以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、この実施の形態に適用されるパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)と、を含む構造体である。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の前面には、チャンスボタン16が設けられている。チャンスボタン16は、可変表示装置9などの演出手段において所定の種類の演出が実行されているときに、遊技者がこれを操作し、その操作が所定の操作条件を満たしたか否かにより、演出の結果を変化させることができるボタンである。
打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4、回転操作することにより遊技領域7に打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、所定の始動条件の成立(例えば、打球が始動入賞口14へ入賞)に基づいて各々が識別可能な複数種類の識別情報(例えば、特別図柄)の可変表示を行って表示結果を導出表示する可変表示部8を備えている。可変表示部8は、その右下部に7セグメントLEDにより構成される特別図柄表示器10と、中央に液晶表示装置(LCD)により構成される可変表示装置9とを備えている。特別図柄表示器10では、7セグメントLEDによって表示される特別図柄の可変表示を行なっている。
特別図柄表示器10に表示される表示結果のうち特定表示結果(大当たり図柄)には、第1特定表示結果(確変大当たり図柄)と、第2特定表示結果(確変昇格大当たり図柄)と、第3特定表示結果(突然確変大当たり図柄)と、第4特定表示結果(時短大当たり図柄)とが含まれる。第1特定表示結果、第2特定表示結果、第3特定表示結果、第4特定表示結果以外の表示結果は、ハズレ図柄となる。
特別図柄表示器10の表示結果の態様は、7つのセグメントの点灯/非点灯の組み合わせにより、2^7−1=127通りある(^は、べき乗を表し、7セグメントの全てを非点灯する態様が特別図柄表示器10の表示結果として除かれるため、1だけマイナスされている)。第1特定表示結果、第2特定表示結果、第3特定表示結果、第4特定表示結果には、「0」〜「9」の数字などの遊技者にとって比較的分かり易い図柄を含んでいてよいが、意味のある文字とは認識できない7つのセグメントの点灯/非点灯の組み合わせも採用しており、特別図柄表示器10の表示結果だけからは大当たりの種類を特定することが非常に困難なものとなっている。
特別図柄表示器10に第1特定表示結果(確変大当たり図柄)を表示した後には、後述する第1大当たり遊技状態に遊技状態を制御する。第1大当たり遊技状態の終了後に、次の大当たり(種類を問わず)が発生するまでの間、時短状態(特別図柄及び普通図柄の変動表示の時間が短縮される状態)に遊技状態が制御される。また、これとともに、次の大当たり(種類を問わず)が発生するまでの間、大当たり確率が高くなる確率変動状態に遊技状態が制御される。
特別図柄表示器10に第2特定表示結果(確変昇格大当たり図柄)を表示した後には、後述する第1大当たり遊技状態に遊技状態を制御する。第1大当たり遊技状態の終了後に、次の大当たり(種類を問わず)が発生するまでの間、時短状態に遊技状態が制御される。また、これとともに、次の大当たり(種類を問わず)が発生するまでの間、大当たり確率が高くなる確率変動状態に遊技状態が制御される。
特別図柄表示器10に第3特定表示結果(突然確変大当たり図柄)を表示した後には、後述する第2大当たり遊技状態に遊技状態を制御する。第2大当たり遊技状態の終了後に、次の大当たり(種類を問わず)が発生するまでの間、時短状態に遊技状態が制御される。また、これとともに、次の大当たり(種類を問わず)が発生するまでの間、大当たり確率が高くなる確率変動状態に遊技状態が制御される。
特別図柄表示器10に第4特定表示結果(時短大当たり図柄)を表示した後には、後述する第1大当たり遊技状態に遊技状態を制御する。第1大当たり遊技状態の終了後に、特別図柄表示器10において100回の変動表示が行われるまでの間は時短状態に遊技状態が制御されるものの、次の大当たり発生までの大当たり確率が低くなる通常遊技状態に制御される。通常遊技状態において何れかの種類の大当たりが発生することを、初当たりという。
また、可変表示装置9では、飾り図柄表示領域9a〜9cにて飾り図柄(例えば、「0」〜「9」の10種類)の可変表示を行っている。可変表示装置9は、特別図柄表示器10で行われる可変表示の内容を、飾り図柄の可変表示によって演出効果を高めて遊技者に表示するための可変表示装置である。特別図柄表示器10で特別図柄の可変表示が継続されている限り、飾り図柄の可変表示が一旦停止(仮停止)していても、大当たり抽選及び大当たり種別抽選に対する確定的な表示結果が示されたことにはならない。
また、可変表示装置9においては、飾り図柄が可変表示されるのに合わせてキャラクタの表示などによる演出(後述するステップアップ演出などの各種演出)が行われる。さらに、可変表示装置9は、特別図柄の可変表示に合わせて飾り図柄の可変表示を行うため以外に、大当たりラウンド演出を行うためにも用いられる。
なお、第1特定表示結果(確変大当たり図柄)の表示によっても、第2特定表示結果(確変昇格大当たり図柄)の表示によっても、第1大当たり状態から確率変動状態への制御(+100回の時短)という遊技状態の制御には全く変わりがない。もっとも、後述するように、特別図柄表示器10に第1特定表示結果(確変大当たり図柄)が表示されたときには、この時点で可変表示装置9に表示される飾り図柄を「1」または「7」で揃えるなどして確率変動状態に制御される旨が報知される。
これに対して、第2特定表示結果(確変昇格大当たり図柄)が表示されたときには、この時点では演出用図柄表示部9に表示される飾り図柄を第4特定表示結果(時短大当たり図柄)が表示されたときと同様に「1」または「7」以外の図柄で揃えるなどして確率変動状態に制御される旨が報知されない。確率変動状態に制御される旨は、第2特定表示結果が表示された後に制御される第1大当たり遊技状態において実行される大当たりラウンド演出にて報知される。
第3特定表示結果(突然確変大当たり図柄)が表示されたときには、演出用図柄表示部9に表示される飾り図柄を特別図柄表示器10にハズレ図柄が表示されたときと同様の3つの飾り図柄が揃っていない態様にするものとなっている。なお、突然確率大当たりによって制御される第2大当たり遊技状態は、後述するように大入賞口21の開放が極短期間で終了し、大当たりラウンド演出も実行されずに次の変動表示の開始までハズレ図柄を表示したままとしておくので、突然確変大当たりしたことに遊技者が気づかないまま通常遊技状態(時短状態である場合を含む)から確率変動状態に制御されたような印象を遊技者に与えることができるものとなっている。
なお、第1、第2、第4特定表示結果の何れでもない3つの飾り図柄が揃っていない態様は、ハズレ図柄である。ハズレ図柄のうちの特定の組み合わせは、後述する先読み予告における保留記憶中の大当たりを予告するためのチャンス目となっている(もっとも、先読み予告の際に表示されるのは、チャンス目以外のハズレ図柄となることもある)。なお先読み予告のためのチャンス目については、詳細を後述する。
また、特別図柄表示器10にて特別図柄の可変表示が行われ、可変表示装置9にて飾り図柄の変動表示が行われているときに、装飾ランプ25の点灯やスピーカ27からの音声の出力による演出が行われることがある。装飾ランプ25の点灯やスピーカ27からの音声の出力による演出は、保留記憶中に確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなる乱数が保存されていることを予告するために用いられる。なお、先読み予告を含めた予告とは、それによって示される内容が生じる可能性があることの報知であり、それによって示される内容が生じることを確定的に示す報知である告知と区別される。
可変表示装置9の上方には、後述する始動入賞口14に遊技球が入り始動条件が成立したが未だ特別図柄表示器10の開始条件(例えば、前回の特別図柄の可変表示の終了、大当たり遊技状態の終了)が成立していない始動条件の成立回数として後述する主基板31のRAM55(図2参照)に記憶された保留記憶数を表示する保留記憶数表示手段として特別図柄保留記憶表示器11が設けられている。特別図柄保留記憶表示器11は、4つのLEDから構成され、始動入賞口14への有効始動入賞(本実施形態では、保留記憶数が4未満のときの始動入賞)がある毎に、LEDを1つ点灯し、特別図柄表示器10にて特別図柄の可変表示が開始される毎に、点灯しているLEDを1つ減らす。すなわち、LEDを1つ消灯する。
RAM55(図2参照)には、特別図柄表示器10における特別図柄の始動条件が成立(打球が始動入賞口14へ入賞)したときに主基板31のCPU56(図2参照)により抽出された大当たり判定用乱数等の各種乱数の抽出順番を特定可能に記憶する4つの保留記憶バッファが設けられている。特別図柄保留記憶表示器11は、保留記憶バッファのうちで各種乱数の記憶された保留記憶バッファの数(保留記憶数)を特定可能に表示する。保留記憶バッファには、抽出された各種乱数のうち未だ開始条件(例えば、前回の特別図柄の可変表示の終了、大当たり遊技状態の終了)が成立していない数値データが予め定められた上限数として4個まで記憶される。
可変表示部8の下方には、遊技球が入賞可能な始動入賞口14を有する可変入賞装置15が設けられている。始動入賞口14に入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、始動口スイッチ62(図2参照)によって検出される。可変入賞装置15は、ソレノイド71(図2参照)によって開状態とされる。ソレノイド71により可変入賞装置15が開状態となることにより、遊技球が始動入賞口14に入賞し易くなり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態となる。
可変入賞装置15の下方には、大当たり遊技状態(第1大当たり遊技状態、第2大当たり遊技状態)においてソレノイド72(図2参照)によって大入賞口21が開状態とされる特別可変入賞装置20が設けられている。特別可変入賞装置20が設けられている位置は、遊技者が可変表示装置9を見て遊技を進めている場合には、大入賞口21が開状態となっているのかどうかが遊技者にほとんど分からないような位置となっている。
特別可変入賞装置20は、ソレノイド72により可動して大入賞口21に遊技球が入賞可能な受入可能状態と、大入賞口21に遊技球が入賞不能な受入不能状態とに変化可能である。また、特別可変入賞装置20から遊技盤6の背面に導かれた入賞球は、カウントスイッチ63(図2参照)で検出される。遊技盤6の背面には、大入賞口21内の経路を切り換えるためのソレノイド73(図2参照)も設けられている。
特別可変入賞装置20は、第1大当たり遊技状態において、大入賞口21の開放から一定時間経過するまで、または所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するまで大入賞口21を開放状態とする。大入賞口21が開閉されてから一定期間(例えば、第1大当たり遊技状態においては30秒、第2大当たり遊技状態においては1秒)経過するまで、または所定個数(例えば、10個)の打球が大入賞口21に入賞するまでが1ラウンドである。大当たり遊技状態は、このような大入賞口21の開放が所定回数(例えば、15回)に亘って繰り返して提供される遊技状態である。
特別可変入賞装置20は、また、第2大当たり遊技状態において、大入賞口21を極めて短い時間(例えば、0.2〜0.5秒程度)で2回だけ開放状態とする。突然確変大当たりしたときに確率変動状態に制御される前の遊技状態が、この第2大当たり遊技状態である。第2大当たり遊技状態は、大入賞口21の開放が極めて短い期間しか行われないため、打球が1つも大入賞口21に入賞しないまま終了して、確率変動状態に制御されることとなる場合も多い。
特別可変入賞装置20の左側方には、「○」及び「×」と付された左右一対のLEDからなる普通図柄表示器12が設けられている。この普通図柄表示器12は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」及び「×」)を可変表示可能なものである。
ゲート28aまたは28bを遊技球が通過したことがゲートスイッチ61(図2参照)で検出されると、普通図柄当たり判定用乱数が抽出されて主基板31(図2参照)に搭載されるRAM55(図2参照)の普通図柄バッファに格納される。この実施の形態では、RAM55(図2参照)の普通図柄バッファに記憶可能な普通図柄当たり判定用乱数の記憶数の上限は、4個となっている。普通図柄表示器12において普通図柄の表示状態が変化(「○」および「×」が交互に点灯)する可変表示を開始できる状態(前回の普通図柄表示器12における可変表示の終了)であれば、普通図柄表示器12において普通図柄の可変表示が開始される。
普通図柄表示器12の下方には、普通図柄バッファに格納される普通図柄当たり判定用乱数の記憶数を表示する所定数(この実施の形態では4つ)のLEDを有する普通図柄保留記憶表示器13が設けられている。この普通図柄保留記憶表示器13は、ゲート28a、28bを遊技球が通過したことがゲートスイッチ61で検出されて新たに普通図柄当たり判定用乱数が記憶されると、点灯するLEDを1つ増やす。普通図柄表示器12にて普通図柄(例えば、「○」及び「×」)の可変表示が開始される毎に点灯しているLEDを1減らす。
普通図柄表示器12にて、○と×の付された左右のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって普通図柄の可変表示が行われ、可変表示は所定時間(例えば、時短状態であれば2.9秒、時短状態でなければ29.2秒)継続する。そして、可変表示の終了時に○の付された左側のランプが点灯すれば当たりとなる。普通図柄表示器12における可変表示の表示結果が当たりである場合には、可変入賞装置15が所定時間(例えば、時短状態であれば2.9秒、時短状態でなければ1.4秒)だけ開状態になる。
普通図柄の可変表示の結果を当たりとするか否かは、ゲート28a、28bを遊技球が通過し、ゲートスイッチ61で遊技球が検出されたときに抽出された普通図柄当たり判定用乱数の値が所定の普通図柄当たり判定値と合致したか否かによって決定される。この当たり確率は、時短状態では非常に高い(例えば、35/36)が、時短状態でなければ低い(例えば、1/36)となっている。時短状態は、このように可変入賞装置15が開放状態にある割合が非常に多いので、遊技者の手持ちの遊技球を減少させずに(或いは、減少したとしても減少量はごく僅かで)、遊技を進められる状態となっている。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾ランプ25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周上部、外周左部および外周右部には、前面枠に設けられた天枠ランプ40、枠ランプ左41および枠ランプ右42が設けられている。また、枠ランプ左41の近傍には賞球残数があるときに点灯する賞球ランプ51が、枠ランプ右42の近傍には補給球が切れたときに点灯する球切れランプ52が、設けられている。
また、図1には示していないが、パチンコ遊技機1には打球操作ハンドル5を操作することにより駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置45(図2参照)が設けられている。打球発射装置45から発射された遊技球は、遊技盤6に遊技領域7を囲むように円形状に載設された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技領域7に下りてきた遊技球は、ゲート28a、28bを通過し、可変入賞装置15または特別可変入賞装置20に入賞することがある。可変入賞装置15及び特別可変入賞装置20のいずれにも入賞しなかった遊技球は、アウト口26から排出されるものとなっている。
図2は、本実施形態に係るパチンコ遊技機1の回路構成の概要を表したブロック図である。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する基本回路53が搭載されている。基本回路53は、ゲーム制御用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って遊技の信号を制御するCPU56、及び表示制御基板80等に制御信号を送信するI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54、RAM55はCPU56に内蔵されている。すなわち、CPU56は、1チップマイクロコンピュータである。
なお、CPU56はROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、CPU56が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているCPUについても同様である。また、この実施の形態で用いられる遊技制御用マイクロコンピュータとは、主基板31に搭載されるCPU56、ROM54、RAM55、I/Oポート部57、等の周辺回路のことである。
また、ゲートスイッチ61、始動口スイッチ62、カウントスイッチ63、クリアスイッチ65、余剰球受皿4がいっぱいになったときに検出する満タンスイッチ(図示しない)、カウントスイッチ短絡信号(図示しない)、からの信号を基本回路53に与えるスイッチ回路32、可変入賞装置15を開閉するソレノイド71、特別可変入賞装置20を開閉するソレノイド72、大入賞口21内に設けられたシーソーを可動するソレノイド73、等を基本回路53からの指令に従って駆動するソレノイド回路33、電源投入時に基本回路53をリセットするためのシステムリセット回路(図示しない)、基本回路53から与えられるデータに従って、大当たり遊技状態(第1大当たり遊技状態、第2大当たり遊技状態)の発生を示す大当たり情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路34、も主基板31に搭載されている。
また、主基板31に搭載されたCPU56は、可変表示部8に設けられた特別図柄表示器10の表示制御、および、普通図柄表示器12の表示制御を行う。さらに、特別図柄保留記憶表示器11および普通図柄保留記憶表示器13の発光制御を行う。
主基板31に設けられた遊技制御用マイクロコンピュータ(CPU56及びROM54、RAM55等の周辺回路)は、プリペイドカード等が挿入されることによって球貸しを可能にするカードユニット50、遊技盤6に設けられた複数の入賞口にて遊技球の入賞を検出したことにより賞球払い出しを行う球払出装置44、を制御する払出制御基板36に払出制御信号を送信する。また、遊技制御用マイクロコンピュータは、打球操作ハンドル5を操作することにより打球発射装置45を駆動制御して遊技球を遊技領域7に向けて発射制御する発射制御基板37に発射制御信号を送信する。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータは、表示制御基板80に演出制御コマンド(演出制御信号)を送信する。演出制御コマンドを受信することにより表示制御基板80に設けられた表示制御用マイクロコンピュータ(表示制御用CPU(図示しない)、RAM(図示しない)、ROM(図示しない)、I/Oポート部(図示しない)、等の周辺回路)は、可変表示部8の可変表示装置9の表示制御を行う。
表示制御用CPUは、ROMに格納されたプログラムに従って動作し、主基板31から演出制御コマンドを受信すると、受信した演出制御コマンドに従って可変表示部8の可変表示装置9の表示制御を行う。具体的には、画像表示を行う表示制御機能及び高速描画機能を有するVDP(図示しない)により可変表示装置9の表示制御を行う。表示制御用CPUは、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示しない)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、可変表示装置9に表示される画像の中でも使用頻度の高いキャラクタ画像データ、具体的には、人物、怪物、文字、図形または記号等を予め格納しておくためのものである。
そして、表示制御用CPUは、キャラクタROMから読み出したデータをVDPに出力する。VDPは、表示制御用CPUからデータが入力されたことに基づいて動作する。この実施の形態では、可変表示装置9の表示制御を行うVDP(図示しない)が表示制御基板80に搭載されている。また、VDPは、表示制御用CPUとは独立した二次元のアドレス空間を持ち、そこにVRAM(図示しない)をマッピングしている。VDPは、キャラクタ画像データに従って可変表示装置9に表示するための画像データを生成し、VRAMに展開する。VRAMは、VDPによって生成された画像データを展開するためのフレームバッファメモリである。そして、可変表示装置9に出力する。
また、表示制御基板80には、スイッチ回路(図示しない)を介してチャンスボタン16が接続されており、チャンスボタン16の操作によって内容が変化される演出を可変表示装置9において実行しているときには、チャンスボタン16の操作を検出した検出信号に基づいて、可変表示装置9における画像の表示を制御するものとしている。
また、この実施の形態では、表示制御基板80に設けられた表示制御用マイクロコンピュータは、音声出力基板70にスピーカ27の駆動信号を出力することによりスピーカ27の音声出力制御を行うとともに、ランプドライバ基板35にランプ・LEDの駆動信号を出力することによりパチンコ遊技機1に設けられたランプ・LEDの発光制御を行う。すなわち、表示制御基板80に搭載される表示制御用マイクロコンピュータは、主基板31から送信される可変表示装置9の表示制御、ランプ・LEDの点灯制御、遊技音発生等の演出の制御に関する指令情報としての演出制御コマンド(制御信号)に基づいて可変表示装置9、スピーカ27、パチンコ遊技機1に設けられるランプ・LED等の発光体の制御を行う演出制御用マイクロコンピュータである。
以下、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1における特別図柄表示器10における特別図柄の変動表示、及び可変表示装置9における飾り図柄の変動表示について説明する。特別図柄の変動表示の結果を大当たりとするか否か、大当たりとする場合にはいずれの種類の大当たりとするか、さらには特別図柄の変動パターンをいずれとするかは、始動入賞時に抽出される各種乱数に基づいて、特別図柄表示器10における特別図柄の変動表示の始動条件が成立したときに決定される。
まず、大当たりの決定について説明する。図3(a)は、ROM54に記憶されている大当たり判定用テーブルを示す図である。特別図柄の変動表示の結果を大当たりとするか否かは、図3(a)の大当たり判定用テーブルと、始動入賞時に抽出された乱数のうちの大当たり判定用乱数(ランダムR:0〜65535)の値とに基づいて決定される。通常時(非確率変動時)においては、大当たり判定用乱数の値が1000〜1059、13320〜13477であれば、大当たりとすることを決定し、それ以外の値であれば、ハズレとすることを決定する。一方、確率変動時においては、大当たり判定用乱数の値が1020〜1519、13320〜15004であれば、大当たりとすることを決定し、それ以外の値であれば、ハズレとすることを決定する。
次に、大当たり種別の決定について説明する。図3(b)は、ROM54に記憶されている大当たり種別判定用テーブルを示す図である。大当たり判定用乱数及び大当たり判定用テーブルに基づいて特別図柄の変動表示の結果を大当たりとする旨が決定された場合、さらに始動入賞時に抽出された乱数のうちの大当たり種別判定用乱数(ランダムQ:0〜9)の値が5または7であれば確変大当たりと決定し、1または3であれば確変昇格大当たりと決定し、0または9であれば突然確変大当たりと決定し、2、4、6または8であれば時短大当たりと決定する。
次に、特別図柄の変動パターンの決定について説明する。特別図柄の変動パターンは、開始条件が成立したときに、特別図柄の変動表示の結果(大当たりとするか否か、大当たりとする場合は大当たりの種別)に応じて決定されるものとなる。また、変動パターンを決定する場合、まず始動入賞時に抽出された乱数のうちの変動種別判定用乱数の値に基づいて変動パターンの種別を決定し、さらに始動入賞時に抽出された変動パターン判定用乱数の値に基づいて変動パターンを決定するものとなる。
変動パターンの種別には、ハズレとすることが決定された場合には、非リーチハズレ、ノーマルリーチ、スーパーリーチの3種類がある。確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとすることが決定された場合には、ノーマルリーチ、スーパーリーチの2種類がある。突然確変大当たりとすることが決定された場合には、突然確変の1種類であるが、これは、飾り図柄の変動に関しては非リーチハズレと基本的に同じものになる。
ここで、ノーマルリーチ、スーパーリーチは、何れも変動表示の過程において1番目、2番目にそれぞれ停止される左と右の飾り図柄が同一の種類の図柄で揃うリーチ表示態様が出現するパターンであるが、ノーマルリーチは、中の飾り図柄の変動表示の態様がハズレの場合と異ならない(最終的に停止される図柄は異なる)変動パターンであり、変動表示の開始から終了までに要する時間が非リーチハズレと比べて通常の場合には変わりがない。一方、スーパーリーチは、リーチ表示態様が出現した後、最後に停止される中の飾り図柄の変動表示が通常とは異なる態様となる演出表示が行われる変動パターンとなっており、変動表示に要する時間が非リーチハズレやノーマルリーチと比べると、かなり長くなっている。
もっとも、保留記憶の数が3以上となったときには、選択された変動パターンの本来の変動表示時間よりも特別図柄及び飾り図柄の変動表示が実行される時間が短縮される(4となったときには、3となったときよりも一層短縮される)。非リーチハズレとノーマルリーチでは、通常の場合に変動表示が実行される時間に変わりがないものの、ノーマルリーチでは一旦リーチ表示態様を出現させてから表示結果を導出させるという過程を経ることになるため、短縮された変動時間については、このような過程を経ないでよい非リーチハズレよりもノーマルリーチハズレの方が長くなる。また、スーパーリーチの変動パターンでは、中の飾り図柄における演出表示が(全部または一部)省略されて飾り図柄の変動表示の結果が表示されることがある。
次に、ハズレが決定されたときの変動パターンの種別の振り分けについて詳細に説明する。図4は、ROM54に記憶されている変動パターンの種別決定用テーブルのうちで、ハズレが決定されたときに適用される変動パターンの種別決定用テーブルを示す図である。ハズレが決定されたときには、保留記憶の数に応じて種別の振り分けが異なっている。図4の例では、変動種別判定用の乱数が0〜251の範囲の値を取るものとして説明する。
図示するように、保留記憶の数が2以下であるときには、変動種別判定用の乱数の値が0〜99だと非リーチハズレ、100〜229だとノーマルリーチハズレ、230〜251だとスーパーリーチハズレとなる。一方、保留記憶の数が3以上であるときには、変動種別判定用の乱数の値が0〜199だと非リーチハズレ、200〜229だとノーマルリーチハズレ、230〜251だとスーパーリーチハズレとなる。つまり、スーパーリーチハズレに振り分けられることとなる乱数の範囲は、保留記憶の数に関わらずに同じであるのに対して、非リーチハズレとノーマルリーチハズレに振り分けられる乱数の範囲は、保留記憶の数に応じて異なっていることになる。
一方、図示を省略するが、確率変動大当たりが決定されたときに適用される変動パターンの種別決定用テーブル、確変昇格大当たりが決定されたときに適用される変動パターンの種別決定用テーブル、時短大当たりが決定されたときに適用される変動パターンの種別決定用テーブル、突然確変大当たりが決定されたときに適用される変動パターンの種別決定用テーブルでは、保留記憶の数に応じた種別の振り分けの違いはない。つまり、ノーマルリーチ、スーパーリーチの各々に振り分けられることとなる乱数の範囲は、保留記憶の数に関わらずに同じである。また、スーパーリーチに振り分けられる比率は、ハズレが決定されたときよりも高くなっている。
変動パターンの種別が決定されると、そこからより細かく変動パターンが決定される。ここで、変動パターンの種別が非リーチハズレ、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりでノーマルリーチの場合に選択される変動パターンは、それぞれ1種類だけである。ノーマルリーチハズレの場合に選択される変動パターンには、飾り図柄のすべりコマ数が異なる複数の変動パターン(1コマ前、1コマ後、2コマ後)がある。スーパーリーチハズレの場合に選択される変動パターンには、スーパーリーチA、スーパーリーチBの2種類について、飾り図柄のすべりコマ数が異なる複数の変動パターン(1コマ前、1コマ後、2コマ後)がある。確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりでノーマルリーチの場合には、スーパーリーチAとスーパーリーチBの2種類がある。
特別図柄表示器10における特別図柄の変動表示の開始条件は、当該変動表示を行わせることとなる始動入賞よりも先の始動入賞に基づく全ての変動表示が終了していることによって成立する(但し、第1、第2大当たり遊技状態に制御されたときには、その終了によって成立する)。従って、保留記憶が全くない状態で始動入賞した場合には、当該始動入賞によって直ちに特別図柄の変動表示の開始条件が成立することとなる。
これに対して、未だ先の始動入賞に基づく変動表示が終了していないときの始動入賞(特定始動入賞とする)によって保留記憶がされていた場合には、特定始動入賞よりも1つだけ先の始動入賞(先始動入賞とする)に基づく特別図柄の変動表示が終了したときに、特定始動入賞に基づく特別図柄の変動表示の開始条件が成立する。このとき、先始動入賞に基づく特別図柄の変動表示の終了後に、遅滞なく特定始動入賞に基づく特別図柄の変動表示が開始されることとなる。
前述したとおり、特別図柄表示器10において特別図柄が変動表示されるときにおいては、可変表示装置9において飾り図柄が変動表示される。特別図柄表示器10における特別図柄の変動表示は、開始条件の成立によって直ちに開始されるものとなるが、可変表示装置9における飾り図柄の変動表示は、開始条件の成立によって直ちに開始されるのではなく、開始条件の成立から一定の遅延時間を経過してから開始されるものとなっている。なお、特別図柄の変動表示は、開始条件が成立してから選択された変動パターンに応じて定められた変動表示時間を経過するまで実行されることとなる。
上記したように、特別図柄の変動パターンは、大当たり抽選及び大当たり種別抽選の結果がハズレ、確率変動大当たり、確変昇格大当たり、時短大当たり、突確大当たりの何れであるかに応じて振り分けられる。もっとも、その結果が出現するまでに選択された変動パターンに応じて一定の時間を要するものとなる。また、ハズレのリーチあり、突確大当たり以外の大当たりの変動パターンでリーチが出現するまでにも一定の時間を要するものとなる。これらの時間を経過するまで飾り図柄の変動表示だけでは、遊技者は、リーチ表示態様が出現するか、スーパーリーチに発展するか、或いは飾り図柄の変動表示の結果が大当たりとなるかを知ることはできない。
また、保留記憶の中に確率変動大当たりまたは確変昇格大当たり、若しくは時短大当たりとなる乱数が含まれていたとしても、飾り図柄の変動表示では、遊技者がこれを知ることはできない。しかし、飾り図柄の変動表示が行われている間に確率変動大当たりまたは確変昇格大当たり、若しくは時短大当たりになるかどうか、或いはリーチが出現するか、スーパーリーチに発展するかが分からないからと言って、遊技者がこれを期待していない訳ではない。保留記憶により次以降に行われる変動で確率変動大当たりまたは確変昇格大当たり、若しくは時短大当たりとなるか分からないからと言って、遊技者がこれを期待していない訳ではない。
そこで、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1では、このような遊技者の期待感を煽るために、飾り図柄の変動表示とは別の演出により、スーパーリーチに発展する可能性があること報知する(スーパーリーチに発展する可能性を報知すると言うことは、スーパーリーチの選択比率が高い確率変動大当たり、確変昇格大当たり、または時短大当たりとなる可能性を報知することにもなる)リーチ予告を行うものとしている。また、保留記憶により次以降に行われる変動で確率変動大当たりまたは確変昇格大当たり、若しくは時短大当たりとなる可能性があることを報知する先読み予告を行うものとしている。
先読み予告やリーチ予告については、後述するように、一部に詳細な態様を表示制御基板80の表示制御用CPUが決定するものもあるが、主基板31のCPU56によっても、ある程度までの決定が行われる。これらの決定は、上記した変動パターンの決定に続けて行われるものであるが、主基板31のCPU56による先読み予告及びリーチ予告の決定に関するコマンドが、変動パターンを示すコマンドに続けて主基板31から表示制御基板80に送信されるものとなる。
まず、先読み予告について説明する。先読み予告は、保留記憶により次以降に行われる変動で確率変動大当たりまたは確変昇格大当たり、若しくは時短大当たりとなる可能性があることを報知する演出であるが、この先読み予告には、飾り図柄の変動表示が停止する前に実行される先予告と、飾り図柄の変動表示が停止したときに実行される後予告とがある。
何れの先読み予告も、これが実行されることになるのは、スーパーリーチに発展しない変動表示だけであり、スーパーリーチに発展する変動表示で先読み予告が実行されることはない。また、確率変動大当たり、確変昇格大当たり、または時短大当たりとなる変動表示では、スーパーリーチに発展しなくても先読み予告が実行されることはない。つまり、先読み予告が実行される変動表示は、変動表示に要する時間が比較的短い非リーチハズレと、ノーマルリーチハズレということになる。
また、詳細を後述するように、保留記憶の中に確率変動大当たりまたは確変昇格大当たり、若しくは時短大当たりとなる乱数が含まれているか否かに関わらず先読み予告が実行されることがある(但し、実行される確率は異なる)ので、連続した複数回の変動表示(特図ゲーム)において、先読み予告が連続して実行される場合もある。但し、連続して4回の変動表示で先読み予告が実行されている場合に、さらに連続して5回目以降の先読み予告が実行されるのは、当該先読み予告が実行される変動表示が開始される時点での保留記憶の中に確率変動大当たりまたは確変昇格大当たり、若しくは時短大当たりとなる乱数が含まれている場合だけである。
さらに、前回の変動表示において、詳細を後述するリーチ予告のうちでステップアップ演出のステップ1が実行されていた場合には、必ず何らかの実行形態で先読み予告が実行されることとなっている。このためには、リーチ予告のうちでステップアップ演出のステップ1を実行することを先に規制する必要があるが、その詳細については、後述する。
次に、先予告と後予告のそれぞれの実行形態を説明する。先予告は、飾り図柄の変動表示が遅延時間を経て開始してから停止するまでの間において、装飾ランプ25を点灯させたり、スピーカ27から所定の音声を出力させたりすることによって実行される先読み予告である。先予告には、その実行タイミングが早いものと遅いものとがある。実行タイミングが早い先予告は、遅延時間を経過して飾り図柄の変動表示が開始されると直ちに実行され、実行タイミングが遅い先予告は、遅延時間を経過した後にさらに一定期間を経過してから実行される。
前述したように、特別図柄及び飾り図柄の変動表示が実行される時間は、保留記憶の数が3以上となっていると、選択された変動パターンの本来の変動表示時間よりも短縮される。先予告を実行可能な期間は、保留記憶の数に応じて短縮される時間となるまでの期間となっている。実行タイミングが早い先予告だけが短縮される時間よりも早く実行される場合には、実行タイミングが遅い先予告が決定された場合には、その実行を省略するものとしてもよい。
また、先予告には、装飾ランプ25を点灯することのみによって実行されるものと、スピーカ27から所定の音声を出力することのみによって実行されるものと、装飾ランプ25の点灯とスピーカ27からの所定の音声の出力の両方によって実行されるものとがある。これらのそれぞれについて、実行タイミングの早いものと遅いものがある。表示制御基板80の表示制御用CPUが先予告のさらに詳細な態様(例えば、装飾ランプ25の点灯パターン、スピーカ27から出力する音声の種類)を決定するので、表示制御基板80の側で決定可能な態様の数をNとすると、先予告には、全部で3×2×N種類の態様があるということになる。
一方、後予告は、非リーチハズレまたはノーマルリーチハズレの変動パターンで飾り図柄が停止されたときに、その表示態様としてチャンス目を導出表示することによって実行される先読み予告である。確率変動大当たり、確変昇格大当たり、及び時短大当たりの変動パターンでは、飾り図柄の表示結果が大当たり表示態様となるため、当然のこととしてチャンス目が導出表示されることはない。突確大当たりの変動パターンでも、チャンス目が導出表示されることはない。スーパーリーチの変動パターンでは、結果がハズレでもチャンス目が導出表示されることはない。
前述したように、ハズレ図柄には、リーチ表示態様(先に停止される左と右の図柄が同一種類の図柄で揃うこと)が出現した後にハズレとなるリーチハズレのハズレ図柄と、リーチ表示態様が出現せずにハズレとなる非リーチハズレのハズレ図柄とがある。ここで、非リーチハズレのチャンス目は、「3−3−6」の組み合わせに定められており、リーチハズレのチャンス目は、「3−6−3」の組み合わせに定められている。ノーマルリーチハズレの変動パターンには、すべりコマ数として1コマ前、1コマ後、2コマ後のパターンがあるが、ノーマルリーチハズレの変動表示で先読み予告を行い、チャンス目を表示させる場合には、その変動パターンで定められたすべりコマ数とは異なるコマ数のすべり表示を行うことで、チャンス目を表示させることとなっている。
変動パターンの種別として非リーチハズレまたはノーマルリーチハズレが選択された場合には、主基板31のCPU56は、先読み予告を実行するかどうか、実行する場合は、先予告と後予告の何れを実行するかを決定するものとしている。また、先読み予告として先予告を実行することを決定した場合(後予告も実行することを決定した場合を含む)には、主基板31のCPU56は、先予告を実行するための演出手段と、その実行タイミングも決定するものとしている。
図5は、主基板31のROM54に記憶された先読み予告の決定を行うための各種テーブルを示す図である。図5(a)は、非リーチハズレまたはノーマルリーチハズレの変動パターンが選択された場合において、先予告/後予告の実行の有無を決定するためのテーブルである。図5(b)は、先予告が実行されることとなる場合(後予告とともに実行される場合を含む)において、先予告を実行するための演出手段(装飾ランプ25および/またはスピーカ27)を選択するためのテーブルである。図5(c)は、先予告の実行タイミングを選択するためのテーブルである。
これらのテーブルに従って先読み予告に関する決定を行うため、主基板31のCPU56は、非リーチハズレまたはノーマルリーチハズレの変動パターンが選択された場合には、先予告/後予告の決定用乱数を抽出し、さらに、先予告の演出手段決定用乱数(先予告を実行する場合のみ用いられる)、先予告の実行タイミング決定用乱数(先予告を実行する場合のみ用いられる)を抽出する。
まず、先予告/後予告の実行の有無は、図5(a)に示すように、保留記憶されている最大4回分の変動表示についての大当たり判定用乱数及び大当たり種別判定用乱数のうちで、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりの何れかの大当たり(図5の説明において単に「大当たり」と言った場合には、この突確大当たりを含まない3種類の大当たりを指す)となることが決定されるものとなる乱数があるか否かに応じて決定されるものとなる。また、前回の飾り図柄の変動表示の際にステップアップ演出のステップ1を実行していたかどうかに応じて決定されるものとなる。
また、保留記憶中に大当たりとなる乱数が含まれてなく、前回の変動表示の際にステップ1を実行していない場合には、さらに前回の変動表示までに連続して4回の先読み予告(先予告、後予告、先予告と後予告の両方の別を問わない)が実行されていたか否かに応じて決定されるものとなる。また、保留記憶中に大当たりとなる乱数が含まれている場合には、前回の変動表示の際にステップ1を実行していた場合もしていない場合も、保留記憶中に含まれている乱数が時短大当たりを発生させる乱数であるか、若しくは確率変動大当たりまたは確変昇格大当たりを発生させる乱数であるかに応じて決定されるものとなる。
ここで、前回の変動表示の際にリーチ予告としてステップ1を実行していた場合には、何れの場合においても、先読み予告を実行しないことが決定される確率は0である。つまり、前回の変動表示の際にリーチ予告としてステップ1を実行していた場合には、何らかの形で先読み予告が実行されるので、ステップアップ演出のうちのステップ1は、次回の変動表示において先読み予告が実行されることを遊技者に告知する演出であると言うことができる。
また、保留記憶中に大当たりとなる乱数が含まれてなく、前回の変動表示の際にステップ1を実行してない場合で、前回の変動表示までに連続して4回の先読み予告を実行していた場合には、先読み予告を実行しないことが決定される確率が1となっており、先予告を実行、後予告を実行、先予告と後予告の両方を実行が決定される確率が何れも0となっている。なお、後述するように保留記憶中に大当たりとなる乱数が含まれてなくて連続4回の先読み予告演出が実行されるときにはリーチ予告としてステップ1は選択されないので、連続して5回の先読み予告が実行されたときには、その時点で大当たり確定となる。
また、保留記憶中に大当たりとなる乱数が含まれていない場合における先読み予告なし、先予告を実行、後予告を実行、先予告と後予告を実行の各々の選択比率は、前回の変動表示の際にステップ1を実行していたときにはそれぞれ0、A2、A3、A4と、ステップ1を実行していなくて前回の変動表示までに連続して4回の先読み予告を実行していないときとにはそれぞれB1、B2、B3、B4となっている。ここで、A2:A3:A4=B2:B3:B4という関係がある。
保留記憶中に大当たりとなる乱数が含まれていて、該乱数が時短大当たりを発生させることとなる場合における先読み予告なし、先予告を実行、後予告を実行、先予告と後予告の実行の各々の選択比率は、前回の変動表示の際にステップ1を実行していたときにはそれぞれ0、C2、C3、C4と、ステップ1を実行していないときとにはそれぞれE1、E2、E3、E4となっている。ここで、C2:C3:C4=E2:E3:E4という関係がある。
保留記憶中に大当たりとなる乱数が含まれていて、該乱数が時短大当たりを発生させることとなる場合における先読み予告なし、先予告を実行、後予告を実行、先予告と後予告を実行の各々の選択比率は、前回の変動表示の際にステップ1を実行していたときにはそれぞれ0、D2、D3、D4と、ステップ1を実行していないときとにはそれぞれF1、F2、F3、F4となっている。ここで、D2:D3:D4=F2:F3:F4という関係がある。
ここで、図5(a)のテーブルに記載されている選択比率A2〜A4、B1〜B4、C2〜C4、D2〜D4、E1〜E4、F1〜F4は、先読み予告として先読み予告も後予告も実行されない場合に保留記憶中に大当たりとなる乱数が含まれている可能性よりも、先予告または後予告の何れか一方が実行された場合に保留記憶中に大当たりとなる乱数が含まれている可能性が高くなるような値に設定されている。また、先予告または後予告の何れか一方が実行された場合に保留記憶中に大当たりとなる乱数が含まれている可能性よりも、先予告または後予告の両方が実行された場合に保留記憶中に大当たりとなる乱数が含まれている可能性が高くなるような値に設定されている。
さらに、先予告だけ、または後予告だけが実行された場合に保留記憶中に大当たりとなる乱数が含まれている可能性は同程度となるように、図5(a)のテーブルに記載された選択比率の値が設定されているが、先予告だけが実行された場合に保留記憶中に確率変動大当たりまたは確変昇格大当たりとなる乱数が含まれている可能性よりも、後予告だけが実行された場合に保留記憶中に確率変動大当たりまたは確変昇格大当たりとなる乱数が含まれている可能性が高くなるように、図5(a)のテーブルに記載された選択比率の値が設定されている。後予告だけが実行された場合に保留記憶中に確率変動大当たりまたは確変昇格大当たりとなる乱数が含まれている可能性と、先予告と後予告の両方が実行された場合に保留記憶中に確率変動大当たりまたは確変昇格大当たりとなる乱数が含まれている可能性は同程度となるように、図5(a)のテーブルに記載された選択比率の値が設定されている。
また、先予告を実行することが決定された場合(後予告とともに実行することが決定された場合を含む)において該先予告を実行するための演出手段は、図5(b)に示すように、保留記憶中に大当たりとなる乱数が含まれているか否か、大当たりとなる乱数が含まれている場合には、該乱数が時短大当たりを発生させるものであるか、それとも確率変動大当たりまたは確変昇格大当たりを発生させるものであるかに応じて、決定されるものとなる。
装飾ランプ25のみ、スピーカ27のみ、装飾ランプ25とスピーカ27の両方のそれぞれの選択比率は、保留記憶中に大当たりとなる乱数が含まれていない場合には、それぞれG1、G2、G3となっている。ここで、G2>G1、G2>G3であり、保留記憶中に大当たりとなる乱数が含まれていない場合には、先予告の演出手段としてスピーカ27が比較的選択されやすいものとなっている。
また、装飾ランプ25のみ、スピーカ27のみ、装飾ランプ25とスピーカ27の両方のそれぞれの選択比率は、保留記憶中に時短大当たりとなる乱数が含まれている場合には、それぞれH1、H2、H3となっている。ここで、H1>H2、H1>H3であり、保留記憶中に時短大当たりとなる乱数が含まれている場合には、先予告の演出手段として装飾ランプ25が比較的選択されやすいものとなっている。
また、装飾ランプ25のみ、スピーカ27のみ、装飾ランプ25とスピーカ27の両方のそれぞれの選択比率は、保留記憶中に確率変動大当たりまたは確変昇格大当たりとなる乱数が含まれている場合には、それぞれI1、I2、I3となっている。ここで、I3>I1、I3>I2であり、保留記憶中に確率変動大当たりまたは確変昇格大当たりとなる乱数が含まれている場合には、先予告の演出手段として装飾ランプ25とスピーカ27の両方が比較的選択されやすいものとなっている。
このことを裏を返して言えば、スピーカ27からの音声の出力だけによる先予告では、装飾ランプ25のみによる先予告や、装飾ランプ25とスピーカ27からの音声出力による先予告に比べると、保留記憶中に大当たりとなる乱数が含まれている可能性が低いものとなっている(但し、先読み予告を実行しない場合よりも保留記憶中に大当たりとなる乱数が含まれている可能性が低くならないように、図5(b)のテーブルに記載された選択比率は設定されている)。
また、装飾ランプ25による先予告では、スピーカ27からの音声出力による先予告や、装飾ランプ25とスピーカ27からの音声出力による先予告に比べると、保留記憶中に時短大当たりとなる乱数が含まれている可能性が高いものとなっている。装飾ランプ25とスピーカ27からの音声出力による先予告では、装飾ランプ25による先予告や、スピーカ27からの音声出力による先予告に比べると、保留記憶中に確率変動大当たりまたは確変昇格大当たりとなる乱数が含まれている可能性が高いものとなっている。
さらに、先予告を実行することが決定された場合(後予告とともに実行することが決定された場合を含む)において該先予告の実行タイミングも、図5(c)に示すように、保留記憶中に大当たりとなる乱数が含まれているか否か、大当たりとなる乱数が含まれている場合には、該乱数が時短大当たりを発生させるものであるか、それとも確率変動大当たりまたは確変昇格大当たりを発生させるものであるかに応じて、決定されるものとなる。
早いタイミング、遅いタイミングの両方のそれぞれの選択比率は、保留記憶中に大当たりとなる乱数が含まれていない場合には、それぞれJ1、J2となっている。保留記憶中に時短大当たりとなる乱数が含まれている場合には、それぞれK1、K2となっている。保留記憶中に確率変動大当たりまたは確変昇格大当たりとなる乱数が含まれている場合には、それぞれL1、L2となっている。
これらの選択比率を示す値は、J1≫K1>L1(J2≪K2<L2)となる関係があり、遅いタイミングで先予告が実行された場合には早いタイミングで先予告が実行された場合よりも、保留記憶中に大当たりとなる乱数が含まれている期待度が高くなり、さらに保留記憶中に時短大当たりとなる乱数が含まれている期待度よりも確率変動大当たりまたは確変昇格大当たりとなる期待度が高くなるように、設定されている。
なお、前述の通りに5回の変動表示において連続して先読み予告が実行されることで、保留記憶中に大当たりとなる乱数が含まれていることを確定させることができるようにするため、主基板31のRAM55には、先読み予告が連続して実行された回数を示す変数が記憶されている。この変数は、変動パターンが非リーチハズレまたはノーマルリーチハズレでないとき、または非リーチハズレまたはノーマルリーチハズレであっても先読み予告なしが決定されたときにクリアされ、先予告、後予告、または先予告と後予告の両方を実行の何れかが決定されたときに1だけ加算されるものとなっている。
また、後予告については、図5(a)のテーブルに従って先読み予告として後予告を実行することが決定された場合(先読み予告とともに実行することが決定された場合を含む)に、前述したように飾り図柄の表示結果としてチャンス目を停止させることにより行うだけであり、先予告のように複数種類の態様がある訳ではない。飾り図柄の停止時の後予告としてチャンス目が導出表示された場合には、次の回の変動表示に移行してから飾り図柄の変動表示が実際に開始されるまでの遅延時間の間に、スピーカ27から所定の音声を出力する制御を、表示制御基板80の表示制御CPUにより行うものとしている。
もっとも、飾り図柄の停止時の予告としてチャンス目が導出表示されなかった場合でも、非常に低い確率である(但し、先予告が実行されていた場合の方が先予告も実行されていなかったときよりも若干確率が高い)が、表示制御基板80の表示制御CPUは、次の回の変動表示に移行してから飾り図柄の変動表示が実際に開始されるまでの遅延時間の間に、スピーカ27から所定の音声を出力する制御を行うものとしている。
次に、リーチ予告について説明する。リーチ予告は、当該変動表示の間でスーパーリーチに発展するか否かを予告する演出であり、例えば、飾り図柄が変動表示されてからスーパーリーチにおける演出表示が最も早く出現し得ることとなるタイミングとなるまでの期間で、可変表示装置9において変動表示されている飾り図柄の前面側に所定のキャラクタを表示することによって行われる。リーチ予告には、複数の種類の態様があるが、それぞれに1種類以上の態様が属する種別が定められている。
リーチ予告の種別は、特別図柄の変動パターンの決定に続けて(変動パターンが非リーチハズレまたはノーマルリーチハズレである場合は、先読み予告の決定に続けて)、主基板31のCPU56によって決定される。リーチ予告の種別には、ステップアップ演出のステップ1、ステップアップ演出のステップ2以上、演出A、演出Bといったものがあるが、何れのリーチ予告も行わないことをリーチ予告の種別として決定することもある。
ステップアップ演出は、第1段階から第N段階(Nは、3以上の整数)までのうちの何れかの段階まで演出が段階的に変化する演出であり、第1段階だけを実行して終了するもの(ステップ1)と、第1段階と第2段階を順に実行して終了するもの(ステップ2)と、…、第1段階から第N段階までを順次実行して終了するもの(ステップN)がある。ステップアップ演出のステップ1とステップ2以上は、別の種別に属するが、第1段階までの演出の態様は全く同じである。
また、リーチ予告は、本来的には、当該変動表示の間でスーパーリーチに発展するか否かを予告する演出であり、何れのリーチ予告も実行されない(つまり、リーチ予告なしの種別が決定される)確率と、何らかのリーチ予告が実行される(リーチ予告なし以外の種別が決定される)確率とは、当該変動表示においてスーパーリーチに発展するか否かによってのみ異なっている。
もっとも、何らかのリーチ予告が実行される場合において、その種別の振り分けは、保留記憶中に確率変動大当たりまたは確変昇格大当たりとなる乱数が含まれているか、時短大当たりとなる乱数が含まれているか、若しくは確率変動大当たり、確変昇格大当たり及び時短大当たりの何れとなる乱数も含まれていないかに応じて異なっている。つまり、リーチ予告は、その種別の振り分けに応じて、確率変動大当たりまたは確変昇格大当たり、若しくは時短大当たりとなることを予告する機能をも有していることとなる。
当該変動においてノーマルリーチで確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなる場合にリーチ予告が実行される場合における種別の振り分け比率は、スーパーリーチ(確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりであるかハズレであるかを問わない)においてリーチ予告が実行される場合における種別の振り分け比率と同じになっている。
図6は、主基板31のROM54に記憶されたリーチ予告の種別決定用テーブルを示す図である。図示するように、リーチ予告の種別は、今回の変動表示の変動パターンが非リーチハズレまたはノーマルリーチハズレであるか、ノーマルリーチ大当たり(確率変動大当たり、確変昇格大当たり、または時短大当たりにおけるノーマルリーチ)であるか、またはスーパーリーチ(ハズレの場合も、確率変動大当たり、確変昇格大当たり、または時短大当たりの何かの場合も含む)であるかに応じて決定されるものとなる。
また、今回の変動表示の変動パターンが非リーチハズレまたはノーマルリーチハズレである場合には、さらに今回の変動表示の次の回の変動表示でスーパーリーチに発展または大当たりとなるか否かと、今回の変動表示までで連続して4回の先読み予告が実行されることとなるか否かに応じて決定されるものとなる。さらに、今回の変動表示の変動パターンが非リーチハズレまたはノーマルリーチハズレである場合には、保留記憶中(次の回の変動表示のものに限らない)に、大当たりとなる乱数が含まれていないか、時短大当たりとなる乱数が含まれているか、それとも確率変動大当たりまたは確変昇格大当たりとなる乱数が含まれているかに応じて決定されるものとなる。
今回の変動表示の変動パターンがスーパーリーチである場合にリーチ予告なしが決定される確率e1は、今回の変動表示の変動パターンがスーパーリーチでない場合にリーチ予告なしが決定される確率a1=b1=c1=d1に比べて、小さくなっている。このことから、何らかのリーチ予告が実行されたときには、何れのリーチ予告演出も実行されなかったときに比べて、スーパーリーチに発展する期待度が高いものとなっている。スーパーリーチに発展する期待度が高いということは、確率変動大当たり、確変昇格大当たりまたは時短大当たりとなる期待度も高いということになる。
また、今回の変動表示の変動パターンがスーパーリーチ、或いはノーマルリーチ大当たりである場合と、今回の変動表示の変動パターンが非リーチハズレまたはノーマルリーチハズレであっても次の変動表示でスーパーリーチに発展または大当たりとなるか、今回の変動表示までで連続して4回の先読み予告が実行されることとなる場合には、ステップ1を選択する確率が0となっている。
前述したとおり、リーチ予告のうちのステップ1は、次回の変動表示で先読み予告が実行されることを告知する演出であるので、次の変動表示でスーパーリーチに発展または大当たりとなる変動パターンが選択されることとなると先予告は実行されなくなるので、次の回の変動表示でスーパーリーチに発展または大当たりとなるときには、ステップ1を選択しないものとしている。
今回の変動表示までで連続して4回の先読み予告が実行されることとなる場合にも、保留記憶中に大当たりとなる乱数が含まれていてもステップ1を選択しないが、ここでステップ1を選択しなかったからと言って、次の回の変動表示で先読み予告なしを選択しなければいけない訳ではない。従って、保留記憶中に大当たりとなる乱数が含まれていれば、次の回の変動表示で非リーチハズレまたはノーマルリーチハズレの変動パターンが選択されたなら、そこで先読み予告として先予告および/または後予告の実行が選択され、連続して5回以上の変動表示で先読み予告が実行される場合もあり得る。
また、今回の変動表示の変動パターンが非リーチハズレまたはノーマルリーチハズレである場合であって次の変動表示でスーパーリーチに発展または大当たりとなることがなく、且つ今回の変動表示までで連続しても3回以下の先読み予告しか実行されることにならない場合には、ステップ1も選択され得る。保留記憶中に大当たりとなる乱数が含まれていない場合、時短大当たりとなる乱数が含まれている場合、確率変動大当たりまたは確変昇格大当たりとなる乱数が含まれている場合のステップ1の選択確率は、それぞれa2、b2、c2であり、ステップ2以上の選択確率は、それぞれa3、b3、c3である。
今回の変動表示の変動パターンが非リーチハズレまたはノーマルリーチハズレである場合であっても次の変動表示でスーパーリーチに発展または大当たりとなるか、今回の変動表示までで連続して4回の先読み予告が実行されることとなる場合には、ステップ1の選択確率が0としているため、ステップ2以上の選択確率は、それぞれa2+a3、b2+b3、c2+c3となっている。
また、前述したとおり、a1=b1=c1となっているが、a1:a2:a3:a4:a5≠b1:b2:b3:b4:b5≠c1:c2:c3:c4:c5となっており、リーチ予告の種別の選択比率に応じて、保留記憶中に大当たりとなる乱数が含まれていない期待度、保留記憶中に時短大当たりとなる乱数が含まれている期待度、保留記憶中に確率変動大当たりまたは確変昇格大当たりとなる乱数が含まれている期待度が異なるものとなっている。
なお、リーチ予告の種別としてステップアップ演出のステップ1が決定された場合、その態様としては1種類だけであり、表示制御基板80の表示制御用CPUは、主基板31のCPU56の決定に基づいて送られてくるコマンドに基づいて、そのままステップ1の演出を実行するだけとなっている。これに対して、ステップ1以外の種別については、複数種類の実行態様があり、表示制御基板80の表示制御用CPUは、主基板31のCPU56の決定に基づいて送られてくるコマンドがステップ2以上、演出Aまたは演出Bのいずれかの種別を示していれば、表示制御基板80の表示制御用CPUは、その種別に応じた何れかの実行態様を複数種類の実行態様のうちから選択し、実行するものとなっている。
リーチ予告の種別としてステップ2以上が選択されている場合に、表示制御基板80の表示制御用CPUは、ステップ数が多いものが実行されたときほど今回の変動表示でスーパーリーチに発展する期待度が高くなるように、スーパーリーチに発展する変動パターンが選択されている場合とスーパーリーチに発展しない変動パターンが選択されている場合のそれぞれにおけるステップアップ演出の実行態様の振り分けを行うことができる。ここで、ステップNは、スーパーリーチに発展する変動パターンが選択されている場合にのみ、選択され得るものとしてもよい。
以下、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1において遊技の進行のために行われる処理について説明する。パチンコ遊技機1における遊技の進行は、2ms毎に実行されるタイマ割り込み処理に従って実行される。なお、打球操作ハンドル5の操作に基づく遊技領域7への遊技球の発射だけは、2ms毎のタイマ割り込み処理とは独立して行われるものとなっている。
図7は、CPU56が実行するメイン処理にて2ms毎に実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込が発生すると、CPU56は、レジスタの退避処理(ステップS21)を行った後、ステップS22〜S36の遊技制御処理を実行する。遊技制御処理において、CPU56は、まず、スイッチ回路32を介して、ゲートスイッチ61、始動口スイッチ62、カウントスイッチ63、クリアスイッチ65、等のスイッチの検出信号を入力し、それらの状態判定するスイッチ処理を行う(ステップS22)。
次に、遊技制御に用いられる大当たり判定用の乱数、大当たり種別判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS23)。CPU56は、更に、初期値用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理(ステップS24)及び表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(ステップS25)。
更に、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、遊技状態に応じて特別図柄表示器10、可変表示装置9、特別可変入賞装置20、等を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、特別図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。
また、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、普通図柄表示器12の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選び出されて実行される。そして、普通図柄プロセスフラグの値は、遊技状態に応じて各処理中に更新される。普通図柄プロセス処理を実行することにより普通図柄表示器12の表示制御および可変入賞装置15の開閉制御が実行される。
次いで、CPU56は、特別図柄プロセス処理でRAM55の所定の領域に設定され、可変表示装置9において表示を行うための演出制御コマンド(変動パターンを示すコマンド、並びに大当たりとするか否か及び大当たり種別を示すコマンド)を表示制御基板80に送出する特別図柄コマンド制御処理を行う(ステップS28)。また、普通図柄プロセス処理でRAM55の所定の領域に設定された普通図柄に関する演出制御コマンドを送出する普通図柄コマンド制御処理を行う(ステップS29)。
更に、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当たり情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS30)。
また、CPU56は、始動口スイッチ62、カウントスイッチ63等の検出信号に基づく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS31)。具体的には、始動口スイッチ62、カウントスイッチ63等の何れかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板36に賞球個数を示す払出制御コマンドを出力する。払出制御基板36に搭載されている払出制御用CPUは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置44を駆動する。
そして、CPU56は、保留記憶数の増減をチェックする記憶処理を実行する(ステップS32)。また、遊技機の制御状態を遊技機外部で確認できるようにするための試験信号を出力する処理である試験端子処理を実行する(ステップS33)。更に、所定の条件が成立したときにソレノイド回路33に駆動指令を行う(ステップS34)。可変入賞装置15、特別可変入賞装置20、を開状態または閉状態としたり、大入賞口21内の遊技球通路を切り替えたりするために、ソレノイド回路33は、駆動指令に応じてソレノイド71〜73を駆動する。その後、レジスタの内容を復帰させ(ステップS35)、割込許可状態に設定する(ステップS36)。
次に、ステップS26の特別図柄プロセス処理について説明する。特別図柄プロセス処理では、CPU56は、まず、遊技盤6に設けられている始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための始動口スイッチ62がオンしているかどうか、すなわち遊技球が始動入賞口14に入賞する始動入賞が発生しているかどうかを判定し、始動入賞が発生していたら始動口スイッチ通過処理を行う。その後、特別図柄プロセスフラグの状態に応じて、次に説明する特別図柄通常処理、変動パターン設定処理、演出設定処理、特別図柄変動処理、特別図柄停止処理、大入賞口開放前処理、大入賞口開放中処理、大当たり終了処理の何れかの処理を行う。
特別図柄通常処理:特別図柄の可変表示を開始できる状態になるのを待つ。CPU56は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(保留記憶数)を確認する。保留記憶カウンタのカウント値が0でなければ、特別図柄の可変表示の結果、大当たり判定用乱数の値に基づいて大当たりとするか否か(特定表示結果とするか否か)を決定し、大当たりとする場合には、大当たり種別判定用乱数の値に基づいて大当たりの種別も決定する。
変動パターン設定処理:特別図柄表示器10における特別図柄の変動パターン種別を、始動入賞時に抽出した変動種別判定用乱数の値と保留記憶の数とに応じて選択する。そして、選択した変動パターンの種別と始動入賞発生時に抽出した変動パターン判定用乱数の値に応じて予め定められた複数種類の変動パターンの中から選択する。決定された変動パターンに基づいて、特別図柄の変動時間を特別図柄プロセスタイマ(ダウンタイマにより構成される)にセットした後、特別図柄プロセスタイマをスタートさせる。このとき、特別図柄表示器10に特別図柄の変動表示開始を指示する信号を出力するとともに、選択した変動パターンを示すコマンドと大当たりとするか否か及び大当たり種別を示すコマンドとを、直後の特別図柄コマンド制御処理(ステップS28)で表示制御基板80に対して送信される状態に設定する。
演出設定処理:変動パターン設定処理で選択された変動パターンが非リーチハズレまたはノーマルリーチハズレである場合、先読み予告決定用の各種乱数を抽出し、該抽出した先読み予告決定用乱数の値に応じて先読み予告なし、先予告を実行、後予告を実行、先予告と後予告の両方を実行の何れかを選択する。また、選択された変動パターンに関わらず、リーチ予告種別決定用乱数を抽出し、該抽出したリーチ予告種別決定用乱数の値に応じてリーチ予告の種別を決定する。先読み予告及びリーチ予告の決定に関するコマンドを、直後の特別図柄コマンド制御処理(ステップS28)で表示制御基板80に対して送信される状態に設定する。
特別図柄変動処理:変動パターン設定処理で選択された変動パターンに応じて変動時間のセットされた特別図柄プロセスタイマの計時時間を監視し、当該変動時間が経過して特別図柄プロセスタイマがタイムアウトすると、次に特別図柄停止処理に移行させるよう制御を行う。
特別図柄停止処理:特別図柄表示器10にて可変表示する特別図柄の可変表示を停止するとともに、特別図柄の停止を示す信号を特別図柄表示器10に出力される状態に設定するとともに、図柄の停止を示すコマンドを、直後の特別図柄コマンド制御処理(ステップS28)で表示制御基板80に送信される状態に設定する。
大入賞口開放前処理:大当たり後に最初にこの処理が行われるときには大入賞口21のラウンド数を設定した後、大入賞口21を開放する制御を開始する。具体的には、ソレノイド72を駆動して大入賞口21を開状態として特別可変入賞装置20を開放状態とする。また、大入賞口21の開放されたラウンド数をカウントすると共に、開放タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定する。
大入賞口開放中処理:第1大当たり遊技状態中および第2大当たり遊技状態中のラウンド表示のためのコマンドを、直後の特別図柄コマンド制御処理(ステップS28)で表示制御基板80に送信される状態に設定する処理や、大入賞口21の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。
大当たり終了処理:第1大当たり遊技状態または第2大当たり遊技状態が終了したことを示すコマンドを、直後の特別図柄コマンド制御処理(ステップS28)で表示制御基板80に送信される状態に設定する。
一方、表示制御基板80などのサブ側の各種基板においては、主基板31の基本回路53から送信されたコマンドに基づいて、特別図柄の変動表示に合わせて可変表示装置9において飾り図柄を変動表示させたり、第1大当たり遊技状態に制御されているときに大当たりラウンド演出を実行する処理を行う。図8は、表示制御基板80の表示制御用CPUが実行するメイン処理を示すフローチャートである。
このメイン処理では、まず、表示制御基板80に搭載された表示制御用マイクロコンピュータに含まれるRAMのうちで必要な領域を初期化する初期化処理を行う(ステップS701)。次に、所定時間(例えば、2ms)毎に実行されるタイマ割り込み処理によってセットされるタイマ割り込みフラグの状態が1となっているかどうかを判定し(ステップS702)、タイマ割り込みフラグの状態が1となるまでステップS702の処理を繰り返して行う。
タイマ割り込みフラグの状態が1となっている後、まず、このタイマ割り込みフラグを0にクリアし(ステップS703)、主基板31の基本回路53から送信されたコマンドを受信したかどうかをチェックし、コマンドを受信している場合には、その内容を解析するコマンド解析処理を実行する(ステップS704)。
次に、コマンド解析処理におけるコマンドの解析結果に基づいて、可変表示装置9において飾り図柄を変動表示させたり、大当たりラウンド演出を実行させたりする演出制御プロセス処理を実行する(ステップS705)。また、コマンドの解析結果に基づいて、先読み予告やリーチ予告などの各種予告を実行させる予告制御プロセス処理を実行する(ステップS706)。さらに、予告態様判定用乱数などの乱数を更新する乱数更新処理を実行して(ステップS707)、ステップS702の処理に戻る。
以下、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1における先読み予告の実行例について説明する。図9は、先読み予告の実行例を示すタイミングチャートである。ここでは、非リーチハズレの変動パターンで連続して3回だけ特別図柄の変動表示が行われた後、4回目の変動表示で大当たり(確率変動大当たり、確変昇格大当たり、または時短大当たり)となる場合の例を示す。また、この例における4回の変動表示を実行させるための始動入賞は、1回目の変動表示が開始されるよりも前に発生し、各種乱数が保留記憶されているものとし、1回目の変動表示が開始されてから4回目の変動表示が終了するまで、新たな始動入賞はないものとする。
タイミングt0において、これら4回の始動入賞よりも前の始動入賞に基づく特別図柄の変動表示が終了したものとする。このタイミングで特別図柄表示器10において1回目の特別図柄の変動表示が即座に開始され、保留記憶の数が、4から3に減少する。また、4回目の変動表示のための保留記憶に大当たりとなる乱数が含まれているが、ここで、先読み予告として後予告の実行が決定されたものとする。一方、飾り図柄の変動表示は、タイミングt0では未だ開始されず、所定の遅延時間を経過したタイミングt1から開始されるものとなる。また、前回の飾り図柄の変動表示の結果はチャンス目ではなく、タイミングt0からタイミングt1の間においてスピーカ27から所定の音声出力は行われない。
次に、タイミングt2において、1回目の変動表示が終了し、1回目の飾り図柄の変動表示の結果としてチャンス目が導出される。このタイミングで特別図柄表示器10において2回目の特別図柄の変動表示が即座に開始され、保留記憶の数が、3から2に減少する。また、4回目の変動表示のための保留記憶に大当たりとなる乱数が含まれているが、ここで、先読み予告として後予告の実行が決定されたものとする。一方、飾り図柄の変動表示は、タイミングt2では未だ開始されず、所定の遅延時間を経過したタイミングt3から開始されるものとなる。1回目の飾り図柄の変動表示の結果がチャンス目であり、タイミングt2からタイミングt3の間においてスピーカ27から所定の音声出力が行われる。
次に、タイミングt4において、2回目の変動表示が終了し、2回目の飾り図柄の変動表示の結果としてチャンス目が導出される。このタイミングで特別図柄表示器10において3回目の特別図柄の変動表示が即座に開始され、保留記憶の数が、2から1に減少する。また、4回目の変動表示のための保留記憶に大当たりとなる乱数が含まれているが、ここで、先読み予告として先予告の実行が決定されたものとする。一方、飾り図柄の変動表示は、タイミングt4では未だ開始されず、所定の遅延時間を経過したタイミングt5から開始されるものとなる。2回目の飾り図柄の変動表示の結果がチャンス目であり、タイミングt4からタイミングt5の間においてスピーカ27から所定の音声出力が行われる。
飾り図柄の変動表示が開始したタイミングt5よりも後であって、変動表示が停止することとなるタイミングt6よりも前の期間において、装飾ランプ27の点灯および/またはスピーカ27からの音声出力による先予告が実行される。その後、3回目の変動表示が終了し、3回目の飾り図柄の変動表示の結果としてチャンス目とは異なる表示結果が導出される。
タイミングt6では、また、3回目の変動表示の終了により特別図柄表示器10において3回目の特別図柄の変動表示が即座に開始され、保留記憶の数が、1から0に減少する。ここでの変動表示のための保留記憶には、大当たりとなる乱数が含まれており、4回目の変動表示に対して先読み予告を実行しないことを決定する。飾り図柄の変動表示は、タイミングt6では未だ開始されず、所定の遅延時間を経過したタイミングt7から開始される。
3回目の飾り図柄の変動表示の結果がチャンス目となっていないが、ここでは、非常に低い確率の場合が発生して、タイミングt6からタイミングt7の間においてスピーカ27から所定の音声出力が行われる。その後、飾り図柄の変動表示が開始したタイミングt7よりも後の所定のタイミングで飾り図柄の表示態様としてリーチ表示態様が出現し、タイミングt8において、大当たりの表示結果が飾り図柄の変動表示の結果として導出される。その後は、大当たり遊技状態に移行するものとなる。
以上説明したように、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1では、始動入賞口14に遊技球が入賞すると、大当たり抽選を行うための大当たり判定用乱数などの各種乱数が抽出される。始動入賞の時点で、それよりも先の始動入賞に基づく特別図柄及び飾り図柄の変動表示が全て終了していたのであれば、始動入賞により抽出された乱数に基づいて直ちに大当たり抽選や大当たり種別抽選、さらには変動パターンの決定が行われ、特別図柄または飾り図柄の変動表示が開始されることになる。そして、特別図柄及び飾り図柄の表示結果で、大当たり抽選及び大当たり種別抽選の結果を遊技者に報知するものとしている(もっとも、特別図柄の表示結果は判別しづらく、遊技者は、通常、飾り図柄の表示結果によって抽選の結果を認識する)。
一方、始動入賞の時点で、それよりも先の始動入賞に基づく特別図柄及び飾り図柄の変動表示が終了していなければ、今回の始動入賞に基づく特別図柄及び飾り図柄の変動表示の開始は、先の始動入賞に基づく特別図柄及び飾り図柄の変動表示が全て終了するまで待たされることとなる。この場合、始動入賞により抽出された各種乱数に関する情報は、RAM55の保留記憶バッファに保留記憶される(但し、最大で4つまで)。
また、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1において、特別図柄や飾り図柄の変動表示などの抽選の結果を直接的に示す演出ではなく、あくまでも可能性があることを示す予告演出として、各回の変動表示毎に当該回の変動表示でスーパーリーチに発展する可能性があることを予告するリーチ予告に加えて、当該回の変動表示ではなく保留記憶中に大当たりとなる乱数が含まれている可能性があることを予告する先読み予告が実行されるものとなっている。
ここで、先読み予告には、飾り図柄の変動表示が停止されるよりも前に実行される先予告と、飾り図柄の変動表示が停止されたときにチャンス目を導出することにより実行される後予告とがある。また、先読み予告のうちで先予告は、装飾ランプ25とスピーカ27の何れか一方または両方を用いて実行され、その実行タイミングが早いものと遅いものとがある。
非リーチハズレまたはノーマルリーチハズレの変動パターンが選択されたときには、まず、先読み予告を実行するか否か、実行する場合に先予告、後予告、或いは先予告と後予告の両方とするかを決定するが、その選択比率は、保留記憶中に大当たりとなる乱数が含まれているか否か、保留記憶中に含まれている大当たりとなる乱数が時短大当たりを発生させるものであるか確率変動大当たりまたは確変昇格大当たりを発生させるものであるかに応じて、異なるものとなっている。これにより、遊技者は、先読み予告が実行されるか、実行される場合に先予告と後予告の何れまたは両方となるかに応じて、保留記憶中に大当たりとなる乱数が含まれていることや、さらにその乱数が確率変動大当たりまたは確変昇格大当たりを発生させるものであることを期待することができるようになり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、先読み予告として先予告も後予告も実行しない、先予告だけを実行、後予告だけを実行、先予告と後予告の両方を実行の場合があることで、先予告が実行されたからと言って後予告が実行されなくなるということにはならず、先予告が実行されなかったからと言って後予告が実行されるということにもならない。このため、飾り図柄の変動表示が停止されるよりも前と、飾り図柄の変動表示が停止されたときとのそれぞれにおいて、先読み予告が実行されるかどうかということに遊技者の関心が向けられることとなり、一連の変動表示の過程全体での遊技者の注目度が高まり、遊技の興趣を向上させることができる。
また、先読み予告として先予告を実行することを決定した場合には、先予告を実行する演出手段を装飾ランプ25だけとするか、スピーカ27だけとするか、装飾ランプ25とスピーカ27の両方とするかを決定するが、その選択比率は、保留記憶中に大当たりとなる乱数が含まれているか否か、保留記憶中に含まれている大当たりとなる乱数が時短大当たりを発生させるものであるか確率変動大当たりまたは確変昇格大当たりを発生させるものであるかに応じて、異なるものとなっている。これにより、遊技者は、先予告が実行される演出手段の違いに応じて、保留記憶中に大当たりとなる乱数が含まれていることや、さらにその乱数が確率変動大当たりまたは確変昇格大当たりを発生させるものであることを期待することができるようになり、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
また、先読み予告として先予告を実行することを決定した場合には、早いタイミングで実行するか遅いタイミングで実行するかを決定するが、その選択比率は、保留記憶中に大当たりとなる乱数が含まれているか否か、保留記憶中に含まれている大当たりとなる乱数が時短大当たりを発生させるものであるか確率変動大当たりまたは確変昇格大当たりを発生させるものであるかに応じて、異なるものとなっている。これにより、遊技者は、先予告が実行されるタイミングの違いに応じて、保留記憶中に大当たりとなる乱数が含まれていることや、さらにその乱数が確率変動大当たりまたは確変昇格大当たりを発生させるものであることを期待することができるようになり、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
ここで、飾り図柄が変動表示されている場合において先予告が実行されるべきタイミングで先予告が実行されていないときには、後予告だけを実行することを決定している可能性もあるが、先読み予告として何も実行しないことを決定しているという可能性もある。先読み予告として何も実行されなければ、保留記憶中に大当たりとなる乱数が含まれている可能性は低い。
従って、まず、先予告が実行されていないと先読み予告として何も実行されない可能性も考えられる訳で、これによって遊技者の期待感を喪失させてしまう要因となるが、期待感を喪失しかけた遊技者に対して、飾り図柄の変動表示における最後の最後でチャンス目を導出させて後予告を行うことで意外性を与えることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、先予告の実行タイミングにしても、早いタイミングで先予告が実行されていないときには、先予告そのものが実行されない可能性も考えられ(さらに、後予告も実行されない可能性も考えられる)、これによって遊技者の期待感を喪失させてしまう要因となるが、期待感を喪失しかけた遊技者に対して、少し遅れたタイミングで先予告を実行することで意外性を与えることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
また、リーチ予告は、本来的にはこれが行われた変動表示においてスーパーリーチに発展する可能性を予告するものであり、各回の変動表示でリーチ予告を実行しないことが選択される確率は、スーパーリーチに発展しない変動パターンであるときの方がスーパーリーチに発展する変動パターンであるときよりも大幅に高い。また、リーチ予告を実行しないことが選択される確率は、スーパーリーチに発展する/しないだけによって定まり、他の条件によって影響されない。逆に言えば、何らかのリーチ予告を実行することが選択される確率は、全体としてスーパーリーチに発展する/しないだけによって定まることになっている。
もっとも、リーチ予告には複数の種別があり、非リーチハズレまたはノーマルリーチハズレの場合におけるリーチ予告の種別の選択比率は、保留記憶中に大当たりとなる乱数が含まれているか否か、保留記憶中に含まれている大当たりとなる乱数が時短大当たりを発生させるものであるか確率変動大当たりまたは確変昇格大当たりを発生させるものであるかに応じて、異なるものとなっている。これにより、遊技者は、非リーチハズレまたはノーマルリーチハズレのパターンで実行されたリーチ予告の種別の違いに応じて、保留記憶中に大当たりとなる乱数が含まれていることや、さらにその乱数が確率変動大当たりまたは確変昇格大当たりを発生させるものであることを期待することができるようになり、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
しかも、非リーチハズレまたはノーマルリーチハズレの場合におけるリーチ予告の種別の選択比率は、保留記憶中の情報の内容に応じて異なるものとなっていることで、本来はリーチ表示態様の出現を予告するリーチ予告が、先読み予告としての機能も果たす演出となるので、遊技者に対して意外性を与えることができ、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
また、リーチ予告には、ステップアップ演出があり、ステップアップ演出でステップが進めば進むほどスーパーリーチに発展する可能性が高くなり、遊技者の期待感を高めさせることができる。従って、リーチ予告という観点で言えば、ステップ数の少ないステップアップ演出(とりわけステップ1)が実行されても、よりステップ数の多いステップアップ演出(ステップ1に対しては、ステップ2以上)が実行されたときに比べると、スーパーリーチに発展することは期待できないものとなる。
しかし、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1では、ステップ1だけでステップアップ演出が終了したときには、その次の変動表示で先読み予告が実行されることが確定する。そして、先読み予告が実行されることによって、遊技者は、保留記憶中に大当たりとなる乱数が含まれていることや、さらにその乱数が確率変動大当たりまたは確変昇格大当たりを発生させるものであることを期待することができるようになる。このように現在実行されている変動表示での期待感は小さくなるものの、次以降に実行される変動表示での期待感を高めさせることができることによって、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1では、先読み予告の実行の有無は、変動パターンが非リーチハズレまたはノーマルリーチハズレである変動表示において、個別に決定するものとしているが、変動パターンとして非リーチハズレまたはノーマルリーチハズレが選択され続けている限り、複数回の変動表示において何らかの先読み予告が連続して実行されることとなる可能性もある。もっとも、先読み予告の連続実行回数が既に4回となっている場合、保留記憶中に大当たりとなる乱数が含まれていない限り、さらに連続して先読み予告の実行(先予告を実行、後予告を実行、または先予告と後予告の両方を実行)を決定することがない。このように5回の変動表示で連続して先読み予告が実行されると、保留記憶による変動表示での大当たりの確定となるので、先読み予告演出の連続実行回数に遊技者を継続して注目させることができ、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
また、先読み予告のうちの後予告は、飾り図柄の変動表示における最後の最後で表示結果としてチャンス目を導出させることにより実行されるものとなっている。後予告としてのチャンス目の導出があったときには、保留記憶により次回の変動表示が続けて開始されることとなる場合、その次回の変動表示が開始された(この時点で変動しているのは特別図柄だけ)ときから飾り図柄の変動表示が実際に開始されるまでの遅延時間において、所定の音声をスピーカ27から出力するものとしている。
このチャンス目の導出と所定の音声の出力とは、遊技者には一連の連続した演出として認識されるが、パチンコ遊技機1の制御回路における内部的な制御では、別の回の変動表示において制御されることになっている。このため、可変表示装置9に飾り図柄の変動表示の表示結果を導出させるための制御を行うのと並行して所定の音声をスピーカ27から出力させる制御を行わなくて済むので、同じ時期に大きな制御負荷がかかってしまうことがない。また、飾り図柄の変動表示の表示結果を導出させるときの全体の制御負担が大きくなりすぎないので、遊技の進行に非常に重要な制御である大当たり抽選等の結果を示す表示結果を導出させるための制御を行っているときに所謂処理落ちが発生するのを防ぐことができる。
また、チャンス目が導出された次の回の変動表示でスピーカ27から所定の音声を出力させるのは、未だ飾り図柄が実際には変動表示されていない遅延時間において行っているので、所定の音声が出力されたときには未だチャンス目は表示され続けたままとなっている。従って、チャンス目の導出と所定の音声の出力とは別の回の変動表示における制御でありながら、これらに演出の連続性を持たせることができる。また、チャンス目の導出を見逃していた遊技者も、未だチャンス目が表示され続けているうちに所定の音声が出力されるので、この音声で気付いてチャンス目が導出されていることを確認することも可能になってくる。
ところで、チャンス目の導出された次の回の変動表示でチャンス目と一体となって出力される所定の音声は、非常に低い確率ではあるが、実は前回の変動表示の結果としてチャンス目が導出されていなかったときにも出力されることがある。この場合、遊技者に意外性を与えることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、この場合も所定の音声が出力されるのは、飾り図柄の変動表示が実際に開始されるまでの遅延時間であるので、音声の出力によって一瞬チャンス目が導出されたのかと思ってしまった遊技者にも、実際にはチャンス目が導出されていないことを確認させる余裕を与えることができる。
また、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1では、大入賞口21の開放が長期間行われる第1大当たり遊技状態を経て確率変動状態に制御させることとなる大当たりとして、確率変動大当たりと確変昇格大当たりとがある。確率変動大当たりの場合には、飾り図柄の表示結果によって、第1大当たり遊技状態を経て確率変動状態に制御されることが分かる。一方、確変昇格大当たりの場合には、飾り図柄の表示結果は時短大当たりの場合と同じであり、この時点では、第1大当たり遊技状態の後に確率変動状態に制御されるかどうかは分からない。確率変動状態に制御されることは、第1大当たり遊技状態に制御されているときに実行される大当たりラウンド演出にて報知される。
もっとも、確変昇格大当たりが発生する前に先読み予告が行われていた場合には、時短大当たりが発生した場合にその前に先読み予告が行われていた場合とは、先予告、後予告、先予告及び後予告の両方の何れとするか、先予告とした場合にこれを行う演出手段を装飾ランプ27とスピーカ27の何れとするか、先予告とした場合の実行タイミングを早いものとするか遅いものとするかの選択比率が異なっている。このため、先読み予告によって大当たりラウンド演出に移行してからも遊技者に期待感を与え続けることができるものとなり、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態にかかるパチンコ遊技機1では、大当たり抽選の結果がハズレである場合における変動パターンの種別の選択を、スーパーリーチハズレは保留記憶の数に関わらずに共通のものとしているが、非リーチハズレとノーマルリーチハズレは保留記憶の数に応じて異ならせるものとしている。これにより、スーパーリーチハズレの種別に属する変動パターンを常に一定の割合で選択しつつ、保留記憶の数に応じて非リーチハズレとノーマルリーチハズレを選択する割合を容易に変えることができる。
また、保留記憶の数の違いに応じて変動パターンの種別の選択に違いが生じても、先読み予告の実行や、リーチ予告の種別選択に全く影響を与えずに済むものとなる。また、保留記憶の数が3以上となっている場合、変動時間が短縮されるが、短縮時にはより変動時間が短い非リーチハズレを選択する割合が大きくなる。このため、保留記憶の数が多いときには、特別図柄及び飾り図柄の変動表示が平均的に早く消化されるため、変動表示の表示結果が導出されるのを待っている間に保留記憶可能な数を越えて始動入賞することが少なくなり、せっかくの始動入賞を無駄にしなくて済むようになる。
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形態様について説明する。
上記の実施の形態では、始動入賞口14及び特別図柄表示器10が1つずつ設けられたパチンコ遊技機1に本発明を適用した場合を説明した。これに対して、始動入賞口を複数個設け、始動入賞口への入賞がそれぞれに保留記憶されるパチンコ遊技機でも本発明を適用することができる。ここで、2つの始動入賞口を設けたパチンコ遊技機では、始動入賞口の一方(第1始動入賞口)は、上記の実施の形態における始動入賞口14のように可変入賞装置(時短状態において開放時間の割合が大きくなるもの)を設けたものとするが、始動入賞口の他方(第2始動入賞口)は、上記の実施の形態における始動入賞口14とは異なり可変入賞装置を設けないものとすることができる。特別図柄表示器は、第1始動入賞口と第2始動入賞口の各々に対応した別個に設けても、両者に共通して設けてもよい。
ここで、第1始動入賞口の入賞と第2始動入賞口の入賞の両方に対して保留記憶がされている場合に所定の始動条件が成立した場合には、第1始動入賞口の入賞に対する保留記憶を第2始動入賞口の入賞に対する保留記憶に優先して、特別図柄の変動表示を開始させることができる。
このような複数の始動入賞口を設けたパチンコ遊技機において先読み予告を実行する場合、第1始動入賞口の入賞に対する保留記憶であるか第2始動入賞口の入賞に対する保留記憶であるかに関わらず、保留記憶中に含まれる乱数が大当たりになるものか否かに応じて、或いは大当たりとなる場合にはその種類に応じて、実行すべき先読み予告(先予告か後予告か)、先予告を実行する演出手段、先予告の実行タイミング、リーチ予告の種類の選択比率を異ならせるものとすることができる。
もっとも、変動表示が優先されない第2始動入賞口の入賞に対する保留記憶に大当たりとなる乱数が含まれていても、第1始動入賞口に次々と入賞すると、中々大当たりが発生しないこととなる。そこで、優先して変動表示が実行される第1始動入賞口の入賞のみに対応した保留記憶中に含まれる乱数が大当たりになるものか否かに応じて、或いは大当たりとなる場合にはその種類に応じて、実行すべき先読み予告(先予告か後予告か)、先予告を実行する演出手段、先予告の実行タイミング、リーチ予告の種類の選択比率を異ならせるものとすることができる。
また、このように複数の始動入賞口を設けたパチンコ遊技機では、大当たり抽選の当選確率は、遊技状態が同じであれば第1始動入賞口の入賞に基づく抽選も第2始動入賞口の入賞に基づく抽選も同確率とするが、大当たり種別抽選は、第1始動入賞口の入賞に基づく抽選と第2始動入賞口の入賞に基づく抽選とでは、大当たりの種類の振り分け確率が異なるものとすることができる。
例えば、第1始動入賞口の入賞に基づく大当たり種別抽選では、第2始動入賞口の入賞に基づく大当たり種別抽選よりも確変大当たり(または確変昇格大当たり)が選択される確率を高くし、突然確変大当たりが選択される確率を低くするものとすることができる。大当たり抽選の当選確率が上記の実施の形態の通りであるとすると、確率変動状態に遊技状態が制御されたときには、100回の時短状態が終了してしまうよりも前に新たな大当たりが発生することとなる場合がほとんどとなる。
時短状態では、第1始動入賞口に入賞しやすくなるので、第1始動入賞口の入賞に対する保留記憶が途切れる場合がほとんどない。このため、時短状態において大当たりしたときには、確変大当たり(または確変昇格大当たり)となることが多くなる。確率変動状態に制御されているときには、ほとんどの場合において確変大当たり(または確変昇格大当たり)となる確率が高い時短状態のうちに大当たりが発生するので、結果として確率変動状態に制御されていないときよりも、次の大当たりが確変大当たり(または確変昇格大当たり)となる確率が高くなる。こうして確率変動状態→第1大当たり遊技状態→確率変動状態→第1大当たり遊技状態→・・・という遊技者にとって最も有利な状況での遊技の進行が行われやすくなることになり、遊技の興趣を向上させることができる。
上記の実施の形態では、遊技球が始動入賞口14に入賞したときに抽出した乱数を保留記憶バッファに記憶させておき、大当たり抽選や大当たり種別抽選などは、特別図柄及び飾り図柄の変動表示を開始させるときにおいて保留記憶バッファに記憶させていた乱数に基づいて実行するものとしていた。これに対して、遊技球が始動入賞口14に入賞したときに乱数を抽出したら、さらに大当たり抽選や大当たり種別抽選なども行ってしまい、その抽選結果を保留記憶バッファに記憶させておくものとしてもよい。
上記の実施の形態では、大当たりの種別として時短大当たり、確率変動大当たり、確変昇格大当たり、突確大当たりの4種類があったが、遊技者にとっての有利度が異なる複数種類の大当たりがあるならば、大当たりの種類は上記した例に限られない。例えば、大当たり遊技状態のラウンド数が異なる複数種類の大当たり(例えば、7ラウンド大当たりと15ラウンド大当たり)とがあるものであってもよく、保留記憶に対応した大当たりのラウンド数に応じて実行すべき先読み予告(先予告か後予告か)、先予告を実行する演出手段、先予告の実行タイミング、リーチ予告の種類の選択比率を異ならせるものとすることができる。
また、保留記憶に何らかの大当たりとなる乱数が含まれているか否かに応じて実行すべき先読み予告(先予告か後予告か)、先予告を実行する演出手段、先予告の実行タイミング、リーチ予告の種類の選択比率を異ならせるが、保留記憶に対応した大当たりの種類によっては、実行すべき先読み予告(先予告か後予告か)、先予告を実行する演出手段、先予告の実行タイミング、リーチ予告の種類の選択比率に異ならせないものとしてもよい。このようなものでは、大当たりの種類が1種類だけでも適用できる。
上記の実施の形態では、大当たり抽選の結果がハズレである場合における変動パターンの種別の選択を、スーパーリーチハズレは保留記憶の数に関わらずに共通のものとしていたが、非リーチハズレとノーマルリーチハズレは保留記憶の数に応じて異ならせるものとしていた。これに対して、非リーチハズレは保留記憶の数に関わらずに共通のものとし、スーパーリーチハズレとノーマルリーチハズレは保留記憶の数に応じて異ならせるものとしてもよい。
この場合、先読み予告は、リーチ表示態様を出現させない変動パターン、すなわち非リーチハズレの変動パターンであることを条件に実行するものとしてもよい。ここでは、非リーチハズレの選択が保留記憶の数によって異ならないものとなるので、非リーチハズレの変動パターンであることを条件に先読み予告を実行するものとしても、保留記憶の数の違いが先読み予告の実行や、リーチ予告の種別選択に全く影響を与えずに済むものとなる。
上記の実施の形態では、先読み予告のうちの先予告の実行に用いられる演出手段は、装飾ランプ25とスピーカ27であったが、これらは、演出の実行が比較的遊技者に認識されやすい演出手段となっている。これに対して、先予告の実行に用いられる演出手段として、特別図柄表示器10や普通図柄表示器11と同程度に演出の実行が遊技者に認識されにくい演出手段を適用してもよい。
この場合、遊技者に認識されにくい演出手段だけを用いて先予告を実行することが選択された場合には、装飾ランプ25やスピーカ27のように認識されやすい演出手段で先予告が実行されなかったことによって期待感を喪失しかけた遊技者が、認識しにくい抽選手段の方で抽選情報が報知されていたことに気付くことがあるという意外性を与えることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
上記の実施の形態では、先読み予告として後予告を実行すること(先予告とともに実行する場合を含む)を決定した場合に、さらに先読み予告を実行する演出手段と、先読み予告の実行タイミングとを主基板31のCPU56が決定するものとしていたが、さらにその詳細な態様を、表示制御基板80の表示制御用CPUが決定するものとしていた。もっとも、この詳細な態様までを、主基板31のCPU56が決定するものとしてもよい。
ここで、先予告の詳細な態様の選択比率も、保留記憶中に大当たりとなる乱数が含まれているか否か、保留記憶中に含まれている大当たりとなる乱数が時短大当たりを発生させるものであるか確率変動大当たりまたは確変昇格大当たりを発生させるものであるかに応じて、異なるものとすることができる。この場合、遊技者は、先予告の詳細な態様の違いに応じても、保留記憶中に大当たりとなる乱数が含まれていることや、さらにその乱数が確率変動大当たりまたは確変昇格大当たりを発生させるものであることを期待することができるようになり、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
上記の実施の形態では、先読み予告として後予告を実行すること(先予告とともに実行する場合を含む)を決定した場合に、飾り図柄の表示結果として導出されるチャンス目は、1種類だけであった。もっとも、この場合に導出されるチャンス目には、複数種類のものがあってもよい。後予告を実行することを決定した表示制御基板80の表示制御用CPUは、さらに後予告として表示するチャンス目の種類を決定するものとすることができる。
ここでは、チャンス目の種類の選択比率を、保留記憶中に大当たりとなる乱数が含まれているか否か、保留記憶中に含まれている大当たりとなる乱数が時短大当たりを発生させるものであるか確率変動大当たりまたは確変昇格大当たりを発生させるものであるかに応じて、異なるものとすることができる。この場合、遊技者は、表示されたチャンス目の種類に応じて、保留記憶中に大当たりとなる乱数が含まれていることや、さらにその乱数が確率変動大当たりまたは確変昇格大当たりを発生させるものであることを期待することができるようになり、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
上記の実施の形態では、先読み予告のうちの先予告は、装飾ランプ25および/またはスピーカ27を用いて実行するものとしていたが、先読み予告のうちの後予告は、飾り図柄の表示結果としてチャンス目を導出させることによって実行するものとしていた。もっとも、飾り図柄の変動表示を停止させる際の処理負荷が大きな問題とならないのであれば、チャンス目の導出とともに、飾り図柄の表示結果が導出されたタイミング(或いは、導出される直前のタイミングでもよい)で実行される他の演出手段による演出(例えば、装飾ランプ25の点灯)を併用して、後予告を実行するものとしてもよい。
ここで、チャンス目の導出と、他の演出手段による演出との一方または両方を選択して後予告を実行することとなる場合、その選択比率は、保留記憶中に大当たりとなる乱数が含まれているか否か、保留記憶中に含まれている大当たりとなる乱数が時短大当たりを発生させるものであるか確率変動大当たりまたは確変昇格大当たりを発生させるものであるかに応じて、異なるものとすることができる。この場合も、遊技者は、後予告がチャンス目だけ、他の演出手段だけ、或いはチャンス目と他の演出手段の両方で実行されたかに応じて、保留記憶中に大当たりとなる乱数が含まれていることや、さらにその乱数が確率変動大当たりまたは確変昇格大当たりを発生させるものであることを期待することができるようになり、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
上記の実施の形態では、後予告としてチャンス目を表示した次の変動表示では、飾り図柄の変動表示が開始されるまでの遅延時間の間において、表示制御基板80の表示制御用CPUの制御により、所定の音声をスピーカ27から出力するものとしていた。ここで、この所定の音声には、複数種類の態様があってもよく、その中から選択された何れの態様で音声出力されるものとしてもよい。また、所定の音声の態様は、表示制御用CPUが決定するのではなく、主基板31のCPU56が決定するものとし、例えば、後予告の実行を通知するコマンドでチャンス目の導出後の次の変動表示の開始時に出力される所定の音声の態様を表示制御基板80の側に通知するものとしてもよい。
主基板31のCPU56が、チャンス目の導出後の次の変動表示の開始時に出力される所定の音声の態様を決定する場合、その選択比率は、保留記憶中に大当たりとなる乱数が含まれているか否か、保留記憶中に含まれている大当たりとなる乱数が時短大当たりを発生させるものであるか確率変動大当たりまたは確変昇格大当たりを発生させるものであるかに応じて、異なるものとすることができる。この場合、遊技者は、チャンス目の導出後に出力された音声の態様に応じて、保留記憶中に大当たりとなる乱数が含まれていることや、さらにその乱数が確率変動大当たりまたは確変昇格大当たりを発生させるものであることを期待することができるようになり、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
なお、チャンス目の導出後の次の変動表示の開始時に出力される所定の音声の態様の選択比率は、チャンス目を導出させた変動表示が開始された時点で保留記憶中に大当たりとなる乱数が含まれているか否か、保留記憶中に含まれている大当たりとなる乱数が時短大当たりを発生させるものであるか確率変動大当たりまたは確変昇格大当たりを発生させるものであるかに応じて、異なるものとしても、所定の音声を出力させるチャンス目の導出の次の変動表示が開始された時点で保留記憶中に大当たりとなる乱数が含まれているか否か、保留記憶中に含まれている大当たりとなる乱数が時短大当たりを発生させるものであるか確率変動大当たりまたは確変昇格大当たりを発生させるものであるかに応じて、異なるものとしてもよい。
上記の実施の形態では、非リーチハズレまたはノーマルリーチハズレの変動パターンでチャンス目が導出されなかった(後予告が実行されなかった)ときでも、非常に低い確率では、飾り図柄の変動表示が新たに開始されるまでの遅延時間の間において、所定の音声をスピーカ27から出力することがあった。この所定の音声は、チャンス目の導出されなかった非リーチハズレまたはノーマルリーチハズレの変動パターンで先予告が実行されていたことを条件として、出力させるものとしてもよい。
或いは、非リーチハズレまたはノーマルリーチハズレの変動パターンでチャンス目が導出されたときであっても、一定の確率で、飾り図柄の変動表示が新たに開始されるまでの遅延時間の間において、所定の音声をスピーカ27から出力させないことがあるものとしてもよい。さらに、チャンス目が導出された後に飾り図柄の変動表示が新たに開始されるまでの遅延時間の間において所定の音声を出力可能とするが、そのための条件を、単にチャンス目が表示された(後予告が実行された)だけではなく、先予告と後予告の両方が実行されたこととしてもよい。
上記の実施の形態では、先読み予告としての後予告は、飾り図柄の変動表示の表示結果としてチャンス目が導出されることとしていた。これに対して、例えば、飾り図柄の変動表示の表示結果が導出されてから所定の遅延時間を経過した後に確定するものとした場合(飾り図柄の表示結果が一定の幅のある期間で表示される場合)には、この所定の遅延時間の間において、例えば、スピーカ27からの音声出力などの別の態様によって、後予告を行うものとしてもよい。チャンス目と別の態様の後予告を併用するものとしてもよい。
飾り図柄の表示結果とは別の態様の後予告を実行する場合(チャンス目を併用する場合を含む)には、当該別の態様の後予告の実行タイミングとして早いタイミングと遅いタイミングとがあるものとしてもよい。ここでは、当該別の態様の後予告の実行タイミングの選択比率を、保留記憶中に大当たりとなる乱数が含まれているか否か、保留記憶中に含まれている大当たりとなる乱数が時短大当たりを発生させるものであるか確率変動大当たりまたは確変昇格大当たりを発生させるものであるかに応じて、異なるものとすることができる。
この場合、遊技者は、チャンス目が表示されている一定の期間の間での音声出力されるタイミングの違いに応じて、保留記憶中に大当たりとなる乱数が含まれていることや、さらにその乱数が確率変動大当たりまたは確変昇格大当たりを発生させるものであることを期待することができるようになり、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
また、飾り図柄の表示結果が導出されてから確定するまでの遅延時間の間(先の変動表示の期間に含まれる)と、次の回の飾り図柄の変動表示が開始されるまでの遅延時間の間(後の変動表示の期間に含まれる)との何れかで、所定の音声出力を行うものとすることもできる。この場合には、処理の上では、2回分の変動表示の期間に跨ることになっているが、遊技者の見た目の上では、1回のチャンス目の表示が一定期間継続しているだけに見えることとなる。
そして、ここでは、先の変動表示の期間のうちに音声出力を行うか、後の変動表示の期間に移行してから音声出力を行うかの選択比率を、保留記憶中に大当たりとなる乱数が含まれているか否か、保留記憶中に含まれている大当たりとなる乱数が時短大当たりを発生させるものであるか確率変動大当たりまたは確変昇格大当たりを発生させるものであるかに応じて、異なるものとすることができる。この場合、遊技者は、チャンス目が表示されている一定の期間の間での音声出力されるタイミングの違いに応じて、保留記憶中に大当たりとなる乱数が含まれていることや、さらにその乱数が確率変動大当たりまたは確変昇格大当たりを発生させるものであることを期待することができるようになり、さらに遊技の興趣を向上させることができる。
上記の実施の形態では、先読み予告の実行は、変動表示毎に決定され、該決定に基づいて当該回の変動表示においてのみ先読み予告が実行されるものとなっていた(もっとも、連続した2回以上の変動表示で、先読み予告が実行されることが続けて決定されることはあった)。これに対して、新たに特別図柄の変動表示が開始される時点において、先読み予告を実行することとなる変動表示の回数を、当該時点での保留記憶の数(新たに開始される変動表示分は、保留記憶の数に含めない)を限度として決定するものとしてもよい。
例えば、先読み予告の実行が予め決定されていない回の新たな変動表示が開始されて保留記憶の数が3となるときに、先読み予告を連続して実行する回数を、0回(すなわち、今回の変動表示において先読み予告を実行しない)、1回、2回または3回のうちから選択するものとしてもよい。例えば、先読み予告を3回連続して実行することが決定された場合には、今回新たに開始される変動表示と、次の変動表示(新たな始動入賞がないとすると、これが開始されることで保留記憶の数が2となる)と、次の次の変動表示(新たな始動入賞がないとすると、これが開始されることで保留記憶の数が2となる)とで、連続して先読み予告を実行することとなる。
また、このように複数回の連続した先読み予告の実行を予め決定する場合、決定できる回数までがスーパーリーチに発展しない変動パターンであることを条件とすることができる。例えば、新たな変動表示が開始されて保留記憶の数が3となるときに、今回新たに開始される変動表示と次の変動表示では非リーチハズレまたはノーマルリーチハズレとなるが、次の次の変動表示ではスーパーリーチに発展するときには、先読み予告を実行する回数を、0回、1回または2回のうちから選択するものとし、3回は選択できないものとすることができる。
このように連続した回数の先読み予告の実行を予め決定する場合、その時点の保留記憶の内容に応じて、連続した各回の先読み予告を先予告、後予告、先予告及び後予告の両方の何れとするか、先予告とした場合にこれを行う演出手段を装飾ランプ27とスピーカ27の何れとするか、先予告とした場合の実行タイミングを早いものとするか遅いものとするかまでを、予めまとめて決定しておくことができる。この場合、各回毎に決定内容を異ならせるものとすることもできる。
もっとも、決定された回数分の先読み予告では、先読み予告を先予告、後予告、先予告及び後予告の両方の何れとするか、先予告とした場合にこれを行う演出手段を装飾ランプ27とスピーカ27の何れとするか、先予告とした場合の実行タイミングを早いものとするか遅いものとするかということについても全ての回で統一することができる。この場合、演出の内容として統一感のある連続演出を実行することができるようになる。
なお、連続した回数の先読み予告の実行を予め決定する場合でも、各回の先読み予告を先予告、後予告、先予告及び後予告の両方の何れとするか、先予告とした場合にこれを行う演出手段を装飾ランプ27とスピーカ27の何れとするか、先予告とした場合の実行タイミングを早いものとするか遅いものとするかについての決定は、各々の変動表示が開始される時点での保留記憶の内容に応じて別個に決定するものとすることができる。
また、リーチ予告のうちのステップアップ演出のステップ1の実行は、次の回の変動表示で先読み予告が実行されることを意味するものとなっていたが、このように連続した回数の先読み予告の実行を予め決定した場合には、次の回の変動表示まで先読み予告が連続して実行されることが決定されているか否かに応じて、リーチ予告の種別としてステップ1を選択することができるようにすることができる。
また、このように連続した回数の先読み予告の実行を予め決定する場合でも、上記の実施の形態のように連続して5回の先読み予告が実行されると大当たり確定となるものとした場合、例えば、3回の変動表示で連続して先読み予告が行われた後に次に新たな変動表示が開始されるときには、ここでまた先読み予告の実行回数が決定されることとなる。もっとも、この時点の保留記憶に大当たり(突確大当たりを除く)となる乱数が含まれていないのであれば、保留記憶の数や変動パターンに関わらず、先読み予告を実行する回数を、0回または1回のうちからしか選択することができないものとすることができる。
上記の実施の形態では、主基板31のCPU56が先読み予告及びリーチ予告に関する決定を一定の程度まで行うものとしていたが、これは、先読み予告及びリーチ予告の種別の決定は、保留記憶中に大当たりとなる乱数が含まれていないか、保留記憶中に含まれている時短大当たりとなる乱数が含まれているか、確率変動大当たりまたは確変昇格大当たりとなる乱数が含まれているかを、表示制御基板80の表示制御用CPUが予め知り得ることができなかったからである。
そこで、始動入賞が発生する度に、該始動入賞により抽出された各種乱数(少なくとも大当たり判定用乱数、大当たり種別判定用乱数、及び変動種別判定用乱数)の値を特定可能なコマンドを主基板31から表示制御基板80に送信するものとしてもよい。この場合、表示制御基板80の表示制御用CPUは、保留記憶中に大当たりとなる乱数が含まれていないか、保留記憶中に含まれている時短大当たりとなる乱数が含まれているか、確率変動大当たりまたは確変昇格大当たりとなる乱数が含まれているかを、表示制御基板80の表示制御用CPUが予め知り得ることができるので、先読み予告及びリーチ予告に関する決定を主基板31のCPU56では一切行わずに、全て表示制御用CPUで行うものとすることができる。
上記の実施の形態では、大当たり抽選及び大当たり種別抽選の結果に関わらず、変動パターンとして疑似連を選択することはなかった。ここで、疑似連とは、特別図柄の変動表示に応じて可変表示装置9で飾り図柄が変動表示されるが、1回分の特別図柄の変動表示(すなわち、1回の始動入賞)に対して、飾り図柄表示領域9a〜9cの全てにおいて飾り図柄の変動表示を仮停止(図柄の更新を停止しているが確定はしていない状態であって、揺り動かすなどの状態としていてもよい)させた後に、全ての飾り図柄を再度変動表示させる再変動表示を1回または複数回実行する飾り図柄の変動パターンを指す。
これに対して、変動パターンとして一定の割合で疑似連を選択できるようにしてもよい。ここで、疑似連の変動パターンには、飾り図柄の最後の仮停止から最終停止までの間でリーチ表示態様を出現させるパターンと出現させない変動パターンとがあり得るが、その何れも、上記の実施の形態におけるリーチ表示態様を出現させる変動パターンと同じに扱うことができる(すなわち、疑似連の変動パターンで飾り図柄が変動表示されるときには、先読み予告を行わないものとする)。