JP5521494B2 - 石炭の改質方法、コークス及び焼結鉱の製造方法並びに高炉の操業方法 - Google Patents

石炭の改質方法、コークス及び焼結鉱の製造方法並びに高炉の操業方法 Download PDF

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Description

本発明は、製鉄プロセスにおけるコークス製造用原料、焼結鉱製造用固体燃料、高炉羽口吹込み用還元材として使用される石炭の改質技術に関する。
従来、コークス用の原料としては、瀝青炭などの高品位の粘結炭が主として使用されているが、粘結炭は高価であり、産出量も限られている。そのため、粘結炭に比べて粘結性の低い非微粘結炭などの低品位の石炭を改質して粘結炭に配合し混合することにより、コークスの原料として使用することが行われている。
例えば、特許文献1には、石炭と溶剤とを混合して石炭の溶剤への可溶成分を抽出し、当該抽出した抽出液に抽出残分を混合し、その混合物から溶剤を除去することにより、軟化溶融性等の性質の局在化が抑えられた均質な改質石炭を製造する製造方法が開示されている。
一般的に鉄鉱石の焼結工程では、鉄鉱石などに固体燃料としての粉コークスを混合して、この混合物を焼結することにより焼結鉱を製造している。また、高炉の操業においては、高炉の羽口から熱風とともに還元材としての微粉炭を吹き込みことにより高炉の操業性を向上させている。従来の石炭改質方法により得られた改質炭は、主としてコークス製造用原料として使用されており、焼結鉱製造用固体燃料および高炉羽口吹込み用還元材としての利用は検討されていない。
特開2007−161955号公報
コークスの配合炭中の非微粘結炭などの低品位炭の配合比を増加し、粘結炭などの高品位炭の配合比を更に減じるためには、従来の低品位炭の改質炭よりもコークス強度の向上効果が高い改質炭を製造する必要がある。
また、焼結鉱の生産率をさらに向上させるためには、従来の固体燃料である粉コークスよりも燃焼性能の高い燃焼材固体燃料を使用する必要がある。また、高炉の操業性及び生産率をさらに高めるためには、従来の微粉炭よりも燃焼性能の高い還元材を用いる必要がある。
そこで、本発明は、コークス強度の向上効果に優れた改質炭、燃焼性能に優れた改質炭を得ることを目的とする。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その発明の要旨とするところは以下のとおりである。
(1)石炭と非水素供与性溶剤を混合し、該石炭と非水素供与性溶剤の混合物を加圧加熱し、石炭の不溶解成分と、石炭の可溶成分とが非水素供与性溶剤に溶解した第1の液相成分とを生成し、分離した後、該第1の液相成分を冷却することにより、前記石炭の可溶成分の一部を前記非水素供与性溶剤から分離された第1の固相成分と残部の第2の液相成分とを生成し、分離し、さらに、該第2の液相成分から前記非水素供与性溶剤を分離することにより第2の固相成分を生成する石炭の改質方法で得られた前記第1の固相成分を焼結鉱製造用固体燃料として使用することを特徴とする焼結鉱の製造方法
(2)前記第1の固相成分をさらに炭化処理した炭化物を焼結鉱用固体燃料として使用することを特徴とする(1)に記載の焼結鉱の製造方法。
)前記第1の液相成分を20〜50℃の温度に冷却することを特徴とする前記(1)または(2)に記載の焼結鉱の製造方法
本発明によれば、コークス製造用原料としてコークス強度の向上効果に優れた改質炭が得られるとともに、焼結鉱製造用固体燃料及び高炉羽口吹込み用還元材として燃焼性能に優れた改質炭を得ることができる。
改質炭の製造工程を図示した工程図である。 改質炭の用途を示したブロック図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
(実施形態1)
図1を参照して、本発明の石炭の改質方法の実施形態1を説明する。図1は、石炭の改質工程を示した工程図である。混合工程13では、石炭槽11から供給される石炭と、溶剤槽12から供給される溶剤とを混合する。加圧加熱工程14では、混合工程13で得られた石炭と溶剤とからなる混合物を加圧加熱して、石炭の可溶成分を溶剤に溶解させる。石炭の可溶成分が溶解した溶剤を第1の液相成分Xといい、溶剤に不溶解であった石炭の不溶解成分を石炭Rというものとする。第1分離工程15では、これらの第1の液相成分X及び石炭Rを固液分離する。
冷却工程16では、第1の液相成分Xを冷却して、石炭の可溶成分の一部である抽出石炭D(第1の固相成分)と、残部の第2の液相成分Yとを得る。第2分離工程17では、冷却工程16で得られた第2の液相成分Y及び抽出石炭Dを固液分離する。第3分離工程18では、第2分離工程17で分離された第2の液相成分Yから溶剤を除き、その残部である抽出石炭S(第2の固相成分)を得る。つまり、石炭と溶剤とを混合した混合物から三種類の異なる石炭、すなわち、石炭R、抽出石炭D及び抽出石炭Sを得ることができる。
(石炭槽11について)
石炭槽11には、褐炭、亜瀝青炭などの粘結性の低い低品位炭が貯留されている。このような低品位炭から製鉄プロセス用原料である、コークス製造用原料、焼結鉱製造用固体燃料、および、高炉羽口吹込み用還元材として有用な改質炭を得ることにより、原料コストを低減することができる。
(溶剤槽12について)
溶剤槽12には、石炭槽11に貯留された石炭の可溶成分を溶解するための溶剤が貯留されている。溶剤には、2環芳香族を主とする非水素供与性溶剤を用いることができる。非水素供与性溶剤は、主に石炭の乾留生成物から精製した、2環芳香族を主とする溶剤で、石炭誘導体である。この非水素供与性溶剤は、加熱状態でも安定であり、石炭との親和性に優れているため、溶剤に抽出される石炭成分の割合(以下、「抽出率」ともいう)が高く、また、石炭から各種石炭成分を抽出した後、溶剤を蒸留等の方法で容易に回収可能な溶剤である。さらに、回収した溶剤を再利用することもできる。
非水素供与性溶剤の主たる成分としては、2環芳香族であるナフタレン、メチルナフタレン、ジメチルナフタレン、トリメチルナフタレン等が挙げられ、その他脂肪族側鎖をもつナフタレン類、また、これにビフェニルや長鎖脂肪族側鎖をもつアルキルベンゼンが含まれる。
非水素供与性溶剤は、沸点が180〜330℃のものが好ましい。沸点が180℃未満であると、加圧加熱工程14での必要圧力が高くなり、また、溶剤を回収する工程で揮発による損失が大きくなり、溶剤の回収率が低下する。さらに、抽出石炭の抽出率が低下する。一方、330℃を超えると、後述する溶剤の分離が困難となり、溶剤の回収率が低下する。
このように、非水素供与性溶剤を使用して石炭の加熱抽出をすることにより、石炭の抽出率を高めることができる。また、非水素供与性溶剤は極性溶剤とは異なり、容易に溶剤を回収できるため、溶剤の循環使用が容易となる。さらに、高価な水素や触媒等を用いる必要がないため、安価なコストで石炭を可溶化して、経済性の向上を図ることができる。
なお、他の技術として、石炭から各種石炭成分を抽出した後、溶剤を回収して循環使用する必要がなければ、従来の石炭の液化方法等で用いられるテトラリンなどの水素供与性溶剤や、水素化したクレオソート油、水素化したアントラセン油、およびその混合物などを用いてもよい。
(混合工程13について)
混合工程13では、溶剤槽12から供給される溶剤と、石炭槽11から供給される石炭とを混合する。石炭と溶剤の混合物は、石炭の粒子が溶剤中に分散したスラリー状態で存在する。以下、この混合物をスラリーというものとする。
(加圧加熱工程14について)
加圧加熱工程14では、所定の抽出温度まで石炭と溶剤のスラリーを加熱する。この加熱処理は、スラリー中の溶剤が沸点に達しないように、加圧状態で行う。具体的には、圧力値を0.8〜2.5MPaに設定することにより、溶剤の沸騰を防止し、石炭成分の抽出率を高めることができる。この圧力条件でスラリーの温度(より具体的にはスラリーの液温)が石炭の可溶成分が十分に抽出される温度(以下、該温度を抽出温度と称す)に達すると、石炭の可溶成分が溶剤に溶解する。この抽出温度は、300〜420℃に設定するのが好ましい。300℃よりも温度が低い場合には、石炭構成分子間の結合力を十分に低下させることができないため、石炭成分の抽出率が低下する。一方、420℃よりも温度が高い場合には、石炭の熱分解反応で生成されたラジカルの再結合が起こり、石炭成分の抽出率が低下する。また、石炭と溶剤のスラリーの加圧加熱処理は、不活性ガスの雰囲気内で行うのが好ましい。不活性ガスには、窒素ガスを用いることができる。抽出処理時間は、例えば、20〜30分に設定することができる。
したがって、加圧加熱工程14における石炭と溶剤のスラリーの加圧加熱処理により、石炭の可溶成分が溶剤に溶解した第1の液相成分Xと溶剤に不溶解であった石炭の不溶解成分である石炭Rとを生成することができる。これらの生成物は第1分離工程15に送られる。
第1分離工程15では、第1の液相成分X及び石炭Rを固液分離する。固液分離方法には、重力沈下法を用いることができる。ここで分離して得られた石炭Rの用途については後述する。
第1分離工程15で分離された第1の液相成分Xは、冷却工程16に送液される。冷却工程16に送液された第1の液相成分Xは冷却される。ここで、冷却温度が50℃よりも高いと、抽出石炭S及び抽出石炭Dの抽出率が低下する。他方、冷却温度を20℃より低くしても、前記抽出率が顕著に向上することはなく、却って冷却時間が長くなる。したがって、冷却温度は20〜50℃に設定するのが好ましい。
なお、本発明では、第1の液相成分Xを冷却することにより、褐炭、亜瀝青炭などの低品位炭を改質し、製鉄プロセス用原料である、コークス製造用原料、焼結鉱製造用固体燃料、および、高炉羽口吹込み用還元材として有用な抽出石炭S及び抽出石炭Dを抽出できることに特徴がある。したがって、上記冷却温度は、抽出石炭S及び抽出石炭Dの抽出率を向上するために好ましい範囲を示すものであり、抽出石炭S及び抽出石炭Dが抽出可能である限り上記冷却温度に限定されるものではない。
なお、上記冷却工程16では、空冷を用いてもよいし、冷却温度や冷却速度などの冷却条件を制御できる冷却装置を用いることもできる。
冷却工程16で得られた第2の液相成分Y及び抽出石炭Dは、第2分離工程17で固液分離される。第2分離工程17での固液分離方法には、重力沈下法を用いることができる。ここで分離して得られた抽出石炭Dの用途については後述する。
第2分離工程17で分離された第2の液相成分Yは、第3分離工程18に送液される。第3分離工程18では、第2の液相成分Yに含まれる溶剤が除去される。溶剤の除去方法には、蒸発乾固法やスプレードライ法を用いることができる。これにより、第2の液相成分Yに含まれる抽出石炭Sを固相状態で抽出することができる。
次に、抽出石炭S、抽出石炭D及び石炭Rの用途について詳細に説明する。図2は、抽出石炭S、抽出石炭D及び石炭Rの用途を説明するためのブロック図である。まず、第3分離工程18にて得られた抽出石炭Sの用途について説明する。安価な低品位炭を改質して得られた抽出石炭Sは、コークス製造プロセスの原料炭として用いることで原料コスト低減およびコークス強度向上の効果が極めて高い。したがって、抽出石炭Sは、例えばコークスの配合炭として用いることができる。抽出石炭Sの性状を乾留前に求めておくことにより、抽出石炭Sを含む配合炭のコークス強度を推定することができる。これにより、褐炭、亜瀝青炭などの粘結性の低い低品位炭からコークス強度の向上効果が高い抽出石炭Sを得ることができる。さらに、抽出石炭S単体に比べてコークス強度向上効果は低くなるが、抽出石炭Sを抽出石炭D又は石炭Rと混合した混合炭S+D、混合炭S+Rをコークス製造用の配合炭として用いることもできる。
また、第2分離工程17で得られた抽出石炭Dは、ミクロな気孔構造を備えており燃焼開始温度が低く、燃焼速度も速いため、燃焼性能に優れている。また、抽出石炭Dを乾留し炭化することにより、ミクロな気孔構造がさらに発達する。したがって、図2に図示するように、抽出石炭D、抽出石炭Dを炭化処理部で炭化させた炭化抽出石炭Dは、焼結鉱製造プロセスの固体燃料、高炉の羽口から熱風とともに吹き込む還元材として用いることができる。後述する実施例に示すように、抽出石炭D、炭化抽出石炭Dは、鉄鉱石焼結用の固体燃料として現在使用されている粉コークスよりも、燃焼開始温度が低く、燃焼速度も速いため、燃焼性能が優れている。さらに、抽出石炭D、炭化抽出石炭Dは、高炉の羽口から熱風とともに吹き込まれる還元材として現在使用されている微粉炭よりも、燃焼開始温度が低く、燃焼速度も速いため、燃焼性能に優れている。さらにまた、抽出石炭S単体に比べてコークス強度向上効果は低くなるが、抽出石炭Dも同様にコークス強度向上効果を有しており、コークス製造用の配合炭として用いることもできる。
第1分離工程15で得られた石炭Rは、ミクロな気孔構造を備えており、燃焼開始温度が低く、燃焼速度も速いため、燃焼性能に優れている。また、石炭Rを炭化させることにより、ミクロな気孔構造がさらに発達する。したがって、図2に図示するように、石炭R、この石炭Rを炭化させた炭化石炭Rc、抽出石炭D、この石炭Dを炭化させた炭化抽出石炭D、抽出石炭D及び石炭Rの混合炭D+R、この混合炭D+Rを炭化させた炭化混合炭(D+R)を、焼結鉱製造プロセスの固体燃料、高炉の羽口から熱風とともに吹き込む還元材として用いることができる。石炭R、炭化石炭Rc、抽出石炭D、炭化抽出石炭D、混合炭D+R、炭化混合炭(D+R)は、焼結鉱製造プロセスの固体燃料として現在使用されている粉コークスよりも、燃焼開始温度が低く、燃焼速度も速いため、燃焼性能が優れている。さらに、石炭R、炭化石炭Rc、抽出石炭D、炭化抽出石炭D、混合炭D+R、炭化混合炭(D+R)は、高炉の羽口から熱風とともに吹き込まれる還元材として現在使用されている微粉炭よりも、燃焼開始温度が低く、燃焼速度も速いため、燃焼性能が優れている。
抽出石炭R、Dなどを焼結鉱製造プロセスの固体燃料として使用する場合には、焼結鉱の原料となる粉状或いは適切な粒度に破砕調整された鉄鉱石、石灰石や蛇紋岩などの副原料などに上記抽出石炭R、Dなどの固体燃料を混入して、破砕および混練して造粒する。この造粒物は、例えば、ドワイトロイド式焼結機のパレット上に所定の厚さ(たとえば500〜700mm)で層状に装入される。そして、点火炉によって、造粒物の表層に含まれる燃焼開始温度が低く、燃焼速度も速い燃焼性能が優れた抽出石炭R、Dなどの固体燃料に着火して、焼結処理を開始する。着火後はウインドボックスにより、下方に向けて空気を吸引しながら前記固体燃料、および前記固体燃料から放出される揮発分を燃焼させ、その燃焼熱によってパレット上の造粒物を焼結させて焼結ケーキとする。
焼結処理で得られた焼結ケーキは無端のパレットから送出された後、第1のクラッシャーにより破砕され、冷却される。続いて、第2のクラッシャーによりさらに破砕され、多段式の篩いにより、高炉用原料として所定の粒径を有する焼結鉱が得られる。
一方、抽出石炭R、Dなどを高炉の羽口から熱風とともに吹き込む還元材として用いる場合は、粉砕機により粉砕された後、羽口から熱風とともに高炉に吹き込まれる。熱風により熱せられた還元材は、微粉炭よりも燃焼開始温度が低く、燃焼速度も速いため、速やかに一酸化炭素や水素ガスなどの還元ガスとなって、高炉内に装入される塊状鉄鉱石、焼結鉱などを還元する。これにより羽口先での燃焼性が向上し、高炉の操業性を向上させることができる。
次に、以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
参考例
参考例では、表1の試料1〜7についてそれぞれコークス強度を測定した。
Figure 0005521494
料1はベース混合炭を90質量%、抽出石炭Sを10質量%の配合割合で配合した配合炭であり、試料2はベース混合炭を90質量%、混合炭S+D(改質炭Sと改質炭Dを1:1で混合)を10質量%の配合割合で配合した配合炭であり、試料3はベース混合炭を90質量%、混合炭S+R(改質炭Sと石炭Rを1:1で混合)を10質量%の配合割合で配合した配合炭であり、試料4はベース混合炭を90質量%、抽出石炭Dを10質量%の配合割合で配合した配合炭であり、試料5はベース混合炭を90質量%、石炭Rを10質量%の配合割合で配合した配合炭であり、試料6はベース混合炭を90質量%、未改質炭を10質量%の配合割合で配合した配合炭であり、試料7はベース配合炭が100質量%の配合炭である。ベース混合炭は、強粘結炭と非微粘結炭を1:1の重量比で配合した配合炭である。
未改質炭として褐炭であるL炭を使用した。L炭の組成は、C:66.8%、H:5.1%、N:0.6%、O:27.5%であり、水分50%である。L炭を実施形態1の工程にしたがって改質することにより、抽出石炭S、抽出石炭D、石炭Rを抽出した)。
溶剤には、メチルナフタレンを使用した。加圧加熱工程における加熱温度を370℃、圧力を2MPa、加圧加熱時間を1時間に設定した。重力沈下法により石炭Rを分離させた後に、第1の液相成分Xを25℃まで冷却した。重力沈下法により抽出石炭Dを分離させた後に、第2の液相成分Y中の溶剤を蒸発法により除去し抽出石炭Sを抽出した。
試料1〜7をそれぞれ試験コークス炉で乾留して、コークス強度を測定した。コークス強度の評価は、回転強度試験方法のドラム強度に基づき測定、評価を行った。
料1のコークス強度が87.4であり、試料2のコークス強度が82.0であり、試料3のコークス強度が81.2であり、試料4のコークス強度が80.7であり、試料5のコークス強度が80.1であり、試料6のコークス強度が78.3であり、試料7のコークス強度が80.7であった。試料6のコークス強度(78.3)は、試料7のコークス強度(80.7)に比べて低くなるが、未改質炭を改質して得られた抽出石炭S、抽出石炭D、抽出石炭Sと抽出石炭Dを配合したS+D、及び抽出石炭Sと石炭Rを配合したS+Rの試料のコークス強度(それぞれ、87.4、80.7、82、81.2)は未改質炭配合のコークス強度(78.3)および石炭R配合のコークス強度(80.1)に比べて高くなることがわかった。また、コークス強度の向上効果は、抽出石炭S、抽出石炭Dの順に高いことがわかった。さらに、抽出石炭Sを配合した試料1、抽出石炭Sと抽出石炭Dの混合炭(混合炭S+D)を配合する試料2、抽出石炭Sと石炭Rの混合炭(混合炭S+R)を配合する試料3、および抽出石炭Dを配合した試料4が、試料7と同等以上のコークス強度が得られることがわかった。したがって、安価な褐炭であるL炭を本参考例の方法で改質し、強粘結炭及び非微粘結炭の一部と置換することにより、安価に高強度コークスの製造が可能となることがわかった。
(実施例2)
実施例2では、表1に示す抽出石炭Dの燃焼性について評価を行った。抽出石炭Dは実施例1と同様の方法で褐炭であるL炭から抽出した。また、抽出石炭Dを炭化した炭化抽出石炭Dについても燃焼性の評価を行った。なお、比較例として、粉コークスについても、同様の燃焼性評価を行った。
(i)熱天秤を用いた反応開始温度、及び、反応速度最大温度の評価試験
まず、熱天秤に、所定の粒度(0.15−0.25mm)に調整した上記各試料を、所定の重量(10−20mg)入れ、空気雰囲気中で昇温して、重量減少を測定した。そして、重量減少率が安定して0.002(1/min)を超える温度を反応開始温度と定義して評価した。
また、重量減少曲線の傾きが最大となる温度(単位時間あたりの重量減少が最大となる温度)を、反応速度最大温度と定義して評価した。
(ii)焼結鍋試験評価(焼結プロセスにおける生産率、歩留まりの評価試験)
直径30cm、層高60cmの焼結試験装置を用いて、所定の配合原料で焼結鉱を製造する試験を実施した。上記各試料は、原料に対してそれぞれ同じ重量比となるように配合して配合原料とした。この配合原料を焼結試験装置内に60cm高さまで装入したのち、原料層の表層の固体燃料にプロパンガスバーナーで90秒間点火する操作を行った。その後、15kPaの一定負圧で下方へ空気を吸引しながら焼結反応を行った。一連の焼結処理が完了した焼結体を、十分に冷却した後、2m高さから4回落下させて破砕し、5mm以上の粒度を有するものを焼結鉱として回収した。このマテリアルバランスから焼結鉱の生産率および歩留まりを測定した。
評価は、生産率、製品歩留まりで行い、粉コークスを用いた比較例の生産率及び歩留まりを基準とし、比較例より優れている場合を○、さらにより優れている場合を◎で評価した。評価試験結果を表4に示す。
Figure 0005521494

表2に示すように、抽出石炭D、炭化抽出石炭Dは、粉コークスに比べて反応開始温度が低く、反応速度最大温度が低く、優れた燃焼性能を有していることがわかった。また、焼結鍋試験から、固体燃料として、抽出石炭D、炭化抽出石炭Dを用いることで、粉コークスに比べて生産率及び成品歩留が向上することが判った。従って、抽出石炭D、炭化抽出石炭Dを焼結鉱製造プロセスの固体燃料として使用することにより、焼結鉱の生産率を向上させることができる。
11 石炭槽
12 溶剤槽
13 混合工程
14 加圧加熱工程
15 第1分離工程
16 冷却工程
17 第2分離工程
18 第3分離工程

Claims (3)

  1. 石炭と非水素供与性溶剤を混合し、該石炭と非水素供与性溶剤の混合物を加圧加熱し、石炭の不溶解成分と、石炭の可溶成分とが非水素供与性溶剤に溶解した第1の液相成分とを生成し、分離した後、該第1の液相成分を冷却することにより、前記石炭の可溶成分の一部を前記非水素供与性溶剤から分離された第1の固相成分と残部の第2の液相成分とを生成し、分離し、さらに、該第2の液相成分から前記非水素供与性溶剤を分離することにより第2の固相成分を生成する石炭の改質方法で得られた前記第1の固相成分を焼結鉱製造用固体燃料として使用することを特徴とする焼結鉱の製造方法。
  2. 前記第1の固相成分をさらに炭化処理した炭化物を焼結鉱用固体燃料として使用することを特徴とする請求項1に記載の焼結鉱の製造方法。
  3. 前記第1の液相成分を20〜50℃の温度に冷却することを特徴とする請求項1または2に記載の焼結鉱の製造方法
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