JP5524797B2 - ウレタン樹脂 - Google Patents
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Description
上記方法以外にもポリイソシアネート、鎖延長剤、イソフタル酸/アジピン酸及および低分子量ジオールを含有するポリエステルウレタンが60℃以下で高い貯蔵弾性率(G’)を有し、樹脂の機械的強度に優れるという報告がなされている(特許文献1)。
しかしこれらの方法で得られたウレタン樹脂は、60℃以下では高いG’を有するが、温度が高くなっていくとともにG’が低下していくため、100℃以上の環境で高いG′を維持することは困難であり、例えばフィルムに成型した際、100℃以上の温度では引張り破断強度が低下し、フィルム剥離、破れ等が発生しやすい。
すなわち本発明は、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(c)とエチレングリコールまたはジエタノールアミンとのエステルであって、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(c)とエチレングリコールまたはジエタノールアミンとのモル比が、1:(1〜3)である数平均分子量が270〜800のエステル(e)、およびポリイソシアネート(i)のみから形成されるウレタン樹脂であって、ウレタン樹脂の重量を基準とする前記(c)の含有量が12〜60重量%であり、貯蔵弾性率(G’)が20000(dyn/cm2)になる温度が140〜280℃であり、150℃における貯蔵弾性率〔G’150〕(dyn/cm2)および180℃における貯蔵弾性率〔G’180〕(dyn/cm2)が、下式(1)を満たすウレタン樹脂;
1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(c)とエチレングリコールまたはジエタノールアミンとのエステルであって、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(c)とエチレングリコールまたはジエタノールアミンとのモル比が、1:(1〜3)である数平均分子量が270〜800のエステル(e)、
ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオールおよびシリコーンポリオールからなる群から選ばれる少なくとも1種の数平均分子量が100〜1800のポリオール、
ならびにポリイソシアネート(i)
のみから形成されるウレタン樹脂であって、ウレタン樹脂の重量を基準とする前記(c)の含有量が12〜60重量%であり、貯蔵弾性率(G’)が20000(dyn/cm2)になる温度が140〜280℃であり、150℃における貯蔵弾性率〔G’150〕(dyn/cm2)および180℃における貯蔵弾性率〔G’180〕(dyn/cm2)が、下式(1)を満たすウレタン樹脂;
1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(c)とエチレングリコールまたはジエタノールアミンとのエステルであって、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(c)とエチレングリコールまたはジエタノールアミンとのモル比が、1:(1〜3)である数平均分子量が270〜800のエステル(e)、
イソホロンジアミン、ヘキサメチレンジアミンおよび/または水、
ならびにポリイソシアネート(i)
のみから形成されるウレタン樹脂であって、ウレタン樹脂の重量を基準とする前記(c)の含有量が12〜60重量%であり、貯蔵弾性率(G’)が20000(dyn/cm2)になる温度が140〜280℃であり、150℃における貯蔵弾性率〔G’150〕(dyn/cm2)および180℃における貯蔵弾性率〔G’180〕(dyn/cm2)が、下式(1)を満たすウレタン樹脂;
1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(c)とエチレングリコールまたはジエタノールアミンとのエステルであって、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(c)とエチレングリコールまたはジエタノールアミンとのモル比が、1:(1〜3)である数平均分子量が270〜800のエステル(e)、
ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオールおよびシリコーンポリオールからなる群から選ばれる少なくとも1種の数平均分子量が100〜1800のポリオール、
イソホロンジアミン、ヘキサメチレンジアミンおよび/または水、
ならびにポリイソシアネート(i)
のみから形成されるウレタン樹脂であって、ウレタン樹脂の重量を基準とする前記(c)の含有量が12〜60重量%であり、貯蔵弾性率(G’)が20000(dyn/cm2)になる温度が140〜280℃であり、150℃における貯蔵弾性率〔G’150〕(dyn/cm2)および180℃における貯蔵弾性率〔G’180〕(dyn/cm2)が、下式(1)を満たすウレタン樹脂;並びに上記のウレタン樹脂を含有する成型品である。
〔G’150〕/〔G’180〕≦12 ・・・式(1)
本発明のウレタン樹脂(A)は、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(c)と炭素数が2〜10の脂肪族ジオール(d1)またはジアルカノールアミン化合物(d2)とのエステル(e)を必須構成単位として含有する。
エステル(e)を構成する炭素数が2〜10の脂肪族ジオール(d1)としては、炭素数2〜10のアルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオールおよび1,10−デカンジオール等);炭素数4〜10のアルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール等);等が挙げられ、2種以上を併用してもよい。
これら(d1)のうち、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(c)との反応性の観点から、分子末端に1級水酸基を有する分岐のない脂肪族ジオール(エチレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオールおよび1,10−デカンジオール等)が好ましく、エチレングリコール、1,3−プロピレングリコールおよび1,4−ブタンジオールがさらに好ましく、エチレングリコールおよび/または1,3−プロピレングリコールが特に好ましい。
HO−R1−N−R2−OH
| ・・・式(2)
R3
式中、R1およびR2は、それぞれ独立に炭素数が2〜10の脂肪族アルキレン基、R3は、水素原子又は炭素数1〜3のアルキル基である。
炭素数2〜10のアルキレン基としては、エチレン基、トリメチレン基、メチルエチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、2,2−ジメチル−トリメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基及びデカメチレン基等が挙げられる。
R1およびR2のうち、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(c)との反応性の観点から好ましいのは、エチレン基、トリメチレン基、メチルエチレン基およびテトラメチレン基であり、さらに好ましいのはエチレン基および/またはトリメチレン基である。
炭素数1〜3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、およびn−またはイソプロピル基である。
R3のうち、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(c)との反応性の観点から好ましいのは、水素原子又はメチル基である。
ジアルカノールアミン化合物(d2)の具体例としては、ジエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−n−プロピルジエタノールアミン、1−ヒドロキシエチル−1−ヒドロキシ−n−プロピルアミン、ジ(1−ヒドロキシ−n−プロピル)アミン、ジ(1−ヒドロキシ−n−ヘキシル)−N−メチルアミン、ジ(1−ヒドロキシ−n−プロピル)アミン、ジ(1−ヒドロキシ−n−ヘキシル)アミン、ジ(1−ヒドロキシ−n−オクチル)アミンおよびジ(1−ヒドロキシ−n−デシル)アミン等が挙げられ、2種以上を併用してもよい。
これら(d2)のうち、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(c)との反応性の観点から、ジエタノールアミンおよびN−メチルジエタノールアミンが好ましい。
装置(一例) : 東ソー(株)製 HLC−8120
カラム(一例) : TSK GEL GMH6 2本 〔東ソー(株)製〕
測定温度 : 40℃
試料溶液 : 0.25重量%のTHF(テトラヒドロフラン)溶液
溶液注入量 : 100μl
検出装置 : 屈折率検出器
基準物質 : 東ソー(株)製 標準ポリスチレン(TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量 500 1050 2800 5970 9100 18100 37900 96400 190000 355000 1090000 2890000)
また、Mnの測定は、試料をTHFに溶解し、不溶解分をグラスフィルターでろ別したものを試料溶液とする。
(e)の水酸基価としては、ポリイソシアネート(i)との反応率の観点から、10〜1000(mgKOH/g、以下同じ)が好ましく、より好ましくは50〜800、最も好ましくは100〜700である。
なお、試料に架橋にともなう溶剤不溶解分がある場合は、以下の方法で溶融混練後のものを試料として用いる。
混練装置 : 東洋精機(株)製 ラボプラストミル MODEL4M150
混練条件 : 130℃、70rpmにて30分
芳香族ポリエーテルポリオールとしては、ビスフェノール骨格を有するポリオール(例えばビスフェノールAのエチレオキサイドまたはプロピレンオキサイド2〜20モル付加物)、およびレゾルシンのエチレオキサイドまたはプロピレンオキサイド付加物等が挙げられる。
ポリエーテルポリオールは、脂肪族または芳香族低分子量活性水素原子含有化合物に、付加触媒(アルカリ金属水酸化物およびルイス酸等の公知の触媒)の存在下にアルキレンオキサイドを開環付加反応させることで得られる。
縮合型ポリエステルは、低分子量(Mn300以下)の多価アルコールと多価カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体とのポリエステルである。
低分子量の多価アルコールとしては、水酸基当量が30以上150未満の2価〜8価またはそれ以上の脂肪族多価アルコールおよび水酸基当量が30以上150未満の2価〜8価またはそれ以上のフェノールのアルキレンオキサイド低モル付加物が使用できる。
縮合型ポリエステルに使用できる低分子量の多価アルコールのうち好ましいのは、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコ
ール、1,6−ヘキサングリコール、ビスフェノールAのエチレンオキサイドまたはプロピレンオキサイド低モル付加物、およびこれらの併用である。
縮合型ポリエステルに使用できる多価カルボン酸またはそのエステル形成性誘導体としては、脂肪族ジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸、フマル酸およびマレイン酸等)、脂環式ジカルボン酸(ダイマー酸等)、芳香族ジカルボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸およびフタル酸等)、および3価またはそれ以上のポリカルボン酸(トリメリット酸およびピロメリット酸等)、これらの無水物(無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸および無水トリメリット酸等)、これらの酸ハロゲン化物(アジピン酸ジクロライド等)、これらの低分子量アルキルエステル(コハク酸ジメチルおよびフタル酸ジメチル等)およびこれらの併用が挙げられる。
ポリラクトンポリオールとしては、例えばポリカプロラクトンジオール、ポリバレロラクトンジオールおよびポリカプロラクトントリオール等が挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール等が挙げられる。
アルキルポリオールとしては、上記の低分子量の脂肪族多価アルコール等が挙げられる。
〔1〕脂肪族ジアミン{C2〜C6 アルキレンジアミン(エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミンおよびヘキサメチレンジアミン等)、ポリアルキレン(C2〜C6)ジアミン〔ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン,トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミンおよびペンタエチレンヘキサミン等〕};
〔2〕これらのアルキル(C1〜C4)またはヒドロキシアルキル(C2〜C4)置換体〔ジアルキル(C1〜C3)アミノプロピルアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、アミノエチルエタノールアミン、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサメチレンジアミンおよびメチルイミノビスプロピルアミン等〕;
〔3〕脂環または複素環含有脂肪族ジアミン{脂環式ジアミン(C4〜C15)〔1,3−ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミン、メンセンジアミンおよび4,4´−メチレンジシクロヘキサンジアミン(水添メチレンジアニリン)等〕、複素環式ジアミン(C4〜C15)〔ピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、1,4−ジアミノエチルピペラジン、および3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン等〕;
〔4〕芳香環含有脂肪族アミン類(C8〜C15)(キシリレンジアミンおよびテトラクロル−p−キシリレンジアミン等);等が挙げられる。
〔1〕非置換芳香族ジアミン〔1,2−、1,3−または1,4−フェニレンジアミン、2,4´−または4,4´−ジフェニルメタンジアミン、クルードジフェニルメタンジアミン(ポリフェニルポリメチレンポリアミン)、ジアミノジフェニルスルホン、ベンジジン、チオジアニリン、2,6−ジアミノピリジン、m−アミノベンジルアミン、トリフェニルメタン−4,4´,4”−トリアミンおよびナフチレンジアミン等;
〔2〕核置換アルキル基〔メチル,エチル,n−またはi−プロピル、およびn−またはi−ブチル等のC1〜C4アルキル基〕を有する芳香族ジアミン、例えば2,4−または2,6−トリレンジアミン、クルードトリレンジアミン、ジエチルトリレンジアミン、4,4´−ジアミノ−3,3´−ジメチルジフェニルメタン、4,4´−ビス(o−トルイジン)、ジアニシジン、ジアミノジトリルスルホン、1,3−ジメチル−2,4−ジアミノベンゼン、2,3−ジメチル−1,4−ジアミノナフタレン、および4,4´−ジアミノ−3,3´−ジメチルジフェニルメタン等〕、およびこれらの異性体の種々の割合の混合物;
〔3〕核置換電子吸引基(Cl,Br,IおよびF等のハロゲン;メトキシおよびエトキシ等のアルコキシ基;ニトロ基等)を有する芳香族ジアミン〔メチレンビス−o−クロロアニリン、4−クロロ−o−フェニレンジアミン、2−クロル−1,4−フェニレンジアミン、3−アミノ−4−クロロアニリン、4−ブロモ−1,3−フェニレンジアミン、2,5−ジクロル−1,4−フェニレンジアミン、5−ニトロ−1,3−フェニレンジアミンおよび3−ジメトキシ−4−アミノアニリン等〕;
〔4〕2級アミノ基を有する芳香族ジアミン〔上記〔1〕〜〔3〕の芳香族ジアミンの−NH2の一部または全部が−NH−R´(R´はアルキル基;例えばメチルおよびエチル等の低級アルキル基)で置換されたもの〕〔4,4´−ジ(メチルアミノ)ジフェニルメタン、および1−メチル−2−メチルアミノ−4−アミノベンゼン等〕が挙げられる。
上記モル比率は、ウレタン樹脂(A)を製造する際に使用した、ポリイソシアネート(i)と、ポリアミン(j)および(i)と反応する水の重量から、(A)中に含有されるウレタン基(―NHCOO―)のモル数とウレア基(―NHCONH―)のモル数の比を、計算により求めたものである。
る温度が100℃以上であり、好ましくは110〜280℃、さらに好ましくは130〜270℃である。
℃における貯蔵弾性率〔G’180〕(dyn/cm2)が、次の式(1)を満たす必要
があり、式(1’)を満たすことが好ましく、式(1”)を満たすことがさらに好ましい。
〔G’150〕/〔G’180〕≦12 ・・・式(1)
〔G’150〕/〔G’180〕≦10 ・・・式(1’)
〔G’150〕/〔G’180〕≦8 ・・・式(1”)
ウレタン樹脂(A)の貯蔵弾性率(G’)を調整するには、例えば、〔G’150〕/〔G’180〕を小さくする場合、ウレタン樹脂(A)の軟化点を上げる、3価以上の構成成分の比率を上げ架橋点の数を増やす、分子量を大きくする、またはTgを高くする等で達成できる。
装置 :ARES−24A(レオメトリック社製)
治具 :25mmパラレルプレート
周波数 :1Hz
歪み率 :5%
昇温速度:5℃/min
製造法〔1〕 1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(c)と炭素数が2〜10の脂肪族ジオール(d1)またはジアルカノールアミン化合物(d2)とを重縮合させて得られる水酸基を有するエステル(e)の有機溶剤(S)溶液を、ポリイソシアネート(i)と反応させ、次いで必要によりポリアミン(j)および/または水と反応させて、ウレタン樹脂(A)を製造する方法。
製造法〔2〕 1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(c)と炭素数が2〜10の脂肪族ジオール(d1)またはジアルカノールアミン化合物(d2)とを重縮合させて得られる水酸基を有するエステル(e)を液体状でポリイソシアネート(i)と反応させ、次いで必要によりポリアミン(j)および/または水と反応させて、ウレタン樹脂(A)を製造する方法。
なお、上記の製造法〔1〕、〔2〕における1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(c)は、その無水物を用いてもよい。
次いで、未反応のイソシアネート基を有する(e)と(i)の反応生成物(エステルイ
ソシアネート変性体)を、ポリアミン(j)および/または水と反応させて、ウレタン樹脂(A)を製造する。反応温度は反応速度とビューレット化抑制の観点で10〜100℃が好ましく、生産性の観点で反応時間は48時間以下が好ましい。(e)と(i)の反応生成物の未反応イソシアネート基と、ポリアミン(j)のアミノ基の当量比[NCO]/[NH2]は、好ましくは0.5/1〜1.5/1、さらに好ましくは0.7/1〜1.3/1、特に好ましくは0.75/1〜1.2/1である。
エステル(e)の水酸基とポリイソシアネート(i)のイソシアネート基の当量比は製造法〔1〕と同様でよい。反応温度はアロファネート化の開裂の観点から、150〜250℃で反応させることが好ましく、さらに好ましくは170〜230℃、特に好ましくは180〜220℃である。
(e)と(i)の反応時間は1時間以下が好ましく、さらに好ましくは30分以下、特に好ましくは20分以下である。
また、(A)の水酸基価は、好ましくは0〜100、さらに好ましくは0〜80、特に好ましくは0〜50である。
なお、上記および以下において、TgはDSC20、SSC/580[セイコー電子工業(株)製]を用いて、ASTM D3418−82に規定の方法(DSC法)で測定される。
<フロー軟化点〔Tm〕>
降下式フローテスター[例えば(株)島津製作所製、CFT−500D]を用いて、1gの測定試料を昇温速度6℃/分で加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出して、「プランジャー降下量(流れ値)」と「温度」とのグラフを描き、プランジャーの降下量の最大値の1/2に対応する温度をグラフから読み取り、この値(測定試料の半分が流出したときの温度)をフロー軟化点〔Tm〕とする。
溶融混合する場合の混合装置としては、反応槽等のバッチ式混合装置および連続式混合装置が挙げられる。適正な温度で短時間で均一に混合するためには、連続式混合装置が好ましい。連続混合装置としては、エクストルーダー、コンティニアスニーダーおよび3本ロール等が挙げられる。
粉体混合する場合の混合装置としては、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサーおよびバンバリーミキサー等が挙げられる。好ましくはヘンシェルミキサーである。
着色剤としては、着色剤として使用されている染料、顔料等のすべてを使用することができる。具体的には、カーボンブラック、鉄黒、スーダンブラックSM、ファーストイエローG、ベンジジンイエロー、ピグメントイエロー、インドファーストオレンジ、イルガシンレッド、パラニトロアニリンレッド、トルイジンレッド、カーミンFB、ピグメントオレンジR、レーキレッド2G、ローダミンFB、ローダミンBレーキ、メチルバイオレットBレーキ、フタロシアニンブルー、ピグメントブルー、ブリリアントグリーン、フタロシアニングリーン、オイルイエローGG、カヤセットYG、オラゾールブラウンBおよびオイルピンクOP等が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。また、必要により磁性粉[強磁性金属(鉄、コバルトおよびニッケル等)、マグネタイト、ヘマタイトおよびフェライト等の粉末)を着色剤としての機能を兼ねて含有させることができる。
着色剤の含有量は、本発明のウレタン樹脂(A)100部に対して、好ましくは1〜40部、さらに好ましくは3〜10部である。上記および以下において、部は重量部を意味する。
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽(以下の製造例で用いる反応槽も同様)中に、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸1,2−無水物(無水トリメリット酸)384部(2.0モル)、エチレングリコール409部(6.6モル)、重合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、140℃で窒素気流下に生成する水とエチレングリコールを留去しながら48時間反応させた。回収されたエチレングリコールは37部(0.6モル)であった。得られたエステル(e−1)のMnは350、酸価は0、水酸基価は470であった。
反応槽中に、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸1,2−無水物(無水トリメリット酸)384部(2.0モル)、エチレングリコール285部(4.6モル)、重合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、140℃で窒素気流下に生成する水とエチレングリコールを留去しながら48時間反応させた。回収されたエチレングリコールは37部(0.6モル)であった。得られたエステル(e−2)のMnは300、酸価は170、水酸基価は350であった。
反応槽中に、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸1,2−無水物(無水トリメリット酸)384部(2.0モル)、エチレングリコール285部(4.3モル)、ベンジルアルコール129部(1.2モル)、重合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、140℃で窒素気流下に生成する水とエチレングリコールを留去しながら48時間反応させた。回収されたエチレングリコールは19部(0.3モル)、ベンジルアルコールは22部(0.2部)であった。得られたエステル(e−3)のMnは390、酸価は8、水酸基価は360であった。
反応槽中に、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸1,2−無水物(無水トリメリット酸)384部(2.0モル)、エチレングリコール223部(3.6モル)、重合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5部を入れ、140℃で窒素気流下に生成する水とエチレングリコールを留去しながら48時間反応させた。回収されたエチレングリコールは19部(0.6モル)であった。得られたエステル(e−4)のMnは270、酸価は271、水酸基価は180であった。
エチレングリコール409部(6.6モル)をジエタノールアミン693部(6.6モル)に変更した以外は製造例1と同様にして、エステル(e−5)を得た。得られたエステル(e−5)のMnは470、酸価は0、水酸基価は358であった。
反応槽中に、製造例1で得られたエステル(e−1)100部(0.3モル)、テトラヒドロフラン800部を入れ80℃まで加熱し、(e−1)を溶解した。窒素気流下でイソホロンジイソシアネート(IPDI)を190部(0.9モル)加え24時間反応させ、エステルイソシアネート変性体(eu−6)を得た。得られた(eu−6)のMnは1000、固形分のイソシアネート価は160、固形分濃度は27重量%であった。
反応槽中に、製造例2で得られたエステル(e−2)100部(0.3モル)、テトラヒドロフラン800部を入れ80℃まで加熱し、(e−2)を溶解した。窒素気流下でIPDIを148部(0.7モル)加え24時間反応させ、エステルイソシアネート変性体(eu−7)を得た。得られた(eu−7)のMnは750、固形分のイソシアネート価は140、固形分濃度は24重量%であった。
反応槽中に、ポリエチレングリコール[PEG−400;三洋化成工業(株)製、Mn440]100部(0.2モル)、テトラヒドロフラン800部を入れ80℃まで加熱し、ポリエチレングリコールを溶解した。窒素気流下で4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)を113部(0.5モル)加え24時間反応させ、ポリオールイソシアネート変性体(xu−8)を得た。得られた(xu−8)のMnは950、固形分のイソシアネート価は115、固形分濃度は21重量%であった。
反応槽中に、テレフタル酸2990部(18.0モル)、ビスフェノールA・エチレンオキサイド2モル付加物7660部(23.4モル)、および縮合触媒としてテトラブトキシチタネート3部を入れ、230℃で窒素気流下に、生成する水を留去しながら5時間反応させた。次いで5〜20mmHgの減圧下に反応させ、軟化点が94℃になった時点で、生成したポリマーを取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリエステルポリオール(x−9)とする。得られたポリエステルポリオール(x−9)のMnは1800、酸価は2、水酸基価は30であった。
反応槽中に、製造例9で得られたポリエステルポリオール(x−9)100部(0.06モル)、テトラヒドロフラン800部を入れ80℃まで加熱し、(x−9)を溶解した。窒素気流下でヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)を19部(0.1モル)加え24時間反応させ、ポリオールイソシアネート変性体(xu−10)を得た。得られた(xu−10)のMnは2100、固形分のイソシアネート価は51、固形分濃度は13重量%であった。
上記製造例で得られたエステル(e−1)〜(e−5)、およびポリオール(x−9)に加え、ポリエーテルポリオール[PEG−400;三洋化成工業(株)製]、ポリカーボネートポリオール[PCDL T4671;旭化成ケミカルズ(株)製]およびシリコーンポリオール[KF−6001:信越化学工業(株)製]を用いた。
反応槽を十分に窒素で置換後に、表1に示す配合比で、エステル(e)、必要によりポリオール(x)を加え、温度を80℃にし、均一化した。そこへポリイソシアネート(i)を攪拌下に加え、30分攪拌し、均一化した。その後、攪拌を停止し、24時間反応させ、冷却、取り出し、粉砕することで、ウレタン樹脂(A−1)〜(A−9)、比較ウレタン樹脂(RA−1)、(RA−2)を得た。
得られたウレタン樹脂および比較ウレタン樹脂について、下記粘弾性測定装置を用いて(G’)が20000dyn/cm2になる温度、および〔G’150〕/〔G’180〕を測定した。測定結果を表1に示す。
装置 :ARES−24A(レオメトリック社製)
治具 :25mmパラレルプレート
周波数 :1Hz
歪み率 :5%
昇温速度:5℃/min
上記製造例で得られたイソシアネート変性体(eu−6)、(eu−7)、(xu−8)および(xu−10)を用いた。
反応槽を十分に窒素で置換後に、表2に示す配合比でイソシアネート変性体を加え、40℃に調整し、1時間均一化した。そこへポリアミン(j)または水を攪拌下に加え、4時間攪拌した。得られた樹脂溶液を薄く延ばし、90℃の減圧乾燥機で12時間脱溶剤し、冷却、取り出し、粉砕することで、ウレタン樹脂(A−10)〜(A−14)、比較ウレタン樹脂(RA−3)、(RA−4)を得た。
得られたウレタン樹脂および比較ウレタン樹脂について、実施例1〜9と同様にして(G’)が20000dyn/cm2になる温度、および〔G’150〕/〔G’180〕を測定した。測定結果を表2に示す。
実施例1〜14、比較例1〜4で得られたウレタン樹脂を250℃に温調したホットプ
レスで厚さ1mmになるように30秒プレスし、フィルムを得た。
フィルム化したウレタン樹脂から、JIS K6301(1995年)の引裂試験片ダンベルB号形を3枚打ち抜いた。板厚は曲がっている場所の近傍5カ所の最小値をとった。これを恒温槽の設置されたオートグラフに取り付け、100℃に温調し、2時間放置した後、200mm/minの速さで引っ張り、試験片が破断にいたる最大強度を算出した。25℃での引張り破断強度についても同様に測定し、試験片が破断にいたる最大強度を算出した。結果を表1、2に示す。
度等の樹脂の機械的強度が維持されるため、自動車のエンジンルーム内の部材、断熱材等の加熱源に近い成型材料、サニタリー用品、家電用品、家庭用品、建築用品、繊維または繊維製品および包装用品等の各種用途に有用である。
Claims (7)
- 1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(c)とエチレングリコールまたはジエタノールアミンとのエステルであって、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(c)とエチレングリコールまたはジエタノールアミンとのモル比が、1:(1〜3)である数平均分子量が270〜800のエステル(e)、およびポリイソシアネート(i)のみから形成されるウレタン樹脂であって、ウレタン樹脂の重量を基準とする前記(c)の含有量が12〜60重量%であり、貯蔵弾性率(G’)が20000(dyn/cm2)になる温度が140〜280℃であり、150℃における貯蔵弾性率〔G’150〕(dyn/cm2)および180℃における貯蔵弾性率〔G’180〕(dyn/cm2)が、次の式(1)を満たすウレタン樹脂。
〔G’150〕/〔G’180〕≦12 ・・・式(1) - 1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(c)とエチレングリコールまたはジエタノールアミンとのエステルであって、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(c)とエチレングリコールまたはジエタノールアミンとのモル比が、1:(1〜3)である数平均分子量が270〜800のエステル(e)、
ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールおよびシリコーンポリオールからなる群から選ばれる少なくとも1種の数平均分子量が100〜1800のポリオール、
ならびにポリイソシアネート(i)
のみから形成されるウレタン樹脂であって、ウレタン樹脂の重量を基準とする前記(c)の含有量が12〜60重量%であり、貯蔵弾性率(G’)が20000(dyn/cm2)になる温度が140〜280℃であり、150℃における貯蔵弾性率〔G’150〕(dyn/cm2)および180℃における貯蔵弾性率〔G’180〕(dyn/cm2)が、次の式(1)を満たすウレタン樹脂。
〔G’150〕/〔G’180〕≦12 ・・・式(1) - 1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(c)とエチレングリコールまたはジエタノールアミンとのエステルであって、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(c)とエチレングリコールまたはジエタノールアミンとのモル比が、1:(1〜3)である数平均分子量が270〜800のエステル(e)、
イソホロンジアミン、ヘキサメチレンジアミンおよび/または水、
ならびにポリイソシアネート(i)
のみから形成されるウレタン樹脂であって、ウレタン樹脂の重量を基準とする前記(c)の含有量が12〜60重量%であり、貯蔵弾性率(G’)が20000(dyn/cm2)になる温度が140〜280℃であり、150℃における貯蔵弾性率〔G’150〕(dyn/cm2)および180℃における貯蔵弾性率〔G’180〕(dyn/cm2)が、次の式(1)を満たすウレタン樹脂。
〔G’150〕/〔G’180〕≦12 ・・・式(1) - 1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(c)とエチレングリコールまたはジエタノールアミンとのエステルであって、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(c)とエチレングリコールまたはジエタノールアミンとのモル比が、1:(1〜3)である数平均分子量が270〜800のエステル(e)、
ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオールおよびシリコーンポリオールからなる群から選ばれる少なくとも1種の数平均分子量が100〜1800のポリオール、
イソホロンジアミン、ヘキサメチレンジアミンおよび/または水、
ならびにポリイソシアネート(i)
のみから形成されるウレタン樹脂であって、ウレタン樹脂の重量を基準とする前記(c)の含有量が12〜60重量%であり、貯蔵弾性率(G’)が20000(dyn/cm2)になる温度が140〜280℃であり、150℃における貯蔵弾性率〔G’150〕(dyn/cm2)および180℃における貯蔵弾性率〔G’180〕(dyn/cm2)が、次の式(1)を満たすウレタン樹脂。
〔G’150〕/〔G’180〕≦12 ・・・式(1) - ポリイソシアネート(i)、イソホロンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、および(i)と反応する水の構成単位の合計含有量がウレタン樹脂の全重量に対して2〜80重量%である請求項3または4記載のウレタン樹脂。
- エステル(e)の酸価が300(mgKOH/g)以下である請求項1〜5のいずれか記載のウレタン樹脂。
- 請求項1〜6のいずれか記載のウレタン樹脂を含有する成型品。
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