JP6719342B2 - 製鉄用コークスの製造方法及び銑鉄の製造方法 - Google Patents

製鉄用コークスの製造方法及び銑鉄の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、高炉等での製鉄に用いられるコークスの製造方法、及び製鉄用コークス、並びに該コークスを使用した銑鉄の製造方法に関する。
高炉で使用される製鉄用コークスは、強粘結炭等の複数の原料炭を配合して得られる配合炭を、コークス炉内で加熱、乾留して製造されている。高炉用のコークスは高炉に投入して使用されるため、高炉内で圧潰しない十分な強度を備えている必要がある。そのためコークスを乾留する際はコークス炭芯温度が、十分なコークス強度が得られるように1000℃以上に加熱、乾留してコークスを製造している。
しかしながら1000℃以上で乾留すると炉内耐火物が劣化し易く、耐火物交換サイクルが短期化してメンテナンスコストが上昇する。また1000℃以上に加熱するための燃料コストは年々上昇する傾向にある。
そこで従来よりも低温で乾留してコークスを製造する技術が提案されている。例えば特許文献1には、石炭とバインダーを混練し成型して得られる成型炭を、竪型シャフト炉内で熱媒ガスによって加熱・乾留する冶金用成型コークスの製造方法が開示されている。具体的には成型炭を700〜850℃まで乾留し、かつ、竪型シャフト炉下段の冷却室上部に酸素含有ガスを導入することによりコークスの残留揮発分を燃焼させ、少なくとも900℃まで加熱することで高強度の冶金用成型コークスを製造する方法が開示されている。
また特許文献2には、コークス乾式消火設備の赤熱コークスが装入されたプレチャンバーに炭化水素系燃料を吹き込んで熱分解させる冶金用コークスの製造方法が開示されている。具体的にはプレチャンバーにコークス炉で700〜900℃で乾留された中低温乾留コークスを装入すると共に、プレチャンバーに炭化水素系燃料と酸素含有ガスとを交互に吹き込むことで、冶金用コークスを製造する方法が開示されている。
特開平7−188670号公報 特開平9−194845号公報
しかしながら特許文献1では製造したコークスの強度は900℃程度で乾留したコークスと同程度しかない。また特許文献1では低温乾留したコークスの改質用の酸素含有ガス吹き込み設備が必要となり、特許文献2では炭化水素系燃料の吹きつけ設備が必要となるなど、設備導入費用やメンテナンスコスト等を考慮すると製造コスト削減効果は不十分であった。
また近年、二酸化炭素排出量の削減が急務となっているが、操業中の高炉内ではコークスから発生する一酸化炭素による鉄鉱石の還元反応によって二酸化炭素が発生するため、従来のコークスでは二酸化炭素量の削減は難しかった。
本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、低コストで高強度を有するコークスの製造方法、及び該製造方法で得られた水素原子含有量の多いコークス、並びに二酸化炭素量を削減し得る銑鉄の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決し得た本発明は、原料炭と粘結材とを温度800℃以下で乾留する代表強度が2.5MPa以上の製鉄用コークスの製造方法である。なお、代表強度は実施例に記載の測定方法に基づいて算出された値である。
本発明を実施するにあたっては、粘結材が、石炭からの溶剤抽出物であることが好ましい。また得られる製鉄用コークスの水素原子含有量が、1質量%以上であることも好ましい実施態様である。
本発明には代表強度が2.5MPa以上であり、且つ水素原子含有量が1質量%以上である製鉄用コークスも含まれる。
また本発明には石灰石、及び鉄鉱石と共に上記コークスを高炉に投入し、鉄鉱石の還元をする銑鉄の製造方法も含まれる。
本発明によれば、1000℃以上で乾留して製造した従来のコークスと同等の高強度コークスを800℃以下の乾留温度で製造できる。しかも本発明の製造方法によれば従来の設備をそのまま使用できるため、低コストで高強度コークスを製造できる。また上記製造方法で得られたコークスは水素原子含有量が高いため、還元材として銑鉄の製造に用いると、鉄鉱石の水素還元反応が促進されて二酸化炭素排出量を削減できる。
図1は、実施例で製造したコークスのコークス密度とコークス代表強度の関係を示すグラフである。 図2は、実施例で製造したコークスの乾留温度と歩留まりの関係を示すグラフである。
コークスの強度は乾留温度に大きな影響を受けるため、従来は乾留温度を低くすると強度が低下して十分な強度を確保できないと考えられていた。そこで本発明者らは低温で乾留しても、粘結材を含まないコークス原料を1000℃〜1200℃で乾留して得られた従来のコークス(以下、「従来のコークス」ということがある)と同等の強度を有するコークスを製造する方法について鋭意検討を重ねた。その結果、原料炭に粘結材を添加・混合した混合物を800℃以下の温度で乾留することによって、従来のコークスと同等の強度、具体的には2.5MPa以上の代表強度を有するコークスを製造できることを見出し、本発明に至った。
粘結材としては、例えば、石油系ピッチ、石炭系ピッチ、溶剤抽出炭などが知られているが、なかでも、石炭からの溶剤抽出物を粘結材として用いると、800℃以下で乾留しても2.5MPa以上の高い代表強度を有するコークスを得ることができるので望ましい。
まず、本発明の好ましい粘結材である石炭からの溶剤抽出物について説明する。本発明では石炭を溶剤で抽出し、残渣を分離した抽出液から該溶剤を除去して得られる溶剤抽出成分を粘結材として使用する。溶剤抽出成分は原料炭同士の粘結性向上作用を有しているため、粘結材として原料炭と混合することによって800℃以下の低温乾留でも、該粘結材を含まずに1000〜1200℃で乾留したコークスと同等の強度を有するコークスを製造できる。なお、溶剤抽出物に含まれる灰分含有率を1%未満とするためには、高度な分離工程が必要であり、製造コストが高くなる。一方、上記コークス粘結材として十分に機能する灰分含有率について検討した結果、灰分が1%以上含まれていても本発明の粘結材として有用であることがわかった。もっとも灰分が多量に含まれる場合は粘結材としての機能が低下する傾向にある。したがって溶剤抽出物には灰分が1%未満であってもよいが、製造コストを考慮すると好ましくは1%以上であって、好ましくは6%以下、より好ましくは3%以下含まれていてもよい。
以下、粘結材として使用する石炭からの溶剤抽出物の製造方法を説明するが、これに限定されず、各種公知の製造方法で得られた溶剤抽出物を使用できる。また溶剤抽出物の製造方法には後記するように溶剤抽出工程、固液分離工程、及び溶剤除去工程が含まれるが、必要に応じて任意の処理工程を加えてもよく、また各工程の実施条件も適宜変更できる。
<溶剤抽出工程>
溶剤抽出工程は、原料石炭と溶剤を接触させて、原料石炭から溶剤可溶成分を溶剤中に抽出し、溶剤可溶成分と溶剤不溶成分の混合物スラリーを得る工程である。
原料石炭に含まれる溶剤可溶成分の抽出に用いる溶剤としては、石炭を溶解する性質を有する有機溶剤であれば特に限定されず、例えば極性溶剤や芳香族溶剤などが好ましい。極性溶剤として例えば、N−メチルピロリドンやピリジン等が用いられる。芳香族溶剤として例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の1環芳香族化合物や、ナフタレン、メチルナフタレン、ジメチルナフタレン、トリメチルナフタレン、テトラヒドロナフタレン(テトラリン;登録商標)等の2環芳香族化合物、アントラセン等の3環以上の芳香族化合物等が用いられる。また、2環芳香族化合物には、その他脂肪族側鎖をもつナフタレン類、また、これにビフェニルや長鎖脂肪族側鎖をもつアルキルベンゼンが含まれる。
本発明では、上記極性溶剤や芳香族溶剤のなかでも、溶剤に抽出される溶剤可溶成分の割合が高く、また、蒸留等の方法で容易に回収可能な溶剤である水素非供与性の溶剤を用いることが好ましい。水素非供与性溶剤としては、主に石炭の乾留生成物から精製した2環芳香族化合物を主とする石炭誘導体であり、具体的には、ナフタレン、メチルナフタレン、タール軽油などであり、これらから選択される1種を主成分とする溶剤や、2種以上を含む溶剤を用いることができる。
また溶剤可溶成分の抽出に用いる溶剤の沸点は、抽出工程での溶剤可溶成分の抽出率、及び溶剤の回収効率を考慮すると、好ましくは180℃以上、より好ましくは200℃以上であって、好ましくは330℃以下、より好ましくは250℃以下である。
溶剤可溶成分の抽出に用いる原料石炭の種類は限定されず、微粘結炭、準微粘結炭、強粘結炭、及び非微粘結炭のいずれでもよいが、経済性を考慮すると主に一般炭、或いは軟化溶融性をほとんど持たない非微粘炭などの安価な石炭を使用することが好ましい。また石炭から溶剤可溶成分を抽出し易くするために、原料石炭を、好ましくは直径5mm以下、より好ましくは3mm以下に粉砕しておくことが望ましい。
溶剤に混合する原料石炭の量は、原料石炭の種類にもよるが、生産性や抽出液と残渣との分離容易性を考慮すると、乾燥炭基準で溶剤との合計に対して好ましくは10質量%以上、より好ましくは20質量%以上である。上限は特に限定されないが、好ましくは50質量%以下、より好ましくは35質量%以下である。
原料石炭と溶剤とをスラリー状に混合した後、この混合物を攪拌しつつ加熱すれば、原料石炭に含まれる溶剤に可溶な成分が溶剤中に抽出される。抽出温度は特に限定されないが、高温に加熱することで石炭を構成する分子間の結合が緩んで抽出が進行するため、好ましくは300℃以上、より好ましくは330℃以上である。高温になりすぎると生成した熱分解ラジカルの再結合によって抽出率が低下することがあるため、好ましくは420℃以下、より好ましくは400℃以下である。
抽出時間は十分な抽出が行われればよく限定されないが、好ましくは10分以上、より好ましくは30分以上であって、好ましくは120分以下、より好ましくは60分以下である。
抽出工程は、溶剤が沸騰しないように圧力容器内を加圧状態として行なえばよく、圧力は好ましくは1.2MPa以上、より好ましくは1.5MPa以上であって、好ましくは2.5MPa以下、より好ましくは2MPa以下である。また、圧力容器内は酸化反応が進行しないよう、窒素などの不活性ガスであらかじめ置換しておくことが望ましい。
<固液分離工程>
固液分離工程は、上記溶剤抽出工程で得られた溶剤可溶成分と溶剤不溶成分の混合物スラリーから溶剤可溶成分と溶剤不溶成分とに分離する工程である。分離方法としては各種公知の濾過方法や遠心分離方法などを採用できるが、大量の混合物スラリーを低コストで連続的に処理できる重力沈降法が好ましい。重力沈降法には公知の沈降槽などの重力沈降装置を用いればよい。
上記混合物スラリーを例えば重力沈降装置に導入すれば、上澄み液として溶剤可溶成分が取り出され、装置下部から固形分濃縮液として溶剤不溶成分が取り出される。
溶剤可溶成分は、主に石炭から抽出された溶剤に可溶な成分と、抽出に用いた溶剤で構成されている。溶剤不溶成分は、主に灰分などの無機分と、溶剤に不溶な有機分で構成されており、抽出に用いた溶剤も含まれている。なお、溶剤可溶成分に含まれる灰分量は例えば重力沈降装置での抜き出し比率をコントロールするなどによって調整可能である。
原料石炭から溶出した溶質の再析出を防ぐため固液分離工程における溶剤の温度と固液分離時の圧力は、上記抽出工程で設定した温度および圧力と同じ範囲に設定することが好ましい。
<溶剤除去工程>
溶剤除去工程は、上記固液分離工程で抜き出した溶剤可溶成分から溶剤を除去する工程である。溶剤を除去することにより、溶剤抽出物が得られる。溶剤を分離する方法としては、一般的な蒸留法やスプレードライ法などの蒸発法を用いることができる。
溶剤を除去して得られた溶剤抽出成分は本発明の粘結材として使用できる。もちろん、溶剤抽出成分は必要に応じて任意の処理を施してから粘結材として使用してもよい。例えば溶剤抽出物中の灰分量を調整するために、灰分を含む溶剤不溶成分を添加して粘結剤を準備してもよい。
以下、溶剤抽出物を粘結材とし、該粘結材と原料炭との混合物を乾留してコークスを製造する方法について説明する。本発明のコークスの製造方法は混合工程と乾留工程とを有する。
<混合工程>
混合工程では、原料炭と粘結材とを混合して混合物を得る工程である。原料炭と粘結材との混合方法は特に限定されず、均一な混合物が得られればよい。混合にはミキサー、ニーダー、混合機など公知の手段を用いればよい。
原料炭として使用する石炭の種類は特に限定されず、強粘結炭、準粘結炭、微粘結炭、及び非粘結炭よりなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることが望ましい。
本発明において強粘結炭とは、平均最大反射率Roが1.1超〜1.5、ギーセラー流動度logMFが0.5〜3.5の石炭、準粘結炭とは、Roが0.7〜1.1、logMFが2.5超〜3.5の石炭、微粘結炭とは、Roが0.7〜1.1、logMFが0.5〜2.5の石炭をいう。
強粘結炭、準強粘結炭、微粘結炭、非粘結炭は、複数種組み合わせて用いることもでき、要求されるコークスの特性に応じて適宜組み合わせればよい。強粘結炭は粘結性が高く、強粘結炭の配合量を増加させると、コークスの強度が向上する。また準強粘結炭は強粘結炭に次ぐ粘性を持ち、また高流動性、高膨張性という特性を有するため、これら石炭を適宜組み合わせることで、配合炭の性状を制御できる。また微粘結炭、非粘結炭は安価であるが溶融性、膨張性が乏しいため、微粘結炭、非粘結炭の配合量を増加させると、コークスの強度が低下する。
コークスの強度向上を図るために原料炭の粒径は、工業的に可能な粉砕粒径範囲、および粉塵などを考慮して適宜決定すればよく、限定されない。例えば原料炭の好ましくは80質量%以上、より好ましくは85質量%以上、更に好ましくは90質量%以上が、3mm以下であることが望ましい。なお、本発明において「粒径」とは、JIS M8801記載の粒度試験法によって求められる値である。
原料炭と粘結材との混合比率は特に限定されない。本発明ではコークス強度を向上させる観点から、粘結材を配合した後の流動性を調整することが望ましい。流動性は例えばギーセラー流動度logMFで好ましくは1.5〜3.5、より好ましくは2.0〜3.0に調整することによって、コークス強度を向上できる。また、粘結材の混合比率を高くすると反応性は低下するが、コークス反応性は原料炭および粘結材の個々の反応性の加重平均値で推算できるため、要求されるコークス反応性、および使用する原料炭の流動性や反応性などの性状に応じ、適宜混合比率を決めればよい。
混合物の製造にあたっては、公知の添加剤などを必要に応じて含有させてもよい。
本発明では上記混合物に所望の割合の鉄鉱石を混合してもよい。また混合物は所望の形状に成形してもよい。成形方法は特に限定されず、例えば、平ロールによるダブルロール型成形機、アーモンド型ポケットを有するダブルロール型成形機、単軸プレスやローラータイプの成形機、押し出し成形機等、いずれも採用できる。
成形は、室温前後で行う冷間成形、加熱して行う熱間成形のいずれでもよい。熱間成形は、室温を超えて400℃以下で行うことが好ましく、より好ましくは250〜350℃である。400℃を超えると石炭が熱分解し、タールが発生して石炭成分を失うことがある。成形圧力は特に限定されず、公知の条件を採用すればよい。
上記のような成形を経て得られる成形体の大きさは、原料鉄鉱石や石炭の種類、製造条件、或いは高炉での運用条件によって異なるが、おおむね10〜30mm前後である。
<乾留工程>
乾留工程は、上記混合工程で得られた混合物を乾留する工程である。乾留することによって石炭部分がコークス化されてコークスを製造できる。
乾留工程は、既存のコークス炉を用いて行うことができる。乾留するときに用いる炉の形状も特に限定されず、室炉を用いてバッチ式で乾留してもよいし、縦型シャフト炉を用いて連続式で乾留してもよい。縦型シャフト炉を用いた場合には、炉の上方から上記成形体を装入し、炉内を上から下に向かって移動する間に乾留され、炉の下方から乾留されて排出される。
本発明では乾留温度を800℃以下とする。乾留温度は好ましくは700℃以上、より好ましくは750℃以上である。乾留時間は特に限定されないが、本発明によれば従来よりも短時間で加熱することができるため、コークス生産性が高い。すなわち、本発明でも昇温速度を従来の室炉コークスを製造する際の昇温速度と同じにした場合、従来の乾留温度1000℃以上に到達するまでの加熱時間よりも短時間で本発明の乾留温度800℃以下に到達できる。従来の乾留法では800℃から1000℃に昇温にかかる時間は3〜4時間であるため、本発明によれば800〜1000℃に昇温にかかる時間、すなわち、従来よりも3〜4時間程短縮可能であり、コークス生産性を向上できると共に、必要な燃料の低減も可能である。また、乾留雰囲気は限定されない。例えば炉内が密閉されていれば酸素は消費され、石炭の揮発雰囲気になるが、必要であれば、石炭の酸化による劣化を防止するため、非酸化性ガス雰囲気とすればよい。
以上の通り、本発明に係る製鉄用コークスの製造方法について説明したが、各工程に悪影響を与えない範囲において、各工程の間あるいは前後に新たな工程を設けてもよい。例えば、原料炭を粉砕する石炭粉砕工程、加熱処理によって軟化溶融性を調整する工程、ごみ等の不要物を除去する除去工程等を行ってもよい。
得られた本発明のコークスは、従来のコークスと同等以上の強度を有しており、具体的には本発明のコークスの代表強度は2.5MPa以上、好ましくは3.0MPa以上の十分な強度を有している。
また本発明のコークスは、水素原子含有量が好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上である。コークスに含まれている水素原子含有量が高い程、該コークスを銑鉄の製造に用いると後記するように水素還元反応を促進して二酸化炭素排出量を大幅に削減できる。
本発明には、本発明のコークスの製造方法により得られたコークスを使用する銑鉄の製造方法が含まれる。本発明の製造方法により得られたコークスは、強度に優れるので、高炉における銑鉄の製造に好適に使用できる。すなわち、本発明の製造方法により得られたコークスは圧壊しない十分な強度を有するため、高炉における銑鉄製造時のガス通気性向上に有効である。
また本発明の製造方法により得られたコークスを利用して鉄鉱石の水素還元を促進できる。すなわち、コークスの製造過程では副生ガスとして水素が発生することが知られているが、乾留温度と水素発生量の関係を調べたところ、概ね750℃程度を水素発生量のピークとして400〜1000℃の範囲でコークスから水素が発生していることがわかった。従来のコークスの製造方法では乾留温度が1000℃以上であるため、コークスには水素原子がほとんど含まれておらず、高炉に投入しても高炉内ではほとんど水素が発生せず、コークスに起因する水素還元反応は促進されない。一方、本発明ではコークスを800℃以下の乾留温度で製造しているため、該コークスには800〜1000℃の温度域で発生する水素原子が含まれている。したがって本発明の製造方法で得られたコークスを高炉に投入してコークスが800℃以上に加熱されると水素が発生する。そして発生した水素によって鉄鉱石の水素還元反応が促進される。水素還元反応では水が発生するだけで二酸化炭素は発生しないため、従来のコークスの少なくとも一部、好ましくは全部を本発明の上記製鉄用コークスに置き換えて高炉の操業を行うと、二酸化炭素排出量を大幅に削減可能となる。
高炉における銑鉄の製造方法は、公知の方法を採用すればよく、例えば高炉に石灰石、鉄鉱石とコークスとをそれぞれ層状に交互に積層させて、高炉の下部より熱風、必要に応じて微粉炭を吹き込む方法を挙げることができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
<粘結材の製造>
粘結材として、発電燃料用である一般炭から1−メチルナフタレンを主体とする二環芳香族の溶剤を用いて抽出した灰分0.5質量%の溶剤抽出物を用いた。具体的には以下の方法により流通式の石炭溶剤抽出設備にて粘結材を製造した。一般炭と1−メチルナフタレンを主体とする二環芳香族の溶剤を質量割合1:6でタンク内において混合してスラリーを調製した。得られたスラリーをポンプで2MPaに加圧し予熱器に送給し、その後速やかに後段の抽出槽にて380℃、滞留時間1時間の条件で加熱処理する抽出工程を行った。抽出処理後のスラリーを同一温度、圧力に維持された重力沈降槽へ移送し、溶剤可溶成分と溶剤不溶成分とに分離する固液分離工程を行った。重力沈降槽上部から溶剤可溶成分を抜き出した後、蒸留して溶剤を分離・除去し溶剤抽出物を得た。本実施例では該溶剤抽出物を粘結材として用いた。
<原料炭、粘結材の性質>
原料炭として表1に示す成分を有する強粘結炭と微粘結炭を用いた。また上記製造した粘結材の成分を表1に示す。
なお、原料炭、及び粘結材の分析方法は以下の通りである。
元素含有率(dry ash free):JIS M8801で測定される石炭の水分と灰分を除いた有機質(C、H、O、S、N)の元素の含有率(質量%)
灰分、及び揮発分:JIS M8812
平均最大反射率Ro:JIS M8816
ギーセラー最高流動度logMF:JIS M8801に規定されたギーセラープラストメータ法
Figure 0006719342
<コークスの製造>
粘結材の有無によって原料の混合比率を変化させた混合物を作製した。
粘結材有:粘結材を使用した場合、質量比率で強粘結炭15%、微粘結炭75%、粘結材10%となるように配合して常温でよく混合して混合物を得た。
粘結材無:粘結材を使用しない場合、質量比率で強粘結炭25%、微粘結炭75%となるように配合して常温でよく混合して混合物を得た。なお、粘結材を使用していないNo.7〜12は従来のコークスに該当する。
強粘結炭と微粘結炭は、粒径が3mm以下のものが100質量%となるように予め粉砕してから使用した。また粘結材は粒径1mm以下の微粉末である。
混合物を直径52mm×高さ100mmの金属製容器に充填高さ約70mmとなるように充填した。具体的には混合物を仕込み量110g、充填密度730kg/m3、水分7%以下となるように調整して円筒形状に成形した。
金属製容器を内径55mm×深さ130mmの黒鉛製るつぼ炉に装入し、1L/minの窒素流通下で、3℃/minの昇温速度で室温から表2に示す乾留温度まで加熱して乾留した後、400℃まで窒素雰囲気下で自然冷却した。その後、るつぼ炉から金属容器を取り出し、大気雰囲気下で自然冷却してコークスを得た。No.6、12は乾留温度1000℃で30分保持した後、冷却したが、No.1〜5、7〜11は表2記載の乾留温度で保持せず、乾留温度到達後直ちに冷却した。なお、乾留時に石英試験管には荷重を負荷しなかった。
<歩留まり率>
各製造条件のコークスを4本ずつ作製し、その際の歩留まり率を下記式から求め、平均値を採用した。
歩留まり(%)=コークス質量/石炭仕込み質量×100
<コークス代表強度>
各コークスを直径21mm±2%、高さ13mm±2%の円筒状に切り出した試験片を6個作製し、試験装置:島津製作所社製ロードセルAG−OS−5kNを用いて圧壊強度試験を行って、コークス片の圧壊強度に関するワイブル分布の尺度母数、すなわち、累積破壊確率63.2%となる圧壊強度をコークスの代表強度とした。
Figure 0006719342
表2、及び図1に示すように粘結材を配合せずに1000℃で乾留した従来例に相当するNo.11の代表強度は2.59MPaであった。一方、粘結材を配合した場合、1000℃未満で乾留した発明例であるNo.3と、No.4の代表強度は、No.11よりも高かったがNo.4は歩留まり率が低かった。また表2、図1より、700℃〜800℃程度で乾留しても従来の1000℃以上の高温で還流したコークスと同等以上の代表強度を有するコークスが得られることがわかる。また乾留温度が700℃を下回ったNo.1とNo.2はNo.11よりも代表強度が低くかった。また図1からは温度が上昇する程、密度が上昇する傾向を読み取ることができ、コークスの収縮現象がみられた。これらの結果から、石炭乾留時の収縮現象は700〜750℃程度がピークであり、その収縮ピーク温度を超えるとコークスの代表強度の上昇率は緩やかになる傾向がわかった。そのため、十分な代表強度を得るためには乾留温度を800℃以下、好ましくは700〜750℃とすることが望ましいことがわかった。
またNo.3とNo.11を比べると図2より以下のことがわかる。歩留まり率について、No.3は77.2%、No.11は76.6%である。歩留まり率は、コークスを高炉内に挿入して鉄鉱石の還元材として使用した時の水素発生量を示す指標となる。すなわち、No.11のように乾留温度が1000℃以上であると乾留時に副生ガスとしてコークスから水素が大量に発生するため、得られたコークスを高炉内に挿入してもコークスからはほとんど水素が発生せず、水素還元反応はほとんど進行しない。一方、No.3のように乾留温度が800℃の場合、乾留時に副生ガスとして水素が発生するものの、800〜1000℃で発生する水素原子がコークス内に留保されたままである。したがってNo.3のコークスを高炉に装入してコークス温度が800℃以上になると水素が発生して鉄鉱石の水素還元反応が促進されることがわかる。No.3とNo.11の水素含有率の差からNo.3のコークス1t当たりの水素発生量は、(1.3-0.6)/100=0.007t程度であると予測できる。そしてコークス1t当たり0.007tの水素が鉄鉱石の還元反応に利用できることを考慮すると、該水素によって概ね0.021tの炭素による還元反応を代替できる。したがってNo.3のコークスを還元材として使用すれば、コークス由来の二酸化炭素排出量を約2.1%削減できる。またNo.4〜6は十分な代表強度を示しているが、表2に示すように歩留まりNo.11と同程度以下であった。また、表2に示すように、No.5、6については水素含有率が低く、No.11と同様、水素還元反応はほとんど促進されず、二酸化炭素排出量削減効果が低い。

Claims (4)

  1. 原料炭と、石炭からの溶剤抽出物(ただし、前記溶剤抽出物に含まれる灰分含有率が6%以下の範囲で灰分が含まれる。)、混合後のギ−セラー流動度logMFが1.5〜3.5になるような混合比率で混合した後、温度750℃以上800℃以下で乾留することで、下記測定方法に基づく代表強度が3.0MPa以上の製鉄用コークスを製造する製鉄用コークスの製造方法。
    ただし、前記代表強度は、直径21mm±2%、高さ13mm±2%の円筒形に切り出したコークス片6個以上に対する圧壊強度試験において累積破壊確率63.2%となる圧壊強度である。
  2. 得られる製鉄用コークスの水素原子含有量が、1質量%以上である請求項1に記載の製鉄用コークスの製造方法。
  3. 前記原料炭は、強粘結炭、準粘結炭、微粘結炭、及び非粘結炭よりなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項1又は2に記載の製鉄用コークスの製造方法。
  4. 石灰石、及び鉄鉱石と共に、請求項1〜3のいずれか1項に記載の製鉄用コークスの製造方法により得られる製鉄用コークスを高炉に投入し、鉄鉱石の還元をする銑鉄の製造方法。
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