JP5509117B2 - 燃料噴射装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関に燃料を噴射供給する燃料噴射装置に関する。
従来、燃料タンクから高圧ポンプによって加圧圧送され、デリバリパイプに蓄圧された燃料を内燃機関に噴射供給する電磁式の燃料噴射装置が知られている。燃料噴射装置は、コイルに通電されると、可動コアを固定コア側に磁力により吸引し、その可動コアと共に移動するニードル弁により噴孔を開閉することで燃料を噴射する。
特許文献1の燃料噴射装置は、可動コアとニードル弁との間に僅かな隙間(特許文献1では「第1ギャップ39」)を有している。コイルに通電されると、可動コアは、その隙間を固定コア側へ磁気吸引される間に加速された後、ニードル弁と衝突する。これにより、ニードル弁の開弁動作を高速にしている。
特表2002−506502号公報
特許文献1では、コイルへの通電が停止されると、ニードル弁を弁座側に付勢するスプリング(特許文献1では「第1戻しばね27」)の付勢力により、可動コアとニードル弁とが閉弁方向へ移動する。したがって、特許文献1の燃料噴射装置は、ニードル弁の閉弁動作を高速にするものではない。このため、閉弁作動時の燃料の噴射率を適切に制御することが困難になり、噴射終了間際の燃料噴霧が十分に微粒化されないおそれがある。これにより、未燃焼ガスが増加し、炭化水素(HC)及び粒子状物質(PM)の排出量が増加するおそれがある。ここで、噴射率とは、噴射動作中における単位時間当たりの燃料噴射量をいう。
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、噴射率を適切に制御可能な燃料噴射装置を提供することを目的とする。
請求項1に係る発明によると、燃料噴射装置は、ハウジング、ニードル弁、コイル、固定コア、可動コア、第1付勢手段、ストッパおよび第2付勢手段を備える。
筒状のハウジングは、燃料の流れる燃料通路、この燃料通路内に設けられる弁座、及びこの弁座の下流側に設けられる噴孔を有する。ハウジング内に軸方向に往復移動可能に設けられるニードル弁は、弁座に着座又は離座することで噴孔を開閉する。
通電されることで磁界を励磁するコイルの径方向内側で、コイルの発生する磁界内に固定コアが固定される。固定コアの弁座側で軸方向に往復移動可能に設けられる可動コアは、コイルの励磁する磁界によって固定コア側に磁気吸引される。
第1付勢手段が可動コアおよびニードル弁を閉弁方向へ付勢する。ストッパは、ニードル弁に当接可能に設けられ、ニードル弁の開弁方向への移動を制限する。第2付勢手段は、一方の側が可動コアに固定又は係止され、他方の側がニードル弁に固定又は係止され、可動コアが固定コアに磁気吸引されるとき、ニードル弁とストッパとが当接した後に可動コアが固定コア側へ移動することで撓み変形し、可動コアを閉弁方向へ付勢する付勢力を蓄勢可能である。
コイルに通電されると、可動コアは、第1付勢手段の付勢力に抗して固定コアに磁気吸引される。このとき、可動コアとニードル弁とが第2付勢手段により互いに固定又は係止され、共に開弁方向に移動する。そしてニードル弁がストッパに当接した後、可動コアはさらに固定コア側に移動する。このため、可動コアを閉弁方向へ付勢する付勢力が第2付勢手段に蓄勢される。
コイルへの通電が停止されると、第2付勢手段に蓄勢された付勢力、および、第1付勢手段の付勢力により、可動コアが閉弁方向に移動する。そして可動コアとニードル弁とが衝突すると、ニードル弁は高速で閉弁方向に移動する。これにより、ニードル弁の閉弁速度が速くなる。したがって、燃料噴射装置は燃料の噴射率を適切に制御することができる。この結果、燃費を低減すると共に、燃料噴霧の微粒化により炭化水素(HC)及び粒子状物質(PM)の排出量を低減することができる。
請求項2に係る発明によると、燃料噴射装置は、コイルへの通電が停止し、かつニードル弁が弁座に着座した状態において、第2付勢手段とニードル弁との間、または第2付勢手段と可動コアとの間に所定の距離の空間を有する。
これにより、コイルに通電され、可動コアとニードル弁とが第2付勢手段により固定又は係止されるまでに、可動コアが加速される。したがって、ニードル弁の開弁速度を速くすることができる。
請求項3に係る発明によると、コイルへの通電が停止し、かつニードル弁が弁座に着座した状態において、第2付勢手段とニードル弁との距離、または第2付勢手段と可動コアとの距離を距離Aとし、ニードル弁とストッパとの距離を距離Bとし、可動コアと固定コアとの距離を距離Eとすると、距離Eは、距離Aと距離Bとの和より大きい。
これにより、ニードル弁の開弁作動時、可動コアが固定コアに磁気吸引されるときに第2付勢手段が撓むための空間が形成されるので、可動コアを閉弁方向へ付勢する付勢力が第2付勢手段に蓄勢される。
請求項4に係る発明によると、コイルに通電され、可動コアが固定コアに磁気吸引されたときの可動コアの移動距離を距離Cとすると、距離Eは、距離Cよりも大きい。
これにより、燃料噴射装置は、可動コアが固定コア側にフルリフトした状態で、可動コアと固定コアとの間に空間を有する。このため、固定コアの吸引力に釣合う位置まで可動コアを固定コア側に引き上げることで、第1付勢手段と第2付勢手段とに付勢力が十分に蓄勢される。したがって、閉弁速度を速くすることができる。
さらに、ニードル弁の開弁作動時に可動コアと固定コアとの間のスクイズ力が低減される。したがって、開弁応答性および閉弁応答性を向上することができる。
請求項5に係る発明によると、燃料噴射装置は、ニードル弁を弁座側に直接付勢する第3付勢手段を備える。
これにより、可動コアとニードル弁とが離間し、かつ、燃料通路の燃料圧力が低下したとき、ニードル弁を確実に弁座に着座させることができる。
請求項6に係る発明によると、第2付勢手段は、環状に形成され、板厚方向に撓み変形可能である。これにより、第2付勢手段の構成を簡素にすることができる。
請求項7に係る発明によると、可動コアは、弁座側の外壁から弁座側へ延び、第2付勢手段の一方の側を係止又は固定する保持部を有する。
これにより、第2付勢手段と可動コアとを容易に固定又は係止することができる。
請求項8に係る発明によると、第2付勢手段は、皿ばね、または、圧縮コイルばねである。
これにより、第2付勢手段の荷重を容易に設定することができる。
請求項9に係る発明によると、第2付勢手段は、筒状の筒部と、筒部の一端から径外方向に延びて可動コアに係止可能又は固定される大径部と、筒部の他端から径内方向に延びてニードル弁に係止可能又は固定される小径部とを有する。
これにより、可動コア及びニードル弁に第2付勢手段を容易に固定又は係止することができる。
請求項10に係る発明によると、第2付勢手段は、筒部から小径部に連続して形成されるスリットを有する。
スリットの大きさ、長さ等を設定することで、第2付勢手段の付勢力を調節することができる。
請求項11に係る発明によると、第2付勢手段は、係止部材と引張コイルばねとを有する。係止部材は、可動コアの弁座側に設けられ、開弁作動時にニードル弁を係止可能である。引張コイルばねは、一端が可動コアに固定され、他端が係止部材に固定される。
これにより、第2付勢手段の荷重を容易に設定することができる。
本発明の第1実施形態による燃料噴射装置の断面図である。 本発明の第1実施形態による燃料噴射装置の要部断面図である。 本発明の第1実施形態による燃料噴射装置の閉弁の状態と開弁の状態を示す要部断面図である。 本発明の第1実施形態による燃料噴射装置の開弁時の特性図である。 本発明の第1実施形態による燃料噴射装置の閉弁時の特性図である。 本発明の第1実施形態による燃料噴射装置の開弁動作の説明図である。 本発明の第1実施形態による燃料噴射装置の閉弁動作の説明図である。 本発明の第2実施形態による燃料噴射装置の要部断面図である。 本発明の第2実施形態による燃料噴射装置の第2付勢手段の斜視図である。 本発明の第3実施形態による燃料噴射装置の第2付勢手段の斜視図である。 本発明の第4実施形態による燃料噴射装置の第2付勢手段の斜視図である。 本発明の第5実施形態による燃料噴射装置の第2付勢手段の斜視図である。 本発明の第6実施形態による燃料噴射装置の要部断面図である。 本発明の第7実施形態による燃料噴射装置の要部断面図である。 本発明の第8実施形態による燃料噴射装置の要部断面図である。 本発明の第9実施形態による燃料噴射装置の要部断面図である。 本発明の第10実施形態による燃料噴射装置の要部断面図である。 本発明の第11実施形態による燃料噴射装置の要部断面図である。 本発明の第12実施形態による燃料噴射装置の要部断面図である。 本発明の第13実施形態による燃料噴射装置の要部断面図である。
以下、本発明による複数の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による燃料噴射装置を図1〜図7に示す。燃料噴射装置1は、燃料タンクから高圧ポンプによって加圧圧送され、デリバリパイプに蓄圧された燃料を内燃機関の気筒内に直接噴射供給する。
図1及び図2に示すように、燃料噴射装置1は、ハウジング10、ニードル弁30、コイル40、固定コア50、可動コア60、第1付勢手段としてのスプリング70、ストッパ80および第2付勢手段90等を備えている。
ハウジング10は、入口部材11、筒部材12、ノズルボディ13及び弁ボディ14から構成されている。
ハウジング10を構成する各部材は略筒状に形成され、内側に燃料が流通する燃料通路15を有している。入口部材11は、図示しないデリバリパイプに装着可能であり、燃料入口16から燃料が供給される。入口部材11の燃料入口16と反対側に筒部材12が接続されている。筒部材12は、入口部材11側から第1磁性部17、非磁性部18及び第2磁性部19を有している。非磁性部18は、第1磁性部17と第2磁性部19との間の磁気的な短絡を防止する。筒部材12の入口部材11と反対側にノズルボディ13が接続されている。ノズルボディ13の筒部材12と反対側に弁ボディ14が接続している。弁ボディ14は、燃料通路15を形成する内壁にテーパ状の弁座20を有している。弁ボディ14は、弁座20の下流側に噴孔21を有している。噴孔21は、弁座20の下流側に形成されるサック室22と弁ボディ14の外側とを通じている。
ニードル弁30は、略円柱状に形成され、ハウジング10内に軸方向へ往復移動可能に収容されている。ニードル弁30は、燃料入口16側の端部から径外方向に環状に延びる鍔部31を有している。鍔部31は、可動コア60の弁座20側に形成された凹部61に収容されている。
ニードル弁30の噴孔21側の端部には、弁座20に当接可能な弁シート32が形成されている。ニードル弁30は、弁シート32から軸方向に所定の距離離れた位置で、ノズルボディ13の内壁と摺動可能な摺動部33を有している。摺動部33の径外側の一部に図示しない面取り部が設けられ、この面取り部と弁ボディ14の内壁との間を燃料が流通可能である。
ニードル弁30は、弁シート32が弁座20に着座することで噴孔21に通じる燃料通路15を閉塞し、弁シート32が弁座20から離座することで噴孔21に通じる燃料通路15を開放する。
以下、ニードル弁30が弁座20から離座する方向を開弁方向といい、ニードル弁30が弁座20に着座する方向を閉弁方向という。
ハウジング10の第1磁性部17及び非磁性部18の径外側にスプール41が設けられる。スプール41にコイル40が巻回されている。コイル40の外側には、磁性材からなるホルダ42が設けられている。コイル40は、図示しないコネクタの端子と電気的に接続している。ドライバ(EDU)45からコネクタを通じてコイル40に通電されると、コイル40は磁界を励磁する。
固定コア50は、磁性材により略円筒状に形成され、ハウジング10の第1磁性部17及び非磁性部18の内壁に固定されている。固定コア50には、その中心に軸方向に通じる流路51が設けられている。
可動コア60は、磁性材から略円筒状に形成され、固定コア50の弁座20側で、軸方向に往復移動可能に設けられている。可動コア60には、軸方向に対して傾斜する流路62が設けられている。この流路62を通じて燃料が流通する。
第1付勢手段としてのスプリング70が固定コア50の流路51に挿入されている。スプリング70は、一端が可動コア60に当接し、他端が固定コア50の流路51の内壁に圧入固定されたアジャスティングパイプ71に当接している。アジャスティングパイプ71の圧入量により、スプリング70の荷重が設定される。スプリング70は、可動コア60を閉弁方向へ付勢する。このため、可動コア60の凹部61の軸方向の壁面に当接するニードル弁30が閉弁方向へ付勢され、弁座20に着座する。コイル40に通電されていない状態で、可動コア60と固定コア50との間に所定の空間52が形成される。
固定コア50の流路51の内壁にストッパ80が圧入固定されている。ストッパ80は、可動コア60の中心に設けられた孔63に挿入されている。コイル40への通電が停止された状態で、ストッパ80とニードル弁30の鍔部31との間に所定の空間が形成される。ストッパ80は、ニードル弁30の鍔部31と当接可能であり、ニードル弁30の開弁方向の移動を制限する。
第2付勢手段90は、環状の板ばねから形成され、可動コア60の噴孔21側の壁面に溶接などにより固定されている。第2付勢手段90は、板厚方向に撓み変形可能である。第2付勢手段90の中央には、板厚方向に孔91が設けられている。この孔91をニードル弁30が挿通している。第2付勢手段90の孔91の内径は、可動コア60の凹部61の内径よりも小さい。したがって、可動コア60が開弁方向へ移動するとき、第2付勢手段90は、ニードル弁30の鍔部31の弁座20側の端面を係止可能である。
固定コア50、可動コア60、ニードル弁30の鍔部31、ストッパ80及び第2付勢手段90の位置関係について、図3を参照して説明する。図3(A)は、スプリング70の付勢力により可動コア60とニードル弁30とが当接し、かつ、ニードル弁30が弁座20に着座している状態を示している。図3(B)は、可動コア60がフルリフトした状態を示している。
図3(A)の状態において、ニードル弁30の鍔部31と第2付勢手段90との距離を距離Aとする。ニードル弁30の鍔部31とストッパ80との距離を距離Bとする。固定コア50と可動コア60との距離を距離Eとする。
図3(A)から図3(B)の状態に移行したときの可動コア60の移動距離をCとする。第2付勢手段90が撓む距離を距離Dとする。
距離A、B、C、Dは、C=A+B+D の関係にある。距離Bと距離Aとの和よりも距離Eが長いことで、可動コア60のフルリフト状態において、第2付勢手段90が距離Dを撓むことが可能になる。
距離Eは距離Cよりも大きい。したがって、可動コア60がフルリフトした状態で、可動コア60と固定コア50との間に微小な空間が形成される。図3(B)の状態において、可動コア60は、フルリフトした状態で固定コア50に当接することなく、スプリング70の付勢力、第2付勢手段90の付勢力及びニードル弁30に作用する燃圧の上下差圧の合力と、固定コア50の吸引力とが釣り合う位置で静止する。
次に、燃料噴射装置1の作動について説明する。
燃料入口16からハウジング10内に流入した燃料は、固定コア50の中央の流路51、ストッパ80の流路81、アジャスティングパイプ71の流路72、可動コア60の流路62、ノズルボディ13および弁ボディ14の内側の燃料通路15などに充満する。コイル40への通電が停止しているとき、スプリング70の付勢力により可動コア60とニードル弁30とが当接し、ニードル弁30は弁座20に着座している。
燃料噴射装置1の開弁動作を図4及び図6に示す。
時刻T1でコイル40に通電されると、コイル40の励磁する磁界の磁束が、第1磁性部17、固定コア50、可動コア60、第2磁性部19及びホルダ42などから形成される磁気回路に流れる。時刻T2で固定コア50の吸引力αがスプリング70の付勢力βより大きくなると、可動コア60は、固定コア50側へ上昇を開始する。そして時刻T3まで可動コア60は加速される。
ニードル弁30には、燃料通路15の燃料圧力と、内燃機関の気筒に連通するサック室22の圧力が作用している。このため、時刻T2から時刻T3の間、ニードル弁30は、ニードル弁上下差圧γによって弁座20に着座している。
なお、スプリング70の荷重は、コイル40への通電が停止している状態で、内燃機関のクランキングでニードル弁30の開弁を防ぐことの可能な「耐クランキング開弁圧」に設定されている。時刻T2以降、可動コア60の上昇によりスプリング70は圧縮され、スプリング70の荷重が次第に大きくなる。
時刻T3で、第2付勢手段90とニードル弁30の鍔部31とが接触する。このとき、第2付勢手段90にニードル弁30の慣性力が作用し、第2付勢手段90のニードル弁30との接触部は弁座20側に僅かに撓む。スプリング70の付勢力βとニードル弁30の上下差圧γと第2付勢手段90の付勢力δとの合力よりも、固定コア50の吸引力が大きくなると、ニードル弁30は弁座20から離座し、固定コア50側へ上昇を開始する。ニードル弁30が固定コア50側へ上昇を開始するとき、僅かに撓んだ第2付勢手段90がその反発力によりニードル弁30の鍔部31を弾くことで、ニードル弁30は瞬時に上昇する。これにより、燃料通路15の燃料はサック室22を経由し、噴孔21から噴射される。
図4では、スプリング70の付勢力βとニードル弁30の上下差圧γと第2付勢手段90の付勢力δとの合力を反転して破線εで示してある。この破線εと、固定コアの吸引力を示す実線αとの交差点が、ニードル弁30が固定コア50側へ上昇を開始する時刻である。
なお、T3以降、ニードル弁30の開弁によって燃料通路15からサック室22に高圧燃料が流入することで、ニードル弁30の上下差圧γが減少する。
第2付勢手段90によって可動コア60とニードル弁30とが係止された状態で上昇し、時刻T4で、ニードル弁30の鍔部31とストッパ80とが当接する。このため、ニードル弁30は、開弁方向の移動を制限される。
コイル40へ通電する電流を時刻T3と時刻T4との間から徐々に減少し、固定コア50の吸引力を低下させる。ただし、時刻T4において、固定コア50の吸引力αは、スプリング70の付勢力β、第2付勢手段90の付勢力δ及びニードル弁30に作用する燃圧の上下差圧γの合力よりも大きい。このため、時刻T4以降、可動コア60は固定コア50側にさらに上昇する。これにより、第2付勢手段90は、可動コア60を開弁方向へ付勢する付勢力を蓄勢する。
そして時刻T5で、第2付勢手段90が距離Dを変位し、スプリング70の付勢力β、第2付勢手段90の付勢力δ及びニードル弁30に作用する燃圧の上下差圧γの合力と、固定コア50の吸引力αとが釣り合うと、可動コア60は上昇を停止する。
燃料噴射装置1の閉弁動作を図5及び図7に示す。
可動コア60がフルリフトした状態で、可動コア60は固定コア50にフルリフトの位置を制限されていない。このため、スプリング70と第2付勢手段90には、非常に大きい付勢力が蓄勢されている。
時刻T6よりも手前でコイル40への通電が停止されると、固定コア50の吸引力が低下する。この時、可動コア60の動きを妨げる渦電流が発生する。しかし、第2付勢手段90およびスプリング70に蓄勢された付勢力は大きいので、時刻T6から可動コア60は、直ちに閉弁方向へ移動を開始する。
時刻T6から時刻T7の間で可動コア60が加速され、時刻T7で可動コア60とニードル弁30の鍔部31とが衝突すると、可動コア60の慣性とスプリング70の付勢力により、ニードル弁30は高速で閉弁方向へ移動する。そして時刻T8でニードル弁30が弁座20に着座すると、燃料噴射が停止する。なお、ニードル弁30が弁座20に着座するとき、噴孔からの噴射量に対し、サック室22に流入する燃料が多くなる場合には、サック室22の燃圧が上昇することで、ニードル弁30の上下差圧が変動する。
本実施形態では、以下の作用効果を奏する。
(1)本実施形態では、燃料噴射装置1は、閉弁状態において、第2付勢手段90とニードル弁30との間に距離Aの空間を有している。このため、開弁作動時において、可動コア60の移動開始以降、第2付勢手段90に接触する間に、可動コア60が加速される。ニードル弁30は、加速された可動コア60の慣性と、第2付勢手段90のばね力により、高速で開弁方向へ移動する。したがって、ニードル弁30の開弁速度を速くすることができる。
(2)本実施形態では、開弁作動時において、スプリング70の付勢力、第2付勢手段90の付勢力及びニードル弁30に作用する燃圧の上下差圧の合力と、固定コア50の吸引力とが釣り合うと、可動コア60は固定コア50に当接することなくフルリフトした状態を維持する。このため、スプリング70と第2付勢手段90に、大きい付勢力を蓄勢することができる。
(3)本実施形態では、可動コア60はフルリフトしたとき、固定コア50と可動コア60との間に微小な空間が形成される。したがって、開弁作動時において、可動コア60と固定コア50との間のスクイズ力が低減を低減することができる。したがって、開弁応答性および閉弁応答性を向上することができる。
(4)本実施形態では、第2付勢手段90は、開弁作動時にニードル弁30とストッパ80とが当接した後に可動コア60が固定コア50側へ移動することで撓み変形し、可動コア60を閉弁方向へ付勢する付勢力を蓄勢する。そして、コイル40への通電が停止されると、第2付勢手段90とスプリング70に蓄勢された付勢力により、可動コア60が閉弁方向に移動し、ニードル弁30に衝突する。このため、ニードル弁30は高速で閉弁方向に移動する。これにより、ニードル弁30の閉弁速度が速くなる。したがって、燃料噴射装置は燃料噴射率を適切に制御することができる。
(5)本実施形態では、第2付勢手段90は、環状に形成され、径外側が可動コア60に固定され、径内側がニードル弁30に係止される。これにより、第2付勢手段90の構成を簡素にすることができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態による燃料噴射装置を図8及び図9に示す。以下、複数の実施形態において、上述した第1実施形態と実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。本実施形態では、第2付勢手段91は、略皿状に形成され、筒状の筒部911と、筒部911の一端から径外方向に延びる大径部912と、筒部911の他端から径内方向に延びる小径部913とを有する。筒部911は、大径部912側の径よりも小径部913側の径が小さいテーパ状に形成されている。大径部912は、可動コア60の弁座20側の端面に溶接などにより固定されている。小径部913の中央には孔914が設けられている。小径部913の孔をニードル弁30が挿通している。小径部913の孔914の内径は、ニードル弁30の鍔部31の外径よりも小さい。このため、小径部913は、ニードル弁30の鍔部31を係止可能である。
本実施形態では、可動コア60の弁座20側に凹部61が設けられていない。その代わり、ニードル弁30の鍔部31は、第2付勢手段91の大径部912及び筒部911の内側に収容されている。
本実施形態において、ニードル弁30の鍔部31と第2付勢手段91との距離A、ニードル弁30の鍔部31とストッパ80との距離B、固定コア50と可動コア60との距離E、可動コア60の移動距離C、第2付勢手段91が撓む距離Dについては、第1実施形態と同様に設定される。
本実施形態では、ストッパ80は、スプリング70のアジャスティングパイプ71の軸方向に設けられた孔72の内壁に固定されている。ストッパ80には、軸方向に通じる流路82が設けられている。また、ニードル弁30には、軸方向に通じる流路35が設けられている。これにより、燃料噴射装置の軸方向に燃料通路が直線的に形成される。このため、燃料入口から噴孔21へ流れる燃料の流体抵抗が低減される。したがって、燃料噴射装置の噴射量が大量となるとき、噴射燃料圧力が低下することを抑制することができる。
また、ニードル弁30を軽量化することで、ニードル弁30の高速移動が可能になり、開弁応答性及び閉弁応答性を高めることができる。
本実施形態では、ストッパ80の径方向に流路83が形成されている。このため、固定コア50と可動コア60との間の空間52の燃料がその流路83を通り、ストッパ80を軸方向に通じる流路82を流通可能になる。したがって、固定コア50と可動コア60との間の燃料の圧力変化が抑制されることで、可動コア60の高速移動が可能になり、開弁応答性及び閉弁応答性を高めることができる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態による燃料噴射装置の第2付勢手段92を図10に示す。本実施形態では、第2付勢手段92の筒部921が、軸にほぼ平行な筒状に形成されている。筒部921の一端から径外方向に延びる大径部922は、可動コア60の弁座20側の端面に溶接などにより固定される。筒部921の他端から径内方向に延びる小径部923にはニードル弁30が挿通する孔924が設けられる。小径部923は、ニードル弁30の鍔部31を係止可能である。
(第4、第5実施形態)
本発明の第4実施形態による燃料噴射装置の第2付勢手段91を図11に示し、第5実施形態による燃料噴射装置の第2付勢手段92を図12に示す。第4、第5実施形態では、第2付勢手段91、92は、筒部911、921から小径部913、923の孔914、924に連続して形成されるスリット915、925を有する。スリット915、925の長さ、幅、および数を調節することで、第2付勢手段91、92の荷重を設定することができる。
(第6実施形態)
本発明の第6実施形態による燃料噴射装置を図13に示す。本実施形態では、燃料噴射装置は、皿ばね93及び係止部材94を備えている。本実施形態の皿ばね93と係止部材94とが特許請求の範囲に記載の「第2付勢手段」に相当する。
また、本実施形態では、可動コア60の弁座20側に保持部65を有する。保持部65は、可動コア60の弁座20側の外壁に溶接などにより接続され、弁座20側へ筒状に延びる筒部66と、その筒部66の弁座20側の端部から径内方向に延びる環状の底部67とから構成されている。保持部65の内側に皿ばね93と係止部材94とが収容されている。
係止部材94は、軸方向可動コア60側の端面が可動コア60に当接している。係止部材94の内側にニードル弁30の鍔部31が収容されている。係止部材94は、軸方向弁座20側に孔941を有している。この孔941をニードル弁30が挿通している。係止部材94の孔941の内径は、ニードル弁30の鍔部31の外径より小さい。このため、係止部材94は、開弁方向に移動するとき、ニードル弁30の鍔部31を係止可能である。
本実施形態において、ニードル弁30の鍔部31と係止部材94との距離A、ニードル弁30の鍔部31とストッパ80との距離B、固定コア50と可動コア60との距離E、可動コア60の移動距離C、皿ばね93が撓む距離Dについては、第1実施形態の距離A〜Dと同様に設定される。
本実施形態の燃料噴射装置の作動を説明する。
コイル40に通電され、固定コア50の吸引力がスプリング70の付勢力よりも大きくなると、可動コア60、保持部65、皿ばね93および係止部材94は、固定コア50側へ上昇する。可動コア60は加速され、係止部材94とニードル弁30の鍔部31とが接触する。このとき、皿ばね93は僅かに撓む。ニードル弁30は皿ばね93の反発力により瞬時に弁座20から離座し、固定コア50側へ上昇を開始する。これにより、噴孔21から燃料が噴射される。
保持部65、皿ばね93及び係止部材94によって、可動コア60とニードル弁30とが係止された状態で上昇すると、ニードル弁30の鍔部31とストッパ80とが当接する。その後さらに可動コア60と保持部65が固定コア50側にさらに上昇することで、皿ばね93とスプリング70に可動コア60を開弁方向へ付勢する付勢力が蓄勢される。
コイル40への通電が停止されると、皿ばね93とスプリング70に蓄勢された付勢力により、可動コア60は直ちに閉弁方向へ移動を開始する。可動コア60とニードル弁30の鍔部31とが衝突するまでに可動コア60は加速される。可動コア60とニードル弁30の鍔部31とが衝突すると、可動コア60の慣性力とスプリング70の付勢力により、ニードル弁30は高速で閉弁方向へ移動する。ニードル弁30が弁座20に着座すると、燃料噴射が停止する。
本実施形態では、第2付勢手段に皿ばね93を用いることで、第2付勢手段の付勢力を容易に設定することができる。
また、本実施形態では、係止部材94を備えることで、係止部材94とニードル弁30の鍔部31との距離Aを容易に設定することができる。
(第7実施形態)
本発明の第7実施形態による燃料噴射装置を図14に示す。本実施形態では、ストッパ85が筒状に形成され、ノズルボディ13の内壁に固定されている。ニードル弁30の外壁には環状のフランジ37が設けられている。フランジ37とストッパ85とが当接することで、ニードル弁30の開弁方向の移動が制限される。
本実施形態において、ニードル弁30の鍔部31と係止部材94との距離A、ニードル弁30のフランジ37とストッパ85との距離B、固定コア50と可動コア60との距離E、可動コア60の移動距離C、皿ばね93が撓む距離Dについては、第1実施形態の距離A〜Dと同様に設定される。
本実施形態では、可動コア60より上流側の燃料通路の流路断面積を大きくすることができる。これにより、可動コア60と固定コア50との間の燃料の圧力変化が抑制されることで、可動コア60の高速移動が可能になる。したがって、開弁応答性及び閉弁応答性を高めることができる。
(第8実施形態)
本発明の第8実施形態による燃料噴射装置を図15に示す。本実施形態では、ストッパ85とニードル弁30との間に第3付勢手段としての第3スプリング73が設けられている。第3スプリング73は、一端がニードル弁30の鍔部31に係止され、他端が第3スプリング用アジャスティングパイプ74に係止されている。第3スプリング73は、コイル40への通電が停止している状態で燃料通路15の燃圧が低下し、かつ、内燃機関の気筒内での燃焼等によりサック室22の燃圧が高くなった場合、ニードル弁30が弁座20から離座することを抑制可能な荷重に設定されている。
なお、本実施形態のスプリング70の荷重は、第1実施形態のスプリング70の荷重から本実施形態の第3スプリング73の荷重を引いた値に設定されている。
本実施形態において、スプリング70と第3スプリング73とが特許請求の範囲に記載の「第1付勢手段」に相当する。
本実施形態では、内燃機関の運転中、燃料噴射装置に供給される燃圧が低下し、かつ、可動コア60がニードル弁30を閉弁方向に付勢しなくなった場合、ニードル弁30が開弁し、噴孔21から燃料噴射されることを抑制することができる。
(第9実施形態)
本発明の第9実施形態による燃料噴射装置を図16に示す。本実施形態では、可動コア60の弁座20側の端面と、ニードル弁30の鍔部31との間に僅かな隙間36が設けられている。保持部65の弁座20側の端面とノズルボディ13に設けられた位置決め部材131とが当接することで、可動コア60の閉弁時の位置が規定される。
本実施形態の燃料噴射装置の作動を説明する。
コイル40に通電され、固定コア50の吸引力がスプリング70の付勢力よりも大きくなると、可動コア60、保持部65、皿ばね93および係止部材94は、固定コア50側へ上昇する。可動コア60は加速され、係止部材94とニードル弁30の鍔部31とが接触する。このとき、固定コア50の吸引力はスプリング70の付勢力と第3スプリング73の付勢力との合力よりも大きくなる。皿ばね93は僅かに撓む。ニードル弁30は皿ばね93の反発力により瞬時に弁座20から離座し、固定コア50側へ上昇を開始する。これにより、噴孔21から燃料が噴射される。
保持部65、皿ばね93及び係止部材94によって、可動コア60とニードル弁30とが係止された状態で上昇すると、ニードル弁30のフランジ37とストッパ85とが当接する。その後さらに可動コア60と保持部65とが固定コア50側にさらに上昇することで、皿ばね93とスプリング70に可動コア60を開弁方向へ付勢する付勢力が蓄勢される。
コイル40への通電が停止されると、皿ばね93とスプリング70に蓄勢された付勢力により、可動コア60は直ちに閉弁方向へ移動を開始する。可動コア60とニードル弁30の鍔部31とが衝突するまでに可動コア60は加速される。可動コア60とニードル弁30の鍔部31とが衝突すると、可動コア60の慣性とスプリング70及び第3スプリング73の付勢力により、ニードル弁30は高速で閉弁方向へ移動する。ニードル弁30が弁座20に着座する直前で、保持部65の弁座20側の端面と位置決め部材131とが当接することで、可動コア60の閉弁方向の移動が停止する。ニードル弁30は、第3スプリング73の付勢力により、弁座20に着座する。これにより、ニードル弁30の弁シート32に作用する力が低減するので、弁シート32の変形を抑制することができる。また、ニードル弁30が弁座20に着座するときの衝撃が低減されるので、ニードル弁30が再開弁することを抑制することができる。
(第10実施形態)
本発明の第10実施形態による燃料噴射装置を図17に示す。本実施形態では、燃料噴射装置は、圧縮コイルばね95、係止部材94及び保持部65を備えている。本実施形態の圧縮コイルばね95と係止部材94とが特許請求の範囲に記載の「第2付勢手段」に相当する。
保持部65は、可動コア60に接続され、弁座20側へ延びる棒状又は管状の側部材651と、側部材の弁座20側に固定される環状の支持板652とを有する。圧縮コイルばね95は、一端が保持部65の支持板652に係止され、他端が係止部材94に係止されている。
本実施形態では、第2付勢手段に圧縮コイルばね95を用いることで、第2付勢手段の荷重を容易に設定することができる。
(第11実施形態)
本発明の第11実施形態による燃料噴射装置を図18に示す。本実施形態では、燃料噴射装置は、引張コイルばね96及び係止部材97を備えている。本実施形態の引張コイルばね96と係止部材97とが特許請求の範囲に記載の「第2付勢手段」に相当する。
係止部材97は、可動コア60の弁座20側に設けられている。係止部材97は、筒状に形成され、内側に引張コイルばね96及びニードル弁30の鍔部31とを収容している。係止部材97の弁座20側に設けられた孔971の内径は、鍔部31の外径より小さい。このため、開弁作動時において、係止部材97はニードル弁30の鍔部31を係止可能である。
引張コイルばね96は、一端が可動コア60に固定され、他端が係止部材97に固定されている。引張コイルばね96は、可動コア60と係止部材97とを軸方向に引きつけている。このため、閉弁状態において、係止部材97は、可動コア60の弁座20側の端面に当接している。
本実施形態の燃料噴射装置の作動を説明する。
コイル40に通電され、固定コア50の吸引力がスプリング70の付勢力よりも大きくなると、可動コア60、引張コイルばね96及び係止部材97は、固定コア50側へ上昇する。可動コア60は加速され、係止部材97とニードル弁30の鍔部31とが接触する。このとき、固定コア50の吸引力はスプリング70の付勢力と第3スプリング73の付勢力との合力よりも大きくなる。引張コイルばね96は僅かに伸びる。ニードル弁30は引張コイルばね96の反発力により瞬時に弁座20から離座し、固定コア50側へ上昇を開始する。これにより、噴孔21から燃料が噴射される。
引張コイルばね96及び係止部材97によって、可動コア60とニードル弁30とが係止された状態で上昇すると、ニードル弁30のフランジ37とストッパ85とが当接する。その後さらに可動コア60が固定コア50側にさらに上昇することで、引張コイルばね96とスプリング70に可動コア60を開弁方向へ付勢する付勢力が蓄勢される。
コイル40への通電が停止されると、引張コイルばね96とスプリング70に蓄勢された付勢力により、可動コア60は直ちに閉弁方向へ移動を開始する。可動コア60とニードル弁30の鍔部31とが衝突するまでに可動コア60は加速される。可動コア60とニードル弁30の鍔部31とが衝突すると、可動コア60の慣性とスプリング70及び第3スプリング73の付勢力により、ニードル弁30は高速で閉弁方向へ移動する。ニードル弁30が弁座20に着座すると、燃料噴射が停止する。
本実施形態では、第2付勢手段に引張コイルばね96を用いることで、第2付勢手段の荷重を容易に設定することができる。
(第12実施形態)
本発明の第12実施形態による燃料噴射装置を図19に示す。本実施形態では、環状に形成された第2付勢手段90がニードル弁30の外壁に固定されている。
可動コア60は、弁座20側に保持部65を有する。保持部65は、弁座20側の外壁に溶接などによって接続され、弁座20側へ筒状に延びる筒部66と、その筒部の弁座20側の端部から径内方向に延びる環状の底部67とから構成されている。保持部65の内側にニードル弁30の鍔部31と第2付勢手段90とが収容されている。保持部65の底部67には孔68が設けられている。この孔68をニードル弁30が挿通している。保持部65の底部の孔68の内径は、第2付勢手段90の外径より小さい。このため、可動コア60が開弁方向へ移動するとき、保持部65は第2付勢手段90を係止可能である。
本実施形態において、保持部65の底部67と第2付勢手段90との距離A、ニードル弁30の鍔部31とストッパ80との距離B、固定コア50と可動コア60との距離E、可動コア60の移動距離C、第2付勢手段90が撓む距離Dについては、第1実施形態の距離A〜Dと同様に設定される。
本実施形態では、第2付勢手段90の組付方法の選択の自由度が向上する。
(第13実施形態)
本発明の第13実施形態による燃料噴射装置を図20に示す。本実施形態では、第2付勢手段90の弁座20側に固定部材98が設けられている。固定部材98は、筒状に形成され、ニードル弁30の外壁に固定されている。固定部材98は、第2付勢手段90の軸方向の移動を制限する。
本実施形態では、固定部材98により、ニードル弁30に第2付勢手段90を容易かつ確実に固定することができる。
(他の実施形態)
上述した複数の実施形態では、内燃機関の気筒内に燃料を直接噴射する燃料噴射装置について説明した。これに対し、本発明は、内燃機関の吸気通路等に燃料を噴射する燃料噴射装置に適用してもよい。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の形態で実施することができる。
1 ・・・燃料噴射装置
10 ・・・ハウジング
15 ・・・燃料通路
20 ・・・弁座
21 ・・・噴孔
30 ・・・ニードル弁
40 ・・・コイル
50 ・・・固定コア
60 ・・・可動コア
65 ・・・保持部
70 ・・・スプリング(第1付勢手段)
73 ・・・第3スプリング(第3付勢手段)
80、85 ・・・ストッパ
90、91、92・・・第2付勢手段
93 ・・・皿ばね
94、97 ・・・係止部材
95 ・・・圧縮コイルばね
96 ・・・引張コイルばね
911、921 ・・・筒部
912、922 ・・・大径部
913、923 ・・・小径部
915、925 ・・・スリット

Claims (11)

  1. 燃料の流れる燃料通路、この燃料通路内に設けられる弁座、及びこの弁座の下流側に設けられる噴孔を有する筒状のハウジングと、
    前記ハウジング内に軸方向に往復移動可能に設けられ、前記弁座に着座又は離座することで前記噴孔を開閉するニードル弁と、
    通電されることで磁界を励磁するコイルと、
    前記コイルの径方向内側で、前記コイルの発生する磁界内に固定される固定コアと、
    前記固定コアの前記弁座側で軸方向に往復移動可能に設けられ、前記コイルの励磁する磁界によって前記固定コア側に磁気吸引される可動コアと、
    前記可動コアおよび前記ニードル弁を閉弁方向へ付勢する第1付勢手段と、
    前記ニードル弁と当接可能に設けられ、前記ニードル弁の開弁方向への移動を制限するストッパと、
    一方の側が前記可動コアに固定又は係止され、他方の側が前記ニードル弁に固定又は係止され、前記可動コアが前記固定コアに磁気吸引されるとき、前記ニードル弁と前記ストッパとが当接した後に前記可動コアが前記固定コア側へ移動することで撓み変形し、前記可動コアを閉弁方向へ付勢する付勢力を蓄勢可能な第2付勢手段と、を備えることを特徴とする燃料噴射装置。
  2. 前記コイルへの通電が停止し、かつ前記ニードル弁が前記弁座に着座した状態において、前記第2付勢手段と前記ニードル弁との間、または前記第2付勢手段と前記可動コアとの間に所定の距離の空間を有することを特徴とする請求項1に記載の燃料噴射装置。
  3. 前記コイルへの通電が停止し、かつ前記ニードル弁が前記弁座に着座した状態において、前記第2付勢手段と前記ニードル弁との距離、または前記第2付勢手段と前記可動コアとの距離を距離Aとし、前記ニードル弁と前記ストッパとの距離を距離Bとし、前記可動コアと前記固定コアとの距離を距離Eとすると、
    距離Eは、距離Aと距離Bとの和よりも大きいことを特徴とする請求項1または2に記載の燃料噴射装置。
  4. 前記コイルに通電され、前記可動コアが前記固定コアに磁気吸引されたときの前記可動コアの移動距離を距離Cとすると、
    距離Eは、距離Cよりも大きいことを特徴とする請求項3に記載の燃料噴射装置。
  5. 前記ニードル弁を前記弁座側に直接付勢する第3付勢手段を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の燃料噴射装置。
  6. 前記第2付勢手段は、環状に形成され、板厚方向に撓み変形可能なことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の燃料噴射装置。
  7. 前記可動コアは、前記弁座側の外壁から前記弁座側へ延び、前記第2付勢手段の一方の側を係止又は固定する保持部を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の燃料噴射装置。
  8. 前記第2付勢手段は、皿ばね、または、圧縮コイルばねであることを特徴とする請求項7に記載の燃料噴射装置。
  9. 前記第2付勢手段は、
    筒状の筒部と、
    前記筒部の一端から径外方向に延びて前記可動コアに係止可能又は固定される大径部と、
    前記筒部の他端から径内方向に延びて前記ニードル弁に係止可能又は固定される小径部と、を有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の燃料噴射装置。
  10. 前記第2付勢手段は、前記筒部から前記小径部に連続して形成されるスリットを有することを特徴とする請求項9に記載の燃料噴射装置。
  11. 前記第2付勢手段は、
    前記可動コアの前記弁座側に設けられ、開弁作動時に前記ニードル弁を係止可能な係止部材と、
    一端が前記可動コアに固定され、他端が前記係止部材に固定される引張コイルばねとを有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の燃料噴射装置。
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