JP5514067B2 - 剥離剤、離型材および粘着テープ - Google Patents

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Description

本発明は、ポリオレフィンを使用した、基材密着性に優れ、剥離力の剥離速度依存性が小さい剥離剤およびそれを用いた離型材に関し、さらに該剥離剤を有する粘着テープに関する。
離型材は、紙、プラスチックフィルム、プラスチックラミネート紙などの基材の少なくとも片面に剥離剤層を設けたものであって、粘着テープ、粘着シート、ラベルなどの粘着面を保護するために用いられたり、セラミックグリーンシートなどの製造工程に使用されている。
剥離剤の種類としてはシリコーン系剥離剤、長鎖アルキル系剥離剤、ポリオレフィン系剥離剤、フッ素系剥離剤などの種類があり、用途に応じて使い分けられている。このうち、シリコーン系剥離剤は、電子部品関連などの精密用途に使用すると、腐蝕や誤動作を引き起こす問題があるため、ポリオレフィン系剥離剤などの非シリコーン系剥離剤が使用されている。
ポリオレフィン系剥離剤を用いた離型材としては特許文献1〜3が挙げられる。このうち、特許文献1〜2では、有機溶剤に溶解させたポリオレフィンを、基材に塗布、乾燥した離型材が提案されている。しかし、該離型材では、ポリオレフィン本来の剥離性に応じた剥離力が得られるものの、基材への密着性に問題があり、指などでこすると簡単に剥離剤層が脱落してしまうものしか得られなかった。
また、特許文献3では、官能基を有する変性ポリオレフィンとイソシアネート系架橋剤を使用して該ポリオレフィンを架橋させた離型材、さらに官能基を持たない未変性ポリオレフィンを併用した離型材が提案されており、基材への密着性が改善されることが記載されている。しかし、特許文献1〜2を含め、特許文献3の離型材では、軽い剥離力を得るために、剥離剤に使用するポリオレフィンとして低密度のものが使用されていると考えられ、このような低密度のポリオレフィンを使用した離型材は、剥離力の剥離速度依存性が大きいものが多く、剥離速度が速くなると剥離力が大きくなり使い勝手が悪くなる傾向があった。
特開昭55−152775号公報 特開平6−99551号公報 特開2004−91776号公報
上記の事情に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、基材密着性に優れ、しかも剥離力の剥離速度依存性の小さい剥離剤およびそれを用いた離型材、さらに該剥離剤を有する粘着テープを得ることである。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意検討した結果、非反応性ポリオレフィン、1分子中にイソシアネート基を3個以上有する脂環式イソシアネートおよびポリオレフィンポリオールを少なくとも含有する剥離剤における非反応性ポリオレフィンの含有量を80重量%以上とするとともに、該非反応性ポリオレフィン中、23℃における引張弾性率が10MPa以下、かつ23℃における引張破壊応力が8MPa以下である非反応性ポリオレフィンの含有量を90重量%以上とし、これを基材に塗布すると、基材密着性に優れ、剥離力の剥離速度依存性が小さい離型材が得られることを見い出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)非反応性ポリオレフィン、1分子中にイソシアネ−ト基を3個以上有する脂環式イソシアネートおよびポリオレフィンポリオールを少なくとも含有する剥離剤であって、
該剥離剤中の非反応性ポリオレフィンの含有量が80重量%以上であり、
該非反応性ポリオレフィン中、23℃における引張弾性率が10MPa以下、かつ23℃における引張破壊応力が8MPa以下である非反応性ポリオレフィンの含有量が90重量%以上である、剥離剤。
(2)脂環式イソシアネートが、脂環式ジイソシアネートの多価アルコール付加体である、(1)に記載の剥離剤。
(3)脂環式イソシアネートの含有量が、非反応性ポリオレフィン100重量部に対して0.5〜20重量部である、(1)または(2)に記載の剥離剤。
(4)ポリオレフィンポリオールの数平均分子量が1500〜50000である、(1)〜(3)のいずれかに記載の剥離剤。
(5)基材の少なくとも片面に、(1)〜(4)のいずれかに記載の剥離剤からなる剥離剤層を有する、離型材。
(6)粘着剤層の少なくとも片面に(5)記載の離型材を有し、該粘着剤層と該離型材の剥離剤層とが接触している、粘着テープ。
(7)基材の片面に粘着剤層を有し、基材の他方の面に(1)〜(4)のいずれかに記載の剥離剤からなる剥離剤層を有する、粘着テープ。
本発明の剥離剤は、基材密着性に優れ、しかも剥離速度が速くなっても剥離力が過度に大きくならず、剥離力の剥離速度依存性が小さい離型材を実現できる。
従って、本発明の剥離剤を使用することで、作業性に優れる離型材および粘着テープを得ることができる。
1.剥離剤
本発明は、非反応性ポリオレフィン、1分子中にイソシアネ−ト基を3個以上有する脂環式イソシアネートおよびポリオレフィンポリオールを少なくとも含有する剥離剤であって、剥離剤中の非反応性ポリオレフィンの含有量が80重量%以上であり、該非反応性ポリオレフィンの90重量%以上が、23℃における引張弾性率が10MPa以下、かつ23℃における引張破壊応力が8MPa以下である、剥離剤を提供するものである。
〔非反応性ポリオレフィン〕
本発明における非反応性ポリオレフィンとは、後述する脂環式イソシアネートやポリオレフィンポリオールと反応しないポリオレフィンである。例えば、脂環式イソシアネートやポリオレフィンポリオールと反応する官能基(水酸基、アミノ基、カルボキシ基、イソシアネート基等)を含まないポリオレフィンである。本発明においては、少量の官能基でも粘着剤の種類や粘着剤と接した状態での保存条件により、重剥離になる可能性があるため、前記官能基を全く持たない未変性ポリオレフィンが好ましい。
また、本発明では、剥離剤中の非反応性ポリオレフィンの含有量が、80重量%以上、好ましくは85重量%以上、より好ましくは90重量%以上である。剥離剤中の非反応性ポリオレフィンの含有量が80重量%未満の場合、剥離性が悪くなり剥離力が大きくなる傾向がある。また、非反応性ポリオレフィンの含有量の上限値は、特に限定されないが、
十分な塗膜強度を得る観点から99重量%以下、より好ましくは98重量%以下である。
また、本発明における23℃における引張弾性率および23℃における引張破壊応力とは、以下の方法で測定した値である。
非反応性ポリオレフィンをトルエンに溶解して5〜10重量%の溶液とし、ベーカー式アプリケーター又はドクターブレード型アプリケーターを使用して、これをPET(ポリエチレンテレフタレート)基材の離型フィルム上に塗布後、熱風乾燥機で加熱乾燥し(100℃、3分間)、加熱乾燥後は直ちに23℃雰囲気下で冷却することにより、乾燥後の厚さが20μmの非反応性ポリオレフィンフィルムを作製する。トルエンへの溶解性が悪い場合は必要に応じて加温して溶解しても良い。得られた非反応性ポリオレフィンフィルムを縦30mm×横100mmの短冊状に切り出し、切り出したフィルムの一方の短辺を軸にして長手方向に非反応性ポリオレフィンフィルムを、離型フィルムより剥がしながら密に巻回して、長さ30mmの棒状サンプルとする。
この棒状サンプルについて、23℃雰囲気下で、チャック間距離10mm、引っ張り速度50mm/minの条件で引張試験機(島津製作所(株)製、オートグラフ AG−IS型)にて引っ張り試験を行い、その時の応力−ひずみ曲線を得る。その応力−ひずみ曲線における引っ張り開始直後の曲線の傾きより引張弾性率を算出する。また、棒状サンプルが破断したときの応力を引張破壊応力として求める。
本発明では、剥離剤中に含有する非反応性ポリオレフィンの90重量%以上(より好ましくは95重量%以上、最も好ましくは100重量%)が、23℃における引張弾性率が10MPa以下(より好ましくは8MPa以下、さらに好ましくは7MPa以下、最も好ましくは6MPa以下)、かつ23℃における引張破壊応力が8MPa以下(より好ましくは6MPa以下、最も好ましくは4MPa以下)である非反応性ポリオレフィンである。剥離剤に含有する非反応性ポリオレフィン中のかかる非反応性ポリオレフィンの含有量が90重量%未満の場合、剥離剤中の上記の引張弾性率及び引張破壊応力の条件を満たさない他の非反応性ポリオレフィンの影響により、低速及び/又は高速で剥離した時の剥離力が大きくなる場合があり、23℃における引張弾性率が10MPaを超えると低速及び高速で剥離した時の剥離力がいずれも大きくなる傾向があり、23℃における引張破壊応力が8MPaを超えると、高速で剥離したときの剥離力が大きくなって剥離し難くなる傾向がある。
また、23℃における引張弾性率の下限値は、特に限定されないが、小さすぎると十分な塗膜強度が得られにくくなることから2MPa以上、より好ましくは3MPa以上であり、23℃における引張破壊応力の下限値も特に限定されないが、小さすぎると十分な塗膜強度が得られにくくなることから1MPa以上、より好ましくは2MPa以上である。
本発明における非反応性ポリオレフィンとしては、前記要件を満たす限り特に限定されないが、例えば、他の材料とともに有機溶剤に溶解して基材に塗布できるものが好ましく、有機溶剤への溶解性が良好な低密度の非反応性ポリオレフィンが好適に使用される。低密度のポリオレフィンを使用した剥離剤は、一般に軽剥離性が得られる反面、剥離力の剥離速度依存性が大きいものが多いが、本発明では、非反応性ポリオレフィンとして、主として、23℃における引張弾性率が10MPa以下、かつ23℃における引張破壊応力が8MPa以下であるものを使用するため、剥離過程において粘着剤層と剥離剤層の界面付近で破壊が起こっていると仮定すると、引張破壊応力が小さいために小さな力で界面付近を破壊することができ、剥離速度が速くなっても剥離力が大きくなり過ぎず、剥離力の剥離速度依存性を小さくすることができる。
具体的には、非反応性ポリオレフィンは、密度が0.885g/cm以下であるものが好ましく、0.880g/cm以下であるものがより好ましい。密度が0.885g/cmを超えると有機溶剤への溶解性が低下して基材への塗布が困難な傾向となり、また剥離性も低下する傾向となる。また、下限値は、例えばエチレン系α−オレフィン共重合体では密度が低いと融点も低くなり、耐熱性が悪くなることから、好ましくは0.855g/cm以上である。
このような低密度のポリオレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン及び炭素数が4〜20のα−オレフィンからなる群から選択される少なくとも2種以上を単量体単位とするα−オレフィン共重合体が挙げられ、中でも、エチレンを主たる単量体単位とする共重合体(すなわち、エチレン系α−オレフィン共重合体)が好ましい。ここで、炭素数が4〜20のα−オレフィンとしては、1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン等が挙げられる。また、α−オレフィン共重合体は、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体のいずれでもよいが、剥離性が良いことからランダム共重合体が好ましい。
エチレン系α−オレフィン共重合体は、好ましくはエチレン単位が50〜95モル%、より好ましくは70〜95モル%であり、また、エチレン以外の単量体単位としては、1−ブテン、プロピレン、1−ヘキセン、1−オクテンから選ばれる1種又は2種以上が好ましい。特に好ましい共重合体は、エチレン−1−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体等が挙げられる。なお、かかるエチレン−1−ブテン共重合体はエチレン及び1−ブテン以外のα−オレフィン由来の単量体単位を10モル%以下の量で含んでいてもよく、エチレン−プロピレン共重合体は、エチレン及びプロピレン以外のα−オレフィン由来の単量体単位を10モル%以下の量で含んでいてもよい。このような共重合体は、例えば、遷移金属触媒成分(例えばバナジウム化合物やジルコニウム化合物)と有機アルミニウム化合物触媒成分とからなる触媒を用いて、共重合体中の前記のエチレン単位含有量となるように、エチレンとα−オレフィンを共重合することによって得ることができる。
また、本発明において、α−オレフィン共重合体は市販品を使用することができ、エチレン系α−オレフィン共重合体としては、例えば、タフマーPシリーズ、タフマーAシリーズ(いずれも三井化学(株)製)、エンゲージ(ダウ・ケミカル(株)製)等が好適に使用される。特に、23℃における引張弾性率が10MPa以下かつ23℃における引張破壊応力が8MPa以下であるエチレン系α−オレフィン共重合体としては、例えば、タフマーP−0080K、タフマーP−0280、タフマーA−35070S、タフマーP−0680、タフマーP−0180、タフマーP−0480、タフマーP−0275、タフマーP−0775(いずれも三井化学(株)製)等が好適に使用される。
また、本発明では、剥離力の調整のために、非反応性ポリオレフィンは1種又は2種以上を使用することができ、2種以上使用する場合は、上述の引張弾性率および引張破壊応力の条件を満たすポリオレフィンのみを2種以上用いてもよく、上述の引張弾性率および引張破壊応力の条件を満たすポリオレフィンと条件を満たさないポリオレフィンを組み合わせて用いてもよい。なお、かかる上述の引張弾性率および引張破壊応力の条件を満たさないポリオレフィンには、引張破壊応力は8MPa以下であるが、引張弾性率が10MPaを超えるポリオレフィン、引張弾性率は10MPa以下であるが、引張破壊応力が8MPaを超えるポリオレフィン、及び、引張弾性率が10MPaを超え、引張破壊応力が8MPaを超えるポリオレフィンの3態様があるが、引張弾性率は10MPa以下であるが、引張破壊応力が8MPaを超えるポリオレフィンが好ましい。また、引張弾性率が10MPaを超えるものは、引張弾性率が100MPa以下であるのが好ましく、引張破壊応力が8MPaを超えるものは、引張破壊応力が35MPa以下であるのが好ましい。
本発明において、非反応性ポリオレフィンを一種のみ使用する場合、剥離剤層形成時の塗膜強度の観点等から、非反応性ポリオレフィンは、前記引張弾性率および前記引張破壊応力の条件を満たす他に、230℃におけるMFR(メルトフローレート)が100g/10分以下であるものが好ましく、MFRが70g/10分以下であるものがより好ましく、MFRが50g/10分以下であるものがさらに一層好ましく、MFRが10g/10分以下であるものが特に好ましい。
また、非反応性ポリオレフィンを2種以上使用する場合、前記引張弾性率および前記引張破壊応力の条件を満たす少なくとも1種類の非反応性ポリオレフィンが、230℃におけるMFRが100g/10分以下であるものを用いるのが好ましく、また、全非反応性ポリオレフィン中においてかかるMFRが100g/10分以下の非反応性ポリオレフィンの割合が10重量%以上であるのが好ましく、50重量%以上がより好ましい。この条件を満たせば、他のポリオレフィンとして、前記引張弾性率および前記引張破壊応力の条件を満たすポリオレフィン、若しくは条件を満たさないポリオレフィンであって、230℃におけるMFRが100g/10分を超えるものを使用してもよい。
〔脂環式イソシアネート〕
本発明における脂環式イソシアネートは、架橋成分として用いられる。脂環式イソシアネートは脂肪族系イソシアネートよりも基材との十分な密着性が得られ好ましい。また、剥離剤層の強度や耐熱性の観点より、1分子中にイソシアネート基を3個以上有する脂環式イソシアネートが好ましい。1分子中にイソシアネート基を3個以上有する脂環式イソシアネートとしては、脂環式ジイソシアネートの多価アルコール付加体が最も好ましい。そのような多価アルコール付加体としては、例えば、イソホロンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、トランス−シクロヘキサンジイソシアネート、水素化トリレンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネートの過剰量に、多価アルコールを反応させて得られる末端イソシアネート含有化合物が挙げられる。これらの中でも、水素化キシリレンジイソシアネートまたはイソホロンジイソシアネートの多価アルコール付加体が好ましい。なお、ここでの多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトールなどの脂肪族多価アルコール等が挙げられ、好ましくはトリメチロールプロパンである。また、脂環式ジイソシアネートの多量体(例えば、イソシアヌレート体)も好適に使用できる。
これらの脂環式イソシアネートは非反応性ポリオレフィンとの相溶性が低く、非反応性ポリオレフィンの剥離性を損なわない程度にしか非反応性ポリオレフィンと相溶しない。従って、非反応性ポリオレフィンと相溶していない残りの脂環式イソシアネートが非反応性ポリオレフィンを主体とする層と基材との間に偏在し、それらが剥離剤層と基材との密着性に大きく寄与する。
また、脂環式イソシアネートの含有量は、非反応性ポリオレフィン100重量部に対し0.5〜20重量部であり、好ましくは1.0〜15重量部、更に好ましくは1.5〜10重量部である。かかる範囲内にあると、ポットライフが短くなるなどの悪影響もなく、より優れた基材密着性が得られる。
〔ポリオレフィンポリオール〕
本発明におけるポリオレフィンポリオールは、脂環式イソシアネートと反応させるものであるが、非反応性ポリオレフィンとの相溶性が良いものが好ましい。
例えば、数平均分子量(Mn)が1500〜50000、好ましくは1500〜5000、さらに好ましくは1500〜4000、最も好ましくは1500〜3000のポリオレフィンポリオールが好適である。
数平均分子量(Mn)がかかる範囲内にあると、ポリオレフィンポリオールが、剥離剤層における非反応性ポリオレフィンを主体とする層および脂環式イソシアネートを主体とする層(すなわち、非反応性ポリオレフィンが少ない層)の両方に適度に溶解できる。前記分子量を有するポリオレフィンポリオールが非反応性ポリオレフィンを主体とする層に適度に溶解できるため、剥離剤層の強度や耐熱性を向上させることができ、また、白っぽく曇った状態とならず優れた外観の剥離剤層が得られる。また、非反応性ポリオレフィンを主体とする層におけるポリオレフィンポリオールに起因する水酸基が過剰になることもないので軽剥離性の剥離剤層が得られる。さらに、剥離剤層における脂環式イソシアネートを主体とする層(すなわち、非反応性ポリオレフィンが少ない層)において、脂環式イソシアネートとポリオレフィンポリオールが適度に反応することができ、より優れた基材密着性が得られる。
ポリオレフィンポリオールの種類は特に限定されない。例えば、ポリエチレン系ポリオール、ポリプロピレン系ポリオール、ポリブタジエンポリオール、水素添加ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール、および水素添加ポリイソプレンポリオール等が挙げられる。中でも、ポリオレフィンとの相溶性や剥離力への影響の観点から、水素添加ポリイソプレンポリオール、ポリイソプレンポリオールが好ましい。
また、ポリオレフィンポリオールは剥離剤塗膜の強度や硬化性の観点から、水酸基価(mgKOH/g)が、20以上が好ましく、また、剥離力への影響の観点から、水酸基価(mgKOH/g)が、75以下が好ましい。より好ましくは水酸基価(mgKOH/g)が25〜60である。
本発明において、ポリオレフィンポリオールは、市販品を使用することができ、例えば、Poly bdR-45HT(水酸基末端液状ポリブタジエン:Mn=2800、水酸基価=46.6mgKOH/g、出光興産(株)製)、Poly ip(水酸基末端液状ポリイソプレン:Mn=2500、水酸基価=46.6mgKOH/g、出光興産(株)製)、エポール(水酸基末端液状水添ポリイソプレン:Mn=2500、水酸基価=50.5mgKOH/g、出光興産(株)製)、GI-1000(水酸基含有液状水添ポリブタジエン:Mn=1500、水酸基価=60〜75mgKOH/g、日本曹達(株)製)、GI-2000(水酸基含有液状水添ポリブタジエン:Mn=2100、水酸基価=40〜55mgKOH/g、日本曹達(株)製)、GI-3000(水酸基含有液状水添ポリブタジエン:Mn=3000、水酸基価=25〜35mgKOH/g、日本曹達(株)製)などが挙げられる。これらのポリオールはいずれも常温で液状である。また、ユニストールP−801(水酸基含有ポリオレフィンの16%トルエン溶液、トルエン除去物は固体、水酸基価40mgKOH/g、三井化学(株)製)を使用することもできる。
また、本発明において、剥離剤中のポリオレフィンポリオールの含有量は、次式(数1)におけるAの値が30〜250、好ましくは40〜200、より好ましくは50〜150となるように設定される。Aの値が30より小さいと剥離剤層の強度が十分ではなくなる傾向があり、250より大きいと重剥離化の原因となりやすい。
(数1)
A=ポリオレフィンポリオールの水酸基価(mgKOH/g)×ポリオレフィン100重量部に対するポリオレフィンポリオールの重量部数
〔ウレタン化触媒〕
本発明では、脂環式イソシアネートとポリオレフィンポリオールの反応にウレタン化触媒を用いてもよく、ウレタン化触媒としては、通常のウレタン化反応に用いられる触媒を使用できる。ウレタン化触媒として、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレートなどの錫化合物、亜鉛、コバルト、銅、ビスマス等の金属のカルボン酸塩、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンなどのアミン化合物、チタン、ジルコニウム等の金属のキレート化合物が例示される。また、有機酸ビスマス塩(アビエチン酸、ネオアビエチン酸、d−ピマル酸、イソ−d−ピマル酸、ポドカルプ酸およびこれらの2種以上を主成分とする樹脂酸ビスマスなどの脂環族系有機酸のビスマス塩、安息香酸、ケイ皮酸、p−オキシケイ皮酸などの芳香族系有機酸のビスマス塩等)も使用できる。中でも、剥離剤組成物への相溶性およびウレタン化反応の反応性の点で、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート、ビスマスのカルボン酸塩、樹脂酸ビスマス塩が好ましい。
ウレタン化触媒の含有量は、非反応性ポリオレフィン100重量部に対し0.05〜2.0重量部が好ましく、より好ましくは0.1〜1.5重量部、更に好ましくは0.1〜1.0重量部である。0.05重量部未満では触媒としての効果が十分でない場合が多く、2.0重量部を超えると重剥離化の原因となったり、剥離剤の溶液状でのポットライフが短くなるなどの不具合の原因となる可能性が高くなる。
なお、ここでいう触媒の含有量は有効成分の重量部であり、例えば、後述の実施例で使用している「プキャットB7」のような有効成分の化合物を溶剤で溶解させた溶液タイプである場合、有効成分の化合物のみの重量部を意味する。
本発明の剥離剤には、その他必要に応じて、前記非反応性ポリオレフィン以外のオレフィン系樹脂、酸化防止剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン光安定剤等の光安定剤や帯電防止剤、カーボンブラック、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン等の充填剤、顔料等を適宜配合してもよい。
2.離型材
また、本発明は、基材の少なくとも片面に、前記剥離剤からなる剥離剤層を有する離型材を提供するものである。
〔基材〕
本発明における基材としては、特に限定されないが、表面が平滑である点でプラスチックフィルムが好ましい。例えばポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィルム等のポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルム等のポリオレフィンフィルムが挙げられる。クラフト紙、グラシン紙、上質紙等の紙を基材として使用する場合は、剥離剤の成分が基材へ過度に含浸することを防ぐためにポリエチレンなどのプラスチックがラミネートされたものや目止め処理されたものが好ましい。
基材には、必要に応じてあらかじめコロナ処理、プラズマ処理、火炎処理等の処理をしておいても良い。また、基材の厚さに限定はなく、使用目的に応じて適宜設定することができるが、プラスチックフィルムの場合は、通常12〜250μm程度、好ましくは16〜200μm、より好ましくは25〜125μmである。
また、基材には、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン光安定剤等の光安定剤や帯電防止剤、カーボンブラック、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、シリカ、酸化亜鉛、酸化チタン等の充填剤、顔料等を適宜配合してもよい。
〔剥離剤層〕
本発明における剥離剤層は、例えば、剥離剤を構成する組成物を希釈溶剤に溶解させ、その溶液を基材に塗布後、乾燥させることにより得られる。溶液濃度は特に限定されないが、通常、0.1〜5重量%の範囲内で調整される。
希釈溶剤としては、剥離剤組成物を均一に溶解させることができれば特に限定されないが、本発明における剥離剤が、ポリオレフィンを主成分としているため、主として炭化水素系溶剤を使用することが、均一に溶解させる観点から好ましい。炭化水素系溶剤としては、ノルマルヘキサン、ノルマルヘプタン等の脂肪族炭化水素系溶剤、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素系溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤が例示される。更に必要に応じて、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、アセチルアセトン等のケトン類、酢酸エチル等のエステル類、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類などを併用しても良い。
また、剥離剤の基材への塗布方法は、キスロールコーター、ビードコーター、ロッドコーター、マイヤーバーコーター、ダイコーター、グラビアコーターなど公知慣用の方法が利用できる。乾燥方法についても特に限定はないが、最も一般的な方法は熱風乾燥であり、基材の耐熱性にもよるが80〜150℃程度の温度で乾燥させることにより剥離剤層が得られる。
また、剥離剤層の厚さは30〜500nmが好ましく、より好ましくは45〜400nm、最も好ましくは60〜300nmである。剥離剤層の厚さが30nm未満の場合は、重剥離となる場合があり、500nmを超えるとロール状に巻き取った時にブロッキングしたり、剥離力が大きくなったりする場合がある。
3.離型材付き粘着テープ
本発明は、粘着剤層の少なくとも片面に前記離型材を有し、該粘着剤層と該離型材の剥離剤層とが接触している粘着テープを提供するものである。
当該粘着テープの粘着剤層に用いる粘着剤としては、特に限定されないが、ゴム系、アクリル系、ポリエステル系粘着剤等が挙げられ、このうちアクリル系粘着剤やポリエステル系粘着剤は、安定した剥離性が得られるため好ましい。
アクリル系粘着剤は、溶液重合法、エマルション重合法、UV重合法などの慣用の重合法により得られるアクリル系ポリマーを主剤とし、これに必要により、架橋剤、粘着付与剤、軟化剤、老化防止剤、充填剤などの各種の添加剤を加えることにより調製できる。
前記のアクリル系ポリマーとしては、例えばブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレートを主成分とし、これに必要により共重合可能な改質用モノマーとして2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシ基含有モノマー、(メタ)アクリル酸などのカルボキシ基含有モノマー、スチレンなどのスチレン系モノマー、酢酸ビニルなどのビニルエステル類等の他のモノマーを加えたモノマー混合物の共重合体が用いられる。
また、ポリエステル系粘着剤としては、脂肪族系カーボネートジオール(例えば、ブタンジオール等のジオール成分とエチレンカーボネートなどのカーボネート化合物との反応により得られるカーボネートジオールなど)を必須のポリオール成分としたポリエステル系重合体を主剤とする粘着剤が挙げられる。
また、粘着剤層は、例えば粘着剤溶液を離型材の剥離剤層上に塗布し、これを乾燥させることにより形成することができる。また、粘着剤層の厚みは、粘着性などを考慮して適宜選択することができ、通常3〜100μm、好ましくは5〜90μm、さらに好ましくは10〜80μmである。
4.剥離剤からなる離型剤層を有する粘着テープ
また、本発明は、基材の片面に粘着剤層を有し、基材の他方の面に本発明の剥離剤からなる離型剤層(以下「背面処理層」と呼ぶ)を有する粘着テープを提供するものである。
当該粘着テープにおいて、粘着剤層および背面処理層は、いずれも基材の上に直接形成されていてもよく、また、これらの層と基材との間に別の層が形成されていてもよい。但し、粘着剤層および背面処理層はいずれも最表面に存在することが必要である。なお、粘着剤層および背面処理層は、いずれも基材の上に直接形成されていることが好ましい。
当該粘着テープは、ロール状に巻回された形態、シートが積層された形態のいずれの形態でもよく、いずれの形態においても粘着剤層を背面処理層により保護することができる。
粘着剤層に使用する粘着剤は特に限定されないが、ゴム系、アクリル系、ポリエステル系粘着剤等が挙げられ、このうちアクリル系粘着剤やポリエステル系粘着剤は、安定した剥離性が得られるため好ましい。
また、背面処理層は、前述の離型材における剥離剤層と同様の方法で形成することができ、背面処理層の厚みは、剥離力の観点から、30〜500nmが好ましく、更に好ましくは45〜400nm、最も好ましくは60〜300nmである。
本明細書中の物性、特性等は以下の方法での測定値である。
(1)密度
ASTM D1505に準拠して測定した値である。
(2)メルトフローレート(230℃)
ASTM D1238に準拠して測定した値である。
(3)数平均分子量
ASTM D2503に準拠して測定した値である。
(4)水酸基価
JIS K1557に準拠して測定した値である。
以下に実施例および比較例で用いた材料をまとめて記載する。なお、以下に記載する「%」は、特段の記載が無い限り、「重量%」を表す。
<非反応性ポリオレフィン>
Figure 0005514067
表1に記載のタフマーは三井化学(株)製、エンゲージはダウ・ケミカル(株)製である。また、表1に記載の「引張弾性率」および「引張破壊応力」は、23℃における値である。
<ポリオレフィンポリオール>
エポール(水酸基末端液状水添ポリイソプレン、Mn=2500、水酸基価50.5mgKOH/g、出光興産(株)製)
ユニストールP−801(水酸基含有ポリオレフィンの16%トルエン溶液、トルエン除去物は固体、Mn>5000、水酸基価40mgKOH/g、三井化学(株)製)
<イソシアネート>
コロネートHL(ヘキサメチレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物の75%酢酸エチル溶液、1分子中のイソシアネート基数:3個、日本ポリウレタン工業(株)製)
タケネートD120N(水素化キシリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物の75%酢酸エチル溶液、1分子中のイソシアネート基数:3個、三井化学(株)製)
タケネートD140N(イソホロンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物の75%酢酸エチル溶液、1分子中のイソシアネート基数:3個、三井化学(株)製)
デスモジュールW(水素化ジフェニルメタンジイソシアネート、1分子中のイソシアネート基数:2個、住化バイエルウレタン社製)
<ウレタン化触媒>
ジブチル錫ジラウレート(和光純薬工業(株)製)
プキャットB7(樹脂酸ビスマスの58%ミネラルスピリット溶液、日本化学産業(株)製)
また、実施例および比較例で作製した離型材の評価は下記の方法に従って行った。
(1)剥離剤層の基材への密着性
剥離剤塗布面を指で3往復こすった時の状態で判定した。
○:変化がない。又は、表面が白っぽく曇った状態になるが、塗膜の脱落はない。
×:塗膜がポロポロと脱落して消しゴムをこすった時に出るようなカスが発生し、基材が露出する。
(2)低速剥離力
50mm幅のアクリル系粘着テープNo.31B(日東電工(株)製)の粘着剤層面を離型材の剥離剤層表面にハンドローラーを用いて貼り合わせて離型材付の粘着テープを作製した。この離型材付の粘着テープを23℃で24時間保存した後、引っ張り試験機にて離型材を180°方向に0.3m/minの速さで引っ張り、23℃雰囲気で測定した剥離力を低速剥離力とした。本発明では、低速剥離力は、0.10〜0.30N/50mmが好ましく、より好ましくは、0.10〜0.25N/50mmである。
(3)高速剥離力
離型材を引っ張る速度を3m/minに変更した以外は、低速剥離力と同じ条件で測定した剥離力を高速剥離力とした。本発明では、高速剥離力は、0.5〜2.0N/50mmが好ましく、より好ましくは、0.5〜1.5N/50mmである。
(4)剥離速度依存性
剥離速度依存性は、高速剥離力の値を低速剥離力の値で割った値であり、本発明では7以下が好ましく、より好ましくは6以下、最も好ましくは5以下である。
<離型材>
実施例1
タフマーP−0280/エポール/タケネートD120N/ジブチル錫ジラウレート=100/2/3/1(固形分の重量比)をトルエンに溶解し、濃度1.5%の剥離剤溶液を調製した。この剥離剤溶液をマイヤーバー#6で厚さ38μmのポリエステルフィルムに塗布した後、熱風乾燥機で130℃×1分間加熱した。得られた離型材の剥離剤層の厚さは約150nmだった。
実施例2
剥離剤の組成をタフマーP−0280/エポール/タケネートD120N/ジブチル錫ジラウレート=100/2/10/0.2(固形分の重量比)とした以外は、実施例1と同様な方法で離型材を作製した。
実施例3
剥離剤の組成をタフマーP−0280/タフマーP−0080K/エポール/タケネートD120N/ジブチル錫ジラウレート=60/40/1/5/0.2(固形分の重量比)とした以外は、実施例1と同様な方法で離型材を作製した。
実施例4
剥離剤の組成をタフマーP−0680/エポール/タケネートD140N/ジブチル錫ジラウレート=100/1/3/0.2(固形分の重量比)とした以外は、実施例1と同様な方法で離型材を作製した。
実施例5
剥離剤の組成をタフマーP−0280/タフマーA−35070S/エポール/タケネートD120N/プキャットB7=80/20/2/3/0.6(固形分の重量比)とした以外は、実施例1と同様な方法で離型材を作製した。
実施例6
剥離剤の組成をタフマーP−0280/タフマーA−1070S/エポール/タケネートD120N/ジブチル錫ジラウレート=90/10/1/1/0.2(固形分の重量比)とした以外は、実施例1と同様な方法で離型材を作製した。
実施例7
剥離剤の組成をタフマーP−0280/タフマーA−35070S/ユニストールP-801/タケネートD120N/ジブチル錫ジラウレート=60/40/2/3/0.2(固形分の重量比)とした以外は、実施例1と同様な方法で離型材を作製した。
比較例1
剥離剤の組成をタフマーA−1070S/エポール/コロネートHL/ジブチル錫ジラウレート=100/2/3/0.2(固形分の重量比)とした以外は、実施例1と同様な方法で離型材を作製した。
比較例2
剥離剤の組成をエンゲージ8180/エポール/タケネートD120N/ジブチル錫ジラウレート=100/2/3/0.2(固形分の重量比)とした以外は、実施例1と同様な方法で離型材を作製した。
比較例3
剥離剤の組成をタフマーP−0280/タフマーA−1070S/エポール/タケネートD120N/ジブチル錫ジラウレート=80/20/1/5/0.2(固形分の重量比)とした以外は、実施例1と同様な方法で離型材を作製した。
比較例4
剥離剤の組成をタフマーA−1070S/エポール/タケネートD120N/ジブチル錫ジラウレート=100/1/5/0.2(固形分の重量比)とした以外は、実施例1と同様な方法で離型材を作製した。
比較例5
剥離剤の組成をタフマーP−0280/エポール/コロネートHL/ジブチル錫ジラウレート=100/2/3/0.2(固形分の重量比)とした以外は、実施例1と同様な方法で離型材を作製した。
比較例6
剥離剤の組成をタフマーP−0280/エポール/デスモジュールW/ジブチル錫ジラウレート=100/2/5/0.2(固形分の重量比)とした以外は、実施例1と同様な方法で離型材を作製した。
比較例7
剥離剤の組成をタフマーA−4085S/エポール/タケネートD120N/ジブチル錫ジラウレート=100/2/3/0.2(固形分の重量比)とした以外は、実施例1と同様な方法で離型材を作製した。
<粘着テープ>
50mm幅のアクリル系粘着テープNo.31B(日東電工(株)製)の粘着剤層面を実施例1〜7および比較例1〜7の離型材の剥離剤層表面にハンドローラーを用いて貼り合わせることで離型材付の粘着テープを作製した。このようにして作製した粘着テープを用いて、上述の低速剥離力および高速剥離力の測定を行った。
表2に実施例および比較例で作製した離型材の評価結果を示す。
Figure 0005514067
実施例1〜7より、剥離剤層の基材への密着性に優れるとともに、剥離速度依存性が小さい離型材が得られた。
一方、比較例1、5は脂肪族イソシアネートを使用し、比較例6は1分子中のイソシアネート基が3個未満の脂環式イソシアネートを使用したため、基材への密着性が不十分であった。また、比較例1、2および4では、非反応性ポリオレフィンとして23℃における引張破壊応力が8MPaを超える非反応性ポリオレフィンを単独で使用したため高速剥離力が大きくなり剥離速度依存性も大きくなった。また比較例3では、23℃における引張破壊応力が8MPaを超える非反応性ポリオレフィンを非反応性ポリオレフィン中で20%も使用したため、剥離速度依存性が大きくなった。さらに比較例7では、非反応性ポリオレフィンに23℃における引張弾性率が10MPaを超え、且つ23℃における引張破壊応力も8MPaを超える非反応性ポリオレフィンを単独で用いたため、高速剥離力だけでなく低速剥離力も大きくなり、また剥離速度依存性も大きくなった。このように、比較例では、基材密着性および剥離速度依存性の両立した離型材は得られなかった。
<背面処理層付き粘着テープ>
(粘着剤溶液の調製)
2−エチルヘキシルアクリレート190重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート10重量部、アゾビスイソブチロニトリル0.4重量部、及び重合溶媒として酢酸エチル372.2重量部を、セパラブルフラスコに投入し、窒素ガスを導入しながら1時間攪拌した。このようにして重合系内の酸素を除去した後、63℃に昇温して10時間反応させ、固形分濃度が35重量%のアクリル系ポリマーを含む溶液を得た。この溶液中のアクリル系ポリマーの重量平均分子量は100万であった。
次に、前記アクリルポリマー100重量部に対してイソシアネート系架橋剤(コロネートL、日本ポリウレタン工業(株)製)3重量部、架橋促進剤(エンビライザーOL−1、東京ファインケミカル(株)製)0.02重量部を添加し、トルエンで希釈することにより濃度25重量%の粘着剤溶液を調製した。
(剥離剤溶液の調製)
タフマーP−0280/エポール/タケネートD120N/ジブチル錫ジラウレート=100/2/0.5/1(固形分の重量比)をトルエンに溶解し、濃度1.0重量%の剥離剤溶液を調製した。
(粘着テープの作製)
前記剥離剤溶液を、厚さ38μmのポリエステルフィルムの片面にキスコーターで塗工後、130℃×15秒の条件で乾燥させ、乾燥後の厚みが100nmである剥離剤層(背面処理層)を得た。
次に、得られた背面処理層とは反対の面に、前記粘着剤をリバースロールコーターで塗工後、80℃×15秒、続く130℃×15秒の2段階で乾燥させ、乾燥後の厚みが25μmである粘着剤層を得、粘着剤層が内側となるようにロール状に巻き取り、背面処理層付き粘着テープを作製した。
なお、剥離剤層(背面処理層)の形成から粘着剤層の形成後、ロール状に巻き取るまでの一連の工程は、4m/minのライン速度で行った。
作製した粘着テープはスムーズに巻き戻すことができた。

Claims (7)

  1. 非反応性ポリオレフィン、1分子中にイソシアネ−ト基を3個以上有する脂環式イソシアネートおよびポリオレフィンポリオールを少なくとも含有する剥離剤であって、
    剥離剤中の非反応性ポリオレフィンの含有量が80重量%以上であり、
    該非反応性ポリオレフィン中、23℃における引張弾性率が10MPa以下、かつ23℃における引張破壊応力が8MPa以下である非反応性ポリオレフィンの含有量が90重量%以上である、剥離剤。
  2. 脂環式イソシアネートが、脂環式ジイソシアネートの多価アルコール付加体である、請求項1に記載の剥離剤。
  3. 脂環式イソシアネートの含有量が、非反応性ポリオレフィン100重量部に対して0.5〜20重量部である、請求項1または2に記載の剥離剤。
  4. ポリオレフィンポリオールの数平均分子量が1500〜50000である、請求項1〜3のいずれか1項記載の剥離剤。
  5. 基材の少なくとも片面に、請求項1〜4のいずれか1項記載の剥離剤からなる剥離剤層を有する、離型材。
  6. 粘着剤層の少なくとも片面に請求項5記載の離型材を有し、該粘着剤層と該離型材の剥離剤層とが接触している、粘着テープ。
  7. 基材の片面に粘着剤層を有し、基材の他方の面に請求項1〜4のいずれか1項記載の剥離剤からなる剥離剤層を有する、粘着テープ。
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