以下、本発明を遊技機の一種であるパチンコ遊技機(所謂、パチンコ機)に具体化した一実施形態を図1〜図9にしたがって説明する。
図1には、パチンコ遊技機10の機表側が略示されており、機体の外郭をなす外枠11の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠12が開閉及び着脱自在に組み付けられている。中枠12の前面側には、機内部に配置された遊技盤13を透視可能な状態で保護するためのガラス枠を備えた前枠14と上球皿15を有する上皿ユニット15aが共に横開き状態で開閉可能に組み付けられている。前枠14の前面側及び遊技盤13の遊技領域13aには、点灯(点滅)又は消灯し、発光装飾に基づく遊技演出(発光演出)を行う装飾ランプ16が設けられている。外枠11の下部(パチンコ遊技機10の下部)には、各種音声(効果音)を出力し、音声出力に基づく遊技演出(音声演出)を行うスピーカ17が配置されている。中枠12の下部には、下球皿18を有する下皿ユニット18a及び発射装置19が装着されている。そして、遊技者が発射装置19を操作することにより、上球皿15に貯留されている遊技球が遊技盤13の遊技領域13aに発射されるようになっている。なお、遊技領域13aに向けて発射される遊技球は、発射装置19の操作量に応じて発射の強弱が設定される。
遊技盤13の前面には、発射装置19の操作によって発射された遊技球を誘導し、かつパチンコ遊技の主体となるほぼ円形の遊技領域13aを形成する誘導レール20が円形渦巻き状に敷設されている。この誘導レール20によって遊技盤13には、該遊技盤13の左下方から左上方に向かって延びる遊技球の誘導路21aが形成されるとともに、誘導レール20の内側に遊技領域13aが形成される。そして、誘導路21aの下方には、中枠12に装着されるとともに、発射ユニットの作動によって打球される遊技球を案内する図示しない発射レールが配置されている。また、遊技盤13の前面であって誘導レール20の外側となる遊技領域13a外は、パチンコ遊技に直接関与しない非遊技領域13bとされている。
遊技盤13の遊技領域13aのほぼ中央(センター)には、各種の表示器や各種の飾りを施した表示枠体(センター役物)23が装着されている。表示枠体23の略中央には、正面視横長矩形に開口するセット口23aが形成されており、当該セット口23aに整合して表示枠体23には液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する表示手段としての演出表示器H2が装着されている。演出表示器H2には、複数種類の図柄を変動させて行う図柄変動ゲームを含み、該ゲームに関連して実行される各種の表示演出(遊技演出)が画像表示されるようになっている。本実施形態において演出表示器H2の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では3列)の図柄からなる図柄組み合わせを導出する。なお、演出表示器H2の図柄変動ゲームは、表示演出を多様化するための飾り図柄(演出図柄)を用いて行われる。
また、表示枠体23の下方には、発光型の表示手段としての特別図柄表示器H1が配置されている。本実施形態の特別図柄表示器H1は、7セグメントLED式の表示器とされている。特別図柄表示器H1には、複数種類の図柄を変動させて行う図柄変動ゲームが発光表示されるようになっている。本実施形態において特別図柄表示器H1の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では2列)の図柄からなる図柄組み合わせを導出する。なお、特別図柄表示器H1の図柄変動ゲームは、大当りか否かの内部抽選(大当り抽選)の結果を示す報知用の図柄となる特別図柄を用いて行われる。
特別図柄表示器H1と演出表示器H2では、図柄変動ゲームの開始により同時に図柄(特別図柄と飾り図柄)の変動が開始される。具体的には、図柄変動ゲームの開始に伴って、特別図柄表示器H1では各列の特別図柄の変動が開始する一方で、演出表示器H2では各列の飾り図柄の変動が開始する。そして、特別図柄表示器H1と演出表示器H2には、大当り抽選の抽選結果に基づき、図柄変動ゲームの終了によって同時に大当り図柄又ははずれ図柄が確定的に停止表示される。このとき、特別図柄表示器H1と演出表示器H2では、大当り抽選の抽選結果が大当りである場合には何れの表示器にも大当り図柄が確定的に停止表示され、大当り抽選の抽選結果がはずれである場合には何れの表示器にもはずれ図柄が確定的に停止表示される。大当り図柄は、大当り抽選の抽選結果が大当りである場合に図柄変動ゲームで確定的に停止表示されるものであり、はずれ図柄は、大当り抽選の抽選結果がはずれである場合に図柄変動ゲームで確定的に停止表示されるものである。
本実施形態において特別図柄表示器H1には、[00]〜[99]までの100種類の数字と、[−−]の符号が特別図柄として表示されるようになっている。特別図柄表示器H1に確定停止表示された図柄が[00]〜[99]の数字の場合、その図柄から大当りを認識できる。この大当りを認識できる図柄が、特別図柄の大当り図柄となる。また、特別図柄表示器H1に確定停止表示された図柄が[−−]の符号の場合、その図柄からはずれを認識できる。このはずれを認識できる図柄が、特別図柄のはずれ図柄となる。
その一方、本実施形態において演出表示器H2には、各列毎に、「1」〜「8」までの数字と、ブランク図柄が飾り図柄として表示されるようになっている。ブランク図柄は、各数字の間に配置される図柄であって、ブランク図柄を含んで構成される図柄組み合わせははずれとなる。そして、演出表示器H2の図柄変動ゲームで導出される大当り図柄とはずれ図柄は、各列に導出された飾り図柄の組み合わせによって構成される。大当り図柄は、全列が同一種類の飾り図柄からなる組み合わせで構成されるとともに、はずれ図柄は、全列の飾り図柄の種類が異なる組み合わせ及び1列の飾り図柄の種類が他の列とは異なる組み合わせで構成される。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、演出表示器H2の表示領域(画像表示面)を特別図柄表示器H1の表示領域よりも大きく形成し、演出表示器H2を遊技者の正面に目立つように配置している。このため、遊技者は、特別図柄表示器H1よりも自身の目の前で多彩な画像によって表示演出(例えば、リーチ演出や予告演出)が行われる演出表示器H2の表示内容に注目し、該演出表示器H2の図柄変動ゲームで導出されて確定停止表示される図柄組み合わせから大当り又ははずれを認識することになる。
前記リーチ演出は、演出表示器H2で行われる図柄変動ゲームにおいて予め定めた特定列の飾り図柄が同一種類の図柄で、かつ特定列以外の列が変動する組み合わせで構成されるリーチ図柄が停止表示されることによって行われる演出である。リーチ図柄は、本実施形態のパチンコ遊技機10のように3列の飾り図柄を表示させる場合であって図柄停止順序が左列→右列→中列の場合、左列の飾り図柄と右列の飾り図柄が同一種類となる組み合わせで構成される。予告演出は、1回の図柄変動ゲームにおいて該ゲームにおける大当りか否かの可能性(すなわち、大当りの期待度)を示唆する演出である。この予告演出は、内部抽選で大当りが決定されている場合の図柄変動ゲームで出現すると、その予告が該ゲームで現実化されて大当りとなる。その一方で、予告演出は、内部抽選ではずれが決定されている場合の図柄変動ゲームで出現すると、その予告が該ゲームで現実化されずにはずれとなる。
また、本実施形態の演出表示器H2の画像表示部GHには、図2に示すように9つの図柄表示位置D1〜D9が定められているとともに、左列(第1図柄列)と、中列(第2図柄列)と、右列(第3図柄列)の3つの図柄列が変動表示されるようになっている。これら9つの図柄表示位置D1〜D9は、縦方向に上段、中段、下段となるよう3行に配置されているとともに、横方向に右、中、左となるよう3列に配置されている。そして、遊技者側から見て最も左に位置する第1列用上図柄表示位置D1と、第1列用中図柄表示位置D2と、第1列用下図柄表示位置D3は、左列に対応する図柄表示位置とされ、左列の図柄配列において連続する3個の飾り図柄が表示されるようになっている。また、遊技者側から見て中央に位置する第2列用上図柄表示位置D4と、第2列用中図柄表示位置D5と、第2列用下図柄表示位置D6は、中列に対応する図柄表示位置とされ、中列の図柄配列において連続する3個の飾り図柄が表示されるようになっている。また、遊技者側から見て最も右に位置する第3列用上図柄表示位置D7と、第3列用中図柄表示位置D8と、第3列用下図柄表示位置D9は、右列に対応する図柄表示位置とされ、右列の図柄配列において連続する3個の飾り図柄が表示されるようになっている。この構成により、本実施形態の演出表示器H2では、左列の右隣に中列が配置されるとともに、該中列の右隣に右列が配置され、これらの各図柄列が縦方向にスクロール変動されるようになっている。なお、各列では、上段と下段の各図柄表示位置に数字の図柄が停止表示されると中段にブランク図柄が停止表示され、中段の図柄表示位置に数字の図柄が停止表示されると上段と下段にブランク図柄が停止表示される。
そして、演出表示器H2では、第1列用中図柄表示位置D2、第2列用中図柄表示位置D5、及び第3列用中図柄表示位置D8に表示された3つの図柄の図柄組み合わせが有効とされ、これら3つの図柄表示位置D2,D5,D8によって図柄組み合わせが有効となる有効ラインL1が形成される。また、演出表示器H2では、第1列用上図柄表示位置D1、第2列用上図柄表示位置D4、及び第3列用上図柄表示位置D7に表示された3つの図柄の図柄組み合わせが有効とされ、これら3つの図柄表示位置D1,D4,D7によって図柄組み合わせが有効となる有効ラインL2が形成される。また、演出表示器H2では、第1列用下図柄表示位置D3、第2列用下図柄表示位置D6、及び第3列用下図柄表示位置D9に表示された3つの図柄の図柄組み合わせが有効とされ、これら3つの図柄表示位置D3,D6,D9によって図柄組み合わせが有効となる有効ラインL3が形成される。
また、演出表示器H2では、第1列用下図柄表示位置D3、第2列用中図柄表示位置D5、及び第3列用上図柄表示位置D7に表示された3つの図柄の図柄組み合わせが有効とされ、これら3つの図柄表示位置D3,D5,D7によって図柄組み合わせが有効となる有効ラインL4が形成される。また、演出表示器H2では、第1列用上図柄表示位置D1、第2列用中図柄表示位置D5、及び第3列用下図柄表示位置D9に表示された3つの図柄の図柄組み合わせが有効とされ、これら3つの図柄表示位置D1,D5,D9によって図柄組み合わせが有効となる有効ラインL5が形成される。
有効ラインL1は演出表示器H2の中段において横方向へ直線的に延びるよう形成されるとともに、有効ラインL2は演出表示器H2の上段において横方向へ直線的に延びるよう形成され、さらに有効ラインL3は演出表示器H2の下段において横方向へ直線的に延びるよう形成される。また、有効ラインL4は演出表示器H2の右上がりの斜め方向(又は左下がりの斜め方向)へ直線的に延びるよう形成されるとともに、有効ラインL5は演出表示器H2の左上がりの斜め方向(又は右下がりの斜め方向)へ直線的に延びるよう形成される。この構成により、本実施形態のパチンコ遊技機10は、5つの有効ラインL1〜L5を形成し得る演出表示器H2を備えた5ライン機とされている。
そして、本実施形態において、左列→右列→中列の順に変動を停止させて図柄を停止表示させた場合、演出表示器H2には、次のようなリーチ状態を表示することが可能である。有効ラインL1〜L3上には、同時にリーチ状態が表示されることなく、有効ラインL1、有効ラインL2又は有効ラインL3のうち何れか1本の有効ライン上に1つのリーチ状態(シングルリーチ)が表示可能とされている。また、有効ラインL4及び有効ラインL5上には、同時にリーチ状態を表示可能であって、2本の有効ラインL4,L5上に2つのリーチ状態(ダブルリーチ)が表示可能とされている。
また、演出表示器H2(画像表示部GH)の表示領域には、課題付与演出としてのミッション演出の発生時、そのミッション演出に関連する情報を表示する情報表示領域Z1,Z2,Z3,Z4が形成される。ミッション演出は、予め定めた演出を図柄変動ゲーム中に出現させることを課題(ミッション)として遊技者に付与し、その提示した演出の出現によって大当り図柄を導出する演出である。なお、本実施形態においてミッション演出の発生時に大当り抽選に当選した場合、その当選によって遊技者に付与した課題に対応する演出を出現させるよう図柄変動ゲームの演出内容を決定する。このため、遊技者の見た目上は、ミッションの達成によって大当りを得られたかのような演出表現となる。そして、情報表示領域Z1〜Z3は、前記ミッションを表示する領域として用いられるとともに、情報表示領域Z4は、ミッション演出の継続期間(本実施形態では図柄変動ゲームの回数)を表示する領域として用いられる。
図1及び図2の説明に戻り、表示枠体23の下方であって、図1及び図2において特別図柄表示器H1の左横には、機内部で記憶した特別図柄用の保留記憶数を遊技者に報知する特別図柄保留記憶表示器24が配置されている。本実施形態のパチンコ遊技機10は、表示枠体23の下方に配置される始動入賞口(上始動入賞口26と下始動入賞口27)へ遊技球が入球した場合、その入球した遊技球の個数を記憶し、特別図柄用の保留記憶数として機内部(主制御基板35の主制御用RAM35c)で記憶するようになっている。特別図柄用の保留記憶数は、保留中(図柄変動ゲーム待機中)の図柄変動ゲームの回数を示している。特別図柄用の保留記憶数は、始動入賞口に遊技球が入球することで1加算され、図柄変動ゲームの開始により1減算されるようになっている。したがって、図柄変動ゲーム中に始動入賞口へ遊技球が入球すると、特別図柄用の保留記憶数は更に加算され、所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積されるようになっている。
特別図柄保留記憶表示器24は、第1保留ランプ24aと、第2保留ランプ24bと、第3保留ランプ24cと、第4保留ランプ24dからなる4つの保留ランプによって構成されている。そして、特別図柄保留記憶表示器24は、保留ランプの点灯個数により保留中の図柄変動ゲームの回数を遊技者に報知する構成となっている。例えば、第1保留ランプ24aのみが点灯している場合には1回の図柄変動ゲームが保留中であることを示し、第1〜第4保留ランプ24a〜24dの全てが点灯している場合には4回の図柄変動ゲームが保留中であることを示している。なお、特別図柄用の保留記憶数が「0(零)」の場合は、第1〜第4保留ランプ24a〜24dの全てが消灯している。
表示枠体23の下方であって、図1及び図2において特別図柄表示器H1の右横には、発光型の普通図柄表示器H3が配置されている。本実施形態の普通図柄表示器H3は、7セグメントLED式の表示器とされている。普通図柄表示器H3には、複数種類の図柄を変動させて行う普通図柄変動ゲームが発光表示されるようになっている。本実施形態において普通図柄表示器H3の普通図柄変動ゲームでは、1列の普通図柄を導出する。普通図柄変動ゲームは、前述した大当りか否かの大当り抽選とは別に行う当りか否か(開閉羽根28の開動作により下始動入賞口27を開放するか否か)の内部抽選(当り抽選)の抽選結果を表示する。本実施形態においては、当り抽選で当りを決定している場合には普通図柄変動ゲームで当り図柄として「7」の数字からなる普通図柄が表示されるとともに、当り抽選ではずれを決定している場合には普通図柄変動ゲームではずれ図柄として「−(バー)」の符号からなる普通図柄が表示される。
また、表示枠体23の下方であって、図1及び図2において普通図柄表示器H3の右横には、機内部で記憶した普通図柄用の保留記憶数を遊技者に報知する普通図柄保留記憶表示器25が配置されている。本実施形態のパチンコ遊技機10は、表示枠体23の左方に配置される普通図柄作動ゲート31へ遊技球が入球した場合、その入球した遊技球の個数を記憶し、普通図柄用の保留記憶数として機内部(主制御基板35の主制御用RAM35c)で記憶するようになっている。普通図柄用の保留記憶数は、保留中(普通図柄変動ゲーム待機中)の普通図柄変動ゲームの回数を示している。普通図柄用の保留記憶数は、普通図柄作動ゲート31に遊技球が入球することで1加算され、普通図柄変動ゲームの開始により1減算されるようになっている。したがって、普通図柄変動ゲーム中に普通図柄作動ゲート31へ遊技球が入球すると、普通図柄用の保留記憶数は更に加算され、所定の上限数(本実施形態では4個)まで累積されるようになっている。
普通図柄保留記憶表示器25は、第1保留ランプ25aと、第2保留ランプ25bと、第3保留ランプ25cと、第4保留ランプ25dからなる4つの保留ランプによって構成されている。そして、普通図柄保留記憶表示器25は、保留ランプの点灯個数により保留中の普通図柄変動ゲームの回数を遊技者に報知する構成となっている。例えば、第1保留ランプ25aのみが点灯している場合には1回の普通図柄変動ゲームが保留中であることを示し、第1〜第4保留ランプ25a〜25dの全てが点灯している場合には4回の普通図柄変動ゲームが保留中であることを示している。なお、普通図柄用の保留記憶数が「0(零)」の場合は、第1〜第4保留ランプ25a〜25dの全てが消灯している。
また、表示枠体23の下方の遊技領域13aには、遊技球の入球口26aを有する上始動入賞口26と遊技球の入球口27aを有する下始動入賞口27が上下方向に並ぶように配置されている。上始動入賞口26は、常時遊技球の入球を許容し得るように入球口26aを常時開放させた構成とされている。一方で、下始動入賞口27は普通電動役物とされ、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う開閉羽根28を備えており、開閉羽根28が開動作することにより遊技球の入球を許容し得るように入球口27aを開放させる構成とされている。換言すれば、下始動入賞口27は、開閉羽根28が開動作して入球口27aが開放されない限り、遊技球の入球を不能とする構成とされている。
上始動入賞口26と下始動入賞口27の各奥方には、入球した遊技球を検知する始動口センサSE1,SE2(図3に示す)が配設されている。上始動入賞口26と下始動入賞口27は、入球した遊技球を検知することにより、図柄変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。下始動入賞口27は開閉羽根28が開動作すると、入口が拡大されて遊技球が入球し易い状態とされる一方で、開閉羽根28が閉動作すると、入口が拡大されずに遊技球が入球し難い状態とされる。
また、下始動入賞口27の下方の遊技領域13aには、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉29を備えた大入賞口(特別電動役物)30が配設されている。そして、大当り遊技が付与されると、大入賞口扉29の開動作によって大入賞口30が開放されて遊技球の入球が許容されるため、遊技者は、多数の賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。本実施形態において大当り遊技は、多数の賞球を獲得できるチャンスを得られることから、遊技者に有利な状態となる。そして、この大当り遊技は、内部抽選で大当りが決定し、図柄変動ゲームにて大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示されることを契機に付与される。
大当り遊技は、内部抽選で大当りを決定し、図柄変動ゲームで大当り図柄が確定停止表示されて該ゲームの終了後、開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出終了後には、大入賞口扉29の開動作により大入賞口30が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限(例えば、15回)として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、大入賞口扉29の開動作により大入賞口30が開放されてから大入賞口扉29の閉動作により大入賞口30が閉鎖される迄であり、1回のラウンド遊技中に大入賞口30は、規定入球個数(例えば、9球)の遊技球が入球するまでの間、又は規定時間(例えば、25秒)が経過するまでの間、開放される。そして、大当り遊技は、規定ラウンド数のラウンド遊技の終了後に大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われて終了する。
また、表示枠体23の左方の遊技領域13aには、普通図柄作動ゲート31が配設されている。普通図柄作動ゲート31の奥方には、該普通図柄作動ゲート31へ入球し通過した遊技球を検知するゲートセンサSE3(図3に示す)が設けられている。普通図柄作動ゲート31は、遊技球の通過を契機に、普通図柄変動ゲームの始動条件を付与し得る。
また、遊技盤13の遊技領域13aの最下方(大入賞口30よりも下方)には、遊技領域13aに発射された後、何れの入賞口にも入球しなかった遊技球をアウト球として機外に排出するためのアウト口32が形成されている。アウト口32を通過した遊技球は、パチンコ遊技機10の設置設備(遊技島)に配設されたアウト球タンク(図示しない)に排出される。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、確率変動(以下、「確変」と示す)機能を備えている。確変機能は、大当り遊技終了後に大当りの抽選確率(当選確率)が低確率(通常状態)である通常確率から高確率に変動する確変状態を付与する機能である。また、確変状態が付与されると、普通図柄ゲームの変動時間が短縮されるとともに、普通図柄作動ゲート31の通過に基づく普通図柄ゲームの抽選確率(当り当選確率)が低確率である通常確率から高確率に変動する入球率向上状態が特典として付与されるようなっている。入球率向上状態において、下始動入賞口27の開閉羽根28は、確変状態が付与されている場合と、通常状態(入球率向上状態が付与されていない状態)が付与されている場合とでは、普通図柄ゲームにおいて当選した際、異なる動作パターンで開閉動作するようになっている。通常状態時に普通図柄ゲームに当選する場合には、開閉羽根28が1回開放し、開放してから100ms経過するまで開放状態を維持するようになっている。また、確変状態時に普通図柄ゲームに当選する場合には、開閉羽根28が開放する回数が増加(例えば、3回)するとともに、1回の開放において開放してから1400ms(通常状態に比較して長い時間)が経過するまで開放状態を維持するようになっている。すなわち、開閉羽根28は、確変状態が付与されている場合、通常状態が付与されている状態に比較して、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。確変状態が付与されると、大当りの抽選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、確変状態は遊技者にとって有利であり、遊技者は確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。
また、確変状態は、予め定めた回数(本実施形態では10000回)の図柄変動ゲームが行われる迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間、付与される。すなわち、確変状態は、予め定めた回数に相当する図柄変動ゲームの終了時迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される図柄変動ゲームの終了時迄の間、付与される。本実施形態では、確変状態を予め定めた回数として10000回を定めているため、実質的に次回の大当りが生起される迄の間付与されることと同等となっている。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、変動時間短縮(以下、「時短」と示す)機能を備えている。時短機能は、大当り遊技終了後に大当りの抽選確率(当選確率)を低確率(通常状態)として、入球率向上状態を特典として付与する機能である。また、時短状態が付与されると、大当りの抽選確率は低確率であるが、入球率向上状態が特典として付与されるようになっている。すなわち、開閉羽根28は、時短状態が付与されている場合、通常状態が付与されている状態に比較して、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。そして、時短状態は、予め定めた回数(本実施形態では100回)の図柄変動ゲームが行われる迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間、付与される。すなわち、時短状態は、予め定めた回数に相当する図柄変動ゲームの終了時迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される図柄変動ゲームの終了時迄の間、付与される。
本実施形態では、大当り遊技終了後に確変状態を付与する(抽選確率が高確率である状態が付与される)大当りが確変大当りとなり、大当り遊技終了後に確変状態が付与されない(抽選確率が低確率である非確変状態が付与される)大当りが非確変大当りとなる。そして、本実施形態のパチンコ遊技機10では、飾り図柄による大当り図柄の種類から、確変大当り又は非確変大当りの何れの大当りであるかを認識し得るように構成されている。具体的に言えば、「1」〜「8」の数字からなる図柄のうち、奇数図柄で構成される大当り図柄([111][333][555][777]の組み合わせ)から確変大当りを認識し得る。その一方で、偶数図柄で構成される大当り図柄([222][444][666][888])から非確変大当りを認識し得るように構成されている。また、特別図柄は、確変大当りの特別図柄と非確変大当りの特別図柄とに分類されている。
次に、パチンコ遊技機10の電気的構成について図3にしたがって説明する。
パチンコ遊技機10の機裏側には、パチンコ遊技機10全体を制御する主制御手段としての主制御基板35が装着されている。主制御基板35は、パチンコ遊技機10全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて遊技を制御するための各種の制御指令としての制御信号(制御コマンド)を演算処理し、該制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、演出制御手段としてのサブ統括制御基板36と、演出制御手段としての表示制御基板37と、ランプ制御基板38と、音声制御基板39が装着されている。本実施形態では、これらの各制御基板36〜39によって主制御基板35が出力した制御信号に基づき遊技演出に係る各種制御を専門的に制御する副制御手段が構成されている。
サブ統括制御基板36は、主制御基板35が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、表示制御基板37、ランプ制御基板38及び音声制御基板39を統括的に制御する。表示制御基板37は、主制御基板35とサブ統括制御基板36が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示器H2の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)を制御する。また、ランプ制御基板38は主制御基板35とサブ統括制御基板36が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、各種ランプの発光態様(点灯(点滅)/消灯のタイミングなど)を制御する。また、音声制御基板39は、主制御基板35とサブ統括制御基板36が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、スピーカ17の音声出力態様(音声出力のタイミングなど)を制御する。
以下、主制御基板35、サブ統括制御基板36及び表示制御基板37について、その具体的な構成を説明する。
主制御基板35には、制御動作を所定の手順で実行することができる主制御用CPU35aと、主制御用CPU35aの制御プログラムを格納する主制御用ROM35bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM35cが設けられている。主制御用CPU35aには、主制御用ROM35bと主制御用RAM35cが接続されているとともに、上始動入賞口26に入球した遊技球を検知する始動口センサSE1と、下始動入賞口27に入球した遊技球を検知する始動口センサSE2と、普通図柄作動ゲート31を通過した遊技球を検知するゲートセンサSE3が接続されている。また、主制御用CPU35aには、特別図柄表示器H1と、普通図柄表示器H3と、特別図柄保留記憶表示器24と、普通図柄保留記憶表示器25が接続されている。そして、主制御用CPU35aは、大当り判定用乱数や変動パターン振分用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を主制御用RAM35cの設定領域に記憶(設定)することで更新前の値を書き換えており、乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。大当り判定用乱数は、大当りを付与するか否かの大当り判定(大当り抽選)で用いる乱数である。変動パターン振分乱数は、図柄変動ゲームの変動時間と演出内容(大当り演出、はずれリーチ演出、はずれ演出など)を決定する際に用いる乱数である。また、本実施形態の主制御用CPU35aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。
主制御用ROM35bには、前記制御プログラムに加え、複数種類の変動パターンと各種判定値(大当り判定値など)が記憶されている。変動パターンは、図柄(特別図柄及び飾り図柄)が変動を開始(図柄変動ゲームが開始)してから図柄が確定停止表示(図柄変動ゲームが終了)される迄の間の遊技演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンを示すものである。変動パターンには、該変動パターン毎に、図柄変動ゲームの開始から終了までの変動時間が定められている。また、変動パターンは、大当り演出、はずれリーチ演出及びはずれ演出からなる演出内容毎に分類されている。大当り演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経て最終的に大当り図柄を停止表示させるように展開される演出である。はずれリーチ演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経て最終的にはずれ図柄を確定停止表示させるように展開される演出である。はずれ演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経ることなく最終的にはずれ図柄を確定停止表示させるように展開される演出である。
大当り判定値は、大当り判定で用いる判定値であり、大当り判定用乱数の取り得る数値の中から定められている。例えば、大当り判定用乱数の取り得る数値を「0(零)」〜「599」までの全600通りの整数に設定し、その値の中から大当り判定値として2つの値を設定した場合、大当り判定が肯定判定される割合、すなわち大当りの当選確率は600分の2(300分の1)となる。
図4は、主制御用ROM35bに記憶される変動パターン振分けテーブルを模式的に示した図である。なお、図4には、大当り演出用の変動パターンP1,P2と、はずれリーチ演出用の変動パターンP3と、はずれ演出用の変動パターンP4の4種類を示しているが、変動パターン振分けテーブルには変動パターンP1〜P4以外にも数十種類(例えば、40種類や50種類)の変動パターンが振分けられている。図4の変動パターン振分けテーブルには、説明を簡略化するために、4種類の変動パターンP1〜P4のみを示している。
これらの変動パターンP1〜P4には、それぞれに複数種類(本実施形態では2種類)の図柄変動ゲームの演出内容が対応付けられている。具体的には、大当り演出用の変動パターンP1には、演出内容P1a(スーパーリーチ)と演出内容P1b(ミッション演出)の2種類が振分けられているとともに、大当り演出用の変動パターンP2には、演出内容P2a(ノーマルリーチ)と演出内容P2b(ミッション演出)の2種類が振分けられている。また、はずれリーチ演出用の変動パターンP3には、演出内容P3a(スーパーリーチ)と演出内容P3b(ミッション演出)の2種類が振分けられているとともに、はずれ演出用の変動パターンP4には、演出内容P4a(通常変動)と演出内容P4b(ミッション演出)の2種類が振分けられている。
ノーマルリーチとスーパーリーチはリーチ演出の種類を示し、スーパーリーチはノーマルリーチを経由して行われるリーチ演出であって、リーチ演出が発展する演出内容となっている。一般的には、ノーマルリーチからスーパーリーチへリーチ演出が発展した場合の方が、大当りの期待度が高くなるように設定されている。また、通常変動は、リーチの形成によるリーチ演出を実行させることなく(すなわち、リーチ図柄が表示されない)、3列を予め定めた変動停止順序(本実施形態では左列→右列→中列)にしたがって図柄を停止表示させる演出内容となっている。これらのノーマルリーチ、スーパーリーチ、及び通常変動は、本実施形態において図柄変動ゲーム中に実行される演出パターンとなり、これらの演出パターンに基づき、演出としてのリーチ演出(ノーマルリーチ演出、スーパーリーチ演出)や通常変動演出が実行される。
各変動パターンP1〜P4に振分けられた演出内容は、主制御基板35(主制御用CPU35a)が図柄変動ゲームの開始時に選択した変動パターンの種類に応じて、サブ統括制御基板36(統括制御用CPU36a)が乱数抽選によって決定する。そして、統括制御用CPU36aが、これらの変動パターンP1〜P4の演出内容としてミッション演出に対応する演出内容P1b,P2b,P3b,P4bを決定した場合には、図柄変動ゲームにおいてミッション演出を発生させるように制御される。ミッション演出が発生した場合には、その発生時に遊技者に対して複数種類のミッションが付与される。
次に、サブ統括制御基板36について説明する。
サブ統括制御基板36には、制御動作を所定の手順で実行することができる統括制御用CPU36aと、統括制御用CPU36aの制御プログラムを格納する統括制御用ROM36bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる統括制御用RAM36cが設けられている。統括制御用CPU36aには、統括制御用ROM36bと統括制御用RAM36cが接続されている。そして、統括制御用CPU36aは、予告抽選用乱数やミッション抽選用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を統括制御用RAM36cの設定領域に記憶(設定)することで更新前の値を書き換えており、乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。また、本実施形態の統括制御用CPU36aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。
予告抽選用乱数は、図柄変動ゲームで実行させる予告演出の演出内容を決定する際に用いる乱数である。本実施形態のパチンコ遊技機10は、予告演出としてリーチ形成前に実行させるリーチ前予告演出としてのリーチ前予告とリーチ形成後に実行させるリーチ後予告演出としてのリーチ後予告の2種類を実行可能に構成されている。このため、統括制御用CPU36aは、予告抽選用乱数として、リーチ前予告を決定するための第1予告抽選用乱数とリーチ後予告を決定するための第2予告抽選用乱数の2種類を生成するようになっている。
また、ミッション抽選用乱数は、ミッション演出の発生に伴って遊技者に付与するミッション(ミッション演出中に出現させるべき演出)を決定する際に用いる乱数である。本実施形態のパチンコ遊技機10は、ミッション演出の発生時に、図柄変動ゲーム中に出現するタイミングが異なる3つの演出を3つのミッションとして遊技者に提示するように構成されている。このため、統括制御用CPU36aは、ミッション抽選用乱数として、第1のミッション(第1の課題)MAを決定するための第1ミッション抽選用乱数と、第2のミッション(第2の課題)MBを決定するための第2ミッション抽選用乱数と、第3のミッション(第3の課題)MCを決定するための第3ミッション抽選用乱数を生成する。
そして、統括制御用ROM36bには、前記制御プログラムに加え、各種判定値(予告判定値とミッション判定値)と、予告演出の演出内容を振分けた予告振分けテーブルと、ミッション演出のミッションを振分けたミッション振分けテーブルが記憶されている。
予告判定値としての第1予告判定値は、リーチ前予告を決定する際に用いる判定値であり、第1予告抽選用乱数の取り得る数値の中から定められている。また、予告判定値としての第2予告判定値は、リーチ後予告を決定する際に用いる判定値であり、第2予告抽選用乱数の取り得る数値の中から定められている。ミッション判定値としての第1ミッション判定値は、第1のミッションMAを決定する際に用いる判定値であり、第1ミッション抽選用乱数の取り得る数値の中から定められている。ミッション判定値としての第2ミッション判定値は、第2のミッションMBを決定する際に用いる判定値であり、第2ミッション抽選用乱数の取り得る数値の中から定められている。ミッション判定値としての第3ミッション判定値は、第3のミッションMCを決定する際に用いる判定値であり、第3ミッション抽選用乱数の取り得る数値の中から定められている。
予告振分けテーブルとしてのリーチ前予告振分けテーブルには、リーチ前予告の演出内容が振分けられている。本実施形態のパチンコ遊技機10では、リーチ前予告として、演出表示器H2に予め定めた画像(キャラクタ画像や背景画像など)を、予め定めた規則(表示順序など)に従い、時間の経過に伴って段階的に表示させて内容を変化させる段階予告(「ステップアップ予告」とも言われる)を実行させるようになっている。
そして、リーチ前予告振分けテーブルには、演出内容として段階予告の段階数(ステップ数)が振分けられている。本実施形態の段階予告は、最大段階数を5段階としている。このため、リーチ前予告振分けテーブルには、演出内容として、ステップ1まで段階が進む演出内容と、ステップ2まで段階が進む演出内容と、ステップ3まで段階が進む演出内容と、ステップ4まで段階が進む演出内容と、ステップ5まで段階が進む演出内容が振分けられている。また、リーチ前予告振分けテーブルには、段階予告を実行させない演出内容も振分けられている。
予告振分けテーブルとしてのリーチ後予告振分けテーブルには、リーチ後予告の演出内容が振分けられている。本実施形態のパチンコ遊技機10では、リーチ後予告として、キャラクタ群の画像を表示させるキャラ群予告を実行させるようになっている。このキャラ群予告は、図柄変動ゲームでリーチが形成された直後に開始される。また、本実施形態では、キャラ群予告において画像表示されるキャラクの種類を、キャラクタA(「キャラA」)と、キャラクタB(「キャラB」)と、キャラクタC(「キャラC」)の3種類に設定している。
そして、リーチ後予告振分けテーブルには、演出内容としてキャラ群予告のキャラクタの種類が振分けられている。本実施形態のキャラ群予告は、3種類のキャラクタA,B,Cの何れか1つを表示させるようになっている。このため、リーチ後予告振分けテーブルには、演出内容として、キャラクタAを表示させる演出内容と、キャラクタBを表示させる演出内容と、キャラクタCを表示させる演出内容が振分けられている。また、リーチ後予告振分けテーブルには、キャラ群予告を実行させない演出内容も振分けられている。
これらのリーチ前予告(段階予告)及びリーチ後予告(キャラ群予告)は、本実施形態において図柄変動ゲーム中に実行される演出パターンとなり、これらの演出パターンに基づき、演出としての予告演出が実行される。
ミッション振分けテーブルとしての第1ミッション振分けテーブルには、リーチ前予告である段階予告の各演出内容(ステップ1〜5)を特定するための情報が振分けられている。ミッション振分けテーブルとしての第2ミッション振分けテーブルには、リーチ図柄となり得る図柄の種類(「1」〜「8」)を特定するための情報が振分けられている。リーチ図柄は図柄変動ゲームの開始時に決定されることから、本実施形態において図柄変動ゲーム中に実行される演出パターンとなり、この演出パターンに基づき、演出としてのリーチ図柄の表示によるリーチ形成が実行される。ミッション振分けテーブルとしての第3ミッション振分けテーブルには、リーチ後予告であるキャラ群予告の各演出内容(キャラA群、キャラB群、キャラC群)を特定するための情報が振分けられている。
そして、各ミッション振分けテーブルに振分けられた各情報には、それぞれに対応するミッション抽選用乱数の値が所定個数ずつ振分けられている。したがって、第1のミッションMAの決定時には乱数抽選により取得した第1ミッション抽選用乱数の値が振分けられた段階予告の演出内容を特定する情報が選択される。また、第2のミッションMBの決定時には乱数抽選により取得した第2ミッション抽選用乱数の値が振分けられた図柄を特定する情報が選択される。また、第3のミッションMCの決定時には乱数抽選により取得した第3ミッション抽選用乱数の値が振分けられたキャラ群予告の演出内容を特定する情報が選択される。
本実施形態において、ミッション演出のミッションを決定する際の対象となるリーチ前予告、リーチ図柄及びリーチ後予告は、図柄変動ゲーム中において図5に示すタイミングで出現し、これらの出現タイミングは相違している。すなわち、リーチ前予告である段階予告は、図柄変動ゲームの開始直後に開始され、最初の図柄列の変動が停止する前に終了するようになっている。このため、遊技者は、リーチ前予告により、大当りの前提となるリーチが形成されるか否かという点に注目することになる。また、遊技者は、リーチ形成時において、リーチの形成による大当りへの期待感を抱きつつ、リーチ図柄が如何なる種類の図柄であるか、すなわち確変大当りとなり得る図柄であるか又は非確変大当りとなり得る図柄であるかという点に注目することになる。そして、遊技者は、リーチ形成後のリーチ後予告により、大当りとなり得るか否かという点に注目することになる。このように本実施形態のミッション演出では、遊技者が期待する内容が異なる3種類の演出(リーチ前予告、リーチ図柄、リーチ後予告)を選択することで、これらの演出の出現タイミングで遊技者が抱く演出自体への期待に加え、課題達成への期待感も抱くことが可能となる。
次に、表示制御基板37について説明する。
表示制御基板37には、制御動作を所定の手順で実行することができる表示制御用CPU37aと、表示制御用CPU37aの制御プログラムを格納する表示制御用ROM37bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる表示制御用RAM37cが設けられている。表示制御用CPU37aには、演出表示器H2(画像表示部GH)が接続されている。また、本実施形態の表示制御用CPU37aはタイマ機能を搭載しており、所定のタイミング(例えば、図柄変動ゲームを開始するタイミング)で時間を計測する。表示制御用ROM37bには、各種の画像データ(図柄、背景、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。
以下、主制御基板35、サブ統括制御基板36及び表示制御基板37が実行する制御内容を説明する。
最初に、主制御基板35について説明する。
主制御基板35の主制御用CPU35aは、上始動入賞口26又は下始動入賞口27へ遊技球が入球し、該遊技球を検知した始動口センサSE1,SE2が出力する検知信号を入力すると、主制御用RAM35cに記憶されている特別図柄用の保留記憶数が上限数(本実施形態では4)未満であるか否かの保留判定を行う。保留判定の判定結果が肯定(特別図柄用の保留記憶数<4)の場合、主制御用CPU35aは、特別図柄用の保留記憶数を1加算(+1)し、特別図柄用の保留記憶数を書き換える。また、主制御用CPU35aは、特別図柄用の保留記憶数の書き換えに伴って該書き換え後の前記保留記憶数に対応する数の保留ランプを点灯させる。例えば、主制御用CPU35aは、書き換え後の特別図柄用の保留記憶数が「3」の場合、3つの保留ランプを点灯させる。また、主制御用CPU35aは、保留判定を肯定判定している場合、大当り判定用乱数の値を主制御用RAM35cから取得し、その値を特別図柄用の保留記憶数に対応付けて主制御用RAM35cの所定の記憶領域に格納する。なお、主制御用CPU35aは、保留判定の判定結果が否定(保留記憶数=4)の場合、上限数を超える特別図柄用の保留記憶数の書き換えを行わないとともに、大当り判定用乱数の値も取得しない。
そして、主制御用CPU35aは、図柄変動ゲームの開始直前に、主制御用RAM35cの所定の記憶領域に格納した大当り判定用乱数の値を読み出し、該値と主制御用ROM35bに記憶されている大当り判定値とを比較し、大当りか否かの大当り判定を行う。大当り判定の判定結果が肯定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが一致)の場合、主制御用CPU35aは、大当りを決定する。大当りを決定した主制御用CPU35aは、特別図柄表示器H1で行われる図柄変動ゲームで確定停止表示させる特別図柄として大当り図柄を決定する。また、大当りを決定した主制御用CPU35aは、変動パターン振分用乱数の値を主制御用RAM35cから取得し、該値に対応する変動パターンを大当り演出用の変動パターンの中から選択して決定する。
一方、主制御用CPU35aは、大当り判定の判定結果が否定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが不一致)の場合、はずれを決定する。そして、はずれを決定した主制御用CPU35aは、はずれリーチ演出を実行するか否かを乱数抽選で決定する。はずれリーチ演出の実行を決定した場合、主制御用CPU35aは、特別図柄表示器H1に確定停止表示させる特別図柄としてはずれ図柄を決定するとともに、変動パターン振分用乱数の値を主制御用RAM35cから取得し、該値に対応する変動パターンをはずれリーチ演出用の変動パターンの中から選択して決定する。一方、はずれリーチ演出の非実行を決定した場合、主制御用CPU35aは、前述同様にはずれ図柄を決定するとともに、変動パターン振分用乱数の値を主制御用RAM35cから取得し、該値に対応する変動パターンをはずれ演出用の変動パターンの中から選択して決定する。
特別図柄及び変動パターンを決定した主制御用CPU35aは、所定の制御コマンドを所定のタイミングでサブ統括制御基板36(統括制御用CPU36a)に出力する。具体的に言えば、主制御用CPU35aは、最初に変動パターンを指示するとともに図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを出力する。次に、主制御用CPU35aは、特別図柄を指示する特別図柄用の停止図柄指定コマンドを出力する。そして、主制御用CPU35aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に、図柄変動ゲームの終了(図柄の確定停止)を指示する図柄停止コマンドを出力する。
また、主制御用CPU35aは、図柄変動ゲームの開始時に特別図柄用の保留記憶数を1減算(−1)し、特別図柄用の保留記憶数を書き換える。そして、主制御用CPU35aは、特別図柄用の保留記憶数の書き換えに伴って該書き換え後の前記保留記憶数に対応する数の保留ランプを点灯させる。また、主制御用CPU35aは、図柄変動ゲームの開始に伴って特別図柄表示器H1の表示内容を制御する。すなわち、主制御用CPU35aは、図柄変動ゲームの開始により特別図柄の変動を開始させ、決定した変動パターンに定められている変動時間の経過時に決定した特別図柄(大当り図柄又ははずれ図柄)を確定停止表示させる。本実施形態では、制御プログラムにしたがって大当り判定を実行する主制御用CPU35aが、遊技者に有利となる大当りを付与するか否かを判定する大当り判定手段として機能する。
次に、サブ統括制御基板36について説明する。
サブ統括制御基板36の統括制御用CPU36aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、該コマンドを表示制御基板37、ランプ制御基板38及び音声制御基板39に出力する。また、統括制御用CPU36aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンドを入力すると、該コマンドに対応する特別図柄の停止図柄指定に応じて演出表示器H2に停止表示させる図柄組み合わせを構成する飾り図柄を決定する。また、統括制御用CPU36aは、図柄停止コマンドを入力すると、該コマンドを表示制御基板37、ランプ制御基板38及び音声制御基板39に出力する。
以下、サブ統括制御基板36の実行する処理内容を説明する。
本実施形態では、以下に説明する処理を制御プログラムにしたがって実行する統括制御用CPU36aが、課題付与演出制御手段として機能する。
統括制御用CPU36aは、ミッション演出の非実行中であるか、ミッション演出の発生時であるか、ミッション演出中であるか、ミッション演出の終了時であるかを示す演出モードフラグを統括制御用RAM36cに設定する。統括制御用CPU36aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、該変動パターンに対応する演出内容の中から1つの演出内容を決定する(図4参照)。このとき、統括制御用CPU36aは、ミッション演出の非実行中において決定した演出内容が「ミッション演出」である場合、今回の図柄変動ゲームでミッション演出を開始(発生)させることから、演出モードフラグに「ミッション演出の発生時」である旨を示すフラグを設定する。そして、統括制御用CPU36aは、前記フラグを設定すると、ミッション演出において遊技者に提示するミッションを選択する。すなわち、統括制御用CPU36aは、第1〜第3ミッション抽選用乱数の値を統括制御用RAM36cから取得し、その値に対応するミッションを各ミッション振分けテーブルから選択し、選択結果を統括制御用RAM36cに設定する。この制御により、図柄変動ゲームの開始直前に、ミッション演出の発生に伴って遊技者に付与するミッションを決定する。この決定したミッションは、ミッション指定コマンドにより、表示制御基板37に出力される。
そして、統括制御用CPU36aは、ミッション演出を発生させる図柄変動ゲームの開始とともに、演出モードフラグの設定値を、「ミッション演出の発生時」を示す値から「ミッション演出中」である旨を示す値に設定する。また、統括制御用CPU36aは、ミッション演出の開始に伴って、ミッション演出の付与期間(継続期間)の計測を開始する。本実施形態では、ミッション演出を付与する期間を図柄変動ゲームの回数で管理するようになっている。本実施形態では、最大付与期間を図柄変動ゲームが「30回」行われるまでとしている。このため、統括制御用CPU36aは、ミッション演出の開始時に前記回数(30(回))を統括制御用RAM36cのゲーム数カウンタに設定し、ミッション演出の開始後、変動パターン指定コマンドを入力する毎にゲーム数カウンタの値を1減算する。また、ミッション演出中、統括制御用CPU36aは、変動パターン指定コマンドの入力により決定する演出内容としてミッション演出を含まない演出内容を決定する。
そして、ミッション演出を開始させた統括制御用CPU36aは、変動パターン指定コマンドを入力する毎に、ゲーム数カウンタの減算とともに減算後のカウンタ値が前記ミッション演出の最大付与期間に相当する数に達したか否かを判定する。この判定結果が肯定の場合、統括制御用CPU36aは、今回の図柄変動ゲームの終了とともにミッション演出も終了させることから、演出モードフラグの設定値を、「ミッション演出中」を示す値から「ミッション演出の終了時」を示す値に設定する。また、統括制御用CPU36aは、ミッション演出中に大当り演出用の変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドを入力した場合、前記カウンタ値に拘らず、演出モードフラグの設定値を、「ミッション演出中」を示す値から「ミッション演出の終了時」を示す値に設定する。その後、統括制御用CPU36aは、ミッション演出の終了となる図柄変動ゲームの終了、すなわち図柄停止コマンドの入力により、演出モードフラグの設定値を、「ミッション演出の終了時」を示す値から「ミッション演出の非実行中」を示す値に設定する。
図7は、前述した演出モードフラグの設定処理とともに、図柄変動ゲームの開始時に統括制御用CPU36aが実行する変動開始時処理を示す。
変動開始時処理にて統括制御用CPU36aは、演出用図柄作成処理を実行する(ステップS1)。ステップS1の演出用図柄作成処理にて統括制御用CPU36aは、特別図柄の停止図柄指定の指定内容と統括制御用RAM36cに設定されている演出表示モードフラグの設定内容を確認し、飾り図柄を生成する。すなわち、統括制御用CPU36aは、特別図柄の停止図柄指定が大当り図柄の場合には前記図柄組み合わせを構成する飾り図柄として大当り図柄を作成する。一方、統括制御用CPU36aは、特別図柄の停止図柄指定がはずれ図柄の場合には前記図柄組み合わせを構成する飾り図柄としてはずれ図柄を作成する。このとき、統括制御用CPU36aは、変動パターン指定コマンドではずれリーチ演出用の変動パターンが指示されている場合、飾り図柄のはずれ図柄として左右列の図柄が同一種類となるリーチ図柄を含めて作成する。また、統括制御用CPU36aは、変動パターン指定コマンドではずれ演出用の変動パターンが指示されている場合、飾り図柄のはずれ図柄として前記リーチ図柄を含めずに作成する。
そして、本実施形態のパチンコ遊技機10のように5ライン機の場合、統括制御用CPU36aは、有効ラインL1(第1列用中図柄表示位置D2、第2列用中図柄表示位置D5、第3列用中図柄表示位置D8)上に表示させる飾り図柄を作成する。このように有効ラインL1上に表示させる図柄を作成すれば、その他の図柄表示位置に表示される図柄の種類は、各図柄列の図柄の表示順序にしたがって必然的に決定されることになる。そして、飾り図柄を作成した統括制御用CPU36aは、有効ラインL1を図柄決定用の基準ラインとした場合、有効ラインL1(第1列用中図柄表示位置D2、第2列用中図柄表示位置D5、第3列用中図柄表示位置D8)上に表示させる飾り図柄を指定する内容の飾図指定コマンドを統括制御用RAM36cに設定する。この飾図指定コマンドは、次周期以降の制御で実行する出力処理にて表示制御基板37に出力される。なお、本実施形態では、有効ラインL1を図柄決定用の基準ラインとして図柄を決定しているが、前記基準ラインを他の有効ラインに変更しても良い。
次に、演出用図柄作成処理で飾り図柄を作成した統括制御用CPU36aは、予告抽選を行う(ステップS2)。ステップS2の予告抽選にて統括制御用CPU36aは、予告抽選用乱数の値を統括制御用RAM36cから取得する。ステップS2で取得される予告抽選用乱数の値は、乱数更新処理において統括制御用RAM36cに設定されたカウント値である。そして、ステップS2にて統括制御用CPU36aは、リーチ前予告の実行可否及び実行する場合には予告内容(ステップアップ予告のステップ数)を決定する。また、ステップS2にて統括制御用CPU36aは、リーチ演出を伴う変動パターン(大当り演出用、はずれリーチ演出用)を入力している場合にはリーチ後予告の実行可否及び実行する場合には予告内容(キャラ群予告の種類)を決定する。そして、統括制御用CPU36aは、リーチ前予告を指示するリーチ前予告指定コマンドとリーチ後予告を指示するリーチ後予告指定コマンドを統括制御用RAM36cに設定する。これらの予告指定コマンドは、次周期以降の制御で実行する出力処理にて表示制御基板37に出力される。
次に、予告抽選を行った統括制御用CPU36aは、演出表示モードフラグの設定内容を確認し、ミッション演出中であるか否かを判定する(ステップS3)。この判定結果が否定の場合、統括制御用CPU36aは、ステップS18に移行する。一方、ステップS3の判定結果が肯定の場合、統括制御用CPU36aは、今回の図柄変動ゲームが大当りとなるか否かを判定する(ステップS4)。ステップS4にて統括制御用CPU36aは、特別図柄の停止図柄指定の指定内容を確認し、その指定された図柄が大当り図柄及びはずれ図柄の何れの図柄であるかにより、大当りとなるか又ははずれとなるかを判定する。そして、ステップS4の判定結果が否定の場合、統括制御用CPU36aは、ステップS12(図8)以降の処理を実行する。
ステップS4の判定結果が肯定の場合、統括制御用CPU36aは、ステップS2で決定したリーチ前予告が、第1のミッションMAとして提示したリーチ前予告と一致するか否かを判定する(ステップS5)。この判定結果が肯定の場合、統括制御用CPU36aは、今回の図柄変動ゲームにおいて第1のミッションMAが達成されることになるので、リーチ前予告後に表示するミッション達成演出を指定する達成演出指定コマンドを統括制御用RAM36cに設定し(ステップS6)、ステップS18に移行する。達成演出指定コマンドは、次周期以降の制御で実行する出力処理にて表示制御基板37に出力される。
ステップS5の判定結果が否定の場合、統括制御用CPU36aは、リーチ図柄が、第2のミッションMBとして提示したリーチ図柄と一致するか否かを判定する(ステップS7)。ステップS7の判定結果が肯定の場合、統括制御用CPU36aは、今回の図柄変動ゲームにおいて第2のミッションMBが達成されることになるので、リーチ成立後に表示するミッション達成演出を指定する達成演出指定コマンドを統括制御用RAM36cに設定し(ステップS8)、ステップS18に移行する。達成演出指定コマンドは、次周期以降の制御で実行する出力処理にて表示制御基板37に出力される。
ステップS7の判定結果が否定の場合、統括制御用CPU36aは、ステップS2で決定したリーチ後予告が、第3のミッションMCとして提示したリーチ後予告と一致するか否かを判定する(ステップS9)。この判定結果が肯定の場合、統括制御用CPU36aは、今回の図柄変動ゲームにおいて第3のミッションMCが達成されることになるので、リーチ後予告後に表示するミッション達成演出を指定する達成演出指定コマンドを統括制御用RAM36cに設定し(ステップS10)、ステップS18に移行する。達成演出指定コマンドは、次周期以降の制御で実行する出力処理にて表示制御基板37に出力される。
ステップS9の判定結果が否定の場合、統括制御用CPU36aは、ステップS2で決定したリーチ後予告を、第3のミッションMCとして提示したリーチ後予告に書き換え(ステップS11)、その後にステップS10へ移行する。すなわち、ステップS9の判定結果が否定の場合は、ミッション演出中に行われる今回の図柄変動ゲームは大当りとなるが、ミッション演出の開始時に遊技者に提示した演出(課題)に対応する演出パターン(リーチ前予告、リーチ図柄、リーチ後予告)が何れも選択されていない状態である。このため、統括制御用CPU36aは、ミッション演出の達成によって恰も大当りが生起されたかのような遊技を実現するために、ステップS11でリーチ後予告を第3のミッションMCとして提示したリーチ後予告と一致させるように強制的に書き換える。
ステップS18に移行した統括制御用CPU36aは、演出表示モードフラグに対応したモードを指定するモード演出コマンドを統括制御用RAM36cに設定する。モード演出コマンドは、次周期以降の制御で実行する出力処理にて表示制御基板37に出力される。
一方、ステップS4を否定判定し、ステップS12(図8)に移行した統括制御用CPU36aは、ミッション演出中に行われるはずれとなる図柄変動ゲームで遊技者に提示した演出が出現しないように演出の出現を規制する処理を行う。すなわち、統括制御用CPU36aは、ステップS12にてステップS2で決定したリーチ前予告が、第1のミッションMAとして提示したリーチ前予告と一致するか否かを判定する。この判定結果が肯定の場合、統括制御用CPU36aは、ステップS2で決定したリーチ前予告を、第1のミッションMAとして提示したリーチ前予告とは異なるリーチ前予告に強制的に書き換え(ステップS13)、その後にステップS14へ移行する。ステップS12の判定結果が否定の場合、統括制御用CPU36aは、ステップS2で決定したリーチ前予告が、第1のミッションMAとして提示したリーチ前予告と一致しないので、ステップS14へ移行する。
ステップS14に移行した統括制御用CPU36aは、リーチ図柄が、第2のミッションMBとして提示したリーチ図柄と一致するか否かを判定する。この判定結果が肯定の場合、統括制御用CPU36aは、リーチ図柄を、第2ミッションMBとして提示したリーチ図柄とは異なるリーチ図柄に強制的に書き換え(ステップS15)、その後にステップS16へ移行する。ステップS14にて統括制御用CPU36aは、リーチ図柄同士が異なる場合、及び今回の図柄変動ゲームでリーチ演出が行われない場合、ステップS14を否定判定する。ステップS14の判定結果が否定の場合、統括制御用CPU36aは、リーチ図柄が、第2のミッションMBとして提示したリーチ図柄と一致しないので、ステップS16へ移行する。
ステップS16に移行した統括制御用CPU36aは、ステップS2で決定したリーチ後予告が、第3のミッションMCとして提示したリーチ後予告と一致するか否かを判定する。この判定結果が肯定の場合、統括制御用CPU36aは、ステップS2で決定したリーチ後予告を、第3のミッションMCとして提示したリーチ後予告とは異なるリーチ後予告に強制的に書き換え(ステップS17)、その後にステップS18へ移行する。ステップS16の判定結果が否定の場合、統括制御用CPU36aは、ステップS2で決定したリーチ後予告が、第3のミッションMCとして提示したリーチ後予告と一致しないので、ステップS18へ移行する。
次に、表示制御基板37について説明する。
表示制御基板37の表示制御用CPU37aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、該コマンドに指示される変動パターンに対応する演出内容(ゲーム用の表示パターン)を選択し、該演出内容で図柄変動ゲームを行わせるように画像表示部GHの表示内容を制御する。このとき、表示制御用CPU37aは、選択した演出内容をもとに表示制御用ROM37bの画像データを用いて前記演出内容に沿った画像を表示するための表示用データを生成する。そして、表示制御用CPU37aは、図柄変動ゲームの開始に伴って該ゲームの開始からの経過時間を計時し、その計時した時間と表示用データをもとに画像表示部GHに映し出す画像を所定の制御周期毎に切り替える。そして、表示制御用CPU37aは、図柄変動ゲーム中に図柄停止コマンドを入力すると、飾図指定コマンドで指示された飾り図柄を画像表示部GHに確定停止表示させるように画像表示部GHの表示内容を制御し、図柄変動ゲームを終了させる。
また、表示制御用CPU37aは、リーチ前予告指定コマンド及びリーチ後予告指定コマンドを入力すると、これらのコマンドに指示される演出内容の予告演出(リーチ前予告とリーチ後予告)を図柄変動ゲームにおいて規定した出現タイミングで行わせるように画像表示部GHの表示内容を制御する。
また、表示制御用CPU37aは、モード演出コマンドを入力し、該コマンドで指示されたモード(ミッション演出の非実行中、ミッション演出の発生時、ミッション演出中、ミッション演出の終了時)にしたがって画像表示部GHの表示内容を制御する。すなわち、表示制御用CPU37aは、ミッション演出の非実行中を指示するモード演出コマンドを入力した場合、画像表示部GHの表示内容をミッション演出が発生していない通常の表示内容に制御する。
また、表示制御用CPU37aは、ミッション演出の発生時を指示するモード指定コマンドを入力した場合、画像表示部GHの表示内容をミッション演出の発生時の表示内容に制御する。具体的には、ミッション演出が開始することを遊技者に報知した後、画像表示部GHに情報表示領域Z1〜Z4を形成し、遊技者に提示する3つのミッションを情報表示領域Z1〜Z3に表示させるとともにミッション演出の付与期間を情報表示領域Z4に表示させる。図9(a)は、ミッション演出の発生時の画像表示部GHを示す。図9(a)に示すように、画像表示部GHの情報表示領域Z1には、ミッション指定コマンドに指定される第1のミッションMAを示す情報(図9(a)では「ステップ3を出してね」を例示する)が表示される。また、図9(a)に示すように、画像表示部GHの情報表示領域Z2には、ミッション指定コマンドに指定される第2のミッションMBを示す情報(図9(a)では「5でリーチをかけてね」を例示する)が表示される。また、図9(a)に示すように、画像表示部GHの情報表示領域Z3には、ミッション指定コマンドに指定される第3のミッションMCを示す情報(図9(a)では「キャラA群を出してね」を例示する)が表示される。また、図9(a)に示すように、画像表示部GHの情報表示領域Z4には、ミッション演出の付与期間を示す情報(図9(a)では「あと30回 どれか1つを達成してね」を例示する)が表示される。表示制御用CPU37aは、第1〜第3のミッションMA〜MCを示す情報を、ミッション演出の開始時に遊技者に一括して同時に提示するように画像表示部GHの表示内容を制御する。
また、表示制御用CPU37aは、ミッション演出中を指定するモード指定コマンドを入力した場合、画像表示部GHの表示内容をミッション演出中の表示内容に制御する。すなわち、表示制御用CPU37aは、前記モード指定コマンドを入力する毎に、情報表示領域Z1〜Z3の表示を維持する一方で、情報表示領域Z4の表示を変更する。具体的に言えば、表示制御用CPU37aは、情報表示領域Z4に表示させるミッション演出の付与期間を示す情報の回数を、前記モード指定コマンドの入力毎に「あと30回」→「あと29回」→「あと28回」→・・・「あと1回」というように変更する。
また、表示制御用CPU37aは、ミッション演出の終了時を指定するモード指定コマンドを入力した場合、画像表示部GHの表示内容をミッション演出の終了時の表示内容に制御する。すなわち、表示制御用CPU37aは、ミッション演出が終了する図柄変動ゲームの終了とともにミッション演出の終了を遊技者に報知するとともに、情報表示領域Z1〜Z4及び表示された情報を画像表示部GHから非表示とし、ミッション演出が発生していない通常の表示内容に戻すように制御する。
また、表示制御用CPU37aは、達成演出指定コマンドを入力した場合、画像表示部GHの表示内容をミッション達成時の表示内容に制御する。具体的には、図9(b)に示すように、ミッション達成を遊技者に報知する情報(図9(b)では「達成!」)を画像表示部GHに表示させる。このとき、表示制御用CPU37aは、ミッションを達成した時点で直ぐに前記情報(「達成!」)を画像表示部GHに表示させる。すなわち、表示制御用CPU37aは、リーチ前予告のミッション達成演出を指示する達成演出指定コマンドを入力した場合、リーチ前予告の出現後、直ぐに前記情報(「達成!」)を画像表示部GHに表示させる。また、表示制御用CPU37aは、リーチ成立後のミッション達成演出を指示する達成演出指定コマンドを入力した場合、リーチ図柄によるリーチ成立後(リーチ形成後)、直ぐに前記情報(「達成!」)を画像表示部GHに表示させる。また、表示制御用CPU37aは、リーチ後予告のミッション達成演出を指示する達成演出指定コマンドを入力した場合、リーチ後予告の出現後、直ぐに前記情報(「達成!」)を画像表示部GHに表示させる。そして、ミッション達成演出を表示させた表示制御用CPU37aは、画像表示部GHの表示内容を通常の表示内容に戻すように制御する。
このように構成した本実施形態のパチンコ遊技機10では、ミッション演出の開始時に、複数(3つ)のミッション(課題)が、遊技者に対して一括して同時に提示されることになる。このミッションの提示は、ミッション演出の開始時のみに行われる。また、本実施形態のミッション演出で提示するミッションは、リーチ前予告、リーチ図柄及びリーチ後予告であり、これらのミッションは図柄変動ゲーム中において出現するタイミングが異なる演出となっている。このため、ミッション演出を伴う図柄変動ゲームでは、これらの演出が出現する全てのタイミングで大当りを期待し、例えばリーチ前予告がミッションと異なる内容であっても、次のリーチ形成時におけるリーチ図柄に対して期待を抱くことが可能となる。そして、ミッション演出中に大当りとなる図柄変動ゲームが行われる場合には、当該図柄変動ゲームにおいて提示されたミッションの1つが必ず達成されることになる。このミッション達成の過程としては、大当りとなる図柄変動ゲームで出現するリーチ前予告、リーチ図柄及びリーチ後予告として提示されたミッションと同一のものを偶発的に選択し、出現する場合と、内部制御(演出書き換え)によって提示されたミッションと同一のものを強制的に選択し、出現する場合がある。しかし、何れの過程でミッション達成に至ったか、遊技者には判断することができない。
したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)ミッション演出では、ミッション(課題)として、図柄変動ゲーム中の出現タイミングが異なる複数の演出(リーチ前予告、リーチ図柄、リーチ後予告)が提示される。すなわちミッション演出を伴う図柄変動ゲームでは、前記演出の出現による大当りの期待を抱く時間的ポイントが複数存在する。このため、遊技者は、1つの大当りを期待する時間的ポイント(提示された演出が出現するポイント)で提示された演出が出現しなかった場合でも、他の演出が出現する時間的ポイントの到来によって当該演出の出現を期待し得る。したがって、ミッション演出中における大当りへの期待感を継続して抱くことができる。
(2)また、ミッション演出の開始時には、ミッションとして複数の演出が一括して提示されるので、ミッション演出の開始時から提示された複数の演出の出現に対する期待を抱くことができ、興趣の向上を図ることができる。
(3)ミッション演出は、30回の図柄変動ゲーム(連続する2回以上の図柄変動ゲーム)を実行可能な期間継続して付与する。このため、1回の図柄変動ゲームでミッションを達成できなかったとしても、次回以降の図柄変動ゲームにおける前記ミッションの達成を期待させることができる。
(4)ミッションとして提示される演出を予告演出やリーチ図柄に設定したので、これらの演出の出現タイミングにおいて予告演出の内容や、画像表示部GHに停止表示される図柄の種類に興味を持たせることができる。
(5)ミッションとしてリーチ前予告と、リーチ図柄と、リーチ後予告を提示するようにした。リーチ前予告は、図柄変動ゲームが大当りとなる場合の前提となるリーチが形成される前に行われる演出であるので、当該予告の内容によって大当りとなるか否かの期待を持ちつつ、大当りの前提となるリーチの形成に対する期待を抱かせることになる。また、リーチ図柄は、リーチの形成に対する期待とともに、何れの図柄(例えば、確変大当りを認識し得る図柄なのか、又は非確変大当りを認識し得る図柄なのか)でリーチが形成されるか否かに注目する。そして、リーチ後予告演出は、その内容によって大当りが形成されるか否かの期待が変化し、大当りに対する期待を抱かせる演出である。このため、ミッション演出で提示する演出として、これら遊技者の抱く期待内容が異なる3種類の演出を選択することで、これらの演出が出現するタイミングで遊技者が抱く期待に加えて、課題を達成し得るか否かという期待を抱くことができ、ミッション演出の興趣を効果的に高めることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 本実施形態では、ミッション演出において3つのミッションを提示したが、出現するタイミングが異なる演出であることを条件として、提示するミッションの数を3つに限らず、2つ以上の数に変更しても良い。
○ 本実施形態では、出現するタイミングが異なる演出を各1つずつ選択し、ミッションとして提示しているが、出現するタイミングが異なる演出を2つ以上ミッションとして提示した上で、これらの演出で提示するミッションの数を複数にしても良い。例えば、1つのリーチ前予告と、1つのリーチ後予告を提示し、リーチ図柄を「1」と「8」というように同一タイミングで出現する演出について複数のミッションを提示しても良い。
○ 本実施形態において、ミッションとして提示する演出を変更しても良い。例えば、「□□リーチを出してね」というようにリーチ演出の内容をミッションとして提示しても良い。また、本実施形態のパチンコ遊技機10のように5ライン機の場合には、リーチ図柄を指定せずに「ダブルリーチを形成してね」というようにリーチの形成態様をミッションとして提示しても良い。また、リーチ前予告の内容やリーチ後予告の内容は、段階予告やキャラ群予告に限らず、背景変化予告やすべり予告など、その他の予告演出の内容をミッションとして提示しても良い。
○ 実施形態において、ミッション演出の継続期間として設定する図柄変動ゲームの回数を、例えば「10回」「20回」「40回」などに変更しても良い。また、ミッション演出の継続期間として「3分」「5分」などの時間を設定しても良い。
○ 実施形態では、ミッション演出中に大当りとなる図柄変動ゲームが行われる場合において第1〜第3のミッションMA〜MCに合致する演出が選択されていないとき、リーチ後予告の内容をミッションに合致するよう強制的に書き換えていたが、書き換えを行わないようにしても良い。すなわち、ミッション演出中に、ミッションとして提示された演出が出現することなく大当りとなる図柄変動ゲームが行われても良い。
○ 実施形態において、ミッション演出中に大当りとなる図柄変動ゲームが行われる場合であって、第1〜第3のミッションMA〜MCに合致する演出が選択されていないとき、リーチ前予告やリーチ図柄の書き替えを行うことにより、ミッションを達成させるようにしても良い。
○ 実施形態では、1つのミッションの達成によって大当り図柄を導出させるように構成しているが、複数のミッションの達成によって大当り図柄を導出させるようにしても良い。
○ 実施形態において、サブ統括制御基板36の処理を表示制御基板37で行うように構成しても良い。
○ 実施形態は、5本の有効ラインL1〜L5が形成されるパチンコ遊技機10に具体化したが、1本、2本、又は8本などの有効ラインが形成されるパチンコ遊技機に具体化しても良い。
○ 実施形態では、ミッション演出のミッションとしてリーチ前予告と、リーチ図柄と、リーチ後予告の3種類を一義的に決定しているが、常に3種類のミッションを提示する必要はなく、例えば2種類のミッションを提示する場合や4種類のミッションを提示する場合を設定しても良い。すなわち、提示するミッション数を変化させても良い。
○ 実施形態において、ミッション演出の終了契機を規定回数(本実施形態では30回)の到達のみとし、規定回数に達する前に大当りとなった場合には、大当り遊技終了後に残りの回数分だけミッション演出を継続させるようにしても良い。
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