作業車両の外観斜視図。
作業車両の側面図。
作業車両のエンジンルーム内の構造の側面図。
エンジンルーム内の構造の平面図。
エンジンルーム内の構造の斜視図。
隔壁の構造を示す分解斜視図。
第2壁部材を取り外した状態でのエンジンルーム内の構造の一部を示す側面図。
以下、図面を参照して実施形態にかかる作業車両1について説明する。図1は、作業車両1の外観斜視図である。図2は、作業車両1の側面図である。作業車両1は、いわゆるモータグレーダである。作業車両1は、前輪11と後輪12とを含む複数の走行輪を備えている。作業車両1は、前輪11および後輪12間に設けられたブレード42で整地作業、除雪作業、軽切削、材料混合等を行うことができる。図1および図2に示すように、この作業車両1は、車両本体2と、運転室3と、作業機4とを備えている。
車両本体2は、後部車体5および前部車体6を含む。後部車体5は、上述した後輪12を有している。これらの後輪12が後述するエンジンからの駆動力によって回転駆動されることにより、作業車両1が走行する。また、後部車体5は、エンジンを収容するエンジンルーム7を有する。エンジンルーム7の内部の構成については後述する。
前部車体6は、後部車体5の前方に配置される。前部車体6は上述した前輪11を有している。前輪11は、前部車体6の前部に配置される。
運転室3は、後部車体5に載置されている。運転室3の内部には、ハンドル、変速レバー、作業機4の操作レバーなどの操作部(図示せず)が設けられている。なお、本実施形態において、前後左右とは運転室3内の運転者から見た前後左右を意味するものとする。また、図面においては、前後方向をx軸、左右方向をy軸、上下方向をz軸で示している。
作業機4は、ドローバ40、サークル41、ブレード42、油圧モータ(図示せず)、各種の油圧シリンダ44−48などを有している。各種の油圧シリンダ44−48は、リフトシリンダ44,45と、ドローバシフトシリンダ46と、ブレードシフトシリンダ47と、チルトシリンダ48(図2参照)とを有する。油圧モータと油圧シリンダ44−48は、図示しない油圧ポンプからの作動油によって駆動される。
ドローバ40の前部は、前部車体6の前部に揺動可能に取付けられている。一対のリフトシリンダ44,45の同期した伸縮によって、ドローバ40の後部が上下に昇降する。また、リフトシリンダ44,45の異なった伸縮によって、ドローバ40は、前後方向に沿った軸を中心に揺動する。さらに、ドローバ40は、ドローバシフトシリンダ46の伸縮によって左右に移動する。
サークル41は、ドローバ40の後部に回転可能に取付けられている。サークル41は、油圧モータによって駆動される。これにより、サークル41は、ドローバ40に対し車両上方から見て時計方向または反時計方向に回転する。
ブレード42は、サークル41に対して左右方向に滑動可能に支持されている。また、ブレード42は、サークル41に対して左右方向に平行な軸を中心に揺動可能に支持されている。ブレード42は、ブレードシフトシリンダ47によりサークル41に対して左右に移動する。また、ブレード42は、チルトシリンダ48(図2参照)によって、サークル41に対して左右方向に平行な軸を中心に揺動する。以上のように、ブレード42は、ドローバ40及びサークル41を介して、上下の昇降、前後方向に対する傾きの変更、左右方向に対する傾きの変更、回転、及び、左右方向のシフトを行なうことができる。
図3は、エンジンルーム7の内部構造の右側面図である。図4は、エンジンルーム7の内部構造の平面図である。図3及び図4に示すように、後部車体5は、車体フレーム13と、車体カバー14とを有する。図3では、説明の便宜上、車体フレーム13と車体カバー14との外形を二点鎖線で示している。また、図4では、説明の便宜上、車体カバー14の外形を二点鎖線で示している。図3に示すように、車体フレーム13は、後述するエンジン10及びラジエータ16を支持している。車体カバー14は、車体フレーム13に取り付けられる。車体カバー14はエンジンルーム7を覆う。詳細には、車体カバー14はエンジンルーム7の上方、左方、右方、及び後方を覆う。
エンジンルーム7には、エンジン10、動力伝達装置15、ラジエータ16、排気処理ユニット17、作動油タンク19などが配置される。車両後方から順に、ラジエータ16、排気処理ユニット17、エンジン10、動力伝達装置15が、車両前方に向かって配置される。作動油タンク19は、動力伝達装置15の上方に配置される。なお、図4においては、理解の容易のため図3に示す作動油タンク19を省略している。
作業車両1は、隔壁18を備えている。隔壁18は、前後方向において、エンジン10とラジエータ16との間に配置される。図3に示すように、隔壁18は、エンジンルーム7の内部を、第1の収納空間S1と第2の収納空間S2とに区画する。隔壁18は、上下方向及び左右方向に延びる板状の形状を有する。排気処理ユニット17とエンジン10と動力伝達装置15とは、第1の収納空間S1に収容されている。ラジエータ16は、第2の収納空間S2に収容されている。隔壁18の構造については後の詳細に説明する。
上述した車体カバー14の上面には、上部開口14aが設けられている。上部開口14aは、第2の収納空間S2の上方に配置されており、第2の収納空間S2に連通している。上部開口14aの前縁部は、隔壁18よりも前方に位置している。車体カバー14は、斜面部141を含む。斜面部141は、上部開口14aの前縁部と隔壁18の上端部とに亘って設けられている。斜面部141は、前斜め上方に向かって傾斜している。
車体カバー14の後面には、後部開口14bが設けられている。後部開口14bは、ラジエータ16の後方に位置している。車外の空気が、上部開口14aから第2の収納空間S2に取り込まれる。空気は、第2の収納空間S2においてラジエータ16を通り、後部開口14bから車外に排出される。
エンジン10は、マウントブラケット25を介して車体フレーム13に支持されている。マウントブラケット25は、車体フレーム13に取り付けられる。
動力伝達装置15は、エンジン10からの動力を伝達する。動力伝達装置15は、トランスミッション27とトルクコンバータ26とを有する。トルクコンバータ26は、エンジン10の出力側に接続されている。トルクコンバータ26は、エンジン10からの動力をトランスミッション27に伝達する。トランスミッション27は、トルクコンバータ26の出力側に接続されている。トランスミッション27は、図示しないクラッチ及び変速ギアなどを有する。トランスミッション27は、エンジン10からの動力を、図示しない最終減速機及びタンデム装置を介して、後輪12に伝達する。
ラジエータ16は、エンジン10の冷却水を冷却する。ラジエータ16は、エンジン10及び排気処理ユニット17よりも後方に配置される。ラジエータ16は、車体フレーム13に支持されている。
排気処理ユニット17は、排気処理装置支持ブラケット30と第1排気処理装置31と第2排気処理装置32と第2の接続管33を有する。また、作業車両1は、第1の接続管34と、排気管35とをさらに備える。第1の接続管34は、エンジン10の排気を排気処理ユニット17に送るための管である。排気管35は、排気処理ユニット17で処理された排気を外部に排出するための管である。
排気処理装置支持ブラケット30は、第1排気処理装置31と第2排気処理装置32とを支持している。排気処理装置支持ブラケット30は、マウントブラケット25に取り付けられる。排気処理装置支持ブラケット30は、第1マウント部30aと、第2マウント部30bとを含む。第1マウント部30aは、第1排気処理装置31を支持する。第2マウント部30bは、第2排気処理装置32を支持する。第1マウント部30aと第1排気処理装置31とは、第1排気処理ユニット71を構成している。第2マウント部30bと第2排気処理装置32とは、第2排気処理ユニット72を構成している。
第1排気処理装置31は、例えば、ディーゼル微粒子捕集フィルター装置である。第1排気処理装置31は、第1の接続管34を介して送られるエンジン10からの排気を処理する。第1排気処理装置31は、排気中に含まれる粒子状物質をフィルターによって捕集する。第1排気処理装置31は、捕集した粒子状物質をフィルターに付設されたヒータによって焼却する。
第1排気処理装置31は、概ね円筒状の外形を有する。図4に示すように、第1排気処理装置31は、その中心軸線Ay1が車幅方向に沿うように配置される。第1排気処理装置31は、第1接続口31aと第2接続口31bとを有する。第1接続口31aには、第1の接続管34が接続される。第2接続口31bには、第2の接続管33が接続される。
第1接続口31aは、斜め上方に突出している。具体的には、第1接続口31aは、上方且つエンジン10側へ向かって斜めに突出している。第1排気処理装置31の底部は、エンジン10の最高位置よりも下方に位置している。第1排気処理装置31は、平面視でエンジン10と重ならない位置に配置される。詳細には、第1排気処理装置31は、エンジン10よりも後方に配置される。第1排気処理装置31は、前後方向においてエンジン10と隔壁18との間に配置される。
第2接続口31bは、概ね上方に突出している。ただし、第2接続口31bは、鉛直方向から少し後方に向かって傾いている。第2の接続管33は、第1排気処理装置31と第2排気処理装置32とを接続している。図3に示すように、第2の接続管33の外径は、第1排気処理装置31の外径より小さい。第2の接続管33の一端は、第1排気処理装置31の第2接続口31bに接続されている。第2の接続管33の他端は、第2排気処理装置32の第3接続口32aに接続されている。
第2の接続管33は、第1排気処理装置31の上方に配置される。また、第2の接続管33は、第2排気処理装置32の後方に配置される。第2の接続管33の頂上部は、第2排気処理装置32の頂上部よりも下方に位置している。第2の接続管33には、還元剤噴射装置36が取り付けられる。還元剤噴射装置36は、第2の接続管33内に還元剤を噴射する。
第2排気処理装置32は、選択還元触媒装置である。第2排気処理装置32は、第1排気処理装置31によって処理されたエンジン10からの排気を処理する。第2排気処理装置32は、還元剤を用いて選択的に窒素酸化物NOxを還元する。還元剤としては、例えば尿素水が用いられる。
第2排気処理装置32は、概ね円筒状の外形を有する。図4に示すように、第2排気処理装置32は、その中心軸線Ay2が車幅方向に沿うように配置される。また、第2排気処理装置32は、その中心軸線Ay2が第1排気処理装置31の中心軸線Ay1と平行となるように配置される。第2排気処理装置32は、第1排気処理装置31よりも上方に配置される。詳細には、第2排気処理装置32の底部は、第1排気処理装置31の頂上部よりも上方に配置される。第2排気処理装置32は、平面視において第1排気処理装置31の一部と重なるように配置される。また、第2排気処理装置32は、平面視においてエンジン10の一部と重なるように配置される。
第2の接続管33と還元剤噴射装置36とは、第2排気処理装置32と隔壁18との間に配置される。第2排気処理装置32と隔壁18との間の隙間は、第1排気処理装置31の外形よりも小さい。第2の接続管33は、第1排気処理装置31の上方に配置される。第2の接続管33は、上述した斜面部141の下方に配置される。第2の接続管33と還元剤噴射装置36とは、前後方向においてエンジン10と後述する還元剤タンク38との間に配置される。
第2排気処理装置32は、第3接続口32aと第4接続口32bとを有する。第3接続口32aには、第2の接続管33が接続される。第4接続口32bには、排気管35が接続される。第3接続口32aは、後方に向かって水平方向から下方に向かって傾いている。
第4接続口32bは、斜め上方に突出している。具体的には、第4接続口32bは、上方且つエンジン10側へ向かって斜めに突出している。これによって、排気管35は、エンジン10上方において斜め上方に突出する。排気管35の上部は、車体カバー14から上方へ突出している。
エンジン10と、第1の接続管34と、第1排気処理装置31と、第2の接続管33と、第2排気処理装置32と、排気管35とは、順に直列に接続されている。したがって、エンジン10からの排気は、第1の接続管34を通り、第1排気処理装置31に送られる。第1排気処理装置31では、主に粒子状物質が排気中から低減される。次に、排気は、第2の接続管33を通り、第2排気処理装置32に送られる。第2排気処理装置32では、主にNOxが低減される。その後、清浄化された排気は排気管35を通って外部へ排出される。
エンジンルーム7の下方には、燃料を貯留するための燃料タンク37と、還元剤を貯留するための還元剤タンク38とが配置される。燃料タンク37と還元剤タンク38とは、車体フレーム13の下方に突出して配置される。燃料タンク37は、平面視において少なくとも部分的にエンジン10と重なるように配置される。燃料タンク37は、隔壁18の下方に配置される。燃料タンク37は、前後方向においてトランスミッション27と還元剤タンク38との間に配置される。すなわち、トランスミッション27は、燃料タンク37の前方に配置される。
還元剤タンク38は、燃料タンク37の後方に配置される。還元剤タンク38は、隔壁18よりも後方に配置される。還元剤タンク38は、ラジエータ16よりも後方に配置される。
図3に示すように、還元剤タンク38と還元剤噴射装置36とは、還元剤ホース51によって接続されている。還元剤ホース51は、還元剤タンク38からラジエータ16の下方を通って前方へ延びるように配置される。還元剤ホース51は、ラジエータ16と隔壁18との間において上方へ向かって折り曲げられ、隔壁18に沿って上下方向に延びるように配置される。隔壁18は、貫通孔18aを有しており、還元剤ホース51の上部は、貫通孔18aを通り、第1の収納空間S1において還元剤噴射装置36に接続されている。
詳細には、還元剤ホース51は、第1ホース部分51aと第2ホース部分51bとを有する。第1ホース部分51aは、第3カバー部材53cの下方(隔壁18の下方)の位置と還元剤噴射装置36との間に配置される。第1ホース部分51aは、第2の収納空間S2において隔壁18に沿って配置される。第1ホース部分51aは、第2の収納空間S2において隔壁18に沿って上下方向に延びるように配置される。第1ホース部分51aの途中に、還元剤ポンプ52が接続されている。還元剤ポンプ52は、第2の収納空間S2において隔壁18に取り付けられる。
第2ホース部分51bは、還元剤タンク38と第3カバー部材53c下方(隔壁18の下方)の位置との間に配置される。第2ホース部分51bは、ラジエータ16の下方を通るように配置される。第2ホース部分51bは、燃料タンク37の上方を通るように配置される。すなわち、第2ホース部分51bは、ラジエータ16と燃料タンク37との間を通るように配置される。
なお、上述した隔壁18の貫通孔18aは、隔壁18の上下方向における中央位置よりも上方に位置している。また、貫通孔18aと還元剤噴射装置36との間の上下方向の距離は、貫通孔18aとラジエータ16の下端部との間の上下方向における距離よりも小さい。従って、第1ホース部分51aのうち第1の収納空間S1内に位置する部分は、第1ホース部分51aのうち第2の収納空間S2内に位置する部分よりも短い。このため、還元剤ホース51のうち第1の収納空間S1において高温環境に晒される部分が短くなっている。
図5は、エンジンルーム7内の構造の一部を示す斜視図である。図3及び図5に示すように、作業車両1は、カバー部材53を有している。カバー部材53は、第2の収納空間S2において還元剤ホース51の少なくとも一部を覆う。詳細には、カバー部材53は、第1ホース部分51aと還元剤ポンプ52とを覆っている。また、カバー部材53は、上述した隔壁18の貫通孔18aを覆っている。カバー部材53は、隔壁18に取り付けられる。
詳細には、カバー部材53は、第1カバー部材53aと第2カバー部材53bと第3カバー部材53cとを有している。第1カバー部材53aは、隔壁18の貫通孔18a及び第1ホース部分51aの上部を覆っている。第1ホース部分51aの上部は、第1ホース部分51aのうち還元剤ポンプ52よりも上方に位置する部分である。
第2カバー部材53bは、第1カバー部材53aの下方に配置される。第2カバー部材53bは、第1カバー部材53aと別体である。第2カバー部材53bは、還元剤ポンプ52を覆っている。第2カバー部材53bは、蓋部53dを有する。蓋部53dは、第2カバー部材53bの他の部分に対して着脱可能に取り付けられる。これにより、還元剤ポンプ52へのアクセスが容易となり、還元剤ポンプ52のメンテナンスが容易となる。
第3カバー部材53cは、第2カバー部材53bの下方に配置される。第3カバー部材53cは、第1ホース部分51aの下部を覆う。第1ホース部分51aの下部は、第1ホース部分51aのうち還元剤ポンプ52よりも下方に位置する部分である。第3カバー部材53cは、車体フレーム13の上縁部よりも下方の位置まで延びている。詳細には、第3カバー部材53cの下端部は、車体フレーム13の上縁よりも下方に位置している。第3カバー部材53cの下端部は、ラジエータ16の下端部より下方に位置している。
次に、隔壁18の構造について説明する。図6は、隔壁18の構造を示す分解斜視図である。図6に示すように、隔壁18は、第1壁部材21と第2壁部材22とを有する。第2壁部材22は、第1壁部材21と別体である。第2壁部材22は、第1壁部材21の上方に配置される。第2壁部材22は、第1壁部材21に着脱可能に設けられている。
第1壁部材21は、第1上縁部21aと、第1下縁部21bと、第1下側縁部21cと、第2下側縁部21dとを有する。第1上縁部21aは、概ね直線状の形状を有する。第1上縁部21aは、車幅方向に沿って配置される。第1下縁部21bは、概ね直線状の形状を有する。第1下縁部21bは、車幅方向に沿って配置される。第1下縁部21bは車体フレーム13の幅内に挿入されるため(図5参照)、第1下縁部21bの車幅方向における長さは、第1上縁部21aの車幅方向における長さよりも短い。
第1下側縁部21cは、第1壁部材21の車幅方向における一方の側縁部である。第2下側縁部21dは、第1壁部材21の車幅方向における他方の側縁部である。本実施形態において、第1下側縁部21cは、第1壁部材21の右側縁部である。第2下側縁部21dは、第1壁部材21の左側縁部である。第1下側縁部21cは、上下方向に沿って配置される。第1下側縁部21cは、概ね直線状の形状を有する。第2下側縁部21dは、上下方向に沿って配置される。第2下側縁部21dは、概ね直線状の形状を有する。
第2壁部材22は、第2上縁部22aと、第2下縁部22bと、第1上側縁部22cと、第2上側縁部22dとを有する。第2上縁部22aは、概ね直線状の形状を有する。第2上縁部22aは、車幅方向に沿って配置される。第2下縁部22bは、第1壁部材21の第1上縁部21aに連結される。例えば、第2下縁部22bは、ボルトなどの固定手段によって第1壁部材21の第1上縁部21aに連結される。第2下縁部22bは、概ね直線状の形状を有する。第2下縁部22bは、車幅方向に沿って配置される。
第1上側縁部22cは、第2壁部材22の車幅方向における一方の側縁部である。第2上側縁部22dは、第2壁部材22の車幅方向における他方の側縁部である。本実施形態において、第1上側縁部22cは、第2壁部材22の右側縁部である。第2上側縁部22dは、第2壁部材22の左側縁部である。第1上側縁部22cは、上下方向に沿って配置される。第1上側縁部22cは、概ね直線状の形状を有する。第2上側縁部22dは、上下方向に沿って配置される。第2上側縁部22dは、概ね直線状の形状を有する。第1壁部材21の第1下側縁部21c及び第2下側縁部21dと、第2壁部材22の第1上側縁部22c及び第2上側縁部22dとは、隔壁18の幅方向に対して前方側に直角に曲がっている。これは外装と隔壁18との間の隙間をなくすためのシール材の取付のためである。またこの構成により隔壁18の強度アップも図ることができる。
隔壁18は、複数の支持部材61−65を介してラジエータ16に支持されている。図6に示すように、作業車両1は、第1下支持部材61と、第2下支持部材62と、第1上支持部材63と、第2上支持部材64とを備えている。第1下支持部材61は、第1壁部材21の車幅方向における一方の端部を支持する。第2下支持部材62は、第1壁部材21の車幅方向における他方の端部を支持する。本実施形態において、第1下支持部材61は、第1壁部材21の右方の端部を支持する。第2下支持部材62は、第1壁部材21の左方の端部を支持する。
第1下支持部材61は、L字形に屈曲した形状を有する。第1下支持部材61は、鉛直部61aと水平部61bとを有する。鉛直部61aは、第1下側縁部21cに沿って配置される。鉛直部61aは、第1壁部材21に取り付けられる。鉛直部61aは、第2カバー部材53bの下方に配置される。水平部61bは、鉛直部61aの下端部から水平方向に延びている。本実施形態では、水平部61bは、鉛直部61aの下端部から後方に延びている。水平部61bの先端は、ラジエータ16に取り付けられる。
第2下支持部材62は、L字形に屈曲した形状を有する。第2下支持部材62は、鉛直部62aと水平部62bとを有する。鉛直部62aは、第2下側縁部21dに沿って配置される。鉛直部62aは、第1壁部材21に取り付けられる。水平部62bは、鉛直部62aの下端部から水平方向に延びている。本実施形態では、水平部62bは、鉛直部62aの下端部から後方に延びている。水平部62bの先端は、ラジエータ16に取り付けられる。
第1上支持部材63は、第2壁部材22の車幅方向における一方の端部を支持する。第2上支持部材64は、第2壁部材22の車幅方向における他方の端部を支持する。本実施形態において、第1上支持部材63は、第2壁部材22の右方の端部を支持する。第2上支持部材64は、第2壁部材22の左方の端部を支持する。
第1上支持部材63は、第1下支持部材61と別体である。第1上支持部材63は、第1下支持部材61の上方に配置される。第1上支持部材63と第1下支持部材61とは、上下方向に互いに離れて配置される。第1上支持部材63は、L字形に屈曲した形状を有する。第1上支持部材63は、鉛直部63aと水平部63bとを有する。鉛直部63aは、第1上側縁部22cに沿って配置される。鉛直部63aは、第2壁部材22に取り付けられる。鉛直部63aは、第1カバー部材53aと共に第2壁部材22に取り付けられる。水平部63bは、鉛直部63aの上端部から水平方向に延びている。本実施形態では、水平部63bは、鉛直部63aの上端部から後方に延びている。水平部63bの先端は、ラジエータ16に取り付けられる。
第2上支持部材64は、第2下支持部材62の上方に配置される。第2上支持部材64は、L字形に屈曲した形状を有する。第2上支持部材64は、鉛直部64aと水平部64bとを有する。鉛直部64aは、第2壁部材22が第1壁部材21に取り付けられた状態において、第2上側縁部22dに沿って配置される。鉛直部64aは、第2壁部材22が第1壁部材21に取り付けられた状態において、第1壁部材21に取り付けられる。第2上支持部材64の鉛直部64aは、第2下支持部材62の鉛直部62aと一体である。すなわち、第2下支持部材62と第2上支持部材64とは一体である。水平部64bは、鉛直部64aの上端部から水平方向に延びている。本実施形態では、水平部64bは、鉛直部64aの上端部から後方に延びている。水平部64bの先端は、ラジエータ16に取り付けられる。
作業車両1は、中間支持部材65と接続部材66とを備えている。中間支持部材65は、第1壁部材21の車幅方向における一方の端部を支持する。本実施形態において、中間支持部材65は、第1壁部材21の右方の端部を支持する。中間支持部材65は、上下方向において第1上支持部材63と第1下支持部材61との間に配置される。中間支持部材65は、第1下支持部材61の上方において第1壁部材21に取り付けられる。中間支持部材65は、第1上支持部材63と第1下支持部材61とが別体であることにより発生する還元剤ポンプ52の負荷を支持する。
接続部材66は、第1壁部材21に取り付けられる。接続部材66は、第1上縁部21aに沿って配置される。接続部材66は、中間支持部材65と第2下支持部材62の鉛直部62aとを接続している。接続部材66は、中間支持部材65と一体である。
上述した第1カバー部材53aは、第2壁部材22に取り付けられる。還元剤ポンプ52は、第1壁部材21に取り付けられる。第2カバー部材53bと第3カバー部材53cとは、第1壁部材21に取り付けられたブラケット(図示せず)に取り付けられている。第2カバー部材53bは、上下方向において第1下支持部材61と第1上支持部材63との間に位置している。第2カバー部材53bは、上下方向において第1下支持部材61と中間支持部材65との間に位置している。第2カバー部材53bは、第1下側縁部21cに近接して配置される。
図3に示すように、第1壁部材21と第2壁部材22との境界Bは、第1排気処理装置31の頂上部よりも下方に位置する。境界Bは、第1排気処理装置31の底部よりも上方に位置する。詳細には、境界Bは、上下方向において、第1排気処理装置31の中心軸線Ay1と第1排気処理装置31の底部との間に位置する。
境界Bと第2排気処理ユニット72との間の距離は、第1排気処理装置31の外径より大きい。詳細には、図3に示すように、境界Bと第2マウント部30bとの間の距離D1は、第1排気処理装置31の外径より大きい。
図7は、第2壁部材22を取り外した状態でのエンジンルーム7内の構造の一部を示す側面図である。図7に示すように、第2壁部材22を車両から取り外すことにより、第1排気処理装置31の後方に、第1排気処理装置31を上方に移動させるための空間を確保することができる。これにより、第1排気処理装置31を車両から容易に取り外すことができる。第1排気処理装置31の取り外しの手順は次のとおりである。
還元剤ホース51が還元剤噴射装置36から取り外され、第2の接続管33が第1排気処理装置31及び第2排気処理装置32から取り外される。次に、還元剤噴射装置36から取り外された還元剤ホースが、隔壁18の貫通孔18aを通して第2の収納空間S2側に戻される。その後、第2壁部材22が第1壁部材21から取り外される。第2壁部材22を第1壁部材21から取り外す際には、第1壁部材21と第2壁部材22との連結が解除される。具体的には、第2壁部材22の第2下縁部22bと第1壁部材21の第1上縁部21aとを連結しているボルトなどの固定手段が取り外される。また、第2上支持部材64と第2壁部材22との連結が解除される。具体的には、第2上支持部材64の鉛直部64aと第2壁部材22とを連結しているボルトなどの固定手段が取り外される。そして、第2壁部材22が第1壁部材21から取り外される。
次に、第1排気処理装置31の排気処理装置支持ブラケット30への固定が解除される。そして、第1排気処理装置31が第1壁部材21の上方を通るように、斜め後上方に向かって移動させられる(図7の31’参照)。その後、第1排気処理装置31が、ラジエータ16と第2排気処理装置32との間を通り、上方へと移動させられる(図7の32’’参照)。これにより、第1排気処理装置31が、車体から取り外される。
なお、車体カバー14(図3参照)の上面は着脱可能に設けられており、第1排気処理装置31を車両から取り外す際には、車体カバー14の上面が車体から取り外される。また、図7において31’’に示すように、第1排気処理装置31は、斜め前上方に移動しているが、これはラジエータ16に接続された配管29を回避するためである。従って、配管29が設けられていない、或いは、配管29が第1排気処理装置31の移動に干渉しない場合には、第1排気処理装置31は、符号31’で示す位置から真上に移動させられてもよい。
以上のように、本実施形態に係る作業車両1では、隔壁18が第1排気処理装置31及び第2排気処理装置32に近接して配置されていても、第2壁部材22を取り外すことで、第1排気処理装置31を車両から容易に取り外すことができる。これにより、エンジンルーム7内の機器をコンパクトに配置しながら、第1排気処理装置31のメンテナンスを容易にすることができる。
境界Bは、第1排気処理装置31の底部よりも上方に位置している。このため、境界Bが第1排気処理装置31の底部より下方に位置する場合と比べて、第2壁部材22を小型化することができる。これにより、第2壁部材22を車両から容易に取り外すことができる。
境界Bは、上下方向において、第1排気処理装置31の中心軸線Ay1と第1排気処理装置31の底部との間に位置している。このため、第1排気処理装置31の後方に、第1排気処理装置31を移動させるための空間を大きく確保することができる。
第2排気処理装置32と隔壁18との間の隙間は、第1排気処理装置31の外形よりも小さい。このため、第2排気処理装置32と隔壁18とをコンパクトに配置することができる。
第2の接続管33は、第2排気処理装置32と隔壁18との間、且つ、第1排気処理装置31の上方に配置される。このため、第2の接続管33を容易に取り外すことができる。
第1カバー部材53aは、第2壁部材22に取り付けられている。このため、第2壁部材22を取り外すときに、第1カバー部材53aを第2壁部材22から取り外すことなく第2壁部材22と共に取り外すことができる。これにより、第2壁部材22を取り外すときに、第1カバー部材53aを第2壁部材22から取り外すための手間を省略することができる。
第2壁部材22は、ラジエータ16に支持されている。また、ラジエータ16は、車体フレーム13に支持されている。従って、簡単な構成で第2壁部材22を車体フレーム13に支持させることができる。
以上、一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
作業車両は、モータグレーダに限らず、油圧ショベル、ブルドーザ、ホイールローダなどの他の種類の作業車両であってもよい。
排気処理ユニット17の構成は上述したものに限られない。例えば、第1排気処理装置31は、ディーゼル微粒子捕集フィルター装置と異なる装置であってもよい。第2排気処理装置32は、選択還元触媒装置と異なる装置であってもよい。或いは、第2排気処理装置32は、尿素水以外の還元剤を利用する選択還元触媒装置であってもよい。
エンジン10とラジエータ16と隔壁18と第1排気処理装置31と第2排気処理装置32との位置は、上述したものに限られない。例えば、エンジン10とラジエータ16と隔壁18と第1排気処理装置31と第2排気処理装置32とが、車幅方向に並んで配置されてもよい。
第2の接続管33は、第2排気処理装置32と隔壁18との間に限らず、他の位置に配置されてもよい。例えば、第2の接続管33は、第1排気処理装置31とエンジン10との間、且つ、第2排気処理装置32の下方に配置されてもよい。この場合、第1排気処理装置31を車両から取り外す際に、第2の接続管33が障害になることが抑えられる。
第1壁部材21と第2壁部材22との境界Bは、第1排気処理装置31の頂上部と同じ高さに位置してもよい。或いは、境界Bは、第1排気処理装置31の底部と同じ高さに位置してもよい。或いは、境界Bは、第1排気処理装置31の底部よりも下方に位置してもよい。
境界Bと第2排気処理装置32との間の距離が、境界Bと第2マウント部30bとの間の距離D1よりも小さいときには、境界Bと第2排気処理装置32との間の距離が、第1排気処理装置の外径より大きいことが好ましい。すなわち、第2排気処理装置32が第2マウント部30bよりも境界Bの近くに配置されている場合には、境界Bと第2排気処理装置32との間の距離が、第1排気処理装置の外径より大きいことが好ましい。
第1下支持部材61と第2下支持部材62と第1上支持部材63と第2上支持部材64とは、ラジエータ16以外のものに取り付けられてもよい。例えば、第1下支持部材61と第2下支持部材62と第1上支持部材63と第2上支持部材64とは、車体フレーム13に取り付けられてもよい。
還元剤ポンプ52は、第2壁部材22に取り付けられてもよい。ただし、第2壁部材22の取り外しを容易にする観点からは、上記の実施形態のように、還元剤ポンプ52は、第1壁部材21に取り付けられることが好ましい。
第1下支持部材61と第1上支持部材63とが一体であってもよい。第2下支持部材62と第2上支持部材64とが別体であってもよい。