JP5509898B2 - オイルセパレータ - Google Patents

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Description

この発明は、エンジンのブローバイガス等のオイルミスト含有ガスからオイルを分離するためのオイルセパレータに関するものである。
一般に、エンジンにおいては、燃焼室からクランクケース内へ流出するブローバイガスを、大気中に放出することなく回収するためのPCV(ポジティブ・クランクケース・ベンチレーション)が設けられている。そして、このPCVによりブローバイガスをエンジンの吸入圧(負圧)を利用してクランクケースからエンジンの吸気系に戻し、ブローバイガスの燃焼が行われるようになっている。この場合、ブローバイガス中にはオイルが微小粒子(オイルミスト)となって存在するので、ブローバイガスをそのまま燃焼することなく、ブローバイガスからミスト状のオイルを分離するように、オイルセパレータが用いられている。
従来のこの種のオイルセパレータとしては、例えば特許文献1に開示されるような構成が提案されている。この従来構成においては、ハウジングの内部にオイルミスト含有ガスが流れるガス通路が形成されている。ハウジング内のガス通路中には隔壁が設けられ、その隔壁の一部にはガスを増速して噴出させるための噴出孔が形成されている。ハウジング内において噴出孔の下流側には、噴出されたガス中からオイルを分離して捕捉するための多孔質材料からなるフィルタが配置されている。
特開平9−291810号公報
ところで、この従来のオイルセパレータにおいては、噴出孔から噴出されるガスの流速が所定値(20〜35m/sec)となるように、噴出孔の孔数と径が設定されている。このように、噴出孔の数及び径の値が固定されているため、エンジンの運転状態に応じて変化する吸入圧に従ってオイルミスト含有ガスの単位時間当たりの流量が変化した場合、噴出孔から噴出されるガスの流速を一定値に維持することができない。そのため、例えば、単位時間当たりのガスの流量が少なくなった場合には、噴出孔から噴出されるガスの流速が低下して、オイルの分離効率が低下するという問題があった。これを防止するために、噴出孔の数を少なくしたり、噴出孔の径を小さくしたりすると、エンジンの高回転時における大流量ガスに対する流路抵抗が高くなって、エンジンの吸気抵抗が増大し、このため、エンジンの燃焼効率が低下するという別の問題が生じた。
また、吸入圧にともなう負圧が低いことにより、ガスの流量が少ない時には、つまり、ガスの流速が遅い時には、ハウジング内を流れるガスに含まれたオイルミストの粒径が比較的大きい。これに対して、前記負圧が高く、ガスの流量が多い時には、つまり、ハウジング内のガスの流速が高い時には、小粒径のオイルミストが増加する傾向にある。ところが、前記従来のオイルセパレータにおいては、常に多孔質材料からなるフィルタでオイルを捕捉しているため、大粒径のオイルがフィルタに付着することにより、早期にフィルタの目詰まりを招きやすいものであった。つまり、ガスの流速が遅い場合は、一旦捕捉されたオイルミストが飛送されにくいため、フィルタを用いて捕捉する必要性は少ない。従って、このような場合にフィルタを用いることは、フィルタの短寿命を招きやすい。
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、噴出孔から噴出されるガスの流速をほぼ一定に維持することができて、オイルミストの分離効率を向上させることができるとともに、エンジンの燃焼効率を高い状態に維持することが可能なオイルセパレータを提供することにある。
上記の目的を達成するために、この発明は、噴出孔から噴出されたオイルミスト含有ガスを分離面に衝突させて、そのガス中からオイルを分離するようにしたオイルセパレータにおいて、前記噴出孔の上流側と下流側との間の圧力差に応じて、噴出孔の開口量を変更するための調節手段を設け、前記調節手段は、該オイルセパレータ内を上下方向へ移動可能に配設される開閉部材と、該開閉部材を下方に向かって付勢する付勢部材とを備え、前記噴出孔は複数個設けられ、前記開閉部材は、該開閉部材の上面側と下面側との間の圧力差により、該開閉部材に対する重力及び前記付勢部材の付勢力に抗して移動されて、開放される噴出孔の数を変更することを特徴としている。
従って、この発明のオイルセパレータにおいて、エンジン内燃機関の運転状態に応じてガスの単位時間当たりの流量が変化した場合には、噴出孔の上流側と下流側との間の圧力差に基づいて、噴出孔の開口量が変更される。すなわち、ガス流量が少なくて圧力差が小さい状態では、噴出孔の開口量が少なくなるように調節変更されて、ガス流速の低下が防止される。これに対して、ガス流量が多くなって圧力差が大きくなった場合には、噴出孔の開口量が多くなるように調節されて、圧力損失が抑制される。従って、エンジンの燃焼効率の低下を回避できるとともに、ガスの流量が変化した場合でも、噴出孔から噴出されるガスの流速をほぼ一定に維持することができて、オイルミストの分離効率を向上させることができる。
前記の構成において、前記調節手段により前記開閉部材の上面側と下面側との間の圧力差が小さい状態においては、少なくとも一つの噴出孔が開放されるとともに、前記開閉部材の上面側と下面側との間の圧力差が大きくなったときには、他の噴出孔が開放されて、噴出孔の開口量が変更されるようにすることが好ましい。
上記の目的を達成するために、この発明は、噴出孔から噴出されたオイルミスト含有ガスを分離面に衝突させて、そのガス中からオイルを分離するようにしたオイルセパレータにおいて、前記噴出孔の上流側と下流側との間の圧力差に応じて、噴出孔の開口量を変更するための調節手段を設け、前記噴出孔を複数個設けるとともに、前記調節手段には、圧力差に応じて移動されて、開放される噴出孔の数を変更する開閉部材を設け、圧力差が小さい状態においては、少なくとも一つの噴出孔が開放されるとともに、圧力差が大きくなったときには、他の噴出孔が開放されて、噴出孔の開口量が変更されるようにしたものであり、前記開閉部材に連結された平滑板を分離面上に設け、開閉部材の移動にともない、平滑板が分離面に沿って移動するとともに、前記圧力差が小さいときには小さな開放量の噴出孔と対向されることを特徴としている。
上記の目的を達成するために、この発明は、噴出孔から噴出されたオイルミスト含有ガスを分離面に衝突させて、そのガス中からオイルを分離するようにしたオイルセパレータにおいて、前記噴出孔の上流側と下流側との間の圧力差に応じて、噴出孔の開口量を変更するための調節手段を設け、前記噴出孔を複数個設けるとともに、前記調節手段には、圧力差に応じて移動されて、開放される噴出孔の数を変更する開閉部材を設け、圧力差が小さい状態においては、少なくとも一つの噴出孔が開放されるとともに、圧力差が大きくなったときには、他の噴出孔が開放されて、噴出孔の開口量が変更されるようにしたものであり、前記分離面を、圧力差が小さいときに開放される噴出孔と対向する平滑部と、圧力差が大きくなったときに開放される噴出孔と対向する多孔質部とにより構成することを特徴としている。
上記の目的を達成するために、この発明は、噴出孔から噴出されたオイルミスト含有ガスを分離面に衝突させて、そのガス中からオイルを分離するようにしたオイルセパレータにおいて、前記噴出孔の上流側と下流側との間の圧力差に応じて、噴出孔の開口量を変更するための調節手段を設け、前記噴出孔を複数個設けるとともに、前記調節手段には、圧力差に応じて移動されて、開放される噴出孔の数を変更する開閉部材を設け、圧力差が小さい状態においては、少なくとも一つの噴出孔が開放されるとともに、圧力差が大きくなったときには、他の噴出孔が開放されて、噴出孔の開口量が変更されるようにしたものであり、前記分離面を、圧力差が小さいときに開放される噴出孔と対向する低密度多孔質部と、圧力差が大きくなったときに開放される噴出孔と対向する高密度多孔質部とにより構成することを特徴としている。
以上のように、この発明によれば、単位時間当たりのガスの流量が変化した場合でも、噴出孔から噴出されるガスの流速をほぼ一定に維持することができて、オイルミストの分離効率を向上させることができ、しかもエンジンの燃焼効率を良好に維持できるという効果を発揮する。
第1実施形態のオイルセパレータを示す要部断面図。 図1の2−2線における断面図。 図1の一部を拡大して示す部分断面図。 図3の4−4線における断面図。 第2実施形態のオイルセパレータを示す部分断面図。 図5の6−6線における断面図。 第3実施形態のオイルセパレータを示す部分断面図。 図7の8−8線における断面図。 第4実施形態のオイルセパレータを示す部分断面図。 第5実施形態のオイルセパレータを示す部分断面図。
(第1実施形態)
以下に、この発明を具体化したオイルセパレータの第1実施形態を、図1〜4に従って説明する。
図1及び図2に示すように、この実施形態のオイルセパレータ11は、エンジンにおける合成樹脂製のシリンダヘッドカバー12上に設けられている。オイルセパレータ11のハウジング13はほぼ四角箱形状をなし、シリンダヘッドカバー12と一体に形成されている。ハウジング13の一側における底壁13aには、エンジンのクランク室に連通するガス流入口14が形成されている。ハウジング13の他側における上壁13bには、エンジンの吸気通路に連通するガス流出口15が形成されている。そして、ガス流入口14とガス流出口15との間において、ハウジング13内には、オイルミスト含有ガスであるブローバイガスが流れるガス通路16が形成されている。ブローバイガスは、エンジン吸気系の負圧による吸引作用に基づいてガス通路16内を流れる。
前記ハウジング13の底壁13aには、第1分離板17がガス流入口14の近傍に位置するように一体に立設され、その第1分離板17の上端縁とハウジング13の上壁13bとの間には間隙18が形成されている。ハウジング13の上壁13bには、第2分離板19が第1分離板17の下流側に位置するように一体に垂下され、その第2分離板19の下端縁とハウジング13の底壁13aとの間には間隙20が形成されている。前記ハウジング13の底壁13aには、第3分離板21が第2分離板19の下流側に位置するように一体に立設され、その第3分離板21の上端縁とハウジング13の上壁13bとの間には間隙22が形成されている。ハウジング13の上壁13bには、第4分離板23が第3分離板21の下流側に位置するように一体に垂下され、その第4分離板23の下端縁とハウジング13の底壁13aとの間には間隙24が形成されている。
そして、前記第1〜第4分離板17,19,21,23及び間隙18,20,22,24によって、ハウジング13内にガス通路16が蛇行した状態で形成されるようになっている。また、第1〜第4分離板17,19,21,23におけるガス通路16の上流側の各側面は、ブローバイガスに含まれる粒径の比較的大きいオイルミストを付着して分離するための分離面17a,19a,21a,23aとなっている。さらに、第1及び第3分離板17,21の下端部には、分離面17a,21aにより捕捉されて流下するオイルをガス通路16の下流側に導くための小孔17b,21bが形成されている。
図3及び図4に示すように、前記ハウジング13の底壁13aには、隔壁25が第4分離板23の下流側に位置するように一体に立設され、その隔壁25の上端縁とハウジング13の上壁13bとの間には間隙26が形成されている。隔壁25には、吸引されるブローバイガスのガス流を増速させるための複数の噴出孔27が上下3箇所の位置に貫設されている。これらの噴出孔27のうちで、最下部の噴出孔27aは隔壁25の横方向の中央部に1つ設けられ、中間部及び最上部の噴出孔27b,27cは横方向に3つずつ並べて配列されている。
前記ハウジング13の底壁13aには、分離壁28が隔壁25の下流側に位置するように一体に立設され、その分離壁28の上端縁とハウジング13の上壁13bとの間にはガス通路16を確保するための間隙29が形成されている。分離壁28において噴出孔27と正対する側面は、噴出孔27からのガス流が衝突する平面状の分離面28aとなっている。そして、噴出孔27から噴出されたガスが分離面28aに衝突することにより、ガスに含まれるオイルミストが分離面28aに付着して捕捉されてガスから分離される。
前記隔壁25の下端部には、第1〜第4分離板17,19,21,23の分離面17a,19a,21a,23aにより捕捉されて流下したオイルをガス通路16の下流側に導くための小孔25aが形成されている。分離壁28の下端部には、分離面28aにより捕捉されて流下するオイルをガス通路16の下流側に導くための小孔28bが形成されている。
前記ハウジング13の底壁13aには、オイル排出口30が分離壁28の下流側に位置するように形成されている。そして、第1〜第4分離板17,19,21,23の分離面17a,19a,21a,23a及び分離壁28の分離面28aで分離されて底壁13aの上面に流れ落ちるオイルが、このオイル排出口30からシリンダヘッドカバー12の内部に回収されて、図示しないオイルパン内に戻され、図示しないカム軸等の可動部の潤滑に供される。
前記ハウジング13内において噴出孔27の上流側には、調節手段としての調節機構31が配設されている。そして、エンジン吸気系の負圧が変動して、ハウジング13内のガス通路16に流れるブローバイガスの短時間当たりの流量が変化すると、この調節機構31により、噴出孔27の上流側と下流側との間の圧力差に従って、開放される噴出孔27の数が調節される。このため、実効状態の噴出孔27の数が変更されて、噴出孔27の開口量が調節される。
前記調節機構31においては、ハウジング13内の第4分離板23と隔壁25との間に、噴出孔27を開閉するための開閉部材32が上下方向へ移動可能に配設されている。開閉部材32とハウジング13の上壁13bとの間には、開閉部材32を下方に向かって付勢するための一対のスプリング33が介装されている。第4分離板23の分離面23aと反対側の側面には、開閉部材32の下端位置を規制するための一対のストッパ34が突設されている。
そして、エンジン低回転によりエンジン吸気系の負圧が低く、このため、ガス通路16中のブローバイガスの単位時間当たり流量が少ないとともに、噴出孔27の上流側と下流側との間の圧力差,言い換えれば開閉部材32の下面側と上面側との間の圧力差が小さいときには、開閉部材32が下端位置に配置される。この状態では、複数の噴出孔27のうちで最下部の一つの噴出孔27aのみが開放された状態になる。これに対して、エンジン高回転によりエンジン吸気系の負圧が高く、単位時間当たりガス流量が多くなって前記圧力差が大きくなった場合には、その圧力差に応じて開閉部材32がスプリング33の付勢力に抗して上方に移動され、最下部の噴出孔27aのほかに、中間部及び最上部に位置する複数の噴出孔27b,27cが順に開放されて、噴出孔27全体の開口量が拡大される。
次に、前記のように構成されたオイルセパレータ11の作用を説明する。
さて、エンジンが運転されると、その運転にともなって発生するブローバイガスがエンジン吸気系の負圧による吸引作用によって図1に示すガス流入口14からハウジング13内に導入され、ガス通路16に沿ってガス流出口15側に流れる。そして、ガス流入口14からガス通路16に流入したブローバイガスが第1〜第4分離板17,19,21,23の作用により、それらの端縁とハウジング13との間の間隙18,20,22,24を通して蛇行状に流れる。この過程において、ブローバイガスに含まれる粒径の比較的大きいオイルミストがハウジング13の上壁13bの内面、第1〜第4分離板17,19,21,23の分離面17a,19a,21a,23a等に付着して分離される。
そして、第1〜第4分離板17,19,21,23の各分離面17a,19a,21a,23aによって分離されたオイルは、第1,第3分離板17,21、隔壁25及び分離壁28の下端部に形成された小孔17b,21b,25a,28bを通して、ガス通路16の下流側に流れ、オイル排出口30に導かれる。
さらに、前記第4分離板23の下端縁とハウジング13の底壁13aとの間の間隙24を通過したブローバイガスは、第4分離板23と隔壁25との間に配設された調節機構31における開閉部材32の下面に作用する。この場合、エンジン低回転のためにガスの流量が少なくて、噴出孔27の上流側と下流側との間の圧力差,すなわち開閉部材32の下面と上面との間の圧力差が小さいときには、図3及び図4に実線で示すように、スプリング33の付勢力及び開閉部材32の重力により開閉部材32が下端位置に配置されて、複数の噴出孔27のうちで最下部の一つの噴出孔27aのみが開放された状態にある。このため、噴出孔27全体の開口量が少なくなるように調節されて、噴出孔27から噴出されるガスの流速低下が防止され、ガスは噴出孔27によって適切な速度に増速されて噴出孔27から分離面28aに向かって噴出される。
これに対して、ガスの流量が多くて前記圧力差が大きい場合には、その圧力差に応じて、図3及び図4に鎖線で示すように、開閉部材32がスプリング33の付勢力に抗して圧力差に応じた位置まで上方に移動される。この上方移動により、最下部の噴出孔27aのほかに、中間部及び最上部に位置する複数の噴出孔27b,27cの一部または全部開放されて、噴出孔27全体の開口量がガスの流量に従った開口量となるように拡大調節される。従って、噴出孔27からの噴出速度の高騰が防止されるとともに、吸気の圧力損失に繋がる流路抵抗の上昇が抑制される。
このように、噴出孔27の開口量が調節された状態で、ガスが噴出孔27を通して適切に増速されて、分離壁28の分離面28aに向かって噴出される。そして、ガスが分離面28aに衝突することにより、ガスに含まれる残りのオイルミストが分離面28aに付着して分離される。以上のように、ガスの流量すなわち、流速が変化した場合でも、噴出孔27から噴出されるガスの流速がほぼ一定に維持されて、オイルを効率よく分離して捕捉することができる。
そして、前記分離壁28の分離面28aで分離されたオイルは、油滴となってハウジング13の底壁13a上に流れ落ち、分離壁28の下端部に形成された小孔28bを通してガス通路16の下流側に流れて、オイル排出口30から排出される。オイルが分離されたブローバイガスは、ガス流出口15からエンジンの吸気系に戻される。
従って、この実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1) このオイルセパレータにおいては、エンジンの運転状態に応じて単位時間当たりのガスの流量が変化した場合、噴出孔27の上流側と下流側との間の圧力差に基づいて、調節機構31により、前記流量に応じて噴出孔27の開口量が調節される。このため、ガス流量が少なくて圧力差が小さい状態では、噴出孔27の開口量が少なくなるように調節変更されて、噴出孔27からのガス噴出速度の低下が抑制される。これに対して、ガス流量が多くなって前記圧力差が大きくなった場合には、噴出孔27の開口量が拡大するように調節される。よって、ガスの流量が変化した場合でも、つまりエンジンの回転数に関わらず、噴出孔27から噴出されるガスの流速をほぼ一定に維持することができて、オイルミストの分離効率を良好に保つことができるとともに、オイルセパレータ内の圧力損失の高騰を防止できて、エンジンの燃焼効率を良好に維持できる。
(2) このオイルセパレータにおいては、前記圧力差に従って開閉部材32が移動するのみで、噴出孔27の開放数が変更されて、噴出孔27の開口量が変更されるようになっている。よって、調節機構31の構造が簡単であるとともに、ガスの流量変化に応じて、噴出孔27の開口量を適切に調節変更することができる。
(3) このオイルセパレータにおいては、オイルミスト含有ガスのガス通路16中に、複数の分離板17,19,21,23よりなるオイル分離構成と、噴出孔27、分離面28a及び調節機構31よりなるオイル分離構成とが配置されている。このため、両オイル分離構成により、ガスに含まれる粒径の異なったオイルミストを順に分離回収することができて、オイルミストの分離性能を一層向上させることができる。
(第2実施形態)
次に、この発明を具体化したオイルセパレータの第2実施形態を説明する。なお、この第2実施形態以降の各実施形態及び変更例においては、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
第2実施形態においては、図5及び図6に示すように、分離壁28の分離面28aが、圧力差が小さいときに開放される最下部の噴出孔27aと対向する平滑部37と、圧力差が大きくなったときに開放される中間部及び最上部の噴出孔27b,27cと対向する多孔質部38とにより構成されている。この多孔質部38は、不織布や発泡体等の多孔質材料により構成されている。分離壁28の分離面28aには、オイル溝39が多孔質部38の一側下端縁から分離面28aの下端部まで延びるように形成されている。
従って、この第2実施形態によれば、前記第1実施形態における(1)〜(3)に記載の効果に加えて、以下のような効果を得ることができる。
(4) このオイルセパレータにおいては、ガスの流量が少なく大粒径のオイルミストの比率が高い時には、小圧力差のもとで開閉部材32により最下部の噴出孔27aのみが開放されて、その噴出孔27aから噴出される大粒径のオイルミストが、平滑部37によって捕捉される。これに対して、ガスの流量が多く、従って、ハウジング内のガスの流速が高く、小粒径のオイルミストの比率が高い時には、大圧力差のもとで開閉部材32により中間部及び最下部の噴出孔27b,27cが圧力差に従った数で開放される。従って、その噴出孔27b,27cから噴出される小粒径のオイルミストが、多孔質部38によって捕捉される。よって、低流量時における大粒径のオイルミストが多孔質部38に付着することはほとんどなく、このため、早期に多孔質部38の目詰まりによる機能低下を防止することができるとともに、大小のオイルミストを効率よく捕捉できる。
(5) このオイルセパレータにおいては、分離壁28の分離面28aに、多孔質部38に連なるオイル溝39が形成されている。このため、多孔質部38によって捕捉されたオイルをオイル溝39に沿って速やかに流下させて回収することができる。従って、多孔質部38の早期目詰まりを防止できる。
(第3実施形態)
次に、この発明を具体化したオイルセパレータの第3実施形態を説明する。
第3実施形態においては、図7及び図8に示すように、隔壁25に形成された複数の噴出孔27のうちで、最下部の噴出孔27aが隔壁25の横方向の中央部に1つ設けられ、中間部及び最上部の噴出孔27b,27cが最下部の噴出孔27aの上方位置から両側方に離間した位置で横方向に並べて配列されている。分離壁28の分離面28aは、前記第2実施形態と同様な多孔質部38により形成されている。分離壁28の分離面28a上には、圧力差が小さいときに開放される最下部の噴出孔27aと対向可能な平滑部としての平滑板40が配設され、この平滑板40は連結杆41を介して開閉部材32と一体移動可能に連結されている。
そして、ガスの流量が少ない時には、図7及び図8に実線で示すように、小圧力差のもとで開閉部材32により最下部の噴出孔27aのみが開放されるとともに、平滑板40が最下部の噴出孔27aと対応する位置に配置される。この状態で、噴出孔27aから噴出される大粒径のオイルミストを含むガスが平滑部37によって向けて噴射されて、その平滑板40上に捕捉される。これに対して、ガスの流量が多い時には、図7及び図8に鎖線で示すように、大圧力差のもとで開閉部材32により噴出孔27b,27cが圧力差に従った量だけ開放されるとともに、平滑板40が最下部の噴出孔27aと対応する位置から上方に移動される。この状態で、噴出孔27a,27b,27cから噴出される小粒径のオイルミストが、多孔質部38によって捕捉される。
従って、この第3実施形態によれば、前記第1実施形態及び第2実施形態における(1)〜(4)に記載の効果とほぼ同様の効果を得ることができる。さらに、この第3実施形態においては、以下の効果を得ることができる。
(6) このオイルセパレータにおいては、圧力差が小さい時には、平滑板40で大粒径のオイルミストが捕捉され、圧力差が大きくなってガスの流量が増加すると、多孔質部38で小粒径のオイルミストが捕捉される。従って、大粒径のオイルミスト及び小粒径のオイルミストを効率よく捕捉できる。
(第4実施形態)
次に、この発明を具体化したオイルセパレータの第4実施形態を説明する。
この第4実施形態においては、図9に示すように、分離壁28の分離面28aに、圧力差が比較的小さいときに開放される最下部及び中間部の噴出孔27a,27bと対向する低密度多孔質部42と、圧力差が大きくなったときに開放される最上部の噴出孔27cと対向する高密度多孔質部43とが設けられている。これらの多孔質部42,43は、不織布等の多孔質材料により構成されている。
従って、この第4実施形態によれば、前記第1実施形態における(1)〜(3)に記載の効果に加えて、以下のような効果を得ることができる。
(7) このオイルセパレータにおいては、ガスの流量が少ない時には、小圧力差のもとで開放された噴出孔27a,27bから噴出される大粒径のオイルミストが、低密度多孔質部42によって捕捉される。これに対して、ガスの流量が多い時には、大圧力差のもとで開放された噴出孔27cから噴出される小粒径のオイルミストが、高密度多孔質部43によって捕捉される。よって、大粒径のオイルミストを低密度多孔質部42に捕捉できるため、分離面28aが多孔質材によって構成されていても、目詰まりを抑制できる。また、小粒径のオイルミストを高密度多孔質部43によって逃すことなく捕捉することができる。従って、多孔質材によってオイル分離を行っても、目詰まりすることなく、高い分離効率を得ることができる。
(第5実施形態)
次に、この発明を具体化したオイルセパレータの第5実施形態を説明する。
この第5実施形態においては、図10に示すように、分離壁28がハウジング13の上壁13bから垂下するように形成され、その分離壁28の下端縁とハウジング13の底壁13aとの間にガス通路16を確保するための間隙29が形成されている。分離壁28には、分離面28aを構成するように、前記図9の第4実施形態と同様な多孔質部42,43が設けられている。
従って、この第5実施形態によれば、前記第1実施形態における(1)〜(3)及び第4実施形態における(7)とほぼ同様な効果得ることができるとともに、以下のような効果を得ることができる。
(8) このオイルセパレータにおいては、分離壁28がハウジング13の上壁13bに垂設されているため、分離壁28の分離面28aが多孔質部42,43により形成されている。また、間隙29が分離壁28の下側に形成されている。このため、分離面28a上を通って、間隙29から抜けるガス流によって多孔質部42,43に捕捉されたオイルを流下させ、ハウジング13の底壁13aを経てオイル排出口30から速やかに回収することができる。
(変更例)
なお、この実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 前記各実施形態において、ガスの流量が少ないときに開放される噴出孔27の数を複数にすること。
・ 前記各実施形態において、ガスの流量が多いときに開放される噴出孔27の数を図面上の数よりも増やすこと。
・ 前記各実施形態おいて、噴出孔27の上下の段数を3段以上にすること。
・ 前記各実施形態において、噴出孔27の数を上段側のものほど多くすること。
11…オイルセパレータ、13…ハウジング、14…ガス流入口、15…ガス流出口、16…ガス通路、17,19,21,23…分離板、17a,19a,21a,23a…分離面、25…隔壁、27,27a〜27c…噴出孔、28…分離壁、28a…分離面、31…調節手段としての調節機構、32…開閉部材、33…スプリング、37…平滑部、38…多孔質部、40…平滑部としての平滑板、42…低密度多孔質部、43…高密度多孔質部。

Claims (5)

  1. 噴出孔から噴出されたオイルミスト含有ガスを分離面に衝突させて、そのガス中からオイルを分離するようにしたオイルセパレータにおいて、
    前記噴出孔の上流側と下流側との間の圧力差に応じて、噴出孔の開口量を変更するための調節手段を設け、
    前記調節手段は、該オイルセパレータ内を上下方向へ移動可能に配設される開閉部材と、該開閉部材を下方に向かって付勢する付勢部材とを備え、
    前記噴出孔は複数個設けられ、
    前記開閉部材は、該開閉部材の上面側と下面側との間の圧力差により、該開閉部材に対する重力及び前記付勢部材の付勢力に抗して移動されて、開放される噴出孔の数を変更することを特徴とするオイルセパレータ。
  2. 前記調節手段により前記開閉部材の上面側と下面側との間の圧力差が小さい状態においては、少なくとも一つの噴出孔が開放されるとともに、前記開閉部材の上面側と下面側との間の圧力差が大きくなったときには、他の噴出孔が開放されて、噴出孔の開口量が変更されるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のオイルセパレータ。
  3. 噴出孔から噴出されたオイルミスト含有ガスを分離面に衝突させて、そのガス中からオイルを分離するようにしたオイルセパレータにおいて、
    前記噴出孔の上流側と下流側との間の圧力差に応じて、噴出孔の開口量を変更するための調節手段を設け、
    前記噴出孔を複数個設けるとともに、前記調節手段には、圧力差に応じて移動されて、開放される噴出孔の数を変更する開閉部材を設け、圧力差が小さい状態においては、少なくとも一つの噴出孔が開放されるとともに、圧力差が大きくなったときには、他の噴出孔が開放されて、噴出孔の開口量が変更されるようにしたものであり、
    前記開閉部材に連結された平滑板を分離面上に設け、開閉部材の移動にともない、平滑板が分離面に沿って移動するとともに、前記圧力差が小さいときには小さな開放量の噴出孔と対向されることを特徴とするオイルセパレータ。
  4. 噴出孔から噴出されたオイルミスト含有ガスを分離面に衝突させて、そのガス中からオイルを分離するようにしたオイルセパレータにおいて、
    前記噴出孔の上流側と下流側との間の圧力差に応じて、噴出孔の開口量を変更するための調節手段を設け、
    前記噴出孔を複数個設けるとともに、前記調節手段には、圧力差に応じて移動されて、開放される噴出孔の数を変更する開閉部材を設け、圧力差が小さい状態においては、少なくとも一つの噴出孔が開放されるとともに、圧力差が大きくなったときには、他の噴出孔が開放されて、噴出孔の開口量が変更されるようにしたものであり、
    前記分離面を、圧力差が小さいときに開放される噴出孔と対向する平滑部と、圧力差が大きくなったときに開放される噴出孔と対向する多孔質部とにより構成したことを特徴とするオイルセパレータ。
  5. 噴出孔から噴出されたオイルミスト含有ガスを分離面に衝突させて、そのガス中からオイルを分離するようにしたオイルセパレータにおいて、
    前記噴出孔の上流側と下流側との間の圧力差に応じて、噴出孔の開口量を変更するための調節手段を設け、
    前記噴出孔を複数個設けるとともに、前記調節手段には、圧力差に応じて移動されて、開放される噴出孔の数を変更する開閉部材を設け、圧力差が小さい状態においては、少なくとも一つの噴出孔が開放されるとともに、圧力差が大きくなったときには、他の噴出孔が開放されて、噴出孔の開口量が変更されるようにしたものであり、
    前記分離面を、圧力差が小さいときに開放される噴出孔と対向する低密度多孔質部と、圧力差が大きくなったときに開放される噴出孔と対向する高密度多孔質部とにより構成したことを特徴とするオイルセパレータ。
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