JP2010039243A - 赤外線用レンズおよび撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】赤外線用レンズにおいて、コストを抑制した上で、画角30°程度の広角化を図り、焦点距離に比べて十分なバックフォーカスを確保し、7μm〜14μmの波長帯で良好な光学性能を実現する。
【解決手段】7μm〜14μmの波長帯で使用される赤外線用レンズであって、物体側から順に、物体側に凸面を向けた正メニスカス形状の第1レンズL1と、絞りと、物体側に凹面を向けた負メニスカス形状の第2レンズL2と、物体側に凸面を向けた正メニスカス形状の第3レンズL3とを備える。全系の焦点距離をfとし、第2レンズL2の物体側の面の曲率半径をr4とし、第2レンズL2の像側の面の曲率半径をr5とし、第2レンズL2の中心肉厚をd4としたとき、下記条件式(1)、(2)を満足する。
0.4<|r4|/f<0.82 … (1)
0.9<(|r4|+d4)/|r5|<1.10 … (2)
【選択図】図1
【解決手段】7μm〜14μmの波長帯で使用される赤外線用レンズであって、物体側から順に、物体側に凸面を向けた正メニスカス形状の第1レンズL1と、絞りと、物体側に凹面を向けた負メニスカス形状の第2レンズL2と、物体側に凸面を向けた正メニスカス形状の第3レンズL3とを備える。全系の焦点距離をfとし、第2レンズL2の物体側の面の曲率半径をr4とし、第2レンズL2の像側の面の曲率半径をr5とし、第2レンズL2の中心肉厚をd4としたとき、下記条件式(1)、(2)を満足する。
0.4<|r4|/f<0.82 … (1)
0.9<(|r4|+d4)/|r5|<1.10 … (2)
【選択図】図1
Description
本発明は、赤外線用レンズおよび撮像装置に関し、特に、7μm〜14μmの波長帯で使用される赤外線用レンズおよび該赤外線用レンズを備えた撮像装置に関するものである。
従来、暗所での撮影や物体の温度分布の観測などを行うために、赤外線カメラが利用されている。このような赤外線カメラでは一般に、7μm〜14μmの波長帯を使用することが多い。この波長帯では、使用可能なレンズの材料が限られており、その上、表面反射や内部吸収による光量損失が可視域の光学系に比べて大きいことから、肉厚を薄くし、少ないレンズ枚数で構成することが好ましいとされている。
例えば従来知られている、3群3枚構成の赤外線カメラ用のレンズとしては、下記特許文献1〜4に記載のものがある。
特開昭57−200010号公報
特開昭62−5211号公報
特開昭62−30208号公報
特開昭62−109014号公報
ところで、赤外線カメラ用の光学系では、最終レンズと像面との間に撮像素子を保護するための平行平面板や、撮像素子を冷却するためのコールドシールド等が挿入される場合がある。このため、赤外線カメラ用のレンズは、ある程度十分なバックフォーカスを確保する必要がある。また、近年ではさらなる広角化が要望されており、具体的には、画角30°程度のものが望まれている。
上記のような観点から見ると、特許文献1に記載のものは、画角が21°であり、上記広角化の要望を満たすものではない。仮に特許文献1に記載のものを広角化すると、この光学系では絞りを第2レンズよりも像側に配置することを前提にしているため、第1レンズの径が大きくなり高コストになるとともに、コマ収差が増大してしまう。
特許文献2に記載のものも画角が20°であり、上記広角化の要望を満たすものではない。また、この光学系は焦点距離に比べてバックフォーカスが短い。この光学系で仮に広角化した場合には、十分なバックフォーカスの確保が困難であり、無理にバックフォーカスを確保しようとするとコマ収差が増大してしまう。
特許文献3に記載のものは、画角が10°であり、広角化に対応できない。
特許文献4に記載のものは、広角化が図られているが、焦点距離に比べてバックフォーカスが短い。また、特許文献4に記載のものは、第2レンズの肉厚が厚いため、光量損失が大きくなる上に高コストになってしまう。
本発明は、上記事情に鑑み、コストを抑制しつつ、画角30°程度の広角化が図られ、焦点距離に比べて十分なバックフォーカスを有し、7μm〜14μmの波長帯で良好な光学性能を有する赤外線用レンズ、および該赤外線用レンズを備えた撮像装置を提供することを目的とするものである。
本発明の赤外線用レンズは、7μm〜14μmの波長帯で使用される赤外線用レンズであって、物体側から順に、物体側に凸面を向けた正メニスカス形状の第1レンズと、絞りと、物体側に凹面を向けた負メニスカス形状の第2レンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカス形状の第3レンズとを備え、全系の焦点距離をfとし、第2レンズの物体側の面の曲率半径をr4とし、第2レンズの像側の面の曲率半径をr5とし、第2レンズの中心肉厚をd4としたとき、下記条件式(1)、(2)を満足することを特徴とするものである。
0.4<|r4|/f<0.82 … (1)
0.9<(|r4|+d4)/|r5|<1.10 … (2)
0.4<|r4|/f<0.82 … (1)
0.9<(|r4|+d4)/|r5|<1.10 … (2)
本発明の赤外線用レンズは、最少3枚のレンズ枚数とすることでコストを抑制し、各レンズの構成を上記のように好適に選択することで、画角30°程度の広角化、および十分なバックフォーカスの確保、ならびに良好な光学性能を実現することが容易になる。広角化の際には、像面湾曲およびコマ収差が劣化することが多いが、本発明では、条件式(1)を満たすことで像面湾曲およびコマ収差の補正を容易にするとともに肉厚の増大を抑制して低コスト化を図り、条件式(2)を満たすことで像面湾曲およびコマ収差の補正を容易にするとともに十分なバックフォーカスの確保を図っている。
また、本発明の赤外線用レンズにおいては、第1レンズの焦点距離をf1としたとき、下記条件式(3)を満足することが好ましい。
1.7<f1/f<2.1 … (3)
条件式(3)を満たした場合には、コマ収差の補正および十分なバックフォーカスの確保がさらに容易になる。
1.7<f1/f<2.1 … (3)
条件式(3)を満たした場合には、コマ収差の補正および十分なバックフォーカスの確保がさらに容易になる。
なお、上記条件式(1)〜(3)の値は、7μm〜14μmの波長帯におけるものである。
本発明の赤外線用レンズにおける第1、第2、第3レンズの材料としては、波長7μm〜14μmの赤外線を透過させる材料を用いることが好ましく、例えば、ゲルマニウムを用いることができる。
本発明の撮像装置は、上記記載の本発明の赤外線用レンズを備えたことを特徴とするものである。
本発明によれば、最少3枚という少ないレンズ枚数で、各レンズの形状および屈折力を好適に設定し、条件式(1)、(2)を満足するように構成しているため、コストを抑制しつつ、画角30°程度の広角化を達成し、十分なバックフォーカスを有し、7μm〜14μmの波長帯で良好な光学性能を有する赤外線用レンズ、および該赤外線用レンズを備えた撮像装置を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1に本発明の一実施形態にかかる赤外線用レンズのレンズ断面図を示す。なお、図1に示す構成例は、後述の実施例1のレンズ構成に対応している。図2、図3に、別の構成例を示す。図2、図3に示す構成例は、後述の実施例2、3のレンズ構成に対応している。各構成例ともに、基本的な構成は同じであるため、以下では、図1に示す構成例を例にとり説明する。
図1において、図の左側が物体側、右側が像側である。なお、図1における符号ri(i=1、2、3、…)は、最も物体側の構成要素の面を1番目として像側に向かうに従い順次増加するi番目の面の曲率半径を示す。図1における符号di(i=1、2、3、…)は、i番目の面とi+1番目の面との光軸Z上の面間隔を示す。
この赤外線用レンズは、7μm〜14μmの波長帯で使用される結像レンズであり、この波長帯の赤外線カメラ等の撮像装置に好適に使用可能である。なお、図1には、赤外線用レンズが撮像装置に適用される場合を考慮して、赤外線用レンズの結像位置を含む像面Simに配置された撮像素子5も図示している。撮像素子5は、赤外線用レンズにより形成される光学像を電気信号に変換するものであり、例えば7μm〜14μmの波長帯に感度を有する赤外線用2次元センサからなる。
また、赤外線用レンズを撮像装置に適用する際には、レンズを装着するカメラ側の構成に応じて、撮像素子を保護するためのカバーガラスや、撮像素子を冷却するためのコールドシールドや、各種フィルタ等の光学部材を配置してもよい。図1では、これらを想定した平行平板状の光学部材PPをレンズ系と撮像素子5との間に配置した例を示している。
この赤外線用レンズは、物体側から順に、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の正の第1レンズL1と、開口絞りStと、物体側に凹面を向けたメニスカス形状の負の第2レンズL2と、物体側に凸面を向けたメニスカス形状の正の第3レンズL3とから構成されている。
本実施形態では、赤外線用レンズにおける表面反射や内部吸収による光量損失を極力低減しつつ、良好な結像性能を得るために、レンズ枚数を3枚とし、各レンズの形状やパワー配置を上記のように好適に設定している。
また、この赤外線用レンズでは、開口絞りStを第1レンズL1と第2レンズL2のほぼ中間に配置することで、特許文献1に記載されたような第2レンズよりも像側に開口絞りを配置した光学系に比べて、第1レンズの有効径を小さくでき、コマ収差の対称性の改善を図ることができる。
第1レンズL1、第2レンズL2、第3レンズL3の材料としては、波長7μm〜14μmの赤外線を透過させる材料であることが好ましい。図1に示す構成例では一例として、ゲルマニウムを用いている。ゲルマニウムは屈折率が大きく、かつ7μm〜14μmの波長帯では分散が非常に小さいという特性を有するため、全レンズをゲルマニウムで形成すれば、7μm〜14μmの波長帯で色収差がほとんどなく広角で良好な結像性能を有する赤外線用レンズを得ることが容易になる。なお、その他の材料としては、例えばセレン化亜鉛、硫化亜鉛等を用いることができる。
この赤外線用レンズは、全系の焦点距離をfとし、第2レンズL2の物体側の面の曲率半径をr4とし、第2レンズL2の像側の面の曲率半径をr5とし、第2レンズL2の中心肉厚をd4としたとき、下記条件式(1)、(2)を満足するように構成されている。
0.4<|r4|/f<0.82 … (1)
0.9<(|r4|+d4)/|r5|<1.10 … (2)
0.4<|r4|/f<0.82 … (1)
0.9<(|r4|+d4)/|r5|<1.10 … (2)
条件式(1)は、第2レンズL2の物体側の面のパワーに関するものである。図1に示すような3枚構成のレンズにおいては、この第2レンズL2の物体側の面は、全系が有するレンズのうち唯一の負レンズである第2レンズの凹面であり、かつ全系のうち物体側に向いた唯一の凹面である。
条件式(1)の下限を下回ると、第2レンズL2の物体側の面の曲率半径の絶対値が小さくなり、第2レンズL2の負のパワーが強くなるため、像面湾曲およびコマ収差の補正が困難となる。逆に、条件式(1)の上限を上回ると、第2レンズL2の負のパワーが弱くなり、像面湾曲が悪化してしまう。悪化した像面湾曲を改善するためには中心肉厚を厚くしなくてはならないが、そうすると、光量損失が大きくなるとともにコストアップになってしまう。
条件式(2)は、第2レンズL2の形状に関するものである。第2レンズL2が球面レンズであり、(|r4|+d4)/|r5|が1になった場合には、第2レンズL2は同心球(コンセントリック)の形状となる。
条件式(2)の下限を下回ると、第2レンズL2の負のパワーが強くなり、像面湾曲が劣化する。また、増大した第2レンズL2の負のパワーとのバランスをとるために、正のレンズである第3レンズのパワーを強くしなくてはならず、第3レンズL3の負荷が大きくなるため、コマ収差が劣化する。条件式(2)の上限を上回ると、第2レンズL2の負のパワーが弱くなり、像面湾曲が増大するとともに、十分なバックフォーカスを確保できなくなる。
また、この赤外線用レンズは、第1レンズL1の焦点距離をf1としたとき、下記条件式(3)を満足することが好ましい。
1.7<f1/f<2.1 … (3)
1.7<f1/f<2.1 … (3)
条件式(3)は、最も物体側に位置し、かつ開口絞りStより物体側に配置されている第1レンズL1の正のパワーと、全系のパワーとの比に関するものである。
条件式(3)の下限を下回ると、第1レンズL1の正のパワーが強くなり、十分なバックフォーカスを確保できなくなる。条件式(3)の上限を上回ると、第1レンズL1の正のパワーが弱くなり、第1レンズL1で十分に光束を集束できないため第3レンズL3における光線高が高くなり、第3レンズL3の有効径が増大してレンズ径が大きくなるためコストアップにつながる。また、第1レンズL1の正のパワーが弱くなった分のバランスをとるために正の第3レンズL3のパワーを強くしなくてはならず、第3レンズL3の負荷が大きくなるため、コマ収差の補正が困難となる。
さらに、この赤外線用レンズは、上記条件式(1)、(2)、(3)に代わりそれぞれ下記条件式(1−1)、(2−1)、(3−1)を満足することがより好ましく、その場合には上記条件式(1)、(2)、(3)それぞれを満足することにより得られる効果をより向上させることができる。
0.50<|r4|/f<0.80 … (1−1)
0.95<(|r4|+d4)/|r5|<1.07 … (2−1)
1.75<f1/f<2.00 … (3−1)
本実施形態の赤外線用レンズによれば、上記構成および上記条件式を満たすように構成することで、最少3枚という少ないレンズ枚数でありながら、球面レンズのみの構成で、コストアップを抑えつつ、画角30°程度の広角化を図り、十分なバックフォーカスを確保し、7μm〜14μmの波長帯で良好な光学性能を実現することが可能である。
0.95<(|r4|+d4)/|r5|<1.07 … (2−1)
1.75<f1/f<2.00 … (3−1)
本実施形態の赤外線用レンズによれば、上記構成および上記条件式を満たすように構成することで、最少3枚という少ないレンズ枚数でありながら、球面レンズのみの構成で、コストアップを抑えつつ、画角30°程度の広角化を図り、十分なバックフォーカスを確保し、7μm〜14μmの波長帯で良好な光学性能を実現することが可能である。
なお、図1に示す例では、第1レンズL1、第2レンズL2、第3レンズL3は全て球面レンズで構成しているが、さらに良好な性能を得るためには、これらのレンズ面のうち少なくとも1面を非球面形状としてもよい。
次に、本発明にかかる赤外線用レンズの具体的な数値実施例について説明する。
以下では、実施例1〜3をまとめて説明する。実施例1〜3にかかる赤外線用レンズのレンズ断面図をそれぞれ図1〜図3に示し、レンズデータをそれぞれ表1〜表3に示す。
各表に示したレンズデータにおいて、面番号Siは最も物体側の構成要素の面を1番目として像側に向かうに従い順次増加するi番目(i=1、2、3、…)の面番号を示し、riはi番目の面の曲率半径を示し、diはi番目の面とi+1番目の面との光軸Z上の面間隔を示し、Njは最も物体側の光学要素を1番目として像側に向かうに従い順次増加するj番目(j=1、2、3、4)の光学要素の波長10μmに対する屈折率を示す。実施例1〜3においては、第1、第2、第3レンズL1、L2、L3および光学部材PPの材料は全てゲルマニウムである。
なお、表1のレンズデータには開口絞りStおよび光学部材PPも含めて示しており、開口絞りStの面番号Siの欄には(開口絞り)と記載している。曲率半径は物体側に凸の場合を正、像側に凸の場合を負としている。また、レンズデータにおける長さの単位としてはここではmmを用いているが、光学系は比例拡大又は比例縮小しても同等の光学性能が得られるので、単位はmmに限定されることはなく、他の適当な単位を用いることもできる。図1〜図3において、開口絞りStは形状や大きさを表すものではなく光軸Z上の位置を示すものである。
上記実施例1〜3の赤外線用レンズにおける各種データおよび上記条件式(1)〜(3)に対応する値を表4に示す。
表4において、fは全系の焦点距離、f1は第1レンズL1の焦点距離、f2は第2レンズL2の焦点距離、f3は第3レンズL3の焦点距離、Fno.はFナンバー、Bfは空気換算したバックフォーカス、2ωは全画角である。f、f1、f2、f3、Bfの単位はmmであり、2ωの単位は度である。また、表4に示す条件式(1)〜(3)に対応する値は、波長10μmにおけるものである。
表4に示すように、実施例1〜3の赤外線用レンズは全て上記条件式(1)〜(3)を満たしている。
図4(A)、図4(B)、図4(C)にそれぞれ、実施例1の赤外線用レンズの球面収差、非点収差、ディストーション(歪曲収差)の各収差図を示す。また、図5(A)〜図5(D)、図5(E)〜図5(G)にそれぞれ、実施例1の赤外線用レンズの各画角におけるタンジェンシャル方向、サジタル方向のコマ収差図を示す。図4(A)のFno.はFナンバーを意味し、図4(B)、図4(C)、図5(A)〜図5(G)のωは半画角を意味する。
同様に、図6(A)〜図6(C)、図7(A)〜図7(G)に実施例2の赤外線用レンズの各収差図を、図8(A)〜図8(C)、図9(A)〜図9(G)に実施例3の赤外線用レンズの各収差図を示す。なお、図4〜図9の各収差図は全て波長10μmにおけるものである。
以上のデータからわかるように、実施例1〜3の赤外線用レンズは、3枚という少ないレンズ枚数でありながら、Fナンバーが1.1と小さく、全画角が30°以上の広画角を達成し、焦点距離に比べて十分なバックフォーカスが確保され、画面中心から画面周辺部にわたって良好に収差補正がなされており、良好な光学性能を有する光学系を実現している。
次に、本発明の一実施形態にかかる撮像装置について説明する。図10に、本発明の実施形態にかかる赤外線用レンズを適用した赤外線撮像システム100を示す。赤外線撮像システム100は、赤外線カメラ110と演算・表示装置120とを含んで構成される。赤外線カメラ110と演算・表示装置120とは、コード115により電気的に接続されている。
赤外線カメラ110は、本発明の一実施形態にかかる撮像装置であり、本発明の実施形態にかかる赤外線用レンズ1と、撮像素子5と、筐体6とを含んで構成される。なお、図10では、赤外線レンズ1は概略的に示している。撮像素子5は、赤外線用レンズ1により形成された光学像を撮像して電気信号に変換する素子であり、例えば7μm〜14μmの波長帯に感度を有する赤外線用2次元センサからなる。赤外線用レンズ1により得られた像は撮像素子5により電気信号に変換され、コード115を介して演算・表示装置120へ伝送される。
演算・表示装置120は、演算部121と、表示部122とからなる。コード115を介して伝送された画像信号は演算部121により演算処理された後、この演算処理で得られた画像が表示部122に表示される。例えば、赤外線カメラ110で撮像された被写体の像および被写体の温度分布が、演算部121での演算処理を経た後、表示部122でカラー表示される。
本発明の実施形態にかかる赤外線用レンズは、長いバックフォーカスを有するため、赤外線用レンズ1と撮像素子5との間に、各種フィルタや保護部材、コールドシールド等を配置することが可能であり、赤外線カメラ110の仕様に応じた像を得ることができる。また、本発明の実施形態にかかる赤外線用レンズは、上述した長所を有するものであるから、赤外線カメラ110は、約30°の広角の撮像が可能であり、7μm〜14μmの波長帯で良好な像を得ることができる。
以上、実施形態および実施例を挙げて本発明を説明したが、本発明は上記実施形態および実施例に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、各レンズ成分の曲率半径、面間隔、屈折率等の値は、上記各数値実施例で示した値に限定されず、他の値をとり得るものである。
1 赤外線用レンズ
5 撮像素子
100 赤外線撮像システム
110 赤外線カメラ
120 演算・表示装置
di i番目の面とi+1番目の面との光軸上の面間隔
L1 第1レンズ
L2 第2レンズ
L3 第3レンズ
PP 光学部材
ri i番目の面の曲率半径
Sim 像面
St 開口絞り
Z 光軸
5 撮像素子
100 赤外線撮像システム
110 赤外線カメラ
120 演算・表示装置
di i番目の面とi+1番目の面との光軸上の面間隔
L1 第1レンズ
L2 第2レンズ
L3 第3レンズ
PP 光学部材
ri i番目の面の曲率半径
Sim 像面
St 開口絞り
Z 光軸
Claims (4)
- 7μm〜14μmの波長帯で使用される赤外線用レンズであって、
物体側から順に、物体側に凸面を向けた正メニスカス形状の第1レンズと、絞りと、物体側に凹面を向けた負メニスカス形状の第2レンズと、物体側に凸面を向けた正メニスカス形状の第3レンズとを備え、
全系の焦点距離をfとし、前記第2レンズの物体側の面の曲率半径をr4とし、前記第2レンズの像側の面の曲率半径をr5とし、前記第2レンズの中心肉厚をd4としたとき、下記条件式(1)、(2)を満足することを特徴とする赤外線用レンズ。
0.4<|r4|/f<0.82 … (1)
0.9<(|r4|+d4)/|r5|<1.10 … (2) - 前記第1レンズの焦点距離をf1としたとき、下記条件式(3)を満足することを特徴とする請求項1記載の赤外線用レンズ。
1.7<f1/f<2.1 … (3) - 前記第1、第2、第3レンズの材料が、ゲルマニウムであることを特徴とする請求項1または2記載の赤外線用レンズ。
- 請求項1から3のいずれか1項記載の赤外線用レンズを備えたことを特徴とする撮像装置。
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