JP2010248935A - オイルセパレータ - Google Patents

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Abstract

【課題】ブローバイガスからのオイルの分離効率を向上させることができるオイルセパレータを提供する。
【解決手段】ブローバイガスの流路16に繊維の集合体よりなるフィルタ17を設ける。フィルタ17の下流側には流路に対向する分離面19aを設けるとともに、その分離面19aの端縁と流路16の内壁面との間に流路となる間隙20を形成する。間隙20の反対側におけるフィルタ17と分離面19aとの間にオイル排出口21を設ける。ブローバイガスのオイルがフィルタ17及び分離面19aで分離されてオイル排出口21から排出されるとともに、オイル分離後のガスが間隙20を流れるようにする。
【選択図】図3

Description

この発明は、エンジンのブローバイガス等のオイル含有ガスからオイルを分離するようにしたオイルセパレータに関するものである。
従来、この種のオイルセパレータとしては、例えば特許文献1及び特許文献2に開示されるような構成が提案されている。特許文献1に記載の従来構成においては、ブローバイガスの流路を形成するハウジング内に、海綿状の金属板よりなる一対のフィルタが間隔をおいて配置されている。両フィルタの下流側に位置するように、ハウジングの下面にはオイル排出口が形成されている。そして、ブローバイガスがハウジング内を直進してそのブローバイガスに含まれるオイルがフィルタで分離されて、オイル排出口から排出されるようになっている。
また、特許文献2に記載の従来構成においては、ブローバイガスの流路を形成するハウジング内に、複数の絞り孔を有する絞り壁と、慣性衝突壁とが間隔をおいて配置されている。絞り壁と慣性衝突壁との間に位置するように、ハウジングの下面にはオイル排出口が形成されている。そして、ブローバイガスが絞り壁の絞り孔を通して慣性衝突壁に衝突することにより、そのブローバイガスからオイルが分離されて、ハウジングの底壁上に溜まり、その底壁上からオイル排出口を経て排出されるようになっている。
実開平6−76614号公報 特開2007−64155号公報
ところが、この従来のオイルセパレータにおいては、次のような問題があった。
特許文献1に記載の従来構成においては、ブローバイガスのオイルを一対のフィルタのみにより分離するようになっている。このため、フィルタに捕捉されたオイルがハウジング内を直進するガス流によりオイルミストとして飛散され、そのガス流に再び混入して、結果としてオイルの分離効率が低下するという問題があった。
また、特許文献2に記載の従来構成においては、ブローバイガスを絞り壁の絞り孔から慣性衝突壁に衝突させることにより、オイルを分離するようになっている。このように、オイルを大量に含んだガス流を壁に衝突させて分離させる方法は、ガス流をフィルタ中に通す場合と比較して分離効率が悪い。しかも、この特許文献2においては、ガス流が慣性衝突壁の下端とオイルが溜まっているハウジング底壁との間を通り抜けるため、分離されたオイルがガス流中に再度混入するおそれがある。従って、この特許文献2においても、オイルの分離効率が低いという問題があった。
この発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的は、オイル含有ガスからのオイルの分離効率を向上させることができるオイルセパレータを提供することにある。
上記の目的を達成するために、この発明は、オイル含有ガスの流路に繊維の集合体よりなるフィルタを設け、そのフィルタの下流側に前記流路に対向する分離面を設けるとともに、その分離面の端縁と流路の内面との間に前記流路となる間隙を形成し、その間隙の反対側におけるフィルタと分離面との間に排出口を設け、オイル含有ガスのオイルがフィルタを通って分離面に当たった後に前記間隙を通って流れるとともに、前記フィルタ及び分離面で分離されたオイルが前記排出口から排出されるようにしたことを特徴としている。
従って、この発明のオイルセパレータにおいては、繊維の集合体からなるフィルタにより、オイル含有ガスからオイルが分離されるとともに、そのフィルタの下流側において分離面により、オイル含有ガスに残留するオイルが分離されて除去される。そして、フィルタ及び分離面で分離されたオイルがフィルタと分離面との間の排出口から排出される。よって、フィルタに捕捉されたオイルがガス中に再び混入して、オイルの分離効率が低下するおそれを抑制することができて、オイルの分離効率を向上させることができる。
前記の構成において、前記フィルタと分離面との間に間隔を形成するとよく、前記分離面をその先端側がフィルタに接近するように傾斜させるとよい。
また、前記の構成において、前記間隙の下流側における前記排出口の反対側においてガス流路を遮ることによりガス流路を蛇行させる面を設けることが好ましい。
さらに、前記の構成において、前記分離面に繊維の集合体よりなる補助フィルタを設けたことが好ましく、前記補助フィルタをその上流側のフィルタより低密度に形成することがさらに好ましい。
以上のように、この発明によれば、オイル含有ガスからのオイルの分離効率を向上させることができるという効果を発揮する。
第1実施形態のオイルセパレータを示す斜視図。 図1のオイルセパレータの部分破断平面図。 図2の3−3線における断面図。 図3の4−4線における断面図。 第2実施形態のオイルセパレータを示す断面図。 第3実施形態のオイルセパレータを示す断面図。
(第1実施形態)
以下に、この発明を具体化したオイルセパレータの第1実施形態を図1〜図4に従って説明する。
図1〜図3に示すように、この実施形態のオイルセパレータ11は、エンジンの合成樹脂製のシリンダヘッドカバー12上に配置されている。オイルセパレータ11のハウジング13は、前記シリンダヘッドカバー12と一体に形成され、ほぼ四角箱形状をなしている。ハウジング13の一側における底壁には、エンジンのクランク室に連通するガス流入口14が形成されている。ハウジング13の他側における上壁には、エンジンの吸気通路に連通するガス流出口15が形成されている。そして、ガス流入口14とガス流出口15との間において、ハウジング13内には、オイル含有ガスであるブローバイガスのガス流路16が形成されている。
前記ハウジング13内のガス流路16中には、ブローバイガスからオイルを分離して捕捉するためのフィルタ17が配置されている。フィルタ17の下流側の側面には、フィルタ17を保持するための合成樹脂製の網体18が接着されている。前記フィルタ17は繊維の集合体より構成されている。その繊維としては、例えばセラミック等の無機繊維のように、ストレート形状でかつ表面平滑で摩擦抵抗が小さな微細繊維や、撥水性及び撥油性が高い樹脂繊維が用いられている。この構成により、フィルタ17のオイル捕捉性能が高められるとともに、捕捉されて凝集されたオイルが容易に流れ落ちるようになっている。フィルタ17の下流側において、ハウジング13の上壁の内面には保持壁13aが形成され、フィルタ17を所定位置において保持している。
前記フィルタ17の下流側において、ハウジング13内のガス流路16中には、第1分離板19がフィルタ17から間隔をおいて配置されている。第1分離板19のフィルタ17と対向する面を第1分離面19aとしている。第1分離板19の上端(先端)とハウジング13の上壁の内面との間には、ガス流路を確保するための間隙20が形成されている。そして、フィルタ17を通過したブローバイガスが第1分離板19の第1分離面19aに衝突した後に間隙20を通して蛇行状に流れることにより、ブローバイガスに含まれるオイルが分離されて除去される。
前記間隙20と反対側(下部側)においてフィルタ17と第1分離面19aとの間に位置するように、ハウジング13の底壁にはオイル排出口21が形成されている。オイル排出口21の周側においてハウジング13の上部側には、オイル排出口21に向かって下降傾斜するオイル受け面22が形成されている。そして、フィルタ17及び第1分離面19aで分離されて流れ落ちるオイルが、オイル受け面22に沿ってオイル排出口21に案内されるとともに、そのオイル排出口21からシリンダヘッドカバー12の内部に回収される。回収されたオイルは、カム軸(図示しない)等の可動部の潤滑に供される。
前記第1分離面19a上の間隙20の下流側において、オイル排出口21と反対側の上側部に位置するように、ハウジング13内のガス流路16中には、ガス流路を遮るように、ハウジング13の上部から下方へ向かって突出する第2分離板23が第1分離板19から間隔をおいて配置されている。第2分離板23の第1分離板19と対向する面は、第2分離面23aとなっている。第2分離板23の下端とハウジング13の底壁内面との間には、ガス流路を確保するための間隙24が形成されている。そして、第2分離板23の第2分離面23aと間隙24とによりガス流路16が蛇行され、ブローバイガスがこの蛇行したガス流路16を流れることにより、ブローバイガスに残留するオイルが第2分離面23aによって分離されて除去される。
前記第1分離板19の下端隅部には、小孔状のオイル通路25が形成されている。そして、第2分離板23の第2分離面23aで分離されたオイルが、このオイル通路25を通してオイル排出口21に導かれ、そのオイル排出口21から排出される。
次に、前記のように構成されたオイルセパレータ11の作用を説明する。
さて、エンジンが運転されると、その運転にともなって発生するブローバイガスがガス流入口14からハウジング13内に導入され、ガス流路16に沿ってガス流出口15側に流れる。そして、ブローバイガスがフィルタ17を通過することにより、ブローバイガスに含まれるオイルがフィルタ17によって捕捉される。この場合、フィルタ17が繊維の集合体より構成されているため、ブローバイガスに含まれるオイルの大部分がフィルタ17の繊維上に効率よく捕捉されて凝集される。
その後、フィルタ17を通過したブローバイガスは第1分離板19の第1分離面19aに衝突することにより、ブローバイガスに残留するオイルが第1分離面19aに付着して除去される。続いて、第1分離面19a上の間隙20を通過したブローバイガスが第2分離板23の第2分離面23aに衝突することによりブローバイガスにわずかに残留するオイルが第2分離面23a付着して除去される。
そして、前記フィルタ17及び第1分離板19の第1分離面19aで分離されたオイルが下方へ流れ、オイル受け面22に沿ってオイル排出口21から排出される。また、第2分離板23の第2分離面23aで分離されてその第2分離面23aから流れ落ちるオイルが、オイル通路25を通してオイル排出口21に導かれる。
従って、この実施形態のオイルセパレータ11においては、以下の効果がある。
(1) ブローバイガスに含まれるオイルが、繊維の集合体よりなるフィルタ17によって効率的に分離される。その後、大部分のオイルが除去されたブローバイガスが第1分離面19aに衝突することにより、その第1分離面19aによってオイルが分離される。そして、フィルタ17及び第1分離面19aによって分離されたオイルは下方へ流れ落ちて、フィルタ17と第1分離面19aとの間の排出口21から排出される。オイルが分離されたガスは第1分離面19aの上端の間隙20から後方へ流れる。従って、ガス流からオイルを効果的に分離できるとともに、そのガス流中に再度混入することはほとんどない。
(2) フィルタ17がストレートな無機繊維により構成されているため、フィルタ17に捕捉されて凝集されたオイルは、円滑に流れ落ちる。このため、このフィルタ17において、分離されたオイルが再度ガス流中に含まれることを抑制でき、オイルを高い効率で分離できる。
(3) 第1分離面19aによってオイル分離されたブローバイガスは下流側の第2分離面23aによりさらにオイル分離される。このため、さらに効果的なオイル分離が実行される。
(第2実施形態)
次に、この発明を具体化したオイルセパレータの第2実施形態を、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
さて、この第2実施形態においては、図5に示すように、前記第1実施形態の場合とは逆に、ハウジング13の上壁にガス流入口14が形成されるとともに、他側の底壁にガス流出口15が形成されている。また、第1実施形態の場合とは逆に、第1分離板19の第1分離面19aの下端とハウジング13の底壁内面との間に間隙20が形成されるとともに、第2分離板23の第2分離面23aの上端とハウジング13の上壁内面との間に間隙24が形成される。
従って、この第2実施形態においても、前記第1実施形態に記載の効果とほぼ同様の効果を得ることができる。
(第3実施形態)
次に、この発明を具体化したオイルセパレータの第3実施形態を、前記第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
さて、この第3実施形態においては、図6に示すように、第1分離板19の第1分離面19aに繊維の集合体よりなる補助フィルタ31が接合配置されている。そして、第1分離面19aで分離されたオイルが、この補助フィルタ31よって捕捉されるようになっている。この場合、補助フィルタ31は上流側のフィルタ17と同材質である。また、この補助フィルタ31は、上流側のフィルタ17よりも低密度となるように形成されて、オイルの流れ落ちる作用が高められている。
従って、この第3実施形態においても、前記第1実施形態に記載の効果とほぼ同様の効果を得ることができる。また、この第3実施形態においては、以下の効果がある。
(4) 第1分離面19aに補助フィルタ31が設けられている。このため、第1分離面19aで分離されたオイルを補助フィルタ31よって捕捉することができ、オイルの分離機能をさらに高めることができる。
(5) 補助フィルタ31がその上流側のフィルタ17より低密度であるため、捕捉されたオイルがわずかな量で、凝集量が少なくても、捕捉されたオイルは速やかに流れ落ちて排出される。
(変更例)
なお、この実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・ 前記第1実施形態において、図3に2点鎖線で示すように、第1分離板19をその第1分離面19aが上端側ほどフィルタ17側に接近するように傾斜した状態で形成すること。このように構成した場合には、ガス流の蛇行角度が大きくなるため、第1分離面19aにおけるオイルの分離効率を高めることができる。
・ 前記第2実施形態において、図5に2点鎖線で示すように、第2分離板23をその第2分離面23aが間隙24側の端部ほど第1分離板19側に接近するように傾斜した状態で形成すること。このように構成した場合には、第2分離面23aにおけるオイルの分離効率を高めることができる。
11…オイルセパレータ、13…ハウジング、14…ガス流入口、15…ガス流出口、16…ガス流路、17…フィルタ、19…第1分離板、19a…第1分離面、20…間隙、21…オイル排出口、23…第2分離板、23a…第2分離面、24…間隙、31…補助フィルタ。

Claims (6)

  1. オイル含有ガスの流路に繊維の集合体よりなるフィルタを設け、そのフィルタの下流側に前記流路に対向する分離面を設けるとともに、その分離面の端縁と流路の内面との間に前記流路となる間隙を形成し、その間隙の反対側におけるフィルタと分離面との間に排出口を設け、オイル含有ガスのオイルがフィルタを通って分離面に当たった後に前記間隙を通って流れるとともに、前記フィルタ及び分離面で分離されたオイルが前記排出口から排出されるようにしたことを特徴とするオイルセパレータ。
  2. 前記フィルタと分離面との間に間隔を形成したことを特徴とする請求項1に記載のオイルセパレータ。
  3. 前記分離面をその先端側がフィルタに接近するように傾斜させたことを特徴とする請求項2に記載のオイルセパレータ。
  4. 前記間隙の下流側における前記排出口の反対側においてガス流路を遮ることによりガス流路を蛇行させる面を設けたことを特徴とする請求項2または3に記載のオイルセパレータ。
  5. 前記分離面に繊維の集合体よりなる補助フィルタを設けたことを特徴とする請求項2〜3のうちのいずれか一項に記載のオイルセパレータ。
  6. 前記補助フィルタをその上流側のフィルタより低密度に形成したことを特徴とする請求項5に記載のオイルセパレータ。
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