上述した本発明の内容を明確にするために、本発明を「セブン機」や「デジパチ」と呼ばれるタイプのパチンコ機に適用した実施例について説明する。
A.パチンコ機の装置構成 :
A−1.装置前面側の構成 :
図1は、本実施例のパチンコ機1の正面図である。図1に示すように、パチンコ機1の前面部は、大きくは、前面枠4、上皿部5、下皿部6、遊技盤10などから構成されている。なお、図1では遊技盤10の詳細な図示を省略している。前面枠4は、図示しない中枠3に取り付けられており、中枠3は、図示しない本体枠2に取り付けられている。中枠3はプラスチック材料で成形されており、本体枠2の内側に取り付けられている。本体枠2は、木製の板状部材を組み立てて構成された略長方形の枠体であり、パチンコ機1の外枠を形成している。前面枠4の一端は中枠3に対して回動可能に軸支されており、中枠3の一端は本体枠2に対して回動可能に軸支されている。遊技盤10は中枠3の前面側に着脱可能に取り付けられており、その前面側が前面枠4で覆われている。
前面枠4は、プラスチック材料で成形されており、略中央部には円形状の窓部4aが形成されている。この窓部4aにはガラス板等の透明板が嵌め込まれており、奥側に配置される遊技盤10の盤面が視認可能となっている。また、前面枠4には、遊技効果を高めるための各種LEDやランプ4b〜4fが設けられている。前面枠4の下方には上皿部5が設けられており、上皿部5の下方には下皿部6が設けられている。また、前面枠4の右側には施錠装置9が設けられており、前面枠4の左側には球貸装置13(いわゆるCRユニット)が設けられている。
上皿部5には、皿状の凹部と、凹部を取り巻くように形成された皿外縁部5aとが設けられている。遊技球は、上皿部5に形成された凹部に投入されて、発射装置ユニット12(図3参照)に供給される。皿外縁部5aには、遊技球の貸し出しを要求するための球貸ボタン5b、球貸装置13からICカードや磁気カード等の記憶媒体(以下、カード)を排出するための返却ボタン5c、投入した遊技球を排出するための排出ボタンなどの各種ボタン類が設けられている。また、上皿部5の前面側には、演出ボタン5dが設けられており、本実施例のパチンコ機1では、演出ボタン5dに対する遊技者の操作を受けて、その操作を遊技演出に反映させることが可能となっている。加えて、上皿部5の下部にはスピーカー5yが設けられている。
下皿部6には、パチンコ機1の内部から遊技球を排出するための排出口6aが設けられており、排出された遊技球は下皿部6内に貯留される。下皿部6の右端には発射ハンドル8が設けられている。発射ハンドル8には、遊技者がハンドルに触れていることを検出するタッチスイッチ8aが設けられている。発射ハンドル8の回転軸は、下皿部6の奥側に搭載された図示しない発射装置ユニット12に接続されており、遊技者が発射ハンドル8を回転させると、その動きが発射装置ユニット12に伝達され、ユニットに内蔵された図示しない発射モータが回転して、回転角度に応じた強さで遊技球が発射される。発射ハンドル8の左側面には、遊技者が操作して遊技球の発射を一時的に停止する発射停止スイッチ8bが配置されている。
A−2.遊技盤の構成 :
図2は、遊技盤10の盤面構成を示す説明図である。前述したように、遊技盤10は中枠3の前面側に着脱可能に取り付けられている。図2に示すように、遊技盤10の中央には、外レール14と内レール15とによって囲まれた略円形状の遊技領域11が形成されている。上述した発射装置ユニット12から発射された遊技球は、外レール14と内レール15との間を通って遊技領域11に放出され、遊技領域11を上方から下方に向かって流下する。
遊技領域11の略中央には中央装置26が設けられており、中央装置26のほぼ中央には演出表示装置27が設けられている。演出表示装置27は液晶表示器によって構成されており、その表示画面上では、識別図柄などの種々の演出図柄を変動表示した後に停止表示すると共に、背景画像を表示することが可能となっている。
中央装置26の左斜め下方には第1図柄表示装置28が設けられ、中央装置26の右斜め下方には第2図柄表示装置32が設けられている。このうち、第1図柄表示装置28では、普通図柄や第1特別図柄を変動表示することが可能となっており、第2図柄表示装置32では、第2特別図柄を変動表示することが可能となっている。尚、以下では、普通図柄を「普図」と略記し、第1特別図柄を「第1特図」と略記し、第2特別図柄を「第2特図」と略記することがあるものとする。
遊技領域11の左端および右端には、普通図柄左作動ゲート36と普通図柄右作動ゲート37とが設けられており、これらのゲートの内部には、遊技球の通過を検出するゲートスイッチ36s,37sがそれぞれ設けられている。また、左右の普通図柄作動ゲート36,37と中央装置26との間には、ランプ風車24,25が設けられている。更に、これら各遊技装置の間および周辺には、多数の障害釘23が設けられている。
また、中央装置26の下方には、始動口ユニット17が設けられている。始動口ユニット17は、2つの始動口が上下に組み合わせて構成されており、上側に設けられた第1始動口17aは、遊技球が入球する開口部の大きさが不変(一定)で遊技球が常時入球可能な入球口となっている。一方、下側に設けられた第2始動口17bは、左右に開閉可能な一対の翼片部17wや、翼片部17wを動作させる始動口ソレノイド17m(図3参照)などで構成されており、翼片部17wの開閉によって遊技球の入球可能性が変化する入球口となっている。第1始動口17aあるいは第2始動口17bに入球した遊技球は、それぞれの内部に設けられた通路を通って遊技盤10の裏面側に導かれる。第1始動口17aの内部の通路には第1始動口スイッチ17sが設けられており、第1始動口17aに入球した遊技球を検出可能である。また、第2始動口17bの内部の通路には第2始動口スイッチ17tが設けられており、第2始動口17bに入球した遊技球を検出可能である。
始動口ユニット17の下方には、大入賞装置31が設けられている。この大入賞装置31は、略長方形状に大きく開放する大入賞口31dや、大入賞口31dを開閉させる開閉部材31e、開閉部材31eを動作させる大入賞口ソレノイド31m(図3参照)などから構成されている。本実施例の大入賞装置31は、通常時には開閉部材31eによって塞がれた大入賞口31dに遊技球が入球不能な状態となっているが、後述する所定の条件が成立すると、大入賞口ソレノイド31mが作動して開閉部材31eが開動作され、大入賞口31dに遊技球が入球可能な状態となる。この結果、遊技球が高い確率で大入賞口31dに入球する遊技者にとって有利な大当り遊技が開始される。また、大入賞口31dの内部には大入賞口スイッチ31sが設けられており、大入賞口31dに入球した遊技球を検出することが可能である。また、大入賞装置31の下方にはアウト口48が設けられ、そのアウト口48の下方にはバック球防止部材58が設けられている。バック球防止部材58は、遊技領域11に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止する機能を有している。
A−3.制御回路の構成 :
次に、本実施例のパチンコ機1における制御回路の構成について説明する。図3は、本実施例のパチンコ機1における制御回路の構成を示したブロック図である。図示されているようにパチンコ機1の制御回路は、多くの制御基板や、各種基板などから構成されているが、その機能に着目すると、遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否(抽選)についての制御を司る主制御基板200と、演出図柄やランプや効果音を用いた遊技の演出の制御を司るサブ制御基板220と、サブ制御基板220の制御の下で演出表示装置27の具体的な制御を行う演出表示制御基板230と、貸球や賞球を払い出す動作の制御を司る払出制御基板240と、遊技球の発射に関する制御を司る発射制御基板260などから構成されている。これら制御基板は、各種論理演算および算出演算を実行するCPUや、CPUで実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM、プログラムの実行に際してCPUが一時的なデータを記憶するRAMなど、種々の周辺LSIがバスで相互に接続されて構成されている。尚、図3中に示した矢印の向きは、データあるいは信号を送受信する方向を表している。
主制御基板200のCPU201は、第1始動口スイッチ17sや、第2始動口スイッチ17t、大入賞口スイッチ31s、ゲートスイッチ36s,37sなどから遊技球の検出信号を受信すると、何れのスイッチからの検出信号であるかに応じて定められる各種の動作を指令するコマンドを、サブ制御基板220や、払出制御基板240、発射制御基板260などに向かって送信する。また、主制御基板200には、第2始動口17bの一対の翼片部17wを開閉させるための始動口ソレノイド17mや、大入賞口31dを開閉する開閉部材31eを動作させるための大入賞口ソレノイド31m、更には、第1図柄表示装置28、第2図柄表示装置32などが接続されており、これら各種ソレノイド17m,31m、図柄表示装置28,32に向かって駆動信号を送信することにより、これらの動作の制御も行う。
サブ制御基板220には、演出表示制御基板230、装飾駆動基板226、アンプ基板224、演出ボタン基板228などが接続されている。サブ制御基板220のCPU221は、主制御基板200からの各種コマンドを受信すると、コマンドの内容を解析して、その結果に応じた遊技の演出を行う。すなわち、前述した演出表示装置27の表示制御を行う演出表示制御基板230に対して表示内容を指定するコマンドを送信したり、スピーカー5yを駆動するアンプ基板224、装飾用の各種LEDやランプ4b〜4fを駆動する装飾駆動基板226に駆動信号を送信したりすることにより、遊技の演出を行う。また、サブ制御基板220のCPU221は、演出ボタン基板228を介して演出ボタン5dの操作信号を受信すると、その操作に対応する演出を行う。尚、演出の内容を決定する本実施例のサブ制御基板220のCPU221は、本発明の「第1制御手段」に相当している。
演出表示制御基板230は、CPU231、ROM232、RAM233に加えて、画像ROM234やVDP(図示せず)を備えている。演出表示制御基板230のCPU231は、サブ制御基板220からコマンドを受信すると、その受信したコマンドに対応する演出画像を演出表示装置27の表示画面に表示するための制御を行う。画像ROM234には、図柄変動演出や大当り遊技演出など種々の遊技演出に対応する演出画像のデータ(例えば、所定のキャラクタに対応する画像を表示するためのスプライトデータや動画データなど)が格納されている。尚、本実施例の演出表示装置27は、本発明の「演出表示部」に相当しており、演出表示装置27の表示制御を行う演出表示制御基板230のCPU231は、本発明の「第2制御手段」に相当している。
払出制御基板240は、いわゆる賞球や貸球の払い出しに関する各種の制御を司っている。例えば、主制御基板200から賞球の払出コマンドが送信されると、このコマンドを払出制御基板240が受信して、払出モータ109mに駆動信号を送信することによって賞球の払い出しを行う。また、払出制御基板240は、主制御基板200からの制御の下で、遊技球の発射を許可する信号(発射許可信号)を発射制御基板260に向かって送信しており、発射制御基板260は、この発射許可信号を受信して、発射装置ユニット12の駆動により遊技球を発射するための各種制御を行っている。さらに、遊技者が上皿部5の球貸ボタン5bや返却ボタン5cを操作すると、その操作信号は、球貸表示基板244から中継端子板242を介して、球貸装置13に伝達される。球貸装置13は、払出制御基板240と通信しながら、貸球の払い出しを行う。
B.遊技の概要 :
上述した構成を有する本実施例のパチンコ機1では、次のようにして遊技が行われる。先ず、遊技者が球貸装置13にカードを挿入して遊技球の貸し出しを受ける。そして、貸し出された遊技球を上皿部5の凹部に投入して発射ハンドル8を回転させると、上皿部5に投入された遊技球が、1球ずつ発射装置ユニット12に供給されて、図2を用いて前述した遊技領域11に発射される。遊技球を打ち出す強さは、発射ハンドル8の回転角度によって調整することが可能となっており、遊技者は発射ハンドル8の回転角度を変化させることによって、遊技球の狙いを付けることができる。
発射した遊技球が、遊技領域11の左右に設けられた何れかの普通図柄作動ゲート36,37を通過すると、中央装置26の左下方に設けられた第1図柄表示装置28において普通図柄の変動表示が開始される。第1図柄表示装置28には、普通図柄を表示するためのLED(普通図柄LED)が設けられおり、この普通図柄LEDの点滅を繰り返すことによって普通図柄の変動表示を行う。そして、予め定められた時間だけ点滅を繰り返した後、普通図柄LEDが点灯状態で停止した場合には、普通図柄の当りとなって、第2始動口17bが所定の開放時間だけ遊技球の入球が容易な開放状態となる。逆に、普通図柄LEDが消灯状態で停止した場合には普通図柄の外れとなって、第2始動口17bが開放状態となることはない。
また、遊技領域11に発射した遊技球が第1始動口17aに入球すると第1図柄表示装置28で第1特別図柄(第1特図)の変動表示が開始され、第2始動口17bに入球すると第2図柄表示装置32で第2特別図柄(第2特図)の変動表示が開始される。第1図柄表示装置28には、第1特図を表示するための複数のLED(第1特図LED)が設けられ、第2図柄表示装置32には、第2特図を表示するための複数のLED(第2特図LED)が設けられており、これらのLEDが所定の変動時間が経過するまで変動表示(点滅)した後、大当り図柄または外れ図柄で停止表示する。そして、特別図柄(第1特図、第2特図)が大当り図柄で停止表示されると、大入賞口31dに遊技球が入球可能な大当り遊技が開始される。尚、以下では、特別図柄の変動表示を開始してから大当り図柄または外れ図柄を停止表示するまでの遊技を「図柄変動遊技」とも表現する。
大当り遊技は、開閉部材31eを開けて大入賞口31dに遊技球が入球可能な状態となった後、所定の開放時間(例えば30秒)が経過するか、あるいは規定入球数(例えば9個)の遊技球が大入賞口31dに入球したら開閉部材31eを閉じて大入賞口31dに遊技球が入球不能な状態に戻るラウンド遊技を、複数回(例えば15回)繰り返すように構成されている。大入賞口31dに遊技球が1個入球する毎に所定数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出されるので、大当り遊技では、大入賞口31dに多くの遊技球を入球させることで、遊技者は多量の賞球を獲得可能である。
また、本実施例のパチンコ機1では、特別図柄(第1特図、第2特図)が大当り図柄で停止表示する確率(大当り確率)として、低確率と、低確率よりも高い高確率とが設けられている。さらに、大当り図柄には、通常当り図柄と確変当り図柄とが設けられており、確変当り図柄の停止表示により開始された大当り遊技が終了すると、図柄変動遊技の実行回数が所定回数(例えば30回)に達するまで大当り確率が高確率に設定される。また、大当り遊技の終了後は、第2始動口17bの開放時間が通常よりも長く設定される開放延長機能や、特別図柄の変動時間が通常よりも短く設定される変動短縮機能が作動し、これらの機能は、図柄変動遊技の実行回数が所定回数(例えば50回)に達するまで継続される。
また、上述した特別図柄(第1特図、第2特図)の図柄変動遊技と連動して、中央装置26の演出表示装置27では、識別図柄などの演出図柄を用いた遊技演出(以下、「図柄変動演出」とも表現する)が行われる。図4は、演出表示装置27で行われる図柄変動演出の一態様を例示した説明図である。液晶表示器で構成される演出表示装置27の表示画面には、3つの識別図柄27a,27b,27cと、その背景の背景画像27dとが表示される。第1図柄表示装置28あるいは第2図柄表示装置32にて特別図柄の変動表示が開始されると、図4(a)に示すように演出表示装置27においても3つの識別図柄27a,27b,27cが一斉に変動表示を開始する。本実施例では、識別図柄として「1」〜「9」の9つの数字を意匠化した図柄が用意されている。
こうして3つの識別図柄27a,27b,27cの変動表示が開始された後、所定時間が経過すると、初めに左識別図柄27aが「1」〜「9」のいずれかの図柄で停止表示され、次いで、右識別図柄27cが停止表示され、最後に中識別図柄27bが停止表示される。この演出表示装置27で停止表示される3つの識別図柄27a,27b,27cの組合せは、前述した第1図柄表示装置28あるいは第2図柄表示装置32で停止表示される特別図柄の停止表示態様(停止図柄)と連動するように構成されている。例えば、特別図柄が「大当り図柄」で停止表示される場合は、演出表示装置27の3つの識別図柄27a,27b,27cが同じ図柄で揃った組合せ(ゾロ目)で停止表示される。また、特別図柄が「外れ図柄」で停止表示される場合は、3つの識別図柄27a,27b,27cが同じ図柄で揃わない組合せ(バラケ目)で停止表示される。尚、本実施例の演出表示装置27には、保留表示領域27eが設けられており、特別図柄の変動表示中に遊技球が第1始動口17aあるいは第2始動口17bに入球した場合には、その入球を示す保留表示が保留表示領域27eに追加される。
このように演出表示装置27にて3つの識別図柄27a,27b,27cを用いて行われる図柄変動演出は、第1図柄表示装置28あるいは第2図柄表示装置32で行われる特別図柄(第1特図、第2特図)の図柄変動遊技と表示内容やタイミングが対応しており、しかも図2に示すように、遊技領域11の略中央に設けられた演出表示装置27は、第1図柄表示装置28や第2図柄表示装置32に比べて見やすく、表示内容も分かり易いので、遊技者は演出表示装置27の表示画面(図柄変動演出)を見ながら図柄変動遊技を進行させるのが通常である。そのため、図4(b)に示すように、演出表示装置27の表示画面で初めに停止表示される左識別図柄27aと、続いて停止表示される右識別図柄27cとが同じ図柄であった場合には、最後の中識別図柄27bも同じ図柄で停止表示されて、いわゆる大当り遊技が開始されるのではないかと、遊技者は図柄変動演出を注視することになる。このように2つの識別図柄を同じ図柄(大当り図柄となり得る態様)で停止表示させて最後の識別図柄を変動表示させた状態で行われる演出は「リーチ演出」と呼ばれており、このリーチ演出を発生させることで遊技興趣を高めることが可能となっている。また、詳しくは後述するが、本実施例のパチンコ機1では、「ミッション演出」と呼ばれる演出の実行が可能であり、ミッション演出で指令された内容(ミッション)を達成すると、高い確率で大当り遊技が開始されることから、ミッション演出を発生させることで大当り遊技に対する遊技者の期待を高めることができる。尚、本実施例のミッション演出は、本発明の「指令演出」に相当している。
C.遊技機の制御内容 :
C−1.遊技制御処理 :
図5は、主制御基板200に搭載されたCPU201が、遊技の進行を制御するために行う遊技制御処理の大まかな流れを示したフローチャートである。図5に示すように、遊技制御処理では、「賞球関連処理」「普通図柄遊技処理」「第2始動口閉鎖処理」「特図保留関連処理」「特別図柄遊技処理」「大当り遊技処理」などの各処理が繰り返し実行されている。CPU201は、所定周期毎に発生するタイマ割り込みに基づき遊技制御処理を行うように構成されており、本実施例では、4msec毎にタイマ割り込みが発生するものとなっている。つまり、図5に示す遊技制御処理は、CPU201における4msec毎のタイマ割り込み処理として実行される。そして、遊技制御処理中に、サブ制御基板220を初めとする各種制御基板に向けて、主制御基板200から各種コマンドを送信する。こうすることにより、パチンコ機1全体の遊技が進行するとともに、サブ制御基板220では、遊技の進行に合わせた演出の制御が行われることになる。以下、フローチャートに従って、主制御基板200に搭載されたCPU201が行う遊技制御処理について説明する。
主制御基板200のCPU201は、遊技制御処理を開始すると、遊技球を賞球として払い出すための処理(賞球関連処理)を行う(S50)。この処理では、主制御基板200に接続された各種スイッチのうち、遊技球の入賞に関わるスイッチ(第1始動口スイッチ17sや、第2始動口スイッチ17t、大入賞口スイッチ31sなど)について、遊技球が入球したか否かを検出する。そして、遊技球の入球が検出された場合には、払い出すべき賞球数を算出した後、払出制御基板240に向かって賞球数指定コマンドを送信する。払出制御基板240は、主制御基板200から送信された賞球数指定コマンドを受信するとコマンドの内容を解釈し、その結果に従って、払出モータ109mに駆動信号を送信することにより、実際に賞球を払い出す処理を行う。
主制御基板200のCPU201は、賞球関連処理(S50)に続いて、普通図柄遊技処理を行うか否かを判断する(S100)。この判断は、第2始動口17bが開放状態であるか否かを検出することによって行う。第2始動口17bが開放状態でなければ普通図柄遊技処理を行うものと判断し(S100:yes)、第2始動口17bが開放状態であれば普通図柄遊技処理は行わないものと判断する(S100:no)。そして、普通図柄遊技処理を行うと判断した場合は(S100:yes)、以下に説明する普通図柄遊技処理を行う(S150)。これに対して、普通図柄遊技処理を行わないと判断した場合は(S100:no)、普通図柄遊技処理(S150)は省略する。
普通図柄遊技処理(S150)では、主に次のような処理を行う。先ず、普通図柄の保留(普図保留)が存在するか否か(「0」であるか否か)を判定し、普図保留が存在する場合には普通図柄の当り判定を行う。ここで、普図保留は、遊技球が何れかの普通図柄作動ゲート36,37を通過することにより取得される普図当り判定乱数値を記憶するものであり、本実施例では、その記憶数(保留数)の上限値を「4」としている。普通図柄の当り判定は、記憶された普図当り判定乱数値を用いて普図当り判定テーブルを参照しながら行われる。普通当り判定テーブルとは、普図当り判定乱数値に対応付けて「当り」または「外れ」の判定結果が設定されているテーブルであり、主制御基板200のROM202に予め記憶されている。そして、普通図柄の当り判定の結果に基づき、普通図柄を当り図柄で停止表示させるか、外れ図柄で停止表示させるかを決定する。続いて、普通図柄の変動時間を設定した後、普通図柄の変動表示を開始し、その後、変動時間が経過すると、決定しておいた図柄で普通図柄を停止表示させる。このとき、普通図柄の当り図柄が停止表示された場合には、始動口ソレノイド17mを作動させて、第2始動口17bに設けられた翼片部17wを両側に回動させることにより、第2始動口17bを開放状態とする。
以上のようにして普通図柄遊技処理を終了したら、第2始動口17bが開放状態であるか否かを判断する(S190)。そして、開放状態である場合は(S190:yes)、第2始動口17bを開放状態から閉鎖状態にするための処理(第2始動口閉鎖処理)を行う(S200)。一方、第2始動口17bが開放状態でない場合は(S190:no)、第2始動口閉鎖処理を行う必要はないので省略する。
第2始動口閉鎖処理(S200)では、次の何れかの条件が満足された場合、すなわち、第2始動口17bの開放時間が経過したか、若しくは、第2始動口17bに規定数の遊技球が入球したかの何れかの条件が成立したか否かを判断し、何れかの条件が成立した場合に、開放状態の第2始動口17bを閉鎖状態にする処理を行う。尚、第2始動口17bの開放時間には、短時間(例えば0.5秒)と長時間(例えば5秒)とが設けられており、通常の開放時間は短時間に設定されているが、開放延長機能が作動している状態では、長時間に設定される。一方、第2始動口17bの開放時間が経過しておらず、第2始動口17bへの入球数も規定数に達していない場合は、第2始動口17bを開放状態としたまま、第2始動口閉鎖処理(S200)を終了する。こうして第2始動口閉鎖処理を終了すると、以下に説明する特図保留関連処理(S250)を開始する。
C−2.特図保留関連処理 :
図6は、特図保留関連処理を示すフローチャートである。特図保留関連処理(S250)では、先ず初めに、第1始動口17aに遊技球が入球したか否かを判断する(S252)。第1始動口17aに遊技球が入球した場合は(S252:yes)、第1特別図柄の保留数(第1特図保留数)が上限値(本実施例では「4」)に達しているか否かを判断する(S254)。そして、第1特図保留数が上限値に達していなければ(S254:no)、判定乱数値を取得する(S256)。ここで、判定乱数値としては、後述する大当り判定を行うために用いられる大当り判定乱数値や、大当り判定の結果に応じて第1図柄表示装置28(あるいは第2図柄表示装置32)で停止表示させる図柄(停止図柄)を決定するために用いられる図柄決定乱数値、第1特図(あるいは第2特図)の変動表示の態様(変動パターン)を決定するために用いられる変動パターン決定乱数値などの乱数値を取得する。続いて、取得した判定乱数値を、主制御基板200に搭載されたRAM203の所定記憶領域(特図保留記憶領域)に第1特図保留として記憶したら(S258)、第1特図保留数に「1」を加算する(S260)。第1図柄表示装置28には、第1特図保留数を表示するためのLED(第1特図保留表示LED)が設けられおり、第1特図保留数に応じた表示を行う。尚、本実施例の判定乱数値は、本発明の「入球情報」に相当しており、判定乱数値を記憶する本実施例の主制御基板200のRAM203は、本発明の「入球情報記憶手段」に相当している。
次に、S258にて第1特図保留として記憶した判定乱数値についての判定を行う(S262)。このS262の判定は、第1特図の変動表示を開始する際に行われる判定処理や決定処理(後述の大当り判定、大当り図柄の決定、変動パターンの決定など)に先立って行われるものであり、いわゆる「事前判定」あるいは「保留先読み」と呼ばれる判定に該当する。本実施例の事前判定処理(S262)では、S258で記憶した第1特図保留に基づいて行われる第1特図の図柄変動遊技について、変動パターンや、大当り図柄を停止表示するか否か、停止表示する大当り図柄の種類などを予め判定する。この事前判定処理の具体的な内容は、第1特図の変動表示の開始時に行われる判定処理や決定処理と基本的には同じであることから、詳細については後述する。尚、事前判定処理を実行する本実施例の主制御基板200のCPU201は、本発明の「判定手段」に相当している。
こうして第1特図保留について事前判定を行ったら(S262)、第1特図保留発生コマンドをサブ制御基板220に向かって送信する(S264)。第1特図保留発生コマンドには、S258で記憶した第1特図保留を含む現在の第1特図保留数を示す情報や、S262の事前判定の結果を示す情報などが含まれている。サブ制御基板220のCPU221は、第1特図保留発生コマンドを受信すると、事前判定の結果を示す情報に基づいて後述のミッション演出を実行することが可能である。尚、第1特図保留発生コマンドに含まれる各情報を、個別のコマンドで送信するようにしてもよい。
一方、S252の判断で第1始動口17aに遊技球が入球していない場合や(S252:no)、S254の判断で第1特図保留数が上限値(ここでは「4」)に達していた場合は(S254:yes)、S256〜S264の処理は省略する。
以上のようにして第1特図保留に関する処理を終了したら、続いて第2特図保留に関する処理を開始する。第2特図保留に関する処理は、第1始動口17aに対して行った上述の第1特図保留に関する処理と同様の処理を、第2始動口17bに対して行う処理である。以下、簡単に説明すると、先ず初めに、第2始動口17bに遊技球が入球したか否かを判断し(S272)、第2始動口17bに遊技球が入球していれば(S272:yes)、第2特図保留数が上限値(本実施例では「4」)に達しているか否かを判断する(S274)。第2特図保留数が上限値に達していなければ(S274:no)、判定乱数値(大当り判定乱数値、図柄決定乱数値、変動パターン決定乱数値など)を取得して(S276)、取得した判定乱数値を、主制御基板200に搭載されたRAM203の特図保留記憶領域に第2特図保留として記憶する(S278)。そして、第2特図保留数に「1」を加算する(S280)。第2図柄表示装置32には、第2特図保留数を表示するためのLED(第2特図保留表示LED)が設けられおり、第2特図保留数に応じた表示を行う。続いて、S278にて第2特図保留として記憶した判定乱数値についての事前判定を行ったら(S282)、第2特図保留発生コマンドをサブ制御基板220に向かって送信する(S284)。第2特図保留発生コマンドには、S278で記憶した第2特図保留を含む現在の第2特図保留数を示す情報や、S282の事前判定の結果を示す情報が含まれている。サブ制御基板220のCPU221は、第2特図保留発生コマンドを受信すると、事前判定の結果を示す情報に基づいて後述のミッション演出を実行することが可能である。一方、S272の判断で第2始動口17bに遊技球が入球していない場合や(S272:no)、S274の判断で第2特図保留数が上限値(ここでは「4」)に達していた場合は(S274:yes)、S276〜S284の処理は省略する。
以上のようにして、第1特図保留および第2特図保留に関する処理を終了したら、図6に示した特図保留関連処理を終了して、図5の遊技制御処理に復帰する。そして、特図保留関連処理から復帰すると、遊技制御処理では、以下に説明する特別図柄遊技処理(S300)を開始する。
C−3.特別図柄遊技処理 :
図7および図8は、本実施例の特別図柄遊技処理を示したフローチャートである。主制御基板200のCPU201は、特別図柄遊技処理を開始すると、大当り遊技中であるか否かを判断する(S302)。そして、大当り遊技中であった場合は(S302:yes)、そのまま特別図柄遊技処理を終了して、図5の遊技制御処理に復帰する。これに対して、大当り遊技中ではなかった場合は(S302:no)、第1特図または第2特図が変動表示中であるか否かを判断する(S304)。
第1特図および第2特図の何れも変動表示中でない場合は(S304:no)、第1特図あるいは第2特図の停止表示時間中であるか否かを判断する(S306)。すなわち、第1特図および第2特図の何れも、変動表示が終了してから暫くの期間は、変動表示の終了に伴い停止表示された図柄を遊技者が確認するための確認時間として停止表示時間が設けられているので、この停止表示時間中であるか否かを判断する。その結果、第1特図および第2特図が変動表示しておらず、且つ、停止表示時間も経過していることが確認された場合は(S306:no)、特別図柄の変動表示(図柄変動遊技)を開始するための処理(特図変動開始処理)を開始する(S310)。
図9および図10は特図変動開始処理を示したフローチャートである。図示されるように、特図変動開始処理では、先ず、第2特図保留数が「0」であるか否かを判断する(S3100)。第2特図保留数が「0」でなければ(S3100:no)、記憶されている第2特図保留の中から最も古くに記憶された第2特図保留を読み出す(S3102)。具体的には、S3102の処理では、第2特図保留として記憶されている各種の判定乱数値(大当り判定乱数値、図柄決定乱数値、変動パターン決定乱数値)を読み出す。
一方、第2特図保留数が「0」である場合は(S3100:yes)、次に、第1特図保留数が「0」であるか否かを判断する(S3104)。第1特図保留数が「0」でなければ(S3104:no)、記憶されている第1特図保留の中から最も古くに記憶された第1特図保留を読み出す(S3106)。具体的には、S3106の処理では、第1特図保留として記憶されている各種の判定乱数値(大当り判定乱数値、図柄決定乱数値、変動パターン決定乱数値)を読み出す。これに対して、第1特図保留数が「0」である場合は(S3104:yes)、既に第2特図保留数も「0」と判断されていることから、第1特図保留および第2特図保留の何れも記憶されていないと判断されるので、第1特図あるいは第2特図の変動表示を開始する必要はない。そこで、図9および図10の特図変動開始処理を終了して、図7および図8に示した特別図柄遊技処理に復帰する。
尚、上述したように特図変動開始処理では、先ず初めに第2特図保留が記憶されているか否かを判断し(S3100)、第2特図保留が記憶されていない場合にだけ(S3100:yes)、第1特図保留が記憶されているか否かを判断している(S3104)。従って、第1特図保留と第2特図保留とが両方とも記憶されている場合には、常に第2特図保留が第1特図保留に優先して読み出されることとなり(第2特図保留を優先消化することとなり)、第1特図保留が読み出されるのは、第2特図保留が記憶されていない場合に限られる。
以上のようにして、第1特図保留または第2特図保留を読み出したら(S3102またはS3106)、高確率フラグがONに設定されているか否かを判断する(S3108)。前述したように本実施例のパチンコ機1では、特別図柄(第1特図、第2特図)が大当り図柄で停止表示される確率(大当り確率)を、低確率、または低確率よりも高い高確率に設定することが可能である。高確率フラグとは、大当り確率を高確率とする際にONに設定されるフラグであり、主制御基板200に搭載されたRAM203の所定アドレスが、高確率フラグの記憶領域として割り当てられている。そして、高確率フラグがONに設定されていなければ(S3108:no)、低確率用の大当り判定テーブルを選択し(S3120)、高確率フラグがONに設定されていれば(S3108:yes)、高確率用の大当り判定テーブルを選択する(S3122)。ここで、大当り判定テーブルとは、大当り判定乱数値に対応付けて「大当り」または「外れ」の判定結果が設定されているテーブルであり、主制御基板200のROM202に予め記憶されている。
図11は、本実施例のパチンコ機1に記憶されている大当り判定テーブルを例示した説明図である。図11(a)には低確率用の大当り判定テーブルが示されており、図11(b)には高確率用の大当り判定テーブルが示されている。図11(a)に示すように、低確率用の大当り判定テーブルには、「0〜599」の大当り判定乱数値のうち「13,14」の値に対して「大当り」の判定結果が設定されている。これに対して、図11(b)に示すように、高確率用の大当り判定テーブルには、「0〜599」の大当り判定乱数値のうち「13〜32」の値に対して「大当り」の判定結果が設定されている。
図11(a)と図11(b)とを比較すれば明らかなように、図11(b)に示す高確率用の大当り判定テーブルは、図11(a)に示す低確率用の大当り判定テーブルよりも多くの乱数値に「大当り」の判定結果が設定されている。換言すれば、高確率用の大当り判定テーブルには、「大当りの判定結果が得られる乱数値(大当り値)」が低確率用の大当り判定テーブルよりも多くの設定されている。従って、図11(b)の高確率用の大当り判定テーブルを用いて大当り判定を行った場合には、図11(a)の低確率用の大当り判定テーブルを用いて大当り判定を行った場合よりも、高い確率で「大当り」の判定結果が得られることになる。
続いて、図9の特図変動開始処理では、S3120またはS3122の処理で選択した大当り判定テーブルを参照して、第1特図保留または第2特図保留として読み出した大当り判定乱数値が「大当り」に対応する値(大当り値)であるか否か、すなわち、大当り判定の結果が大当りであるか否かを判断する(S3124)。尚、前述した図6の特図保留関連処理におけるS262の第1特図保留についての事前判定、およびS282の第2特図保留についての事前判定では、S3124の大当り判定と同様の判定が行われる。すなわち、図6のS258で第1特図保留として記憶した判定乱数値、あるいはS278で第2特図保留として記憶した判定乱数値のうち、大当り判定乱数値が、大当り判定テーブルの「大当り」に対応する値(大当り値)であるか否かを事前に判定する。
図9のS3124の判断において、大当り判定の結果が大当りである場合は(S3124:yes)、停止表示させる大当り図柄を決定する処理を行う(S3126)。この処理は、第1特図保留または第2特図保留として読み出した図柄決定乱数値を用いて大当り図柄決定テーブル(図示せず)を参照しながら行う。大当り図柄決定テーブルとは、図柄決定乱数値に対応付けて複数の大当り図柄が設定されているテーブルであり、主制御基板200のROM202に予め記憶されている。本実施例の大当り図柄には、通常当り図柄と確変当り図柄とが設けられており、S3126の処理では、第1特図保留または第2特図保留として読み出した図柄決定乱数値に対応付けられている大当り図柄を、停止表示させる図柄(停止図柄)に決定する。そして、決定した大当り図柄を停止図柄として主制御基板200のRAM203の所定記憶領域(停止図柄記憶領域)に記憶する(S3128)。
これに対して、大当り判定の結果が大当りではない(外れである)場合には(S3124:no)、外れ図柄を停止図柄として主制御基板200のRAM203の停止図柄記憶領域に記憶する(S3130)。
以上のようにして大当り判定の結果に応じて停止表示させる図柄(停止図柄)を決定して記憶すると、特別図柄(第1特図、第2特図)の変動表示の態様(変動パターン)を決定する処理(変動パターン決定処理)を開始する(図10のS3132)。ここで、特別図柄の変動表示の態様は、実際には第1特図LEDまたは第2特図LEDの点滅を繰り返すことであり、特別図柄の変動パターンとは、特別図柄を変動表示させる時間(変動時間)に対応するものである。尚、前述したように特別図柄の変動表示(図柄変動遊技)と、演出表示装置27で行われる図柄変動演出とは連動していることから、特別図柄の変動パターンが決定されると、その変動パターンに対応する演出時間の図柄変動演出が演出表示装置27にて実行されることになる。
S3132の変動パターン決定処理は、第1特図保留または第2特図保留として読み出した変動パターン決定乱数値(S3102またはS3106)を用いて変動パターン決定テーブル(図示せず)を参照しながら行う。変動パターン決定テーブルには、複数の変動パターン(変動時間)と、変動パターン決定乱数値との対応関係が設定されている。また、変動パターン決定テーブルは、大当り判定の結果が大当りであるか否か、変動短縮機能の作動中であるか否かなどの様々な条件に応じて複数設けられており、主制御基板200に搭載されたROM202に予め記憶されている。S3132の処理では、現在の条件に応じて何れかの変動パターン決定テーブルを参照し、第1特図保留または第2特図保留として読み出した変動パターン決定乱数値に対応付けられている変動パターンを、当該保留に基づいて開始する図柄変動遊技の変動パターンに決定する。尚、前述した図6の特図保留関連処理におけるS262の第1特図保留についての事前判定、およびS282の第2特図保留についての事前判定では、第1特図保留または第2特図保留として記憶した変動パターン決定乱数値(S258またはS278)を用いて、S3132の変動パターン決定処理と同様の処理を行い、当該保留に基づいて行われる図柄変動遊技の変動パターンを事前に判定する。
こうして変動パターン決定処理(S3132)を終了すると、先にS3124で行われた大当り判定が、第2特図保留に基づいて行われたものであるか否かを判断する(S3134)。第2特図保留に基づいて行われた大当り判定であった場合は(S3134:yes)、第2図柄表示装置32で第2特図の変動表示(図柄変動遊技)を開始した後(S3136)、第2特図保留数から「1」を減算する(S3138)。一方、第2特図保留に基づいて行われた大当り判定ではなかった場合、すなわち、第1特図保留に基づいて行われた大当り判定であった場合は(S3134:no)、第1図柄表示装置28で第1特図の変動表示(図柄変動遊技)を開始した後(S3140)、第1特図保留数から「1」を減算する(S3142)。
こうして第2特図保留数または第1特図保留数から「1」を減算したら(S3138またはS3142)、変動表示を開始した特別図柄(第1特図または第2特図)の変動パターンの種類を指定する変動パターン指定コマンドや、特別図柄の停止図柄を指定する停止図柄指定コマンドを、変動開始時コマンドとしてサブ制御基板220に向けて送信する(S3144)。
尚、サブ制御基板220に搭載されたCPU221は、上述の変動開始時コマンドを受信すると、停止図柄指定コマンドに基づいて、演出表示装置27での図柄変動遊技の終了に伴って停止表示させる3つの識別図柄27a,27b,27cの組合せを選択する。また、変動パターン指定コマンドに基づいて、演出表示装置27で実行する図柄変動演出(識別図柄27a,27b,27cの変動表示を開始してから停止表示するまでの演出パターン)を選択する。
主制御基板200のCPU201は、変動開始時コマンドをサブ制御基板220に向けて送信すると(S3144)、図9および図10に示した特図変動開始処理を終了して、図7および図8の特別図柄遊技処理に復帰する。また、特別図柄遊技処理では、特図変動表示処理(S310)から復帰すると、そのまま処理を終了して、図5に示す遊技制御処理に復帰する。
以上では、図7および図8の特別図柄遊技処理の実行に際して大当り遊技中ではなく(S302:no)、第1特図および第2特図の何れも変動表示していない(S304:no)と判断された場合の処理について説明した。これに対して、大当り遊技中ではないが(S302:no)、第1特図または第2特図が変動表示中であると判断された場合は(S304:yes)、既に特別図柄(第1特図、第2特図)の変動パターンと停止図柄とが決定されて、第1特図または第2特図の変動表示が開始されている場合に該当する。そこで、特別図柄の変動時間が経過したか否かを判断する(S312)。第1特図または第2特図の変動時間は変動パターンに応じて予め定められているので、第1特図または第2特図の変動表示を開始すると同時に所定のタイマ(変動時間計測タイマ)に変動時間を設定することにより、変動時間が経過したか否かを判断することができる。その結果、未だ変動時間が経過していない場合は(S312:no)、そのまま図7および図8の特別図柄遊技処理を終了して、図5に示す遊技制御処理に復帰する。
これに対して、変動時間が経過したと判断された場合は(S312:yes)、変動表示中の第1特図あるいは第2特図を停止表示させることを示すコマンド(図柄停止コマンド)をサブ制御基板220に向かって送信し(S314)、変動表示中の第1特図または第2特図を、図9のS3128またはS3130の処理で記憶した図柄で停止表示させる(S316)。そして、停止表示させた特別図柄を停止状態のまま保持する時間(停止表示時間)を設定した後(S318)、設定した停止表示時間が経過したか否かを判断する(S320)。停止表示時間が経過していない場合は(S320:no)、そのまま特別図柄遊技処理を終了して、図5に示す遊技制御処理に復帰する。
こうして第1特図あるいは第2特図が停止表示された状態で、図5の遊技制御処理に復帰した後、再びS300の特別図柄遊技処理(図7および図8)が開始されると、第1特図および第2特図が変動表示中ではないと判断され(S304:no)、続いて、特別図柄の停止表示時間中であるか否かの判断では、停止表示時間中と判断されるので(S306:yes)、再び停止表示時間が経過したか否かを判断する(S320)。このような判断を繰り返しているうちに停止表示時間が経過したと判断されると(S320:yes)、停止表示された特別図柄(第1特図あるいは第2特図)が「大当り図柄」であるか否かを判断する(図8のS322)。その結果、停止表示された特別図柄が「大当り図柄」であった場合は(S322:yes)、大当りフラグをONに設定する(S326)。大当りフラグとは、大当り遊技中であることを示すフラグであり、主制御基板200に搭載されたRAM203の所定のアドレスが大当りフラグの記憶領域として確保されている。主制御基板200のCPU201は、大当りフラグの設定状態に応じて、大当り遊技の実行中であるか否かを判断する。
また、大当り遊技を開始するにあたって、高確率フラグ、開放延長フラグ、変動短縮フグなどの各種フラグがONに設定されていれば、ONのフラグをOFFに設定する(S328)。ここで、高確率フラグは、大当り確率が高確率に設定されていることを示すフラグであり、開放延長フラグは、開放延長機能(第2始動口17bの開放時間を通常よりも長く設定する機能)が作動中であることを示すフラグであり、変動短縮フラグは、変動短縮機能(特別図柄の変動時間を通常よりも短く設定する機能)が作動中であることを示すフラグである。これらのフラグは、大当り遊技を終了する際に改めて設定される。
こうして大当り遊技を開始するためのフラグ設定処理を終了すると(S326、S328)、大当り遊技を開始することを示すコマンド(大当り遊技開始コマンド)をサブ制御基板220に向けて送信する(S330)。サブ制御基板220のCPU221は、大当り遊技開始コマンドを受信すると、大当り遊技に対応した演出を実行する。また、主制御基板200のCPU201は、大当り遊技開始コマンドを送信したら(S330)、図7および図8に示した特別図柄遊技処理を終了して、図5の遊技制御処理に復帰する。
以上は、第1図柄表示装置28あるいは第2図柄表示装置32で停止表示された特別図柄(第1特図あるいは第2特図)が大当り図柄であった場合(S322:yes)の処理について説明した。これに対して、停止表示された特別図柄が大当り図柄でなかった場合、すなわち外れ図柄であった場合は(S322:no)、以下のような処理を行う。
先ず、高確率フラグがONに設定されているか否かを判断する(S334)。高確率フラグは、大当り確率が高確率に設定されていることを示すフラグであり、本実施例では、確変当り図柄の停止表示により開始された大当り遊技が終了すると、図柄変動遊技の実行回数が所定回数(例えば30回)に達するまで大当り確率が高確率に設定される。高確率フラグがONに設定されている場合は(S334:yes)、高確率カウンタの値から「1」を減算して(S336)、高確率カウンタの値が「0」になったか否かを判断する(S338)。高確率カウンタは、大当り確率の高確率設定を終了するまでの残りの図柄変動遊技回数が設定されるカウンタであり、図柄変動遊技が終了する毎に「1」を減算する。その結果、高確率カウンタの値が「0」になった場合は(S338:yes)、大当り確率の高確率設定を終了するべく、高確率フラグをOFFに設定する(S340)。
一方、S334の判断において、高確率フラグがONに設定されていない場合には(S334:no)、S336〜S340の処理を省略し、また、S338の判断において、高確率カウンタの値が「0」になっていない場合には(S338:no)、大当り確率の高確率設定が継続されるのでS340の処理を省略する。
続いて、変動短縮フラグがONに設定されているか否かを判断する(S342)。変動短縮フラグは、変動短縮機能が作動中であることを示すフラグであり、本実施例では、大当り遊技が終了すると、変動短縮機能および開放延長機能が作動し、図柄変動遊技の実行回数が所定回数(例えば50回)に達するまで継続される。変動短縮フラグがONに設定されている場合は(S342:yes)、変動短縮カウンタの値から「1」を減算して(S344)、変動短縮カウンタの値が「0」になったか否かを判断する(S346)。変動短縮カウンタは、変動短縮機能を停止(終了)するまでの残りの図柄変動遊技回数が設定されるカウンタであり、図柄変動遊技が終了する毎に「1」を減算する。その結果、変動短縮カウンタの値が「0」になった場合は(S346:yes)、変動短縮機能および開放延長機能を停止するべく、変動短縮フラグおよび開放延長フラグをOFFに設定する(S348)。
これに対して、S342の判断において、変動短縮フラグがONに設定されていない場合には(S342:no)、S344〜S348の処理を省略し、また、S346の判断において、変動短縮カウンタの値が「0」になっていない場合には(S346:no)、変動短縮機能および開放延長機能が継続されるのでS348の処理を省略する。
こうして高確率フラグ、変動短縮フラグ、開放延長フラグの設定に関する処理を行ったら、サブ制御基板220に向かって遊技状態指定コマンドを送信する(S350)。ここで、遊技状態指定コマンドとは、高確率フラグや変動短縮フラグや開放延長フラグなどの設定に応じて定まる遊技状態を指定するためのコマンドである。そして、遊技状態指定コマンドを送信すると、特別図柄遊技処理を終了して、図5の遊技制御処理に復帰する。
図5に示す遊技制御処理では、特別図柄遊技処理から復帰すると、大当りフラグがONに設定されているか否かを判断する(S380)。前述したように大当りフラグは、大当り遊技中であることを表すフラグである。そこで、主制御基板200のCPU201は、大当りフラグがONに設定されている場合は(S380:yes)、以下に説明する大当り遊技処理を開始する(S400)。一方、大当りフラグがONに設定されていない場合は(S380:no)、大当り遊技処理(S400)を省略して、遊技制御処理の先頭に戻る。
C−4.大当り遊技処理 :
図12は、大当り遊技処理を示すフローチャートである。この大当り遊技処理が実行されることによって、大当り遊技が行われる。主制御基板200のCPU201は、大当り遊技処理を開始すると、大入賞口31dが開放中(遊技球が入球可能な状態)であるか否かを判断する(S402)。大入賞口31dは、大当り遊技が開始されない限りは閉鎖状態(遊技球が入球不能な状態)となっており、大当り遊技の開始直後は、大入賞口31dは閉鎖している。そこで、大入賞口31dは開放中ではないと判断して(S402:no)、ラウンド遊技の回数(ラウンド回数)が所定回数(例えば15回)に達したか否かを判断する(S404)。
当然のことながら、大当り遊技が開始された直後は、ラウンド回数は所定回数に達していないので(S404:no)、大入賞口31dの閉鎖時間が経過したか否かを判断する(S406)。大入賞口31dの閉鎖時間とは、ラウンド遊技とラウンド遊技との間で大入賞口31dが閉鎖状態となっている時間である。本実施例では、大入賞口31dの閉鎖時間は「1秒間」に設定されている。大当り遊技が開始された直後は、当然、大入賞口31dの閉鎖時間が経過していると判断され(S406:yes)、大入賞口31dを開放させて新たなラウンド遊技を開始する(S408)。その後、図12に示した大当り遊技処理を一旦終了して、図5に示す遊技制御処理に復帰する。
主制御基板200のCPU201は遊技制御処理に復帰すると、図5に示したように、賞球関連処理(S50)以降の一連の各種処理を行った後、再び大当り遊技処理(S400)を開始する。このときには、S402の判断において、大入賞口31dが開放中(S402:yes)と判断される。
続いて、大入賞口31dの閉鎖条件が満たされたか否かを判断する。ラウンド遊技では、大入賞口31dが開放された後、所定の開放時間(例えば30秒)が経過するか、あるいは規定入球数(例えば9個)の遊技球が大入賞口31dに入球すると、大入賞口31dが閉鎖される。そこで、先ず大入賞口31dを開放してから所定の開放時間が経過したか否かを判断し(S412)、開放時間が経過した場合は(S412:yes)、大入賞口31dを閉鎖する(S416)。一方、開放時間が経過していない場合は(S412:no)、次に、大入賞口31dに規定入球数の遊技球が入球したか否かを判断し(S414)、規定入球数の遊技球が入球した場合は(S414:yes)、大入賞口31dを閉鎖する(S416)。これに対して、大入賞口31dに規定入球数の遊技球が入球していない場合は(S414:no)、大入賞口31dの閉鎖条件が成立していないので、大入賞口31dを開放させたまま、図12に示した大当り遊技処理を終了して、図5の遊技制御処理に復帰する。
図5の遊技制御処理を繰り返し実行しているうちに、大入賞口31dを開放してから所定の開放時間が経過するか(S412:yes)、大入賞口31dに規定入数数の遊技球が入球すると(S414:yes)、大入賞口31dを閉鎖して(S416)、1回のラウンド遊技が終了する。
そして、次に大当り遊技処理が実行される際には、S402において大入賞口31dが閉鎖中と判断され(S402:no)、所定回数のラウンド遊技が終了したか否かを判断する(S404)。その結果、全てのラウンド遊技が終了していなければ(S404:no)、大入賞口31dの閉鎖時間が経過したことを確認した後(S406:yes)、再び大入賞口31dを開放状態として新たなラウンド遊技を開始する(S408)。一方、S404において、所定回数のラウンド遊技が終了したと判断された場合は(S404:yes)、大当り遊技を終了させるべく、大当りフラグをOFFに設定する(S418)。そして、大当り遊技の終了を示すコマンド(大当り遊技終了コマンド)をサブ制御基板220に向けて送信した後(S420)、大当り終了時処理を開始する(S422)。
図13は、本実施例の大当り終了時処理を示すフローチャートである。主制御基板200のCPU201は、大当り終了時処理を開始すると、今回の大当り遊技が確変当り図柄の停止表示によって開始されたものか否かを判断する(S4220)。本実施例では、確変当り図柄の停止表示により開始された大当り遊技が終了すると、図柄変動遊技の実行回数が所定回数(例えば30回)に達するまで大当り確率が高確率に設定される。そこで、確変当り図柄の停止表示で開始された大当り遊技である場合は(S4220:yes)、高確率カウンタに所定回数(大当り確率の高確率設定を終了するまでの残りの図柄変動遊技回数)を設定すると共に(S4222)、高確率フラグをONに設定する(S4224)。一方、通常当り図柄の停止表示によって開始された大当り遊技である場合は(S4220:no)、S4222およびS4224の処理を省略する。
また、本実施例では、大当り遊技が終了すると、変動短縮機能および開放延長機能が作動し、図柄変動遊技の実行回数が所定回数(例えば50回)に達するまで継続される。そこで、変動短縮カウンタに所定回数(変動短縮機能および開放延長機能を停止するまでの残りの図柄変動遊技回数)を設定すると共に(S4226)、変動短縮フラグおよび開放延長フラグをONに設定する(S4228)。尚、変動短縮フラグおよび開放延長フラグは、同じタイミングでONあるいはOFFに設定されるので、何れか一方のフラグのみを設定して、該一方のフラグを他方のフラグに代えて利用する構成としてもよい。
こうして各種カウンタおよびフラグを設定したら、フラグの設定状況に応じて遊技状態指定コマンドをサブ制御基板220に向かって送信し(S4228)、大当り終了時処理を終了する。また、大当り終了時処理を終了して、図12の大当り遊技処理に復帰すると、そのまま大当り遊技処理を終了する。そして、図5の遊技制御処理に復帰すると、処理の先頭に戻って、前述した賞球関連処理(S50)以降の一連の処理を繰り返す。
主制御基板200に搭載されたCPU201は、以上のような遊技制御処理を繰り返し行うことによって、パチンコ機1での遊技を進行させる。また、前述したように主制御基板200のCPU201は、図5に示した遊技制御処理を実行する中で、遊技の演出に関する種々のコマンドをサブ制御基板220に向かって送信する。そして、サブ制御基板220のCPU221は、受信したコマンドに基づいて具体的な演出の内容を決定することにより、演出表示装置27、スピーカー5y、各種LEDやランプ類4b〜4fを用いた様々な演出の制御を行っている。以下では、サブ制御基板220のCPU221が、遊技の進行に合わせて演出を制御するために行う遊技演出制御処理について説明する。
C−5.遊技演出制御処理 :
図14は、サブ制御基板220に搭載されたCPU221が行う遊技演出制御処理の流れを示したフローチャートである。サブ制御基板220のCPU221は、遊技演出制御処理を開始すると、先ず初めに遊技状態演出設定処理を実行する(S500)。この処理では、主制御基板200から遊技状態指定コマンドを受信したか否かを判断し、遊技状態指定コマンドを受信した場合は、コマンドに指定された遊技状態(大当り確率が高確率か否か、変動短縮機能および開放延長機能が作動中か否か)に対応する演出(例えば、演出表示装置27に表示する背景画像27d)を決定する。また、主制御基板200から大当り遊技開始コマンドを受信したか否かを判断し、大当り遊技開始コマンドを受信した場合は、大当り遊技に対応する演出(例えば、演出表示装置27に表示する演出画像)を決定する。こうして受信した遊技状態指定コマンドや大当り遊技開始コマンドに基づいて実行する演出(遊技状態演出)を決定したら、その決定した遊技状態演出の内容を示す遊技状態演出指定コマンドを演出表示制御基板230に向けて送信する。
サブ制御基板220のCPU221は、遊技状態演出設定処理(S500)に続いて、保留表示処理を実行する(S550)。この処理では、主制御基板200から第1特図保留発生コマンドまたは第2特図保留発生コマンドを受信したか否かを判断し、何れかの特図保留発生コマンドを受信した場合には、コマンドに含まれている情報(保留情報)をサブ制御基板220のRAM223に記憶する。前述したように第1特図保留発生コマンドおよび第2特図保留発生コマンドには、特図保留数(第1特図保留数または第2特図保留数)を示す情報や、事前判定の結果(大当りか否か、変動パターンなど)を示す情報が含まれている。そして、特図保留数を示す情報に基づいて、演出表示装置27の保留表示領域27eにおける保留表示を更新するために、保留表示を指定するコマンド(保留表示指定コマンド)を演出表示制御基板230に向けて送信する。こうして保留表示処理(S550)を終了すると、以下に説明するミッション演出処理を開始する(S600)。
図15は、ミッション演出処理を示すフローチャートである。ミッション演出処理を開始すると、先ず初めに、特定保留が発生したか否かを判断する(S602)。この判断は、保留表示処理(図14のS550)の中で記憶した保留情報のうち、事前判定の結果を示す情報に基づいて行い、事前判定された変動パターンが所定の特定変動パターンであれば、特定保留であると判断する。本実施例の特定変動パターンは、特別図柄の変動時間として「60秒」が対応付けられた変動パターンとなっている。尚、特定保留か否かの判断は、保留情報を記憶する際に行ってもよいし、保留情報を記憶した後、その保留情報に対応する図柄変動遊技が行われる前に記憶中の保留情報を参照して行ってもよい。
そして、特定保留が発生したと判断した場合は(S602:yes)、ミッション演出を行うか否かの抽選(ミッション演出実行抽選)を行う(S604)。本実施例のミッション演出は、特定変動パターンの図柄変動遊技(特別図柄の変動表示)に連動して行われる図柄変動演出(以下、「特定変動演出」という)の内容を指令(ミッション)の対象としており、特定保留が発生すると、ミッション演出の実行が可能となる。また、ミッション演出実行抽選は、特定保留が発生したと判断した際に乱数値(ミッション演出実行抽選用乱数値)を取得し、その取得したミッション演出実行抽選用乱数値を用いてミッション演出実行抽選テーブルを参照しながら行う。ミッション演出実行抽選テーブルとは、ミッション演出実行抽選用乱数値に対応付けて「当選(ミッション演出を実行)」または「非当選(ミッション演出を実行せず)」の抽選結果が設定されたテーブルであり、サブ制御基板220のROM222に予め記憶されている。
こうしてミッション演出実行抽選を行うと、抽選に当選したか否かを判断する(S606)。その結果、ミッション演出実行抽選に当選した場合は(S606:yes)、先ず、演出表示装置27に表示中のミッションを参照する(S608)。本実施例のミッション演出では、複数回の図柄変動遊技に亘って演出表示装置27にミッションを表示することが可能であり、また、複数のミッションを同時に表示することも可能となっている。後述するように、演出表示装置27の具体的な表示制御を行う演出表示制御基板230のCPU231は、現在表示中のミッションを示す表示情報コマンドをサブ制御基板220に向けて送信するようになっており、サブ制御基板220のCPU221は表示情報コマンドを受信することで表示中のミッションを把握することができる。尚、ミッション演出を実行していない場合は、当然ながら演出表示装置27には何れのミッションも表示されていない。また、既にミッション演出を実行している場合は、表示中のミッションを更新(追加、一部又は全部の削除、変更)することが可能となっている。
演出表示装置27に表示中のミッションを参照すると、続いて、特定保留の事前判定の結果を参照して大当り判定結果が「大当り」であるか否かを判断する(S610)。そして、大当り判定結果が大当りである場合は(S610:yes)、複数用意されたミッションの全ての中から表示するミッションを決定する(S612)。「全ての中から表示するミッションを決定する」とは、複数のミッションが既に表示されている場合に、全てのミッションが表示されることとなってもよいことを意味する。ここで、全てのミッションが同時に表示されている場合に、特定変動演出が実行されると大当りが確定する。
図16は、本実施例の複数のミッションを例示した説明図である。本実施例では、特定変動パターンの図柄変動遊技に連動して実行可能な図柄変動演出(特定変動演出)として、キャラクタA〜Dの4人のキャラクタの何れかに遭遇する内容の4種類の特定変動演出(ストーリーリーチ、ストーリー演出)が設けられている。すなわち、特定変動演出が実行された場合には、キャラクタA〜Dのうちの何れか一人には必ず会うこととなる。また、4種類の特定変動演出の何れかを指令の対象とする5種類のミッションA〜Eが設けられている。図16に示した例では、ミッションAには「キャラクタAに会えば大当り」との指令内容が設定されており、ミッションBには「キャラクタBに会えば大当り」との指令内容が設定され、ミッションCには「キャラクタCに会えば大当り」との指令内容が設定され、ミッションDには「キャラクタDに会えば大当り」との指令内容が設定され、ミッションEには「キャラクタDに会えば激熱」との指令内容が設定されている。
S612の処理では、5種類のミッションA〜Eの全ての中から表示するミッションを決定し、5種類全ての同時表示を決定することも可能である。もちろん、1つ乃至4つのミッションを選択して表示することとしてもよい。また、既に何れかのミッションが演出表示装置27に表示されている場合は、ミッションの追加や入替、あるいは削除を決定してもよいし、現在の表示の維持を決定してもよい。
これに対して、S610の判断において大当り判定結果が外れである場合は(S610:no)、4種類のミッションA〜Dの中から少なくとも1つ表示しないミッションを残すように、表示するミッションを決定する(S614)。そのため、S614で決定されるミッションの数は最大で4つとなり、既にA〜Dのうち3つのミッションが演出表示装置27に表示されている場合は、A〜Dからはミッションの追加を決定することができない。尚、ミッションEは大当りを確定するものではないので、外れであっても表示することは可能である。また、既にA〜Dから3つのミッション、及びミッションEが表示されている場合(つまり、所定の4つのミッションが表示されている場合)には、ミッションの入替、削除、あるいは現在の表示の維持を決定する。
こうして表示するミッションを決定したら、その決定したミッションをサブ制御基板220のRAM223に記憶すると共に(S616)、決定したミッションを示すミッション演出指定コマンドを演出表示制御基板230に向けて送信する(S618)。尚、決定したミッション(指令演出)を記憶する本実施例のサブ制御基板220のRAM223は、本発明の「指令演出記憶部」に相当している。
一方、S602の判断において、特定保留が発生していないと判断した場合は(S602:no)、S604〜S618の処理を省略し、また、S606の判断において、ミッション演出実行抽選に当選しなかった場合は(S606:no)、S608〜S618の処理を省略する。
続いて、サブ制御基板220のCPU221は、演出表示装置27にミッションを表示中か否かを判断する(S620)。前述したように、演出表示装置27に表示中のミッションを示す表示情報コマンドが演出表示制御基板230からサブ制御基板220に向けて送信されるようになっており、サブ制御基板220のCPU221は、受信した表示情報コマンドに基づいてS602の判断を行う。そして、演出表示装置27にミッションを表示していない場合は(S620:no)、図15のミッション演出処理を終了して、図14の遊技演出制御処理に復帰する。
これに対して、演出表示装置27にミッションを表示している場合は、S616で記憶したミッションと、表示情報コマンドに示されたミッション(表示中のミッション)とが一致するか否かを判断する(S622)。そして、一致していない場合は(S622:no)、サブ制御基板220側の記憶か演出表示制御基板230側の表示制御の少なくとも一方に何らかの異常が発生したものと考えられ、このままミッション演出を継続すると、本来は達成し得ないミッションが達成するといった誤った演出となる可能性がある。そこで、こうした事態を回避するために、サブ制御基板220のCPU221は、演出表示装置27に表示中のミッション(全て)を消してミッション演出を終了することを示すミッション演出終了コマンドを演出表示制御基板230に向けて送信する(S624)。尚、表示中の全てのミッションを消すのではなく、一致していない一部のミッションだけを消すこととしてもよい。この場合は、消去するミッション(あるいは残すミッション)を示すミッション消去コマンドを演出表示制御基板230に向けて送信すればよい。
一方、記憶したミッションと表示情報コマンドに示されたミッション(表示中のミッション)とが一致する場合は(S622:yes)、S624の処理を行うことなく、表示中のミッションを継続させたまま図15のミッション演出処理を終了して、図14の遊技演出制御処理に復帰する。そして、遊技演出制御処理では、ミッション演出処理から復帰すると、続いて、図柄変動演出処理を開始する(S700)。
図17は、図柄変動演出処理を示すフローチャートである。図柄変動演出処理では、先ず初めに、図柄変動演出中か否か、すなわち、演出表示装置27にて識別図柄27a,27b,27cが変動表示中であるか否かを判断する(S702)。その結果、図柄変動演出中ではない場合は(S702:no)、主制御基板200から変動開始時コマンド(変動パターン指定コマンドおよび停止図柄指定コマンド)を受信したか否かを判断する(S704)。変動開始時コマンドを受信していない場合は(S704:no)、そのまま図柄変動演出処理を終了する。そして、図14の遊技演出制御処理に復帰すると、処理の先頭に戻る。
一方、変動開始時コマンドを受信した場合は(S704:yes)、停止図柄指定コマンドに指定された特別図柄の停止図柄に基づいて、図柄変動演出を終了する際に停止表示させる識別図柄27a,27b,27cの組合せを決定する(S705)。すなわち、特別図柄の停止図柄が大当り図柄である場合は、3つの識別図柄27a,27b,27cが同じ図柄で揃った組合せ(ゾロ目)を決定し、特別図柄の停止図柄が外れ図柄である場合は、3つの識別図柄が同じ図柄で揃わない組合せ(バラケ目)を決定する。
こうして停止表示させる識別図柄27a,27b,27cの組合せを決定すると、変動パターン指定コマンドに指定された変動パターンが特定変動パターンであるか否かを判断する(S706)。前述したように複数の変動パターンには特定変動パターンが含まれており、本実施例の特定変動パターンは、特別図柄の変動時間として「60秒」が対応付けられた変動パターンとなっている。そして、特定変動パターンではない場合は(S706:no)、変動パターン指定コマンドに指定された変動パターンに応じた図柄変動演出を選択する(S708)。前述したように変動パターンは特別図柄の変動時間に対応するものであり、複数用意された図柄変動演出(演出パターン)の演出時間は、何れかの変動パターンに対応する変動時間と一致している。S708では、複数の図柄変動演出の中から、変動パターンに対応する演出時間の図柄変動演出を選択する。尚、複数の図柄変動演出には、前述したリーチ演出が含まれている。
これに対して、特定変動パターンである場合は(S706:yes)、演出表示装置27にミッションを表示中か否かを判断する(S710)。そして、ミッションを表示していない場合は(S710:no)、大当り判定結果に応じた図柄変動演出を選択する(S712)。尚、大当り判定結果は、受信した停止図柄指定コマンドに指定された特別図柄の停止図柄が大当り図柄であるか否かに基づいて判断することができる。また、前述したように本実施例では、特定変動パターンの図柄変動遊技に連動して実行可能な図柄変動演出(特定変動演出)として、キャラクタA〜Dの何れかに遭遇する内容の4種類の特定変動演出が設けられている。本実施例では、ミッションを表示していない場合に、大当り判定結果が大当りであると、キャラクタAまたはBに遭遇する特定変動演出を選択し、大当り判定結果が外れであると、キャラクタCまたはDに遭遇する特定変動演出を選択するように設定されている。
一方、演出表示装置27にミッションを表示している場合は(S710:yes)、大当り判定結果が大当りであるか否か(特別図柄の停止図柄が大当り図柄であるか否か)を判断し(S714)、大当りである場合は(S714:yes)、ミッションを達成させる図柄変動演出(特定変動演出)を選択する(S716)。例えば、演出表示装置27にミッションA〜Cの3種類(図16参照)を表示している場合は、キャラクタA〜Cの何れかに遭遇する特定変動演出を選択する。また、ミッションA〜Eの全てを表示している場合は、4種類の特定変動演出の何れを選択することも可能である。
これに対して、大当り判定結果が大当りではない場合は(S714:no)、ミッションを達成させない図柄変動演出(特定変動演出)を選択する(S718)。例えば、演出表示装置27にミッションA〜Cの3種類を表示している場合は、キャラクタDに遭遇する特定変動演出を選択する。
こうして何れかの図柄変動演出を選択すると(S708、S712、S716、S718)、その選択した図柄変動演出を示す図柄変動演出指定コマンドを演出表示制御基板230に向けて送信する(S720)。尚、図柄変動演出指定コマンドには、S705で決定した識別図柄27a,27b,27cの組合せを示す情報も含まれている。そして、図柄変動演出指定コマンドを送信すると、図17の図柄変動演出処理を終了して、図14の遊技演出制御処理に復帰する。
以上では、S702の判断において図柄変動演出中ではない場合(S702:no)について説明した。これに対して、図柄変動演出中である場合は(S702:yes)、主制御基板200から図柄停止コマンドを受信したか否かを判断する(S722)。図柄停止コマンドを受信していない場合は(S722:no)、そのまま図柄変動演出処理を終了して、図14の遊技演出制御処理に復帰する。
一方、図柄停止コマンドを受信した場合は(S722:yes)、ミッションを達成したか否かを判断する(S724)。前述したように本実施例のミッションA〜Eは、4種類の特定変動演出(キャラクタA〜Dに遭遇する内容)の何れかを指令の対象としており、S724では、演出表示装置27に表示中のミッションを達成させる特定変動演出が実行されたか否かを判断する。そして、ミッションを達成した場合、例えば、演出表示装置27にミッションAが表示された状態でキャラクタAに遭遇する特定変動演出が実行された場合は(S724:yes)、ミッションの達成を遊技者に印象付ける演出(ミッション達成演出)を指定するミッション達成演出指定コマンドを演出表示制御基板230に向けて送信する(S726)。
これに対して、ミッションを達成していない場合は(S724:no)、S726の処理を省略して、図柄変動演出の終了を示す図柄変動演出終了コマンドを演出表示制御基板230に向けて送信した後(S728)、図17の図柄変動演出処理を終了する。そして、図14の遊技演出制御処理に復帰すると、処理の先頭に戻って、遊技状態演出設定処理(S500)以降の一連の処理を繰り返す。
サブ制御基板220のCPU221は、以上のような遊技演出制御処理を繰り返すことによって、パチンコ機1での遊技の進行に合わせて演出の内容を決定する。また、サブ制御基板220のCPU221は、遊技演出制御処理の中で、演出表示装置27の表示に関する種々のコマンドを演出表示制御基板230に向けて送信する。演出表示制御基板230のCPU231は、受信したコマンドに基づいて演出表示装置27の具体的な表示制御を行う。以下では、演出表示制御基板230のCPU231が演出表示装置27での演出表示を制御するために行う処理(演出表示制御処理)について説明する。
C−6.演出表示制御処理 :
図18は、演出表示制御基板230に搭載されたCPU231が行う演出表示制御処理を示したフローチャートである。演出表示制御処理では、先ず、主制御基板200から遊技状態演出指定コマンドを受信したか否かを判断する(S800)。前述したように遊技状態演出指定コマンドには、現在の遊技状態に応じた演出(遊技状態演出)が指定されており、遊技状態演出指定コマンドを受信した場合は(S800:yes)、受信したコマンドに基づいて遊技状態演出を演出表示装置27にて実行する(S802)。具体的には、コマンドに指定された遊技状態演出に対応する画像データを画像ROM234から読み出して演出表示装置27に出力する。
一方、遊技状態演出指定コマンドを受信していない場合は(S800:no)、S802の処理を行うことなく、サブ制御基板220から保留表示指定コマンドを受信したか否かを判断する(S804)。保留表示指定コマンドには、現在の特図保留数に応じた保留表示が指定されたおり、保留表示指定コマンドを受信した場合は(S804:yes)、演出表示装置27の保留表示領域27eに表示される保留表示を更新する(S806)。
これに対して、保留表示指定コマンドを受信していない場合は(S804:no)、S806の処理を行うことなく、サブ制御基板220からミッション演出指定コマンドを受信したか否かを判断する(S808)。ミッション演出指定コマンドには、サブ制御基板220のCPU221によって決定されたミッション(図15のS616、S614)が指定されており、ミッション演出指定コマンドを受信した場合は(S808:yes)、受信したコマンドに指定されたミッションに対応する画像データを画像ROM234から読み出して演出表示装置27に出力することにより、ミッション演出を実行する(S810)。
一方、ミッション演出指定コマンドを受信していない場合は(S808:no)、S810の処理を行うことなく、ミッション演出終了コマンドを受信したか否かを判断する(S812)。ミッション演出終了コマンドは、ミッション演出の終了を示すコマンドであり、ミッション演出終了コマンドを受信した場合は(S812:yes)、演出表示装置27に表示中のミッションを消してミッション演出を終了する(S814)。前述したように本実施例では、サブ制御基板220のRAM223に記憶したミッションと、表示情報コマンドに示されたミッション(表示中のミッション)とが一致しない場合に、サブ制御基板220のCPU221からミッション演出終了コマンドが送信される(図15のS624)。尚、一致していない一部のミッションだけを消すこととして、ミッション消去コマンドを受信した場合は、受信したコマンドに従って一部のミッションの消去を行ってもよい。
これに対して、ミッション演出終了コマンドを受信していない場合は(S812:no)、S814の処理を行うことなく、サブ制御基板220から図柄変動演出指定コマンドを受信したか否かを判断する(S816)。図柄変動演出指定コマンドには、特別図柄の変動表示(図柄変動遊技)と連動して行う図柄変動演出が指定されており、図柄変動演出指定コマンドを受信した場合は(S816:yes)、受信したコマンドに指定された図柄変動演出に対応する画像データを画像ROM234から読み出して演出表示装置27に出力することにより、図柄変動演出を実行する(S818)。尚、特定変動パターンの図柄変動遊技と連動して行う図柄変動演出である場合は、キャラクタA〜Dの何れかに遭遇する内容の特定変動演出を実行する。また、前述したように図柄変動演出指定コマンドには、図柄変動演出を終了する際に停止表示させる識別図柄27a,27b,27cの組合せを示す情報も含まれており、S818では、停止表示させる識別図柄27a,27b,27cの組合せに対応する画像データを画像ROM234から読み出す処理も行う。
一方、図柄変動演出指定コマンドを受信していない場合は(S816:no)、S818の処理を行うことなく、サブ制御基板220からミッション達成演出指定コマンドを受信したか否かを判断する(S820)。ミッション達成演出指定コマンドには、ミッションの達成を示す演出(ミッション達成演出)が指定されており、ミッション達成演出指定コマンドを受信した場合は(S820:yes)、受信したコマンドに指定されたミッション達成演出に対応する画像データを画像ROM234から読み出して演出表示装置27に出力することにより、ミッション達成演出を実行する(S822)。
これに対して、ミッション達成演出指定コマンドを受信していない場合は(S820:no)、S822の処理を行うことなく、サブ制御基板220から図柄変動演出終了コマンドを受信したか否かを判断する(S824)。図柄変動演出終了コマンドは、図柄変動演出の終了を示すコマンドであり、図柄変動演出終了コマンドを受信していない場合は(S824:no)、演出表示制御処理の先頭に戻って、前述したS800以降の一連の処理を繰り返す。
一方、図柄変動演出終了コマンドを受信した場合は(S824:yes)、識別図柄27a,27b,27cを停止表示させて図柄変動演出を終了する(S826)。尚、特別図柄が大当り図柄で停止表示する場合は、3つの識別図柄27a,27b,27cが同じ図柄で揃った組合せ(ゾロ目)で停止表示させ、特別図柄が外れ図柄で停止表示する場合は、3つの識別図柄が同じ図柄で揃わない組合せ(バラケ目)で停止表示させる。
こうして図柄変動演出を終了すると、演出表示装置27にミッションを表示中か否かを判断する(S828)。前述したように本実施例のミッション演出は、複数回の図柄変動遊技に亘ってミッションを表示することが可能である。そして、ミッションを表示中である場合は(S828:yes)、ミッション演出を終了させるか否かを判断する(S830)。本実施例では、ミッション演出を終了させるか否かを演出表示制御基板230のCPU231が決定可能となっている。演出表示制御基板230のCPU231は、ミッション演出(ミッションの表示)を開始してから所定の表示時間が経過した場合にミッション演出を終了させてもよいし、終了させるか否かの抽選を行って決定してもよい。そして、ミッション演出の終了を決定した場合は(S830:yes)、演出表示装置27に表示中のミッションを消してミッション演出を終了する(S832)。
これに対して、演出表示装置27にミッションを表示していない場合や(S828:no)、ミッション演出を終了させないことを決定した場合は(S830:no)、S832の処理を省略して、演出表示装置27に表示中のミッションに関する情報を示す表示情報コマンドをサブ制御基板220に向けて送信する(S834)。尚、ミッションを表示していない場合は、表示していない旨の表示情報コマンドを送信する。また、表示情報コマンドは、表示中のミッションを特定できる情報を示すものであればよく、ミッションA〜Eのうち表示していないミッションを示すものであってもよい。こうして表示中のミッションを演出表示制御基板230からサブ制御基板220へと伝達(フィードバック)することによって、前述したようにサブ制御基板220のCPU221は、RAM223に記憶したミッションと表示中のミッションとが一致するか否かを判断することができる(図15のS622)。また、演出表示制御基板230のCPU231は、表示情報コマンドを送信すると、演出表示制御処理の先頭に戻って、S800以降の一連の処理を繰り返す。
演出表示制御基板230のCPU231は、サブ制御基板220から種々のコマンドを受信しながら以上のような遊技演出制御処理を繰り返し行うことによって、演出表示装置27の具体的な表示制御を実行する。ここで、前述したように本実施例のパチンコ機1では、特定変動演出(特定保留の図柄変動遊技に連動して行われる図柄変動演出)の内容を指令(ミッション)の対象とするミッション演出を実行可能であり、演出の内容を決定するサブ制御基板220のCPU221は、ミッション演出を実行する場合には、演出表示制御基板230からの表示情報コマンド(演出表示装置27に表示中のミッション)と、事前判定による特定保留の大当り判定結果とを参照して、複数のミッションの中から表示するミッションを決定するようになっている。これにより、ミッションを達成したにもかかわらず外れ図柄が停止表示されるといった誤った演出が行われることを防止すると共に、趣向性の高いミッション演出を実行することができる。以下では、この点について詳しく説明する。
図19は、事前判定による特定保留の大当り判定結果が大当りである場合に、ミッション演出が行われる様子を示した説明図である。先ず、図19(a)には、ミッション演出を実行するタイムチャートが示されている。図示した例では、特図保留が3つ記憶されており、そのうち3つ目の特図保留が特定保留(特定変動パターンが選択される保留)であると共に、この特定保留の大当り判定結果が大当りであることが事前判定されている。そして、特定保留の発生に基づいて、1つ目の特図保留に対応する図柄変動演出の開始に伴って演出表示装置27にミッションを表示する。
表示するミッションは、表示情報コマンドに示されたミッション(表示中のミッション)と、特定保留の大当り判定結果とに基づいて決定する。大当り判定結果が大当りであることから、5種類のミッションA〜E(図16)の全ての中から表示するミッションを決定し、5種類全ての表示を決定することも可能である。例えば、既にミッションA〜C及びミッションEの4つを表示中の場合は、さらにミッションDを追加して全てのミッションを表示してもよい。また、表示中のミッションA〜C及びミッションEの何れかを削除してミッションの数を減らしてもよいし、表示中のミッションA〜C及びミッションEをミッションDと入れ替えてもよいし、表示中のミッションA〜C及びミッションEをそのまま維持してもよい。
図19に示した例では、全てのミッションA〜Eを表示することを決定し、図19(b)には、全てのミッションA〜Eを演出表示装置27に表示した状態が示されている。本実施例のミッション演出は、複数回の図柄変動遊技(図柄変動演出)に亘ってミッションを表示することが可能であり、図柄変動演出中(図4参照)は、演出表示装置27の表示画面の一部(例えば、画面上部左端)を使用して表示を継続する。
また、特定保留に対応する図柄変動遊技に連動して実行可能な図柄変動演出(特定変動演出)として、キャラクタA〜Dの何れかに遭遇する内容の4種類の特定変動演出が設けられている。図19(c)には、特定変動演出の例が示されており、主人公(遊技者)が進んでいくと、その先にキャラクタA〜Dの何れかが登場するようになっている。これら4種類の特定変動演出の演出時間は何れも、特定変動パターンの変動時間と同じ「60秒」に設定されている。
前述したように本実施例のミッションA〜Eは、4種類の特定変動演出の何れかを指令の対象としており、図19(c)に示すように、全てのミッションA〜Eを表示した状態で、何れかのキャラクタに遭遇する演出(特定変動演出)に移行しさえすれば、大当りが確定となる。また、ミッションA〜C及びミッションEを表示した状態で、特定変動演出に移行した場合には、最低でも「激熱」(キャラクタDに遭遇)となるので、大当りの発生に対する遊技者の期待を大きく高めることができる。
また、特定保留の大当り判定結果が大当りである場合には、表示中のミッションの何れかを達成させる特定変動演出を実行するようになっている。全てのミッションA〜Eを表示している場合は、キャラクタA〜Dの何れに遭遇してもミッション達成となることから、図19(d)に示した例では、キャラクタBの登場によってミッションを達成し、ミッション達成演出を実行する。また、ミッションの達成により大当りが確定するので、識別図柄27a,27b,27cを同じ図柄で揃った組合せ(ゾロ目)で停止表示した後、大当り遊技が開始される。
一方、図20は、事前判定による特定保留の大当り判定結果が外れである場合に、ミッション演出が行われる様子を示した説明図である。図20(a)には、ミッション演出を実行するタイムチャートが示されており、図19(a)と同様に、3つ記憶されている特図保留のうち3つ目の特図保留が特定保留であることに基づいて、1つ目の特図保留に対応する図柄変動演出の開始に伴って演出表示装置27にミッションを表示する。但し、図20に示した例では、特定保留の大当り判定結果が外れであることが事前判定されている。
大当り判定結果が外れであることから、4種類のミッションA〜Dの中から少なくとも1つ表示しないミッションを残すように、表示するミッションを決定する。そのため、ミッションA〜Dの中から表示可能なミッションの数は3つまでとなる。例えば、既にミッションA〜Cの3つを表示中の場合は、さらにミッションDを追加して表示することができないので、表示中のミッションA〜Cをそのまま維持するか、表示中のミッションA〜Cの何れかをミッションDと入れ替えるか、表示中のミッションA〜Cの何れかを削除してミッションの数を減らすかの何れかを決定する。尚、ミッションEは大当りを確定するものではないので、外れであっても表示が可能である。
図20(b)に示した例では、ミッションCを残して、ミッションA,B,Dの3つを演出表示装置27に表示している。その後、ミッションの表示を継続したまま特定保留に対応する図柄変動遊技に連動して、図20(c)に示すようにキャラクタA〜Dの何れかに遭遇する内容の特定変動演出を実行する。本実施例のミッション演出では、特定保留の大当り判定結果が外れであっても、複数のミッションを表示することが可能であり、表示するミッションの数を多くすることで、ミッション達成への期待を高めておくことができる。
また、特定保留の大当り判定結果が外れである場合には、表示中のミッションの何れも達成させない特定変動演出を実行するようになっている。図20に示した例では、ミッションCを表示せずに残しているので、図20(d)に示すようにキャラクタCの登場によって、表示中のミッションは何れも達成せず、識別図柄27a,27b,27cを同じ図柄で揃わない組合せ(バラケ目)で停止表示する。尚、本実施例のミッション演出では、ミッションを達成しなかった場合、ミッションの表示はそのまま継続される。
以上に説明したように、本実施例のパチンコ機1では、特定保留の発生に基づいてミッション演出を実行可能であり、サブ制御基板220のCPU221は、演出表示制御基板230からの表示情報コマンド(表示中のミッション)と、事前判定による特定保留の大当り判定結果とに基づいて、複数のミッション(A〜E)の中から表示するミッションを決定するようになっている。具体的には、大当り判定結果が大当りであれば、全てのミッションを表示可能とし、表示するミッションの数や種類によってミッション達成への期待に変化を付けて、趣向性の高いミッション演出を実現することができる。また、大当り判定結果が外れであれば、少なくとも1つ表示しないミッションを残して、表示するミッションを決定し、その表示しないミッションの指令対象である特定変動演出を実行することでミッション達成を阻止可能なので、ミッションを達成したのに外れとなるといった誤った演出の実行を防止できる。加えて、大当り判定結果が外れでも、表示しないミッションを少なくとも1つ残しておけば、複数のミッションを表示可能なので、表示するミッションの数を多くすることでミッション達成への期待を高めることができる。
また、従来のパチンコ機1では、例えば、「60秒」の変動パターンに対応して設けられた図柄変動演出(図柄変動演出A)を指令対象とするミッションを表示した場合に、「60秒」の変動パターンが選択された図柄変動遊技の大当り判定結果が外れであれば、図柄変動演出Aの実行によりミッションを達成しても外れとなってしまうので、その前にミッション演出を終了させなければならなかった。これに対して、本実施例のパチンコ機1では、特定変動パターンの変動時間(60秒)に合わせて実行可能な特定変動演出が4種類設けられており、ミッションA〜Eは、これら4種類の特定変動演出の何れかを指令対象としている。そして、特定保留(特定変動パターンが選択される保留)の大当り判定結果が外れであれば、ミッションA〜Dのうち、少なくとも1つ表示しないミッションを残し、その表示しないミッションの指令対象である特定変動演出を実行することでミッション達成を阻止できるので、外れに係る図柄変動遊技で特定変動演出を実行する場合にもミッション演出を終了させることなく、その後もミッションの表示を継続して、長期間に亘ってミッションを表示することが可能となる。
さらに、本実施例のパチンコ機1では、特定保留の発生に基づいて、ミッション演出を開始あるいは更新することが可能となっている。尚、ミッション演出の開始あるいは更新のタイミングは、特定保留の発生から特定保留に対応する図柄変動演出の開始までの間であれば、特に限定されない。このようにすれば、ミッション演出が開始あるいは更新されると、その時点で記憶されている特図保留の範囲内で、ミッションの達成または非達成を示す特定変動演出が実行されることになるので、「ミッション演出の開始あるいは更新」自体がミッション達成に対する遊技者の期待を高めて、遊技興趣を盛り上げることができる。
また、図21は、ミッションの表示に異常があると判断した場合に、ミッション演出を終了する様子を示した説明図である。図21(a)には、タイムチャートが例示されている。図示した例では、3つ記憶されている特図保留のうち3つ目の特図保留が特定保留であると共に、大当り判定結果が外れであると事前判定されている。そして、特定保留の発生に基づいて、1つ目の特図保留に対応する図柄変動演出の開始に伴って演出表示装置27にミッションを表示する。
サブ制御基板220のCPU221は、特定保留の大当り判定結果が外れであることから、ミッションA〜Dの中から少なくとも1つ表示しないミッションを残すように、表示するミッションを決定する。そして、決定したミッションをRAM223に記憶すると共に、決定したミッションを示すミッション演出指定コマンドを演出表示制御基板230に向けて送信する。演出表示制御基板230のCPU231は、受信したミッション演出指定コマンドに従って演出表示装置27にミッションを表示する。
図21(b)に示した例では、ミッションB,Dの2つが演出表示装置27に表示されている。また、本実施例の演出表示制御基板230のCPU231は、図柄変動演出が終了する毎に、現在表示中のミッションを示す表示情報コマンドをサブ制御基板220に向けて送信する。サブ制御基板220のCPU221は、表示情報コマンドを受信すると、表示情報コマンドに示された表示中のミッションと、RAM223に記憶したミッションとを対比して一致するか否かを判断する。例えば、RAM223に記憶したミッションがミッションA,Bであるのに、実際に表示中のミッションがミッションB,Dである場合には、不一致と判断する。この原因としては、サブ制御基板220側の記憶に異常が発生したか、演出表示制御基板230側の表示制御に異常が発生した等が考えられる。このような場合にミッション演出を継続すると、特定保留の大当り判定結果が外れであるにもかかわらず、表示中のミッションを達成させる特定変動演出を実行するといった誤った演出を行う可能性がある。そのため、表示情報コマンドに示されたミッションと記憶したミッションとが一致しない場合は、ミッションの表示を消してミッション演出を終了する。このようにミッション演出を強制的に終了する際には、例えば、ミッション演出を終了するまでの時間を示すカウンタを表示しておき、このカウンタの経時を速めて直ぐに終了するようにしてもよい。
その後、特定保留に対応する図柄変動遊技に連動して、図21(c)に示すようにキャラクタA〜Dの何れかに遭遇する内容の特定変動演出を実行する。既にミッション演出を終了しているので、演出表示装置27にはミッションが表示されておらず、キャラクタA〜Dの何れに遭遇してもミッションが達成することはない。そのため、キャラクタA〜Dの何れに遭遇する特定変動演出を選択することも可能であるが、本実施例では大当り判定結果に応じて特定変動演出を選択するようになっており、大当り判定結果が大当りであれば、キャラクタAまたはBに遭遇する特定変動演出を選択するのに対して、大当り判定結果が外れであれば、キャラクタCまたはDに遭遇する特定変動演出を選択する。図21(d)には、キャラクタDに遭遇する例が示されており、終了したミッション演出で表示していたミッションにとらわれることなく、キャラクタA〜Dに遭遇する特定変動演出を実行することができる。
このように本実施例のパチンコ機1では、図柄変動遊技が行われる毎に、演出表示制御基板230のCPU231は、演出表示装置27に表示中のミッションを示す表示情報コマンドをサブ制御基板220に送信するようになっている。そして、サブ制御基板220のCPU221は、表示情報コマンドに示されたミッション(表示中のミッション)とRAM223に記憶したミッションとが一致しない場合には、ミッションの表示に異常があるものとしてミッション演出を終了するので、大当り判定結果が外れであるにもかかわらず、表示中のミッションを達成する(指令された図柄変動演出を実行する)といった誤った演出の実行を防止することができる。
特に、本実施例のパチンコ機1では、複数のミッション(A〜E)を同時に表示することが可能であり、表示するミッションの数を変更することで、ミッション達成に対する遊技者の期待に変化を付けて、遊技興趣を盛り上げることができる。その反面、表示するミッションの数を変更可能にすると、表示するミッションについてサブ制御基板220と演出表示制御基板230との間で齟齬が生じる可能性が高くなる。そこで、図柄変動遊技が行われる毎に、表示中のミッションを演出表示制御基板230からサブ制御基板220に伝達して、ミッションの表示に異常がないかを確認するようにすれば、誤ったミッションが実行されることを未然に防ぐことが可能となる。
また、本実施例のミッション演出では、複数回の図柄変動遊技に亘ってミッションを表示することが可能であり、このミッション演出を終了させるか否かを演出表示制御基板230のCPU231が決定可能となっている。このように演出表示制御基板230のCPU231がミッション演出の終了を決定する場合、サブ制御基板220のCPU221は、ミッションを表示中か否かを把握できなくなるところ、本実施例では、図柄変動演出が行われる毎に演出表示制御基板230から表示情報コマンドが送信されるので、この表示情報コマンドに基づいてミッション演出の終了を把握することができる。前述したようにサブ制御基板220のCPU221は、遊技の進行に合わせて演出を制御するために様々な処理を行っており、サブ制御基板220のCPU221に代わって演出表示制御基板230のCPU231がミッション演出の終了を決定することにより、サブ制御基板220のCPU221の制御負担を軽減することができる。
D.変形例 :
以上に説明した実施例では、表示情報コマンドに示されたミッション(表示中のミッション)と、RAM223に記憶したミッションとが一致しない場合には、表示中のミッションを消してミッション演出を終了するようになっていた(図15のS624)。しかし、一致しない場合において、表示情報コマンドに示されたミッションと記憶したミッションとに基づいてミッションを終了するか否かを決定してもよい。以下では、このような構成を採用した変形例について説明する。尚、変形例の説明にあたっては、上述した実施例と同様の構成部分については、実施例と同様の符号を付し、詳細な説明を省略する。
変形例のミッション演出処理(図15参照)では、サブ制御基板220のRAM223に記憶したミッションと、表示情報コマンドに示されたミッション(表示中のミッション)とが一致しない場合は(S622:no)、前述した実施例のS624の処理に代えて、ミッション不一致時処理を実行する(S630)。図22は、変形例のミッション不一致時処理を示すフローチャートである。変形例のサブ制御基板220のCPU221は、ミッション不一致時処理を開始すると、先ず5種類のミッションA〜Eのうち、RAM223に記憶したミッション、および表示情報コマンドに示されたミッション(表示中のミッション)の何れにも含まれないミッション(以下、空きミッション)があるか否かを判断する。例えば、RAM223に記憶したミッションがミッションA,B,Eであり、表示情報コマンドに示されたミッションがミッションB,Dである場合には、ミッションCが空きミッションとなる。そして、空きミッションがない場合は(S632:no)、表示中のミッションを消してミッション演出を終了することを示すミミッション演出終了コマンドを演出表示制御基板230に向けて送信する(S634)。その後、図22のミッション不一致時処理を終了して、図15のミッション演出処理に復帰する。
一方、空きミッションがある場合は(S632:yes)、ミッション継続フラグをONに設定する(S636)。ミッション継続フラグは、記憶したミッションと表示情報コマンドに示されたミッション(表示中のミッション)とが不一致であるがミッション演出を継続したことを示すフラグである。ミッション継続フラグをONに設定すると、図22のミッション不一致時処理を終了して、図15のミッション演出処理に復帰する。
また、変形例の図柄変動演出処理(図17参照)では、S718の処理においてミッション継続フラグを参照し、ONに設定されていれば、空きミッションを達成させる図柄変動演出(特定変動演出)を選択する。RAM223に記憶したミッションと表示情報コマンドに示されたミッション(表示中のミッション)とが一致しない場合でも、両方が誤っていることは稀であり、何れかが正しい可能性が高い。そこで、空きミッションを達成させる特定変動演出(例えば、空きミッションがミッションCである場合は、キャラクタCに遭遇する特定変動演出)を実行すれば、記憶したミッションおよび表示中のミッションの何れも達成させないので、大当り判定結果が外れであるにもかかわらずミッション達成となることを回避する可能性を高めることができる。また、ミッションEは大当りを確定するものではないので、何れが記憶されているかに関わらず、ミッションEを達成させることとしてもよい。
さらに、S716の処理においてもミッション継続フラグを参照し、ONに設定されていれば、RAM223に記憶したミッション、および表示情報コマンドに示されたミッション(表示中のミッション)の何れにも含まれるミッション(以下、重複ミッション)があるか否かを判断して、重複ミッションがある場合は、その重複ミッションを達成させる図柄変動演出(特定変動演出)を選択する。S716の処理は、大当り判定結果が大当りの場合に行われる処理であり、記憶したミッションおよび表示中のミッションの何れかが正しければ、重複ミッションを達成させる特定変動演出を実行することによって、正しいミッション(当初意図したミッション)を達成させて大当りを発生させることができる。尚、大当り判定結果が大当りの場合は、ミッションを達成していないのに大当りとなっても問題なく(遊技者に不利益とならず)、むしろ意外性を与えて遊技興趣を高めることができる。
以上、本発明について実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
例えば、前述した実施例では、特定保留(特定変動パターンが選択される保留)の発生に基づいて、ミッション演出を開始(あるいは更新)することが可能となっていた。しかし、ミッション演出の開始を判断する契機は特に限定されるわけではなく、例えば、特図変動遊技が行われる毎にミッション演出実行抽選を行って、ミッション演出を開始するか否かを判断してもよい。また、ミッションの指令対象である演出は、特定変動演出(特定保留の図柄変動遊技に連動して行われる図柄変動演出)に限定されるものではなく、複数の図柄変動演出の中の何れかを指令対象としてもよい。
また、前述した実施例では、サブ制御基板220のCPU221が、演出表示制御基板230からの表示情報コマンドに示されたミッション(表示中のミッション)と、事前判定による大当り判定の結果とに基づいて、表示するミッションを決定していた。しかし、サブ制御基板220のRAM223にも、前回に決定したミッションを記憶しており(図15のS616)、通常は記憶しているミッションと表示中のミッションとが一致することから、この記憶しているミッションと、事前判定による大当り判定の結果とに基づいて、表示するミッションを決定してもよい。このようにすれば、何らかの理由で演出表示制御基板230からの表示情報コマンドを受信できない場合でも、表示するミッションを決定することができる。
また、前述した実施例では、図柄変動演出の終了に伴って(サブ制御基板220から図柄変動演出終了コマンドを受信した際に)、演出表示制御基板230のCPU231がサブ制御基板220に向けて表示情報コマンド(表示中のミッションを示すコマンド)を送信するようになっていた。しかし、表示情報コマンドは、図柄変動遊技が行われる毎に送信するのであれば、送信のタイミングは特に限定されるものではない。例えば、図柄変動演出の開始に伴って(図柄変動演出指定コマンドを受信した際に)送信してもよい。尚、前述した実施例のように図柄変動演出の終了に伴って表示情報コマンドを送信しておけば、次回の図柄変動演出の開始に伴って実行するミッション演出を円滑に決定することができる。また、制御処理が混雑する図柄変動演出の開始時や終了時を避けて、制御処理に余裕のあるタイミング(例えば、図柄変動演出中)で送信してもよい。
また、前述した実施例では、遊技ホールの島設備から供給される遊技球を「貸球」や「賞球」として利用し、遊技盤に設けられた各種入賞口(第1始動口17a、第2始動口17b、大入賞口31等)への遊技球の入球に応じて所定数の賞球を払い出すことによって、遊技の結果としての利益(遊技価値)を遊技者に付与するパチンコ機1に本発明を適用した例を説明したが、「賞球の払い出し」とは異なる形態で遊技上の利益を付与するタイプの遊技機にも、本発明を適用することができる。例えば、各種入賞口への遊技球の入球が発生することで、その入球に対応する利益の量(遊技価値の大きさ)を示すデータを主制御部あるいは払出制御部のRAMに記憶することによって、遊技上の利益(遊技価値)を遊技者に付与するタイプのパチンコ機にも本発明を適用することができ、この場合にも、前述した実施例と同様の効果を得ることができる。なお、遊技上の利益(遊技価値)をデータ化して遊技者に付与するタイプのパチンコ機としては、パチンコ機に内蔵された複数個の遊技球を循環させて使用する遊技機、具体的には、各種入賞口あるいはアウト口を経て遊技盤の裏面に排出された遊技球を、再度、発射位置に戻して発射するように構成されたパチンコ機(いわゆる封入式遊技機)を例示できる。