JP5515304B2 - 鋼板の熱間プレス成形方法及び熱間プレス成形装置 - Google Patents

鋼板の熱間プレス成形方法及び熱間プレス成形装置 Download PDF

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本発明は、高温の鋼板をプレス成形する際に鋼板に冷媒を供給して冷却する熱間プレス成形において、鋼板表面での酸化スケールの生成を抑制する成形方法及び成形装置に関するものである。
近年、高張力鋼板を用いた自動車部品材等の鋼板成形手段として採用が拡大している熱間プレス成形は、冷間プレス成形よりも高い温度で成形することによって、変形抵抗が低下し、プレス割れ、しわ、成形後の変形等の成形不具合を発生させることなく所望の形状にプレス成形するものである。
熱間プレス成形方法では、予め加熱炉によって所定温度に加熱された鋼板をダイス上に載置した状態でポンチを下死点まで降下し、次いで鋼板の冷却を一定時間行う。そして、冷却が完了した成形後の鋼板がダイスから取り除かれると、所定温度に加熱された新しい鋼板がダイス上に載置される。したがって、熱間プレス成形においては、生産性の観点から鋼板成形後の冷却時間を短縮することが重要である。
成形後の鋼板の冷却時間を短縮する手段としては、例えば鋼板に対して冷媒として水を供給する冷媒供給機構を金型の内側に設けると共に、金型の表面に一定の高さの複数の独立した凸部を設け、熱間プレス成形後の鋼板に対して冷媒を供給する方法が特許文献1に開示されている。特許文献1によれば、金型表面の凸部と鋼板とによって形成される隙間に冷媒及び冷媒の蒸気が流れるため、短時間で金属板材の冷却を行い、熱間プレス成形の生産性を高めることができる。
特開2005−169394号公報
ところで、上述の熱間プレス成形においては、成形を行うために鋼板を加熱炉内で加熱すると、鋼板の表面には酸化スケールが発生し、成形後の後工程、例えば塗装処理工程などに悪影響を与えることがわかっている。この酸化スケールは、成形後の鋼板に、例えばサンドブラストなどを適用することで除去できるが、サンドブラスト用の設備や作業スペースが別途必要となるため、極力加熱炉内において酸化スケールを発生させないようにすることが好ましい。そのため、通常は加熱炉内での鋼板表面の酸化スケール発生抑制するために、加熱炉内を非酸化雰囲気して鋼板を加熱したり、表面に例えばアルミめっきを施した鋼板を使用したり、といった対策がとられている。
しかしながら、発明者らによれば、特許文献1に開示される熱間プレス成形方法により熱間プレス成形を繰り返し実施するうちに、上述の酸化スケール生成の抑制対策がとられているにも拘わらず、金型表面の凸部と凸部の間の凹部に酸化スケールが堆積するという事象が確認された。そして、当該凹部への酸化スケールの堆積により、熱間プレス成形時に金型の凸部と鋼板とによって形成される隙間が閉塞することで、局部的に鋼板の冷却が阻害され、成形後の製品の品質が悪化するという問題が生じた。
これについて発明者らが調べたところ、この酸化スケールは、めっきを施していない普通鋼を成形用の鋼板として用いた際に、冷媒として用いる水に含まれる酸素、すなわち溶存酸素により鋼材の表面が酸化することにより発生したものであることがわかった。そして、金型の凸部と鋼板とによって形成される隙間の閉塞は、鋼材の表面に発生した酸化スケールが熱間プレス成形時に金型の凸部に付着し、凸部に付着していたスケールが剥れて凸部と凸部の間の凹部に堆積することにより発生するものであることが確認された。このため、鋼板として普通鋼を用いる場合は、凹部の閉塞対策として頻繁に金型の清掃作業が必要となり、清掃作業による装置停止のために熱間プレス成形装置の生産性が低下するという問題も生じていた。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、高温の鋼板のプレス成形時に鋼板を水により冷却する熱間プレス成形において、鋼板表面での酸化スケールの発生を抑制することを目的としている。
前記の目的を達成するための本発明は、表面に凸部が形成された金型を用いて、表面にめっき処理を行っていない普通鋼を熱間プレス成形する際に、加熱された鋼板をダイス上に載置し、ポンチを下死点まで降下した状態で、前記凸部によってできる鋼板と金型との間の隙間に水を供給して前記鋼板の冷却を行う熱間プレス成形方法において、前記水は溶存酸素量が1ppm〜0.1ppmに調整されていることを特徴としている。
後述のように、発明者らが調べたところ、溶存酸素量を1ppm以下に調整した水を鋼板の冷却に用いることで、熱間プレス成形時に鋼板の表面に発生する酸化スケールを抑制することができることがわかった。したがって、本発明によれば、金型の凸部によって形成される、鋼板と金型との間の隙間に酸化スケールが閉塞して、鋼板の均一な冷却が阻害されることを防止できる。また、これにより、清掃作業を頻繁に行う必要がなくなるので、熱間プレス成形装置の生産性が低下することも防止できる。
前記溶存酸素量が調整された水は、容器内に貯留された水に非酸化性ガスを吹き込むことにより生成してもよく、水を貯留した容器内を減圧することにより生成してもよい。また、容器内に貯留された水を加熱することにより生成してもよい。
別な観点による本発明は、表面に凸部が形成された金型を用いて、表面にめっき処理を行っていない普通鋼を熱間プレス成形する際に、加熱された鋼板をダイス上に載置し、ポンチを下死点まで降下した状態で、前記凸部によってできる鋼板と金型との間の隙間に水を供給して前記鋼板の冷却を行う熱間プレス成形装置であって、前記金型に供給する水を貯留する容器と、前記容器内に貯留される水の中に非酸化性ガスを供給するガス供給管と、を有し、前記容器から鋼板と金型との間の隙間に供給される水は、溶存酸素量が1ppm〜0.1ppmに調整されていることを特徴としている。
本発明によれば、高温の鋼板をプレス成形する際に鋼板を急速に冷却する熱間プレス成形において、鋼板の酸化スケールの発生を抑制することができる。
本実施の形態にかかる熱間プレス成形装置の構成の概略を示す縦断面図である。 熱間プレス成形用金型のダイス表面の拡大図である 熱間プレス成形用金型のダイスの断面の拡大図である。 本発明による熱間プレス成形装置の他の実施の形態を示す縦断面図である。 本発明による熱間プレス成形装置の他の実施の形態を示す縦断面図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1は実施の形態にかかる熱間プレス成形装置1の構成の概略を示す縦断面図である。
熱間プレス成形装置1は、鋼板2を成形するための金型3と、金型3に冷媒として供給する水4を貯留する容器5と、容器5と金型3とに接続され容器5内の水4を金型3に供給する水供給管6を有している。鋼板2を成形する金型3は、下側の金型であるダイス10と、上側の金型であるポンチ11とにより構成されている。なお、本実施の形態において鋼板2は、表面にめっき処理を行っていない普通鋼である。
ダイス10の成形面10aには、ポンチ11を下死点まで降下して鋼板2を熱間プレス成形する際に、鋼板2に対して水4を供給する冷媒供給口12が設けられている。冷媒供給口12は、ダイス10の内部に設けられた水4の流路13に連通しており、流路13は水供給管6に接続されている。また、成形面10aには、図2及び図3に示すように、一定の高さの独立した複数の凸部14が形成されている。これにより、ポンチ11を下死点まで降下した際に、複数の凸部14と凸部14との間の凹部、すなわち凸部14によりダイス10と鋼板2との間に形成される隙間に冷媒供給口12から供給される水4を流し、鋼板2の冷却を短時間で行えるように構成されている。
容器5は、気密に形成された圧力容器であり、ガス供給源(図示せず)から所定の圧力で供給される非酸化性ガス15を容器5内に導入するガス供給管20と、容器5の上面に設けられ容器5内の雰囲気を外部に放出する放出管21と、容器5内に水4を補給するための補給管22を有している。ガス供給管20は、容器5内に貯留される水4の中に非酸化性ガス15を吹き込むことができる位置、例えば容器5の底面に接続されている。放出管21には逃がし弁23が設けられ、逃がし弁23により、容器5内の雰囲気の放出量を調整することで、容器5内の圧力をガス供給管20から供給される非酸化性ガス15の圧力より低い圧力に保っている。これにより、容器5内の圧力とガス供給管20供給される非酸化性ガス15との圧力が等しくなり、容器5内に非酸化性ガス15が供給されなくなることを防止している。なお、逃がし弁23は、容器5の上面に連通して設けられた放出管23容器5内の圧力をガス供給管20から供給される非酸化性ガス15の圧力以下に保てるものであればよい。したがって、例えば1次側、すなわち容器5内の圧力を一定に制御する機械式の圧力調節弁を用いてもよく、容器5内の圧力を測定する圧力測定機構(図示せず)の測定結果に基づき図示しない制御装置を介して逃がし弁23の開度を調整することで容器5内の圧力を制御するような遠隔操作可能な弁を用いてもよい。
水供給管6のダイス10の近傍には遮断弁24が設けられている。この遮断弁24は、例えば図示しない制御装置からの信号により開閉操作される。開閉操作は、例えば熱間プレス成形の状況、すなわちポンチ11の上下に合わせて自動で行ってもよいし、作業員が制御装置から遠隔操作を行うように構成されていてもよい。遮断弁としては、電磁弁、空気作動弁、電動弁などを用いることができる。
補給管22は、図示しない送水ポンプに接続され、水4は送水ポンプにより容器5内の圧力より高い圧力で容器5に送水される。補給管22からの水4の補給は、例えば容器5内の水位を測定する水位計(図示せず)の測定結果に基づき、容器5内の水4の水位が常に一定になるよう連続的に補給を行ってもよく、予め設定された下限水位に到達した場合に補給を行い、上限水位に到達した場合に補給を停止するように、間欠的に補給を行ってもよい。
本実施の形態にかかる熱間プレス成形装置1は以上のように構成されており、次にこの熱間プレス成形装置1による鋼板2の熱間プレス成形について説明する。
先ず、予め水4を容器5内の所定の水位まで補給し、遮断弁14を閉じた状態でガス供給管20を介して容器5内に非酸化性ガス15を連続的に供給する。この際、ガス供給管は容器5の底面に接続されているので、容器5内の水4は非酸化性ガス15によりバブリングされ、水4内に溶解する酸素、すなわち溶存酸素が減少する。このため、容器5は、水4内の溶存酸素を除去する、いわゆる脱気装置として機能し、水4内の溶存酸素量を所定の値に調整することができる。この際、溶存酸素量は1ppm以下とすることが好ましい。この溶存酸素量1ppm以下という条件は、後述の実施例の結果に基づくものである。なお、非酸化性ガス15としては、バブリングにより水4の溶存酸素量を減少させることができるものであればよく、窒素ガス、ヘリウムガス、あるいはアルゴンガスなどを用いることができるが、本実施の形態においては窒素ガスを使用している。
そして、容器5内の水4の溶存酸素量が1ppm以下になると共に、容器5内がガス供給管20から供給される非酸化性ガス15により加圧され、逃がし弁により容器5内の雰囲気、すなわち非酸化性ガス15及びバブリングより水4から除去された酸素の放出が開始され、容器5内の圧力が所定の値に保持された後、予め図示しない加熱炉内で加熱された鋼板2をダイス10上に載置する。その後、ポンチ11を下死点まで降下させ、鋼板2の熱間プレス成形を行う。次いで、ポンチ11を下死点の位置で保持した状態で水供給管6の遮断弁14を開ける。これにより、容器5内に蓄積された非酸化性ガス15の圧力により水4が水供給管6及び冷媒供給口12を介して鋼板2に供給され、成形後の鋼板2が冷却される。そして、鋼板2の冷却が完了し成形後の鋼板2がダイス10から取り除かれると、加熱された新しい鋼板2がダイス10上に載置され、一連の熱間プレス成形工程が繰り返し行われる。
以上の実施の形態によれば、容器5内の水4を非酸化性ガス15によりバブリングすることで、鋼板2の冷媒として用いる水4の溶存酸素量を減少させることができる。このため、鋼板2として普通鋼を用いた場合でも、熱間プレス成形時に鋼板2の表面に発生する酸化スケールを抑制することができる。したがって、複数の凸部14によって形成される鋼板2と金型3との間の隙間が閉塞することで鋼板2の均一な冷却が阻害されることを防止できる。そして、閉塞を防止するために金型の清掃作業を頻繁に行う必要が無くなるので、熱間プレス成形装置1の生産性が低下することも防止できる。
また、溶存酸素量の少ない水4を冷媒に用いることで、金型3が錆びたり腐食したりすることを抑制することができるので、金型3そのものの寿命延長にも寄与する。さらには、金型3内の冷媒供給口12内に酸化スケールが発生することも抑制することができるので、冷媒供給口12内が閉塞することを防止できる。
なお、以上の実施の形態では、凸部14及び冷媒供給口12をダイス10に設けていたが、凸部14及び冷媒供給口12はポンチ11に設けられていてもよく、いずれの場合においても、鋼板2の冷却が可能である。
以上の実施の形態では、非酸化性ガス15は連続供給されていたが、一旦バブリングにより溶存酸素が所望の値まで減少すれば、新たに水4が補給されない限りは水4の溶存酸素量は増加しなので、常にバブリングを行う必要はない。したがって、水4が容器5内に補給されていない期間は非酸化性ガス15の供給を止め、水4が再び補給されるか、あるいは容器5内の圧力が所定の値以下となった場合に再度補給を開始するようにしてもよい。
以上実施の形態では、容器5内を非酸化性ガス15により加圧することで容器5内の水4を冷媒供給口12に供給しているが、容器5内に供給する非酸化性ガス15ガスの圧力を例えば大気圧より0.05MPa程度下げて供給し、容器5から冷媒供給口12への水4の供給はポンプなどを水供給管6に設けるにより行ってもよい。
以上の実施の形態では、溶存酸素の除去手段として非酸化性ガス15によるバブリングを用いたが、水4の溶存酸素を除去することができれば本実施の形態に限られるものではなく、他に、例えば容器5内を減圧したり、容器5内の水4を加熱したりする方法が提案できる。
容器5内を減圧して溶存酸素を除去する場合には、例えば図4に示すように、容器5内を吸引管30を介して、減圧装置としての真空ポンプ31により減圧し、容器5から冷媒供給口12への水4の供給は、例えば他のポンプ32により行うように熱間プレス成形装置1を構成してもよい。また、この場合の、逃がし弁23は容器5内が過真空になった場合に大気吸い込む真空破壊弁として用いられる。
容器5内の水4を加熱して溶存酸素を除去する場合には、水4の加熱手段として例えば電気ヒータを水4の中に設ける、あるいは例えば図5に示すように、容器5内の水4の中に熱源供給管40を介して加熱媒体41として過熱蒸気を供給する、といった方法で水4を沸点あるいは沸点近くまで加熱する方法が考えられる。この場合も、非酸化性ガス15による容器5内の加圧が行われないため、容器5から冷媒供給口12への水4の供給は、ポンプ32を用いて行うことが考えられる。沸点近くまで加熱した水4を鋼板2の冷媒として使用する場合には、鋼板2の冷却後に鋼板2の表面に残る水4が、常温の水4を用いて冷却した場合に比べて早く蒸発する。このため、後処理のために鋼板2を乾燥させる時間が短くなり、熱間プレス成形の生産性が向上する。なお、この場合は、逃がし弁23に代わってベント管42設け、容器5を常時大気開放していてもよい。
また、溶存酸素を除去した水4を生成する方法としては、水蒸気を冷却して凝縮させる方法も提案できる。
以下実施例として、熱間プレス成形装置1を用いて熱間プレス成形を行い、冷媒として用いる水4の溶存酸素量と、凸部14と鋼板2の間の隙間の閉塞との関係についての確認試験を行った。熱間プレス成形装置1の金型3として、ダイス10の成形面10aに直径1mm、高さ0.5mm、ピッチ1.5mmの凸部14を設けたものを用いた。鋼板2は、長さ300mm、幅100mm、厚さ1.2mmの普通鋼とした。また、ダイス10及びポンチ11の材質はS45C、肩幅は5mmとし、ダイス幅は70mm、ダイス成形深さは60mmとした。容器5内の水4をバブリングする非酸化性ガス15には窒素ガスとヘリウムガスを用い、窒素ガスにより水4を所定の時間バブリングすることで、溶存酸素量を1ppm(実施例1)及び0.1ppm(実施例2)に、ヘリウムガスにより所定の時間バブリングすることで、溶存酸素量を0.01ppm(参考例)にそれぞれ調整した。この際、容器5内への窒素ガス及びヘリウムガスの供給圧力は共に0.95MPaとし、逃がし弁23により容器5内の圧力を0.9MPaに制御した。なお、水4を非酸化性ガス15によりバブリングする時間と溶存酸素の減少量との関係は、予め他の実験により求められている。
そして、鋼板2を加熱炉内で非酸化性ガス15の雰囲気下で950℃まで加熱し、加熱後の鋼板2をダイス10上に載置して熱間プレス成形を行った。熱間プレス成形においては、ダイス10を下死点において2秒間保持し、冷媒供給口12から溶存酸素量を調整した水4を噴出させて鋼板2を冷却した。その後、成形後の鋼板2を金型3から取り外した。そして、この熱間プレス成形を連続して1000回行った。なお、この1000回という回数は、生産性の観点から、凸部14と金型3との隙間が酸化スケールで閉塞することなく、連続して熱間プレス成形を行うことが求められる最低限の回数である。
また、本実施例においては、従来技術との比較として、非酸化性ガスによるバブリングが行われていない、すなわち溶存酸素量が調整されていない水4を冷媒に用いて、同様の熱間プレス成形を連続して1000回行った。溶存酸素量が調整されていない水4は、例えば図1に破線で示すように、水4がバブリングされない位置に設けられた他のガス供給管27を介して容器5内の加圧を行うことで、金型3に供給される。なお、ガス供給管27から供給される加圧用のガスとしては、窒素ガス及び圧縮空気を用いた。供給圧力は、バブリングを行う場合と同様に0.9MPaとした。この際、空気で加圧した場合の水4と、窒素ガスで加圧した場合の水4の溶存酸素量を確認したところ、それぞれ10ppm(従来1)、4ppm(従来2)であった。
以上5通りの溶存酸素量の水4を冷媒として用いて熱間プレス成形を1000回連続で行った後、金型3を点検した結果を表1に示す。ダイス10の凸部14と鋼板2との間の隙間が酸化スケールにより閉塞していなければ良好とし、表1に○で示した。






Figure 0005515304
その結果、表1に示されるように、水4の溶存酸素量が1ppm以下であれば、熱間プレス成形を1000回連続で行った後でも酸化スケールによる凸部14と鋼板2間の隙間の閉塞が発生しないことが分かった。
本発明は、鋼板を連続的に熱間プレス成形する際に有用である。
1 熱間プレス成形装置
2 鋼板
3 金型
4 水
5 容器
6 水供給管
10 ダイス
10a 成形面
11 ポンチ
12 冷媒供給口
13 流路
14 凸部
15 非酸化性ガス
20 ガス供給管
21 放出管
22 補給管
23 逃がし弁
24 遮断弁
27 ガス供給管
30 吸引管
31 真空ポンプ
32 ポンプ
40 熱源供給管
41 加熱媒体
42 ベント管

Claims (5)

  1. 表面に凸部が形成された金型を用いて、表面にめっき処理を行っていない普通鋼を熱間プレス成形する際に、加熱された鋼板をダイス上に載置し、ポンチを下死点まで降下した状態で、前記凸部によってできる鋼板と金型との間の隙間に水を供給して前記鋼板の冷却を行う熱間プレス成形方法において、前記水は溶存酸素量が1ppm〜0.1ppmに調整されていることを特徴とする、熱間プレス成形方法。
  2. 前記溶存酸素量が調整された水は、容器内に貯留された水に非酸化性ガスを吹き込むことにより生成されることを特徴とする、請求項1に記載の熱間プレス成形方法。
  3. 前記溶存酸素量が調整された水は、水を貯留した容器内を減圧することにより生成されることを特徴とする、請求項1に記載の熱間プレス成形方法。
  4. 前記溶存酸素量が調整された水は、容器内に貯留された水を加熱することにより生成されることを特徴とする、請求項1に記載の熱間プレス成形方法。
  5. 表面に凸部が形成された金型を用いて、表面にめっき処理を行っていない普通鋼を熱間プレス成形する際に、加熱された鋼板をダイス上に載置し、ポンチを下死点まで降下した状態で、前記凸部によってできる鋼板と金型との間の隙間に水を供給して前記鋼板の冷却を行う熱間プレス成形装置であって、
    前記金型に供給する水を貯留する容器と、前記容器内に貯留される水の中に非酸化性ガスを供給するガス供給管と、を有し、
    前記容器から鋼板と金型との間の隙間に供給される水は、溶存酸素量が1ppm〜0.1ppmに調整されていることを特徴とする、熱間プレス成形装置。
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