JP5525298B2 - 導電性窒化シリコン膜の製造方法 - Google Patents

導電性窒化シリコン膜の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、導電性を有し、かつ屈折率が低い導電性窒化シリコン膜およびその製造方法、ならびに当該導電性窒化シリコン膜を含む光電変換装置に関する。
従来、ディスプレイの表示画面には、ガラス基板が適用されてきた。薄膜のガラス基板は割れやすいことから、ディスプレイの表示画面が割れることを避けるために、敢えて厚膜のガラス基板を用いていた。
近年では、ガラス基板に代わる材料として高分子樹脂基材がディスプレイの表示画面に利用されている。高分子樹脂基材は割れる心配がなく、極薄膜のものを用いることができることから、ディスプレイの軽量化および薄膜化に大きく寄与している。しかし、このような高分子樹脂基材を用いることにより、ガラス基板を用いていたときには挙がらなかった問題として、ディスプレイの表示画面のガスバリア性や耐久性が懸念されている。
このような問題を解消するために、たとえば特許文献1では、高分子樹脂基材の表面に窒化シリコン膜を形成する技術が開示されている。特許文献1に示されるように表面に窒化シリコン膜を設けた高分子樹脂基材を用いることにより、ディスプレイの耐久性は著しく向上する。
ところで、このような窒化シリコン膜は、太陽電池の分野でも利用されている。太陽電池は、その内部に入射した光エネルギを電気エネルギに変換するものであることは言うまでもないが、この変換効率は、一度太陽電池に入射した光エネルギの全てを電気エネルギに変えられるほど効率的なものではなく、かかる変換効率の向上が太陽電池における課題の一つとなっている。
上記の課題を解決するための試みとして、たとえば特許文献2においては、開口部を有するシリコン膜を複数のセルの間に介在させた構造の太陽電池が開示されている。以下、図8を用いて説明する。
図8は、特許文献2に開示される太陽電池の模式的な断面図である。特許文献2に開示される太陽電池は、図8に示されるように、ガラス基板41上に、透明電極膜42を形成し、当該透明電極膜42上に第1セル43と第2セル45とがSiO2からなる絶縁膜47を介して積層された構造のものである。
第1セル43と第2セル45との電気的な接続を確保するために、絶縁膜47には開口穴が設けられており、この開口穴を介して第1セル43と第2セル45とが接触している。
特開2007−287786号公報 特開2003−124481号公報
特許文献1で開示される窒化シリコン膜をディスプレイの表面に用いる場合、絶縁性の材料であるため帯電しやすく、ほこりや塵などが静電気によりディスプレイの表面に付着し、画面の視認性が低下するという問題がある。
また、ディスプレイの視認性における別の要求性能として、外光の反射防止という評価項目もある。反射防止機能を付与するためには、空気とディスプレイとの界面の屈折率差がポイントである。すなわち、空気界面との屈折率差をできるだけ小さくすることにより、ディスプレイ表面で反射しにくくなり、ディスプレイから発せられる光がはっきり見えるようになる。よって、窒化シリコン膜を低屈折率化したいというニーズもある。このようにディスプレイの視認性を向上させるために、高い導電性を有し、かつ低屈折率の窒化シリコン膜が求められている。
また、特許文献2で開示される太陽電池において、図8に示される第1セル43と第2セル45との間に配置される絶縁膜47は、太陽電池に入射した光をその内部に閉じ込めるという役割を担うものであり、絶縁膜47の屈折率が低いほど光閉じ込め効果は顕著となる。このため絶縁膜の屈折率は、なるべく小さいことが好ましい。
また、絶縁膜47に形成される開口部は、絶縁膜47に対しレーザー光を照射することにより形成するが、この工程はCVD装置からレーザー装置への入れ替えを伴い製造工程が煩雑となる。すなわちたとえば、CVD装置を用いてガラス基板41上に透明電極膜42、第1セル43、および絶縁膜47を形成した後に、CVD装置からレーザー装置に入れ替えてレーザー光を照射して絶縁膜47に開口部を形成する。その後さらにレーザー装置からCVD装置に戻して第2セル45を形成するというような装置の入れ替えの煩雑さがある。
このような煩雑さを解決するためには、窒化シリコン膜に導電性を付与することが好ましい。導電性を有する窒化シリコン膜を形成することにより、開口部を形成せずとも第1セル43と第2セル45との導通を図ることができる。このように太陽電池の技術分野においても、高導電率と低屈折率とを兼ね備えた窒化シリコン膜のニーズがある。
本発明は、上記のような現状に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、導電性を有し、かつ低屈折率の導電性窒化シリコン膜の製造方法を提供することである。
本発明の導電性窒化シリコン膜の製造方法は、n型またはp型にドーピングされた微結晶シリコン膜を形成する第1ステップと、該微結晶シリコン膜に対し、窒素を含むプラズマを照射して微結晶シリコン膜を窒化することにより、屈折率が1.7以上3.5以下であり、かつ導電率が1×10 -8 S/cm以上である導電性窒化シリコン膜を形成する第2ステップとを含み、第1ステップにおいて、微結晶シリコン膜を形成するときに導入される材料ガスの希釈率は、150以上600以下であり、前記微結晶シリコン膜の厚みは、5nm以上60nm以下であり、前記第2ステップにおいて、前記微結晶シリコン膜の温度は、130℃以上250℃以下であり、前記窒素を含むプラズマは、100Pa以上の圧力で、窒素、アンモニアおよびヒドラジンのいずれかによりなるガスに100mW/cm以上500mW/cm以下の電力を印加することにより生成する、ことを特徴とする。
窒素を含むプラズマは、窒素またはアンモニアのいずれか一方もしくは両方により生成されることが好ましい。
導電性窒化シリコン膜に対し、第1ステップおよび第2ステップと同様の操作を各1回以上実行することにより、導電性窒化シリコン膜を複数積層する第3ステップを含むことが好ましい。
複数の導電性窒化シリコン膜のうちのいずれか1の導電性窒化シリコン膜の厚みは、他のいずれか1の導電性窒化シリコン膜の厚みと異なることが好ましい。
第2ステップのうちのいずれか1の窒素を含むプラズマを照射する時間は、他のいずれか1の第2ステップの窒素を含むプラズマを照射する時間と異なることが好ましい。
第1ステップのうちのいずれか1の材料ガスの希釈率は、他のいずれか1の第1ステップの材料ガスの希釈率と異なることが好ましい。
本発明は、上記のような構成を有することにより、屈折率が低く、かつ導電性を有する導電性窒化シリコン膜を作製することができる。このような導電性窒化シリコン膜を用いて光電変換装置を構成する2つの光電変換部を接続することにより、光電変換効率が高められるとともに、製造工程を簡略化することができる。
第1ステップにより形成された微結晶シリコン膜の導電率および屈折率と、第2ステップにより形成された導電性窒化シリコン膜の導電率および屈折率との関係を示すグラフである。 微結晶シリコン膜を形成するためのプラズマCVD装置の概略断面図である。 第1ステップにおける材料ガスの希釈率と、導電性窒化シリコン膜の屈折率との関係を示すグラフである。 第1ステップにおける材料ガスの希釈率と、導電性窒化シリコン膜の導電率との関係を示すグラフである。 実施の形態2の光電変換装置の一例を示す模式的な断面図である。 実施の形態2の光電変換装置を作製するマルチチャンバ方式のプラズマCVD装置の概略断面図である。 実施の形態4の光電変換装置の一例を示す模式的な断面図である。 特許文献2に開示される太陽電池の模式的な断面図である。
以下、本発明の導電性窒化シリコン膜の製造方法を説明する。なお、本発明の図面において、同一の参照符号は、同一部分または相当部分を表わすものである。また、長さ、幅、厚さ、深さなどの寸法関係は図面の明瞭化と簡略化のために適宜に変更されており、実際の寸法関係を表わすものではない。
<実施の形態1:導電性窒化シリコン膜>
本発明の導電性窒化シリコン膜の製造方法は、n型またはp型にドーピングされた微結晶シリコン膜を形成する第1ステップと、該微結晶シリコン膜に窒素を含むプラズマを照射して微結晶シリコン膜を窒化することにより、導電性窒化シリコン膜を形成する第2ステップとを含むことを特徴とする。ここで、本発明における「微結晶シリコン」とは、結晶粒径が数十から数千Å程度のシリコン結晶が非晶質成分のシリコンの媒体に混ざり合って混合相をなしている状態のシリコンを意味する。
本発明は、微結晶シリコン膜に窒素を含むプラズマを照射することにより、1×10-8Ω/cm以上の導電率を有するとともに、1.7以上3.5以下に屈折率を低減した窒化シリコン膜を作製し得ることを見い出したものである。
すなわち、従来の窒化シリコン膜は、1.0×10-8S/cm以上の導電性を有しなかったため各種用途の積層体の構成の一部に適用できない場合があった。一方、本発明の製造方法により作製される導電性窒化シリコン膜は、屈折率が低く、かつ導電性を有するため、積層体を構成する1層としてあらゆる用途に展開することができ、極めて優れた産業上の利用性を有する。本発明で作製される導電性窒化シリコン膜の用途の一例として、たとえば光電変換装置のセル間に形成される導電性窒化シリコン膜を挙げることができる。
図1は、第1ステップにより形成された微結晶シリコン膜の導電率および屈折率と、第2ステップにより形成された導電性窒化シリコン膜の導電率および屈折率との関係を示すグラフである。図1の縦軸は、微結晶シリコン膜および導電性窒化シリコン膜の導電率を示しており、横軸は、微結晶シリコン膜および導電性窒化シリコン膜の屈折率を示している。図1中、微結晶シリコン膜を□で示し、導電性窒化シリコン膜を◇で示す。なお、参考までに、リンをドーピングした非晶質窒化シリコン膜を△で示す。
図1の□に示されるように、微結晶シリコン膜の屈折率は、4.5程度であり、導電率は2.5×101S/cmである。非晶質窒化シリコン膜に対してリンやボロンをドーピングすることにより、図1中の△で示されるように、屈折率を低減することはできるが、導電性を付与することはできない。そこで、本発明では、かかる微結晶シリコン膜に対し、上記の第2ステップを行なうことにより、1×10-8S/cm以上の導電率を有し、かつその屈折率を1.7以上3.5以下にすることができる(図1中の点線で囲った部分)。以下においては、本発明の製造方法の各ステップを説明する。
<第1ステップ>
本発明における第1ステップは、n型またはp型にドーピングされた微結晶シリコン膜を形成する工程である。このような微結晶シリコン膜は、たとえばプラズマCVD法により形成することができる。以下においては、プラズマCVD法を例にとり、微結晶シリコン膜を形成する方法を説明するが、本発明はこの方法のみに限られるものではない。
図2は、微結晶シリコン膜を形成するためのプラズマCVD装置の概略断面図である。プラズマCVD装置は、図2に示されるように、半導体層を内部で形成するための密閉可能な成膜室20と、成膜室20に混合ガス12を導入するためのガス導入部11と、成膜室20から置換ガスを排気するためのガス排気部6とを備える。かかる成膜室20は、たとえば約1m3のサイズとすることができる。なお、図2に示す構成は、例示であり、別の構成の装置を用いて微結晶シリコン膜を形成してもよい。
そして、成膜室20には、それぞれカソード電極14とアノード電極13という一対の平行平板型の電極が設けられている。そして、カソード電極14とアノード電極13との電極間距離は、所望の処理条件にしたがって決定され、数mmから数十mm程度とするのが一般的である。成膜室20の外部には、カソード電極14に電力を供給する電力供給部8と、電力供給部8とカソード電極14およびアノード電極13との間のインピーダンス整合を行なうインピーダンス整合回路5が設置されている。
電力供給部8は、電力導入線6aの一端に接続される。電力導入線6aの他端は、インピーダンス整合回路5に接続されている。インピーダンス整合回路5には電力導入線6bの一端が接続され、該電力導入線6bの他端には、カソード電極14に接続されている。電力供給部8は、パルス変調によりオンオフが制御される交流出力や、切り替えによりCW(連続波形)交流出力が可能なものを用いることができる。
上記アノード電極13は電気的に接地されている。アノード電極13上には、基板1が設置される。基板1は、カソード電極14上に載置されてもよいが、プラズマ中のイオンダメージによる膜質低下を低減するため、アノード電極13上に設置されることが一般的である。
また、上記成膜室20には、ガス導入部11が設けられている。ガス導入部11からは、希釈ガス、材料ガス、ドーピングガス等を1種以上混合した混合ガス12が導入される。
上記成膜室20には、ガス排気部6と圧力調整のためのバルブ7とが直列に接続され、成膜室20内のガス圧力が略一定に保たれる。ガス圧力は、成膜室20内のガス導入部11およびガス排気口9の近傍で測定すると若干の誤差を生じる。このため、ガス導入部11およびガス排気口9から離れた位置でガス圧力を測定することが望ましい。
ガス排気部6は、成膜室20内のガス圧力を1.0×10-4Pa程度の高真空に排気できることが好ましいが、装置の簡易化、低コスト化およびスループット向上の観点から、0.1Pa程度の圧力とする排気能力を有するものであってもよい。成膜室20の容積は、半導体デバイスの基板サイズの大型化に伴い大容量化している。このような成膜室20を高真空排気する場合、高性能なガス排気部6が必要となるため、装置の簡易化および低コスト化の観点から好ましくない。よって、簡易な低真空用のガス排気部6を使用することがより好ましい。
簡易な低真空用のガス排気部6としては、たとえばロータリーポンプ、メカニカルブースターポンプ、ソープションポンプ等が挙げられ、これらを単独または2以上の組み合せて用いることができる。典型的なガス排気部6としては、メカニカルブースターポンプとロータリーポンプとを直列に接続したものを使用することができる。
上記構成のプラズマCVDを用いて微結晶シリコン膜を形成する。まず、成膜室20内を0.001Paまで排気し、基板1の温度を130℃以上250℃以下に設定する。より好ましくは150℃以上200℃以下とする。
次に、成膜室20内に混合ガスを導入し、排気系に設けられたバルブ7により成膜室20内の圧力を略一定に保つ。成膜室20内の圧力は、たとえば800Pa以上2500Pa以下とすることが好ましい。成膜室20内に導入される混合ガス12としては、希釈ガス、材料ガス、ドーピングガス等を混合したものを使用することができる。
ここで、希釈ガスとしては、水素ガス、アルゴンガス等を含むガスを用いることができる。材料ガスとしてはシラン系ガス、メタンガス、ゲルマンガス等が用いられる。ドーピングガスとしては、ジボランガス等のp型不純物ドーピングガス、ホスフィンガス等のn型不純物ドーピングガスが用いられ、さらに光吸収量を低減するために炭素原子を含むガス(例えばメタンガス)を含んでいてもよい。
このような混合ガスにおいて、材料ガスの希釈率は150以上600以下であることを特徴とする。より好ましくは300以上600以下である。ここで、材料ガスの「希釈率」は、混合ガス中に含まれる材料ガスの割合を意味する。たとえば1体積%のシランガスと99体積%の水素ガスとからなる混合ガスにおける、材料ガスの希釈率は100となる。
上記混合ガスを導入して成膜室20内の圧力が安定した後、カソード電極14に数kHz〜80MHzの交流電力を投入し、カソード電極14とアノード電極13との間にプラズマを発生させる。このプラズマが、導入された混合ガス12を分解し、基板1上に微結晶シリコン膜を形成する。カソード電極14の単位面積あたりの電力密度は、たとえば100mW/cm2以上500mW/cm2以下とすることが好ましい。このような電力密度は、成膜特性および成膜速度の点から公知の方法により調整すればよい。
上記電力密度を維持したままで放置し、微結晶シリコン膜が所望の厚みになったところで電力の投入を停止する。その後、成膜室20内を真空排気する。微結晶シリコン膜の厚さは投入された総電力量、すなわち電力密度×時間に比例して厚くすることができる。微結晶シリコン膜の厚みは、5nm以上60nm以下であることが好ましく、10nm以上30nm以下であることがより好ましく、さらに好ましくは15nm以上20nm以下である。60nmを超えると、後の第2ステップにおいて、微結晶シリコンの内部にまで窒素を導入することができず、導電性窒化シリコン膜の導電率を向上させにくく、かつ屈折率を低下させにくくなる。なお、後述するが、60nmを超える厚みの導電性窒化シリコン膜を形成したい場合、60nm以下の厚みの導電性窒化シリコン膜を複数層積層することにより、60nmを超える厚みとすることができる。
<第2ステップ>
本発明における第2ステップは、第1ステップで形成された微結晶シリコン膜に対して窒素を含むプラズマを照射することにより、微結晶シリコン膜に窒素を導入し、微結晶シリコン膜の屈折率を低下させるとともに、導電率を向上させて導電性窒化シリコン膜とする工程である。このようにして形成される窒化シリコンにおけるSiNの組成比は、1:1の場合のみに限られるものではなく、たとえばSi34、Si23などのように組成比として可能である比を全て含み得るものであり、両者の比は特に限定されない。ただし、微結晶シリコン膜に導入される窒素の量が多いほど、導電性窒化シリコン膜の屈折率が低下することがわかっている。
第2ステップを行なう前に、まず、第1ステップで用いた混合ガスを成膜室内から排気する。ここで、第1ステップで用いた混合ガスの一部が成膜室内に残留する場合、窒素ガスを導入して成膜室内を洗浄し、成膜室内に残留する材料ガスの濃度を希釈した上で排気することが好ましい。
次に、成膜室内に窒素プラズマ源となる窒素供給源を導入し、成膜室内の圧力を100Pa以上300Pa以下に調整する。100Pa未満であると、微結晶シリコン膜の表面のみに窒素が導入されるに留まる傾向があり、屈折率を低下させる効果が得られにくい。
ここで、窒素プラズマ源となる窒素供給源としては、窒素ガス、アンモニアガス、ヒドラジン等を挙げることができる。これらの中でも、窒素を含むプラズマが発生しやすく、安全かつ安価であるという観点から、窒素ガスまたはアンモニアガスのいずれか一方もしくは両方を用いて窒素を含むプラズマを生成することが好ましい。
そして、プラズマ源となるガスに100mW/cm2以上500mW/cm2以下の電力を印加することにより、窒素を含むプラズマを生成する。この窒素を含むプラズマを微結晶シリコン膜に照射することにより、微結晶シリコン膜中に窒素が導入されて、導電性窒化シリコン膜とすることができる。ここで、微結晶シリコン膜に窒素が導入されるメカニズムの詳細は明らかではないが、おそらく微結晶シリコン中に含まれる非晶質シリコンの部分に窒素が導入されるものと推察される。
ここで、微結晶シリコン膜に対し、窒素を含むプラズマを照射する時間は、1分以上30分以下であることが好ましい。1分未満であると、微結晶シリコン膜に窒素が十分に導入されにくく、30分を超えると、導電性が失われ、かつ製造に要する時間が長時間となる。
窒素を含むプラズマにさらす時間を長じると、導電性窒化シリコン膜中の窒素濃度が増加することにより、導電率が低下する傾向がある。また、成膜室内の圧力を高めると、ある導電率を達成するための時間は短くなる傾向がある。基板の大きさや、導電性窒化シリコン膜の厚みによりこれらの条件を変更することが好ましい。たとえば基板が大きくなるにつれて、または微結晶シリコン膜の厚みが厚くなるにつれて照射する時間を長くするか、成膜室内の圧力を高めることが好ましい。
図3は、第1ステップにおける材料ガスの希釈率と、導電性窒化シリコン膜の屈折率との関係を示すグラフである。図3においては、第1ステップで導入する材料ガスの希釈率を100〜600に変動して作製した微結晶シリコン膜に対し、第2ステップを種々の条件で行なったときに得られる導電性窒化シリコン膜の屈折率を◇で示している。なお、図3中の□は、微結晶シリコン膜の屈折率を示し、図3中の△は、非晶質窒化シリコン膜の屈折率を示している。
図3に示される結果から、材料ガスの希釈率を150以上600以下として形成した微結晶シリコン膜に対し、窒素を含むプラズマを照射することにより、導電性窒化シリコン膜の屈折率を1.7以上3.5以下にすることができることが明らかである。
図4は、第1ステップにおける材料ガスの希釈率と、導電性窒化シリコン膜の導電率との関係を示すグラフである。図4においては、第1ステップで導入する材料ガスの希釈率を100〜600に変動して作製した微結晶シリコン膜に対し、第2ステップを種々の条件で行なったときに得られる導電性窒化シリコン膜の導電率を◇で示している。なお、図4中の□は、微結晶シリコン膜の導電率を示し、図4中の△は、非晶質窒化シリコン膜の導電率を示している。
図4に示される結果から、材料ガスの希釈率を150以上600以下として形成した微結晶シリコンに窒素を含むプラズマを照射することにより、導電性窒化シリコン膜の導電率を1.0×10-8S/cm以上にすることができることが明らかである。
図3および図4の結果からも明らかなように、第1ステップで形成された微結晶シリコン膜に対し、第2ステップを行なうことにより、1.0×10-8S/cm以上の導電率を有し、かつ1.7以上3.5以下の屈折率を有する導電性窒化シリコン膜を作製することができる。このような導電性窒化シリコン膜は、光電変換装置をはじめとして幅広い用途に展開することができる極めて有望な材料である。
<第3ステップ>
本発明における第3ステップは、導電性窒化シリコン膜に対し、第1ステップおよび第2ステップと同様の操作を各1回以上実行することにより、導電性窒化シリコン膜を複数積層する工程である。この工程を行なうことにより、導電性窒化シリコン膜を2層以上積層させることができ、もって導電性窒化シリコン膜の屈折率、導電率、および膜厚をコントロールすることができる。なお、このように2層以上導電性窒化シリコン膜を積層したものを以下においては「導電性窒化シリコン膜積層体」とも記す。
上記の第3ステップを行なう場合、2層以上の導電性窒化シリコン膜を積層させることになるが、複数の導電性窒化シリコン膜のうちのいずれか1の導電性窒化シリコン膜の厚みは、他のいずれか1の導電性窒化シリコン膜の厚みと異なることが好ましい。
また、第3ステップを行なう場合、第2ステップを2回以上行なうことになるが、第2ステップのうちのいずれか1の窒素を含むプラズマを照射する時間は、他のいずれか1の第2ステップの窒素を含むプラズマを照射する時間と異なることが好ましい。
また、第3ステップを行なう場合、第1ステップを2回以上行なうことになるが、かかる第1ステップのうちのいずれか1の材料ガスの希釈率は、他のいずれか1の第1ステップの材料ガスの希釈率と異なることが好ましい。
上記のように、導電性窒化シリコン膜の厚みを代えて複数積層させる手段、窒素を含むプラズマを照射する時間を異ならしめる手段、第1ステップの材料ガスの希釈率を異ならしめる手段等はいずれも、導電性窒化シリコン膜の導電率向上および屈折率低下の効果を得やすい。
以下においては、本発明によって製造される導電性窒化シリコンを光電変換装置に適用する場合を例にとり説明するが、かかる用途のみに限定されるものではなく、たとえばディスプレイに用いられる表面保護膜、帯電防止膜などの用途にも広く展開することができる。
<実施の形態2:光電変換装置>
図5は、本実施の形態の光電変換装置の断面の一例を示す模式的な断面図である。本実施の形態における光電変換装置100は、図5に示されるように、基板1上に設けられた第1の光電変換部23と第2の光電変換部25とを含むタンデム構造を有するものである。
本実施の形態の光電変換装置100は、図5に示されるように、基板1と該基板1上に形成された第1電極22と、該第1電極22上に形成された第1の光電変換部23と、該第1の光電変換部23上に形成された導電性窒化シリコン膜27と、該導電性窒化シリコン膜27上に形成された第2の光電変換部25とを備え、第1の光電変換部23および第2の光電変換部25は、pin型接合を含み、該第1光電変換部23のpin型接合を構成するi型層は、非晶質であり、該第2光電変換部25のpin型接合を構成するi型層は、結晶質を含むことを特徴とする。そして、第2の光電変換部25上には、透明導電膜26aと金属膜26bとからなる第2電極26が設けられる。なお、本実施の形態の光電変換装置100は、基板1側から光を入射させる。
本実施の形態における光電変換装置は、第1の光電変換部23と第2の光電変換部25との間に、導電性窒化シリコン膜27を設けることを最大の特徴とする。本発明で作製される導電性窒化シリコン膜27は、屈折率が低いことにより、光電変換装置に入射した光を閉じ込める効果が高い。しかも、導電性窒化シリコン膜27は高導電率を有するため、シリーズ抵抗を低くし、光電変換装置の光電変換効率を向上させることができる。
以下、本発明の光電変換装置を構成する各層を説明する。
<基板>
本実施の形態の光電変換装置に用いられる基板1は、透光性を有する材料により構成される。基板1は、ガラスやポリイミド等の樹脂などにより構成され、プラズマCVD形成プロセスにおける耐熱性および使用可能であることが好ましい。基板1の厚みは特に限定されず、所望の形状を有する。
<第1電極>
上記の基板1上には、透光性を有する材料からなる第1電極22が備えられる。第1電極22は、たとえばSnO2、酸化インジウム錫(ITO)などにより構成することができる。第1電極22の厚みは特に限定されず、所望の形状を有する。
<第1の光電変換部>
本実施の形態において、第1の光電変換部23は、たとえば図5に示されるように、実質的に真性な半導体層である非晶質水素化Siからなるi型非晶質層(以下、「a−i層」ともいう)23bの両表面にそれぞれp層23aおよびn層23cが設けられたpin構造を有する。p層23aおよびn層23cはいずれも、非晶質水素化Siからなるものである。なお、p層23aとa−i層23bとの間に、たとえば非晶質水素化Siを主体とする半導体層を設けてもよいし、i型微結晶層などのバッファ層を任意で設けてもよい。
このようなp層23aは、ボロン、アルミニウム等のp型不純物原子がドープされた半導体層である。また、上記n層23cは、リン等のn型不純物原子がドープされた半導体層である。本発明において実質的に真性な半導体層は、完全にノンドープの半導体層であってもよく、微量の不純物を含むp型または微量の不純物を含むn型で光電変換機能を十分に備えている半導体層であってもよい。
本発明において第1の光電変換部23を構成する各半導体層は、上記の例示に限定されるものではなく、たとえばシリコン(Si)系化合物、シリコンカーバイド(SiC)系化合物、シリコンモノオキシド(SiO)系化合物、シリコンゲルマニウム(SiGe)系化合物などの非晶質膜または微結晶膜を含む。非晶質膜または微結晶膜を構成するこれらの化合物としては、水素化、フッ素化、または水素化およびフッ素化された化合物が含まれる。
第1の光電変換部23を構成する各層は、全て同種のシリコン系(Si系、SiC系、SiO系、またはSiGe系)の半導体からなってもよく、互いに異なる種類のシリコン系の半導体からなってもよい。また、p型、i型およびn型の各半導体層は、1層構造であっても複数層が積層された構造であってもよい。複数層が積層された構造である場合は、各層は、互いに異なる種類のシリコン系半導体からなってもよい。
<導電性窒化シリコン膜>
本発明は、上記光電変換装置の第1の光電変換部23上、すなわち第1の光電変換部23の両表面のうち基板1と反対側の表面に導電性窒化シリコン膜27を有することを特徴とする。このような導電性窒化シリコン膜27は、第1の光電変換部23との界面での光学的反射により、第1の光電変換部23の光吸収の効率を高めるという観点から、透過率が高く、かつ光電変換素子に用いられる材料との屈折率差が大きい材料が好適である。
上記導電性窒化シリコン膜27の単膜の導電率は、1×10-8S/cm以上であることを特徴とする。これにより変換効率が高い光電変換装置を得ることができる。導電性窒化シリコン膜27の単膜の導電率は、変換効率をより向上させる観点から、1×10-6S/cm以上であることがより好ましく、さらに好ましくは1×10-5S/cm以上である。
導電性窒化シリコン膜27の単膜の導電率が1×10-8S/cmを下回る場合には、導電性窒化シリコン膜27の抵抗が高くなりすぎるために、シリーズ抵抗が増大し、光電変換装置の光電変換効率を向上させることができない場合がある。
本発明において上記導電性窒化シリコン膜27の単膜の導電率は、コーニング社製の#1737(商品番号)などの無アルカリガラスや、石英ガラスなどの体積抵抗率の高いガラス基板上に導電性窒化シリコン膜の形成と同条件で堆積させて堆積膜を形成し、堆積膜の表面に平行電極を形成し、その平行電極間に電圧を印加した際の電流を測定し、電圧−電流特性より求める導電率である。測定条件は、大気圧下、室温条件で行なうものとする。なお、積層状態において、光電変換部間に形成された導電性窒化シリコン膜のみの導電率を測定することはできないため上記単膜を用いる。
ここで、導電性窒化シリコン膜27は、その屈折率が1.7以上3.5以下であることが好ましい。第1の光電変換部23および第2の光電変換部25はいずれも、屈折率が4以上の半導体層からなることが一般的である。このため、導電性窒化シリコン膜27の屈折率が1.7以上3.5以下であると、この界面の屈折率差により、全反射の割合が高まり、もって光電変換装置の光閉じ込め効果を得ることができる。ここで、本発明における屈折率は、分光エリプソメーターにより測定した、光の波長が600nmに対する値を採用するものとする。
本発明において、上記導電性窒化シリコン膜の単膜は、その膜厚が5nm以上60nm以下であることが好ましい。5nm以上であると、導電性窒化シリコン膜での光反射が増加することにより、電流増加効果が現われる。一方、60nm以下であると、シリーズ抵抗の増加が見られず良好な出力が得られる。よって、上記導電性窒化シリコン膜の厚みが60nm以上であることが好ましい場合、2層以上の導電性窒化シリコン膜を積層することが好ましい。
上記の導電性窒化シリコン膜27は、第1の光電変換部23および第2の光電変換部25と同様にプラズマCVD装置を用いて成膜することができる。よって、これらの間で装置の入れ替えを行なう必要がなく、同一のプラズマCVD装置を用いて連続して各層を成膜することができることから、製造方法を簡略化することができる。
<第2の光電変換部>
本実施の形態において、第2の光電変換部25は、たとえば図5に示されるように、実質的に真性な半導体層である微結晶Siからなるi型微結晶層(以下、「μc−i層」ともいう)25bの両表面にそれぞれp層25aおよびn層25cが設けられたpin構造を有する。p層25aおよびn層25cはいずれも、第1の光電変換部23に用いられるものと同等のものを用いることができ、また、微結晶シリコン半導体を用いてもよい。μc−i層25bとn層25cとの間には、たとえばi型非晶質Si系半導体からなるバッファ層を任意で設けてもよい。
ここで、本実施の形態において、第1の光電変換部23のa−i層23bは、第2の光電変換部25のμc−i層25bよりも禁制帯幅が大きいことが好ましい。これにより基板1側から入射する光を幅広い波長帯域にわたり光電変換を行ない得る。
本発明において第2の光電変換部25を構成する各半導体層は、上記の例示に限定されるものではなく、たとえばシリコン(Si)系化合物、シリコンカーバイド(SiC)系化合物、シリコンモノオキシド(SiO)系化合物、シリコンゲルマニウム(SiGe)系化合物などの非晶質膜または微結晶膜を含む。非晶質膜または微結晶膜を構成するこれらの化合物としては、水素化、フッ素化、または水素化およびフッ素化された化合物が含まれる。
第2の光電変換部25を構成する各層は、全て同種のシリコン系(Si系、SiC系、SiO系、またはSiGe系)の半導体からなってもよく、互いに異なる種類のシリコン系の半導体からなってもよい。また、p型、i型およびn型の各半導体層は、1層構造であっても複数層が積層された構造であってもよい。複数層が積層された構造である場合は、各層は、互いに異なる種類のシリコン系半導体からなってもよい。
なお、本実施の形態では、タンデム構造の光電変換装置を説明したが、トリプルセル構造の光電変換装置を形成してもよい。トリプルセル構造の光電変換装置を作製する場合、基板1と第1の光電変換部23との間に、さらにa−i層を含む第3の光電変換部を設けることにより形成することが好ましい。トリプルセル構造の光電変換装置に関しては、後述の実施の形態6に記す。
<第2電極>
本実施の形態において、第2電極26は、透明導電膜26aと金属膜26bとによって構成されるものである。そして、透明導電膜26aはたとえばZnOからなり、金属膜26bはたとえばAgからなる膜を用いることができる。なお、透明導電膜26aは、必ずしも形成しなくてもよい。
(光電変換装置の製造方法)
以下、実施の形態2の光電変換装置、すなわち図5に示す構成の光電変換装置100の製造方法を説明する。光電変換装置100は、光入射側から順に、基板1上に、第1電極22、第1の光電変換部23、導電性窒化シリコン膜27、第2の光電変換部25および第2電極26をこの順で形成することにより製造される。
(第1電極を形成する工程)
まず、基板1上に第1電極22を形成する。基板1としては、上記のように透光性を有するガラス、ポリイミド等の樹脂などにより構成され、この片側表面に透明導電膜からなる第1電極22が、CVD、スパッタ、蒸着等の公知の方法により形成される。
(第1の光電変換部を積層する工程)
第1電極22の表面上には、たとえばプラズマCVD法により第1の光電変換部23が形成される。図6に上記光電変換素子の各半導体層を形成するためのプラズマCVD装置の概略断面図を示す。図6は、本実施の形態の光電変換装置に含まれる各層の製造に用いられるマルチチャンバ方式のプラズマCVD装置の概略断面図である。なお、図6に示す構成は、例示であり、別の構成の装置を用いて半導体層を形成してもよい。
マルチチャンバ方式のプラズマCVD装置200は、たとえば直線状に複数の成膜室が設けられるものである。図6には3つの成膜室、すなわち第1成膜室120と、第2成膜室220と、第3成膜室320とが設けられた形態を示す。なお、各成膜室はいずれも、上述した導電性窒化シリコン膜を作製するときの成膜室と同等のものを用いることができる。各成膜室間には成膜室間を連通または遮蔽するゲートバルブ118が設けられ、ゲートバルブ118を介して各成膜室間を基板1が移動できる構成となっている。各成膜室には、それぞれ一対の電極が設けられている。すなわち、第1成膜室120にはカソード電極114とアノード電極113、第2成膜室220にはカソード電極214とアノード電極213、第3成膜室320にはカソード電極314とアノード電極313が設けられている。
上記構成のマルチチャンバ方式のプラズマCVDを用いて、上記第1の光電変換部23を形成する。第1の光電変換部23は、p層23a、a−i層23bおよびn層23cを有し、各半導体層を順次形成する。
まず、第1成膜室120においてp層23aを形成する。第1成膜室120内を0.001Paまで排気し、第1電極22を設けた基板1の温度を200℃以下に設定する。第1成膜室120内に混合ガスを導入し、排気系に設けられたバルブにより第1成膜室120内の圧力を略一定に保つ。第1成膜室120内の圧力は、たとえば200Pa以上3000Pa以下とする。第1成膜室120内に導入される混合ガスとしては、たとえばシランガス、水素ガスおよびジボランガスを含む混合ガスを使用でき、さらに光吸収量を低減するために炭素原子を含むガス(たとえばメタンガス)を含んでもよい。上記混合ガスにおいて、シランガスに対する水素ガスの流量は、数倍(2〜3倍)から数十倍(20〜30倍)程度が望ましい。
上記混合ガスを導入して第1成膜室120内の圧力が安定した後、カソード電極114に数kHz〜80MHzの交流電力を投入し、カソード電極114とアノード電極113との間にプラズマを発生させる。このプラズマによってp層23aが形成される。カソード電極114の単位面積あたりの電力密度は、たとえば10mW/cm2以上300mW/cm2以下とする。このような電力密度は、成膜特性および成膜速度の点から公知の方法により調整すればよい。
上記電力密度を維持したままで放置し、p層23aが所望の厚みになったところで電力の投入を停止する。その後、第1成膜室120内を真空排気する。p層23aの厚さは投入された総電力量(電力密度×時間)に比例して大きくすることができる。p層23aの厚さは、a−i層23bに十分な内部電界を与える点で、2nm以上が好ましく、5nm以上がより好ましい。また、p層23aの厚さは、非活性層の入射側の光吸収量を抑えることが必要である点で、50nm以下が好ましく、30nm以下がより好ましい。
上記第1の光電変換部23がバッファ層を含む場合は、第1成膜室120内で上記p層23aに引き続き成膜する。バッファ層は、第1成膜室120に導入する混合ガスとして、シランガスと水素ガスの混合ガス、またはこれらの混合ガスにメタンガスなどの炭化水素を含むガスをさらに混合して用いる以外は、上記p層23aの形成方法と同様に形成することができる。
また、バッファ層を設ける場合、その厚みは特に限定されないが、p層23aからa−i層23bへのボロン原子などのp型不純物の拡散を抑えるために2nm以上が望ましい。一方、光吸収量を抑えa−i層23bへ到達する光を増大させるためにはできる限り薄いことが望ましく、バッファ層の厚さは、通常50nm以下とされる。
バッファ層であるi型非晶質層を形成することにより、第1成膜室120内の雰囲気中のボロンなどの不純物原子濃度が低下し、次に形成されるa−i層23bへの不純物原子の混入を低減することができる。
次に、非晶質の水素化シリコン(a−Si:H)からなるa−i層23bを形成する。a−i層23bはたとえば第2成膜室220で形成する。成膜室220内に導入される混合ガスとして、たとえばシランガスおよび水素ガスを含む混合ガスを使用すること以外は、上記p層23aと同様の方法によりa−i層23bを形成することができる。なお、a−i層23bを形成する場合は、上記混合ガスにおけるシランガスに対する水素ガスの流量は、数倍から数十倍程度、例えば、5倍以上30倍以下が好ましく、このような流量関係を満たすことにより、良好な膜質のa−i層23bを形成することができる。
a−i層23bの厚さは、光吸収量、光劣化による光電変換特性の低下を考慮して、0.05μmから0.6μmとすることが好ましい。
次に、n層23cを形成する。n層23cはたとえば第3成膜室320で形成する。第3成膜室内に導入される混合ガスとして、たとえばシランガス、水素ガスおよびホスフィンガスを含む混合ガスを使用すること以外は、上記p層23aと同様の方法によりn層23cを形成することができる。なお、n層23cを形成する場合は、上記混合ガスにおけるシランガスに対する水素ガスの流量を、5倍以上300倍以下とすることが好ましく、30倍以上300倍以下とすることがより好ましい。
n層23cの厚さは、a−i層23bに十分な内部電界を与えるため2nm以上が好ましい。一方、非活性層であるn層23cの光吸収量を抑えるためにはできる限り薄いことが好ましく、通常50nm以下とする。
以上の工程により、光電変換層であるa−i層23bを備える第1の光電変換部23を形成することができる。
(導電性窒化シリコン膜を形成する工程)
本発明の光電変換装置は、1.7以上3.5以下の屈折率を有し、かつ1.0×10-8S/cmの導電率を有する導電性窒化シリコン膜を具備することを特徴とする。このような導電性窒化シリコン膜は、第1の光電変換部23に対し、実施の形態1で説明したような第1ステップと第2ステップとを行なうことにより形成される。
このように導電性窒化シリコン膜を形成した後に、さらに第3ステップを行なうことにより、導電性窒化シリコン膜を積層させてもよい。なお、第3ステップを行なう場合に関しては、後述の実施の形態3で述べる。なお、ここで形成される導電性窒化シリコン膜は、p型またはn型のいずれであってもよいことは言うまでもない。
(第2の光電変換部を形成する工程)
上記で作製した導電性窒化シリコン膜に対し、第2の光電変換部を積層する工程は、上記第1の光電変換部23と同様の方法により形成することができる。なお、第2の光電変換部25におけるμc−i層25bは、上記第1の光電変換部23におけるa−i層23bよりも禁制帯幅を狭く形成することが好ましく、具体的には以下のような条件で形成することが好ましい。
第2の光電変換部25は、たとえばいずれも微結晶層からなるp層25a、μc−i層25bおよびn層25cからなるpin構造とすることができる。その他、第2の光電変換部25は、p層25aとμc−i層25bとの間にバッファ層を設ける態様、またはμc−i層25bとn層25cとの間にバッファ層を設ける様態を含む。
上記導電性窒化シリコン膜上に形成される微結晶層からなるp層25aは、たとえば以下の形成条件において形成することができる。第1の光電変換部および導電性窒化シリコン膜を設けた基板1を成膜室内に配置して、基板の温度を200℃以下とすることが望ましい。形成時の成膜室内の圧力は、240Pa以上3600Pa以下であることが望ましい。また、カソード電極の単位面積あたりの電力密度は10mW/cm2以上500mW/cm2以下とすることが望ましい。
成膜室内に導入される混合ガスとしては、たとえばシランガス、水素ガス、ジボランガスを含むガスを使用できる。シランガスに対する水素ガスの流量は、数十倍から数百倍程度が望ましく、30倍から300倍程度がさらに望ましい。
p層25aの厚さは、μc−i層25bに十分な内部電界を与えるため2nm以上が好ましい。一方、非活性層であるp層25aの光吸収量を抑えμc−i層25bへ到達する光を増大させるためには、p層25aの厚さはできる限り薄いことが望ましく、通常50nm以下とされる。
次に、μc−i層25bを形成する。μc−i層25bはたとえば以下の形成条件において形成することができる。基板1の温度は200℃以下とすることが望ましい。形成時の成膜室内の圧力は、240Pa以上3600Pa以下であることが望ましい。また、カソード電極の単位面積あたりの電力密度は20mW/cm2以上500mW/cm2以下とすることが望ましい。
成膜室内に導入される混合ガスとしては、たとえばシランガス、水素ガスを含むガスを使用することができる。シランガスに対する水素ガスの流量は、30倍から数百倍程度が望ましく、30倍から300倍程度がさらに望ましい。
μc−i層25bの厚さは、十分な光吸収量を確保するため0.5μm以上が好ましく、1μm以上がより好ましい。一方、μc−i層25bの厚さは、良好な生産性を確保する点で20μm以下が好ましく15μm以下がより好ましい。このようにして、良好な結晶化率(例えば、結晶化率が5以上10以下である)を有するμc−i層25bを形成することができる。
次に、n層25cを形成する。n層25cは、例えば以下の形成条件によって形成することができる。基板1の温度は200℃以下とすることが望ましい。形成時の成膜室内の圧力は、240Pa以上3600Pa以下であることが望ましい。また、カソード電極の単位面積あたりの電力密度は20mW/cm2以上500mW/cm2以下とすることが望ましい。
成膜室内に導入される混合ガスとしては、たとえばシランガス、水素ガス、ホスフィンガスを含むガスを使用できる。シランガスに対する水素ガスの流量は、数十倍から数百倍程度が望ましく、30倍から300倍程度がさらに望ましい。
n層25cの厚さは、i層25bに十分な内部電界を与えるため2nm以上が好ましい。一方、非活性層であるn層25cの光吸収量を抑えるためにはn層25cの厚さができる限り薄いことが好ましく、通常50nm以下とするが、この範囲に限らない。
(第2電極を形成する工程)
次に、第2の光電変換部25上に第2電極26を形成する。第2電極26は、透明導電膜26aと金属膜26bとからなり、これらを順次形成する。透明導電膜26aは、SnO2、ITO、ZnOなどからなる膜を用いることができる。金属膜26bは、銀、アルミニウム等の金属からなる膜を用いることができる。透明導電膜26aと金属膜26bとは、CVD、スパッタ、蒸着等の方法により形成される。
以上により、本実施の形態の光電変換装置が製造される。このようにして製造された光電変換装置は、特定の導電特性を有する導電性窒化シリコン膜を含むので、変換効率を向上させることができる。しかも、導電性窒化シリコン膜を作製するにあたり、プラズマCVD装置とは別途の装置を用いないことから、プラズマCVD装置を用いて連続して各層を成膜することができ、もって光電変換装置を製造する効率を高めることができる。
なお、上記の説明においては、図6に示すような成膜室の数が複数あるマルチチャンバ方式のプラズマCVD装置を用いて半導体層を形成する場合を例示したが、シングルチャンバのプラズマCVD装置を用いても同様に行なうことができる。この場合は、p型、i型およびn型の半導体層を1個の成膜室内で形成するので、各工程間に公知のガス置換工程を設けることが好ましい。
マルチチャンバ方式のプラズマCVD装置を用いる場合、上記のような形態に限定され
ず、さらに複数の4以上の成膜室を設けた装置を用いて、p層とバッファ層とを別々の成膜室で形成するなどの態様としてもよい。また、成膜室の数が1つであるシングルチャンバのプラズマCVD装置を用いる場合は、公知のガス置換工程を含むことが好ましい。
<実施の形態3:光電変換装置>
本実施の形態の光電変換装置は、図5に示される実施の形態2の光電変換装置100における導電性窒化シリコン膜27と第2の光電変換部25との間に、さらに導電性窒化シリコン膜を形成したことを除いては実施の形態2と同様の方法により作製したものである。すなわち、第2ステップにより導電性窒化シリコン膜を形成した後に、さらに第3ステップを行なうことにより、導電性窒化シリコン膜を2層積層させた導電性窒化シリコン膜積層体を形成する。これにより導電性窒化シリコン膜積層体の導電性を高めるとともに、屈折率を低下させることができ、もって光電変換装置の光電変換効率を高めることができる。
なお、本実施の形態においては、第3ステップを1回行なう場合のみを示したが、所望の導電率および屈折率の導電性窒化シリコン膜積層体を得るという観点からは、第3ステップを2回以上繰り返すことが好ましいことは言うまでもない。
<実施の形態4:光電変換装置>
図7は、本実施の形態の光電変換装置の一例を示す模式的な断面図である。本実施の形態の光電変換装置300は、図7に示されるように、実施の形態2の光電変換装置における第2の光電変換部を構成するp層を形成しなかったことを除いては、実施の形態2の光電変換装置と同様の方法により形成されたものである。
すなわち、本実施の形態の光電変換装置は、図7に示されるように、基板1と、該基板1上に形成された第1電極32と、該第1電極32上に形成された第1の光電変換部33と、該第1の光電変換部33上に形成された第2の光電変換部35とを備え、第1の光電変換部33および第2の光電変換部35は、pin型接合を含み、第1の光電変換部33のpin型接合を構成するa−i層33bは、非晶質シリコンであり、第2の光電変換部35のpin型接合を構成するp層は、導電性窒化シリコン膜37であり、第2の光電変換部35のpin型接合を構成するμc−i層35bは、結晶質を含むシリコンであることを特徴とする。なお、ここで形成される導電性窒化シリコン膜は、p型のものである。
本実施の形態において、導電性窒化シリコン膜は、第1の光電変換部33と第2の光電変換部35との導通を図ることはもちろん、第2の光電変換部35のp層の役割も果たし得るものである。このように第2の光電変換部35のp層を形成しないことにより、製造工程の簡略化に寄与することになる。
<実施の形態5:光電変換装置>
本実施の形態の光電変換装置は、図7に示される実施の形態4の光電変換装置100における第1の光電変換部33と第2の光電変換部35との間に、さらに導電性窒化シリコン膜を形成したことを除いては実施の形態4と同様の方法により作製したものである。
このように第2の光電変換部35のp層を導電性窒化シリコン膜にするとともに、第1の光電変換部23と第2の光電変換部25との間に導電性窒化シリコン膜を形成することにより、導電性窒化シリコン膜の導電性を高めるとともに、屈折率を低下させることができ、もって光電変換装置の光電変換効率を高めることができる。
<実施の形態6:光電変換装置>
本実施の形態は、実施の形態1のタンデム構造の光電変換装置に対し、基板1と第1の光電変換部23との間に、さらに第3の光電変換部を設けたトリプルセル構造の光電変換装置である。このようなトリプルセル構造の光電変換装置は、より広領域の波長の光を変換し得ることから、タンデム構造の光電変換装置よりも光電変換効率を高めやすい。
ここで、第3の光電変換部は、pin型接合を含み、第3の光電変換部のpin型接合を構成するi型層は、非晶質であることを特徴とする。そして、第3の光電変換部のpin型接合を構成するi型層のエネルギーギャップは、第1の光電変換部のpin型接合を構成するi型層のエネルギーギャップよりも大きいことが好ましい。これにより光入射面側から順に短波長の光を変換し、より効率的に光電変換を行なうことができる。なお、第3の光電変換部を構成するp層およびn層としては、第1の光電変換部と同一のものとしてもよい。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例1〜6および比較例1〜5は、本発明の導電性窒化シリコン膜に関し、実施例7〜11および比較例6〜7は、本発明の光電変換装置に関する。
<実施例1:導電性窒化シリコン膜>
本実施例では、上記の第1ステップと第2ステップとを行なうことにより、60nmの厚さのn型の導電性窒化シリコン膜を作製した。
(第1ステップ)
まず、基板として、115mm×115mmのコーニング社製の#1737(商品番号)からなるガラス基板を用いた。このガラス基板を図2に示されるプラズマCVD装置にセットした。そして、成膜室内を0.001Paまで排気し、基板の温度を200℃以下に設定した。
そして、成膜室内に混合ガスを導入し、排気系に設けられたバルブにより成膜室内の圧力を1400Paとして、略一定に保った。次に、成膜室内にシランガスの希釈率が200となるように水素ガスを含む混合ガスであって、微量のホスフィンガスを含むものを導入した。そして、成膜室内の圧力が安定した後、カソード電極に13.56MHzの交流電力を投入し、カソード電極の単位面積あたりの電力密度を320mW/cm2として、カソード電極とアノード電極との間にプラズマを発生させた。
このプラズマが材料ガスを分解することにより、微結晶シリコン膜を形成し始めた。上記電力密度を維持したまま放置し、微結晶シリコン膜が60nmの厚みになったところで電力の投入を停止した。このようにして60nmの厚みの微結晶シリコン膜を作製した。
(第2ステップ)
上記の第1ステップで形成した微結晶シリコン膜に対し、窒素を含むプラズマを照射する第2ステップを行なった。まず、第1ステップを行なった後の成膜室内を排気した。成膜室内にシランガスが一部残っている懸念があったため、成膜室内に窒素ガスを導入し、かかる窒素ガスとともに成膜室内に残留したシランガスを排出した。
そして、成膜室内に窒素ガスを導入し、成膜室内の圧力を200Paに調整した。次いで、プラズマ源となるガスに320mW/cm2の電力を印加することにより、窒素を含むプラズマを生成した。この窒素を含むプラズマを微結晶シリコン膜に4分間照射することにより、微結晶シリコン膜中に窒素を導入した。このようにして、本実施例の導電性窒化シリコン膜を作製した。
<実施例2:導電性窒化シリコン膜積層体>
本実施例では、実施例1の導電性窒化シリコン膜に対して、第1ステップにおいて30nmの厚みの微結晶シリコンを形成したことを除いては、実施例1と同様の方法により第1ステップと第2ステップとを行なうことにより、30nmの厚みの導電性窒化シリコン膜を形成した。このようにして形成された導電性窒化シリコン膜に対し、第1ステップおよび第2ステップと同様の操作を各1回行なう第3ステップを行なった。これにより30nmの厚みの導電性窒化シリコン膜を2層積層した導電性窒化シリコン膜積層体を形成した。
<実施例3:導電性窒化シリコン膜積層体>
本実施例では、実施例1の導電性窒化シリコン膜に対して、第1ステップにおいて20nmの厚みの微結晶シリコンを形成したことを除いては、実施例1と同様の方法により第1ステップと第2ステップとを行なうことにより、20nmの厚みの導電性窒化シリコン膜を形成した。
そして、第3ステップでは、上記で形成した導電性窒化シリコン膜に対し、本実施例の第1ステップと第2ステップとを各2回交互に行なうことにより、20nmの厚みの導電性窒化シリコン膜を3層積層した導電性窒化シリコン膜積層体を形成した。
<実施例4〜6:導電性窒化シリコン膜積層体>
実施例4〜6においては、以下の表1のように成膜条件が異なる他は、実施例3と同様の方法により、導電性窒化シリコン膜を3層積層した導電性窒化シリコン膜積層体を形成した。
<比較例1:微結晶シリコン膜>
実施例1の導電性窒化シリコン膜を作製するときと同様の条件で第1ステップを行なった後に、第2ステップを行なわず、60nmの微結晶シリコン膜を形成した。
<比較例2:微結晶シリコン膜積層体>
実施例2の導電性窒化シリコン膜を作製するときと同様の条件で第1ステップを2回繰り返すことにより、30nmの微結晶シリコン膜を2層積層した積層体を形成した。
<比較例3:微結晶シリコン膜積層体>
実施例3の導電性窒化シリコン膜を作製するときと同様の条件で第1ステップを3回繰り返すことにより、20nmの微結晶シリコン膜を3層積層した積層体を形成した。
<比較例4〜5>
比較例4〜5においては、以下の表1のように成膜条件が異なる他は、実施例3と同様の方法により、導電性窒化シリコン膜を3層積層した導電性窒化シリコン膜積層体を形成した。
Figure 0005525298
<性能評価>
実施例1〜6および比較例1〜5で作製した膜に対し、分光エリプソメーターを用いることにより、その膜の屈折率を測定した。その結果を表1の「屈折率」の欄に示す。なお、採用した屈折率は、光の波長が600nmのときの値とした。
また、実施例1〜6および比較例1〜5で作製した膜のそれぞれに対し、平行平板電極を付けて電圧−電流特性を測定し、この結果から導電率を求めた。具体的には、ギャップ間隔250μm、電極幅5mmのギャップ電極を真空蒸着によりAgを膜厚100nm堆積させて平行平板電極とした。そして、超高抵抗測定器(製品名:4140B Source Measurement Unit(HP社製))を用いて平行平板電極間に電圧を印加して電流を観測し電圧電流特性の測定を行ない、この結果から各膜の導電率を測定した。その結果を表1の「導電率」の欄に示す。
上記のような性能評価の結果から、実施例1〜6のように第1ステップと第2ステップとを行なうことにより、導電性窒化シリコン膜の導電性を1.0×10-8S/cm以上にできるとともに、導電性窒化シリコン膜の屈折率を1.7以上3.5以下にできることが明らかとなった。一方、比較例1〜3のように第2ステップを行なわずに、微結晶シリコン膜を複数積層しても、導電率の向上および屈折率の低下の効果は得られないことが明らかとなった。
<実施例7:光電変換装置>
本実施例では、図5に示される光電変換装置を作製した。当該光電変換装置は、第1の光電変換部23と、導電性窒化シリコン膜27と、第2の光電変換部25とを積層したものである。ここで、第1の光電変換部23としては、a−i層23bが厚み250nmの真性非晶質の水素化シリコン(Si:H)、p層は、非晶質シリコンカーバイドを用い、n層は、非晶質シリコンを用いることにより、pin型光電変換部を作製した。また、導電性窒化シリコン膜27としては、微結晶シリコン膜に対し窒素を含むプラズマを照射することにより形成したものを用いた。また、第2の光電変換部25としてi層が厚み1.6μmの真性微結晶Si:H、p層およびn層が微結晶シリコンからなるpin型光電変換部を用いた。
(第1電極)
基板1として、115mm×115mmのコーニング社製の#1737(商品番号)からなるガラス基板を用いた。このガラス基板上に第1電極として、SnO2からなる700nmの透明導電膜をスパッタ法により形成した。
(第1の光電変換部)
第1電極22を形成した基板1に上記実施の形態2に沿って、マルチチャンバ方式のプラズマCVD装置を用いて第1の光電変換部23を形成した。まず、第1成膜室内を0.001Paまで排気し、第1電極を設けた基板の温度を200℃以下に設定した。第1成膜室内に混合ガスを導入し、排気系に設けられたバルブにより第1成膜室内の圧力を400Pa前後の略一定に保った。次に、第1成膜室内に導入する混合ガスとして、シランガス、水素ガス、メタンガス、およびジボランガスを含む混合ガスを用いた。上記混合ガスにおいて、シランガスに対する水素ガスの流量は30倍とした。
上記混合ガスを導入して第1成膜室内の圧力が安定した後、カソード電極に13.56MHzの交流電力を投入し、カソード電極とアノード電極との間にプラズマを発生させた
。このプラズマによってp層23aを形成した。カソード電極の単位面積あたりの電力密度は、50mW/cm2とした。
上記電力密度を維持したままで放置し、p層23aが20nmの厚みになったところで電力の投入を停止した。その後、第1成膜室内を真空排気した。
次に、非晶質の水素化シリコン(a−Si:H)からなるa−i層23bを形成した。第2成膜室を用いること、成膜室内に導入する混合ガスとして、シランガスおよび水素ガスの混合ガスを使用すること以外は、上記p層23aと同様の方法によりa−i層23bを形成した。a−i層23bを形成する場合は、シランガスに対する水素ガスの流量は10倍とした。i層の厚みが250nmとなったところで電力の供給を停止し、第2成膜室内を排気した。
次に、n層23cを第3成膜室で形成した。成膜室内に導入する混合ガスとして、シランガス、水素ガスおよびホスフィンガスを含む混合ガスを使用すること以外は、上記p層23aと同様の方法によりn層23cを形成した。n層23cを形成する場合は、上記混合ガスにおけるシランガスに対する水素ガスの流量を30倍とした。n層23cの厚みが20nmとなったところで、電力の供給を停止し、その後成膜室内を排気した。
以上の工程により、光電変換層である非晶質水素化シリコンからなるa−i層23bを備えるpin型の第1の光電変換部を形成した。
(導電性窒化シリコン膜)
次に、第1ステップを行なうことにより微結晶シリコン膜を形成した後に、かかる微結晶シリコン膜に対し、第2ステップを行なうことにより、微結晶シリコン膜を導電性窒化シリコン膜とした。以下に第1ステップから順に説明する。
(第1ステップ)
まず、成膜室内を0.001Paまで排気し、基板の温度を200℃以下に設定した。成膜室内に混合ガスを導入し、排気系に設けられたバルブにより成膜室内の圧力を1400Paとして、略一定に保った。次に、成膜室内にシランガスの希釈率が200となるように水素ガスを含む混合ガスを導入した。そして、成膜室内の圧力が安定した後、カソード電極に13.56MHzの交流電力を投入し、カソード電極の単位面積あたりの電力密度を320mW/cm2として、カソード電極とアノード電極との間にプラズマを発生させた。このプラズマが材料ガスを分解することにより、微結晶シリコン膜を形成し始めた。上記電力密度を維持したまま放置し、微結晶シリコン膜が60nmの厚みになったところで電力の投入を停止した。このようにして60nmの厚みの微結晶シリコン膜を作製した。
(第2ステップ)
上記の第1ステップで形成した微結晶シリコン膜に対し、窒素を含むプラズマを照射する第2ステップを行なった。まず、第1ステップを行なった後の成膜室内を排気した。成膜室内にシランガスが一部残っている懸念があったため、成膜室内に窒素ガスを導入し、かかる窒素ガスとともに成膜室内に残留したシランガスを排出した。
そして、成膜室内に窒素ガスを導入し、成膜室内の圧力を200Paに調整した。次いで、プラズマ源となるガスに320mW/cm2の電力を印加することにより、窒素を含むプラズマを生成した。この窒素を含むプラズマを微結晶シリコン膜に4分間照射することにより、微結晶シリコン膜中に窒素を導入し、導電性窒化シリコン膜を作製した。
(第2の光電変換部)
第2の光電変換部の形成条件は、微結晶条件とした。すなわち、公知の成膜装置を用いて、上記導電性窒化シリコン膜が形成された基板上に、i層が微晶質Si:Hからなるpin型光電変換部を作製した以外は、上記第1の光電変換部の形成方法と同様の方法により、第2の光電変換部を形成した。
(第2電極)
上記第2の光電変換部上に、Agからなる0.2μmの第2電極を形成することにより、本実施例の光電変換装置を製造した。
<実施例8:光電変換装置>
実施例7に対し、60nmの導電性窒化シリコン膜を、30nmの導電性窒化シリコン膜を2層させた導電性窒化シリコン膜積層体に代えたことを除いては実施例7と同様の方法により光電変換装置を作製した。
<実施例9:光電変換装置>
実施例7に対し、第2の光電変換部のp層に代えて、60nmの厚みのp型の導電性窒化シリコン膜を形成したことを除いては、実施例7と同様の方法により本実施例の光電変換装置を作製した。なお、p型の導電性窒化シリコン膜は、微結晶シリコン膜を形成するときの混合ガスとして、シランガス、水素ガスに加え、ジボランガスをp型不純物ドーピングガスとして導入することにより形成した。
<実施例10:光電変換装置>
実施例7に対し、第2の光電変換部のp層に代えて、30nmの厚みのp型の導電性窒化シリコン膜を形成したこと、および該p型の導電性窒化シリコン膜上にさらに30nmの導電性窒化シリコン膜を形成することにより導電性窒化シリコン膜積層体を形成したことを除いては実施例7と同様の方法により光電変換装置を作製した。
<実施例11:光電変換装置>
実施例7の光電変換装置において、第1の光電変換部を形成する前に、第3の光電変換部を形成した。ここで、第3の光電変換部は、上記の第1の光電変換部と同一の方法により作製した。
実施例7〜11において作製した光電変換装置は、製造工程中に成膜装置の入れ替えを要しないため、従来の製造工程よりも簡便に光電変換装置を作製することができ、もって製造コストを低減することができる。
<比較例6:光電変換装置>
実施例7に対し、導電性窒化シリコン膜を形成しなかったことを除いては実施例7と同一の方法により、本実施例の光電変換装置を作製した。
<比較例7:光電変換装置>
実施例7に対し、本発明の導電性窒化シリコン膜に代えて、従来の非晶質窒化シリコン膜を形成したことを除いては、実施例7と同一の方法により本比較例の光電変換装置を作製した。ここで、本比較例で作製した60nmの厚みの非晶質窒化シリコン膜は、実施例7の微結晶シリコン膜の作製時に導入する混合ガスをシランガス、窒素ガス、およびジボランガスに代えたことを除いては、実施例7の微結晶シリコン膜と同一の条件により、従来の非晶質窒化シリコン膜を作製した。
<比較例8:光電変換装置>
実施例11に対し、導電性窒化シリコン膜を形成しなかったことを除いては実施例11と同一の方法により、本実施例の光電変換装置を作製した。
<変換効率の評価>
(1)タンデム構造の光電変換装置
上記実施例7〜10および比較例6〜7で作製されたタンデム構造の各光電変換装置を用いて変換効率を評価した。評価条件としては、ソーラシュミレータによりAM1.5、100mW/cm2の光強度で照射し、測定温度を25℃とした。比較例6の光電変換装置の変換効率を1としたときの、実施例7〜10および比較例7の光電変換装置の相対変換効率を表2に示す。
Figure 0005525298
表2の結果からも明らかなように、タンデム構造の光電変換装置において、本発明により作製される導電性窒化シリコン膜を第1の光電変換部と第2の光電変換部との間に形成することにより、光電変換装置の変換効率を高められることが明らかとなった。しかも、本発明の導電性窒化シリコン膜の製造方法を用いることにより、光電変換装置を構成する各層の成膜にあたっての成膜装置の出し入れする工程を省略し得、製造コストを低減し得るものである。
(2)トリプルセル構造の光電変換装置
上記実施例11および比較例8で作製されたトリプルセル構造の光電変換装置を用いて変換効率を評価した。該評価は、上述の実施例7〜10および比較例6〜7の光電変換装置の変換効率と同様の方法により行なった。かかる評価の結果、比較例8の光電変換装置の変換効率を1としたときの、実施例11の光電変換装置の相対変換効率は1.06であった。
このことから、トリプルセル構造の光電変換装置において、本発明により作製される導電性窒化シリコン膜を第1の光電変換部と第2の光電変換部との間に形成することにより、光電変換装置の変換効率を高められることが明らかとなった。
以上のように本発明の実施の形態および実施例について説明を行なったが、上述の各実施の形態および実施例の構成を適宜組み合わせることも当初から予定している。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 基板、5 インピーダンス整合回路、6 ガス排気部、6a,6b 電力導入線、7 バルブ、8 電力供給部、9 ガス排気口、11 ガス導入部、12 混合ガス、13,113,213,313 アノード電極、14,114,214,314 カソード電極、20 成膜室、22,32 第1電極、23,33 第1の光電変換部、23a,25a p層、23b,33b a−i層、23c,25c n層、25,35 第2の光電変換部、25b,35b μc−i層、26a,42 透明導電膜、26b 金属膜、26 第2電極、27,37 導電性窒化シリコン膜、41 ガラス基板、43 第1セル、45 第2セル、47 絶縁膜、100,300,400 光電変換装置、118 ゲートバルブ、120,220,320 成膜室、200 マルチチャンバ方式のプラズマCVD装置。

Claims (6)

  1. n型またはp型にドーピングされた微結晶シリコン膜を形成する第1ステップと、
    前記微結晶シリコン膜に対し、窒素を含むプラズマを照射して前記微結晶シリコン膜を窒化することにより、屈折率が1.7以上3.5以下であり、かつ導電率が1×10 -8 S/cm以上である導電性窒化シリコン膜を形成する第2ステップとを含み、
    前記第1ステップにおいて、微結晶シリコン膜を形成するときに導入される材料ガスの希釈率は、150以上600以下であり、前記微結晶シリコン膜の厚みは、5nm以上60nm以下であり、
    前記第2ステップにおいて、前記微結晶シリコン膜の温度は、130℃以上250℃以下であり、前記窒素を含むプラズマは、100Pa以上の圧力で、窒素、アンモニアおよびヒドラジンのいずれかによりなるガスに100mW/cm以上500mW/cm以下の電力を印加することにより生成する、導電性窒化シリコン膜の製造方法。
  2. 前記窒素を含むプラズマは、窒素またはアンモニアのいずれか一方もしくは両方により生成される、請求項1に記載の導電性窒化シリコン膜の製造方法。
  3. 前記導電性窒化シリコン膜に対し、前記第1ステップおよび前記第2ステップと同様の操作を各1回以上実行することにより、前記導電性窒化シリコン膜を複数積層する第3ステップを含む、請求項1または2に記載の導電性窒化シリコン膜の製造方法。
  4. 複数の前記導電性窒化シリコン膜のうちのいずれか1の導電性窒化シリコン膜の厚みは、他のいずれか1の導電性窒化シリコン膜の厚みと異なる、請求項3に記載の導電性窒化シリコン膜の製造方法。
  5. 前記第2ステップのうちのいずれか1の窒素を含むプラズマを照射する時間は、他のいずれか1の第2ステップの窒素を含むプラズマを照射する時間と異なる、請求項3または4に記載の導電性窒化シリコン膜の製造方法。
  6. 前記第1ステップのうちのいずれか1の材料ガスの希釈率は、他のいずれか1の第1ステップの材料ガスの希釈率と異なる、請求項3〜5のいずかに記載の導電性窒化シリコン膜の製造方法。
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