JP5514971B2 - 積層電池および積層電池システム - Google Patents

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Description

本発明は、非水系電池の冷却構造に関する。詳しくは、非水系電池における冷却性能を向上した電池の冷却構造に関する。
蓄電池には、円筒型電池、角型電池など種々の形状の電池が開発され広く使用されている。そして、比較的小容量の電池には、耐圧性や封口の容易さの点から円筒型が採用され、比較的大容量の電池には、取扱いの容易性から角型が採用されている。
また蓄電池の電極構造に着目すれば、大別して、積層タイプと捲回タイプの2つのタイプが広く使用されている。すなわち積層タイプの電池は、正極と負極がセパレータを介して交互に積層されてなる電極群が電池ケースに収納されてなる。積層タイプの電池の多くは角型の電池ケースを有している。一方捲回タイプは、正極と負極がセパレータを挟みつつ渦巻状に巻き取られた状態で電池ケースに収納されてなる。捲回タイプの電池ケースは円筒型のものもあるし角型のものもある。
特許文献1および特許文献2に、円筒型捲回電池に関する技術が開示されている。すなわち、図1において、蓄電池1は、電池ケース2内に配置された正極3、負極4、セパレータ5および電解液を主に備えている。そして電池ケース2は、上部に開口部2aを有する概ね円筒状の容器であり、その底面部が負極端子に設定されている。帯状の正極3と負極4とはセパレータ5を挟みつつ渦巻き状に巻き取られた状態で電池ケース2内に配置されている。また、電池ケースの開口部2aは、電池ケース2内に電解液が注入された状態で、封口板7により液密に封鎖されている。なお、封口板7の上面に設けたキャップ6が正極端子となる。正極端子は図示しないリード線により正極3に接続されている。円筒型捲回電池は前述したように比較的小容量の電池である。
蓄電池の冷却構造については種々の方法が提案されている。その多くは、蓄電池を複数個組み合わせてモジュール化した組電池に関するものである。これは蓄電池をモジュール化して大容量化すると、蓄電池の温度上昇が問題となるからである。組電池の冷却構造については、組電池を収納した容器の表面に突起を設けて冷却空気の流れに乱れを生じさせて放熱をよくする方法(例えば、特許文献3)や、隣り合う組電池の間に穴開きの金属製の冷却板を介在させて冷却空気の通路を設ける方法(例えば、特許文献3、4)もしくは収納容器の外部に突出する冷却フィンを設ける方法(例えば、特許文献5)等が提案されている。
特許文献6には、正極と負極の間にセパレータを介在させた角型積層電池ユニットにおいて、当該電池ユニットの間に冷却板を設けて、その冷却板に冷媒の流路を設けてなる電池ユニット積層体の冷却構造が開示されている。
特許文献7には、シート状のヒートシンクを正極と負極に配して、セパレータと共に捲回してなる円筒型捲回電池の技術が開示されている。
非水系二次電池、例えば、リチウム二次電池では、4V系正極材料(LiCoO、LiMn等)と黒鉛系負極材料、微小短絡を防止するための微多孔膜セパレータ、4.5Vまでの高電圧に耐える有機電解液などが利用されている。
商品化以来、リチウム二次電池の容量は2倍以上に向上している。たとえば、パソコン向け円筒形電池(18650)の容量は、1994年に1200mAhであったものが2002年には2200mAh、2006年には2900mAhへと向上しているが、充填密度向上による高容量化は、限界に近づきつつあり、電池の発火事故などが報道されるに至っている。
リチウム二次電池発火のメカニズムは下記に示す(1)〜(6)のようであるといわれている(例えば、非特許文献2)。
(1)充電末期に黒鉛負極上でLiデンドライトや不純物金属(Cu、Fe、Niなど)が析出して微小短絡を引き起こし、温度が上昇する。
(2)80℃付近から負極表面被膜と電解液が反応開始して、温度上昇し安全装置であるPCT素子が作動して電流遮断される。
(3)80℃付近から電解液分解が開始してガス発生し、安全装置である圧力弁が作動して電流遮断される。
(4)120℃以上ではポリエチレンやポリプロピレンの微多孔膜セパレータの微多孔が閉じることで反応を遮断(シャットダウン機能の作動)して、電流遮断される。
(5)ところが、160℃以上ではセパレータが溶解して短絡を引き起こし発熱する。
(6)さらに、220℃以上では正極材料(LiCoO、LiMnなど)が熱分解して酸素放出して、有機溶媒と反応して急激な温度上昇を引き起こす。
そこで、電池の高容量化と安全性の両立が求められる。
特開2002−198044号公報 特開2004−103350号公報 特開2009−016285号公報 特開2003−007355号公報 特開2001−143769号公報 国際公開2008/099609号公報 特開平11−144771号公報
第52回電池討論会講演要旨集(2B19)「LiFePO4正極の高出力化」 2011年 KEC情報 次世代電池特集(二次電池の最新動向と将来展開)、No.215、pp.2〜8.2010年10月号.
非水系二次電池の構成要素のひとつであるセパレータは、正負極間の短絡を防止し、電解液を保持する機能の他、高温(約120℃)時にシャットダウン機能を発現して、電池の安全性を高める重要なパーツであるが、ポリエチレンやポリプロピレン等のフィルムを素材として採用しているので、正極や負極の電極と比べてその熱伝導度は小さく、熱を伝え難い。
図1に示す捲回電池の冷却について言及すれば、電極とセパレータの積層方向(円周方向)に対して直角方向(半径方向)に熱を伝える必要があるが、多層に重ねられた電極とセパレータを経て良好に熱伝達を行うことは困難である。図2は、電池表面(ケース)から中心部に向けての電池内部の温度勾配の状況を説明するための模式図である。図2によれば、円筒型捲回電池においてケースと電極は熱伝導度が高いので大きな温度勾配は生じないが、セパレータは熱伝導度が低いので大きな温度勾配を生じ、中心部に行くほど高温となっていることがわかる。
すなわち、捲回電池の電池ケースの表面温度は周囲温度に近いものの、中心部分の温度は高く、特に充放電状態においてはかなり高温となる。電池ケースの外側を冷却しても、電池内部の温度は必要な程度に冷却されない。電解液は80℃以上で分解しガスを発生させ、安全装置である圧力弁が作動して電流が遮断される。一般に、リチウム二次電池に使用されている電解液においては(例えば、LiPF塩を溶解したプロピレンカーボネート、エチレンカーボネートなど)、80℃以上で電解液が気化或いは分解しガスが発生する。他方、セパレータは温度が高くなるとシャットダウンし、電池の機能を失う。一般に、リチウム二次電池に使用されているセパレータにおいては(例えば、ポリエチレン微多孔膜、ポリプロピレン微多孔膜など)、約120℃に達すると、材料が熱収縮して細孔が塞がれ、電極間の電流の流れを妨げる。また、高温環境下では電極の劣化は促進される。
電池の冷却方法として、電池ケースの表面に突起を設けて熱の放散を良くする方法(例えば、特許文献3)や、組電池の間に穴開きの金属板を設けて冷却空気を流して冷却する方法(例えば、特許文献3,4)もしくは冷却フィンを設ける方法(例えば、特許文献5)が提案されているが、これらはいずれも電池ケースの表面を冷却するのには有効であるが、セパレータによる温度勾配が存在するため捲回電池においては効果的な冷却方法ということができない。
ヒートシンクを電極と共に捲回する方法(例えば、特許文献7)や、冷却水が流れるパイプを電池内部に収納する方法が提案されている。これらの方法は、電池ケースの表面を冷却するよりは効果的な冷却方法といえるかもしれないが、冷却のためのスペースを必要とし、電池寸法が大きくなり、体積当りの電気容量が低下する。
リチウム二次電池の用途としては携帯機器が中心であり高容量のLiCoO正極が使用され、2010年には18000MWhの電池生産が予想され、Coは約2万トン(世界生産量の約30%)必要となる。そこで、自動車用では、資源やコストの観点からマンガン系LiMnが利用されるが、高温時にMnが電解液に溶出し、材料自身が熱耐久性に欠ける。
ジュール熱の量は、抵抗Rと電流Iの二乗の積により定まるため、非水系二次電池に限らず、電池に電流を流すとジュール熱により、電池内部に熱が発生する。低容量の電池であれば、その熱は、時間と共に電池系外へ排出されるため、電池温度の上昇をある程度が抑えることができる。しかし、例え低容量電池であっても、大きな電流密度で充放電を行うとジュール熱により電池内部が蓄熱されやすく、高容量になればその傾向は大きくなる。
したがって、電池内部が蓄熱されると電池の劣化を促進させ、また、安全性も低くなる。
二次電池の入出力特性を評価する指標として、放電レートが知られている。放電レートとは、公称容量値の容量を有するセルを定電流放電して、1時間で放電終了となる電流値を「1C率」とすることを基準とした指標であり、例えば、5時間で放電終了となる電流値は「0.2C率」、10時間で放電終了となる電流値は「0.1C率」と表記される。
リン酸鉄リチウム(LiFePO)は、その高い入出力特性により、コバルト酸リチウム(LiCoO)、スピネル型マンガン酸リチウム(LiMn)などに代わるリチウム含有遷移金属酸化物として採用されつつある。しかし、このような高い入出力特性を有する電極(質量%比で、LiFePO:KB:PVdF=83:5:12、電極厚さ:65μm、容量密度:0.8mAh/cm)であっても、5C率以下の放電レートに留まる。放電レートは、電流密度が小さいほど高いため、現状では、高い入出力特性を得るために電極厚さを薄くせざるを得ず、一つのセルあたりの電極容量が小さくなる。
そこで、例えば、非特許文献1では、各添加剤、バインダー、集電体等を最適化し、LiFePO正極の高出力化を図っているが、それでも、高速で充電或いは放電を行うと電池温度は高温になり、電極の劣化を促進するため、放熱性に優れた電池構造が求められる。
本発明は、係る課題を解決するためになされたものであり、電池内部の温度上昇を抑制するとともに、冷却のために電池内に余分なスペースを必要としない電池を提供する。さらには、大きな電流密度で充放電を行っても、電池の劣化を防ぐことを可能とする。
前記した目的を達成するために、本発明に係る積層電池は、筒状の外装体の内部に、正極活物質を含む正極と、負極活物質を含む負極とが、イオンは透過するが電子を透過させないセパレータを介して、前記外装体の軸方向に積層されている、電解液を備えた電池であって、前記正極および前記負極のいずれか一方の電極であって前記外装体の内面に当接して電気的に接続されている第1電極と、他方の電極であって前記外装体の内面に接触していない第2電極とを備えていて、導電性の集電体が、前記正極と前記負極と前記セパレータとを前記外装体の軸方向に貫通していて、前記第2電極は前記集電体に当接して電気的に接続されていて、前記第1電極は前記集電体と接触しておらず、前記外装体は、筒状金属性の胴部と、当該胴部の軸方向開口部を覆う絶縁性の第1蓋部と第2蓋部を有していて、前記集電体は、棒部と当該棒部の一端に形成された止め部とを備え、前記止め部が前記第2蓋部に当接していて、前記棒部が前記正極と前記負極と前記セパレータとを前記外装体の軸方向に貫通していて、他端が前記第1蓋部に支持されている。また、本発明に係る積層電池は、前記電解液が非水系電解質を含んでいることが好ましい。
この構成によれば、セパレータは非水系の電解液を保持していて、正負極間の絶縁を図るとともに、イオンの透過を可能にしている。外装体は金属でできており、外装体に接触している方の電極(第1電極)の端子として機能する。正負極およびセパレータは、好ましくはシート状に形成されている。外装体は中空であって、各電極は外装体の軸方向に積層されて外装体内部に収納されている。第1電極の外形寸法(厚み方向と垂直方向の寸法)は外装体の内径よりも少し大きく作られている。第1電極はその外周の全体もしくは部分的に外装体の内面に接触している。第1電極が外装体内部に圧入されたときに、第1電極は外装体と接触して、電気的に接続されるのみならず、熱的にも小さな抵抗で外装体に接続されるので、電極の冷却に有効に作用する。
一方、第2電極の外径寸法は外装体の内径よりも小さく作られており、第2電極は外装体と接触せず絶縁されている。外装体は、好ましくは缶であってよく、鉄(Fe)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、アルミニューム(Al)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、金(Au)、ステンレス鋼などの金属であってよいし、導電性のガラス、カーボン(C)やポリマーなどであってもよいが、熱伝導性と電子導電性の観点から、鉄、銅、ニッケル、アルミニューム、金、ステンレス鋼等が好ましい。なお、第1電極が正極である場合は、使用する活物質によって異なるが、耐酸化性の観点から、アルミニューム、ステンレス鋼等が好ましい。第1電極が負極である場合は、使用する活物質によって異なるが、耐還元性の観点から、銅、ニッケル、ステンレス鋼等が好ましい。
第1電極で発生する熱は、直接外装体に伝えられる。途中に熱の不良導体を介さないので熱勾配(温度差)は小さい。第2電極で発生する熱は、セパレータを介して第1電極に伝えられる。途中に熱伝導度の小さいセパレータが介するが、1枚だけであり大きな熱抵抗とはならないので熱勾配は小さく抑えられる。更に、正負極とセパレータからなる電極群を軸方向に大きな圧力を持って外装体に押し込むことにより、第2電極が強く第1電極に押し付けられるので、第2電極の熱の移動はより大きくなる。捲回電池の温度勾配が大きいのは、外装体と電極の間に幾重もの熱を伝え難いセパレータが介在しているのと、その構造上大きな力で捲回することができないので電極間の熱の移動を大きくすることができないからである。
捲回電池の総括熱伝達係数(U1)は、数1で示されるところ、本発明に係る積層電池の総括熱伝達係数(U2)は、数2で示される。両者を比較すると、アンダーラインで示す項において大きな差が生じることが分かる。具体的な数値は、実施の形態で詳述するが、捲回電池の捲回数(n)が大きいほど、総括熱伝達係数は小さくなる。
Figure 0005514971
Figure 0005514971
以上のように、本発明に係る積層電池の温度勾配は小さく、積層電池の中心部における温度上昇を小さくすることができる。このため電池内部に冷媒を流すためのパイプ等を設ける必要がないのでコンパクトな構造で温度上昇を抑えることができる。更には、外装体の冷却は比較的容易に行うことができるので、効果的に温度上昇を抑えることが可能となる。
また、第2電極は前記集電体に当接して電気的に接続されていて、第1電極は前記集電体と接触していないので、正負極とセパレータは、それぞれ、その中心部分に集電体が通る穴を有しており、その穴を集電体が貫通している。第1電極の穴の径は、集電体の外径より大きく、このため第1電極は集電体と接触せず、第2電極の穴の径は、集電体の外径より小さく、このため第2電極は集電体と接触して電気的に接続されている。
集電体は第2電極の端子として機能する。また集電体は、電子伝導性を有しいる材料であれば特に限定されない。
本構成によれば、電解液は非水系の電解液であるところ、有機電解液がこれに相当する。アルカリ水溶液からなる電解液は水系の電解液の代表例である。
非水系二次電池には、リチウム二次電池、ナトリウム二次電池、マグネシウム二次電池、カルシウム二次電池などが挙げられ、リチウムイオンキャパシター、ナトリウムイオンキャパシター、マグネシウムイオンキャパシター、カルシウムイオンキャパシターも非水系二次電池に含まれる。
本発明に係る積層電池は、前記集電体の棒部の側面に溝加工が施されていて、当該集電体の棒部の溝がネジ溝であり、ネジ溝のネジの谷の径は前記第2電極に設けた前記集電体が貫通する穴の径より大きい。
この構成によれば、集電体の側面には溝加工が施されている。そして、その溝はネジ溝であってよく、第2電極に設けた穴の径が集電体のネジの谷の外径より小さく、第1電極に設けた穴の径が集電体のネジの山の外径より大きい。第2電極に設けた穴の径が集電体のネジの谷の外径より小さくすることにより、第2電極と集電体の接触を十分確保することが可能になる。
集電体にネジ溝加工を施さない場合、電極の組立時に集電体と電極との結合が緩み、集電体と電極の密接な接触が保たれなくなることがある。係る問題を解決するために、集電体にネジ溝加工を施した。すなわち、ネジのリードに沿って第2電極と集電体が強い嵌め合い状態を維持することとなる。これにより、組立加工時に電極が集電体から抜けるのを防止することが可能となる。
本発明に係る積層電池は、前記接着剤が、前記電解液で溶解しない樹脂と炭素粉末から構成され、その混合比が、全体を100質量%とすると、前記電解液で溶解しない樹脂が30〜90質量%、炭素粉末が10〜70質量%であることが好ましい。また、前記電解液で溶解しない樹脂が、より好ましくはポリイミドである。
導電性を有する接着剤により集電体と第2電極を接合することによって、例え、第2電極に設けた穴の径が集電体のネジの谷の外径より大きくなっても、電気的に第2電極と集電体の接触を確保することが可能になる。
さらに、集電体と第2電極とを接着剤により接合することで組立加工時に電極が集電体から抜けてしまうのを確実に防止することができる。
そして、混合比を電解液で溶解しない樹脂が30〜90質量%に限定した理由は、30質量%未満であると炭素粉末が嵩高いため、十分な接着性を確保しにくく、90質量%を超える場合は、炭素粉末を混合しても十分な導電性を確保しにくいからである。したがって、電解液で溶解しない樹脂は30〜90質量%が好ましく、50〜70質量%がより好ましい。同様に、炭素粉末は、10〜70質量%であることが好ましく、30〜50質量%であることがより好ましい。
電解液で溶解しない樹脂とは、電解液に対して安定で且つ接着性を保持しておればよく、この観点から、CMC、PVA、ポリアクリル、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミドが好ましい。なかでも、耐熱性の観点から、ポリイミドが好ましい。
本発明に係る積層電池は、前記外装体が蓋付有底の円筒であってもよく(図3)、また、前記外装体が断面が略矩形の有底の容器と、前記容器の開口部を覆う蓋部材を備えていてもよい(図8)。この構成によれば、外装体は缶であってもよい。
本発明に係る積層電池システムは、当該積層電池の容器の底部と、隣接する積層電池の蓋部材とが対向する方向に積層して、複数の積層電池を直列に接続して構成される(図9)。
本発明に係る電池システムは、当該積層電池の容器の底部と、隣接する積層電池の蓋部材とが接触して、複数の積層電池が積層されることにより直列に接続したものであってもよい。
この構成によれば、2つの積層電池の一方の蓋部材と他方の積層電池の容器の底部が当接することにより積層され、電気的に直列に接続される。複数の積層電池をこのように接続すれば、接続数に応じて電池システム(組電池)の出力電圧は高くなる。
本発明に係る積層電池は、前記外装体が円筒状の金属性の胴部と、当該胴部の軸方向開口部を覆う2つの蓋部を有していて、前記集電体は前記蓋部を貫通している(図10)。
この構成によれば、集電体は蓋部を貫通して両端の蓋部に支持されていてもよい。外装体は、円管(パイプ)の両端開口部に蓋を備えたものであってもよい。外装体は円管と蓋により、その内部に密閉空間を形成する。密閉空間内に正負極とセパレータからなる電極群が収納される。蓋部は金属製であってもよい。第1電極の外径寸法は外装体の内径よりも少し大きく作られており、第2電極の外径寸法は外装体の内径よりも小さく作られている。
本発明に係る電池システムは、複数の積層電池と、前記複数の積層電池の間に配される柱状の金属製の接続金具とを備え前記接続金具の底面と上面にはそれぞれ軸方向に接続穴が設けられていて、上面に設けられた接続穴には一方の積層電池の集電体の端部が嵌合可能になっていて、底面に設けられた接続穴には他方の積層電池の集電体の端部が絶縁体を介して嵌合可能になっていて、前記上面に設けられた接続穴の深さが一方の積層電池の蓋部から突出した集電体の長さよりも小さくなっていて、かつ、前記底面に設けられた接続穴の深さが他方の積層電池の蓋部から突出した集電体の長さよりも大きくなっていて、前記接続金具を介して前記複数の積層電池を接続してなる。
接続金具は円柱もしくは角柱であってよく、接続金具の底面と上面はそれぞれ互いに隣接する積層電池の蓋部に面接可能となっている。上面に設けられた穴に集電体を嵌合することにより、一方の積層電池の集電体と他方の積層電池の蓋部が機械的に接続されるとともに、電気的に接続される。なお、底面に設けられた穴と集電体の間には絶縁体が介在しているので、隣接する積層電池の集電体は互いに絶縁されている。接続金具を用いることにより積層電池を直列に接続することが可能となる。
この構成によれば、蓋部を貫通した集電体が隣接する積層電池の接続穴に嵌合することにより、接続金具を介して積層電池を複数直列接続する。そして、接続された積層電池の数に応じて、積層電池システムの端子電圧は大きくなる。
本発明に係る積層電池は、前記外装体が筒状金属性の胴部と、当該胴部の軸方向開口部を覆う絶縁性の第1蓋部と第2蓋部を有していて、前記集電体は、一端が前記第2蓋部に当接していて、前記正極と前記負極と前記セパレータとを前記外装体の軸方向に貫通していて、他端が前記第1蓋部に支持されている。また、本発明に係る積層電池は、前記集電体が、棒部と当該棒部の一端に形成された止め部とを備えており、前記止め部が前記第2蓋部に当接する構成としてもよい。
この構成によれば、第1蓋部と第2蓋部は胴部の両端の開口部を覆うようになっており、外装体は胴部と蓋部により、その内部に密閉空間を形成しており、密閉空間内に正負極とセパレータからなる電極群が収納される構造となっている。第1電極の外径寸法は外装体の内径よりも少し大きく作られており、第2電極の外径寸法は外装体の内径よりも小さく作られていることは前述した通りである。
棒部より大きい外径を有している止め部は、電極群が集電体から抜け落ちるのを防止することを可能にしている。止め部は第2蓋部に当接しているので、集電体の軸方向の移動が制限される。
本発明に係る積層電池システムは、積層電池を金属製のブラケットを介して複数接続してなる積層電池システムであって、当該ブラケットは2つの穴を有していて、隣接する一方の積層電池の前記胴部が前記ブラケットの一方の穴に取付けられており、他方の積層電池の前記棒部が前記ブラケットの他方の穴に取付けられており、前記ブラケットを介して隣接する積層電池が直列に接続される。
この構成によれば、ブラケットは板状の金属であり、鉄、銅、アルミニューム、ニッケル、チタンまたはステンレス鋼であってよく、鉄にニッケルメッキ、銅メッキ、アルミニュームメッキなどを施したものであってもよい。ブラケットは積層電池を組立てる構造体となると共に、隣接する積層電池を電気的に接続する役割を果たし、更には積層電池の放熱板としての機能も果たす。ブラケットにファン等で冷却空気を送ることにより冷却能力を高めることができる。複数のブラケットを用いて積層電池を次々と接続して、積層電池の直列数を増やして、出力電圧の高圧化を図ることが可能である。
本発明に係る積層電池は、前記外装体の軸方向に積層された前記正負極およびセパレータからなる電極群の両端に押板を配し、当該押板により前記電極群を保持してなる。
この構成によれば、2つの押板の間に正極、負極、セパレータを積層した電極群が配置されることになる。この押板は、電極の組立時において、電極が集電体から脱落するのを防止して、作業性を高める。そして、組立後においては、電極群の圧縮状態を保持する役割を果たす。
発明に係る積層電池は、リチウム二次電池であることが好ましい。非水系積層電池がリチウム二次電池であることが好ましい。リチウムイオンを用いることで、動作電位と放電容量を高くすることができる。
本発明に係る積層電池は、前記正極が、CMCをバインダーとするリン酸鉄リチウム(LiFePO)を含んでいる。CMCはカルボキシメチルセルロースの略称である。CMCをバインダーとするLiFePO正極は、CMCをバインダーとしていることで、高温環境下であっても電解液によるバインダー膨潤が少なく、また有機溶媒を用いずに電極を作製することができる。そのため、高温環境下であっても、高出力特性を維持でき、コストと環境の観点からも好ましいバインダーである。例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)をバインダーとするLiFePO正極の場合、高温環境下でPVdFが膨潤するため、電極のインピーダンスが大きくなる。したがって、電池の出力特性とサイクル寿命特性が低下するため、CMCを用いることが好ましい。また、LiFePOを活物質とすることで、高温環境下であっても活物質の分解による酸素放出がなく、高温耐久性が向上する。バインダーはCMCにSBR、PVA、フッ素樹脂、アクリル樹脂等を添加し、バインダーの強度を高めてもよい。正極は、活物質、バインダー、必要に応じて添加される導電剤から構成され、その混合比が、全体を100質量%とすると、活物質が75〜98質量%、バインダーが2〜25質量%、導電剤が0〜10質量%であることが好ましい。
電極集合体は、非水電解液中、前記集電体をネジ込まれた電極集合体に電流を流すことによって、第2電極にアルカリ金属をドープし、不可逆容量を低減させる。この不可逆容量を低減させる方法によれば、例え第2電極に不可逆容量を有する電極を用いても、第2電極にアルカリ金属がドープされるので、不可逆容量を低減した電極集合体を得ることができる。
本発明は、電池内部の温度上昇を抑制するとともに、冷却のために余分なスペースを必要としない非水系二次電池の提供を可能にする。
円筒型捲回電池の一部を破断した概略斜視図である。 円筒型捲回電池の温度勾配の状況を模式的に示す図である。 本発明の実施例1に係る円筒型積層電池の概略構成図であり、軸方向断面を示す図である。 集電体のネジ構造を模式的に示した図であり、集電体に電極群を挿入したときの部分拡大図である。 縦溝構造の集電体の図面(平面図と側面図)である。 図3に示す本発明の第一実施形態に係る円筒型積層電池の変形例を示す概略軸方向断面図である。 円筒型積層電池の組立方法を説明する断面図である。(a)は丸棒に電極群を組み込んだときの軸方向断面図であり、(b)は、丸棒を抜き集電体をねじ込んだときの軸方向断面図である。 本発明の実施例2に係る角型積層電池の概略構成図である。(a)は軸方向断面図であり、(b)は平面図である。 本発明の実施例2に係る角型積層電池を用いて組電池としたときの構成図である。 本発明の実施例3に係る円筒型積層電池の概略構成図であり、軸方向断面を示す図である。 本発明の実施例3に係る円筒型積層電池を用いて組電池としたときの構成図である。(a)は接続金具と積層電池の接続情況を説明する概略構成図であり、(b)は組電池を構成した場合の構成を説明する図である。 本発明の実施例4に係る円筒型積層電池を示す概略構成図であり、軸方向断面を示す図である。 本発明の実施例4に係る円筒型積層電池を用いて組電池としたときの構成図である。(a)は組電池を構成した場合を説明する図であり、(b)は組電池を構成するためのブラケットの平面図である。 本発明の実施例5に係る円筒型積層電池を示す概略構成図である。(a)は軸方向断面図であり、(b)は正極、負極、セパレータの平面図である。 本発明の実施例5に係る円筒型積層電池を用いて組電池としたときの構成図である。(a)は組電池を構成した場合を説明する図であり、(b)は組電池を構成するための放熱板の平面図である。 本発明の実施例5に係る円筒型積層電池の変形例を示す概略構成図である。 本発明の実施例6に係る円筒型積層電池を示す概略構成図である。
以下、本発明に係る実施形態を図面にしたがって説明するが、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。本発明の積層電池に用いられる電極、電解液およびセパレータは、非水系二次電池で一般的に用いられるものであれば特に限定されない。非水系二次電池には、リチウム二次電池、ナトリウム二次電池、マグネシウム二次電池、カルシウム二次電池などが挙げられ、リチウムイオンキャパシター、ナトリウムイオンキャパシター、マグネシウムイオンキャパシター、カルシウムイオンキャパシターも非水系二次電池に含まれる。
本発明の実施形態の説明において、説明の都合上リチウム二次電池について述べるが、非水系電解液を用いた二次電池であればよく、リチウム二次電池に限定されるものでない。
本発明の各実施形態について説明するのに先立ち、全ての実施形態に共通する事項について説明を行う。すなわち、上記の二次電池のうち、動作電位と放電容量が高いことからリチウム二次電池が好ましい。以下、リチウム二次電池を例にして、最初に電極、電解液およびセパレータ等、主として電極の製造について説明し、その後、リチウム二次電池の他の主な構成部品の製造について説明をする。
<電極および主な構成部品の製造について>
負極は、チタン酸リチウム、CMC、およびケッチェンブラック(KB)を混合し(質量比で90:5:5)、スラリー状合剤を調整した。この合剤を厚さ20μmのステンレス鋼箔上に塗布し、仮乾燥した後、加熱処理(減圧中、160℃、5時間以上)して負極を得た。
ケッチェンブラックは、直径3〜500nm程度の炭素微粒子群であり、主として、電極の導電性を高める導電剤として用いられる。
負極は、リチウムの吸蔵および放出が可能な負極活物質およびバインダーを含有するものである。ここで、リチウムの吸蔵および放出が可能な負極活物質とは、初期の充電においてリチウムイオンを吸蔵することができ、且つ、その後の充放電時においてリチウムイオンを吸蔵・放出することができるものであれば上記のものに限定されない。材料コストと、低温環境下での充電や高速充電によりリチウムデンドライドが発生しにくいという観点から、ハードカーボン、ソフトカーボン、りん酸スズ、シリコン、一酸化珪素、スズ、一酸化スズ、二酸化スズ、シュウ酸スズ、スズ−銅合金等であってもよい。
ソフトカーボンは、易黒鉛化性炭素ともよばれ、不活性雰囲気中で加熱処理を施した際に黒鉛構造となりやすいカーボン材料であり、ハードカーボンは、難黒鉛化性炭素ともよばれ、黒鉛構造の発達が抑えられた不規則な構造を持つものカーボン材料であり、両者のカーボンは、主として、リチウム二次電池の負極活物質として用いられる。
正極は、リン酸鉄リチウム、CMC、活性炭、およびKBを混合し(質量比で89:4:2:5)、スラリー状合剤を調整した。この合剤を厚さ20μmのステンレス鋼箔上に塗布し、仮乾燥した後、加熱処理(減圧中、160℃、5時間以上)して正極を得た。
正極は、リチウムの吸蔵および放出が可能な正極活物質およびバインダーを含有するものである。ここで、リチウムの吸蔵および放出が可能な正極活物質とは、初期の充電においてリチウムイオンを吸蔵することができ、且つ、その後の充放電時においてリチウムイオンを吸蔵・放出することができるものであれば上記のものに限定されない。酸化還元電位とリチウムイオンの吸蔵および放出が可能な量の観点から、例えば、コバルト酸リチウム、ニッケル酸リチウム、コバルトマンガンニッケル酸リチウム、マンガン酸リチウム、リン酸鉄リチウム、酸化バナジウム系材料、硫黄系材料、グラファイト等の既存のものが挙げられる。材料コストと高温耐久性の観点から、正極の活物質はリン酸鉄リチウムが好ましい。
セパレータとしてポリプロピレンの微多孔膜を用いた。セパレータは、リチウムイオンを透過させるが電子を透過させない素材であればポリプロピレンに限定されない。例えば、ポリエチレン、ポリエステル、セルロース、アラミド、ポリアミド等の樹脂からなる多孔質シート、ガラスフィルター、不織布、織布等をセパレータを形成する素材として用いることができる。
電解液として1mol/LのLiPF/EC:DEC(50:50vol%)を採用した。電解液は、リチウム二次電池で一般的に用いられている非水電解質であればよい。電解液に使用される電解質は、リチウムイオンを含有する必要があることから、リチウム二次電池で用いられるものであれば上記のものに限定されないが、その電解質塩としては、リチウム塩が好適である。このリチウム塩としては、例えば、ヘキサフルオロリン酸リチウム、過塩素酸リチウム、テトラフルオロホウ酸リチウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム及びトリフルオロメタンスルホン酸イミドリチウムよりなる群から選択される少なくとも一種を用いることができる。上記リチウム塩は、電気的陰性度が高く、イオン化しやすいことから、充放電サイクル特性に優れ、二次電池の充放電容量を向上させることができる。
上記電解質の溶媒としては、例えば、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、γ−ブチロラクトン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラン、ニトロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドよりなる群から選択される少なくとも一種を用いることができ、特に、プロピレンカーボネート単体、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの混合物、又はγ−ブチロラクトン単体が好適である。
なお、上記エチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの混合物の混合比は、エチレンカーボネート及びジエチルカーボネートともに10〜90vol%の範囲で任意に調整することができる。あるいは、溶媒を用いず、固体電解質でもかまわない。
負極の作製方法としては、例えば、負極活物質、バインダーおよび必要に応じて導電剤を添加した粉末に、溶剤又は水を加えてペースト状にしたものを、集電体上に塗布成形することで製造することができる。同様に、正極の製造方法としては、正極活物質、バインダー、および必要に応じて導電剤を添加した粉末に溶剤又は水を加えてペースト状にしたものを、集電体上に塗布成形したものを使用することができる。
導電剤としては、ケッチェンブラック(KB)を用いたが、導電性を有する粉末であれば特に制約はないが、低い材料コストであり、しかも高い導電性を有する、炭素材料が好ましい。例えば、アセチレンブラック(AB)、黒鉛、カーボンファイバー、カーボンチューブ、非晶質炭素等の炭素材料を、一種単独で用いてもよいし、または二種以上を併用してもよい。
バインダーとしては、カルボキシメチルセルロース(CMC)を用いた。例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリル、スチレンブタジエンゴム、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体、カルボキシメチルセルロース等の材料を一種単独で用いてもよく、二種以上を併用してもよい。高温耐久性の観点から、バインダーは、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリル、カルボキシメチルセルロース等が好ましい。なかでも、カルボキシメチルセルロースは溶媒に水を用いることができるためより好ましい。
集電体としては、ステンレス鋼を用いたが、電子伝導性を有し、保持した負極材料に通電し得る材料であればこれに限定されない。
例えば、C、Ti、Cr、Ni、Au、Al等の導電性物質、および、これら導電性物質の2種類以上を含有する合金(例えば、ステンレス鋼)、導電性を有するガラスやポリマーなどを使用し得る。なお、第2電極が負極である場合、集電体は、電気伝導性が高く、電解液中の安定性がよい観点とリチウムと合金化しにくい材質が好ましく、具体的には、C、Ti、Cr、Ni、Cu、Au、ステンレス鋼等が好ましく、さらに材料コストの観点からC、Ni、Cu、ステンレス鋼等が好ましい。
第2電極が正極である場合、集電体は、電気伝導性が高く、電解液中の安定性とリチウムと合金化しにくい材質が好ましく、具体的には、C、Al、ステンレス鋼等が好ましい。集電体の形状には棒状を採用したが、この他、線状、板状、箔状、網状、織布、不織布、エキスパンド、多孔体又は発泡体があり、このうち充填密度を高めることができること、出力特性が良好なことから、エキスパンド、多孔体又は発泡体が好ましい。
外装体は、好ましくは缶であってよく、鉄(Fe)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、アルミニューム(Al)、チタン(Ti)、クロム(Cr)、金(Au)、ステンレス鋼などの金属であればよい。更に、導電性のガラス、カーボン(C)やポリマーなどであってもよいが、熱伝導性と電子導電性の観点から、鉄、銅、ニッケル、アルミニューム、金、ステンレス鋼等が好ましい。なお、第1電極が正極である場合は、使用する活物質によって異なるが、耐酸化性の観点から、アルミニューム、ステンレス鋼等が好ましい。第1電極が負極である場合は、使用する活物質によって異なるが、耐還元性の観点から、銅、ニッケル、ステンレス鋼等が好ましい。本実施形態においては、ともにステンレス鋼を用いた。
本発明に係る積層電池は、集電体と第2電極が接着剤により接合されている。これは、導電性を有する接着剤により集電体と第2電極を接合することによって、例え、第2電極に設けた穴の径が集電体のネジの谷の外径より大きくなっても、電気的に第2電極と集電体の接触を確保することが可能になるからである。さらに、集電体と第2電極とを接着剤により接合することで組立加工時に電極が集電体から抜けてしまうのを確実に防止することができる。
そして、好ましくは当該接着剤が、前記電解液で溶解しない樹脂と炭素粉末から構成され、その混合比が、全体を100質量%とすると、前記電解液で溶解しない樹脂が30〜90質量%、炭素粉末が10〜70質量%であるところ、混合比を電解液で溶解しない樹脂が30〜90質量%に限定した理由は、30質量%未満であると炭素粉末が嵩高いため、十分な接着性を確保しにくく、90質量%を超える場合は、炭素粉末を混合しても十分な導電性を確保しにくいからである。したがって、電解液で溶解しない樹脂は30〜90質量%が好ましく、50〜70質量%がより好ましい。同様に、炭素粉末は、10〜70質量%であることが好ましく、30〜50質量%であることがより好ましい。
また、電解液で溶解しない樹脂としてポリイミドを採用した。電解液で溶解しない樹脂とは、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレンビニルアルコール(EVA)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリイミド(PI)、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリアクリル、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレン共重合体(SEBS)、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリアクリル、等が挙げられる。このうち、電解液に安定で且つ接着性の観点から、CMC、PVA、ポリアクリル、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミドが好ましい。なかでも、耐熱性の観点から、ポリイミドがより好ましい
図3に本発明の実施形態に係る円筒型積層電池の軸方向の概略断面図を示す。図3に示す円筒型積層電池11(以下、単に積層電池という)は、外装体15と集電体17と外装体内部に収納される電極体13を主な構成要素として備えている。外装体15は、有底の円筒缶12と、円筒缶12の開口部12cに取付けられた円盤状の蓋部材16とから構成されている。円筒缶12と蓋部材16はステンレス鋼でできているが、他の金属であってもよい。蓋部材16の外径は円筒缶12の開口部12cの内径より少し大きく、蓋部材16は電極体13収納後に円筒缶開口部12cにおいて絞まり嵌めして嵌合されている。
電極体13は、正極活物質を含む正極13aと、負極活物質を含む負極13bと、正極13aと負極13bの間に介在してイオンは透過するが電子を透過させないセパレータ13cから構成されていて、円筒缶12の軸方向(図3のX方向)に積層して外装体15の内部に収納されている。なお、電解液(図示せず)は、セパレータ13cに保持されている。正極13a、負極13b、セパレータ13cはいずれも中心に穴の開いた、円盤状の形状を有しており、正極13aの外径13abは円筒缶12の内径12aよりも小さく、正極13aと円筒缶12は接触していない。一方、負極13bの外径13bbは円筒缶12の内径12aより大きく、負極の外周13bbは円筒缶12の内面12aと接触しており、負極13bと円筒缶12は電気的に接続されている。好ましくは、負極13bの外径13bbは円筒缶12の内径12aより100μm大きい。
集電体17は、ステンレス鋼でできており、棒状の軸部17aと軸部17aの一端に配された止め部17bとを有している。集電体17の軸部17aは、正極13aと負極13bとセパレータ13cから構成される電極体13の中心を、外装体15の軸方向(図3のX方向)に貫通している。正極13aの中心に設けた穴13aaの径は、軸部17aの外径より小さく、正極13aは軸部17aと接触して電気的に接続されている。一方、負極13bの中心に設けた穴13baの径は、軸部17aの外径より大きく、負極13bは軸部17aと接触せず電気的に絶縁されている。
集電体17の側面にはネジ溝加工がされていてネジ部17cを構成している。具体的には、集電体17は模式的にその断面を図4に示すように、谷の径がdであり、山の径がDであるネジ構造を有している(d<D)。ネジの仕様はJISにいうMネジであるがISO仕様であってもよい。
図4は、集電体17と電極13の関係を模式的に表した断面図である。この図に示すように、正極13に設けた穴13aaの径は、ネジ部17cの谷の径(d)より小さく、正極13aは軸部17aに螺号して接触している。一方、負極13bに設けた穴13baの径は、ネジ部17cの山の径(D)より大きく、負極13bは軸部17aと接触していない。
本実施例において、集電体17はM4のボルトを利用しており、その山の径(D)は4.0mm、谷の径(d)は3.7mmである。そして正極およびセパレータの穴の径13aa、13caは3.5mmである。
図5に他の実施形態に係る集電体17’の平面図と側面図を示す。集電体17’の側面全周に渡り軸方向にV字状の溝が設けられていて、その断面は鋸歯状となっている。鋸歯状の先端部は多少の丸みを帯びていてもよい。集電体の断面が鋸歯状であれば、電極との接触面が大きく、長手方向に圧密しても電極が溝に沿ってスライドして接触不良を生じにくい。一般に、二次電池は充放電を繰り返す過程において、膨張収縮をするところ、充放電過程において電極が変形しても、電極が溝に沿ってスライドするので電極が破損することがない。
電極体13は、集電体の止め部17bの上に順次積み重ねるように配されていて、止め部17bは電極体13が集電体17の端部から脱落するのを防いでいる。止め部17bの形状は円盤状である。止め部17bは、円筒缶底部12bに配置されるのであるが、円筒缶底部12bと止め部17bとの間には絶縁板14が配せられていて、集電体17と円筒缶12が接触して電気的に短絡するのを防止している。止め部17bと反対側の軸部17aの端部は、蓋部材16の中央に設けられた軸受18によって支持されている。蓋部材16と軸部17aとが電気的短絡を起こすことを防止するために、軸受18は絶縁性材料でできている。
蓋部材16を貫通した軸部は正極端子17dを構成する。円筒缶12は負極端子として機能する。
次に実施例1の作用および効果について説明する。
<冷却構造について>
負極13bの外径13bbは円筒缶12の内径12aより大きいので、負極13bは円筒缶12に強く押し当てられ、密に接触している。負極13bで発生した熱は直接円筒缶12に伝えられる。また、正極13aで発生した熱はセパレータ13cを介して負極13bに伝えられる。セパレータ13cは熱を伝えにくいが、薄く(本実施例においては10μm)、1枚のみであるので、熱の伝導に大きな妨げとならない。以上のようにして、電極13a,13bで発生した熱は小さな熱勾配で円筒缶12に伝えられ、積層電池内部の温度上昇を抑制することを可能にしている。
このようにして、積層電池の中心部における温度上昇を小さくすることができるので、冷媒を流すためのパイプ等を電池内部に設ける必要がないので、コンパクトな構造で温度上昇を抑えることができる。更には、外装体12は外部に露出しているので冷却は比較的容易に行うことができ、従来の捲回電池に比べて、効果的に温度上昇を抑えることが可能となる。ここで、本発明の実施形態に係る積層電池と従来型の捲回電池の温度上昇の相違を計算例で示す。
捲回電池の総括熱伝達係数(U1)は、数3で示されるところ、本発明に係る積層電池
の総括熱伝達係数(U2)は、数4で示される。
Figure 0005514971
Figure 0005514971
ここで、18650型電池を例に取り計算してみる。捲回電池の諸元は、
t = 0.5mm , t+ = t- = ts = 10μm , k = k+ = k- = 40Wm-2 deg-1
h0 = 100 Wm-2 deg-1 , h1 = 1 Wm-2 deg-1 , ks = 1 Wm-2 deg-1 , n = 9/0.03 = 300
となり、これらの値を数3に代入して、U1 = 0.0011 Wm-2 deg-1を得る。
一方、本実施形態に係る積層電池の諸元は、
h0 = 100 Wm-2 deg-1 , t = 0.5mm , k = 40Wm-2 deg-1
h1 = 10000 Wm-2 deg-1 , t* = 0.009m , k* = 40Wm-2 deg-1
であるので、これらの値を数4に代入して、U2 = 100 Wm-2 deg-1を得る。
両者を比較すると、本発明に係る冷却構造は、従来の捲回電池比べて10万倍近く熱伝達に優れているといえる。
<第一実施形態の変形例>
図6に本発明の実施例1に係る積層電池の変形例を示す。円筒型積層電池90は、円筒缶92の内部に電極集合体Bを収納して構成されている。電極集合体Bは、図7(b)に示すように、鉄にニッケルメッキを施した導電性の材料でできた棒状の集電体97と、電極体93から主として構成されている。そして、集電体97の側部外周にネジ溝加工したネジ部97cが設けられている。集電体97は、正極93aと負極93bとセパレータ93cから構成される電極体93の中心を貫通している。負極93bの中心に設けた穴93baの径は、ネジ部97cの谷の径(d)より小さく、負極93bは集電体97に接触している。一方、正極93aに設けた穴93aaの径は、ネジ部97cの山の径(D)より大きく、正極93aは集電体97と接触していない。具体的には集電体97はM4のボルトを利用しており、その山の径(D)は4.0mm、谷の径(d)は3.7mmである。そして正極およびセパレータの穴の径93aa、93caは3.5mmである。
電極体93は、集電体97下方に位置する押板98bの上に順次積み重ねるように配されていて、押板98bは電極体93が集電体97の端部から脱落するのを防いでいる。押板98bは円盤状のステンレス鋼でできている。積み重ねた電極体93の最上部には押板98aが配されていて、押板98a,bにより電極体93が圧縮可能になっている。
電極集合体Bは、円筒缶92の軸方向(図6のX方向)に挿入されている。負極93bの外径は円筒缶92の内径よりも小さく、負極の外周93bbと円筒缶の内面92aは接触していない。一方、正極93aの外径は円筒缶92の内径より大きく、正極の外周93abは円筒缶92の内面92aと接触しており、正極93aと円筒缶92は電気的に接続されている。円筒缶92の上部開口部は蓋部材96により覆われていて、電極集合体Bを円筒缶92の内部に密閉可能にしている。蓋部材96と円筒缶92の間には絶縁材99が配置されていて、蓋部材96と円筒缶92とが接触して電気的に短絡するのを防止している。
円筒缶底部92bには絶縁シート94が配置されていて、集電体の端部97bが円筒缶底部92b直接接触して、集電体97と円筒缶92が電気的に短絡するのを防止している。集電体の他方の端部97aには、下に凸の板状の弾性体からなる接続板91が取り付けられている。接続板の端部91aは蓋部材の底面96bに当接しており、蓋部材96により下方に付勢されている。これにより、集電体97と蓋部材96とは接続板91を介して電気的に接続された状態となっている。
蓋部材96の中央に設けた突起96aは負極端子として機能する。また、円筒缶92は、正極端子として機能する。
次に、本発明に係る積層電池の組み立て方法を、図7を用いて説明する。集電体97の側面に形成されたネジの谷の径(d)より小さい3.5mmの外径を有する丸棒95に、正極93aと負極93bの間にセパレータ93cが介在するように順次挿入して電極体93a,b,cを積み重ねた後、積み重ねた電極群の両端に押板98a,bを配して電極群を保持して、電極集電体Aを組立てる。そして、押板98a、bを介して電極群を圧縮して、圧縮状態を保持したまま丸棒95を引き抜き、代わりに集電体97を押板98a,bにより保持された電極群に圧力をかけながら回転させることによりネジ込む。このとき、押板98a,bは集電体97に螺合されるので電極群の圧縮状態を保持した状態で電極集合体Bを組立てることが可能となる。そして、電極集合体Bを円筒缶92内部に圧入して、空気抜きを行い、電解液を注入する。電解液の注入後に円筒缶92の開口部に蓋部材96を取り付けて、円筒缶92の開口部をかしめて、積層電池の密閉化を図る。
<実施例2>
図8に本発明の実施例2に係る積層電池を示す。図8(b)の平面図に示すように、電池は全体として角型形状を有している。図8(a)に示す角型積層電池71は、胴部材72と蓋部材73からなる外装体75と、正極活物質を含む正極74a、負極活物質を含む負極74bと、正負極74a,74bの間に介在してイオンは透過するが電子を透過させないセパレータ74cからなる電極体74を主な構成要素として有している。胴部材72は、有底の角型の容器であり、その開口部72cを蓋部材73で覆うことにより、胴部材72の内方に密閉空間を形成可能にしている。胴部材72と蓋部材73はステンレス鋼でできているが、他の金属であってもよい。
正極74aと負極74bとが、セパレータ74cを介して、胴部材72の軸方向(図8のY方向)に積層され外装体75の内部に収納されている。なお、電解液(図示せず)は、セパレータ74cに保持されている。正極74a、負極74b、セパレータ74cはいずれもシート状であって、負極74bの外方寸法74bbは胴部材72の内方寸法72aよりも小さく、負極74bと胴部材72は接触していない。一方、正極74aの外方寸法74abは胴部材72の内方寸法72aより大きく、正極74aの外周74abは胴部材72の内面72aに圧力をもって接触しており、正極74aは胴部材72に電気的に接続されている。よって、電極体74で発生した熱は、小さな熱勾配で直接胴部材72に伝えられるので、電極体74の温度上昇は抑制される。好ましくは、正極74aの外方寸法74abは胴部材72の内方寸法72aより100μm大きい。
集電体77は、ステンレス鋼でできており、逆円錐状になった皿部77bとこれに続く軸部77aを有している。軸部77aの側面にはネジ溝加工が施されていてネジ部77cを形成していて、集電体77は全体として皿ネジを構成している。
正極74aと負極74bとセパレータ74cから構成される電極体74には穴74aa、74ba、74caが設けられていて、集電体77の軸部77aが、電極体74を外装体75の軸方向(図8のY方向)に貫通している。負極74bに設けた穴74baの径は、軸部77aの外径より小さく、負極74bは軸部77aと接触して電気的に接続されている。一方、正極74aに設けた穴74aaの径は、軸部77aの外径より大きく、正極74aは軸部77aと接触せず電気的に絶縁されている。
4本の集電体77(図8(b)参照)は、電極体74の下方に設けた連結板77dによって、互いに連結されている。すなわち、連結板77dに設けたネジ穴77daに集電体の下端部77caにおいてネジ部77cが螺号することにより集電体77と連結板77dが連結される。電極体74は、連結板77dの上に順次積み重ねるように配されていて、連結板77dは電極体74が集電体77の端部から脱落するのを防いでいる。胴部材底部72bと連結板77dの間には絶縁板76bが配せられていて、連結板77dが胴部材底部72bと接触して、集電体77と胴部材72が電気的に短絡するのを防いでいる。具体的には、連結板77dはポリプロピレンからなる絶縁板76bにその周囲が囲まれている。
蓋部材73は、平板部73aと平板部から直角に曲がる折れ曲り部73bとを有している。折れ曲り部73bの内方であって、胴部材の開口部72cには、絶縁板76aが配置されていて、最上方に位置する電極体74が蓋部材73と接触して電気的に短絡するのを防止している。絶縁板76aの蓋部材73と反対側の面には、胴部材72の開口部外縁が嵌合する溝76aaが設けられている。溝76aaと胴部材72の開口部外縁の間にはポリイミドからなるシール材176が配されていて、外装体75内部を気密に保持している。同様の目的で、絶縁板76aの集電体軸部77aが貫通する穴にもポリイミドからなるシール材176が配されている。
蓋部材73は、皿ネジとして作用する集電体77によって、連結板77dに接続されており、電極体74を介して胴部材72に固定されている。胴部材72は正極端子として機能し、蓋部材73は負極端子として機能する。
<組電池>
図9に、角型積層電池71を用いて組電池70を構成したときの概略構成図を示す。角型積層電池71の蓋部材の平板部73aと隣接する角型積層電池の胴部材の底部72bとを対向方向に積層して面接させることにより、複数の角型積層電池を直列に接続する。直列接続された角型積層電池は正極端子板78aと負極端子板78bとにより挟持されている。すなわち、胴部材72に面接する正極端子板78aと蓋部材73に面接する負極端子板78bを配して、筐体70aに収納して組電池70を構成する。吸引ファン79aと押し込みファン79bにより、外部から冷却空気を筐体内70aに供給して、組電池70の冷却を図る。組電池の出力は正極端子78ab、負極端子78bbから外部に取り出される。
図10に本発明の実施例3に係るパイプ積層電池(以下、単に積層電池という)の軸方向の概略断面図を示す。図10に示す積層電池21は、外装体25と集電体27と外装体内部に収納される電極体23を主な構成要素として備えている。外装体25は、円管22と、円管22の両端にある開口部22bに取付けられた円盤状の蓋部材26とから構成されている。円管22と蓋部材26はステンレス鋼でできているが、他の金属であってもよい。蓋部材26の外径は円管22の開口部22bの内径より少し大きく、蓋部材26は電極体23の収納後に円管開口部22bにおいて絞まり嵌めして嵌合されている。
電極体23は、正極活物質を含む正極23aと、負極活物質を含む負極23bと、正極23aと負極23bの間に介在してイオンは透過するが電子を透過させないセパレータ23cから構成されていて、円管22の軸方向(図10のX方向)に積層して外装体25の内部に収納されている。なお、電解液(図示せず)は、セパレータ23cに保持されている。正極23a、負極23b、セパレータ23cはいずれも中心に穴の開いた、円盤状の形状を有しており、負極23bの外径23bbは円管22の内径22aよりも小さく、負極23bは円管22に接触していない。一方、正極23aの外径23abは円管22の内径22aより大きく、正極23aは円管22の内面22aと接触しており、円管22に電気的に接続されている。好ましくは、正極23aの外径23abは円管22の内径22aより100μm大きい。
集電体27は、ステンレス鋼でできており、中央部分の軸部27aと両端部分の端部27bとを有している。集電体27の軸部27aは、正極23aと負極23bとセパレータ23cから構成される電極体23の中心を、外装体25の軸方向(図10のX方向)に貫通している。負極23bの中心に設けた穴23baの径は、軸部27aの外径より小さく、負極23bは軸部27aと接触して電気的に接続されている。一方、正極23aの中心に設けた穴23aaの径は、軸部27aの外径より大きく、正極23aは軸部27aと接触せず電気的に絶縁されている。また、集電体27の側面にはネジ溝加工が施されネジ部27cを形成している。
電極体23は、集電体の軸部27aに串刺状態で順次積み重ねられている。集電体27はその両端部27bにおいて、蓋部材26の中央に設けられた軸受28によって支持されている。蓋部材26と集電体27とが電気的短絡を起こすことを防止するために、軸受28は絶縁性材料でできている。
蓋部材26を貫通した集電体端部27bは負極端子27cとなる。円管22は正極端子として機能する。
次に、本発明に係る積層電池の組み立て方法について説明する。集電体27の側面に形成したネジの谷と同じ外径(d)を有する丸棒(図示せず)に正極23aと負極23bの間にセパレータ23cが介在するように順次挿入して電極を積み重ね圧縮した後、圧縮状態を保持しつつ丸棒を引き抜き、代わりに集電体23をネジ込み電極集合体を組立てる。そして、電極集合体を円管22内部に圧入して、空気抜きを行い、電解液を注入した後、押板として作用する蓋部材で電極群23を円管22の内部に圧力をもって封入する。この組立方法によれば、円管状の外装体に電極集合体を圧入した後、蓋部材26により円管開口部に蓋をして積層電池を密閉化を図ることができる。
図11(a)には、積層電池21とともに接続金具29が図示されている。接続金具29は、積層電池21と隣接する積層電池21'の間に、蓋部材26に面接して配されている。この接続金具29は柱状の金属製であって、その軸方向は集電体27の軸方向(図11のX方向)と一致している。接続金具29の上面29a(図では左側の面)の中心部には上面29aに垂直方向の穴29aaが設けられていて、隣接する積層電池21'の集電体27'が嵌合可能になっている。接続金具29の底面29b(図では右側の面)の中心部には底面29bに垂直方向の穴29baが設けられていて、絶縁部材24が嵌合可能となっている。そして絶縁部材24の中央には垂直方向に穴24aが設けられていて、積層電池21の集電体軸部27aが嵌合可能になっている。接続金具の底面29bが積層電池の蓋部材26に面接することにより、積層電池21と隣接する積層電池21'とは、接続金具29を介して電気的に接続されることとなる。このとき、絶縁部材24は、集電体27と外装体25が接触して電気的に短絡を起こすことを防止する。
図11(b)に示すように、接続金具29を用いて、互いに隣接する積層電池21を連結することにより、積層電池を直列に接続して組電池20とすることが可能となる。
本実施例の作用効果のうち、冷却構造に関する事項は、実施例1の項を参照されたい。
図12に本発明の実施例4に係るパイプ積層電池(以下、積層電池という)の軸方向の概略断面図を示す。図12に示す積層電池61は、外装体65と集電体67と外装体内部に収納される電極体63を主な構成要素として備えている。外装体65は、円管62と、円管62の両端にある開口部62cに取付けられた円盤状の蓋部材66とから構成されており、その内部に電極体63を収納するための密閉空間を形成している。外装体の胴部となる円管62はステンレス鋼製である。蓋部材66は第1蓋部材66a(図の右側)と第2蓋部材66bとのより構成されており、いずれもポリプロピレンでできているが、絶縁性のある他の樹脂であってもよい。蓋部材66a,66bの外径はいずれも円管62の開口部62cの内径より少し大きく作られており、蓋部材66の外周にはシール材68が塗布されており、外装体65の内部を気密にする役割を果たす。シール材68としてはポリイミドを用いたが、シール性があれば他の材料でもよい。集電体67は、中央部分の棒状の軸部67aと軸部67aの一端に設けられた円盤状の止め部67bとを有している。集電体67は、ステンレス鋼でできている。
電極体63は、正極活物質を含む正極63aと、負極活物質を含む負極63bと、正極63aと負極63bの間に介在してイオンは透過するが電子を透過させないセパレータ63cから構成されていて、円管62の軸方向(図12のX方向)に積層して外装体65の内部に収納されている。なお、電解液(図示せず)は、セパレータ63cに保持されている。正極63a、負極63b、セパレータ63cはいずれも中心に穴の開いた、円盤状の形状を有しており、正極63aの外径63abは円管62の内径62aよりも小さく、正極63aと円管62は接触していない。一方、負極63bの外径63bbは円管62の内径62aより大きく、負極63bは円管62の内面62aと接触しており、円管62に電気的に接続されている。好ましくは、負極63bの外径63bbは円管62の内径62aより100μm大きい。
集電体67の軸部67aは、正極63aと負極63bとセパレータ63cから構成される電極体63の中心を、外装体25の軸方向(図12のX方向)に貫通している。正極63aの中心に設けた穴63aaの径は、軸部67aの外径より小さく、正極63aは軸部67aと接触して電気的に接続されている。一方、負極63bの中心に設けた穴63baの径は、軸部67aの外径より大きく、負極63bは軸部67aと接触せず電気的に絶縁されている。なお、集電体の止め部67bはポリプロピレンで覆われており、第2蓋部材66bの内部に収納されている。また、集電体67aの側面にはネジ溝加工が施されネジ部67cを形成している。
次に積層電池61の組み立て方法について説明する。集電体の止め部67bを収納した第2蓋部材66bを下にして、集電体の軸部67aに、正極63aと負極63bの間にセパレータ63cが介在するように順次電極体63を挿入して積み重ねて行く。止め部67bは電極体63が集電体67から抜け落ちるのを防止することを可能にしている。このようにして組み上がった電極体集合体を万力を使用して軸方向(図12のX方向)に圧縮し、圧縮状態を保持して円管62に圧入する。その後、真空ポンプを用いて、外装体65の内部の空気を排除して、電解液(図示せず)を外装体65の内部に注入して、第1蓋部材66aを取付ける。そして、ナット64を螺合させることにより第1蓋部材66aを固定して、外方(図の右方向)への移動を制限する。電極体63を外装体65に圧入後に円管開口部62cを嵌めることにより蓋部材66a,66bは円管62に圧着される。
第1蓋部材66aを貫通した集電体端部は正極端子67dを構成する。円管62は負極端子として機能する。
大小2つの穴のあいた金属板からなる図13(b)に示すブラケット69を用いて積層電池61を接続して組電池60を構成してもよい(図13(a)参照)。ブラケット69には、積層電池の円管62が嵌合する穴69aと、正極端子67dが嵌合する穴69bが設けられていている。積層電池の円管62がブラケットの穴69aに取付けられている。そして、隣接する積層電池の正極端子67dがブラケットの他方の穴69bに挿入され、ナット64aを螺号させることにより、正極端子67dはブラケット69に取付けられている。このようにして、ブラケット69を介して複数の積層電池が直列に接続される。ブラケット69は、隣接する積層電池61を電気的に接続する役割を果たし、更には積層電池の放熱板としての機能も果たす。ブラケットに平行方向の冷却空気をファン69cで送ることにより冷却能力を高めることができる。複数のブラケットを用いて積層電池を次々と接続して、積層電池の直列数を増やして、出力電圧の高圧化を図ることが可能である。
本実施例の作用効果のうち、冷却構造に関する事項は、実施例1の項を参照されたい。
図14に本発明の実施例5に係る円筒型積層電池(以下、単に積層電池という)の軸方向の概略断面図を示す。図14に示す積層電池41は、外装体45と集電体47と外装体内部に収納される電極体43を主な構成要素として備えた2つの電池41−1、41−2を、絶縁体からなる接続ピース44を介して接続してなる電池である。
第1電池41−1および第2電池41−2において、外装体45−1、45−2は、ステンレス鋼製の有底の円筒で構成されている。導電性を有しておれば、ステンレス鋼以外の金属であってもよい。
電極体43−1、43−2は、正極活物質を含む正極43−1a、43−2aと、負極活物質を含む負極43−1b、43−2bと、正極43−1a、43−2aと負極43−1b、43−2bの間に介在してイオンは透過するが電子を透過させないセパレータ43−1c、43−2cから構成されていて、それぞれ、外装体45−1、45−2の軸方向(図14のX方向)に積層して外装体内部に収納されている。正極43−1a、43−2a、負極43−1b、43−2b、セパレータ43−1c、43−2cはいずれも2つの穴の開いた、円盤状の形状を有している。
集電体47−1、47−2は、ステンレス鋼でできており、棒状の軸部47−1a、47−2aと軸部47−1a、47−2aの一端に取付けられた止め部47−1b、47−2bとを有している。集電体の軸部47−1a、47−2aは、それぞれ、電極体43−1、43−1を、外装体45−1,45−2の軸方向(図14のX方向)に貫通している。また、集電体47−1、47−2の側面にはネジ溝加工が施されネジ部を形成している。
第1電池41−1において、正極43−1aの外径43−1acは外装体45−1の内径45−1aよりも小さく、正極43−1aと外装体45−1は接触していない(図14(b)参照)。一方、負極43−1bの外径43−1bcは外装体45−1の内径45−1aより大きく、負極の外周43−1bcは外装体45−1の内面45−1aと接触しており、外装体45−1に電気的に接続されている。
正極43−1aに設けた一方の穴43−1abの径は、軸部47−1aの外径より小さく、正極43−1aは軸部47−1aと接触して電気的に接続されている。一方、正極43−1aに設けた他方の穴43−1aaの径は、軸部47−2aの外径より大きく、正極43−1aは軸部47−2aと接触せず電気的に絶縁されている。
そして、負極43−1bに設けた一方の穴43−1bbの径は、軸部47−2aの外径より小さく、負極43−1bは軸部47−2aと接触して電気的に接続されている。一方、負極43−1bに設けた他方の穴43−1baの径は、軸部47−1aの外径より大きく、負極43−1bは軸部47−1aと接触せず電気的に絶縁されている。
第2電池41−2において、正極43−2aの外径43−2acは外装体45−2の内径45−2aよりも大きく、正極の外周43−2acは外装体45−2の内面45−2aと接触しており、外装体45−2に電気的に接続されている。一方、負極43−2bの外径43−2bcは外装体45−2の内径45−2aより小さく、負極43−2bと外装体45−2は接触していない。
正極43−2aに設けた一方の穴43−2aaの径は、軸部47−1aの外径より小さく、正極43−2aは軸部47−1aと接触して電気的に接続されている。一方、正極43−2aに設けた他方の穴43−2abの径は、軸部47−2aの外径より大きく、正極43−2aは軸部47−2aと接触せず電気的に絶縁されている。
そして、負極43−2bに設けた一方の穴43−2baの径は、軸部47−2aの外径より小さく、負極43−2bは軸部47−2aと接触して電気的に接続されている。一方、負極43−2bに設けた他方の穴43−2bbの径は、軸部47−1aの外径より大きく、負極43−2bは軸部47−1aと接触せず電気的に絶縁されている。
以上より、第1電池41−1において、第1外装体45−1は、負極端子となり、第1集電体47−1は、正極端子となる。一方、第2電池41−2において、第2外装体45−2は、正極端子となり、第2集電体47−2は、負極端子となる。第1外装体45−1と第2集電体の止め部47−2bが外装体45−1の底部において接触しているので、結局第1外装体45−1が負極端子として機能する。そして、第2外装体45−2と第1集電体の止め部47−1bが外装体45−2の底部において接触しているので、結局第2外装体45−2が正極端子として機能する。
以上述べたように、本発明は、2つの電池41−1、41−2において、接続ピース44を境にして、電極43−1a、43−2a、43−1b、43−2bの外径寸法と穴の寸法を入れ替えることにより、積層された電極体を共通に使用してなることを特徴としている。
図15(a)に積層電池41を用いて組電池を構成した場合の接続図を示す。放熱板49(図15(b)参照)に、積層電池41の外装体45を取付ける穴49aを設けて、相隣り合う穴49aにそれぞれ異なる極性を有する外装体45−1と45−2を取付ける。積層電池41で発生した熱は放熱板49に伝えられて、別途設けた送風機49bからの冷却風で冷却されることとなる。また、放熱板は積層電池41の直並列接続の導電体としても作用する。
<変形例>
図16に本発明の実施例5の変形例に係る積層電池の軸方向の概略断面図を示す。図14と共通する部分は、特に明記しない場合は同じ符号を付したものとして説明する。外装体45は、熱伝導度の高い絶縁材46を内方に有し、ステンレス鋼等の構造材からなる円筒缶42を外方に有する二重構造となっている。すなわち、ステンレス鋼よりなる円筒缶42の内面42aに、アルミナよりなるセラミックス層(絶縁体46)がプラズマ溶射により形成されている。絶縁体46は熱伝導度の高い材料でできているので、電極体43−1,43−2で発生した熱は小さな熱勾配で円筒缶42に伝えられるので、積層電池41'の内部の温度上昇を抑制することが可能となる。絶縁体46は、熱伝導度の高く絶縁性を有したものであればよく、チタニア、アルミナ・チタニア等のセラミックスやダイヤモンドであってもよい。
電極体43は、絶縁体46で覆われているので、図14に示したような接続ピース44は必要としない。集電体の止め部47−1b、47−2bに軸部47−1a、47−2aの反対側に突出する端子部47−1c、47−2cを設けて、これら端子部47−1c、47−2cを外装体45に設けた絶縁物質からなる軸受48−1、48−2を介して積層電池41'の外方に取り出して、正極端子および負極端子とした。
本実施例の作用効果のうち、冷却構造に関する事項に関する事項は、実施例1の項を参照されたい。
図17に本発明の実施例6に係る円筒型積層電池(以下、単に積層電池という)の軸方向の概略断面図を示す。図17に示す積層電池51は、外装体55と外装体内部に収納された集電体57と電極体53を主な構成要素として備えている。外装体55は、有底の円筒缶52と、円筒缶内面52aに配置された絶縁体59と、円筒缶52の開口部52cに取付けられた円盤状の蓋部材56とから構成されている。円筒缶52と蓋部材56はステンレス鋼でできているが、ステンレス鋼の他にチタンやカーボンやアルミ等導電性を有する物体であってもよい。蓋部材56の外径は円筒缶52の開口部52cの内径より少し大きく、蓋部材56は電極体53収納後に円筒缶開口部52cにおいて絞まり嵌めして嵌合されている。
電極体53は、正極活物質を含む正極53aと、負極活物質を含む負極53bと、正極53aと負極53bの間に介在してイオンは透過するが電子を透過させないセパレータ53cから構成されている。なお、電解液(図示せず)は、セパレータ53cに保持されている。係る電極体53が、円筒缶52の軸方向(図17のX方向)に積層され、外装体55の内部に収納されている。ここに、隣接する電極体53の間にはステンレス製の隔壁54が挿入されている。隔壁54は金属であるので電子(電気)は通すがイオンは通さないので、隣接する電極体53は電気的に互いに直列に接続されることとなる。積層電池51の出力電圧は、電極体53の積層数により定まる。本実施例において、1つの電極体53からなる単位電池の端子電圧は3.6Vであり、本実施例に係る積層電池51は、50個の単位電池を積層してなるので、その出力電圧は180Vとなる。
集電体57は、棒状に突出した軸部57aと軸部57aの一端に取付けられ円盤状に形成された板部57bとを有している。集電体の板部57bは、積層された電極体53を挟む形で対抗する方向で設けられている。そして、軸部57bは、それぞれ蓋部材56中央および円筒缶底部52bの中央に設けた穴58a、58bを貫通して、積層電池51の外方に突き出していて、それぞれ正極端子57caおよび負極端子57cbとして機能する。軸部57aが貫通す貫通する穴58a、58bには軸受58が装着されている。軸受58は絶縁性材料でできており、軸部57bが外装体55と接触して電気的に短絡するのを防止する。集電体57は、ステンレス鋼でできている。
隔壁54、正極53a、負極53b、セパレータ53cはいずれも円盤状の形状を有しており、正極53aおよび負極53bの外径53aa、53baは外装体55の内径55aよりも大きく、電極体53は外装体55に圧力を持って接触している。好ましくは、正極53aおよび負極53bの外径53aa、53baは外装体55の内径55aよりも100μm大きい。
円筒缶52の内面52aに、アルミナよりなるセラミックス層をプラズマ溶射により絶縁体59を形成させた。絶縁体59は熱伝導度の高い材料でできているので、電極56a,56bで発生する熱は小さな熱勾配で円筒缶52に伝えられ、積層電池51の内部の温度上昇を抑制することが可能となる。更に、絶縁体59は、正極53aと負極53bとが電気的に短絡するのを防止している。絶縁体59は熱伝導度の高い材料でできているので、電極53a,53bで発生した熱は小さな熱勾配で円筒缶52に伝えられるので、積層電池内部の温度上昇を抑制することが可能となる。絶縁体46は、熱伝導度の高く絶縁性を有したものであればよく、チタニア、アルミナ・チタニア等のセラミックスが上げられる。これらは良好な絶縁性と絶縁耐力(約100V/mm)、高い熱伝導率(約7x10-3cal/cm/sec・℃)、大きな機械的強度(ロックウエル硬度50以上)を有している。絶縁体59を形成するこれらセラミックス層は、プラズマ溶射法をもちいて加工した。絶縁体59は熱伝導度の高い絶縁材であればよく、ダイヤモンドであってもよい。
本実施例の作用効果のうち、冷却構造に関する事項に関する事項は、実施例1の項を参照されたい。
<試験結果>
本発明の実施例1に係る積層型のリチウム二次電池を、0.1C率、30C率で充電を行い、満充電後に積層電池の外装体表面の温度を調べた。温度計測は、電池外装体の表面を市販の放射温度計により測定した。温度計測に際しては無風状態について試験を実施した。また、比較例として、捲回型のリチウム二次電池(図1に示した構造のリチウム二次電池)でも、本発明の実施例1に係る積層型のリチウム二次電池と同様の試験を実施した。
まず、0.1C率で充電を行った結果では、本発明の実施例1に係る積層型のリチウム二次電池であっても、捲回型のリチウム二次電池であっても5℃以上の温度上昇が観測されなかった。しかし、30C率で充電を行った結果では、本発明の実施例1に係る積層型のリチウム二次電池の温度昇は5℃未満であったのに対し、捲回型のリチウム二次電池の温度上昇は、16℃であった。
この試験結果から、本発明の実施例1に係る積層型のリチウム二次電池は電池内の熱伝導度が大きいため、例え充電により温度が上昇しても、すぐに温度が下がるが、捲回型のリチウム二次電池では、電池内の熱伝導度が小さいため、充電により温度が上昇しても、なかなか温度が下がらないことが推察される。
<電池或いは電池システムの用途>
本発明の積層型の非水系二次電池は、非水系二次電池であるため、単セルあたりの動作電圧が高く、高エネルギー密度で充放電を行っても電池の蓄熱は少なく、且つ特殊な設備を必要とせずにも容易に積層型電池を構成されるため、電動工具、自動車等の電源として使用ができるだけでなく、電気機器、電気製品、または、乗り物等の用途での使用が可能となる。また、バックアップ用の電源としても使用可能である。
電気機器、電気製品、または、乗り物には、例えば、エアコン、洗濯機、テレビ、冷蔵庫、冷凍庫、冷房機器、ノートパソコン、パソコンキーボード、パソコン用ディスプレイ、デスクトップ型パソコン、ノート型パソコン、CRTモニター、パソコンラック、プリンター、一体型パソコン、マウス、ハードディスク、パソコン周辺機器、アイロン、衣類乾燥機、ウインドウファン、トランシーバー、送風機、換気扇、テレビ、音楽レコーダー、音楽プレーヤー、オーブン、レンジ、洗浄機能付便座、温風ヒーター、カーコンポ、カーナビ、懐中電灯、加湿器、携帯カラオケ機、換気扇、乾燥機、乾電池、空気清浄器、携帯電話、非常用電灯、ゲーム機、血圧計、コーヒーミル、コーヒーメーカー、こたつ、コピー機、ディスクチェンジャー、ラジオ、シェーバー、ジューサー、シュレッダー、浄水器、照明器具、除湿器、食器乾燥機、炊飯器、ステレオ、ストーブ、スピーカー、ズボンプレッサー、掃除機、体脂肪計、体重計、ヘルスメーター、ムービープレーヤー、電気カーペット、電気釜、炊飯器、電気かみそり、電気スタンド、電気ポット、電子ゲーム機、携帯ゲーム機、電子辞書、電子手帳、電子レンジ、電磁調理器、電卓、電動カート、電動車椅子、電動工具、電動歯ブラシ、あんか、散髪器具、電話機、時計、インターホン、エアサーキュレーター、電撃殺虫器、複写機、ホットプレート、トースター、ドライヤー、電動ドリル、給湯器、パネルヒーター、粉砕機、はんだごて、ミシン、ビデオカメラ、ビデオデッキ、ファクシミリ、ファンヒーター、フードプロセッサー、布団乾燥機、ヘッドホン、電気ポット、ホットカーペット、ホットプレート、マイク、マッサージ機、豆電球、ミキサー、ミシン、もちつき機、床暖房パネル、ランタン、リモコン、冷温庫、冷水器、冷凍ストッカー、冷風器、ワープロ、泡だて器、電子楽器、オートバイ、おもちゃ類、芝刈り機、うき、自転車、自動車、ハイブリッド自動車、電気自動車、鉄道、船、飛行機、非常用蓄電池などが挙げられる。
本発明に係る積層電池は、産業用のみならず民生用の二次電池として好適に用いることができる。
1 蓄電池
2 電池ケース
3 正極
4 負極
5 セパレータ
6 キャップ
7 封口板
11 円筒型積層電池
12 円筒缶(a:側部内面)
13 電極体(a:正極、b:負極、c:セパレータ)
14 絶縁板
15 外装体
16 蓋部材
17 集電体
18 軸受
20 組電池
21 パイプ積層電池
22 円管(a:内面)
23 電極体(a:正極、b:負極、c:セパレータ)
24 絶縁部材
25 外装体
26 蓋部材
27 集電体
28 軸受
29 接続金具
41 円筒型積層電池
42 円筒缶
43 電極体(a:正極、b:負極、c:セパレータ)
44 接続ピース
45 外装体
46 絶縁体
47 集電体
48 軸受
49 放熱板
51 円筒型積層電池
52 円筒缶(a:側部内面)
53 電極体(a:正極、b:負極、c:セパレータ)
54 隔壁
55 外装体
56 蓋部材
57 集電体
58 軸受
59 絶縁体
60 組電池
61 パイプ積層電池
62 円管(a:内面)
63 電極体(a:正極、b:負極、c:セパレータ)
64 ナット
65 外装体
66 蓋部材
67 集電体
68 シール材
69 ブラケット
70 組電池
71 角型積層電池
72 胴部材(a:内面)
73 蓋部材
74 電極体(a:正極,b:負極,c:セパレータ)
75 外装体
76 絶縁板
77 集電体
78 端子板
79 ファン
80 シール材
90 円筒型積層電池
91 接続板
92 円筒缶(a:内部側面、b:底部)
93 電極体(a:正極、b:負極、c:セパレータ)
94 絶縁シート
95 丸棒
96 蓋部材(a:正極端子、b:底部)
97 集電体(a:頂部、b:底部、c:ネジ部)
98 押板
99 絶縁材

Claims (12)

  1. 筒状の外装体の内部に、正極活物質を含む正極と、負極活物質を含む負極とが、イオンは透過するが電子を透過させないセパレータを介して、前記外装体の軸方向に積層されている、電解液を備えた電池であって、前記正極および前記負極のいずれか一方の電極であって前記外装体の内面に当接して電気的に接続されている第1電極と、他方の電極であって前記外装体の内面に接触していない第2電極とを備えていて、導電性の集電体が、前記正極と前記負極と前記セパレータとを前記外装体の軸方向に貫通していて、前記第2電極は前記集電体に当接して電気的に接続されていて、前記第1電極は前記集電体と接触しておらず、
    前記外装体は、筒状金属性の胴部と、当該胴部の軸方向開口部を覆う絶縁性の第1蓋部と第2蓋部を有していて、
    前記集電体は、棒部と当該棒部の一端に形成された止め部とを備え、前記止め部が前記第2蓋部に当接していて、前記棒部が前記正極と前記負極と前記セパレータとを前記外装体の軸方向に貫通していて、他端が前記第1蓋部に支持されている、積層電池。
  2. 前記集電体が、前記第2電極と導電性の接着剤により接合されている、請求項1に記載の積層電池。
  3. 前記接着剤が、前記電解液で溶解しない樹脂と炭素粉末から構成され、その混合比が、全体を100質量%とすると、前記電解液で溶解しない樹脂が30〜90質量%、炭素粉末が10〜70質量%である請求項に記載の積層電池。
  4. 前記電解液で溶解しない樹脂が、ポリイミドである請求項に記載の積層電池。
  5. 前記電解液が、非水系電解質を含む請求項1に記載の積層電池。
  6. 積層電池がリチウム二次電池である請求項に記載の積層電池。
  7. 前記正極が、CMCをバンダーとするリン酸鉄リチウムを含んでいる請求項5または6のいずれか一項に記載の積層電池。
  8. 前記集電体の棒部の側面に溝加工が施されている請求項1〜7のいずれか一項に記載の積層電池。
  9. 請求項における集電体の棒部の溝がネジ溝であり、当該ネジ溝のネジの谷の径は前記第2電極に設けた前記集電体が貫通する穴の径より大きい積層電池。
  10. 前記外装体の軸方向に積層された前記正負極およびセパレータからなる電極群の両端に押板を配し、当該押板により前記電極群を保持してなる請求項1〜9のいずれか一項に記載の積層電池。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の積層電池を金属製のブラケットを介して複数接続してなる積層電池システムであって、
    当該ブラケットは2つの穴を有していて、
    隣接する一方の積層電池の前記胴部が前記ブラケットの一方の穴に取付けられており、他方の積層電池の前記棒部が前記ブラケットの他方の穴に取付けられており、前記ブラケットを介して隣接する積層電池が直列に接続される積層電池システム。
  12. 請求項1〜11のいずれかに一項に記載の積層電池あるいは積層電池システムを用いた電気設備。
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