JP2014110615A - 画像処理装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の中間調パターンに対して、まとめて高精度の階調補正を行なうことができる画像処理装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】複数種類の中間調パターンを有する画像処理装置又は画像形成装置において、中間調処理(階調補正)の際、前記複数種類の中間調パターンに共通して含まれる構成要素を有する階調補正用のパッチを用いて階調補正の処理を行った後、該階調補正の結果を用いて、各中間調パターンの階調補正を行なう。
【選択図】図3
【解決手段】複数種類の中間調パターンを有する画像処理装置又は画像形成装置において、中間調処理(階調補正)の際、前記複数種類の中間調パターンに共通して含まれる構成要素を有する階調補正用のパッチを用いて階調補正の処理を行った後、該階調補正の結果を用いて、各中間調パターンの階調補正を行なう。
【選択図】図3
Description
本発明は、複数種類の中間調パターンを有しており、該複数種類の中間調パターンに対して階調補正を行なう画像処理装置及び画像形成装置に関する。
画像形成装置に入力される画像データは、写真等の階調画像では1画素あたり8〜16ビットの多階調を持っており、スキャナ等から読み込まれる画像でも1画素あたり8〜12ビットの多階調画像であることが多い。
これに対して、複写機、プリンタ等の画像形成装置での出力においては、装置の特性上、1画素あたりの階調数が限られ、疑似的に多階調を表現する中間調処理が必要である。これは、いわゆる各画素の濃度階調から面積階調への変換であり、従来から色んな方法が提案されている。
更にデジタル複合機は複写機、プリンタ、スキャナ等の機能を持ち、出力時に適切な画像を得るために、エンジンの環境変動、経時変動による階調変動を補正する処理、いわゆる階調補正処理を行うことが多い。しかし、コピア(登録商標)及びプリンタのように複数の出力モードを持つ場合、又はディザ及び誤差拡散のように複数の中間調パターンを持つ場合は、各中間調パターンについて階調補正処理を行なう必要がある。
これに対し、特許文献1においては、複数の出力モードの中間調補正時に、各モードの利用頻度を算出して、最も頻度の高いモードの中間調を選択的に補正した後、他のモードを補正する印刷装置が提案されている。
また、特許文献2においては、2次色以上の多値画像データの色版全体のドット配置を最適な分散にし、各色版での色の重なりを抑制する画像処理装置を提供している。
一方、上述したように複数の出力モードを持つ画像形成装置の場合は、一般に出力モード毎に中間調パターンが異なるため、出力モード毎に階調補正を行っており、処理時間及びトナーの消費量が多いことが問題となっていた。
しかしながら、特許文献1の印刷装置においては、基準となる(最も頻度の高いモード)第1の中間調は適正に補正されるが、その他のモードの階調補正量は、演算によって算出されるため、特に第1の中間調とその他の中間調のドットゲイン特性が異なる場合は、十分な精度で補正することが難しい。
また、特許文献2の画像処理装置においては複数色のドット配置を最適化することに主眼が置かれているが、種々のドット配置で構成される中間調のドット配置とドットゲイン補正の関係については言及されていない。
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、複数種類の中間調パターンを有する場合において、中間調処理(階調補正)の際、前記複数種類の中間調パターンに共通して含まれる構成要素を有する階調補正用のパッチを用いて階調補正の処理を行った後、該階調補正の結果を用いて、各中間調パターンの階調補正を行なうことにより、複数の中間調パターンに対して、まとめて高精度の階調補正を行なうことができる画像処理装置及び画像形成装置を提供することにある。
本発明に係る画像処理装置は、複数種類の中間調パターンを有しており、該複数種類の中間調パターンに対して階調補正を行なう画像処理装置において、各中間調パターンに共通して含まれる構成要素を有する共通要素パッチに係る特定濃度値を予め記憶している記憶部と、前記階調補正の前に、前記共通要素パッチの濃度値を取得する取得手段と、該取得手段が取得した取得濃度値と、前記特定濃度値との濃度差を算出する算出手段とを備え、算出した濃度差を用いて、前記階調補正を行なうように構成されていることを特徴とする。
本発明にあっては、前記複数種類の中間調パターンに対する階調補正の前に、前記取得手段が、例えば、外部から前記共通要素パッチの濃度値を取得し、前記算出手段は、前記取得手段が取得した取得濃度値と、前記記憶部が記憶している特定濃度値との濃度差を算出する。このようにして算出された濃度差を用いて、前記複数種類の中間調パターンに対する階調補正が行なわれる。
本発明に係る画像処理装置は、各階調での前記濃度差の加重平均により、前記複数種類の中間調パターンに対する階調補正に係る補正値を算出する補正値算出手段を備え、該補正値を用いて、前記階調補正を行なうように構成されていることを特徴とする。
本発明にあっては、前記補正値算出手段は、前記算出手段によって算出された、各階調での前記濃度差の加重平均により、前記複数種類の中間調パターンに対する階調補正に係る補正値を算出し、これによって算出された補正値を前記複数種類の中間調パターンに適用して階調補正を行なう。
本発明に係る画像処理装置は、低階調から中階調に対応する共通要素パッチは、前記複数種類の中間調パターンにおける独立ドットの数に基づいて構成されていることを特徴とする。
本発明にあっては、低階調から中階調における中間調パターン形状は孤立した1ドットから構成され、出力濃度は、孤立ドットの個数に正比例する。従って、低階調から中階調に対応する前記共通要素パッチは、前記複数種類の中間調パターンにおける独立ドットの数に基づいて構成されている。
本発明に係る画像処理装置は、中階調から高階調に対応する共通要素パッチは、前記複数種類の中間調パターンにおけるドットの結合を1つのドットとしてみなし、該ドットの結合の数に基づいて構成されていることを特徴とする。
本発明にあっては、一般に、中間濃度以上の中間調パターンにおいては、ドットが孤立することは少なく、ドットが互いに結合することが多いので、中階調から高階調に対応する共通要素パッチは、前記複数種類の中間調パターンにおけるドットの結合を1つのドットとしてみなし、該ドットの結合の数に基づいて構成されている。
本発明に係る画像形成装置は、前述の発明の何れか一つに記載の画像処理装置と、前記共通要素パッチをシート上に画像形成する画像形成手段と、該シート上に画像形成された共通要素パッチを読み込む読込手段とを備え、前記画像形成手段によって前記共通要素パッチの画像形成が行なわれる際の濃度値、又は前記読込手段によって前記シートの共通要素パッチを読み込んだ際の濃度値を、前記取得濃度値とすることを特徴とする。
本発明にあっては、前記複数種類の中間調パターンに対する階調補正の前に、前記画像形成手段によって前記共通要素パッチの画像形成が行なわれる際の濃度値、又は前記読込手段によって前記シートの共通要素パッチを読み込んだ際の濃度値を、前記取得濃度値として、前記算出手段は、該取得濃度値と、前記記憶部が記憶している特定濃度値との濃度差を算出する。このようにして算出された濃度差を用いて、前記複数種類の中間調パターンに対する階調補正が行なわれる。
本発明に係る階調補正方法は、複数種類の中間調パターンを有し、各中間調パターンに共通して含まれる構成要素を有する共通要素パッチに係る特定濃度値を予め記憶している画像処理装置にて、該複数種類の中間調パターンに対して階調補正を行なう階調補正方法において、前記階調補正の前に、前記共通要素パッチの濃度値を取得する取得ステップと、該取得ステップにて取得した取得濃度値と、前記特定濃度値との濃度差を算出するステップと、算出した濃度差を用いて、前記階調補正を行なうステップとを含むことを特徴とする。
本発明にあっては、前記複数種類の中間調パターンに対する階調補正の前に、例えば、外部から前記共通要素パッチの濃度値が取得され、取得された取得濃度値と、前記特定濃度値との濃度差が算出される。このようにして算出された濃度差を用いて、前記複数種類の中間調パターンに対する階調補正が行なわれる。
本発明によれば、複数種類の中間調パターンにおける中間調処理(階調補正)を適正にまとめて行なう事が可能であり、高画質な画像形成装置を提供できる。
すなわち、各出力モード別の中間調パターンについて、ドットゲインの変動が特徴的であるパターンを予め抽出し、それらのパターンを中間調補正用のディザとして階調補正し、他の中間調パターンに変換することで階調補正の精度アップを実現した。
すなわち、各出力モード別の中間調パターンについて、ドットゲインの変動が特徴的であるパターンを予め抽出し、それらのパターンを中間調補正用のディザとして階調補正し、他の中間調パターンに変換することで階調補正の精度アップを実現した。
以下に、本発明の実施の形態に係る画像処理装置及び画像形成装置を、複数種類の機能を有する複合機に適用した場合を例として、図面に基づいて詳述する。図中、符号100は、画像形成装置(複合機)を示す。
図1は本発明の実施の形態に係る画像形成装置100の要部構成を示す機能ブロック図である。画像形成装置100は、カラーコピー機能及びカラースキャナ機能等を有するデジタル複合機である。
画像形成装置100は、原稿からカラー画像を光学的に読み取るカラー画像入力部20を備えており、カラー画像入力部20には、読み取ったカラー画像に応じた画像データ及び圧縮画像データ等を生成するカラー画像処理部30が接続されている。カラー画像処理部30には、カラー画像処理部30が生成した画像データに基づいてカラー画像を出力するカラー画像出力部40、該画像データに基づいて画像を表示する表示部60、及びカラー画像処理部30によって処理された画像データを外部へ送信し、また外部からの画像データを受信する送受信部80が接続されている。
カラー画像入力部20、カラー画像処理部30、カラー画像出力部40及び送受信部80には、使用者からの操作を受け付ける操作パネル70が接続されている。また、これらハードウェアは制御部10によって制御され、装置全体が本発明に係る画像処理装置又は画像形成装置として作動される。
次に、画像形成装置100の各部の構成を説明する。
制御部10は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、ROM及びRAMを有している。前記ROMには各種の制御プログラム、演算用のパラメータのうちの基本的に固定のデータ等が予め格納されており、前記RAMはデータを一時的に記憶し、記憶順、記憶位置等に関係なく読み出すことが可能である。また、前記RAMは、例えば、前記ROMから読み出されたプログラム、該プログラムを実行することにより発生する各種データ、該実行の際適宜変化するパラメータ等を記憶する。前記CPUは、ROMに予め格納されている制御プログラムをRAM上にロードして実行することによって、上述した各種ハードウェアの制御を行なう。
制御部10は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、ROM及びRAMを有している。前記ROMには各種の制御プログラム、演算用のパラメータのうちの基本的に固定のデータ等が予め格納されており、前記RAMはデータを一時的に記憶し、記憶順、記憶位置等に関係なく読み出すことが可能である。また、前記RAMは、例えば、前記ROMから読み出されたプログラム、該プログラムを実行することにより発生する各種データ、該実行の際適宜変化するパラメータ等を記憶する。前記CPUは、ROMに予め格納されている制御プログラムをRAM上にロードして実行することによって、上述した各種ハードウェアの制御を行なう。
カラー画像入力部20は、CCD(Charge Coupled Device )等の光センサを備えたカラースキャナを用いて構成されており、紙等の記録シートにカラー画像が記録された原稿からの反射光像をRGB(R:赤,G:緑,B:青)の各色に分解して光センサで読み取り、RGBのアナログ信号に変換してカラー画像処理部30へ出力する。
カラー画像出力部40は、カラー画像処理部30から入力された画像データに基づいて、いわゆる電子写真方式により紙等の記録シート上にカラー画像を形成することによって、カラー画像を出力する。なお、画像形成装置100は、カラー画像出力部40の代わりに、記録シート上にモノクローム画像を形成して出力するモノクロ画像出力装置を備えていてもよい。この場合、カラー画像処理部30は、カラー画像の画像データをモノクローム画像の画像データに変換した上で、画像データをモノクロ画像出力装置へ出力する。
表示部60は、例えば、LCD又はEL(Electroluminescence)パネル等からなり、カラー画像出力部40を介して、所定の記録用紙へ出力(印刷)すべき画像(表示画像)が表示される。また、表示部60は、画像形成装置100の状態、ジョブ処理の状況、カラー画像入力部20が読み取った原稿の画像及び操作パネル70の操作内容の確認等、利用者に対して報知すべき情報を表示する。
送受信部80は、ネットワークカード又はモデム等を用いて構成されており、図示しない公衆回線網、LAN(Local Area Network)又はインターネット等の通信ネットワークに接続可能であり、ファクシミリ又は電子メール等の通信方法により通信ネットワークを介して外部とデータを送受信する。
操作パネル70は、画像形成装置100の動作モードを設定するための設定指示等、画像形成装置100の動作を制御するための指示を利用者から受け付けるタッチパネル又はテンキー等を備えている。
図2は本発明の実施の形態に係る画像形成装置100における、カラー画像処理部30の要部構成を示す機能ブロック図である。
カラー画像処理部30は、カラー画像入力部20から入力されたRGBのアナログ信号に対して、A/D変換部31、シェーディング補正部32、原稿種別判別部33、入力階調補正部34、及び領域分離処理部35にて後述する画像処理を行うことにより、RGBのデジタル信号(以下、RGB信号という)からなる画像データを生成する。以下では、RGB信号の強度を夫々R,G,Bと表わす。
カラー画像処理部30は、カラー画像入力部20から入力されたRGBのアナログ信号に対して、A/D変換部31、シェーディング補正部32、原稿種別判別部33、入力階調補正部34、及び領域分離処理部35にて後述する画像処理を行うことにより、RGBのデジタル信号(以下、RGB信号という)からなる画像データを生成する。以下では、RGB信号の強度を夫々R,G,Bと表わす。
また、カラー画像処理部30は、領域分離処理部35が出力したRGB信号に対して、色補正部・黒生成部36、空間フィルタ処理部37、出力階調補正部38、階調再現処理部39にて後述する画像処理を実行することにより、CMYK(C:シアン,M:マゼンタ,Y:イエロー,K:ブラック)のデジタル信号からなる画像データを生成し、ストリームとしてカラー画像出力部40へ出力する。なお、カラー画像処理部30は、記憶部50を有しており、画像データをカラー画像出力部40へ出力する前に、記憶部50に画像データを一旦記憶する構成であってもよい。
次に、カラー画像処理部30の構成を詳しく説明する。
A/D変換部31は、カラー画像入力部20にて読み取ったアナログ信号をデジタル信号に変換するものである。
A/D変換部31は、カラー画像入力部20にて読み取ったアナログ信号をデジタル信号に変換するものである。
シェーディング補正部32は、カラー画像入力部20の照明系・結像系・撮像系で生じる各種歪みを取り除くためのシェーディング補正を行う。
原稿種別自動判別部33は、シェーディング補正部32にて各種の歪みが取り除かれたRGB信号(RGBの反射率信号)に対して、カラー画像処理成部30に採用されている画像処理システムの扱いやすい濃度信号等に変換するとともに、入力された画像データに係る原稿画像が、文字原稿か写真原稿か、或いはそれらを組み合わせた文字/写真原稿であるか等、原稿種別の判別を行なう。
入力階調補正部34は、カラーバランスを整えると同時に、原稿種別自動判別部33の判定結果をもとに下地濃度、コントラスト等の画質調整処理を施すものである。
領域分離処理部35は、原稿種別自動判別部33の判定結果をもとに画素ごとに文字、網点、写真領域の何れかに分離させる。また重畳する潜像パターンについても、重畳画像領域として分離される。この領域分離処理部35は、分離された結果に基づき、各画素がどの領域に属しているかを示す領域識別信号Sを、色補正・黒生成部36、空間フィルタ処理部37、及び階調再現処理部39に送る。
色補正・黒生成部36は、色再現の忠実化実現のために、RGB信号値を、CMYK(C:シアン、M:マゼンタ、Y:イエロー、K:ブラック)色材の分光特性に基づいた4色信号に変換する処理を行う。
空間フィルタ処理部37は、デジタルフィルタによる空間フィルタ処理を行い、空間周波数特性を補正することによって、出力画像の先鋭度強調又はモアレを改善するものである。
出力階調補正部38は、濃度信号等の信号を、カラー画像出力部40の特性値である網点面積率に変換する出力階調補正処理を行う。
階調再現処理部39は、最終的に画像を画素ごとに分割して各々の階調を再現できるように処理する中間調生成処理を行う。
なお、領域分離処理部35にて黒文字及び色文字として抽出された画像領域は、黒文字或いは色文字の再現性を高めるために、空間フィルタ処理部37における鮮鋭度強調処理での高周波数の強調量を大きくする。同時に、中間調生成処理において高周波数再現に適した高解像のスクリーンでの二値化または多値化処理を選択するように構成している。
一方、領域分離処理部35により網点と判別された領域に関しては、空間フィルタ処理部37において、入力網点成分を除去するためのローパス・フィルタ処理が施される。同時に、中間調生成処理では、階調再現性を重視したスクリーンでの二値化または多値化処理が行われる。
記憶部50は、例えば、フラッシュメモリ、EEPROM(商標登録)、HDD、MRAM(磁気抵抗メモリ)、FeRAM(強誘電体メモリ)、又は、OUM等の不揮発性の記憶媒体により構成されている。また、記憶部50は、後述する共通要素パッチ、及び該共通要素パッチの標準濃度値を記憶している。
以上のような構成を有する、本発明の実施の形態に係る画像形成装置100においては、出力モード(例えば、コピアモード、プリンタモード、カラーモード、白黒モード等)に応じて、実際に出力(印刷)に用いられる複数の中間調パターンを有しており、いわゆる中間調補正(階調補正)においては、各中間調パターンに対して斯かる補正を行なう必要がある。
すなわち、電子写真記録方式においては、環境変化、時間経過による影響を強く受け、出力する画像の濃度が微妙に変動する。従って、安定した画像濃度を得るために、階調補正を行なう。
本発明の実施の形態に係る画像形成装置100では、斯かる階調補正において、上述した各中間調パターンに共通して含まれる構成要素を有する階調補正用のパッチ(以下、共通要素パッチという。)にて階調補正の処理を行った後、該階調補正の結果を用いて、各中間調パターンの階調補正に対応する補正値を換算する。
図3は本発明の実施の形態に係る画像形成装置100において、階調補正に係る前記補正値を算出する処理を説明するフローチャートである。以下においては、説明の便宜上、画像形成装置100が、前記中間調パターンとして、一般的なディザ方式又は誤差拡散方式による中間調パターンを有するものとする。また、図4は本発明の実施の形態に係る画像形成装置100が有する中間調パターンと、前記共通要素パッチとの関係を説明する説明図である。
まず、カラー画像出力部40は、階調補正用のディザパターンでディザ処理したパッチ(共通要素パッチ)を出力する(ステップS101)。該共通要素パッチは、各出力モードの実際印字で使用する中間調パターンに共通する構成要素を含んでおり、図4にその一例を示している。
図4Aは、階調補正に用いられる共通要素パッチの一部であり、図4Bから図4Eは実際印字で使われる中間調パターンの例である。図4B及び図4Cはディザ方式によるパターンであり、図4Dは誤差拡散方式のパターンである。
実際印字で使用される中間調パターンは出力モード又は使用目的等に応じて各種あるが、各階調におけるパターン形状を分析すると共通要素が含まれている。例えば、ハイライト部においては、図4B及び図4C(ディザ方式)及び図4D(誤差拡散方式)のいずれも、最低入力値付近のパターン形状は孤立した1ドットから構成され、出力濃度は、孤立ドットの個数に正比例する。よって、階調補正用の共通要素パッチとしては1ドットが孤立したパターンの補正値を求めれば、図4Bから図4Dの対応補正値は、該補正値の比例式で表される。
同様に孤立2ドットの集合部又は3ドットの集合部等の共通要素に分解することで、階調補正用の共通要素パッチと実際印字用各出力モード別の中間調パターンの階調補正値との線形結合関係が成り立つ。従って、後述するように、このように中間階調までは、孤立ドットを構成するドット数に応じた共通要素パッチを設定することで、各出力モード別中間調パターンの補正値を算出できる。図4においては、こうした関係性を矢印で示している。
一般に、中間濃度以上の中間調パターンにおいては、ドットが孤立することは少ない、すなわちドットが互いに結合することが多く、この場合は単純な線形結合では表せないが、こうした場合もドットの結合部を新たなドット要素とみなすことで、疑似的に線形結合で表現することが可能である。
なお、斯かる共通要素パッチの出力方法としては、印刷用紙に共通要素パッチを形成する場合と、中間担持体に形成する場合の2つに大別される。
次いで、カラー画像処理部30はステップS101にて出力された共通要素パッチに係る濃度値を取得する(ステップS102)。
印刷用紙に共通要素パッチを形成する場合は、共通要素パッチが画像形成された用紙をカラー画像入力部20が読み込み、この際の信号値(濃度値)を取得する。一方、中間担持体に共通要素パッチを形成する場合は、画像の中間担持体として感光体ドラム上、又は転写ベルト上に共通要素パッチを形成し、濃度センサ等で濃度値を読み取る。いずれの場合も共通要素パッチの形状又はレイアウトはこれらの処理仕様に応じて予め適宜決められている。以下、ステップS102にて取得された濃度値を取得濃度値という。
次いで、前記共通要素パッチの取得濃度値と、標準濃度値との差(濃度差)を算出する(ステップS103)。ここで、標準濃度値(特定濃度値)は、画像形成装置100が環境変化、時間経過等による影響を受けていない標準状態にて、ステップS101にて印字した共通要素パッチと同様の共通要素パッチを印字した際の濃度値又は、共通要素パッチをカラー画像入力部20で読み込んだ際の信号値(濃度値)である。該標準濃度値は記憶部50に予め記憶されている。
換言すれば、ステップS103における処理は、画像形成装置100の標準状態から、環境変動、経時劣化等に起因する出力状態(例えば、濃度)の変動を補正するための処理である。
このように、ステップS103にて算出された濃度差は、階調補正用の疑似中間調ディザ(共通要素パッチ)の補正値であるため、実際印字で使われる複数種類の中間調パターンに対応する補正値を算出する(ステップS104)。
ステップS103にて算出された共通要素パッチの濃度差の加重平均により、各出力モード別中間調パターンの各階調における補正値を算出する。補正にあたっては、予め決められた出力の目標とする階調となるように中間調出力値を加算することで補正する。補正の基準点は、中間調の設定により異なり、一般的には特徴量毎に基準点を持つ必要がある。また補正基準点以外の入力値に対する補正値は、補正基準点の補正結果の内挿の線形補間で求める。
上述したように、夫々の中間調パターンにおいて共通する、特徴的なディザパターン又は前記特徴的なディザパターンと出力特性が高い相関をもつ構成要素は、ステップS101にて出力された共通要素パッチに含まれている。
例えば、図4Bのパターン及び図4Aのパッチを比較すると、図4Bの左端のパターンは図4Aのパッチと同じ特徴を持つ(出力変動の影響を同じように受ける)。図4Bの左から2つ目のパターンは図4Aの左端と左から2つ目のパッチの特徴の要素を持つ。図4Bの他のパターンもすべて図4Aのいずれかのパッチの特徴の要素を持つ。図4C、図4D、図4Eも同様である。換言すれば、図4Aは、他の複数の中間調パターンの特徴的要素を包含するパッチで構成されている。従って、ステップS103にて算出された共通要素パッチの濃度差により、複数種類の中間調パターンに対応する補正値を換算することができる。
図5は図3のステップS103及びステップS104における処理を説明するグラフである。
まず共通要素パッチについて、上述した方法により、各階調の標準濃度値を予め求めておく。図5中、「●」は求められた標準濃度値を示す。次に、ステップS103に係る濃度差を算出する。図5中「○」は算出された濃度差を示す。
前記各階調点において、各出力モードの中間調パターンの構成要素のドットパターンの相関が高いため、図5から見て取れるように、各出力モード別中間調パターンにおける適正補正値は、共通要素パッチの各階調の濃度差の線形結合で表現できる。
例えば、図4Bのパターンと図4Aのパッチの比較において、図4Bの左から2つ目のパターンは図4Aの左端と、左から2つ目のパッチとの混合であるため、階調の変動特性も2つの混合となり、斯かる補正値は図4Aの2つのパッチの濃度差の加重平均(線形結合)となる。
これを、式で表すと、図4B(左から2つ目)の補正値は、「N×図4A(左から1つ目)の濃度差+M×図4A(左から2つ目)の濃度差」となる。ここで、N及びMは、予め決められた定数である。
以上のように、階調補正における、各出力モードの中間調パターンに係る前記補正値が算出された場合、該補正値を用いて、画像形成(印刷)における中間調処理が行なわれる。
図6は本発明の実施の形態に係る画像形成装置100において、算出された補正値を用いた画像形成の処理を説明するフローチャートである。以下、説明の便宜上、カラー画像入力部20によって読み込まれた画像でデータに基づく画像形成について説明する。
例えば、カラー画像入力部20が、原稿台に載置された原稿の読み込みを行なう(ステップS201)。カラー画像入力部20によって読み込まれた原稿の画像データは、カラー画像処理部30に送られる。以降、カラー画像処理部30では、斯かる画像データに対して、A/D変換部31から空間フィルタ処理部37までの処理が順次行なわれる。
次いで、出力階調補正部38が各出力モード別中間調パターンに対する階調補正を行なう(ステップS202)。すなわち、出力階調補正部38はステップS104で算出された補正値を各出力モード別中間調パターンに対して適用したのち、ユーザーによる手動補正値等を加算することにより、斯かる階調補正を行なう。
続いて、階調再現処理部39は階調補正された各出力モード別中間調パターンの中、適切な何れかを用いて、前記原稿の画像データに対する中間調処理を行う(ステップS203)。ここでは、連続調の画像を面積階調の画像に変換する一般的な中間調処理が行なわれる。
このような処理が施された原稿の画像データは、カラー画像処理部30からカラー画像出力部40に送出され、カラー画像出力部40は斯かる画像データに基づいて、出力(印刷)を行なう(ステップS204)。
20 カラー画像入力部(画像形成手段)
30 カラー画像処理部(取得手段、算出手段、補正値算出手段)
40 カラー画像出力部(読込手段)
50 記憶部
100 画像形成装置
30 カラー画像処理部(取得手段、算出手段、補正値算出手段)
40 カラー画像出力部(読込手段)
50 記憶部
100 画像形成装置
Claims (5)
- 複数種類の中間調パターンを有しており、該複数種類の中間調パターンに対して階調補正を行なう画像処理装置において、
各中間調パターンに共通して含まれる構成要素を有する共通要素パッチに係る特定濃度値を予め記憶している記憶部と、
前記階調補正の前に、前記共通要素パッチの濃度値を取得する取得手段と、
該取得手段が取得した取得濃度値と、前記特定濃度値との濃度差を算出する算出手段とを備え、
算出した濃度差を用いて、前記階調補正を行なうように構成されていることを特徴とする画像処理装置。 - 各階調での前記濃度差の加重平均により、前記複数種類の中間調パターンに対する階調補正に係る補正値を算出する補正値算出手段を備え、
該補正値を用いて、前記階調補正を行なうように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。 - 低階調から中階調に対応する共通要素パッチは、前記複数種類の中間調パターンにおける独立ドットの数に基づいて構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
- 中階調から高階調に対応する共通要素パッチは、前記複数種類の中間調パターンにおけるドットの結合を1つのドットとしてみなし、該ドットの結合の数に基づいて構成されていることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の画像処理装置。
- 請求項1から4の何れかに記載の画像処理装置と、
前記共通要素パッチをシート上に画像形成する画像形成手段と、
該シート上に画像形成された共通要素パッチを読み込む読込手段とを備え、
前記画像形成手段によって前記共通要素パッチの画像形成が行なわれる際の濃度値、又は前記読込手段によって前記シートの共通要素パッチを読み込んだ際の濃度値を、前記取得濃度値とすることを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2012265614A JP2014110615A (ja) | 2012-12-04 | 2012-12-04 | 画像処理装置及び画像形成装置 |
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- 2012-12-04 JP JP2012265614A patent/JP2014110615A/ja active Pending
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