JP2016148049A - ゴム組成物およびシール部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】スコーチを起こしにくく、且つ加硫速度が速いニトリルゴム組成物を提供すること。
【解決手段】ニトリルゴム、硫黄、加硫促進剤、およびスコーチ防止剤を含有するゴム組成物であって、加硫促進剤が、チウラム系加硫促進剤、並びにスルフェンアミド系加硫促進剤およびチアゾール系加硫促進剤からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、チウラム系加硫促進剤が、テトラエチルチウラムジスルフィドであり、スコーチ防止剤が、N−フェニル−N−(トリクロロメチルチオ)ベンゼンスルホンアミドであり、加硫促進剤の含有量が、2.0〜6.5質量部であり、スコーチ防止剤の含有量が、0.3〜2.0質量部であり、並びにJIS K 6262に従い、加熱温度120℃および加熱時間72時間の条件で測定した、該ゴム組成物から得られる加硫ゴム組成物の圧縮永久ひずみが、40%未満であるゴム組成物。
【選択図】なし

Description

本発明はゴム組成物(詳しくはニトリルゴム(NBR)組成物)およびそれから得られるシール部材に関する。
低い圧縮永久ひずみが求められるシール部材等を製造するためのNBR組成物は、一般に、硫黄と、チウラム系加硫促進剤、スルフェンアミド系加硫促進剤およびチアゾール系加硫促進剤の少なくとも1種とを含有する(例えば、特許文献1、非特許文献1および2)。
特開2005−112918号公報
日本ゴム協会誌,55(2)第125−126頁,(1982) 日本ゴム協会誌,55(3)第213−214頁,(1982)
従来のNBR組成物は、成形時、特に射出成形時の型流れの際にスコーチを生じ、成形不良を発生する問題があった。この問題は複雑な形状や流動距離が長い大きな形状の物を成形する場合に、特に顕著となる。また、汎用のスコーチ防止剤を用いたり、金型温度を下げることにより、NBR組成物のスコーチを防止できるが、この場合には、加硫時間の増加や、得られるシール部材の圧縮永久ひずみの増大を招くという問題があった。そのため従来のNBR組成物では、スコーチの防止および速い加硫の両立は困難であった。
本発明は上記のような事情に着目してなされたものであって、その目的は、スコーチを起こしにくく、且つ加硫速度が速いNBR組成物を提供することにある。
本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、特定の加硫促進剤の2種以上を併用すると共に、スコーチ防止剤としてN−フェニル−N−(トリクロロメチルチオ)ベンゼンスルホンアミドを使用することにより、スコーチを起こしにくく、且つ加硫速度が速いNBR組成物が得られることを見出した。この知見に基づく本発明は、以下の通りである。
[1] ニトリルゴム、硫黄、加硫促進剤、およびスコーチ防止剤を含有し、
加硫促進剤が、チウラム系加硫促進剤、スルフェンアミド系加硫促進剤、チアゾール系加硫促進剤およびジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤からなる群から選ばれる少なくとも2種であり、
スコーチ防止剤が、N−フェニル−N−(トリクロロメチルチオ)ベンゼンスルホンアミドであるゴム組成物。
[2] 加硫促進剤が、チウラム系加硫促進剤、スルフェンアミド系加硫促進剤およびチアゾール系加硫促進剤からなる群から選ばれる少なくとも2種である前記[1]に記載のゴム組成物。
[3] チウラム系加硫促進剤が、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィドおよびテトラベンジルチウラムジスルフィドからなる群から選ばれる少なくとも一つである前記[1]または[2]に記載のゴム組成物。
[4] チウラム系加硫促進剤が、テトラメチルチウラムジスルフィドまたはテトラエチルチウラムジスルフィドである前記[1]または[2]に記載のゴム組成物。
[5] スルフェンアミド系加硫促進剤が、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミドである前記[1]または[2]に記載のゴム組成物。
[6] チアゾール系加硫促進剤が、ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィドである前記[1]または[2]に記載のゴム組成物。
[7] 加硫促進剤が、テトラエチルチウラムジスルフィドおよびN−シクロへキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミドである前記[1]に記載のゴム組成物。
[8] 加硫促進剤の含有量が、ニトリルゴム100質量部に対して2.0〜3.5質量部である前記[1]〜[7]のいずれか一つに記載のゴム組成物。
[9] スコーチ防止剤の含有量が、ニトリルゴム100質量部に対して0.3〜2.0質量部である前記[1]に記載のゴム組成物。
[10] 射出成形に用いられる前記[1]〜[9]のいずれか一つに記載のゴム組成物。
[11] 前記[1]〜[10]のいずれか一つに記載のゴム組成物を成形および加硫することによって得られるシール部材。
本発明のゴム組成物は、スコーチを起こしにくく、且つ加硫速度が速いため、成形(特に射出成形)および加硫を良好且つ短時間で行うことができ、生産性向上および製造コストの削減に寄与することができる。
本発明は、ニトリルゴム(NBR)、硫黄、加硫促進剤およびスコーチ防止剤を含有し、加硫促進剤が、チウラム系加硫促進剤、スルフェンアミド系加硫促進剤、チアゾール系加硫促進剤およびジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤からなる群から選ばれる少なくとも2種であり、スコーチ防止剤が、N−フェニル−N−(トリクロロメチルチオ)ベンゼンスルホンアミドであるゴム組成物を提供する。
上述の加硫促進剤の2種以上とN−フェニル−N−(トリクロロメチルチオ)ベンゼンスルホンアミドとの組合せを使用することによって、NBR組成物のスコーチの防止および速い加硫速度を両立することができる。詳しくは、該組合せを使用することによって、NBR組成物の165℃での加硫曲線におけるtc(10)(誘導時間)を1.4分以上とし、且つtc(90)(90%加硫時間)を3.5分以下とすることができる。なおtc(10)およびtc(90)は、JIS K 6300−2(未加硫ゴム−物理特性−第2部:振動式加硫試験機による加硫特性の求め方)のダイ加硫試験A法により測定した値である。NBR組成物のtc(10)を増大させることによって、金型の隅々までNBR組成物が流動するまでの時間を確保でき、NBR組成物のスコーチおよび成形不良を防止することができる。また、NBR組成物のtc(90)の増大を抑制することによって、早い加硫を達成することができる。
NBRの結合アクリロニトリル量は、特に制限はないが、好ましくは15〜50質量%、より好ましくは25〜42質量%である。該結合アクリロニトリル量が15質量%未満であると、NBR組成物から得られる成形品の耐油性、耐熱性等が低下する傾向があり、逆に50質量%を超えると、耐寒性等が低下する傾向がある。
NBRのムーニー粘度(ML(1+4)100℃)は、特に制限はないが、好ましくは20〜80、より好ましくは25〜70である。該ムーニー粘度が20より小さいと、NBR組成物から得られる成形品の圧縮永久ひずみ特性の低下、耐摩耗性の低下が生じやすくなる傾向があり、逆に80を超えるとNBR組成物の流動性が低下し、成形不良が発生しやすくなる傾向がある。
NBRは1種のみを使用してもよく、結合アクリロニトリル量およびムーニー粘度が異なる複数のNBRを併用してもよい。また、カルボキシル基を含有するNBR、共重合成分としてイソプレンを加えたNBIRを使用することも可能である。
本発明のゴム組成物は硫黄を含有する。ゴム組成物中の硫黄の含有量は、NBR100質量部に対して、好ましくは0.1〜3質量部、より好ましくは0.2〜2質量部である。
本発明では、加硫促進剤として、チウラム系加硫促進剤、スルフェンアミド系加硫促進剤、チアゾール系加硫促進剤およびジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤からなる群から選ばれる少なくとも2種を使用することを特徴とする。1種だけでなく、2種以上の加硫促進剤を使用することによって、ゴム組成物の速い加硫速度およびそれから得られる成形品の良好な圧縮永久ひずみを達成することができる。加硫促進剤は、好ましくはチウラム系加硫促進剤、スルフェンアミド系加硫促進剤およびチアゾール系加硫促進剤からなる群から選ばれる少なくとも2種である。
チウラム系加硫促進剤としては、例えば、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラベンジルチウラムジスルフィド、テトラキス(2−エチルヘキシル)チウラムジスルフィド等が挙げられる。これらの中で、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラベンジルチウラムジスルフィドが好ましく、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィドがより好ましく、テトラエチルチウラムジスルフィドがさらに好ましい。チウラム系加硫促進剤は市販品を使用することができる。
スルフェンアミド系加硫促進剤としては、例えば、N−シクロへキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−tert−ブチル-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−オキシジエチレン-2-ベンゾチアゾリルスルフェンアミド等が挙げられる。これらの中で、N−シクロへキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミドが好ましい。スルフェンアミド系加硫促進剤は市販品を使用することができる。
チアゾール系加硫促進剤としては、例えば、2-メルカプトベンゾチアゾール、ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド、2−メルカプトベンゾチアゾールの亜鉛塩等が挙げられる。これらの中でジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィドが好ましい。チアゾール系加硫促進剤は市販品を使用することができる。
ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤としては、例えば、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジエチルジチオカルバミン酸亜鉛、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛等が挙げられる。これらの中で、ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛が好ましい。ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤は市販品を使用することができる。
加硫促進剤の組合せとしては、例えば、チウラム系加硫促進剤およびスルフェンアミド系加硫促進剤の組合せ;チウラム系加硫促進剤およびチアゾール系加硫促進剤の組合せ;チウラム系加硫促進剤、チアゾール系加硫促進剤およびジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤の組合せ;チウラム系加硫促進剤、スルフェンアミド系加硫促進剤およびジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤の組合せ;等が挙げられる。tc(10)を長くしてスコーチを防止すると共に、tc(90)を短くして速い加硫を達成するために、チウラム系加硫促進剤およびスルフェンアミド系加硫促進剤の組合せが好ましく、テトラエチルチウラムジスルフィドおよびN−シクロへキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミドの組合せがより好ましい。
本発明のゴム組成物中の加硫促進剤の含有量は、NBR100質量部に対して、好ましくは2.0〜6.5質量部、より好ましくは2.0〜3.5質量部である。該含有量が2.0質量部未満であると、ゴム組成物から得られる成形品の圧縮永久ひずみ特性が低下する傾向があり、逆に6.5質量部を超えるとスコーチが生じやすくなり、コスト面からも不利となる傾向がある。耐スコーチ性および高速加硫性のバランス、コスト面の観点から、該含有量は3.5質量部以下であることがより好ましい。
本発明は、スコーチ防止剤として、N−フェニル−N−(トリクロロメチルチオ)ベンゼンスルホンアミドを使用することを特徴とする。従来の他のスコーチ防止剤でもtc(10)を増大させて、スコーチを防止することができるが、tc(90)も増大し、生産性が低下する。N−フェニル−N−(トリクロロメチルチオ)ベンゼンスルホンアミドは市販されているものを使用すればよい。
本発明のゴム組成物中のスコーチ防止剤の含有量は、NBR100質量部に対して、好ましくは0.3〜2.0質量部、より好ましくは0.3〜1.5質量部である。該含有量が0.3質量部未満であると、tc(10)増大効果が不十分となる傾向があり、逆に2.0質量部を超えるとtc(90)の増大が著しくなり、コスト面でも不利となる傾向がある。
本発明のゴム組成物は、本発明の効果を阻害しない範囲で、公知の配合剤を含有していてもよい。配合剤としては、例えば、加工助剤、補強剤、加硫促進助剤、老化防止剤、可塑剤等が挙げられる。配合剤は、いずれも、1種のみを使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明のゴム組成物は、混練時の成分の分散性および成形時の流動性の改善等のために、加工助剤を含有していてもよい。加工助剤としては、例えば従来公知のパラフィンおよび炭化水素樹脂系加工助剤、脂肪酸系加工助剤、脂肪酸アミド系加工助剤、脂肪酸エステル系加工助剤、脂肪族アルコール系加工助剤などが好適に用いられる。パラフィンおよび炭化水素樹脂系加工助剤としては、例えばパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、流動パラフィン、パラフィン系合成ワックス、ポリエチレンワックス、複合ワックス、モンタンワックスなどが挙げられる。脂肪酸系加工助剤としては、例えばステアリン酸、パルチミン酸、硬化油、ヒドロキシステアリン酸などが挙げられる。脂肪酸アミド系加工助剤としては、例えばステアロアミド、オキシステアロアミド、オレイルアミド、ラウリルアミド、ベヘンアミド、ステアリルオレイルアミドなどが挙げられる。脂肪酸エステル系加工助剤としては、例えばn−ブチルステアレート、多価アルコール脂肪酸エステル、飽和脂肪酸エステル、エステル系合成ワックスなどが挙げられる。脂肪族アルコール系加工助剤としては、例えば高級アルコール、高級アルコールエステルなどが挙げられる。加工助剤は、必ずしも配合されていなくてもよいが、配合される場合には、単独または2種以上組み合わせて用いられる。これらの中で、ステアリン酸および飽和脂肪酸エステルが好ましい。
加工助剤を使用する場合、本発明のゴム組成物中のその含有量は、NBR100質量部に対して、好ましくは0.1〜5.0質量部である。該含有量が0.1質量部より少ないと、成分の分散性および流動性の改善効果が不十分となる場合があり、逆に5.0質量部を超えても、成分の分散性および流動性の向上が小さく、ゴム組成物から得られる成形品の圧縮永久ひずみ特性が低下する傾向がある。
本発明のゴム組成物は、得られるシール部材の強度を向上させるために、補強剤を含有していてもよい。補強剤としては、カーボンブラック、酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、クレー、ホワイトカーボン等が挙げられ、カーボンブラックが好ましい。カーボンブラックとしては、ニトリルゴムに一般的に使用されるような従来公知のカーボンブラックが適宜配合される。
カーボンブラックは、その粒径が小さいほど、その補強効果が大きい。しかし、粒径が小さいカーボンブラックを使用すると、得られるゴム組成物の流動性が低下する。これらの観点から、本発明のゴム組成物に用いるカーボンブラックの平均粒子径は25〜500nmが好ましく、さらに好ましくは40〜100nmである。カーボンブラックの平均粒子径は、数千個のカーボンブラックの粒子径を電子顕微鏡法で測定し、それらの値を平均して得られる値(算術平均粒子径)である。
補強剤を使用する場合、本発明のゴム組成物中のその含有量は、NBR100質量部に対して、好ましくは20〜150質量部である。該含有量が20質量部より小さいと、十分な補強効果が得られない傾向がある。また、該含有量が150質量部を超えても、補強効果は向上せず、ゴム組成物から得られる成形品の圧縮永久ひずみ特性や引張特性が低下する傾向がある。
本発明のゴム組成物は、加硫反応の進行を促進するために、加硫促進助剤として酸化亜鉛を含有していてもよい。酸化亜鉛を使用する場合、本発明のゴム組成物中のその含有量は、NBR100質量部に対して、好ましくは1.0〜20質量部である。
本発明のゴム組成物は、得られるシール部材の老化を抑制するために、老化防止剤を含有していてもよい。老化防止剤としては、例えばアミン系老化防止剤(アミン−ケトン系老化防止剤(2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体など)、芳香族第二級アミン系老化防止剤(4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミンなど)など)、フェノール系老化防止剤(モノフェノール系老化防止剤(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールなど)、ビスフェノール系老化防止剤(2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)など)など)、ベンズイミダゾール系老化防止剤(2−メルカプトベンズイミダゾールなど)などが挙げられる。これらの中で、アミン系老化防止剤が好ましく、2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体、4,4’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミンがより好ましい。老化防止剤を使用する場合、本発明のゴム組成物中のその含有量は、NBR100質量部に対して、好ましくは0.5〜5質量部である。
本発明のゴム組成物は、混練加工性を高め、得られるシール部材の柔軟性を向上させるために、可塑剤を含有していてもよい。可塑剤としては、ニトリルゴムに一般的に使用されるものであれば特に限定はないが、フタル酸ジエステル、アジピン酸ジエステル、イソフタル酸ジエステル、トリメリット酸トリエステルなどの他に、ポリエーテルエステル、ポリエーテル、アジピン酸ポリエステルなどの低揮発性可塑剤が好適である。上記可塑剤は、単独または2種以上を組み合わせて用いられる。可塑剤を使用する場合、本発明のゴム組成物中のその含有量は、NBR100質量部に対して、好ましくは3〜20質量部である。
本発明のゴム組成物は、公知の装置(例えばオープンロール、バンバリーミキサー、ニーダー等)で上述の成分を混練することによって製造することができる。
本発明のゴム組成物を成形し、次いで加硫することによって、シール部材等加硫ゴム成形品を製造することができる。加硫温度は、通常140〜210℃、好ましくは150〜200℃であり、加硫時間は、通常0.3〜100分、好ましくは0.5〜50分である。成形方法としては、例えば、射出成形、圧縮成形、トランスファ成形が挙げられ、これらの中で射出成形が好ましい。射出成形時のシリンダー温度は、通常40〜120℃、好ましくは50〜110℃である。
シール部材としては、例えば、スプール弁、空気圧シリンダまたは電磁弁等に用いられるシール部材が挙げられる。シール部材の断面としては、例えば、円形、四角形、切欠部を有する形状等が挙げられる。例えば断面が複雑な形状(例えば、断面が切欠部を有する形状、具体的には略X字形または実開平01−104474号公報の図6および実開平01−104475号公報の図6で示されるヒョウタン形)であるシール部材の製造では、成形不良が起こりやすい。この点、本発明のゴム組成物は、スコーチを防止して良好に成形することができるため、断面が複雑な形状であるシール部材や成形時の流動距離が長い成形品を製造するために好適である。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって制限を受けるものではなく、上記・下記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
実施例1〜11および比較例1〜8
表1〜4に示す量で各成分をオープンロールで混練し、ゴム組成物を製造した。なお、表1〜4に記載の「部」は「質量部」を意味する。
表1〜4に示す各成分は以下の通りである。
NBR1:結合アクリロニトリル量33質量%およびムーニー粘度45ML(1+4)100℃であるニトリルゴム
NBR2:結合アクリロニトリル量33質量%およびムーニー粘度35ML(1+4)100℃であるニトリルゴム
NBR3:結合アクリロニトリル量33.5質量%およびムーニー粘度27ML(1+4)100℃であるニトリルゴム
加工助剤1:ステアリン酸
加工助剤2:多価アルコール脂肪酸エステル
加硫促進助剤:酸化亜鉛
老化防止剤:2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン重合体
補強剤:カーボンブラック(平均粒子径:66nm)
可塑剤:ポリエーテルエステル
スコーチ防止剤1:N−シクロヘキシルチオフタルイミド
スコーチ防止剤2:N−フェニル−N−(トリクロロメチルチオ)ベンゼンスルホンアミド
チウラム系加硫促進剤1:テトラメチルチウラムジスルフィド
チウラム系加硫促進剤2:テトラエチルチウラムジスルフィド
チウラム系加硫促進剤3:テトラベンジルチウラムジスルフィド
スルフェンアミド系加硫促進剤:N−シクロへキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド
チアゾール系加硫促進剤:ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィド
ジチオカルバミン酸塩系加硫促進剤:ジベンジルジチオカルバミン酸亜鉛
得られたゴム組成物の加硫特性(M、M、tc(10)、tc(50)およびtc(90))を以下のようにして測定した。
また、得られたゴム組成物を、加熱プレス機で加硫成形し(加硫温度:175℃、加硫時間:4分)、約2mm厚さのシート形状の加硫ゴム組成物を製造した。該加硫ゴム組成物から試験片を作製し、常態特性(硬さ、100%引張応力、引張強さ、切断時伸び)および圧縮永久ひずみを測定した。
これらの結果を表1〜4に示す。
(1)加硫特性
JIS K 6300−2のダイ加硫試験A法に従い、試験温度165℃でのゴム組成物のM(最小トルク)、M(最大トルク)、tc(10)(誘導時間)、tc(50)(50%加硫時間)およびtc(90)(90%加硫時間)を測定した。
(2)常態特性
JIS K 6253−3に従い、タイプAデュロメータを用いて、加硫ゴム組成物の硬さ(0秒値)を測定した。
また、JIS K 6251に従い、加硫ゴム組成物の100%引張応力(伸び100%時の引張応力)、引張強さおよび切断時伸びを測定した。
(3)圧縮永久ひずみ
JIS K 6262に従い、加熱温度120℃および加熱時間72時間の条件で、加硫ゴム組成物の圧縮永久ひずみを測定した。
上記表に示す結果から明らかなように、本発明のゴム組成物(実施例1〜11)は、tc(10)が1.4分以上、且つtc(90)が3.5分以下であり、スコーチを起こしにくく、且つ短時間で加硫を行うことができ、圧縮永久ひずみも40%未満で良好である。
本発明のゴム組成物は、空気圧機器、電磁弁等に用いられるシール部材を製造するために有用である。
実施例1、2、4、79および11、参考例3、5、6および10、並びに比較例1〜8
表1〜4に示す量で各成分をオープンロールで混練し、ゴム組成物を製造した。なお、表1〜4に記載の「部」は「質量部」を意味する。
上記表に示す結果から明らかなように、本発明のゴム組成物(実施例1、2、4、79および11)は、tc(10)が1.4分以上、且つtc(90)が3.分以下であり、スコーチを起こしにくく、且つ短時間で加硫を行うことができ、圧縮永久ひずみも40%未満で良好である。

Claims (5)

  1. ニトリルゴム、硫黄、加硫促進剤、およびスコーチ防止剤を含有するゴム組成物であって、
    加硫促進剤が、チウラム系加硫促進剤、並びにスルフェンアミド系加硫促進剤およびチアゾール系加硫促進剤からなる群から選ばれる少なくとも1種であり、
    チウラム系加硫促進剤が、テトラエチルチウラムジスルフィドであり、
    スコーチ防止剤が、N−フェニル−N−(トリクロロメチルチオ)ベンゼンスルホンアミドであり、
    加硫促進剤の含有量が、ニトリルゴム100重量部に対して2.0〜6.5質量部であり、
    スコーチ防止剤の含有量が、ニトリルゴム100重量部に対して0.3〜2.0質量部であり、並びに
    JIS K 6262に従い、加熱温度120℃および加熱時間72時間の条件で測定した、該ゴム組成物から得られる加硫ゴム組成物の圧縮永久ひずみが、40%未満であるゴム組成物。
  2. スルフェンアミド系加硫促進剤が、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミドである請求項1に記載のゴム組成物。
  3. チアゾール系加硫促進剤が、ジ−2−ベンゾチアゾリルジスルフィドである請求項1または2に記載のゴム組成物。
  4. 射出成形に用いられる請求項1〜3のいずれか一項に記載のゴム組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のゴム組成物を成形および加硫することによって得られるシール部材。
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