JP5524780B2 - 固体酸化物形燃料電池 - Google Patents
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Description
このSOFCでは、発電単位として、例えば固体電解質層の一方の側に燃料ガスに接する燃料極を設けるとともに、他方の側に空気と接する空気極を設けた固体酸化物形燃料電池セル(燃料電池セル;発電セル)が使用されている。また、この燃料電池セルを複数積層した固体酸化物形燃料電池スタック(燃料電池スタック)も開発されている。
第2固体電解質層を厚み方向に貫通し、該第2固体電解質層の厚み方向の両側面を電気的に導通する第1貫通導体部と、を備えるとともに、前記第2コネクタは、前記第2固体電解質層の前記燃料電池セルに面する側の第1面に積層され、電気絶縁性を有する基板と該基板を厚み方向に貫通し該基板の厚み方向の両側面を電気的に連通する第2貫通導体部とを備える第1部材と、前記第2固体電解質層の前記燃料電池セルの反対側の第2面に積層され、電気絶縁性を有する基板と該基板を厚み方向に貫通し該基板の厚み方向の両側面を電気的に連通する第3貫通導体部とを備える第2部材と、前記第1部材と前記第2固体電解質層との間に、前記第2固体電解質層の前記第1面に沿って延び、且つ前記第2貫通導体部と前記第1貫通導体部とを電気的に接続する第1集電層と、前記第2部材と前記第2固体電解質層との間に、前記第2固体電解質層の前記第2面に沿って延び、且つ前記第3貫通導体部と前記第1貫通導体部とを電気的に接続する第2集電層と、を備えることを特徴とする。
(2)本発明では、請求項2に記載の様に、前記第3貫通導体部は、前記第2部材の前記基板の外縁以外の領域に形成されており、前記第2部材の前記燃料電池セルの反対側の第3面に、該第3面に沿って該第3面における前記第3貫通導体部に対応する領域内に延び、且つ前記第3貫通導体部と電気的に接続して前記燃料電池セルで発生する電力を外部に出力する出力端部を備えることができる。
(3)本発明では、請求項3に記載の様に、前記第2コネクタの出力端部の面積を、前記第2コネクタの第1集電層及び第2集電層の面積よりも小さくすることが望ましい。
・前記電気絶縁性有する基板の材料としては、例えばSiO2とAl2O3とRO(R;Mg、Ca、Sr、Ba)からなるセラミックスを作用でき、この場合には、固体電解質基板との同時焼成がし易いので望ましい。
特に、Ag−Pd合金は、Ptよりも安価な金属であり望ましい。また、Ag−Pdの組成は、Pd含有量が20〜40mol%(Ag−Pd全体を100mol%としたとき)であることが好ましい。これは、20mol%を下回ると、融点が低く、固体電解質材料と一体に焼結する際に金属が溶融して、集電層等が形成できないことがあるからである。一方、40mol%を上回ると、合金が高価になってしまうからである。
・また、本発明のモノリス型SOFCの場合には、燃料電池セルとインターコネクタと外部コネクタとを未焼成の状態で積層圧着して一体としたものを、脱脂焼成して製造することができる。
[実施形態]
a)まず、本実施形態であるモノリス形の固体酸化物型燃料電池(以下固体酸化物型燃料電池をSOFCと記す)の構成について、図1〜図3に基づいて説明する。
このSOFC1は、後述するSOFCセル等を積層した柱状のSOFCスタックであり、例えば縦0.3cm×横1cm×長さ5cmの長尺の四角柱である。なお、0.3cm×1cmの面が底面であり、5cm×1cmの面が主面であり、5cm×0.3cmの面が側面である。
(1)SOFCセル25、27
図4(a)に示す様に、SOFCセル25、27は、ジルコニアを主成分とする(詳しくは10Sc1CeSZからなる)固体電解質基板(第1固体電解質層)41の表裏面に、Ag−Pdからなる電極(空気極、燃料極)43を備えたものである。
図4(b)に分解して示す様に、インターコネクタ23は、外側より、一対の第1平板45、47と一対の第2平板49、51と1枚の第3平板53とを積層した積層体である。つまり、第3平板53の板厚方向の両側に第2平板49、51を配置し、第2平板49、51の外側に第1平板45、47を配置して積層したものである。
(3)外部コネクタ29、31
図5に分解して示す様に、外部コネクタ29、31は、SOFC1の積層方向における外側より、表面基板(第2部材)63と調整基板65と各平板(第3平板67、第2平板69、第3平板71)とを積層したものである。
(1)固体電解質基板用及び調整基板用のグリーンシートの作製
Ce添加Sc安定化ジルコニア粉末(10Sc1CeSZ)とブチラール樹脂と可塑剤と有機溶剤とを混合して、スラリーを調整し、そのスラリーをドクターブレード法でキャスティングし、150μm厚の固体電解質基板用及び調整基板用のグリーンシートを作製した。
MgO:58mol%、SiO2:30mol%、Al2O3:4mol%、MnO:4mol%、CoO:2mol%、CaO:1mol%、TiO2:1mol%からなる組成のセラミックス粉とブチラール樹脂と可塑剤と有機溶剤とを混合して、スラリーを調整し、そのスラリーをドクターブレード法でキャスティングし、150μm厚の電気絶縁グリーンシートを作製した。
Ag−Pd(Pd:30mol%)粉末と10Sc1CeSZ粉末とエチルセルロースと有機溶剤とを混合し、Ag−Pdペーストを作製した。
図6に示す様に、固体電解質基板用のグリーンシート101の表裏面に、Ag−Pdペーストを印刷して電極パターン103を形成し、2枚の未焼成発電セル105、107を作製した。
図6に示す様に、電気絶縁グリーンシート109に、流路形成用貫通孔59とAg−Pdペーストにてビア57を形成した第1平板用シート111、113(2枚)と、前記流路形成用貫通孔59に連通するように形成した流路形成用貫通孔61と同様なビア57とを形成した第2平板用シート115、117(2枚)と、貫通孔がなくビア57のみを形成した第3平板用シート119(1枚)とを用意した。
次に、第1平板用シート111、第2平板用シート115、第3板用シート119、第2平板用シート117、第1平板用シート113の順で積層して積層体を形成し、その積層体を所定寸法に切断して、未焼成インターコネクタ123を形成した。
図6に示す様に、前記電気絶縁グリーンシート109に、流路形成用貫通孔77とAg−Pdペーストにてビア74を形成した第1平板用シート125と、前記流路形成用貫通孔77に連通するように形成した流路形成用貫通孔79とビア74とを形成した第2平板用シート127と、貫通孔がなくビア74のみを形成した第3平板用シート129とを用意した。
また、前記調整基板用のグリーンシートに、ビア75を形成するとともに(全ビア75に接するように)両面にAg−Pdペーストを印刷して電極パターン131を形成した調整基板用シート133を用意した。
図7に分解して示す様に、未焼成インターコネクタ123の両側に未焼成発電セル105、107を配置するとともに、未焼成発電セル105、107の各外側に未焼成外部コネクタ139、141を配置し、図8に示す様に、それらを積層して圧着して一体とし、積層体143を形成した。
c)次に、本発明の効果を確認するために行った実験例について説明する。
前記実施形態の製造方法でSOFC1を製造した。このSOFC1においても、外部コネクタ29、31に反りや割れなども確認できなかった。
このサンプルを800℃に昇温し、各金属マニホールド34、35を介して、燃料導入孔7には燃料ガスである露点30℃のH2ガスを供給し、空気導入孔9には酸化剤ガスである空気を供給した。また、外部コネクタ29、31の各電極3、5から電気を取り出せるように端子接続した。
d)次に、本実施形態による効果について説明する。
本実施形態では、燃料電池セル25、27の固体電解質基板41と外部コネクタ29、31の固体電解質基板81とは同じ主成分(ジルコニア)を有しているので、燃料電池セル25、27とインターコネクタ23と外部コネクタ29、31とを同時焼成により一体化した場合でも、外部コネクタ29、31に反りや破損が生じ難いという効果がある。
3…カソード端子用の電極(外側電極:出力端部)
5…アノード端子用の電極(外側電極:出力端部)
7…ガス導入孔
9…空気導入孔
23…インターコネクタ
25、27…固体酸化物形燃料電池セル(SOFCセル:発電セル)
29、31…外部コネクタ
34、35…金属マニホールド
41、81…固体電解質基板(第1、第2固体電解質層)
57、74、75、85…ビア
82…第1集電層(内側電極)
83…第2集電層(内側電極)
Claims (3)
- 第1固体電解質層を備える層状の燃料電池セルと、
隣接する二つの前記燃料電池セルに挟まれて、該隣接する燃料電池セル間の電気的導通を行う第1コネクタと、
前記燃料電池セルと前記第1コネクタとが交互に積層された積層体の積層方向の両端にさらに積層されて、該積層体と外部との電気的導通を行う第2コネクタと、
を有し、前記燃料電池セルと前記第1コネクタと前記第2コネクタとが同時焼成により一体化されてなる固体酸化物形燃料電池であって、
前記第2コネクタは、
前記積層方向に沿って積層され且つ前記第1固体電解質層を構成する各成分のうち同じ主成分を有する第2固体電解質層と、
前記第2固体電解質層を厚み方向に貫通し、該第2固体電解質層の厚み方向の両側面を電気的に導通する第1貫通導体部と、
を備えるとともに、
前記第2コネクタは、
前記第2固体電解質層の前記燃料電池セルに面する側の第1面に積層され、電気絶縁性を有する基板と該基板を厚み方向に貫通し該基板の厚み方向の両側面を電気的に連通する第2貫通導体部とを備える第1部材と、
前記第2固体電解質層の前記燃料電池セルの反対側の第2面に積層され、電気絶縁性を有する基板と該基板を厚み方向に貫通し該基板の厚み方向の両側面を電気的に連通する第3貫通導体部とを備える第2部材と、
前記第1部材と前記第2固体電解質層との間に、前記第2固体電解質層の前記第1面に沿って延び、且つ前記第2貫通導体部と前記第1貫通導体部とを電気的に接続する第1集電層と、
前記第2部材と前記第2固体電解質層との間に、前記第2固体電解質層の前記第2面に沿って延び、且つ前記第3貫通導体部と前記第1貫通導体部とを電気的に接続する第2集電層と、
を備えることを特徴とする固体酸化物形燃料電池。 - 前記第3貫通導体部は、前記第2部材の前記基板の外縁以外の領域に形成されており、
前記第2部材の前記燃料電池セルの反対側の第3面に、該第3面に沿って該第3面における前記第3貫通導体部に対応する領域内に延び、且つ前記第3貫通導体部と電気的に接続して前記燃料電池セルで発生する電力を外部に出力する出力端部を備えることを特徴とする請求項1に記載の固体酸化物形燃料電池。 - 前記第2コネクタの出力端部の面積を、前記第2コネクタの第1集電層及び第2集電層の面積よりも小さくしたことを特徴とする請求項2に記載の固体酸化物形燃料電池。
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