JP5511018B2 - タイヤ試験機用の路面部材及びその製造方法 - Google Patents

タイヤ試験機用の路面部材及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、タイヤの性能試験を行うタイヤ試験機に用いられる路面部材及びその製造方法に関する。
タイヤの生産ラインにおいては、回転ドラムや平板を回転するタイヤに押し付けるタイヤ試験機により、各種の性能試験が行われている。
特許文献1には、鉄やアルミニウム製の回転ドラムや平板におけるタイヤとの接触面である路面をアスファルトに近い摩擦特性にするために、タングステンカーバイド、クロムカーバイド、チタニウムカーバイドなどの金属炭化物の溶射膜で路面を被覆したタイヤ試験機が開示されている。
特開平4−350536号公報
しかしながら、金属炭化物の溶射膜は、溶射膜厚の均一性、表面粗度の均一性の制御が難しく、回転ドラムの真円度あるいは平板の平面度を高めることが困難である。
というのも、金属炭化物の溶射膜を溶射した路面には、算術平均粗さがRa16前後の凹凸ができる。そのため、路面状態が悪く、回転ドラムの真円度あるいは平板の平面度を正確に測定することができないばかりか、回転ドラムの振れや路面のうねりがタイヤ軸に設けられた計測器に上乗せされることで、正しい値を計測することができない場合がある。特にタイヤの回転速度が60km/h以上の常用速度から高速域での走行試験においては、路面状態による試験結果への影響が大きくなる。
そこで、路面を加工することが考えられるが、金属炭化物の溶射膜は高硬度であるので、ダイヤモンド砥石を用いることになり、しかも、タイヤ試験機の回転ドラムや平板は物自体が大きいので、加工が困難でありコストも高くつく。よって、タイヤ試験機の回転ドラムや平板は、金属炭化物の溶射膜を溶射したままの状態で用いられているのが実情である。
また、複数のタイヤ試験機を用いる場合には、金属炭化物の溶射膜の状態がタイヤ試験機ごとに異なり、真円度や平面度の個体差が大きいため、同一ロットのタイヤであっても試験結果にばらつきが生じて、タイヤの特性を単純に比較することができない。
さらに、前述のように金属炭化物の溶射膜を溶射したままの路面は粗く凹凸が大きいため、高速試験や制駆動試験などの試験内容によっては、タイヤのゴムが凹部に溜り、摩擦係数が変化したり、真円度が更に大きく狂ったりする場合がある。また、凹部に溜まったゴムを取り除くのも非常に面倒である。
本発明の目的は、溶射膜で路面を被覆しても良好な試験結果を得ることが可能なタイヤ試験機用の路面部材及びその製造方法を提供することである。
本発明におけるタイヤ試験機用の路面部材は、タイヤ試験機に用いられてタイヤが当接される路面部材であって、前記タイヤが当接される路面を備えた路面基材を有し、前記路面が、前記路面基材よりも高硬度の鉄鋼系溶射膜で被覆され、且つ、研磨処理されていることを特徴とする。
上記の構成によれば、路面基材のタイヤが当接される路面をこの路面基材よりも高硬度の鉄鋼系溶射膜で被膜することで、路面の表面硬度を高くすることができて、タイヤによる磨耗を低減させることができる。また、鉄鋼系溶射膜で被膜された路面基材の路面を研磨処理することで、真円度あるいは平面度を高めることができて、路面状態による試験結果への影響を小さくすることができるとともに、凹部にゴムが溜まるのを抑えることができる。また、複数のタイヤ試験機を用いる場合であっても、路面基材の路面を鉄鋼系溶射膜で被覆して研磨処理することで、鉄鋼系溶射膜の状態をほぼ均一にすることができるから、タイヤ試験機間に生じる真円度や平面度のばらつきを小さくすることで、試験結果のばらつきを抑えることができる。これにより、溶射膜で路面を被覆しても良好な試験結果を得ることができる。
また、本発明におけるタイヤ試験機用の路面部材においては、軽合金製の回転ドラムであってよい。上記の構成によれば、路面部材を軽合金製の回転ドラムにすることで、鉄製ドラムに比べて慣性が小さくなる。そのため、軽合金製の回転ドラムは、鉄製ドラムに比べてモータによる加減速時のエネルギーを抑えることができるとともに、速度制御がしやすい。また、軽合金製の回転ドラムは、鉄製ドラムに比べてドラム軸にかかるねじりトルクが小さくなるので、トルクメータなどの計測器をドラム軸に配置しても精度良く計測することができる。また、軽合金製の回転ドラムは、鉄製ドラムに比べて熱伝導率がよいので、試験終了後にタイヤの発熱によって温まった路面をすばやく冷却することができて、少ない時間ロスで次のタイヤの試験に移行することができる。
また、本発明におけるタイヤ試験機用の路面部材において、前記路面は、前記鉄鋼系溶射膜で被覆される前に、ショットブラスト処理されていてよい。上記の構成によれば、路面基材の路面を鉄鋼系溶射膜で被覆する前に、路面をショットブラスト処理して路面を粗くすることで、鉄鋼系溶射膜の密着度を上げることができる。
また、本発明におけるタイヤ試験機用の路面部材において、前記路面基材はアルミニウム合金製であり、前記路面は、前記鉄鋼系溶射膜で被覆される前に、ニッケル−アルミニウム合金の溶射膜で被覆されていてよい。上記の構成によれば、アルミニウム合金製の路面基材の路面を鉄鋼系溶射膜で被覆する前に、鉄鋼系溶射膜との密着性が高いニッケル−アルミニウム合金の溶射膜で路面を被覆することで、鉄鋼系溶射膜の密着度を上げることができる。
また、本発明におけるタイヤ試験機用の路面部材の製造方法は、タイヤ試験機に用いられてタイヤが当接される路面部材の製造方法であって、前記タイヤが当接される路面を備えた路面基材の当該路面を、当該路面基材よりも高硬度の鉄鋼系溶射膜で被覆した後に、研磨処理することを特徴とする。
上記の構成によれば、路面基材のタイヤが当接される路面をこの路面基材よりも高硬度の鉄鋼系溶射膜で被膜することで、路面の表面硬度を高くすることができて、タイヤによる磨耗を低減させることができる。また、鉄鋼系溶射膜で被膜された路面基材の路面を研磨処理することで、真円度あるいは平面度を高めることができて、路面状態による試験結果への影響を小さくすることができるとともに、凹部にゴムが溜まるのを抑えることができる。また、複数のタイヤ試験機を用いる場合であっても、路面基材の路面を鉄鋼系溶射膜で被覆して研磨処理することで、鉄鋼系溶射膜の状態をほぼ均一にすることができるから、タイヤ試験機間に生じる真円度や平面度のばらつきを小さくすることで、試験結果のばらつきを抑えることができる。これにより、溶射膜で路面を被覆しても良好な試験結果を得ることができる。
また、本発明におけるタイヤ試験機用の路面部材の製造方法においては、前記路面を前記鉄鋼系溶射膜で被覆する前に、前記路面をショットブラスト処理してよい。上記の構成によれば、路面基材の路面を鉄鋼系溶射膜で被覆する前に、路面をショットブラスト処理して路面を粗くすることで、鉄鋼系溶射膜の密着度を上げることができる。
また、本発明におけるタイヤ試験機用の路面部材の製造方法においては、アルミニウム合金製の前記路面基材の前記路面を前記鉄鋼系溶射膜で被覆する前に、前記路面をニッケル−アルミニウム合金の溶射膜で被覆してよい。上記の構成によれば、アルミニウム合金製の路面基材の路面を鉄鋼系溶射膜で被覆する前に、鉄鋼系溶射膜との密着性が高いニッケル−アルミニウム合金の溶射膜で路面を被覆することで、鉄鋼系溶射膜の密着度を上げることができる。
本発明のタイヤ試験機用の路面部材及びその製造方法によると、タイヤによる磨耗を低減させ、路面状態による試験結果への影響を小さくすることができる。また、複数のタイヤ試験機を用いる場合であっても、タイヤ試験機間に生じる試験結果のばらつきを抑えることができる。これにより、溶射膜で路面を被覆しても良好な試験結果を得ることができる。
タイヤ試験機を示す斜視図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
(タイヤ試験機の構成)
本実施形態によるタイヤ試験機用の路面部材(回転ドラム)1は、タイヤ試験機10に用いられる。タイヤ試験機10は、図1に示すように、回転ドラム1、ドラム駆動モータ3、トルクメータ4、スピンドル5、および、計測器6を有している。
回転ドラム1は、アルミニウム合金製溶接構造であって、円筒状または円柱状に形成されており、ドラム径が2000mm、ドラム幅が450mmである。図示するように、回転ドラム1にはタイヤ11が当接される。回転ドラム1は、タイヤ11が当接される外周面である路面2aを備えたアルミニウム合金製の路面基材2を有している。なお、回転ドラム1や路面基材2の材料はアルミニウム合金に限定されず、マグネシウム合金などの他の軽合金であっても、鉄等であってもよい。
ドラム駆動モータ3は、床などに固定された図示しない支持台に取り付けられており、回転ドラム1を回転させる。回転ドラム1およびドラム駆動モータ3は、図示しない移動手段により、ドラム駆動モータ3の回転軸の軸方向に直交する方向から、スピンドル5に対して近接・離隔するように移動される。試験中には、図示するように、回転ドラム1およびドラム駆動モータ3が移動手段によりスピンドル5に近接するように移動され、路面基材2の路面2aとタイヤ11の外周面とが当接された後に、ドラム駆動モータ3により回転ドラム1が回転されることとなる。
トルクメータ4は、ドラム駆動モータ3の回転軸に設けられており、回転ドラム1の回転トルクを計測する。これにより、タイヤ11のころがり抵抗力を測定して、タイヤ11のユニフォーミティを評価することが可能となっている。
スピンドル5は、ドラム駆動モータ3の回転軸の軸方向に対して平行に設けられており、図示しないハウジングにより回転可能に支持されている。そして、スピンドル5は、タイヤ11の外周面が路面基材2の路面2aに対向するようにタイヤ11を支持している。試験中には、タイヤ11の外周面に当接した回転ドラム1の回転により、タイヤ11およびスピンドル5が回転することとなる。
計測器6は、スピンドル5の軸線方向に沿って、図示しないハウジングに設けられており、タイヤ11の荷重やモーメントを測定する。これにより、タイヤ11の動バランスを評価することが可能となっている。
ここで、アルミニウム合金製の路面基材2は硬度が低く、ゴムにシリカなどを含むタイヤ11の試験により、直ぐに路面2aが磨耗してしまう。そこで、タングステンカーバイドなどの高硬度の金属炭化物の溶射膜で路面2aを被覆することが考えられる。しかしながら、金属炭化物の溶射膜は、溶射膜厚の均一性、表面粗度の均一性の制御が難しく、回転ドラム1の真円度を高めることが困難である。というのも、金属炭化物の溶射膜を溶射した路面には、算術平均粗さがRa16前後の凹凸ができる。そのため、路面状態が悪く、回転ドラム1の真円度を正確に測定することができないばかりか、回転ドラム1の振れや路面のうねりが計測器6に上乗せされることで、正しい値を計測することができない場合がある。特にタイヤ11の回転速度が60km/h以上の常用速度から高速域での走行試験においては、路面状態による試験結果への影響が大きくなる。そこで、路面を加工することが考えられるが、金属炭化物の溶射膜は高硬度であるので、ダイヤモンド砥石を用いることになり、しかも、タイヤ試験機10の回転ドラム1は物自体が大きいので、加工が困難でありコストも高くつく。
そこで、本実施形態においては、路面基材2の路面2aは、アルミニウム合金よりも高硬度であるSUS316Lからなる鉄鋼系溶射膜7で被覆されている。アルミニウム地金の表面硬度は、ビッカース硬さがHv80〜90であり、鉄地金、例えばSS400の表面硬度はHv115であるのに対して、SUS316Lアーク溶射の表面硬度はHv306である。これにより、路面2aの表面硬度を高くすることができて、タイヤ11による磨耗を低減させることができるから、路面基材2を長寿命化することができる。なお、本実施形態では、良好な機械加工性質を持つSUS316Lを鉄鋼系溶射膜7として選定しているが、鉄鋼系溶射膜7はこれに限定されず、SUS308やSUS410等であってもよい。また、溶射でなく蒸着法やメッキ加工であってもよい。
さらに、路面基材2の路面2aは、鉄鋼系溶射膜7で被覆された後に研磨処理されている。タングステンカーバイドの表面硬度はHv900であるのに対し、SUS316Lアーク溶射の表面硬度はHv306であるので、一般的な砥石による研磨処理により、路面基材2の路面2aを任意の表面粗度に仕上げることができる。なお、金属炭化物の溶射膜を溶射した路面の算術平均粗さはRa16前後であるので、研磨処理により、路面基材2の路面2aの算術平均粗さをRa0.4〜16未満にすることが好ましい。これにより、回転ドラム1の真円度を高めることができて、路面状態による試験結果への影響を小さくすることができるとともに、凹部にゴムが溜まるのを抑えることができる。
また、複数のタイヤ試験機10を用いる場合であっても、路面基材2の路面2aを鉄鋼系溶射膜7で被覆して研磨処理することで、鉄鋼系溶射膜7の状態をほぼ均一にすることができるから、タイヤ試験機10間に生じる真円度のばらつきを小さくすることで、試験結果のばらつきを抑えることができる。
鉄鋼系溶射膜7は、耐摩耗性を考慮すると、ビッカース硬さがHv200以上であることが望ましく、路面基材2の材料でアルミニウム合金(軽合金)と比較して硬度が十分に大きくなるHv300以上がより望ましい。なお、鉄鋼系溶射膜7は、一般的な砥石での研削が可能で研磨処理が容易なHv700までの材料とすることが望ましい。よって、鉄鋼系溶射膜7は、耐摩耗性と加工性とを考慮して、ビッカース硬さがHv300〜700が望ましい。
ここで、タイヤ試験機10においては、常用速度から高速域での試験における速度制御が難しい。特に、慣性が大きい鉄製の回転ドラム(鉄製ドラム)などを低慣性のモータで速度制御するのは、慣性の差から非常に難しく、また、モータの回転軸に大きな捻りトルクがかかる。そのため、トルクメータ4や計測器6による計測値が大きく波打ち変動するほか、最悪の場合には、トルクメータ4や計測器6が破損する。
そこで、本実施形態では、回転ドラム1の材料にアルミニウム合金を用いている。アルミニウム合金製の回転ドラム1は、鉄製ドラムと比べて慣性が小さい。そのため、回転ドラム1は、鉄製ドラムに比べてドラム駆動モータ3による加減速時のエネルギーを抑えることができるとともに、速度制御がしやすい。また、回転ドラム1は、鉄製ドラムに比べてドラム駆動モータ3の回転軸にかかるねじりトルクが小さくなるので、トルクメータ4などの計測器をドラム駆動モータ3の回転軸に配置しても精度良く計測することができる。また、回転ドラム1は、鉄製ドラムに比べて熱伝導率がよいので、試験終了後にタイヤ11の発熱によって温まった路面をすばやく冷却することができて、少ない時間ロスで次のタイヤの試験に移行することができる。
(回転ドラムの製造方法)
次に、回転ドラム1の製造方法について説明する。まず、路面基材2やその他の部材を組み合わせて回転ドラム1を形成する。そして、路面基材2の路面2aをショットブラスト処理する。具体的には、投射材と呼ばれる粒体を路面基材2の路面2aに衝突させることで、路面基材2の路面2aを粗くする。これにより、後に路面2aに溶射される鉄鋼系溶射膜7の密着度を上げることができる。その後、路面基材2の路面2aを、鉄鋼系溶射膜7との密着性が高いニッケル−アルミニウム合金の溶射膜で被覆する。これにより、後に路面2aに溶射される鉄鋼系溶射膜7の密着度を更に上げることができる。その後、路面基材2の路面2aをSUS316Lからなる鉄鋼系溶射膜7で被覆する。なお、ショットブラスト処理と、ニッケル−アルミニウム合金の溶射膜による被覆とは、順番が逆であってもよい。
鉄鋼系溶射膜7で路面基材2の路面2aを被覆するにあたり、溶解した金属を路面基材2の路面2aに噴射するため、鉄鋼系溶射膜7で被覆した後の路面基材2の路面2aには凹凸があり、その算術平均粗さはRa16程度である。そこで、路面基材2の路面2aを鉄鋼系溶射膜7で被覆した後に、路面基材2の路面2aを研磨処理する。具体的には、機械研削盤で鉄鋼系溶射膜7を研磨することにより、路面基材2の路面2aから凹凸を取り除く。これにより、路面基材2の路面2aが適当な表面粗度に仕上げられる。
なお、本実施形態において研磨後に路面基材2の路面2aの表面粗度を検査したところ、Ra0.6程度であった。また、溶解した金属を溶射した際に鉄鋼系溶射膜7の厚さが不均等になり、回転ドラム1自体の真円度が崩れる場合があるが、本実施形態においては、研磨後の最大外径と最小外径との差は0.01mmであった。そのため、計測器6でタイヤ11の荷重やモーメントを測定する際に、回転ドラム1の振れによる測定結果への影響は問題ないものであった。
(効果)
以上に述べたように、本実施形態に係る回転ドラム1によると、路面基材2のタイヤ11が当接される路面2aをこの路面基材2よりも高硬度の鉄鋼系溶射膜7で被膜することで、路面2aの表面硬度を高くすることができて、タイヤ11による磨耗を低減させることができる。また、鉄鋼系溶射膜7で被膜された路面基材2の路面2aを研磨処理することで、真円度を高めることができて、路面状態による試験結果への影響を小さくすることができるとともに、凹部にゴムが溜まるのを抑えることができる。また、複数のタイヤ試験機10を用いる場合であっても、路面基材2の路面2aを鉄鋼系溶射膜7で被覆して研磨処理することで、鉄鋼系溶射膜7の状態をほぼ均一にすることができるから、タイヤ試験機10間に生じる真円度のばらつきを小さくすることで、試験結果のばらつきを抑えることができる。これにより、溶射膜で路面を被覆しても良好な試験結果を得ることができる。
また、路面部材を軽合金製の回転ドラム1にすることで、鉄製ドラムに比べて慣性が小さくなる。そのため、軽合金製の回転ドラム1は、鉄製ドラムに比べてドラム駆動モータ3による加減速時のエネルギーを抑えることができるとともに、速度制御がしやすい。また、軽合金製の回転ドラム1は、鉄製ドラムに比べてドラム駆動モータ3の回転軸にかかるねじりトルクが小さくなるので、トルクメータ4などの計測器をドラム駆動モータ3の回転軸に配置しても精度良く計測することができる。また、軽合金製の回転ドラム1は、鉄製ドラムに比べて熱伝導率がよいので、試験終了後にタイヤ11の発熱によって温まった路面をすばやく冷却することができて、少ない時間ロスで次のタイヤの試験に移行することができる。
また、路面基材2の路面2aを鉄鋼系溶射膜7で被覆する前に、路面2aをショットブラスト処理して路面2aを粗くすることで、鉄鋼系溶射膜7の密着度を上げることができる。
また、アルミニウム合金製の路面基材2の路面2aを鉄鋼系溶射膜7で被覆する前に、鉄鋼系溶射膜7との密着性が高いニッケル−アルミニウム合金の溶射膜で路面2aを被覆することで、鉄鋼系溶射膜7の密着度を上げることができる。
(本実施形態の変形例)
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、具体的構成などは、適宜設計変更可能である。また、発明の実施の形態に記載された、作用及び効果は、本発明から生じる最も好適な作用及び効果を列挙したに過ぎず、本発明による作用及び効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。
例えば、回転ドラム1を路面部材として説明したが、路面部材は平板であってもよい。この場合においても、平板の表面である路面を、路面を備えた路面基材よりも高硬度の鉄鋼系溶射膜7で被膜することで、タイヤ11による磨耗を低減させることができる。また、鉄鋼系溶射膜7で被膜した路面を研磨処理することで、平板の平面度を高めることができる。
1 回転ドラム
2 路面基材
2a 路面
3 ドラム駆動モータ
4 トルクメータ
5 スピンドル
6 計測器
7 鉄鋼系溶射膜
10 タイヤ試験機
11 タイヤ

Claims (7)

  1. タイヤ試験機に用いられてタイヤが当接される路面部材であって、
    前記タイヤが当接される路面を備えた路面基材を有し、
    前記路面が、前記路面基材よりも高硬度の鉄鋼系溶射膜で被覆され、且つ、研磨処理されていることを特徴とするタイヤ試験機用の路面部材。
  2. 軽合金製の回転ドラムであることを特徴とする請求項1に記載のタイヤ試験機用の路面部材。
  3. 前記路面は、前記鉄鋼系溶射膜で被覆される前に、ショットブラスト処理されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のタイヤ試験機用の路面部材。
  4. 前記路面基材はアルミニウム合金製であり、
    前記路面は、前記鉄鋼系溶射膜で被覆される前に、ニッケル−アルミニウム合金の溶射膜で被覆されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のタイヤ試験機用の路面部材。
  5. タイヤ試験機に用いられてタイヤが当接される路面部材の製造方法であって、
    前記タイヤが当接される路面を備えた路面基材の当該路面を、当該路面基材よりも高硬度の鉄鋼系溶射膜で被覆した後に、研磨処理することを特徴とするタイヤ試験機用の路面部材の製造方法。
  6. 前記路面を前記鉄鋼系溶射膜で被覆する前に、前記路面をショットブラスト処理することを特徴とする請求項5に記載のタイヤ試験機用の路面部材の製造方法。
  7. アルミニウム合金製の前記路面基材の前記路面を前記鉄鋼系溶射膜で被覆する前に、前記路面をニッケル−アルミニウム合金の溶射膜で被覆することを特徴とする請求項5又は6に記載のタイヤ試験機用の路面部材の製造方法。
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