以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。即ち、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形(各実施例を組み合わせる等)して実施することができる。また、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付して表している。図面は模式的なものであり、必ずしも実際の寸法や比率等とは一致しない。図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることがある。
(全体構成)
図1〜図5は、一実施形態に係るゲーム装置1を示す図である。図1はゲーム装置1の模式的斜視図、図2は図1に示すゲーム装置1を矢印Aの方向からみたときの模式的正面図、図3は図1に示すゲーム装置を矢印Bの方向からみたときの模式的側面図である。また、図4は図1に示すゲーム装置を矢印Cの方向からみたときの模式的平面図であり、図5は図4の平面図においてゲーム装置1の天板を外した状態を示す模式的平面図である。なお、図1〜図5には、以下の説明で方向や平面を便宜的に規定する3次元(XYZ)座標系を設定しており、例えば、Z軸は鉛直方向、X軸はゲーム装置1の幅方向、Y軸はゲーム装置1の奥行き方向をそれぞれ表わしている。
図1〜図5に示すゲーム装置1は、例示的に、直方体形状の筐体10と、筐体10の周囲に設けられた1又は複数(例示的に4つ)のいわゆるサテライト部(「サテライト部」(単にサテライトともいう)とはプレイヤが遊戯を実行するためのプレイヤごとの端末装置ないしは操作席のことで、メダルフィールド40、操作手段(本実施形態では後述する2つのメダル投入装置21、特殊演出用の押し出しタイミング決定操作入力部の一例たるボタン装置23など)及び遊戯媒体払い出し手段(後述するメダルホッパーなど)を備える。以下、「プレイヤステーション」という)20とを備える。プレイヤは、プレイヤステーション20に対面してゲーム装置1が提供するゲームを楽しむことができる。
ゲーム装置1には、1又は複数の照明装置(電飾)や1又は複数の音声出力装置(例えばスピーカ)等の演出装置を適宜に設けることができ、これらの演出装置によって光や音声、音楽等による演出を実施することも可能である。図1〜図5には、4つのプレイヤステーション20に対応して4つのスピーカ30をゲーム装置1の天板12に設けた様子を例示している。
筐体10は、例示的に、ベース筐体部分10aとカバー筐体部分10bとに分けることができる(図2参照)。ベース筐体部分10aには、プレイヤが対面してゲーム操作に用いられるコンソールパネル22、コンソールパネル22に付設されたボタン装置23等を適宜に設けることができる。コンソールパネル22及びボタン装置23は、後述のメダル投入装置21とともにプレイヤステーション20の一例を成す。後述するように、コンソールパネル22には例示的にメダルを貯留することができるメダルトレイ24が設けられている(図3参照)。ボタン装置23は、プレイヤの操作に応じた信号をゲーム装置1(例えば図37により後述するゲーム制御装置2)に入力する操作入力部の一例である。
ベース筐体部分10aの内部には、ゲーム装置1の動作(ゲームの進行等)を制御するゲーム制御装置(CPUやメモリ等)2を設けることができる。コンソールパネル22及びボタン装置23の組は、例示的に、ベース筐体部分10aを成す4つの側壁のうちゲーム装置1の奥行き方向(Y軸方向)に対向する2つの側壁のそれぞれに幅方向(X軸方向)に所定の間隔を空けて2つずつ(計4つ)設けることができる。
カバー筺体部分10bは、例示的に、4つの側壁11−1,11−2,11−3,11−4と、ゲーム装置1の屋根を成す天板12とを備える。カバー筐体部分10bの内側に、ゲーム装置1のゲーム空間(プレイヤによって遊戯内容が視認されうる部分)が形成される。コンソールパネル22の上方に位置するカバー筐体部分10b(対向する側壁11−1及び11−3)には、1又は複数のメダル投入装置21を設けることができる。
メダル投入装置21は、プレイヤがゲーム装置1内部のゲーム空間へメダル(図7等において符号Mを付して示す)を投入するのに用いられる。メダルは、ゲーム装置1で用いられる第1の遊戯媒体の一例である。図1〜図5には、対向する側壁11−1及び11−3のそれぞれに4台(計8台)のメダル投入装置21が設けられた様子を例示している。メダル投入装置21は、カバー筐体部分10bの所定領域、例えばプレイヤが椅子(図示省略)に座った状態(あるいはプレイヤが立った状態でもよい)で操作しやすい位置に、所定の固定部材を用いて固定することができる。
4つの側壁11−i(i=1〜4のいずれか)のうち、メダル投入装置21が設けられた側壁11−1及び11−3には、内部のゲーム空間を外部から視認できるように、それぞれガラスやアクリル、ポリカーボネート等の、可視光線を透過する透明部材を用いることができる。図1及び図2においては、例示的に、横方向(X軸方向)のスライド動作により開閉可能な2枚のガラス(又はアクリル)板111が所定の窓枠に取り付けられた様子を示している。
図1及び図2に例示するように、透明部材、例えばガラス(又はアクリル)板111は、メダル投入装置21の固定部材を除いた周囲領域(例えば、X軸方向に隣接するメダル投入装置21−21間)にも適用することができる。これにより、側壁11−1及び11−3における透明領域の面積を増やすことができ、メダル投入装置21近傍のゲーム空間の視認性を向上することができる。
メダル投入装置21の設けられていない残りの側壁11−2及び11−4の一部又は全部には、ハーフミラー等の可視光線の一部を反射し一部を透過する板状の部材(板状ビームスプリッター)を用いることができる。図1及び図3においては、例示的に、側壁11−2及び11−4のそれぞれに2枚のハーフミラー112が取り付けられた様子を示している。なお、ハーフミラー112は、ガラス(又はアクリル)板にハーフミラーフィルムを貼り付けたものでもよい。
ゲーム装置1の内部のゲーム空間よりも当該ゲーム装置1の設置場所の照明が相対的に暗ければ、ハーフミラー112は、明るい側(ゲーム空間)からの光を透過する。したがって、ゲーム装置1の外側に位置する人は、側壁11−2及び11−4を通してそれぞれ内部のゲーム空間を視認することができる。
逆に、暗い側(ゲーム装置1外部)からゲーム空間へは逆方向と比べて相対的に弱い光がハーフミラー112を透過する。したがって、ゲーム空間内の光の反射が優位になるから、側壁11−1又は11−3を成すガラス板111を通してゲーム空間を視認する者にとって、側壁11−2及び11−4を成すハーフミラー112はゲーム空間を映す鏡として機能する。その結果、ゲーム空間の照明度や空間的な広がり感を向上させることができる。また、プレイヤは、ゲーム装置1の反対側(平面視において対面あるいは対角線上)に位置する他のプレイヤステーション20に対応するゲーム空間の様子をハーフミラー112の反射により視認することも容易となる。
カバー筐体部分10bが成すゲーム空間は、プレイヤステーション20の数に対応して空間的、仮想的に区画することができ、各区画のそれぞれには、メダルプッシャゲームを実施する種々の機構や装飾(電飾やゲーム空間を仮想的に広く見せるミラー等)を設けることができる。
例示的に、ゲーム空間は図5に示すように平面視において4区画に分けることができ、各区画に対応するベース筐体部分10aのそれぞれに、メダルが載置されるメダルフィールド40(40−1〜40−4)と、当該メダルフィールド40上を例えばゲーム装置1の奥行き方向(Y軸方向)に往復動(スライド)可能なプレート状のプッシャ50とを設けることができる。
なお、各区画は隣接する区画に対して互いに対称な構成とすることができる。例えば、ゲーム装置1のゲーム空間は、側壁11−1側から見た場合と反対側の側壁11−3側から見た場合とで同じ空間に見えるように構成することができ、また、側壁11−2側から見た場合と反対側の側壁11−4側から見た場合についても同じ空間に見えるように構成することができる。図1及び図2においては、ゲーム装置1内のゲーム空間の様子を把握し易いように構成の一部の図示を省略しており、そのため非対称に見える部分が存在する。
プッシャ50は、例示的に、メダルフィールド40に対する立壁面となる端面51(図5参照)を有し、当該端面51にてメダルフィールド40に置かれているメダルを前記往復動により押し出し、当該メダルフィールド40の手前側端部に位置するメダルから順次落下させることができる。
プッシャ50の上面には、メダルが堆積可能である。後述するメダル投入装置21(図1、図3〜図6等参照)によって投入されたメダル、あるいは後述するメダル払い出し装置70(図6〜図9等参照)によって払い出されたメダルは、まず、当該上面に落下するように案内される。プッシャ50の上面に落下したメダルは、プッシャ50の往復動に伴って移動し、メダル払い出し装置70の下端部に接触することで、プッシャ50に対して相対的に端面51に向かって移動する。新たに投入されたメダルが端面51に向かって移動する際に、プッシャ50の上面に堆積しているメダルに押圧力が加わり、端面51近傍のメダルフィールド40へメダルが落下する。なお、プッシャ50の上面は、往復動可能なメダルフィールドとしてメダルフィールド40の一部に含めて差し支えない。
また、プッシャ50の端面51には、例示的に、ボールセンタリング部材52を設けることができる。後述するように、ボールセンタリング部材52は、第2の遊戯媒体(第1の遊戯媒体の一例であるメダルとは異なる部材)の一例としてのボールがメダルフィールド40へと供給された際、当該ボールをフィールド幅方向中央に寄せてメダルフィールド40へとガイドする。
プッシャ50の往復動は、例えば、モーター(図37中の符号14参照)の回転運動を所定ストローク量の直線(往復)運動に変換するクランク機構等を用いて実現することができる。図示を省略した既述のゲーム制御装置2は、周期的又は間欠的なタイミングでプッシャ50を作動させることができる。なお、プッシャ50の往復動は、ソレノイドなどのアクチュエータや駆動源を用いて実現してもよい。
プッシャ50は、対面するプレイヤステーション20に対応する2つのメダルフィールド40に共通化することができる。例えば、プッシャ50の形状を、平面視においてY軸方向両端に2つの端面51を有する矩形状とし、一方の端面51でメダルフィールド40−1(又は40−3)に置かれたメダルを押し、他方の端面51でメダルフィールド40−4(又は40−2)に置かれたメダルを押すことができるようにしてもよい。
メダルフィールド40に例えば堆積した状態等で存在するメダル数が多くなると、プッシャ50の往復動に応じてプッシャ50の端面51から干渉(押圧力)を受けるメダル数が確率的に増える。メダルに押圧力が加わり、その押圧力が他のメダルに伝播することで、1又は複数のメダルを例えばメダルフィールド40と側壁11−1(11−3)との間に設けられた溝状の隙間(落下溝)60(図5参照)へ落下させることができる。落下溝60に落下したメダル(または当該落下したメダル数と同数の払い出し用メダル)は、ベース筐体部分10aに設けられたペイアウト装置(図37中の符号15参照)及びメダル払い出し口(図示省略)を通じてプレイヤに払い出すことができる。
したがって、プレイヤは、できるだけプッシャ50の端面51近傍にメダルが配置されるよう、メダルフィールド40へのメダル投入位置を調整するとよい。メダル投入位置は、メダル投入装置21の水平面(XY平面)内の向きを操作することで調整可能である。メダルフィールド40に対するメダル投入位置が良ければ、プレイヤは、投入したメダル数以上の枚数のメダルを獲得可能である。
なお、1つのメダルフィールド40につき複数のメダル投入装置21を設けることで、複数プレイヤが同じメダルフィールド40に対してメダルを投入してメダルプッシャゲームを楽しむことができる。図1〜図5に例示するゲーム装置1では、1つのメダルフィールド40につき2台のメダル投入装置21が設けられているから、4箇所のメダルフィールド40−1〜40−4でそれぞれ2人ずつ(最大8人)のプレイヤが同時にメダルプッシャゲームを実施可能である。なお、1人のプレイヤが2台のメダル投入装置21を操作してもよい。
メダル投入装置21は、図5中に示すように、例示的に、メダル投入口(図示省略)を有するメダル投入部210と、前記メダル投入口に連通するとともに、メダルフィールド40に向けて延在し、かつ、鉛直下方に向かって傾斜するメダルスロープ(メダル通路)211とを備える。
メダルスロープ211は、メダル1枚分が通過可能な厚さのスリットを有し、かつ、メダルの転がり移動を可能とするガイドレールを有する。メダル投入口に投入されたメダルは、当該ガイドレールを自重によってメダルフィールド40に向けて転がり落ちて、ガイドレールの先端(終端)部(以下、「メダル放出口」ともいう。)からメダルフィールド40に放出される。なお、メダルスロープ211には、メダルの通過を検出するセンサ(メダル検出センサ)を設けることができる。当該センサの検出情報は、例えば、ゲーム制御装置2に与えられ、ゲーム制御装置2は、当該検出情報を基にメダル投入装置21から投入されたメダル数を計数することが可能である。
メダル放出口の向きは、水平面内において所定の角度範囲で変更できる。例えば、メダルスロープの途中に、プレイヤの操作に応じて水平面内で回動可能な1又は複数の可動部(関節部)212(図5参照)を設けることができる。当該可動部212を通じて、プレイヤは、メダル放出口の水平面内における向きを適宜に変更することで、メダルがメダルフィールド40に落下する位置を調整することができる。なお、代替的あるいは付加的に、メダル投入装置21の側壁11−1(11−3)への取り付け部分を、水平方向に回動可能な構造として、メダル放出口の向きを調節可能としてもよい。
(ボールセンタリング部材52)
ボールセンタリング部材52は、ボール(第2の遊戯媒体の一例)がメダルフィールド40(ただし、当該プッシャ50の上面よりも低い部分)へ供給される際、当該ボールをメダルフィールド40の幅方向中央に寄せる(センタリングする)部材である。本実施形態のボールセンタリング部材52は、非限定的な一例として、左右一対のセンタリングレール521(521a、521b)と、センタリングされたボールを手前側(プレイヤ側)に移動させてメダルフィールド40上に導く中央レール522とで形成されている(図26参照)。
センタリングレール521は、ボールがメダルフィールド40(ただし、プッシャ50の上面よりも低い部分)へ供給される際に当該ボールをメダルフィールド40の幅方向中央にセンタリングする部材である。本実施形態のセンタリングレール521は、非限定的な一例として、プッシャ50の端面51に左右対称に設けられた一対のレール521a,521bを備える。レール521a,521bは、例えば上縁が中央寄りほど低くなるように傾斜した板状部材であり、例示的に、端面51から所定距離(具体的には少なくともボール外径よりも小さい距離)離れた位置に設けられている(図26(A)等参照)。レール上縁の傾斜の程度は特に限定されないが、例えば本実施形態では、ボールのセンタリング経路にメダルがはみ出している場合、当該メダルと干渉したボールが当該センタリングレール521の途中で止まりうる程度としている(図26(B)参照)。
また、レール521a,521bの下部には、メダルフィールド40(ただし、プッシャ50の上面よりも低い部分)の表面との間に少なくともメダル1枚分の厚さの隙間が形成されている。このように端面51およびメダルフィールド40との間にそれぞれ所定の間隔が形成されるように設けられている本実施形態の板状のレール521a,521bは、ボールの動きを規制してセンタリングする一方で、プッシャ50の上面からメダルフィールド40(ただし、プッシャ50の上面よりも低い部分)に落下するメダルには原則として干渉せず、その動きを規制しない。センタリングされるボールは、板状のレール521a,521bの傾斜縁と、プッシャ50の角縁(端面51の上縁)とに接しながら、これら一対のレール521a,521bの間に形成されている中央レール522へ案内される。
中央レール522は、センタリングレール521によってセンタリングされたボールを手前側(プレイヤ側)に移動させてメダルフィールド40上に導く部材である。例えば本実施形態の中央レール522は、プッシャ50の端面51の幅方向中央に設けられた、上縁が手前側(プレイヤ側)寄りほど低くなるように傾斜した一対の板状部材を備える(図26(A)等参照)。中央レール522は、左右の板状部材が一体化された形状(例えば、図26に示すようなチャネル形状)であってもよい。本実施形態では中央レール522とセンタリングレール521とが分離した構造となっているが(図26(A)等参照)、中央レール522の一部が、上述したセンタリングレール521の一部と接続されて一体化された構造であってもよい(図45参照)。
また、中央レール522の手前側(プレイヤ側)は、上述の一対の板状部材がボール径よりも適度に狭い間隔に配置されている等、ボールを押し出す際に当該ボールが横(フィールド幅方向)に逃げにくい形状とされている。このようなボールセンタリング部材52(中央レール522)は、プッシャの50が手前側に移動する際、センタリングされたボールを中央に保持しながら手前側に押し出すことができる(図26(C)参照)。
上述のごとき本実施形態のゲーム装置1においては、ボールが、上述のボールセンタリング装置52によってセンタリングされてからメダルフィールド40(ただし、プッシャ50の上面よりも低い部分)へと供給される。このため、メダルフィールド40上においてボールが端に寄りがちになるという現象を抑え、サテライト部20毎のボール配置の偏りを減少させることができる。すなわち、センタリング機能を備えていないゲーム装置1においては、メダルの流れに乗じてボールがメダルフィールド40の両サイドに寄ってしまうことがあるところ、本実施形態ではボールのセンタリングを行なうことによってメダルフィールド40(プッシャ50の上面よりも低い部分)でのボール配置に偏りが生じないようにしている。
また、上述したボールセンタリング装置52を備えたゲーム装置1においては、落下溝60へ落下させるボールの順番をプレイヤが意図的に変えることが可能になる。このことは、落下溝60に落下したボールの種類(一例として、色)に応じてメダル配当数あるいは特典などを変更させるゲーム装置1におけるゲーム興趣性を向上させうる。
すなわち、上述したように、本実施形態ではセンタリング経路にはみ出したメダルに干渉したボールが当該センタリングレール521の途中で止まりうるので(図26(B)参照)、止まった当該ボールをその状態に維持したり、メダル投入によって当該メダルによる干渉状態を解除させてボールをメダルフィールド40まで移動させたり(図26(C)参照)することで、メダルフィールド40へのボールの供給順序を変えることが可能である。これによれば、プレイヤの意図に応じてボールの落下溝60の落下順を適宜変更させてメダル配当数等を変えるといったようにゲームを戦略的に進行させることができ、プレイヤにとってみればより興趣性の高いゲームを楽しむことが可能である。
なお、本実施形態ではボールセンタリング部材52の一例として板状のレール521a,521bや同じく板状の中央レール522で構成される部材を例示したがこれは好適例にすぎず、この他、例えばワイヤなど棒状の部材を組み合わせることによってボールセンタリング部材52が形成されていてもよい。
また、後述の(ボール振り分け構造)の項にて説明するように、本実施形態では、ボール循環装置90のガイド912を通じて落下したボールをプッシャ50の上面へ案内(供給)することができるが(図21参照)、これはメダルフィールド40へボールを供給する態様の一例にすぎず、この他の態様、例えば上述したボールセンタリング部材52上へボールを案内して供給するといった態様等としてもよい。いずれにせよ、上述したボールセンタリング部材52によれば、ボール(第2の遊戯媒体の一例)がメダルフィールド40(ただし、プッシャ50の上面よりも低い部分)へ供給される際、当該ボールをセンタリングすることができる。
(メダルトレイ24)
コンソールパネル22には、メダルを載置して一時的に貯留しておけるメダルトレイ24を設けることができる(図3、図27参照)。メダルトレイ24は、例示的に当該コンソールパネル22の上面に形成された凹部を備える。該凹部は、例えばメダルをこぼさずに貯留しておくための貯留壁241を有する等、所定枚数(例えば数百枚程度)のメダルを溢れさせずに貯留するに足る容量を有するように形成されている。
また、メダルトレイ24は、プレイヤにとって、貯留されたメダルの中の1枚ないしは複数枚を簡単に取り出すことができる構造であることが好ましい。例えば本実施形態のメダルトレイ24は、少なくともプレイヤ寄り(プレイヤからみて手前側)のメダル載置面がプレイヤ側に向かって上り勾配で傾斜しており、当該傾斜面に沿うようにメダルを滑らせることによってメダルが簡単に取り出せるようになっている。当該メダルトレイ24に、メダルを重ね合わせた状態で並べることができる整列用の溝244を形成してもよい(図20参照)。
さらに、メダルトレイ24には、当該メダルトレイ24に貯留されている複数のメダルをカップ等のメダル容器に移して回収する作業をより簡単にするための手段(メダル回収手段)を設けてもよい。例えば本実施形態では、メダルトレイ24の外壁の側部に、カップ状のメダル容器25の上縁の一部を差し込むことができる引っ掛け溝242を設けている(図27参照)。また、当該引っ掛け溝242に上側部分において貯留壁241は低く形成されてメダル掻き出し口243とされ、さらにメダル載置面がこのメダル掻き出し口243に滑らかに繋がるように傾斜している(図20、図27参照)。メダル掻き出し口243は、メダル容器25の開口径よりも狭く形成することができる。
本実施形態のゲーム装置1のプレイヤは、上述のメダル回収手段を利用することにより、メダルトレイ24に貯留しているメダルを容易に回収することができる。すなわち、まずプレイヤは、メダル容器(例えば、店舗に備え付けられているメダル用カップ)25を片手で持ち、当該メダル容器25の上縁の一部を引っ掛け溝242に差し込んだ状態で固定し(図28参照)、もう一方の手を使ってメダルをメダル掻き出し口243から掻き出しメダル容器25に流し込めばよい。
このような回収動作は、複数のメダルを手で直接把持してメダル容器25に移す動作を繰り返す場合とは異なり、多くのメダルを一度に回収することを可能にし、メダル枚数が多い場合には便宜である。また、本実施形態のメダル回収手段よれば、メダル容器25の上縁の一部を引っ掛け溝24に差し込んだ状態とするので当該メダル容器25をメダル回収しやすい位置・姿勢に保持することが容易であり、また、メダル掻き出し口243を通過させたメダルをメダル容器25に向けて落下させることができるため、回収作業中にメダルをこぼさないように回収することが容易である。
(メダル払い出し装置70)
ゲーム空間には、各区画の一部又は全部に共通のゲーム演出装置を1又は複数設けることができる。第1のゲーム演出装置の一例は、メダルフィールド40に複数(例えば10枚)のメダルを一度に払い出し可能なメダル払い出し装置(以下、「小当たりメカ」ともいう)である。例えば図6に示すように、当該メダル払い出し装置70は、プッシャ50の上方に設けることができる。メダル払い出し装置70は、例示的に、平面視においてゲーム装置1の奥行き方向(Y軸方向)に隣接する2つのメダルフィールド40に共通とすることができる。
この場合、メダル払い出し装置70は、ゲーム制御装置2(図37により後述)の制御の下、Y軸方向に隣接する2つのメダルフィールド40の一方に対して選択的に複数メダルを一度に払い出すことができる。
例えば、ゲーム制御装置2において、ゲーム装置1の奥行き方向(Y軸方向)に対面するプレイヤステーション20の一方に抽選等による所定のゲーム条件が成立した場合に、メダル払い出し装置70は、当該ゲーム制御装置2の制御を受けて、ゲーム条件の成立したプレイヤステーション20に対応するメダルフィールド40に、成立したゲーム条件に応じた所定枚数のメダルを一度に払い出すことができる。所定のゲーム条件とは、例えば、抽選結果として「小当たり」等と呼ばれる役が当選した場合などである。この場合、例えば数枚〜数十枚程度のメダルが配当として払い出される。
メダル払い出し装置70へのメダルの供給及び補充は、例示的に、メダルホッパーと称される(第1の)メダル搬送装置71によって行なうことができる。メダル搬送装置71は、例えばベース筐体部分10aの底部からゲーム空間内に設置されたメダル払い出し装置70へ延在するメダル搬送路(メダルガイド)72に、メダルを補充する。
落下溝60以外の隙間や孔部からベース筐体部分10a内に落下しプレイヤに払い出されなかったメダル(払い出しの対象とならなかったメダル)は、図示を省略したメダル回収装置によって回収された後、メダル搬送装置71により搬送され、メダル払い出し装置70のメダルガイド72へ導入される。
メダルガイド72は、例示的に、メダル1枚分が通過可能な厚さのスリット通路を有し、当該スリット通路においてメダルを1枚ずつ一列に整列させることができる。メダルガイド72は、例示的に、側壁11−2(11−4)の幅方向(Y軸方向)中心近傍のゲーム空間に、高さ方向(Z軸方向)に沿って設けることができる。
図6〜図9に、本例の小当たりメカ(メダル払い出し装置)70の構成例を示す。
小当たりメカ70は、例示的に、メダルガイド72と、メダルストッパ73と、アクチュエータ74とを備え、ゲーム装置1において所定の条件が成立した場合にメダルMをメダルフィールド40に払い出す。メダルガイド72、アクチュエータ74等は、支持フレーム724,725、基台726に支持されている(図6、図7参照)。
メダルガイド72は、メダルホッパー(メダル搬送装置)71から供給されたメダルMを、プッシャ50の往復動方向を横断する方向(例示的に、メダルフィールド40の幅方向に一致)に沿ってセンターユニット80のある側へ向けて案内して整列した状態を形成する部材である(図7等参照)。例えば本実施形態のメダルガイド72には、メダルMの厚みよりも僅かに広い間隔を有するように配置された一対の対称形状の板状レール(ホッパーレール)721を用いる(図9等参照)。
このように、本実施形態のメダルガイド72は、一対の板状レールが対向するように配置されることによって、上下がそれぞれ抜けた構造、換言すれば、当該メダルガイド72の間に位置するメダルMが上方から視認可能な構造となっている(図9等参照)。また、メダルガイド72の先端には、案内された1枚目のメダルMが突き当たる送り止め723が形成されている(図9参照)。
さらに、メダルガイド72は、当該メダルガイド72によって案内されるメダルMの一部をプレイヤが視認可能な隙間722を有していることが好ましい。このような隙間722は、メダルホッパー71から供給されたメダルMがメダルガイド72に沿って案内される様子、メダルMが一列に並んで貯留状態にある様子、これらメダルMがメダルフィールド40に払い出される様子をプレイヤに見せやすくする。
メダルストッパ73は、上述のメダルガイド72によって整列した状態のメダルMを保持して貯留状態を形成する部材である。貯留状態のときに当該メダルストッパ73を解除すると、貯留されていたメダルMはメダルガイド72から落下してメダルフィールド40へと払い出される。このようなメダルストッパ73は、本実施形態として後述するごとく案内部材75の一部に形成されていてもよいし、該案内部材75とは別の独立した部材として形成されていてもよい。
案内部材75は、貯留状態が解除されたメダルMをメダルフィールド40に案内する部材である。本実施形態においては、この案内部材75を、側面視において対称な形状とし(図9参照)、小当たりメカ70の両側に位置するメダルフィールド40のいずれに対しても貯留されたメダルMを選択的に払い出せるようにしている。
なお、本実施形態のゲーム装置1においては、小当たりメカ70の下部に傾斜部41を設けることができる(図6参照)。傾斜部41は、小当たりメカ70から払い出されたメダルMをメダルフィールド40へと案内するよう、各メダルフィールド40(50)に向けて傾斜している(図9等参照)。傾斜部41には、LED等を用いた表示部42を設けてもよい(図6参照)。表示部42には、ゲーム制御装置2の制御の下、各プレイヤステーション20における遊戯状況(ゲーム進行状況、ステイタス、抽選結果、配当等)を表示することができる。
ここで、案内部材75は、上述した傾斜部41に連なる傾斜部分を備えるように形成されていることが好ましい。本実施形態では、案内部材75を側面視において二等辺三角形とし、小当たりメカ70から払い出されたメダルMが案内部材75の傾斜部分、さらに上述の傾斜部41の表面上を滑り台のように滑り落ちて各メダルフィールド40へと案内されるようにしている(図9等参照)。
本例の案内部材75の一部は、上述のメダルストッパ73として機能する。より具体的に説明すると、本実施形態の案内部材75は、その上縁が一定幅を有する平面とされており、当該平面が、メダルガイド72によって整列した状態のメダルMの下端を保持して貯留状態を形成するメダルストッパ73として機能する。また、本実施形態では、このメダルストッパ73(案内部材75の上縁)を、メダルMの送り方向(センターユニット80の方向)に向かって下がるように傾斜させている(図8参照)。メダルホッパー71から供給されたメダルMは、このメダルストッパ73(案内部材75の上縁)の傾斜に沿って転がりセンターユニット80の方向へと案内される。なお、本実施形態のメダルガイドは、当該メダルストッパ73(案内部材75の上縁)との間隔(隙間722の幅)が等しくなるように同様に傾斜している(図9参照)。
また、本実施形態の案内部材75は、支点76を中心にして異なるメダルフィールド40の一方または他方に向けて傾動可能に形成されており、いわば可動レールとして機能する(図8、図9参照)。例えば、メダルMを貯留した状態において、案内部材75が一方のメダルフィールド(例えばメダルフィールド40−1)側に傾動すれば、メダルMは他方のメダルフィールド(メダルフィールド40−4)側へと落下して払い出される。逆に、案内部材75が他方のメダルフィールド(例えばメダルフィールド40−4)側に傾動すれば、メダルMは一方のメダルフィールド(メダルフィールド40−1)側へと落下して払い出される(図9等参照)。
支点76は、案内部材75の傾動中心である。例えば本実施形態では、メダルガイド72や案内部材75を支持する支持フレーム724,725に支軸を通し、当該支軸によって案内部材75を傾動可能に支持する(図9等参照)。なお、本実施形態では、当該支軸をほぼ水平に設けているが(図8参照)、メダルストッパ73(案内部材75の上縁)やメダルガイド72の傾斜に合わせて支軸を傾斜してもよい。
また、小当たりメカ70には、例示的に、案内部材75を中立位置(メダルMが保持されて貯留状態となる位置)に復帰させる方向に付勢する付勢部材が設けられている。案内部材75を中立位置へと適宜復帰させることができれば付勢部材の具体例は特に限定されない。本実施形態では、例示的に、コイルスプリング77を利用して案内部材75を付勢する。コイルスプリング77は、例えば、基台726上のスプリング台727に設けられ、その一端は案内部材75の下部突起753に引っ掛けた状態とされている(図7〜図9参照)。
なお、2つのコイルスプリング77を用い、案内部材75の一方向への付勢と逆方向への付勢を各コイルスプリング77で行なうようにしてもよいが、本実施形態では1つのコイルスプリング77で案内部材75を両方向へ付勢することとしている。例示すれば、本実施形態では、当該コイルスプリング77の両端を下部突起に引っ掛けるとともに、コイルスプリング7の一端が案内部材75を付勢しうる領域および他端が案内部材75を付勢しうる領域をそれぞれ例えば弾性領域制限用突起771等を用いて制限し、案内部材75が中立位置に戻った際にはコイルスプリング77のいずれの端部からも付勢されない状態とすることによって、単一のコイルスプリング77で案内部材75を両方向へ付勢しうる構造としている。
さらに、小当たりメカ70には、例示的に、メダルストッパ73を駆動して貯留状態を解除するアクチュエータ74が設けられている。当該アクチュエータ74の具体例も特に限定されないが、例えば2個のソレノイド74(具体的にはメダルホッパー71寄りの基端側ソレノイド741、およびセンターユニット80寄りの先端側ソレノイド742の2個)を利用し、一方のソレノイド74によって案内部材75を一方向へ傾動させ、他方のソレノイド74によって案内部材75を他の方向へ傾動させるようにしている(図7等参照)。
アクチュエータ74等の具体例を示せば以下のとおりである。基台726上に固定された基端側ソレノイド74aのプランジャ741aには、支軸742aを中心に揺動するレバー743aが回転自在に取り付けられている(図9等参照)。このレバー743aの先端には、押圧部材744aが設けられている。一方、案内部材75の下部には、メダルホッパー71に向けて突出する被押圧突起751aが形成されている(図8等参照)。この被押圧突起751aは、上述したレバー743a先端の押圧部材744aが当接する位置に形成されている。
このようなアクチュエータ74等の具体例において、まず基端側ソレノイド74aを駆動してプランジャ741aを引き込むとレバー743aが揺動し、その先端の押圧部材744aが被押圧突起751aを押圧する。そうすると、可動レールとして機能する案内部材75は、支点76を中心としてメダルフィールド40−1側へと傾動する(図9中における時計回り方向に傾動する)。このとき、メダルストッパ73が解除され、メダルガイド72に貯留された状態のメダルMは落下し、メダルフィールド40−4側へと払い出される。また、基端側ソレノイド74aの駆動を解除すると、コイルスプリング77に付勢されている案内部材は元の中立位置に復帰し、これに伴い、押圧部材744a、レバー743a等も元の状態へと戻る(図9等参照)。
なお、以上は基端側ソレノイド74a等の構成であるが、これらとは逆側の先端側ソレノイド74b、プランジャ741b、支軸742b、レバー743b、押圧部材744b、被押圧突起751bについては、配置や向きが異なるのみで基本構成や動作は同様である(図8等参照)。この先端側ソレノイド74bを駆動すれば案内部材75をメダルフィールド40−4側へと傾動させてメダルMをメダルフィールド40−1側へと払い出し、上述の基端側ソレノイド74aを駆動すれば案内部材75をメダルフィールド40−1側へと傾動させてメダルMをメダルフィールド40−1側へと払い出すというように、選択的にメダルMを払い出すことができる。
また、小当たりメカ70には、案内部材75が中立位置にあるかどうか検出可能な装置(中立位置検出装置)も併せて設けてもよい。例示的に、本実施形態では、基台726に光センサ78を設け、案内部材75の下部に一体的に形成された位置検出用突起754の位置に応じて案内部材75が中立位置にあるかどうかを判断する(図7参照)。
上述したように、本実施形態の小当たりメカ70においては、複数のメダルMが、メダルガイド72によってメダルフィールド40の幅方向に案内され、整列した状態で貯留され、所定時にメダルストッパ73を解除することによってこれら貯留メダルMが一度に払い出される。
この場合、これらメダルMは、プッシャ50の往復動方向を横断する方向(本実施形態の場合、メダルフィールド40の幅方向に一致)に整列した状態のままメダルストッパ73による保持を失って落下することから、メダルフィールドの幅方向に関してできるだけ均等に払い出される。したがって、プッシャ50の往復動時、プレイヤの期待に見合う枚数のメダルMがメダルフィールド40から落下することが期待できる。また、メダルフィールド40へのメダル払い出し時における興趣性が損なわれるのを回避することが可能である。
さらに、本実施形態の小当たりメカ70においては、メダルガイド72に隙間722が形成されているため、プレイヤからすれば、メダルホッパー71から供給されたメダルMがメダルガイド72に沿って案内される様子、メダルMが一列に並んで貯留状態にある様子、これらメダルMがそのまま落下してメダルフィールド40に払い出される様子などを視認しやすい。
このように、一列に並んで貯留状態にある複数メダルMがそのままメダルフィールド40に払い出される構成、ならびにメダル払い出しに至るまでの様子を見やすくした構成は、メダルフィールド40へのメダル払い出し時およびその後のプッシャ50の往復動時、プレイヤの期待に見合う枚数のメダルMがメダルフィールド40から落下することを期待させるという演出効果も発揮しうる。
なお、本実施形態では、小当たりメカ70におけるメダルMの貯留数が10枚である場合を例示したにすぎない(図8)。ちなみに、本実施形態の小当たりメカ70によれば、一回のメダル払い出し動作によって10枚のメダルMを払い出すことができる。また、払い出し動作を例えば2回あるいは3回連続して行えば20枚あるいは30枚のメダル払い出しを行うことができる。
また、対向する複数のメダルフィールド40(あるいは対向する複数のプレイヤステーション20)間で同じ小当たりメカ70を共用することで、コスト圧縮やスペース狭小化の点で有利であるほか、複数のプレイヤ間における興趣性向上に資するという点でも有利である。例えば、あるプレイヤステーション20において小当たりメカ70が作動しメダルMが払い出される様子は、対向するプレイヤステーション20のプレイヤからよく見てとれる。したがって、あるプレイヤステーション20においてメダルMが多く払い出される状況が周囲に伝わりやすく、ゲーム装置1における遊戯の雰囲気を盛り上げることができる。
(センターユニット80)
第2のゲーム演出装置の一例は、ベース筐体部分10a上のゲーム空間の中央付近に設けられたセンターユニット80(図1〜図3、図19等参照)である。センターユニット80には、図1〜図3、図19等に示すように、例示的に、水平面(XY平面)内で回転可能なターンテーブル81や、液晶ディスプレイ等の表示装置82を適宜に設けることができる。表示装置82には、ゲーム制御装置2からの制御を受けてゲーム内容の説明等を適宜に表示させることができる。
ターンテーブル81は、例えばモーターやギアを用いた回転駆動機構(図示省略)によって駆動することができる。当該回転駆動機構は、ゲーム制御装置2からの制御を受けて、ターンテーブル81の回転方向や回転速度等を制御することが可能である。ターンテーブル81の上面外周縁は、例示的に、メダルやボールがターンテーブル81上面から簡単にはこぼれ落ちないよう上側へ傾斜させることができる(図23等参照)。ターンテーブル81は、例示的に、平面視において円形形状を有するが、これに限られず、例えば三角形や四角形等の多角形状を有していてもよい。
ターンテーブル81上には、プッシャ機構8(図1、図5、図19及び図20等参照)を設けることができる。プッシャ機構8は、例示的に、ターンテーブル81の回転軸を中心にターンテーブル81の回転とは独立して回転可能に設置されている。したがって、プッシャ機構8は、水平面内でターンテーブル81の回転方向と同じ方向及び逆方向のいずれにも回転することができ、また、ターンテーブル81の回転速度と異なる速度で回転することもできる。プッシャ機構8の回転駆動機構は、ターンテーブル81の回転駆動機構とは個別に設けることができる。
プッシャ機構8は、図19及び図20等に示すように、例示的に、ターンテーブル81の径方向に往復動可能に設置されたプレート状のプッシャ(可動部)83と、当該プッシャ83の往復動をガイドするプッシャガイド(固定部)83aとを備える。
プッシャ(中央押し出し部材)83の往復動も、例えば、モーターの回転運動を所定ストローク量の直線(往復)運動に変換するクランク機構や、ソレノイドなどのアクチュエータ、あるいはその他の駆動源等を用いて実現することができる。
プッシャガイド83aには、例示的に、タワー状のギミック801(図19参照)を設置することができる。この場合、プッシャガイド83aは、ギミック801の台座としての役割も果たす。既述の表示装置82は、当該タワー状のギミック801の一部に設けることができる。この場合、プッシャ機構8の回転に応じてギミック801が回転することにより、表示装置82も回転する。表示装置82の台数は1台でよい。表示装置82の表示面の向き(表示方向)は、プッシャ83の押し出し方向(ターンテーブル81の径方向外側に向かう方向)に合わせることができる。
ギミック801は、例示的に、中空構造のメダルシュート802を有しており、ギミック801の上端部に設けられたメダルシュート入口から当該メダルシュート802を介してメダルをプッシャ83の上面に落下させることができる。メダルシュート802へのメダル供給は、例えばメダルホッパーと称される後述のメダル搬送装置84(図1及び図2等参照)によって行なうことができる。ギミック801の外壁の一部又は全部には、前記中空構造を外部から視認可能なように、ガラスやアクリル、ポリカーボネート等の、可視光線を透過する透明部材を用いることができる。
一例を挙げると、図19に示すように、少なくともプッシャ83と表示装置82との間に位置する外壁部分803に透明部材を用いる。これにより、プレイヤは、プッシャ83上にメダルが落下する様子を視認することが可能となり、プッシャ83へメダルを供給する際の興趣性を向上することができる。また、筋向いに位置するプレイヤステーション20間で、互いにギミック801を挟んで遠い側に位置するターンテーブル81上のメダルやボール等のターゲットを視認しやすくなる。したがって、例えば、後述するようにプッシャ83の操作権限を得てプッシャチャンスに挑戦中のプレイヤステーション20が存在する場合に、そのプレイヤステーション20の筋向いに位置するプレイヤステーション20からターンテーブル81上のプッシャチャンス挑戦中のプレイヤステーション20に近い側に位置するターゲットの様子(落下させることができるか等)を容易に伺い知ることができる。その結果、プレイヤは、例えば、自身に有利なゲーム展開となるようにゲーム戦略を立てたりすることができる。
また、ギミック801の表示装置82が設けられた面(以下、「前面」と称する)とは反対側の面(以下、「背面」と称する)を成す外壁に透明部材を用いることで、ギミック801の背面(つまりは表示装置82の背面)に位置するプレイヤに、メダル落下の様子を視認させることもできる。これにより、メダル獲得中のプレイヤ以外のプレイヤにも本ゲーム装置1でのメダル獲得の期待感を与えることができる。
なお、プッシャ83へのメダル供給は、ゲーム制御装置2において所定のゲーム条件が成立した場合、一例を挙げると、特定色のボールが落下溝60に落下して当該ボールがゲーム空間から外れた(排除された)場合に、ゲーム制御装置2がメダル搬送装置84を制御することで実施できる。すなわち、メダル搬送装置84からメダルシュート802へメダルが供給され、当該メダルシュート802を通じてプッシャ83上へメダルが落下する。
ギミック801の下端部(例えば前記外壁部分803の下端部)は、例示的に、プッシャ83の往復動を阻害しない程度にプッシャ83の上面に接するか、あるいはプッシャ83の上面との間にメダル1枚分の厚みよりも小さな隙間が形成されるように設定される。
これにより、プッシャ83の上面に落下したメダルは、プッシャ83の往復動に伴って移動し、ギミック801の下端部に接触することで、プッシャ83の移動方向に対して相対的に逆方向へ移動する。プッシャ83は、ターンテーブル81に対する立壁面となる端面(以下、「メダル押し出し面」ともいう)831(図19及び図20参照)を有している。
当該メダル押し出し面831は、例示的に、円弧状の端面であり、両サイドのプッシャガイド83aの外壁とともに円形の立壁面を成す。ゲーム制御装置2の制御によって当該メダル押し出し面831は、ターンテーブル81の中心に向かう方向(以下、「退避方向」ともいう)へ所定の位置(以下、「退避位置」ともいう)までスライド可能に構成されている。退避位置は、例えば、ギミック801の下端部と一致する位置、あるいは当該位置をさらに超えた位置に設定することができる。本例のように、当該メダル押し出し面831の退避位置がギミック801の下端部を超えない位置となるようにプッシャ83のストローク量を設定してもよい。
プッシャ83の退避動作に応じて、プッシャ83上のメダルは、プッシャ83の上面から、メダル押し出し面831の近傍のターンテーブル81上に落下する。その後に、ゲーム制御装置2の制御によって、プッシャ83が上記退避方向とは逆方向(以下、「押し出し方向」ともいう)にスライドすると、落下したメダルがメダル押し出し面831から押圧力を受けてターンテーブル81の径方向外側(平面視において円盤状のプッシャ機構8の外周によって区画されるドーナツ状のフィールド)に向かって押し出される。
ターンテーブル81の上面は、メダルが載置されるメダルフィールド(以下、「メダルフィールド81」と表記する)の一例であり、前記ドーナツ状のフィールド及びプッシャ83が退避方向へスライドすることによって露出するターンテーブル81上のフィールドが含まれてもよい。また、メダルフィールド81には、往復動可能なメダルフィールドとしてプッシャ83の上面が含まれることとしても差し支えない。
センターユニット80は、例示的に、当該メダルフィールド(以下、「共通フィールド」ともいう。)81から落下したメダルが各プレイヤステーション20のメダルフィールド(以下、「個別フィールド」ともいう。)40のいずれかに落下しうるように、各プレイヤステーション20に対応するメダルフィールド40に取り囲まれて連係した状態で配置される。したがって、プッシャ83が押し出し方向へスライドし、プッシャ83のメダル押し出し面831から直接あるいは間接的に押圧力を受けて共通フィールド81から押し出されたメダルは、個別フィールド40のいずれかに落下し(受け入れられ)得る。
別言すれば、個別フィールド40は、共通フィールド81に対して、共通フィールド81から押し出されたメダルを受け入れ可能に配置されていれば足りる。したがって、共通フィールド81と個別フィールド40との配置関係は、図5の上面図に例示するような長方形状に限られず、長方形状とは異なる多角形状や円形形状を成す配置関係としてもよい。
なお、図19に例示するように、ギミック801の側面には、ターンテーブル81の径方向外側かつ鉛直下方に向かって傾斜する傾斜面803を1又は複数設けてもよい。図19には、一例として、表示装置82に対面する方向から見て左右対称に2つの傾斜面803(以下、「袖部スロープ803」とも表記する)がギミック801に設けられた様子を示している。
傾斜面803へのメダル供給も、例えばメダルホッパー84によって行なうことができる。メダルホッパー84から傾斜面803へ放出されたメダルは、当該傾斜面803を自重によって転がり又は滑り落ちる。傾斜面803には、メダルの落下速度を調整しうるように、傾斜面803上でメダルの障害物となりメダルの落下方向を変化させるガイド804を適宜に設けてもよい。
ギミック801の回転制御により傾斜面803の端部830をプレイヤステーション20に個別のメダルフィールド40のいずれかに方向付けることにより、当該メダルフィールド40に傾斜面803を経由してメダルを直接的に落下させることができる。傾斜面803は、例示的に、ガラスやアクリル、ポリカーボネート等の、可視光線を透過する透明部材でカバーすることができる。当該カバーによって、メダルが傾斜面803の端部に至るまでに傾斜面803から飛び出してしまうこと等を防ぐことができる。また、プレイヤは、傾斜面803をメダルが落下する様子を視認することができ、メダル獲得の期待感をプレイヤに与えることができる。
ギミック801(メダルシュート802及び傾斜面803)へメダルを供給及び補充する(第2の)メダル搬送装置84(図1及び図2参照)は、例えばベース筐体部分10aの内部から天板12を経由してギミック801へ延在するメダルガイド85を有する。メダルガイド85には、例えば既述のメダル回収装置によって回収されたメダルが導入される。
メダルガイド85は、例示的に、メダル1枚分が通過可能な厚さのスリット通路を有する。メダルは、当該スリット通路を1枚ずつ後続のメダルに押されながら整列した状態でセンターユニット80に設けられたギミック801へ移動する。
メダルガイド85は、例示的に、側壁11−2(11−4)及び天板12の幅方向(Y軸方向)中心近傍のゲーム空間に、側壁11−2(11−4)及び天板12の長手方向の中心線に沿って設けることができる。メダルガイド85のスリット通路は、メダル払い出し装置70に至るメダルガイド72のスリット通路と部分的に共用されていてもよい。
メダル搬送装置84(メダルガイド85)は、両側壁11−2及び11−4側にそれぞれ設けてもよい。この場合、センターユニット80(ギミック801)、ひいてはメダルフィールド81への単位時間あたりの供給メダル数(メダル供給能力)を、片側1台の場合よりも増やすことが可能である。
プッシャ83の往復動は、当該プッシャ83の操作権限が与えられたプレイヤステーション20から制御可能とすることができる。
プッシャ83の操作権限は、例えば、ゲーム制御装置2において所定の抽選等によって特定のゲーム条件(以下、「プッシャチャンス」ともいう)が成立したプレイヤステーション20に与えられるものとすることができる。操作権限を与えられたプレイヤステーション20では、例えばボタン装置23を操作(例えば押下)することでゲーム制御装置2にプッシャ操作信号を与えてプッシャ83を作動させることができる。操作権限が与えられた状態であるか否かは、例えばゲーム制御装置2がボタン装置23の照明制御(点灯、点滅等)を行なうことによって表示することができる。その際、ゲーム制御装置2は、表示装置82の表示画面を当該プレイヤステーション20に方向付けて、プッシャチャンス時の操作説明を当該表示画面にて実施してもよい。
プッシャ83の操作権限が与えられたプレイヤステーション20には、ゲーム制御装置2がギミック801の向きを制御することで、表示装置82の表示画面とプッシャ83の押し出し面831とを方向付けて静止させることができる。このようにプッシャ83の押し出し面831がプレイヤステーション20に対応付けられると、ゲーム制御装置2は、メダルホッパー84を制御して、メダルシュート802を通じプッシャ83に向けてメダルを落下させる。
プレイヤは、ボタン装置23の操作権限が与えられたことを認識すると、例えば、共通フィールド81上のメダルや後述するボールが移動してゆくのを視認しながら、狙ったメダルやボール(以下、「ターゲット」ともいう)を落とす目的でタイミングを図ってボタン装置23を適時に操作する。ボタン装置23が操作されると、プッシャ83が退避位置まで後退してから逆方向に前進する(つまり、一往復する)。なお、「前進」はプレイ中の個別フィールド40に向かう方向への移動であり、「後退」はその逆方向への移動である。これにより、プッシャ83の後退時にプッシャ83上のメダルが共通フィールド81に落下し、プッシャ83の前進により、プッシャ83のメダル押し出し面831がプレイ中の個別フィールド40に向かう方向に押し出される。なお、ゲーム制御装置2は、プッシャ83を後退させた状態で待機し、ボタン装置23が操作されたタイミングでプッシャ83を前進させてもよい。ただし、この場合、プッシャ83を後退、待機させることでプッシャ機構8に生じる空間に、共通フィールド81の回転に応じて共通フィールド81上の1又は複数のボールが入り込んでしまい、プッシャ83の動作異常、想定しないボール落下等が生じてゲームに支障が出るおそれがある。したがって、ボタン装置23が操作されたタイミングでプッシャ83を上述のごとく後退及び前進させることで、このような現象の発生を抑制することができる。
さて、ボタン装置23が操作されて、プレイ中の個別フィールド40に向かう方向にプッシャ83のメダル押し出し面831が押し出されると、ギミック801(メダルシュート802)からプッシャ83の上面を通じて新たに供給されたメダルに押圧力が加わる。当該押圧力が直接又は間接的に共通フィールド81上の他のメダルに伝達されることで、共通フィールド81の外周縁から当該個別フィールド40にメダルやボール等のターゲットを落下させることができる。したがって、各プレイヤステーション20のプレイヤ間で共通フィールド81に存在するメダルやボール等のターゲットを争奪し合う駆け引きが適度に強調され、ゲーム装置1のゲーム性を向上することができる。なお、プッシャ83の操作権限は、所定時間、あるいは共通フィールド81の所定周回数だけ有効な設定にすることができる。
また、ゲーム装置1に、共通フィールド81から押し出されたメダルやボール等のターゲットを個別フィールド40へと円滑に案内する部材が併設されていることも好ましい。このような部材は、例示的に、共通フィールド81と各個別フィールド40との間に形成された傾斜面44や、共通フィールド81から落下したボールをいったん受け止める衝撃緩和部材45によって構成することができる(図20等参照)。
傾斜面44は、例示的に、共通フィールド81から押し出されたターゲットを個別フィールド40へと案内するように傾斜している。このような傾斜面44は、ターゲットを円滑に案内するように組み合わされた複数の面(平面ないし曲面)が組み合わされたものであってもよい。
衝撃緩和部材45は、ボール落下時に傾斜面44等が受けうる衝撃を緩和させうる部材で、例示的に、共通フィールド81の一定範囲(例えば、当該ターンテーブルの周方向に沿った一定幅)から落下したボールをいったん受け止めるように取り付けられている(図20等参照)。また、衝撃緩和部材45の近傍には誘導バー46が併設されている(図19〜図21参照)。誘導バー46は、衝撃緩和部材45との隙間がボール径よりも大きくなるように取り付けられている。落下して衝撃緩和部材45によって受け止められたボールは、当該衝撃緩和部材45と誘導バー46とに交互に当接しながら動きを制限され、落下地点の近傍にてこれら衝撃緩和部材45と誘導バー46との間から落下し、例えば上述した傾斜面44等により個別フィールド40へ案内される。本実施形態の衝撃緩和部材45は、ボールは受け止めるがメダルはそのまま落下させるよう、例えばターンテーブルとの間に所定の隙間を有するように配置されている。
(せり出し量調節部材86)
上述のプッシャチャンス後、ターンテーブル(共通フィールド)81の外周縁から所定量せり出した状態のターゲット(メダルやボール)の当該せり出し量は、ゲーム装置1に例示的に設けられたせり出し量調節部材86によって調節される(図5、図22〜図25参照)。プッシャ83のメダル押し出し面831の動作時に押圧されたターゲット(メダルやボール)は、ターンテーブル(共通フィールド)81上に留まってはいるものの当該ターンテーブル(共通フィールド)81の外周縁からせり出した状態となることがある。このような場合、せり出し量調節部材86は、このようなターゲットが隣のプレイヤステーション20で当該ターンテーブル81から落下する(こぼれ落ちる)という不測の展開によりプレイヤ心理として不公平感、落胆、損得感などが生じるのを抑えることができる。
せり出し量調節部材86は、例示的に、カバー筺体部分10bの内部であって、ターンテーブル(共通フィールド)81の外周縁から所定量離れた位置に固定されている(図22、図23参照)。本実施形態のせり出し量調節部材86は、例示的に、板状部材861と、該板状部材861を支持する支持部材862等を備える(図22等参照)。板状部材861は、例えば当該板状部材861の一部に一体的に形成された取付用ねじ部861bを利用して支持部材862に取り付けられる(図25参照)。
板状部材861は、例示的に、ターンテーブル81の外周における仮想的な接線と平行に延びるように設けられている。詳述すると、板状部材861は、当該板状部材861(の中心)とターンテーブル81の回転中心とを結ぶ仮想中心線とターンテーブル81の外周との交点を最接近点とした場合に当該最接近点における接線と平行に延びるように設けられている。
このようなせり出し量調節部材86は、当該板状部材861に当接したターゲットを、ターンテーブル81の回転に伴い径方向内側へと徐々に押し戻す。しかも、上述のようにターンテーブル81の接線と平行に延びる板状部材861を備えたせり出し量調節部材86は、ターンテーブル81が時計回り、反時計回りのどちらに回転しても、ターゲットを同様に押し戻してせり出し量を調節することができる。
また、本例の板状部材861は、例示的に、中央部861aがターンテーブル81の径方向外周側へ退くように曲折した調節面を有する形状である(図22〜図25参照)。例えば、複数のメダルMが重なった状態でターンテーブル(共通フィールド)81の外周縁からせり出している場合(図22参照)、このような調節面を有する板状部材861は、これらメダルMを径方向内側へ押し戻す際の押圧力が鉛直方向上下に分散するのを抑える。特に、ターンテーブル81の外周縁付近が上側へ傾斜していて当該外周縁付近のメダルMがこの傾斜に沿って傾いている場合にも、本例の板状部材861は、押圧力が分散してメダルMが反り返るのを抑えつつこれらメダルを径方向内側へと所定量押し戻すことができる。
また、ターンテーブル81の外周縁から所定量せり出したターゲットがボールである場合、上述のように曲折した調節面を有する形状の板状部材861は、当該板状部材861の上縁861cを当接させて当該ボールを所定量押し戻してせり出し量を調節する(図22、図23参照)。
なお、このせり出し量調節部材86に、ターンテーブル81からの板状部材861の離間間隔を容易に調整するための調整手段が設けられていることも好ましい。本実施形態では特に図示していないが、調整手段は、例えば、支持部材862に対して板状部材861をターンテーブル81の径方向へ相対移動させるガイド、板状部材861の相対移動を規制する締結手段などで構成することができる。このような調整手段は、当該ゲーム装置1の設置店舗毎に店員などのユーザが独自に調整することを容易にする。
このようなせり出し量調節部材86は、隣接するプレイヤステーション20の間に一つずつ設けられていてもよいが、プレイヤステーション20の間に一つおきに設けられていてもよい。本実施形態では、例示的に、せり出し量調節部材86を、隣接するプレイヤステーション20の間に一つずつ(メダルフィールド40−1を有するプレイヤステーション20とメダルフィールド40−2を有するプレイヤステーション20との間に一つのせり出し量調節部材86−1、メダルフィールド40−3を有するプレイヤステーション20とメダルフィールド40−4を有するプレイヤステーション20との間にさらに一つのせり出し量調節部材86−2)計2つ設けている(図5参照)。
さらに、本実施形態では、例示的に、プッシャチャンスの際、プッシャ83の退避・押し出し動作の前後におけるターンテーブル81の回転方向を所定時に異ならせる。例えば、ターンテーブル81を時計回りに回転している最中に、メダルフィールド40−2を有するプレイヤステーション20に方向付けてプッシャ83の退避・押し出し動作が行なわれた場合には、ターンテーブル81の回転方向は異ならせない。この場合、ターンテーブル81の外周縁から所定量せり出した状態のターゲット(メダルやボール)は、ターンテーブル81の回転に伴い隣接するメダルフィールド40−1を有するプレイヤステーション20に到達するよりも前に、せり出し量調節部材86(86−1)に接触して所定量押し戻される。
一方、ターンテーブル81を反時計回りに回転している最中に、メダルフィールド40−2を有するプレイヤステーション20に方向付けてプッシャ83の退避・押し出し動作が行なわれた場合には、当該動作後にターンテーブル81の回転方向を異ならせて時計回りに回転させる。この場合、ターンテーブル81の外周縁から所定量せり出した状態のターゲット(メダルやボール)は、ターンテーブル81の回転に伴い隣接するメダルフィールド40−1を有するプレイヤステーション20に到達するよりも前に、せり出し量調節部材86(86−1)に接触して所定量押し戻される。
ターンテーブル81を同一方向に回転させ続ける(反転させない)ゲーム装置1においては、プレイヤステーション20と同数のせり出し量調節部材86を設けた方が良いが、回転駆動機構およびゲーム制御装置2の制御により上述のごとくターンテーブル81の回転方向を適宜異ならせることで、せり出し量調節部材86の設置数を減少させることが可能である。
なお、せり出し量調節部材86により、ターンテーブル81の外周縁からせり出しすぎたターゲット(メダルやボール)をそぎ落とすことも可能である。ちなみに、詳しい説明は省略するが、例えば、せり出し量調節部材86によってそぎ落とされたメダルやボールの落下地点の近傍に、ボーナス的にメダルを払い出すための機構(例えば、そぎ落とされたメダルを受けて溜めておき、払い出し条件が成立すると溜めているメダルを各プレイヤステーション20に払い出すための機構)に用いるボーナストレイといった受け皿を設けるような場合、メダルフィールド40−1とメダルフィールド40−2とでボーナス条件を公平にするためには、当該ボーナストレイを対称位置に配置する必要がある。本実施形態では、上述のせり出し量調節部材86を、隣り合うプレイヤステーション20の中間位置に設けることができ、これにより、これらプレイヤステーション20間でのターゲットの落下や獲得に関する条件を等しくすることができる。
以上のようなメダルプッシャゲームを実施可能なゲーム装置1では、ボールやカプセル等の、第1の遊戯媒体の一例であるメダルとは異なる部材(オブジェクト)を遊戯の興趣性をより高める第2の遊戯媒体の一例として追加的にメダルフィールド40又は81に供給してもよい。メダルフィールド40又は81に供給されたボールは、1又は複数のメダルとともに所定の落下溝(前記メダルの落下溝60と共通でもよいし異なってもよい)に移動すると当該落下溝に落下する。
当該ボールの落下を光センサ等で検出したゲーム装置1(ゲーム制御装置2)は、所定の抽選を実施する。当該抽選の結果、小当たり等の役が当選すると、ゲーム装置1(ゲーム制御装置2)は、例えばメダル払い出し装置70によって、メダルを当選プレイヤに対応する個別フィールド40に供給する。
ボールは、当選の種類(配当等の価値あるいは特典)に応じて複数種類用意することができ、例えば、当選の種類に応じてボールの色やサイズ(径)を異ならせることができる。したがって、ゲーム制御装置2において、落下溝60に落下したボールの種類によって当選時に小当たりメカ70やギミック801からメダルフィールド40又は81に放出するメダル数を多くするような設定も可能である。
このようなボールを用いた演出を可能とするゲーム装置1には、例えば落下溝60からベース筐体部分10aの内部に落下したボールを回収してゲーム空間の所定領域(例えば、共通フィールド81又は個別フィールド40)に再供給するボール循環装置90(例えば図1〜図3及び図21等参照)を設けることができる。
(ボール循環装置90)
ボール循環装置90には、例えば図21及び図29等に示すように、共通フィールド81にボールを案内するボールスロープ91aと、個別フィールド40にボールを案内するボールスロープ91bと、落下溝60から落下したボールを回収して当該ボールスロープ91a及び91bへ搬送する搬送装置92とを備えることができる。
例示的に、前記ボールスロープ91a及び91bの入口(以下、「スロープ入口」ともいう。)は、メダルフィールド40及び81よりも鉛直上方に設けることができ、搬送装置92は、搬送方向が鉛直方向となるようにベース筐体部分10a内からゲーム空間へ突出して設置されて、回収したボールを前記スロープ入口に搬送(揚送)する。
搬送装置92は、ゲーム装置1において1又は複数設けることができる。例えば、各メダルフィールド40別に搬送装置92をそれぞれ設けることもできる。この場合、各搬送装置92は、例示的に、平面視における側壁11−2及び11−4の中央近傍の空間に、隣接して配置することができる(図1、図3及び図21等参照)。
搬送装置92には、例示的に、スクリューコンベヤを用いることができる。本例のスクリューコンベヤ92は、ゲーム空間で用いられる異なる径のボールを搬送物の一例として同じ搬送経路で搬送可能である。したがって、異なるボール径に個別のスクリューコンベヤあるいは個別の搬送経路を設けずに済み、ゲーム装置1の規模(設置スペース)やコスト等の低減化を図ることができる。
(スクリューコンベヤ92)
図10に、本例のスクリューコンベヤ92の外観例を模式的に示す。図10に示すスクリューコンベヤ92は、例示的に、回転軸であるスクリュー軸(シャフト)921と、スクリュー軸921の外周に螺旋状に延在するスクリュー羽根922とを有するスクリュー回転体920を備える。スクリュー軸921及びスクリュー羽根922の素材には、いずれもプラスチック等の樹脂を用いることができる。樹脂を用いることで、板金等を用いる場合よりも、成形が容易になり、また、スクリュー回転体920の軽量化を図ることができる。
なお、スクリュー軸921及びスクリュー羽根922は一体的に成形してもよいし、個別の部品として結合してもよい。また、スクリュー回転体920の回転軸は、仮想的な軸であってもよい。例えば、中空状のスクリュー羽根922がスクリュー回転体920の中空軸を成すように成形されていてもよい。スクリュー羽根922を中空状にすることで、スクリュー回転体920のさらなる軽量化を図ることができる。
さらに、スクリュー回転体920は、例えば図11に示す構成(回転体部品)を1単位として必要に応じた数の回転体部品をそれぞれの回転軸921が一致するように相互に結合(例えば嵌合等)することで構成されてもよい。
この場合、スクリュー回転体920の必要な長さに応じて同じ構成の回転体部品を必要な数だけ用意して組み立てればよい。したがって、当該長さのスクリュー回転体920の全体を一体的に成形する場合よりも、量産化が容易であり、スクリュー回転体920の製造コストの軽減化を図ることができる。また、回転体部品の追加/削除により、簡単にスクリュー回転体920の長さを調節することも可能である。
スクリュー軸921の両端は、例示的に、支持板923及び924に取り付けることができる。支持板923及び924のそれぞれには、ボールベアリング等を用いた軸受部(図示省略)を設けることができ、当該軸受部にてスクリュー軸921を回転可能に支持することができる。
支持板923、924どうしは、例えば1又は複数の支柱925により接続、固定することができる。支柱925の形状は、円柱状でも角柱状でもよいし、その他の形状であってもよい。スクリューコンベヤ92は、例示的に、一方の支持板924を台座として(以下、「台座924」と表記することがある)、ゲーム装置1にスクリュー軸921の長さ方向が鉛直方向となるように取り付けることができる。
スクリュー羽根922は、スクリュー軸921の中心に沿った断面図である図11に例示するように、径方向外側に向かって傾斜(例えば本例では、下り傾斜)する傾斜面922cを有している。傾斜面922cには、互いに異なる断面形状を有する複数(例えば2つ)のガイドスロープ(以下、「螺旋スロープ」ともいう。)922a及び922bがスクリュー羽根922の成す螺旋に沿って形成されている。
第1のガイドスロープ922aは、第1の曲面、換言すれば、スクリュー羽根922の径方向に沿った断面において第1の円弧状断面を有する。第2のガイドスロープ922bは、第1のガイドスロープ922aの外周に連なり当該外周に沿って延在するとともに、第1の曲面(円弧状断面)とは異なる曲率の第2の曲面(円弧状断面)を有する。なお、ガイドスロープ922a及び922bの断面は、完全な円弧状でもよいし、それ以外の形態、例えば、外周側に向かうにつれて曲率が徐々に変わる、等であってもよい。
第1及び第2のガイドスロープ922a及び922bは、例示的に、それぞれ異なる径のボール(球状搬送物)を案内する螺旋状の案内路を成す。各ガイドスロープ922a及び922bの表面(以下、それぞれ「第1の螺旋スロープ面922a」及び「第2の螺旋スロープ面922b」と表記することがある。)は、それぞれ大小異なるボール径に応じて異なる曲率に設定することができる。
例えば、第1(内側)の螺旋スロープ面922aの曲率をゲーム装置1で扱う最大のボール(第1の球状搬送物)の径に対応して設定し、第2(外側)の螺旋スロープ面922bの曲率を当該ボールよりも小さなボール(第2の球状搬送物)の径に対応して設定することができる。
これにより、螺旋スロープ面922a及び922bに、対応する径のボールが留まりやすくなる(保持性の向上)。したがって、スクリュー羽根922の径方向外側からボールを支えるのに必要な外力も低減できる。結果として、スクリュー羽根922の径方向外側からボールを支えるのに後述のガイドレールを用いることができる。
図10に例示するように、台座924と反対側の支持板(以下、「天板」ともいう)923には、モーター及びギア等を用いてスクリュー回転体920(スクリュー軸921)を回転駆動する駆動ユニット926を設けることができる。
台座924と天板923との間には、スクリュー軸921に沿う長手方向に延在する搬送ガイド927(非限定的な一例として、スクリュー軸922の長手方向に並行する3本のガイドレール927a、927b及び927c)を、スクリュー羽根922と接触しないようにスクリュー軸921からそれぞれ所定距離だけ離れた位置に、かつ、平面視において互いに所定間隔だけ離間して設けることができる。
3本のガイドレール927は、例えば図15〜図18に模式的に示すように配置することができる。なお、図15及び図16はそれぞれ径の小さなボールB2を搬送中のスクリューコンベヤ92の模式的な部分側面図及び部分平面図であり、図17及び図18はそれぞれ径の大きなボールB1を搬送中のスクリューコンベヤ92の模式的な部分側面図及び部分平面図である。
図15及び図16に模式的に示すように、径の小さなボールB2は、2本のガイドレール927(927a及び927b)と、スクリュー羽根922の外側の螺旋スロープ面922bとで、転がり可能に支えることができる。一方、図17及び図18に模式的に示すように、径の大きなボールB1は、同じ2本のガイドレール927a及び927b(又はこれらにガイドレール927cを加えた3本)と、スクリュー羽根922の内側の螺旋スロープ面922aとで、転がり可能に支えることができる。
(第1の)ガイドレール927aは、スクリュー羽根922の回転に伴ってボールB1及びB2が螺旋スロープ922a及び922bをスクリュー羽根922の回転方向に案内されないようにボールB1及びB2を支えてボールB1及びB2の回転方向(周方向)への動きを規制する。一方、(第2の)ガイドレール927bは、スクリュー軸921の径方向へボールB1及びB2がスクリュー羽根922から外れないようにボールB1及びB2を支えてボールB1及びB2の径方向への動きを規制する。
このようなガイドレール927の配置により、スクリュー羽根922の回転に伴って、スクリュー羽根922の傾斜に沿ってボールB1及びB2が落下するような動きを規制しながら、異なる径のボールB1及びB2をガイドレール927に沿って(直線的に)搬送することが可能となる。
例えば、スクリュー羽根922が駆動ユニット926によって反時計回り(図10〜図18の矢印Dの方向)に回転されると、小さな径のボールB2は、2本のガイドレール927a及び927bに支えられて周方向および径方向への動きを規制されながら外側の螺旋スロープ面922bによって(場合によっては転がりながら)押し上げられることにより、2本のガイドレール927a及び927bに沿って(直線的に)天板923に向かう方向へ搬送(揚送)される。
一方、大きな径のボールB1は、2本のガイドレール927a及び927b(又はこれらにガイドレール927cを加えた3本)に支えられて周方向および径方向への動きを規制されながら内側の螺旋スロープ面922aによって(場合によっては転がりながら)押し上げられることにより、2本(又は3本)のガイドレール927に沿って(直線的に)天板923に向かう方向へ搬送(揚送)される。
なお、2本のガイドレール927a及び927bの配置を調整することで、当該ガイドレール927a及び927bで大小異なる径のボールB1及びB2の双方を転がり可能に支えて周方向および径方向への動きを規制することが可能である。その場合、第3のガイドレール927cは、補助的なものであり省略できるならば設けなくてもよい。
また、スクリューコンベヤ92で搬送可能なボール径は、大小2種類に限られない。ゲーム装置1で扱う最大のボール径未満でガイドレール927a及び927b間の隙間よりも大きな径を有するボールであれば、螺旋スロープ面922a及び922bの一方を通じて当該ボールをガイドレール927に沿って搬送(揚送)することが可能である。
図10に示すように、ガイドレールの1本(例えばスクリュー羽根922に最も近いガイドレール922a)は、例示的に、スクリュー軸921の長さと同程度の長さを有し、一端を台座924、他端を天板923にそれぞれ取り付けることができる。
(ボール排出構造)
当該ガイドレール922aの途中には、ボール排出路を成すスロープブロック928を設けることができる。残りのガイドレール927b(及び927c)は、例示的に、ガイドレール927aよりも短くし、一端は図10及び図12に例示するようにスロープブロック928にて終端され、他端は図10に例示するように台座924に取り付けることができる。
スロープブロック928は、図12に例示するように、スクリュー軸921に沿う方向に隣接するスクリュー羽根922どうしが成すピッチ空間のうち、ボール排出口を成すピッチ空間(例示的に、駆動ユニット926に最も近いピッチ空間)に臨んでいる。
スロープブロック928は、スクリュー軸921から径方向に離れるにつれて水平面よりも鉛直下方に向けて傾斜するスロープ面929を有する。当該スロープ面929が既述のボールスロープ91と連なるように当該ボールスロープ91の端部をスロープブロック928に接続することができる。
また、スロープブロック928には、スクリュー軸921の回転に応じてガイドレール927に沿って搬送されてきたボールB1及びB2のいずれとも干渉しないように、スクリュー軸921側に円弧状の切り欠き部929aを形成することができる。円弧の径は、最大径のボールの搬送を阻害しない範囲に設定することができる。
当該切り欠き部929aをボールB1又はB2が乗り越えると、当該ボールB1又はB2を支えるガイドレール927が2本(又は3本)から1本(927a)に減るため、ボールB1又はB2の径方向への動きの規制が解除される。ボールB1又はB2の周方向への動きの規制は、ガイドレール927aによって維持される。
その結果、ボールB1又はB2はバランスを失い、スロープブロック928のスロープ面929を転がって排出される。したがって、ボール排出口に特別あるいは複雑な排出装置や排出機構を個別に設けなくても良く、スクリューコンベヤ92(ひいてはゲーム装置1)の簡素化、低コスト化を図ることができる。
ガイドレール927aのスロープブロック928(スロープ面929)から突出した部分9271(図12参照)は、スロープブロック928を乗り越えようとするボールB1又はB2の周方向への動きを規制し続ける。したがって、当該ボールB1又はB2が、スクリュー軸921(スクリュー羽根922)の回転に応じて受けた回転力によってスロープブロック928からスクリュー羽根922の傾斜(螺旋スロープ面922b又は922a)に沿って周方向に転がり落ちる(スクリュー羽根922へ再進入する)ことを防止できる。つまり、ガイドレール927aの突出した部分9271は、再進入規制部材の一例である。このように、ガイドレール927aの一部(突出した部分9271)をボール排出時の再進入規制部材として利用することで、個別の部材が不要であり、スクリューコンベヤ92の構成を簡素化できる。
なお、排出されるべきボールB1又はB2のスクリュー羽根922への再進入を防げればよいので、ガイドレール927aのスロープブロック928から突出した部分9271は、天板923に至るまで延在(突出)してなくてもよい。ただし、1本のガイドレール927aを台座924と天板923との間に延在して設けることで、ガイドレール927aは、天板923と台座924との間の補強的な支柱としても機能し得る。したがって、スクリューコンベヤ92の物理的な強度を向上できる。
(ボール導入構造)
台座924には、スクリュー羽根922にボールを導入するボール導入部材の一例として、図10、図13及び図14に例示するように、スクリュー羽根922のピッチ空間のうちボール導入口を成すピッチ空間(例示的に、台座924に最も近いピッチ空間)に臨むボール整列ブロック930を設けることができる。
当該ボール整列ブロック930からスクリュー羽根922に向かってボールB1又はB2を進入させることができる。その際、本例のボール整列ブロック930は、異なる径のボールB1及びB2別にスクリュー羽根922に対する進入経路を分離して、異なる径のボールB1及びB2毎に進入位置(スクリュー軸921に沿う方向の位置、本例の場合には高さ)を異ならせることができる。
例えば図13及び図14に模式的に示すように、ボール整列ブロック930は、スクリュー羽根922の各螺旋スロープ922a及び922bのピッチ方向の位置に応じて空間的に離間した位置(高さ)にスロープ(ガイド)面を有する2段の整列スロープ(ガイド通路)931及び932を備える。
第1の整列スロープ931には、径の小さなボールB2を載せる(整列させる)ことができ、第1の整列スロープ931よりも空間的に高い位置にある第2の整列スロープ932には、径の大きなボールB1を載せる(整列させる)ことができる。
したがって、径の小さなボールB2は第1の整列スロープ931にてスクリュー羽根922の外側の螺旋スロープ面922bに向かって案内し、径の大きなボールB1は第2の整列スロープ922aにてスクリュー羽根922の内側の螺旋スロープ面922aに向かって案内することができる。
第1の整列スロープ931は、例示的に、台座924上に、小さなボールB2の径よりも大きく、かつ、大きなボールB1の径よりも小さな距離だけ互いに離間して設けられた2つの立壁部933の対向する壁面と、当該立壁部933の間に挟まれて、スクリュー羽根922に向かって傾斜(傾斜は段階的でもよい)した1又は複数の傾斜板934の表面とで形成することができる。
この場合、各立壁部933の、鉛直方向(スクリュー羽根922のピッチ方向)に傾斜板934から突出した部分の縁部935を、径の大きなボールB1が載置される第2の整列スロープ932としてのガイドレールに位置付けることができる。
ガイドレール(縁部)935は、図14に例示するように、側面視において水平面よりも鉛直下方へスクリュー羽根922に向かって傾斜するように形成することができる。なお、図14は、図13において立壁部933の一方を取り外した状態でのE矢視側面図に相当する。
ガイドレール935を成す両側の立壁部933間は大きなボールB1の径よりも狭い距離に設定されているから、ガイドレール935に進入したボールB1は、当該ガイドレール935にて2箇所で点接触あるいは面接触により中空支持されながら、スクリュー羽根922に向かって自重によって転がり移動することができる。
整列スロープ932(ガイドレール935)のスクリュー羽根922に向かう方向の長さは、ボールB1の転がり途中に、径の小さなボールB2を案内する傾斜板934上に当該ボールB1が落下する長さに設定することができる。これにより、ボールB1は、立壁部933(ガイドレール935)を転がる途中に傾斜板934へ落下し、当該傾斜板934からスクリュー羽根922へ進入する。
ここで、傾斜板934の傾斜角を、径の小さなボールB2はその中心がスクリュー羽根922の外側の螺旋スロープ面922bに、径の大きなボールB1はその中心がスクリュー羽根922の内側の螺旋スロープ面922aにそれぞれ向かう角度範囲内に設定しておけば、径の異なるボールB1及びB2を共通の傾斜板934で異なる螺旋スロープ面922a及び922bに進入させることができる。
このように、本例のボール整列ブロック930によれば、スクリュー軸921に沿う高さ方向に異なるスロープ面を有する第1及び第2の整列スロープ931及び932によって、異なる径のボールB1及びB2の導入方向を、スクリュー羽根922の各螺旋スロープ面922a及び922bに適切に方向付けることができる。したがって、径の異なるボールB1及びB2に個別のボール整列ブロックを用意する必要がなく、スクリュー回転体920(スクリュー羽根922)へのボール導入構造を簡易化することができる。その結果、スクリューコンベヤ92(ひいてはゲーム装置1)の小型化、低コスト化を図ることができる。
また、径の大きなボールB1が載置される第2の整列スロープ932として、径の小さなボールB2の整列スロープ931の一部を成す立壁部933の縁部935を利用することで、ボール導入構造の一例であるボール整列ブロック930の構造をさらに簡易化することができる。したがって、ボール整列ブロック930自体の小型化、軽量化を図ることができる。
なお、ボール整列ブロック930からボールB1又はB2が進入するスクリュー羽根922と、当該スクリュー羽根922の鉛直上方に隣接するスクリュー羽根22とで挟まれるピッチ空間(ボール導入口を成すピッチ空間)には、側面視において当該ピッチ空間を塞ぐフェンス(又はバリア)936を設けることができる。
フェンス936は、ボールB1及びB2がガイドレール927に支えられずにスクリュー羽根922の周方向に過度に進入して落下するような動きを規制する過進入規制部材の一例である。フェンス936を設ける位置は、平面視において例えば図12及び図14中に破線Fで示すように、当該フェンス936とガイドレール927aとが成す隙間を最小径のボールが転がり落ちない位置に設定することができる。
このようなフェンス936を設けることで、ボール整列ブロック930からスクリュー羽根922に複数のボールB1及び/又はB2が連続的に進入してきたとしても、当該ボールは、フェンス936を超えることができないから、ボールを1個ずつ確実にガイドレール927と螺旋スロープ面922a又は922bとで支えてスロープブロック928へ搬送することができる。
(ボール振り分け構造)
既述のスロープブロック928(スロープ面929)のボール排出方向近傍には、例えば図21、図29及び図30に示すように、スロープブロック928から排出されたボールB1及びB2が進入し、かつ、当該ボールB1及びB2をボールスロープ91a及び91bの入口に対応する位置に向けて案内するボールスロープ96を設けることができる。
ボールスロープ96は、図21及び図30に示すように、例示的に、溝状通路を成し、当該溝状通路の内壁面に相当するガイド面960bと、前記溝状通路の立壁部に相当するガイドレール960aとを有する。ガイドレール960aを成す立壁部どうしの間隔は、例えば、径の小さなボール(以下、「小ボール」ともいう)B2の径よりも大きく、かつ、径の大きなボール(以下、「大ボール」ともいう)B1の径よりも小さな間隔に設定される。
したがって、大ボールB1はガイドレール960aを成す立壁部の露出端部にて支えられて案内され、小ボールB2は当該立壁部には支えられずに溝状通路の内壁面(ガイド面)960bにて案内される。別言すれば、ボールスロープ96は、スクリューコンベヤ92のスロープブロック928から排出されたボールの大小によって鉛直方向に異なる位置(高さ)で当該ボールを案内する。
ボールスロープ96の出口に対応する位置には、ボールスロープ96から(鉛直方向に異なる高さで)進入してきた異なる径のボールをボールスロープ91a又は91bに選択的に排出するボール振り分け装置95を設けることができる。例示的に、ボール振り分け装置95は、大ボールB1は共通フィールド81に向かうボールスロープ91aへ、小ボールB2は当該ボールスロープ91a又は個別フィールド40に向かうボールスロープ91bへ、排出する。
ボールスロープ91bの出口に相当する、ボール振り分け装置95とは反対側の端部には、図21及び図30に例示するように、少なくとも小ボールB2の径よりも大きな径の孔部911を設けることができる。当該孔部911にボールB2が到達すると、当該ボールB2は自重により孔部911から鉛直下方へ落下する。孔部911の周囲には、小ボールB2の落下方向が鉛直下方からずれないように、鉛直下方へ延在する螺旋状や筒状等のガイド912を設けてもよい。螺旋状のガイドを用いれば、小ボールB2が落下する様子をプレイヤが視認しやすくなり、例えばボール獲得の期待感をプレイヤに与えることができる。
図21に示すように、ガイド912の鉛直下方には、例示的に、個別フィールド40(プッシャ50)に向かって傾斜する傾斜面43が設けられる。傾斜面43は、例えば、スクリューコンベヤ92の鉛直上方への突出部分と干渉しないように設けられている。傾斜面43とスクリューコンベヤ92との境界部分には、傾斜面43からスクリュー羽根922へボールが進入することを阻止するフェンス412を設けてもよい。
さらに、傾斜面43には、ガイド912を通じて落下した小ボールB2をプッシャ50へ優先的に案内するガイド411を設けてもよい。この場合、ボールスロープ91bから孔部911及びガイド912を通じて傾斜面43へ落下した小ボールB2は、ガイド411を乗り越えずに、フェンス412及びガイド411で挟まれる通路に沿ってプッシャ50の上面へ案内される。なお、ガイド411は、プッシャ50の動作タイミングによっては小ボールB2をプッシャ50の上面及び個別フィールド40の上面のいずれかに選択的に供給可能な配置してもよい。当該配置により、ゲーム性を向上することができる。
(ボール振り分け装置95)
図31〜図36にボール振り分け装置95の構成例を示す。
本実施形態におけるボール振り分け装置95は、例示的に、ボールガイドアセンブリ95aと、当該アセンブリ95aに対してボールB1及びB2の通過を阻害しないように切り欠き部950が設けられた筐体部95bとを備える。
ボールガイドアセンブリ95aは、例示的に、大ボールB1を案内する一対のボールガイドレール951(図31及び図32参照)と、小ボールB2を案内する一対のボールガイドレール952(図33及び図34参照)と、小ボールB2を案内するボールスロープ953(図35及び図36参照)と、を備える。
ボールガイドレール951は、例示的に、ボールガイドレール952及びボールスロープ953よりも鉛直上方に位置し、鉛直下方内側に向かって傾斜する傾斜面951aをそれぞれ有している。傾斜面951aどうしの離間距離(レール間距離)は、図32等の側面視において小ボールB2の径よりも大きく、かつ、大ボールB1の径よりも小さな距離に設定されている。したがって、ボールガイドレール951を、ボールスロープ96のガイドレール960a(図30参照)に沿って案内されてくる大ボールB1が進入する位置に設定しておくことで、大ボールB1は、当該各傾斜面951aで支えられながら図31の矢印方向(図32の紙面奥側)へ案内される。
ボールガイドレール952は、図34等の側面視においてボールガイドレール951とボールスロープ953との間に位置しており、ボールガイドレール951と同様に、鉛直下方内側に向かって傾斜する傾斜面952aをそれぞれ有している。ただし、対向する傾斜面952aどうしの離間距離は、小ボールB2の径よりも小さな距離に設定されている。したがって、ボールガイドレール952を、ボールスロープ96のガイド面960bに沿って案内されてくる小ボールB2が進入する位置に設定しておくことで、小ボールB2は、傾斜面952aで支えられながら図33の矢印方向(図34の紙面奥側)へ案内される。
ここで、ボールガイドレール952は、例示的に、小ボールB2の案内方向に延在する板状のフラップ部材(可動部)(以下、「フラップ部材952」とも表記する)であり、例えば図32〜図36に示すように、傾斜面952aの設けられた端部とは反対の端部側を回転軸として鉛直上方に回動(跳ね上げ)可能にボールガイドアセンブリ95aに取り付けられている。別言すると、フラップ部材952は、跳ね上げられていない状態を第1の位置の一例とし、かつ、跳ね上げられた状態を第2の位置の一例として、これらの位置の間を移動可能に構成されている。
フラップ部材952を跳ね上げた状態(以下、「収納状態」あるいは「開状態」ともいう)において、対向するフラップ部材952間の離間距離は、小ボールB2の径よりも大きな距離に設定されている。したがって、フラップ部材952の収納状態では、小ボールB2は傾斜面952aに支えられずに鉛直下方に位置するボールスロープ953へ案内される(例えば落下する)。
つまり、ボールガイドレール952は、閉状態(第1の位置)において小ボールB2を支持する離間距離を形成する一方、開状態(第2の位置)において小ボールB2が落下する離間距離を形成する一対のガイド面952aを有している。
なお、フラップ部材952が跳ね上げられていない状態(以下、「閉状態」ともいう)において、フラップ部材952は、例えば、それぞれの下端で規定される平面よりも鉛直下方へ回動することを規制する例えばストッパ(図示省略)等に接している。したがって、小ボールB2の重みや小ボールB2が落下してきた時の衝撃によってフラップ部材952が鉛直下方に開放してしまい、予期せず小ボールB2がボールガイド953へ落下してしまうことを回避することができる。
フラップ部材952の回動(跳ね上げ)は、例えば筐体部95bに内蔵された、図示しない駆動機構(以下、「フラップ駆動機構」という)によって制御することができる。当該フラップ駆動機構には、例示的に、ソレノイド(図示省略)を用いることができ、当該ソレノイドの駆動力をフラップ部材952にワイヤ等を用いたリンク機構によって伝達する構造を採用できる。リンク機構は、ソレノイドのストローク量を増幅する構造にしてもよい。フラップ駆動機構は、ゲーム制御装置2からの制御に応じてフラップ部材952の開閉状態を制御する。
ボールスロープ953は、ボールガイドレール(フラップ部材)952が閉状態(第2の位置)にあるときに小ボールB2が進入(落下)してくる位置に設けられており、例示的に、ボールガイドアセンブリ95aの底部を成している。当該底部は、図31〜図36に示すように、例えば、ボール案内方向に沿う方向から見た場合にV字形状を有している。当該ボールスロープ953は、例えば、平面視において台形状を有するガイド面953aと、当該ガイド面953aの各斜辺に向かって鉛直下方に傾斜し、かつ、当該ガイド面953aと連続する一対の傾斜面953bと、を有する。
なお、台形状の案内面953aの下底側には、小ボールB2が、ボールガイドレール951及び952によるボール排出方向(図31及び図33の矢印参照)と同じ方向へ排出されないように規制する規制部材(例示的に、板状ストッパ)954を設けることができる。
この場合、ボールスロープ953上の小ボールB2は、第1及び第2のボールガイド951及び952の場合とは逆に、図35の矢印方向(図36の紙面手前側)へ案内される。ここで、案内面953aが、平面視において小ボールB2の進行方向に向かって先細りの形状を有しているから、小ボールB2は、小ボールB2の進行方向を横切る方向(以下、「幅方向」ともいう)へ揺動するような動きを両サイドの傾斜面953bによって規制されながら案内される。したがって、先細りの案内面953aの端部から優先的に小ボールB2を安定的に排出させることができ、小ボールB2の排出位置の変動を低減することが可能である。
以上のような構造を有することにより、ボール振り分け装置95は、ボールスロープ96から同じ方向に進入してきた異なる径のボールB1及びB2を、鉛直方向に異なる位置に設けられたボールガイドレール951、952及びボールスロープ953のいずれかに選択的に進入させることで、それぞれのボール排出位置を鉛直方向に異ならせることができる。なお、前記板状ストッパ954を設けることで、排出方向も異ならせる(例示的に、逆方向にする)ことができる。
したがって、異なるボール排出位置に、ゲーム装置1のゲーム空間において異なる経路を成すボールスロープ91a及び91bの入口が臨むように、ボール振り分け装置95と当該ボールスロープ91a及び91bとの相対的な位置関係を設定することで、ボール振り分け装置95に同じ方向から進入してきたボールB1及びB2を空間的に異なる経路へ選択的に排出することが可能となる。
例示すると、図21及び図30に示すように、ボールガイドレール951及び952のボール排出位置がいずれも共通フィールド81へ至るボールスロープ91aの入口に臨むように設定し、かつ、ボールスロープ953のボール排出位置が個別フィールド40へ至るボールスロープ92bの入口に臨むように設定する。
これにより、ボールスロープ96のガイドレール960aに沿ってボール振り分け装置95に進入してきた大ボールB1は、ボールガイドレール951を通じて共通フィールド81へ供給される。一方、ボールスロープ96の内壁面(ガイド面)960bに沿ってボール振り分け装置95に進入してきた小ボールB2は、ボールガイドレール(閉状態のフラップ部材)952(ガイド面952a)を通じて共通フィールド81へ、あるいは、フラップ部材952を開状態としてボールスロープ953(ガイド面953a及び953b)を通じて個別フィールド40(50)へ、選択的に供給することができる。
小ボールB2の排出先選択(ボール振り分け制御)は、ゲーム制御装置2によって制御することができる。当該ボール振り分け制御の詳細例については、図41により後述する。
なお、上述したボール振り分け装置95の構造(以下、「排出経路選択構造」ともいう)は一例に過ぎない。ボール振り分け装置95は、小ボールを共通フィールド81に向かうボールスロープ91a又は個別フィールド40に向かうボールスロープ91bに選択的に送り出せる構造を備えていれば足りる。
例えば、フラップ部材952に代えて、水平面内のスライド動作によって離間距離(例えばレール間距離)が可変する部材を用いることで、小ボールB2の排出経路を変更できるようにしてもよい。
また、排出経路選択構造に、いわゆるシャッター部材を採用し、シャッター部材の開状態で小ボールB2を個別フィールド40に向かうボールスロープ91bへ送り出し(例えば落下させ)、シャッター部材の閉状態で小ボールB2を共通フィールド81に向かうボールスロープ91aへ送り出す(通過させる)ようにしてもよい。この場合、シャッター部材の開閉が、第1の位置と第2の位置との間の移動に相当する。
さらに、上述したボール振り分け装置95は、代替的又は付加的に、上述した小ボールに関する排出経路選択構造と同等の構造を大ボールに関して備えることで、大ボールを共通フィールド81又は個別フィールド40へ選択的に送り出せるようにしてもよい。例えば、ボールガイドレール952と同様にボールガイドレール951にもフラップ部材を採用し、各フラップ部材951及び952をそれぞれ跳ね上げた状態において大ボールB1をボールスロープ953に案内する(例えば落下させる)ようにレール間距離を設計すれば、大ボールB1を個別フィールド40へも送り出すことが可能になる。ゲームルールによっては回収した大ボールB1を個別フィールド40へ戻した方が良い場合もあるので、当該態様は、そのような場合に有用である。
(ゲーム制御装置2)
次に、図37を参照して、ゲーム制御装置2の構成例について説明する。
ゲーム制御装置2は、例示的に、CPU(制御部)221と、記憶部222と、ブートROM223と、ペリフェラルインタフェース224と、バスアービタ225と、GPU(グラフィックプロセッサ)226と、グラフィックメモリ227と、オーディオプロセッサ228と、オーディオメモリ229と、通信インタフェース(I/F)230とを備える。
CPU221は、CISC(Complex Instruction Set Computer、複合命令セットコンピュータ)方式やRISC(Reduced Instruction Set Computer、縮小命令セットコンピュータ)方式のCPU(Central Processing Unit、中央処理装置)、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Siganl Processor)、ASIC(Application Specific Processor、特定用途向けプロセッサー)等である演算・制御能力を備えた制御手段の一例である。CPU221は、後述する記憶部222やグラフィックプロセッサ226、オーディオプロセッサ228等の機能を備えることも可能である。
記憶部222には、例示的に、RAM(Random Access Memory)等の主記憶用に使われる高速な記憶手段と、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、SRAM(Static Random Access Memory)、磁気テープ装置、光ディスク装置等の補助記憶手段とが含まれる。
記憶部222には、例えば、プログラムとデータとが記憶される。また、記憶部222には、ゲーム装置1をコンピュータとして機能させるOS(Operating System、図示せず)が記憶されており、プログラム等は、OSの各種API(Application Programming Interface)により、ゲーム装置1の各機能にアクセス可能である。
プログラムは、ゲーム装置1としての各種機能を実現するゲームプログラムであり、例示的に、図38〜図41に例示するフローチャートを実行するプログラムが含まれる。プログラムは、サーバからダウンロードしてアップデートしたり、ゲーム開始時にダウンロードしたりすることも可能である。
データは、当該ゲームプログラム用の各種データであり、例えば表示部42、表示装置82に表示する画面を成す画像データや、スピーカ30等に出力する音楽データ等の、ゲーム実行に用いられるデータが含まれる。
CPU221が、ゲームプログラムや各種データを記憶部222から読み込んで実行することによりゲーム装置1をコンピュータの一例として機能させて前記各種機能を実現することができる。
ブートROM223は、ROM(Read Only Memory)やNOR型フラッシュメモリやSRAM等の不揮発性記憶媒体である。ブートROM223は、ゲーム装置1の起動に用いられるプログラムやデータを記憶する。CPU221は、ブートROM223のプログラムやデータを読み出して、CPU221のマイクロコードの設定を行なったり、各部の初期化を行なったり、記憶部222からOS等を起動し、プログラムが実行されるような指示を行なったりする。ブートROM223には、通信I/F230のIPアドレス等を設定したり、各部の動作テストをしたり、メダルの枚数等をカウントしたりするプログラムやデータを記憶しておくこともできる。
ペリフェラルI/F224は、各種周辺機器(ペリフェラル)を接続する、USB、IEEE1394、シリアル、パラレル、赤外線、無線等のインタフェースを提供する。ペリフェラルI/F224に接続可能な周辺機器の非限定的な一例は、メダル投入装置21、ボタン装置23、小当たりメカ70、表示装置82、メダル搬送装置84、ボール循環装置90(スクリューコンベヤ92)、ボール振り分け装置95、ギミック801、プッシャ50、83、ターンテーブル81、及び各種センサ(図37参照)等が挙げられる。
センサ群には、例示的に、光センサ78、ボール検出センサ、メダル検出センサ等が含まれる。ボール検出センサは、例えば、個別フィールド40から落下溝60へ落下したボールの大小を検出するセンサである。
ボール検出センサは、例示的に、ボール循環装置90(スクリューコンベヤ92のボール導入部を成すボール整列ブロック930)へ至るボール循環通路に設けてもよいし、ボール整列ブロック930の整列スロープ931及び932別に設けてもよい。ボール検出センサには、フォトリフレクタ等の光学的センサを用いることができる。メダル検出センサは、例えば、メダル投入装置21のメダルスロープ211に設けることができる。メダル検出センサにも、例示的に、フォトリフレクタ等の光学的センサを用いることができる。
各種センサによって検出された情報は、バスアービタ225を介してCPU221に与えられる。CPU221は、与えられた情報を基に、落下溝60に落下したボールの大小、色、およびメダル投入の有無等を識別することができる。
なお、ペリフェラレルI/F224には、スティック型コントローラー、振動装置等のフォースフィードバック装置、タッチパッド、タッチパネル、キーボード、マウスやトラックボール等のポインティングデバイス等を接続することもできる。また、ペリフェラルI/F224は、電子スイッチ(図37中の符号13参照)等を制御することもでき、各種周辺機器の電源をオン/オフ制御して消費電力を抑えたりすることもできる。
バスアービタ225は、いわゆる「チップセット」等の、各部を接続するバスI/Fを提供する集積回路である。バスアービタ225で接続される各部のバスのスピードは異なっていてもよく、上り/下りで非対称であってもよい。
GPU226は、例えば3次元コンピュータグラフィック(CG)を描画する機能をもつグラフィックプロセッサ(画像生成部)である。グラフィックプロセッサは、例示的に、ポリゴンデータのジオメトリ(座標)計算を行なうジオメトリプロセッサ261と、ジオメトリ計算が行なわれたポリゴンをラスタライズ/レンダリング(描画)するレンダリングプロセッサ262とを含む。GPU226は、描画された画像を表示装置82等に出力するため、例えば、RAMDAC(RAM D/Aコンバータ)やHDMIインタフェース等を備えている。なお、ジオメトリプロセッサ261による処理の一部又は全部は、CPU221にて処理してもよい。
グラフィックメモリ227は、GPU(グラフィックプロセッサ)226の描画速度に応じた速度で読み書き可能な記憶媒体である。グラフィックメモリ227の一例としては、GDDR(Graphics Double Data Rate(グラフィックス・ダブル・データレート))等が挙げられる。なお、グラフィックメモリ227は、システムLSIのようにグラフィックプロセッサに内蔵されてもよい。また、グラフィックメモリ227は、GPU(グラフィックプロセッサ)226の描画中に、表示装置82等への表示を可能にするデュアルポート構成にしてもよい。
オーディオプロセッサ228は、例示的に、音楽や音声、効果音等を出力するPCM(Wave)音源等を備えたDSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)等である。オーディオプロセッサ228は、物理演算音源、FM音源等の計算を行ない、残響や反射等の各種音声効果を計算することもできる。オーディオプロセッサ228の出力は、D/A(デジタル・アナログ)変換され、デジタルアンプ等に接続されて、スピーカ30等で音楽や音声や効果音として再生される。オーディオプロセッサ228は、マイクから入力された音声の音声認識等にも対応することができる。
オーディオメモリ229は、音楽や音声、効果音等のデジタルデータを記憶する記憶媒体である。オーディオプロセッサ228とオーディオメモリ229とは、一体化してもよい。
通信I/F230は、LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)、WAN(ワイド・エリア・ネットワーク)等のネットワークへの接続を可能にする。通信I/F230には、例えば、WiMax(登録商標)、c.Link(登録商標)、HDMI(登録商標)、有線/無線LAN、電話線、携帯電話網、PHS網、電灯線ネットワーク、IEEE1394等の接続方式に準拠したものを適用できる。
通信I/F230を介して、ゲーム装置1は、他のゲーム装置1やサーバと通信することができる。これにより、例えば、通信可能に接続されている他のゲーム装置1のプレイヤとの対戦ゲーム(対戦などの競争を行なうゲーム)又は共同ゲーム(協力して課題を解決するゲーム)をすることができる。また、複数のゲーム装置1が通信可能に接続されることで、サーバを介して、獲得メダル数等のゲームスコアの集計や、他の遊戯施設に配置されたゲーム装置1との間で対戦ゲームを行ったり、ランキングを集計したりすることが可能である。
表示装置82は、液晶ディスプレイ、PDP(プラズマ・ディスプレイ・パネル)、HMD(ヘッドマウントディスプレイ)等の表示手段(表示部)である。表示装置82には、ゲーム内容の説明や、ゲームの進行状況、個々のプレイヤステーション20における配当等を表示できるほか、保守運用時の設定画面を表示することもできる。
ここで、各プレイヤステーション20に共通であり水平面内で回転可能な表示装置82は、例示的に、ゲーム制御装置2の制御の下、プレイヤステーション20に特有の情報を、ゲーム装置1に対する各プレイヤステーション20の空間的な配置に応じた位置に表示することができ、また、そのような表示位置を表示装置82の向き(回転角度)に応じて変更することができる。プレイヤステーション20に特有の情報の一例は、特定のゲーム条件が成立した場合にプレイヤが獲得可能な配当(メダル数)に関する情報である。大当たり等の特定のゲーム条件(以下、「ジャックポット」ともいう)が成立する例は、特定色の大ボールが落下溝60に落下した場合やその後の抽選に当選した場合等である。
一例を示すと、表示装置82の基準位置からの回転角度が、直方体形状のゲーム装置1の側壁11−1側に位置する2つのプレイヤステーション20のいずれかから表示装置82の表示画面を視認可能な第1の角度範囲にある場合(例示的に、図1の状態)は、例えば図42に示すように、側壁11−1側の2つのプレイヤステーション20における獲得可能メダル数等を、表示画面を上段、中段および下段に3分割したときの下段に、反対側である側壁11−3側の2つのプレイヤステーション20における獲得可能メダル数等を表示画面の上段に、それぞれプレイヤステーション20の配置関係に応じて並べて表示する。
一方、表示装置82の回転に伴って、表示装置82の基準位置からの回転角度が、側壁11−3側に位置するプレイヤステーション20から表示装置82の表示画面が視認可能な第2の角度範囲にある場合には、例えば図43に示すように、側壁11−3側の2つのプレイヤステーション20における獲得可能メダル数等を表示画面の下段に、反対側である側壁11−1側の2つのプレイヤステーション20における獲得可能メダル数等を表示画面の上段に、それぞれプレイヤステーション20の配置関係に応じて並べて表示する。
このように、表示装置82の表示画面の向きに応じて、プレイヤステーション20に特有の情報を、一のプレイヤステーション20から見た他のプレイヤステーション20の空間的な配置関係に応じた位置に表示することで、いずれのプレイヤステーション20に位置するプレイヤも、表示装置82の表示画面を一目見れば、プレイ中のプレイヤステーション20及び/又は他のプレイヤステーション20の現在の獲得可能メダル数等を、プレイヤステーション20の空間的な配置に応じて直感的に把握し易い。
なお、図42及び図43に例示する獲得可能メダル数等は、ジャックポットが成立した場合にセンターユニット80(ギミック801)から個別フィールド40に払い出される可能性のあるメダル数を示している。ジャックポットには、例示的に、「レッドジャックポット」、「ブルージャックポット」、及び「イエロージャックポット」の3種類がある。
例えば、表示画面の上段及び下段にそれぞれ表示されている情報は、「レッドジャックポット」が成立した時の獲得可能メダル数である。一方、表示画面の中段左側に表示されている情報は、「ブルージャックポット」が成立した時の獲得可能メダル数であり、表示画面の中段右側に表示されている情報は、「イエロージャックポット」が成立した時に例えば「ベースメダル枚数×??倍」等の配当が獲得可能であること(ルール)を示している。
「イエロージャックポット」成立時の獲得メダル数は、後述するように、ベースとなる配当(イエローオッズ)の倍率(例示的に抽選によって決定される)として決定され、イエローオッズは、特定色の小ボールを落下溝60に落下させることで変動させることができる。なお、3種類のジャックポットの具体的な成立要件や配当(獲得可能メダル数)等の例については、図38〜図40に例示するフローチャートを用いたゲーム内容の説明において行なう。
表示装置82の前記基準位置は、例えば表示装置82の表示画面が側壁11−1(又は11−3)と平行に対面している時の位置に設定することができる。当該基準位置から表示装置82が反時計周りに回転する方向を正(+)、回転角度をαとし、表示装置82が例えば−45°≦α≦225°の角度範囲で反時計周り及び時計周りに往復動する場合、ゲーム制御装置2は、α=+90°を境界に図42に示す画面表示と図43に示す画面表示との間の切り替えを行なうことができる。
スピーカ等の音声出力装置30は、オーディオプロセッサから出力された音声信号(音声情報)を、デジタルアンプ等で増幅して、音声出力する。なお、音声出力と並行に音声入力を可能にするマイク(音声入力装置)をゲーム装置1に備えてもよい。
(ゲーム内容)
以下、本実施形態のゲーム装置1のゲーム内容(ルール)の一例について説明する。
ゲーム装置1において、共通フィールド81には一定量のメダルと、複数の大ボールと、複数の小ボールとが載置されている。共通フィールド81は、ゲーム制御装置2の制御により、例えば一定速度で回転している。一方、個別フィールド40には、例えば、一定量のメダルと複数の小ボールとが載置されている。個別フィールド40に載置可能な小ボール数は、個別フィールド40の面積や小ボールのサイズにもよるが、例えば30個程度である。
大ボールには、例えば赤、青および黄の3色があり、小ボールには、例えば黄、紫、桃および緑の4色がある。本例のゲーム装置1では、個別フィールド40から落下溝60へ落下させたボールの大小や色の相違、落下させた順序等によって、プレイヤが獲得可能な配当等の特典を変えることができる。
例えば、いずれかの色の大ボールを落下溝60に落下させると、ジャックポットと呼ばれる大当たり又はそのチャンスが発生する。大当たりが発生(確定)すると、各プレイヤステーション20に落とした大ボールの色に応じた配当(例えば図42及び図43参照)の大量のメダル(例えば数百枚〜数千枚等)のメダルがセンターユニット80(例えばギミック801の袖部スロープ803)から個別フィールド40に払い出される。
ジャックポットには、例示的に、大ボールの色(赤、青および黄)に対応して「レッドジャックポット」、「ブルージャックポット」および「イエロージャックポット」の3種類がある。
「ブルージャックポット」は、例えば、青色の大ボールを落下溝60に落下させると発生する。ブルージャックポットが発生すると、各プレイヤステーション20に共通の配当(例えば図42及び図43の中段左側に示す獲得可能メダル数)分(例えば数百枚等)のメダルが個別フィールド40に払い出される。「ブルージャックポット」成立時の獲得可能メダル数は、例示的に、各プレイヤステーション20のメダル投入装置21から個別フィールド40へ投入されたメダル数の一部を累積したメダル数とすることができ、プレイヤステーション20のいずれかでブルージャックポットが発生してメダルが払い出されるまで増加し続ける。「ブルージャックポット」のメダル払い出しが完了すると、ブルージャックポットの獲得可能メダル数は、初期値(例えば数十枚等)にリセットされる。
「レッドジャックポット」は、例えば、赤色の大ボールを落下溝60に落下させた後、さらに所定の抽選処理に当選すると発生する。「レッドジャックポット」が発生すると、プレイヤステーション20に個別の配当(例えば図42及び図43の上段又は下段に示す獲得可能メダル数)分(例えば数百枚乃至数千枚等)のメダルが個別フィールド40に払い出される。「レッドジャックポット」成立時の獲得可能メダル数は、例示的に、個々のプレイヤステーション20のメダル投入装置21から個別フィールド40へ投入されたメダル数に応じて個別かつ累積的に増加する。「レッドジャックポット」が成立してメダル払い出しが行なわれると、当該獲得可能メダル数は、初期値(例えば数百枚等)にリセットされる。なお、「レッドジャックポット」は、「ブルージャックポット」よりも発生条件が厳しい(ボール落下後にさらに抽選処理が存在する)ので、「レッドジャックポット」成立時の獲得可能メダル数は、「ブルージャックポット」成立時の獲得可能メダル数よりも多い設定にしておいてもよい。
「イエロージャックポット」は、例えば、黄色の大ボールを落下溝60に落下させると発生する。「イエロージャックポット」が発生すると、「イエロー(コンボ)オッズ」と呼ばれる配当(例示的に、メダル枚数)をベースにした倍率(例えば図42及び図43の中段右側参照)のメダルが個別フィールド40に払い出される。イエローオッズは、例示的に、オッズパネル(図44参照)と呼ばれるパネルにLEDランプ等の点灯によって表示される。オッズパネルは、例示的に、図1、図2、図5及び図20等に符号16で示す位置に設けることができる。オッズパネル(以下、「オッズパネル16」と表記する)において、例えば5〜40のLEDランプがすべて点灯していれば、現在のベースメダル枚数が40であることが示されている。
また、イエローオッズは、例示的に、特定色(例えば黄及び緑)の小ボールが落下溝60に落下すると変動する。例えば、緑色の小ボールが落下溝60に落下すると、所定の抽選処理によって当該イエローオッズが増加又は減少したり、初期値(例えば、5枚)にリセットされたりする。一方、黄色の小ボールが落下溝60に落下すると、イエローオッズは累積的に増加する。
したがって、プレイヤは、イエローオッズを増加させるというゲーム進行上の一つの方向性にしたがい黄色の小ボールを連続して落下溝60に落下させるとともに、イエローオッズが減少したりリセットされたりする可能性のある緑色の小ボールは個別フィールド40や落下溝60に落下させないようにセンターユニット80のプッシャ83の操作タイミングや個別フィールド40へのメダル投入位置を選ぶ等して、戦略的にゲームを進めることが可能である。なお、イエローオッズの倍率は、黄色の大ボールが落下溝60に落下した後にゲーム制御装置2において行なわれる抽選処理によって決定することができ、例示的に、2〜10倍等である。
このように、ゲーム装置1においては、共通フィールド(以下、「センターフィールド」ともいう)81に存在する大ボールを個別フィールド(以下、「サテライトフィールド」ともいう)40に導き入れて、落下溝60に落下させることで、プレイヤは大きな特典(大量のメダル)あるいはそのチャンスを獲得できる。
センターフィールド81に存在する大ボールを対応するプレイヤステーション20のサテライトフィールド40に導き入れるには、センターフィールド81にメダルを投入してプッシャ83(以下、「センタープッシャ83」とも表記する)を操作すればよい。
しかし、ゲーム装置1は、メダル投入装置21から直接的にセンターフィールド81にメダルを投入することはできない仕様である。また、センタープッシャ83は、いつでも誰でも操作できるわけではなく、特定のゲーム条件(プッシャチャンス)が成立した場合、例えば桃色又は紫色の小ボールをサテライトフィールド40から落下溝60に落下させた場合に、当該サテライトフィールド40に対応するプレイヤステーション20にボタン装置23の操作権限が与えられる。
したがって、各プレイヤステーション20のプレイヤは、センタープッシャ83へのメダル供給及びセンタープッシャ83の操作権限(プッシャチャンス)の取得、あるいは配当(例えばイエローオッズ)のアップ(場合によっては、配当のリセット回避)を狙って、特定色の小ボールを個別フィールド40から落下溝60へ落下させようと、メダル投入装置21から個別フィールド40の適当な位置を狙ってメダルを投入し、ゲームを進行する。
以下、上述のようなゲーム装置1(ゲーム制御装置2)によるゲーム内容の詳細例について、図38〜図40に示すフローチャートを参照しながら説明する。
図38に例示するように、ゲーム制御装置2(CPU221)は、いずれかのプレイヤステーション20のメダル投入装置21にメダルが投入されると(処理P10)、当該投入をメダル検出センサによって検知し、プレイ状態となり、いずれかのプレイヤステーション20の落下溝60に大小いずれのボールが落下したか否かを監視する(処理P20)。
なお、ゲーム制御装置2は、一定時間(例えば、1〜数分等)内にいずれかのメダル投入装置21からのメダル投入が検出されないと、対応するプレイヤステーション20が非プレイ状態であると認識して、当該プレイヤステーション20を待機状態(消費電力の抑制等)に制御することができる。待機状態においてメダル投入(プレイ状態)を検知した場合、ゲーム制御装置2は、センターユニット80が空き状態(ジャックポット発生による演出等を行なっていない場合等)であれば、センターユニット80を回転制御して表示装置82(以下、「センターディスプレイ82」とも表記する)の表示画面を該当プレイヤステーションに方向付けて、ゲーム内容の説明(チュートリアル)等を表示画面に表示させてもよい。これにより、個々のプレイステーション20に液晶ディスプレイ等の表示装置が個別に備えられていなくても、ゲーム内容の説明等を効果的に行なうことができる。待機状態からプレイ状態への状態遷移が複数のプレイヤステーション20において同時期に発生した場合、ゲーム制御装置2は、例えば、該当プレイヤステーション20の情報を記憶部222に記憶しておき、優先順位等の所定のルールに従ってセンターディスプレイ82を方向付けるプレイヤステーション20を決定する(競合制御を行なう)ことができる。
さて、落下溝60に落下したボールが小ボールであった場合、ゲーム制御装置2は、小ボール処理を実施する(処理P30)。
(小ボール処理)
小ボール処理は、例えば図39に示すフローチャートに従って実施される。すなわち、ゲーム制御装置2は、落下溝60に落下した小ボールの色が紫、桃、黄および緑のいずれであるかを、ボール検出センサの検出情報を基に識別する(処理P301a〜P301d)。
(桃小ボールの場合)
当該色識別の結果、落下した小ボールの色が桃であった場合(処理P301aでNかつ処理P301bでYの場合)、ゲーム制御装置2は、所定の抽選処理を実施する(処理P303)。このとき、ゲーム制御装置2は、当該抽選処理の様子を小当たりメカ70の下部に位置する傾斜部41に設けた表示部42に例えばルーレット抽選のような表示態様で表示することができる。
当該抽選処理の結果が当選(プッシャチャンス発生)の場合(処理P304でYの場合)、ゲーム制御装置2は、該当プレイヤステーション20にセンタープッシャ83の操作権限を与えるとともに、センタープッシャ83の押し出し面831を該当プレイヤステーション20に方向付けるようセンターユニット80を回転制御し(処理P305)、ギミック801(メダルシュート802)からセンタープッシャ83へメダルを供給(補充)する(処理P306)。当該メダルの供給(補充)枚数は、固定値でもよいし可変数でもよい。可変数の一例は、他のプレイヤステーション20がプッシャチャンスに挑戦中(センターユニット80が当該プレイヤステーション20に占有されている間)に発生したプッシャチャンス数に応じた数である。詳細については後述する。
センタープッシャ83にメダルが補充された後、ゲーム制御装置2は、所定時間内にプレイヤによってボタン装置23が操作されてボタン操作信号が入力されるか否かを監視し(処理P307及びP308のNルート)、所定時間内にボタン操作信号が入力されると(処理P307でYの場合)、そのタイミングでセンタープッシャ83を例えば一往復移動(後退後前進)させる(処理P309)。
これにより、センタープッシャ83の上面に堆積したメダルが、ギミック801の下端に接触してセンターフィールド81上の押し出し面831近傍に落下し、該当プレイヤステーション20に向かう方向へ押し出される。押し出し面831の押し出しによって押圧力を受けたメダルや小又は大ボールが共通フィールド81からサテライトフィールド40へ落下する。
なお、ボタン装置23が操作されないまま(ボタン操作信号が入力されないまま)所定時間が経過(タイムアウト)した場合、ゲーム制御装置2は、例えばタイムアウトのタイミングでセンタープッシャ83の上記移動制御を実施する(処理P307のNルート及び処理P308のYルート)。また、前記の処理P304での抽選が外れた場合、ゲーム制御装置2は、小当たりメカ70を制御して、例えば「小当たり」として所定枚数(5枚や20枚等)のメダルを個別フィールド40に払い出す(処理P304のNルートから処理P310)。
(紫小ボールの場合)
一方、落下溝60に落下した小ボールの色が紫であった場合(処理P301aのYルート)、ゲーム制御装置2は、上記のような抽選処理なしに、プッシャチャンス発生と判断して、上述した処理P305〜P310を実施する。
(黄小ボールの場合)
また、落下溝60に落下した小ボールの色が黄であった場合(処理P301a及びP301bのNルート、かつ、処理P301cのYルート)、ゲーム制御装置2は、特殊ゲーム条件が成立しているか否かをチェックする(処理P311)。特殊ゲーム条件は、例示的に、イエローオッズが所定値(例えば上限値)に達した場合に成立する。イエローオッズは、例えば緑色の小ボールを落下させない限り、黄色の小ボールを落下させる度に累積的に増やすことができる。緑色の小ボールを落下させると、イエローオッズは抽選により初期値にリセットされる可能性がある。
特殊ゲーム条件が成立していなければ、ゲーム制御装置2は、例えば小当たりメカ70を制御して、現在の配当(イエローオッズ)に応じた数のメダルを個別フィールド40に払い出し(処理P311のNルートから処理P312)、イエローオッズをカウントアップ(例えば+1)する(処理P313)。特殊ゲーム条件が成立していれば(処理P311でYの場合)、ゲーム制御装置2は、例えばプッシャチャンス発生と判断して、桃色の小ボールが落下して抽選に当選した場合、又は紫色の小ボールが落下した場合と同様の処理P305〜P310を実施する。
(緑小ボールの場合)
さらに、落下溝60に落下した小ボールの色が緑であった場合(処理P301a〜P301cのNルート、かつ、処理P301dのYルート)、ゲーム制御装置2は、所定の抽選処理を実施する(処理P304)。当該抽選処理は、イエローオッズのリセット又は増減を決定する抽選処理であり、ゲーム制御装置2は、当該抽選処理の結果に応じてイエローオッズを制御する。
例えば、抽選の結果に応じて、イエローオッズは、初期値にリセットされたり、減少したり、あるいは増加したりする。ゲーム制御装置2は、当該抽選処理の様子を表示部42に例えばルーレット抽選のような表示態様で表示することができる。当該抽選によるイエローオッズの増減幅は、適宜に設定してよい。また、抽選の確率は、例えば、「リセット」が選ばれる確率が最も高く、「増加」が選ばれる確率が最も低くなるような設定とすることができる。
これにより、緑色の小ボールは、プレイヤにとってなるべく落下させたくないボールとして位置付けられる。したがって、プレイヤは、緑色の小ボールはなるべく落下溝60に落下させないようにプレイしたり、プッシャチャンス発生時に共通フィールド81から他のプレイヤステーション20の個別フィールド40に緑色の小ボールが導かれることを意図的に狙って、ボタン装置23によるセンタープッシャ83の制御タイミングを図ったりして、戦略的なゲーム展開を実現でき、ゲーム性の向上を図ることができる。
なお、落下した小ボールの色が上記4色のいずれでもない場合(処理P301a〜P301dでいずれもNの場合)、ゲーム制御装置2は、小ボール処理を終了する。このとき、ゲーム制御装置2は、落下した小ボールが正しいボールではないと認識し、エラーを発生して処理を停止してもよい。エラーは、例えばベース筐体部分10a内部に設けられたリセットボタンを保守者等が操作(押下等)することで解除することができる。
(大ボール処理)
落下溝60に大ボールが落下した場合、ゲーム制御装置2は、大ボール処理を実施する(図38の処理P40)。
大ボール処理は、例えば図40に示すフローチャートに従って実施される。すなわち、ゲーム制御装置2は、落下溝60に落下した大ボールの色が赤、青および黄のいずれであるかを、ボール検出センサの検出情報を基に識別する(処理P401〜P403)。
(赤大ボールの場合)
当該色識別の結果、落下した大ボールの色が例えば赤であった場合(処理P401でYの場合)、ゲーム制御装置2は、所定の抽選処理を実施する(処理P411)。当該抽選処理の様子は、例えばセンターディスプレイ82の表示画面を該当プレイヤステーション20に方向付けるよう回転制御し、センターディスプレイ82にてルーレット抽選のような表示態様で表示することができる。これにより、レッドジャックポットが当たるかもしれないという期待感をセンターユニット80による演出効果の一つとしてプレイヤに与えることができる。
抽選の結果、当選すれば(処理P412でYの場合)、ゲーム制御装置2は、センターユニット80の袖部スロープ803の一方をレッドジャックポットの発生した該当プレイヤステーション20に方向付けて、その時点での赤大ボールの配当(レッドオッズ)に応じた大量のメダルをサテライトフィールド40に払い出す(処理P413)。袖部スロープ803からのメダルの払い出しは、1回又は複数回に分けて実施することができる(以下、同様)。メダルの払い出しが完了すれば、ゲーム制御装置2は、レッドオッズを初期値にリセットし(処理P414)、大ボール処理を終了する。なお、レッドジャックポットの抽選に外れた場合(処理P412でNの場合)、ゲーム制御装置2は、レッドオッズのリセットは行なわずに、大ボール処理を終了する。なお、レッドジャックポットの抽選に外れた場合でも、ゲーム制御装置2は、所定枚数のメダルを払い出す制御を実施してもよい(処理P412のNルートから処理P415)。例えば、ジャックポットの抽選が、100枚、150枚、200枚、ハーフジャックポット(ジャックポット発生時の半分のメダル数)及びジャックポットの中から1つを選ぶルーレット形式の抽選(以下、「ルーレット抽選」ともいう。)である場合、ジャックポット以外が選ばれた(レッドジャックポットが発生しなかった)場合でも、抽選結果に応じて、100枚、150枚、200枚、ハーフジャックポット等のメダルを該当個別フィールド40に袖部スロープ803を通じて払い出すことができる。この場合、ゲーム制御装置2は、レットジャックポットの配当をそのまま維持しておく(リセットしないでおく)ことができる。
(青大ボールの場合)
落下した大ボールの色が例えば青であった場合(処理P401でNかつ処理P402でYの場合)、ゲーム制御装置2は、ブルージャックポットの発生と判断し、センターユニット80の袖部スロープ803の一方をブルージャックポットの発生した該当プレイヤステーション20に方向付けて、その時点での青大ボールの配当(ブルーオッズ)に応じた大量のメダルをサテライトフィールド40に払い出す(処理P421)。メダルの払い出しが完了すれば、ゲーム制御装置2は、ブルーオッズを初期値(例えば数十枚等)にリセットし(処理P414)、大ボール処理を終了する。なお、ブルージャックポット発生後、ゲーム制御装置2は、ブルーオッズを抽選によって増加させてもよい。例えば、ゲーム装置1において、青大ボールが複数個(4個等)用意されており、ブルージャックポットは青大ボールを落とせば必ず大量のメダルを獲得できるルールである場合、青大ボールは各プレイヤステーション20による早落とし競争になる可能性がある。この場合に、ブルージャックポット獲得後にブルーオッズが必ず初期化されてしまうと、競争に負けたプレイヤのゲーム継続意志が損なわれてしまう可能性がある。そこで、ゲーム制御装置2は、抽選等によって稀にブルーオッズを初期化せずに2倍等に増加させることで、サプライズ演出を実施する。
(黄大ボールの場合)
落下した大ボールの色が例えば黄であった場合(処理P401及びP402でNかつ処理P403でYの場合)、ゲーム制御装置2は、イエロージャックポットの発生と判断し、センターディスプレイ82の表示画面をイエロージャックポットの発生した該当プレイヤステーション20に方向付けて、イエローオッズの倍率抽選を行なう(処理P431)。倍率抽選の様子は、センターディスプレイ82に例えばルーレット表示等の態様で表示することができる。
当該抽選の結果として倍率が決定されると、ゲーム制御装置2は、センターユニット80の袖部スロープ803の一方を当該プレイヤステーション20に方向付けて、その時点でのイエローオッズに決定した倍率を乗じた分のメダルをサテライトフィールド40に払い出す(処理P432)。メダルの払い出しが完了すれば、ゲーム制御装置2は、大ボール処理を終了する。このとき、イエローオッズは初期化せずに維持したままでよい。なお、落下した大ボールの色が上記3色のいずれでもない場合(処理P401〜P403のいずれにおいてもNの場合)、ゲーム制御装置2は、大ボール処理を終了する。このとき、ゲーム制御装置2は、落下した大ボールが正しいボールではないと認識し、エラーを発生して処理を停止してもよい。エラーは、例えば既述のリセットボタンを保守者等が操作(押下等)することで解除することができる。
(ボール振り分け制御)
上述のように、サテライトフィールド40から特定のボールが落下溝60に落下した場合にそのボールの価値に応じた配当を抽選により(あるいは抽選なしに)プレイヤに付与するようなゲームルールにおいては、サテライトフィールド40に存在する小ボール数が少なくなるほど、プレイヤの配当獲得に関する期待が失われ、ゲーム継続の意欲を失う傾向にある。したがって、サテライトフィールド40に存在する小ボール数を制御可能なことは、プレイヤの配当獲得に関する意欲を高める上で有利であり、ひいては、ゲーム装置1の稼働率や収益の向上につながる。
サテライトフィールド40の小ボール数は、ボール循環装置90の一部を成すボール振り分け装置95によって振り分け先(センターフィールド81及びサテライトフィールド40のいずれに回収した小ボールを戻すか)を制御する(例えば、既述のフラップ部材953の開閉状態を制御する)ことで調整することができる。
ここで、小ボールの振り分け先の決定は、乱数等を用いた抽選によることとしてもよいが、センターフィールド81及びサテライトフィールド40に戻されるボール数に偏りが生じて、サテライトフィールド40に存在するボール数が極端に少なくなったり、場合によっては0になったりするおそれがある。
そこで、ボール振り分け制御の一例として、サテライトフィールド40に設けたセンサ等を用いて計数(実測)した小ボール数、あるいは、サテライトフィールド40に向かうボールスロープ91bに設けたセンサ等を用いて計数(実測)した、ボール供給装置(ボール循環装置90)からサテライトフィールド40に供給された小ボール数を基に、サテライトフィールド40に存在する小ボールが一定数になるように制御する方法が考えられる。
しかし、この方法では、何らかの原因でボール数が機械の認識数とズレてしまった場合に人手によって意図的にズレを修正しない限り、永遠にズレが生じたままで制御が行なわれてしまう。そのため、電源立ち上げ時等に実ボール数と機械認識数とを確認し、両者にズレが生じている場合には、手動でズレを修正する必要がある。
また、本例のゲーム装置1において、サテライトフィールド40に存在する小ボールには、センターフィールド81から落下したボールが含まれるため、上記のような小ボール数の実測値に基づく制御では不正確であり有効な制御とならない可能性がある。また、円形の共通フィールド81の任意の場所(縁部)からサテライトフィールド40への落下経路となり得るすべての箇所にセンサ等を設けることも非現実的であり不経済である。
そこで、本例のゲーム制御装置2(CPU221)は、例示的に、サテライトフィールド40へのメダル投入数に対する落下溝60への小ボールの落下状況(サテライトフィールド40からの小ボールの排出状況)に基づいて、小ボールの振り分け先(センターフィールド81かサテライトフィールド40か)を選択、決定する。
サテライトフィールド40へのメダル投入数は、例えば「コントロールイン」と呼ばれる変数によって管理される。一方、ボールの落下状況(数)は、例えば「コントロールボールアウト」と呼ばれる変数によって管理される。いずれの変数もサテライトフィールド40別に例えば記憶部222に記憶され、メダル投入及び小ボール落下に応じてCPU221によってサテライトフィールド40別に更新される。
ここで、サテライトフィールド40へのメダル投入数(コントロールインの変動要因)には、例示的に、以下の4種類のメダル数が含まれる。
(a)プレイヤによってメダル投入装置20からサテライトフィールド40に投入されたメダル数
(b)小当たりメカ70によってサテライトフィールド40に払い出されたメダル数
(c)センターユニット80(ギミック801)から袖部スロープ803を通じてサテライトフィールドに払い出されたメダル数
(d)プッシャチャンス発生時にセンターユニット80(ギミック801)からセンタープッシャ83に落下し、センタープッシャ83の往復動に応じてセンターフィールド81からサテライトフィールド40に落下したメダル数
(a)のメダル数は、メダル投入装置21に設けられたメダル検出センサの検出情報を基にゲーム制御装置2(CPU221)において計数でき、(b)のメダル数は、特定のゲーム条件が成立した場合に小当たりメカ70を制御して払い出させたメダル数としてゲーム制御装置2において把握している。
(c)のメダル数は、ギミック801の向きを制御して袖部スロープ803から払い出させたメダル数としてゲーム制御装置2において把握している。当該メダル数には、赤大ボールが落下溝60に落下したものの抽選に外れてレッドジャックポットが発生しなかった場合に小当たり的に払い出されたメダル数(既述のルーレット抽選の抽選結果に応じたメダル数)も含めてもよい。
(d)のメダル数は、センターフィールド81に存在するメダル数が飽和状態にあり、プッシャチャンス発生時にギミック801(メダルシュート802)からセンタープッシャ83にメダルを供給(補充)すれば、供給した数と同数のメダルがセンタープッシャ83の往復動によりサテライトフィールド40に落下するものと扱うことで、ゲーム制御装置2においてメダル搬送装置84を制御してギミック801(メダルシュート802)からセンタープッシャ83へ補充したメダル数として把握することができる。
以下、以上のようなサテライトフィールド41へのメダル投入数に対する小ボールの落下状況に基づくゲーム制御装置2(CPU221)によるボール振り分け制御の一例について、図41を参照しながら説明する。
ゲーム制御装置2は、サテライトフィールド40へのメダル投入イベントが発生する度に、投入メダル数を示す「コントロールイン」を更新する。一方、ゲーム制御装置2は、落下溝60に小ボール(色は問わない)が落下したか否かを、ボール検出センサの検出情報を基に監視し、小ボールの落下を検知する毎に、「コントロールボールアウト」を1ずつカウントアップする。
そして、ゲーム制御装置2は、小ボールの落下を検知したタイミングで、コントロールボールアウト/コントロールインをコントロールボールレシオ(CBR)として算出する。CBRは、メダル投入数に対する小ボールの落下数の割合を示している。したがって、例えば、CBRの小さいサテライトフィールド40ほど、投入メダル数に対するボール落下率が小さいので、小ボールを落下させにくい状況にあり、小ボール数が不足気味であると判断(推定)することができる。
逆に、CBRが大きいサテライトフィールド40ほど、投入メダル数に対するボール落下率が大きいので、小ボールを効率的に落下させ易い状況にあり、小ボール数が十分であると判断(推定)することができる。別言すれば、CBRは、サテライトフィールド40における小ボールの落下の難易度を表わす指標であり、当該指標を基にサテライトフィールド40における小ボール数の過不足を判断(推定)することができる。
そこで、ゲーム制御装置2は、算出した(現在の)CBRが所定値(例えば0.020)以上か否かをチェックする(処理P51のNルートから処理P52)。
当該チェックの結果、CBR<0.0020であった場合(処理P51でNの場合)、ボール制御装置2は、該当サテライトフィールド40が小ボールの落下しにくい状況にあり、小ボールが不足していると判断する。したがって、ゲーム制御装置2は、小ボールをサテライトフィールド40に送るべく、ボール振り分け装置95のフラップ部材952を開状態(収納状態)に制御する。
これにより、ボール循環装置90(スクリューコンベヤ92)によって揚送された小ボールは、ボール振り分け装置95のボールスロープ953を通じてボールスロープ91bへ排出され、ボールスロープ91bからサテライトフィールド40に送られる(戻される)(処理P55)。
一方、CBR≧0.0020であれば(処理P52でYの場合)、ゲーム制御装置2は、さらにCBR≧0.025であるか否かをチェックする(処理P53)。当該チェックの結果、CBR≧0.025であれば(処理P53でYの場合)、ゲーム制御装置2は、該当サテライトフィールド40おいて小ボールが落下し易い状況にあり、小ボールは不足していないと判断する。
この場合、小ボールは、サテライトフィールド40に追加的に送る必要はなくセンターフィールド81に送ればよいが、所定の確率(例示的に1/10の確率)で当選する抽選処理を実施して、当該抽選処理に当選した場合(処理P54でYの場合)には、ボーナス的な小ボールとしてサテライトフィールド40へ送ってもよい。すなわち、ゲーム制御装置2は、ボール振り分け装置95のフラップ部材952を開状態(収納状態)に制御することで、小ボールを、ボールスロープ953及びボールスロープ91bを通じてサテライトフィールド40に送る(処理P55)。
なお、1/10の確率の抽選処理に外れた場合(処理P54でNの場合)、ゲーム制御装置2は、ボール振り分け装置95のフラップ部材952を閉状態(非収納状態)に制御する。これにより、小ボールは、フラップ部材952が成すボールガイドレールを通じてボールスロープ91aへ排出され、ボールスロープ91aからセンターフィールド81へ送られる(処理P57)。
また、処理P53でのCBRのチェックの結果、0.020≦CBR<0.025であった場合(処理P52でYかつ処理P53でNの場合)、ゲーム制御装置2は、該当サテライトフィールド40が小ボールの落下しにくい状況と落下し易い状況との中間状態にあると判断する。この場合、小ボールは、センターフィールド81及びサテライトフィールド40のいずれに送られてもよい設定にすることができる。
そこで、ゲーム制御装置2は、0.020≦CBR<0.025であった場合、例えば、1/2の確率で当選する抽選処理を実施し、当該抽選処理に当選すれば(処理P56でYの場合)、フラップ部材952を開状態に制御して、小ボールをサテライトフィールド40に送り(処理P55)、当該抽選処理に外れれば(処理P56でNの場合)、フラップ部材952を閉状態に制御して、小ボールをセンターフィールド81に送る(処理P57)。
以上のように、本例のボール振り分け制御によれば、サテライトフィールド40へのメダル投入数に対する当該サテライトフィールド40からのボールの落下状況(落下の難易度)に基づいて、サテライトフィールド40における小ボールの過不足を推定し、その推定結果に基づいて振り分け先を制御することができる。
したがって、サテライトフィールド40へ供給された小ボール数を実測するセンサ等を設けなくても、サテライトフィールド40における小ボール数の過不足が解消されるように、サテライトフィールド40上の小ボール数を適応的に制御することができる。その結果、例えば、ゲーム装置1の小型化、低コスト化を図ることができる。また、サテライトフィールド40上のボール数を一定にするような制御に比して、ゲーム内容が単調になることを抑制することができ、ゲーム継続のインセンティブをプレイヤにより強く与えることが可能である。よって、プレイヤの配当獲得に関する意欲を高めたり、ゲーム装置1の稼働率や収益を向上させたりすることもできる。
(センターユニット80の競合制御)
上述したように、紫小ボール、桃小ボール又は黄小ボールが落下溝60に落下したことを原因としてプッシャチャンスが発生した場合や、ジャックポットのいずれかが発生した場合、ゲーム制御装置2は、プッシャチャンスあるいはジャックポットの発生したプレイヤステーション20に関する情報(例えばフラグ等)を記憶部222に記憶しておくことができる。当該情報は、例えば、複数のプレイヤステーション20でプッシャチャンスあるいはジャックポットが発生した場合のセンターユニット80による演出等の競合制御に用いることができる。
例えば、ゲーム制御装置2は、プッシャチャンスあるいはジャックポットの発生したプレイヤステーション20の識別情報及び発生タイミング等の情報を記憶部222に記憶しておくことで、当該記憶情報を基に、プッシャチャンスあるいはジャックポットの発生した順序で巡回的に、成立したゲーム条件に応じた処理を実施することができる。なお、巡回の順序は、所定のルール(優先順位)に従って適宜変更してもよい。
ここで、このような巡回的な競合制御によると、プッシャチャンスあるいはジャックポットの発生タイミングが相対的に他よりも遅かったプレイヤステーション20には、センターユニット80(センターディスプレイ82等)を用いた他のプレイヤステーション20に対する演出等が終了するまで(占有が解除されるまで)、待ち時間が生じる。
プレイヤは、この待ち時間においても、イエローオッズの累積や更なるプッシャチャンスの発生等を狙ってサテライトフィールド40上でのゲーム(メダル投入)を継続することができる。したがって、他のプレイヤステーション20にセンターユニット80が占有されている間に、当該プレイヤステーション20で1又は複数のプッシャチャンスが新たに発生することもある。待ち時間に新たに発生するプッシャチャンスが増えると、待ち時間が長期化するおそれがある。待ち時間の長期化は、それだけ例えばイエローオッズの累積等を狙うのに十分な時間が得られる一方で、プレイヤのゲーム継続意欲を低下させる要因にもなり得る。
そこで、ゲーム制御装置2は、例示的に、1つのプレイヤステーション20で複数回にわたってプッシャチャンスが発生している場合、当該プレイヤステーション20について巡ってきた1回の処理でセンタープッシャ83に補充するメダル数を、当該発生回数に応じた数に増やす。例示すると、ゲーム制御装置2は、発生したプッシャチャンスの権利を「プッシュパワー」としてプレイヤステーション20別に保留(記憶部222に記憶)しておき、或るプレイヤステーション20についてのプッシャチャンス処理時にプッシュパワー保留数に応じて補充メダル数を変更する。例えば、プッシュパワー保留数が1つなら15枚、2つなら30枚、3つなら45枚、4つなら60枚のメダル払い出し制御を行なう。なお、プッシュパワー保留数を一度に処理(消化)できる数には制限を設けることができる(例えば4)。この場合、ゲーム制御装置2は、プッシュパワー保留数が5以上になっていても、一度に最高4つまでしか消化しない。例えば、保留数が5の場合、ゲーム制御装置2は、4つ分の保留数に対応するメダル数(60枚)をメダルシュート802経由でプッシャ83に補充し、プッシュパワー保留数を4つ減じる(1つ残る)。このように、プッシャチャンスの発生回数をメダル数に変換することで、プッシャチャンスの発生した各プレイヤステーション20での待ち時間を短縮することができ、待ち時間を適正な範囲に調整することが可能である。
なお、上述の実施形態は本発明の好適な実施の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば上述した実施形態では、平面視長方形の長辺に2つずつ計4つのサテライト部20を配置したゲーム装置1を例示したが(図4等参照)、これは一例にすぎず、サテライト部20の個数や配置は特に限定されない。したがって、サテライト部20の個数は奇数であっても構わない。また、これらサテライト部20が周状に配置されていてもよいし、あるいは例えば平面視菱形とされた筐体10の各辺に配置されていても構わない。要は、各プレイヤの遊戯スペースたる各サテライト部20が当該ゲーム装置1の中心(例えば上述したセンターユニット80)の周囲に配置され、当該装置内のターンテーブルが各プレイヤに共通のいわば共有フィールドとして機能し、プレイヤ間での適度な駆け引きが惹起されるように構成された各種のゲーム装置1においては本発明を適用することが可能である。
また、上述の実施形態では、センターユニット80等がゲーム装置1のほぼ中央に配置されている場合について説明したが(図5等参照)、これも好適な一例にすぎない。要は、当該ゲーム装置1においてセンターユニット80や上述のターンテーブル等が各プレイヤに共通の共有フィールドとして機能し、プレイヤ間での適度な駆け引きが惹起されるように構成されたゲーム装置1であれば本発明を適用することが可能である。例えば、デザイン面からゲーム装置1の筐体が非対称形状である場合、あるいは、センターユニット80等がすべてのサテライト部20から等距離に配置されていなくても構わない場合などにおいては、これらセンターユニット80等が中央から偏移した状態となりうるが、このことは本発明の適用を妨げるものではない。