JP2015168920A - 建物の換気構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】木造建物内の表面結露や特定の壁体内の内部結露を低減する。
【解決手段】木造軸組構造建物1の送風ユニット20からの送風を通過させる送風連通孔2Aが貫通形成された土台2と、土台2の上方に架設された各層をそれぞれ支持する胴差し4、軒桁6と、土台2と胴差し4あるいは胴差し4と軒桁6の間にそれぞれ立設された柱3とで囲まれた空間内を通気経路とする。さらに送風ユニット20からの空気流を、胴差し4、軒桁6の連通孔4A、6Aを介して上下方向に位置する通気経路間にわたり上昇させて小屋裏7まで導き、さらに建物外に排気する。
【選択図】図1

Description

本発明は建物の換気構造に係り、少ない送風量で建物内の表面結露や特定の壁体内の内部結露を低減できるようにした建物の換気構造に関する。
建物において、建物の結露を少なくして、室内環境を快適に保持するために、建物の壁体の内部に換気経路を設ける換気構造が提案されている(特許文献1)。この発明は、側壁部の外壁と通気性を有する内壁の間に通気層を構成し、夏季には、通気層内中の空気を強制排気して室内に対して負圧に維持し、また内壁を通じてVOCや湿気を緩やかに排出し、室内温度上昇を抑え、また、冬季には排気口を閉鎖して通気層を断熱層とし、室内温度降下を抑え、等の方法で、年間を通して室内環境を快適に保持する。
冬季に室内で発生した水蒸気によって窓ガラス、アルミサッシ窓枠等に表面結露が生じる。殊に、木造建物では、壁体内に内部結露が生じる。従って、一般に壁体を内壁(内装ボード等の内装材)と外壁(サイディング等の外装材)とで構成し、その間に断熱材等を収容する構造となっている。内壁側に防湿シート等の防湿層が無い場合には、室内で発生した水蒸気が壁体内に侵入し、室外と室内、或いは室内と家具等とに温度差が生じ、内部・外側が露点以下となると、断熱材や木材、家具・カーテンの表面に内部結露が生じる。内部・室内結露によって壁体・カーテン・家具でのカビ発生や躯体(主として、木材・漆喰等)・家具の腐朽の発生など、表面結露以上に木造建物に悪影響を及ぼす。
特許文献1に開示された発明では、内壁が透湿性材料で構成され、冬季に壁体内全体を断熱層として使用するようになっているため、外壁と壁体内部の断熱材との間に内部結露が生じてしまうおそれがある。
この問題を解消できる技術として特許文献2に開示した発明がある。この発明(通気断熱構造を備えた建築物の室内環境制御方法)では、戸外及び室内の水蒸気分圧を測定し、除湿機を制御動作させることで内部結露を低減している。
特開2012−2006号公報 特許第4108682号公報
特許文献1,2に開示された発明では、建物の外周壁に相当する壁体全体に通気層を設けるため、送風量が大きくる問題と、特許文献1では小屋裏の換気扇を大容量のものにする必要がある。また、特許文献2では、室内空気を排気する排気ファンが設置されるが、建物の全周に配置される内部通気層内及び床下の除湿対策のためには除湿機の能力も大きくする必要がある。
本発明の目的は上述した従来の技術が有する問題点を解消し、壁体の配置状態を考慮して、空気通路の構造と、その通路面積値とを特定することで、少ない送風量としつつ、壁体内の温度勾配を小さくし、小型の送風機の採用とともに、好ましくは、特定の壁体内での内部結露を低減することを意図する。そして、望ましくは、建物の壁体は南面側と北面側とでは内部結露の発生状況が異なる。そこで、壁体の配置に応じて異なった送風制御を行うことを意図する。
上記目的を達成するために、本発明の建物の換気構造は、建物の躯体(土台、横架材、柱、胴差し、壁部材、必要により、各階の床材)に開設した、それぞれの連通孔で、この建物を囲繞するように通気経路を形成し、この空気通路内を、一基、又は数基の送風機で発生する風を空気流として流すことで、最終的には、前記躯体の屋根空間内に排気し、当該建物外に排気することを特徴とする。
前記各通気経路内に断熱材が収容され、該断熱材の内外表面に沿って前記空気流が各通気経路内を上昇することが好ましい。
前記各通気経路の何れか一つに、開閉制御(開閉弁、逆止弁)を設けて、空気流の流れを制御することが好ましい。
また、前記送風源からの送風は、経路中間で分配され、土台に形成された各送風連通孔に独立した送風経路を介して供給されることが好ましい。
さらに、土台または横架材に形成された連通孔は、排気側が漸変拡幅された形状とすることが好ましい。
本発明によれば、小容量の送風量で建物各部の壁体内の送風量を個別に制御することができ、これにより内部結露の生じやすい壁体を特定して、その壁体内での温度勾配を個別に調節して小さくすることができ、それにより建物内の各部の壁体での内部結露発生を抑制することができるという効果を奏する。
本発明の建物の換気構造を組み込んだ建物全体の軸組構造と、その要部を一部省略して示した正面図。 換気構造の構成および横架材での通気状態を模式的に示した斜視図。 図2に示した横架材での通気状態の他の例を模式的に示した要部の斜視図。 図2に示した横架材での通気状態と、補強部材との関係を模式的に示した要部の拡大斜視図。 建物の壁体内での換気構造の構成および通気状態を模式的に示した拡大部分断面図。 床下に設置される送風ユニットを模式的に示した拡大斜視図。 横架材に形成される通気経路の一実施形態を示した拡大説明図。 横架材の通気経路に送風ファンを取り付けた他の実施形態を示した拡大説明図。 壁体内の通気経路の他の実施形態およびその通気状態を模式的に示した一部省略した斜視図。 壁体内の通気経路の他の実施形態およびその通気状態を模式的に示した一部省略した斜視図。 壁体内の通気経路の他の実施形態およびその通気状態を模式的に示した一部省略した斜視図。
以下、本発明の建物の換気構造の一実施形態としての基本構造について、図1〜図3を参照して説明する。図1は、本発明の建物の換気構造10(以下、単に換気構造10と記す。)の一実施形態を組み込んだ木造軸組構造建物1の全体構成を示した軸組図である。図2は、土台と、1階柱3(31)の上部に架設され、2階を支える横架材としての胴差し4と、屋根材5を支える軒桁6とを奥行き方向の関係が分かるように示した斜視図である。図3は、1階部分の壁体8(81)の詳細構成を示した部分断面図である。
図1に示したように、本発明の換気構造10は、基礎F上から土台2、胴差し4、軒桁6にわたり連続し、建物1の外周となる各部の壁体8に設置されている。建物1の基礎F上には本発明の換気構造10の送風ユニット20(後述、図4参照)が設置されている。この送風ユニット20から土台2の内面側位置まで複数本の2次送風ホース24が配管されている。この2次送風ホース24は土台2の連通孔2Aの送気口(図示せず)に接続されている。この連通孔2A(第1連通孔)は図2に示したように、隣接する柱3(31)間に所定間隔をあけて複数個が形成される。本実施形態では、柱間に2箇所の連通孔2Aが形成されている。これらの連通孔2Aは、図1、図2に示したように、土台2の内面側と上面とを結ぶような略L字形をなし、直管がつながる隅角部は緩い曲率がつけられ、送風時のロスを軽減するようになっている。本実施形態では連通孔2Aとしてφ18mmの円孔が採用されているが、孔径、個数は設定した送風量に応じて適宜決定することが好ましい。この連通孔2Aと他の各連通孔(後述する)には、図示しないが、開閉弁、逆止弁等の開閉制御装置をセットし、風量調整と、孔の開閉を司り、多様的な空気流れの確保と、結露回避の効率化、また送風量調整と、機材の耐久性確保とかが図れ、かつ客の要望等に対応することも可能である。
さらに、1階と2階との間に架設された横架材としての胴差し4にも複数の連通孔4A(第2連通孔)が形成されている。また、2階柱3(32)の上部に架設された横架材としての複数の軒桁6にも連通孔6A(第3連通孔)が形成されている。この連通孔4A(図示しないが、連通孔6Aも同じ)は、図2−1に示すように、胴差し4(軒桁材6)の端部4−4、及び/又は、柱3の近傍に設けて、この胴差し4の強度の低下を回避する。また、図2−2に示すように、環体、空間を備えた補強部材Cを嵌め込むことで、胴差し4の強度の低下を回避する。図1、図2、図3に示したように、連通孔4Aは、1階の壁体8内を上昇してきた内部空気を2階の壁体8(82)内に導く役割を果たす。また、連通孔6Aは、2階の壁体81内を上昇してきた内部空気を小屋裏7に導く役割を果たす。本実施形態では、各連通孔2A、4A、6A(第1連通孔、第2連通孔、第3連通孔)はいずれも同径の円孔で上下方向に連続して配置された柱3(31、32)間において、孔の軸芯が通るように等間隔に配置されている。これらの孔径、隣接する柱3間での配置数は各壁体8での設定送風量に応じて適宜決定できる。たとえば、図1において、図中、左側が南面を、右側が北面を示しているが、北面側に位置する居室R1があまり利用されないことが想定される場合には、冬季に室内温度が低温状態になりがちになる。その場合には、北面の外壁面となる壁体8の外壁と内壁との間の温度勾配を小さくすることが好ましい。そのために連通孔4Aの設置孔数を少なくし、かつ後述する2次送風ホース24の接続本数を少なくして暖気の送風量を調整するか、また、図示しないが、各通気経路に設けた開閉制御(開閉弁、逆止弁)で、空気流の流れを制御するか、あるいは、後述する送風機の2次送風ホース24の開閉制御で、空気流の流れを制御するか、により、対応することができる。
ここで、本発明の換気構造10における壁体内での通気状態について、図2、図3を参照して説明する。図3は、図1で示した壁体8の詳細構成と壁体8内での通気状態を示した部分断面図である。図2、図3に示したように、この木造軸組構造の壁体構造は、土台2と胴差し4との間の柱間に、その柱幅に納まる厚さの断熱材マット12を納め、マット両面を所定の壁体材料で覆った構造からなる。この断熱材マット12は防水断熱性を有する袋内にグラスウール等の断熱性の高い材料を充填した定尺マットである。各断熱材マット12は、図3に示したように、土台2と胴差し4と柱3とで囲まれた空間を密に埋めるように納められている。さらに室内面側には防湿シート13が断熱材マット12を覆うように張られている。その外面にたとえば木質系ボード等の内装板35が施工されている。一方、外面側には透湿防水シート14が断熱材マット12を覆うように縦胴縁36で押さえられるように張られている。この縦胴縁36の外面にサイディング等の外壁材37が取り付けられている。したがって、外壁材37と透湿防水シート14との間には、胴縁の厚さに相当する外側通気経路9が構成されている。外側通気経路9の下端には土台見切り38、上端には通気見切り39が設けられている。
本発明の換気構造10は、図3において、上述した壁体構造の土台2に形成された第1連通孔2Aと、胴差し4に形成された第2連通孔4Aとの間において内部通気経路11(111)を形成する。この例では、内装板35(壁体内側)の防湿シート13と外壁材37(壁体外側)の透湿防水シート14との間に、断熱材マット12が納めること内部通気経路11を形成する。従って、土台2の第1連通孔2Aからの空気は、内部通気経路11を通り、胴差し4まで上昇させることができる。さらに2階においては、図2に示したように、胴差し4から屋根材5の一部を支持する軒桁6に形成された第3連通孔6Aまでの間が内部通気経路11(112)の役割を果たす。そして内部通気経路11を経て小屋裏7まで上昇した空気流は、図示しない屋根の軒下あるいは妻面に形成された見切りや換気口を介して建物1外に排気される。
外部通気経路9の壁体面に張られている透湿防水シート14は、雨水が外部通気経路9内に浸入した場合でも、断熱材マット12が濡れるのを防止することができるが、透湿性があるため、降雨時などに外部の湿気を断熱材マット12が吸収してしまうことは防止できない。湿気を帯びた断熱材マット12の内外面に温度差が生じると、柱3の側面や土台2の上面に内部結露が生じ、木材の腐朽が進行するおそれがある。このような状態を回避するために、断熱材マット12の内外面に所定温度の低湿度風を送風させることで、断熱材マット12の内外面での温度勾配を小さくすることができる。これにより、壁体内で生じる内部結露を大幅に低減することができる。
また、冬季には低湿度で比較的高温の風を壁体内に送風して断熱材マット12を暖めた後、壁体内への送風を停止、遮断することで壁体内に比較的高温の断熱層を形成することもできる。
ここで、換気構造10に用いる送風ユニット20及び送風ユニット20の付属部材について図4を参照して説明する。本発明の換気構造10の実施形態で用いる送風ユニット20は、床下に配置した送風機21と、送風機21からの1次送風を各土台2への2次送風として振り分けを行う分配ボックス22と、1次送風ホース23と2次送風ホース24とから構成されている。尚、図示しないが、送風機21(ブロワ、換気扇、ファン)は、小屋裏7に設置することも可能である。また、床下と小屋裏7との双方に、送風機21を設けることも可能である。
本発明では、2次送風までを考慮しても送風総量が小さく、また居住空間の床下に設置するため、既製品のうち小型で低出力の静粛・低振動型ブロアが使用されている。分配ボックス22は、図示したような扁平の鋼製箱状をなし、各側面板22aには2次送風ホース24の直径に等しい開口(円孔)が押し抜き形成可能なパンチングプレス加工された弱め部22bが上下2段に、各面に16個ずつ配列されている。これらの配列された弱め部22bのうち、2次送風ホース24を接続する部位を押し抜いて開口を設け、図示しない樹脂製コネクタを介して2次送風ホース24の端部を接続させればよい。2次送風ホース24は、上述したように、建物1の配置、構造、用途等に応じて各壁体8で必要とされる送風量が確保できる本数が配管される。よって、分配ボックス22を設置する際に、2次送風ホース24の配管位置、方向に合った位置の側面板22aに開口を設ければよい。
なお、送風機21に付属する機器として、送風機21からの1次送風の温度、湿度を調節する温調機、除湿機と、それらの制御部としての温湿調節装置と、温湿調節装置に各壁体部の温度、湿度情報を伝えるセンサ群とを備えることで壁体内の送風状態を、精緻に制御することも可能である。
図5は、横架材としての胴差し4、軒桁6に形成される通気経路(連通孔)の加工例を示した説明図である。図5(a)は、上下を貫通するように設けられた貫通孔4a(φ18)に対して上面側からリーマー加工により円錐状拡幅孔4bを形成した加工例である。このように通気経路の排気側が漸変拡幅されることで、この横架材の上方に位置する断熱材マット12(図示せず)の内外面の広い範囲に効率よく上昇気流を送ることができる。図5(b)は、側面視して略二等辺三角形のスリット状の扁平なロート形状の拡幅孔4cを形成した加工例である。このような形状とすることにより、効率のよい上昇気流の確保が図られるとともに、横架材の断面欠損を最小限にして、部材強度を確保することができる。
図6は、他の実施形態として、図4に示した送風機21と分配ボックス22による送風システムに代えて、横架材としての軒桁6あるいは胴差し4に形成された各通気経路4a(6a)の排気側(部材の上面)に小型ファン40を取り付けた例を示した説明図である。同図では比較のために、1つの通気経路の排気側に小型ファン40が設置された状態が示されている。この小型ファン40は吸気ファンとして機能し、ファン40aの回転により横架材4(6)の通気経路4a(6a)を通じて下方空間の空気を吸気することができる。この小型ファン40は使用電力が小さいため、小型の太陽電池パネル41による発電で直流駆動させることができる。この実施形態では、個々の通気経路4a(6a)に小型ファン40を設置するため、ファン本体の交換などのメンテナンスを行うことが予想されるので、たとえば小屋裏に所定のクリアランスを設けて軒桁上に配列された小型ファン40の点検スペースを確保することが好ましい。なお、上述した太陽電池パネル41は住宅の屋根に設置されたものを利用することができる。その場合、小屋裏空間に配線網を設け、軒桁上に設置された複数個の小型ファン40を効率よく駆動させることができる。
以上の説明では、小型ファンを用いて送風を行う例にあげたが、本発明では内部通気経路に送られる送風量が小容量であるため、代替手段として壁面にヒートシンクをベースとしたペルチェ素子を配列して通電して通気経路内に温度差を生じさせることで、温度差による空気の流れを生じさせることもできる。また、年較差の小さい地中温度を利用して、基礎下の地中に送気管を配管した地中熱交換部を設け、この地中熱交換部で得た温熱(冷熱)を、送気管を介して内部通気経路に供給し、建物の効率的な換気を行うことも可能である。
図7〜図9は、断熱材マットの他の実施形態として、ポリスチレンフォーム断熱板50を用いた例を示している。これらの実施形態では、図7を例にとると、土台2と柱3(31)と胴差し4、あるいは胴差し4と柱3(32)と軒桁6とに囲まれた内部通気経路に相当する壁体空間部分を覆うように所定厚さのポリスチレンフォーム断熱板50が嵌め込まれている。このポリスチレンフォーム断熱板50としては、ポリスチレンフォーム本体と合板とを貼り合わせた合成部材が用いられている。これにより壁部分によって耐震性能を向上させることが可能となる。さらに各図に示したように、各断熱板には、各形状の通気管路51(512)が形成されている。この実施例は、例えば、壁体8の強度の向上等を意図する。
1階においては土台2の第1連通孔2Aと、胴差し4の第2連通孔4Aとの間には、通気管路512とを通じて土台2側から送気された空気を胴差し4まで上昇させることができ、かつ2階においては胴差し4の第2連通孔4Aから軒桁6の第3連通孔6Aまでの間が通気管路511が形成される。従って、第1連通孔2A、第2連通孔4A、及び通気管路51と、第2連通孔4A、第3連通孔4A、及び通気管路511を介して土台2側から小屋裏7まで所定風量の空気流を上昇させることができる。この空気流により断熱板が嵌め込まれた壁部分での内部結露の発生を抑えることができる。さらに通気管路51内を上昇する空気流によって心地よい音が創生される。この音が室内側に伝わることにより、生活空間において安らぎ感を得ることができるという効果も期待できる。
上述した通気管路51は、2枚のポリスチレンフォーム板の対向面にそれぞれ半円形状断面の半円形溝を形成し、それらを面合わせすることで断熱板内に円管状経路として構成される。図7は2本の通気管路51を筋交い形状に設けた例である。このような形状とすることにより、通気経路の延長を延ばすことができ、土台から軒桁までの内部通気経路としての断熱板内を上昇する空気流によって壁体部分の内外の温度勾配を効果的に小さくすることができる。図中、矢印は、空気流の流れを示す(他の例も同じ)。
図8、図9に示した通気管路51は、図7に示した通気管路51に比べて短い経路からなる。これにより断熱板の断面欠損が小さくでき、断熱板の剛性低下を抑えることができる。また、通気管路51の形状を直管形状(図8)と、湾曲管(図9)とすることで空気流によって生じる音の音色、高低に変化をつけることができること、顧客の要望に応え得ること、等の実用性も可能となる。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、各請求項に示した範囲内での種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲内で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態も、本発明の技術的範囲に含まれる。
1 建物
2 土台
3 柱
4 胴差し
5 屋根材
6 軒桁
7 小屋裏
8 壁体
9 外部通気経路
10 換気構造
11 内部通気経路
12 断熱材マット
20 送風ユニット
21 送風機
24 2次送風ホース
50 ポリスチレンフォーム断熱板
51 通気管路
本発明の目的は上述した従来の技術が有する問題点を解消し、壁体の配置状態を考慮して、空気通路の構造と、その通路面積値とを特定することで、少ない送風量としつつ、壁体内の温度勾配を小さくし、小型の送風機の採用とともに、好ましくは、特定の壁体内での内部結露を低減することを意図する。そして、望ましくは、建物の壁体は南面側と北面側とでは内部結露の発生状況が異なる。そこで、壁体の配置に応じて異なった送風制御を行うことを意図する。さらに、土台と、胴差し、又は柱とで囲まれた空間を密に埋めるように納められている防湿シートで覆われた断熱材マットの内外面に所定温度の低湿度風を送風し、この断熱材マットの内外面での温度勾配を小さくする構成とし、壁体内で生じる内部結露を大幅に低減することを意図する。
上記目的を達成するために、本発明の建物の換気構造は、建物の躯体の土台、柱、胴差し、必要により、各階の床材に開設した、それぞれの連通孔で、この建物を囲繞するように通気経路を形成し、この通気経路内を、一基、又は数基の送風機で発生する風を空気流として流し、前記躯体の屋根空間内に排気し、当該建物外に排気する建物の換気構造において、
前記土台と、前記胴差し、又は前記柱とで囲まれた空間を密に埋めるように納められている防湿シートで覆われた断熱材マットの内外面に所定温度の低湿度風を送風し、この断熱材マットの内外面での温度勾配を小さくすることを特徴とする。
前記各通気経路内に断熱材マットが収容され、該断熱材マットの内外表面に沿って前記空気流が各通気経路内を上昇することが好ましい。

Claims (5)

  1. 建物の躯体(土台、横架材、柱、胴差し、壁部材、必要により、各階の床材)に開設した、それぞれの連通孔で、この建物を囲繞するように通気経路を形成し、この空気通路内を、一基、又は数基の送風機で発生する風を空気流として流すことで、最終的には、前記躯体の屋根空間内に排気し、当該建物外に排気することを特徴とする建物の換気構造。
  2. 前記各通気経路内に断熱材が収容され、該断熱材の内外表面に沿って前記空気流が各通気経路内を上昇するようにした請求項1に記載の建物の換気構造。
  3. 前記前記各通気経路の何れか一つに、開閉制御(開閉弁、逆止弁)を設けて、空気流の流れを制御するようにした請求項1に記載の建物の換気構造。
  4. 前記送風源からの送風は、経路中間で分配され、前記土台に形成された各送風連通孔に独立した送風経路を介して供給されるようにした請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の建物の換気構造。
  5. 土台または横架材に形成された連通孔は、排気側が漸変拡幅された形状からなる請求項1に記載の建物の換気構造。
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