JP5512457B2 - 赤外線用結像レンズおよび撮像装置 - Google Patents

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Description

本発明は、赤外線用結像レンズおよび撮像装置に関し、例えば3μm以上13μm以下の波長帯での使用に好適な赤外線用結像レンズおよび該赤外線用結像レンズを備えた撮像装置に関するものである。
従来、暗所での撮影や物体の温度分布の観測等を行うために、赤外線を利用した撮像装置が用いられている。このような装置に用いられる赤外線レンズは、2枚または3枚という少ないレンズ枚数で良好な光学性能を得るために、非球面や回折光学面を用いることが有効である。例えば、下記特許文献1〜3には、非球面または回折光学面を用いた3枚構成の赤外線用レンズが記載されている。
現在の赤外線センサは画素サイズが25μmのものが主流となっており、本発明者はそれに対応した全画角が34°程度の2枚構成の赤外線用結像レンズを下記特許文献4において提供している。
特表2006−525555号公報 特開2007−241032号公報 特開2009−063942号公報 特願2009−289353号
ところで、近年では赤外線センサの画素サイズがさらに小さい17μmのものが開発されている。そのため、このセンサに対応する光学性能を有し、十分な結像性能が確保された赤外線用結像レンズが要望されるようになってきている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、近年開発された画素サイズが小さな赤外線センサに対応可能で、十分良好な結像性能を有する赤外線用結像レンズ、および該赤外線用結像レンズを備えた撮像装置を提供することを目的とするものである。
本発明の赤外線用結像レンズは、物体側から順に、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の正の単レンズである第1レンズと、物体側に凹面を向けた負の単レンズである第2レンズと、物体側に凸面を向けた正の単レンズである第3レンズとが配列されてなる3枚構成であり、第1レンズおよび第2レンズのそれぞれの両面が非球面であり、第1レンズの物体側の非球面は中心に比べて有効径端における曲率半径の絶対値が大きい形状であり、下記条件式(1)、(2−2)、(3−2)を満足することを特徴とするものである。
1.2<f×(n−1)/(Fno×r)<3.0 … (1)
2.40≦f12/f<6.5 … (2−2)
0.39≦d12/f≦0.53 … (3−2)
ただし、
f:全系の焦点距離
n1:第1レンズの設計基準波長に対する屈折率
Fno:全系のF値
R1:第1レンズの物体側の面の光軸上の曲率半径
f12:第1レンズと第2レンズの合成焦点距離
d12:第1レンズと第2レンズの光軸上の間隔
なお、上記の第1レンズに関する「物体側に凸面を向けたメニスカス形状の正の単レンズ」、第2レンズに関する「物体側に凹面を向けた負の単レンズ」は近軸領域におけるものである。また、上記の第3レンズに関する「物体側に凸面を向けた正の単レンズ」は、第3レンズが非球面レンズの場合は近軸領域におけるものとする。
なお、有効径端とは、レンズの仕様や開口絞り径に基づき光線を入射させ、結像に寄与する全光線とレンズ面とが交わる点を考えたときの、各径方向における最も外側(光軸から最も離れた位置)の点を意味する。
本発明の赤外線用結像レンズにおいては、第1レンズまたは第3レンズが回折光学面を有し、第2レンズの像側の非球面は、該面の中心付近の点における該面の法線と光軸との交点が該面より物体側にあり、中心付近以外で該面の法線と光軸との交点が該面より像側となる点を有するような形状であることが好ましい。なお、ここでいう「中心付近」とは、近軸領域である。
また、本発明の赤外線用結像レンズにおいては、下記条件式()〜(6)のうちのいずれか1つ、または任意の組合せを満たすことが好ましい
.2<f1/f<2.3 … (4)
1.2<|f2|/f<10.0 … (5)
0.6<f3/f<1.4 … (6)
ただし、
f:全系の焦点距
1:第1レンズの焦点距離
f2:第2レンズの焦点距離
f3:第3レンズの焦点距離
また、本発明の赤外線用結像レンズにおいては、第1レンズ、第2レンズおよび第3レンズの材料がカルコゲナイドガラスまたは硫化亜鉛であり、波長が3μm以上13μm以下の範囲内で使用されるものであることが好ましい。
本発明の撮像装置は、上記記載の本発明の赤外線用結像レンズを備えたことを特徴とするものである。
本発明によれば、レンズ系を3群3枚構成とし、各レンズの屈折力や形状を好適に設定し、少なくとも4面を非球面として非球面を効果的に配置し、最も物体側の非球面の形状を好適に設定し、条件式(1)、(2−2)、(3−2)を満たすように構成しているため、近年開発された画素サイズが小さな赤外線センサに対応可能で、十分良好な結像性能を有する赤外線用結像レンズ、および該赤外線用結像レンズを備えた撮像装置を提供することができる。
本発明の実施例1の赤外線用結像レンズのレンズ構成を示す断面図 本発明の実施例2の赤外線用結像レンズのレンズ構成を示す断面図 本発明の実施例3の赤外線用結像レンズのレンズ構成を示す断面図 本発明の実施例4の赤外線用結像レンズのレンズ構成を示す断面図 本発明の実施例5の赤外線用結像レンズのレンズ構成を示す断面図 図6(A)〜図6(J)は本発明の実施例1の赤外線用結像レンズの各収差図 図7(A)〜図7(J)は本発明の実施例2の赤外線用結像レンズの各収差図 図8(A)〜図8(J)は本発明の実施例3の赤外線用結像レンズの各収差図 図9(A)〜図9(J)は本発明の実施例4の赤外線用結像レンズの各収差図 図10(A)〜図10(J)は本発明の実施例5の赤外線用結像レンズの各収差図 第2レンズの像側の非球面形状を説明するための図 本発明の実施形態にかかる撮像装置を含む撮像システムの概略構成図
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1〜図5は、本発明の実施形態にかかる赤外線用結像レンズの構成を示す断面図であり、それぞれ後述の実施例1〜実施例5に対応している。図1〜図5において、左側が物体側、右側が像側である。図1〜図5に示す符号Ri(iは整数)、符号Di(iは整数)はそれぞれ、曲率半径、面間隔を示すものであり、これらについては、後述の実施例の説明において詳述する。
本実施形態の赤外線用結像レンズは、物体側から順に配列された、第1レンズL1、第2レンズL2、第3レンズL3の3枚の単レンズからなる3群3枚構成である。
なお、図1〜図5には、赤外線用結像レンズが撮像装置に適用される場合を考慮して、赤外線用結像レンズの結像位置を含む像面Simに配置された撮像素子5も図示している。また、図1〜図5では、第3レンズL3と撮像素子5の間に、カバーガラスや各種フィルタ等を想定した平行平面板状の光学部材PPが配置された例を示している。
第1レンズL1は、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の正の単レンズである。第2レンズL2は、物体側に凹面を向けた負の単レンズである。第3レンズL3は、物体側に凸面を向けた正の単レンズである第3レンズL3である。
開口絞りStは、例えば第1レンズL1の像側の面と光軸Zとの交点より像側、あるいはこの交点と第1レンズL1の物体側の面頂点との間に配置することができる。なお、図1〜図5に示す開口絞りStは形状や大きさを表すものではなく、光軸方向における位置を示すものであり、図1〜図5では光軸上および第1レンズL1より外側の位置に図示している。
第1レンズL1の物体側の面および像側の面は非球面である。第2レンズL2の物体側の面および像側の面は非球面である。第1レンズL1の物体側の非球面は、レンズの中心における曲率半径の絶対値に比べて、有効径端における曲率半径の絶対値の方が大きくなるような形状とされている。
また、この赤外線用結像レンズは、下記条件式(1)を満足するように構成されている。
1.2<f×(n−1)/(Fno×r)<3.0 … (1)
ただし、
f:全系の焦点距離
n:第1レンズL1の設計基準波長に対する屈折率
Fno:全系のF値
r:第1レンズL1の物体側の面の光軸上の曲率半径
赤外線用のセンサは、入射した赤外線の熱エネルギーを電子変換するため、可視光用のセンサとは異なり、センサ周辺の熱ノイズを受けやすい。このため、S/N比を良くするには光学系は小さいF値が必要とされ、その小さいF値に対応した球面収差補正が必要となる。
上記構成の赤外線用結像レンズによれば、3枚構成で、そのうち物体側の2枚のレンズの両面を非球面として効果的に非球面を用い、各レンズのパワーや形状、最も物体側の非球面の形状を好適に設定して、構成の最適化を図るようにしているため、小さなF値の光学系においても良好な球面収差補正が可能となり、また諸収差を良好に補正でき、良好な結像性能を実現することができる。
上記条件式(1)は、良好な球面収差補正を行うための条件である。条件式(1)の下限を下回っても、条件式(1)の上限を上回っても、第1レンズL1での適切な屈折が得られないため、小さいF値に対して十分な球面収差補正を行うことができない。
この赤外線用結像レンズにおいては、第1レンズL1または第3レンズL3が回折光学面を有することが好ましい。正レンズである第1レンズL1または第3レンズL3に回折光学面を設けることで、良好な収差補正が可能になり、高い結像性能を実現することができる。
例えば、第1レンズL1の像側の面に回折光学面を設けることにより、軸上色収差の補正に有利となり、第3レンズL3の像側の面に設けることにより、倍率色収差の補正に有利となる。回折光学面は第1レンズL1の像側の面のみに設けてもよく、第3レンズL3の像側の面のみに設けてもよく、あるいは第1レンズL1の像側の面と第3レンズL3の像側の面両方に設けてもよい。凹面を回折光学面とした場合には、加工性の点で有利となる。
第2レンズL2の像側の非球面は、該面の中心付近における該面の法線と光軸Zとの交点が該面より物体側にあり、該面の中心付近以外で該面の法線と光軸Zとの交点が該面より像側となる点を有するような形状であることが好ましい。例えば、図11に示すように、第2レンズL2の像側の面S5の中心近傍の点P1におけるこの面S5の法線H1が光軸Zと交わる点K1は、面S5より物体側に位置し、第2レンズL2の像側の面S5の周辺近傍の点P2におけるこの面S5の法線H2が光軸Zと交わる点K2は、面S5より像側に位置するように構成することが好ましい。
すなわち、第2レンズL2の像側の面は、中心およびその付近で凸形状となり、中心付近以外で凹形状となる部分を有することが好ましい。このように構成することにより、結像領域の中心だけでなく周辺部についても諸収差を良好に補正でき、高い解像力を得ることができ、良好な結像性能を有することができる。
なお、第3レンズL3も非球面を有するように構成してもよい。第1レンズL1〜第3レンズL3の全ての面を非球面とした場合には、より良好な結像性能を得ることができる。
さらに、この赤外線用結像レンズは下記条件式(2)〜(6)のいずれか1つ、または任意の2つ以上の組合せを適宜選択的に満足するように構成されていることが好ましい。
2.0<f12/f<6.5 … (2)
0.3<d12/f<0.65 … (3)
1.2<f1/f<2.3 … (4)
1.2<|f2|/f<10.0 … (5)
0.6<f3/f<1.4 … (6)
ただし、
f:全系の焦点距離
f12:第1レンズと第2レンズの合成焦点距離
d12:第1レンズと第2レンズの光軸上の間隔
f1:第1レンズの焦点距離
f2:第2レンズの焦点距離
f3:第3レンズの焦点距離
条件式(2)は、第1レンズL1と第2レンズL2の合成焦点距離の適切な範囲を規定するものである。条件式(2)の下限を下回ると、第1レンズL1と第2レンズL2の合成パワーが強くなり、十分な球面収差・コマ収差の補正が困難となる。条件式(2)の上限を上回ると、第3レンズL3へパワーの負荷がかかり、像面湾曲・非点収差の補正が困難となる。
条件式(3)は第1レンズL1と第2レンズL2の適切な間隔を規定するものである。条件式(3)の下限を下回ると、十分な像面湾曲補正を行うことができなくなる。条件式(3)の上限を上回ると、第2レンズL2、第3レンズL3での十分なコマ収差補正が出来なくなるとともに、バックフォーカスが短くなる。赤外用の撮像装置のうち、冷却タイプのものは、撮像素子付近にコールドシールドと呼ばれる冷却部材を配置するため、ある程度の長さのバックフォーカスが要求される。
条件式(4)は第1レンズL1の適切な焦点距離の範囲を規定するものである。条件式(4)の下限を下回ると、第1レンズL1のパワーが大きくなり、球面収差・コマ収差の補正が困難となるとともに、バックフォーカスを長くすることが出来なくなる。条件式(4)の上限を上回ると、第3レンズL3のパワーが強くなり、像面湾曲の補正が困難となる。
条件式(5)は第2レンズL2の適切な焦点距離の範囲を規定するものである。条件式(5)の下限を下回っても、条件式(5)の上限を上回っても、像面湾曲の補正が困難となるとともに、色収差のバランスが悪くなる。
条件式(6)は第3レンズL3の適切な焦点距離の範囲を規定するものである。条件式(6)の下限を下回ると、第3レンズL3のパワーが強くなり、十分な像面湾曲補正ができなくなる。条件式(6)の上限を上回ると、逆に第3レンズL3のパワーが弱くなり、非点収差・コマ収差のバランスが悪くなる。
さらにまた、この赤外線用結像レンズは、下記条件式(1−1)〜(6−1)のいずれか1つ、あるいは任意の組合せを満たすことがより好ましい。上述した条件式(1)〜(6)それぞれに代わり、条件式(1−1)〜(6−1)それぞれを満たすように構成することで、条件式(1)〜(6)それぞれにより得られる効果をさらに高めることができる。
1.3<f×(n−1)/(Fno×r)<2.5 … (1−1)
2.2<f12/f<6.0 … (2−1)
0.35<d12/f<0.6 … (3−1)
1.35<f1/f<2.0 … (4−1)
1.3<|f2|/f<9.0 … (5−1)
0.7<f3/f<1.2 … (6−1)
この赤外線用結像レンズは、例えば3μm以上13μm以下の波長範囲で使用されるものとしてもよい。この波長域において良好な光学性能を得るためには、第1レンズL1、第2レンズL2および第3レンズL3の材料がカルコゲナイドガラスまたは硫化亜鉛であることが好ましい。カルコゲナイドガラスとは、S(硫黄)、Se(セレン)、Te(テルル)という、一般にカルコゲン元素と呼ばれる互いに性質の似通った一連の元素のいずれかを、成分として含むガラスである。
カルコゲナイドガラスは、赤外光に対する透過率が高く、ゲルマニウムよりも安価であり、ゲルマニウムに比べ加工しやすいという特長を有する。ただし、カルコゲナイドガラスは、ゲルマニウムよりも分散が大きいため、カルコゲナイドガラスを材質とし、かつ色収差の補正を良好に行いたい場合は、少なくとも1面の回折光学面を有するように構成し、色収差補正を行うことが好ましい。
次に、本発明にかかる赤外線用結像レンズの具体的な数値実施例について説明する。本発明の実施例1〜5の赤外線用結像レンズのレンズ断面図は、それぞれ図1〜図5に示したものである。実施例1の赤外線用結像レンズの基本レンズデータ、非球面データ、回折光学面データをそれぞれ表1〜表3に示す。同様に、実施例2〜5の赤外線用結像レンズの基本レンズデータ、非球面データ、回折光学面データをそれぞれ表4〜表15に示す。以下では、表中の記号の意味について、まとめて説明する。
基本レンズデータの各表では、開口絞りStを1番目の構成要素とし、2番目以降は物体側から像側に向かって順に配列されている開口絞りSt以外の構成要素を順に記載している。例えば、Si(i=1、2、3、…)の欄には、開口絞りStを第1面、第1レンズL1の物体側の面を第2面、第1レンズL1の像側の面を第3面、第2レンズL2の物体側の面を第4面として、物体側から像側に向かって順次増加するように符号を付したi番目の面番号を示している。最終面である第10面は像面Simである。
同様に、Riの欄にはi番目の面の曲率半径を示し、Diの欄にはi番目の面とi+1番目の面との光軸Z上の面間隔を示している。Niの欄にはi番目の面とi+1番目の面の間の媒質の設計基準波長に対する屈折率を示している。実施例1〜5の設計基準波長は10μmである。なお、基本レンズデータに記載の曲率半径の値は、光軸近傍の曲率半径である。また、曲率半径の符号は、面形状が物体側に凸の場合を正、像側に凸の場合を負としており、面間隔の符号は物体側から像側へ向かう方向を正、逆方向は負としている。
基本レンズデータの各表の面番号の右の欄において「AS」を付した面は非球面であり、「DOE」を付した面は回折光学面である。例えば実施例1の第3面は「AS・DOE」と付されており、この面は非球面形状を基本形状として回折光学面となっている。
基本レンズデータの各表の材料の欄には、各構成要素の材料名を記している。ここに示す実施例では屈折率の異なる2種類のカルコゲナイドガラスを用いており、区別するためにカルコゲナイド1、カルコゲナイド2と表記している。カルコゲナイド1、カルコゲナイド2、およびその他材料として用いられている硫化亜鉛、ゲルマニウムの波長8μm、10μm、12μmに対する屈折率のデータを表16に示す。
基本レンズデータにおける長さの単位としてはここではmmを用いているが、光学系は比例拡大又は比例縮小しても使用可能なため、単位はmmに限定されることはなく、他の適当な単位を用いることもできる。
非球面データの各表には、非球面の面番号と、各非球面に関する非球面係数k、Am(m=3、4、5、…10)を示す。非球面係数の数値の「E−j」(j:整数)は、「×10−j」を意味し、「E+j」(n:整数)は、「×10+j」を意味する。非球面係数k、Amは、下記非球面式におけるものである。
Zd=C・h/[1+{1−(k+1)・C・h1/2]+ΣAm・h
ただし、
Zd:非球面深さ(高さhの非球面上の点から、非球面頂点が接する光軸に垂直な平面
に下ろした垂線の長さ)
h:高さ(光軸からのレンズ面までの距離)
C:近軸曲率
k、Am:非球面係数(m=3、4、5、…10)
回折光学面データの各表には、回折光学面の面番号と、各回折光学面に関する回折面係数Pk(k=2、3、4)を示す。各レンズに施された回折光学面は、基本形状となる巨視的なレンズ形状と、回折光学面が持つべき光路長の付加量を光軸Zからの高さhの関数で示した光路差関数Φ(h)とにより表される。光路差関数Φ(h)は以下の式で表される。
Φ(h)=λ/(2π)×ΣPk・h
ここで、λは波長であり、回折光学面によって付加される光路長の範囲は0〜−λとする。
Figure 0005512457
Figure 0005512457
Figure 0005512457
Figure 0005512457
Figure 0005512457
Figure 0005512457
Figure 0005512457
Figure 0005512457
Figure 0005512457
Figure 0005512457
Figure 0005512457
Figure 0005512457
Figure 0005512457
Figure 0005512457
Figure 0005512457
Figure 0005512457
上記実施例1〜5の赤外線用結像レンズにおける各種データおよび上記条件式(1)〜(6)に対応する値を表17に示す。条件式(1)のn、r、条件式(3)のd12がそれぞれ、上記実施例の基本レンズデータの表のN2、R2、D3に対応する。
表17において、長さの単位にはmmを用い、角度の単位には度を用いている。表17に示す値は波長10μmにおけるものである。
Figure 0005512457
上記実施例1〜5の赤外線用結像レンズの各収差図をそれぞれ、図6(A)〜図6(J)、図7(A)〜図7(J)、図8(A)〜図8(J)、図9(A)〜図8(J)、図10(A)〜図10(J)に示す。以下に実施例1の収差図を例にとり説明するが、他の実施例の収差図についても同様である。
実施例1の赤外線用結像レンズの収差図として、図6(A)〜図6(C)には球面収差、非点収差、ディストーション(歪曲収差)の各収差図を示し、図6(D)〜図6(G)にはタンジェンシャル方向の横収差の収差図を示し、図6(H)〜図6(J)にはサジタル方向の横収差の収差図を示す。各収差図には波長10μmを基準とした収差を示すが、球面収差図には波長8μm、波長12μmのものも示す。球面収差図のFno.はF値を意味し、その他の収差図のωは半画角を意味する。横収差図では、同じ画角のタンジェンシャル方向の収差とサジタル方向の収差を左右方向に並べて示しているが、ω=0のものについてはタンジェンシャル方向とサジタル方向の横収差は同じであるためタンジェンシャル方向についてのみ示す。
以上のデータからわかるように、実施例1〜5の赤外線用結像レンズは、3群3枚構成のレンズ系において、約1.0の小さなF値を達成しながら、全画角が35〜40°程度と当該分野においては比較的広い画角を有し、各収差が良好に補正されて、良好な結像性能を有する光学系を実現している。
次に、本発明の一実施形態にかかる撮像装置について説明する。図12に、本発明の実施形態にかかる赤外線用結像レンズを適用した赤外線撮像システム100を示す。赤外線撮像システム100は、赤外線カメラ110と演算・表示装置120とを含んで構成される。図12に示す例では、赤外線カメラ110と演算・表示装置120とは、コード115により電気的に接続されているが、コード115を用いず、無線通信等により接続するようにしてもよい。
赤外線カメラ110は、本発明の一実施形態にかかる撮像装置であり、本発明の実施形態にかかる赤外線用結像レンズ1と、撮像素子5と、筐体6とを含んで構成される。なお、図12では、赤外線用結像レンズ1は概略的に示している。撮像素子5は、赤外線用結像レンズ1により形成された光学像を撮像して電気信号に変換する素子である。赤外線用の撮像素子としては例えば、熱型の赤外センサや量子型の赤外センサを用いることができる。熱型の赤外センサとしては例えば、ボロメータ、マイクロボロメータがある。量子型の赤外センサとしては例えば、HgCdTeやInSbのような光導電セルを用いたものがある。
赤外線用結像レンズ1により得られた像は撮像素子5により電気信号に変換され、赤外線カメラ110に接続された演算部121へ伝送される。演算・表示装置120は、演算部121と、表示部122と、入力部123とからなる。撮像素子5から伝送された画像信号は、使用者が入力部123を用いて入力した指示に基づき演算部121により演算処理された後、この演算処理で得られた画像が表示部122に表示される。例えば、赤外線カメラ110で撮像された被写体の像および被写体の温度分布が、演算部121での演算処理を経た後、表示部122でカラー表示される。
図12には示されていないが、赤外線用結像レンズ1の最も像側のレンズと撮像素子5との間には、レンズを装着するカメラ側の構成に応じて、撮像素子を保護するためのカバーガラスや、被写体以外からの熱放射の影響を低減するためのコールドシールドや、各種フィルタ等の光学部材を配置してもよい。また、撮像用のシャッタ機構が設けられていてもよい。
以上、実施形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施形態および実施例に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、レンズの曲率半径、面間隔、屈折率、非球面係数、回折面係数等の値は、上記各数値実施例で示した値に限定されず、他の値をとり得るものである。
1 赤外線用結像レンズ
5 撮像素子
100 赤外線撮像システム
110 赤外線カメラ
120 演算・表示装置
L1 第1レンズ
L2 第2レンズ
L3 第3レンズ
PP 光学部材
Sim 像面
St 開口絞り
Z 光軸

Claims (7)

  1. 物体側から順に、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の正の単レンズである第1レンズと、物体側に凹面を向けた負の単レンズである第2レンズと、物体側に凸面を向けた正の単レンズである第3レンズとが配列されてなる3枚構成であり、
    前記第1レンズおよび前記第2レンズのそれぞれの両面が非球面であり、前記第1レンズの物体側の非球面は中心に比べて有効径端における曲率半径の絶対値が大きい形状であり、
    下記条件式(1)、(2−2)、(3−2)を満足することを特徴とする赤外線用結像レンズ。
    1.2<f×(n−1)/(Fno×r)<3.0 … (1)
    2.40≦f12/f<6.5 … (2−2)
    0.39≦d12/f≦0.53 … (3−2)
    ただし、
    f:全系の焦点距離
    n:第1レンズの設計基準波長に対する屈折率
    Fno:全系のF値
    r:第1レンズの物体側の面の光軸上の曲率半径
    f12:第1レンズと第2レンズの合成焦点距離
    d12:第1レンズと第2レンズの光軸上の間隔
  2. 前記第1レンズまたは前記第3レンズが回折光学面を有し、
    前記第2レンズの像側の非球面は、該面の中心付近の点における該面の法線と光軸との交点が該面より物体側にあり、中心付近以外で該面の法線と光軸との交点が該面より像側となる点を有するような形状であることを特徴とする請求項1記載の赤外線用結像レンズ。
  3. 下記条件式(4)を満足することを特徴とする請求項1または2記載の赤外線用結像レンズ。
    1.2<f1/f<2.3 … (4)
    ただし、
    f1:第1レンズの焦点距離
  4. 下記条件式(5)を満足することを特徴とする請求項1からのいずれか1項記載の赤外線用結像レンズ。
    1.2<|f2|/f<10.0 … (5)
    ただし、
    f2:第2レンズの焦点距離
  5. 下記条件式(6)を満足することを特徴とする請求項1からのいずれか1項記載の赤外線用結像レンズ。
    0.6<f3/f<1.4 … (6)
    ただし、
    f3:第3レンズの焦点距離
  6. 前記第1レンズ、前記第2レンズおよび前記第3レンズの材料がカルコゲナイドガラスまたは硫化亜鉛であり、波長が3μm以上13μm以下の範囲内で使用されるものであることを特徴とする請求項1からのいずれか1項記載の赤外線用結像レンズ。
  7. 請求項1からのいずれか1項記載の赤外線用結像レンズを備えたことを特徴とする撮像装置。
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