JP5527097B2 - 造形方法 - Google Patents
造形方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5527097B2 JP5527097B2 JP2010182422A JP2010182422A JP5527097B2 JP 5527097 B2 JP5527097 B2 JP 5527097B2 JP 2010182422 A JP2010182422 A JP 2010182422A JP 2010182422 A JP2010182422 A JP 2010182422A JP 5527097 B2 JP5527097 B2 JP 5527097B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- slurry
- polyvinyl alcohol
- layer
- degree
- binding
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Description
層目の層における結着部分を張り出させるとともに、第一のスラリーを用いて該第k層目の層を形成し、前記溶解液に対する溶解性が前記第一のスラリーよりも高い第二のスラリーを用いて前記第k+1層目の層を形成する。
この発明では、疎水性の粒体と、水系溶媒と、これら疎水性の粒体と水系溶媒とに親和性を有する両親媒性ポリマーとによって、スラリーが構成されている。こうした両親媒性固体ポリマーは、その疎水性も部位において疎水性の粒体と親和性を有するとともに、その親水性の部位において水系溶媒と親和性を有する。このように両親媒性固体ポリマーを介することによって、疎水性の粒体を水系溶媒中に均一に分散させることができるようになる。それゆえに、スラリーを用いて形成された造形物においては、その形成材料たる疎水性の粒体が均一に分布するようになる。また、このようなスラリーからなる層の未結着部分が、スラリーの構成材料である水系溶液によって溶解されるため、積層体から未結着部分を取り除くことが、より容易なものとなる。
るポリビニルアルコールの鹸化度よりも高くなる。よって、第(k+1)層目の未結着部分が溶解液によって取り除かれる間、第k層目の未結着部分によって張り出し部分が確実に支持されるようになる。
この発明によれば、結着部分の形状の精度を高めること、ひいては造形物の形状の精度を高めることができる。
本実施の形態のスラリーは、次の3つの材料が混練された懸濁物である。
(B)水系溶媒
(C)両親媒性ポリマー
上記疎水性粒体は、スラリーを用いて形成される造形物の主要な構成材料である。疎水性粒体には、疎水性の樹脂の粒体、例えばアクリル樹脂粉末、シリコン樹脂粉末、アクリルシリコン樹脂粉末、ポリエチレン樹脂粉末、及びポリエチレンアクリル酸共重合樹脂粉末を用いることができる。なお、本実施の形態における疎水性粒体とは、100gの水系溶媒に対して1g以上溶解しない粒体のことである。
る親水性の部分を介して、水系溶媒中に均一に分散される。そのため、こうしたスラリーを用いて形成された造形物においては、形成材料である疎水性粒体が均一に存在することになる。なお、こうした両親媒性ポリマーは、それ自体が造形物の形成材料であるため、造形物の形成時には、形成途中の、あるいは完成した造形物から両親媒性ポリマーを取り除くといった操作を必要としない。
[(A)疎水性粒体]
疎水性粒体としての粉末樹脂材料は、真球形状の粒体を含有していることが好ましい。これにより、造形物の形状に係る制御性、特に造形物の外形を規定する辺や角部における形状の制御性が向上する。
シリコン樹脂粉末材料としては、例えば、トスパール1110(粒径11μm)、トスパール120(粒径2μm)、トスパール130(粒径3μm)、トスパール145(粒径4.5μm)、トスパール2000B(粒径6μm)、トスパール3120(粒径12μm)(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)(トスパール:登録商標)等が挙げられる。
アクリル樹脂としては、例えば、エポスターMA1013(粒径12〜15μm)、エポスターMA1010(粒径8〜12μm)、エポスターMA1006(粒径5〜7μm)((株)日本触媒製)(エポスター:登録商標)が挙げられる。
[(C)両親媒性固体ポリマー]
両親媒性固体ポリマーの好ましい例として、ポリビニルアルコールが挙げられる。ポリビニルアルコールの構造を以下に示す。
(b)ポリ酢酸ビニルのエステル結合を加水分解(鹸化)して、−C=OCH3を−Hに置換する。
これら重合度及び鹸化度には以下のような傾向がある。
・重合度が小さい程、水系溶媒に対するポリビニルアルコールの溶解性が高くなる。
・鹸化度が大きい程、親水性が増大するため、水系溶媒に対するポリビニルアルコール
の溶解性が高くなる。
・ただし、鹸化度が100%付近になるとポリビニルアルコールは結晶化しやすくなるため、水系溶媒に対するポリビニルアルコールの溶解性が極端に低くなる。
向に垂直な方向に張り出した張り出し部を備えつつ形成される結着部分22bを、機械的に支持する未結着部分23aとして機能する。これにより、例えば、図3(b)に示されるように、上層の結着部分22b,22dがそれぞれ下層の結着部分22a,22cから張り出す張り出し部を有する造形物20を形成する場合であっても、張り出し部を支持する未結着部分を別途形成する必要がなくなる。また、張り出し部の下層に第一のスラリーからなる層が存在する状態で造形物20の形成が行われるため、造形物20の形成途中において張り出し部が欠けることを抑制可能となる。なお、上記紫外線硬化樹脂滴下工程と紫外線照射工程とから結着工程が構成される。
い構成であればよい。上述したように、ポリビニルアルコールにおける鹸化度が86以上96以下である場合、鹸化度が高くなるほど、ポリビニルアルコールの結晶化が進み、ポリビニルアルコールが水系溶媒に溶け難くなる。
第一のスラリーを構成するポリビニルアルコールとしては、ポバールJM−17L(重合度1700、鹸化度95.0〜97.0(96))(日本酢ビ・ポバール(株)製)等が挙げられる。第二のスラリーを構成するポリビニルアルコールとしては、ポバールJP−10(重合度1000、鹸化度86.0〜90.0(88))、ポバールJP−15(重合度1500、鹸化度86.0〜90.0(88))(日本酢ビ・ポバール(株)製)等が挙げられる。そして、上記(A)疎水性粒体としては、シャリーヌR−170Sを、(B)水系溶媒としては水を、(C)両親媒性ポリマーとしてポバールJM−17LまたはポバールJP−10を用い、これらの材料を以下の割合で配合すると好ましい。
(A):(B):(C)=7:3.1:0.22(単位g)
なお、造形物において疎水性粒体の充填率が高くなるほど、該造形物における機械的な強度が高められる。それゆえに、造形物の機械的な強度を高める上では、疎水性粒体が最密に充填されるべく、最密に充填された疎水性粒体の隙間よりも水系溶媒及び両親媒性ポリマーが占める体積が小さくなるような配合比が好ましい。
次に、上記第一のスラリー及び第二のスラリーのより具体的な構成を、実施例を挙げて説明する。
し、それぞれの溶断時間を測定することにより行った。上記8種類のポリビニルアルコールのうち、重合度が600である4種類のスラリーの溶解時間を表1に示す。また、重合度が1700である残りの4種類のスラリーの溶解時間を表2に示す。
(1)水系溶媒である水と、疎水性粒体である樹脂の粒体と、両親媒性ポリマーであるポリビニルアルコールとからスラリーを構成するようにした。これにより、造形物20を形成する樹脂粒体が、水及びポリビニルアルコールとともに混合されることによって、懸濁液であるスラリー中に存在する。また、当該スラリーにおいては、ポリビニルアルコールにおける炭化水素鎖が樹脂粒体と親和性を有するため、粒体同士がポリビニルアルコールを介して繋がれた状態にある。つまり、樹脂粒体同士は、互いに独立した状態にあるのではなく、ポリビニルアルコールの介在によって互いに架橋された状態にある。そのため、造形物20の形成過程においても、樹脂粒体は粒体間の架橋によって形成された構造中に保持される。したがって、粒体の飛散が抑制されるようになる。
り除かれる。そのため、第(k+1)層目の未結着部分23b,23dが溶解液によって取り除かれる間、第k層目の未結着部分23a,23cによって張り出し部分が支持されるようになる。それゆえに、第(k+1)層目の未結着部分23b,23dを取り除くために必要とされる負荷が第k層目の未結着部分23a,23cへ分散する分、張り出し部分が変形することを抑えることができる。
(6)両親媒性固体ポリマーとしてポリビニルアルコールを使用し、その重合度を600以上1700以下とするとともに、第一のスラリーが含むポリビニルアルコールの重合度が、第二のスラリーが含むポリビニルアルコールの重合度よりも高くなるようにした。これにより、第一のスラリーが水系溶媒に溶解する溶解性は、第二のスラリーが同水系溶媒に溶解する溶解性よりも、確実に低くなる。それゆえに、第二のスラリーからなる未結着部分を、第一のスラリーからなる未結着部分よりも先に、確実に溶解することができる。
・上記結着液は、紫外線硬化樹脂を含むUVインクIに限らず、熱硬化樹脂を含む液状体に具現化することもできる。このようにしても、上記(1)〜(9)と同様な効果を得ることができる。
ポリビニルアルコールは、重合度が大きいものほど、それを含む構造体の機械的強度が増大する一方、水系溶媒に対する溶解度は低下する。スラリーからなる単一層における機械的強度に鑑みれば、スラリーに含まれるポリビニルアルコールの重合度をより大きくすることが好ましい。しかし、単一層を積層することによって造形物を形成するとなれば、重合度の増大によってポリビニルアルコールの溶解度が低下する。そのため、隣接する単一層の接合面における接着性が低下し、層間における機械的強度が低下することとなる。
・紫外線硬化樹脂と同系でない、あるいは同系の材料が表面に導入されていない疎水性粒子を用いてもよい。
・両親媒性ポリマーはポリビニルアルコールに限らず、疎水性粒体の間に介在してこれらを繋ぐとともに、該疎水性粒体を水系溶媒中に均一に分散可能な両親媒性ポリマーであればよい。
・疎水性粒体には、その表面に親水基を有するものを用いてもよい。
・また水系溶媒は、水に水溶性の有機溶媒を添加したものであってもよい。
よい。なおこの場合、造形物20を構成する疎水性の粒体としては、上記シリコン酸化物等の有機溶媒に対する溶解性が低いものを用いることが好ましい。
Claims (5)
- 粒体を含むスラリーからなる層を形成する層形成工程と、
前記層の一部に結着液を浸透させた後に該結着液を硬化して、該結着液を介して前記粒体同士が結着した結着部分を前記層に区画する結着工程と、
前記結着部分を含む前記層に溶解液を供給して未結着部分を取り除く除去工程と
を含み、
前記層形成工程と前記結着工程とを交互に繰り返すことにより前記結着部分を含む前記層が積層された積層体を形成した後、前記積層体に対して前記除去工程を施すことにより前記結着部分が積層された造形物を造形する造形方法であって、
第k層目(kは1以上の整数)の層における結着部分上から第(k+1)層目の層における結着部分を張り出させるとともに、
第一のスラリーを用いて該第k層目の層を形成し、
前記溶解液に対する溶解性が前記第一のスラリーよりも高い第二のスラリーを用いて前記第k+1層目の層を形成する
ことを特徴とする造形方法。 - 前記スラリーは、
疎水性の粒体と、水系溶媒と、該水系溶媒に溶解した両親媒性ポリマーとを含み、
前記溶解液は、
前記水系溶媒である
請求項1に記載の造形方法。 - 前記両親媒性ポリマーは、ポリビニルアルコールであり、
前記ポリビニルアルコールの重合度は、600以上1700以下であり、
前記第一のスラリーに含まれるポリビニルアルコールの重合度は、前記第二のスラリーに含まれるポリビニルアルコールの重合度よりも高い
請求項2に記載の造形方法。 - 前記両親媒性ポリマーは、ポリビニルアルコールであり、
前記ポリビニルアルコールの鹸化度は、86以上96以下であり、
前記第一のスラリーに含まれるポリビニルアルコールの鹸化度は、前記第二のスラリーに含まれるポリビニルアルコールの鹸化度よりも高い
請求項2又は請求項3に記載の造形方法。 - 前記結着工程では、前記結着液を液滴にして吐出する液滴吐出法を用いて前記層に前記結着液を浸透させる
請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の造形方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010182422A JP5527097B2 (ja) | 2010-08-17 | 2010-08-17 | 造形方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010182422A JP5527097B2 (ja) | 2010-08-17 | 2010-08-17 | 造形方法 |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014084498A Division JP5904231B2 (ja) | 2014-04-16 | 2014-04-16 | 造形方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012040721A JP2012040721A (ja) | 2012-03-01 |
JP5527097B2 true JP5527097B2 (ja) | 2014-06-18 |
Family
ID=45897571
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2010182422A Expired - Fee Related JP5527097B2 (ja) | 2010-08-17 | 2010-08-17 | 造形方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5527097B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015182424A (ja) * | 2014-03-26 | 2015-10-22 | セイコーエプソン株式会社 | 三次元造形物の製造方法、三次元造形物製造装置および三次元造形物 |
-
2010
- 2010-08-17 JP JP2010182422A patent/JP5527097B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2012040721A (ja) | 2012-03-01 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5668328B2 (ja) | 造形用スラリー及び造形方法 | |
JP5527098B2 (ja) | 造形方法 | |
JP5609261B2 (ja) | 造形用スラリー及び造形方法 | |
US20180319078A1 (en) | Materials for 3d multi-stage method | |
US9770867B2 (en) | Method and material system for building models in layers | |
KR102106362B1 (ko) | 온도-제어 처리를 사용하는 3d 프린팅 방법 및 장치 | |
JP6000342B2 (ja) | 成形体の製造方法、および装置 | |
KR101148770B1 (ko) | 3d 인쇄 시스템으로부터의 외관 모형용 열가소성 분말 물질 시스템 | |
JP5488406B2 (ja) | 造形用スラリー及び造形方法 | |
JP5920498B2 (ja) | 造形方法 | |
CN105936129A (zh) | 三维造型物制造装置以及三维造型物 | |
JP5621400B2 (ja) | 造形方法 | |
JP5708863B2 (ja) | 造形方法 | |
JP5692430B2 (ja) | 造形方法 | |
JP2011245713A (ja) | 造形方法 | |
JP5527097B2 (ja) | 造形方法 | |
JP5904231B2 (ja) | 造形方法 | |
TW201819156A (zh) | 立體造形用組成物及立體造形物之製造方法以及立體造形物 | |
JP5831610B2 (ja) | 造形方法 | |
JP5668327B2 (ja) | 造形用スラリー及び造形方法 | |
CN115926635B (zh) | 紫外-热双重固化粘结剂及制备方法和在3d打印的应用 | |
JP2016159566A (ja) | 三次元造形物の製造方法および三次元造形物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20130801 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20140311 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20140318 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20140331 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5527097 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |