以下、本発明を遊技機の一種であるパチンコ遊技機(以下「パチンコ機」と示す場合がある)に具体化した一実施形態を図1〜図17に基づいて説明する。
図1には、パチンコ遊技機10と該パチンコ遊技機10が遊技場の遊技機設置設備(遊技島)に設置された際に並設される遊技媒体貸出用ユニットとしてのカードユニット装置11が略示されている。カードユニット装置11には、遊技者に貸し出される貸出用遊技媒体としての遊技球(貸し球)と交換可能な交換媒体としてのプリペイドカードを投入するための投入口11aが設けられている。カードユニット装置11は、投入されたプリペイドカードの価値を読み書き可能な構成となっている。具体的に言えば、カードユニット装置11は、投入時にプリペイドカードの残金(価値)を読込むとともに、貸し球の払出しに伴ってプリペイドカードの残金(価値)を書き替える。
パチンコ遊技機10の機体の外郭をなす外枠12の開口前面側には、各種の遊技用構成部材をセットする縦長方形の中枠13が開放及び着脱自在に組み付けられているとともに、中枠13の前面側には前枠14が開閉及び着脱自在に組み付けられている。前枠14は、図1に示すようにパチンコ遊技機10を機正面側から見た場合において、中枠13に重なるように組み付けられている。このため、中枠13は、前枠14の後側に配置されており、機正面側からは視認し得ないようになっている。前枠14は、中央部に窓口15を有するとともに、該窓口15の下方にパチンコ遊技機10の遊技媒体となる遊技球を貯留可能な第1貯留皿としての上皿(貯留皿)16を一体成形した構成とされている。前枠14の裏面側には、機内部に配置された遊技盤YBを保護し、かつ窓口15を覆う大きさのガラスを支持する図示しないガラス支持枠が着脱及び傾動開放可能に組み付けられている。遊技盤YBは、中枠13に装着される。また、前枠14には、窓口15のほぼ全周を囲むように、図示しない発光体(ランプ、LEDなど)の発光(点灯や点滅)により発光演出を行う電飾表示部を構成する上側枠用装飾ランプ17と、左側枠用装飾ランプ18と、右側枠用装飾ランプ19とが配置されている。各枠用装飾ランプ17,18,19は、前枠14の前面に装着される複数の発光体を、該各発光体の発する光を透過可能に成形したランプレンズ17a,18a,19aで覆って構成されている。
前枠14には、窓口15の左右上部に、各種音声を出力して音声演出を行う左スピーカ20aと、右スピーカ20bとが配置されている。左スピーカ20aと右スピーカ20bは、前枠14の裏面に装着されており、該前枠14の前面であって左スピーカ20a及び右スピーカ20bの装着部位に対応する部位には図示しない放音孔が複数形成されている。
中枠13の前面側であって前枠14の下部には、上皿16から溢れ出た遊技球を貯留する第2貯留皿としての下皿(貯留皿)21が装着されている。また、中枠13の前面側であって下皿21の右方には、遊技球を遊技盤YBに発射させる際に遊技者によって回動操作される遊技球発射用の発射ハンドル22が装着されている。また、前枠14には、下皿21の左方に、各種音声を出力して音声演出を行う下スピーカ20cが配置されている。下スピーカ20cは、中枠13に装着されている。
上皿16には、その左方側に機内部から払出される遊技球の払出口16aが設けられているとともに、遊技者の保有する遊技球を貯留する凹状の貯留通路16bが連設されており、さらに右方側に貯留通路16b内の遊技球を機内部に取り込む図示しない上皿取込口が設けられている。上皿16に貯留された遊技球は、貯留通路16bにより前記上皿取込口へ案内されるとともに該上皿取込口を介して1球ずつ機内に取り込まれ、遊技盤YBに向けて発射される。遊技盤YBに向けて発射される遊技球は、発射ハンドル22の回動量に応じて発射の強弱が設定される。また、下皿21には、上皿16から溢れ出て流下した遊技球の出口21aが設けられているとともに、遊技球を貯留する凹状の貯留部21bが遊技球の出口21aに連設されている。
また、上皿16には、演出用操作手段として押しボタン式の演出ボタン70が配設されている。この演出ボタン70が押下操作されると、演出ボタン70に接続されている統括制御基板31(図10参照)に操作信号が出力される。
次に、遊技盤YBの構成について図2にしたがって詳しく説明する。
遊技盤YBの前面には、発射ハンドル22の操作によって発射された遊技球を誘導し、かつパチンコ遊技の主体となるほぼ円形の遊技領域YH1を形成する誘導レール23が円形渦巻き状に敷設されている。この誘導レール23によって遊技盤YBには、該遊技盤YBの左下方から左上方に向かって延びる遊技球の誘導路23aが形成されるとともに、誘導レール23の内側に遊技領域YH1が形成される。また、遊技盤YBの前面であって誘導レール23の外側となる遊技領域YH1外は、パチンコ遊技に直接関与しない非遊技領域YH2とされている。
図2において、遊技盤YBの遊技領域YH1の左下方には、7セグメント型の表示手段としての特図表示器H0が設置されている。また、遊技盤YBの遊技領域YH1には、液晶ディスプレイ型の演出実行手段としての可変表示器H2が配設されている。また、遊技盤YBの遊技領域YH1には、装飾部材としてのセンター役物CYが設けられている。特図表示器H0では、複数種類の図柄を変動させて表示する図柄変動ゲームが行われる。可変表示器H2では、特図表示器H0で行われる図柄変動ゲームに係わる表示演出が行われるようになっている。具体的には、可変表示器H2では、変動画像(又は画像表示)に基づく表示演出が行われるとともに、複数種類の図柄を複数列で変動させて図柄組み合わせを表示する図柄変動ゲーム(以下、図柄組み合わせゲームと示す場合がある)が行われる。
そして、図柄変動ゲームにおいて特図表示器H0では、複数種類の特別図柄(以下、「特図」と示す場合がある)を1列で変動させて特図を表示する。この特図は、大当りか否かなどの内部抽選の結果を示す報知用の図柄である。一方、図柄変動ゲームに係わる表示演出において可変表示器H2では、複数種類の飾り図柄(以下、「飾図」と示す場合がある)を複数列(本実施形態では3列)で変動させて各列毎に飾図を表示する。この飾図は、表示演出を多様化するために用いられる演出用の図柄である。
そして、特図表示器H0では、図柄変動ゲームの開始により同時に図柄の変動表示が開始され、該ゲームの終了と同時に特図が確定停止表示される。また、可変表示器H2では、図柄変動ゲームの開始により同時に飾図の変動表示が開始され、該ゲーム終了前に飾図がゆれ変動状態で一旦停止表示され、該ゲームの終了と同時に各列の飾図が確定停止表示される。「変動表示」とは、図柄を表示する表示器に定める表示領域内において表示される図柄の種類が変化している状態であり、「一旦停止表示」とは、前記表示領域内において図柄がゆれ変動状態で表示されている状態である。また、「確定停止表示」とは、前記表示領域内において図柄が確定停止している状態である。なお、特図表示器H0と可変表示器H2では、同時に図柄変動ゲームと図柄変動ゲームに係わる表示演出が開始され、同時に終了する(すなわち、同時に特図と飾図が確定停止表示される)。
本実施形態において特図表示器H0には、複数種類(本実施形態では101種類)の特図の中から、大当り抽選の抽選結果に対応する1つの特図が選択され、その選択された特図が図柄変動ゲームの終了によって個別に確定停止表示される。101種類の特図は、大当りを認識し得る図柄となる100種類の大当り図柄(大当り表示結果に相当する)と、はずれを認識し得る図柄となる1種類のはずれ図柄とに分類される。また、大当り図柄が表示された場合、遊技者には、大当り遊技が付与される。本実施形態の大当り遊技については後で詳細に説明する。
また、本実施形態において可変表示器H2には、各列毎に[1]、[2]、[3]、[4]、[5]、[6]、[7]、[8]の8種類の数字が飾図として表示されるようになっている。そして、本実施形態において可変表示器H2は、特図表示器H0に比較して大きい表示領域で構成されるとともに、飾図は特図に比較して遥かに大きく表示されるようになっている。このため、遊技者は、可変表示器H2に停止表示された図柄組み合わせから大当り又ははずれを認識できる。可変表示器H2に停止表示された全列の図柄が同一種類の場合には、その図柄組み合わせ([222][777]など)から大当り遊技が付与される大当りを認識できる。この大当りを認識できる図柄組み合わせが飾図による大当りの図柄組み合わせ(大当り表示結果)となる。大当りの図柄組み合わせが確定停止表示されると、遊技者には、図柄変動ゲームの終了後に大当り遊技が付与される。一方、可変表示器H2に確定停止表示された全列の図柄が異なる種類の場合、又は1列の図柄が他の2列の図柄とは異なる種類の場合には、原則として、その図柄組み合わせ([123][122][767]など)からはずれを認識できる。このはずれを認識できる図柄組み合わせが飾図によるはずれの図柄組み合わせ(はずれ表示結果)となる。
また、本実施形態において、可変表示器H2における各列は、図柄変動ゲームが開始すると、予め定めた変動方向(縦スクロール方向)に沿って飾図が変動表示されるようになっている。そして、図柄変動ゲームが開始すると(各列の飾図が変動を開始すると)、可変表示器H2において遊技者側から見て左列(左図柄)→右列(右図柄)→中列(中図柄)の順に飾図が停止表示されるようになっている。そして、停止表示された左図柄と右図柄が同一種類の場合には、その図柄組み合わせ([1↓1]など、「↓」は変動中を示す)からリーチ状態を認識できる。リーチ状態は、複数列のうち、特定列(本実施形態では左列と右列)の飾図が同一種類となって停止表示され、かつ前記特定列以外の列(本実施形態では中列)の飾図が変動表示されている状態である。このリーチ状態を認識できる図柄組み合わせが飾図によるリーチの図柄組み合わせとなる。また、本実施形態のパチンコ遊技機10では、図柄変動ゲームの開始後、最初に飾図を停止表示させる左列が第1停止表示列になるとともに、次に飾図を停止表示させる右列が第2停止表示列になり、さらに最後に飾図を停止表示させる中列が第3停止表示列となる。
また、可変表示器H2には、特図表示器H0の表示結果に応じた図柄組み合わせが表示されるようになっている。より詳しくは、特図表示器H0に表示される特図と、可変表示器H2に表示される飾図による図柄組み合わせが対応されており、図柄変動ゲームが終了すると、特図と飾図による図柄組み合わせが対応して確定停止表示されるようになっている。例えば、特図表示器H0に大当り図柄が確定停止表示される場合には、原則として可変表示器H2にも[222]や[444]などの大当りの図柄組み合わせが確定停止表示されるようになっている。また、特図表示器H0にはずれ図柄が停止表示される場合には、可変表示器H2にも[121]や[345]などのはずれの図柄組み合わせが確定停止表示されるようになっている。なお、特図に対する飾図の図柄組み合わせは一対一とは限らず、1つの特図に対して複数の飾図による図柄組み合わせの中から1つの飾図による図柄組み合わせが選択されるようになっている。以上のように、本実施形態の可変表示器H2では、図柄変動ゲームに係わる表示演出(3列の図柄を変動表示させて図柄の組み合わせを表示させる図柄変動ゲーム)が行われるようになっている。
また、遊技盤YBの左下方であって、特図表示器H0の下方に、2つのLEDから構成される普通図柄表示器H10が配設されている。この普通図柄表示器H10では、複数種類の普通図柄(以下、「普図」と示す場合がある)を変動させて1つの普図を導出する普通図柄による図柄組み合わせゲーム(以下、「普図ゲーム」と示す場合がある)が行われるようになっている。本実施形態では、普図を2つのLEDの発光態様にて3種類示しており、具体的には、2つのLEDが共に点灯する、右側LEDだけが点灯する、左側LEDだけが点灯することにより、複数種類の普図を示している。なお、以下では、説明の都合上、2つのLEDが共に点灯することにより示す普図を普図「0」とし、右側LEDだけが点灯することにより示す普図を普図「1」とし、左側LEDだけが点灯することにより示す普図を普図「2」とする。
遊技者は、普図ゲームで最終的に表示された図柄組み合わせ(普図ゲームで導出された表示結果)から普通当り又ははずれを認識できる。普通図柄表示器H10に表示された普図が「1」「2」の場合には、普通当りを認識できる。この普通当りを認識できる普図が普通当りの表示結果となる。普通当りの表示結果が表示された場合、遊技者には、普通当り遊技が付与される。また、普通図柄表示器H10に表示された普図が「0」である場合には、その普図からはずれを認識できる。このはずれを認識できる普図がはずれの表示結果となる。
また、図2に示すように、センター役物CYの下方には、常時遊技球が入球可能な上始動用入球口を有する上始動入賞口25が配設されている。上始動入賞口25の奥方には、入球した遊技球を検知する上始動口センサSE1(図10に示す)が設けられている。上始動入賞口25は、遊技球の入球を契機に、図柄変動ゲームの始動条件を付与し得る。また、上始動入賞口25の下方には、遊技球が入球可能な下始動用入球口と、普通電動役物ソレノイドSOL2(図10に示す)の作動により開閉動作を行う開閉部材としての開閉羽根(普通電動役物)26とを備えた下始動入賞口27が配設されている。
下始動入賞口27の奥方には、入球した遊技球を検知する下始動口センサSE2(図10に示す)が設けられている。下始動入賞口27は、遊技球の入球を契機に、図柄変動ゲームの始動条件を付与し得る。下始動入賞口27の下始動用入球口は、常には開閉羽根26が閉状態とされて閉鎖されている。下始動用入球口が閉鎖されている状態において下始動入賞口27は、入球不能な状態(入球が規制された状態)とされる。そして、下始動用入球口は、予め定めた開放条件が成立すると、開閉羽根26が閉状態から開状態に作動することにより、1回又は複数回だけ予め定めた開放時間の間、開放される。下始動用入球口が開放されている状態において下始動入賞口27は、入球可能な状態(入球が許容された状態)とされる。上始動入賞口25と下始動入賞口27は、遊技盤YBの遊技領域YH1に発射される遊技球の流下方向(上下方向)に沿って並設されており、本実施形態の遊技盤YBには始動条件を付与し得る始動条件装置(入賞検知手段)が複数設けられていることとなる。なお、本実施形態の上始動入賞口25及び下始動入賞口27は、遊技球の入球を契機に、3球の賞球を払い出させるようになっている。また、本実施形態では、上始動入賞口25と下始動入賞口27が始動入賞手段として機能する。
また、下始動入賞口27の下方には、図示しないアクチュエータ(ソレノイド、モータなど)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉29aを備えた特別入賞手段としての大入賞口装置(特別電動役物)29が配設されている。大入賞口装置29の奥方には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSE3(図10に示す)が配設されている。大入賞口装置29は、入球した遊技球を検知することにより、予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。
そして、大当り遊技が付与されると、付与された大当り遊技の種類に応じて大入賞口扉29aが開動作して大入賞口装置29が開放され、その開放により遊技球の入球が許容される。このため、遊技者は、多数の賞球を獲得できるチャンスを得ることができる。本実施形態において大当り遊技は、多数の賞球を獲得できるチャンスを得られることから、遊技者に有利な状態となる。そして、この大当り遊技は、内部抽選で大当りが決定し、図柄変動ゲームにて大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示されることを契機に付与される。なお、本実施形態の大入賞口装置29は、遊技球の入球を契機に、12球の賞球を払い出させるようになっている。
また、図2に示すように、特図表示器H0の下部には、保留表示器Raが配設されている。保留表示器Raは、上始動入賞口25及び下始動入賞口27に入球し、始動保留球となって機内部(RAM30c)で記憶された始動保留球の記憶数(以下、「特図始動保留記憶数」と示す)を表示する表示器であり、保留表示器Raの表示内容によって保留されている図柄変動ゲームの回数が報知される。
特図始動保留記憶数は、上始動入賞口25及び下始動入賞口27へ遊技球が入球すると1加算(+1)され、図柄変動ゲームが開始されることにより1減算(−1)される。そして、図柄変動ゲーム中に上始動入賞口25又は下始動入賞口27へ遊技球が入球すると特図始動保留記憶数は更に加算(+1)されて所定の上限数(本実施形態では4)まで累積される。そして、保留表示器Raは、複数(4個)の発光手段で構成されている。例えば、1個の発光手段が点灯している場合には1回の図柄変動ゲームが保留中であることを報知している。従って、遊技者は、保留表示器Raの表示内容を見て、保留されている図柄変動ゲームの回数が減ったときには、現在図柄変動ゲームが実行されていることを認識することができる。また、可変表示器H2は、その表示領域の一部に、特図始動保留記憶数に対応する数の保留表示画像Gaを表示することにより、特図始動保留記憶数を示している。例えば、1個の保留表示画像Gaが表示されている場合には1回の図柄変動ゲームが保留中であることを報知している。従って、遊技者は、保留表示画像Gaの表示内容を見て、保留されている図柄変動ゲームの回数が減ったときには、現在図柄変動ゲームが実行されていることを認識することができる。なお、保留表示画像Gaの方が、保留表示器Raよりも大きく、また、目立つように遊技機中央に表示されるため、遊技者は、通常、保留表示画像Gaを見て保留されている図柄変動ゲームの回数を認識するようになっている。
また、センター役物CYの左方には、作動ゲート24が配設されている。作動ゲート24の奥方には、入賞(通過)した遊技球を検知するゲートセンサSE4(図10に示す)が設けられている。作動ゲート24は、遊技球の入賞検知(通過検知)を契機に、普図ゲームの始動条件を付与し得る。普図ゲームは、下始動入賞口27を開状態とするか否か(下始動入賞口27に遊技球を入賞可能とするか否か)の抽選結果を導出するために行われる演出である。下始動入賞口27は、開閉羽根26により常には入り口が閉鎖された閉状態となっており、この閉状態では遊技球を入賞させることができない。その一方で、下始動入賞口27は、普図当り遊技が付与されると、開閉羽根26が開放されることにより下始動入賞口27が開状態となり、遊技球を入賞させることができる。すなわち、普図当り遊技が付与されると、開閉羽根26の開放によって下始動入賞口27に遊技球を入賞させることができるため、下始動入賞口27に遊技球を入賞させやすくなり、遊技者は、図柄変動ゲームの始動条件と賞球を容易に獲得できるチャンスを得ることができる。なお、上始動入賞口25へは常に同じ条件で遊技球を入賞させることができるようになっている。
また、遊技盤YBの右下方の遊技領域YH1には、演出装置としての演出用可動体50が配置されている。
ここで、演出用可動体50の構成について、図3〜図8に基づいて説明する。
演出用可動体50は、透明な樹脂により形成されており、略四角形の筒状に形成された露出部50aと、略L字状に形成された背面部50bにより構成されている。パチンコ遊技機10の表面(遊技者側)から見たとき(図3及び図6)において、前記露出部50aは、その長手方向が右上に傾斜するように設けられている。また、露出部50aは、遊技盤YBに形成された収容部60に収容された際、その表面部分が露出するように構成されている。さらに、露出部50aの内部には、その長手方向に沿って遊技球BLが通過することができるように演出通路(演出領域)59が形成されている。露出部50aは、透明な樹脂により形成されているため、演出通路59を通過する遊技球BLを視認することができるようになっている。
一方、パチンコ遊技機10の裏側から見たとき(図4及び図5)において、背面部50bは、略L字状に形成されており、その上端が露出部50aの上端と一致するように設けられている。また、露出部50aの下端は、背面部50bの左右方向中央部分に配置されるように固定されている。そして、背面部50bの内部には、その形状に沿うように略L字状の背面側通路58が形成されている。また、背面側通路58の左右方向に延びる部分は、下方に向かって僅かに傾斜している。当該背面側通路58は、遊技球BLが通過可能に構成されている。このため、背面側通路58の上端に位置する遊技球BLは、背面側通路58の下端に向かって、略L字状の通路に沿って転動するようになっている。そして、背面側通路58の上端は、露出部50a内に形成された演出通路59の上端と排出口53を介して連通しているとともに、背面側通路58の下端は、露出部50a内に形成された演出通路59の下端と連通口54を介して連通している。すなわち、背面側通路58を通過した遊技球BLが、演出通路59を通過して再び背面側通路58に戻ってくるように背面側通路58と演出通路59が繋がっている。なお、背面部50bは、遊技盤YBの収容部60に収容されたとき、遊技盤YB及び露出部50aにより遮られて遊技者から見えないようになっている。
また、演出用可動体50の背面部50bには、背面側通路58を移動する遊技球BLの移動を規制する一方、遊技球BLの移動規制を解除して、演出通路59側に移動させる発射装置51(球切りソレノイド)が設けられている。発射装置51は、背面側通路58の左右方向略中央に配置されている。発射装置51は、左右方向(背面側通路58に沿う方向)に可動する操作部51a(可動部)を有しており、制御信号(発射コマンド)を入力すると、操作部51aの先端が発射装置51の本体51c側に移動するように構成されている。一方、制御信号を入力していない場合には、操作部51aに取り付けられたバネの弾性力により、発射装置51の本体51cから離れるように操作部51aが移動することとなる。
また、発射装置51は、略円盤状の規制部51bを有している。規制部51bは、背面側通路58を通過する遊技球の流下方向とは直行する方向を軸として回転可能に背面部50bに固定されている。そして、規制部51bには、その規制部51bの一部を切り欠くようにして爪部が形成されている。当該爪部は、規制部51bが背面部50bに固定されたとき、背面側通路58内に突出する部分の一部を切り欠くように形成されたものである。このため、爪部は、背面側通路58から突出することとなり、背面側通路58を下方に向かって移動する遊技球BLと係合してその移動を規制することとなる。また、爪部は、背面側通路58の下流側(図4の左右方向において右側)に位置するように形成されている。
また、規制部51bの上端は、操作部51aの先端と回転可動に固定されている。すなわち、操作部51aが本体51cに近づく方向に移動すると、規制部51bの上端(操作部51aと規制部51bの固定点)が操作部51aの動きにしたがって本体51cに近づく方向に移動する。すると、規制部51bは、軸を中心として回転する。これにより、爪部が図4において上方に移動して、爪部による遊技球BLの移動規制を解除する。その際、爪部とは反対側(上流側、図4において左側)の部分が下方に移動して、2個目以降の遊技球BLの動きを規制するようになっている(図5参照)。なお、発射装置51は、複数の遊技球(本実施形態では、7球)が貯留できるように背面側通路58の途中に設置されている。
そして、演出通路59には、演出通路59に沿って回転体55が回転可能に固定されている。前記回転体55は、パチンコ遊技機10の表面から見たとき(図3及び図6)において、その長手方向が右上に傾斜するように両端が固定されている。そして、回転体55の回転軸は、演出通路59に沿うように配置されている。また、回転体55の回転軸は、演出通路59のほぼ中央を貫くように配置されている。また、回転体55の表面には、誘導用突出部55aが形成されている。前記誘導用突出部55aは、回転体55の回転軸を中心として、(回転体55の下方から見たとき)右斜め上方向に向かって螺旋を巻くように形成されている。また、軸方向において、誘導用突出部55aは、所定の間隔を空けて形成されている。本実施形態では、誘導用突出部55aは、遊技球BLの直径よりも僅かに広い間隔を空けて形成されている。また、回転体55は、図7に示すように、パチンコ遊技機10の前後方向において、演出通路59の奥方に配置されている。すなわち、パチンコ遊技機10の前後方向において、演出通路59の前壁57から回転体55の表面までの距離は、遊技球BLの直径よりも僅かに大きく形成されている。その一方、パチンコ遊技機10の前後方向において、演出通路59の後壁56から回転体55の表面までの距離は、遊技球BLの直径よりも僅かに小さく、かつ、誘導用突出部55aの突出長よりも僅かに大きく形成されている。これにより、演出通路59に移動した遊技球BLは、パチンコ遊技機10の前後方向において、図7に示すように、演出通路59の前壁57と回転体55の間に移動することとなる。そして、遊技球BLが誘導用突出部55aの間に入り、回転体55が回転すると、誘導用突出部55aに沿って上昇する。
また、背面部50bの上端には、図3に示すように、モータ52が取り付けられている。当該モータ52のモータ軸は、回転体55と平行となるように配置されている。そして、モータ軸には、回転体55の上端に取り付けられた回転体側ギアと噛合するモータ側ギアが取り付けられている。モータ52は、制御信号(回転コマンド)を入力すると、モータ軸を回転させるようになっている。そして、モータ52が駆動し、モータ軸が回転することにより、回転体55が回転することとなる。また、背面側通路58の上端には、背面側通路58の上端を通過した(すなわち、演出通路59の排出口53から排出された)遊技球BLを検知する検知スイッチSWが設けられている。
背面側通路58に遊技球BLが貯留されているとき、すなわち、発射装置51により遊技球BLの移動が規制されているときに、操作部51aが発射装置51の本体51cに近づく方向に移動して、爪部を上方に移動させると、遊技球BLの移動規制が解除される(図5参照)。移動規制が解除されると、遊技球BLは、背面側通路58の形状に沿って、背面側通路58の下端に移動する。そして、下端に形成された連通口54を通過して、演出通路59に移動する。演出通路59に移動した遊技球BLは、図6に示すように、演出通路59の下方(図6において地点a)に移動する。そして、遊技球BLが、誘導用突出部55aの間に入り込んだ状態で回転体55が回転軸の下方側から見て反時計周り(図6の矢印Ya方向)に回転すると、遊技球BLは、図7(a)、図7(b)に示すように、回転体55の誘導用突出部55aの形状に沿って持ち上げられるようにして上方に移動する。そして、上昇移動した遊技球BLは、演出通路59の上端(図6において地点b)に達すると、排出口53に入球し、図8に示すように、背面側通路58へと移動する。
また、排出口53に入球した遊技球BLは、図8に示すように検知スイッチSWに検知され、背面側通路58へと流れる。そして、背面側通路58において、連通口54へと転がることを規制されている数個の遊技球の最後の遊技球BLとして貯留される。なお、図8に示す説明図は、図3における演出用可動体50の右側からの側面図である。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、大当り遊技終了後に遊技者に有利な特別遊技状態として確率変動(以下、「確変」と示す)機能を備えている。確変機能は、確定停止表示された大当り図柄(特図)の種類が予め定めた確変図柄であることを条件として、大当り遊技終了後に大当りの抽選確率(当選確率)を低確率(通常状態)である通常確率(本実施形態では4/1439)から高確率(本実施形態では36/1439)に変動させる確変状態(確率変動状態)を付与する機能である。本実施形態では、大当り遊技終了後に確変状態が付与される大当りが確変大当りであり、確変状態が付与されない大当りが非確変大当りとなる。また、確変状態は、次の大当りが生起される迄の間、付与される。このように、確変状態が付与されると、大当りの抽選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、確変状態は遊技者にとって有利であり、遊技者は確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。
また、確変状態が付与されると、開閉羽根26を開動作させるか否かの抽選結果を導出する普図ゲームの変動時間が短縮される、及び普図ゲームの普通当り確率が通常確率から高確率に変動する入球率向上状態が特典として付与される場合がある。この入球率向上状態において、開閉羽根26は、普図ゲームにおいて当選した際、通常状態(非確変状態)である場合とは異なる動作パターンで開閉動作するようになっている。すなわち、通常状態時に普図ゲームに当選する場合には、開閉羽根26が1回開放し、開放してから300ms経過するまで開放状態を維持するようになっている。その一方、入球率向上状態時に普図ゲームに当選する場合には、開閉羽根26が3回開放するとともに、1回の開放において開放してから1460msが経過するまで開放状態を維持するようになっている。つまり、開閉羽根26は、入球率向上状態が付与されている場合、通常状態が付与されている状態に比較して、合計開放時間が長く、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。
なお、開放してから規定時間経過する前であっても、入球上限個数(例えば、9球)の遊技球が入球したときには、開閉羽根26は閉鎖するようになっている。同様に、所定回数開放していなくても、入球上限個数(例えば、9球)の遊技球が入球したときには、開閉羽根26は閉鎖するようになっている。また、本実施形態の入球率向上状態は、確変図柄(大当り遊技)の種類及び確変大当りとなる図柄変動ゲームがどのような遊技状態で行われたかによって付与されるか否かが決定される。
また、本実施形態のパチンコ遊技機10は、非確変状態となる大当り遊技終了後に遊技者に有利な特別遊技状態として変動時間短縮(以下、「時短」と示す)状態を付与する時短機能を備えている。時短状態が付与されると、開閉羽根26を開動作させるか否かの抽選結果を導出する普図ゲームの変動時間が短縮される、及び普図ゲームの当り確率が通常確率から高確率に変動する入球率向上状態が特典として付与されるようなっている。入球率向上状態において、開閉羽根26は、前述同様、普図ゲームにおいて当選した際、通常状態である場合と異なる動作パターンで開閉動作するようになっている。
すなわち、通常状態時に普図ゲームに当選する場合には、開閉羽根26が1回開放し、開放してから300ms経過するまで開放状態を維持するようになっている。その一方で、入球率向上状態時に普図ゲームに当選する場合には、開閉羽根26が3回開放するとともに、1回の開放において開放してから1460msが経過するまで開放状態を維持するようになっている。つまり、開閉羽根26は、時短状態が付与されている場合、通常状態が付与されている状態に比較して、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。また、時短状態は、予め定めた回数(本実施形態では100回)の図柄変動ゲームが行われる迄の間、又は前記回数に達する前に大当りが生起される迄の間、付与される。本実施形態では、非確変大当りとなるとき、大当り遊技終了後、時短状態が付与されるようになっている。
次に、本実施形態のパチンコ遊技機10に規定する大当り遊技について、図9に基づき詳しく説明する。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、大当り抽選に当選した場合、2種類の大当り遊技の中から1つの大当り遊技の種類が決定され、その決定された大当り遊技が付与されるようになっている。そして、2種類の大当り遊技のうち、何れの大当り遊技を付与するかは、大当り抽選に当選した際に決定する特別図柄(大当り図柄)の種類に応じて決定されるようになっている。本実施形態において、100種類の特別図柄の大当り図柄は、図9に示すように、特別図柄A、特別図柄Bの2種類に分類されている。
そして、特別図柄Aには65種類の大当り図柄が、特別図柄Bには35種類の大当り図柄がそれぞれ属している。このように特別図柄を振分けた場合、特別図柄Aに基づく大当り遊技は大当り全体の65%(100分の65)となり、特別図柄Bに基づく大当り遊技は大当り全体の35%(100分の35)となる。なお、はずれの場合には、1種類の特別図柄のはずれ図柄が振り分けられている。
特別図柄Aに基づく大当り遊技は、規定ラウンド数を「16回」とし、1回のラウンド遊技中に大入賞口装置29を「1回」開放させることにより大当り遊技中に大入賞口装置29を「16回(16ラウンド×1回)」開放させる大当り遊技となっている。以下、特別図柄Aに基づく大当り遊技を「16R確変大当り遊技」と示す(なお、「R」は、「ラウンド」を示している)。16R確変大当り遊技は、大入賞口装置29を開放させて行い、その大当り遊技終了後には大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、確変状態と、その確変状態の終了時まで入球率向上状態が付与されるようになっている。すなわち、本実施形態において、16R確変大当り遊技では、確変状態と入球率向上状態が確変状態の最大付与期間(次に大当り遊技が付与されるまで)の間付与されるようになっている。そして、16R確変大当り遊技は、オープニング演出時間として「7000(ms)」が、各ラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25000(ms)」が、エンディング演出時間として「12000(ms)」が設定されている。また、16R確変大当り遊技における1回のラウンド遊技の入球上限個数は「10球」に設定されている。
特別図柄Bに基づく大当り遊技は、規定ラウンド数を「16回」とし、1回のラウンド遊技中に大入賞口装置29を「1回」開放させることにより大当り遊技中に大入賞口装置29を「16回(16ラウンド×1回)」開放させる大当り遊技となっている。以下、特別図柄Bに基づく大当り遊技を「16R非確変大当り遊技」と示す。16R非確変大当り遊技は、大入賞口装置29を開放させて行い、その大当り遊技終了後には大当り抽選の当選時における遊技状態に関係なく、確変状態は付与されず、大当り遊技終了後に予め定めた回数(本実施形態では、100回)の図柄変動ゲームが終了するまでの間、入球率向上状態が付与されるようになっている。すなわち、本実施形態において、16R非確変大当り遊技では、予め定めた回数(本実施形態では、100回)を上限回数として入球率向上状態のみ付与されるようになっている。そして、16R非確変大当り遊技は、オープニング演出時間として「7000(ms)」が、各ラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25000(ms)」が、エンディング演出時間として「12000(ms)」が設定されている。また、16R非確変大当り遊技における1回のラウンド遊技の入球上限個数は「10球」に設定されている。
次に、パチンコ遊技機10の制御構成について図10に基づき説明する。
パチンコ遊技機10の機裏側には、パチンコ遊技機10全体を制御する主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、パチンコ遊技機10全体を制御するための各種処理を実行し、該処理結果に応じて遊技を制御するための各種の制御信号(制御コマンド)を演算処理し、該制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、統括制御基板31と、表示制御基板32と、ランプ制御基板33と、音声制御基板34とが装着されている。統括制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、表示制御基板32、ランプ制御基板33及び音声制御基板34を統括的に制御する。表示制御基板32は、主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、可変表示器H2の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)を制御する。また、ランプ制御基板33は主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、装飾ランプ17〜19の発光態様(点灯(点滅)/消灯のタイミングなど)を制御する。また、音声制御基板34は、主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、スピーカ20a〜20cの音声出力態様(音声出力のタイミングなど)を制御する。
以下、主制御基板30、統括制御基板31及び表示制御基板32について、その具体的な構成を説明する。
前記主制御基板30には、メインCPU30aが備えられている。該メインCPU30aには、ROM30b及びRAM30cが接続されている。メインCPU30aには、上始動口センサSE1と、下始動口センサSE2と、カウントスイッチSE3等が接続されている。また、メインCPU30aには、特図表示器H0と、保留表示器Raが接続されている。また、メインCPU30aには、大入賞口ソレノイドSOL1と、普通電動役物ソレノイドSOL2が接続されている。また、メインCPU30aは、普通図柄表示器H10と、ゲートセンサSE4が接続されている。また、メインCPU30aは、当り判定用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値をRAM30cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。
ROM30bには、パチンコ遊技機10全体を制御するためのメイン制御プログラムが記憶されている。また、ROM30bには、複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、図柄(特図及び飾図)が変動を開始(図柄変動ゲームが開始)してから図柄が停止表示(図柄変動ゲームが終了)される迄の間の遊技演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンを示すものである。すなわち、変動パターンは、特図が変動開始してから特図が確定停止表示されるまでの間の図柄変動ゲームの演出内容及び演出時間(変動時間)を特定することができる。そして、変動パターンは、大当り演出用(大当り変動用)、はずれリーチ演出用(はずれリーチ変動用)、及びはずれ演出用(通常変動用)からなる変動内容毎に分類されている。
また、本実施形態における変動パターンは、図11に示す変動パターンP1〜P9がある。
変動パターンは、図11に示すように、大当り抽選しなかったはずれの場合に選択されるはずれ演出用(はずれリーチなし演出用)の変動パターンP1と、はずれリーチ演出用の変動パターンP2〜P5がある。また、変動パターンは、大当り抽選に当選した際に選択される大当り演出用の変動パターンP6〜P9がある。
本実施形態において、大当り演出用の変動パターンには、16R確変大当り遊技、又は16R非確変大当り遊技が決定された際に選択される変動パターンP6〜P9がある。
なお、変動パターンP6〜P9に基づき行われる大当り演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経て、最終的に大当りの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開される当り演出である。また、変動パターンP2〜P5に基づき行われるはずれリーチ演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経て、最終的にはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開されるはずれ演出である。また、変動パターンP1に基づき行われるはずれ演出は、図柄変動ゲームが、リーチ演出を経ることなく最終的にはずれの図柄組み合わせを確定停止表示させるように展開されるはずれ演出である。リーチ演出は、可変表示器H2の飾り図柄による図柄変動ゲームにおいて、リーチの図柄組み合わせが一旦停止表示されてから、最終的に図柄組み合わせ(大当りの図柄組み合わせ、又ははずれの図柄組み合わせ)が導出される迄の間に行われる演出である。また、特図表示器H0では、図柄変動ゲームが開始されると、リーチ演出を行うことなく、変動時間の経過時まで図柄の変動が継続される。また、はずれ演出用の変動パターンP1に基づき行われるはずれ演出は、図柄変動ゲームの開始後、各列の図柄を予め定めた変動停止順序(例えば、左列→右列→中列)にしたがって変動を停止させて各列に図柄を導出させる演出である。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、変動パターンP2〜P9には、リーチ演出を行う。そして、これら変動パターンP2〜P9に基づいて図柄変動ゲームを展開させる具体的な表示演出内容を特定する。
図11に示す変動パターンP1は、通常変動を行うはずれ演出用の変動パターンとなっている。また、変動パターンP2は、ノーマルリーチ演出を行うはずれリーチ演出用の変動パターンとなっている。また、変動パターンP3〜P5は、スーパーリーチ演出を行うはずれリーチ演出用の変動パターンとなっている。また、変動パターンP6は、ノーマルリーチ演出を行う大当り演出用の変動パターンとなっている。また、変動パターンP7〜P9は、スーパーリーチ演出を行う大当り演出用の変動パターンとなっている。なお、本実施形態の「通常変動」とは、図柄変動ゲームの開始後、各列の図柄を予め定めた変動停止順序(例えば、左列→右列→中列)にしたがって変動を停止させて各列に図柄を導出させる演出である。
また、ノーマルリーチ演出とスーパーリーチ演出はリーチ演出の種類を示している。ノーマルリーチ演出とは、可変表示器H2において、リーチの図柄組み合わせが一旦停止表示された後、残り1列(本実施形態では、中列)を変動させて飾図を導出する演出内容のリーチ演出である。スーパーリーチ演出とは、リーチ演出の演出内容が2段階で構成されたものであり、ノーマルリーチ演出が実行されて、全列の飾図が一旦停止表示した後又は中列の飾図が変動表示中、例えば、特定のキャラクタが登場し、登場キャラクタの名称で呼ばれる「○○リーチ」へ移行(発展)して飾図を導出する演出内容のリーチ演出である。スーパーリーチ演出では、ノーマルリーチ演出が1段階目となり、ノーマルリーチ演出から発展する内容となっている。なお、本実施形態では、スーパーリーチ1(SR1)演出、スーパーリーチ2(SR2)演出、及びスーパーリーチ3(SR3)演出の時間の異なる3種類のスーパーリーチ演出を設けている。また、図11では、ノーマルリーチ演出を「NR」、スーパーリーチ演出を「SR」と示す。
また、本実施形態では、メインCPU30aは、大当り抽選に当選した際(大当りのとき)、ノーマルリーチ演出を実行する変動パターンよりも、スーパーリーチ演出を実行する変動パターンを決定しやすい(P6<P7,P8,P9)。一方、メインCPU30aは、大当り抽選に当選しなかった際(はずれのとき)、ノーマルリーチ演出を実行する変動パターンよりも、スーパーリーチ演出を実行する変動パターンを決定し難い(P2>P3,P4,P5)。よって、スーパーリーチ演出(スーパーリーチのリーチ演出)が行われると、大当り期待度(大当り信頼度)が高まる構成となっている。
また、本実施形態では、メインCPU30aは、大当り抽選に当選した際(大当りのとき)、また、3種類のスーパーリーチ演出のうち、スーパーリーチ3演出が実行される変動パターンを最も決定されやすく、次にスーパーリーチ2演出が実行される変動パターンが決定されやすい(P7<P8<P9)。一方、メインCPU30aは、大当り抽選に当選しなかった際(はずれのとき)、スーパーリーチ1演出が実行される変動パターンを最も決定されやすく、次にスーパーリーチ2演出が実行される変動パターンが決定されやすい(P3>P4>P5)。よって、スーパーリーチ演出の中でも、スーパーリーチ3演出が行われると、スーパーリーチ1,2演出が実行されたときと比較して、大当り期待度が高まる構成となっている。また、スーパーリーチ2演出が行われると、スーパーリーチ1演出が実行されたときと比較して、大当り期待度が高まる構成となっている。
また、ROM30bには、大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、大当りか否かの内部抽選で用いる判定値であり、大当り判定用乱数の取り得る数値(0〜1438までの全1439通りの整数)の中から定められている。なお、大当り判定値は、確変状態が付与されているか否かでその数が異なっており、確変状態時の大当り判定値の数(本実施形態では、36個)は、通常状態時の大当り判定値の数(本実施形態では、4個)よりも多く設定されている。また、RAM30cには、大当り判定時に使用する大当り判定用乱数が記憶されている。
本実施形態において、大当り判定用乱数は、上始動入賞口25又は下始動入賞口27へ遊技球が入賞したことを契機に取得するようになっており、図柄変動ゲームにおいて共通使用している。すなわち、上始動入賞口25へ遊技球が入賞したことを契機に取得する大当り判定用乱数は、下始動入賞口27へ遊技球が入賞したことを契機に取得する大当り判定用乱数と同一のものである。また、大当り判定値も、図柄変動ゲームにおいて共通使用している。
また、RAM30cには、大当り決定時に大当り図柄となる特図の種類を決定する際に用いる特図振分乱数が記憶されている。各特図には、この特図振分乱数が所定個数(本実施形態では1個)ずつ振り分けられている。そして、メインCPU30aは、大当りの決定時(大当り判定が肯定となった場合)、取得した特図振分乱数に基づき大当り図柄を決定する。この特図振分乱数は、予め定められた数値範囲内(本実施形態では、「0」〜「99」の全100通りの整数)の数値を取り得るように、メインCPU30aが所定の周期毎(4ms毎)に数値を1加算して更新するようになっている。そして、メインCPU30aは、更新後の値を特図振分乱数の値としてRAM30cに記憶し、既に記憶されている特図振分乱数の値を書き換えることで特図振分乱数の値を順次更新するようになっている。本実施形態において、特図振分乱数は、上始動入賞口25又は下始動入賞口27へ遊技球が入賞したことを契機に取得するようになっており、図柄変動ゲームにおいて共通使用している。すなわち、上始動入賞口25へ遊技球が入賞したことを契機に取得する特図振分乱数は、下始動入賞口27へ遊技球が入賞したことを契機に取得する特図振分乱数と同一のものである。
次に、図10に基づき統括制御基板31について説明する。
統括制御基板31には、統括CPU31aが備えられている。該統括CPU31aには、ROM31b及びRAM31cが接続されている。また、統括CPU31aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値をRAM31cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。また、ROM31bには、表示制御基板32、ランプ制御基板33及び音声制御基板34を統括的に制御するための統括制御プログラムが記憶されている。統括CPU31aは、各種制御コマンドを入力すると、当該統括制御プログラムに基づき各種制御を実行する。
また、統括CPU31aには、演出用可動体50が接続されており、演出用可動体50の検知スイッチSWから検知信号を入力することができるようになっている。すなわち、統括CPU31aは、排出口53へ遊技球BLが入球したことを検知することができる。また、統括CPU31aは、1回の図柄変動ゲームの開始から終了までを検知有効期間として設定するようになっている。また、統括CPU31aは、この検知有効期間中に検知スイッチSWが、遊技球が排出口53に入球したことを検知する。また、統括CPU31aは、当該検知スイッチSWが1回の図柄変動ゲーム中に検知した回数を検知回数として、RAM31cに記憶する。なお、本実施形態では、演出用可動体50の検知スイッチSWが報知演出用検知手段として機能する。また、本実施形態では、発射装置51が報知演出用発射手段として機能する。
また、統括CPU31aには、演出ボタン70が接続されており、演出ボタン70から操作信号を入力することができるようになっている。すなわち、統括CPU31aは、演出ボタン70が操作されたことを検知することができる。
次に、図10に基づき表示制御基板32について説明する。
表示制御基板32には、サブCPU32aが備えられている。該サブCPU32aには、ROM32b及びRAM32cが接続されている。また、表示制御基板32(サブCPU32a)には、可変表示器H2が接続されている。ROM32bには、可変表示器H2の表示内容を制御するための表示制御プログラムが記憶されている。また、ROM32bには、各種の画像データ(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。また、RAM32cには、パチンコ遊技機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。
以下、主制御基板30、統括制御基板31、及び表示制御基板32が実行する制御内容を説明する。最初に、主制御基板30、統括制御基板31、及び表示制御基板32が実行する制御内容として、図柄変動ゲームの実行に係る制御内容を説明する。
上始動入賞口25又は下始動入賞口27へ遊技球が入球し、当該遊技球を検知した上始動口センサSE1又は下始動口センサSE2は、入賞信号を主制御基板30のメインCPU30aに出力する。メインCPU30aは、入賞信号を入力すると、RAM30cに記憶されている特図始動保留記憶数が上限数(本実施形態では、4)未満であるか否かの保留判定を行う。保留判定の判定結果が肯定(特図始動保留記憶数<4)の場合、メインCPU30aは、特図始動保留記憶数を1加算(+1)し、特図始動保留記憶数を書き換える。また、メインCPU30aは、保留判定の判定結果を肯定としている場合、大当り判定用乱数の値と特図振分乱数の値をRAM30cから取得する。そして、その取得した大当り判定用乱数の値と特図振分乱数の値を特図始動保留記憶数に対応付けてRAM30cの所定の記憶領域に格納する。なお、メインCPU30aは、保留判定の判定結果が否定(保留記憶数=4)の場合、上限数を超える特図始動保留記憶数の書き換えを行わないとともに、大当り判定用乱数の値と特図振分乱数の値を取得しない。
そして、メインCPU30aは、大当り遊技中ではなく、かつ図柄変動ゲームの実行中でない場合、図柄変動ゲームの開始直前に、RAM30cの所定の記憶領域に格納した大当り判定用乱数の値を読み出す。そして、その読み出した大当り判定用乱数の値と、ROM30bに記憶されている大当り判定値と、を比較し、大当りか否かの大当り判定(大当り抽選)を行う。大当り判定の判定結果が肯定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが一致)の場合、メインCPU30aは、大当りを決定する。大当りを決定したメインCPU30aは、特図振分乱数の値をもとに、特図表示器H0で行われる図柄変動ゲームで確定停止表示させる大当り図柄(特別図柄)を決定する。特別図柄の大当り図柄は、図9に示すように、大当り遊技の種類毎に振り分けられていることから、大当り図柄を決定することによって遊技者に付与する大当り遊技の種類を決定したことになる。
そして、大当り図柄を決定したメインCPU30aは、決定した大当り図柄をRAM30cに記憶する。また、大当りを決定したメインCPU30aは、変動パターンを大当り演出用の変動パターンの中から選択して決定する。なお、本実施形態において、メインCPU30aは、大当り図柄として特別図柄A又は特別図柄Bを決定する場合には、大当り演出用の変動パターンとして変動パターンP6〜P9のうち何れかを決定する。
一方、メインCPU30aは、大当り判定の判定結果が否定(大当り判定用乱数の値と大当り判定値とが不一致)の場合、はずれを決定する。そして、はずれを決定したメインCPU30aは、特図表示器H0に確定停止表示させるはずれ図柄(特別図柄)を決定する。また、はずれを決定したメインCPU30aは、はずれリーチ演出を実行するか否かを乱数抽選により決定する。この判定結果が肯定(はずれリーチ演出を実行する)の場合、メインCPU30aは、変動パターン振分用乱数の値をRAM30cから取得し、当該変動パターン振分用乱数の値に対応する変動パターンをはずれリーチ演出用の変動パターンの中から選択して決定する。なお、本実施形態において、メインCPU30aは、はずれ図柄を決定するとともにはずれリーチ演出の実行を決定する場合には、はずれリーチ演出用の変動パターンとして変動パターンP2〜P5のうち何れかの変動パターンを決定する。
一方、メインCPU30aは、はずれリーチ演出を実行するか否かの判定結果が否定(はずれリーチ演出を実行しない)の場合、変動パターン振分用乱数の値をRAM30cから取得し、変動パターン振分用乱数の値に対応する変動パターンをはずれ演出用の変動パターンの中から選択して決定する。なお、本実施形態において、メインCPU30aは、はずれ図柄を決定するとともに、はずれリーチ演出の実行を決定しない場合には、はずれ演出用の変動パターンとして変動パターンP1を決定する。
特別図柄、及び変動パターンを決定したメインCPU30aは、所定の制御コマンドを所定のタイミングで統括制御基板31(統括CPU31a)に出力する。具体的に言えば、メインCPU30aは、変動パターンを指示するとともに図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを最初に出力する。
次に、メインCPU30aは、特別図柄を指示する特別図柄用の停止図柄指定コマンドを出力する。本実施形態では、特別図柄として大当り図柄を指示する場合の停止図柄指定コマンドが、大当り図柄コマンドとなる。そして、メインCPU30aは、指示した変動パターンに定められている変動時間の経過時に、図柄変動ゲームの終了(図柄の確定停止)を指示する図柄停止コマンドを出力する。また、メインCPU30aは、図柄変動ゲームの開始時に特図始動保留記憶数を1減算(−1)し、特図始動保留記憶数を書き換える。そして、メインCPU30aは、図柄変動ゲームの開始に伴って特図表示器H0の表示内容を制御する。すなわち、メインCPU30aは、図柄変動ゲームの開始により特別図柄の変動を開始させ、決定した変動パターンに定められている変動時間の経過時に決定した特別図柄(大当り図柄又ははずれ図柄)を確定停止表示させる。
また、メインCPU30aは、大当りを決定した場合、大当り演出用の変動パターンに基づく図柄変動ゲームの終了後、大当り遊技に係る制御(オープニング演出などの演出指示や大入賞口扉29a開閉動作の制御)を実行する。なお、本実施形態では、メインCPU30aが大当り判定手段、及び変動パターン決定手段として機能する。
次に、統括制御基板31について説明する。
統括制御基板31の統括CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、その変動パターン指定コマンドに基づき図柄変動ゲームの具体的な表示演出内容を決定する。
そして、統括CPU31aは、入力した変動パターン指定コマンドを表示制御基板32、ランプ制御基板33、及び音声制御基板34に出力する。また、統括CPU31aは、特別図柄用の停止図柄指定コマンドを入力した際、当該停止図柄指定コマンドにより大当り図柄が指定されている場合には、その指定された特別図柄をRAM31cに記憶する。また、統括CPU31aは、図柄停止コマンドを入力すると、当該コマンドを表示制御基板32、ランプ制御基板33、及び音声制御基板34に出力する。そして、統括CPU31aは、1回の図柄変動ゲームが終了されるので、次の図柄変動ゲームの実行に係る処理に移行する。
また、統括CPU31aは、大当り演出用の変動パターンが指定された場合には、最終的に停止表示させる前記図柄組み合わせを構成する飾り図柄として大当りの図柄組み合わせを決定する。具体的には、大当りの図柄組み合わせとして[111]、[222]、[333]、[444]、[555]、[666]、[777]、及び[888]の中から決定する。
また、統括CPU31aは、はずれリーチ演出用、又ははずれ演出用の変動パターンが指定され、特別図柄の停止図柄指定がはずれ図柄の場合には、最終的に確定停止表示させるはずれの図柄組み合わせ(はずれリーチ演出用の場合は、はずれリーチの図柄組み合わせ)を決定する。そして、飾り図柄を決定した統括CPU31aは、飾り図柄を指示する飾り図柄用の停止図柄指定コマンドを表示制御基板32に出力する。また、統括CPU31aは、図柄停止コマンドを入力すると、当該コマンドを表示制御基板32に出力する。
次に、表示制御基板32について説明する。
表示制御基板32のサブCPU32aは、統括CPU31aが出力した変動パターン指定コマンドを入力すると、変動パターン指定コマンドで指示される図柄変動ゲームを実行させるように可変表示器H2の表示内容を制御する。また、サブCPU32aは、統括CPU31aが出力した図柄停止コマンドを入力すると、図柄変動ゲームの表示結果として、停止図柄指定コマンドで指示される飾り図柄の図柄組み合わせを表示させるように可変表示器H2の表示内容を制御する。
次に、主制御基板30、統括制御基板31、及び表示制御基板32が実行する制御内容として、大当り遊技を実行する際の制御内容について説明する。
主制御基板30のメインCPU30aは、大当り演出用の変動パターンに基づいて行われた図柄変動ゲームの終了後、大当り遊技を付与する。このとき、メインCPU30aは、大当り演出となる図柄変動ゲームの開始直前に決定した特別図柄(大当り図柄)の種類から、付与する大当り遊技を特定し、その特定した大当り遊技に応じた制御を実行する。
そして、メインCPU30aは、決定した特別図柄が16R確変大当り遊技に対応する特別図柄A、又は16R非確変大当り遊技に対応する特別図柄Bの場合、最初にオープニング演出を実行させる。そして、オープニング演出の終了後、メインCPU30aは、16回のラウンド遊技を実行させる。これらの大当り遊技では、1回のラウンド遊技において大入賞口装置29が1回開放する。そして、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間、すなわち大入賞口装置29の開放時間は、図9に示すように、「25000(ms)」に設定されている。また、メインCPU30aは、大入賞口装置29を開放させてラウンド遊技を開始させると、ラウンド遊技時間が経過したか否かの判定と規定入球個数(本実施形態では、10球)の遊技球が入球したか否かの判定を行う。また、メインCPU30aは、ラウンド遊技の開始時に、開始させたラウンド遊技の回数を示すラウンド開放指定コマンドを統括制御基板31に出力する。そして、メインCPU30aは、何れか一方を肯定判定すると、ラウンド遊技の終了条件が成立したことにより、大入賞口装置29を閉鎖してラウンド遊技を終了させる。また、このとき、メインCPU30aは、ラウンド閉鎖指定コマンドを出力する。
1回のラウンド遊技を終了させたメインCPU30aは、ラウンド間インターバル時間(本実施形態では1000(ms))の経過後に、次のラウンド遊技を開始させるべく大入賞口装置29を開放させる。そして、16回のラウンド遊技が終了したならば、メインCPU30aは、エンディング処理を実行して、エンディング演出を実行させる。
また、メインCPU30aは、特別図柄Aに基づく大当り遊技が付与された場合には、エンディング処理において確変状態を付与することを示す確変フラグに、「1」を設定するとともに、入球率向上状態を付与することを示す作動フラグに、「1」を設定する。また、メインCPU30aは、特別図柄Aに基づく大当り遊技が付与され、作動フラグに、「1」を設定するとき、入球率向上状態が付与される残り図柄変動ゲーム数を示す作動回数を設定しない。つまり、入球率向上状態が付与される残り図柄変動ゲーム数を示す作動回数が設定されるまで入球率向上状態を付与する。
また、メインCPU30aは、特別図柄Bに基づく大当り遊技が付与された場合には、エンディング処理において確変状態を付与することを示す確変フラグに、「0」を設定するとともに、入球率向上状態を付与することを示す作動フラグに、「1」を設定する。また、メインCPU30aは、特別図柄Bに基づく大当り遊技が付与され、作動フラグに、「1」を設定するとき、入球率向上状態が付与される残り図柄変動ゲーム数を示す作動回数に100回を設定する。
次に、統括制御基板31の大当り遊技の実行に係る制御内容について説明する。
統括制御基板31の統括CPU31aは、オープニングコマンドを入力すると、オープニング演出の演出内容を決定し、オープニング演出の演出内容を指示するオープニング演出コマンドを表示制御基板32、ランプ制御基板33、及び音声制御基板34に出力する。また、統括CPU31aは、ラウンド開放指定コマンドを入力すると、ラウンド遊技中の演出を指示するために、ラウンド演出コマンドを表示制御基板32、ランプ制御基板33、及び音声制御基板34に出力する。また、統括CPU31aは、ラウンド閉鎖指定コマンドを入力すると、ラウンド閉鎖指定コマンドを表示制御基板32、ランプ制御基板33、及び音声制御基板34に出力する。そして、統括CPU31aは、エンディングコマンドを入力すると、エンディング演出の演出内容を決定し、エンディング演出の演出内容を指示するエンディング演出コマンドを表示制御基板32、ランプ制御基板33、及び音声制御基板34に出力する。そして、16R確変大当り遊技、16R非確変大当り遊技の実行にかかる制御を終了する。
次に、表示制御基板32による大当り遊技の実行に係る制御内容を説明する。
表示制御基板32のサブCPU32aは、統括CPU31aが出力するオープニング演出コマンドを入力する。そして、その入力したオープニング演出コマンドで指示された演出内容(大当り遊技中演出)でオープニング演出を実行させるように可変表示器H2の表示内容を制御する。また、サブCPU32aは、各ラウンド演出コマンドを入力すると、そのラウンド演出コマンドで指示された演出内容(大当り遊技中演出)で各ラウンド演出を実行させるように可変表示器H2の表示内容を制御する。また、サブCPU32aは、エンディング演出コマンドを入力すると、そのエンディング演出コマンドで指示された演出内容(大当り遊技中演出)でエンディング演出を実行させるように可変表示器H2の表示内容を制御する。
なお、ランプ制御基板33及び音声制御基板34は、オープニング演出コマンド、エンディング演出コマンド、各ラウンド演出コマンドを入力すると、各種ランプ部17〜19の発光態様及びスピーカ20a〜20cの音声出力態様を制御する。すなわち、ランプ制御基板33及び音声制御基板34は、表示制御基板32と同様にこれらのコマンドで指示された演出内容に応じた演出を行わせるように制御を行う。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、図柄変動ゲーム中に予告演出を行う。予告演出とは、図柄変動ゲームに設けられた予告演出期間中に段階的に行われるものである。なお、予告演出期間とは、図柄変動ゲームが開始してから、リーチの図柄組み合わせが一旦停止表示されるまでの期間(時間)である。また、本実施形態では、演出ボタン70と演出用可動体50を用いて、予告演出を行っている。また、本実施形態では、演出ボタン70を押下操作する毎に予告演出の段階数を進める(上げる)か否かを抽選している。そして、予告演出の段階が進む毎に、演出用可動体50の背面側通路58から遊技球BLが演出通路59に発射される構成としている。また、本実施形態では、図柄変動ゲームで実行されるリーチ演出の演出内容に対応した大当り期待度が高いほど、予告演出の段階数が上がりやすく構成されている。すなわち、大当り期待度が高いほど演出ボタン70を押下操作されたときの予告演出の段階数を上げるか否かの抽選における当選確率(肯定判定される確率)を高くなるようにしている。また、本実施形態では、段階数が上がる毎に、現在の段階数(現段階数)から次の段階数(次段階数)に上がる確率を変化させている。
以下、統括制御基板31、及び演出用可動体50の予告演出に係る制御について説明する。これより、現段階数から次段階数に上がるか否かの抽選を「段階抽選」と示し、段階抽選において肯定とされる確率を「当選確率」と示す場合がある。
統括制御基板31の統括CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、その変動パターン指定コマンドに基づき図柄変動ゲームで実行する予告演出の演出内容を決定する。予告演出の演出内容とは、予告演出における段階数毎の当選確率である。本実施形態では、段階数毎の当選確率を定めた確率振り分けテーブルを参照して、段階抽選を行う。
ここで、段階数毎の当選確率を定めた確率振り分けテーブルの決定方法について説明する。
統括CPU31aは、リーチ演出の演出内容に対応付けられた確率振り分けテーブルを決定する。具体的には、はずれの場合、統括CPU31aは、リーチ演出の演出内容が、ノーマルリーチ演出の場合には、確率振り分けテーブルT1を決定し、スーパーリーチ1演出の場合には、確率振り分けテーブルT2を決定する。また、はずれの場合、統括CPU31aは、リーチ演出の演出内容が、スーパーリーチ2演出の場合には、確率振り分けテーブルT3を決定し、スーパーリーチ3演出の場合には、確率振り分けテーブルT4を決定する。
また、大当りの場合には、リーチ演出の演出内容に対応付けられた当確テーブルを選択するか、非当確テーブルを選択するかを抽選して、その後確率振り分けテーブルを決定する。なお、当確テーブル及び非当確テーブルについては、後ほど詳しく説明する。
本実施形態では、大当りのときで、リーチ演出の演出内容がノーマルリーチ演出である場合(変動パターンP6)、統括CPU31aは、51/251の確率で当確テーブルとなる確率振り分けテーブルT5を決定する。一方、統括CPU31aは、200/251の確率で非当確テーブルとなる確率振り分けテーブルT1を決定する。
また、大当りのときで、リーチ演出の演出内容がスーパーリーチ1演出である場合(変動パターンP7)、統括CPU31aは、51/251の確率で当確テーブルとなる確率振り分けテーブルT6を決定する。一方、統括CPU31aは、200/251の確率で非当確テーブルとなる確率振り分けテーブルT2を決定する。
また、大当りのときで、リーチ演出の演出内容がスーパーリーチ2演出である場合(変動パターンP8)、統括CPU31aは、51/251の確率で当確テーブルとなる確率振り分けテーブルT7を決定する。一方、統括CPU31aは、200/251の確率で非当確テーブルとなる確率振り分けテーブルT3を決定する。
また、大当りのときで、リーチ演出の演出内容がスーパーリーチ3演出である場合(変動パターンP9)、統括CPU31aは、200/251の確率で当確テーブルとなる確率振り分けテーブルT8を決定する。一方、統括CPU31aは、51/251の確率で非当確テーブルとなる確率振り分けテーブルT4を決定する。
ここで、確率振り分けテーブルについて図12に基づいて詳しく説明する。
統括CPU31aが確率振り分けテーブルT1を決定した場合、現段階数が「0」であった場合、つまり、次段階数が「1」である場合には、「50%」の確率で段階抽選に当選する。また、現段階数が「1」であった場合、つまり、次段階数が「2」である場合には、「40%」の確率で段階抽選に当選する。また、現段階数が「2」であった場合、つまり、次段階数が「3」である場合には、「30%」の確率で段階抽選に当選する。
また、現段階数が「3」であった場合、つまり、次段階数が「4」である場合には、「40%」の確率で段階抽選に当選する。また、現段階数が「4」であった場合、つまり、次段階数が「5」である場合には、「20%」の確率で段階抽選に当選する。また、現段階数が「5」のあった場合、つまり、次段階数が「6」である場合には、「20%」の確率で段階抽選に当選する。また、現段階数が「6」であった場合、つまり、次段階数が「7」である場合には、「0%」の確率で段階抽選に当選する。つまり、現段階数が「6」のときには、段階抽選には当選しない。
このように、次段階数がいくつか、つまり、現段階数がいくつかに基づいて、段階抽選の当選確率が変化している。また、大当り期待度が高い場合に決定される確率振り分けテーブルと、大当り期待度が低い場合に決定される確率振り分けテーブルとを比較した場合、大当り期待度が高い場合の方が、段階数が進み(上がり)やすくなっている。例えば、リーチ演出がスーパーリーチ3演出の場合に決定される確率振り分けテーブルT4と、リーチ演出がノーマルリーチ演出の場合に決定される確率振り分けテーブルT1を比較した場合、確率振り分けテーブルT4の方が、段階数が進みやすいように当選確率を段階数毎に変化させている。
また、前述したように、大当りの場合、当確テーブルを決定するか、非当確テーブルを決定するかを抽選で決定している。ここで、当確テーブルと、非当確テーブルについて説明する。
変動パターンP6の場合、当確テーブルとしての確率振り分けテーブルT5と、非当確テーブルとしての確率振り分けテーブルT1の何れかが決定されることになる。確率振り分けテーブルT1と、確率振り分けテーブルT5の抽選確率の違いは、現段階数が「6」、つまり、次段階数が「7」のときの段階抽選の当選確率が異なることである。前述したように、確率振り分けテーブルT1を決定した場合、現段階数が「7」となることはない。しかし、確率振り分けテーブルT5を決定した場合、現段階数が「6」のときの段階抽選における当選確率を「20%」とすることで、現段階数が「7」になることがありうる。すなわち、当確テーブルとは、現段階数が「7」になりうる確率振り分けテーブルであり、非当確テーブルとは、現段階数が「7」にならない確率振り分けテーブルである。
本実施形態において、当確テーブルは、確率振り分けテーブルT5〜T8である。一方、非当確テーブルは、確率振り分けテーブルT1〜T4である。つまり、確率振り分けテーブルT5〜T8は、大当りのときに決定され得る確率振り分けテーブルであり、前述したように現段階数が「7」となり得る確率振り分けテーブルであることから、予告演出において、段階数が「7」となった場合には、大当りとなることを認識することができる。つまり、演出用可動体50の演出通路59に遊技球BLが「7球」発射されたときには、大当りになることを認識することができる。
また、リーチ演出の演出内容が同じのときに、決定され得る当確テーブルと非当確テーブルとでは、現段階数として「7」に上がれるか否かの違いであって、現段階数「6」となるまでの確率は同一に設定されている。すなわち、当確テーブルと非当確テーブルのうち、現段階数が「7」とならなければ、いずれのテーブルを参照して予告演出が実行されているかを認識できないようになっている。
次に、統括CPU31aが確率振り分けテーブルを決定してからの段階抽選に係る処理について、図13に基づいて説明する。なお、統括CPU31aは、予告演出期間中に、所定の周期(本実施形態では、4ms)で段階抽選に係る処理を行う。
まず、統括CPU31aは、演出ボタン70が押下操作されたか否かを判定する(ステップS1)。ステップS1の判定結果が肯定の場合、つまり、演出ボタン70が押下操作された場合、統括CPU31aは、RAM31cに記憶される現在の段階数(現段階数)に基づいて、次段階に上がる確率(段階抽選の当選確率)を読み出す(ステップS2)。具体的には、RAM31cに記憶される現段階数が「1」である場合には、次段階数が「2」となる。よって、図12に示す確率振り分けテーブルの2段階目の当選確率を、決定した確率振り分けテーブルから読み出す。
ステップS2の処理を終えた統括CPU31aは、段階抽選を行う(ステップS3)。段階抽選では、ステップS2で読み出した当選確率に基づいて、乱数抽選によって、次段階に上がるか否か、つまり、遊技球BLを演出通路59に発射するか否かの抽選を行う。ステップS3の判定結果が肯定、つまり、段階抽選に当選した場合、統括CPU31aは、遊技球BLを「1球」発射することを指示する発射コマンドを演出用可動体50の発射装置51に出力する(ステップS4)。
また、発射コマンドを発射装置51に出力した統括CPU31aは、RAM31cに記憶される現段階数に「1」を加算する(ステップS5)。また、ステップS5の処理を終了した統括CPU31aは、タイマをスタート(セット)する(ステップS6)。具体的には、タイマは、「0(零)」から所定周期毎に加算して、スタート(セット)してからの時間を計る。なお、ステップS6において、スタートさせるタイマは、段階数毎に設けられている。そして、現段階数が加算されて、更新される度に、現段階数に対応づけられたタイマをスタートさせる。また、ステップS6の処理を終了した統括CPU31aは、段階抽選に係る処理を終了する。また、ステップS1の判定結果が否定の場合、及びステップS3の判定結果が否定の場合、統括CPU31aは、段階抽選に係る処理を終了する。
また、統括CPU31aは、図柄変動ゲームが開始すると、予告演出期間が終了するまで、演出用可動体50のモータ52に回転コマンドを出力し続ける。
なお、統括CPU31aは、所定の周期(4ms毎)で段階抽選に係る処理を実行することから、結果的に、演出ボタン70が操作される毎に、段階抽選が実行されることとなる。なお、本実施形態では、統括CPU31aが演出決定手段、演出制御手段として機能する。また、本実施形態では、RAM31cが記憶手段として機能する。
次に、演出用可動体50の予告演出に係る制御について説明する。
演出用可動体50のモータ52は、回転コマンドを入力すると、回転体55を図6において矢印Ya方向(回転体55の下方からみたとき反時計周り)に回転動作する。つまり、モータ52が回転コマンドを入力すると、演出用可動体50の演出通路59の遊技球BLが回転体55により上方に移動することとなる。
また、演出用可動体50の発射装置51は、発射コマンドを入力すると、一定の時間だけ、操作部51aを図4に示す位置から、図5に示す位置まで可動させる。つまり、発射装置51は、発射コマンドを入力すると、図4に示す操作部51aを図4において左方向に可動させる。よって、発射装置51は、発射コマンドを入力すると、遊技球BLを「1球」発射する。
また、本実施形態では、演出整合処理を行っている。具体的には、遊技者が演出通路59に発射されて上昇移動した遊技球BLの個数と、段階抽選によってRAM31cに記憶される現段階数が一致するように予告演出が実行できるようにした。
まず、統括CPU31aが行う演出整合処理について図14に基づいて説明する。なお、統括CPU31aは、予告演出期間中に、所定の周期(本実施形態では、4ms)で演出整合処理を行う。
統括CPU31aは、段階抽選に係る処理(図13参照)において、RAM31cの現段階数を更新(「1」加算)してから、つまり、タイマがスタートされてから、所定時間が経過したか否かを、タイマを参照して判定する(ステップS11)。ここで、所定時間とは、予め決められた時間であり、発射装置51が遊技球BLを発射してから、検知スイッチSWによって当該発射された遊技球BLが検知されるまでの時間である。なお、本実施形態では、通常、発射装置51が遊技球BLを発射してから、検知スイッチSWによって当該発射された遊技球BLが検知されるまでの時間は一定であり、前記所定時間経過時に検知されるような構成とされている。ステップS11では、図13のステップS6においてスタートさせたタイマが、所定時間を示す値以上の値であるか否かを判定する。
また、ステップS11の判定結果が肯定の場合、つまり、タイマがスタートしてから所定時間が経過した場合、当該タイマをスタートさせた時点における現段階数と、検知スイッチSWが検知した検知個数が不一致であるか否かを判定する(ステップS12)。また、ステップS12の判定結果が肯定の場合、つまり、タイマをスタートさせた時点における現段階数と、検知個数が不一致の場合、検知個数を現段階数として設定する(ステップS13)。そして、統括CPU31aは、作動しているタイマをすべてリセットして、演出整合処理を終了する。また、ステップS11の判定結果が否定の場合、及びステップS12の判定結果が否定の場合、統括CPU31aは、演出整合処理を終了する。
ここで、予告演出の演出態様について、図15、図16、及び図17に基づいて説明する。
まず、図15では、最初、RAM31cに記憶されている現段階数が「0」であることから、現段階数「0(零)」とした当選確率で段階抽選を行う。そして、1回目の演出ボタン70の操作で段階抽選に当選したものとする(タイミングt1)。タイミングt1では、段階抽選に当選したことから、統括CPU31aは、RAM31cに記憶される現段階数を「1」とする。また、統括CPU31aは、発射コマンドを発射装置51に出力して、演出用可動体50の演出通路59へと1球目の遊技球BLが発射される。また、段階抽選に当選したことで、統括CPU31aは、タイマ1をスタートさせる。なお、タイミングt1以降、統括CPU31aは、現段階数が書き換えられるまで、現段階数「1」とした当選確率で段階抽選を行う。
また、3回目の演出ボタン70の操作で段階抽選に当選したものとする(タイミングt2)。タイミングt2では、タイミングt1と同様の処理が実行され、統括CPU31aは、RAM31cに記憶される現段階数を「2」とし、発射コマンドを発射装置51に出力する。ここで、2球目の遊技球BLが発射される。また、段階抽選に当選したことで、統括CPU31aは、タイマ2をスタートさせる。タイミングt2以降、統括CPU31aは、現段階数が書き換えられるまで、現段階数「2」とした当選確率で段階抽選を行う。
また、5回目の演出ボタン70の操作で段階抽選に当選したものとする(タイミングt3)。タイミングt3では、タイミングt1と同様の処理が実行され、統括CPU31aは、RAM31cに記憶される現段階数を「3」とし、発射コマンドを発射装置51に出力する。ここで、3球目の遊技球BLが発射される。また、段階抽選に当選したことで、統括CPU31aは、タイマ3をスタートさせる。タイミングt3以降、統括CPU31aは、現段階数が書き換えられるまで、現段階数「3」とした当選確率で段階抽選を行う。
また、タイマ1がスタートしてから所定時間を経過するタイミングt4において、RAM31cに記憶される検知個数より検知スイッチSWが合計「1球」の遊技球BLを検知した。このことから、検知個数に応じた段階数が、タイマ1を作動させた時点における現段階数「1」と同じであるため、統括CPU31aは、現段階数を書き換えない。よって、タイミングt4の時点において、当選確率が変更されることはない。
また、タイマ2がスタートしてから所定時間を経過するタイミングt5において、検知スイッチSWが合計「2球」の遊技球BLを検知した。このことから、検知個数に応じた段階数が、タイマ2を作動させた時点における現段階数「2」と同じであるため、統括CPU31aは、現段階数を書き換えない。よって、タイミングt5の時点において、当選確率が変更されることはない。
また、タイマ3がスタートしてから所定時間を経過するタイミングt6において、検知スイッチSWが合計「3球」の遊技球BLを検知した。このことから、検知個数に応じた段階数が、タイマ3を作動させた時点における現段階数「3」と同じであるため、統括CPU31aは、現段階数を書き換えない。よって、タイミングt6の時点において、当選確率が変更されることはない。
次に、図16では、最初、RAM31cに記憶される現段階数が「0」であることから、現段階数「0(零)」とした当選確率で段階抽選を行う。そして、1回目の演出ボタン70の操作で段階抽選に当選したものとする(タイミングt11)。タイミングt11では、段階抽選に当選したことから、統括CPU31aは、RAM31cに記憶される現段階数を「1」とする。また、統括CPU31aは、発射コマンドを発射装置51に出力して、演出用可動体50の演出通路59へと1球目の遊技球BLが発射される。また、段階抽選に当選したことで、統括CPU31aは、タイマ1をスタートさせる。タイミングt11以降、統括CPU31aは、現段階数が書き換えられるまで、現段階数「1」とした当選確率で段階抽選を行う。
また、3回目の演出ボタン70の操作で段階抽選に当選したものとする(タイミングt12)。タイミングt12では、タイミングt11と同様の処理が実行され、統括CPU31aは、RAM31cに記憶される現段階数を「2」とし、発射コマンドを発射装置51に出力する。また、段階抽選に当選したことで、統括CPU31aは、タイマ2をスタートさせる。タイミングt12以降、統括CPU31aは、現段階数が書き換えられるまで、現段階数「2」とした当選確率で段階抽選を行う。なお、図16では、タイミングt12において、2球目の遊技球BLを発射させる発射コマンドが出力されながらも、背面側通路58において、球切れなどの不都合により、遊技球BLが発射されなかったものとする。
また、5回目の演出ボタン70の操作で段階抽選に当選したものとする(タイミングt13)。タイミングt13では、タイミングt11と同様の処理が実行され、統括CPU31aは、RAM31cに記憶される現段階数を「3」とし、発射コマンドを発射装置51に出力する。また、段階抽選に当選したことで、統括CPU31aは、タイマ3をスタートさせる。タイミングt13以降、統括CPU31aは、現段階数が書き換えられるまで、現段階数「3」とした当選確率で段階抽選を行う。なお、図16では、タイミングt13において、2球目の遊技球BLを発射させる発射コマンドが出力されながらも、背面側通路58において、球切れなどの不都合により、遊技球BLが発射されなかったものとする。
また、タイマ1がスタートしてから所定時間を経過するタイミングt14において、RAM31cに記憶される検知個数より検知スイッチSWが合計「1球」の遊技球BLを検知した。このことから、検知個数に応じた段階数が、タイマ1を作動させた時点における現段階数「1」と同じであるため、統括CPU31aは、現段階数を書き換えない。よって、タイミングt4の時点において、当選確率が変更されることはない。
また、タイマ2がスタートしてから所定時間を経過するタイミングt15において、検知スイッチSWが合計「1球」の遊技球BLを検知した。このことから、検知個数に応じた段階数が、タイマ2を作動させた時点における現段階数「2」と不一致であるため、統括CPU31aは、RAM31cに記憶される現段階数を「1」に書き換える。よって、タイミングt15以降、統括CPU31aは、現段階数が書き換えられるまで、現段階数「1」とした当選確率で段階抽選を行う。また、統括CPU31aは、タイマ3はリセットする。よって、演出通路59に発射された遊技球BLの個数に合わせて段階抽選の当選確率を変更することができる。
次に、図17では、最初、RAM31cに記憶される現段階数が「0」であることから、現段階数「0(零)」とした当選確率で段階抽選を行う。そして、1回目の演出ボタン70の操作で段階抽選に当選したものとする(タイミングt21)。タイミングt21では、段階抽選に当選したことから、統括CPU31aは、RAM31cに記憶される現段階数を「1」とする。また、統括CPU31aは、発射コマンドを発射装置51に出力して、演出用可動体50の演出通路59へと1球目の遊技球BLが発射される。また、段階抽選に当選したことで、統括CPU31aは、タイマ1をスタートさせる。タイミングt21以降、統括CPU31aは、現段階数が書き換えられるまで、現段階数「1」とした当選確率で段階抽選を行う。
また、3回目の演出ボタン70の操作で段階抽選に当選したものとする(タイミングt22)。タイミングt22では、タイミングt21と同様の処理が実行され、統括CPU31aは、RAM31cに記憶される現段階数を「2」とし、発射コマンドを発射装置51に出力する。ここで、2球目の遊技球BLが発射される。また、段階抽選に当選したことで、統括CPU31aは、タイマ2をスタートさせる。タイミングt22以降、統括CPU31aは、現段階数が書き換えられるまで、現段階数「2」とした当選確率で段階抽選を行う。
また、5回目の演出ボタン70の操作で段階抽選に当選したものとする(タイミングt23)。タイミングt23では、タイミングt21と同様の処理が実行され、統括CPU31aは、RAM31cに記憶される現段階数を「3」とし、発射コマンドを発射装置51に出力する。また、段階抽選に当選したことで、統括CPU31aは、タイマ3をスタートさせる。タイミングt23以降、統括CPU31aは、現段階数が書き換えられるまで、現段階数「3」とした当選確率で段階抽選を行う。なお、図17では、タイミングt23において、3球目の遊技球BLを発射させる発射コマンドが出力されながらも、発射装置51の不都合により、遊技球BLが「2球」発射されたものとする。よって、この時点において、演出通路59に発射された遊技球BLの合計個数は、「4球」となる。
また、タイマ1がスタートしてから所定時間を経過するタイミングt24において、RAM31cに記憶される検知個数より検知スイッチSWが合計「1球」の遊技球BLを検知した。このことから、検知個数に応じた段階数が、タイマ1を作動させた時点における現段階数「1」と同じであるため、統括CPU31aは、現段階数を書き換えない。よって、タイミングt24の時点において、当選確率が変更されることはない。また、タイマ2がスタートしてから所定時間を経過するタイミングt25において、検知スイッチSWが合計「2球」の遊技球BLを検知した。このことから、検知個数に応じた段階数が、タイマ2を作動させた時点における現段階数「2」と同じであるため、統括CPU31aは、現段階数を書き換えない。よって、タイミングt25の時点において、当選確率が変更されることはない。
また、タイマ3がスタートしてから所定時間を経過するタイミングt26において、検知スイッチSWが合計「4球」の遊技球BLを検知した。このことから、検知個数に応じた段階数が、タイマ3を作動させた時点における現段階数「3」と不一致であるため、統括CPU31aは、RAM31cに記憶される現段階数を検知スイッチSWが検知した個数「4」に書き換える。よって、タイミングt26以降、統括CPU31aは、現段階数が書き換えられるまで、現段階数「4」とした当選確率で段階抽選を行う。よって、演出通路59に発射された遊技球BLの個数に合わせて段階抽選の当選確率を変更することができる。
以上詳述したように、本実施形態は、以下の効果を有する。
(1)統括CPU31aは、演出ボタン70が押下操作される毎に、変動パターン(大当り判定結果とリーチ演出の演出内容)に基づき決定した確率振り分けテーブルを参照して、現在の段階数(RAM31cに記憶される現段階数)における当選確率にて、段階抽選を行う。また、統括CPU31aは、段階抽選で当選した場合、RAM31cに記憶されている現段階数に「1」を加算して、RAM31cに記憶させる。これにより、段階抽選で当選した場合には、実際に遊技球BLが発射されていなくても当選した時点で新たな現段階数としてRAM31cに記憶させる。そして、演出ボタン70が押下操作された場合、RAM31cに記憶された現段階数に応じた当選確率で段階抽選を行うようにした。このため、予告演出における段階数毎に段階抽選の当選確率を異ならせた場合に、遊技球BLが発射されてから検知スイッチSWに検知されるまでの時間を待たなくても、発射を決定した遊技球BLの個数に基づいて当選確率を変更することができる。
そして、統括CPU31aは、RAM31cに記憶させた段階数に達するまで演出用可動体50において予告演出を実行させるため、発射コマンドを出力し、発射すると決めた遊技球BLの個数だけの予告演出を確実に実行することができる。以上により、予告演出において、検知スイッチSWに遊技球BLが検知されるのを待たなくても、演出ボタン70の操作に応じて、各段階数の段階抽選の当選確率にて段階抽選を実行することができるため、演出ボタン70を連続して操作させることができる。したがって、遊技者の興趣を向上させることができる。
(2)演出用可動体50の発射装置51は、現段階数が「1」加算される毎に遊技球BLを「1球」発射させて、演出通路59を通過させる。このため、遊技者は、演出通路59を通過する遊技球BLの個数により予告演出の大当り期待度を確認することができる。しかしながら、演出通路59を通過させる際、球詰まりや球切れなどからの何らかの原因により演出通路を通過しない場合もある。この場合、内部的には発射個数が加算されていても、遊技者の見た目上は発射個数が加算されていないという不都合がある。
そこで、本実施形態の統括CPU31aは、予告演出中、現段階数を更新してRAM31cに記憶させてから、所定の時間経過後、検知スイッチSWが検知した検知個数をRAM31cに現段階数として記憶させるようにした。これにより、遊技球BLが演出通路59を通過しないために検知スイッチSWにより検知されなかった場合、実際に検知された遊技球BLの個数、すなわち、遊技者が演出通路59を通過したと確認できる遊技球BLの個数を現段階数として設定し直すことができる。また、RAM31cに記憶された現段階数と、遊技者が確認することができる遊技球BLの個数を一致させることができる。このため、例えば、見た目上の段階数(演出通路59を通過した遊技球BL)が加算されていないにもかかわらず、段階抽選の当選確率が低くなることで、段階数に当選しづらくなる等の不都合を防ぐことができる。また、大当り期待度が高いにもかかわらず、見た目上の段階数が加算され難くなることを防ぐこともできる。
(3)大当りが確定する演出(段階数が7段階目に達する演出)を行うか否かを抽選により決定することとした。このようにすることで、大当りになるときは必ず「7段階目」に達し得ることをなくすことで、演出ボタン70を何回も押下操作した場合に「7球」の遊技球BLが発射されなかった場合でも、大当りになることを期待させることができる。
尚、上記実施形態は、次のような別の実施形態(別例)にて具体化できる。
・上記実施形態において、ラウンド遊技の規定ラウンド数、大入賞口装置29の1回の開閉動作に係る時間、ラウンド遊技時間を変更しても良い。
・上記実施形態は、特別図柄と飾り図柄を用いるパチンコ遊技機10に具体化したが、特別図柄のみを用いるパチンコ遊技機に具体化しても良い。
・上記実施形態において、統括制御基板31を省略し、主制御基板30から直接、開放コマンドや閉鎖コマンドなどの大当り遊技に係るコマンドを表示制御基板32、ランプ制御基板33、及び音声制御基板34に出力するようにしても良い。
・上記実施形態において、大当り遊技の種類は、任意に変更しても良い。例えば、大当り遊技の規定ラウンド数や、入球上限個数を変更しても良い。また、大入賞口装置29の開閉動作回数を変更しても良い。例えば、1回のラウンド遊技中に大入賞口装置29を3回、開閉動作させるようにしても良い。
・上記実施形態では、可変表示器H2を液晶式としたが、ドットマトリクス式や7セグメントLED式の演出表示装置としても良いし、ドラム式などの機械式の演出表示装置としても良い。
・上記実施形態において、統括CPU31aは、所定の周期毎に演出整合処理を行った。この際、RAM31cに記憶される現段階数と、検知スイッチSWが検知した検知個数が不一致の場合には、検知個数を現段階数として記憶し直したが、現段階数と検知個数が一致するまで、段階抽選を行わないようにしても良い。これにより、遊技球が、何らかの理由により演出通路59を通過しないことで検知スイッチSWにより検知されない場合、次の遊技球BLが発射されないようになる。これにより、RAM31cに記憶された現段階数と、遊技者が確認することができる検知スイッチSWが検知した遊技球BLの個数を一致させることができる。
・上記実施形態において、スーパーリーチ演出を3種類とし、ノーマルリーチ演出を1種類としたが何種類備えても良い。例えば、1種類、6種類、10種類備えても良い。また、複数種類備える場合、それぞれのスーパーリーチ演出にかかる時間を同一として、大当りのときと、はずれのときとで、選択率を変化させることで大当り期待度を変化させる態様としても良い。
・上記実施形態において、演出用可動体50を遊技盤YBの右下方に配置したが、遊技者の視認可能な場所で、パチンコ遊技機10に配置されていればどこでも良い。例えば、遊技盤YBの上方や、パチンコ遊技機10の枠(例えば、前枠14)などに配置しても良い。
・上記実施形態において、演出用可動体50の検知スイッチSWを、排出口53を通ったところに設置したが、演出通路59に発射された遊技球を検知できればどこに設置しても良い。例えば、連通口54と規制部51bの間の通路に設置しても良い。
・上記実施形態において、演出用可動体50の検知スイッチSWが検知した遊技球BLの個数を可変表示器H2に表示するようにしても良い。また、例えば、遊技者が視認可能なパチンコ遊技機10の一部(例えば、遊技盤YB)に7セグメント型のLEDを配置して検知個数を表示しても良い。
・上記実施形態において、演出通路59に発射する遊技球BLを貯留して、演出用可動体50内で遊技球BLを循環させる構造にしたがそのようにしなくても良い。例えば、遊技盤YBの排除口(例えば、アウト口43)から排出される遊技球を貯留し、演出通路59に発射された遊技球は検知スイッチSWに検知されると遊技機の外部に排出されるような構成としても良い。このようにすることで、ある程度の遊技球が貯留されないと、正確な予告演出が実行されなくなる。このため、予告演出が見たい遊技者は、遊技領域に遊技球を打ち込むこととなり、遊技の興趣が向上する。
・上記実施形態において、演出用可動体50の裏面で貯留可能な遊技球BLの個数を「7球」としたが、そのようにしなくても良い。例えば、循環する構成であれば、「1球」、「5球」、「10球」としても良い。また、発射して検知した遊技球を遊技盤の外部に排出する構成であれば、1回の図柄変動ゲームで発射可能な最大個数以上の遊技球が貯留されていれば良い。
・上記実施形態において、予告演出での遊技球BLの発射個数、及び段階数の最大数を「7」としたが何球にしても良い。例えば、「5」、「10」、「20」にしても良い。
・上記実施形態において、大当りが確定する予告演出での遊技球BLの発射個数を「7球」としたが、何球にしても良い。例えば、「5球」、「10球」、「20球」としても良い。この場合、大当りが確定する態様としなければならない。また、そのような、大当りが確定する予告演出での遊技球BLの発射個数を設定しなくても良い。
・上記実施形態において、変動パターン毎に設定された図柄変動ゲーム全体で発射可能な遊技球BLの最大個数を予告演出中に発射しない場合も存在するが、必ず最大個数の遊技球を1回の図柄変動ゲーム中に演出用可動体50に発射するようにしても良い。例えば、予告演出期間終了直前には、段階抽選の当選確率が「0%」でない場合には、「100%」に書き換えることとしても良い。このようにすることで、図柄変動ゲームの正確な大当り期待度を遊技者に抱かせることができる。
・上記実施形態において、大当りの種類を報知しても良い。例えば、大当り遊技中において、実施形態の予告演出と同等の演出を実行させ、確変が付与されるか否かの抽選を行うようにしても良い。
・上記実施形態において、予告演出期間を図柄変動ゲームが開始してからリーチの図柄組み合わせが一旦停止表示されるまでとしたが、リーチ演出中を予告演出期間として、予告演出を実行しても良い。また、予告演出期間を図柄変動ゲームが開始してから、図柄変動ゲームが終了するまでとしても良い。
・上記実施形態の図13に示す段階抽選にかかる処理のステップS6の処理においてセットされたタイマで所定時間が経過したか否かを図14に示す演出整合処理のステップS11で判定した。このとき、ステップS6のタイマセットでは、所定時間が経過したか否かを判定するために、タイマに時間をセットして、減算していき、タイマの時間が「0(零)」か否かをステップS11で判定しても良い。
・上記実施形態の図14に示す演出整合処理を、図18に示す演出整合処理に変更しても良い。図18に示す演出整合処理におけるステップS11〜ステップS13の処理は、図14に示す演出整合処理と同一の処理のため説明を省略する。図18に示す演出整合処理において、統括CPU31aは、ステップS11の判定結果が否定の場合、RAM31cに記憶されている現段階数が、検知スイッチSWが検知した検知個数以上であるか否かを判定する(ステップS14)。ステップS14の判定結果が肯定である場合、つまり、検知個数が現段階数を上回ってない場合、統括CPU31aは、演出整合処理を終了する。一方、ステップS14の判定結果が否定の場合、つまり、検知個数が現段階数を上回っている場合、統括CPU31aは、RAM31cに記憶されている検知個数を現段階数として設定する(ステップS13)。
このようにすることで、検知個数が現段階数を上回ることを防ぐことができる。すなわち、遊技者が認識した段階数が、パチンコ遊技機10の内部で認識する段階数を上回ることを防ぐことができる。
また、発射装置51が遊技球BLを発射してから検知スイッチSWに検知されるまでの時間(所定時間)内に、何らかの原因によって、遊技球BLが検知されなかった場合(例えば、球詰まり)も考えられる。例えば、図16におけるタイミングt12で、2球目の遊技球BLが発射されていて、タイミングt15以降に2球目の遊技球BLが検知された場合において、図18に示す演出整合処理を行ったとする。すると、検知個数にあわせて段階数が設定(RAM31cに記憶される現段階数が「1」から「2」へ設定)される。これにより、遊技者が認識した段階数と、パチンコ遊技機10の内部で認識する段階数を一致させることができる。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記演出装置は、発射装置から発射された遊技球が流下する遊技領域から遊技球が流入しないように隔離された演出領域と、報知演出の段階数が1段階上がるごとに前記演出領域内に遊技球を通過させるように遊技球を発射する報知演出用発射手段と、前記報知演出用発射手段により発射され、前記演出領域を通過した遊技球を検知する報知演出用検知手段とを有し、前記演出決定手段は、前記報知演出中、現段階数を更新して前記記憶手段に記憶してから予め決められた所定の時間経過後、当該現段階数に応じた数の遊技球を前記報知演出用検知手段が検知していない場合、現段階として初期段階を設定する。
(ロ)前記演出装置は、発射装置から発射された遊技球が流下する遊技領域から遊技球が流入しないように隔離された演出領域と、報知演出の段階数が1段階上がるごとに前記演出領域内に遊技球を通過させるように遊技球を発射する報知演出用発射手段と、前記報知演出用発射手段により発射され、前記演出領域を通過した遊技球を検知する報知演出用検知手段とを有し、前記演出決定手段は、前記報知演出中、前記記憶手段に記憶された現段階数に応じた遊技球数よりも多くの数の遊技球が前記報知演出用検知手段により検知された場合、検知された遊技球数に応じた段階を現段階として設定する。
(ハ)前記所定の時間は、少なくとも前記報知演出用発射手段が遊技球を発射してから前記演出領域を通過するまでに必要な時間以上が設定されている。
(ニ)前記演出装置は、前記演出領域内に、発射された遊技球を演出領域外に移動させる搬送手段を有し、前記搬送手段は、発射された遊技球を所定の速度で演出領域外に排出するように構成され、前記所定の時間は、少なくとも前記搬送手段が遊技球を前記演出領域外に搬送するまでに必要な時間以上が設定されている。