JP5507854B2 - 姿勢安定化制御装置、該姿勢安定化制御装置を備えた車両、及びコンピュータプログラム - Google Patents
姿勢安定化制御装置、該姿勢安定化制御装置を備えた車両、及びコンピュータプログラム Download PDFInfo
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例えば、特許文献1には、ボディの前部に取り付けられた転舵車輪とボディの後部に取り付けられた駆動車輪とを備えた1人用の乗り物において、車両の安定性を保つため、ボディを水平に維持する技術が開示されている。
また、特許文献2には、車両の安定性を向上するため、ホイールベースを可変する技術が開示されている。
さらに、特許文献3には、車両の旋回性を高めるために、旋回時に乗り物の重心を旋回内輪に移動させ、旋回安定性と乗り心地を向上させる技術が開示されている。
ボディと、前輪と、後輪とを備える車両の姿勢を制御する姿勢安定化制御装置において、
車両の運動の目標値を設定する目標値設定手段と、
設定された目標値に基づいて、車両の運動及び姿勢を制御するアクチュエータの制御量を制御するための制御信号を生成する制御量演算手段と、
車両の進行方向に相当するX軸方向と該進行方向に直交するY軸方向の加速度と傾斜角とを検出する運転状態検出手段と、
車両の重心と前記前輪とを結ぶライン及び車両に加わる外力と重力との合成力とがなす第1角度と、車両の重心と前記後輪とを結ぶライン及び前記合成力とがなす第2角度のうちの小さい方の角度と、前記合成力とのノルムに基づいて、車両の転倒安定余裕度を算出するとともに、
X軸方向とY軸方向における路面の傾きを求め、前記運転状態検出手段により検出された車両の加速度及び傾斜角と、求めた路面の傾きと、前記目標値設定手段により設定された目標値とに基づいて、前記転倒安定余裕度を高めるための補正量を演算する補正量演算手段と、
前記制御量演算手段で生成された制御量を、前記補正量演算手段で演算された補正量を用いて補正する補正手段と、
前記補正手段により補正された制御量を用いて、アクチュエータを制御する制御手段と、
を備えることを特徴とする。
前記補正量演算手段は、前記転倒安定余裕度を表すSfasmiを、前記第1角度を表すθI1、前記第2角度を表すθI2、前記合成力を表すfriを用いて、式Sfasmi=min(θI1,θI2)・||fri||に示される演算を行うことにより算出する。
コンピュータを、
ボディと、前輪と、後輪とを備える車両の姿勢を制御する姿勢安定化制御装置であって、
車両の運動の目標値を設定する目標値設定手段、
設定された目標値に基づいて、車両の運動及び姿勢を制御するアクチュエータの制御量を制御するための制御信号を生成する制御量演算手段、
車両の進行方向に相当するX軸方向と該進行方向に直交するY軸方向の加速度と傾斜角とを検出する運転状態検出手段、
車両の重心と前記前輪とを結ぶライン及び車両に加わる外力と重力との合成力とがなす第1角度と、車両の重心と前記後輪とを結ぶライン及び前記合成力とがなす第2角度のうちの小さい方の角度と、前記合成力とのノルムに基づいて、車両の転倒安定余裕度を算出するとともに、
X軸方向とY軸方向における路面の傾きを求め、前記運転状態検出手段により検出された車両の加速度及び傾斜角と、求めた路面の傾きと、前記目標値演算手段により生成された目標値とに基づいて、前記転倒安定余裕度を高めるための補正量を演算する補正量演算手段、
前記制御量演算手段で生成された制御量を、前記補正量演算手段で演算された補正量を用いて補正する補正手段、
前記補正手段により補正された制御量を用いて、アクチュエータを制御する制御手段、
として機能させる、ことを特徴とする。
本実施形態に係る車両10は、図1(a)に正面、図1(b)、(c)に側面で示すように、一人乗り用であり、ボディ11と、前右輪12と、前左輪13と、後輪14とを備える三輪車である。
ボディ11は、その右側面が前右輪12上に配置された前輪右支持機構31で支持され、その左側面が前左輪13上に配置された前輪左支持機構32で支持されている。また、ボディ11の後部中央は、後輪14に接続された後輪支持機構33により支持されている。
速度センサ108は、車軸の回転速度等から、車両10の速度Vを求める。
リーンセンサ109は、支持機構31,32による高さ方向の制御量(リーン制御量)を測定する。
具体的には、重心位置換算演算部214は、加速度センサの測定値Gxsen、Gysen,Gzsenを(1)式に適用して重心位置でのX軸方向(車両進行方向)の加速度Gx、Y軸(車両左右方向)方向の加速度Gy,Z軸方向(車両上下方向)の加速度Gzを求める。
Gxは、Gセンサ105が車両10の重心位置に設置されていた場合に、測定したと予想されるX軸方向の加速度[m/s2]を表す。
Gyは、Gセンサ105が車両10の重心位置に設置されていた場合に、測定したと予想されるY軸方向の加速度[m/s2]を表す。
Gzは、Gセンサ105が車両10の重心位置CGに設置されていた場合に、測定したと予想されるZ軸方向の加速度[m/s2]を表す。
Gysenは、Gセンサ105のY軸方向の加速度の測定値[m/s2]を表す。
Gzsenは、Gセンサ105のZ軸方向の加速度の測定値[m/s2]を表す。
rollsenは、レートセンサ106が検出したロール[m/s]を表す。
pitchsenは、レートセンサ106が検出したピッチ[m/s]を表す。
路面の傾きを求めるため、傾斜角推定演算部215は、まず、レートセンサ106の出力から、傾斜による影響を補正したロールroll、ピッチpitch、ヨーyawを次式(2)に従って求める。
roll=rollsen・cosθx1+yawsen・sinθx1
pitch=pitchsen・cosθy1+yawsen・sinθy1
yaw=yawsen・cosθx1・cosy1+rollsen・sinθx1+pitchsen・sinθy1
・・・(2)
θxsは、姿勢制御量θsのX軸方向成分であり、ホイールベースセンサ107により検出された姿勢制御量θsに基づいて、図9(a)に示すマップにより求められる。
θxLは、リーン制御(支持機構31、32によりボディ11が前後方向に傾く)によるθx角であり、図9(b)に示すマップにより求められる。また、θyLは、リーン制御によるθy角であり、図9(c)に示すマップによる定まる。図9(b)、(c)において、θLRは、前輪右支持機構31のリーン制御量[mm]、θLLは前輪左支持機構32のリーン制御量[mm]であり、リーンセンサ109により求められる。
θxt=[asin((Gx−Gx^−Kα0・|yaw・V|)/1G)]−Kαx・|LENactR−LENactL|
θyt=[asin((Gy−Gy^)/1G)]−sign(θyt)・Kαy・|LeNactR−LENactL|
θytの符号は、θyt>0ならば+、θyt<−である。
signは、(θyt)の符号(正負)を示す。
従って、
Gx=1G・sinθxt+Gx^ と、
Gy=1G・sinθyt+Gy^
が成立する。
θxt=asin(Gx−Gx^)/1G
θyt=asin(Gy−Gy^)/1G と近似できる。
Gx^=d(V)/dt、
dy^=−yaw・V が成立する。
ここで、Vは、車両10の速度であり、速度センサ108により測定され、例えば、前右輪12の速度VfRと前左輪13の速度VfLの平均値で表すことが可能である。
このようにして、傾斜角推定演算部215は、Gセンサ105の出力を重心位置CGに換算した値Gx,Gyと、車速度Vと、レートセンサ106の値から、車両10の重心位置CGの傾き(傾斜角)θxt、θytを求める。
ここで、次式が成立する。
θxt=θx+(θxs)+θxL+θxgx+θxε+θxv=θxv
θyt=θy+ +θyL+θvgy+θvε+θyv=θyv
θxLは前後(X軸)方向の路面の傾斜角、θyは左右(Y軸)方向の路面の傾斜角である。
θxsは、姿勢制御量θsに依存する前後方向の角度であり、図9(a)の特性図で求められる。なお、マップの作成手法によっては、θxLに含めることにより、この項は不要となる。
θxは、前輪に対するボディのZ軸方向の位置(高さ)により定まる値であり、図9(b)の特性図で得られる。すなわち、リーン制御量[mm]の前後方向の傾き角度を示す値であり、前右輪12に対するボディ11の基準位置からの制御量θLRと前左輪13に対するボディ11の基準位置からの制御量θLLとの平均値((θLR+θLL)/2)である。
さらに、θygyは、Gy,すなわち、車両10のY軸方向の加速度Gyによるθy角であり、重心位置換算演算部214で求めた加速度Gyを図9(e)に示すマップに適用して得られる。
なお、θxv、θyvは、それぞれ、全傾斜のうち路面の傾斜分を除外した車両10単独での傾斜分である。従って、次式が成立する。
θx=θxt−θxv θy=θyt−θyv
しかし、本実施形態では、車両10の安定性を高めるために、これに補正を加え、車両10の転倒安定余裕をアクティブに大きくする制御を行う。このため、目標安定余裕度演算部218と実安定余裕度演算部219が配置されている。
なお、図11の各角度、θr、θfR、θfLは、姿勢制御量θsによって変化する。このため、これらの角は、図12に例示するマップにより求めることができる。
転倒安定余裕度Sfasm1*(i=1)について:
fd1*=m*(Gx*)・cos(θr/2)・cosθx+(Gy*)・sin(θr/2)・cosθy
転倒安定余裕度Sfasm2*(i=2)について:
fd2*=m*(Gx*)*cos(θr/2)*cosθx−(Gy*)*sin(θr/2)*cosθy
転倒安定余裕度Sfasm3*(i=3)について:
fd3*=m・(−Gy*)・cos(θy)
Gx*は、重心における車両のX軸方向の目標加速度、
Gy*は、重心における車両のY軸方向の目標加速度、
θrは、前右輪12と後輪14を結ぶ線と、前左輪13と後輪14を結ぶ線との成す角、
θx、θyは、路面のX軸方向及びY軸方向の傾斜角、である。
これらの角度は、図10に示すように、ボディを支える3つの車輪12〜14と重心CGとを結ぶラインとの交差角であり、θ11*、θ12*、θ13*は、車輪13と14と重心とを結ぶ3辺が形成する角度であり、θ21*、θ22*、θ23*は、車輪12と14と重心とを結ぶ3辺が形成する角度であり、θ31*、θ32*、θ33*は、車輪12と13と重心とを結ぶ3辺が形成する角度である。
fri*=√{fdi*2+fgi*2)}
この角度も、車輪12〜14が形成する三角形の各辺(i=1〜3)について求める。
まず、θi1*〜θi3*を、図13(a)〜(c)に示すθsマップで求める。
また、角度θIi1*とθIi2*とは、車輪と重心点CGとの結ぶ脚の長さLi1,Li2によっても変化する。このため、脚の長さLi1,Li2を図15に示す姿勢制御量θsに対するマップにより求める。
さらに、正面から見たときに、車輪と重心とが形成する三角形の角度は、リーン制御量によっても変化する。そこで、θ3I、L31,L32を、図16と図17とにより求める。
θIi*演算部402は、θIi1*、θIi2を次式に従って求める。
θIi0=−θri*+θi2
θIi1*=π/2−θIi0*−θfi*
θIi2=θi1−θIi1*
Sfasmi*=min(θIi*)・||fri*||
すなわち、転倒安定余裕度Sfasmi*をθIi*のうちの最小のものとfrii*のノルムとを乗算して求める。
具体的には、(π/2−θi2)−θIi1*が最大となるSfasmi*を求め、その内容に従って、補正量を求める。
これにより、まず、前右輪12と前左輪13のリーンを下げる補正が設定される。その量は、Sfams*が大きくなるに従って、小さくなる。また、全ての車輪12〜14にブレーキをかける。ブレーキの程度は、Sfams*が大きくなるに従って、小さくする。
以上の処理が実行できない場合には、ホイールベースθsを大きくし、重心を低下させる。なお、加速度の補正は行わない。
なお、警報は、Sfams*が最小値よりも小さければ行う。
fd1=m・{(Gx1−KG・sinθxt)・cos(θr/2)・cosθxt+(Gy1−KG・sin(θyt)・sin(θr/2)・cosθyt}=(x方向の成分)+(y方向の成分)、
fg1=m・{(Gz/((cosθxt)・(cosyt))} を求める。
fd2=m・{(Gx1−KG・sinθxt)・cos(θr/2)・cosθxt−(Gy1−KG・sinθyt)・sin(θr/2)・cosθyt}、
fg2=m・{(Gz/((cosθxt)・(cosyt))} を求める。
fd3=m・{−(Gy1−KG・sinθyt)・cosθyt}、
fg2=m・{(Gz/((cosθxt)・(cosyt))} を求める。
また、Gx1=Gx−Kclx・Gx^、Gy1=Gy−Kcly・Gy^である。
ここで、Gxは、重心換算GセンサのX軸方向の値、Gyは、重心換算GセンサのY軸方向の値、Gx^は、車両前後方向のG(=dV/dt)、Gy^は、車両左右¥方向のG(=yaw・V)であり、Kclx、Kclyは所定の係数であり、固定値でも、姿勢制御量θsに従って変化させる等してもよい。
さらに、fri=√{fdi2+fgi2)}を求める。
θIi0=−θri+θi2
θIi1=π/2−θIi0−θfi
θIi2=θi1−θIi1
さらに、続いて、min(θi)・||fri||演算部413は、転倒安定余裕度Sfasmiを、θIi1,θIi2,friより、次式に従って求める。
Sfasmi=min(θIi)・||fri||
なお、警報は、Sfams*が最小値よりも小さければ行う。
加速度の制御は行わない。なお、警報は、Sfams*が最小値よりも小さければ行う。
ここでは、車両10の姿勢の補正は、基本的には、コントローラ103とリーン右ECU114とリーン左ECU115によるリーンの制御で行う。
LENradref2 = [kcl・((π/2-θ22)-θI21)] = [kcl・((π/2-θ23)-θI22)]
LENradref3 = [kcl・((π/2-θ32)-θI31)]/2 = [kcl・((π/2-θ23)-θI22)]/2
LENradref1* = -kcl・((π/2-θ12)-θI11*) = kcl・((π/2-θ13)-θI12*)
LENradref2* = [kcl・((π/2-θ22)-θI21*)] = [kcl・((π/2-θ23)-θI22*)]
LENradref3*=[kcl・((π/2-θ32)-θI31*)]/2 = [kcl・((π/2-θ23)-θI22*)]/2
一方、車モードでは、係数kclは、図23に示す係数マップで、重力の影響を除去したY(横)軸方向の加速度θy^の絶対値に基づいて定まる。この例では、係数kclは、加速度θy^の絶対値の増加に伴って一定値→線形に増加→一定値という増加関数の形態をとる。
i)リーン制御量(rad):ΣLENradrefi(i=1,2,3),ΣLENradrefi*(i=1,2,3)即ち、1,2、3面の制御角の加算値を最終制御角とする。
ii)LENradrefi(1,2,3)のうちの最大値を最終制御角とする。
まず、最小であると判定されたSframのFRとFLの符号から、リーン量が同相か同相でないかを判別する。
FRの移動方向とFLの移動方向(姿勢制御のためのモータ134と135の回転方向)とが同一の場合には、同相となる。
さらに、目標安定余裕度について、次式に従って、制御角の和(ΣLENradrefi*)[rad]を左右の傾斜[mm]に変換する。LEnrefi*=Td・tan(ΣLENradrefi*)mm
ここで、トレッドTdは、前輪右12の中心と、前輪左13の中心の間の距離である。
リーン右の、実値にも基づくリーン量:
LENref1=K0・K10・(L23・tan(LENradref2))+K1・K11・(L33・tan(LENradref3))/2
リーン左の、実値にも基づくリーン量:
LENref2=K0・K20・(L13・tan(LENradref2))+K1・K21・(−L33・tan(LENradref3))/2
リーン右の、目標値にも基づくリーン量:
LENref1*=K0・K10・(L23・tan(LENradref2))+K1・K11・(L33・tan(LENradref3*))/2
リーン左の、目標にも基づくリーン量:
LENref2*=K0・K20・(L13・tan(LENradref2))+K1・K21・(−L33・tan(LENradref3*))/2
ここで、K10は、例えば、図24(a)に示す上下限値で定まる。また、K11は、図24(b)に示す上下限値で定まる。
制御出力=LENrefin+Kd・(LENrefin−LENrefi(n−4))/(4/Ts)
即ち、
現在(t=n)のタイミングで、上述の手法で求めたLENrefi=LENrefinと、4動作クロック前のタイミング(t=n−4)でのLENrefi=LENrefi(n−4)との差を4クロック時間4・Tsで割った値に係数Kdを乗算したD項(微分項)に、LENrefin(P(比例)項)を加算した値となる。
LENref1n+Kd・(LENref1n−LENref1(n−4))/(4/Ts)
LENref2n+Kd・(LENref2n−LENref2(n−4))/(4/Ts)
LENref1n*+Kd・(LENref1n*−LENref1(n−4)*)/(4/Ts)
LENref2n*+Kd・(LENref2n*−LENref2(n−4)*)/(4/Ts)
の4つとなる。
また、荷重制御補正量演算部220は、加重の大きさに応じて、補正量を設定する。
具体的には、調停処理部222は、例えば、図28に示すような構成を有し、
加算機221から出力された各制御量に、目標安定余裕度演算部218が生成した補正量と、実安定余裕度演算部219が生成した補正量と、荷重制御補正量演算部220が生成した補正量とを加算して、出力部223に出力する。
まず、図29に示すように、上述の説明で得られた制御量LENrefiが入力する。
次に、kfbマップ261を用いて、√(θx^2+θy^2)に対応する値fkbを求め、これを乗算器271により、LENrefiに乗算する。
ここで、kfbマップは、センサ群102に含まれている速度センサの出力に基づいて、車両が移動中で加速度がある場合には、係数kfbが0.5となり、停止中は、1となるように、設定されている。但し、一定の操作が行われた乗降モードの時には、0.7に設定し、通常時よりも係数を小さくする。これは、ドライバ19の乗降時に、姿勢安定化制御による車両の移動や動きを押さえるためである。
ここで、kfb2マップ262は、例えば、kfbマップ261に置換して配置される。加速度センサの出力に基づいて、車両が移動中で加速度がある場合には、係数kfbが0.5となり、停止中は、1となるように、設定されている、但し、一定の操作が行われた乗降モードの時には、0.7に設定し、通常時よりも係数を小さくする。これは、ドライバ19の乗降時に、姿勢安定化制御による車両の移動や動きを抑えるためである。
このよう処理を行って、最終的なリーンの補正量を出力する。
他の制御量についても、同様に、出力する。
これにより、転倒などが起こらず、安定して車両10の運行が可能となる。
目標値に従って動作したときの車両の安定余裕度(目標安定余裕度)を求めて、この安定余裕度が増加するように、補正値を求め、さらに、車両の実際の状況による車両の安定余裕度(実安定余裕度)を求めて、この安定余裕度が増加するように、補正値を求め、これらの補正値により、制御量を補正する。このため、車両が不安定になりにくく、転倒が起こりにくい。また、リアルタイムの状況に対応して制御が可能となる。
例えば、上記実施の形態における構成、動作、変数、演算式等は一例であり、これらに限定されるものではない。
11 ボディ
12 前右輪
13 前左輪
14 後輪
19 ドライバ
21 シート
23 アームレスト
24 アームレスト
25 グリップ操作装置
26 グリップ操作装置
31 前輪右支持機構
32 前輪左支持機構
33 後輪支持機構
34 ステアリング部
100 制御システム
101 操作部
102 センサ群
103 コントローラ
105 Gセンサ
106 レートセンサ
107 ホイールベースセンサ
108 速度センサ
109 リーンセンサ
111 前輪右駆動ECU
112 前輪左駆動ECU
113 ステアリングECU
114 リーン右ECU
115 リーン左ECU
116 姿勢制御ECU
117 ブレーキ前右制御ECU
118 ブレーキ前左制御ECU
119 ブレーキ後制御ECU
121〜129Hブリッジ回路(3相ブリッジ回路)
131〜139 モータ
201 プロセッサ
202 不揮発性メモリ
203 RAM
204 入出力部
211 入力部
212 前後運動目標値演算部
213 左右運動目標値演算部
214 重心位置換算演算部
215 傾斜角推定演算部
216 前後制御量演算部
217 左右制御量演算部
218 目標安定余裕度演算部
219 実安定余裕度演算部
220 荷重制御補正量演算部
221 加算器
222 調停処理部
223 出力部
401 指令状態演算部
402 θIi*演算部
403 min(θi*)・||fri*||演算部
404 目標安定余裕補正量演算部
411 実状態演算部
412 θIi演算部
413 min(θi)・||fri||演算部
414 実安定余裕補正量演算部
Claims (11)
- ボディと、前輪と、後輪とを備える車両の姿勢を制御する姿勢安定化制御装置において、
車両の運動の目標値を設定する目標値設定手段と、
設定された目標値に基づいて、車両の運動及び姿勢を制御するアクチュエータの制御量を制御するための制御信号を生成する制御量演算手段と、
車両の進行方向に相当するX軸方向と該進行方向に直交するY軸方向の加速度と傾斜角とを検出する運転状態検出手段と、
車両の重心と前記前輪とを結ぶライン及び車両に加わる外力と重力との合成力とがなす第1角度と、車両の重心と前記後輪とを結ぶライン及び前記合成力とがなす第2角度のうちの小さい方の角度と、前記合成力とのノルムに基づいて、車両の転倒安定余裕度を算出するとともに、
X軸方向とY軸方向における路面の傾きを求め、前記運転状態検出手段により検出された車両の加速度及び傾斜角と、求めた路面の傾きと、前記目標値設定手段により設定された目標値とに基づいて、前記転倒安定余裕度を高めるための補正量を演算する補正量演算手段と、
前記制御量演算手段で生成された制御量を、前記補正量演算手段で演算された補正量を用いて補正する補正手段と、
前記補正手段により補正された制御量を用いて、アクチュエータを制御する制御手段と、
を備える姿勢安定化制御装置。 - 前記補正量演算手段は、前記転倒安定余裕度を表すSfasmiを、前記第1角度を表すθI1、前記第2角度を表すθI2、前記合成力を表すfriを用いて、式Sfasmi=min(θI1,θI2)・||fri||に示される演算を行うことにより算出する請求項1に記載の姿勢安定化制御装置。
- 前記補正量演算手段は、
前記運転状態検出手段により検出された車両の加速度及び傾斜角と前記目標値演算手段により生成された目標値とに基づいて、車両の転倒安定余裕度を求め、
車両を安定化させるための補正量を演算する目標安定余裕度演算手段と、
前記運転状態検出手段により検出された車両の加速度と傾斜角とに基づいて、車両の転倒安定余裕度を求め、車両を安定化させるための補正量を演算する実安定余裕度演算手段と、
前記制御量演算手段で演算された制御量を、前記目標安定余裕度演算手段で演算された補正量及び前記実安定余裕度演算手段で演算された補正量を用いて補正する補正手段と、
を備える、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の姿勢安定化制御装置。 - 前記前輪は、前右輪と前左輪を含み、
前記車両は、前右輪を基準とするボディの高さ、前左輪を基準とするボディの高さ、前輪と後輪との間隔、とにより定まる車両の姿勢を制御する機能を備え、
前記補正量演算手段は、車両の傾きと前記車両の姿勢とに基づいて、前記路面の傾きを求める、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の姿勢安定化制御装置。 - 前記補正量演算手段は、
車両の前右輪、前左輪、後輪のうち、隣接する2つの車輪と重心を結ぶラインとで形成される複数の制御面について、路面に対する角度を求め、路面に対する角度から、制御面毎に、転倒安定余裕度を求め、求めた転倒安定余裕度を高めるための補正量を求める、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の姿勢安定化制御装置。 - 前記補正量演算手段は、前記制御面別に、転倒安定余裕度を求める、ことを特徴とする請求項5に記載の姿勢安定化制御装置。
- 前記補正量演算手段は、前記制御面別に、転倒安定余裕度を求め、求めた転倒安定余裕度の最も小さい面を特定して、補正量を求める、ことを特徴とする請求項6に記載の姿勢安定化制御装置。
- 前記前輪は、前右輪と前左輪を含み、前記アクチュエータは、前右輪を基準とするボディの高さ、前左輪を基準とするボディの高さ、前輪と後輪との間隔を制御することにより車両の姿勢を制御するアクチュエータ、ブレーキを制御するアクチュエータ、操舵を駆動するアクチュエータを含み、前記補正量演算手段は、前記アクチュエータに所定の優先度を付して、優先度に応じた順番で、少なくとも1つのアクチュエータの制御量の補正量を求める、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の姿勢安定化制御装置。 - 前記補正量演算手段は、全体として車両限界に達しないように、前記優先度に基づいて、各前記アクチュエータの補正量を階層的に順次求める、ことを特徴とする請求項8に記載の姿勢安定化制御装置。
- 請求項1乃至9のいずれか1項に記載の姿勢安定化制御装置を備える車両。
- コンピュータを、
ボディと、前輪と、後輪とを備える車両の姿勢を制御する姿勢安定化制御装置であって、
車両の運動の目標値を設定する目標値設定手段、
設定された目標値に基づいて、車両の運動及び姿勢を制御するアクチュエータの制御量を制御するための制御信号を生成する制御量演算手段、
車両の進行方向に相当するX軸方向と該進行方向に直交するY軸方向の加速度と傾斜角とを検出する運転状態検出手段、
車両の重心と前記前輪とを結ぶライン及び車両に加わる外力と重力との合成力とがなす第1角度と、車両の重心と前記後輪とを結ぶライン及び前記合成力とがなす第2角度のうちの小さい方の角度と、前記合成力とのノルムに基づいて、車両の転倒安定余裕度を算出するとともに、
X軸方向とY軸方向における路面の傾きを求め、前記運転状態検出手段により検出された車両の加速度及び傾斜角と、求めた路面の傾きと、前記目標値演算手段により生成された目標値とに基づいて、前記転倒安定余裕度を高めるための補正量を演算する補正量演算手段、
前記制御量演算手段で生成された制御量を、前記補正量演算手段で演算された補正量を用いて補正する補正手段、
前記補正手段により補正された制御量を用いて、アクチュエータを制御する制御手段、
として機能させる、ことを特徴とするコンピュータプログラム。
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