JP5128351B2 - 炭素材料の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、石炭を原料として、灰分の極めて少ない、炭素を主成分とする材料を製造する炭素材料の製造方法に関する。
炭素製品は、耐熱性、化学的安定性、機械的強度等に優れており、導電性もあるという特徴を有することから、構造材、製鉄用コークスをはじめとする冶金工業用還元剤、導電材料、あるいは産業機械部品材料等として広く利用されている。この炭素製品を製造するための炭素材料は、有機質原料(炭素材料原料)を塊状に成形し、この成形体を高温で加熱処理して炭素化することにより製造される。ここで、炭素材料を製造するための炭素材料原料に求められる特性は、その用途により多少異なるが、一般的に、塊状に成形して成形体とすることができること(ただし、粉末のまま炭素化して、粉末状炭素として使用するのではない場合)、炭素収率が高いこと、得られる炭素材料の性質が優れていること、等が挙げられる。
ここで、炭素材料の製造方法としては、石炭を原料とすることが考えられる。しかし、石炭のうち、粘結性のない石炭は脆いために成形がしにくく、成形できたとしても、熱処理すると粉化してしまう。逆に、粘結性のある石炭は成形することは容易であるが、熱処理過程で膨張したり、溶融・変形したりしてしまう。そのため、石炭を何らかの方法で加工しなければ炭素材料原料として用いることはできない。
そこで、炭素材料原料として、骨材としてのコークス粉(石炭コークスや石油コークス)、および成形用バインダーとしてのタールやピッチが用いられている。コークスは石油を乾留して製造されるものであり、揮発分が1質量%と少なく、溶融することなく炭素化し、固定炭素(炭素収率)が90質量%程度と高いことが特徴である。タールやピッチは、乾留工程での副原料であり、固定炭素はコークスほど高くはないが、加熱すると溶融する性質があり、コークス粒子をつなぐ役割(バインダーの役割)を果たす。
しかし、原料がコークスだけでは、塊状に成形することができず、タールやピッチだけでは、成形はできても、炭素化するために加熱すると溶融して形を失ってしまう。そのため、コークスとバインダー(ピッチおよび/またはタール)を混練して成形した後、不活性ガス雰囲気中で1000℃以上の高温で熱処理して炭素化、さらに黒鉛化するのが炭素材料の典型的な製造プロセスである。
ここで、例えば、石炭コークスは、製鉄用コークスを製造する際の未利用成分であり、石油コークスは、石油精製プロセスの副生成物であり、また、タールやピッチ類も、石炭や石油精製工業の副生成物である。このように、これらいずれの原料も、他の製造プロセスの未利用成分や副生成物であるため、その成分中に灰分を含み(例えば、コークスでは10質量%前後の灰分を含む)、これを使って製造される炭素材料も灰分を含むことが避けられない。しかし、この灰分は炭素材料の特性を劣化させるので、成分中に含まれることは好ましくない。なお、乾留は1000℃以上の高温で熱処理するプロセスであるため、大量のエネルギーを必要とし、炭素製造工程では、再び1000℃以上の熱処理を行うことから、高温での2度の熱処理をすることになり、非効率的である。
また、他の炭素材料原料としては、溶剤抽出炭や石炭液化生成物が知られている。しかし、前者は、石炭と同等の灰分を含むという問題があり、後者は、炭素収率が低いという問題がある上、製造プロセス自体が実用化されていない。
前記したように、炭素材料中の灰分含有率は低いほうが好ましいが、粗原料が石炭や石油等の天然物である以上、一定の灰分を含むことは避けられない(例えば、石炭には数質量%から多い場合には10質量%以上の灰分が含まれる)。したがって、極めて高純度の炭素材料が必要な場合は、塩素等のハロゲンガスで炭素材料を熱処理して、灰分を揮発性の金属ハロゲン化物に転換して除去する処理が行われる。しかし、この処理には多くの費用がかかり、非経済的である。
ここで、新しい石炭改質法として、非水素供与性溶剤を用いて石炭を抽出処理する技術が開示されている(例えば、特許文献1、2参照)。この改質法は、非水素供与性の芳香族化合物を溶媒とし、例えば、400℃、1MPa程度の比較的温和な条件で処理するために、従来の溶剤抽出炭や液化生成物に比べると処理コストや設備コストが格段に小さい。そして、このようにして得られた改質炭(無灰炭、すなわちハイパーコール)の特徴は、灰分濃度が0.3質量%以下と極めて低いことと、200〜300℃程度の比較的低い温度で溶融することである。そこで、この特性を生かしてコークス製造用バインダーとしての応用開発が進められており、また、近年においては、この無灰炭を炭素材料原料として用いることで炭素材料を製造することが試みられている。
特開2006−70183号公報 特開2007-161926号公報
石炭を溶剤抽出し、灰分と非溶解性の石炭成分を除去することにより製造される、いわゆる無灰炭は、石炭由来の瀝青物でありながら、灰分を実質的に含まないため、高純度の炭素材料原料として好適と考えられる。しかし、この無灰炭は炭素材料原料を熱処理して炭素化する炭素化工程で激しく発泡するため、気孔率(気孔の含有率)が80%以上と極めて多孔質の、製鉄用コークスとしても不適な炭素材料しか得られないという問題や、炭素収率が60質量%前後以下と必ずしも高くないという問題があった。
また、近年においては、炭素材料を塊状の成形体として得る場合、成形体が炭素化の熱処理により膨張することなく、所定の形状を維持した状態で炭素化材料を得ることができる技術の開発への要請も強まっている。さらに、炭素材料をより経済的に得ることへの要請もある。
本発明は、前記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、無灰炭を原料として、気孔率が60%以下、かつ、極めて灰分濃度の低い高純度の炭素材料を、高収率で、経済的に得ることができる炭素材料の製造方法を提供することにある。
また、緻密で、かつ、極めて灰分濃度の低い高純度の炭素材料を、高収率で、経済的に得ることができると共に、所定の形状を維持した状態で炭素材料を得ることができる炭素材料の製造方法を提供することにある。
本発明者らが種々検討した結果、無灰炭を炭素材料原料として用いるときの問題、すなわち、炭素化工程で激しく発泡してしまい、気孔率が低く、緻密で強い炭素材料を得がたいこと、および、炭素収率が60質量%前後以下と必ずしも高くないことの原因は、無灰炭に含まれる比較的軽質な成分(以下、適宜、軽質成分という)にあることが判明した。このような軽質成分は、炭素化処理の初期過程で揮発したり、分解したりするため、発泡の原因となりやすく、しかも炭素化工程で系外に散逸するため、炭素収率の低下を招く。そこで、このような軽質成分を効果的に除去するために、本発明者らは、無灰炭と有機溶剤とを混合して有機溶剤に可溶な成分(軽質成分)を抽出することにより、前記問題点を解決できることを見出し、本発明に到達するに至った。さらに、軽質成分の除去により、炭素材料原料の軟化温度を上げることができ、所定の形状を維持した状態で炭素材料が得られることを見出し、本発明に到達するに至った。
すなわち、本発明に係る炭素材料の製造方法の第1の形態は、無灰炭製造工程と、炭素化原料製造工程と、炭素化工程と、を含み、前記炭素化原料製造工程で製造される炭素化原料の割合が、前記炭素化原料製造工程で混合される無灰炭に対し40〜90質量%であることを特徴とする。
このような製造方法によれば、無灰炭製造工程において、石炭が改質されることで、改質炭である無灰炭が製造される。また、炭素化原料製造工程において、まず、前記無灰炭製造工程で製造された無灰炭と有機溶剤とが混合されて混合物となり、前記無灰炭から前記有機溶剤に可溶な可溶成分が抽出される。次に、抽出後の混合物が、前記可溶成分を含む液部と、前記有機溶剤に不溶な成分を含む非液部とに分離され、前記非液部が炭素化原料となる。そして、炭素化工程において、前記炭素化原料製造工程で製造された炭素化原料が不活性雰囲気で熱処理されて炭素化される。また、前記炭素化原料製造工程で製造される炭素化原料の割合を所定範囲に規定することで、炭素化工程における熱処理での発泡が抑制され、気孔率が概ね60%以下で、見掛け比重が概ね0.6g/cm以上の炭素材料を得ることができるとともに、炭素収率の向上や経済性の向上を図ることができ、また、成形性が低下しない。
また、本発明に係る炭素材料の製造方法の第1の形態では、前記炭素化原料製造工程の後に、前記炭素化原料製造工程で製造された炭素化原料を塊状に成形する成形工程を含み、前記炭素化工程において、前記成形工程で成形された成形体を不活性雰囲気で熱処理して炭素化させてもよい。
このような製造方法によれば、炭素化原料を塊状に成形した成形体として得ることができる。
本発明に係る炭素材料の製造方法の第2の形態は、無灰炭製造工程と、炭素化原料製造工程と、成形工程と、炭素化工程と、を含み、前記炭素化原料製造工程で製造される炭素化原料の割合が、前記炭素化原料製造工程で混合される無灰炭に対し40〜90質量%、かつ前記炭素化原料の軟化温度が350℃以上であり、前記成形工程で成形された成形体中における炭素化原料の割合が、80質量%以上であることを特徴とする。
このような製造方法によれば、無灰炭製造工程において、石炭が改質されることで、改質炭である無灰炭が製造される。また、炭素化原料製造工程において、まず、前記無灰炭製造工程で製造された無灰炭と有機溶剤とが混合されて混合物となり、前記無灰炭から前記有機溶剤に可溶な可溶成分が抽出される。次に、抽出後の混合物が、前記可溶成分を含む液部と、前記有機溶剤に不溶な成分を含む非液部とに分離され、前記非液部が炭素化原料となる。さらに、成形工程において、前記炭素化原料製造工程で製造された炭素化原料が、成形原料の主成分として塊状に成形される。そして、炭素化工程において、前記成形工程で成形された成形体が不活性雰囲気で熱処理されて炭素化される。また、前記炭素化原料製造工程で製造される炭素化原料の割合や軟化温度を所定に規定することで、炭素化工程における熱処理での発泡の抑制作用や、炭素収率の向上作用をより一層高いものとすることができ、また、成形性が低下しない。さらに、成形体中における炭素化原料の割合を所定範囲に規定することで、成形が容易になり、炭素化工程における熱処理で、成形体が膨張したり、気孔が生成したりすることがない。これにより気孔率が概ね30%以下で、見掛け比重が概ね1.0g/cm以上の炭素材料を得ることができる。
そして、本発明に係る炭素材料の製造方法においては、前記有機溶剤として、含酸素有機溶剤を用いることが好ましい。
このような製造方法によれば、無灰炭中に含まれる軽質成分のうちでも極性成分が効率的に除去される。
本発明に係る炭素材料の製造方法によれば、無灰炭に含まれる比較的軽質な成分を除去することで、気孔率が低い炭素材料を、高収率で、経済的に製造することができる。また、石炭を改質して得られた無灰炭を原料として用いるため、製造される炭素材料は、極めて灰分濃度の低い高純度なものとなる。
本発明に係る他の炭素材料の製造方法によれば、無灰炭に含まれる比較的軽質な成分を除去することで、比較的緻密な炭素材料を、高収率で、経済的に製造することができる。また、石炭を改質して得られた無灰炭を原料として用いるため、製造される炭素材料は、極めて灰分濃度の低い高純度なものとなる。さらに、成形体とした炭素材料を、所定の形状を維持した状態で得ることができる。
また、本発明に係る炭素材料の製造方法で得られた炭素材料は、従来の無灰炭をそのまま炭素化して得られる多孔質で脆い炭素材料とは異なり、気孔率が60%以下に抑制されているので、製鉄等冶金用コークスとしても好適である。さらに、本発明においては、2段階の溶剤分別により石炭を処理するため、褐炭等の劣質炭を原料としても製鉄コークスに相当する炭素材料を製造することができる。なお、褐炭や亜瀝青炭などの劣質炭は熱流動性が低いため、そのまま炭化処理しても固めることができない。
次に、図面を参照して本発明に係る炭素材料の製造方法ついて詳細に説明する。なお、参照する図面において、図1は、本発明の第1実施形態に係る炭素材料の製造方法の工程を説明するフローチャート、図2は、本発明の第2実施形態に係る炭素材料の製造方法の工程を説明するフローチャートである。
[第1実施形態]
まず、本発明に係る炭素材料の製造方法についての第1実施形態について説明する。
図1に示すように、炭素材料の製造方法は、無灰炭製造工程(S1)と、炭素化原料製造工程(S2)と、炭素化工程(S4)と、を含むものである。また、必要に応じて、炭素化原料製造工程(S2)の後に、成形工程(S3)を含めてもよい。
以下、各工程について説明する。
<無灰炭製造工程(S1)>
無灰炭製造工程(S1)は、石炭を改質して、改質炭である無灰炭を製造する工程である。
なお、本発明でいう無灰炭とは、いわゆるハイパーコールのことであり、石炭を溶剤抽出し、灰分と非溶解性の石炭成分を除去することにより製造されたものである。この無灰炭は、灰分が極めて少なく(灰分濃度0.3質量%以下)、水分は概ね0.5質量%以下である。
無灰炭を得る方法は、公知の方法を用いることができ、溶剤種や製造条件は、石炭の性状や炭素材料原料の設計を鑑みて、適宜選択されるものである。しかし、より高効率、かつ安価に無灰炭を得るため、例えば、次の方法により無灰炭を製造することが好ましい。その方法では、まず、石炭と非水素供与性溶剤とを混合した混合物(スラリー)を加熱して、非水素供与性溶剤に可溶な石炭成分を抽出する。次に、抽出後のスラリーを液部と非液部に分離し、前記液部から、前記非水素供与性溶剤を分離することで無灰炭を製造する。
無灰炭の原料とする石炭(以下、原料石炭ともいう)は、劣質炭を使用することが好ましい。安価な劣質炭を使用することにより、無灰炭をさらに安価に製造することができるため、さらに経済性の向上を図ることができる。しかし、用いる石炭は、劣質炭に限るものではなく、必要に応じて、粘結炭を使用しても良い。
なお、ここでの劣質炭とは、非微粘結炭、一般炭、低品位炭(褐炭、亜瀝青炭等)等の石炭をいう。低品位炭には、例えば、褐炭、亜炭、亜瀝青炭等がある。また、例えば、褐炭には、ビクトリア炭、ノースダコタ炭、ベルガ炭等があり、亜瀝青炭には、西バンコ炭、ビヌンガン炭、サマランガウ炭等がある。低品位炭は前記例示のものに限定されず、多量の水分を含有し、脱水することが望まれる石炭は、いずれも本発明のいう低品位炭に含まれる。
なお、石炭はできるだけ小さい粒子に粉砕しておくのが好ましく、粒径1mm以下とするのが好ましい。
非水素供与性溶剤は、主に石炭の乾留生成物から精製した、2環芳香族を主とする溶剤である石炭誘導体である。この非水素供与性溶剤は、加熱状態でも安定であり、石炭との親和性に優れているため、溶剤に抽出される可溶成分(ここでは石炭成分)の割合(以下、抽出率ともいう)が高く、また、蒸留等の方法で容易に回収可能な溶剤である。非水素供与性溶剤の主たる成分としては、2環芳香族であるナフタレン、メチルナフタレン、ジメチルナフタレン、トリメチルナフタレン等が挙げられ、その他、非水素供与性溶剤の成分としては、脂肪族側鎖をもつナフタレン類、アントラセン類、フルオレン類、また、これにビフェニルや長鎖脂肪族側鎖をもつアルキルベンゼンが含まれる。
非水素供与性溶剤を使用して加熱抽出することにより、石炭の抽出率を高めることができる。また、極性溶剤とは違い、容易に溶剤を回収することができるため、溶剤を循環使用しやすい。さらに、高価な水素や触媒等を用いる必要がないため、安価なコストで石炭を可溶化して無灰炭を得ることができ、経済性の向上を図ることができる。
溶剤に対する石炭濃度は、原料石炭の種類にもよるが、乾燥炭基準で10〜50質量%の範囲が好ましく、20〜35質量%の範囲がより好ましい。溶剤に対する石炭濃度が10質量%未満であると、溶剤の量に対し、溶剤に抽出する石炭成分の割合が少なくなり、経済的ではない。一方、石炭濃度は高いほど好ましいが、50質量%を超えると、調製したスラリーの粘度が高くなり、スラリーの移動や後記する液部と非液部との分離が困難となりやすい。
スラリーの加熱温度は、300〜450℃の範囲とするのが好ましい。加熱温度をこの範囲とすることにより、石炭を構成する分子間の結合が緩み、緩和な熱分解が起こり、抽出率が最も高くなる。加熱温度が300℃未満であると、石炭を構成する分子間の結合を弱めるのに不十分となりやすく、抽出率が向上しにくい。一方、450℃を超えると、石炭の熱分解反応が非常に活発になり、生成した熱分解ラジカルの再結合が起こるため、抽出率が向上しにくく、また、石炭の変質が起こりにくくなる。なお、好ましくは、300〜400℃である。
加熱時間(抽出時間)は、溶解平衡に達するまでの時間が規準であるが、それを実現することは経済的に不利である。従って、石炭の粒子径、溶剤の種類などの条件によって異なるので一概には言えないが、通常は10〜60分程度である。加熱時間が10分未満であると、石炭成分の抽出が不十分となりやすく、一方、60分を超えても、それ以上抽出が進行しないため、経済的ではない。
非水素供与性溶剤に可溶な石炭成分の抽出は、不活性ガスの存在下で行うことが好ましい。酸素に接触すると、発火する恐れがあるため危険であり、また、水素を用いた場合には、コストが高くなるためである。
用いる不活性ガスとしては、安価な窒素を用いることが好ましいが、特に限定されるものではない。また、圧力は、抽出の際の温度や用いる溶剤の蒸気圧にもよるが、1.0〜2.0MPaが好ましい。圧力が溶剤の蒸気圧より低い場合には、溶剤が揮発して液相に閉じ込められず、抽出できない。溶剤を液相に閉じ込めるには、溶剤の蒸気圧より高い圧力が必要となる。一方、圧力が高すぎると、機器のコスト、運転コストが高くなり、経済的ではない。
このようにして石炭成分を抽出した後のスラリーを液部と非液部に分離する。
ここで、液部とは、溶剤に抽出された石炭成分を含む溶液をいい、非液部とは、溶剤に不溶な石炭成分(灰分を含む石炭すなわち灰炭)を含む溶質をいう。
スラリーを液部と非液部とに分離する方法としては、各種の濾過方法や遠心分離による方法が一般的に知られている。しかしながら、濾過による方法ではフィルタの頻繁な交換が必要であり、また、遠心分離による方法では未溶解石炭成分による閉塞が起こりやすく、これらの方法を工業的に実施するのは困難である。従って、流体の連続操作が可能であり、低コストで大量の処理にも適している重力沈降法を用いることが好ましい。これにより、重力沈降槽の上部からは、溶剤に抽出された石炭成分を含む溶液である液部(以下、上澄み液ともいう)を、重力沈降槽の下部からは溶剤に不溶な石炭成分を含む溶質である非液部(以下、固形分濃縮液ともいう)を得ることができる。
そして、この液部から、非水素供与性溶剤を分離することにより、無灰炭を得る。
上澄み液(液部)から溶剤を分離する方法は、一般的な蒸留法や蒸発法(スプレードライ法等)等を用いることができ、上澄み液からは、実質的に灰分を含まない無灰炭を得ることができる。この無灰炭は、灰分含有量が0.3質量%以下と、灰分をほとんど含まず、水分は概ね0.5質量%以下であり、また原料石炭よりも高い発熱量を示す。従って、この無灰炭を炭素化することで、極めて灰分濃度の低い高純度の炭素材料を得ることができる。
<炭素化原料製造工程(S2)>
炭素化原料製造工程(S2)は、前記無灰炭製造工程(S1)で製造された無灰炭と有機溶剤とを混合して混合物とし、前記無灰炭から前記有機溶剤に可溶な可溶成分を抽出し、抽出後の混合物を、前記可溶成分を含む液部と、前記有機溶剤に不溶な成分を含む非液部とに分離して、前記非液部を炭素化原料とする工程である。
この炭素化原料製造工程(S2)の目的は、無灰炭に含まれる、有機溶剤に可溶な軽質成分を除去し、有機溶剤に不溶な成分である炭素化原料のみを取得することにある。前記したように、この軽質成分は、炭素材料の高密度化を妨げる原因となり、また、炭素収率が低下する原因となる。よって、この炭素化原料製造工程(S2)により、無灰炭に含まれる軽質成分を除去する。
炭素化原料製造工程(S2)の条件設定の要点は、どの程度の割合で軽質成分(溶剤可溶成分)を除去するかということである。この割合は、原料の無灰炭の特性や、炭素材料やその製造プロセスに求められる要求によって変わるので、一義的に決めることはできない。しかしながら、典型的な、無灰炭、炭素材料、製造プロセスを想定し、軽質成分を除去する割合(以下、除去率ともいう)は10〜60質量%、すなわち、製造される炭素化原料(不溶成分)の割合(以下、取得率ともいう)が、当該工程に供される無灰炭(当該工程で混合される無灰炭)に対し、40〜90質量%とする((炭素化原料質量/仕込み無灰炭質量=40〜90質量%))。好ましくは、除去率20〜40質量%(取得率:60〜80質量%)である。
取得率が90質量%を超えると、発泡の抑制効果や、炭素収率の向上効果が不十分となる。また、気孔率が大きく(概ね60%を超える)、見掛け比重が低く(概ね0.6g/cm未満)なる。一方、取得率が40質量%未満では、有効成分(炭素化原料)の収率が低下して製品が高くなるため、非経済的であることに加えて、成形性が低下するという問題が生じる。ただし、収率の低下を甘受するならば、成形性の低下は、適当なバインダーを適当量添加することで回避することは可能である。
なお、取得率の調整は、溶剤の種類、溶剤と無灰炭の比率、温度、圧力、処理時間等を適宜調節することにより行うことができる。一般的な指針としては、高沸点の芳香族溶剤、無灰炭に対して大量の溶剤、高い温度、長時間の処理等の条件により、より高い割合で軽質成分が溶解するので、取得率は小さい値となる。ただし、原料石炭の性質や無灰炭の製造条件によってその効果は異なるので、一概に指摘することはできない。
炭素化原料製造工程(S2)では、まず、無灰炭と有機溶剤とを混合して混合物(スラリー)とし、無灰炭から有機溶剤に可溶な可溶成分を抽出する。
ここで、石炭類の抽出率は、溶剤の種類、つまり溶剤の溶解力に大きく影響される。したがって、溶剤を選択した時点で、どの程度の軽質成分を除去できるかが概ね決定される。
炭素化原料製造工程(S2)で用いる有機溶剤は、石炭抽出によく用いられるものの中から選べばよく、ベンゼン、N−メチル−2−ピロリジノン、ピリジン、キノリン、アントラセン油、クレオソート油、テトラヒドロフラン、アセトン、メチルエチルケトン、ジオキサン、メタノール、フェノール(含水)、クレゾール、メチルナフタレン(異性体混合物でもよい)、ジメチルナフタレン(異性体混合物でもよい)等が好適である。なお、これらのうち2種以上を混合して用いてもよい。
前記の有機溶剤のうち、テトラヒドロフラン、アセトン、メチルエチルケトン、ジオキサン、メタノール、フェノール(含水)、クレゾール等の含酸素有機溶剤を用いることが特に好ましい。これらの含酸素有機溶剤を用いると、無灰炭中の軽質成分のうちでも極性成分を効率的に除去できると考えられる。極性成分は、一般に含酸素官能基などヘテロ元素から構成されるので、比較的低温で分解して発泡の原因となり、また、低い炭素収率の原因になる可能性があると考えられる。
前記したように、溶剤を選択した時点で、どの程度の軽質成分を除去できるかが概ね決定されるが、抽出率(除去率)(ここでは、溶剤に抽出される軽質成分の割合をいう)は、抽出温度を変えることによっても大きく変化させることができる。つまり、低温ほど溶解力は低下し、高温ほど逆に溶解力は増大するという現象を利用して、抽出率を変えることができる。
また、溶剤と無灰炭の混合比率や、抽出時間を変化させることでも抽出率は変えることができる。例えば、溶解力の大きな溶剤を無灰炭に対して比較的少量使用することで溶解量を減少させたり、抽出時間を短くすることで溶解量を減少させたりすることができる。しかし、このような方法は、抽出の選択性を低下させるのであまり好ましくない。
つまり、無灰炭構成成分のうち、相対的に溶けやすい成分(一般に、比較的に低分子量(軽質)の成分か、アルキル基等の側鎖を多く有する成分)を溶かすというよりも、物質移動の制限で抽出が制限されるからである。すなわち、溶剤量が過少の場合には溶剤と接触する粒子表面の分子が優先的に溶解するうちに溶解度が飽和に達するため(粒子の表面だけが溶けて溶解平衡に達する)、本来抽出されるような軽質成分が比較的多量に残ってしまう。また、抽出時間が短すぎる場合にも、同様なことが起きる。
抽出方法の一例としては、最も単純な方法として、無灰炭粉末と有機溶剤を容器に入れてスラリーを形成させ、所定時間かき混ぜるという方法が挙げられる。必要に応じて、加熱してもよい。雰囲気は無灰炭の酸化、燃焼、爆発を避けるため不活性雰囲気とするのが好ましい。また、前記無灰炭製造工程(S1)で説明したとおり、不活性ガスとしては、窒素を用いることが好ましいが、特に限定されるものではない。さらに、抽出は常圧で行えばよいが、溶剤の沸点より高い温度にする場合には、加圧下で行う。なお、抽出方法は、溶剤に可溶な成分を抽出でき、軽質成分を除去できるものであれば特に制限されるものではない。
抽出時間は、抽出速度に応じて適宜選択されるが、通常5〜120分程度、より好ましくは20〜60分とする。抽出時間が5分未満では、軽質成分の抽出が不十分となりやすく、一方、120分を超えると、それ以上抽出が進行しないため、経済的ではない。
無灰炭と有機溶剤の比率は、3〜20(有機溶剤/無灰炭(質量比))が好適である。比率が3未満の場合、スラリーを形成することが困難となりやすく、一方、20を超えても特性上の不都合は生じないが、大量の溶剤を使用することになり、経済的ではない。
次に、このようにして軽質成分を抽出した後の混合物(スラリー)を、前記可溶成分を含む液部と前記有機溶剤に不溶な成分を含む非液部に分離する。
ここで、液部とは、溶剤に抽出された軽質成分を含む溶液をいい、非液部とは、溶剤に不溶な成分(炭素化原料)を含む溶質をいう。
混合物(スラリー)を液部と非液部とに分離する方法としては、各種の濾過方法や遠心分離による方法が一般的に知られているが、特に限定されるものではない。
また、非液部に残留する溶剤を除去するために、さらに、得られた非液部(炭素化原料)を乾燥させる乾燥処理を行ってもよい。乾燥は、窒素雰囲気中や減圧下で、必要により加熱しながら保持することで行うことができる。
このような方法により、軽質成分が除去された炭素化原料粉末が得られる。
このようにして得られた炭素化原料粉末は、粉末状の炭素材料を製造する場合には、そのまま炭素化すればよいが、必要に応じて、炭素化する前に、塊状に成形して成形体としてもよい。
<成形工程(S3)>
成形工程(S3)は、前記炭素化原料製造工程(S2)の後に、前記炭素化原料製造工程(S2)で製造された炭素化原料粉末を塊状に成形する工程である。
前記炭素化原料粉末の成形は公知の方法により行うことができる。例えば、圧縮成形や、2ロール式タブレット成形等である。なお、微粉砕して高圧プレスすれば比較的容易に成形体を得ることができる。また、適当なバインダー化合物を用いてもよい。バインダーとしては、タール、ピッチ、無灰炭そのもの、樹脂等、公知のものを使用することができる。このうち、無灰炭そのものは、灰分含有率が小さいため最も好ましい。成形体中におけるバインダー化合物の割合は、20質量%未満が好適である。さらに炭素繊維等の適当な充填材や、無灰炭製造工程(S1)で副生する形質分や残渣炭等を添加混合して用いてもよい。
<炭素化工程(S4)>
炭素化工程(S4)は、前記炭素化原料製造工程(S2)で製造された炭素化原料、または前記成形工程(S3)で成形された成形体を不活性雰囲気で熱処理して炭素化させる工程である。
炭素化処理の方法や条件は、特に制限はなく、公知の技術を用いて行うことができる。典型的には、窒素やアルゴン等の不活性雰囲気中で、1000℃以上、必要に応じて2000℃以上に加熱処理する。また、昇温速度は、0.1〜5℃/分程度とする。この炭素化処理は熱間静水圧プレス装置等を用いて、加圧下で行ってもよい。
[第2実施形態]
次に、本発明に係る炭素材料の製造方法についての第2実施形態について説明する。
炭素化工程(S1)において、成形体を熱処理した場合、成形体が膨張し、炭素化原料の形状がくずれることがある。しかし、本発明に係る第2実施形態によれば、緻密で、かつ、極めて灰分濃度の低い高純度の炭素材料を高収率で得ることができると共に、成形体が熱処理により膨張することなく、所定の形状を維持した状態で炭素材料を得ることができる。なお、この場合、成形体は、熱処理によりやや収縮した状態となり、緻密となる。
図2に示すように、炭素材料の製造方法は、無灰炭製造工程(S11)と、炭素化原料製造工程(S12)と、成形工程(S13)と、炭素化工程(S14)と、を含むものである。
以下、各工程について説明する。
なお、無灰炭製造工程(S11)、炭素化工程(S14)については、前記第1実施形態(S1、S4)と同様であるので、ここでは、説明を省略する。
<炭素化原料製造工程(S12)>
炭素化原料製造工程(S12)は、前記無灰炭製造工程(S11)で製造された無灰炭と有機溶剤とを混合して混合物とし、前記無灰炭から前記有機溶剤に可溶な可溶成分を抽出し、抽出後の混合物を、前記可溶成分を含む液部と、前記有機溶剤に不溶な成分を含む非液部とに分離して、前記非液部を炭素化原料とする工程である。
なお、以下に説明するように、炭素化原料の軟化温度が350℃以上であること以外については、前記第1実施形態の炭素化原料製造工程(S2)と同様であるので、ここでは、炭素化原料の軟化温度について説明する。
第2実施形態では、前記のとおり、得られた炭素材料を塊状に成形し、炭素化工程(S14)で熱処理しても、この成形した形状が維持されていることを目的とする。
無灰炭製造工程(S11)で製造・回収された無灰炭は、石炭から残渣炭と灰分が除去されたものであり、通常300℃以下、ときには200℃以下の温度で軟化溶融する。このような低温で軟化する性質では、炭素化工程(S14)による熱処理で軟化溶融してしまう場合があり、成形体の形状がくずれてしまうことがある。
ここで、炭素化反応の初期反応であるアルキル基の脱離や脱水素反応は概ね400℃前後で開始する。したがって、軟化温度が350℃以上、好ましくは400℃より高ければ、炭素化工程(S14)で制御された速度で昇温して熱処理することにより、成形体が軟化溶融することなく炭素化させることができる。これにより、成形体をその形状を維持したまま炭素に変換させることができる。そして、気孔率が概ね30%以下で、見掛け比重が概ね1.0g/cm以上の炭素材料を得ることができる。
従って、炭素化原料の軟化温度が350℃以上であることを必要とする。より好ましくは400℃以上、さらに好ましくは450℃以上、あるいは軟化しないような性質である。軟化温度が350℃未満では、成形体が軟化溶融してしまい、所定の形状を維持した状態で炭素材料を得ることができず、また、気孔率が高くなり、見掛け比重もやや低くなる。
なお、軟化温度の調整は、溶剤分別において、低分子量成分の除去割合を変更することにより行う。さらに、低分子量成分の除去割合は、溶剤分別における、溶剤の種類、溶剤と無灰炭の比率、温度、圧力、処理時間等を適宜調節することにより行うことができる。一般的な指針としては、高沸点の芳香族溶剤、無灰炭に対して大量の溶剤、高い温度、長時間の処理等の条件により、より高い割合で軽質成分が溶解するので、軟化温度は大きく上昇する。ただし、原料石炭の性質や無灰炭の製造条件によってその効果は異なるので、一概に指摘することはできない。
本発明では、有機溶剤による可溶成分の除去(溶剤分別)により、その軟化温度を調整する。ここでの溶剤分別の目的は、低い軟化温度の原因となっている低分子量成分(軽質成分)を除去することである。この目的に適した溶剤としては、前記第1実施形態の炭素化原料製造工程(S2)で説明した有機溶剤を挙げることができる。これらの有機溶剤で抽出処理をすることにより、溶剤に可溶な成分を除去する。
なお、軟化温度を調整するための溶剤分別は、前記第1実施形態の炭素化原料製造工程(S2)で説明したとおり、炭素化原料の取得率が40〜90質量%の範囲も同時に満たすように調整する。
次に、軟化温度の測定方法の一例について説明する。まず、試料を、その全量が目開き1.19mmの篩いを通るように粉砕しておき、この粉砕した試料を適当な容器に入れて、不活性雰囲気中、20℃/分で温度を上げていく。そして、試料の状態を倍率100倍の顕微鏡で観察し、試料粒子が変形し始めた温度を軟化温度とする。
<成形工程(S13)>
成形工程(S13)は、前記炭素化原料製造工程(S12)の後に、前記炭素化原料製造工程(S12)で製造された炭素化原料を成形原料の主成分として、この炭素化原料を塊状に成形する工程である。
なお、以下に説明するように、成形体中における炭素化原料(ここでは、本発明に係る炭素化原料製造工程(S12)で製造された炭素化原料)の割合が80質量%以上となるようにすること以外については、前記第1実施形態の成形工程(S3)と同様であるので、ここでは、炭素化原料の割合について説明する。
成形工程(S13)においては、前記第1実施形態で説明したとおり、得られた炭素化原料そのものを成形してもよいが、適当なバインダー化合物を混合してもよい。しかし、成形体中における炭素化原料の割合が80質量%未満では、炭素化原料を成形しにくく、また、成形しても、炭素化工程(S14)での熱処理により、成形体が膨張したり、気孔が生成したりするため、気孔率の小さい炭素を高い収率で得ることが難しい。さらに、見掛け比重が低くなりやすい。
従って、成形体中における炭素化原料の割合が80質量%以上を占めるように配合して、成形原料とする。より好ましくは、90質量%以上、さらに好ましくは、100質量%、すなわち得られた炭素化原料にバインダー化合物を添加せずに、そのまま成形する。
以上説明したように、本発明の炭素材料の製造方法は、第1実施形態、第2実施形態ともに、無灰炭製造工程、炭素化原料製造工程、成形工程、炭素化工程を含むものである(第1実施形態では、成形工程は必要に応じて含める)。しかし、本発明を行うにあたり、前記各工程に悪影響を与えない範囲において、前記各工程の間あるいは前後に、例えば、原料石炭を粉砕する石炭粉砕工程や、ごみ等の不要物を除去する除去工程や、炭素化原料を乾燥させる炭素化原料乾燥工程等、他の工程を含めてもよい。
次に、本発明に係る炭素材料の製造方法について、実施例、比較例を挙げて具体的に説明する。
<第1実施例>
第1実施例では、炭素材料の見掛け比重、気孔率、炭素収率、灰分濃度について調べた。
まず、以下の方法により、無灰炭を製造した。
亜瀝青炭を原料石炭とし、この原料石炭5kgに対し、4倍量(20kg)の溶剤(1−メチルナフタレン(新日鉄化学社製))を混合してスラリーを調製した。このスラリーを1.2MPaの窒素で加圧して、内容積30Lのオートクレーブ中370℃、1時間の条件で抽出した。このスラリーを同一温度、圧力を維持した重力沈降槽内で上澄み液と固形分濃縮液とに分離し、上澄み液から蒸留法で溶剤を分離・回収して、無灰炭を得た。
このようにして得られた無灰炭を用いて、以下の試験を行った。なお、成形して炭素化できるということは、成形しなくても炭素化できるということであるため、ここでは、成形体としてから熱処理を行った。
[実施例1]
目開きが0.149mmの篩いを全量が通過するように粉砕した無灰炭1質量部に対しメチルエチルケトン10質量部の割合で混合して、1時間かき混ぜた後、公称0.5μmのフィルタを使って不溶物(炭素化原料)を濾取した。この炭素化原料を100℃で減圧乾燥させたところ、炭素化原料の取得率(炭素化原料質量/仕込み無灰炭質量)は78質量%であった。
次に、この炭素化原料を目開きが0.149mmの篩いを全量が通過するように粉砕し、直径30mmの円筒形キャビティを有する金型に5gを充填し、0.1トン/cmの圧力でプレス成形した。これにより、厚さ6.4mm、見掛け比重1.1g/cmの成形体が得られた。この成形体を、窒素雰囲気中5℃/分の速度で加熱して、1000℃で炭素化させた。
[実施例2]
溶剤として、メチルエチルケトンの代わりにテトラヒドロフランを用いた以外は、実施例1と同じ条件で炭素化原料を得た。炭素化原料の収率は71質量%であった。この炭素化原料を実施例1と同じ条件で成形した。これにより、厚さ6.4mm、見掛け比重1.1g/cmの成形体が得られた。この成形体を実施例1と同じ条件で炭素化処理した。
[実施例3]
目開きが0.149mmの篩いを全量が通過するように粉砕した無灰炭1質量部に対し2-メチルナフタレン5質量部の割合で混合して、1MPaの窒素加圧下、360℃に加熱して1時間かき混ぜ、無灰炭の全量を溶解させた。これを室温まで冷却して5時間放置した。析出した固形成分(炭素化原料)を、公称0.5μmのフィルタで濾取した。100℃で減圧乾燥させたところ、炭素化原料の取得率は63質量%であった。
この炭素化原料を実施例1と同じ条件で成形した。これにより、厚さ11.8mm、見掛け比重1.08g/cmの成形体が得られた。この成形体を実施例1と同じ条件で炭素化処理した。
[比較例1]
無灰炭を溶剤抽出することなく、炭素化原料とし、この炭素化原料を実施例1と同じ条件で成形した。厚さ6.4mm、見掛け比重1.1g/cmの成形体が得られた。この成形体を実施例1と同じ条件で炭素化処理した。
[比較例2]
溶剤として、メチルエチルケトンの代わりにトルエンを用いた以外は、実施例1と同じ条件で炭素化原料を得た。炭素材料の取得率は97質量%であった。
この炭素材料を実施例1と同じ条件で成形した。これにより、厚さ6.7mm、見掛け比重1.05g/cmの成形体が得られた。この成形体を実施例1と同じ条件で炭素化処理した。
[比較例3]
溶剤として、メチルエチルケトンの代わりにn−ヘキサンを用いた以外は、実施例3と同じ条件で炭素化原料を得た。炭素化原料の取得率は98質量%であった。
この炭素化原料を実施例1と同じ条件で成形した。これにより、厚さ6.2mm、見掛け比重1.15g/cmの成形体が得られた。この成形体を実施例1と同じ条件で炭素化処理した。
[比較例4]
目開きが0.149mmの篩いを全量が通過するように粉砕した無灰炭1質量部に対し2-メチルナフタレン10質量部の割合で混合して、1MPaの窒素加圧下、200℃に加熱して1時間かき混ぜた。この温度・圧力に保ったまま、公称0.5μmのフィルタを使って不溶物(炭素化原料)を濾取した。100℃で減圧乾燥させたところ、炭素化原料の取得率は38質量%であった。
この炭素化原料を実施例1と同じ条件で成形した。これにより、厚さ7.4mm、見掛け比重0.95g/cmの成形体が得られた。なお、この成形体は少し力を加えると壊れるような脆いものであった。この成形体を実施例1と同じ条件で炭素化処理した。
[参考例1]
比較例4で調製した炭素化原料10質量部に対し無灰炭1質量部の割合で混合して、目開きが0.149mmの篩いを全量が通過するように粉砕した。
この混合物を実施例1と同じ条件で成形した。これにより、厚さ12.3mm、見掛け比重1.04g/cmの成形体が得られた。この成形体を実施例1と同じ条件で炭素化処理した。
以上のようにして得られた炭素材料の見掛け比重、気孔率、炭素収率(炭素材料質量/仕込み無灰炭質量)、灰分濃度を測定した。
ここで、見掛け比重と気孔率は、JIS K2151(コークス類の試験方法)に準じて算出し、灰分濃度の測定は、JIS M8812(石炭類及びコークス類の工業分析方法)に準じて行った。
見掛け比重は、0.6g/cm以上のものを良好、0.6g/cm未満のものを不良と判断した。気孔率は、60%以下のものを良好、60%を超えるものを不良と判断した。炭素収率は、65質量%以上のものを炭素収率が高い、65質量%未満のものを炭素収率が低いと判断した。灰分濃度は、0.3質量%未満のものを灰分濃度が低いと判断した。
これらの試験結果を表1に示す。
Figure 0005128351
表1において、実施例1〜3は、本発明の構成を満たすものである。従って、炭素化工程において著しい発泡をすることなく炭素化され、気孔率の低い炭素成形体を得ることができた。また、表1に示すように、炭素収率は高収率であった。炭素中の灰分濃度は、極めて灰分濃度の低い高純度な品質であった。
一方、比較例1〜4は、本発明の構成を満たさないため、以下の不具合を有していた。
比較例1は、無灰炭を溶剤抽出していないため、炭素化工程で激しく発泡して、炭素成形体を得ることがでなかった。また、見掛け比重が低く、気孔率が大きく、炭素収率は56質量%と低かった。比較例2は、炭素化原料の取得率が上限値を超えるため、炭素化工程で激しく発泡して、炭素成形体を得ることができなかった。また、見掛け比重が低く、気孔率が大きく、炭素収率は57質量%と低かった。
比較例3は、炭素化原料の取得率が上限値を超えるため、発泡が激しく、気孔率の小さい炭素成形体を得ることはできなかった。また、見掛け比重が低く、炭素収率は59質量%と低かった。比較例4は、炭素化原料の取得率が下限値未満のため、炭素化工程で、成形体に亀裂が生じ、成形性が低下した。また、比較例4は、炭素収率は高いものの、炭素化原料の取得率が低いため、非経済的であった。
なお、参考例1では、炭素化工程で激しく発泡することなく炭素化され、見掛け比重が高く、気孔率の小さい炭素成形体を得ることができた。すなわち、炭素化原料の取得率が下限値未満であっても、バインダーとして無灰炭を適当量添加することで、成形性の低下を回避できることがわかった。
<第2実施例>
第2実施例では、炭素材料の見掛け比重、気孔率、炭素収率、灰分濃度の他、炭素化工程前後の成形体の形状(厚さ)について調べた。
まず、第1実施例と同様な方法により、無灰炭を製造した。なお、無灰炭の軟化温度は290℃、灰分0.2質量%であった。
[実施例4]
目開きが0.149mmの篩いを全量が通過するように粉砕した無灰炭1質量部に対しピリジン10質量部の割合で混合して、50℃で1時間かき混ぜた。公称0.5μmのフィルタを使って不溶物(炭素化原料)を濾取した。150℃で減圧乾燥させたところ、炭素化原料の取得率は68質量%、その軟化温度は355℃であった。
次に、目開きが0.149mmの篩いを全量が通過するように粉砕した炭素化原料300gを直径100mmの円筒金型に充填し、室温において0.3トン/cmの圧力をかけて圧縮成形した。これにより、厚さ3.8cm、見掛け比重1.02g/cmの成形体が得られた。この成形体を、窒素雰囲気中で、室温から30℃/hの昇温速度で380℃まで昇温してその温度で1時間保持し、引き続き30℃/hの昇温速度で1500℃まで加熱し、この温度に30分保持することにより炭素化させた。
[実施例5]
溶剤として、ピリジンの代わりにキノリンを用いた以外は、実施例6と同じ条件で炭素化原料を濾取した。炭素化原料の取得率は42質量%で、その軟化温度は450℃であった。
この炭素化原料85質量部に対して、無灰炭15質量部の割合で混合し、目開きが0.149mmの篩いを全量が通過するように粉砕した。これを実施例4と同じ方法で成形した。厚さが3.7cm、見掛け比重1.04g/cmの成形体が得られた。この成形体を、実施例4と同じ条件で炭素化させた。
[比較例5]
無灰炭を溶剤抽出することなく、炭素化原料とし、この炭素化原料を実施例4と同じ条件で成形した。これにより、厚さ3.9cm、見掛け比重0.99g/cmの成形体が得られた。この成形体を、実施例4と同じ条件で炭素化させた。
[比較例6]
ピリジンの代わりにキシレンを用いた以外は、実施例4と同様な方法により、炭素化原料を濾取した。150℃で減圧乾燥させたところ、炭素化原料の取得率は79質量%で、その軟化温度は340℃であった。
次に、前記炭素化元素を実施例4と同じ方法で成形した。これにより、厚さ3.8cm、見掛け比重1.02g/cmの成形体が得られた。この成形体を、実施例4と同じ条件で炭素化させた。
[比較例7]
溶剤として、ピリジンの代わりにキノリンを用いた以外は、実施例4と同じ条件で炭素化原料を濾取した。炭素化原料の取得率は42質量%で、その軟化温度は450であった。
前記炭素化原料75質量部に対して、前記無灰炭25質量部の割合で混合し、目開きが0.149mmの篩いを全量が通過するように粉砕した。これを実施例4と同じ方法で成形した。厚さ3.8cm、見掛け比重1.02g/cmの成形体が得られた。この成形体を、実施例4と同じ条件で炭素化させた。
以上のようにして得られた炭素材料の見掛け比重、気孔率、炭素収率(炭素材料質量/仕込み無灰炭質量)、灰分濃度を測定した。また、炭素化工程前後の成形体の形状(厚さ)について調べた。
見掛け比重は、1.0g/cm以上のものを良好、1.0g/cm未満のものを不良と判断した。気孔率は、30%以下のものを良好、30%を超えるものを不良と判断した。炭素収率は、65質量%以上のものを炭素収率が高い、65質量%未満のものを炭素収率が低いと判断した。灰分濃度は、0.3質量%未満のものを灰分濃度が低いと判断した。炭素化工程後の成形体の形状は、成形体の厚さが収縮したものを、所定の形状を維持した状態で炭素材料が得られたもの、成形体の厚さが膨張したものを、所定の形状を維持した状態で炭素材料が得られなかったものと判断した。
これらの試験結果を表2に示す。なお、表2中「−」は、炭素成形体を得ることができなかったものである。
Figure 0005128351
表2において、実施例4、5は、本発明の構成を満たすものである。従って、表2に示すように、炭素成形体は1.0以上の見掛け比重を有していた。また、炭素収率は高収率であった。さらに、炭素中の灰分濃度は、極めて灰分濃度の低い高純度な品質であった。また、気孔率は30%以下と低く、炭素化後の成形体は、所定の形状を維持していた。
一方、比較例5〜7は、本発明の構成を満たさないため、以下の不具合を有していた。
比較例5は、無灰炭を溶剤抽出していないため、炭素化工程で激しく発泡して、炭素成形体を得ることがでなかった。また、見掛け比重が低く、炭素収率は56質量%と低かった。さらに、炭素化原料の軟化温度が低すぎるため(無灰炭:290℃)、気孔率は89%と高い値になった。
比較例6は、炭素化原料の軟化温度が低すぎるため、成形体の厚さは4.1cmまで膨張し、所定の形状の炭素材は得られなかった。また、見掛け比重も良好ではあるものの、やや低く、気孔率は30%を超えた。比較例7は、成形工程での成形体中における炭素化原料の割合が、下限値未満のため、見掛け比重が低く、気孔率は30%を超えた。また、炭素収率は58質量%と低かった。なお、成形体の厚さが、炭素化後で薄くなっているが、炭素化工程では、成形体の膨張と収縮が同時に起こるため、ここでは、炭素収率が低いことを勘案すると、膨張が起きているものと考えられる。
以上、本発明に係る炭素材料の製造方法について最良の実施の形態および実施例を示して詳細に説明したが、本発明の趣旨は前記した内容に限定されることなく、その権利範囲は特許請求の範囲の記載に基づいて広く解釈しなければならない。なお、本発明の内容は、前記した記載に基づいて広く改変・変更等することができることはいうまでもない。
本発明の第1実施形態に係る炭素材料の製造方法の工程を説明するフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る炭素材料の製造方法の工程を説明するフローチャートである。
符号の説明
S1、S11 無灰炭製造工程
S2、S12 炭素化原料製造工程
S3、S13 成形工程
S4、S14 炭素化工程

Claims (4)

  1. 石炭を改質して、改質炭である無灰炭を製造する無灰炭製造工程と、
    前記無灰炭製造工程で製造された無灰炭と有機溶剤とを混合して混合物とし、前記無灰炭から前記有機溶剤に可溶な可溶成分を抽出し、抽出後の混合物を、前記可溶成分を含む液部と、前記有機溶剤に不溶な成分を含む非液部とに分離して、前記非液部を炭素化原料とする炭素化原料製造工程と、
    前記炭素化原料製造工程で製造された炭素化原料を不活性雰囲気で熱処理して炭素化させる炭素化工程と、を含み、
    前記炭素化原料製造工程で製造される炭素化原料の割合が、前記炭素化原料製造工程で混合される無灰炭に対し40〜90質量%であることを特徴とする炭素材料の製造方法。
  2. 前記炭素化原料製造工程の後に、前記炭素化原料製造工程で製造された炭素化原料を塊状に成形する成形工程を含み、
    前記炭素化工程において、前記成形工程で成形された成形体を不活性雰囲気で熱処理して炭素化させることを特徴とする請求項1に記載の炭素材料の製造方法。
  3. 石炭を改質して、改質炭である無灰炭を製造する無灰炭製造工程と、
    前記無灰炭製造工程で製造された無灰炭と有機溶剤とを混合して混合物とし、前記無灰炭から前記有機溶剤に可溶な可溶成分を抽出し、抽出後の混合物を、前記可溶成分を含む液部と、前記有機溶剤に不溶な成分を含む非液部とに分離して、前記非液部を炭素化原料とする炭素化原料製造工程と、
    前記炭素化原料製造工程で製造された炭素化原料を成形原料の主成分として、この炭素化原料を塊状に成形する成形工程と、
    前記成形工程で成形された成形体を不活性雰囲気で熱処理して炭素化させる炭素化工程と、を含み、
    前記炭素化原料製造工程で製造される炭素化原料の割合が、前記炭素化原料製造工程で混合される無灰炭に対し40〜90質量%、かつ前記炭素化原料の軟化温度が350℃以上であり、
    前記成形工程で成形された成形体中における前記炭素化原料の割合が、80質量%以上であることを特徴とする炭素材料の製造方法。
  4. 前記有機溶剤が、含酸素有機溶剤であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の炭素材料の製造方法。
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