JP5602577B2 - 光学系及び光学機器 - Google Patents
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Description
0<βasph<2.0
0<βasph<2.0 … (1)
ここで、非球面のうち最も物体側に配置された面より像側の近軸横倍率とは、その非球面を含まず、その非球面の次に像側に配置された面からの近軸横倍率である。例えば、光学系において物体側から数えて第k面に非球面が配置されている場合、近軸横倍率βasphは、物体側から数えて第k+1面からの像側の近軸横倍率である。
0.5<βasph<2.0 … (1a)
式(1a)の下限を下回ると、逆に非球面の敏感度が下がり過ぎ、収差補正が困難となる。また、式(1a)は以下の式(1b)で表される範囲とすることがより好ましい。
0.5<βasph<1.5 … (1b)
更に、式(1b)は以下の式(1c)で表される範囲とすることがより好ましい。
0.5<βasph<1.0 … (1c)
本実施形態の光学系における第1レンズ群L1は、第1部分レンズ群L1a及び第2部分レンズ群L1bから成り、それぞれ、正の単レンズ及び正と負のレンズ1枚ずつ有する。通常、テレフォトタイプの望遠レンズの第1レンズ群L1の枚数は、色収差と全長のバランスによって決まる。また、テレフォトタイプの光学系は、レンズ全長よりも焦点距離が長い。テレフォトタイプの望遠レンズの第1レンズ群L1は、軸上近軸光線と瞳近軸光線の通過高さが共に比較的高いため、特に軸上色収差と倍率色収差補正に有効である。全長を短くして色収差も良好に補正しようとすると、第1レンズ群L1のレンズ枚数を増やさざるをえない。逆に、全長を長くして色収差もある程度良ければ、第1レンズ群L1のレンズ枚数は少なくなる。一般的に、市販されている望遠レンズの場合、性能と共に携帯性も重要な要因となる。このため、第1レンズ群L1には、4枚〜6枚程度のレンズが配置され、色収差を良好に補正しつつ、全長も長くなりすぎないようにしている。
0<{D/2−Lab×(D/2/f1a)}/(D/2)<0.9 …(2)
ここで、fは光学系の全系の焦点距離、Fnoは光学系の開口比(Fナンバー)、f1aは第1部分レンズ群L1aの焦点距離、Lab(mm)は第1部分レンズ群L1aと第2部分レンズ群L1bの光軸上の間隔である。また、Dは以下の式(a)で定義される値である。
D=f/Fno … (a)
以下、条件式(2)について詳述する。条件式(2)の左辺は、第1部分レンズ群L1aと第2部分レンズ群L1bの有効径の比を近似的に表した式である。
φ1a=f/Fno … (b)
上記式(b)で表されるように、第1部分レンズ群L1aの径はほぼ自動的に決まる。したがって、後は第2部分レンズ群L1bの径が第1レンズ群の重量を決めることになる。ここで、第2部分レンズ群L1bの有効径も、ほぼFナンバー光束によって決まる。したがって、第2部分レンズ群L1bの最も物体側の面の光軸上の点から、光軸に垂直方向に伸ばした平面とFナンバー光束の交点の高さH1bvは、近似的に以下の式(c)ように求められる。
H1bv=D/2−Lab×(D/2/f1a) … (c)
条件式(2)は、φ1a/2とH1bvの比であり、この値が小さいほど第2部分レンズ群L1bの径は小さくなり、結果的に第1レンズ群L1の重量を小さくすることができる。
0.4<{D/2−Lab×(D/2/f1a)}/(D/2)<0.9 … (2a)
更に、式(2a)は、以下の式(2b)で表される範囲とするとより好ましい。
0.4<{D/2−Lab×(D/2/f1a)}/(D/2)<0.85 … (2b)
また、本実施形態の光学系は、第1レンズ群L1の第2部分レンズ群L1bの最も物体側の面の中心部と、その面の有効径φ1bにおける光軸方向位置の差をdsag(mm)としたとき、以下の条件式(3)を満たすことが好ましい。
0<{D/2−(Lab+dsag)×(D/2/f1a)}/(D/2)<0.8 … (3)
ここで、光軸方向位置の差dsag(mm)は、光軸に沿って物体側から像面側に向かう方向を正とする。
0.4<{D/2−(Lab+dsag)×(D/2/f1a)}/(D/2)<0.8 … (3a)
また、本実施形態の光学系は、第1レンズ群L1の第1部分レンズ群L1aと全系の焦点距離fが以下の条件式(4)を満たすことが好ましい。
0.5 <f1a/f<2.0 … (4)
条件式(4)は、第1部分レンズ群L1aの焦点距離f1aと全系の焦点距離fの比を表す。条件式(4)の下限を下回ると、第1部分レンズ群L1aの焦点距離f1aが短くなり過ぎ、敏感度が高くなり好ましくない。逆に上限を上回ると、全長が長くなり過ぎるか、又は、第2部分レンズ群L1bの径が大きくなり、好ましくない。
0<ΦDOE×f<0.050 … (5)
ここで、回折光学素子のパワーΦDOEについて説明する。回折光学素子の位相差関数Φ(r,m)は、光路差関数Ψ(r)を用いて以下の式(d)のように表される。
Φ(r,m)=(2π/mλ0)×Ψ(r) ・・・(d)
また、光路差関数Ψ(r)は以下の式(e)で定義される。
Ψ(r)=C2×r2+C4×r4+C6×r6+・・・+C2n×r2n … (e)
ここで、mは回折次数、λ0は基準波長、rは光軸からの距離である。また、C2i(i=1,2,…,n)は第2i次の位相係数である。このとき、任意の波長λ、任意の回折次数mに対する回折光学素子のパワーΦDOEは、以下の式(f)で表される。
ΦDOE=−2×C2×m×λ/λ0 … (f)
条件式(5)は、回折光学素子のパワーと全系のパワー(すなわち焦点距離の逆数)の比を表す条件式である。条件式(5)の下限を下回ると、回折光学素子によって色収差を補正できず、逆に色収差を発生させるように寄与するため好ましくない。また条件式(5)の上限を上回ると、回折光学素子のパワーが強くなり過ぎて不要回折フレアが発生し、画質を劣化させる原因となるため好ましくない。
[数値実施例1]
単位 mm
面番号 R D Nd νd 光線有効径
1* 456.265 16.36 1.48749 70.2 141.99
2 -306.433 148.39 141.76
3 150.795 4.20 1.72047 34.7 85.77
4(回折) 86.085 19.17 1.43875 94.9 82.03
5 -198.729 19.41 80.48
6 844.357 6.56 1.80809 22.8 63.34
7 -119.505 4.00 1.80000 29.8 62.59
8 112.974 56.47 57.61
9(絞り) ∞ 24.58 40.09
10 62.330 1.90 1.83481 42.7 31.52
11 28.464 8.57 1.48749 70.2 30.39
12 180.259 2.00 30.18
13 476.171 2.81 1.84666 23.9 30.21
14 -203.497 1.70 1.77250 49.6 30.17
15 80.921 2.80 30.07
16 -172.136 2.50 1.77250 49.6 30.25
17 390.104 9.64 31.01
18 431.496 10.94 1.80000 29.8 35.44
19 -26.637 2.50 1.80809 22.8 36.18
20 -112.366 5.45 37.92
21 -210.768 8.26 1.74950 35.3 38.66
22 -33.352 2.50 1.59282 68.6 39.08
23 -359.526 15.00 39.27
24 ∞ 2.00 1.51633 64.1 45.00
25 ∞ 90.78 45.00
像面 ∞
非球面データ
円錐定数(K) 4次の係数(B) 6次の係数(C) 8次の係数(D) 10次の係数(E)
K B C D E
第1面 -8.65758E+00 -2.49178E-08 -4.46206E-13 1.34417E-17 -4.76772E-22
C2 C4 C6 C8 C10
第4面
(回折面)-2.87716E-05 -8.57196E-10 2.38070E-13 2.42391E-16 1.04092E-19
C12 C14 C16 C18 C20
-3.09958E-23 -5.83044E-26 7.22774E-30 2.74484E-32 -9.58676E-36
各種データ
焦点距離 585.00
Fno 4.12
像高 21.64
レンズ全長 468.50
BF 90.78
入射瞳位置 918.95
射出瞳位置 -121.11
前側主点位置 -111.15
後側主点位置 -494.22
群データ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 208.48 188.12 131.31 -96.98
2 6 -166.22 10.56 6.85 0.96
3 9 -3046.05 103.16 -698.07 -1026.71
単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 378.700
2 3 -290.950
3 4 138.690
4 6 129.950
5 7 -72.040
6 10 -64.400
7 11 68.080
8 13 168.710
9 14 -74.750
10 16 -154.310
11 18 31.700
12 19 -43.780
13 21 51.830
14 22 -62.190
15 24 0.000
[数値実施例2]
単位 mm
面番号 R D Nd νd 光線有効径
1* 265.091 14.97 1.48749 70.2 136.06
2 -685.063 93.73 135.56
3* 113.622 4.80 1.72047 34.7 100.54
4(回折) 71.801 24.65 1.43875 94.9 94.22
5 -436.025 46.22 92.33
6 521.226 4.59 1.80809 22.8 56.57
7 -224.196 3.50 1.83400 37.2 55.66
8 96.560 58.62 51.92
9(絞り) ∞ 9.00 34.45
10 141.177 1.40 1.80610 33.3 31.38
11 35.670 7.59 1.74320 49.3 31.34
12 -373.015 3.00 31.43
13 -262.313 3.55 1.84666 23.9 33.38
14 -62.080 1.80 1.60311 60.6 33.39
15 55.796 2.85 33.03
16 -864.562 1.80 1.69680 55.5 33.10
17 64.939 6.26 34.05
18 78.669 4.13 1.61340 44.3 37.31
19 -1963.213 0.15 37.76
20 80.944 5.90 1.65412 39.7 38.80
21 -108.306 1.80 1.80809 22.8 38.86
22 -722.366 15.00 39.07
23 ∞ 2.20 1.51633 64.1 45.00
24 ∞ 50.01 45.00
像面 ∞ 0.00 0.00
非球面データ
円錐定数(K) 4次の係数(B) 6次の係数(C) 8次の係数(D) 10次の係数(E)
K B C D E
第1面 -1.69132E+00 -1.62516E-08 -4.69782E-13 -1.15280E-17 9.66984E-22
第3面 7.57830E-02 9.88754E-09 3.11094E-12 -5.74829E-18 4.92984E-20
C2 C4 C6 C8 C10
第4面
(回折面)-2.30995E-05 -1.65751E-09 3.19712E-13 4.22082E-16 -1.57461E-19
C12 C14 C16 C18 C20
-8.39652E-23 2.04106E-26 3.85013E-29 -1.93466E-32 2.60903E-36
各種データ
焦点距離 391.86
Fno 2.88
像高 21.64
レンズ全長 367.51
BF 50.01
入射瞳位置 994.01
射出瞳位置 -62.95
前側主点位置 26.51
後側主点位置 -341.84
群データ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 196.11 138.15 73.55 -69.18
2 6 -139.97 8.09 5.42 0.93
3 9 472.68 66.42 65.99 13.75
単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 394.110
2 3 -288.150
3 4 141.700
4 6 194.530
5 7 -80.530
6 10 -59.560
7 11 44.160
8 13 95.280
9 14 -48.440
10 16 -86.620
11 18 123.400
12 20 71.700
13 21 -157.870
14 23 0.000
[数値実施例3]
単位 mm
面番号 R D Nd νd 光線有効径
1* 172.485 16.75 1.48749 70.2 141.99
2 1396.706 70.88 141.00
3* 140.134 6.00 1.73800 32.3 111.71
4(回折) 88.484 22.66 1.43875 94.9 105.05
5 -1586.378 59.03 103.21
6 294.962 5.97 1.80809 22.8 64.50
7 -239.829 4.00 1.85026 32.3 63.58
8 120.235 68.30 59.42
9(絞り) ∞ 7.00 36.80
10 328.303 1.90 1.80610 33.3 34.34
11 72.846 4.52 1.48749 70.2 33.54
12 -181.741 5.00 33.21
13 112.813 5.16 1.84666 23.9 36.92
14 -210.445 2.20 1.72916 54.7 36.13
15 52.416 3.71 34.32
16 -235.285 1.81 1.77250 49.6 34.31
17 92.861 9.32 34.49
18 74.058 11.62 1.62588 35.7 33.64
19 -30.690 1.80 1.59282 68.6 34.17
20 -819.955 0.15 34.82
21 86.889 7.02 1.65412 39.7 35.09
22 -46.837 2.50 1.80809 22.8 34.92
23 270.732 15.00 34.85
24 ∞ 2.00 1.51633 64.1 45.00
25 ∞ 84.01 39.00
像面 ∞
非球面データ
円錐定数(K) 4次の係数(B) 6次の係数(C) 8次の係数(D) 10次の係数(E)
K B C D E
第1面 -1.50652E-01 -6.88242E-09 -5.06956E-13 9.93314E-18 -1.59750E-21
第3面 -9.07249E-02 -3.77743E-09 1.11841E-12 -1.42203E-16 2.80072E-20
C2 C4 C6 C8 C10
第4面
(回折面)-1.71811E-05 -6.42248E-10 2.36386E-13 -1.23325E-16 1.80914E-20
C12 C14 C16 C18 C20
0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00 0.00000E+00
各種データ
焦点距離 585.00
Fno 4.12
像高 21.64
レンズ全長 418.30
BF 84.01
入射瞳位置 990.34
射出瞳位置 -69.11
前側主点位置 -659.63
後側主点位置 -500.99
群データ
群 始面 焦点距離 レンズ構成長 前側主点位置 後側主点位置
1 1 233.68 116.29 40.82 -69.06
2 6 -227.12 9.97 8.91 3.31
3 9 -375.93 80.69 -11.12 -80.57
単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 401.870
2 3 -346.170
3 4 190.560
4 6 164.510
5 7 -93.710
6 10 -116.520
7 11 107.300
8 13 87.380
9 14 -57.350
10 16 -85.980
11 18 36.210
12 19 -53.830
13 21 47.510
14 22 -49.240
15 24 0.000
L2 第2レンズ群
L3 第3レンズ群
L1a 第1部分レンズ群
L1b 第2部分レンズ群
DOE 回折光学素子
OA 光軸
Claims (8)
- 物体側から像側へ順に、正の屈折力を有する第1レンズ群と、負の屈折力を有する第2レンズ群と、正又は負の屈折力を有する第3レンズ群とを有し、フォーカシングに際して隣り合うレンズ群の間隔が変化する光学系であって、
前記第1レンズ群は、正の屈折力を有する第1部分レンズ群及び第2部分レンズ群から成り、
前記第1部分レンズ群は、正の単レンズから成り、少なくとも一つの面は非球面であり、
前記第2部分レンズ群は、正の単レンズ及び負の単レンズから成り、光軸方向に対して回転対称な回折光学素子からなる回折光学面を有し、
前記第2レンズ群は、前記光軸方向に移動可能なフォーカスレンズ群であり、
前記光学系が無限遠に合焦している際の、最も物体側に配置された非球面の像側に隣り合うレンズ面から前記光学系の最終レンズ面までの部分光学系の近軸横倍率をβasphとしたとき、以下の条件を満たすことを特徴とする光学系。
0<βasph<2.0 - 前記光学系の全系の焦点距離をf、前記光学系の開口比をFno、前記第1部分レンズ群の焦点距離をf1a、前記第1部分レンズ群と前記第2部分レンズ群の光軸上における間隔をLab、D=f/Fnoとしたとき、以下の条件を満たすことを特徴とする請求項1に記載の光学系。
0<{D/2−Lab×(D/2/f1a)}/(D/2)<0.9 - 前記第2部分レンズ群の最も物体側の面の中心部と有効径における前記光軸方向の位置との差をdsagとしたとき、以下の条件を満たすことを特徴とする請求項2に記載の光学系。
0<{D/2−(Lab+dsag)×(D/2/f1a)}/(D/2)<0.8
ただし、dsagは光軸に沿って、物体側から像面側に向かう方向を正とする。 - 前記第1部分レンズ群の焦点距離f1aと前記光学系の全系の焦点距離fは以下の関係を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の光学系。
0.5<f1a/f<2.0 - 前記第1レンズ群の前記第2部分レンズ群に配置された回折光学素子のパワーをΦDOEとしたとき、前記光学系の全系の焦点距離fとの間に以下の関係があることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の光学系。
0<ΦDOE×f<0.050 - 前記第1部分レンズ群の最も物体側の面は非球面であり、像側の面は像側に凸面を向けた面であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の光学系。
- 光電変換素子の上に像を形成するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の光学系。
- 請求項7に記載の光学系と、
前記光学系によって形成される像を受光する光電変換素子と、を有することを特徴とする光学機器。
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