以下では、本発明に係る遊技機の各種実施形態を示すパチスロについて、図面を参照しながら説明する。
<1.第1の実施形態>
本発明の第1の実施形態に係るパチスロでは、副制御基板において、主制御基板から送信されるコマンドの入力端から副制御回路(サブCPU)に至る信号経路に設けられた後述のインターフェイス回路の電源電圧を監視することにより、該信号経路に対するゴト行為を防止する。以下、このような電源電圧の監視機能を備えるパチスロの構成について、図面を参照しながら説明するが、その前に、本実施形態に係るパチスロにおいて、通常時の遊技動作及び演出動作等に関連する構成の概要、並びに、遊技時及び演出時の主要な動作の処理フローの概要について説明する。
[機能フロー]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施形態に係るパチスロの機能フローについて説明する。本実施形態のパチスロでは、遊技を行うための遊技媒体としてメダルを用いる。なお、遊技媒体としては、メダル以外にも、例えば、コイン、遊技球、遊技用のポイントデータ又はトークン等を適用することもできる。
遊技者によりパチスロにメダルが投入され、スタートレバーが操作されると、予め定められた数値の範囲(例えば、0〜65535)の乱数から1つの値(以下、乱数値)が抽出される。
内部抽籤手段は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。内部当籤役の決定により、後述の入賞判定ラインに沿って表示を行うことを許可する図柄の組合せが決定される。なお、図柄の組合せの種別としては、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスゲームの作動等といった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「ハズレ」に係るものとが設けられる。
また、スタートレバーが操作されると、複数のリールの回転が行われる。その後、遊技者により所定のリールに対応するストップボタンが押されると、リール停止制御手段及び特別遊技停止制御手段は、内部当籤役とストップボタンが押されたタイミングとに基づいて、該当するリールの回転を停止する制御を行う。
パチスロでは、基本的に、ストップボタンが押されたときから規定時間(190msec)内に、該当するリールの回転を停止するように制御される。本明細書では、この規定時間内にリールの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」と称し、規定期間が190msec(最大遅延時間)である場合には、その最大数(最大滑り駒数)を図柄4個分に定める。
リール停止制御手段は、入賞に係る図柄の組合せの表示を許可する内部当籤役が決定されているときには、通常、190msec(図柄4コマ分)の規定時間内に、その図柄組合せが入賞判定ラインに沿って極力表示されるようにリールの回転を停止させる。また、リール停止制御手段は、規定時間を利用して、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って表示されないようにリールの回転を停止させる。
上述のようにして、複数のリールの回転が全て停止されると、入賞判定手段は、入賞判定ラインに沿って表示された図柄の組合せが、入賞に係るものであるか否かの判定を行う。そして、入賞判定手段により入賞に係る図柄の組合せであるとの判定が行われると、メダルの払い出し等の特典が遊技者に与えられる。パチスロでは、以上のような一連の流れの動作が1回の遊技(単位遊技)として行われる。
また、パチスロでは、上述した一連の動作の中で、液晶表示装置による映像の表示動作、各種ランプによる光の出力動作、スピーカによる音声の出力動作、或いは、これらの動作の組合せを利用して様々な演出が行われる。このような演出動作は次のようにして行われる。
まず、スタートレバーが操作されると、上述した内部当籤役の決定に用いられた乱数値とは別に、演出用の乱数値(以下、演出用乱数値)が抽出される。演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段は、内部当籤役に対応づけられた複数種の演出内容の中から今回実行する演出内容を抽籤により決定する。
そして、演出内容が決定されると、演出実行手段は、リールの回転開始時、各リールの回転停止時、入賞の有無の判定時等の各契機に連動して対応する演出を実行する。このように、パチスロでは、内部当籤役に対応づけられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(言い換えると、狙うべき図柄の組合せ)を知る機会又は予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上を図ることができる。
[パチスロの構造]
次に、図2及び図3を参照して、本実施形態におけるパチスロの構造について説明する。なお、図2は、本実施形態のパチスロ1の外部構造を示す斜視図であり、図3は、パチスロ1の内部構造を示す図である。
(1)外観構造
パチスロ1は、図2に示すように、リールや回路基板等を収容したキャビネット1aと、キャビネット1aに対して開閉可能に取り付けられたフロントドア1bとを備える。キャビネット1aの内部には、3つのリール3L,3C,3R(変動表示部)が設けられ、該3つのリール3L,3C,3Rはリールの回転方向と直交する方向(図2に示す例では横方向)に沿って一列に配置される。以下、リール3L,3C,3Rを、それぞれ左リール3L、中リール3C、右リール3Rという。
各リール(表示列)は、円筒状のリール本体と、リール本体の周面(周回面)に装着された透光性のシート材とを有する。シート材の表面には、複数(例えば21個)の図柄がリール本体の周方向に沿って連続的に描かれる。
フロントドア1bの略中央には、例えば液晶表示装置等で構成される画像表示装置10が設けられる。そして、画像表示装置10は、3つの図柄表示領域4L,4C,4Rを含む表示画面を備える。本実施形態では、図柄表示領域4L,4C,4Rを含む表示画面の全体を使って、映像の表示が行われ、所定の演出が実行される。
3つの図柄表示領域4L,4C,4Rは、それぞれ、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rに対応して設けられる。そして、各図柄表示領域は、図2に示すように、正面(遊技者側)から見て、対応するリールと重畳する位置に設けられ、かつ、対応するリールより手前(遊技者側)に位置するように設けられる。なお、各図柄表示領域は、表示窓としての機能を有し、その背後に設けられた対応するリールに描かれた図柄が、該表示窓を介して目視することができる。以下、図柄表示領域4L,4C,4Rを、それぞれ左表示窓4L、中表示窓4C、右表示窓4Rという。
また、本実施形態では、各表示窓は、その背後に設けられた対応するリールの回転が停止したとき、該リールに描かれた複数種類の図柄のうち、連続して配置された3つの図柄を表示できるように構成される。すなわち、各表示窓の枠内には、上段、中段及び下段の各領域が設けられ、各領域に1個の図柄を表示することができる。そえゆえ、本実施形態では、表示画面に、3×3の配列形態で図柄を表示することができる。そして、本実施形態では、3×3の配列形態で表示された図柄において、左表示窓4Lから右表示窓4Rに渡って設定された擬似的なラインを、入賞か否かの判定を行うライン(以下、入賞判定ラインという)として定義する。
例えば、左表示窓4Lの上段領域、中表示窓4Cの上段領域及び右表示窓4Rの上段領域を繋ぐトップライン、左表示窓4Lの下段領域、中表示窓4Cの下段領域及び右表示窓4Rの下段領域を繋ぐボトムライン、左表示窓4Lの中段領域、中表示窓4Cの中段領域及び右表示窓4Rの中段領域を繋ぐセンターライン等を入賞判定ラインとして設定することができる。また、例えば、左表示窓4Lの上段領域、中表示窓4Cの中段領域及び右表示窓4Rの下段領域を繋ぐクロスダウンライン、左表示窓4Lの下段領域、中表示窓4Cの中段領域及び右表示窓4Rの上段領域を繋ぐクロスアップライン等も入賞判定ラインとして設定することができる。なお、入賞判定ラインの設定は、例えばパチスロ1の機種等に応じて任意に設定される。
画像表示装置10の表示画面内の側端部付近には、7セグメントLED(Light Emitting Diode)からなる7セグ表示器6が設けられる。7セグ表示器6は、今回の遊技に投入されたメダルの枚数(投入枚数)、特典として遊技者に払い出されるメダルの枚数(以下、払出枚数という)、パチスロ1の内部に預けられているメダルの枚数(以下、クレジット枚数という)等の情報をデジタル表示する。
また、フロントドア1bには、遊技者の操作対象となる各種装置(メダル投入口11、ベットボタン12、精算ボタン14、スタートレバー16、ストップボタン17L,17C,17R)が設けられる。
メダル投入口11は、遊技者によって外部からパチスロ1に投下されるメダルを受け入れるために設けられる。メダル投入口11を介して受け入れられたメダルは、所定枚数(例えば3枚)を上限として1回の遊技に投入され、該所定枚数を超えた分のメダルは、パチスロ1の内部に預けることができる(いわゆるクレジット機能)。
ベットボタン12は、パチスロ1の内部に預けられているメダルから1回の遊技に投入する枚数を決定するために設けられる。精算ボタン14は、パチスロ1の内部に預けられているメダルを外部に引き出すために設けられる。
スタートレバー16は、全てのリール(3L,3C,3R)の回転を開始するために設けられる。ストップボタン17L,17C,17Rは、それぞれ、左リール3L、中リール3C、右リール3Rに対応づけて設けられ、各ストップボタンは対応するリールの回転を停止するために設けられる。以下、ストップボタン17L,17C,17Rを、それぞれ左ストップボタン17L、中ストップボタン17C、右ストップボタン17Rという。
また、フロントドア1bには、図2に示すように、メダル払出口18、メダル受皿19等が設けられる。メダル払出口18は、後述のメダル払出装置33の駆動により排出されるメダルを外部に導く。また、メダル受皿19は、メダル払出口18から排出されたメダルを貯める。
さらに、フロントドア1bには、図2に示すように、例えばランプ(LED等)等で構成される発光装置20、例えばスピーカ等で構成される音声出力装置21L,21R等が設けられる。発光装置20は、演出内容に対応するパターンで、光を点消灯する。また、音声出力装置21L,21Rは、演出内容に対応する効果音や楽曲等の音を出力する。
(2)内部構造
次に、パチスロ1の内部構造を、図3を参照しながら説明する。なお、図3は、フロントドア1bが開放された状態を示す図であり、フロントドア1bの裏面側の構造及びキャビネット1aの内部の構造を示す。
キャビネット1a内の上方部分には、後述の主制御回路41(図4参照)が実装された主制御基板31(主基板)が設けられる。なお、主制御回路41は、内部当籤役の決定、各リールの回転及び停止、入賞の有無の判定等の、パチスロ1における遊技の主な動作及び該動作間の流れを制御する回路である。主制御回路41の具体的な構成については、後で詳述する。
キャビネット1a内の略中央部分には、3つのリール(左リール3L、中リール3C及び右リール3R)が設けられる。なお、図3には示さないが、各リールは、所定の減速比を有するギアを介して対応する後述のステッピングモータ(図4中のステッピングモータ61L,61C,61Rのいずれか)に接続される。
また、キャビネット1a内において、左リール3Lの中リール3Cとは反対側の側部(図3に示す例で左側)には、後述の副制御回路42(図4及び5参照)が実装された副制御基板32(副基板)が設けられる。なお、副制御回路42は、画像表示装置10、音声出力装置21L,21R、発光装置20等による演出動作を制御する回路である。副制御回路42の具体的な構成については、後で詳述する。
キャビネット1a内の下方部分には、多量のメダルを収容可能であり、かつ、それらを1枚ずつ排出可能な構造を有するメダル払出装置33(以下、ホッパー33という)が設けられる。また、キャビネット1a内における、ホッパー33の一方の側部(図3に示す例では左側)には、パチスロ1が有する各装置に対して必要な電力を供給する電源装置34が設けられる。
フロントドア1bの裏側部(表示画面側とは反対側の部分)において、表示窓(左表示窓4L、中表示窓4C、右表示窓4R)の配置領域の下方部分には、セレクタ35が設けられる。セレクタ35は、メダル投入口11を介して外部から投入されたメダルの材質や形状等が適正である否かを選別する装置であり、適正であると判定されたメダルをホッパー33に案内する。さらに、図3には示さないが、セレクタ35内においてメダルが通過する経路上には、適正なメダルが通過したことを検出するメダルセンサ35S(後述の図4参照)が設けられる。
[パチスロが備える回路の構成]
次に、図4及び図5を参照して、本実施形態におけるパチスロ1が備える主な回路の構成について説明する。図4は、パチスロ1が備える回路全体のブロック構成図であり、図5は、副制御回路の内部構成を示すブロック構成図である。なお、図4及び図5には示さないが、本実施形態のパチスロ1は、主制御基板及び副制御基板に実装された各種回路の電源電圧を監視するための電圧監視回路(後述の図11に示す第1電圧監視回路91〜第3電圧監視回路93等)も備える。この電圧監視回路の構成については、後で詳述する。
パチスロ1は、図4に示すように、主制御回路41、副制御回路42、及び、これらの回路と電気的に接続される周辺装置(アクチュエータ)を備える。
(1)主制御回路
主制御回路41は、主に、回路基板(主制御基板31)上に実装されたマイクロコンピュータ50により構成される。それ以外の構成要素として、主制御回路41は、図4に示すように、クロックパルス発生回路54、分周器55、乱数発生器56、サンプリング回路57、表示部駆動回路64、ホッパー駆動回路65及び払出完了信号回路66を含む。
マイクロコンピュータ50は、CPUからなる主制御部51(メインCPU)、メインROM(Read Only Memory)52及びメインRAM(Random Access Memory)53により構成される。
メインROM52には、主制御部51により実行される各種処理(後述の図6及び図7参照)の制御プログラム、内部抽籤テーブル等のデータテーブル(不図示)、副制御回路42に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶される。メインRAM53には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データや制御に必要な各種フラグなどを格納する格納領域(不図示)が設けられる。
主制御部51には、図4に示すように、クロックパルス発生回路54、分周器55、乱数発生器56及びサンプリング回路57が接続される。クロックパルス発生回路54及び分周器55は、クロックパルスを発生する。なお、主制御部51は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。また、乱数発生器56は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。そして、サンプリング回路57は、発生された乱数の中から1つの値を抽出する。
マイクロコンピュータ50の入力ポートには、各種スイッチ及びセンサ等が接続される。主制御部51は、各種スイッチ等からの入力信号を受けて、ステッピングモータ61L,61C,61R等の周辺装置の動作を制御する。
ストップスイッチ17Sは、左ストップボタン17L、中ストップボタン17C、右ストップボタン17Rのそれぞれが遊技者により押されたこと(停止操作)を検出する。スタートスイッチ16Sは、スタートレバー16が遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出する。精算スイッチ14Sは、精算ボタン14が遊技者により押されたことを検出する。
メダルセンサ35Sは、メダル投入口11に投入されたメダルがセレクタ35内を通過したことを検出する。また、ベットスイッチ12Sは、ベットボタン12が遊技者により押されたことを検出する。
また、マイクロコンピュータ50により動作が制御される周辺装置としては、3つのステッピングモータ61L,61C,61R(変動表示部)、7セグ表示器6及びホッパー33がある。また、マイクロコンピュータ50の出力ポートには、各周辺装置の動作を制御するための駆動回路が接続される。
モータ駆動回路62は、左リール3L、中リール3C、右リール3Rに対応してそれぞれ設けられた3つのステッピングモータ61L,61C,61Rの駆動を制御する。リール位置検出回路63は、発光部と受光部とを有する光センサにより、リールが一回転したことを示すリールインデックスをリール毎に検出する。
3つのステッピングモータ61L,61C,61Rのそれぞれは、その運動量がパルスの出力数に比例し、回転軸を指定された角度で停止させることが可能な構成を有する。また、各ステッピングモータの駆動力は、所定の減速比を有するギアを介して、対応するリールに伝達される。そして、各ステッピングモータに対して1回のパルスが出力されるごとに、対応するリールは一定の角度で回転する。
主制御部51は、各リールのリールインデックスを検出してから対応するステッピングモータに対してパルスが出力された回数をカウントすることによって、各リールの回転角度(具体的には、リールが図柄何個分だけ回転したか)を管理する。
ここで、各リールの回転角度の管理を具体的に説明する。各ステッピングモータに対して出力されたパルスの数は、メインRAM53に設けられたパルスカウンタ(不図示)により計数される。そして、図柄1個分の回転に必要な所定回数(例えば16回)のパルスの出力がパルスカウンタで計数されるごとに、メインRAM53に設けられた図柄カウンタ(不図示)の値に、「1」が加算される。なお、図柄カウンタは、リール毎に設けられる。そして、図柄カウンタの値は、リール位置検出回路63によってリールインデックスが検出されるとクリアされる。
すなわち、本実施形態では、図柄カウンタの値を管理することにより、リールインデックスが検出されてから図柄何個分の回転動作が行われたかを管理する。それゆえ、各リールの各図柄の位置は、リールインデックスが検出される位置を基準として検出される。
本実施形態では、上述のように、通常遊技中(ボーナス非作動中)の滑り駒数の最大数を図柄4個分に定める。それゆえ、左ストップボタン17Lが押されたときには、左表示窓4L内の入賞判定ライン上の領域に位置する左リール3Lの図柄と、その4個先までの範囲に存在する図柄が、左表示窓4Lの該領域に停止可能な図柄となる。
なお、主制御回路41に含まれる、表示部駆動回路64は、7セグ表示器6の動作を制御する。ホッパー駆動回路65は、ホッパー33の動作を制御する。また、払出完了信号回路66は、ホッパー33に設けられたメダル検出部33Sが行うメダルの検出を管理し、ホッパー33から外部に排出されたメダルが所定の払出枚数に達したか否かをチェックする。
(2)副制御回路
副制御回路42は、図4及び図5に示すように、主制御回路41に接続され、主制御回路41から送信されるコマンド(所定のデータ)に基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。なお、図4及び図5には示さないが、本実施形態のパチスロ1では、後述の図11に示すように、副制御回路42は、副制御基板32に実装されたインターフェイス回路80及びレベル変換回路81を介して主制御回路41に接続される。
また、本実施形態では、主制御基板及び副制御基板間の通信は、主制御基板から副制御基板への一方向の通信とし、通信方式としては光通信方式を採用する。すなわち、本実施形態では、主制御基板から副制御基板へのコマンド送信は光通信により行われる。
副制御回路42は、基本的には、図5に示すように、副制御部71(サブCPU)、サブ記憶部72、画像制御部73及び音声制御部74を有する。また、サブ記憶部72は、サブROM72a及びサブRAM72bを含む。画像制御部73は、レンダリングプロセッサ73a、描画用RAM73b及びドライバ73cを含む。そして、音声制御部74は、DSP(Digital Signal Processor)74a、オーディオRAM74b、A/D(Analog to Digital)変換器74c及びアンプ74dを含む。
副制御部71は、CPUで構成され、主制御回路41から送信されたコマンドに応じて、サブROM72aに記憶されている制御プログラムに従い、映像、音、光の出力制御を行う。なお、サブROM72aは、基本的には、プログラム記憶領域及びデータ記憶領域を有する。
プログラム記憶領域には、副制御部71(サブCPU)が実行する各種制御プログラムが記憶される。なお、プログラム記憶領域に格納される制御プログラムには、例えば、主制御回路41との通信を制御するための主基板通信タスク、演出用乱数値を抽出して演出内容(演出データ)の決定及び登録を行うための演出登録タスク、決定した演出内容に基づいて画像表示装置10(液晶表示装置)による映像の表示を制御するための描画制御タスク、発光装置20(ランプ)による光の出力を制御するためのランプ制御タスク、音声出力装置21L,21R(スピーカ)による音声の出力を制御するための音声制御タスク等のプログラムが含まれる。
データ記憶領域には、例えば、各種データテーブルを記憶する記憶領域、各種演出内容を構成する演出データを記憶する記憶領域、映像の作成に関するアニメーションデータを記憶する記憶領域、BGMや効果音に関するサウンドデータを記憶する記憶領域、光の点消灯のパターンに関するランプデータを記憶する記憶領域等の各種記憶領域が含まれる。
サブRAM72bは、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御回路41から送信される内部当籤役等の各種データを格納する格納領域などを有する。
また、副制御回路42には、図5に示すように、画像表示装置10、音声出力装置21L,21R及び発光装置20等を含むサブデバイス部43(報知装置部)が接続され、サブデバイス部43内の各装置(サブデバイス)の動作は、副制御回路42により制御される。
本実施形態では、副制御部71、レンダリングプロセッサ73a、描画用RAM73b(フレームバッファを含む)及びドライバ73cは、演出内容により指定されたアニメーションデータに従って映像を作成し、該作成された映像は画像表示装置10(液晶表示装置)により表示される。また、副制御部71、DSP74a、オーディオRAM74b、A/D変換器74c及びアンプ74dは、演出内容により指定されたサウンドデータに従ってBGM等の音を音声出力装置21L,21R(スピーカ)により出力する。さらに、副制御部71は、演出内容により指定されたランプデータに従って発光装置20(ランプ)の点灯及び消灯を行う。
[主制御回路の動作説明]
次に、図6及び図7を参照して、主制御回路41の主制御部51(メインCPU)が、プログラムを用いて実行する主な処理の内容について説明する。
(1)主制御部によるパチスロの主要動作処理
まず、主制御部51により制御されるパチスロ1の主要動作処理の手順を、図6に示すメインフローチャート(以下、メインフローという)を参照しながら説明する。
まず、パチスロ1に電源が投入されると、主制御部51は、電源投入時の初期化処理を行う(S1)。この初期化処理では、バックアップが正常に行われたか、設定変更が適切に行われたか等が判定され、その判定結果に対応した初期化が行われる。
次いで、主制御部51は、一遊技終了時の初期化処理を行う(S2)。この初期化処理では、メインRAM53における指定格納領域のデータをクリアする。なお、ここでいう指定格納領域は、例えば、内部当籤役格納領域や表示役格納領域などの単位遊技(1回の遊技)毎にデータの消去が必要な格納領域である。
次いで、主制御部51は、メダル受付・スタートチェック処理を行う(S3)。この処理では、メダルセンサ35Sやスタートスイッチ16Sの入力のチェック等が行われる。
次いで、主制御部51は、乱数値を抽出し、該抽出した乱数値をメインRAM53に設けられた乱数値格納領域に格納する(S4)。そして、抽出した乱数値が乱数値格納領域に格納されると、主制御部51は、内部抽籤処理を行う(S5)。この処理では、乱数値に基づいた抽籤により内部当籤役の決定が行われる。
次いで、主制御部51は、スタートコマンド送信処理を行う(S6)。この処理では、スタートコマンドが主制御回路41から副制御回路42に送信される。なお、スタートコマンドは、内部当籤役等を特定するパラメータを含んで構成される。
次いで、主制御部51は、リール回転開始処理を行う(S7)。この処理において、主制御部51は、全リールの回転開始を要求する。そして、全リールの回転開始が要求されると、一定の周期(1.1173msec)で実行される後述の割込処理(図12参照)により、3つのステッピングモータ61L,61C,61Rの駆動が制御され、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの回転が開始される。このとき、各リールは、その回転速度が所定速度に達するまで加速制御され、その後、該所定速度が維持されるように制御される。
次いで、主制御部51は、リール停止制御処理を行う(S8)。この処理では、左ストップボタン17L、中ストップボタン17C及び右ストップボタン17Rがそれぞれ押されたタイミングと内部当籤役とに基づいて該当するリールの回転が停止される。
次いで、主制御部51は、入賞検索処理を行う(S9)。この処理では、主制御部51は、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rが全て停止した後、入賞判定ライン上に表示された図柄の組合せを検索し、該検索結果に基づいて、メダルの払出枚数等を決定する。具体的には、この処理では、入賞判定ライン上に表示された図柄の組合せが、図柄組合せテーブル(不図示)に規定されている図柄の組合せと照合され、両者が一致する場合には、対応する表示役及び払出枚数が決定される。
次いで、主制御部51は、表示コマンド送信処理を行う(S10)。この処理では、表示コマンドが主制御回路41から副制御回路42に送信される。なお、表示コマンドは、表示役やメダルの払出枚数を特定するパラメータを含んで構成される。
次いで、主制御部51は、メダル払出処理を行う(S11)。この処理では、S10において決定された表示役の払出枚数に基づいて、ホッパー33の駆動やクレジット枚数の更新が行われ、メダルの払い出しが行われる。
次いで、主制御部51は、ボーナス終了枚数カウンタの更新処理を行う(S12)。この処理では、S10においてメダルの払出枚数として決定された値が、ボーナス終了枚数カウンタから減算される。なお、ボーナス終了枚数カウンタは、ボーナス終了の契機を管理するためのカウンタであり、例えばメインRAM53に設けられる。
次いで、主制御部51は、ボーナス作動中フラグがオンであるか否かを判別する(S13)。なお、ボーナス作動中フラグは、例えばメインRAM53の所定の格納領域に格納され、ボーナス作動中フラグがオン状態にあるときには、ボーナスゲームが作動中であることを意味する。
S13において、主制御部51が、ボーナス作動中フラグがオンでないと判別したとき(S13がNO判定の場合)、主制御部51は、後述のS15の処理を行う。
一方、S13において、主制御部51が、ボーナス作動中フラグがオンであると判別したとき(S13がYES判定の場合)、主制御部51は、ボーナス終了チェック処理を行う(S14)。この処理では、主制御部51は、ボーナスゲームの終了契機を管理するための各種カウンタを参照して、ボーナスゲームの作動を終了するか否かをチェックする。
S14の処理後、又は、S13がNO判定の場合、主制御部51は、ボーナス作動チェック処理を行う(S15)。この処理では、主に、ボーナスゲームの作動を開始するか否かがチェックされる。そして、ボーナス作動チェック処理が終了すると、主制御部51は、処理をS2に戻し、S2以降の処理を繰り返す。
(2)主制御部による割込処理(1.1173msec)
次に、図7を参照して、主制御部51により定期的に行われる割込処理について説明する。まず、主制御部51は、レジスタの退避を行う(S21)。次いで、主制御部51は、入力ポートチェック処理を行う(S22)。この処理では、ストップスイッチ17S等の各種スイッチから入力される信号がチェックされる。
次いで、主制御部51は、リール制御処理を行う(S23)。この処理では、主制御部51は、全リールの回転開始が要求されたときに、左リール3L、中リール3C及び右リール3Rの回転を開始し、その後、各リールが一定速度で回転するように、3つのステッピングモータ61L,61C,61Rを駆動制御する。また、滑り駒数が決定されたときは、主制御部51は、該当するリールの図柄カウンタを滑り駒数分だけ更新する。そして、主制御部51は、更新された図柄カウンタが停止予定位置に対応する値に一致する(停止予定位置の図柄が表示窓の入賞判定ライン上の領域に到達する)のを待って、該当するリールの回転の減速及び停止が行われるように、対応するステッピングモータを駆動制御する。
次いで、主制御部51は、ランプ・7セグ駆動処理を行う(S24)。この処理では、主制御部51は、7セグ表示器6を駆動制御して、払出枚数やクレジット枚数などを表示する。次いで、主制御部51は、レジスタの復帰処理を行う(S25)。そして、その後、主制御部51は、割込処理を終了する。
[副制御回路の動作説明]
次に、図8〜図10を参照して、副制御回路42の副制御部71(サブCPU)が、プログラムを用いて実行する主な処理(タスク)の内容について説明する。
(1)主基板通信タスク
最初に、図8を参照して、副制御部71により行われる主基板通信タスクについて説明する。
まず、副制御部71は、主制御回路41から送信されたコマンドの受信チェックを行う(S31)。次いで、副制御部71は、コマンドを受信した場合、受信したコマンドの種別を抽出する(S32)。
次いで、副制御部71は、前回とは異なるコマンドを受信したか否かを判別する(S33)。S33において、副制御部71が前回とは異なるコマンドを受信しなかったと判別したとき(S33がNO判定の場合)、副制御部71は、処理をS31に戻し、S31以降の処理を繰り返す。
一方、S33において、副制御部71が前回とは異なるコマンドを受信したと判別したとき(S33がYES判定の場合)、副制御部71は、受信したコマンドに基づいて、メッセージキューへメッセージを格納する(S34)。なお、メッセージキューとは、プロセス間で情報を交換するための機構である。そして、S34の処理後、副制御部71は、処理をS31に戻し、S31以降の処理を繰り返す。
(2)演出登録タスク
次に、図9を参照して、副制御部71により行われる演出登録タスクについて説明する。
まず、副制御部71は、メッセージキューからメッセージを取り出す(S41)。次いで、副制御部71は、メッセージキューにメッセージが有るか否かを判別する(S42)。S42において、副制御部71が、メッセージキューにメッセージが無いと判別したとき(S42がNO判定の場合)、副制御部71は、後述のS45の処理を行う。
一方、S42において、副制御部71が、メッセージキューにメッセージが有ると判別したとき(S42がYES判定の場合)、副制御部71は、メッセージから遊技情報を複写する(S43)。この処理では、例えば、パラメータによって特定される、内部当籤役、回転が停止したリールの種別、表示役、遊技状態フラグ等の各種データがサブRAM72bに設けられた格納領域(不図示)に複写される。
次いで、副制御部71は、演出内容決定処理を行う(S44)。この処理では、副制御部71は、受信したコマンドの種別に応じて、演出内容の決定や演出データの登録等を行う。なお、演出内容決定処理の詳細については、後述の図10を参照しながら後で説明する。
S44の処理後、又は、S42がNO判定の場合、副制御部71は、アニメーションデータの登録を行う(S45)。次いで、副制御部71は、サウンドデータの登録を行う(S46)。次いで、副制御部71は、ランプデータの登録を行う(S47)。なお、これらの登録処理は、S44の演出内容決定処理において登録された演出データに基づいて行われる。そして、S47の処理後、副制御部71は、処理をS41に戻し、S41以降の処理を繰り返す。
(3)演出内容決定処理
次に、図10を参照して、演出登録タスクのフローチャート(図9参照)中のS44で行う演出内容決定処理の一例について説明する。なお、演出登録タスクのフローチャートは、図10に示す例に限定されず、主制御基板31から副制御基板32に送信されるコマンドの種類等に応じて適宜変更される。
まず、副制御部71は、スタートコマンド受信時であるか否かを判別する(S51)。
S51において、副制御部71がスタートコマンド受信時であると判別したとき(S51がYES判定の場合)、副制御部71は、スタートコマンド受信時処理を行う(S52)。この処理では、副制御部71は、演出用乱数値を抽出し、内部当籤役等に基づいて演出番号を抽籤により決定して登録する。ここで、演出番号は、今回実行する演出内容を指定するデータである。
次いで、副制御部71は、登録されている演出番号に応じて、スタート時の演出データを登録する(S53)。なお、演出データは、アニメーションデータ、サウンドデータ及びランプデータを指定するデータである。それゆえ、演出データが登録されると、対応するアニメーションデータ等が決定され、映像の表示等の演出が実行される。その後、副制御部71は、演出内容決定処理を終了し、処理を演出登録タスク(図9参照)のS45に移す。
一方、S51において、副制御部71がスタートコマンド受信時でないと判別したとき(S51がNO判定の場合)、副制御部71は、リール停止コマンド受信時であるか否かを判別する(S54)。
S54において、副制御部71がリール停止コマンド受信時であると判別したとき(S54がYES判定の場合)、副制御部71は、登録されている演出番号及び作動ストップボタンの種別に応じて、停止時の演出データを登録する(S55)。その後、副制御部71は、演出内容決定処理を終了し、処理を演出登録タスク(図9参照)のS45に移す。
一方、S54において、副制御部71がリール停止コマンド受信時でないと判別したとき(S54がNO判定の場合)、副制御部71は、表示コマンド受信時であるか否かを判別する(S56)。
S56において、副制御部71が表示コマンド受信時であると判別したとき(S56がYES判定の場合)、副制御部71は、登録されている演出番号及び表示役に応じて、表示時の演出データを登録する(S57)。その後、副制御部71は、演出内容決定処理を終了し、処理を演出登録タスク(図9参照)のS45に移す。
一方、S56において、副制御部71が表示コマンド受信時でないと判別したとき(S56がNO判定の場合)、副制御部71は、ボーナス開始コマンド受信時であるか否かを判別する(S58)。
S58において、副制御部71がボーナス開始コマンド受信時であると判別したとき(S58がYES判定の場合)、副制御部71は、ボーナス開始用の演出データを登録する(S59)。その後、副制御部71は、演出内容決定処理を終了し、処理を演出登録タスク(図9参照)のS45に移す。
一方、S58において、副制御部71がボーナス開始コマンド受信時でないと判別したとき(S58がNO判定の場合)、副制御部71は、ボーナス終了コマンド受信時であるか否かを判別する(S60)。S60において、副制御部71がボーナス終了コマンド受信時でないと判別したとき(S60がNO判定の場合)、副制御部71は、演出内容決定処理を終了し、処理を演出登録タスク(図9参照)のS45に移す。
一方、S60において、副制御部71がボーナス終了コマンド受信時であると判別したとき(S60がYES判定の場合)、副制御部71は、ボーナス終了時用の演出データを登録する(S61)。その後、副制御部71は、演出内容決定処理を終了し、処理を演出登録タスク(図9参照)のS45に移す。
本実施形態のパチスロ1では、上記図6〜図10を参照して説明した各種処理手順に従って、主要動作が行われる。
[主制御基板及び副制御基板]
上述のように、本実施形態のパチスロ1では、主制御基板31及び副制御基板32に実装された各種回路の電源電圧を監視するための電圧監視回路を設ける。ここで、このような電圧監視回路を含む主制御基板31及び副制御基板32の構成例を、図11を参照しながら説明する。図11は、本実施形態のパチスロ1における主制御基板31及び副制御基板32の概略ブロック構成図である。なお、図11には、説明を簡略化するため、主に、電源電圧の監視動作に関連する構成部を示す。
(1)主制御基板
主制御基板31には、図11に示すように、図4で説明した主制御回路41だけでなく、第1電圧監視回路91が実装され、第1電圧監視回路91は、主制御回路41内の主制御部51に電気的に接続される。
第1電圧監視回路91は、主制御部51(メインCPU)の電源電圧(以下、第1電源電圧Vcc1という)を監視し、第1電源電圧Vcc1に異常が発生した場合には、リセット信号を主制御部51に出力する。それゆえ、第1電圧監視回路91は、このような動作を実現するために、機能的には、主に、第1電圧監視部91aと、リセット信号出力部91bとで構成される。
第1電圧監視部91aは、例えば、比較器等を含み、該比較器により、主制御部51の第1電源電圧Vcc1と所定の閾値電圧(以下、第1閾値電圧Vth1という)とを比較して、主制御部51の電源電圧を監視する。
なお、本実施形態では、主制御部51(メインCPU)の第1電源電圧Vcc1(動作電圧)は5Vとし、主制御部51の動作可能な電圧範囲(以下、動作電圧範囲という)は、4.5V〜5.5Vであるとする。そして、本実施形態では、主制御部51の動作電圧の下限値(4.5V)を第1閾値電圧Vth1とする。ただし、本発明はこれに限定されず、第1閾値電圧Vth1は、例えば、主制御部51の動作電圧範囲に応じて適宜変更可能である。また、例えば、第1電源電圧Vcc1の監視精度(監視誤差)等を考慮して、第1閾値電圧Vth1を主制御部51の動作電圧の下限値(仕様値)より若干高い値に設定してもよい。
リセット信号出力部91bは、第1電圧監視部91aの監視結果に基づいて、リセット信号を主制御部51に出力する。具体的には、リセット信号出力部91bは、何らかのエラー事象により第1電源電圧Vcc1の値が第1閾値電圧Vth1(4.5V)以下になった場合(第1電源電圧Vcc1に異常が発生した場合)には、主制御部51のリセット信号用の入力端子(入力ポート)にリセット信号を出力する。これにより、主制御部51がリセットされる。
なお、第1電圧監視回路91は、上記動作を可能にする回路であれば任意の回路で構成することができ、例えば、従来市販されている電圧監視用IC(Integrated Circuit)で構成することができる。
(2)副制御基板
副制御基板32には、図11に示すように、図5で説明した副制御回路42だけでなく、インターフェイス回路80、レベル変換回路81、第2電圧監視回路92及び第3電圧監視回路93(電圧監視部)が実装される。
副制御基板32において、インターフェイス回路80及びレベル変換回路81は、主制御部51から送信されるコマンドの入力端から副制御部71(サブCPU)に至る信号経路上に設けられる。この際、コマンドの入力端がインターフェイス回路80の入力端子に接続され、インターフェイス回路80の出力端子がレベル変換回路81の入力端子に接続される。また、レベル変換回路81の出力端子は、副制御部71の所定のコマンド入力端子に接続される。すなわち、主制御部51から送信されたコマンドは、インターフェイス回路80及びレベル変換回路81を介して副制御部71に入力される。また、第2電圧監視回路92は、副制御部71に電気的に接続され、第3電圧監視回路93は、インターフェイス回路80及び副制御部71に電気的に接続される。
インターフェイス回路80は、少なくともプルアップ抵抗を含むインターフェイス回路であり、例えば、従来市販されているインターフェイス回路で構成することができる。なお、インターフェイス回路80としては、プルアップ抵抗だけでなく、ダンピング抵抗を含むインターフェイス回路を用いてもよい。
また、本実施形態では、インターフェイス回路80を、主制御部51と同じ電源電圧(第1電源電圧Vcc1=5.0V)で動作させる。なお、インターフェイス回路80の駆動電源は、主制御部51の駆動電源と共通であってもよいし、主制御部51の駆動電源とは別個に設けてられていてもよい。
レベル変換回路81は、インターフェイス回路80の出力電圧の最大値(=Vcc1)を、副制御部71の動作電圧レベル(後述のVcc2)に変換する。本実施形態では、後述するように、副制御部71の動作電圧を3.3Vとするので、レベル変換回路81では、5Vの電圧レベルを3.3Vの電圧レベルに変換する。レベル変換回路81は、このような動作を可能にする回路であれば任意の回路で構成することができ、例えば、従来市販されているレベル変換回路で構成することができる。
第2電圧監視回路92は、副制御部71(サブCPU)の電源電圧(以下、第2電源電圧Vcc2という)を監視し、第2電源電圧Vcc2に異常が発生した場合には、リセット信号を副制御部71に出力する。それゆえ、第2電圧監視回路92は、このような動作を実現するために、機能的には、主に、第2電圧監視部92aと、リセット信号出力部92bとで構成される。
第2電圧監視部92aは、例えば、比較器等を含み、該比較器により、副制御部71の第2電源電圧Vcc2と所定の閾値電圧(以下、第2閾値電圧Vth2という)とを比較して、副制御部71の電源電圧を監視する。
なお、本実施形態では、副制御部71(サブCPU)の第2電源電圧Vcc2(動作電圧)は3.3Vとし、副制御部71の動作電圧範囲は、3.0V〜3.6Vであるとする。そして、本実施形態では、副制御部71の動作電圧の下限値(3.0V)を第2閾値電圧Vth2とする。ただし、本発明はこれに限定されず、第2閾値電圧Vth2は、例えば、副制御部71の動作電圧範囲に応じて適宜変更可能である。また、例えば、第2電源電圧Vcc2の監視精度(監視誤差)等を考慮して、第2閾値電圧Vth2を副制御部71の動作電圧の下限値(仕様値)より若干高い値に設定してもよい。
リセット信号出力部92bは、第2電圧監視部92aの監視結果に基づいて、リセット信号を副制御部71に出力する。具体的には、リセット信号出力部92bは、何らかのエラー事象により第2電源電圧Vcc2の値が第2閾値電圧Vth2(3.0V)以下になった場合(第2電源電圧Vcc2に異常が発生した場合)には、副制御部71のリセット信号用の入力端子(入力ポート)にリセット信号を出力する。これにより、副制御部71がリセットされる。
なお、第2電圧監視回路92は、上記動作を可能にする回路であれば任意の回路で構成することができ、例えば、従来市販されている電圧監視用ICで構成することができる。
第3電圧監視回路93は、インターフェイス回路80の電源電圧(第1電源電圧Vcc1)を監視し、第1電源電圧Vcc1に異常が発生した場合には、割込信号を副制御部71に出力する。それゆえ、第3電圧監視回路93は、このような動作を実現するために、機能的には、主に、第1電圧監視部93aと、割込信号出力部93bとで構成される。
第1電圧監視部93aは、第1電圧監視回路91内の第1電圧監視部91aと同様に、例えば、比較器等を含み、該比較器により、第1電源電圧Vcc1と第1閾値電圧Vth1とを比較して、インターフェイス回路80の電源電圧を監視する。
割込信号出力部93bは、第1電圧監視部93aの監視結果に基づいて、割込信号を副制御部71に出力する。具体的には、割込信号出力部93bは、何らかのエラー事象(後述のゴト行為を含む)により第1電源電圧Vcc1の値が第1閾値電圧Vth1(4.5V)以下になった場合(第1電源電圧Vcc1に異常が発生した場合)には、副制御部71の割込信号用の入力端子(入力ポート)に割込信号を出力する。この場合、副制御部71は、例えば、エラーが発生したことを報知する処理や遊技に対してペナルティを与える処理などの特定の割込処理を行う。なお、この特定の割込処理については、後述の第3電圧監視回路93の動作説明で詳述する。
第3電圧監視回路93の構成は、機能的には、第1電圧監視回路91の構成と同様であり、監視する電圧レベルも同じである。それゆえ、本実施形態では、第3電圧監視回路93を、第1電圧監視回路91と同じ回路で構成することができ、例えば、従来市販されている電圧監視用ICで構成することができる。なお、本発明はこれに限定されず、例えば、第3電圧監視回路93を第1電圧監視回路91と異なる動作特性を有する回路で構成してもよい。例えば、インターフェイス回路80の動作電圧範囲が主制御部51の動作電圧範囲と異なっている場合には、第3電圧監視回路93の第1閾値電圧Vth1を、第1電圧監視回路91のそれと異なった値に設定してもよい。
[ゴト行為の防止手法]
次に、本実施形態のパチスロ1におけるゴト行為の防止手法について説明する。上記課題で説明したように、従来、副制御基板32内におけるコマンドの入力端から副制御回路42に至るまでの信号経路に対して行われるゴト行為については、その防止対策がなされていない。ここで、該信号経路に対して行われるゴト行為の一例を説明する。
いま、本実施形態のパチスロ1では、図11に示すように、サブデバイス部43に含まれる各種サブデバイスのうち、発光装置20(ランプ)の駆動電源がインターフェイス回路80の駆動電源と共有されている場合を考える。なお、通常、インターフェイス回路80と同じ駆動電源が使用されるサブデバイスは、発光装置20に限定されず、例えばパチスロ1の機種等に応じて異なる。
副制御基板32内におけるコマンドの入力端から副制御回路42に至るまでの信号経路に対して行われるゴト行為は、例えば、インターフェイス回路80の第1電源電圧Vcc1を短絡させることにより行われる。ただし、パチスロ1の構造上、インターフェイス回路80に対して直接ゴト行為を行うことは難しいので、駆動電源をインターフェイス回路80と共通して使用するサブデバイス(本実施形態では発光装置20)に対してゴト行為が行われる。すなわち、パチスロ1のフロントドア1bに取り付けられた発光装置20の第1電源電圧Vcc1を短絡させることにより、コマンドの入力端から副制御回路42に至るまでの信号経路に対してゴト行為が行われる。
このようなゴト行為が行われた場合の影響を次に説明する。なお、本実施形態のパチスロ1では、副制御部71(副制御基板32)が、主制御部51(主制御基板31)から「リプレイ」に係る表示役の情報を含むコマンド(表示コマンド)を3回続けて受信した場合、特定の小役の成立をランプ等でナビゲートする機能であるアシストタイム(以下、「AT」という)の特典が遊技者に付与されるものとする。さらに、このような特典付与を行うパチスロ1において、いま、主制御部51(主制御基板31)から、「リプレイ」に係る表示コマンド、「ハズレ」に係る表示コマンド、「リプレイ」に係る表示コマンド、及び、「リプレイ」に係る表示コマンドがこの順で副制御部71(副制御基板32)に送信される場合を考える。
このような場合において、「ハズレ」に係る表示コマンドの受信のタイミングで、上記ゴト行為が行われ、インターフェイス回路80の第1電源電圧Vcc1が短絡されると、出力端の電圧レベルが5Vから0Vになり、インターフェイス回路80の出力端の電圧レベルの変化が無くなる。この状態は、主制御部51(主制御基板31)から副制御部71(副制御基板32)にコマンドが送信されていないときの状態と同じになる。すなわち、ゴト行為により、「ハズレ」に係る表示コマンドが副制御部71で受信されなかった状態(主制御部51から、「ハズレ」に係る表示コマンドが送信されなかった状態)が生成される。
それゆえ、このようなゴト行為が行われると、副制御部71は、「リプレイ」に係る表示コマンドを3回続けて受信したと認識し、その結果、遊技者に誤ってATを付与することになる(遊技者に有利な遊技状態となる)。
しかしながら、本実施形態のパチスロ1では、上述のように、インターフェイス回路80の第1電源電圧Vcc1を監視するための第3電圧監視回路93を設ける。そして、第3電圧監視回路93により、インターフェイス回路80の第1電源電圧Vcc1(=5V)が第1閾値電圧Vth1(=4.5V)以下になったか否かを常時監視する。それゆえ、本実施形態では、第3電圧監視回路93により、インターフェイス回路80に対してゴト行為が行われた否かを常時判定することができる。
また、本実施形態のパチスロ1では、例えば、インターフェイス回路80に対してゴト行為が行われ、インターフェイス回路80の第1電源電圧Vcc1が第1閾値電圧Vth1以下になった場合には、第3電圧監視回路93は、副制御部71に割込信号を出力する。
そして、第3電圧監視回路93から副制御部71に割込信号が入力されると、副制御部71は、例えば、エラーが発生したことを報知する処理や遊技に対してペナルティを与える処理などの特定の割込処理(エラー時処理)を行う。
ここで、図12を参照しながら、エラー発生時に、副制御部71(サブCPU)が行う割込処理について説明する。なお、図12には、インターフェイス回路80に対するゴト行為発生時における副制御部71の割込処理だけでなく、副制御部71の第2電源電圧Vcc2に異常が発生した場合に行う割込処理のフローも併せて図示する。また、説明を簡略化するため、図12に示す割込処理のフローでは、第3電圧監視回路93からの割込信号及び第2電圧監視回路92からのリセット信号以外のエラー発生に関する信号が副制御部71に入力された場合に行う副制御部71の割込処理のフローの図示は省略する。
図12に示す副制御部71による割込処理では、まず、副制御部71(サブCPU)は、入力されたエラー発生に関する信号が第2電圧監視回路92から入力されたリセット信号であるか否かを判別する(S71)。
S71において、副制御部71が、入力信号がリセット信号であると判別したとき(S71がYES判定の場合)、副制御部71は、初期化処理を行う(S72)。そして、その後、副制御部71は、エラー発生時の割込処理を終了する。
一方、S71において、副制御部71が、入力信号がリセット信号でないと判別したとき(S71がNO判定の場合)、副制御部71は、入力されたエラー発生に関する信号が第3電圧監視回路93から入力された割込信号であるか否かを判別する(S73)。
S73において、副制御部71が、入力信号が割込信号でないと判別したとき(S73がNO判定の場合)、副制御部71は、エラー発生時の割込処理を終了する。
一方、S73において、副制御部71が、入力信号が割込信号であると判別したとき(S73がYES判定の場合)、副制御部71は、特定のエラー時処理(特定の処理)を行う(S74)。そして、その後、副制御部71は、エラー発生時の割込処理を終了する。
S74のエラー時処理では、例えば、ゴト行為等によりエラーが発生した旨の報知(エラーチェックを促すような報知)を行う処理や、ナビ停止等のペナルティを与える処理などが行われる。前者の処理では、報知を所定期間行うようにしてもよいし、パチスロ1に対して何らかの解除操作(例えば、リセット操作、設定変更操作、電源のオン/オフ操作等)が行われるまで、報知し続けるようにしてもよい。なお、ゴト行為等によりエラーが発生した旨の情報を報知し続ける場合には、解除操作が行われるまで、S74の処理が続けられる。
また、エラー時処理として報知を行う場合には、該報知は、インターフェイス回路80と駆動電源を共有していないサブデバイス(ゴト行為が行われたサブデバイス以外のサブデバイス)で行う。それゆえ、本実施形態においてエラー時処理として報知を行う場合には、画像表示装置10(液晶表示装置)及び/又は音声出力装置21L,21R(スピーカ)を用いて報知が行われる。
さらに、エラー時処理として報知を行う場合には、同時に、ゴト行為等の操作が行われたことを示すエラー情報を遊技店のホールコンピュータに送信するようにしてもよい。
なお、本実施形態における、第1電圧監視回路91、第2電圧監視回路92及び第3電圧監視回路93による上記電圧監視動作は、パチスロ1の起動後、主制御部51による遊技の制御動作及び副制御部71による演出の制御動作、すなわち、通常時の遊技処理と並行して常時行われる。そして、第2電圧監視回路92から副制御部71にリセット信号が入力された場合、又は、第3電圧監視回路93から副制御部71に割込信号が入力された場合には、図12で説明した割込処理が、通常時の遊技処理より優先して行われる。
上述のように、本実施形態のパチスロ1では、インターフェイス回路80の第1電源電圧Vcc1を第3電圧監視回路93で監視し、インターフェイス回路80、又は、インターフェイス回路80と駆動電源を共有するサブデバイス(本実施形態では発光装置20)に対してゴト行為が行われ、第1電源電圧Vcc1に異常が発生した場合にはその異常を即座に検出することができる。そして、第1電源電圧Vcc1の異常検出時には、副制御部71により、上述した各種エラー時処理が行われる。それゆえ、本実施形態のパチスロ1では、副制御基板32内におけるコマンドの入力端から副制御回路42に至るまでの信号経路に対するゴト行為を防止することができ、セキュリティをより高めることができる。
<2.第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態に係るパチスロについて説明する。なお、第2の実施形態に係るパチスロでは、その機能フロー、外観及び内部構造、主制御回路、副制御回路及びサブデバイスの構成、並びに、主制御回路及び副制御回路による主要動作の処理フローは、上記第1の実施形態のそれら(図1〜図10参照)と同様である。それゆえ、ここでは、それらの構成及び処理フロー等についての説明は省略する。
[主制御基板及び副制御基板]
本実施形態のパチスロにおいても、上記第1の実施形態と同様に、主制御基板及び副制御基板の各基板に電源電圧を監視するための各種電圧監視回路を設ける。
図13は、本実施形態のパチスロにおける主制御基板及び副制御基板の概略ブロック構成図である。なお、図13には、説明を簡略化するため、主に、電源電圧の監視動作に関連する構成部を示す。また、図13に示す本実施形態のパチスロにおける主制御基板31及び副制御基板44において、図11に示す上記第1の実施形態のパチスロ1における主制御基板31及び副制御基板32と同様の構成には、同じ符号を付して示す。
図13と図11との比較から明らかなように、本実施形態では、副制御基板44の構成が上記第1の実施形態の副制御基板32の構成と異なる。その他の構成は、上記第1の実施形態の対応する構成と同様である。それゆえ、ここでは、副制御基板44の構成についてのみ説明し、その他の構成の説明は省略する。
本実施形態の副制御基板44には、図13に示すように、図5で説明した副制御回路42だけでなく、インターフェイス回路80、レベル変換回路81、第2電圧監視回路92(第2の電圧監視部)及び第3電圧監視回路94(第1の電圧監視部)が実装される。
なお、本実施形態において、副制御回路42、インターフェイス回路80、レベル変換回路81及び第2電圧監視回路92は、上記第1の実施形態の対応する構成と同様の構成であるので、ここでは、これらの構成についての説明は省略する。また、本実施形態では、第3電圧監視回路94は、インターフェイス回路80及び第2電圧監視回路92に電気的に接続されるが、それ以外の各部の電気的な接続関係は、上記第1の実施形態のそれと同様である。
第3電圧監視回路94は、上記第1の実施形態と同様に、インターフェイス回路80の電源電圧(第1電源電圧Vcc1)を監視し、何らかのエラー事象(上記ゴト行為を含む)により第1電源電圧Vcc1に異常が発生した場合には、リセット信号を、第2電圧監視回路92を介して、副制御部71に出力する。それゆえ、第3電圧監視回路94は、このような動作を実現するために、機能的には、主に、第1電圧監視部93aと、リセット信号出力部94bとで構成される。
第1電圧監視部93aは、上記第1の実施形態と同様に、例えば、比較器等を含み、該比較器により、第1電源電圧Vcc1(5V)と第1閾値電圧Vth1(4.5V)とを比較して、インターフェイス回路80の第1電源電圧Vcc1を監視する。
リセット信号出力部94bは、第1電圧監視部93aの監視結果に基づいて、リセット信号を、第2電圧監視回路92を介して、副制御部71に出力する。具体的には、リセット信号出力部94bは、何らかのエラー事象により第1電源電圧Vcc1の値が第1閾値電圧Vth1(4.5V)以下になった場合には、リセット信号を、第2電圧監視回路92を介して、副制御部71のリセット信号用の入力端子に出力する。
なお、本実施形態においても、上記第1の実施形態と同様に、第3電圧監視回路94の構成は、機能的には、第1電圧監視回路91の構成と同様であり、監視する電圧レベルも同じである。それゆえ、第3電圧監視回路94を、第1電圧監視回路91と同じ回路で構成することができ、例えば、従来市販されている電圧監視用ICで構成することができる。なお、本発明はこれに限定されず、例えば、第3電圧監視回路94を第1電圧監視回路91と異なる動作特性を有する回路で構成してもよい。例えば、インターフェイス回路80の動作電圧範囲が主制御部51の動作電圧範囲と異なっている場合には、第3電圧監視回路94の第1閾値電圧Vth1を、第1電圧監視回路91のそれと異なった値に設定してもよい。
また、本実施形態では、上記第1の実施形態と同様に、第2電圧監視回路92において、副制御部71の電源電圧(第2電源電圧Vcc2)が監視されており、第2電源電圧Vcc2に異常が発生した場合には、第2電圧監視回路92は、リセット信号を副制御部71のリセット信号用の入力端子に出力する。すなわち、本実施形態では、インターフェイス回路80の第1電源電圧Vcc1及び/又は副制御部71の第2電源電圧Vcc2に異常が発生した場合には、第2電圧監視回路92からリセット信号が副制御部71に出力される。
それゆえ、第2電圧監視回路92の構成は、実質、内部にOR回路が含まれた構成(不図示)であり、第3電圧監視回路94から入力されたリセット信号及び第2電圧監視回路92内のリセット信号出力部92bから出力されたリセット信号の少なくとも一方が該OR回路に入力された場合には、該OR回路からリセット信号が副制御部71に出力される。
上述のように、本実施形態では、上述したゴト行為等により、インターフェイス回路80の第1電源電圧Vcc1に異常が発生した場合には、第3電圧監視回路94から副制御部71に、割込信号でなく、リセット信号が出力される。それゆえ、本実施形態では、副制御基板32内におけるコマンドの入力端から副制御回路42に至るまでの信号経路に対してゴト行為が行われた場合、副制御部71は、割込処理として、上述した特定のエラー時処理でなく、初期化処理を行う。
[ゴト行為の防止手法]
次に、本実施形態における、副制御基板32内のコマンドの入力端から副制御回路42に至るまでの信号経路に対して行われるゴト行為の防止手法を、図14を参照しながら説明する。
図14は、上述したゴト行為等により、エラーが発生した場合に副制御部71において行う割込処理のフローチャートである。なお、図14には、上述したゴト行為発生時における副制御部71の割込処理だけでなく、副制御部71の第2電源電圧Vcc2に異常が発生した場合に行う割込処理のフローも併せて図示する。また、説明を簡略化するため、図14に示す割込処理のフローでは、第3電圧監視回路94及び/又は第2電圧監視回路92からのリセット信号以外のエラー発生に関する信号が副制御部71に入力された場合に行う副制御部71の割込処理のフローの図示は省略する。
上述のように、本実施形態では、ゴト行為によりインターフェイス回路80の第1電源電圧Vcc1が短絡されたこと(異常が発生したこと)を、第3電圧監視回路94で検出した場合には、上記第1の実施形態で行った割込信号に基づく特定のエラー時処理ではなく、リセット信号に基づく初期化処理を行う。それゆえ、図14に示す本実施形態における副制御部71の割込処理の処理フローは、図12に示す上記第1の実施形態の割込処理の処理フローにおいて、割込信号に基づく処理を省略した処理フローになる。
具体的には、本実施形態の割込処理では、まず、副制御部71(サブCPU)は、入力されたエラー発生に関する信号が第2電圧監視回路92から入力されたリセット信号であるか否かを判別する(S81)。
S81において、副制御部71が、入力信号がリセット信号でないと判別したとき(S81がNO判定の場合)、副制御部71は、エラー発生時の割込処理を終了する。
一方、S81において、副制御部71が、入力信号がリセット信号であると判別したとき(S81がYES判定の場合)、副制御部71は、初期化処理を行う(S82)。そして、その後、副制御部71は、エラー発生時の割込処理を終了する。
本実施形態では、ゴト行為によりエラーが発生した際には、このようにして、副制御部71による割込処理が行われる。なお、本実施形態においても、第1電圧監視回路91、第2電圧監視回路92及び第3電圧監視回路94による電源電圧の監視動作は、上記第1の実施形態と同様に、パチスロ1の起動後、通常時の遊技処理(主制御部51による遊技の制御動作及び副制御部71による演出の制御動作)と並行して常時行われる。そして、第2電圧監視回路92から副制御部71にリセット信号が入力された場合、又は、第3電圧監視回路94から第2電圧監視回路92を介してリセット信号が入力された場合には、図14で説明した割込処理が、通常時の遊技処理より優先して行われる。
上述のように、本実施形態のパチスロにおいても、上記第1の実施形態と同様に、インターフェイス回路80の第1電源電圧Vcc1を第3電圧監視回路94で監視し、例えばゴト行為等により第1電源電圧Vcc1に異常(短絡)が発生した場合にはその異常を即座に検出することができる。そして、第1電源電圧Vcc1の異常検出時には、副制御部71により、初期化処理が行われる。それゆえ、本実施形態のパチスロにおいても、上記第1の実施形態と同様に、副制御基板32内におけるコマンドの入力端から副制御回路42に至るまでの信号経路に対するゴト行為を防止することができ、セキュリティをより高めることができる。
<3.第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態に係るパチスロについて説明する。なお、第3の実施形態に係るパチスロでは、その機能フロー、外観及び内部構造、主制御回路、副制御回路及びサブデバイスの構成、並びに、主制御回路及び副制御回路による主要動作の処理フローは、上記第1の実施形態のそれら(図1〜図10参照)と同様である。それゆえ、ここでは、それらの構成及び処理フロー等についての説明は省略する。
本実施形態のパチスロにおいても、上記第1の実施形態と同様に、主制御基板及び副制御基板の各基板に電源電圧を監視するための各種電圧監視回路を設ける。
図15は、本実施形態のパチスロにおける主制御基板及び副制御基板の概略ブロック構成図である。なお、図15には、説明を簡略化するため、主に、電源電圧の監視動作に関連する構成部を示す。また、図15に示す本実施形態のパチスロにおける主制御基板31及び副制御基板45において、図13に示す上記第2の実施形態のパチスロにおける主制御基板31及び副制御基板44と同様の構成には、同じ符号を付して示す。
図15と図13との比較から明らかなように、本実施形態では、副制御基板45の構成が上記第2の実施形態の副制御基板44の構成と異なる。その他の構成は、上記第2の実施形態の対応する構成と同様である。それゆえ、ここでは、副制御基板45の構成についてのみ説明し、その他の構成の説明は省略する。
本実施形態の副制御基板45には、図15に示すように、図5で説明した副制御回路42だけでなく、インターフェイス回路80、レベル変換回路81、第2電圧監視回路92(第2の電圧監視部)、第3電圧監視回路94(第1の電圧監視部)及びOR回路95(リセット信号出力部)が実装される。
なお、本実施形態において、副制御回路42、インターフェイス回路80及びレベル変換回路81は、上記第1の実施形態と同様の構成であるので、ここでは、これらの構成についての説明は省略する。また、これらの回路間の接続関係も上記第1の実施形態のそれと同様である。
第2電圧監視回路92は、上記第1の実施形態と同様に、副制御部71に電気的に接続され、副制御部71の電源電圧(第2電源電圧Vcc2)を監視する。なお、第2電圧監視回路92の内部構成は、上記第1の実施形態の第2電圧監視回路92と同様に構成することができ、第2電圧監視回路92は、例えば、従来市販されている電圧監視用ICで構成することができる。また、第2電圧監視回路92は、OR回路95の一方の入力端子に接続され、何らかのエラー事象により第2電源電圧Vcc2の値が第2閾値電圧Vth2以下になった場合には、OR回路95の一方の入力端子にリセット信号を出力する。
第3電圧監視回路94は、上記第1の実施形態と同様に、インターフェイス回路80に電気的に接続され、インターフェイス回路80の電源電圧(第1電源電圧Vcc1)を監視する。なお、第3電圧監視回路94の内部構成は、上記第2の実施形態の第3電圧監視回路94と同様に構成することができ、第3電圧監視回路94は、例えば、従来市販されている電圧監視用ICで構成することができる。また、第3電圧監視回路94は、OR回路95の他方の入力端子に接続され、何らかのエラー事象(上記ゴト行為を含む)により第1電源電圧Vcc1の値が第1閾値電圧Vth1以下になった場合には、OR回路95の他方の入力端子にリセット信号を出力する。
OR回路95の出力端子は副制御部71のリセット信号用の入力端子に接続される。そして、OR回路95は、第2電圧監視回路92及び/又は第3電圧監視回路94からリセット信号が入力された場合に、リセット信号を副制御部71に出力する。上記第2の実施形態では、第2電圧監視回路92の内部にOR回路が含まれる構成であるが、本実施形態では、OR回路が第2電圧監視回路92の外部に別途設けられた構成である。
上記構成の本実施形態のパチスロにおいて、インターフェイス回路80の第1電源電圧Vcc1及び/又は副制御部71の第2電源電圧Vcc2に異常が発生した場合には、OR回路95からリセット信号が副制御部71に出力される。すなわち、本実施形態では、上記第2の実施形態と同様に、ゴト行為によりインターフェイス回路80の第1電源電圧Vcc1が短絡されたこと(異常が発生したこと)を、第3電圧監視回路94で検出した場合には、リセット信号を副制御部71に入力して初期化処理を行う。それゆえ、本実施形態におけるエラー発生時に行う副制御部71の割込処理の処理フローは、図14に示す上記第2の実施形態の割込処理のフローと同様になる。
上述のように、本実施形態のパチスロにおいても、上記第1及び第2の実施形態と同様に、インターフェイス回路80の第1電源電圧Vcc1を第3電圧監視回路94で監視し、例えばゴト行為等により第1電源電圧Vcc1に異常(短絡)が発生した場合にはその異常を即座に検出することができる。そして、第1電源電圧Vcc1の異常検出時には、副制御部71により初期化処理が行われる。それゆえ、本実施形態のパチスロにおいても、上記第1及び第2の実施形態と同様に、副制御基板32内におけるコマンドの入力端から副制御回路42に至るまでの信号経路に対するゴト行為を防止することができ、セキュリティをより高めることができる。
なお、上記各種実施形態では、遊技機としてパチスロを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されない。本発明の技術は、例えばパチンコや他の遊技機などにも適用可能であり、同様の効果が得られる。