JP5520477B2 - 黒色水性インク組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、インクジェット記録用インクとして有用で、さらにフェルトペン、ボールペン、万年筆等の筆記具用の記録液や、紙、パルプ、セルロース繊維製品あるいは皮革等の染色にも利用できる黒色水性インク組成物に関するものである。
近年、インクジェット記録方式は、カラー画像を容易に作成する手段として広く用いられるようになり、更なる高画質化が求められている。
高画質化を実現するために、インクに求められる性能としては、色調再現性が優れていること、光学濃度が高く色調がシャープであることが求められている。さらに、太陽光を初めとする種々の光や外気(オゾン、窒素酸化物、硫黄酸化物等)に対する、耐変退色性、耐水性、耐湿性等の画像堅牢性が良好なインクが求められ、かつノズルの目詰まりを生じないことや、被記録材上での乾燥性に優れたインクが望まれている。
さらに環境変化(気温)が伴う場合でも、インクジェット記録用インクとして最も重要な要件である、長期保存性が良好なインクが求められている。
これらの諸特性を改善するために、例えば、特許文献1〜5に記載されたような種々のアゾ化合物が提案されている。しかしながら、これらいずれのインク組成物も、市場で要求される諸特性を、十分に満足させるまでには至っていない。
特開昭63−105079号公報 特開平1−141966号公報 特公平7−42427号公報 特表2002−535432号公報 特表2002−535434号公報
本発明は、色調再現性が優れ、光学濃度が高く、色調がシャープで、かつ太陽光を初めとする種々の光や外気(オゾン、窒素酸化物、硫黄酸化物等)に対する耐変退色性、耐水性、耐湿性といった、画像堅牢性が良好なインクジェット記録等に用いる黒色水性インク組成物であって、高温または低温における過酷な環境下での色素の析出、変色等がなく、長期保存性においても非常に優れた、インクジェット記録等に用いる黒色水性インク組成物を提供することを目的とする。
本発明者等は、前記の高画質化の実現を可能にする、インクジェット記録等に用いる黒色水性インク組成物を提供すべく鋭意検討した結果、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、式(1)
Figure 0005520477
〔式(1)において、
XはSO3Hまたは−SO224−R4を表し、
Yは水素またはSO3Hを表し、
Zは水酸基またはアミノ基を表し、
nは1〜2を表し、
1は水素、C1〜C3のアルキル基、C1〜C3のアルコキシル基、水酸基を表し、
2は水素、C1〜C3のアルキル基、C1〜C3のアルコキシル基、水酸基を表し、
3は水素、−CH2COOH、C1〜C2のジアルキルアミノエチル基、C1〜C2のジアルキルアミノプロピル基を表し、
4は水酸基、C1〜C2のジアルキルアミノ基、C1〜C2のジアルキルアミノエチルアミノ基、C1〜C2のジアルキルアミノプロピルアミノ基を表す〕
で表される化合物またはその塩類からなるトリスアゾ染料を含有することを特徴とする黒色水性インク組成物に関する発明である。
本発明のインク組成物は、特にインクジェット記録用インクとして非常に有用であり、記録液として色調再現性が優れており、光学濃度が高く、色調がシャープで、かつ太陽光を初めとする種々の光や外気(オゾン、窒素酸化物、硫黄酸化物等)に対する耐変退色性、耐水性、耐湿性等の画像堅牢性に優れており、かつ、長期保存または使用時における高温または低温による記録液の安定性に優れているため、噴出機(インクヘッド)の目詰まりもなく、噴出安定性が非常に良好である。
また、本発明のインク組成物は、インクジェット記録用インクとして特に優れた特性を有しているが、その他、フェルトペン、ボールペン、万年筆等の筆記具用の記録液や、紙、パルプ、セルロース繊維製品あるいは皮革の染色にも利用できる。
そしてこれらに必要とされる種々の性能に対し、本発明のインク組成物は、従来に見られない優れた効果を発揮する。
本発明の黒色水性インク組成物は、例えば次の様にして製造することができる。
すなわち、式(2)
Figure 0005520477
で表される4,4'−ジアミノベンズアニリドを、例えば鉱酸中0〜30℃で亜硝酸ソーダを用いてテトラゾ化し、式(3)
Figure 0005520477
〔式(3)中のnは前記と同じ意味を表す〕で表されるアミノナフトール類〔例えば、8−アミノ−1−ナフトール−3,6−ジスルホン酸、8−アミノ−1−ナフトール−3,5−ジスルホン酸、8−アミノ−1−ナフトール−5−スルホン酸など〕と0〜40℃、pH=4以下でカップリング反応させた後、更にこのものと、式(4)
Figure 0005520477
〔式(4)中のX、R1、R2は前記と同じ意味を表す〕で表されるアミノベンゼン類〔例えば、スルファニル酸、p−トルイジン−2−スルホン酸、m−トルイジン−4−スルホン酸、o−アニシジン−5−スルホン酸、p−アニシジン−2−スルホン酸、2,4−ジメチルアニリン−6−スルホン酸、4−(β−ヒドロキシエチルスルホニル)アニリン、4−(β−ジメチルアミノエチルスルホニル)アニリン、4−(β−(2−ジメチルアミノエチルアミノ)エチルスルホニル)アニリン、4−(β−(3−ジメチルアミノプロピルアミノ)エチルスルホニル)アニリンなど〕を、例えば鉱酸中0〜40℃で亜硝酸ソーダを用いてジアゾ化したものとを、0〜40℃、pH=4〜10でカップリング反応させた後、更にこのものと、式(5)
Figure 0005520477
〔式(5)中のY、Z、R3は前記と同じ意味を表す〕で表されるアミノベンゼン類〔例えば3−アミノフェノール、5−アミノフェノール−2−スルホン酸、N−(3−ヒドロキシフェニル)グリシン、3−ヒドロキシ−N−(2−ジメチルアミノエチル)アニリン、3−ヒドロキシ−N−(3−ジメチルアミノプロピル)アニリン、1,3−フェニレンジアミン−4−スルホン酸、N−(3−アミノフェニル)グリシン、3−アミノ−N−(2−ジメチルアミノエチル)アニリン、3−アミノ−N−(3−ジメチルアミノプロピル)アニリンなど〕と、0〜40℃、pH=6〜10でカップリング反応させることにより遊離酸の形で一般式(1)で表される黒色色素を得ることができる。
次いで、このようにして得られた反応液を濾過(必要に応じて塩析してもよい)、あるいは反応液を鉱酸で酸析濾過し、水洗して無機塩を充分に取り除くことで脱塩処理を行った脱塩湿ケーキを得ることができる。
無機塩が充分に取り除けていない場合は、上記にて得られた湿ケーキをメタノール、アセトン、N,N−ジメチルホルムアミド等の有機溶剤を使用して、脱塩処理を行うことにより脱塩湿ケーキを得ることができる。
また、場合によっては逆浸透膜を利用して、脱塩処理を行うこともできる。
得られた脱塩湿ケーキを乾燥後、溶解する際に本発明のインク組成物に用いる溶解剤または溶解助剤としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N−(2−アミノエチル)エタノールアミン等のアミン類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジプロピレングリコール、チオジグリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル等のグリコール類、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール等のトリオール類、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、ベンジルアルコール等のアルコール類、2−
ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−イソプロピル−2−ピロリドン、N−(n−ブチル)−2−ピロリドン、N−(tert−ブチル)−2−ピロリドン、N−ヘキシル−2−ピロリドン、N−オクチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、N−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリドン、N−(3−ヒドロキシプロピル)−2−ピロリドン、N−シクロヘキシル−2−ピロリドン、N−ドデシル−2−ピロリドン、N−(2−メトキシエチル)−2−ピロリドン、N−(3−メトキシプロピル)−2−ピロリドン、N−ベンジル−2−ピロリドン等のピロリドン類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、1,3−ジメチルイミダゾリジン−2−オン、1,3−ジメチルヘキサヒドロピリミド−2−オン等の環式尿素類、アセトン、ジアセトンアルコール、メチルエチルケトン、2−メチル−2−ヒドロキシペンタン−4−オン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、尿素、チオ尿素等の尿素類が挙げられる。
これらの溶解剤または溶解助剤は、単独もしくは混合して用いられる。これらのうちより好ましいものとしては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム等が挙げられる。
更に本発明のインクジェット記録等に用いるインクにおいて、より良好な特性を得るために、従来使用された種々の添加剤が必要に応じて併用される。
併用される添加剤としては、例えば防腐剤、防黴剤等としてネオシントールLB(商品名:住化エンビロサイエンス社製)、F3−500(商品名:住化エンビロサイエンス社製)等が挙げられ、その他、キレート剤、防錆剤、水溶性紫外線吸収剤、粘度調整剤、浸透剤、界面活性剤等が挙げられる。
本発明は、一般式(1)で示される色素を、インク組成物全量に対して、0.1〜30質量%、より好ましくは1〜25質量%含有し、溶解剤または溶解助剤をインク組成物全量に対して、0.1〜40質量%、より好ましくは1〜30質量%含有する。また、本発明のインク組成物のpH(20℃)は、6〜13で、より好ましくはpH(20℃)を7〜10に調整することが望ましい。
以下に本発明を、実施例により説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例中の部および%は、それぞれ質量部および質量%を意味する。実施例1
4,4'−ジアミノベンズアニリド 22.7部を、水 300部、35%塩酸 50部で分散後、氷で5℃に冷却し、40%亜硝酸ソーダ 36.2部を加え、1時間攪拌し、テトラゾ化を行う。次いで、スルファミン酸で過剰の亜硝酸を消去する。
次いで、8−アミノ−1−ナフトール−3,6−ジスルホン酸(H酸)31.9部を、水 800部、炭酸ナトリウム 5.5部で溶解後、この溶解液をテトラゾ化液中に10℃で投入する。10〜20℃で7時間攪拌しカップルを完結させる。
更に、スルファニル酸 17.3部を、水 100部、35%塩酸 20部で分散後、氷で5℃に冷却し、40%亜硝酸ソーダ 18.1部を加え、1時間攪拌しジアゾ化を行う。次いで、スルファミン酸で過剰の亜硝酸を消去する。このジアゾ液を先の反応液中に10℃で投入し、その後、10%炭酸ナトリウム水溶液にてpH=8を保持しながら3時間攪拌してカップリングを完結させる。
次に、3−アミノフェノール 10.9部を水 100部にて60℃で加熱溶解させ、この液を先の反応液中に10℃で投入し、その後、10%炭酸ナトリウム水溶液にてpH=9を保持しながら3時間攪拌してカップリングを完結させ、遊離酸の形で下記構造の色素を得た。
Figure 0005520477
得られた反応液中に、35%塩酸 50部投入し、酸析濾過する。水洗にて無機塩を充分に取り除く。得られた湿ケーキを、水 100部+メタノール 200部中に分散し、濾過する。得られた湿ケーキを、熱風乾燥機(80℃)で乾燥することにより、脱塩色素77.0部を得た。
実施例2
4,4'−ジアミノベンズアニリド 22.7部を、水 300部、35%塩酸 50部で分散後、氷で5℃に冷却し、40%亜硝酸ソーダ 36.2部を加え、1時間攪拌し、テトラゾ化を行う。次いで、スルファミン酸で過剰の亜硝酸を消去する。
次いで、8−アミノ−1−ナフトール−3,6−ジスルホン酸(H酸)31.9部を、水 800部、炭酸ナトリウム 5.5部で溶解後、この溶解液をテトラゾ化液中に10℃で投入する。10〜20℃で7時間攪拌しカップルを完結させる。
更に、スルファニル酸 17.3部を、水 100部、35%塩酸 20部で分散後、氷で5℃に冷却し、40%亜硝酸ソーダ 18.1部を加え、1時間攪拌しジアゾ化を行う。次いで、スルファミン酸で過剰の亜硝酸を消去する。このジアゾ液を、先の反応液中に10℃で投入し、その後、10%炭酸ナトリウム水溶液にてpH=8を保持しながら3時間攪拌してカップリングを完結させる。
次に、N−(3−ヒドロキシフェニル)グリシン 16.7部を、水 400部にて60℃で加熱溶解させ、この液を、先の反応液中に10℃で投入し、その後、10%炭酸ナトリウム水溶液にてpH=10を保持しながら4時間攪拌してカップリングを完結させ、遊離酸の形で下記構造の色素を得た。
Figure 0005520477
得られた反応液中に、35%塩酸 40部投入し、酸析濾過する。水洗にて無機塩を充分に取り除く。得られた湿ケーキを、水 100部+メタノール 200部中に分散し、濾過する。得られた湿ケーキを熱風乾燥機(80℃)で乾燥することにより、脱塩色素78.5部を得た。
実施例3
4,4'−ジアミノベンズアニリド 22.7部を、水 300部、35%塩酸 50部で分散後、氷で5℃に冷却し、40%亜硝酸ソーダ 36.2部を加え、1時間攪拌し、テトラゾ化を行う。次いで、スルファミン酸で過剰の亜硝酸を消去する。
次いで、8−アミノ−1−ナフトール−3,6−ジスルホン酸(H酸) 31.9部を、水 800部、炭酸ナトリウム 5.5部で溶解後、この溶解液をテトラゾ化液中に10℃で投入する。10〜20℃で7時間攪拌しカップルを完結させる。
更に、スルファニル酸 17.3部を、水 100部、35%塩酸 20部で分散後、氷で5℃に冷却し、40%亜硝酸ソーダ 18.1部を加え、1時間攪拌しジアゾ化を行う。次いで、スルファミン酸で過剰の亜硝酸を消去する。このジアゾ液を、先の反応液中に10℃で投入し、その後、10%炭酸ナトリウム水溶液にてpH=8を保持しながら3時間攪拌してカップリングを完結させる。
次に、3−ヒドロキシ−N−(2−ジメチルアミノエチル)アニリン 18.0部を、水 400部、水酸化ナトリウム 4.0部にて溶解させ、この液を、先の反応液中に10℃で投入し、その後、10%炭酸ナトリウム水溶液にてpH=9.5を保持しながら4時間攪拌してカップリングを完結させ、遊離酸の形で下記構造の色素を得た。
Figure 0005520477
得られた反応液中に、35%塩酸 40部投入し、酸析濾過する。水洗にて無機塩を充分に取り除く。得られた湿ケーキを、水 100部+メタノール 200部中に分散し、濾過する。得られた湿ケーキを熱風乾燥機(80℃)で乾燥することにより、脱塩色素80.5部を得た。
実施例4
4,4'−ジアミノベンズアニリド 22.7部を、水 300部、35%塩酸 50部で分散後、氷で5℃に冷却し、40%亜硝酸ソーダ 36.2部を加え、1時間攪拌し、テトラゾ化を行う。次いで、スルファミン酸で過剰の亜硝酸を消去する。
次いで、8−アミノ−1−ナフトール−3,5−ジスルホン酸 31.9部を、水 800部、炭酸ナトリウム 5.5部で溶解後、この溶解液をテトラゾ化液中に10℃で投入する。10〜20℃で7時間攪拌しカップルを完結させる。
更に、スルファニル酸 17.3部を、水 100部、35%塩酸 20部で分散後、氷で5℃に冷却し、40%亜硝酸ソーダ 18.1部を加え、1時間攪拌しジアゾ化を行う。次いで、スルファミン酸で過剰の亜硝酸を消去する。このジアゾ液を、先の反応液中に10℃で投入し、その後、10%炭酸ナトリウム水溶液にてpH=8を保持しながら3時間攪拌してカップリングを完結させる。
次に、3−ヒドロキシ−N−(3−ジエチルアミノプロピル)アニリン 22.2部を、水 500部、35%塩酸 20.0部にて溶解させ、この液を先ほどの反応液中に20℃で投入し、その後、10%炭酸ナトリウム水溶液にてpH=10を保持しながら5時間攪拌してカップリングを完結させ、遊離酸の形で下記構造の色素を得た。
Figure 0005520477
得られた反応液中に、35%塩酸 40部投入し、酸析濾過する。水洗にて無機塩を充分に取り除く。得られた湿ケーキを、水 100部+メタノール 200部中に分散し、濾過する。得られた湿ケーキを、熱風乾燥機(80℃)で乾燥することにより、脱塩色素80.7部を得た。
実施例5
4,4'−ジアミノベンズアニリド 22.7部を、水 300部、35%塩酸 50部で分散後、氷で5℃に冷却し、40%亜硝酸ソーダ 36.2部を加え、1時間攪拌し、テトラゾ化を行う。次いでスルファミン酸で過剰の亜硝酸を消去する。
次いで、8−アミノ−1−ナフトール−5−スルホン酸 23.9部を、水 1000部、水酸化ナトリウム 4.0部で溶解後、この溶解液をテトラゾ化液中に10℃で投入する。10〜20℃で7時間攪拌しカップルを完結させる。
更に、2,4−ジメチルアニリン−6−スルホン酸 20.1部を、水 150部、35%塩酸 20部で分散後、氷で5℃に冷却し、40%亜硝酸ソーダ 18.1部を加え、1時間攪拌しジアゾ化を行う。次いで、スルファミン酸で過剰の亜硝酸を消去する。このジアゾ液を、先の反応液中に15℃で投入し、その後、10%炭酸ナトリウム水溶液にてpH=8.5を保持しながら4時間攪拌してカップリングを完結させる。
次に、5−アミノフェノール−2−スルホン酸 18.9部を、水 100mlにて60℃で加熱溶解させ、この液を先ほどの反応液中に10℃で投入し、その後、10%炭酸ナトリウム水溶液にてpH=10を保持しながら3時間攪拌してカップリングを完結させ、遊離酸の形で下記構造の色素を得た。
Figure 0005520477
得られた反応液中に、35%塩酸 50部投入し、酸析濾過する。水洗にて無機塩を充分に取り除く。得られた湿ケーキを、水 100部+アセトン 600部中に分散し、濾過する。得られた湿ケーキを熱風乾燥機(80℃)で乾燥することにより、脱塩色素70.2部を得た。
実施例6
4,4'−ジアミノベンズアニリド 22.7部を、水 300部、35%塩酸 50部で分散後、氷で5℃に冷却し、40%亜硝酸ソーダ 36.2部を加え、1時間攪拌し、テトラゾ化を行う。次いで、スルファミン酸で過剰の亜硝酸を消去する。
次いで、8−アミノ−1−ナフトール−3,6−ジスルホン酸(H酸)31.9部を、水 800部、炭酸ナトリウム 5.5部で溶解後、この溶解液をテトラゾ化液中に10℃で投入する。10〜20℃で7時間攪拌しカップルを完結させる。
更に、4−(β−ヒドロキシエチルスルホニル)アニリン 20.1部を、水 300部、35%塩酸 25部で溶解後、氷で5℃に冷却し、40%亜硝酸ソーダ 18.1部を加え、1時間攪拌しジアゾ化を行う。次いで、スルファミン酸で過剰の亜硝酸を消去する。このジアゾ液を先の反応液中に15℃で投入し、その後、10%炭酸ナトリウム水溶液にてpH=8を保持しながら4時間攪拌してカップリングを完結させる。
次に、3−アミノフェノール 10.9部を、水 100部にて60℃で加熱溶解させ、この液を先の反応液中に10℃で投入し、その後、10%炭酸ナトリウム水溶液にてpH=9を保持しながら3時間攪拌しカップリングを完結させ、遊離酸の形で下記構造の色素を得た。
Figure 0005520477
得られた反応液中に、35%塩酸 35部投入し、酸析濾過する。水洗にて無機塩を充分に取り除く。得られた湿ケーキを、水 100部+アセトン 700部中に分散し、濾過する。得られた湿ケーキを熱風乾燥機(80℃)で乾燥することにより、脱塩色素76.0部を得た。
実施例7
4,4'−ジアミノベンズアニリド 22.7部を、水 300部、35%塩酸 50部で分散後、氷で5℃に冷却し、40%亜硝酸ソーダ 36.2部を加え、1時間攪拌し、テトラゾ化を行う。次いで、スルファミン酸で過剰の亜硝酸を消去する。
次いで、8−アミノ−1−ナフトール−3,6−ジスルホン酸(H酸)31.9部を、水 800部、炭酸ナトリウム 5.5部で溶解後、この溶解液をテトラゾ化液中に10℃で投入する。10〜20℃で7時間攪拌し、カップルを完結させる。
更に、4−(β−ジメチルアミノエチルスルホニル)アニリン 22.8部を、水 100部、35%塩酸 25部で溶解後、氷で5℃に冷却し、40%亜硝酸ソーダ 18.1部を加え、1時間攪拌しジアゾ化を行う。次いで、スルファミン酸で過剰の亜硝酸を消去する。このジアゾ液を、先の反応液中に15℃で投入し、その後、10%炭酸ナトリウム水溶液にてpH=9を保持しながら5時間攪拌しカップリングを完結させる。
次に、1,3−フェニレンジアミン−4−スルホン酸 18.8部を、水 300部、水酸化ナトリウム 4.0部にて溶解させ、この液を先ほどの反応液中に10℃で投入し、その後、10%炭酸ナトリウム水溶液にてpH=10を保持しながら4時間攪拌しカップリングを完結させ、遊離酸の形で下記構造の色素を得た。
Figure 0005520477
得られた反応液中に、35%塩酸 40部投入し、酸析濾過する。水洗にて無機塩を充分に取り除く。得られた湿ケーキを、水 100部+メタノール 300部中に分散し、濾過する。得られた湿ケーキを熱風乾燥機(80℃)で乾燥することにより、脱塩色素78.4部を得た。
実施例8〜14
(A)インクの調製
上記実施例1〜7で得られた脱塩色素を用い、表1および表2に示した組成比で混合して本発明のインク組成物を得る。
得られたインクを、0.45μmのメンブランフィルターで濾過を行うことによりインクジェット記録用インクを調製した。
また、本発明の記録液と比較を行う為に公知の染料として、C.I.Direct Black 168、および水溶性インクジェット用黒色色素として用いられているC.I.Food Black 2を、脱塩処理後、表3で示した組成比で混合し、0.45μmのメンブランフィルターで濾過を行い、比較用記録液を調製した。
Figure 0005520477
Figure 0005520477
Figure 0005520477
(B)インクジェットプリント
実施例8〜14および比較例1〜2で調製した各記録液を、インクジェットプリンター(キヤノン社製 PIXUS iP4300)用インクカートリッジに充填し、同プリンターにて普通紙(キヤノン社製:キヤノン普通紙・ホワイト A4)を用い、縦15cm×横10cmの範囲を塗り潰し、テストサンプルとした。
(C)経時安定性
実施例8〜14で調製した各記録液を、インクジェットプリンター(キヤノン社製 PIXUS iP4300)用インクカートリッジに充填し、同プリンターにて普通紙(キヤノン社製:キヤノン普通紙・ホワイト A4)を用い、各記録液を100時間連続記録したが、噴出ノズルの目詰まりや噴射方向の異常は認められなかった。
また、各記録液を60℃および−5℃で3ヶ月間保存したが、濃度および色相の変化もなく、析出物の発生も認められなかった。更に、60℃および−5℃で3ヶ月間保存した各記録液を、上記プリンターで長時間連続記録したが、各記録液とも噴出ノズルの目詰まりや、噴射方向の異常は認められなかった。
(D)記録画像の耐光性試験
(B)でプリントした各テストサンプルの印字濃度を、反射濃度測色計(Macbeth COLOR−EYE 3000)で測定する。次に、スタンダード紫外線ロングライフ・フェードメーターFAL−3(スガ試験機社製)を用いて、60℃で50時間照射後、再び印字濃度を測定し、その結果を表4に示す。
判定基準については、以下の基準により評価した。
◎ 照射後の印字濃度が照射前の90%以上ある。
○ 照射後の印字濃度が照射前の80%以上ある。
△ 照射後の印字濃度が照射前の70%以上ある。
× 照射後の印字濃度が照射前の70%未満となる。
(E)記録画像の耐水性試験
(B)でプリントした各テストサンプルの印字濃度を、反射濃度測色計(Macbeth COLOR−EYE 3000)で測定する。次に、各テストサンプルを、25℃イオン交換水に1時間浸漬させ、充分水分を取り除いたものを1日間温風乾燥させた後、再び印字濃度を測定し、その結果を表4に示す。
判定基準については、以下の基準により評価した。
◎ 浸漬後の印字濃度が浸漬前の80%以上ある。
○ 浸漬後の印字濃度が浸漬前の70%以上ある。
△ 浸漬後の印字濃度が浸漬前の60%以上ある。
× 浸漬後の印字濃度が浸漬前の60%未満となる。
(F)記録画像の耐ガス性試験
(B)でプリントした各テストサンプルの印字濃度を、反射濃度測色計(Macbeth COLOR−EYE 3000)で測定する。次に、オゾンウェザーメーター(スガ試験機社製)を用いてオゾン濃度を10ppm、湿度60%RH、温度24℃の環境下で2時間各テストサンプルを放置した後、再び印字濃度を測定し、その結果を表4に示す。
判定基準については、以下の基準により評価した。
◎ 試験後の印字濃度が試験前の80%以上ある。
○ 試験後の印字濃度が試験前の70%以上ある。
△ 試験後の印字濃度が試験前の60%以上ある。
× 試験後の印字濃度が試験前の60%未満となる。
(G)記録画像の耐湿性試験
(B)でプリントした各テストサンプルの印字濃度を、反射濃度測色計(Macbeth COLOR−EYE 3000)で測定する。次に、恒温恒湿器(アドバンテック東洋社製)を用いて50℃、90%RHで5日放置した後、試験前後の色素の滲みを目視により判定した。その結果を表4に示す。
判定基準については、以下の基準により評価した。
◎ 色素の未印字部への滲みが全く見られない。
○ 色素の未印字部への滲みが僅かに見られる。
△ 色素の未印字部への滲みがやや見られる。
× 色素の未印字部への滲みがかなり見られる。
Figure 0005520477
表4より明らかなとおり、本発明の黒色水性インク組成物は、従来の黒色染料(比較例)と比較して、耐光性、耐水性、耐ガス性、耐湿性において優れており、高品質な画像が保たれるという優れた効果を発揮する。

Claims (2)

  1. 下記式
    Figure 0005520477
    で表される化合物またはその塩類から選ばれるトリスアゾ染料を含有することを特徴とする黒色水性インク組成物。
  2. 化合物が
    Figure 0005520477
    で表される化合物である請求項1に記載の黒色水性インク組成物。
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