JP5506679B2 - 改質天然ゴム粒子、その製造方法、および改質天然ゴムラテックス - Google Patents

改質天然ゴム粒子、その製造方法、および改質天然ゴムラテックス Download PDF

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Description

本発明は、多官能ビニルモノマーのグラフト化により改質された改質天然ゴム粒子、その製造方法、および改質天然ゴム粒子ラテックスに関する。
天然ゴムは、引張り強さが大きく、振動による発熱が少ない等の優れた性質を有している。このため、従来より、タイヤ、ベルト、ゴム手袋等、幅広い分野で利用されている。また、省資源、炭酸ガスの排出抑制等の環境面から、合成ゴムの代替材料として天然ゴムが見直されている。
しかし、天然ゴムには、合成ゴムと比較して、耐熱性 耐油性、耐オゾン性等が劣るという課題もある。このため、天然ゴムの特性を生かしつつ、さらに優れた性質を付与すべく、グラフト化、エポキシ化、水素化等による天然ゴムの改質が試みられている。例えば、特許文献1、2には、脱蛋白質化された天然ゴムに、不飽和結合を有するモノマーをグラフト共重合させる技術が紹介されている。また、特許文献3には、天然ゴムラテックスに、ビニル基を二つ以上有するモノマーを反応させて、ゴム分子間に架橋構造を形成させる技術が紹介されている。
特許第3294903号公報 特許第4025868号公報 特開2003−12736号公報
上記特許文献1、2において、脱蛋白質化天然ゴムにグラフト共重合されるモノマーは、炭素の二重結合(C=C)を一つしか持たない(例えば、メタクリル酸メチル、スチレン等)。この二重結合は、グラフト共重合の際に反応する。このため、グラフト化された天然ゴム粒子の表面には、モノマーに由来する炭素の二重結合は残らない。つまり、天然ゴム粒子の表面におけるグラフト化ポリマーには、反応点がない。したがって、例えば架橋により、グラフト化ポリマー同士を化学結合させることはできない。また、ゴムの加工時に配合する充填剤や添加剤との相互作用反応等による、新たな機能の発現は期待できない。
一方、上記特許文献3によると、ビニル基を二つ以上有するモノマーを、天然ゴムラテックスに反応させている。反応に使用されるモノマーには、炭素の二重結合が二つ以上ある。しかし、天然ゴム粒子へのグラフト化と、架橋構造の形成と、により、ほとんど全てのビニル基(炭素の二重結合)が反応してしまう。このため、グラフト化された天然ゴム粒子の表面におけるグラフト化ポリマーには、反応点がない。また、特許文献3に記載された改質ゴムラテックスにおいて、天然ゴム粒子は、モノマーが重合したグラフト化ポリマー層で覆われている。加えて、ゴム分子間には、架橋構造が形成されている。このため、例えば、グラフト化させるモノマー量を増加させた場合、グラフト化ポリマーと天然ゴム粒子との間で歪みが発生し、製膜性に問題が生じるおそれがある。また、特許文献3に記載された方法により製造されたグラフト化ポリマー層は、ゴム練り等の加工により破壊されやすい。このため、成形しにくく、改質効果も低減されてしまう。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであり、グラフト共重合させたモノマーに由来する炭素の二重結合を表面に残存させることにより、反応性に富む改質天然ゴム粒子、およびそれを含む改質天然ゴムラテックスを提供することを課題とする。また、そのような改質天然ゴム粒子の製造方法を提供することを課題とする。
(1)上記課題を解決するため、本発明の改質天然ゴム粒子は、天然ゴム粒子または脱蛋白質化天然ゴム粒子に、炭素の二重結合を二つ以上有し、次の(a)〜(c)から選ばれる一種以上の多官能ビニルモノマーがグラフト共重合されてなり、表面に、グラフト共重合された該多官能ビニルモノマー中の炭素の二重結合を有することを特徴とする。
(a)多価アルコールと不飽和カルボン酸からなる多官能ビニルモノマー。
(b)多価アルコールと多官能(メタ)アリル化合物からなる多官能ビニルモノマー。
(c)スチレン系多官能ビニルモノマー。
本発明の改質天然ゴム粒子の表面には、グラフト共重合された多官能ビニルモノマー中の炭素の二重結合が残存している。炭素の二重結合は、架橋等の反応点となる。したがって、例えば改質天然ゴム粒子からなる固形物に、光架橋等を施すことにより、グラフト化ポリマー層に三次元の網目構造を形成することができる。これにより、グラフト化ポリマー同士は、共有結合により強固に結合される。その結果、架橋後のゴム材料における引張り特性等を向上させることができる。また、グラフト化ポリマー層は、変形により破壊されにくい。このため、架橋後のゴム材料の形状安定性も向上する。
さらに、表面に炭素の二重結合があることにより、本発明の改質天然ゴム粒子と、他のゴム材料や充填剤との混合において、相容性が向上する場合がある。また、本発明の改質天然ゴム粒子によると、多官能ビニルモノマーのグラフト化により、天然ゴム特有の課題であった耐熱性等が改善される。このように、本発明の改質天然ゴム粒子は、合成ゴムの代替材料として有用である。
(2)また、本発明の改質天然ゴムラテックスは、上記本発明の改質天然ゴム粒子を含むことを特徴とする。
本発明の改質天然ゴムラテックスは、反応性に富み、他のゴム材料や充填剤との相容性が良好である。また、本発明の改質天然ゴムラテックスによると、強度を必要とする種々のゴム製品を製造することができる。
(3)本発明の第一の改質天然ゴム粒子の製造方法は、炭素の二重結合を二つ以上有し、(a)多価アルコールと不飽和カルボン酸からなる多官能ビニルモノマー、(b)多価アルコールと多官能(メタ)アリル化合物からなる多官能ビニルモノマー、および(c)スチレン系多官能ビニルモノマー、から選ばれる一種以上の多官能ビニルモノマーとシクロデキストリンとを反応させて、該二重結合の少なくとも一つが該シクロデキストリンにより保護された包接保護錯体を合成する包接保護錯体合成工程と、天然ゴム粒子または脱蛋白質化天然ゴム粒子に、合成した該包接保護錯体をグラフト共重合させるグラフト化工程と、得られたグラフト共重合体から、該シクロデキストリンを除去する脱保護工程と、を有し、表面に、グラフト共重合された該多官能ビニルモノマー中の炭素の二重結合を有する改質天然ゴム粒子を得ることを特徴とする。
炭素の二重結合を二つ以上有する多官能ビニルモノマーを、そのまま天然ゴム粒子にグラフト共重合させた場合、天然ゴム粒子の表面に炭素の二重結合を残存させることは難しい。この理由は、多官能ビニルモノマー中の炭素の二重結合の反応性が同じ場合、それらの反応性を制御することは難しく、グラフト化する時に全ての二重結合が反応してしまうからである。
この点、本発明の第一の製造方法によると、予め、多官能ビニルモノマー中の炭素の二重結合の少なくとも一つを、シクロデキストリン(包接保護剤)により保護しておく。二重結合の一部が保護された包接保護錯体を、天然ゴム粒子等にグラフト共重合させることにより、二重結合の一部を保持したまま(つまり二重結合の一部を反応させずに)、グラフト化を行うことができる。したがって、本発明の第一の製造方法によると、炭素の二重結合の反応性が同じ場合でも、表面に、グラフト共重合された多官能ビニルモノマー中の炭素の二重結合を有する改質天然ゴム粒子を、確実に得ることができる。
(4)本発明の第二の改質天然ゴム粒子の製造方法は、炭素の二重結合を二つ以上有し、(a)多価アルコールと不飽和カルボン酸からなる多官能ビニルモノマー、(b)多価アルコールと多官能(メタ)アリル化合物からなる多官能ビニルモノマー、および(c)スチレン系多官能ビニルモノマー、から選ばれる一種以上であって、モノマー中の少なくとも一つの二重結合は他の二重結合と反応性が異なる多官能ビニルモノマーを、天然ゴム粒子または脱蛋白質化天然ゴム粒子にグラフト共重合させ、表面に、グラフト共重合された該多官能ビニルモノマー中の炭素の二重結合を有する改質天然ゴム粒子を得ることを特徴とする。
本発明の第二の製造方法では、反応性が異なる炭素の二重結合を有する多官能ビニルモノマーを使用する。炭素の二重結合のうち、反応性が低いものは、グラフト共重合の際に反応せずに残存しやすい。このため、本発明の第二の製造方法によると、二重結合を保護することなく、表面に、グラフト共重合された多官能ビニルモノマー中の炭素の二重結合を有する改質天然ゴム粒子を得ることができる。したがって、上記本発明の第一の製造方法と比較して、製造工程を削減することができる。すなわち、本発明の第二の製造方法によると、より簡便かつ低コストに、上記本発明の改質天然ゴム粒子を製造することができる。
図1は本発明の第一の製造方法における包接保護錯体合成工程の一例を示す概念図である(NDMA、β−シクロデキストリン使用)。 図2は同製造方法におけるグラフト化工程の一例を示す概念図である。 図3は同製造方法における脱保護工程の一例を示す概念図である。 図4は実施例2の共重合体のH−NMRスペクトルである(NDMA)。 図5は実施例1の共重合体における、温度と貯蔵弾性率(E’)との関係を示すグラフである。 図6は実施例2の共重合体における、温度と貯蔵弾性率(E’)との関係を示すグラフである。 図7は実施例3の共重合体における、温度と貯蔵弾性率(E’)との関係を示すグラフである。 図8は実施例7の共重合体のH−NMRスペクトルである(GAM) 図9は脱蛋白質化天然ゴムのSPM写真である。 図10は実施例10の共重合体のSPM写真である。
以下、本発明の改質天然ゴム粒子、改質天然ゴムラテックス、改質天然ゴム粒子の製造方法について、それぞれ詳細に説明する。
<改質天然ゴム粒子>
本発明の改質天然ゴム粒子は、天然ゴム粒子または脱蛋白質化天然ゴム粒子に、炭素の二重結合を二つ以上有し、後述する(a)〜(c)から選ばれる一種以上の多官能ビニルモノマーがグラフト共重合されてなり、表面に、グラフト共重合された該多官能ビニルモノマー中の炭素の二重結合を有する。
本発明の改質天然ゴム粒子の製造においては、天然ゴムの他、蛋白質を除去した脱蛋白質化天然ゴムのいずれを使用してもよい。脱蛋白質化天然ゴムを使用すると、グラフト共重合における反応率を向上させることができる。
天然ゴムとしては、例えば、フィールドラテックス、市販のアンモニア処理ラテックス等を使用すればよい。また、天然ゴムの脱蛋白質化は、種々の公知の方法を採用することができる。例えば、(i)天然ゴムラテックスに、蛋白質分解酵素またはバクテリアを添加して、蛋白質を分解させる方法(特開平6−56902号公報参照)、(ii)天然ゴムラテックスを、石鹸等の界面活性剤により繰り返し洗浄する方法、(iii)天然ゴムラテックスに、次の一般式(1)で表される尿素系化合物およびNaClOからなる群から選択された蛋白質変性剤を添加し、ラテックス中の蛋白質を変性処理した後に除去する方法(特開2004−99696号公報参照)等が挙げられる。
RNHCONH ・・・(1)
[(式(1)中、RはH、炭素数1〜5のアルキル基である。]
天然ゴム粒子等にグラフト共重合される多官能ビニルモノマーは、炭素の二重結合を二つ以上有する。本明細書の「ビニルモノマー」は、ビニル構造を有するモノマーを意味する。ビニル構造は、ビニル基(−CH=CH)の他、ビニル基の水素原子がメチル基(−CH)等の置換基で置換された態様を含む。多官能ビニルモノマーとしては、次の(a)〜(c)から選ばれる一種以上を使用する。ここで、(b)の「多官能(メタ)アリル化合物」は、多官能アリル化合物と多官能メタリル化合物の総称である。
(a)多価アルコールと不飽和カルボン酸からなる多官能ビニルモノマー。
(b)多価アルコールと多官能(メタ)アリル化合物からなる多官能ビニルモノマー。
(c)スチレン系多官能ビニルモノマー。
(a)の多官能ビニルモノマーとしては、例えば、以下の構造式(2)で表される1,9−ノナンジオールジメタクリレート(以下「NDMA」と称す)、構造式(3)で表される1−アクリロイルオキシ−3−メタクリロイルオキシ−2−プロパノール(以下「GAM」と称す)、構造式(4)で表されるウンデシレン酸グリシジルメタクリル酸付加物等が挙げられる。
Figure 0005506679
Figure 0005506679
Figure 0005506679
また、これら以外としては、1,10−デカンジオールジ(メタ)アクリレートに代表されるポリアルキレンジオールジ(メタ)アクリレート類、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレートに代表されるポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールジ(メタ)アクリレート類、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド変性アルキルジ(メタ)アクリレート類等のジ(メタ)アクリレート類等が挙げられる。また、多価アルコールとしてグリセリンやトリメチロールプロパンを用いた、トリ(メタ)アクリレート類、多価アルコールとしてペンタエリスリトールを用いた、テトラ(メタ)アクリレート類、変性トリス−((メタ)アクリロキシエチル)イソシアヌレート類等が挙げられる。
(b)の多官能ビニルモノマーとしては、例えば、2,2−ビス(アリルオキシメチル)−1−ブタノール、ジアリルエーテル、グリセロールα,α’−ジアリルエーテル、アリロキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート類、アリロキシポリアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート類、アリロキシポリアルキルアルコールモノ(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
(c)の多官能ビニルモノマーとしては、例えば、p(m)−ジビニルベンゼン、1,4−ジイソプロペニルベンゼン、ビス(ビニルフェニル)アルカン類、ビス(ビニルフェニル)アルキレングリコール類、(ビニルフェニル)アリルアルカン類、(ビニルフェニル)アリルアルキレングリコール類等が挙げられる。
これら多官能ビニルモノマーのうち、例えばGAMは、分子内に官能基(水酸基:−OH)を有する。このため、GAMをグラフト共重合させた場合には、粒子表面において、炭素の二重結合だけでなく、水酸基も反応点となる。したがって、水酸基を利用した架橋反応も可能になる。このように、官能基を有する多官能ビニルモノマーを使用すると、反応点が増えると共に、例えば耐気体透過性の向上等、官能基に基づく新たな機能の付与も期待できる。
天然ゴム粒子または脱蛋白質化天然ゴム粒子と、多官能ビニルモノマーと、のグラフト共重合については、以下の製造方法の説明において詳述する。また、粒子表面における多官能ビニルモノマー由来の炭素の二重結合の有無は、例えば、NMR(核磁気共鳴)測定により確認することができる。
<改質天然ゴムラテックス>
本発明の改質天然ゴムラテックスは、上記本発明の改質天然ゴム粒子が水性媒体中に分散されてなる。以下の製造方法によれば、本発明の改質天然ゴムラテックスを、容易に得ることができる。
<改質天然ゴム粒子の製造方法>
(1)本発明の第一の製造方法は、包接保護錯体合成工程と、グラフト化工程と、脱保護工程と、を有する。以下、各工程について順に説明する。
(a)包接保護錯体合成工程
本工程は、炭素の二重結合を二つ以上有し、上記(a)〜(c)から選ばれる一種以上の多官能ビニルモノマーとシクロデキストリンとを反応させて、該二重結合の少なくとも一つが該シクロデキストリンにより保護された包接保護錯体を合成する工程である。
多官能ビニルモノマーについては、上述した通りである。よって、ここでは説明を省略する。なお、本製造方法においても、多官能ビニルモノマーについて、上述した好適な態様を採用することが望ましい。また、本製造方法では、使用する多官能ビニルモノマーにおける炭素の二重結合の反応性は、問わない。つまり、炭素の二重結合の反応性は、全て同じであってもよく、一部が異なっていてもよい。
包接保護剤としてのシクロデキストリンには、グルコピラノース単位が環状に六つ結合したα−シクロデキストリン、七つ結合したβ−シクロデキストリン、八つ結合したγ−シクロデキストリンがある。なかでも、β−シクロデキストリンは、安価で好適である。シクロデキストリンの中心には空孔がある。空孔内は疎水性であり、空孔内に多官能ビニルモノマーの炭素の二重結合が包接される。
図1に、多官能ビニルモノマーとしてNDMAを使用した場合における、β−シクロデキストリンによる包接保護錯体合成反応の概念図を示す。なお、図1および後述する図2、図3をまとめると、本製造方法における一連の工程の概念図となる。図1に示すように、NDMAにβ−シクロデキストリンを反応させる。すると、β−シクロデキストリンの空孔内に、NDMAの一方の炭素の二重結合が包接され、包接保護錯体が合成される。
包接保護錯体の合成反応は、所定の温度下で、シクロデキストリンの水溶液中に、多官能ビニルモノマーを滴下して行えばよい。この際、多官能ビニルモノマーに対するシクロデキストリンの添加量は、保護する炭素の二重結合の数にも依るが、例えばモル比で、シクロデキストリン:多官能ビニルモノマー=1〜2:1程度とするとよい。反応終了後は、包接保護錯体を濾別し、蒸留水により洗浄し、乾燥すればよい。
(b)グラフト化工程
本工程は、天然ゴム粒子または脱蛋白質化天然ゴム粒子に、合成した上記包接保護錯体をグラフト共重合させる工程である。
天然ゴム粒子または脱蛋白質化天然ゴム粒子については、上述した通りである。よって、ここでは説明を省略する。本工程では、所定の濃度に調製した天然ゴムまたは脱蛋白質化天然ゴムのラテックスに、重合開始剤を加えた後、合成した包接保護錯体を添加してグラフト共重合させる。
重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム(KPS)、過硫酸アンモニウム(APS)、過酸化ベンゾイル(BPO)、過酸化水素、クメンハイドロパーオキサイド、tert−ブチルハイドロパーオキサイド(TBHPO)、ジ−tert−ブチルパーオキサイド、2,2−アゾビスイソブチロニトリル、等の過酸化物が挙げられる。重合温度を低くするという観点からは、レドックス系の重合開始剤を使用するとよい。レドックス系の重合開始剤として、過酸化物と組み合わされる還元剤には、例えば、テトラエチレンペンタミン(TEPA)、メルカプタン類、酸性亜硫酸ナトリウム、還元性金属イオン、アスコルビン酸等が挙げられる。レドックス系の重合性開始剤として好適な組み合わせ例としては、TBHPOとTEPA、過酸化水素とFe2+塩、KPSと酸性亜硫酸ナトリウム等がある。重合開始剤の添加量は、天然ゴム等のラテックス中のゴム分(乾燥ゴム重量、以下同じ)1kgに対して0.01〜0.3モルとするとよい。
なお、天然ゴム等のラテックスには、予め乳化剤を加えておいてもよい。乳化剤としては、公知の種々のアニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤のいずれも使用することができる。具体的には、pH6〜13の範囲に調整することが望ましい。アニオン界面活性剤としては、カルボン酸系、スルホン酸系、硫酸エステル系等が挙げられる。ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンエーテル系、多価アルコール脂肪酸エステル系等が挙げられる。カチオン系界面活性剤としては、アルキルアミン塩型、イミダゾリニウム塩型等が挙げられる。例えば、ドデシル硫酸ナトリウム等のアニオン界面活性剤が好適である。
包接保護錯体の添加量は、天然ゴム等のラテックス中のゴム分1kgに対して、0.01〜3モルとすることが望ましい。包接保護錯体(つまり多官能ビニルモノマー)の添加量が3モルを超えると、合成中に凝固物が析出するおそれがある。反対に、0.01モル未満の場合には、多官能ビニルモノマーのグラフト量が少なくなり、所望の改質効果が得られない。
図2に、脱蛋白質化天然ゴム粒子と、前工程で合成した包接保護錯体(前出図1参照)と、のグラフト共重合反応の概念図を示す。脱蛋白質化天然ゴムラテックスに開始剤を加えた後、包接保護錯体を添加する。すると、図2に示すように、保護されていない炭素の二重結合を利用して、包接保護錯体が脱蛋白質化天然ゴム粒子の表面にグラフト共重合される。
重合反応は、30〜90℃下で、0.5〜12時間程度行えばよい。得られたグラフト共重合体は、乾燥後、次の脱保護工程に供される。
(c)脱保護工程
本工程は、得られたグラフト共重合体から、シクロデキストリン(包接保護剤)を除去する工程である。例えば、グラフト共重合体に蒸留水を加え、60℃以上の温度下で攪拌しながら、シクロデキストリンを溶解、除去すればよい。シクロデキストリンを除去した後、乾燥して、表面にグラフト共重合された多官能ビニルモノマー中の炭素の二重結合を有する改質天然ゴム粒子を得る。
図3に、本工程の概念図を示す。図3に示すように、前工程で得られたグラフト共重合体から、β−シクロデキストリンを溶解させ、除去することにより、表面にNDMA由来の炭素の二重結合を有する改質天然ゴム粒子が得られる。
(2)本発明の第二の製造方法は、炭素の二重結合を二つ以上有し、上記(a)〜(c)から選ばれる一種以上であって、モノマー中の少なくとも一つの二重結合は他の二重結合と反応性が異なる多官能ビニルモノマーを、天然ゴム粒子または脱蛋白質化天然ゴム粒子にグラフト共重合させる。
天然ゴム粒子または脱蛋白質化天然ゴム粒子については、上述した通りである。よって、ここでは説明を省略する。また、本製造方法では、使用する多官能ビニルモノマーが限定される。すなわち、上述した多官能ビニルモノマーにおいて、複数の炭素の二重結合のうち、少なくとも一つの二重結合は、他の二重結合と反応性が異なることが条件となる。使用できる多官能ビニルモノマーとしては、例えばGAM、アリロキシポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールモノ(メタ)クリレート等が挙げられる。
反応性が低い二重結合は、グラフト共重合の際に反応せずに残存しやすい。このため、本製造方法によると、二重結合を保護することなく、グラフト共重合された多官能ビニルモノマー中の炭素の二重結合を表面に有する改質天然ゴム粒子を得ることができる。したがって、包接保護錯体ではなく、多官能ビニルモノマーをそのまま使用するという点以外は、上記本発明の第一の製造方法のグラフト化工程に準じて、グラフト共重合を行えばよい。
脱蛋白質化天然ゴム粒子に、四種類の多官能ビニルモノマーを各々グラフト共重合させて、改質天然ゴム粒子を製造した。以下、順に説明する。
<脱蛋白質化天然ゴムラテックスの製造>
天然ゴムラテックスとして、ゴールデンホープ社(マレーシア国)製のハイアンモニアラテックス(ゴム分濃度60.2重量%、アンモニア分濃度0.7重量%)を使用した。まず、ハイアンモニアラテックスを、ゴム分濃度が30重量%となるように希釈した。次いで、希釈したラテックスのゴム分100重量部に対して、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS:アニオン系界面活性剤)1.0重量部を添加し、ラテックスを安定させた。次に、ラテックスのゴム分100重量部に対して、尿素0.1重量部を添加し、室温で1時間攪拌することにより蛋白質分解処理を行った。その後、蛋白質分解処理が完了したラテックスを、10000rpmで30分間、遠心分離処理した。こうして分離した上層のクリーム分を、水あるいはSDS水溶液に、所定のゴム分濃度になるよう分散させて、脱蛋白質化天然ゴムラテックスを得た。
<NDMAによるグラフト化>
多官能ビニルモノマーとしてNDMA(上記構造式(2)参照)を使用し、本発明の第一の製造方法により、改質天然ゴム粒子を製造した。包接保護剤にはβ−シクロデキストリンを使用した。
(1)包接保護錯体の合成
まず、0.11重量%のβ−シクロデキストリン水溶液をセパラブルフラスコに入れ、水浴中で窒素置換を1時間することにより、β−シクロデキストリン水溶液中の溶存酸素を除去した。次に、90℃の一定温度下で、攪拌しながら、NDMAをβ−シクロデキストリン水溶液に滴下し、5時間反応させた。β−シクロデキストリンとNDMAとのモル比は1:1とした。反応終了後、吸引濾過により濾別された包接保護錯体を、蒸留水で洗浄し、50℃で一週間減圧乾燥した。
(2)グラフト共重合
所定のゴム分濃度に調製した脱蛋白質化天然ゴムラテックスを、ステンレス製容器に入れ、窒素置換を1時間することにより、ラテックス中の溶存酸素を除去した。所定の温度下で攪拌しながら、ラテックスに重合開始剤を滴下し、5分間攪拌した後、さらに粉末状の包接保護錯体を添加した。包接保護錯体の添加量は、ゴム分1kgに対して0.1モルとした。所定時間反応させた後、ラテックスをシャーレに移し、50℃で一週間乾燥してグラフト共重合体を得た。表1に、反応条件等をまとめて示す。表1中、NDMAの含有率は、脱保護後のグラフト共重合体を、FT−IR(フーリエ変換赤外分光光度計)により測定して求めた。測定には、日本分光(株)製の「FT/IR−410」を用いた。
Figure 0005506679
(3)脱保護(包接保護剤の除去)
得られたグラフト共重合体(固体)を、20mm四方に切断して、サンプル瓶に入れた。そこに、蒸留水を加え、70〜80℃の温浴中で、5時間攪拌を続けた。途中で、蒸留水を2回交換した。その後、風乾し、さらに80℃で24時間真空乾燥して、包接保護剤が除去されたグラフト共重合体を得た。製造したグラフト共重合体を、上記表1の番号に対応させて、以下、実施例1〜5の共重合体と称す。
(4)H−NMR測定
実施例1〜5の共重合体について、H−NMR測定を行い、改質天然ゴム粒子の表面に炭素の二重結合が存在するかどうかを確認した。測定は、日本電子(株)製のNMR装置「AL−400」を用いて行った。図4に、一例として、実施例2の共重合体のH−NMRスペクトルを示す。図4中、最下段の(D)が、実施例2の共重合体のスペクトルである。参考として、(A)に脱蛋白質化天然ゴムのスペクトルを、(B)にNDMAのスペクトルを、(C)に包接保護剤を使用せずにNDMAをグラフト共重合させたもののスペクトルを示す。
図4の(C)と(D)とを比較すると、(D)のスペクトルには、5.50ppm、6.07ppmに各々シグナルが現れている。これらは、(B)のスペクトルからわかるように、NDMA由来の炭素の二重結合に由来するシグナルである。同様のシグナルは、(C)のスペクトルには現れていない。これより、実施例2の共重合体の表面には、NDMA由来の炭素の二重結合が存在することが確認された。なお、H−NMRスペクトルは省略するが、実施例1、3〜5の共重合体においても同様に、NDMA由来の炭素の二重結合が存在することを確認した。このように、NDMAにおける炭素の二重結合の一方を保護することにより、炭素の二重結合を保持した状態でグラフト共重合させることができる。
(5)引張り特性および粘弾性の評価
実施例1〜5の共重合体について、引張強さ(TS)と切断時伸び(E)を測定した。これらの測定は、JIS K 6251(2004)に準じて行った。なお、試験片はダンベル状3号形を使用した。また、実施例1〜5の共重合体を所定の形状に成形後、紫外線を2分間照射して光架橋した。そして、架橋後の各サンプルについても同様に、引張強さと切断時伸びを測定した。測定結果を、表2に示す。表2中、変化率は、次式で算出された値である[変化率(%)=(架橋後の値−架橋前の値)/架橋前の値]。なお、表2には、比較のため、原料の脱蛋白質化天然ゴムの引張強さと切断時伸びの値を併せて示す。
Figure 0005506679
表2より、実施例1〜5の共重合体の引張強さは、架橋により大きくなった。一方、架橋により、グラフト共重合されたNDMA中の炭素の二重結合が反応したため、切断時伸びは低下した。引張強さと切断時伸びの測定結果を総合して判断すると、架橋が進行したと考えられる。
次に、実施例1〜5の共重合体(光架橋後のものを含む)について、温度と貯蔵縦弾性率との関係を測定した。まず、各共重合体から、幅5mm、厚さ1mmの短冊状の試験片を作製した。次に、作製した試験片を動的粘弾性測定装置(株式会社UBM製「Rheogel−E4000」)に設置し、温度と貯蔵縦弾性率との関係を測定した。測定は、引っ張りモードにて、周波数1Hz、変位10μmにて行った。図5〜図7に、実施例1〜3の共重合体における、温度と貯蔵弾性率(E’)との関係をそれぞれ示す。図5〜図7中、縦軸の「E+05」は「×10」を意味する。よって、例えば「1.00×10」は「1.00E+05」と示されている。
図5〜図7に示すように、貯蔵弾性率については、いずれの共重合体も、原料の脱蛋白質化天然ゴムと同じような傾向を示した。また、実施例1〜3の共重合体の貯蔵弾性率は、脱蛋白質化天然ゴムのそれよりも若干高くなった。これは、実施例1〜3の共重合体は、グラフト化されて特異な構造になっていることを示唆している。また、紫外線照射処理により、グラフが高温側にシフトし、かつ貯蔵弾性率が上がっていることから、グラフト共重合されたNDMA中の炭素の二重結合の光架橋反応が進行していると判断できる。
<GAMによるグラフト化>
多官能ビニルモノマーとしてGAM(上記構造式(3)参照)を使用し、一つは本発明の第一の製造方法により(実施例8)、他の二つは本発明の第二の製造方法により(実施例6、7)、改質天然ゴム粒子を製造した。第一の製造方法においては、包接保護剤としてβ−シクロデキストリンを使用した。
(1)包接保護錯体の合成
まず、0.11重量%のβ−シクロデキストリン水溶液をセパラブルフラスコに入れ、水浴中で窒素置換を1時間することにより、β−シクロデキストリン水溶液中の溶存酸素を除去した。次に、90℃の一定温度下で、攪拌しながら、GAMをβ−シクロデキストリン水溶液に滴下し、5時間反応させた。β−シクロデキストリンとGAMとのモル比は1:1とした。反応終了後、吸引濾過により濾別された包接保護錯体を、蒸留水で洗浄し、50℃で一週間減圧乾燥した。
(2)グラフト共重合
ゴム分濃度を10重量%に調製した脱蛋白質化天然ゴムラテックスを、ステンレス製容器に入れ、窒素置換を1時間することにより、ラテックス中の溶存酸素を除去した。所定の温度下で攪拌しながら、ラテックスに重合開始剤を滴下し、5分間攪拌した後、さらに粉末状の包接保護錯体、あるいはGAMをそのまま添加した。包接保護錯体、GAMの添加量は、共に、ゴム分1kgに対して、0.15モルとした。約1時間反応させた後、ラテックスをシャーレに移し、80℃で17時間乾燥してグラフト共重合体を得た。表3に、反応条件等をまとめて示す。
Figure 0005506679
(3)脱保護(包接保護剤の除去)
包接保護剤を用いて合成したグラフト共重合体(固体)を、20mm四方に切断して、サンプル瓶に入れた。そこに、蒸留水を加え、70〜80℃の温浴中で、5時間攪拌を続けた。途中で、蒸留水を2回交換した。その後、風乾し、さらに80℃で24時間真空乾燥して、包接保護剤が除去されたグラフト共重合体を得た。製造したグラフト共重合体を、上記表3の番号に対応させて、以下、実施例6〜8の共重合体と称す。
(4)H−NMR測定
実施例6〜8の共重合体について、H−NMR測定を行い、改質天然ゴム粒子の表面に炭素の二重結合が存在するかどうかを確認した。測定は、日本電子(株)製のNMR装置「AL−400」を用いて行った。図8に、一例として、実施例7の共重合体のH−NMRスペクトルを示す。図8中、最下段の(C)が、実施例7の共重合体のスペクトルである。参考として、(A)に脱蛋白質化天然ゴムのスペクトルを、(B)にGAMのスペクトルを示す。
図8に示すように、(C)のスペクトルには、5.58ppm、6.15ppmに各々シグナルが現れている。これらは、GAM中のアクリレートにおける炭素の二重結合に帰属するシグナルである。一方、(B)のスペクトルの5.80ppm、6.43ppmには、各々シグナルが現れている。これらは、メタクリレートにおける炭素の二重結合に帰属するシグナルである。しかし、これらのシグナルは、(C)のスペクトルには見られない。これより、メタクリレートにおける炭素の二重結合が優先的に反応し、アクリレートにおける炭素の二重結合は残存したことがわかる。
以上より、実施例7の共重合体の表面には、GAM由来の炭素の二重結合が存在することが確認された。なお、H−NMRスペクトルは省略するが、実施例6、8の共重合体においても同様に、GAM由来の炭素の二重結合が存在することを確認した。このように、反応性の異なる炭素の二重結合を有するGAMを用いた場合には、シクロデキストリン(包接保護剤)を用いなくても、炭素の二重結合を保持した状態でグラフト共重合させることができる。
(5)引張り特性の評価
実施例6〜8の共重合体について、引張強さと切断時伸びを測定した。これらの測定は、上記同様に、JIS K 6251(2004)に準じて行った。試験片はダンベル状3号形を使用した。測定結果を、表4に示す。なお、表4には、比較のため、原料の脱蛋白質化天然ゴムの引張強さと切断時伸びの値を併せて示す。
Figure 0005506679
表4に示すように、実施例6〜8の共重合体の引張強さは、改質前の脱蛋白質化天然ゴムと比較して、大きくなった。また、各共重合体を指触したところ、天然ゴム特有のタック性は低減しており、かつ硬くなっていた。このことから、NDMAの場合と同様、グラフト化が進行したと判断できる。
<ウンデシレン酸グリシジルメタクリル酸付加物によるグラフト化>
多官能ビニルモノマーとして、ウンデシレン酸グリシジルメタクリル酸付加物(上記構造式(4)参照)を使用し、本発明の第二の製造方法により、改質天然ゴム粒子を製造した。
まず、ゴム分濃度を20重量%に調製した脱蛋白質化天然ゴムラテックスを、セパラブルフラスコに入れ、窒素置換を1時間することにより、ラテックス中の溶存酸素を除去した。次に、60℃の温度下で攪拌しながら、ラテックスに重合開始剤のKPSを滴下し、5分間攪拌した後、さらにウンデシレン酸グリシジルメタクリル酸付加物を添加した。ウンデシレン酸グリシジルメタクリル酸付加物の添加量は、ゴム分100重量部に対して、0.1モルとした。約3時間反応させた後、遠心分離によりゴム分を回収し、50℃で一週間減圧乾燥してグラフト共重合体を得た。製造したグラフト共重合体を、以下、実施例9の共重合体と称す。
実施例9の共重合体について、H−NMR測定を行い、改質天然ゴム粒子の表面に炭素の二重結合が存在するかどうかを確認した。測定は、日本電子(株)製のNMR装置「AL−400」を用いて行った。その結果、実施例9の共重合体のスペクトルにおいて、ウンデシレン酸グリシジルメタクリル酸付加物中のメタクリレートにおける炭素の二重結合に帰属するシグナル(5.6ppm、6.1ppm)と、アリル基における炭素の二重結合に帰属するシグナル(4.9ppm)と、の両方が現れていた。さらに、両シグナルの積分強度を比較して、メタクリレートとアリル基との残存量比を算出した。すると、アリル基がメタクリレートの2倍以上多く残存していることがわかった。これより、メタクリレートにおける炭素の二重結合が優先的に反応し、アリル基における炭素の二重結合は残存したことがわかる。以上より、実施例9の共重合体の表面には、ウンデシレン酸グリシジルメタクリル酸付加物由来の炭素の二重結合が存在することが確認された。このように、反応性の異なる炭素の二重結合を有するウンデシレン酸グリシジルメタクリル酸付加物を用いた場合には、シクロデキストリン(包接保護剤)を用いなくても、炭素の二重結合を保持した状態でグラフト共重合させることができる。
<ジビニルベンゼンによるグラフト化>
多官能ビニルモノマーとしてジビニルベンゼンを使用し、本発明の第一の製造方法により、改質天然ゴム粒子を製造した。包接保護剤にはβ−シクロデキストリンを使用した。
(1)包接保護錯体の合成
まず、0.11重量%のβ−シクロデキストリン水溶液をセパラブルフラスコに入れ、水浴中で吹き込み法により窒素置換を1時間することにより、β−シクロデキストリン水溶液中の溶存酸素を除去した。次に、90℃の一定温度下で、攪拌しながら、ジビニルベンゼンをβ−シクロデキストリン水溶液に滴下し、5時間反応させた。β−シクロデキストリンとジビニルベンゼンとのモル比は1:1とした。反応終了後、吸引濾過により濾別された包接保護錯体を、蒸留水で洗浄し、50℃で一週間減圧乾燥した。
(2)グラフト共重合
脱蛋白質化天然ゴムを0.1重量%のSDS水溶液に分散させて、ゴム分濃度を30%に調製した脱蛋白質化天然ゴムラテックスを使用した。まず、当該脱蛋白質化天然ゴムラテックスをステンレス製容器に入れ、吹き込み法により窒素置換を1時間することにより、ラテックス中の溶存酸素を除去した。次に、30℃で攪拌しながら、ラテックスに重合開始剤として、tert−ブチルハイドロパーオキサイド(TBHPO)、およびテトラエチレンペンタミン(TEPA)を順番に滴下した。重合開始剤の総滴下量は、ゴム分1kgに対して0.07モルとした。続いて、粉末状の包接保護錯体を添加した。包接保護錯体の添加量は、ゴム分1kgに対して0.1モルとした。約2時間反応させた後、ラテックスをシャーレに移し、50℃で一週間乾燥してグラフト共重合体を得た。
(3)脱保護(包接保護剤の除去)
得られたグラフト共重合体(固体)を、20mm四方に切断して、サンプル瓶に入れた。そこに、蒸留水を加え、70〜80℃の温浴中で、5時間攪拌を続けた。途中で、蒸留水を2回交換した。その後、風乾し、さらに80℃で24時間真空乾燥して、包接保護剤が除去されたグラフト共重合体を得た。製造したグラフト共重合体を、以下、実施例10の共重合体と称す。
(4)引張り特性の評価
実施例10の共重合体について、引張強さと切断時伸びを測定した。これらの測定は、上記同様に、JIS K 6251(2004)に準じて行った。試験片はダンベル状3号形を使用した。測定結果を、表5に示す。なお、表5には、比較のため、原料の脱蛋白質化天然ゴムの引張強さと切断時伸びの値を併せて示す。
Figure 0005506679
表5に示すように、実施例10の共重合体の引張強さは、改質前の脱蛋白質化天然ゴムと比較して、大きくなった。また、実施例10の共重合体を指触したところ、天然ゴム特有のタック性は低減しており、かつ硬くなっていた。このことから、NDMA、GAMの場合と同様、グラフト化が進行したと判断できる。
(5)走査型プローブ顕微鏡(SPM)による観察
実施例10の共重合体と、原料の脱蛋白質化天然ゴムと、を走査型プローブ顕微鏡(SPM)により観察した(観察範囲:10μm角)。図9に、脱蛋白質化天然ゴムのSPM写真を示す。図10に、実施例10の共重合体のSPM写真を示す。
図9と図10とを比較すると、実施例10の共重合体(図10)において、ゴム粒子の周囲が黒く見えている。すなわち、実施例10の共重合体では、ジビニルベンゼン(多官能ビニルモノマー)が、脱蛋白質化天然ゴム粒子の周囲に結合していることがわかる。
本発明の改質天然ゴム粒子の表面には、グラフト共重合された多官能ビニルモノマー中の炭素の二重結合が残存している。炭素の二重結合は、架橋等の反応点となる。したがって、例えば光架橋等により、表面のグラフト化ポリマー層に三次元の網目構造を形成することができる。これにより、架橋後のゴム材料における引張り特性、形状安定性等が向上する。このような、本発明の改質天然ゴム粒子は、合成ゴムの代替材料として、例えば防振ゴム等の用途に有用である。

Claims (5)

  1. 炭素の二重結合を二つ以上有し、(a)多価アルコールと不飽和カルボン酸からなる多官能ビニルモノマー、(b)多価アルコールと多官能(メタ)アリル化合物からなる多官能ビニルモノマー、および(c)スチレン系多官能ビニルモノマー、から選ばれる一種以上の多官能ビニルモノマーとシクロデキストリンとを反応させて、該二重結合の少なくとも一つが該シクロデキストリンにより保護された包接保護錯体を合成する包接保護錯体合成工程と、
    合成した該包接保護錯体を、天然ゴム粒子または脱蛋白質化天然ゴム粒子の1kgに対して0.01〜3モルの割合で添加して、該天然ゴム粒子または該脱蛋白質化天然ゴム粒子に該包接保護錯体をグラフト共重合させるグラフト化工程と、
    得られたグラフト共重合体から、該シクロデキストリンを除去する脱保護工程と、
    を有し、表面に、グラフト共重合された該多官能ビニルモノマー中の炭素の二重結合を有する改質天然ゴム粒子を得ることを特徴とする改質天然ゴム粒子の製造方法。
  2. 炭素の二重結合を二つ以上有し、(a)多価アルコールと不飽和カルボン酸からなる多官能ビニルモノマー、(b)多価アルコールと多官能(メタ)アリル化合物からなる多官能ビニルモノマー、および(c)スチレン系多官能ビニルモノマー、から選ばれる一種以上であって、モノマー中の少なくとも一つの二重結合は他の二重結合と反応性が異なる多官能ビニルモノマーを、天然ゴム粒子または脱蛋白質化天然ゴム粒子の1kgに対して0.01〜3モルの割合で添加して、該天然ゴム粒子または脱蛋白質化天然ゴム粒子にグラフト共重合させ、表面に、グラフト共重合された該多官能ビニルモノマー中の炭素の二重結合を有する改質天然ゴム粒子を得ることを特徴とする改質天然ゴム粒子の製造方法。
  3. 請求項1に記載の改質天然ゴム粒子の製造方法により製造される改質天然ゴム粒子。
  4. 請求項2に記載の改質天然ゴム粒子の製造方法により製造される改質天然ゴム粒子。
  5. 請求項3または請求項4に記載の改質天然ゴム粒子を含む改質天然ゴムラテックス。
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