JP5520852B2 - 画像形成装置及び画像形成装置の制御方法 - Google Patents

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Description

本実施形態は、画像を被画像形成媒体に形成する画像形成装置および画像形成装置に適用される画像形成方法に関する。
デジタル複合機などの画像形成装置においては、画像をプリントするための様々なパラメータを補正することが可能である。例えば、画像形成装置では、レジストレーション制御、画質維持制御、あるいは、転写電流制御などに用いるパラメータが補正できる。パラメータを補正することにより、画像形成装置においては、レーザ光学部品によるレーザ光の出力制御、駆動部品の駆動制御、プロセス条件などが補正できる。さらに、近年では、画像形成装置におけるプリント画質を調整するために、被画像形成媒体にプリントする画像データを補正することもある。
特開平10−214336号公報
本実施形態によれば、安定したプリント画像が得られる画像形成装置および画像形成装置の制御方法を提供することを目的とする。
実施形態によれば、画像形成装置は、画像形成手段と、画像読取手段と、第1の算出手段と、判定手段と、第2の算出手段と、総合判定手段と、制御手段と、を有する。画像形成手段は、処理条件に従って画像を形成する。画像読取手段は、画像形成手段が形成した複数の孤立点となる複数の画素を含む画像を読み取る。第1の算出手段は、画像読取手段が読み取った画像データに含まれる個々の孤立点について、孤立点の画素と当該孤立点の周辺画素との濃度差をそれぞれ算出する。判定手段は、第1の算出手段により算出した濃度差が第1の閾値以上である場合に当該孤立点が良好に再現されていると判定する。第2の算出手段は、判定手段による各孤立点に対する判定結果を総合評価する総合判定値を算出する。総合判定手段は、第2の算出手段により算出した総合判定値に基づいて画像形成手段に適用する処理条件の補正の要否を判定する。制御手段は、総合判定手段により処理条件の補正が必要であると判定した場合、画像形成手段に適用する処理条件を孤立点の再現性が高まる条件に補正する
図1は、デジタル複合機の外観構成例を示す斜視図である。 図2は、デジタル複合機の内部構成例を概略的に示す断面図である。 図3は、デジタル複合機における制御系の構成例を説明するためのブロック図である。 図4は、出力画像処理部の構成例を示すブロックである。 図5は、調整用のパターン画像に含まれる孤立点の構成を示す図である。 図6は、画質調整処理の流れを説明するためのフローチャートである。
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
まず、画像形成装置としてのデジタル複合機(MFP,Multi-Functional Peripheral)の構成について説明する。
図1は、デジタル複合機の外観構成例を示す斜視図である。また、図2は、デジタル複合機の内部構成例を概略的に示す断面図である。図1に示すように、デジタル複合機は、スキャナ1、プリンタ2、フィニッシャ3、コントロールパネル4およびシステム制御部5を有する。
スキャナ1は、デジタル複合機の本体上部に設置する。スキャナ1は、システム制御部5により制御される。スキャナ1は、原稿の画像を読み取って画像データに変換する装置である。スキャナ1は、原稿の画像データをシステム制御部5へ出力する。
スキャナ1は、原稿における主走査方向の1ライン分の画像を画像データに変換するCCDラインセンサを含む光電変換部としての画像読取部10を有する。画像読取部10は、原稿の副走査方向にCCDラインセンサで原稿を走査することにより原稿全体の画像を読み取る。
スキャナ1は、原稿台ガラス11および原稿センサ12を有する。原稿台ガラス11は、画像読取部10がスキャンする原稿を載置する。画像読取部10は、原稿台ガラス11のガラスを介して原稿台ガラス11上の原稿をスキャンする。原稿センサ12は、原稿台ガラス11上の原稿を検知する。原稿センサ12は、原稿台ガラス11上における原稿の有無を示す信号を出力する。原稿センサ12は、原稿台ガラス11上の原稿サイズを検知する。
スキャナ1は、自動原稿送り装置(ADF:Auto Document Feeder)13を有する。ADF13は、給紙トレイ14を有する。給紙トレイ14は、読取対象とする原稿を保持する。ADF13は、給紙トレイ14が保持する原稿を1枚ずつ搬送する。スキャナ1は、ADF13が搬送する原稿の画像を読み取る。スキャナ1において、ADF13は、原稿台ガラス11上に載置した原稿に対するカバーとしても機能する。
プリンタ2は、画像形成手段として機能する。プリンタ2は、システム制御部5により制御される。プリンタ2は、システム制御部5から供給される画像データを被画像形成媒体としての用紙にプリントする。
プリンタ2は、給紙カセット21A、21B、21Cを有する。これらの給紙カセット21A、21B、21Cは、画像をプリントする被画像形成媒体としての用紙を収納する。たとえば、各給紙カセット21A、21B、21Cは、デジタル複合機本体の下部に着脱可能である。各給紙カセット21A、21B、21Cは、それぞれ給紙ローラ22A,22B,22Cを有する。各給紙ローラ22A,22B,22Cは、各給紙カセット21A、21B、21Cから用紙を一枚ずつ取り出す。
搬送部23は、プリンタ2内で用紙を搬送する。搬送部23は、複数の搬送ローラ23a〜23fおよびレジストローラ24を有する。搬送部23は、各給紙ローラ22A,22B,22Cが取り出した用紙をレジストローラ24へ用紙を搬送する。上記レジストローラ24は、画像を転写するタイミングで用紙を転写位置へ搬送する。
複数の画像形成部25(25Y、25M、25C、25K)は、それぞれ各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)の画像を形成する。露光部26は、レーザ光により各画像形成部25(25Y、25M、25C、25K)における像担持体としての感光体ドラムD(Dy、Dm、Dc、Dk)に各色で現像される画像としての静電潜像を形成する。露光部26は、画像データに応じて制御するレーザ光をポリゴンミラーなどの光学系を介して感光体ドラムDに照射する。レーザ光が照射された感光体ドラムの表面には、静電潜像が形成される。露光部26は、システム制御部5からの制御信号に応じてレーザ光を制御する。たとえば、露光部26は、レーザ光のパワーをシステム制御部5からの制御信号に応じて制御する。また、露光部26は、レーザ光の発光を制御するためのパルス幅の変調量などもシステム制御部5からの制御信号に応じて制御する。
各画像形成部25(25Y、25M、25C、25K)は、それぞれ感光体ドラムD(Dy、Dm、Dc、Dk)上に形成された静電潜像を各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナーで現像することによりトナー像を形成する。中間転写ベルト27は、中間転写体である。各画像形成部25(25Y、25M、25C、25K)は、それぞれ感光体ドラムD(Dy、Dm、Dc、Dk)上に形成した各色のトナー像を中間転写ベルト27上に転写(一次転写)する。
また、各画像形成部25(25Y、25M、25C、25K)は、電位センサSvおよび濃度センサSdなどのセンサを有する。電位センサSvは、感光体ドラムの表面電位を検知するセンサである。各画像形成部25(25Y、25M、25C、25K)において、各感光体ドラムDは、露光部26により露光される前に、表面が帯電チャージャにより帯電される。帯電チャージャは、システム制御部5からの制御信号により帯電条件が変更できる。電位センサSvは、帯電チャージャにより表面が帯電された後の感光体ドラムにおける表面電位を検知する。濃度センサSdは、中間転写ベルト27上に転写したトナー像の濃度を検知する。また、濃度センサSdは、感光体ドラムDy、Dm、Dc、Dk上に形成したトナー像を検知するものであっても良い。
各画像形成部25Y、25M、25Cおよび25Kは、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナーで現像したトナー像を中間転写ベルト27上に重ねて転写する(1次転写する)。中間転写ベルト27は、各色のトナー像が重なり合ったカラー画像を保持する。転写部28は、中間転写ベルト27上の複数色のトナーによるカラー画像を2次転写位置において用紙に転写する。2次転写位置は、中間転写ベルト27上のトナー像を用紙に転写する位置である。2次転写位置は、支持ローラ28aおよび2次転写ローラ28bが対向する位置である。
転写ベルト27の表面が各画像形成部25を通過してから2次転写位置に致るまでの間には、画像読取手段としてのイメージセンサSiが設けられる。イメージセンサSiは、各画像形成部25が転写ベルト27上に形成したトナー像を読み取る。イメージセンサSiは、転写ベルト27に形成された画像を構成する各画素の濃度値を検知するセンサとして機能する。つまり、イメージセンサSiは、転写ベルト27上の画像を所定の画素単位からなる2次元の画像データとして読み取る。イメージセンサSiにより取得した画像データは、システム制御部5へ出力される。システム制御部5は、イメージセンサSiからの画像データを解析することにより転写ベルト27上に形成された画像の画質を検出する。
レジストローラ24は、中間転写ベルト27上のトナー画像にタイミングを合わせて用紙を2次転写位置へ搬送する。転写部28は、2次転写位置においてトナー像を転写した用紙を定着部29へ供給する。定着部29は、トナー像を用紙に定着する。定着部29は、上記転写部28がトナー像を転写した用紙を加圧状態で加熱する。定着部29は、定着処理した用紙を排紙部30あるいはフィニッシャ3の何れかへ搬送(排出)する。なお、転写処理に用いる転写電流、および、定着処理に用いる定着温度などは、システム制御部5により制御可能である。
フィニッシャ3は、プリンタ2が画像を形成した用紙を処理する排紙機構部32および用紙をスタックする排紙トレイ33を有する。フィニッシャ3は、排紙トレイ33にスタックした用紙をステープルする機能、あるいはホールパンチする機能を有するものであっても良い。
コントロールパネル4は、ユーザインターフェースである。たとえば、ユーザは、コントロールパネル4において設定情報などの情報を入力する。コントロールパネル4は、システム制御部5により制御される。コントロールパネル4は、ユーザが入力した情報をシステム制御部5へ出力する。
なお、図2に示すプリンタ2は、電子写真方式のプリンタである。ただし、本実施の形態のプリンタは、電子写真方式に限定されるものでない。本実施の形態は、たとえば、インクジェット方式あるいは熱転写方式などの電子写真方式以外のプリンタにも適用できる。
次に、デジタル複合機の制御系の構成について説明する。
図3は、デジタル複合機における制御系の構成例を説明するためのブロック図である。
デジタル複合機は、装置全体を制御するシステム制御部5を有する。システム制御部5は、システムバスなどを介して、スキャナ1、プリンタ2、フィニッシャ3、コントロールパネル4に接続する。
システム制御部5は、CPU(プロセッサ)51、メインメモリ52、ROM53、不揮発性メモリ54、HDD55、ページメモリ56、プリンタコントローラ57、FAXコントローラ58、電子データ作成部59、外部インターフェース(I/F)57a、58b、59aおよび画像処理部60を有する。
CPU51は、デジタル複合機全体を制御する。CPU51は、プログラムを実行することにより処理を実現するプロセッサである。CPU51は、システムバスを介して、装置内の各部に接続する。CPU51は、システム制御部5内の各部だけでなく、システムバスを介して、スキャナ1、プリンタ2、フィニッシャ3、コントロールパネル4なども接続する。CPU51は、スキャナ1、プリンタ2、および、コントロールパネル4との双方向の通信により、各部へ動作指示を出力したり、各部から種々の情報を取得したりする。また、CPU51は、装置内の各部に設置した各種のセンサの検知信号および動作状態などを示す情報を入力する。
メインメモリ52は、RAMなどにより構成される。メインメモリ52は、ワーキングメモリ、あるいはバッファメモリとして機能する。ROM53は、プログラムおよび制御データなどを記憶する書換え不可の不揮発性メモリである。CPU51は、メインメモリ52を使用しながらROM53(或は不揮発性メモリ54、HDD55)に記憶したプログラムを実行することにより種々の処理を実現する。たとえば、CPU51は、プログラムを実行することにより抽出手段および制御手段として機能する。
不揮発性メモリ54は、書換え可能な不揮発性メモリである。不揮発性メモリ54は、CPU51が実行する制御プログラムおよび制御データを記憶する。また、不揮発性メモリ54は、設定情報、処理条件などを記憶する。ハードディクスドライブ(HDD)55は、大容量の記憶装置である。HDD55は、画像データおよび各種の履歴情報などを記憶する。また、HDD55は、制御プログラムおよび制御データなどを記憶しても良い。また、HDD55は、設定情報および処理条件などを記憶しても良い。
ページメモリ56は、処理の対象とする画像データを展開するためのメモリである。たとえば、スキャナ1が読み取った画像データは、画像処理が施された後、ページメモリ56に格納される。ページメモリ56に格納された画像データは、プリント用の画像処理が施されてプリンタ2へ出力されたり、HDD55に保存されたり、外部インターフェース57aを介して外部装置へ送信されたりする。
プリンタコントローラ57は、外部装置からのプリント要求に応じたプリント処理を制御する。プリンタコントローラ57は、外部インターフェース57aを介して外部装置に接続される。プリンタコントローラ57は、外部インターフェース57aを介して外部装置からのプリントデータを受信する。FAXコントローラ58は、FAX通信(ファクシミリデータの送受信)を制御する。FAXコントローラは、FAXインターフェース58aを介して公衆回線に接続される。FAXコントローラ58は、FAXインターフェース58aおよび公衆回線を介してファクシミリデータの送受信を行う。電子データ作成部59は、スキャナ1により読み取った画像データなどを含む電子データを作成する。外部インターフェース59aは、電子データを外部装置へ送信するためのインターフェースである。たとえば、外部インターフェース57aと59aとは、ネットワークを介したネットワークインターフェースであっても良い。
画像処理部60は、入力画像処理部61、圧縮部62、伸張部63、出力画像処理部64を有する。
入力画像処理部61は、スキャナ1が読み取った画像を入力画像として処理するスキャナ系の画像処理部として機能する。入力画像処理部61は、スキャナ1により読取った画像データに対して、シェーディング補正処理、階調変換処理、ライン間補正処理などを実行する。
シェーディング補正処理は、CCDなどの各光電変換素子の感度ばらつき、あるいは、原稿を照明するためのランプの配光特性に応じて、画像データを補正する処理である。階調変換処理は、画像データを構成する各画素の値(たとえば、R、G、Bの各信号値)をルックアップテーブルに従って変換する処理である。ライン間補正処理は、スキャナ1のCCDラインセンサにおけるRGBの各センサの物理的な位置ずれを補正する処理である。また、入力画像処理部61は、スキャナ1が取得した画像データに対して、解像度変換、明るさ調整、コントラスト調整、彩度調整、シャープネス調整などを行うようにしても良い。
圧縮部62は、入力画像処理部61が処理した画像データを圧縮する。圧縮部62は、圧縮した画像データをページメモリ56に記憶する。なお、圧縮部62は、圧縮した画像データをHDD55などへ出力しても良い。
伸張部63は、圧縮されている画像データを伸張する。伸張部63は、ページメモリ56から圧縮された画像データを読み出し、圧縮された画像データを伸張する。伸張部63は、伸張した画像データを出力画像処理部64へ出力する。なお、伸張部63は、伸張した画像データをHDD55などへ出力しても良い。
出力画像処理部64は、画像データをプリント用の画像データに変換する。出力画像処理部64は、出力画像としてプリント用の画像データを生成するプリンタ系の画像処理部として機能する。コピー処理において、出力画像処理部64は、たとえば、入力画像処理部61およびページメモリ56等を経て供給されるスキャナ1により読み取った画像データをプリント用の画像データに変換する。また、プリント処理において、出力画像処理部64は、プリンタコントローラ57が外部インターフェース57aを介して外部装置から取得した画像データをプリント用の画像データに変換する。
図4は、出力画像処理部64の構成例を示すブロックである。
図4に示す構成例において、出力画像処理部64は、色変換部71、鮮鋭化部72、階調補正部73、ディザ処理部74などを有する。
色変換部71は、画像データの色を変換する。たとえば、色変換部71は、R(赤)、G(緑)およびB(青)信号からなるカラー画像データを、C(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)信号からなるカラー画像データに変換する。たとえば、スキャナ1は、原稿の画像をR(赤)、G(緑)およびB(青)信号からなるカラー画像データとして読取り、プリンタ2はC(シアン)、M(マゼンタ)、Y(イエロー)、K(ブラック)信号からなるカラー画像データをプリントするものとする。この場合、コピー処理において、色変換部71は、スキャナ1が読み取ったR、G、B信号からなるカラー画像データをプリンタ2がプリント処理するC、M、Y、K信号からなるプリント用の画像データに変換する。
鮮鋭化部72は、画像データをプリンタの特性に応じて鮮鋭化する。たとえば、鮮鋭化部72は、フィルタ処理、墨入れ処理、ガンマ補正処理などの画像データの補正処理を行う。階調補正部73は、鮮鋭化処理された画像データにおける階調を補正する。階調補正部73は、プリンタ2における階調特性に合わせて画像データの値を変換する。ディザ処理部74は、階調補正された画像データに対してディザ処理を施す。色変換部71、鮮鋭化部72、階調補正部73およびディザ処理部74などの各処理に対するパラメータは、システム制御部5のCPU51により設定される。たとえば、ディザ処理が生成するスクリーンの線数は、システム制御部5のCPU51により設定可能である。
以上のような出力画像処理部64によれば、プリンタ2には、各種の画像処理およびディザ処理が施された後のCMYK画像データが供給される。
次に、プリンタ2に対する画質調整処理について説明する。
プリンタ2において、イメージセンサSiは、像担持体としての中間転写ベルト27に形成された画像を撮影し、2次元の画像データを取得する。なお、イメージセンサSiは、各感光体ドラムD上に形成された画像を読み取るものであっても良い。本実施の形態のプリンタ2は、画質調整処理のために、中間転写ベルト27に調整用のパターン画像あるいは調整用のパターン画像を含む画像データを形成し、その中間転写ベルト27上に形成された調整用のパターン画像をイメージセンサSiが読み取るものとする。
調整用のパターン画像は、プリンタ2における画像形成状態を観察可能なパターンで構成される。調整用のパターン画像には、孤立点が含まれるものとする。図5は、調整用のパターン画像に含まれる孤立点の構成を示す図である。孤立点は、図5に示すように、注目画素のみを形成したものであり、注目画素に対する周囲の8画素は画素が形成されない。例えば、注目画素は最大濃度値が最大で、注目画素の周囲8画素は濃度値が最小としても良い。本実施の形態においては、図5に示すような孤立点が複数(例えばN個)含まれる画像を調整用のパターン画像とする。調整用のパターン画像は、像担持体としての中間転写ベルト27および感光体ドラムDに形成される。
調整用のパターン画像は、転写ベルト27、感光体ドラムDにおける画像形成領域に対して少なくとも主走査方向全体に複数の孤立点が形成されるものとする。調整用のパターン画像は、画質調整処理において転写ベルトあるいは感光体ドラムに形成されるものとする。ただし、調整用のパターン画像は、通常のプリント処理において被画像形成媒体に対する所定の画像形成領域外に形成するようにしても良い。
図6は、画質調整処理の流れを説明するためのフローチャートである。
まず、プリンタ2は、N個の孤立点を含む調整用のパターン画像を像担持体としての転写ベルト27に形成する。イメージセンサSiは、転写ベルト27に形成されたパターン画像を読み取る。イメージセンサSiにより調整用のパターンを読み取った画像データは、システム制御部5へ供給され、メインメモリ52、HDD55、あるいはページメモリ56に記憶される。
システム制御部5において、CPU51は、画質調整用のプログラムを実行することによりイメージセンサSiが読み取った画像データに基づく画質調整処理を行う。まず、CPU51は、イメージセンサSiが取得したパターン画像の画像データにおいて、個々の孤立点に対する特徴量を算出する。すなわち、CPU51は、孤立点の数を計数するための変数nを初期化する(ACT13)。CPU51は、処理対象とする孤立点を特定するための変数nをインクリメントする(ACT14)。nをインクリメントすると、CPU51は、n個目の孤立点を注目画素として決定する(ACT15)。
処理対象とする孤立点としての注目画素が決定すると、CPU51は、イメージセンサSiが取得したパターン画像の画像データにおいて、当該注目画素の濃度値と、注目画素の周囲の各画素(周囲8画素)の濃度値との濃度差(特徴量)をそれぞれ算出する(ACT16)。たとえば、CPU51は、図5に示す例において、│a22−a11│、│a22−a12│、│a22−a13│、│a22−a21│、│a22−a23│、│a22−a31│、│a22−a32│、│a22−a33│の各絶対値を8個の濃度差(特徴量)として算出する。
注目画素に対する周囲8画素の濃度差を算出すると、CPU51は、全ての濃度差(特徴量)が第1の閾値(Th1)以上であるか否かを判断する(ACT17)。全ての特徴量が第1の閾値以上である場合(ACT17、YES)、CPU51は、当該注目画素としての孤立点が良好に再現されているものと判断する。なお、CPU51は、8個の特徴量に対して所定数(例えば7個)以上が第1の閾値以上である場合に、当該孤立点が良好に再現されているものとを判断するようにしても良い。つまり、第1の閾値などは、注目画素と周囲画素との濃度差により孤立点が良好に再現されているか否かを判断する基準値であり、適宜設定できるようにしても良い。
全ての特徴量が第1の閾値以上であると判断した場合(ACT17、YES)、CPU51は、当該注目画素としての孤立点が良好に再現されているものと判断し、判定結果の総和(総合判定値)を「+1」する(ACT18)。総合判定値を「+1」した場合、あるいは、全ての特徴量が第1の閾値以上でないと判断した場合(ACT17、NO)、CPU51は、変数nがパターン画像における孤立点の総数Nであるか否かを判断する(ACT19)。
変数nがNでない場合(ACT19、NO)、CPU51は、ACT14へ戻り、変数nをインクリメントし、上記ACT15〜19までの処理を繰り返し実行する。また、変数nがNである場合(ACT19、YES)、CPU51は、総合判定値が第2の閾値(Th2)以上であるか否かを判断する(ACT20)。総合判定値が第2の閾値以上である場合(ACT20、YES)、CPU51は、パターン画像全体で孤立点が良好に再現され、画像形成(画点形成)が良好であると判断する。総合判定値が第2の閾値以上である場合、つまり、画像形成が良好であると判断した場合、CPU51は、画質調整処理(各種パラメータの補正)を行わず、処理を終了する。
なお、第2の閾値は、パターン画像における複数の孤立点の読取結果により、プリンタにおける孤立点の再現性および画像形成の状態を判定するための基準値であり、適宜設定できるようにしても良い。また、総合判定値は、各孤立点に対する判定結果の総和に限定されるものではなく、各孤立点に対する判定結果の平均値であっても良いし、再現性が良好な孤立点の頻度を示す値であっても良い。
総合判定値が第2の閾値未満である場合(ACT20、NO)、CPU51は、パターン画像全体として孤立点の再現性が不良であるため、画像形成(画点形成)が不良であると判断する。総合判定値が第2の閾値未満である場合、つまり、画像形成が不良であると判断した場合、CPU51は、画質を良好なものにするために、プリンタにおける処理条件を補正(画質調整)する処理を行う(ACT21)。
画質調整は、孤立点の再現性を向上させるものであれば良い。たとえば、画質調整としては、総合判定値(判定結果の総和、あるいは、判定結果の平均値など)に応じて、ディザ処理で生成するスクリーンの線数を低下させるものであっても良い。また、画質調整は、総合判定値に応じて、露光部26がレーザ光を発光させるためのパワーを増加させても良い。また、画質調整は、総合判定値に応じて、露光部26によるパルス幅の変調量を補正しても良いし、感光体ドラムDに対する帯電条件を補正しても良いし、トナーによる潜像の現像条件を補正しても良いし、トナー像の転写条件を補正しても良い。さらに、画質調整は、総合判定値に応じて、定着部29がトナー像を用紙に定着するための定着条件を補正するようにしても良い。
上記のように、画像形成装置は、孤立点を含む2次元のパターン画像を像担持体に形成する形成手段と、像担持体上に形成されたパターン画像を撮影する撮影手段と、撮影手段により撮影された2次元のパターン画像の画像データを基に孤立点の再現性を示す特徴量を算出する算出手段と、算出手段により算出した特徴量に応じて、画像処理条件、画像形成条件などを調整する調整手段とを有する。
すなわち、画像形成装置は、孤立点を含む2次元のパターン画像を転写ベルトに形成し、転写ベルトに形成した孤立点を含む画像をイメージセンサにより読み取り、この読取った画像データから孤立点の再現と対応する特徴量を抽出し、抽出した特徴量に応じて孤立点の再現性を高めるように画像処理条件および画像形成条件を調整する。上記のような画像形成装置によれば、孤立点の再現性の制御が可能となり、信頼性の高い印字品質を得ることが可能となり、プリント画像を安定的に再現性の良いものにできる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
以下、本願の出願当初の特許請求の範囲の記載を付記する。
[1]
画像形成装置であって、
処理条件に従って画像を形成する画像形成手段と、
前記画像形成手段が形成した孤立点となる画素を含む画像を読み取る画像読取手段と、
前記画像読取手段が読み取った画像データに含まれる孤立点の画素と当該孤立点の周辺画素とから特徴量を抽出する抽出手段と、
前記抽出手段により抽出した特徴量に応じて前記画像形成手段に適用する処理条件を補正する制御手段と、
を有することを特徴とする画像形成装置。
[2]
前記画像形成手段は、被画像形成媒体に転写される画像を像担持体上に形成し、
前記画像読取手段は、前記像担持体に形成された画像を読み取る、
ことを特徴とする前記[1]に記載の画像形成装置。
[3]
前記抽出手段は、孤立点となる画素の再現性を示す値を特徴量として抽出する、
ことを特徴とする前記[2]に記載の画像形成装置。
[4]
前記抽出手段は、孤立点となる画素と当該孤立点の周辺画素との濃度差を特徴量として算出し、
前記制御手段は、前記特徴量が第1の閾値よりも小さい場合、前記画像形成手段に適用する処理条件を孤立点の再現性が高まる条件に補正する、
ことを特徴とする前記[3]に記載の画像形成装置。
[5]
前記抽出手段は、孤立点となる画素と孤立点を取り囲む複数の画素との複数の濃度差を特徴量として算出し、
前記制御手段は、複数の濃度差のうち何れかが第1の閾値よりも小さい場合、前記画像形成手段に適用する処理条件を孤立点の再現性が高まる条件に補正する、
ことを特徴とする前記[3]に記載の画像形成装置。
[6]
画像形成装置の制御方法であって、
処理条件に従って孤立点となる画素を含む画像を形成し、
前記形成した孤立点となる画素を含む画像を画像データとして読み取り、
前記読み取った画像データにおける孤立点の画素とその周辺の画素とから特徴量を算出し、
前記算出した特徴量に応じて画像形成に用いる処理条件を補正する、
を有することを特徴とする画像形成装置の制御方法。
[7]
前記孤立点となる画素を含む画像は、被画像形成媒体に転写する画像を保持する像担持体に形成し、
前記読み取りは、前記像担持体に形成された画像を読み取る、
ことを特徴とする前記[6]に記載の画像形成装置の制御方法。
[8]
前記特徴量の算出は、孤立点となる画素の再現性を示す値を算出する、
ことを特徴とする前記[7]に記載の画像形成装置の制御方法。
[9]
前記特徴量の算出は、孤立点となる画素と孤立点の周辺画素との濃度差を算出し、
前記条件の補正は、前記特徴量が第1の閾値よりも小さい場合、前記画像形成処理に用いる処理条件を孤立点の再現性が高まる条件に補正する、
ことを特徴とする前記[8]に記載の画像形成装置の制御方法。
[10]
前記特徴量の算出は、孤立点となる画素と孤立点を取り囲む複数の画素との複数の濃度差を算出し、
前記条件の補正は、複数の濃度差のうち何れかが第1の閾値よりも小さい場合、画像形成処理に用いる処理条件を孤立点の再現性が高まる条件に補正する、
ことを特徴とする前記[8]に記載の画像形成装置の制御方法。
1…スキャナ、2…プリンタ、5…システム制御部、24…レジストローラ、25…画像形成部、D…感光体ドラム、26…露光部、27…中間転写ベルト(転写ベルト)、Si…イメージセンサ、28…転写部、29…定着部、51…CPU、60…画像処理部、71…色変換部、72…鮮鋭化部、73…階調補正部、74…ディザ処理部。

Claims (10)

  1. 画像形成装置であって、
    処理条件に従って画像を形成する画像形成手段と、
    前記画像形成手段が形成した複数の孤立点となる複数の画素を含む画像を読み取る画像読取手段と、
    前記画像読取手段が読み取った画像データに含まれる個々の孤立点について、孤立点の画素と当該孤立点の周辺画素との濃度差をそれぞれ算出する第1の算出手段と、
    前記第1の算出手段により算出した濃度差が第1の閾値以上である場合に当該孤立点が良好に再現されていると判定する判定手段と、
    前記判定手段による各孤立点に対する判定結果を総合評価する総合判定値を算出する第2の算出手段と、
    前記第2の算出手段により算出した前記総合判定値に基づいて画像形成手段に適用する処理条件の補正の要否を判定する総合判定手段と、
    前記総合判定手段により処理条件の補正が必要であると判定した場合、前記画像形成手段に適用する処理条件を孤立点の再現性が高まる条件に補正する制御手段と、
    を有することを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記画像形成手段は、被画像形成媒体に転写される画像を像担持体上に形成し、
    前記画像読取手段は、前記像担持体に形成された画像を読み取る、
    前記請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記総合判定値は、各孤立点について濃度差が第1の閾値以上である毎に所定値を加算することにより算出される値であって、
    前記総合判定手段は、前記総合判定値が第2の閾値未満である場合に前記処理条件の補正が必要であると判定する、
    前記請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記総合判定値は、各孤立点に対する判定結果の平均値、又は濃度差が第1の閾値以上となる孤立点の頻度を示す値の何れかであって、
    前記総合判定手段は、前記総合判定値が第2の閾値未満である場合に前記処理条件の補正が必要であると判定する、
    前記請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  5. 前記第1の算出手段は、孤立点について孤立点の画素と孤立点の画素を取り囲む複数の画素との複数の濃度差をそれぞれ算出し、
    前記判定手段は、各孤立点について複数の濃度差が全て第1の閾値以上である場合に当該孤立点が良好に再現されているものと判定する、
    前記請求項1乃至4の何れか1項に記載の画像形成装置。
  6. 画像形成装置の制御方法であって、
    処理条件に従って複数の孤立点となる複数の画素を含む画像を形成し、
    前記形成した孤立点となる画素を含む画像を画像データとして読み取り、
    前記読み取った画像データにおける個々の孤立点について、孤立点の画素と当該孤立点の周辺画素との濃度差をそれぞれ算出し、
    前記算出した濃度差が第1の閾値以上である場合に当該孤立点が良好に再現されていると判定し、
    前記各孤立点に対する判定結果を総合評価する総合判定値を算出し、
    前記算出した前記総合判定値に基づいて画像形成に適用する処理条件の補正の要否を総合判定し、
    前記処理条件の補正が必要であると判定した場合、前記画像形成に適用する処理条件を孤立点の再現性が高まる条件に補正する、
    を有することを特徴とする画像形成装置の制御方法。
  7. 前記孤立点となる画素を含む画像は、被画像形成媒体に転写する画像を保持する像担持体に形成し、
    前記読み取りは、前記像担持体に形成された画像を読み取る、
    前記請求項6に記載の画像形成装置の制御方法。
  8. 前記総合判定値は、各孤立点について濃度差が第1の閾値以上である毎に所定値を加算することにより算出される値であって、
    前記総合判定は、前記総合判定値が第2の閾値未満である場合に前記処理条件の補正が必要であると判定する、
    前記請求項6又は7に記載の画像形成装置の制御方法。
  9. 前記総合判定値は、各孤立点に対する判定結果の平均値、又は濃度差が第1の閾値以上となる孤立点の頻度を示す値の何れかであって、
    前記総合判定は、前記総合判定値が第2の閾値未満である場合に前記処理条件の補正が必要であると判定する、
    前記請求項6又は7に記載の画像形成装置の制御方法。
  10. 前記量の算出は、孤立点となる画素と孤立点を取り囲む複数の画素との複数の濃度差を算出し、
    前記算出は、孤立点画素と当該孤立点の画素を取り囲む複数の画素との複数の濃度差をそれぞれ算出し、
    前記各孤立点に対する判定は、各孤立点について複数の濃度差が全て第1の閾値以上である場合に当該孤立点が良好に再現されているものと判定する、
    前記請求項6乃至9の何れか1項に記載の画像形成装置の制御方法。
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