JP5128351B2 - 炭素材料の製造方法 - Google Patents
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また、近年においては、炭素材料を塊状の成形体として得る場合、成形体が炭素化の熱処理により膨張することなく、所定の形状を維持した状態で炭素化材料を得ることができる技術の開発への要請も強まっている。さらに、炭素材料をより経済的に得ることへの要請もある。
また、緻密で、かつ、極めて灰分濃度の低い高純度の炭素材料を、高収率で、経済的に得ることができると共に、所定の形状を維持した状態で炭素材料を得ることができる炭素材料の製造方法を提供することにある。
このような製造方法によれば、炭素化原料を塊状に成形した成形体として得ることができる。
このような製造方法によれば、無灰炭中に含まれる軽質成分のうちでも極性成分が効率的に除去される。
まず、本発明に係る炭素材料の製造方法についての第1実施形態について説明する。
図1に示すように、炭素材料の製造方法は、無灰炭製造工程(S1)と、炭素化原料製造工程(S2)と、炭素化工程(S4)と、を含むものである。また、必要に応じて、炭素化原料製造工程(S2)の後に、成形工程(S3)を含めてもよい。
以下、各工程について説明する。
無灰炭製造工程(S1)は、石炭を改質して、改質炭である無灰炭を製造する工程である。
なお、本発明でいう無灰炭とは、いわゆるハイパーコールのことであり、石炭を溶剤抽出し、灰分と非溶解性の石炭成分を除去することにより製造されたものである。この無灰炭は、灰分が極めて少なく(灰分濃度0.3質量%以下)、水分は概ね0.5質量%以下である。
なお、石炭はできるだけ小さい粒子に粉砕しておくのが好ましく、粒径1mm以下とするのが好ましい。
用いる不活性ガスとしては、安価な窒素を用いることが好ましいが、特に限定されるものではない。また、圧力は、抽出の際の温度や用いる溶剤の蒸気圧にもよるが、1.0〜2.0MPaが好ましい。圧力が溶剤の蒸気圧より低い場合には、溶剤が揮発して液相に閉じ込められず、抽出できない。溶剤を液相に閉じ込めるには、溶剤の蒸気圧より高い圧力が必要となる。一方、圧力が高すぎると、機器のコスト、運転コストが高くなり、経済的ではない。
ここで、液部とは、溶剤に抽出された石炭成分を含む溶液をいい、非液部とは、溶剤に不溶な石炭成分(灰分を含む石炭すなわち灰炭)を含む溶質をいう。
上澄み液(液部)から溶剤を分離する方法は、一般的な蒸留法や蒸発法(スプレードライ法等)等を用いることができ、上澄み液からは、実質的に灰分を含まない無灰炭を得ることができる。この無灰炭は、灰分含有量が0.3質量%以下と、灰分をほとんど含まず、水分は概ね0.5質量%以下であり、また原料石炭よりも高い発熱量を示す。従って、この無灰炭を炭素化することで、極めて灰分濃度の低い高純度の炭素材料を得ることができる。
炭素化原料製造工程(S2)は、前記無灰炭製造工程(S1)で製造された無灰炭と有機溶剤とを混合して混合物とし、前記無灰炭から前記有機溶剤に可溶な可溶成分を抽出し、抽出後の混合物を、前記可溶成分を含む液部と、前記有機溶剤に不溶な成分を含む非液部とに分離して、前記非液部を炭素化原料とする工程である。
ここで、石炭類の抽出率は、溶剤の種類、つまり溶剤の溶解力に大きく影響される。したがって、溶剤を選択した時点で、どの程度の軽質成分を除去できるかが概ね決定される。
つまり、無灰炭構成成分のうち、相対的に溶けやすい成分(一般に、比較的に低分子量(軽質)の成分か、アルキル基等の側鎖を多く有する成分)を溶かすというよりも、物質移動の制限で抽出が制限されるからである。すなわち、溶剤量が過少の場合には溶剤と接触する粒子表面の分子が優先的に溶解するうちに溶解度が飽和に達するため(粒子の表面だけが溶けて溶解平衡に達する)、本来抽出されるような軽質成分が比較的多量に残ってしまう。また、抽出時間が短すぎる場合にも、同様なことが起きる。
ここで、液部とは、溶剤に抽出された軽質成分を含む溶液をいい、非液部とは、溶剤に不溶な成分(炭素化原料)を含む溶質をいう。
また、非液部に残留する溶剤を除去するために、さらに、得られた非液部(炭素化原料)を乾燥させる乾燥処理を行ってもよい。乾燥は、窒素雰囲気中や減圧下で、必要により加熱しながら保持することで行うことができる。
このような方法により、軽質成分が除去された炭素化原料粉末が得られる。
<成形工程(S3)>
成形工程(S3)は、前記炭素化原料製造工程(S2)の後に、前記炭素化原料製造工程(S2)で製造された炭素化原料粉末を塊状に成形する工程である。
前記炭素化原料粉末の成形は公知の方法により行うことができる。例えば、圧縮成形や、2ロール式タブレット成形等である。なお、微粉砕して高圧プレスすれば比較的容易に成形体を得ることができる。また、適当なバインダー化合物を用いてもよい。バインダーとしては、タール、ピッチ、無灰炭そのもの、樹脂等、公知のものを使用することができる。このうち、無灰炭そのものは、灰分含有率が小さいため最も好ましい。成形体中におけるバインダー化合物の割合は、20質量%未満が好適である。さらに炭素繊維等の適当な充填材や、無灰炭製造工程(S1)で副生する形質分や残渣炭等を添加混合して用いてもよい。
炭素化工程(S4)は、前記炭素化原料製造工程(S2)で製造された炭素化原料、または前記成形工程(S3)で成形された成形体を不活性雰囲気で熱処理して炭素化させる工程である。
炭素化処理の方法や条件は、特に制限はなく、公知の技術を用いて行うことができる。典型的には、窒素やアルゴン等の不活性雰囲気中で、1000℃以上、必要に応じて2000℃以上に加熱処理する。また、昇温速度は、0.1〜5℃/分程度とする。この炭素化処理は熱間静水圧プレス装置等を用いて、加圧下で行ってもよい。
次に、本発明に係る炭素材料の製造方法についての第2実施形態について説明する。
炭素化工程(S1)において、成形体を熱処理した場合、成形体が膨張し、炭素化原料の形状がくずれることがある。しかし、本発明に係る第2実施形態によれば、緻密で、かつ、極めて灰分濃度の低い高純度の炭素材料を高収率で得ることができると共に、成形体が熱処理により膨張することなく、所定の形状を維持した状態で炭素材料を得ることができる。なお、この場合、成形体は、熱処理によりやや収縮した状態となり、緻密となる。
以下、各工程について説明する。
なお、無灰炭製造工程(S11)、炭素化工程(S14)については、前記第1実施形態(S1、S4)と同様であるので、ここでは、説明を省略する。
炭素化原料製造工程(S12)は、前記無灰炭製造工程(S11)で製造された無灰炭と有機溶剤とを混合して混合物とし、前記無灰炭から前記有機溶剤に可溶な可溶成分を抽出し、抽出後の混合物を、前記可溶成分を含む液部と、前記有機溶剤に不溶な成分を含む非液部とに分離して、前記非液部を炭素化原料とする工程である。
無灰炭製造工程(S11)で製造・回収された無灰炭は、石炭から残渣炭と灰分が除去されたものであり、通常300℃以下、ときには200℃以下の温度で軟化溶融する。このような低温で軟化する性質では、炭素化工程(S14)による熱処理で軟化溶融してしまう場合があり、成形体の形状がくずれてしまうことがある。
従って、炭素化原料の軟化温度が350℃以上であることを必要とする。より好ましくは400℃以上、さらに好ましくは450℃以上、あるいは軟化しないような性質である。軟化温度が350℃未満では、成形体が軟化溶融してしまい、所定の形状を維持した状態で炭素材料を得ることができず、また、気孔率が高くなり、見掛け比重もやや低くなる。
なお、軟化温度を調整するための溶剤分別は、前記第1実施形態の炭素化原料製造工程(S2)で説明したとおり、炭素化原料の取得率が40〜90質量%の範囲も同時に満たすように調整する。
成形工程(S13)は、前記炭素化原料製造工程(S12)の後に、前記炭素化原料製造工程(S12)で製造された炭素化原料を成形原料の主成分として、この炭素化原料を塊状に成形する工程である。
<第1実施例>
第1実施例では、炭素材料の見掛け比重、気孔率、炭素収率、灰分濃度について調べた。
まず、以下の方法により、無灰炭を製造した。
亜瀝青炭を原料石炭とし、この原料石炭5kgに対し、4倍量(20kg)の溶剤(1−メチルナフタレン(新日鉄化学社製))を混合してスラリーを調製した。このスラリーを1.2MPaの窒素で加圧して、内容積30Lのオートクレーブ中370℃、1時間の条件で抽出した。このスラリーを同一温度、圧力を維持した重力沈降槽内で上澄み液と固形分濃縮液とに分離し、上澄み液から蒸留法で溶剤を分離・回収して、無灰炭を得た。
このようにして得られた無灰炭を用いて、以下の試験を行った。なお、成形して炭素化できるということは、成形しなくても炭素化できるということであるため、ここでは、成形体としてから熱処理を行った。
目開きが0.149mmの篩いを全量が通過するように粉砕した無灰炭1質量部に対しメチルエチルケトン10質量部の割合で混合して、1時間かき混ぜた後、公称0.5μmのフィルタを使って不溶物(炭素化原料)を濾取した。この炭素化原料を100℃で減圧乾燥させたところ、炭素化原料の取得率(炭素化原料質量/仕込み無灰炭質量)は78質量%であった。
次に、この炭素化原料を目開きが0.149mmの篩いを全量が通過するように粉砕し、直径30mmの円筒形キャビティを有する金型に5gを充填し、0.1トン/cm2の圧力でプレス成形した。これにより、厚さ6.4mm、見掛け比重1.1g/cm3の成形体が得られた。この成形体を、窒素雰囲気中5℃/分の速度で加熱して、1000℃で炭素化させた。
溶剤として、メチルエチルケトンの代わりにテトラヒドロフランを用いた以外は、実施例1と同じ条件で炭素化原料を得た。炭素化原料の収率は71質量%であった。この炭素化原料を実施例1と同じ条件で成形した。これにより、厚さ6.4mm、見掛け比重1.1g/cm3の成形体が得られた。この成形体を実施例1と同じ条件で炭素化処理した。
目開きが0.149mmの篩いを全量が通過するように粉砕した無灰炭1質量部に対し2-メチルナフタレン5質量部の割合で混合して、1MPaの窒素加圧下、360℃に加熱して1時間かき混ぜ、無灰炭の全量を溶解させた。これを室温まで冷却して5時間放置した。析出した固形成分(炭素化原料)を、公称0.5μmのフィルタで濾取した。100℃で減圧乾燥させたところ、炭素化原料の取得率は63質量%であった。
この炭素化原料を実施例1と同じ条件で成形した。これにより、厚さ11.8mm、見掛け比重1.08g/cm3の成形体が得られた。この成形体を実施例1と同じ条件で炭素化処理した。
無灰炭を溶剤抽出することなく、炭素化原料とし、この炭素化原料を実施例1と同じ条件で成形した。厚さ6.4mm、見掛け比重1.1g/cm3の成形体が得られた。この成形体を実施例1と同じ条件で炭素化処理した。
溶剤として、メチルエチルケトンの代わりにトルエンを用いた以外は、実施例1と同じ条件で炭素化原料を得た。炭素材料の取得率は97質量%であった。
この炭素材料を実施例1と同じ条件で成形した。これにより、厚さ6.7mm、見掛け比重1.05g/cm3の成形体が得られた。この成形体を実施例1と同じ条件で炭素化処理した。
溶剤として、メチルエチルケトンの代わりにn−ヘキサンを用いた以外は、実施例3と同じ条件で炭素化原料を得た。炭素化原料の取得率は98質量%であった。
この炭素化原料を実施例1と同じ条件で成形した。これにより、厚さ6.2mm、見掛け比重1.15g/cm3の成形体が得られた。この成形体を実施例1と同じ条件で炭素化処理した。
目開きが0.149mmの篩いを全量が通過するように粉砕した無灰炭1質量部に対し2-メチルナフタレン10質量部の割合で混合して、1MPaの窒素加圧下、200℃に加熱して1時間かき混ぜた。この温度・圧力に保ったまま、公称0.5μmのフィルタを使って不溶物(炭素化原料)を濾取した。100℃で減圧乾燥させたところ、炭素化原料の取得率は38質量%であった。
この炭素化原料を実施例1と同じ条件で成形した。これにより、厚さ7.4mm、見掛け比重0.95g/cm3の成形体が得られた。なお、この成形体は少し力を加えると壊れるような脆いものであった。この成形体を実施例1と同じ条件で炭素化処理した。
比較例4で調製した炭素化原料10質量部に対し無灰炭1質量部の割合で混合して、目開きが0.149mmの篩いを全量が通過するように粉砕した。
この混合物を実施例1と同じ条件で成形した。これにより、厚さ12.3mm、見掛け比重1.04g/cm3の成形体が得られた。この成形体を実施例1と同じ条件で炭素化処理した。
ここで、見掛け比重と気孔率は、JIS K2151(コークス類の試験方法)に準じて算出し、灰分濃度の測定は、JIS M8812(石炭類及びコークス類の工業分析方法)に準じて行った。
見掛け比重は、0.6g/cm3以上のものを良好、0.6g/cm3未満のものを不良と判断した。気孔率は、60%以下のものを良好、60%を超えるものを不良と判断した。炭素収率は、65質量%以上のものを炭素収率が高い、65質量%未満のものを炭素収率が低いと判断した。灰分濃度は、0.3質量%未満のものを灰分濃度が低いと判断した。
これらの試験結果を表1に示す。
比較例1は、無灰炭を溶剤抽出していないため、炭素化工程で激しく発泡して、炭素成形体を得ることがでなかった。また、見掛け比重が低く、気孔率が大きく、炭素収率は56質量%と低かった。比較例2は、炭素化原料の取得率が上限値を超えるため、炭素化工程で激しく発泡して、炭素成形体を得ることができなかった。また、見掛け比重が低く、気孔率が大きく、炭素収率は57質量%と低かった。
第2実施例では、炭素材料の見掛け比重、気孔率、炭素収率、灰分濃度の他、炭素化工程前後の成形体の形状(厚さ)について調べた。
まず、第1実施例と同様な方法により、無灰炭を製造した。なお、無灰炭の軟化温度は290℃、灰分0.2質量%であった。
目開きが0.149mmの篩いを全量が通過するように粉砕した無灰炭1質量部に対しピリジン10質量部の割合で混合して、50℃で1時間かき混ぜた。公称0.5μmのフィルタを使って不溶物(炭素化原料)を濾取した。150℃で減圧乾燥させたところ、炭素化原料の取得率は68質量%、その軟化温度は355℃であった。
次に、目開きが0.149mmの篩いを全量が通過するように粉砕した炭素化原料300gを直径100mmの円筒金型に充填し、室温において0.3トン/cm2の圧力をかけて圧縮成形した。これにより、厚さ3.8cm、見掛け比重1.02g/cm3の成形体が得られた。この成形体を、窒素雰囲気中で、室温から30℃/hの昇温速度で380℃まで昇温してその温度で1時間保持し、引き続き30℃/hの昇温速度で1500℃まで加熱し、この温度に30分保持することにより炭素化させた。
溶剤として、ピリジンの代わりにキノリンを用いた以外は、実施例6と同じ条件で炭素化原料を濾取した。炭素化原料の取得率は42質量%で、その軟化温度は450℃であった。
この炭素化原料85質量部に対して、無灰炭15質量部の割合で混合し、目開きが0.149mmの篩いを全量が通過するように粉砕した。これを実施例4と同じ方法で成形した。厚さが3.7cm、見掛け比重1.04g/cm3の成形体が得られた。この成形体を、実施例4と同じ条件で炭素化させた。
無灰炭を溶剤抽出することなく、炭素化原料とし、この炭素化原料を実施例4と同じ条件で成形した。これにより、厚さ3.9cm、見掛け比重0.99g/cm3の成形体が得られた。この成形体を、実施例4と同じ条件で炭素化させた。
ピリジンの代わりにキシレンを用いた以外は、実施例4と同様な方法により、炭素化原料を濾取した。150℃で減圧乾燥させたところ、炭素化原料の取得率は79質量%で、その軟化温度は340℃であった。
次に、前記炭素化元素を実施例4と同じ方法で成形した。これにより、厚さ3.8cm、見掛け比重1.02g/cm3の成形体が得られた。この成形体を、実施例4と同じ条件で炭素化させた。
溶剤として、ピリジンの代わりにキノリンを用いた以外は、実施例4と同じ条件で炭素化原料を濾取した。炭素化原料の取得率は42質量%で、その軟化温度は450であった。
前記炭素化原料75質量部に対して、前記無灰炭25質量部の割合で混合し、目開きが0.149mmの篩いを全量が通過するように粉砕した。これを実施例4と同じ方法で成形した。厚さ3.8cm、見掛け比重1.02g/cm3の成形体が得られた。この成形体を、実施例4と同じ条件で炭素化させた。
見掛け比重は、1.0g/cm3以上のものを良好、1.0g/cm3未満のものを不良と判断した。気孔率は、30%以下のものを良好、30%を超えるものを不良と判断した。炭素収率は、65質量%以上のものを炭素収率が高い、65質量%未満のものを炭素収率が低いと判断した。灰分濃度は、0.3質量%未満のものを灰分濃度が低いと判断した。炭素化工程後の成形体の形状は、成形体の厚さが収縮したものを、所定の形状を維持した状態で炭素材料が得られたもの、成形体の厚さが膨張したものを、所定の形状を維持した状態で炭素材料が得られなかったものと判断した。
これらの試験結果を表2に示す。なお、表2中「−」は、炭素成形体を得ることができなかったものである。
比較例5は、無灰炭を溶剤抽出していないため、炭素化工程で激しく発泡して、炭素成形体を得ることがでなかった。また、見掛け比重が低く、炭素収率は56質量%と低かった。さらに、炭素化原料の軟化温度が低すぎるため(無灰炭:290℃)、気孔率は89%と高い値になった。
S2、S12 炭素化原料製造工程
S3、S13 成形工程
S4、S14 炭素化工程
Claims (4)
- 石炭を改質して、改質炭である無灰炭を製造する無灰炭製造工程と、
前記無灰炭製造工程で製造された無灰炭と有機溶剤とを混合して混合物とし、前記無灰炭から前記有機溶剤に可溶な可溶成分を抽出し、抽出後の混合物を、前記可溶成分を含む液部と、前記有機溶剤に不溶な成分を含む非液部とに分離して、前記非液部を炭素化原料とする炭素化原料製造工程と、
前記炭素化原料製造工程で製造された炭素化原料を不活性雰囲気で熱処理して炭素化させる炭素化工程と、を含み、
前記炭素化原料製造工程で製造される炭素化原料の割合が、前記炭素化原料製造工程で混合される無灰炭に対し40〜90質量%であることを特徴とする炭素材料の製造方法。 - 前記炭素化原料製造工程の後に、前記炭素化原料製造工程で製造された炭素化原料を塊状に成形する成形工程を含み、
前記炭素化工程において、前記成形工程で成形された成形体を不活性雰囲気で熱処理して炭素化させることを特徴とする請求項1に記載の炭素材料の製造方法。 - 石炭を改質して、改質炭である無灰炭を製造する無灰炭製造工程と、
前記無灰炭製造工程で製造された無灰炭と有機溶剤とを混合して混合物とし、前記無灰炭から前記有機溶剤に可溶な可溶成分を抽出し、抽出後の混合物を、前記可溶成分を含む液部と、前記有機溶剤に不溶な成分を含む非液部とに分離して、前記非液部を炭素化原料とする炭素化原料製造工程と、
前記炭素化原料製造工程で製造された炭素化原料を成形原料の主成分として、この炭素化原料を塊状に成形する成形工程と、
前記成形工程で成形された成形体を不活性雰囲気で熱処理して炭素化させる炭素化工程と、を含み、
前記炭素化原料製造工程で製造される炭素化原料の割合が、前記炭素化原料製造工程で混合される無灰炭に対し40〜90質量%、かつ前記炭素化原料の軟化温度が350℃以上であり、
前記成形工程で成形された成形体中における前記炭素化原料の割合が、80質量%以上であることを特徴とする炭素材料の製造方法。 - 前記有機溶剤が、含酸素有機溶剤であることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の炭素材料の製造方法。
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