JP5516226B2 - 内燃機関装置および自動車 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関装置および自動車に関し、詳しくは、内燃機関と内燃機関の排気を吸気系に再循環する排気再循環装置と内燃機関の空燃比を検出する空燃比センサとを備える内燃機関装置に関する。
従来、この種の内燃機関装置としては、内燃機関の排気通路に配置された空燃比センサを備え、空燃比を強制的にリーン方向に変化させたときの空燃比センサの応答パラメータPlと空燃比を強制的にリッチ方向に変化させたときの空燃比センサの応答パラメータPrとをそれぞれCs周期分だけ検出し、検出したCs周期分の応答パラメータPl,Prの平均値Plav,Pravの比Rを用いて平均値Plav,Pravを補正し、補正後の応答パラメータPl’,Pr’を用いて空燃比センサの異常診断を行なうものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、こうした手法によって空燃比センサの異常診断を行なうことにより、リーン方向とリッチ方向とのうち一方のみに応答遅れが生じた場合でもこれを考慮して空燃比センサの異常診断を適正に行なうことができるようにしている。
特開2010−25090号公報
内燃機関の排気を吸気系に再循環する再循環装置を有する内燃機関装置に対して上述した手法によって空燃比センサの異常診断を行なう場合、異常診断を行なっている最中に再循環量(再循環率)が変化したときに、その影響が応答パラメータPlや応答パラメータPrに現われることがあり、このときにこの応答パラメータPl,Prを用いて空燃比センサの異常診断を行なうと、その診断結果が適正なものとはならずに誤診断となる可能性がある。
本発明の内燃機関装置および自動車は、空燃比センサの異常診断における誤診断を抑制することを主目的とする。
本発明の内燃機関装置および自動車は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の第1の内燃機関装置は、
内燃機関と、前記内燃機関の排気を吸気系に再循環する排気再循環装置と、前記内燃機関の空燃比を検出する空燃比センサと、を備える内燃機関装置であって、
前記空燃比センサの異常診断を行なうための条件が成立したとき、空燃比が理論空燃比より大きくなるよう前記内燃機関を制御するリーン制御と空燃比が理論空燃比より小さくなるよう前記内燃機関を制御するリッチ制御とを交互に複数回に亘って行なう空燃比変更制御を実行する機関制御手段と、
前記機関制御手段により前記空燃比変更制御が実行されているとき、前記空燃比センサの応答遅れの程度を示す遅れ時間を複数回に亘って取得すると共に、前記複数の遅れ時間の各々を取得する際の、前記排気再循環装置による排気の吸気系への再循環量の変化量の積算値または該再循環量と前記内燃機関の吸入空気量との和に対する該再循環量の比率である再循環率の変化量の積算値である、複数の積算変化量を取得する情報取得手段と、
前記取得された複数の積算変化量から予め定められた所定の選択方法により選択した積算変化量である選択積算変化量が予め定められた所定値以下のときには前記取得された複数の遅れ時間を用いて前記空燃比センサの異常診断を行ない、前記選択積算変化量が前記所定値より大きいときには前記空燃比センサの異常診断を行なわない異常診断実行手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の第1の内燃機関装置では、空燃比センサの異常診断を行なうための条件が成立したときには、空燃比が理論空燃比より大きくなるよう内燃機関を制御するリーン制御と空燃比が理論空燃比より小さくなるよう内燃機関を制御するリッチ制御とを交互に複数回に亘って行なう空燃比変更制御を実行し、この空燃比変更制御を実行しているときに、空燃比センサの応答遅れの程度を示す遅れ時間を複数回に亘って取得すると共に、複数の遅れ時間の各々を取得する際の、排気再循環装置による排気の吸気系への再循環量の変化量の積算値または再循環量と内燃機関の吸入空気量との和に対する再循環量の比率である再循環率の変化量の積算値である、複数の積算変化量を取得する。そして、取得した複数の積算変化量から予め定められた所定の選択方法により選択した積算変化量である選択積算変化量が予め定められた所定値以下のときには、複数の遅れ時間を用いて空燃比センサの異常診断を行ない、選択積算変化量が所定値より大きいときには、空燃比センサの異常診断を行なわない。空燃比変更制御を実行しているときに再循環量や再循環率が大きく変化したときには、空燃比センサの異常診断に用いる複数の遅れ時間にその影響が現われる場合がある。したがって、複数の積算変化量から所定の選択方法により選択した選択変化量が所定値より大きいときに、異常診断を行なわないことにより、空燃比センサの異常診断における誤診断を抑制することができる。もとより、選択変化量が所定値以下のときには、空燃比センサの異常診断を行なうから、空燃比センサの異常診断を行なう機会として適正なときに空燃比センサの異常診断を行なうことができる。ここで、「所定の選択方法」は、複数の積算変化量から一つの積算変化量を選択する選択方法であるものとしてもよいし、複数の積算変化量から二つ以上の積算変化量を選択する選択方法であるものとしてもよい。
こうした本発明の第1の内燃機関装置において、前記所定の選択方法は、前記取得された複数の積算変化量のうち前記取得された複数の遅れ時間の中央値である中央遅れ時間に対応する積算変化量を選択する方法である、ものとすることができる。この態様の本発明の第1の内燃機関装置において、前記異常診断実行手段は、前記選択積算変化量が前記所定値以下のとき、前記取得された複数の遅れ時間のうち前記中央遅れ時間を中心として定められた所定範囲内の遅れ時間だけの平均を用いて前記空燃比センサの異常診断を行なう手段である、ものとすることができる。
また、本発明の第1の内燃機関装置において、前記複数の積算変化量の各々は、前記複数の遅れ時間のうち対応する遅れ時間に影響を与えると想定される時間範囲での、前記再循環量の変化量の積算値または前記再循環率の変化量の積算値である、ものとすることができる。
本発明の第2の内燃機関装置は、
内燃機関と、前記内燃機関の排気を吸気系に再循環する排気再循環装置と、前記内燃機関の空燃比を検出する空燃比センサと、を備える内燃機関装置であって、
前記空燃比センサの異常診断を行なうための条件が成立したとき、空燃比が理論空燃比より大きくなるよう前記内燃機関を制御するリーン制御と空燃比が理論空燃比より小さくなるよう前記内燃機関を制御するリッチ制御とを交互に複数回に亘って行なう空燃比変更制御を実行する機関制御手段と、
前記機関制御手段により前記空燃比変更制御が実行されているとき、前記空燃比センサの応答遅れの程度を示す遅れ時間を複数回に亘って取得すると共に、前記複数の遅れ時間の各々を取得する際の、前記排気再循環装置による排気の吸気系への再循環量の変化量の積算値または該再循環量と前記内燃機関の吸入空気量との和に対する該再循環量の比率である再循環率の変化量の積算値である、複数の積算変化量を取得する情報取得手段と、
前記取得された複数の積算変化量の全てが予め定められた所定値以下のときには前記取得された複数の遅れ時間を用いて前記空燃比センサの異常診断を行ない、前記取得された複数の積算変化量の少なくとも一部が前記所定値より大きいときには前記空燃比センサの異常診断を行なわない異常診断実行手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の第2の内燃機関装置では、空燃比センサの異常診断を行なうための条件が成立したときには、空燃比が理論空燃比より大きくなるよう内燃機関を制御するリーン制御と空燃比が理論空燃比より小さくなるよう内燃機関を制御するリッチ制御とを交互に複数回に亘って行なう空燃比変更制御を実行し、この空燃比変更制御を実行しているときに、空燃比センサの応答遅れの程度を示す遅れ時間を複数回に亘って取得すると共に、複数の遅れ時間の各々を取得する際の、排気再循環装置による排気の吸気系への再循環量の変化量の積算値または再循環量と内燃機関の吸入空気量との和に対する再循環量の比率である再循環率の変化量の積算値である、複数の積算変化量を取得する。そして、取得した複数の積算変化量の全てが予め定められた所定値以下のときには、複数の遅れ時間を用いて空燃比センサの異常診断を行ない、複数の積算変化量の少なくとも一部が所定値より大きいときには、空燃比センサの異常診断を行なわない。空燃比変更制御を実行しているときに再循環量や再循環率が大きく変化したときには、空燃比センサの異常診断に用いる複数の遅れ時間にその影響が現われる場合がある。したがって、複数の積算変化量の少なくとも一部が所定値より大きいときに、異常診断を行なわないことにより、空燃比センサの異常診断における誤診断を抑制することができる。もとより、複数の積算変化量の全てが所定値以下のときには、空燃比センサの異常診断を行なうから、空燃比センサの異常診断を行なう機会として適正なときに空燃比センサの異常診断を行なうことができる。
本発明の自動車は、上述のいずれかの態様の本発明の第1または第2の内燃機関装置、即ち、基本的には、内燃機関と、前記内燃機関の排気を吸気系に再循環する排気再循環装置と、前記内燃機関の空燃比を検出する空燃比センサと、を備える内燃機関装置であって、前記空燃比センサの異常診断を行なうための条件が成立したとき、空燃比が理論空燃比より大きくなるよう前記内燃機関を制御するリーン制御と空燃比が理論空燃比より小さくなるよう前記内燃機関を制御するリッチ制御とを交互に複数回に亘って行なう空燃比変更制御を実行する機関制御手段と、前記機関制御手段により前記空燃比変更制御が実行されているとき、前記空燃比センサの応答遅れの程度を示す遅れ時間を複数回に亘って取得すると共に、前記複数の遅れ時間の各々を取得する際の、前記排気再循環装置による排気の吸気系への再循環量の変化量の積算値または該再循環量と前記内燃機関の吸入空気量との和に対する該再循環量の比率である再循環率の変化量の積算値である、複数の積算変化量を取得する情報取得手段と、前記取得された複数の積算変化量から予め定められた所定の選択方法により選択した積算変化量である選択積算変化量が予め定められた所定値以下のときには前記取得された複数の遅れ時間を用いて前記空燃比センサの異常診断を行ない、前記選択積算変化量が前記所定値より大きいときには前記空燃比センサの異常診断を行なわない異常診断実行手段と、を備える内燃機関装置や、内燃機関と、前記内燃機関の排気を吸気系に再循環する排気再循環装置と、前記内燃機関の空燃比を検出する空燃比センサと、を備える内燃機関装置であって、前記空燃比センサの異常診断を行なうための条件が成立したとき、空燃比が理論空燃比より大きくなるよう前記内燃機関を制御するリーン制御と空燃比が理論空燃比より小さくなるよう前記内燃機関を制御するリッチ制御とを交互に複数回に亘って行なう空燃比変更制御を実行する機関制御手段と、前記機関制御手段により前記空燃比変更制御が実行されているとき、前記空燃比センサの応答遅れの程度を示す遅れ時間を複数回に亘って取得すると共に、前記複数の遅れ時間の各々を取得する際の、前記排気再循環装置による排気の吸気系への再循環量の変化量の積算値または該再循環量と前記内燃機関の吸入空気量との和に対する該再循環量の比率である再循環率の変化量の積算値である、複数の積算変化量を取得する情報取得手段と、前記取得された複数の積算変化量の全てが予め定められた所定値以下のときには前記取得された複数の遅れ時間を用いて前記空燃比センサの異常診断を行ない、前記取得された複数の積算変化量の少なくとも一部が前記所定値より大きいときには前記空燃比センサの異常診断を行なわない異常診断実行手段と、を備える内燃機関装置を搭載し、内燃機関からの動力を用いて走行することを要旨とする。
この本発明の自動車では、上述のいずれかの態様の本発明の第1または第2の内燃機関装置を搭載するから、本発明の第1または第2の内燃機関装置が奏する効果、例えば、空燃比センサの異常診断における誤診断を抑制することができる効果などと同様の効果を奏することができる。
本発明の一実施例としての内燃機関装置を搭載したハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 エンジン22の構成の概略を示す構成図である。 エンジンECU24により実行される異常診断ルーチンの一例を示すフローチャートである。 目標空燃比AF*と空燃比センサ135aからの空燃比AFとその空燃比AFの分散である空燃比分散Vafとの時間変化の様子を示す説明図である。 変形例の異常診断ルーチンの一例を示すフローチャートである。 変形例のハイブリッド自動車120の構成の概略を示す構成図である。 変形例のハイブリッド自動車220の構成の概略を示す構成図である。 変形例のハイブリッド自動車320の構成の概略を示す構成図である。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としての内燃機関装置を搭載したハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、ガソリンや軽油などを燃料とするエンジン22と、エンジン22の運転状態を検出する各種センサから信号を入力すると共にエンジン22の燃料噴射制御や点火制御,吸入空気量調節制御などを行なうエンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にキャリアが接続されると共に駆動輪63a,63bにデファレンシャルギヤ62を介して連結された駆動軸32にリングギヤが接続されたプラネタリギヤ30と、例えば同期発電電動機として構成されて回転子がプラネタリギヤ30のサンギヤに接続されたモータMG1と、例えば同期発電電動機として構成されて回転子が駆動軸32に接続されたモータMG2と、モータMG1,MG2を駆動するためのインバータ41,42と、インバータ41,42の図示しないスイッチング素子をスイッチング制御することによってモータMG1,MG2を駆動制御するモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40と、例えばリチウムイオン二次電池として構成されてインバータ41,42を介してモータMG1,MG2と電力をやりとりするバッテリ50と、バッテリ50の端子間電圧や充放電電流Ib,電池温度Tbなどを用いてバッテリ50を管理するバッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52と、シフトレバー81のポジションを検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSPやアクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキポジション,車速センサ88からの車速Vなどを入力すると共にエンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52と通信して車両全体を制御するハイブリッド用電子制御ユニット70と、を備える。
エンジン22は、例えばガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力可能な内燃機関として構成されており、図2に示すように、エアクリーナ122により清浄された空気をスロットルバルブ124を介して吸入すると共に燃料噴射弁126からガソリンを噴射して吸入された空気とガソリンとを混合し、この混合気を吸気バルブ128を介して燃焼室に吸入し、点火プラグ130による電気火花によって爆発燃焼させて、そのエネルギにより押し下げられるピストン132の往復運動をクランクシャフト26の回転運動に変換する。エンジン22からの排気は、一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC),窒素酸化物(NOx)の有害成分を浄化する浄化触媒(三元触媒)を有する浄化装置134を介して外気へ排出されると共に排気を吸気に還流する排気再循環装置(以下、「EGR(Exhaust Gas Recirculation)システム」という)160を介して吸気側に供給される。EGRシステム160は、浄化装置134の後段に接続されて排気を吸気側のサージタンクに供給するためのEGR管162と、EGR管162に配置されステッピングモータ163により駆動されるEGRバルブ164とを備え、EGRバルブ164の開度の調節により、不燃焼ガスとしての排気の還流量を調節して吸気側に還流する。エンジン22は、こうして空気と排気とガソリンとの混合気を燃焼室に吸引することができるようになっている。以下、エンジン22の排気を吸気側に還流することをEGRといい、吸気側に還流される排気の量をEGR量Veという。
エンジンECU24は、CPU24aを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU24aの他に処理プログラムを記憶するROM24bと、データを一時的に記憶するRAM24cと、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。エンジンECU24には、エンジン22の状態を検出する種々のセンサからの信号、例えば、クランクシャフト26の回転位置を検出するクランクポジションセンサ140からのクランクポジションやエンジン22の冷却水の温度を検出する水温センサ142からの冷却水温Tw,燃焼室へ吸排気を行なう吸気バルブ128や排気バルブを開閉するカムシャフトの回転位置を検出するカムポジションセンサ144からのカムポジション,スロットルバルブ124のポジションを検出するスロットルバルブポジションセンサ146からのスロットル開度Ta,吸気管に取り付けられたエアフローメータ148からの吸入空気量Qa,同じく吸気管に取り付けられた温度センサ149からの吸気温,吸気管内の圧力を検出する吸気圧センサ158からの吸気圧Pin,浄化装置134に取り付けられた温度センサ134aからの触媒温度Tc,空燃比センサ135aからの空燃比AF,酸素センサ135bからの酸素信号O2,シリンダブロックに取り付けられてノッキングの発生に伴って生じる振動を検出するノックセンサ159からのノック信号Ks,EGRバルブ164の開度を検出するEGRバルブ開度センサ165からのEGRバルブ開度EVなどが入力ポートを介して入力されている。また、エンジンECU24からは、エンジン22を駆動するための種々の制御信号、例えば、燃料噴射弁126への駆動信号や、スロットルバルブ124のポジションを調節するスロットルモータ136への駆動信号、イグナイタと一体化されたイグニッションコイル138への制御信号、吸気バルブ128の開閉タイミングを変更可能な可変バルブタイミング機構150への制御信号,EGRバルブ164の開度を調整するステッピングモータ163への駆動信号などが出力ポートを介して出力されている。エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータを出力する。なお、エンジンECU24は、クランクポジションセンサ140からのクランクポジションに基づいてクランクシャフト26の回転数即ちエンジン22の回転数Neを演算したり、エアフローメータ148からの吸入空気量Qaとエンジン22の回転数Neとに基づいて体積効率(エンジン22の1サイクルあたりの行程容積に対する1サイクルで実際に吸入される空気の容積の比)KLを演算したり、エアフローメータ148からの吸入空気量QaとEGRバルブ開度センサ165からのEGRバルブ開度EVとエンジン22の回転数Neとに基づいてEGR量Veとエンジン22の吸入空気量Qaとの和に対するEGR量Veの比率としてのEGR率Reを演算したり、ノックセンサ159からのノック信号Ksの大きさや波形に基づいてノッキングの発生レベルを示すノック強度Krを演算したりしている。
ここで、実施例の内燃機関装置のハード構成としては、主としてエンジン22,EGRシステム160,空燃比センサ135a,エンジンECU24が該当する。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸32に出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力が駆動軸32に出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてがプラネタリギヤ30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されて駆動軸32に出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部がプラネタリギヤ30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力が駆動軸32に出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力を駆動軸32に出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。なお、トルク変換運転モードと充放電運転モードは、いずれもエンジン22の運転を伴って要求動力が駆動軸32に出力されるようエンジン22とモータMG1,MG2とを制御するモードであり、実質的な制御における差異はないため、以下、両者を合わせてエンジン運転モードという。
エンジン運転モードでは、ハイブリッド用電子制御ユニット70は、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accと車速センサ88からの車速Vとに基づいて駆動軸32に出力すべき要求トルクTr*を設定し、設定した要求トルクTr*に駆動軸32の回転数Nr(例えば、モータMG2の回転数Nm2に換算係数を乗じて得られる回転数や車速Vに換算係数を乗じて得られる回転数)を乗じて走行に要求される走行用パワーPr*を計算すると共に計算した走行用パワーPr*からバッテリ50の残容量(SOC)に基づいて得られるバッテリ50の充放電要求パワーPb*(バッテリ50から放電するときが正の値)を減じてエンジン22から出力すべきパワーとしての要求パワーPe*を設定し、要求パワーPe*を効率よくエンジン22から出力することができるエンジン22の回転数NeとトルクTeとの関係としての動作ライン(例えば燃費最適動作ライン)を用いてエンジン22の目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを設定し、バッテリ50を充放電してもよい最大電力としてバッテリ50の残容量(SOC)やバッテリ50の温度により設定される入出力制限Win,Woutの範囲内で、エンジン22の回転数Neが目標回転数Ne*となるようにするための回転数フィードバック制御によりモータMG1から出力すべきトルクとしてのトルク指令Tm1*を設定すると共にモータMG1をトルク指令Tm1*で駆動したときにプラネタリギヤ30を介して駆動軸32に作用するトルクを要求トルクTr*から減じてモータMG2のトルク指令Tm2*を設定し、目標回転数Ne*と目標トルクTe*とについてエンジンECU24に送信し、トルク指令Tm1*,Tm2*についてはモータECU40に送信する。そして、目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、目標回転数Ne*と目標トルクTe*とに基づいてEGR率Reの目標値としての目標EGR率Re*を設定し、目標回転数Ne*と目標トルクTe*とによってエンジン22が運転されるようエンジン22の制御(具体的には、スロットルバルブ124の開度を制御する吸入空気量制御や、燃料噴射弁126からの燃料噴射量を制御する燃料噴射制御,点火プラグ130の点火時期を制御する点火制御,吸気バルブ128の開閉タイミングを制御する吸気バルブタイミング可変制御など)を行なうと共にEGR率Reが目標EGR率Re*となるようEGRシステム160のEGRバルブ164の開度を制御するEGR制御を行なう。また、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、モータMG1,MG2がトルク指令Tm1*,Tm2*で駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。エンジン運転モードでは、要求パワーPe*がエンジン22を効率よく運転するためにエンジン22の運転を停止した方がよいとして予め設定された閾値Pstop未満に至ったときにエンジン22の運転を停止してモータ運転モードに移行する。
モータ運転モードでは、ハイブリッド用電子制御ユニット70は、モータMG1のトルク指令Tm1*に値0を設定すると共にバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で要求トルクTr*が駆動軸32に出力されるようモータMG2のトルク指令Tm2*を設定してモータECU40に送信する。そして、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、モータMG1,MG2がトルク指令Tm1*,Tm2*で駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。モータ運転モードでは、上述の要求パワーPe*がエンジン22を効率よく運転するためにエンジン22を始動した方がよいとして予め設定された閾値Pstart以上に至ったときにエンジン22を始動してエンジン運転モードに移行する。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作、特に、空燃比センサ135aに異常が生じているか否かを診断する異常診断を実行する際の動作について説明する。図3はエンジンECU24により実行される異常診断ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、エンジン22が運転されているときに繰り返し実行される。
異常診断ルーチンが実行されると、エンジンECU24のCPU24aは、まず、空燃比センサ135aの異常診断を行なうための異常診断条件が成立しているか否かを判定する(ステップS100)。ここで、異常診断条件としては、水温センサ142からのエンジン22の冷却水温Twが所定温度(例えば、70℃など)以上である条件、空燃比センサ135aが活性状態(例えば、エアフローメータ148からの吸入空気量Qaの積算値などに基づいて推定される空燃比センサ135aの温度が活性化温度以上である状態)である条件、エアフローメータ148からのエンジン22の吸入空気量Qaが所定空気量範囲(例えば、3〜15g/secなど)である条件、温度センサ134aからの触媒温度Tcが所定温度(例えば、500℃など)以上である条件、空燃比センサ135aからの空燃比AFが所定空燃比範囲(例えば、12〜16など)である条件、空燃比センサ135aからの空燃比AFの補正率が所定補正率範囲(例えば、プラスマイナス5%範囲)である条件、現在の空燃比学習領域で学習が完了している条件、キャニスタパージ制御を実行していない条件、エンジン22の運転状態がアイドル運転状態ではない条件、空燃比センサ135aの異常診断が完了していない(イグニッションオンされたときに初期値として値0が設定されると共に空燃比センサ135aの異常診断が完了したときに値1が設定される異常診断完了フラグFdが値0である)条件、などを挙げることができる。これらの条件の全てを異常診断条件として用いるものとしてもよいし、これらの条件の一部を異常診断条件として用いるものとしてもよい。また、これらの条件の一部や全部に代えてまたはこれらの条件の全部に代えて他の条件を異常診断条件として用いるものとしてもよい。異常診断条件が成立していないと判定されたときには、そのまま本ルーチンを終了する。
一方、異常診断条件が成立していると判定されたときには、空燃比センサ135aの異常診断を行なうと判断し、まず、空燃比が理論空燃比(例えば、14.7など)より小さなリッチ空燃比AFri(例えば、14.1など)になるようエンジン22を制御するリッチ制御を開始し(ステップS110)、その後、エンジン22の制御をリッチ制御から空燃比AFが理論空燃比より大きなリーン空燃比AFle(例えば、15.1など)になるようエンジン22を制御するリーン制御に切り替えるタイミングとしてのリーン方向切替タイミングに至るのを待つ(ステップS120)。ここで、リッチ制御やリーン制御における燃料噴射制御は、空燃比の目標値としての目標空燃比AF*にリッチ空燃比AFriやリーン空燃比AFleを設定し、空燃比センサ135aからの空燃比AFが目標空燃比AF*になるように燃料噴射量を設定し、設定した燃料噴射量に相当する燃料噴射時間だけ開弁されるよう燃料噴射弁126を駆動することにより行なうことができる。また、リーン方向切替タイミングは、例えば、リッチ制御を開始した後に空燃比センサ135aからの空燃比AFと酸素センサ135bからの酸素信号O2とが共にリッチ側の値になったタイミングや、リッチ制御を開始してから所定時間(例えば、空燃比センサ135aからの空燃比AFと酸素センサ135bからの酸素信号O2が共にリッチ側の値となるのに要すると想定される時間など)が経過したタイミングなどとすることができる。このステップS110,S120の処理を行なうのは、後述の積算変化量Sdle(1)を適正に取得するためである。
リーン方向切替タイミングに至ると、変数Cに値1を設定し(ステップS130)、リーン制御を開始し(ステップS140)、目標空燃比AF*をリッチ空燃比AFriからリーン空燃比AFleに変化させたときの空燃比センサ135aの応答遅れであるリーン方向応答遅れの程度を示すリーン方向遅れ時間Tdle(C)と、リーン方向遅れ時間Tdle(C)を取得する際のEGR率Reの変化量の積算値としての積算変化量Sdle(C)と、を取得し(ステップS150)、エンジン22の制御をリーン制御からリッチ制御に切り替えるタイミングとしてのリッチ方向切替タイミングに至るのを待つ(ステップS160)。ここで、リッチ方向切替タイミングは、例えば、リーン制御を開始した後に空燃比センサ135aからの空燃比AFと酸素センサ135bからの酸素信号O2とが共にリーン側の値になったタイミングや、リーン制御を開始してから所定時間(例えば、空燃比センサ135aからの空燃比AFと酸素センサ135bからの酸素信号O2が共にリーン側の値となるのに要すると想定される時間など)が経過したタイミングなどとすることができる。そして、リッチ方向切替タイミングに至ると、リッチ制御を開始し(ステップS170)、目標空燃比AF*をリーン空燃比AFleからリッチ空燃比AFriに変化させたときの空燃比センサ135aの応答遅れであるリッチ方向応答遅れの程度を示すリッチ方向遅れ時間Tdri(C)と、リッチ方向遅れ時間Tdri(C)を取得する際のEGR率Reの変化量の積算値としての積算変化量Sdri(C)と、を取得し(ステップS180)、前述のリーン方向切替タイミングに至るのを待つ(ステップS190)。以下、リーン方向遅れ時間Tdle(C)やこれに対応する積算変化量Sdle(C),リッチ方向遅れ時間Tdri(C)やこれに対応する積算変化量Sdri(C)の取得方法について説明する。
図4は、目標空燃比AF*と空燃比センサ135aからの空燃比AFとその空燃比AFの分散である空燃比分散Vafとの時間変化の様子を示す説明図である。実施例では、図示するように、目標空燃比AF*をリッチ空燃比AFriからリーン空燃比AFleに変化させる時刻t1と空燃比センサ135aからの空燃比AFがリーン空燃比AFleに向けて変化し始める時刻t2との時刻差(t2−t1)をリーン方向遅れ時間Tdle(C)とするものとし、具体的には、時刻t1を取得する共に時刻t1の後に空燃比分散Vafが大きくなった時刻を時刻t2として取得し、取得した時刻t2と時刻t1との時刻差(t2−t1)をリーン方向遅れ時間Tdle(C)として計算して取得するものとした。また、実施例では、図示するように、目標空燃比AF*をリーン空燃比AFleからリッチ空燃比AFriに変化させる時刻t3と空燃比センサ135aからの空燃比AFがリッチ空燃比AFriに向けて変化し始める時刻t4との時刻差(t4−t3)をリッチ方向遅れ時間Tdri(C)とするものとし、具体的には、時刻t3を取得する共に時刻t3の後に空燃比分散Vafが大きくなった時刻を時刻t4として取得し、取得した時刻t4と時刻t3との時刻差(t4−t3)をリッチ方向遅れ時間Tdri(C)として計算して取得するものとした。なお、任意の時刻tの空燃比分散Vaf(t)は、時刻t〜時刻(t−M+1)の空燃比センサ135aからの空燃比AF(t)〜AF(t−M+1)を用いて次式(1)により計算することができ、式(1)中、「M」は2以上の所定値(例えば5や10など)を用いることができ、時刻(t−i)と時刻(t−i−1)との間隔は例えば空燃比センサ135aからの空燃比AFの入力間隔などを用いることができる。また、図4中、「Tele(C)」は、リーン方向遅れ時間Tdle(C)に影響を与えると想定される時間範囲を示し、「Teri(C)」は、リッチ方向遅れ時間Tdri(C)に影響を与えると想定される時間範囲を示す。この時間範囲Tele(C)や時間範囲Teri(C)は、予め実験や解析などによって定めることができ、例えば、時間範囲Teleについては今回のリーン制御を開始する直前のリッチ制御の開始からの時間範囲などとして定めることができ、時間範囲Teriについては今回のリッチ制御を開始する直前のリーン制御の開始からの時間範囲などとして定めることができる。実施例では、積算変化量Sdle(C)は、リーン方向遅れ時間Tdle(C)でのEGR率Reの変化量の積算値として計算して取得するものとし、具体的には、EGR率Reを入力すると共に入力したEGR率Reを用いて式(2)により積算変化量Sdle(C)を更新する処理を、時間範囲Tele(C)に比して十分に短い所定時間毎(例えば、数十msec毎など)に時間範囲Tele(C)に亘って繰り返し実行することによって計算して取得するものとした。また、積算変化量Sdri(C)は、リッチ方向遅れ時間Tdri(C)でのEGR率Reの変化量の積算値として計算して取得するものとし、具体的には、EGR率Reを入力すると共に入力したEGR率Reを用いて式(3)により積算変化量Sdle(C)を更新する処理を、時間範囲Teri(C)に比して十分に短い所定時間毎(例えば、数十msec毎など)に時間範囲Teri(C)に亘って繰り返し実行することによって計算して取得するものとした。
Figure 0005516226
以上、リーン方向遅れ時間Tdle(C)やこれに対応する積算変化量Sdle(C),リッチ方向遅れ時間Tdri(C)やこれに対応する積算変化量Sdri(C)の取得方法について説明した。図3の異常診断ルーチンの説明に戻る。ステップS190でリーン方向切替タイミングに至ったと判定されると、変数Cが所定値Cnに至ったか否かを判定し(ステップS200)、変数Cが所定値Cnに至っていないと判定されたときには、変数Cを値1だけインクリメントして(ステップS210)、ステップS140に戻る。ここで、所定値Cnは、リーン制御とリッチ制御との組み合わせ(ステップS140〜S190の処理)を繰り返し実行する回数、即ち、リーン方向遅れ時間Tdle(C)や積算変化量Sdle(C),リッチ方向遅れ時間Tdri(C)や積算変化量Sdri(C)の取得目標数であり、例えば、値5や値7などを用いることができる。
こうしてステップS140〜S210の処理を繰り返し実行している最中にステップS200で変数Cが所定値Cnに等しいと判定されると、リーン方向遅れ時間Tdle(1)〜Tdle(Cn)やこれらのそれぞれに対応する積算変化量Sdle(1)〜Sdle(Cn),リッチ方向遅れ時間Tdri(1)〜Tdri(Cn)やこれらのそれぞれに対応する積算変化量Sdri(1)〜Sdri(Cn)を取得したと判断し、リーン方向遅れ時間Tdle(1)〜Tdle(Cn)の中央値をリーン方向中央遅れ時間Tdlecenとして設定すると共に積算変化量Sdle(1)〜Sdle(Cn)のうち中央遅れ時間Tdlecenに対応する積算変化量を判定用積算変化量Sdlecenとして設定し(ステップS220)、リッチ方向遅れ時間Tdri(1)〜Tdri(Cn)の中央値をリッチ方向中央遅れ時間Tdricenとして設定すると共に積算変化量Sdri(1)〜Sdri(Cn)のうちリッチ方向中央遅れ時間Tdricenに対応する積算変化量を判定用積算変化量Sdricenとして設定し(ステップS230)、設定した判定用積算変化量Sdlecenを閾値Sdlerefと比較すると共に(ステップS240)、判定用積算変化量Sdricenを閾値Sdrirefと比較する(ステップS250)。ここで、閾値Sdlerefや閾値Sdrirefは、空燃比センサ135aの異常診断を行なうか否かを判定するために用いられる閾値であり、実施例では、空燃比センサ135aの異常診断を適正に行なうことができる(誤診断しない)と想定される範囲の上限として実験や解析などによって予め定められた値を用いるものとした。
判定用積算変化量Sdlecenが閾値Sdleref以下であると共に判定用積算変化量Sdricenが閾値Sdriref以下であるときには、空燃比センサ135aの異常診断を行なうと判断し、リーン方向遅れ時間Tdle(1)〜Tdle(Cn)のうちリーン方向中央遅れ時間Tdlecenを中心とした範囲(具体的には、値(Tdlecen−αle)以上で値(Tdlecen+αle)以下の範囲、以下、リーン方向遅れ時間許容範囲という)外のリーン方向遅れ時間を用いずにリーン方向遅れ時間許容範囲内のリーン方向遅れ時間だけの平均をリーン方向平均遅れ時間Tdleaveとして計算し(ステップS260)、リッチ方向遅れ時間Tdri(1)〜Tdri(Cn)のうちリッチ方向中央遅れ時間Tdricenを中心とした範囲(具体的には、値(Tdricen−αri)以上で値(Tdricen+αri)以下の範囲、以下、リッチ方向遅れ時間許容範囲という)外のリッチ方向遅れ時間を用いずにリッチ方向遅れ時間許容範囲内のリッチ方向遅れ時間だけの平均をリッチ方向平均遅れ時間Tdriaveとして計算し(ステップS270)、計算したリーン方向平均遅れ時間Tdleaveとリッチ方向平均遅れ時間Tdriaveとを用いて空燃比センサ135aに異常が生じているか否かを判定し(ステップS280)、前述の異常診断完了フラグFdに値1を設定して(ステップS290)、本ルーチンを終了する。ここで、値αleや値αriは、空燃比センサ135aの異常診断を適正に行なうために予め実験や解析などによって定めることができる。また、ステップS280の処理は、実施例では、リーン方向平均遅れ時間Tdleaveをリーン方向応答遅れの程度の許容上限として定められた閾値Tdlerefと比較すると共にリッチ方向平均遅れ時間Tdriaveをリッチ方向応答遅れの程度の許容上限として定められた閾値Tdrirefと比較し、リーン方向平均遅れ時間Tdleaveが閾値Tdleref以下であると共にリッチ方向平均遅れ時間Tdriaveが閾値Tdriref以下であるときには空燃比センサ135aは正常であると判断し、リーン方向平均遅れ時間Tdleaveが閾値Tdleref以下であるがリッチ方向平均遅れ時間Tdriaveが閾値Tdrirefより大きいときにはリッチ方向応答遅れが許容上限を超える異常(以下、リッチ方向異常という)が空燃比センサ135aに生じていると判断し、リッチ方向平均遅れ時間Tdriaveが閾値Tdriref以下であるがリーン方向平均遅れ時間Tdleaveが閾値Tdlerefより大きいときにはリーン方向応答遅れが許容上限を超える異常(以下、リーン方向異常という)が空燃比センサ135aに生じていると判断するものとした。実施例では、リーン方向遅れ時間Tdle(1)〜Tdle(Cn)のうちリーン方向遅れ時間許容範囲外のリーン方向遅れ時間を用いずにリーン方向平均遅れ時間Tdleaveを計算すると共に、リッチ方向遅れ時間Tdri(1)〜Tdri(Cn)のうちリッチ方向遅れ時間許容範囲外のリッチ方向遅れ時間を用いずにリッチ方向平均遅れ時間Tdriaveを計算することにより、空燃比センサ135aの検出誤差などの影響を抑制し、リッチ方向平均遅れ時間Tdriaveやリーン方向平均遅れ時間Tdleaveをより適正に計算することができ、ひいては、空燃比センサ135aの異常診断をより適正に行なうことができる。もとより、実施例では、EGRを伴ってリーン制御やリッチ制御を繰り返し実行したときにリーン方向遅れ時間Tdle(1)〜Tdle(Cn)やリッチ方向遅れ時間Tdri(1)〜Tdri(Cn)を取得して空燃比センサ135aの異常診断を行なうから、EGRを停止してリーン制御やリッチ制御を繰り返し実行したときに複数のリーン方向遅れ時間や複数のリッチ方向遅れ時間を取得して空燃比センサ135aの異常診断を行なうものに比して、リーン制御やリッチ制御を行なうときのエンジン22のエネルギ効率の向上を図ることができる。
ステップS240で判定用積算変化量Sdlecenが閾値Sdlerefより大きいときや、ステップS250で判定用積算変化量Sdricenが閾値Sdrirefより大きいときには、空燃比センサ135aの異常診断を行なわないと判断し、空燃比センサ135aの異常診断を行なうことなく、本ルーチンを終了する。これにより、空燃比センサ135aの異常診断における誤診断を抑制することができる。なお、この場合、本ルーチンが次回以降に実行されたときにおいて、ステップS100で異常診断条件が成立したときに、再びステップS110以降の処理を行なうことになる。
いま、リーン制御とリッチ制御とを交互に繰り返し実行している最中にEGR率Reが過渡的に大きくなったときを考える。なお、EGR率Reが過渡的に大きくなるときとしては、アクセルペダル83が大きく踏み戻されてスロットル開度Taが急激に小さくなったときなどが考えられる。このときには、空燃比がリーン側になることにより、空燃比センサ135aの応答遅れの程度が実際には許容範囲(正常範囲)であるときでもEGR率Reの変化の影響によってリーン方向遅れ時間Tdle(C)(1≦C≦Cn)が許容範囲を超えて大きくなってしまう場合がある。実施例では、空燃比センサ135aの異常診断において、リーン方向遅れ時間Tdle(1)〜Tdle(Cn)のうちリーン方向中央遅れ時間Tdlecenを中心としたリーン方向遅れ時間許容範囲内のものの平均をリーン方向平均遅れ時間Tdleaveとして用いるから、リーン方向遅れ時間Tdle(1)〜Tdle(Cn)のうちEGR率Reの変化の影響を大きく受けたものがリーン方向中央遅れ時間Tdlecenに設定された場合には、リーン方向遅れ時間Tdle(1)〜Tdle(Cn)のうちEGR率Reの変化の影響をそれほど受けていないものがリーン方向平均遅れ時間Tdleaveの計算に用いられず、空燃比センサ135aの異常診断が誤診断となってしまう可能性がある。これを踏まえて、実施例では、判定用積算変化量Sdlecenが閾値Sdlerefより大きいときや判定用積算変化量Sdricenが閾値Sdrirefより大きいときには、空燃比センサ135aの異常診断を行なわないものとした。これにより、空燃比センサ135aの異常診断における誤診断を抑制することができる。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、空燃比センサ135aの異常診断を行なうための異常診断条件が成立してリーン制御とリッチ制御とを交互に複数回に亘って行なっているときに、リーン方向遅れ時間Tdle(1)〜Tdle(Cn)やこれらのそれぞれに対応する積算変化量Sdle(1)〜Sdle(Cn),リッチ方向遅れ時間Tdri(1)〜Tdri(Cn)やこれらのそれぞれに対応する積算変化量Sdri(1)〜Sdri(Cn)を取得し、取得した積算変化量Sdle(1)〜Sdle(Cn)のうちリーン方向遅れ時間Tdle(1)〜Tdle(Cn)の中央値に対応する積算変化量を判定用積算変化量Sdlecenとして設定すると共に取得した積算変化量Sdri(1)〜Sdri(Cn)のうちリッチ方向遅れ時間Tdri(1)〜Tdri(Cn)の中央値に対応する積算変化量を判定用積算変化量Sdricenとして設定し、判定用積算変化量Sdlecenが閾値Sdlerefより大きいときや判定用積算変化量Sdricenが閾値Sdrirefより大きいときには、空燃比センサ135aの異常診断を行なわないから、空燃比センサ135aの異常診断における誤診断を抑制することができる。もとより、判定用積算変化量Sdlecenが閾値Sdleref以下であると共に判定用積算変化量Sdricenが閾値Sdriref以下であるときには、空燃比センサ135aの異常診断を行なうから、空燃比センサ135aの異常診断を行なう機会として適正なときに空燃比センサ135aの異常診断を行なうことができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、積算変化量Sdle(C)は、リーン方向遅れ時間Tdle(C)を取得する際のEGR率Reの変化量の積算値であり、積算変化量Sdri(C)は、リッチ方向遅れ時間Tdri(C)を取得する際のEGR率Reの変化量の積算値であるものとしたが、これらに代えて、積算変化量Sdle(C)は、リーン方向遅れ時間Tdle(C)を取得する際のEGR量Veの変化量の積算値であり、積算変化量Sdri(C)は、リッチ方向遅れ時間Tdri(C)を取得する際のEGR量Veの変化量の積算値であるものとしてもよい。これらの場合、積算変化量Sdle(C)や積算変化量Sdri(C)は、前述の式(2)や式(3)の「Re」を「Ve」に置き換えることによって計算することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、図4に示したように、目標空燃比AF*をリッチ空燃比AFriからリーン空燃比AFleに変化させる時刻t1とその後に空燃比分散Vafが大きくなった時刻t2との時刻差(t2−t1)をリーン方向遅れ時間Tdle(C)とすると共に、目標空燃比AF*をリーン空燃比AFleからリッチ空燃比AFriに変化させる時刻t3とその後に空燃比分散Vafが大きくなった時刻t4との時刻差(t4−t3)をリッチ方向遅れ時間Tdri(C)とするものとしたが、時刻t2や時刻t4については、空燃比分散Vafを用いて定めるものに限られず、例えば、空燃比センサ135aからの空燃比AFの変化方向(増加または減少)が切り替わるタイミングとするなどとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、積算変化量Sdle(1)〜Sdle(Cn)のうち中央遅れ時間Tdlecenに対応する積算変化量を判定用積算変化量Sdlecenとして設定すると共に、積算変化量Sdri(1)〜Sdri(Cn)のうちリッチ方向中央遅れ時間Tdricenに対応する積算変化量を判定用積算変化量Sdricenとして設定するものとしたが、他の選択方法により判定用積算変化量Sdlecenや判定用積算変化量Sdricenを設定するものとしてもよく、例えば、積算変化量Sdle(1)〜Sdle(Cn)から判定用積算変化量Sdlecenを設定する際において、リーン方向遅れ時間Tdle(1)〜Tdle(Cn)のうちこれらの平均に最も近いリーン方向遅れ時間に対応する積算変化量を判定用積算変化量Sdlcenとして設定するものとしたり、積算変化量Sdri(1)〜Sdri(Cn)の中央値を判定用積算変化量Sdlcenとして設定するものとしたりしてもよい。また、判定用積算変化量Sdlecenや判定用積算変化量Sdricenは、それぞれ一つずつに限られず、それぞれ二つ以上ずつであるものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、判定用積算変化量Sdlecenと判定用積算変化量Sdricenとを用いて空燃比センサ135aの異常診断を行なうか否かを判定するものとしたが、これらのうち一方だけを用いて空燃比センサ135aの異常診断を行なうか否かを判定するものとしてもよい。また、判定用積算変化量Sdlecenや判定用積算変化量Sdricenに代えて、積算変化量Sdle(1)〜Sdle(Cn)や積算変化量Sdri(1)〜Sdri(Cn)を用いて空燃比センサ135aの異常診断を行なうか否かを判定するものとしてもよい。この場合の異常診断ルーチンの一例を図5に示す。図5の異常診断ルーチンは、図3の異常診断ルーチンのステップS220〜S250の処理に代えて、ステップS300〜S340の処理を実行する点を除いて図3の異常診断ルーチンと同一である。したがって、同一の処理については同一のステップ番号を付し、その詳細な説明は省略する。図5の異常診断ルーチンでは、ステップS200で変数Cが所定値Cnに等しいと判定されると、リーン方向遅れ時間Tdle(1)〜Tdle(Cn)やこれらのそれぞれに対応する積算変化量Sdle(1)〜Sdle(Cn),リッチ方向遅れ時間Tdri(1)〜Tdri(Cn)やこれらのそれぞれに対応する積算変化量Sdri(1)〜Sdri(Cn)を取得したと判断し、変数Cに値1を設定し(ステップS300)、積算変化量Sdle(C)を前述の閾値Sdlerefと比較すると共に(ステップS310)、積算変化量Sdri(C)を前述の閾値Sdrirefと比較し(ステップS320)、積算変化量Sdle(C)が閾値Sdleref以下であると共に積算変化量Sdle(C)が閾値Sdriref以下であるときには、変数Cを所定値Cnと比較し(ステップS330)、変数Cが所定値Cn未満のときには、変数Cを値1だけインクリメントして(ステップS340)、ステップS310に戻る。こうしてステップS310〜S340の処理を繰り返し実行してステップS330で変数Cが所定値Cnに等しいと判定されると、空燃比センサ135aの異常診断を行なって(ステップS260〜S290)、本ルーチンを終了する。一方、ステップS330で変数Cが所定値Cnに等しいと判定される前に、ステップS310で積算変化量Sdle(C)が閾値Sdlerefより大きいときや、ステップS320で積算変化量Sdri(C)が閾値Sdrirefより大きいときには、そのまま本ルーチンを終了する。即ち、積算変化量Sdle(1)〜Sdle(Cn)の全てが閾値Sdleref以下であると共に積算変化量Sdri(1)〜Sdri(Cn)の全てが閾値Sdriref以下であるときには、空燃比センサ135aの異常診断を行ない、積算変化量Sdle(1)〜Sdle(Cn)の少なくとも一部が閾値Sdlerefより大きいときや、積算変化量Sdri(1)〜Sdri(Cn)の少なくとも一部が閾値Sdrirefより大きいときには、空燃比センサ135aの異常診断を行なわないのである。これにより、実施例と同様の効果、例えば、空燃比センサ135aの異常診断における誤診断を抑制することができるなどの効果を奏する。この変形例では、積算変化量Sdle(1)〜Sdle(Cn)と積算変化量Sdri(1)〜Sdri(Cn)とを用いて空燃比センサ135aの異常診断を行なうか否かを判定するものとしたが、積算変化量Sdle(1)〜Sdle(Cn)と積算変化量Sdri(1)〜Sdri(Cn)とのうちいずれか一方だけを用いて空燃比センサ135aの異常診断を行なうか否かを判定するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、空燃比センサ135aの異常診断を行なう際に、リーン方向遅れ時間Tdle(1)〜Tdle(Cn)のうちリーン方向遅れ時間許容範囲外のリーン方向遅れ時間を用いずにリーン方向遅れ時間許容範囲内のリーン方向遅れ時間だけの平均をリーン方向平均遅れ時間Tdleaveとして計算し、リッチ方向遅れ時間Tdri(1)〜Tdri(Cn)のうちリッチ方向遅れ時間許容範囲外のリッチ方向遅れ時間を用いずにリッチ方向遅れ時間許容範囲内のリッチ方向遅れ時間だけの平均をリッチ方向平均遅れ時間Tdriaveとして計算するものとしたが、リーン方向遅れ時間Tdle(1)〜Tdle(Cn)の全ての平均をリーン方向平均遅れ時間Tdleaveとして計算すると共にリッチ方向遅れ時間Tdri(1)〜Tdri(Cn)の全ての平均をリッチ方向平均遅れ時間Tdriaveとして計算するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、空燃比センサ135aの異常診断を行なう際に、リーン方向平均遅れ時間Tdleaveとリッチ方向平均遅れ時間Tdriaveとを用いて空燃比センサ135aに異常が生じているか否かを判定するものとしたが、リーン方向平均遅れ時間Tdleaveとリッチ方向平均遅れ時間Tdriaveとのうち一方だけを用いて空燃比センサ135aに異常が生じているか否かを判定するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、モータMG2からの動力を駆動輪63a,63bに連結された駆動軸32に出力するものとしたが、図6の変形例のハイブリッド自動車120に例示するように、モータMG2からの動力を駆動軸32が接続された車軸(駆動輪63a,63bが接続された車軸)とは異なる車軸(図6における車輪64a,64bに接続された車軸)に出力するものとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22からの動力をプラネタリギヤ30を介して駆動軸32に出力すると共にモータMG2からの動力を駆動軸32に出力するものとしたが、図7の変形例のハイブリッド自動車220に例示するように、駆動輪63a,63bに連結された駆動軸に変速機230を介してモータMGを取り付け、モータMGの回転軸にクラッチ229を介してエンジン22を接続する構成とし、エンジン22からの動力をモータMGの回転軸と変速機230とを介して駆動軸に出力すると共にモータMGからの動力を変速機230を介して駆動軸に出力するものとしてもよい。また、図8の変形例のハイブリッド自動車320に例示するように、エンジン22からの動力を変速機330を介して駆動輪63a,63bに接続された車軸に出力すると共にモータMGからの動力を駆動輪63a,63bに接続された車軸とは異なる車軸(図8における車輪64a,64bに接続された車軸)に出力するものとしてもよい。
実施例では、本発明をエンジン22からの動力とモータMG2からの動力とを用いて走行するハイブリッド車20に適用するものとしたが、走行用の動力を出力するモータを備えずにエンジンからの動力だけを用いて走行する自動車に適用するものとしてもよい。
また、本発明をこうした自動車に適用するものに限定されるものではなく、自動車以外の車両や船舶,航空機などの移動体に搭載される内燃機関装置の形態や建設設備などの移動しない設備に組み込まれた内燃機関装置の形態としても構わない。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例と第1の内燃機関装置および第2の内燃機関装置との関係では、エンジン22が「内燃機関」に相当し、EGRシステム160が「排気再循環装置」に相当し、空燃比センサ135aが「空燃比センサ」に相当し、空燃比センサ135aの異常診断を行なうための異常診断条件が成立したとき、空燃比が理論空燃比より大きくなるようエンジン22を制御するリーン制御と空燃比が理論空燃比より小さくなるようエンジン22を制御するリッチ制御とを交互に複数回に亘って行なう図3の異常診断ルーチンのステップS140,S170の処理を実行するエンジンECU24が「機関制御手段」に相当し、リーン制御とリッチ制御とを交互に複数回に亘って行なっているときに、リーン方向遅れ時間Tdle(1)〜Tdle(Cn)やこれらのそれぞれに対応する積算変化量Sdle(1)〜Sdle(Cn),リッチ方向遅れ時間Tdri(1)〜Tdri(Cn)やこれらのそれぞれに対応する積算変化量Sdri(1)〜Sdri(Cn)を取得する図3の異常診断ルーチンのステップS150,S180の処理を実行するエンジンECU24が「情報取得手段」に相当する。
実施例と第1の内燃機関装置との関係では、取得した積算変化量Sdle(1)〜Sdle(Cn)のうちリーン方向遅れ時間Tdle(1)〜Tdle(Cn)の中央値に対応する積算変化量を判定用積算変化量Sdlecenとして設定すると共に取得した積算変化量Sdri(1)〜Sdri(Cn)のうちリッチ方向遅れ時間Tdri(1)〜Tdri(Cn)の中央値に対応する積算変化量を判定用積算変化量Sdricenとして設定し、判定用積算変化量Sdlecenが閾値Sdleref以下であると共に判定用積算変化量Sdricenが閾値Sdriref以下であるときには、空燃比センサ135aの異常診断を行ない、判定用積算変化量Sdlecenが閾値Sdlerefより大きいときや判定用積算変化量Sdricenが閾値Sdrirefより大きいときには、空燃比センサ135aの異常診断を行なわない図3の異常診断ルーチンのステップS220〜S290の処理を実行するエンジンECU24が「異常診断実行手段」に相当する。
実施例と第2の内燃機関装置との関係では、積算変化量Sdle(1)〜Sdle(Cn)の全てが閾値Sdleref以下であると共に積算変化量Sdri(1)〜Sdri(Cn)の全てが閾値Sdriref以下であるときには、空燃比センサ135aの異常診断を行ない、積算変化量Sdle(1)〜Sdle(Cn)の少なくとも一部が閾値Sdlerefより大きいときや積算変化量Sdri(1)〜Sdri(Cn)の少なくとも一部が閾値Sdrirefより大きいときには、空燃比センサ135aの異常診断を行なわない図5の異常診断ルーチンのステップS300〜S340,S260〜S290の処理を実行するエンジンECU24が「異常診断実行手段」に相当する。
ここで、本発明の第1または第2の内燃機関装置において、「内燃機関」としては、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関に限定されるものではなく、水素エンジンなど、吸気バルブの開閉タイミングを変更する可変バルブタイミング機構が取り付けられてなるものであれば如何なるタイプの内燃機関であっても構わない。「排気再循環装置」としては、EGRシステム160に限定されるものではなく、内燃機関の排気を吸気系に再循環するものであれば如何なるタイプの排気再循環装置であっても構わない。「空燃比センサ」としては、空燃比センサ135aに限定されるものではなく、内燃機関の空燃比を検出するものであれば如何なるタイプの空燃比センサであっても構わない。「機関制御手段」としては、空燃比センサ135aの異常診断を行なうための異常診断条件が成立したとき、空燃比が理論空燃比より大きくなるようエンジン22を制御するリーン制御と空燃比が理論空燃比より小さくなるようエンジン22を制御するリッチ制御とを交互に複数回に亘って行なうものに限定されるものではなく、空燃比センサの異常診断を行なうための条件が成立したとき、空燃比が理論空燃比より大きくなるよう内燃機関を制御するリーン制御と空燃比が理論空燃比より小さくなるよう内燃機関を制御するリッチ制御とを交互に複数回に亘って行なう空燃比変更制御を実行するものであれば如何なるものとしても構わない。「情報取得手段」としては、リーン制御とリッチ制御とを交互に複数回に亘って行なっているときに、リーン方向遅れ時間Tdle(1)〜Tdle(Cn)やこれらのそれぞれを取得する際のEGR率Reの変化量の積算値である積算変化量Sdle(1)〜Sdle(Cn),リッチ方向遅れ時間Tdri(1)〜Tdri(Cn)やこれらのそれぞれを取得する際のEGR率Reの変化量の積算値である積算変化量Sdri(1)〜Sdri(Cn)を取得するものに限定されるものではなく、リーン方向遅れ時間Tdle(1)〜Tdle(Cn)のそれぞれを取得する際のEGR量Veの変化量の積算値を積算変化量Sdle(1)〜Sdle(Cn)とすると共にリッチ方向遅れ時間Tdri(1)〜Tdri(Cn)のそれぞれを取得する際のEGR量Veの変化量の積算値を積算変化量Sdri(1)〜Sdri(Cn)とするなど、空燃比変更制御が実行されているとき、空燃比センサの応答遅れの程度を示す遅れ時間を複数回に亘って取得すると共に、複数の遅れ時間の各々を取得する際の、排気再循環装置による排気の吸気系への再循環量の変化量の積算値または再循環量と内燃機関の吸入空気量との和に対する再循環量の比率である再循環率の変化量の積算値である、複数の積算変化量を取得するものであれば如何なるものとしても構わない。
本発明の第1の内燃機関装置において、「異常診断実行手段」としては、取得した積算変化量Sdle(1)〜Sdle(Cn)のうちリーン方向遅れ時間Tdle(1)〜Tdle(Cn)の中央値に対応する積算変化量を判定用積算変化量Sdlecenとして設定すると共に取得した積算変化量Sdri(1)〜Sdri(Cn)のうちリッチ方向遅れ時間Tdri(1)〜Tdri(Cn)の中央値に対応する積算変化量を判定用積算変化量Sdricenとして設定し、判定用積算変化量Sdlecenが閾値Sdleref以下であると共に判定用積算変化量Sdricenが閾値Sdriref以下であるときには、空燃比センサ135aの異常診断を行ない、判定用積算変化量Sdlecenが閾値Sdlerefより大きいときや判定用積算変化量Sdricenが閾値Sdrirefより大きいときには、空燃比センサ135aの異常診断を行なわないものに限定されるものではなく、複数の積算変化量から予め定められた所定の選択方法により選択した積算変化量である選択積算変化量が予め定められた所定値以下のときには複数の遅れ時間を用いて空燃比センサの異常診断を行ない、選択積算変化量が所定値より大きいときには空燃比センサの異常診断を行なわないものであれば如何なるものとしても構わない。
本発明の第2の内燃機関装置において、「異常診断実行手段」としては、積算変化量Sdle(1)〜Sdle(Cn)の全てが閾値Sdleref以下であると共に積算変化量Sdri(1)〜Sdri(Cn)の全てが閾値Sdriref以下であるときには、空燃比センサ135aの異常診断を行ない、積算変化量Sdle(1)〜Sdle(Cn)の少なくとも一部が閾値Sdlerefより大きいときや積算変化量Sdri(1)〜Sdri(Cn)の少なくとも一部が閾値Sdrirefより大きいときには、空燃比センサ135aの異常診断を行なわないものに限定されるものではなく、複数の積算変化量の全てが予め定められた所定値以下のときには複数の遅れ時間を用いて空燃比センサの異常診断を行ない、複数の積算変化量の少なくとも一部が所定値より大きいときには空燃比センサの異常診断を行なわないものであれば如何なるものとしても構わない。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、内燃機関装置や自動車の製造産業などに利用可能である。
20,120,220,320 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、24a CPU、24b ROM、24c RAM、26 クランクシャフト、30 プラネタリギヤ、32 駆動軸、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、50 バッテリ、62 デファレンシャルギヤ、63a,63b 駆動輪、64a,64b 車輪、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、122 エアクリーナ、124 スロットルバルブ、126 燃料噴射弁、128 吸気バルブ、130 点火プラグ、132 ピストン、134 浄化装置、134a 温度センサ、135a 空燃比センサ、135b 酸素センサ、136,スロットルモータ、138 イグニッションコイル、140 クランクポジションセンサ、142 水温センサ、144 カムポジションセンサ、146 スロットルバルブポジションセンサ、148 エアフローメータ、149 温度センサ、150 可変バルブタイミング機構、159 ノックセンサ、160 EGRシステム、162 EGR管、163 ステッピングモータ、164 EGRバルブ、165 EGRバルブ開度センサ、229 クラッチ、230,330 変速機、MG,MG1,MG2 モータ。

Claims (6)

  1. 内燃機関と、前記内燃機関の排気を吸気系に再循環する排気再循環装置と、前記内燃機関の空燃比を検出する空燃比センサと、を備える内燃機関装置であって、
    前記空燃比センサの異常診断を行なうための条件が成立したとき、空燃比が理論空燃比より大きくなるよう前記内燃機関を制御するリーン制御と空燃比が理論空燃比より小さくなるよう前記内燃機関を制御するリッチ制御とを交互に複数回に亘って行なう空燃比変更制御を実行する機関制御手段と、
    前記機関制御手段により前記空燃比変更制御が実行されているとき、前記空燃比センサの応答遅れの程度を示す遅れ時間を複数回に亘って取得すると共に、前記複数の遅れ時間の各々を取得する際の、前記排気再循環装置による排気の吸気系への再循環量の変化量の積算値または該再循環量と前記内燃機関の吸入空気量との和に対する該再循環量の比率である再循環率の変化量の積算値である、複数の積算変化量を取得する情報取得手段と、
    前記取得された複数の積算変化量から予め定められた所定の選択方法により選択した積算変化量である選択積算変化量が予め定められた所定値以下のときには前記取得された複数の遅れ時間を用いて前記空燃比センサの異常診断を行ない、前記選択積算変化量が前記所定値より大きいときには前記空燃比センサの異常診断を行なわない異常診断実行手段と、
    を備える内燃機関装置。
  2. 請求項1記載の内燃機関装置であって、
    前記所定の選択方法は、前記取得された複数の積算変化量のうち前記取得された複数の遅れ時間の中央値である中央遅れ時間に対応する積算変化量を選択する方法である、
    内燃機関装置。
  3. 請求項2記載の内燃機関装置であって、
    前記異常診断実行手段は、前記選択積算変化量が前記所定値以下のとき、前記取得された複数の遅れ時間のうち前記中央遅れ時間を中心として定められた所定範囲内の遅れ時間だけの平均を用いて前記空燃比センサの異常診断を行なう手段である、
    内燃機関装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1つの請求項に記載の内燃機関装置であって、
    前記複数の積算変化量の各々は、前記複数の遅れ時間のうち対応する遅れ時間に影響を与えると想定される時間範囲での、前記再循環量の変化量の積算値または前記再循環率の変化量の積算値である、
    内燃機関装置。
  5. 内燃機関と、前記内燃機関の排気を吸気系に再循環する排気再循環装置と、前記内燃機関の空燃比を検出する空燃比センサと、を備える内燃機関装置であって、
    前記空燃比センサの異常診断を行なうための条件が成立したとき、空燃比が理論空燃比より大きくなるよう前記内燃機関を制御するリーン制御と空燃比が理論空燃比より小さくなるよう前記内燃機関を制御するリッチ制御とを交互に複数回に亘って行なう空燃比変更制御を実行する機関制御手段と、
    前記機関制御手段により前記空燃比変更制御が実行されているとき、前記空燃比センサの応答遅れの程度を示す遅れ時間を複数回に亘って取得すると共に、前記複数の遅れ時間の各々を取得する際の、前記排気再循環装置による排気の吸気系への再循環量の変化量の積算値または該再循環量と前記内燃機関の吸入空気量との和に対する該再循環量の比率である再循環率の変化量の積算値である、複数の積算変化量を取得する情報取得手段と、
    前記取得された複数の積算変化量の全てが予め定められた所定値以下のときには前記取得された複数の遅れ時間を用いて前記空燃比センサの異常診断を行ない、前記取得された複数の積算変化量の少なくとも一部が前記所定値より大きいときには前記空燃比センサの異常診断を行なわない異常診断実行手段と、
    を備える内燃機関装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1つの請求項に記載の内燃機関装置を搭載し、前記内燃機関からの動力を用いて走行する自動車。
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