JP5507537B2 - ゴム組成物および免震装置 - Google Patents

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Description

本発明は、免震積層ゴムや防振ゴムに使用されるゴム組成物、およびそのようなゴム組成物を用いた免震・防振装置に関する。
建築物、土木構造物、機器等の免震や防振に使用される免震積層ゴムや防振ゴムのゴム材料には、従来、クリープ特性に優れる天然ゴムをベースとしたゴム成分に、硬さを調整するための軟化剤や、カーボンブラック、さらに、加硫剤の硫黄、加硫促進剤等を配合したゴム組成物が広く使用されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、従来のゴム組成物はスコーチ時間が短いため、加工時に「焼け(成形中に加硫が進んでしまって適切な成形ができなくなる現象)」が発生しやすいうえに、「エア」や「ス」が入ったり、「バックラインディング(金型の合わせ目に生じる成形品の外観不良)」が発生するという問題があった。また、製品が大きくなると、加硫時間が長くなり、「加硫戻り(加硫ゴムが再び柔らかくなる現象)」が生じやすいという問題もあった。このような問題に対し、例えばスコーチ防止剤を使用することも行われているが、その効果は限定的で、「焼け」や「加硫戻り」等の防止対策としては不十分であった。
さらに、免震積層ゴムや防振ゴムに用いるゴム材、特に、免震積層ゴムに用いるゴム材は、引張応力特性が良好で、いわゆるハードニング(荷重が大きくなるとゴムの剛性が急激に増大する現象)が生じにくいことが望ましいが、この点でも、従来のゴム組成物は特性がやや不十分であった。
特開2009−242582号公報
本発明はこのような従来技術の課題を解決するためになされたもので、加工安定性が良好で、焼け、エアやスの発生、バックラインディング、加硫戻り等が生じることがなく、また、引張応力特性が良好で、免震積層ゴムや防振ゴムの材料に用いた場合に良好な免震機能、防振機能を備えることができるゴム組成物、およびそのような組成物を用いた免震装置、防振装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様に係るゴム組成物は、複数のゴム板と複数の金属板が交互に積層された免震積層ゴムの前記ゴム板材料として用いられるゴム組成物であって、天然ゴムを含むゴム成分100質量部に対し、算術平均粒子径40〜200nm、ヨウ素吸着量20〜30mg/g、DBP吸油量20〜100cm/100gの、ファーネスブラックおよび/またはサーマルブラック15〜25質量部N−シクロヘキシルチオフタルイミド0.10〜0.50質量部、硫黄0.7〜2.5質量部、m−フェニレンジマレイミド0.5〜2.0質量部、並びにテトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィドおよび/またはN−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド1.2〜3.0質量部を含有することを特徴としている。
また、本発明の他の態様に係る免震装置は、上記ゴム組成物を加硫成形してなるゴム成形体を具備することを特徴としている。
本発明によれば、加工安定性が良好で、焼け、エアやスの発生、バックラインディング、加硫戻り等が生じることがなく、また、引張応力特性が良好で、免震積層ゴムや防振ゴムの材料に用いた場合に良好な免震機能、防振機能を備えることができるゴム組成物、およびそのようなゴム組成物を用いた免震・防振装置が提供される。
本発明のゴム組成物を用いた免震装置の一例を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
まず、本発明の、免震積層ゴムまたは防振ゴムに用いられるゴム組成物について説明する。
本発明のゴム組成物においては、ゴム成分として天然ゴム(NR)が使用される。天然ゴムには、SMRCV60、STRCV60、RSS#1,RSS#3等、各種のグレードのものが知られているが、いずれも使用可能である。また、本発明においては、天然ゴム以外の各種合成ゴムを、本発明の効果を阻害しない範囲で、天然ゴムと併用することができる。このような合成ゴムとしては、例えば、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ブチルゴム(IIR)等のジエン系ゴムの他、エチレンプロピレンゴム(EPM)等のオレフィン系ゴムが挙げられる。これらの中でも、耐久性の点から、ジエン系ゴムが好ましい。
天然ゴムは、優れた耐クリープ特性を有しており、この優れた特性を維持する観点から、他の合成ゴムを併用する場合には、少なくとも天然ゴムがゴム成分全体の50質量%以上配合されるようにすることが好ましく、75質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがより一層好ましい。天然ゴムを単独で使用する場合には、爵解剤により粘度を調整して使用してもよい。
本発明においては、加工安定性を高めて、焼け、エアやスの発生、バックラインディング、加硫戻り等の問題が生じないようにするために、また、引張応力特性を向上させ、ゴム剛性の急激な増大が生じないようにするために、上記ゴム成分に対し、カーボンブラックおよびN−シクロヘキシルチオフタルイミドを配合する。
カーボンブラックは、算術平均粒子径40〜200nm、ヨウ素吸着量10〜40mg/g、DBP吸油量20〜100cm/100gのものであれば、特にその種類に制限されることなく使用されるが、なかでも、ファーネスブラック、サーマルブラックの使用が好ましい。ファーネスブラックの好ましい具体例としては、例えば、新日化カーボン社製のHTC#GH、HTC#G、HTC#GA、東海カーボン社製のシーストV、シーストS、シーストSP、旭カーボン社製の旭#55、旭#50、旭#35(以上、いずれも商品名)等が挙げられる。また、サーマルブラックの好ましい具体例としては、例えば、旭カーボン社製の旭サーマル、東海カーボン社製のシーストTA(以上、いずれも商品名)等が挙げられる。これらのカーボンブラックの具体例の物性を表1に示す。
Figure 0005507537
加工安定性の向上、特に加工時の焼けの発生を抑制する観点からは、ヨウ素吸着量20〜30mg/g、DBP吸油量40〜90cm/100gのカーボンブラックの使用が好ましい。このようなカーボンブラックの具体例としては、例えば、東海カーボン社製のシーストV、シーストS、シーストSP、旭カーボン社製の旭#55、旭#50、旭#35等が挙げられる。
ここで、上記カーボンブラックの算術平均粒子径、ヨウ素吸着量、DBP吸油量、窒素吸着比表面積、加熱減量、灰分について説明する。
算術平均粒子径:電子顕微鏡により測定、算出した平均粒子径である。
ヨウ素吸着量:JIS K 6217−1に準拠して測定される値である。
DBP吸油量:JIS K 6217−4に準拠して測定される値である。
窒素吸着比表面積:JIS K 6217−2に準拠して測定される値である。
加熱減量:JIS K 6218−1に準拠して測定される値である。
灰分:JIS K 6218−2に準拠して測定される値である。
本発明においては、このようなカーボンブラックを、上記ゴム成分100質量部に対し、10〜35質量部、好ましくは15〜25質量部の割合で配合する。カーボンブラックの配合量が、ゴム成分100質量部に対し10質量部未満であるか、または35質量部を超えた場合には、前述した加工安定性や引張応力特性を十分に向上させることができない。また、ゴム成分100質量部に対し10質量部未満であると、硬さ、機械的強度等の加硫後のゴム特性も不十分となる。さらに、免震積層ゴムや防振ゴム等を作製するにあたり金属部材との接着が必要になるが、かかる金属部材に対する接着性が低下する。また、カーボンブラックの配合量が、ゴム成分100質量部に対し35質量部を超えると、ゴム成分等と混合する際の作業性が低下する。
N−シクロヘキシルチオフタルイミドは、スコーチ防止剤として知られる、下記式(1)で表される化合物である。
Figure 0005507537
本発明においては、このN−シクロヘキシルチオフタルイミドを、ゴム成分100質量部に対し、0.05〜0.60質量部、好ましくは0.10〜0.50質量部、より好ましくは0.20〜0.40質量部の割合で配合する。N−シクロヘキシルチオフタルイミドの配合量が、ゴム成分100質量部に対し0.05質量部未満であるか、または0.60質量部を超えた場合には、前述した加工安定性や引張応力特性を向上させることができない。
本発明の目的のためには、加硫剤として、硫黄およびマレイミド化合物を使用し、また、加硫促進剤として、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィドおよび/またはN−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミドを使用することが好ましい。
硫黄は、ゴム加硫用として知られているものであれば、特に制限なく使用することができる。具体的には、粉末硫黄、沈降硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄等が使用される。硫黄は、上記ゴム成分100質量部に対し、0.7〜2.5質量部配合することが好ましく、
0.9〜1.6質量部配合することがより好ましい。硫黄の配合量が、ゴム成分100質量部に対し0.7質量部未満であるか、または2.5質量部を超えた場合には、ゴム組成物の加工安定性や引張応力特性を改善する効果が低下する。また、硫黄の配合量が、ゴム成分100質量部に対し0.7質量部未満では、加硫後の引張強さ等のゴム特性が低下し、さらに、耐熱性等も低下する。また、硫黄の配合量が、ゴム成分100質量部に対し、2.5質量部を超えると、耐熱性および耐久性が不良となる。
マレイミド化合物としては、m−フェニレンジマレイミド、(4,4’−ジフェニルメタン)ビスマレイミド、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、2,2’−ビス(4−(4−マレイミドフェノキシ)フェニル)プロパン等が挙げられるが、なかでも、m−フェニレンジマレイミドが好ましい。マレイミド化合物は、上記ゴム成分100質量部に対し、0.5〜2.0質量部配合することが好ましく、0.8〜1.5質量部配合することがより好ましい。マレイミド化合物の配合量が、ゴム成分100質量部に対し0.5質量部未満であるか、または2.0質量部を超えた場合には、ゴム組成物の加工安定性や引張応力特性を改善する効果が低下する。また、マレイミド化合物の配合量が、ゴム成分100質量部に対し0.5質量部未満では、加硫後のゴムの耐熱性や耐久性等が低下する。マレイミド化合物の配合量が、ゴム成分100質量部に対し2.0質量部を超えると、分散性が低下し、耐熱性および耐久性が共に不良となる。
加硫促進剤として使用されるテトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィドおよびN−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミドは、それぞれ下記式(2)および(3)で表される化合物である。
Figure 0005507537
これらのテトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィドおよびN−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミドは、いずれか一方を単独で使用してもよく、両方を併用してもよい。これらの加硫促進剤は、上記ゴム成分100質量部に対し、合計量0.5〜5.0質量部配合することが好ましく、0.8〜4.5質量部配合することがより好ましい。これらの加硫促進剤の配合量が、ゴム成分100質量部に対し5.0質量部を超えた場合には、ゴム組成物の加工安定性や引張応力特性を改善する効果が低下する。また、加硫促進剤の配合量が、ゴム成分100質量部に対し0.5質量部未満では、加硫促進効果が十分に得られないおそれがある。
本発明の組成物には、上記成分以外の加硫促進剤を、本発明の効果を阻害しない範囲で配合することができる。そのような加硫促進剤としては、ジ−2−ベンゾチアジルジスルフィド、2−メルカプトベンゾチアゾール等のチアゾール系加硫促進剤、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾールスルフェンイミド、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾールスルフェンイミド、N−フェニル−2−ベンゾチアゾールスルフェンイミド等のスルフェンイミド系加硫促進剤等が挙げられる。
また、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド以外のチウラム系加硫促進剤、例えば、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフィド、ジペンタメチレンチウラムヘキサスルフィドや、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド以外のスルフェンアミド系加硫促進剤、例えば、N−シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾールスルフェンアミド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド等も本発明の効果を阻害しない範囲で使用可能である。
上記加硫剤および加硫促進剤の配合量は、ゴム強度、耐熱性および耐久性等の観点から、ゴム成分100質量部に対し、全量で1.7〜9.5質量部であることが好ましく、2.5〜7.6 質量部であることがより好ましく、3.0〜4.5質量部であることがより一層好ましい。
本発明のゴム組成物は、以上の各成分の他、本発明の効果を阻害しない範囲で、この種の組成物に一般に配合される、酸化亜鉛、加硫促進助剤、加硫遅延剤、老化防止剤、ワックス等の表面亀裂防止剤、ステアリン酸等の脂肪酸系加工助剤等を配合することができる。
亜鉛華(酸化亜鉛)は、ゴム成分100質量部に対して、通常、3.0〜10.0質量部の範囲で使用される。ステアリン酸等の脂肪酸系加工助剤は、ゴム成分100質量部に対して、通常、0.5〜2.0質量部の範囲で使用される。表面亀裂防止剤は、ゴム成分100質量部に対して、通常、0.5〜2.0質量部の範囲で使用される。加工助剤として、油溶性高分子スルホン酸やその混合物等も使用することができる。このようなスルホン酸系加工助剤は、ゴム成分100質量部に対して、通常、0.5〜3.0質量部の範囲で使用される。
老化防止剤は、ゴム成分100質量部に対して、通常、2.0〜8.0質量部の範囲で使用される。ゴム用老化防止剤としては、例えば、芳香族アミン系老化防止剤、アミン−ケトン系老化防止剤、モノフェノール系老化防止剤、ビスフェノール系老化防止剤、ポリフェノール系老化防止剤、ジチオカルバミン酸塩系老化防止剤、チオウレア系老化防止剤等が知られているが、いずれも使用可能であり、これらの中から1種以上を適宜選択して使用することができる。耐熱性を高める観点からは、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体、2−メルカプトベンズイミダゾール等の使用が好ましい。また、耐オゾン性を高める観点からは、N−フェニル−N′−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N′−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン等が好適である。
その他、脂環族飽和炭化水素樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、芳香族炭化水素樹脂(キシレン樹脂等)等を配合することができる。脂環族飽和炭化水素樹脂は、軟化点が100℃以上のものを使用することが好ましい。具体的には、日本ゼオン社製のクイントン1325(軟化点125℃)、クイントン1325(軟化点140℃)、クイントン1500(軟化点100℃)、クイントン1525L(軟化点125℃)、クイントン1700(軟化点100℃)、荒川化学工業社製のアルコン−P−115(軟化点115℃)、アルコン−P−125(軟化点125℃)、アルコン−P−140(軟化点140℃)(以上、いずれも商品名)等が使用される。脂肪族炭化水素樹脂としては、日本ゼオン社製のクイントンA100(軟化点100℃)、クイントンK100(軟化点100℃)(以上、いずれも商品名)等が使用される。これらの炭化水素樹脂を配合することにより、ゴム硬さや静的せん断弾性率を調整することができる。これらの樹脂は、ゴム成分100質量部に対して、通常、30質量部以下の範囲で使用される。この範囲で樹脂を配合することにより、低弾性から高弾性まで所望の弾性率に調整することができる。なお、低弾性のゴムではコールドフロー性が高くなるが、脂環族飽和炭化水素樹脂を配合することでコールドフローの発生を抑制することができる。この効果は軟化点が115℃以上の樹脂を使用した場合に特に顕著である。
なお、この種のゴムに軟化剤として一般に配合されるプロセスオイルは、揮発性が高く、加硫特性に種々の悪影響を及ぼすおそれがあることから、本発明のゴム組成物には配合しないことが好ましい。
本発明のゴム組成物は、ゴム成分、カーボンブラック、N−シクロヘキシルチオフタルイミド、および必要に応じて配合される各種成分を、バンバリーミキサー、インターナルミキサー、ニーダー、ロール等の通常の混練機を用いて混練することにより得られる。各成分の配合方法は特に限定されず、加硫剤および加硫促進剤等の加硫系成分以外の配合成分を予め混練してマスターバッチとし、残りの成分を添加してさらに混練する方法、各成分を任意の順序で添加し混練する方法、全成分を同時に添加して混練する方法等のいずれであってもよい。
また、このようにして得られた本発明のゴム組成物を、所定の形状に成形し加硫することにより、本発明の免震・防振装置等に使用されるゴム部材(ゴム成形体)が得られる。成形方法としては、プレス成形が一般的であるが、本発明のゴム組成物は、スコーチ時間が長いため、射出成形による成形も可能である。すなわち、射出成形を適用しても、「焼け」が生じたり、加硫物内部に「エア」や「ス」が入ったり、バックラインディングが発生することはなく、また、「加硫戻り」が生ずることもない。
次に、上記ゴム組成物を用いた本発明の免震装置について説明する。
図1は、本発明の免震装置の一実施形態の免震積層ゴムを示す断面図である。
この免震積層ゴム10は、複数(例えば、26枚)の上記ゴム組成物からなる円形のゴム板11を、複数(例えば、25枚)の円形の薄い鋼板等からなる金属板(中間金属板)12と交互に積層し加硫接着するとともに、この積層体の両面に円形の金属板12より厚肉の鋼板等からなる金属板(連結金属板)13を配置し、さらにその両側にフランジ14を配置し、ボルト15で固定した構造を有する。図1中、16は、ゴム板11、金属板12および金属板13の中心に設けられた放熱用の開口部である。
このように構成される免震積層ゴムにおいては、ゴム板11が加工安定性および引張応力特性に優れるゴム材料で形成されているため、外観が良好で、かつ優れた免震特性を有している。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。実施例および比較例で用いた成分は以下の通りである。
天然ゴム:SMRCV60
カーボンブラック(A):
ファーネスブラック(算術平均粒子径64nm、窒素吸着比表面積26m/g、
ヨウ素吸着量25mg/g、DBP吸油量80ml/100g、
加熱減量0.1%、灰分0.1%)
新日化カーボン社製 商品名 HTC#G
カーボンブラック(B):
サーマルブラック(算術平均粒子径80nm、窒素吸着比表面積24m/g、
ヨウ素吸着量27mg/g、DBP吸油量28ml/100g、
加熱減量0.2%、灰分0.3%)
旭カーボン社製 商品名 旭サーマル
カーボンブラック(C):
ファーネスブラック(算術平均粒子径62nm、窒素吸着比表面積27m/g、
ヨウ素吸着量26mg/g、DBP吸油量87ml/100g、
加熱減量0.3%、灰分0.1%)
東海カーボン社製 商品名 シーストV
カーボンブラック(D):
ファーネスブラック(算術平均粒子径45nm、窒素吸着比表面積40m/g、
ヨウ素吸着量43mg/g、DBP吸油量114ml/100g、
加熱減量0.3%、灰分0.2%)
旭カーボン社製 商品名 旭#60
カーボンブラック(E):
ファーネスブラック(算術平均粒子径26nm、窒素吸着比表面積77m/g、
ヨウ素吸着量80mg/g、DBP吸油量101ml/100g、
加熱減量0.3%、灰分0.3%)
旭カーボン社製 商品名 旭#70
N−シクロヘキシルチオフタルイミド
東レ・ファインケミカル社製 商品名 CTPI−N−シクロヘキシルチオフタル
イミド
硫黄:オイル5%含有硫黄
加硫剤:m−フェニレンジマレイミド
大内新興化学工業社製 商品名 バルノックPM
加硫促進剤(A):テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド
大内新興化学工業社製 商品名 ノクセラーTOT−N
加硫促進剤(B):N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド
大内新興化学工業社製 商品名 ノクセラーNS−P
加硫促進剤(C):ジ−2−ベンゾチアジルジスルフィド
大内新興化学工業社製 商品名 ノクセラーDM−P
爵解剤:
川口化学工業社製 商品名 ペプター3S
亜鉛華:酸化亜鉛2種
加工助剤:ステアリン酸
脂環族飽和炭化水素樹脂:
日本ゼオン社製 商品名 クイントン1345(軟化点140℃)
老化防止剤(A):2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体
精工化学社製 商品名 ノンフレックスRD
老化防止剤(B):N−フェニル−N′−イソプロピル−p−フェニレンジアミン
精工化学社製 商品名 オゾノン3C
表面亀裂防止剤:精選特殊ワックス
精工化学社製 商品名 サンタイトZ
実施例1〜7、比較例1〜7
上記各成分を用い、表2に示す配合組成のゴム組成物を調製した。すなわち、各成分を表2に示す組成比となるように配合し、バンバリーミキサーを用いて均一に混練してゴム組成物を得た。
得られた未加硫のゴム組成物について、下記に示す方法で各種特性を評価した。
[ムーニー粘度]
JIS K 6300のムーニー粘度試験に準拠し、測定温度100℃で、L型ロータを用いて測定した。
[スコーチタイムt
JIS K 6300のムーニースコーチ試験に準拠し、測定温度125℃で、L型ロータを用いて測定した。
[加硫速度t90
ヤマト科学社製レオメーター(型名 DV−I Prime)を使用し、温度150℃にて加硫曲線を求め、この加硫曲線から90%加硫時間を測定した。
また、得られたゴム組成物を、所定の金型により、150℃×30分の条件で加硫して厚さ2mmのシートを作製し、このシートについて下記に示す方法で各種特性を評価した。
[硬さ]
JIS K 6253のタイプAデュロメータにより測定した。
[100%引張応力、引張強さ、破断伸び]
JIS K 6251に規定の引張試験を行い、100%、200%、300%伸長時の引張応力、引張強さ、および破断伸びを測定した。
[耐オゾン性]
JIS K 6301に規定の静的オゾン劣化試験(オゾン濃度50pphm、20%伸長、100時間)を行い、亀裂の有無を調べた。
[25%低伸長応力]
JIS K 6301に規定の低伸長応力試験を行い、25%伸長時の応力を測定した。
[静的せん断弾性率]
上記低伸長応力試験により求めた25%低伸長応力の値より、JIS K 6386(6)に基づいて算出した。
[動倍率]
エスアイアイ・ナノテクノロジー社製粘弾性スペクトロメータ(DMS)(型名 EXSTAR DMS6100)にて10Hz振動時の弾性率(動的弾性率)、および0.1Hz振動時の弾性率(静的弾性率)を振幅±0.1mm、±0.2mmの条件で測定し、上記動的弾性率を上記静的弾性率で除した値を動倍率とした。本値が低いほど防振性が優れる。
これらの結果を、表3に示す。
Figure 0005507537
Figure 0005507537
表3から明らかなように、実施例1〜7のゴム組成物は、スコーチタイム、加硫速度、硬さ、100%引張応力、200%引張応力、300%引張応力、破断伸び、静的せん断弾性率、動倍率において、良好な結果が得られた。
また、天然ゴム100質量部に対し、カーボンブラックを15〜25質量部,N−シクロヘキシルチオフタルイミドを0.10〜0.50質量部とすることで、スコーチタイムにおいてさらに良好な結果が得られた(実施例3、4、5)。
10…免震積層ゴム、11…ゴム板、12…金属板(中間金属板)、13…金属板(連結金属板)。

Claims (4)

  1. 複数のゴム板と複数の金属板が交互に積層された免震積層ゴムの前記ゴム板材料として用いられるゴム組成物であって、
    天然ゴムを含むゴム成分100質量部に対し、算術平均粒子径40〜200nm、ヨウ素吸着量20〜30mg/g、DBP吸油量20〜100cm/100gの、ファーネスブラックおよび/またはサーマルブラック15〜25質量部N−シクロヘキシルチオフタルイミド0.10〜0.50質量部、硫黄0.7〜2.5質量部、m−フェニレンジマレイミド0.5〜2.0質量部、並びにテトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィドおよび/またはN−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド1.2〜3.0質量部を含有することを特徴とするゴム組成物。
  2. 前記ファーネスブラックおよびサーマルブラックは、DBP吸油量が40〜90cm/100gであることを特徴とする請求項1記載のゴム組成物。
  3. JIS K 6300に準拠して、温度125℃で、L型ロータを用いて測定されるスコーチタイムtが、30分以上である請求項1または2記載のゴム組成物。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項記載のゴム組成物を加硫成形してなるゴム成形体を具備することを特徴とする免震装置
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