JP5145090B2 - パチンコ遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、貸玉や入賞により払い出された玉を発射装置に供給するための玉供給皿を備えたパチンコ遊技機に関する。
従来より、例えば、遊技領域に向けて玉を1玉ずつ発射する発射装置を備えたパチンコ遊技機が知られている(例えば、特許文献1参照。)。パチンコ遊技機の前面には、貸玉や賞球として払い出された玉を貯える玉供給皿が配設されている。パチンコ遊技機では、玉供給皿の玉が1玉ずつ発射装置に導かれる。
さらに、前記のようなパチンコ遊技機としては、例えば、始動口への入賞に応じて大当たり抽選を実行し、その抽選結果を図柄の変動表示により報知する、いわゆる「セブン機」と呼ばれる遊技機がある。このパチンコ遊技機では、大当たり抽選での当選に応じて遊技者側の有利度合いが高い大当たりが発生し得る。「セブン機」の遊技では、大当たりに対する期待感や、大当たり当選が報知されるまでのワクワク感やドキドキ感等が、遊技意欲の源となっている。そこで、このような「セブン機」では、遊技領域に設けられた液晶ディスプレイ等の表示装置や、可動役物による動作演出等により、大当たりへの期待感を高める演出が実施される。
しかしながら、前記従来のパチンコ遊技機では、次のような問題がある。すなわち、多種多彩な遊技演出に対する遊技者側の慣れに応じて、従来と同様の遊技演出によっては遊技者の期待感を十分に煽ることができないおそれがある。
特開2006−223520号公報
本発明は、前記従来の問題点に鑑みてなされたものであり、多種多彩な遊技演出に慣れた遊技者に対しても効果的で斬新な遊技演出を実現したパチンコ遊技機を提供しようとするものである。
本発明は、遊技領域に向けて玉を発射する遊技用発射装置と、
該遊技領域を流下する玉が入賞可能な入賞口と、
遊技者側に張り出す受け皿状に形成され、前記入賞口への入賞に応じて払い出される玉を受け入れると共に、前記遊技用発射装置に供給する玉を貯留する玉供給皿と、
該玉供給皿に受け入れられた玉を前記遊技領域外に向けて打ち上げる演出用発射装置と、を備えることを特徴とするパチンコ遊技機にある(請求項1)。
本発明のパチンコ遊技機では、前記遊技領域に向けて玉を発射する前記遊技用発射装置のほかに、前記玉供給皿の玉を打ち上げるための前記演出用発射装置を備えている。前記パチンコ遊技機によれば、前記玉供給皿の玉が打ち上げられるという極めて斬新、かつ意外性のある遊技演出が可能である。
以上のように、本発明のパチンコ遊技機は、従来の遊技演出に慣れてしまった遊技者にとっても極めて斬新な意外性のある遊技演出を実行可能な遊技機である。斬新かつ意外性のある遊技演出は、遊技者の期待感を高揚するのに非常に有効である。
本発明のパチンコ遊技機としては、図柄を変動表示させ、停止表示された図柄の組み合わせにより大当たり抽選の抽選結果を報知する、いわゆる「セブン機」と総称されるパチンコ遊技機であっても良く、機械的な役物を備えた通常のパチンコ遊技機であっても良い。さらには、パチンコ玉を遊技媒体とした広義のパチンコ遊技機であるパロット(R)であっても良い。
また、前記玉供給皿における玉が転動可能な表面には、玉を保持可能な凹部が形成されており、
前記演出用発射装置は、前記凹部に保持された玉を打ち上げることが好ましい(請求項2)。
この場合には、前記玉供給皿に払い出された玉が前記凹部に保持され得る。前記凹部に保持された玉は、前記演出用発射装置の動作に応じて打ち上げられる。
また、前記入賞口への入賞に応じて抽選処理を実行する抽選手段と、
該抽選手段による抽選結果に応じて選択された表示内容を表示する表示手段と、を備え、
前記演出用発射装置は、前記表示手段による表示内容の変化に同期して玉を打ち上げることが好ましい(請求項3)。
この場合には、前記表示手段による表示内容の変化に同期して前記玉供給皿の玉を打ち上げることで、前記表示手段による表示による演出効果を格段に高めることができる。前記表示手段による演出と、前記演出用発射装置による演出との組み合わせによれば、前記抽選手段による抽選結果に対する遊技者の期待感を効果的に高揚できるようになる。
本発明の実施の形態につき、以下の実施例を用いて具体的に説明する。
(実施例1)
本例は、いわゆるセブン機と総称されるパチンコ遊技機1に関する例である。この内容について、図1〜図7を用いて説明する。
本例のパチンコ遊技機1は、図1〜図4に示すごとく、遊技領域130に向けて玉を発射する遊技用発射装置421(以下、発射装置421という。)と、該遊技領域130を流下する玉が入賞可能な始動口11等の入賞口と、遊技者側に張り出す受け皿状に形成され、入賞口への入賞に応じて払い出される玉を受け入れると共に、遊技用発射装置421に供給する玉を貯留する玉供給皿135と、この玉供給皿135に受け入れられた玉を遊技領域130外に向けて打ち上げる演出用発射装置435(以下、演出玉発射部435という。)と、を備えている。
以下、この内容について詳しく説明する。
まず、本例のパチンコ遊技機1の外観的な構成について、図1を用いて説明する。パチンコ遊技機1は、台枠に取り付けられた開閉扉13と、開閉扉13の内側に配置される遊技盤に形成された略円形状の遊技領域130と、遊技領域130の左右に配設された左右一対のスピーカ131と、遊技領域130の下側に設けられた玉供給皿135と、玉供給皿135の前面中央に配置された玉放出ボタン137、玉供給皿135の右下に配置された発射ハンドル134と、を備えている。
開閉扉13は、図1に示すごとく、パチンコ遊技機1に対面して左側のヒンジ133を介して回動可能な状態で台枠に固定された扉である。開閉扉13は、遊技領域130に対応する略円形状の透明窓139と、透明窓139の上部に配置された装飾ランプ136とを有している。さらに、開閉扉13は、スピーカ131の配設位置に対応して複数の貫通孔132を有している。
玉供給皿135は、図1及び図2に示すごとく、入賞や貸玉等に応じて払い出された玉を貯留するための皿である。玉供給皿135は、パチンコ遊技機1の前面から遊技者側に張り出すように形成されている。玉供給皿135は、パチンコ遊技機1の前面と、外周壁により取り囲まれた貯留部135Aを有している。当該貯留部135Aには、玉払出口411が開口していると共に、玉を発射する発射装置421(後述)へ玉を供給するための玉供給通路154と、玉供給皿135に貯留した玉を玉箱に放出するための玉放出通路153とが連通している。
玉払出口411は、図1〜図3に示すごとく、遊技者側から見て貯留部135Aの左側に開口している。玉供給通路154及び玉放出通路153は、貯留部135Aの略中央に形成された接続箇所を介して貯留部135Aに連通している。貯留部135Aの底面は、略中央に位置する玉供給通路154等との接続箇所に向けて緩やかに傾斜するように形成している。玉払出口411を介して玉供給皿135に払い出された玉は、左側に開口する玉払出口411から貯留部135Aに流出したのち左回りに巻き込みながら玉供給通路154に対する接続箇所に向けて転動する。
特に、本例の玉供給皿135は、図1〜図3に示すごとく、玉を上方に向けて打ち上げるための演出玉発射部435を備えている。演出玉発射部435は、左右一対をなすように貯留部135Aの底面に配設されている。演出玉発射部435は、玉を保持可能な窪み形状の凹部436と、可動鉄心である発射ロッド434を凹部436から突出させ得るように配設された演出用ソレノイド433とを備えている。
演出用ソレノイド433は、図1及び図2に示すごとく、断面略円形状を呈する軸状の可動鉄心である発射ロッド434と、図示しない電磁コイルを収容した本体部432とを有する。本体部432には、発射ロッド434を初期位置に向けて付勢する図示しない付勢スプリングが収容されている。演出用ソレノイド433では、通電による電磁コイルの励磁により可動鉄心である発射ロッド434が吸引されて軸方向に突出する。非通電状態では、付勢スプリングの付勢力により押し戻され、貯留部135Aの底面よりも後退した初期位置に発射ロッド434が位置している。本例の各演出玉発射部435では、貯留部135Aの中央に向けて演出用ソレノイド433を少し傾けて設定してある。それ故、左側の演出玉発射部435から打ち上げられた玉は、右上方に向けて打ち上げられる。右側の演出玉発射部435から打ち上げられた玉は、左上方に向けて打ち上げられる。さらに、本例の演出用ソレノイド433は、通電電流の強さに応じた玉の発射強度を変更可能である。
玉払出口411から払い出された玉は、図1及び図2に示すごとく、玉供給皿135に向けて転げ出た後、玉供給皿135上面の傾斜に沿って右側に転動し、発射装置421に連通する玉供給通路154へ向かう。玉供給皿135の上面一面に玉が貯まると、左右の演出玉発射部435の凹部436に玉が1個ずつ保持され得る。凹部436によって保持された玉は、玉供給皿135の玉が減少した場合でもそのままその保持状態を維持し得る。なお、貯留部135Aの玉が少なく演出玉発射部435に玉が配置されていない場合には、遊技者自らが貯留部135A内で玉を転動させることで凹部436に玉を保持させることができる。
玉放出通路153には、図1及び図2に示すごとく、蓋開閉用ソレノイド150により進退駆動される可動蓋152が配設されている。可動蓋152は、通常状態では玉放出通路153を閉鎖するように位置している一方、玉放出ボタン137の押下げ操作に応じて後退して玉放出通路153を開放する。玉放出ボタン137は、蓋開閉用ソレノイド150の操作スイッチであり、遊技者の押下げ操作に応じて蓋開閉用ソレノイド150の制御信号である開放信号を発生させる。
蓋開閉用ソレノイド150は、図1及び図2に示すごとく、断面略円形状を呈する軸状の可動鉄心である開閉ロッド151と、図示しない電動コイルを収容した本体部155とを備えている。本体部155には、開閉ロッド151を初期位置に向けて付勢する図示しない付勢スプリングが収容されている。蓋開閉用ソレノイド150では、通電による電磁コイルの励磁により可動鉄心である開閉ロッド151が吸引されて軸方向に後退する。非通電状態では、付勢スプリングの付勢力により押し出され、軸方向に突出する初期位置に開閉ロッド151が位置している。玉放出通路153が閉鎖された状態では、玉供給皿135の玉は玉供給通路154を経由して発射装置421へ導かれる。一方、玉放出通路153が開放された状態では、玉供給皿135の玉は玉放出通路153を通って落下する。
発射ハンドル134は、図1に示すごとく、遊技領域130への玉の打ち出し強さを調整するための操作ハンドルである。発射ハンドル134は、図示しないスプリングにより左回転方向の初期位置に向けて付勢されている。初期位置に発射ハンドル134が位置する場合の打ち出し強さはゼロであり、この状態では玉は発射されない。パチンコ遊技機1では、発射ハンドル134が右回転方向に操作された際、発射装置421により遊技領域130に向けて玉が発射される。そして、発射ハンドル134の操作量が大きくなるほど、玉の打ち出し強さが強くなる。さらに、発射ハンドル134は、玉の発射を一時停止するための発射停止ボタン(図示略)を備えている。発射停止ボタンを操作すれば、発射ハンドル134を右回転方向に操作した状態において玉の発射を一時停止可能である。
遊技領域130は、図1に示すごとく、遊技媒体であるパチンコ玉が流下する領域をなしている。遊技領域130には、液晶表示装置191を備えた表示装置19を中心とし、通過ゲート14、電動チューリップ(以下、電チューと略記する)である始動口11、大入賞装置16、普図表示部181、及び普図保留表示部182が配設されている。さらに、遊技領域130の最下部には、いずれの入賞口(始動口11及び大入賞装置16)にも入賞することなく流下した全ての玉を回収するための玉排出口138が開口している。
表示装置19は、図1に示すごとく、略中央に配置された液晶表示装置191のほか、下枠部分に配設された特図保留表示部192を備えている。液晶表示装置191は、特別図柄の抽選(以下、特図抽選という。)の結果を表示する特図表示部(表示手段35の一部。)としての機能のほか、大当たり遊技を演出する大当たり表示を実施する機能を備えている。なお、以下の説明では、特図表示部としての液晶表示装置191を適宜、特図表示部191と記載する。
この特図表示部191では、複数種類の図柄を変動表示する図柄表示領域190L、C、Rが3カ所、形成されている。特図表示部191は、各図柄表示領域190L、C、Rに停止表示された3つの停止図柄の組合せにより特図抽選の抽選結果(以下、特図抽選結果という。)を表示する。本例では、各図柄表示領域190L、C、Rに変動表示する図柄として、1〜9のアラビア数字を図案化した9種類の図柄を採用している。
特図表示部191は、特図抽選結果を表示するに当たって各図柄表示領域190L、C、Rにおける図柄変動を一斉に開始し、所定の特図変動時間の経過後、いずれかの図柄を各図柄表示領域190L、C、Rに停止させる。特図抽選に当選した際、特図表示部191は、同じ図柄(いわゆるゾロ目)の組合せによりその旨を報知する。
特図保留表示部192は、図1に示すごとく、特図抽選結果の保留数を表示する表示部である。特図保留表示部192は、水平方向に略等間隔で配置された複数のLED(Light Emitting Diode)を有する。このLEDの配置数は、特図抽選結果の最大保留数と同数の4つである。特図保留表示部192は、点灯中のLEDの個数により特図抽選結果の保留数を表示する。
通過ゲート14は、図1に示すごとく、普通図柄の抽選(以下、普図抽選という。)の契機となるゲートである。通過ゲート14では、玉を通過させるのみで賞球の払い出しが設定されていない。本例のパチンコ遊技機1では、遊技領域130に対面して表示装置19の左側に通過ゲート14が配置されている。
始動口11は、図1に示すごとく、大当たり抽選である特図抽選の契機となる入賞口であり、表示装置19の下側に配置されている。本例の始動口11は、一対の可動羽根111を開口部110に設けた、いわゆる電チューリップ(電チュー)である。通常時における一対の可動羽根111は、玉を通過させ得る程度の隙間を空けて相互に対面するよう、起立する状態にある。この状態では、一対の可動羽根111がなす隙間の上方に向かう開口部分のみが玉の入賞経路となる。一方、相互に離隔するように回動した一対の可動羽根111(図1中、破線で示す状態。)は、開口部110への玉の流入をガイドする受け皿のように作用する。それ故、この状態では、始動口11への入賞確率が格段に高くなる。始動口11は、普図抽選での当選に応じて可動羽根111を開放する。可動羽根111の開放時間は、通常状態では0.2秒、時短状態では1.5秒×3回となっている。
なお、本例では、通常状態における普図抽選の当選確率が1/100であり、時短状態における当選確率が99/100となっている。また、始動口11に入り込んだ玉は、始動入賞検出器52により検出される。本例では、始動口11への入賞に対する払出(賞球)を3玉に設定してある。
普図表示部181は、図1に示すごとく、普図抽選結果を表示する表示部である。本例の普図表示部181は、1つのLEDにより構成されている。普図表示部181は、LEDの点滅により変動動作を表示する。普図表示部181は、普図抽選結果が当たりのときLEDを点灯させ、ハズレのときLEDを消灯させる。なお、普図変動時間については、通常状態では30秒、時短状態では1秒となっている。
普図保留表示部182は、普図抽選結果の保留数を表示する表示部である。普図保留表示部182は、4つのLEDが縦に連設されてなる。普図保留表示部182は、点灯中のLEDの個数により普図抽選結果の保留数(最大普図保留数4)を表示する。なお、本例のパチンコ遊技機1では、遊技領域130に対面して左縁部分に普図表示部181及び普図保留表示部182が配置されている。
大入賞装置16は、図1に示すごとく、大当たりに応じて大入賞口を開口する、いわゆるアタッカーと呼ばれる可変入賞装置である。大入賞装置16は、横長略矩形状を呈する開口部(大入賞口)160と、該開口部160の下辺を中心として回動する蓋部材161とを有する。大入賞装置16では、遊技領域130をなす遊技盤の盤面と略面一をなすよう、蓋部材161が位置した際に開口部160が閉塞状態となる一方、蓋部材161が下辺を中心として遊技者側に回動すると開口部160が開放状態となる。さらに、このように回動した蓋部材161は、玉を開口部160に導くための受け皿となる。この大入賞装置16は、始動口11の下側に配置されている。
次に、パチンコ遊技機1のシステム的な構成について、図1及び図4を用いて説明する。パチンコ遊技機1は、主回路20を中心として構成されている。主回路20に対しては、玉の払出及び打込を制御する払出制御回路41、遊技演出を制御する副制御回路43、各種の遊技データを表示するLED460、入賞玉あるいは通過玉の検出器51〜53、操作スイッチである玉放出ボタン137、始動口(電チュー)11を開放する電チューソレノイド54、大入賞装置16を開放させる大入賞ソレノイド55、可動蓋を開閉する蓋開閉用ソレノイド150、及び電力供給のための電源回路45等が電気的に接続されている。
払出制御回路41は、図1及び図4に示すごとく、入賞に応じた玉の払出、及び玉の打込を制御する回路である。払出制御回路41に対しては、払出装置410及び発射制御回路42が電気的に接続されている。払出装置410は、入賞に応じて主回路20により指示される所定数の玉を玉払出口411から払い出す装置である。発射制御回路42は、ハンドル装置422を構成する発射ハンドル134の操作量に応じて、発射装置421による玉の打ち出し強さを制御する回路である。
副制御回路43は、図1及び図4に示すごとく、各種遊技演出の制御回路である。副制御回路43に対しては、スピーカ131を含むアンプ/スピーカ431、装飾ランプ136等の装飾ランプ類432、演出用ソレノイド433、及び液晶表示装置(特図表示部)191を制御する表示制御回路44が電気的に接続されている。表示制御回路44は、前記特図表示部(液晶表示装置)191と共に表示手段35を構成している。表示制御回路44は、主回路20から副制御回路43を介して入力される変動開始指示信号に応じて図柄変動を開始し、同様の変動停止指示信号に応じて図柄変動を停止させる。
さらに、表示制御回路44は、表示手段35としての機能のほか、大当たり状態の遊技を演出する演出画面を液晶表示装置191に表示させる機能を備えている。表示制御回路44は、主回路20から入力される大当開始指示信号、ラウンド開始指示信号及び大当終了指示信号に応じて大当たり表示処理を実行する。表示制御回路44が液晶表示装置191に表示させる大当たり状態の演出画面としては、大当たり状態のスタートを表す大当たり開始表示、大当たり状態の継続中に表示される大当たり表示、及び大当たり状態の終了を表す大当たり終了表示等がある。なお、本例の説明では、各演出画面の図示を省略している。
前記検出器としては、通過ゲート14の通過玉を検出するゲート通過検出器51、始動口11への入賞玉を検出する始動入賞検出器52、及び大入賞装置16への入賞玉を検出する大入賞検出器53がある。
電チューソレノイド54は、図4及び図1に示すごとく、始動口11の可動羽根111を開閉するためのソレノイドである。
大入賞ソレノイド55は、大入賞装置16の蓋部材161を回動駆動して、大入賞装置16を入賞可能な状態とするソレノイドである。
主回路20は、図4に示すごとく、CPU(Central Processing Unit)21、記憶素子であるROM(Read Only Memory)22、RAM(Random Access Memory)23、特図抽選あるいは普図抽選用の乱数を抽出する乱数抽出部25、及び入出力インタフェースをなすI/O(Input/Output)24等を備えている。本例の主回路20は、ROM22から読み出したプログラムをCPU21に実行させることにより、特図抽選等を実行する抽選手段33、特図抽選での当選に応じて大当たり遊技を発生させる遊技状態制御手段32、始動口11の始動入賞を検出する入賞検出手段31としての機能を実現する。
ROM22は、図4に示すごとく、CPU21に実行させる各種の処理プログラムを記憶しているほか、特図抽選あるいは普図抽選に利用される数種類の判定テーブルを記憶している。特図抽選用の特図判定テーブルは、ハズレに対応する乱数範囲、確変大当たりに対応する乱数範囲、及び非確変大当たりに対応する乱数範囲が規定されたデータテーブルである。普図抽選用の普図判定テーブルは、ハズレに対応する乱数範囲、及び普図当選に対応する乱数範囲が規定されたデータテーブルである。
特図判定テーブルとしては、通常状態あるいは時短状態用の通常用特図判定テーブル、及び確変状態用の確変用特図判定テーブルがある。普図判定テーブルとしては、通常状態の通常用普図判定テーブル、及び確変状態あるいは時短状態用の時短用普図判定テーブルがある。通常用特図判定テーブルによる当選確率が1/300であり、確変用特図判定テーブルによる当選確率が1/30となっている。また、通常用普図判定テーブルによる当選確率が1/100であり、時短用普図判定テーブルによる当選確率が99/100となっている。
さらに、ROM22は、図柄の変動表示中の演出パターンを選択するための演出パターン選択テーブルを記憶している。演出パターンとしては、玉発射演出が含まれるパターンと、玉発射演出が含まれないパターン等、各種のパターンが準備されている。(例えば、図7を用いて後述する演出パターンA。)玉発射演出を含む演出パターンでは、2基の演出用ソレノイド433の動作パターンが規定されている。2基の演出用ソレノイド433の動作パターンとしては、左右いずれか一方のみを動作させるパターンや、左右両方を同時に動作させるパターン等がある。例えば、大当たりへの期待度が高い場合には左右両方の玉を打ち上げる一方、期待度が高くない場合には左右いずれか一方の玉を打ち上げるという発射演出により大当たりへの期待度を遊技者に報知することも良い。さらに、大当たりの期待度に応じて、玉の発射強度を変更することも良い。この場合には、玉の打ち上げ高さに応じて大当たりに対する期待度の高さを遊技者に報知できる。
RAM23は、図4に示すごとく、CPU21のワークエリアや、一時書き込みに利用される読み書き可能な記憶素子である。RAM23の記憶エリアには、特図保留記憶エリア及び普図保留記憶エリアがそれぞれ4データ分ずつ割り当てられている。特図保留記憶エリアは、特図抽選結果、すなわち特図抽選に応じて抽出された乱数を記憶(保留)する記憶エリアである。普図保留記憶エリアは、普図抽選結果、すなわち普図抽選に応じて抽出された乱数を記憶(保留)する記憶エリアである。
乱数抽出部25は、図4に示すごとく、特図抽選及び普図抽選用の乱数を抽出する手段である。乱数抽出部25は、乱数カウンタ250が発生する整数の中から乱数を抽出する。乱数抽出部25は、前記ゲート通過検出器51による通過玉の検出に応じて普図抽選用の乱数を抽出すると共に、前記入賞検出手段31による始動入賞の検出に応じて特図抽選用の乱数を抽出する。なお、本例の乱数カウンタ250は、特図抽選用に1〜60000の範囲の整数を発生する。
入賞検出手段31は、図4に示すごとく、始動入賞検出器52を利用して始動入賞を検出する手段である。入賞検出手段31は、始動入賞検出器52による始動口11への入賞玉の検出に応じて始動入賞を検出し、入賞フラグをオン状態に設定する。
抽選手段33は、図4に示すごとく、特図抽選あるいは普図抽選を実行する手段である。抽選手段33は、特図抽選あるいは普図抽選にあたり、乱数抽出部25が抽出する乱数を取り込む。抽選手段33は、前記入賞フラグがオン状態に設定されたとき、特図保留記憶エリアにおける特図抽選結果の保留数が3つ以下であれば特図抽選用の乱数を抽出し、4つであれば特図抽選用の乱数の抽出をキャンセルする。また、抽選手段33は、通過ゲート14への入賞に応じて普図保留記憶エリアにおける普図抽選結果の保留数が3以下である場合に普図抽選用の乱数を抽出し、4個である場合には普図抽選用の乱数の抽出をキャンセルする。
抽選手段33は、図4に示すごとく、特図(普図)の変動表示を開始可能であるとき、すなわち特図(普図)の変動中でなく、かつ、大当たり中(電チュー11動作中)でもないとき、特図保留記憶エリア(普図保留記憶エリア)に記憶、すなわち保留された特図抽選結果(普図抽選結果)の有無を確認する。抽選手段33は、特図保留記憶エリア(普図保留記憶エリア)に記憶された特図抽選結果(普図抽選結果)のうち最も古いものを読み出し、特図判定テーブル(普図判定テーブル)と照合する。なお、抽選手段33は、前述したように遊技状態に合致した判定テーブルを選択して利用する。特図抽選の抽選結果としては、確変大当たり、非確変大当たり及びハズレがある。普図抽選の抽選結果は、当選とハズレとがある。
遊技状態制御手段32は、図4に示すごとく、特図表示部191に停止表示された停止図柄の組合せに応じて大当たり遊技を発生させる手段である。遊技状態制御手段32では、大当たり遊技に対応する大当たりフラグが設定されている。遊技状態制御手段32は、停止図柄の組み合わせが同じ図柄の組み合わせ(いわゆるゾロ目)であるとき、大当たりフラグをオン状態に設定し、大当たり遊技を発生させる。大当たり遊技は、入賞玉10個、あるいは開放時間25秒を終了条件として大入賞装置(アタッカー)16が開放されるラウンド処理が繰り返し実行される遊技者側に有利な遊技状態である。なお、大入賞装置16への入賞に応じた払い出しは、1入賞当たり15玉となっている。
遊技状態制御手段32は、図4に示すごとく、ラウンド処理を15回、繰り返し実行してから大当たりフラグをオフ状態にリセットし、大当たり遊技を終了させる。遊技状態制御手段32は、大当たり遊技に対応する大当開始指示信号、ラウンド開始指示信号、大当終了指示信号を表示制御回路44に向けて送信する。大当開始指示信号は、大当たり遊技の開始を指示する信号である。ラウンド開始指示信号は、各ラウンド処理の開始を指示する信号である。大当終了指示信号は、大当たり遊技の終了を指示する信号である。なお、遊技状態制御手段32は、ラウンド処理の実行回数を計数するためのカウンタであるラウンドカウンタ(図示略)を備えている。遊技状態制御手段32は、ラウンドカウンタのカウンタ値であるラウンド数により、大当たり遊技の発生期間を制御している。
遊技状態制御手段32は、停止図柄の組合せが奇数図柄のゾロ目である場合には、確変大当たりを発生させ、その終了後に確変状態を発生させる。確変状態は、確変用特図判定テーブルにより特図抽選が実行され、新たな大当たりが発生するまで継続する。一方、停止図柄の組合せが偶数図柄のゾロ目である場合には、非確変大当たりを発生させ、その終了後に時短状態を発生させる。時短状態は、通常用特図判定テーブルにより特図抽選が実行され、100回の図柄変動、及び新たな大当たりの発生のうち、いずれかの成立に応じて終了する。なお、時短状態が終了すると通常状態に復帰する。また、本例のパチンコ遊技機1の確変状態及び時短状態においては、普図当選確率が100%近くになると共に始動口(電チュー)11の開放時間が長くなるため、遊技者の持玉の減少度合いが抑制され得る。
次に、上記のように構成された本例のパチンコ遊技機1の動作について、図5及び図6のフローチャートを使って説明する。主回路20は、新たな特図の変動表示を開始するとき、保留記憶された特図抽選結果のうち最も古いものを読み出し、その時点での遊技状態に合致した特図判定テーブルにより当否判定を行う。その判定結果に基づいて、主回路20は、特図表示部191にて実行する演出パターン及び停止図柄を決定し、副制御回路43に対し制御コマンドを送信する。副制御回路43は、制御コマンドを受信するとその制御コマンドに従ってROM(図示略)から音声データを読み出し、アンプ/スピーカ431への音声出力を制御する共に、装飾ランプ類432の点灯を制御する。また、副制御回路43は、受信した制御コマンドを表示制御回路44へ出力すると共に、その受信した制御コマンドに基づく演出パターンが発射演出を行うものであれば、その発射タイミングに演出用ソレノイド433を励磁して玉の発射演出を実行する。
図5は、副制御回路43が左側の演出玉発射部435を動作させる際の左側発射演出処理の流れを示している。この左側発射演出処理では、副制御回路43は、まず、左側の演出玉発射部435の発射タイミングであるか否かを判断する(S101)。発射タイミングである場合(S101:YES)には、左側の演出用ソレノイド433の発射強度を確認する(S102)。その発射強度に応じて左側の演出用ソレノイド433を励磁し、発射ロッド434を軸方向に前進させて玉を打ち上げる(S103)。その後、左側の演出用ソレノイド433を非励磁状態とし、発射ロッド434を軸方向に後退させて初期位置に復帰させる(S104)。
図6は、副制御回路43が右側の演出玉発射部435を動作させる際の右側発射演出処理の流れを示している。この右側発射演出処理では、副制御回路43は、まず、右側の演出玉発射部435の発射タイミングであるか否かを判断する(S201)。発射タイミングである場合(S201:YES)には、右側の演出用ソレノイド433の発射強度を確認する(S202)。その発射強度に応じて右側の演出用ソレノイド433を励磁し、発射ロッド434を軸方向に前進させて玉を打ち上げる(S203)。その後、右側の演出用ソレノイド433を非励磁状態とし、発射ロッド434を軸方向に後退させて初期位置に復帰させる(S204)。
上記のような制御により本例のパチンコ遊技機1が実行する意外性のある遊技演出の一例である演出パターンAについて、図7を用いて説明する。演出パターンAは、玉を発射する発射演出を含む演出パターンである。演出パターンAでは、特図の変動表示が開始された後、まず、右側の演出玉発射部435から発射強度弱で玉が発射され、さらに、左右の演出玉発射部435から発射強度強で玉が発射される。そしてその後、特図の変動表示が終了する。
以上のように、本例のパチンコ遊技機1によれば、玉供給皿135の玉が上方に飛び出すという意外性のある演出を実施でき、これにより遊技の興趣を高めることができる。このような本例の演出は、いろいろな遊技演出に慣れてしまった遊技者にとっても斬新であり、大当たりに対する期待感を効果的に高揚させることができる。
なお、玉が打ち上げられた際、その玉を遊技者がキャッチしても良い。この場合には、打ち上げられた玉が落下の際、玉供給皿135からこぼれ落ちることを未然に回避できる。また、打ち上げられた玉を上手くキャッチすることができれば他の遊技者に対する優越感が高められ、遊技の興趣を高めることができる。
さらになお、左右の演出用ソレノイド433について、それぞれの発射強度を遊技者が選択できるようにしても良い。例えば、打ち上げられた玉が玉供給皿135からこぼれ落ちてしまうことが心配な遊技者にあっては、発射強度を常に弱くするよう設定することができる。また、例えば、パチンコ遊技機1の前方左側にドリンクのカップが置いてある場合には、左側の演出用ソレノイド433が駆動しないよう設定することができる。
またなお、本例では、演出玉発射部435を2か所設けたが、1か所でも良いし、3か所以上であっても良い。この場合には、演出玉発射部435の数を増やすことで、発射演出の演出パターンをより複雑に、より多く設定できる。それ故、遊技者を飽きさせない演出が可能となり、遊技の興趣を一層高めることができる。また、玉が発射されるタイミングを遊技者にわからないようにすれば、突然発射される玉によって遊技者の興趣をなお一層高めることができる。
なお、演出用ソレノイド433の設置角度を遊技者が調整可能なように設計することで、発射方向を変更できるようにしてもよい。例えば、打ち上げられた玉を遊技者がキャッチし易いように発射方向を変更することができる。また、演出表示(図柄変動中)の演出として玉供給皿135上の玉の発射を実行したが、大当たり発生中の確変昇格への演出として実行しても良い。例えば、非確変の大当たり発生中に何玉以上発射されたら確変に昇格させる等の新たな遊技性を持たせることができる。
さらに、開閉扉13に前後2枚の透明なアクリル板を配置し、その間に演出用の玉とソレノイドを配置し、その2枚のアクリル板の間で玉を発射する演出を実行しても良い。この場合には、打ち上げられた玉が落下した後跳ねてどこかへ行ってしまうおそれがなくなる。また、打ち上げられた玉が必ず演出玉発射部に戻ってくるよう構造にしておけば、同じ玉を何度でも打ち上げることができる。
実施例1のごとく本発明の具体例を詳細に説明したが、これらの具体例は、特許請求の範囲に包含される技術の一例を開示しているにすぎない。言うまでもなく、具体例の構成や数値等によって、特許請求の範囲が限定的に解釈されるべきではない。特許請求の範囲は、公知技術や当業者の知識等を利用して前記具体例を多様に変形あるいは変更した技術を包含している。
実施例1における、パチンコ遊技機を示す正面図。 実施例1における、玉供給皿を示す上面図。 実施例1における、玉供給皿における玉の動作を説明する図。 実施例1における、パチンコ遊技機のシステム構成を示すブロック図。 実施例1における、左側発射演出処理の流れを示すフロー図。 実施例1における、右側発射演出処理の流れを示すフロー図。 実施例1における、演出表示中の発射演出を説明する図。
符号の説明
1 パチンコ遊技機
11 始動口(電動チューリップ、電チュー)
13 開閉扉
130 遊技領域
134 発射ハンドル
135 玉供給皿
137 玉放出ボタン
14 通過ゲート
150 蓋開閉用ソレノイド
16 大入賞装置(アタッカー)
181 普図表示部
182 普図保留表示部
19 表示装置
191 液晶表示装置(特図表示部)
20 主回路
25 乱数抽出部
31 入賞検出手段
32 遊技状態制御手段
33 抽選手段
35 表示手段
411 玉払出口
433 演出用ソレノイド
434 発射ロッド
435 演出玉発射部
436 凹部

Claims (3)

  1. 遊技領域に向けて玉を発射する遊技用発射装置と、
    該遊技領域を流下する玉が入賞可能な入賞口と、
    遊技者側に張り出す受け皿状に形成され、前記入賞口への入賞に応じて払い出される玉を受け入れると共に、前記遊技用発射装置に供給する玉を貯留する玉供給皿と、
    該玉供給皿に受け入れられた玉を前記遊技領域外に向けて打ち上げる演出用発射装置と、を備えることを特徴とするパチンコ遊技機。
  2. 前記玉供給皿における玉が転動可能な表面には、玉を保持可能な凹部が形成されており、
    前記演出用発射装置は、前記凹部に保持された玉を打ち上げるように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のパチンコ遊技機。
  3. 前記入賞口への入賞に応じて抽選処理を実行する抽選手段と、
    該抽選手段による抽選結果に応じて選択された表示内容を表示する表示手段と、を備え、
    前記演出用発射装置は、前記表示手段による表示内容の変化に同期して玉を打ち上げるように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のパチンコ遊技機。
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