JP6237977B2 - ハイブリッド車の故障判定装置 - Google Patents
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Description
更に、上記走行モードが可能なハイブリッド車において、当該走行モードの際にエンジンの排気系の検出手段(空燃比センサ、酸素濃度センサ、触媒モニタ等)の故障判定を行う技術が開発されている。
本発明は、上述した課題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは、エンジンによってモータジェネレータを駆動して発電し、電気モータのみによって走行駆動輪を駆動する走行モードの際に、排気系の検出手段の各種故障判定方法を幅広く実施可能なハイブリッド車の故障判定装置を提供することにある。
また、請求項4のハイブリッド車の故障判定装置は、請求項3において、酸素センサの故障判定は、走行モード切替え前故障判定手段により故障判定を行い、空燃比センサの故障判定は、走行モード中故障判定手段により故障判定を行うことを特徴とする。
そして、走行モード切替え前故障判定手段により、エンジンの排気がリッチからリーンに変化した際での検出値に基づいて検出手段の故障判定を行い、走行モード中故障判定手段により、エンジンの排気がリーンからリッチに変化した際での検出値に基づいて検出手段の故障判定を行うので、走行モード中故障判定手段による故障判定の機会を低減することができ、第1の走行モードを中断することによる発電ロスを低減させることができる。
また、請求項4のハイブリッド車のセンサ故障判定装置によれば、モータリングの必要時間が所定時間以上必要である酸素センサの故障判定の場合には走行モード切替え前故障判定手段により故障判定を行い、モータリングの必要時間が所定時間未満で判定できる空燃比センサの故障判定の場合には走行モード中故障判定手段により故障判定を行うので、第1の走行モード中における故障判定でのモータリングの実行時間を短く抑制することができ、第1の走行モードを中断することによる発電ロスを更に低減させることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るプラグインハイブリッド車(以下、車両1という)の概略構成図である。
本実施形態の車両1は、エンジン2の出力によって前輪3を駆動して走行可能であるとともに、前輪3を駆動する電動のフロントモータ4(駆動用モータ)及び後輪5を駆動する電動のリヤモータ6(駆動用モータ)を備えた4輪駆動車である。
フロントモータ4は、フロントインバータ10を介して、車両1に搭載された駆動用バッテリ11及びモータジェネレータ9から高電圧の電力を供給されて駆動し、減速機7を介して前輪3の駆動軸8を駆動する。減速機7には、エンジン2の出力軸と前輪3の駆動軸8との間の動力の伝達を断接切換え可能なクラッチ7aが内蔵されている。
モータジェネレータ9によって発電された電力は、フロントインバータ10を介して駆動用バッテリ11を充電可能であるとともに、フロントモータ4及びリヤモータ6に電力を供給可能である。
フロントインバータ10は、フロントモータコントロールユニット10aとジェネレータコントロールユニット10bを有している。フロントモータコントロールユニット10aは、ハイブリッドコントロールユニット20からの制御信号に基づきフロントモータ4の出力を制御する。ジェネレータコントロールユニット10bは、ハイブリッドコントロールユニット20からの制御信号に基づきモータジェネレータ9の発電量を制御する機能を有する。
更に、モータジェネレータ9は、ハイブリッドコントロールユニット20からの制御信号に基づき、駆動用バッテリ11から電力を供給されて、エンジン2を駆動することが可能となっており、エンジン2のスタータモータとしての機能を有する。
ハイブリッドコンロトールユニット20は、車両1の総合的な制御を行うための制御装置であり、入出力装置、記憶装置(ROM、RAM、不揮発性RAM等)、中央演算処理装置(CPU)等を含んで構成される。
そして、ハイブリッドコンロトールユニット20は、アクセル開度センサ40等の上記各種検出量及び各種作動情報に基づいて、車両1の走行駆動に必要とする車両要求出力Pを演算し、エンジンコントロールユニット22、フロントモータコントロールユニット10a、ジェネレータコントロールユニット10b及びリヤモータコントロールユニット12a、減速機7に制御信号を送信して、走行モード((EVモード:電気自動車モード)、シリーズモード、パラレルモード)の切換え、エンジン4とフロントモータ9とリヤモータ11の出力、モータジェネレータ9の出力(発電電力)を制御する。ハイブリッドコンロトールユニット20は、エンジンをモータジェネレータにより強制的に稼働させるモータリング実行手段を含む。
シリーズモード(第1の走行モード)では、減速機7のクラッチ7aを切断し、エンジン2によりモータジェネレータ9を作動する。そして、モータジェネレータ9により発電された電力及び駆動用バッテリ11から供給される電力によりフロントモータ4やリヤモータ6を駆動して走行させる。また、シリーズモードでは、エンジン2の回転速度を所定の回転速度に設定し、余剰電力を駆動用バッテリ11に供給して駆動用バッテリ11を充電する。
ハイブリッドコントロールユニット20は、高速領域のように、エンジン2の効率のよい領域では、走行モードをパラレルモードとする。また、パラレルモードを除く領域、即ち中低速領域では、駆動用バッテリ11の充電率SOCに基づいてEVモードとシリーズモードとの間で切換える。
図2は、エンジン2の排気系の概略構成図である。
図2に示すように、本実施形態のエンジン2の排気通路31には、メイン排気浄化触媒32と、ウォームアップ排気浄化触媒33とが備えられている。
メイン排気浄化触媒32は、主として排気浄化を行うように大容量の触媒であり、例えば車両1のフロア下に配置されている。ウォームアップ排気浄化触媒33は、小容量の触媒であって、メイン排気浄化触媒32の上流側でありエンジン2の近傍に配置されている。ウォームアップ排気浄化触媒33は、エンジン2の低温始動時などで、メイン排気浄化触媒32の触媒温度が低下しているときに、エンジン2の排気によりすぐに触媒温度が上昇して排気浄化性能を確保することができる。
図3に示す本実施形態では、シリーズモードからEVモード、シリーズモード、パラレルモード、シリーズモード、EVモードの順番に走行モードが切り換わった場合での、モータリング及び燃料供給停止の夫々の要求タイミングを示している。
本実施形態では、フロントO2センサ34に対して1種類、リヤO2センサ35に対して3種類の故障判定方法が、上記エンジン停止前モータリングとエンジン停止前モータリングの2つの時期に実行される。詳しくは、フロントO2センサ34に対しては、フロントO2センサレスポンス判定が実行される。リヤO2センサ35に対しては、リヤO2センサ固着判定、リヤO2センサスロープ判定、リヤO2センサレスポンス判定が行われる。
上記4種類の故障判定方法のうち、フロントO2センサレスポンス判定は、排気中の空燃比がリッチからリーンへ変化したときと、リーンからリッチへ変化したときの両方で、フロントO2センサ34の検出値が所定量変化する時間を計測し、その計測時間が閾値T1以上であるか否かを判別し、当該閾値T1以上である場合には、フロントO2センサ34の応答性が異常であると判定する。
リヤO2センサスロープ判定は、リヤO2センサ35の検出値の変化率を判定するものであり、この判定については排気中の空燃比がリッチからリーンへ変化したときに判定される。本判定では、リヤO2センサ35の検出値が中間域の所定の変化量変化する時間を計測して、その計測時間が閾値T3以上であるか否かを判別し、当該閾値T3以上である場合には、リヤO2センサ35の変化率が異常であると判定する。
シリーズ中モータリング禁止タイマは、モータリングを終了した時点から計測を開始して所定時間T6計測するまで、次のモータリングを禁止するためのタイマである。
動作要求を示す。
故障判定要求燃料カットは、ハイブリッドコントロールユニット20から入力したモータリング要求開始タイミングから、上記モータリング実行タイマがモータリング要求時間(Tm1またはTm2)に到達するまでの間をオンとし、燃料供給を停止する。
以上のように、本実施形態では、フロントO2センサ34及びリヤO2センサ35の故障判定をシリーズモードで行う際に、シリーズモードからEVモードへの切替え時におけるエンジン停止前モータリング時と、シリーズ中モータリング時の両方で故障判定が可能であり、これらのモータリングのうち、各故障判定方法に適したモータリング時に故障判定が行われる。
そして、本実施形態では、シリーズ中モータリング時には、エンジン停止前モータリング時では判定不能であるフロントO2センサレスポンス判定を行い、EVモードへの切替え時におけるエンジン停止前モータリング時には、いずれのモータリング時でも故障判定可能なリヤO2センサスロープ判定とリヤO2センサレスポンス判定を行う。これにより、エンジン停止前モータリング時には、各故障判定方法のうち可能なものを極力実行し、シリーズ中モータリング時には、エンジン停止前モータリング時では判定不能なものを実行して、シリーズ中モータリング時における故障判定を抑制することができる。したがって、シリーズ中モータリング時における故障判定により全ての故障判定方法を可能にしつつ、シリーズ中モータリング時の故障判定を抑制することができる。これにより、シリーズ中モータリング時間を抑制して、シリーズモード中でのエンジン停止を抑制し、発電ロスを低減させることができる。
2 エンジン
4 フロントモータ(駆動用モータ)
6 リヤモータ(駆動用モータ)
9 モータジェネレータ
11 駆動用バッテリ
20 ハイブリッドコントロールユニット(モータリング実行手段)
22 エンジンコントロールユニット(走行モード中故障判定手段、走行モード切替え前故障判定手段)
34 フロントO2センサ(空燃比センサ、検出手段)
35 リヤO2センサ(酸素センサ、検出手段)
Claims (4)
- 車両に搭載されたエンジンと、前記エンジンの排気成分を検出する検出手段と、前記エンジンにより駆動されて発電可能である一方で車両に搭載された駆動用バッテリから供給された電力で前記エンジンを駆動可能なモータジェネレータと、前記駆動用バッテリから供給される電力で駆動輪を駆動する駆動用モータと、を具備し、
所定の条件下で、前記エンジンにより前記モータジェネレータを駆動して発電しながら、前記駆動用モータにより前記駆動輪を駆動して走行する第1の走行モードが選択可能なハイブリッド車に備えられ、
前記所定の条件下であって、前記第1の走行モードを選択中であっても前記第1の走行モードを中断して前記エンジンへの燃料供給を一時的に停止するとともに前記モータジェネレータにより前記エンジンを強制駆動してモータリングするモータリング実行手段と、
前記エンジンへの燃料供給を停止した際の前記検出手段の検出値と前記モータリングが終了した後に前記モータジェネレータで発電をすべく前記燃料供給を再開した際の前記検出手段の検出値とに基づいて、前記検出手段の故障を判定する走行モード中故障判定手段と、
を有することを特徴とするハイブリッド車の故障判定装置。 - 前記ハイブリッド車は、前記エンジンの駆動を停止するとともに前記駆動用モータにより前記駆動輪を駆動して走行する第2の走行モードが選択可能であり、
前記第1の走行モードから前記エンジンの駆動を停止して前記第2の走行モードへ切替える際に、前記エンジンの駆動を停止する前に前記モータリング手段による前記エンジンの前記モータリングを実行して、
前記燃料供給を停止した際の前記検出手段の検出値に基づいて、前記検出手段の故障判定をする走行モード切替え前故障判定手段を備え、
前記走行モード切替え前故障判定手段により、前記エンジンの排気がリッチからリーンに変化した際での前記検出値に基づいて前記検出手段の故障判定を行い、
前記走行モード中故障判定手段により、前記エンジンの排気がリーンからリッチに変化した際での前記検出値に基づいて前記検出手段の故障判定を行うことを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車の故障判定装置。 - 前記検出手段は、排気系に設けられる触媒を挟んで上流に設けられた空燃比センサと下流に設けられた酸素センサを含み、
前記モータリングの実行時間は、空燃比センサの故障判定時より前記酸素センサの故障判定時の方が長くなるように設定されることを特徴とする請求項1または2に記載のハイブリッド車の故障判定装置。 - 前記酸素センサの故障判定は、前記走行モード切替え前故障判定手段により故障判定を行い、
前記空燃比センサの故障判定は、走行モード中故障判定手段により故障判定を行うことを特徴とする請求項3に記載のハイブリッド車の故障判定装置。
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