステップS3)。このとき、メインCPU30aは、1加算後の特図始動保留記憶数を指定する保留コマンドを出力する。また、メインCPU30aは、1加算後の特図始動保留記憶数を表すように保留表示器Raの表示内容を変更させる。続いて、メインCPU30aは、当り判定用乱数の値と、リーチ判定用乱数の値と、特図振分乱数の値をRAM30cから読み出して取得し、該値を特図始動保留記憶数に対応付けられたRAM30cの所定の記憶領域に設定し(ステップS4)、特別図柄入力処理を終了する。
次に、特別図柄開始処理について図7に基づき説明する。メインCPU30aは、特別図柄入力処理終了後、特別図柄開始処理を実行するようになっている。
メインCPU30aは、まず、図柄(特図及び飾図)が変動表示中であるか否か、及び大当り遊技中であるか否かを判定する(ステップS11)。ステップS11の判定結果が肯定の場合、メインCPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。一方、ステップS11の判定結果が否定の場合、メインCPU30aは、特図始動保留記憶数を読み出し(ステップS12)、特図始動保留記憶数が「0」よりも大きいか否かを判定する(ステップS13)。ステップS13の判定結果が否定の場合(特図始動保留記憶数=0の場合)、特別図柄開始処理を終了する。
一方、ステップS13の判定結果が肯定の場合(特図始動保留記憶数>0の場合)、メインCPU30aは、特図始動保留記憶数の数を「1」減算(−1)する(ステップS14)。そして、メインCPU30aは、当該特図始動保留記憶数に対応付けられてRAM30cの所定の記憶領域に記憶されている当り判定用乱数、リーチ判定用乱数及び特図振分乱数の各値を取得する(ステップS15)。また、メインCPU30aは、特図始動保留記憶数を1減算した際、1減算後の特図始動保留記憶数を指定する保留コマンドを出力する。また、メインCPU30aは、1減算後の特図始動保留記憶数を表すように保留表示器Raの表示内容を変更させる。
次に、メインCPU30aは、取得した当り判定用乱数の値がROM30bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定して大当り判定(大当り抽選)を行う(ステップS16)。ステップS16の判定結果が肯定の場合(大当りの場合)、メインCPU30aは、大当りの変動であることを示す大当りフラグに[1]を設定する(ステップS17)。そして、メインCPU30aは、取得した特図振分乱数の値に基づき、特図による大当り図柄の中から特図表示器H1にて確定停止表示される最終停止図柄を決定する(ステップS18)。その後、メインCPU30aは、決定した最終停止図柄から大当り遊技の種類を特定し、複数種類の大当り演出用の変動パターンの中から変動パターンを決定する(ステップS19)。
変動パターン及び最終停止図柄を決定したメインCPU30aは、統括制御基板31(統括CPU31a)に対し、出力処理にて所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する等、図柄変動ゲームに関する各種処理を実行する(ステップS20)。具体的に言えば、メインCPU30aは、決定された変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する変動パターン指定コマンドを出力する。同時に、メインCPU30aは、特図を変動開始させるように特図表示器H1の表示内容を制御する。また、同時に、メインCPU30aは、図柄変動ゲームの演出時間の計測を開始する。また、メインCPU30aは、最終停止図柄を指定する特別図柄指定コマンドを出力する。そして、メインCPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。その後、特別図柄開始処理とは別の処理で、メインCPU30aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように特図表示器H1の表示内容を制御する。また、メインCPU30aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。
一方、ステップS16の大当り判定の判定結果が否定の場合(大当りでない場合)、メインCPU30aは、リーチ演出を実行させるか否かを判定するリーチ判定を行う(ステップS21)。そして、ステップS21の判定結果が肯定の場合(リーチ演出を行う場合)、メインCPU30aは、はずれ図柄を特図表示器H1にて確定停止表示される最終停止図柄として決定する(ステップS22)。次に、メインCPU30aは、複数種類のはずれリーチ演出用の変動パターンの中から変動パターンを決定する(ステップS23)。そして、変動パターン及び最終停止図柄を決定したメインCPU30aは、ステップS20の処理に移行し、統括制御基板31(統括CPU31a)に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する等、図柄変動ゲームに関する各種処理を実行する。その後、メインCPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。なお、特別図柄開始処理とは別の処理で、メインCPU30aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように特図表示器H1の表示内容を制御する。また、メインCPU30aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。
一方、ステップS21の判定結果が否定の場合(リーチ演出を行わない場合)、メインCPU30aは、はずれ図柄を特図表示器H1にて確定停止表示される最終停止図柄として決定する(ステップS24)。次に、メインCPU30aは、複数種類のはずれ演出用の変動パターンの中から変動パターンを決定する(ステップS25)。
そして、変動パターン及び最終停止図柄を決定したメインCPU30aは、ステップS20の処理に移行し、統括制御基板31(統括CPU31a)に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する等、図柄変動ゲームに関する各種処理を実行する。その後、メインCPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。なお、特別図柄開始処理とは別の処理で、メインCPU30aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように特図表示器H1の表示内容を制御する。また、メインCPU30aは、前記指定した変動パターンに定められている演出時間に基づいて、飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。
以上により、本実施形態において、主制御基板30のメインCPU30aは、大当り判定手段となる。また、メインCPU30aは、大当り遊技決定手段となる。また、可変表示器H2は、演出実行手段となる。
そして、メインCPU30aは、大当りを決定した場合(大当りフラグに[1]が設定された場合)、決定した変動パターンに基づく図柄変動ゲームの終了後、最終停止図柄に基づき特定された種類の大当り遊技の制御を開始し、統括制御基板31(統括CPU31a)に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する。以下、メインCPU30aが実行する制御内容について、16R特別確変大当り遊技、16R通常確変大当り遊技及び16R通常非確変大当り遊技の大当り遊技毎に説明する。
最初に、16R特別確変大当り遊技が付与されるときの制御について説明する。メインCPU30aは、図柄変動ゲームが終了すると、オープニングコマンドを出力するとともに、オープニング時間(7秒)の計測を開始する。次に、メインCPU30aは、オープニング時間が経過すると、1ラウンド目のラウンド遊技を開始させるべく1ラウンド目に対応するラウンドコマンドを出力するとともに、ラウンド遊技時間(max25秒)の計測を開始し、さらに開放信号を出力する。これにより、パチンコ機10では、1ラウンド目のラウンド遊技の開始に伴って上大入賞口装置28の上大入賞口扉28aが開放される。そして、メインCPU30aは、1ラウンド目のラウンド遊技において終了条件が満たされると、閉鎖信号を出力する。これにより、パチンコ遊技機10では、1ラウンド目のラウンド遊技の終了に伴って上大入賞口装置28の上大入賞口扉28aが閉鎖される。
1ラウンド目のラウンド遊技を終了させたメインCPU30aは、2ラウンド目のラウンド遊技を開始させるために、1ラウンド目と2ラウンド目の間に設定されるラウンド間インターバルのインターバル時間(1.0秒)の経過後に、2ラウンド目に対応するラウンドコマンドを出力する。そして、メインCPU30aは、2ラウンド目のラウンド遊技で終了条件が満たされると、同様に2ラウンド目のラウンド遊技を終了する。以降同様に、メインCPU30aは、3ラウンド目〜16ラウンド目のラウンド遊技を制御する。そして、メインCPU30aは、16ラウンド目のラウンド遊技が終了すると、インターバル時間(1.0秒)の経過後にエンディングコマンドを出力するとともに、エンディング時間(12秒)の計測を開始する。そして、メインCPU30aは、エンディング時間の経過後、大当り遊技を終了させる。そして、メインCPU30aは、大当りフラグに[0]を設定する(クリアする)。
その際、メインCPU30aは、16R特別確変大当り遊技が付与された場合には、確変状態を付与することを示す確変フラグに「1」を設定すると共に、入球率向上状態を付与することを示す作動フラグに「1」を設定する。なお、確変フラグに「1」が設定されている場合には、確変状態が付与されていることを示し、「0」が設定されている場合には、確変状態が付与されていないことを示している。同様に、作動フラグに「1」が設定されている場合には、入球率向上状態が付与されていることを示し、「0」が設定されている場合には、入球率向上状態が付与されていないことを示している。なお、各フラグは、RAM30cの所定の記憶領域に記憶されるようになっている。また、各フラグは、大当り遊技が付与された場合にもクリアされる(「0」が設定される)ようになっている。
次に、16R通常確変大当り遊技又は16R通常非確変大当りが付与されるときの制御について説明する。メインCPU30aは、図柄変動ゲームが終了すると、オープニングコマンドを出力するとともに、オープニング時間(7秒)の計測を開始する。次に、メインCPU30aは、オープニング時間が経過すると、1ラウンド目のラウンド遊技を開始させるべく1ラウンド目に対応するラウンドコマンドを出力するとともに、ラウンド遊技時間(max25秒)の計測を開始し、さらに開放信号を出力する。これにより、パチンコ機10では、1ラウンド目のラウンド遊技の開始に伴って下大入賞口装置29の下大入賞口扉29aが開放される。そして、メインCPU30aは、1ラウンド目のラウンド遊技において終了条件が満たされると、閉鎖信号を出力する。これにより、パチンコ遊技機10では、1ラウンド目のラウンド遊技の終了に伴って下大入賞口装置29の下大入賞口扉29aが閉鎖される。
1ラウンド目のラウンド遊技を終了させたメインCPU30aは、2ラウンド目のラウンド遊技を開始させるために、1ラウンド目と2ラウンド目の間に設定されるラウンド間インターバルのインターバル時間(2.0秒)の経過後に、2ラウンド目に対応するラウンドコマンドを出力する。そして、メインCPU30aは、2ラウンド目のラウンド遊技で終了条件が満たされると、同様に2ラウンド目のラウンド遊技を終了する。以降同様に、メインCPU30aは、3ラウンド目〜14ラウンド目のラウンド遊技を制御する。14ラウンド目のラウンド遊技が終了すると、15ラウンド目に対応するラウンドコマンドを出力するとともに、ラウンド遊技時間(max0.1秒)の計測を開始し、さらに開放信号を出力する。これにより、パチンコ機10では、15ラウンド目のラウンド遊技の開始に伴って下大入賞口装置29の下大入賞口扉29aが開放される。そして、メインCPU30aは、15ラウンド目のラウンド遊技において終了条件が満たされると、閉鎖信号を出力する。これにより、パチンコ遊技機10では、15ラウンド目のラウンド遊技の終了に伴って下大入賞口装置29の下大入賞口扉29aが閉鎖される。
15ラウンド目のラウンド遊技を終了させたメインCPU30aは、16ラウンド目のラウンド遊技を開始させるために、15ラウンド目と16ラウンド目の間に設定されるラウンド間インターバルのインターバル時間(2.0秒)の経過後に、16ラウンド目に対応するラウンドコマンドを出力する。そして、メインCPU30aは、16ラウンド目のラウンド遊技で終了条件が満たされると、同様に2ラウンド目のラウンド遊技を終了する。そして、メインCPU30aは、16ラウンド目のラウンド遊技が終了すると、インターバル時間(2.0秒)の経過後にエンディングコマンドを出力するとともに、エンディング時間(12秒)の計測を開始する。そして、メインCPU30aは、エンディング時間の経過後、大当り遊技を終了させる。そして、メインCPU30aは、大当りフラグに[0]を設定する(クリアする)。
その際、メインCPU30aは、16R通常確変大当り遊技が付与された場合には、確変状態を付与することを示す確変フラグに「1」を設定すると共に、入球率向上状態を付与することを示す作動フラグに「1」を設定する。また、メインCPU30aは、16R通常非確変大当り遊技が付与された場合には、確変状態を付与することを示す確変フラグに「0」を設定すると共に、入球率向上状態を付与することを示す作動フラグに「1」を設定する。また、メインCPU30aは、16R通常非確変大当り遊技が付与された場合には、入球率向上状態が付与される残り図柄変動ゲーム数を示す作動回数に100回を設定する。この作動回数は、図柄変動ゲームが実行される毎に1減算され、値が0となると、確変フラグ及び作動フラグがクリアされる(「0」が設定される)。なお、作動回数は、RAM30cの所定の記憶領域に記憶されるようになっている。また、作動回数は、大当り遊技が付与された場合にもクリアされる(「0」が設定される)ようになっている。
次に、統括制御基板31の統括CPU31aが統括制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。メインCPU30aから所定の制御コマンドを所定のタイミングで入力すると、統括CPU31aは、それに応じて各種処理を実行すると共に、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する。
例えば、統括CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、当該変動パターン指定コマンドを各制御基板32〜34に出力するようになっている。また、統括CPU31aは、変動パターン指定コマンド及び特別図柄指定コマンドを入力すると、当該変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターン及び特別図柄指定コマンドにより指定された最終停止図柄に基づき、可変表示器H2に確定停止表示させる飾り図柄による図柄組み合わせを決定するようになっている。さらに、統括CPU31aは、最終停止図柄として大当り図柄が指定されると、当該大当り図柄に対応する大当り遊技の種類に基づき、大当り遊技の具体的な演出内容を決定し、各制御基板32〜34に決定した大当り遊技の具体的な演出内容を指示するようになっている。また、統括CPU31aは、オープニングコマンドを入力すると、オープニング演出の具体的な演出内容を決定し、オープニング演出の具体的な演出内容を指示するオープニング演出コマンドを各制御基板32〜34にそれぞれ出力する。同様に、統括CPU31aは、ラウンドコマンドを入力すると、ラウンド演出の具体的な演出内容を決定し、ラウンド演出の具体的な演出内容を指示するラウンド演出コマンドを各制御基板32〜34にそれぞれ出力する。また、統括CPU31aは、エンディングコマンドを入力すると、エンディング演出の具体的な演出内容を決定し、エンディング演出の具体的な演出内容を指示するエンディング演出コマンドを各制御基板32〜34にそれぞれ出力する。また、統括CPU31aは、保留コマンドを入力すると、当該保留コマンドを表示制御基板32に出力するようになっている。
以下、飾り図柄による図柄組み合わせの決定についての詳しい処理について説明する。
まず、図柄変動ゲーム終了時に、可変表示器H2に確定停止表示させる飾り図柄による図柄組み合わせ(以下、単に確定図柄と示す場合もある)を決定するための処理について説明する。本実施形態の統括CPU31aは、特別図柄指定コマンドにより指定された最終停止図柄及び変動パターンに基づき、図柄変動ゲーム終了時、可変表示器H2に確定停止表示させる飾図の図柄組み合わせを決定するようになっている。
具体的には、統括CPU31aは、特別図柄指定コマンドにより指定された最終停止図柄が特図Aの場合には、確定図柄として、16R特別確変大当り遊技が付与されることを認識しうる大当りの図柄組み合わせを決定する。なお、本実施形態において、16R特別確変大当り遊技が付与されることを認識しうる大当りの図柄組み合わせは、[111]〜[888]のいずれかとなっている。
また、統括CPU31aは、特別図柄指定コマンドにより指定された最終停止図柄が特図B,Cの場合には、確定図柄として、16R通常確変大当り遊技又は16R通常非確変大当り遊技が付与されることを認識しうる大当りの図柄組み合わせを決定する。なお、本実施形態において、16R通常確変大当り遊技又は16R通常非確変大当り遊技が付与されることを認識しうる大当りの図柄組み合わせは、[111]、[222]、[444]、[555]、[666]、[888]のいずれかとなっている。このように最終停止図柄が特図B,Cの場合に、確定図柄を[111]、[222]、[444]、[555]、[666]、[888]のいずれかとすることにより、遊技者は、大当り遊技中、確定停止図柄の種類及び下大入賞口装置29の開放態様から確変状態が付与されているか否かを区別できなくなる。
また、統括CPU31aは、指定された最終停止図柄が、はずれ図柄の場合であって、はずれリーチ演出用の変動パターンが指定された場合、飾り図柄による図柄組み合わせとして、はずれリーチの図柄組み合わせを決定する。また、統括CPU31aは、指定された最終停止図柄が、はずれ図柄の場合であって、はずれ演出用の変動パターンが指定された場合、飾り図柄による図柄組み合わせとして、はずれの図柄組み合わせを決定する。そして、以上のように、統括CPU31aは、飾り図柄による図柄組み合わせを決定すると、飾り図柄による図柄組み合わせを指定する飾り図柄指定コマンドを表示制御基板32に出力する。
次に、表示制御基板32のサブCPU32aが表示制御プログラムに基づき実行する各種処理について説明する。
サブCPU32aは、統括制御基板31(統括CPU31a)から制御コマンドを入力すると、表示制御プログラムに基づき、入力した制御コマンドに応じた制御を行う。具体的には、サブCPU32aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、変動パターン指定コマンドにて指定された変動パターンに基づき、飾り図柄を変動表示させて図柄組み合わせゲームを開始させるように可変表示器H2の表示内容を制御する。また、サブCPU32aは、全図柄停止コマンドを入力すると、入力した飾り図柄指定コマンドで指定された図柄組み合わせを可変表示器H2に確定停止表示させるように可変表示器H2の表示内容を制御する。この制御により、可変表示器H2では図柄変動ゲームが行われる。
また、サブCPU32aは、オープニング演出コマンドを入力するとオープニング演出を実行させ、ラウンド演出コマンドを入力するとラウンド演出を実行させ、エンディング演出コマンドを入力するとエンディング演出を実行させる。また、サブCPU32aは、保留コマンドを入力すると、当該保留コマンドにて指定された特図始動保留記憶数に応じた数の保留表示画像Gaを表示させるように可変表示器H2の表示内容を制御する。これにより、遊技者は、保留表示画像Gaの数から、図柄変動ゲームが何回保留されているかを認識することができる。
そして、本実施形態では、確変大当り遊技(16R特別確変大当り遊技又は16R通常確変大当り遊技)が付与される可能性を示す表示態様変更予告が実行されるようになっている。具体的には、統括CPU31aは、確変大当り遊技が付与される可能性が高い場合には、高確率で表示態様変更予告を実行し、確定停止表示させる飾り図柄の表示サイズを大きなサイズに変更するようになっている。以下、表示態様変更予告について詳しく説明する。
大当り演出用の変動パターンが指定された場合であって、最終停止図柄が特別図柄A,Bである場合、統括CPU31aは、予め決められた確率(本実施形態では40%の確率)で飾り図柄の表示態様の変更を指示する表示態様変更コマンドを出力する。一方、大当り演出用の変動パターンが指定された場合であって、最終停止図柄が特別図柄Cである場合、統括CPU31aは、最終停止図柄が特別図柄A,Bである場合よりも低い確率(本実施形態では30%の確率)で飾り図柄の表示態様の変更を指示する表示態様変更コマンドを出力する。また、統括CPU31aは、はずれリーチ演出用の変動パターンが指定された場合、統括CPU31aは、大当り演出用の変動パターンが決定された場合よりも低い確率(本実施形態では20%の確率)で飾り図柄の表示態様の変更を指示する表示態様変更コマンドを出力する。同様に、統括CPU31aは、はずれ演出用の変動パターンが指定された場合、統括CPU31aは、はずれリーチ演出用の変動パターンが決定された場合よりも低い確率(本実施形態では1%の確率)で飾り図柄の表示態様の変更を指示する表示態様変更コマンドを出力する。
表示制御基板32のサブCPU32aは、表示態様変更コマンドを入力すると、変動表示させる飾り図柄の表示サイズを大きくなるように可変表示器H2における飾り図柄の表示態様を変更する。また、サブCPU32aは、表示態様変更コマンド及び全図柄停止コマンドを入力すると、表示サイズを大きくした飾り図柄(確定図柄)を確定停止表示させる。以上により、表示態様変更予告が実行されて、表示サイズが大きい飾り図柄で図柄変動ゲームが実行されると、遊技者に、確変大当り遊技が付与される可能性が高いのではないかと思わせることができる。
また、本実施形態では、ブランク図柄を使用して、図柄変動ゲームにてリーチ演出が実行される可能性を示唆する予告演出(ブランク図柄予告)が実行されるようになっている。本実施形態において、予告演出が実行されると、ブランク図柄が第1停止図柄列(左列)と第2停止図柄列(右列)に一旦停止表示されたとき、当該左右列のブランク図柄が同じ種類の数字図柄(演出図柄)に変化してリーチ演出が実行されるようになっている。なお、前述した表示態様変更予告が実行される場合には、ブランク図柄予告は実行されないようになっている。以下、ブランク図柄予告を実行させるための予告演出実行処理について図8に基づき説明する。
統括CPU31aは、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンが大当り演出用又ははずれリーチ演出用の変動パターンであるか否かを判定する(ステップS101)。この判定結果が否定の場合、統括CPU31aは、予告演出実行処理を終了する。一方、ステップS101の判定結果が肯定の場合、統括CPU31aは、ブランク図柄予告を実行させるか否かを乱数抽選により判定する(ステップS102)。本実施形態では、50%の確率で実行するようになっている。ステップS102の判定結果が否定の場合には、統括CPU31aは、予告演出実行処理を終了する。
ステップS102の判定結果が肯定の場合、統括CPU31aは、指定された変動パターンが大当り演出用の変動パターンであって、且つ、最終停止図柄として特別図柄Aを指定されたか否かを判定する(ステップS103)。すなわち、統括CPU31aは、図柄変動ゲームにて大当りとなり、16R特別確変大当り遊技が付与されるか否かを判定する。
ステップS103の判定結果が肯定の場合、統括CPU31aは、有効ラインに一旦停止表示させる飾り図柄の表示態様を変更することを決定する(ステップS104)。具体的には、統括CPU31aは、有効ラインに一旦停止表示させる飾り図柄の表示サイズを大きなサイズに変更することを決定する。そして、統括CPU31aは、表示態様の変更(表示サイズを大きくすること)を指示する表示態様変更コマンドを出力する。
ステップS103の判定結果が否定の場合、又はステップS104の処理後、統括CPU31aは、ブランク図柄予告の実行を指示する予告演出指示コマンドを出力する(ステップS105)。そして、予告演出実行処理を終了する。
次に、ブランク図柄予告を実行させるための表示制御基板32による処理について説明する。
表示制御基板32のサブCPU32aは、予告演出指示コマンドを入力すると、指定された変動パターンに基づき、リーチの図柄組み合わせが一旦停止表示される前に、左右列(第1図柄表示位置D1及び第2図柄表示位置D2)にブランク図柄が一旦停止表示するように、可変表示器H2の表示内容を制御する。その際、サブCPU32aは、中列の飾り図柄を変動表示させたままになるように制御する。これにより、可変表示器H2は、図9(a)に示すように、ブランク図柄を左右列に一旦停止表示する。
次に、サブCPU32aは、左右列に一旦停止表示させた後、ブランク図柄を図9(b)に示すように、画面中央部(第3図柄表示位置D3)にブランク図柄を移動させる。そして、サブCPU32aは、図9(c)に示すように、ブランク図柄を移動させた後、当該ブランク図柄を消去すると共に、元々ブランク図柄が表示されていた第1図柄表示位置D1及び第2図柄表示位置D2に飾り図柄指定コマンドにより指定された左右列の飾り図柄を一旦停止表示させる。なお、本実施形態では、大当り演出用又ははずれリーチ演出用の変動パターンが決定されたときのみ、予告演出が実行されるようになっているため、サブCPU32aは、左右列に同一種類の数字図柄を表示させるようになっている。
このとき、予告演出指示コマンドと共に表示態様変更コマンドを入力していた場合、サブCPU32aは、図9(d)に示すように、第1図柄表示位置D1及び第2図柄表示位置D2に飾り図柄の表示サイズを大きくして、飾り図柄指定コマンドにより指定された図柄を一旦停止表示させるようになっている。そして、左右列に同一種類の数字図柄を表示させることにより、リーチの図柄組み合わせを表示させた後、サブCPU32aは、指定された変動パターンに基づき、リーチ演出を実行させ、以降の図柄変動ゲームを進行させる。以上により、本実施形態では、統括CPU31a及びサブCPU32aは、演出制御手段となる。
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)サブCPU32aは、ブランク図柄予告を実行させる場合、有効ライン上の2列にブランク図柄を表示させ、その後、数字図柄(演出図柄)により構成されるリーチの図柄組み合わせを当該有効ライン上に表示させるようにした。そして、サブCPU32aは、その後、変動パターンに基づきリーチ演出を実行させるようにした。すなわち、有効ライン上の2列にブランク図柄が表示される場合、リーチ演出が実行されることを予告するブランク図柄予告が実行されている可能性があることとなる。このため、遊技者は、有効ライン上の図柄列のうち1列にブランク図柄が停止表示されてはずれの図柄組み合わせが表示される可能性が高くなったとしても、リーチ演出を予告するブランク図柄予告が実行されるかもしれないと期待することができる。また、リーチの図柄組み合わせは、数字図柄により構成されているため、ブランク図柄が使用されている場合と異なり、遊技者を混乱させることがない。
(2)サブCPU32aは、ブランク図柄予告を実行させるとき、ブランク図柄が表示されていた位置(第1図柄表示位置D1及び第2図柄表示位置D2)に、ブランク図柄の代わりに同じ種類の数字図柄を表示させる。すなわち、サブCPU32aは、飾り図柄指定コマンドにより指定された左右列の数字図柄を表示させる。このため、有効ライン上の図柄列のうち左右2列にブランク図柄を停止させた際に、ブランク図柄が変化してリーチの図柄組み合わせとなることを遊技者に認識させることができる。すなわち、有効ライン上の図柄列のうち左右2列にブランク図柄が停止されるか否かについて注目させることができる。また、予告演出が実行されるとき、ブランク図柄の代わりに数字図柄が表示されるため、ブランク図柄によるリーチの図柄組み合わせが表示されてリーチ演出が開始されたと思わせることがない。従って、ブランク図柄が大当りの図柄組み合わせを構成する図柄であると思わせることが無く、混乱させることがない。
(3)メインCPU30aが16R特別確変大当り遊技又は16R通常確変大当り遊技を付与することを決定したときに、ブランク図柄予告を実行させる場合には、サブCPU32aは、ブランク図柄を移動させた後、通常の表示態様とは異なる表示態様の数字図柄により構成されるリーチの図柄組み合わせを有効ライン上に表示させる。本実施形態では、表示サイズを大きくした数字図柄を表示させる。これにより、有効ライン上の図柄列のうち2列にブランク図柄が停止された場合、遊技者は、16R特別確変大当り遊技又は16R通常確変大当り遊技が付与されることを示す数字図柄が表示されるのではないかと期待することができる。
(4)16R特別確変大当り遊技又は16R通常確変大当り遊技を付与することを決定したときに、ブランク図柄予告を実行させて、有効ライン上の図柄列のうち2列にブランク図柄を停止させた後、サブCPU32aは、表示サイズを大きくした数字図柄により構成されるリーチの図柄組み合わせを有効ライン上に表示させるようにした。数字図柄の表示サイズを大きくしたことにより、数字図柄の種類が見やすくなり、また、大当り期待度が大きくなったことを認識させやすい。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・上記実施形態において、リーチ確率は、遊技状態(例えば、特図始動保留記憶数、確変状態の有無等)によって変更しても良い。
・上記実施形態において、大当り遊技の種類は、任意に変更しても良い。例えば、16R特別確変大当り遊技と、16R特別非確変大当り遊技だけが付与されるパチンコ機としても良い。また、大当り遊技のラウンド数、入球率向上状態が付与される図柄変動ゲーム数を変更しても良い。例えば、10ラウンドの大当り遊技を付与しても良いし、大当り遊技後、50回の図柄変動ゲームが終了するまで入球率向上状態を付与しても良い。また、ラウンド数が同じであっても、大入賞口装置の開放態様(開放時間や開放回数)が異なる大当り遊技を複数種類も受けても良い。
・上記実施形態において、上大入賞口装置28と、下大入賞口装置29を備えたが、どちらか一方だけでも良い。
・上記実施形態では、表示態様変更予告を実行させたが実行させなくても良い。
・上記実施形態では、確変大当り遊技を付与することを決定したときに、ブランク図柄予告を実行させる場合には、サブCPU32aは、リーチの図柄組み合わせを構成する数字図柄の表示態様を変更させていたが、変更しなくても良い。
・上記実施形態において、16R通常確変大当り遊技が付与されるときに、ブランク図柄予告を実行させる場合、サブCPU32aは、リーチの図柄組み合わせを構成する数字図柄の表示態様を変更させなくてもよい。これにより、ブランク図柄予告が実行されるときに、数字図柄の表示態様が変更される場合には、遊技者に、大入賞口装置(上大入賞口装置28)の開放時間が長い大当り遊技が付与されるのではないかと思わせることができる。
・上記実施形態では、図柄の表示態様を変更する際、図柄の表示サイズを大きくしたが、どのように変更しても良い。例えば、表示色を変更しても良いし、図柄の形状を変更しても良い。
・上記実施形態では、有効ラインを1列としたが、図柄表示位置を増加させ、有効ラインを複数ラインにしても良い。
・上記実施形態では、飾り図柄を縦スクロールさせたが、横スクロールさせてもよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記演出制御手段は、前記大当り遊技決定手段が、大当り遊技中に開放される入賞手段の開放時間が最も長い特別大当り遊技、又は大当り遊技終了後に前記大当り判定の当選確率が通常よりも高確率となる確変状態が付与される確変大当り遊技を付与することを決定したとき、通常の表示態様とは異なる表示態様の変形演出図柄により構成される大当りの図柄組み合わせを予め決められた確率で前記演出実行手段に表示させる一方、前記大当り遊技決定手段が、前記特別大当り遊技又は前記確変大当り遊技を付与することを決定したときに、有効ライン上の図柄列のうち少なくとも2列にブランク図柄を停止させる場合には、前記変形演出図柄により構成されるリーチの図柄組み合わせを当該有効ライン上に表示させることを特徴とする。
(ロ)前記演出制御手段は、前記演出図柄の表示サイズを大きくしたものを変形演出図柄として表示させることを特徴とする請求項3又は技術的思想(イ)に記載の遊技機。