JP5513785B2 - 建物の換気構造 - Google Patents

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この発明は、建物の換気構造に関するものである。
従来、建物内の換気を行うために、窓の開放などによる自然換気や、換気扇などの設備による強制換気が用いられている。更に詳しくは、こうした換気を効率的に行うために、いわゆる煙突効果を利用したり、換気ファンを利用するなどして、給気側から排気側への空気の流れを生み出すことが行われている。
例えば、特許文献1には、最下階から最上階までを貫通するように階段室を形成し、階段室の最上部に排気ファンを設置し、更に主要な居室に給気ファンを設置し、煙突効果によって生じる自然換気の気流を排気ファンおよび給気ファンで補助する換気構造が提案されている。この換気構造においては、居室の給気ファンから外気を給気し、階段室(吹き抜け)の最上部に設けられた排気ファンから排気することとなっている。
特開平11−148693号公報
しかしながら、上記した特許文献1の換気構造においては、最下階から最上階までを貫通する階段室(吹き抜け)を設けたことによる煙突効果、および、排気ファンや給気ファンによる強制換気によって空気の流れを作り出している。このため、住宅の構造の制約等によって吹き抜けのスペースを確保できない場合や、設備コストや省エネルギーの観点から排気ファンや給気ファンなどの設備を設けない場合には、この換気構造は採用できないという問題があった。
そこで、本発明は、吹き抜け等のスペースを設けられないような構造の建物であっても、特別な設備等を設けることなく、有効に自然換気を行うことができる建物の換気構造を提供することを課題とする。
本発明は、上記した課題を解決するためになされたものである。以下、各請求項にそれぞれ記載された発明の特徴および作用を説明する。
なお、符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(請求項1)
請求項1に記載の建物の換気構造は、低天井部屋10と、低天井部屋10よりも天井が高い高天井部屋11と、が壁17を隔てて隣接して設けられた建物において、前記低天井部屋10には、外部と連通する外部給気口14を設けるとともに、天井18付近の壁17面に前記高天井部屋11と連通する室内通気口15を設け、前記低天井部屋10の天井18は、前記室内通気口15に向かって上り傾斜を形成していると共に、前記高天井部屋11には、前記低天井部屋10と連通する室内通気口15が設けられた壁17面と同一面上の天井18付近に、前記低天井部屋10より上方の他の空間12と連通する室内通気口15を設け、前記高天井部屋11の天井18は、前記他の空間12と連通する室内通気口15に向かって上り傾斜を形成していることを特徴とする。
すなわち、本発明の建物の換気構造は、少なくとも壁を隔てて隣接する2つの部屋を有し、この2つの部屋の天井の高さが異なるように形成されている。
そして、天井の低い方の部屋である低天井部屋には、外部と連通する外部給気口が設けられており、外気を室内に取り入れることが可能となっている。また、この外部給気口とは別に、天井の高い方の部屋である高天井部屋と連通する室内通気口が設けられており、高天井部屋との間で空気が流通可能となっている。そして、この室内通気口は、低天井部屋の天井付近の壁に設けられている。
更に、低天井部屋の天井は、前述した室内通気口に向かって上り傾斜を形成するようになっている。言い換えると、低天井部屋の天井は、高天井部屋側の壁面に行くに従って高くなるように傾斜している。
更に、低天井部屋と高天井部屋とを連通する室内通気口とは別に、高天井部屋には室内通気口が設けられている。この室内通気口は、高天井部屋および低天井部屋とは異なる他の空間へと連通するものである。そして、この他の空間へと連通する室内通気口は、低天井部屋10へと連通する室内通気口が設けられた壁面と同一面上の天井付近に設けられている。言い換えると、低天井部屋10へと連通する室内通気口が設けられた壁面には、この室内通気口の上方に、この室内通気口とは別の室内通気口が設けられており、この別の室内通気口は、他の空間へと連通している。そして、高天井部屋の天井は、この他の空間へと連通する通気口に向かって上り傾斜を形成している。
ところで、この「他の空間」は、低天井部屋より上方の空間であれば良く、例えば、低天井部屋の上階に設けられた部屋としても良いし、部屋ではない空間(例えば、外部空間)としても良い。「他の空間」を外部空間とした場合、当該通気口が外部への空気の排出口として機能するように形成することができる。
(請求項1記載の発明の作用)
このような建物の換気構造においては、外気が外部給気口から低天井部屋へと取り入れられる。また、低天井部屋の空気のうち、比較的暖かい空気は、温度が高く密度が低いために上方へと集まることとなる。そして、この上方へと集まった暖かい空気は、低天井部屋の天井が室内通気口に向かって上り傾斜を形成しているため、この傾斜に沿って高い方へ、すなわち、室内通気口の方へと移動する。更には、室内通気口付近へと移動した暖かい空気は、更に高い方へと移動するために、室内通気口を通過して高天井部屋へと流れていく。
更に、高天井部屋へと流れてきた暖かい空気が、更に上方へと流れた後、天井の傾斜に沿って通気口へと導かれる。通気口へと導かれた暖かい空気は、通気口を通り、他の空間へと流れていく。
(請求項
請求項に記載の発明は、上記した請求項1に記載の発明の特徴点に加え、以下を特徴とする。
すなわち、請求項に記載の建物の換気構造は、前記低天井部屋10または前記高天井部屋11の少なくともいずれかのの天井18を、傾斜を設けた上天井19と、水平に形成された通気可能な下天井20と、を有する二重天井とし、前記天井18付近に設けられた室内通気口15は、前記上天井19と前記下天井20との間の空間に設けられていることを特徴とする。
つまり、本請求項に記載の発明は、下天井を設けることにより、天井が傾斜していることを居住者等に意識させないようにしたものである。そして、この下天井は、空気が上下に流通可能となっているため、暖かい空気をその上方に通すことができ、天井の傾斜に沿って暖かい空気が流れるという請求項1に係る傾斜天井の作用を阻害することがない。
(請求項記載の発明の作用)
下天井が水平であるため、建物の居住者等が天井の傾斜に伴う違和感を感じることがない。そして、暖かい空気は下天井を通過して室内通気口へと導かれるため、請求項1または2記載の発明と同様の空気の流れを生み出すことができる。
(請求項
請求項に記載の発明は、上記した請求項に記載の発明の特徴点に加え、以下を特徴とする。
すなわち、請求項に記載の建物の換気構造は、前記二重天井の内部に吸音材を設けたことを特徴とする。
(請求項
請求項に記載の発明は、上記した請求項1乃至のいずれかに記載の発明の特徴点に加え、以下を特徴とする。
すなわち、請求項に記載の建物の換気構造は、前記高天井部屋11は、前記低天井部屋10よりも床が高く形成されてスキップフロアを形成していることを特徴とする。
(請求項
請求項に記載の発明は、上記した請求項記載の発明の特徴点に加え、以下を特徴とする。
すなわち、請求項に記載の建物の換気構造は、前記高天井部屋11は、建物内部の非居住空間であることを特徴とする。
本発明は上記の通りであり、以下の効果を奏する。
すなわち、請求項1記載の発明によれば、暖かい空気が傾斜天井に沿って隣接する部屋へと流れ、暖かい空気の流動効率を上げることができる。これにより、吹き抜け等を設けることなく、自然換気を効率的に行うことができる。
また、請求項記載の発明によれば、暖かい空気を更に上方へと導くことができ、連続した居室間の暖かい空気の流動効率を上げることができる。
請求項記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果を維持しつつも、建物の居住者等が天井の傾斜に伴う違和感を感じることがない。
請求項記載の発明によれば、吸音材を設けたことにより、騒音の伝達を防ぐことができる。
請求項又は記載の発明によれば、天井の高さが異なるという本発明の特徴を生かした上で、建物内部のスペースを有効に活用することができる。
本発明の第1の実施形態を説明するための建物の断面図である。 本発明の第2の実施形態を説明するための建物の断面図である。 本発明の変形例を説明するための建物の断面図である。
本発明の実施形態について、図を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
(建物の基本構造)
本実施形態に係る建物は、図1に示すとおり、1階部分と2階部分とを有しており、1階部分に2部屋が設けられ、2階部分にも2部屋が設けられている。そして、1階部分の2部屋は、天井の高さが異なるように形成されており、すなわち、天井が低く形成された低天井部屋10と、低天井部屋10よりも天井が高く形成された高天井部屋11と、からなり、この2部屋が壁17を隔てて隣接している。また、2階部分の2部屋は、低天井部屋10の上階に設けられた低天井の上階部屋12と、高天井部屋11の上階に設けられた高天井の上階部屋13と、からなり、この2部屋が壁17を隔てて隣接している。
そして、低天井部屋10と高天井部屋11との天井の高さが異なっているために、これらの上階の部屋である低天井の上階部屋12と高天井の上階部屋13との床の高さも異なることとなっており、このため、低天井部屋10および低天井の上階部屋12の2部屋と、高天井部屋11および高天井の上階部屋13の2部屋と、は高さ方向にずれて互い違いとなるような配置となっている。このため、高天井部屋11は、同一壁面において、下方では低天井部屋10と隣接し、上方では低天井の上階部屋12と隣接することとなっている。同様に、低天井の上階部屋12は、同一壁面において、下方では高天井部屋11と隣接し、上方では高天井の上階部屋13と隣接することとなっている。
(低天井部屋10)
低天井部屋10は、1階部分における1部屋であり、壁17を隔てて高天井部屋11と隣接する部屋である。
この低天井部屋10の天井18は、傾斜を設けた上天井19と、水平に形成された下天井20と、を有する二重天井となっている。そして、上天井19の傾斜は、後述する室内通気口15に向かって上り傾斜となるように設けられている。これにより、上方へ向かおうとする暖かい空気が室内通気口15へと導かれるようになっている。
また、下天井20は、空気が上下に流通可能となっており、すなわち、暖かい空気が上昇してきたときに、この暖かい空気が下天井20を通過して上天井19の下にまで移動可能となるように形成されている。なお、暖かい空気を通過させるための下天井20の具体的態様としては、例えば、メッシュ状の天井としても良いし、上下に貫通する通気口を設けた天井としても良い。
ところで、低天井部屋10と高天井部屋11とを隔てる壁17の壁面には、高天井部屋11と連通する室内通気口15が設けられている。この室内通気口15は、上記した上天井19と下天井20とで挟まれた空間内に設けられている。この室内通気口15が設けられることにより、低天井部屋10と高天井部屋11との間で空気が流通可能となっている。
また、この室内通気口15の他にも、低天井部屋10には、外部と連通する外部給気口14が設けられている。これにより、外気を室内に取り入れることができるようになっている。
なお、前記二重天井の内部には吸音材が設けられており、騒音の伝達を防ぐことができるようになっている。具体的には、上天井19の表面に吸音材が貼り付けられていることにより、騒音を吸収するように形成されている。
(高天井部屋11)
高天井部屋11は、1階部分における1部屋であり、既に説明したように、同一壁面において、下方では低天井部屋10と隣接し、上方では低天井の上階部屋12と隣接している。
ここで、低天井部屋10と隣接する部分の壁17面には、前述した低天井部屋10と連通する室内通気口15が設けられている。
そして、この室内通気口15が設けられた壁17面と同一面上の天井18付近には、低天井の上階部屋12と連通する別の室内通気口15が設けられている。これにより、高天井部屋11は低天井の上階部屋12とも連通し、相互に空気が流通可能となっている。
また、高天井部屋11には、前述した2つの室内通気口15の他にも、外部と連通する外部給気口14が設けられている。これにより、外気を室内に取り入れることができるようになっている。
なお、高天井部屋11の天井18は、低天井部屋10の上天井19と同様に傾斜している。この天井18の傾斜は、前述した低天井の上階部屋12と連通する室内通気口15に向かって上り傾斜となるように設けられており、これにより、上方へ向かおうとする暖かい空気がこの室内通気口15へと導かれるようになっている。
(低天井の上階部屋12)
低天井の上階部屋12は、低天井部屋10の真上に設けられた部屋であり、既に説明したように、同一壁面において、下方では高天井部屋11と隣接し、上方では高天井の上階部屋13と隣接している。
ここで、高天井部屋11と隣接する部分の壁17面には、前述した高天井部屋11と連通する室内通気口15が設けられている。
そして、この室内通気口15が設けられた壁17面と同一面上の天井18付近には、高天井の上階部屋13と連通する別の室内通気口15が設けられている。これにより、低天井の上階部屋12は高天井の上階部屋13とも連通し、相互に空気が流通可能となっている。
そして、低天井の上階部屋12には、前述した2つの室内通気口15の他にも、外部と連通する外部給気口14が設けられている。これにより、外気を室内に取り入れることができるようになっている。
なお、低天井の上階部屋12の天井18は、前述した高天井の上階部屋13と連通する室内通気口15に向かって上り傾斜となるように形成されており、これにより、上方へ向かおうとする暖かい空気がこの室内通気口15へと導かれるようになっている。
(高天井の上階部屋13)
高天井の上階部屋13は、高天井部屋11の真上に設けられた部屋であり、壁17を隔てて低天井の上階部屋12と隣接する部屋である。
ここで、低天井の上階部屋12と隣接する部分の壁17面には、前述した低天井の上階部屋12と連通する室内通気口15が設けられている。
そして、この室内通気口15が設けられた壁17付近の天井18には、外部と連通する排気口16が上方へと延設されており、暖かい空気が外部へと排出されるように形成されている。
そして、高天井の上階部屋13の天井18は、この排気口16が設けられた部分が最も高くなるように上り傾斜を形成しており、これにより、上方へ向かおうとする暖かい空気がこの排気口16へと導かれるようになっている。
(空気の流通経路)
上記したように、本実施形態に係る建物は、隣接する部屋の天井18の高さが異なっているために、隣接する部屋が高さ方向にずれて互い違いとなるような配置となっている(なお、低天井の上階部屋12と高天井の上階部屋13との関係においては、天井18の高さが異なっているとは言えないものの、高天井の上階部屋13に排気口16が設けられていることにより、上方に開放する高さが異なっており、実質的に天井の高さが異なるのと同様の効果を奏することとなる)。そして、隣接する部屋をそれぞれ連通するように室内通気口15が設けられているため、低天井部屋10から高天井部屋11へ、高天井部屋11から低天井の上階部屋12へ、低天井の上階部屋12から高天井の上階部屋13へ、と天井18の高さ順に連通するようになっている。そして、この室内通気口15は、隣接する2つの部屋のうちの相対的に天井が低い方の部屋の天井18付近に設けられており、また、この相対的に天井18が低い方の部屋においては、この室内通気口15に向かって天井18が上り傾斜を形成している。
このような建物の換気構造によれば、各部屋に設けられた外部給気口14から涼しい空気が流れ込む一方、暖かい空気は各部屋の上方へと集まっていく。しかも、各部屋の天井18が傾斜しているため、暖かい空気は傾斜の高い方へと移動する。ここで、この傾斜の高い方の天井18付近には室内通気口15が設けられており、更には、当該室内通気口15の向こう側には相対的に天井18の高い空間が設けられている(もしくは排気口16が上方に延設されている)ため、より高い方へ流れようとする暖かい空気が室内通気口15の向こう側へと流れていくことになる。このように、天井18の低い部屋から天井18の高い部屋へと順に暖かい空気が流れていき、すなわち、前述した順番(低天井部屋10→高天井部屋11→低天井の上階部屋12→高天井の上階部屋13)で暖かい空気が各部屋を移動するようになっている。そして、最終的に高天井の上階部屋13へと移動した暖かい空気は、高天井の上階部屋13に設けられた排出口16から外部へと排出されるようになっている。
この空気の流れについて、図1を参照しながら更に説明する。なお、図1における矢印は空気の流れを示すものである。
まず、各部屋に設けられた外部給気口14からは、涼しい空気が流れ込むようになっている。
一方、低天井部屋10においては、密度が低い暖かい空気が上方へと集まることとなる。このとき、下天井20は上下に通気可能であるため、暖かい空気は下天井20を通過して、上天井20の下にまで流れ込む。そして、傾斜した上天井20に沿って高い方へと導かれ、すなわち、高天井部屋11と連通する室内通気口15の方へと導かれて、室内通気口15を通って高天井部屋11へと流れ込む。
高天井部屋11においても、暖かい空気は、天井18に沿って流れていき、低天井の上階部屋12と連通する室内通気口15の方へと導かれ、室内通気口15を通って低天井の上階部屋12へと流れ込むこととなる。
同様に、低天井の上階部屋12においても、暖かい空気は、天井18に沿って流れていき、高天井の上階部屋13と連通する室内通気口15の方へと導かれ、室内通気口15を通って高天井の上階部屋13へと流れ込むこととなる。
そして、高天井の上階部屋13においては、暖かい空気は、天井18に沿って流れていき、外部へと連通する排気口16の方へと導かれ、排気口16を通って外部へと排出されることとなる。
以上のように、本実施形態によれば、暖かい空気が傾斜天井18に沿って上方へと流れていき、また、天井18の高い部屋へと順番に流れていくため、暖かい空気の流動効率を向上させることができ、吹き抜けや強制換気の設備等を設けなくても、有効に自然換気を行うことができる。
なお、外部給気口14から涼しい空気が流れ込むようにするためには、なるべく低い位置に外部給気口14を設ける方が望ましく、すなわち、各部屋の外部給気口14は当該部屋の床付近に設けることが望ましい。
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態は、前述した第1の実施形態における高天井部屋11をスキップフロアとして形成したことを特徴とする。
すなわち、図2に示すように、高天井部屋11の床の高さが、低天井部屋10の床の高さよりも高く形成されており、高天井部屋11が中2階の位置に設けられていることを特徴とする。
このように形成すれば、高天井部屋11の下にも部屋を設けることができ、部屋の天井18の高さが異なるという本発明の特徴を生かした上で、建物内部のスペースを有効に活用することができる。
更には、この中2階の高天井部屋11を建物内部の非居住空間(例えば収納空間)とすれば、更にスペースを有効に活用することができる。すなわち、建築基準法上の床面積の算定を考慮して、高天井部屋11の床から天井18までの高さを1.4m以下に抑えることも可能であり、このようにすれば、建築基準法上の容積率の基準を満たしつつも収納スペースを余分に確保することができる。
また、1階部分と2階部分との間に非居住空間を設けた場合には、この非居住空間が緩衝地帯となり、各階間の騒音の伝達を防ぐこともできる。
そして、このような第2の実施形態を採用した場合においても、第1の実施形態と同様の空気の流れが生まれるため、吹き抜けや強制換気の設備等を設けなくても、有効に自然換気を行うことができる。
(変形例)
上記説明では、2階建ての建物を例に挙げたが、本発明の実施形態としては2階建ての建物に限るものではない。すなわち、少なくとも、所定の隣接する2部屋において天井18の高さが異なっていれば良く、例えば、1階建てであっても良いし、3階建て以上であっても良い。例えば、1階建ての場合、本実施形態でいうところの高天井部屋11の天井18付近の室内通気口15を外部や屋根裏等へと連通させることにより、この室内通気口15を排気口として形成しても良い。
また、低天井部屋10および高天井部屋11のすべて、または一部を、通路として形成しても良い。例えば、図3に示すように、高天井部屋11の一部を通路としても形成しても良い。この図3の例では、高天井部屋11が通路21と居室部分22とで形成されている。すなわち、低天井部屋10と居室部分22との間に通路21を設けることにより、低天井部屋10と居室部分22とは通路21によって隔てられることとなっている。このため、この高天井部屋11の通路21は、低天井部屋10と壁17を隔てて隣接しており、また、高天井部屋11の居室部分22と壁を隔てて隣接している。そして、この通路21には3つの室内通気口15が設けられている。すなわち、低天井部屋10と連通する室内通気口15と、低天井部屋10より上方の他の空間12と連通する室内通気口15と、居室部分22と連通する室内通気口15と、の3つの室内通気口15である。このうち、他の空間12と連通する室内通気口15と居室部分22と連通する室内通気口15とは、通路21の天井付近に設けられている。また、高天井部屋11の居室部分22の天井18は、通路21へと連通する室内通気口15に向かって上り傾斜となるように形成されている。このため、図3に示すように、居室部分22の上方に滞留する暖かい空気は通路21へと流れ、通路21の上方に滞留する暖かい空気は低天井部屋10より上方の他の空間12へと流れていく。言い換えると、通路21および居室部分22からなる高天井部屋11の上方に滞留する暖かい空気は、他の空間12へと流れていくように形成されている。なお、このような通路21を設けた構造に関する変形例としては、この図3に示したような態様に限らない。例えば、居室部分22を設けずに通路21のみで高天井部屋11を形成しても良い。また、低天井部屋10を通路と居室部分とで形成したり、通路のみで形成しても良い。また、通路もしくは居室部分、またはこれらの両方を、第2の実施形態のようにスキップフロアとして形成しても良い。また、居室部分に代えて、収納スペースを設けることとしても良い。
また、天井18の高さが異なる部屋を複数の階に設けることとしても良い。例えば、本実施形態でいうところの高天井の上階部屋13を、低天井の上階部屋12よりも天井18が高くなるように形成するような態様が考えられる。
また、上記説明では、低天井部屋10の天井18のみを二重天井としたが、他の部屋の天井を同様に二重天井としても良い。また、これら他の部屋の二重天井の内部に吸音材を設けることとしても良い。
10 低天井部屋 11 高天井部屋
12 低天井の上階部屋 13 高天井の上階部屋
14 外部給気口 15 室内通気口
16 排気口 17 壁
18 天井 19 上天井
20 下天井 21 通路
22 居室部分

Claims (5)

  1. 低天井部屋と、低天井部屋よりも天井が高い高天井部屋と、が壁を隔てて隣接して設けられた建物において、
    前記低天井部屋には、外部と連通する外部給気口を設けるとともに、天井付近の壁面に前記高天井部屋と連通する室内通気口を設け、
    前記低天井部屋の天井は、前記室内通気口に向かって上り傾斜を形成していると共に、
    前記高天井部屋には、前記低天井部屋と連通する室内通気口が設けられた壁面と同一面上の天井付近に、前記低天井部屋より上方の他の空間と連通する室内通気口を設け、
    前記高天井部屋の天井は、前記他の空間と連通する室内通気口に向かって上り傾斜を形成していることを特徴とする、
    建物の換気構造。
  2. 前記低天井部屋または前記高天井部屋の少なくともいずれかの天井を、傾斜を設けた上天井と、水平に形成された通気可能な下天井と、を有する二重天井とし、
    前記天井付近に設けられた室内通気口は、前記上天井と前記下天井との間の空間に設けられていることを特徴とする、
    請求項1記載の建物の換気構造。
  3. 前記二重天井の内部に吸音材を設けたことを特徴とする、
    請求項記載の建物の換気構造。
  4. 前記高天井部屋は、前記低天井部屋よりも床が高く形成されてスキップフロアを形成していることを特徴とする、
    請求項1乃至のいずれかに記載の建物の換気構造。
  5. 前記高天井部屋は、建物内部の非居住空間であることを特徴とする、
    請求項記載の建物の換気構造。
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