JP5519347B2 - 半導体素子の製造方法 - Google Patents

半導体素子の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5519347B2
JP5519347B2 JP2010059258A JP2010059258A JP5519347B2 JP 5519347 B2 JP5519347 B2 JP 5519347B2 JP 2010059258 A JP2010059258 A JP 2010059258A JP 2010059258 A JP2010059258 A JP 2010059258A JP 5519347 B2 JP5519347 B2 JP 5519347B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cavity
temperature
growth substrate
layer
growth
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010059258A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011192899A (ja
Inventor
康之 柴田
吉鎬 梁
崇子 千野根
二郎 東野
直史 堀尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Stanley Electric Co Ltd
Original Assignee
Stanley Electric Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Stanley Electric Co Ltd filed Critical Stanley Electric Co Ltd
Priority to JP2010059258A priority Critical patent/JP5519347B2/ja
Publication of JP2011192899A publication Critical patent/JP2011192899A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5519347B2 publication Critical patent/JP5519347B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Led Devices (AREA)

Description

本発明は、半導体素子に関し、特に発光ダイオード(LED)等の半導体発光素子の製造方法に関する。
発光ダイオード等の半導体発光素子は、n型半導体層、発光層、p型半導体層からなる半導体膜を成長用基板上にエピタキシャル成長させた後、n側電極およびp電極を形成することにより製造される。半導体発光素子の製造において、成長用基板の選択は、半導体膜の結晶品質に大きな影響を与える。しかし、結晶性が良好な半導体膜を形成するために選択された成長用基板が、良好な導電性、熱伝導性および光学特性を有しているとは限らない。そこで、成長用基板上に半導体膜を形成した後、半導体膜上に導電性、熱伝導性および光学特性が良好な支持基板を接合し、成長用基板を半導体膜から除去する方法が提案されている(例えば特許文献1)。一般に、GaN系半導体発光素子においては、成長用基板を除去する方法として、レーザリフトオフ(LLO)法が使用される。
特許文献2には、成長用基板上にアモルファス状の窒素化合物半導体層を介して半導体エピタキシャル層を形成した半導体発光素子の製造工程において、アモルファス状の窒素化合物半導体層を気相成長させる際の温度を600℃以下とし、且つ、V族元素に対するIII族元素の供給比率を1000以下とすることにより、アモルファス状の窒素化合物半導体層内部に空孔が形成され、場合により、成長用基板と半導体エピタキシャル層の剥離が自然に生じることが記載されている。かかる手法によれば、レーザリフトオフ法によらず成長用基板の剥離が可能となる。
特開2000−228539号公報 特開2005−516415号公報
レーザリフトオフ法を用いて成長用基板を剥離する場合、レーザ光を吸収した窒化物半導体が分解されてNガスを発生させる。発生したNガスは、その圧力により半導体膜にクラックが生じさせる場合がある。また、レーザリフトオフを実施するためには、高価な専用の装置を導入する必要があるため、コストアップを招く。更に、レーザリフトオフにおいては、多数のウエハを一括処理することが困難であり、レーザ光をウエハ全面に亘って走査させていく処理となるため、比較的長い処理時間を要する。ウエハの大口径化が進むと処理時間は更に長くなる。このため、レーザリフトオフ法を用いることなく、より簡便な方法で、成長用基板を半導体膜から剥離することができれば、生産効率が向上し、品質面およびコスト面においても有利となる。
特許文献2に記載されるように半導体膜内に空洞を含む層を形成することにより成長用基板を剥離する場合、意図したタイミングで成長用基板の剥離できることが重要となる。すなわち、半導体膜の膜厚は非常に薄いため、ウエハのハンドリング時や途中工程で成長用基板の自然剥離が生じると、その後の処理が困難となる。例えば、半導体膜のエピタキシャル成長工程における熱衝撃等によって成長用基板の剥離が生じると、その後の電極形成や支持基板との接合が極めて困難となる。このように、半導体膜内に空洞を含む層を形成することにより成長用基板を剥離する場合、成長用基板が意図しないタイミングで自然剥離してしまうことがないようある程度の接合強度が確保され、且つ成長用基板の剥離工程において容易に剥離できること、すなわち、剥離制御性が確保されていることが重要である。
本発明は、上記した点に鑑みてなされたものであり、成長用基板上に多数の空洞を含む空洞含有層を形成し、空洞含有層を剥離境界面として成長用基板を剥離する工程を含む半導体素子の製造方法において、成長用基板の剥離制御性を確保して、歩留り向上を図ることを目的とする。
本発明に係る半導体素子の製造方法は、成長用基板上にIII族窒化物系化合物半導体からなり、且つ層内に複数の空洞を含む空洞含有層を形成する工程と、前記空洞含有層の上に、III族窒化物系化合物半導体からなるn型半導体層、発光層、p型半導体層を含む半導体デバイス層を形成する工程と、前記半導体デバイス層の上に支持基板を形成する工程と、前記空洞含有層を剥離境界面として前記半導体デバイス層から前記成長用基板を除去する工程と、を含み、前記空洞含有層を形成する工程は、前記成長用基板の表面に高温部と低温部が繰り返し連続するような温度分布を設けて、気相成長法により前記成長用基板上に前記III族窒化物系化合物半導体を成長させる工程を含み、前記空洞含有層は、その積層方向と交差する面内における単位面積あたりの前記空洞の面積の割合が前記高温部に対応する部分と前記低温部に対応する部分で互いに異なっていることを特徴としている。
また、本発明に係る半導体基板の製造方法は、成長用基板上にIII族窒化物系化合物半導体を積層してなる半導体基板の製造方法であって、前記成長用基板の表面に高温部と低温部が繰り返し連続するような温度分布を設けて、気相成長法により前記成長用基板上にIII族窒化物系化合物半導体を成長させて層内に複数の空洞を含む空洞含有層を形成する工程を含むことを特徴としている。
本発明に係る半導体素子の製造方法によれば、空洞含有層の空洞占有率の制御が容易となり、成長用基板の剥離制御性が確保され、歩留り向上を達成できる。
本発明の実施例に係る半導体発光素子の製造工程フロー図である。 本発明の実施例に係る半導体発光素子の構造を示す断面図である。 成長用基板の表面温度と空洞占有率の関係を示すグラフである。 (a)は、本発明の実施例に係るサセプタの構成を示す平面図、(b)は図4(a)における4b−4b線に沿った断面図である。 (a)から(c)は、本発明の実施例に係る半導体発光素子の製造方法を示す断面図である。 (d)から(f)は、本発明の実施例に係る半導体発光素子の製造方法を示す断面図である。 (g)および(h)は、本発明の実施例に係る半導体発光素子の製造方法を示す断面図である。
以下、本発明の実施例に係る半導体発光素子の製造方法について説明する。図1は、本発明の実施例に係る半導体発光素子の製造工程フロー図である。図2は、本発明の実施例に係る成長用基板を剥離する前の段階の半導体発光素子の構造を示す断面図である。
本発明の実施例に係る半導体発光素子の製造方法は、成長用基板10上にIII族窒化物系化合物半導体からなり内部に多数の空洞を含む空洞含有層20形成する空洞含有層形成工程(ステップS1)、空洞含有層20の上にIII族窒化物系化合物半導体からなるn型半導体層31、発光層32、p型半導体層33を含む半導体デバイス層30を形成する半導体デバイス層形成工程(ステップS2)、半導体デバイス層30上に電極層40を形成した後、接続層41、61を介して支持基板60を接合する支持基板形成工程(ステップS3)、空洞含有層20を起点として成長用基板10を半導体デバイス層30から剥離する成長用基板除去工程(ステップS4)、成長用基板10を剥離することによって表出した半導体デバイス層30表面の平坦化を行う表面処理工程(ステップS5)、表面処理された半導体デバイス層30にn側電極70を形成する電極形成工程(ステップS6)および、支持基板付き半導体デバイス層30を個別のチップに分割する素子分割工程(ステップS7)を含む。
空洞含有層20は、半導体デバイス層30と同じIII族窒化物系化合物半導体からなり、成長用基板10と半導体デバイス層30との間に介在する。空洞含有層20は、その延在する面内において多数の空洞(ボイド)21が分布した多孔質構造を有する。空洞含有層20内に多数の空洞21が形成されることにより、互いに隣接する空洞の間には成長用基板10と半導体デバイス層30との接続部をなす複数の柱状構造体22が形成される。柱状構造体22の単体のサイズ(幅)は、数μm程度である。かかる構造を有する空洞含有層20が成長用基板10と半導体デバイス層30との間に介在することにより、成長用基板除去工程(ステップS4)においては外部からウエハに小さな力を与えるだけで、空洞含有層20を剥離境界面とした成長用基板10の剥離を行うことが可能となる。空洞含有層20の積層方向と交差する面内における単位面積あたりの空洞21の面積の割合(以下空洞占有率と称する)が適当でないと、意図しないタイミングで成長用基板10が剥離したり、空洞含有層20を起点とした成長用基板の剥離を行うことが不可能となり、歩留りが著しく低下する。従って、成長用基板除去工程(ステップS4)において成長用基板10の剥離を良好に行うことができるように空洞含有層20における空洞占有率の制御が重要となる。具体的には、ウエハ全面でみたときの平均空洞占有率が85%以上95%以下の範囲となるように空洞占有率を制御する必要がある。平均空洞占有率が85%よりも低い場合、外部から応力を印加するだけでは成長用基板10の剥離を行うことができなくなり、一方、平均空洞占有率が95%よりも高い場合、成長用基板10は意図しないタイミングで自然剥離する可能性が高い。
空洞含有層20における空洞占有率は、例えば成長用基板の温度の僅かな変動やMOCVD(有機金属気相成長)装置内における原料ガスの流れの変動などの影響を受ける。このため、MOCVD装置のメンテナンス前後や原料ガスの交換前後で、空洞占有率が変動し、成長用基板10の剥離を適切に行うことができず、歩留りが安定しないという問題がある。
図3は、空洞含有層20の成長温度(成長用基板の表面温度)と空洞占有率との関係を示したグラフである。図3に示すように、基板温度が高くなるに従って、空洞占有率が低下する傾向が確認できた。また、基板温度が比較的低い525〜535℃の範囲においては、空洞占有率は99%でほぼ一定であることが確認できた。本発明者らは、かかる基板温度と空洞占有率との関係に着目し、空洞占有率が比較的高くなり且つ温度変動に対する空洞占有率の変動割合が比較的小さい低温領域と、空洞占有率が比較的低くなり且つ温度変動に対する空洞占有率の変動割合が比較的大きい高温領域を基板上に設けて空洞含有層20を形成することにより、空洞占有率の制御が容易となり、成長用基板の剥離制御性が確保できることを見出した。すなわち、成長用基板表面に温度分布を形成することにより、空洞含有層20内に空洞占有率が高い部分と低い部分を混在させてウエハ全面における平均空洞占有率を成長用基板の剥離を良好に行うことができる85〜95%に設定するとともに、空洞含有層20内において温度変動に対する空洞占有率の変動割合が比較的小さくなる温度領域で成膜される部分を導入し、空洞含有層における空洞占有率の安定化を図るのである。
成長用基板の表面温度分布を形成する方法としては、例えば、MOCVD装置内において成長用基板を加熱するサセプタの表面に凹凸を形成する方法がある。図4(a)は、本発明の実施例に係るサセプタ100の上面図、図4(b)は図4(a)における4b−4b線に沿った断面図であり、サセプタ100上に成長用基板10が載置された状態を示す。サセプタ100は、例えば炭化珪素からなり、外形は略円形をなしている。サセプタ100の表面には、格子状の凸部101と、凸部101によって画定される矩形状の凹部102が形成されている。成長用基板10は、サセプタ100と凸部101においてのみ接し、凹部102においては接していない。従って、成長用基板10は、サセプタ100の凸部101に対応する部分の表面温度が凹部102に対応する部分よりも高くなり、サセプタ100の凹凸パターンに対応した温度分布が形成される。
本実施例においては、成長用基板10の凹部102に対応する部分(低温部)の表面温度を535℃に設定したときに、凸部101に対応する部分(高温部)の基板表面温度が539℃(すなわち温度差4℃)となるようにサセプタ100を設計した。図3に示すグラフから明らかなように、基板表面温度が535℃の部分では、空洞含有層20における空洞占有率が99%程度となり、多少の温度変動があったとしても空洞占有率は殆ど変動しない。また基板表面温度が539℃の部分では、空洞含有層20における空洞占有率は概ね80%程度となり、この部分は温度変動による空洞占有率の変動は比較的大きいものと推測される。このように、本実施例に係るサセプタ100を使用して結晶成長を行うことにより、空洞含有層20は、空洞21が比較的高い密度で形成される部分と比較的低い密度で形成される部分を有することとなる。また、成長用基板10の高温部と低温部の少なくとも一方において、基板温度変動に対する空洞占有率の変動の割合が比較的小さくなるような温度領域選択して設定することにより、空洞占有率の制御が容易となる。
表1は、サセプタ100の主面における凸部101の面積比率を変化させた場合のそれぞれについて、空洞含有層20の凸部101に対応する部分における空洞占有率の許容範囲を見積もったものである。ここで「許容範囲」とは、空洞含有層20において凸部101に対応する空洞占有率が比較的低い部分と、凹部102に対応する空洞占有率が比較的高い部分を合わせたウエハ全面でみた場合の平均空洞占有率が、成長用基板の剥離を良好に行うことがきる85〜95%となる範囲である。すなわち、表1は、凸部101の面積比率を変化させた場合のそれぞれについて、ウエハ全面でみた場合の平均空洞占有率が85〜95%の範囲内に収まる空洞含有層20の凸部101に対応する部分の空洞占有率の下限値と上限値を示している。尚、凹部102に対応する部分の空洞含有率は99%一定として計算した。表1の右欄は、空洞占有率の上限値および下限値から導かれる空洞占有率の変動余裕度を示している。すなわち、上記したように、サセプタ100の凸部101に対応する部分の基板表面温度は539℃であり、空洞占有率は、図3のグラフより概ね80%程度であることが推測される。変動余裕度は、表1において示された空洞占有率の許容範囲に基づいて、標準値である80%からどれぐらいの空洞占有率の変動が許容されるかを示した値である。つまり、変動余裕度が大きい程、空洞占有率の制御が容易となり歩留り向上を図ることが可能となる。
Figure 0005519347
表1から明らかなように、サセプタ100の主面における凸部101の面積比率が45%のときに空洞占有率の変動余裕度が10.1%と最大となる。尚、凸部101の面積比率が25%以下又は60%以上となると、空洞占有率の変動余裕度は5%未満となり、一般的な表面が平坦なサセプタを使用して基板表面温度を均一として結晶成長を行った場合の空洞占有率の許容変動幅(プラスマイナス5%(空洞占有率の許容範囲は85〜95%))よりも少なくなる。
以上を踏まえ、本実施例においては、サセプタ100の凸部101上の基板表面温度と、凹部102上の基板表面温度の差が4℃となり、且つサセプタ100の主面における凸部101の面積比率が45%となるようにサセプタ100を設計した。具体的には、サセプタ100の外形は、2インチウエハに対応させて直径Dが50.8mmの円形状とした。図4に示すように、格子状に配列された凸部101の幅W1を3mmとした。図中縦方向および横方向においてサセプタ100の一端部からの距離がそれぞれ10.16mm、20.32mm、30.48mm、40.64mmとなる位置に凸部101を配置して凹部102の幅W2を7mmとした。凸部101の高さH(すなわち凹部102の底面から凸部101の上面まで長さ)を50μmとした。
以下に、上記した構成のサセプタ100を用いた本発明の実施例に係る半導体発光素子の製造方法の詳細について図5乃至図7を参照しつつ説明する。
(空洞含有層形成工程 ステップS1)
空洞含有層形成工程は、高いV/III比で半導体膜を気相成長することにより成長用基板10上にGaN系半導体からなる下地層20を形成する工程と、縦方向成長が助長される条件でGaN成長を行う処理(第1ステップ)と横方向成長が助長される条件でGaN膜の成長を行う処理(第2ステップ)とを交互に複数回繰り返すことにより空洞含有層20を完成させる工程を含む。V/III比とは、III族窒化物系化合物半導体を気相成長する際に供給される原料ガスに含まれるV族元素のモル数をIII族元素のモル数で割った値であり、V族元素とIII族元素の供給比率を意味している。
はじめに、成長用基板10を用意する。本実施例では、MOCVD法(有機金属気相成長法)によりGaN系の半導体膜を形成することができるC面サファイア基板を用いた。一方、MOCVD装置には、表面に凹凸を有するサセプタ100を設置する。
続いて、成長用基板10をMOCVD装置内のサセプタ100上に載置して、成長用基板10を加熱する。このとき、サセプタ100の凸部101に対応する部分の基板表面温度が539℃、凹部102に対応する部分の基板表面温度が535℃となるように温度設定を行う。すなわち、成長用基板10の表面には、サセプタ100の凹凸パターンに対応した温度分布が形成される。窒素13.5LM、水素7LMの雰囲気下でトリメチルガリウム(TMG)(流量11μmol/min)およびアンモニア(NH)(流量3.3LM)を供給して(この場合V/III比は14000程度となる)、厚さ200nm程度のGaNからなる低結晶性の下地層20を成長用基板10上に形成する。下地層20は、基板表面温度が高い部分と、低い部分で結晶性が異なる。下地層20は、空洞含有層20内部の空洞21および柱状構造体22の原型となる凹凸面を有している(図5(a))。
下地層20は、成長用基板10と半導体デバイス層30との格子不整合を緩和する緩衝層として機能するとともに、空洞含有層20内に空洞21および柱状構造体22を形成するための下地を形成する。低温且つ比較的高いV/III比でGaN膜の成長を行うことにより、凹凸面を有する下地層20が成長用基板10上に形成される。高V/III比とすることによりアンモニアリッチとなった状態においては、Gaのマイグレーションが促進され、成長用基板10上で偏りなくGaN膜の成長が起り、成長用基板の剥離に適した空洞21の形成が可能となる。仮に、V/III比が比較的低い条件(3000未満)で成長を行うと、下地層20は、離散的な島状構造となる。これは、低V/III比の下ではGaのマイグレーションが促進されず、原料ガスの気流の影響等を受けてGaN膜の成長が起こり易い部分と起こり難い部分の差が顕著に現れるためである。この場合、空洞21および柱状構造体22の面内分布が不均一となり、成長用基板10が自然剥離を起こしたり、或いは空洞含有層10を起点とした良好な成長用基板10の剥離が困難となる。
尚、TMGの流量は8〜23μmol/min、より好ましくは9〜15μmol/minの範囲で変更することが可能であり、NHの流量は0.5〜5.5LMの範囲で変更することが可能である。この場合、V/III比は、3000〜25000、より好ましくは9000〜25000の範囲内であることが必要となる。また、下地層20の形成工程におけるV/III比をS1、後述する半導体デバイス層形成工程におけるV/III比をS2とすると、S1÷S2の値が0.5〜10、より好ましくは1〜5となる条件下で、各層の成長を行うことが好ましい。また、下地層の成長速度は3〜45nm/min、より好ましくは10〜23nm/minの範囲で変更することが可能である。
下地層20の成膜後、サセプタ100をMOCVD装置から除去し、これに代えて表面が平坦な通常のサセプタ200をMOCVD装置に設置する。すなわち、以降の結晶成長は、成長用基板の表面温度を均一にして行われる。サセプタを交換した後、基板温度を1000℃まで昇温する。基板温度を1000℃に保ったまま、窒素6LM、水素13LMの雰囲気下で、主に縦方向成長が助長される条件で成膜を行う処理(第1ステップと称する)と、主に横方向成長が助長される条件で成膜を行う処理(第2ステップと称する)を交互に各4回ずつ行うことにより、膜さ400nm程度の空洞含有層20を完成させる。第1ステップにおいては、TMGを流量23μmol/minで供給するとともに、NHを流量2.2LMで供給し、膜厚20nm程度の第1のGaN層20b1を下地層20上に形成する。第1ステップでは、GaN膜の構成元素の分解・脱離が生じにくい部分を中心に主にGaN膜の縦方向成長が起る。その結果、下地層20表面に形成された凹凸がより顕著となる。(図5(b))。
第2ステップにおいては、TMGを流量45μmol/minで供給するとともに、NHを流量4.4LMで供給し、膜厚80nm程度の第2のGaN層20b2を形成する。第2ステップでは、主に第1ステップを経て縦方向に成長した第1のGaN層20b1の頂部を起点としてGaN膜の横方向成長が起る(図5(c))。第1ステップおよび第2ステップを交互に4セット繰り返すことにより、空洞21の原型となるGaN膜の凹部を挟んで隣接する核同士が融合し、空洞21および柱状構造体22を内包する空洞含有層20が形成される。横方向成長が複数回行われることにより、空洞含有層20の表面は平坦化され、また、成長用基板とGaN膜との界面に生じた結晶欠陥が屈曲し、これが上層部にまで伝搬しなくなるため、半導体デバイス層30の欠陥密度が低減される。第1ステップと第2ステップとでは、TMGおよびNHの流量が異なるため、GaN膜の成長速度が異なり、GaN膜を構成するGa原子およびN原子の吸着と分解・脱離のバランスが互いに異なることから成長方向に違いが生じる。尚、第1ステップにおけるGaN膜の成長速度は23nm/minであり、第2ステップにおけるGaN膜の成長速度は45nm/minである。
第1ステップおよび第2ステップを繰り返し実施する過程において、以下のような反応が起る。空洞含有層20を構成するGaN膜は、供給されるGa原子およびN原子が基板上に吸着および分解・脱離を繰り返しながら成長していく。第2ステップにおいて横方向成長が進行するに従って、空洞21の原型が形成されていく。すると、空洞21上部の開口幅が次第に小さくなり、空洞21内部にNHが侵入しにくい状態となる。すると、空洞21内部ではGaN膜が成長しにくい状態となる。一方、空洞21内部の結晶性の低い部分では分解・脱離が進みガス状の窒素は、空洞21内部から抜けていく。これにより、空洞21のサイズは次第に大きくなり、これに伴い柱状構造体22のサイズ(幅)は小さくなり、成長用基板10の剥離に適した空洞含有層20が形成される。
先の下地層20の形成工程において、成長用基板10の表面はサセプタ100の凹凸パターンに対応した温度分布を有していたため、下地層20は、基板表面温度が高い部分と、低い部分で結晶性が異なっている。成長用基板10の表面温度が低い部分では下地層20の結晶性は低くなるため、上記第1および第2ステップにおいてGa原子およびN原子の分解・脱離が起こりやすくなり、空洞占有率は高くなる。一方、成長用基板10の表面温度が高い部分では下地層20の結晶性は高くなるため、空洞占有率は低くなる。このように、下地層20の成長過程において、成長用基板表面に温度分布を設けることにより、空洞含有層20内に空洞占有率が高い部分と低い部分が形成される。成長用基板10の表面温度が低い部分(低温部)においては、基板の温度変動に対する空洞占有率の変動割合が比較的小さくなる温度領域が選択されて設定されているので(535℃)、空洞占有率の制御が容易となる。
以上のように、成長用基板10上に低結晶性の下地層20を高V/III比で形成した後、縦方向成長と横方向成長を交互に繰り返す処理を行うことにより、内部に複数の空洞21および幅10μm以下の柱状構造体22を有する空洞含有層20が成長用基板10上に形成される。かかる積層構造体は、成長用基板10を剥離するための機能が付加された剥離機能付き半導体基板として使用することができる。
尚、上記の実施例では下地層20を形成した後の結晶成長は、表面が平坦な通常のサセプタ200を用いて行ったが、凹凸面を有するサセプタ100を継続して使用することも可能である。本実施例のように、サセプタ100の凹部上の基板温度と凸部上の基板温度の差が4℃程度である場合には、かかる温度差が発光特性に与える影響は殆どない。
また、第1ステップおよび第2ステップにおけるGaN膜の成長温度は、800〜1200℃の範囲で変更することが可能である。また、第1ステップにおいてはTMGの流量を10〜30μmol/min、NHの流量を1〜3LMの範囲で変更することが可能である。第2ステップにおいてはTMGの流量を30〜70μmol/min、NHの流量を3〜7LMの範囲で変更することが可能である。また、空洞含有層20を形成する際に、Siを最大5×1017atom/cmドープしてもよい。また、空洞含有層20の膜厚は200〜1000nmの範囲で変更することが可能である。この場合、形成する空洞の大きさ等に応じて第1のGaN層20b1を10〜60nm、第2のGaN層20b2を30〜140nmの範囲で形成すればよい。
(半導体デバイス層形成工程 ステップS2)
次に、MOCVD法により空洞含有層20の上にGaN系半導体からなるn型半導体層31、発光層32およびp型半導体層33を含む半導体デバイス層30を形成する(図6(d))。
具体的には、基板温度を1000℃とし、TMG(流量45μmol/min)、NH(流量4.4LM)およびドーパントガスとしてSiHを供給し、Siが5×1018atom/cmドープされた膜厚3〜10μm程度のn型半導体層31を形成する。尚、TMGの流量は、10〜70μmol/minの範囲で変更することが可能である。また、NHは3.3〜5.5LMの範囲で変更することが可能である。また、V/III比は、2000〜22500、より好ましくは3000〜8000の範囲に設定することが可能である。また、成長速度は0.5〜5μm/hの範囲に設定することが可能である。
次に、基板温度を760℃とし、TMG(流量3.6μmol/min)、トリメチルインジウム(TMI)(流量3.6μmol/min)およびNH(流量4.4LM)を供給し、GaN/InGaN(層厚各2nm)のペアを30ペア形成することにより、歪み緩和層(図示ぜず)を形成する。尚、TMGおよびTMIの流量は1〜10μmol/minの範囲で変更することが可能である。この場合、In組成が20%程度となるようにTMIとTMG流量を同時に変更することが必要となる。またNHの流量は3.3〜5.5LMの範囲で変更することが可能である。また、GaNに代えてInGa1−xNを形成することとしてもよい。この場合、x<yを満たすように、流量調整が必要となる。また、歪緩和層の膜厚は、GaN/InGa1−yNの各層の膜厚やペア数を変更することにより50〜300nmの範囲で変更することが可能である。また、歪緩和層には、Siを最大5×1017atom/cmドープしてもよい。
次に、基板温度を730℃とし、TMG(流量3.6μmol/min)、TMI(流量10μmol/min)およびNH(流量4.4LM)を供給し、GaN障壁層/InGa1−yN井戸層(各14nm/2nm)からなるペアを5ペア形成することにより、多重量子井戸構造の発光層32を形成する。尚、TMGおよびTMIの流量は1〜10μmol/minの範囲で変更することが可能である。この場合、Inの組成比を示すyの値が0.35程度となるようにTMIとTMG流量を同時に変更することが必要となる。またNHの流量は3.3〜5.5LMの範囲で変更することが可能である。また、発光層32には、Siを最大5×1017atom/cmドープしてもよい。
次に、基板温度を870℃とし、TMG(流量8.1μmol/min)、トリメチルアルミニウム(TMA)(流量7.6μmol/min)、NH(流量4.4LM)およびドーパントガスとしてCP2Mg(bis-cyclopentadienyl Mg)を供給することによりMgが1×1020atom/cmドープされた膜厚40nm程度のp型AlGaN層(図示せず)を形成する。尚、TMGの流量は4〜20μmol/minの範囲で変更することが可能である。この場合、Alの組成が20%程度となるようにTMGとTMAの流量を同時に変更することが必要となる。またNHの流量は3.3〜5.5LMの範囲で変更することが可能である。また、p型AlGaN層の膜厚は20〜60nmの範囲で変更することが可能である。
次に、雰囲気温度を870℃とし、TMG(流量18μmol/min)、NH(流量4.4LM)およびドーパントガスとしてCP2Mg(bis-cyclopentadienyl Mg)を供給することによりMgが1×1020atom/cmドープされた膜厚200nm程度のp型半導体層33を形成する。尚、TMGの流量は8〜36μmol/minの範囲で変更することが可能である。またNHの流量は3.3〜5.5LMの範囲で変更することが可能である。また、p型半導体層33の膜厚は100〜300nmの範囲で変更することが可能である。
次に、約900℃の窒素雰囲気下で約1分間の熱処理を行うことにより、p型半導体層33を活性化させる。
(支持基板形成工程 ステップS3)
次に、真空蒸着法等により、p型半導体層33上にPt(1nm)およびAg(300nm)をこの順番で堆積し、電極層40を形成する。Pt層は、p型半導体層33との間でオーミック性接触を形成し、Ag層により高反射率が確保される。続いて、電極層40上にTi(100nm)、Pt(200nm)およびAu(200nm)をこの順番で堆積し、接着層41を形成する。接着層41は後述する支持基板60との接着に用いられる。
次に、成長用基板10に代えて半導体デバイス層30を支持するための支持基板60を用意する。支持基板60としては、例えばSi単結晶基板を用いることができる。支持基板60上には、例えば真空蒸着法によりPt、Ti、Ni、Au、AuSnがこの順番で積層された接着層61が形成される。続いて、支持基板60上に形成された接着層61と半導体デバイス層30上に形成された接着層41とを密着させ真空又はN雰囲気中で熱圧着することにより、半導体デバイス層30のp型半導体層33側に支持基板60を貼り付ける(図6(e))。尚、支持基板60は、接着層41上にCu等からなる金属膜をめっき成長させることにより形成されるものであってもよい。
(成長用基板除去工程 ステップS4)
次に、成長用基板10を半導体デバイス層30から剥離する。成長用基板10は、空洞含有層20内部に形成された幅数μm程度の柱状構造体22を介して半導体デバイス層30に接合しているので、この接続部に対して外部から僅かな力を加えることにより空洞含有層20を剥離境界面として成長用基板10を容易に剥離することが可能である。例えば、成長用基板10に軽い衝撃を与えることにより成長用基板10を剥離することができる。また、超音波等を用いてウエハに振動を与えることにより成長用基板10を剥離することもできる。また、空洞含有層20内部の空洞21に液体を浸透させ、これを加熱することにより生じる水蒸気圧を利用して成長用基板10を剥離することもできる。また、ウエハを酸やアルカリ溶液に浸漬して空洞21内部にエッチャントを浸透させることにより柱状構造体22をエッチングして成長用基板10を剥離することもできる。また、レーザリフトオフ法を補助的に使用して成長用基板10を剥離することとしてもよい。この場合、従来と比較して低エネルギー密度でレーザを照射することができ、デバイスに与えるダメージを低減することができる(図6(f))。
(表面処理工程 ステップS5)
次に、成長用基板10を剥離することによって表出した面を塩酸処理することにより、空洞含有層20に付着した金属Gaを除去するとともに、n型半導体層31表面を表出させる(図7(g))。尚、エッチャントは、塩酸に限らず、GaN膜をエッチングすることが可能なものであればよく、例えば、リン酸、硫酸、KOH、NaOH等を使用することができる。エッチャントとしてKOH等を用いることにより、n型半導体層31表面には、所謂マイクロコーンと呼ばれるGaN結晶構造に由来する六角錐状の突起が多数形成され、これが光取り出し効率の向上に寄与する。また、Arプラズマや塩素系プラズマを用いたドライエッチングによって表面処理を実施してもよい。
(電極形成工程 ステップS6)
次に、表面処理が施されたn型半導体層31表面に真空蒸着法等によりTiおよびAlを順次堆積し、更にボンディング性向上のため、最表面にTi/Auを堆積してn側電極70を形成する(図7(h))。尚、電極材料としてはTi/Al以外に、Al/Rh、Al/Ir、Al/Pt、Al/Pd等を用いることとしてもよい。
(素子分割工程 ステップS7)
次に、n側電極70が形成された支持基板付き半導体デバイス層30を個別のチップに分割する。反応性イオンエッチングにより個々のチップ領域を画定する所定の素子分割ラインに沿って、半導体デバイス層30表面から電極層40に達する深さの素子分割溝(ストリート)を形成する。その後、素子分割溝から露出した支持基板60等をダイシングし、ウエハをチップ状に分割する。支持基板60の分割にはレーザスクライブ等の技術を用いてもよい。以上の各工程を経ることにより半導体発光素子が完成する。
上記した本発明の実施例に係る半導体発光素子の製造方法を適用した場合の成長用基板10の剥離制御性について評価した。10枚中9枚のウエハは、成長用基板除去工程(ステップS4)において成長用基板10の剥離を良好に行うことができた。一方、空洞含有層形成工程(ステップS1)において表面に凹凸が形成されていない平坦なサセプタを使用した場合、9枚中3枚のウエハは、成長用基板剥離工程前に成長用基板が剥離したり、成長用基板剥離工程において成長用基板の剥離を行うことができなかった。これは、空洞含有層20における空洞占有率が所定範囲からずれたためである。このように、表面に凹凸が形成されたサセプタ100を用いて基板表面に温度分布を設けて空洞含有層の結晶成長を行うことにより、空洞含有層における空洞占有率の制御が容易となり、成長用基板の剥離制御性が確保され、歩留り向上を達成できることが確認された。
尚、上記した実施例では、サセプタ100の凸部101のパターンを格子状としたがこれに限定されるものではない。凸部101は、例えばストライプ状、円環状または離散的な島状であってもよい。すなわち、成長用基板表面に所望の温度分布を形成することができるような凹部と凸部が繰り返し連続するようなパターンが形成されていればよい。また、サセプタ100の凹部101に耐熱性を有する樹脂などからなる断熱材を充填し、サセプタ表面を平坦としてもよい。また、上記した実施例ではサセプタ100の凸部101上の基板表面温度と凹部102上の基板表面温度の差を4℃としたが、これに限定されない。成長用基板10の剥離制御性が向上する限りにおいて、成長用基板の表面温度分布を適宜変更することができる。基板表面の温度差は、例えばサセプタ100の凸部101の高さHや凹部の幅W2を大きくすることで拡大することができる。
以下に、サセプタ100の凸部101上の基板表面温度と凹部102上の基板表面温度の差を10℃に設定する場合について説明する。この場合、凹部102に対応する部分の基板表面温度を535℃としたときに、凸部101に対応する部分の基板表面温度が545℃となる。図3に示すグラフから明らかなように、基板表面温度が535℃の部分では、空洞含有層20における空洞占有率が99%程度となり、多少の温度変動があったとしても空洞占有率は殆ど変動しない。一方、基板表面温度が545℃の部分では、空洞含有層20における空洞占有率は概ね65%程度となるが、この部分は温度変動による空洞占有率の変動は比較的大きいものと推測される。
表2は、サセプタ100の凸部101上の基板表面温度と凹部102上の基板表面温度の差を10℃に設定した場合において、サセプタ100の主面における凸部101の面積比率を変化させた場合のそれぞれについて空洞含有層20の凸部101に対応する部分における空洞占有率の許容範囲を見積もったものであり、基板表面の温度差が4℃の場合を示した表1に対応するものである。すなわち、表2は、凸部101の面積比率を変化させた場合のそれぞれについて、ウエハ全面でみた場合の平均空洞占有率が85〜95%の範囲内に収まる空洞含有層20の凸部101に対応する部分の空洞占有率の下限値と上限値を示している。表2の右欄は、空洞占有率の上限値および下限値から導かれる空洞占有率の変動余裕度を示している。
Figure 0005519347
表2から明らかなように、サセプタ100の主面における凸部101の面積比率が25%のときに空洞占有率の変動余裕度が18.0%と最大となる。このように成長用基板の表面温度の差が10℃となるような温度分布を設けることにより、上記した温度差4℃の場合と比べ空洞占有率の変動余裕度が拡大し、空洞占有率の制御が更に容易となる。しかしながら、成長用基板10の表面が10℃といった比較的大きな温度差を有している状態で半導体デバイス層30の成長を行うと、温度が高い部分と低い部分で発光波長がずれることが懸念される。従って、基板表面の温度差を10℃に設定する場合、下地層20の成膜工程以降は、表面が平坦なサセプタを使用して、基板表面の温度分布をフラットにする必要がある。つまり、基板表面の温度差を10℃に設定する場合には、サセプタの交換が必須となる。
以上の説明から明らかなように、本発明の実施例に係る半導体発光素子の製造方法は、気相成長法により内部に多数の空洞を有する空洞含有層を形成する工程を含む。空洞含有層は外部からの応力の印加のみによって成長用基板の剥離を行うための剥離境界面となる層であり、成長用基板の剥離を良好に行うためには、空洞含有層の内部における空洞占有率の制御が重要である。本発明においては、成長用基板表面に温度分布を形成して空洞含有層の成長を行う。これにより、空洞含有層内に空洞占有率が高い部分と低い部分を混在させてウエハ全面でみた場合の平均空洞占有率を成長用基板の剥離を良好に行うことができる範囲に設定するとともに、空洞含有層内において温度変動に対する空洞占有率の変動割合が比較的小さくなる温度領域で成膜される部分を導入している。従って、空洞含有層における空洞占有率の制御が容易となり、成長用基板の剥離制御性が確保され、歩留り向上を達成できる。
尚、上記した実施例においては、本発明を半導体発光素子に適用した場合について説明したが、発光層を有しない半導体デバイスに適用することも可能である。
10 成長用基板
20 空洞含有層
20 下地層
21 空洞
30 半導体デバイス層
31 n型半導体層
32 発光層
33 p型半導体層
60 支持基板
100 サセプタ

Claims (8)

  1. 成長用基板上にIII族窒化物系化合物半導体からなり、且つ層内に複数の空洞を含む空洞含有層を形成する工程と、
    前記空洞含有層の上に、III族窒化物系化合物半導体からなるn型半導体層およびp型半導体層を含む半導体デバイス層を形成する工程と、
    前記半導体デバイス層の上に支持基板を形成する工程と、
    前記空洞含有層を剥離境界面として前記半導体デバイス層から前記成長用基板を除去する工程と、を含み、
    前記空洞含有層を形成する工程は、前記成長用基板の表面に高温部と低温部が繰り返し連続するような温度分布を設けて、気相成長法により前記成長用基板上に前記III族窒化物系化合物半導体を成長させる工程を含み、
    前記空洞含有層は、その積層方向と交差する面内における単位面積あたりの前記空洞の面積の割合が前記高温部に対応する部分と前記低温部に対応する部分で互いに異なっていることを特徴とする半導体素子の製造方法。
  2. 前記空洞含有層の積層方向と交差する面内に占める前記空洞の面積の割合が85%以上95%以下となるように前記高温部と前記低温部の温度差および面積比率が設定されることを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記成長用基板の前記高温部と前記低温部の表面温度は、前記空洞含有層の積層方向と交差する面内における単位面積あたりの前記空洞の面積の割合が前記成長用基板の温度変動に対して互いに異なった割合で変動する温度領域から選択されることを特徴とする請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記空洞含有層を形成する工程において、前記成長用基板は、前記高温部と前記低温部に対応する凹凸面を有するサセプタの前記凹凸面上に載置されて加熱されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1つに記載の製造方法。
  5. 前記空洞含有層を形成する工程は、
    V/III比が3000以上となるようにV族原料とIII族原料を供給する条件下で前記III族窒化物系化合物半導体を成長させて下地層を形成する工程と、
    前記下地層上に互いに異なる成長速度で前記III族窒化物系化合物半導体の成長を行う第1ステップおよび第2ステップを交互に複数回実施する工程と、を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1つに記載の製造方法。
  6. 前記第1ステップは、前記下地層の成長温度よりも高い成長温度でV族原料およびIII族原料を所定の流量で供給して前記III族窒化物を主に縦方向に成長させる処理を含み、
    前記第2ステップは、前記下地層の成長温度よりも高い成長温度で前記第1ステップにおける流量よりも多い流量でV族原料およびIII族原料を供給して前記III族窒化物を主に横方向に成長させる処理を含むことを特徴とする請求項5に記載の製造方法。
  7. 前記第1ステップおよび第2ステップを交互に複数回実施する工程と、前記半導体デバイス層を形成する工程において、前記成長用基板の表面温度は均一であることを特徴とする請求項5又は6に記載の製造方法。
  8. 成長用基板上にIII族窒化物系化合物半導体を積層してなる半導体基板の製造方法であって、
    前記成長用基板の表面に高温部と低温部が繰り返し連続するような温度分布を設けて、気相成長法により前記成長用基板上にIII族窒化物系化合物半導体を成長させて層内に複数の空洞を含む空洞含有層を形成する工程を含むことを特徴とする製造方法。
JP2010059258A 2010-03-16 2010-03-16 半導体素子の製造方法 Expired - Fee Related JP5519347B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010059258A JP5519347B2 (ja) 2010-03-16 2010-03-16 半導体素子の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010059258A JP5519347B2 (ja) 2010-03-16 2010-03-16 半導体素子の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011192899A JP2011192899A (ja) 2011-09-29
JP5519347B2 true JP5519347B2 (ja) 2014-06-11

Family

ID=44797495

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010059258A Expired - Fee Related JP5519347B2 (ja) 2010-03-16 2010-03-16 半導体素子の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5519347B2 (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5612516B2 (ja) * 2011-03-11 2014-10-22 スタンレー電気株式会社 半導体素子の製造方法
JP5603812B2 (ja) 2011-03-11 2014-10-08 スタンレー電気株式会社 半導体素子の製造方法
CN104221170B (zh) * 2012-03-19 2017-02-22 首尔伟傲世有限公司 用于分离外延层与生长基板的方法及使用其的半导体器件
JP2013197340A (ja) * 2012-03-21 2013-09-30 Stanley Electric Co Ltd 半導体発光素子ウェハの製造方法、半導体発光素子ウェハ、及びサセプタ
KR101557083B1 (ko) 2013-10-07 2015-10-05 주식회사 헥사솔루션 반도체 적층 구조 및 그 형성 방법
CN105390571B (zh) * 2015-11-29 2017-11-14 上海澜烨材料技术有限公司 宽禁带半导体材料的生长和分离方法
JP7199307B2 (ja) * 2019-05-24 2023-01-05 株式会社ディスコ 移設方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011192899A (ja) 2011-09-29

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5199057B2 (ja) 半導体素子の製造方法、積層構造体の製造方法、半導体ウエハおよび積層構造体。
JP5519347B2 (ja) 半導体素子の製造方法
CN204809250U (zh) 紫外光发光二极管
JP5117596B2 (ja) 半導体発光素子、ウェーハ、および窒化物半導体結晶層の製造方法
JP5612516B2 (ja) 半導体素子の製造方法
JP6704387B2 (ja) 窒化物半導体成長用基板及びその製造方法、並びに半導体デバイス及びその製造方法
JP5679869B2 (ja) 光半導体素子の製造方法
JP5313651B2 (ja) 半導体素子の製造方法
JP2012142545A (ja) テンプレート、その製造方法及びこれを用いた垂直型窒化物半導体発光素子の製造方法
JP5874495B2 (ja) Gaを含むIII族窒化物半導体の製造方法
KR20120079392A (ko) 반도체 발광소자의 제조방법
JP6207616B2 (ja) オプトエレクトロニクス素子の製造方法
JP5979547B2 (ja) エピタキシャルウェハ及びその製造方法
JP5380754B2 (ja) 窒化物半導体自立基板の製造方法および窒化物半導体デバイスの製造方法
JP5237780B2 (ja) 半導体発光素子の製造方法
JP5620724B2 (ja) 半導体素子の製造方法、積層構造体の製造方法、半導体ウエハおよび積層構造体。
JP5603812B2 (ja) 半導体素子の製造方法
JP3841537B2 (ja) 窒化ガリウム系化合物半導体及びその製造方法
US20140151714A1 (en) Gallium nitride substrate and method for fabricating the same
KR101142082B1 (ko) 질화물 반도체 기판 및 그 제조 방법과 이를 이용한 질화물반도체 소자
JP2011192752A (ja) 半導体素子の製造方法
JP2018511945A (ja) 紫外線発光素子
JP5449414B2 (ja) 半導体発光素子
JP5437121B2 (ja) 半導体素子の製造方法
JP2013197352A (ja) 半導体素子ウエハの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130311

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131031

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140318

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140403

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5519347

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees