JP6529291B2 - 建築物 - Google Patents
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Description
また、床面積の減少を避けるために、ダクトを外壁の外側に沿わせて配置することも考えられるが、この場合は、ダクト設置部分が建築物の外壁面に露出することになり、建築物の美観性を損いかねない問題点がある。
よって、床面積をより広く確保することができると共に、換気用ダクトを設けないことに伴って、コストダウンや、美観性の低下防止を図ることができる。
よって、柱の中空部を通した換気を効率よく行える。
このように、上下向きのそれぞれに対応して、自然換気の促進を図れる。
更には、ファン等の換気装置を利用した機械換気にも対応することができる。
また、介在空間は、室内空間と連通することで密閉性が低下し、例えば、アウター層に風荷重が作用しても、それに伴う内圧の上昇は緩和される。従って、アウター層とインナー層の部材設計において、風荷重はアウター層のみで負担し、インナー層は、風荷重の影響を除外して設計できるようになる。
その結果、インナー層の部材としては、高強度のガラス板等に限らず、例えば、障子程度の低強度で安価な材料を選択することができ、コストダウンを図ることができる。
一例としては、建築物の下層部の柱には、上層部に比べて大きな軸力が作用することとなる為、下層部の柱は高強度が得られる中実断面とし、上層部の柱に中空部を形成する等の対応が可能となる。よって、設計の自由度が向上する。
建物本体1は、例えば、鉄骨造や鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造やコンクリート充填鋼管構造等、何れの構造であってもよく、当該実施形態においては、鉄骨造とコンクリート充填鋼管構造との併用構造を採用している。
また、建物本体1の外周部の開口Kは、全面開口として構成され、そこには建物内外方向に間隔をあけた状態で並べて設けられたアウターガラスパネル(アウター層の一例)6と、インナーガラスパネル(インナー層の一例)7とを備えたダブルガラス仕切ゾーン(外壁の一例)Wが設けられ、屋外と室内との遮蔽が図られている(図3参照)。
インナーガラスパネル7は、例えば、透明のフロートガラスを用いて構成してあり、下端部には、インナーガラスパネル7の建物内側に広がる室内空間9と上述の介在空間8とを連通可能な連通口10が設けてある。
これによって、大きな軸力が作用することとなる下層部の柱の強度を高く設定できるようになる一方で、自然換気において中空部2Aを流通させる空気量が多くなる上層部側の換気経路Rの有効断面積を増加させることができ、設計の自由度が向上する。
尚、各第1流通口11には、図には示さないが、防火ダンパー、防煙ダンパー、防火・防煙ダンパー等のダンパーが設けてある。
当該実施形態では、柱2の上端部開口に水平方向に開口するフードカバー12aが取り付けてあり、雨水等が、中空部2Aに進入するのを防止している。
また、介在空間8内の空気が屋外に排出されるに伴って、室内空間9の空気が連通口10を通して、介在空間8内に引き込まれる。
この様に、連通口10から介在空間8、第1流通口、中空部2A、第2流通口12につながる換気経路Rが形成される。
更には、ファン等の送風装置を用いなくても、室内空間9の空気を、上述の換気経路Rを使用した重力換気によって屋外に排出することができる。
しかも、換気専用のダクトを設けることなく、柱2の中空部2Aを有効に活用して換気できるから、本来であればダクトを設けていた範囲も室内面積として自由に使用でき、室内有効床面積の増加が可能となる。
以下に他の実施の形態を説明する。
例えば、建物構造形式に関しては、鉄骨造とコンクリート充填鋼管構造との組み合わせに限るものではなく、他に、鉄骨造や鉄筋コンクリート造や鉄骨鉄筋コンクリート造等の単独(又は組み合わせた)構造形式や、それらを含めた複数の建物構造形式の組み合わせであってもよい。
勿論、外形は、先の実施形態で説明した4角形に限るものではなく、4以外の多角形であったり、円形や楕円形等であってもよい。
この実施形態においては、第1流通口11は、柱2の側部の内、室内空間9に面する部分と、介在空間8に面する部分とにそれぞれ設けてあり、それぞれの第1流通口11を通して、室内空間9と中空部2A、及び、介在空間8と中空部2Aの空気流通を図ることができる。
また、アウター層6に介在空間8と屋外空間とを連通させる連通口を形成した所謂「ダブルスキン」といった方式を採用することもできる。
即ち、外壁5Aを、ダブルガラス仕切ゾーンWで構成する場合は、所謂「エアフローウィンドウ」や「ダブルスキン」といった方式を採用することができる。
また、アウター層6やインナー層7の構成は、先の実施形態で説明したものに限定されない。例えば、アウター層6は、カーテンウォールで構成したり、サッシ等の建具を使用したものであってもよい。
また、インナー層7については、風荷重を負担しない場合、例えば、障子等の軽微な建具で構成してあってもよい。
このような建築物においては、柱2の配置は、平面視で、外壁5Aの室内側、又は、外壁5Aの室外側、又は、外壁5Aに入り込んだ位置に設けてあってもよい。
また、柱2の全長の内のコンクリートF充填領域は、適宜、変更することが可能で、例えば、図7に示すように、コンクリートF充填領域の高さが、複数段となるように設定してあってもよい。
また、コンクリートF充填対象の柱2間隔も、適宜設定することが可能で、一本飛ばし以外の間隔設定も可能である。
2 柱
2A 中空部
5A 外壁
6 アウターガラスパネル(アウター層の一例)
7 インナーガラスパネル(インナー層の一例)
8 介在空間
9 室内空間
10 連通口
11 第1流通口
12 第2流通口
K 開口
R 換気経路
Claims (3)
- 建物本体の構造体を構成する柱に、
前記柱の断面内で上下に伸びる中空部と、
前記柱の側面に開口して前記中空部と建物内とを空気流通可能に連通する第1流通口と、
前記第1流通口より上方の階層に位置し、前記中空部と屋外とを空気流通可能に連通する第2流通口と、を設け、
前記第1流通口と前記中空部と前記第2流通口とにわたる換気経路が確保されており、
前記建物本体の外壁に形成された開口に設けられると共に、建物内外方向に間隔をあけた状態で並べて設けられたアウター層、及び、インナー層を備え、
前記柱は、前記アウター層と前記インナー層との間の介在空間に前記第1流通口が臨む状態で、平面視で前記介在空間に入り込んでいる建築物。 - 前記インナー層に、前記アウター層とは反対側の室内空間と、前記介在空間とを連通可能な連通口を設けてある請求項1に記載の建築物。
- 前記建物本体は、複数階層を設けてあり、
前記柱は、前記第1流通口を設けてある階層から前記第2流通口を設けてある階層にわたって連続させて前記中空部を設けてある請求項1または2に記載の建築物。
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