JP5506543B2 - スクロール圧縮機 - Google Patents

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Description

本発明は、スクロール圧縮機に係り、特に空気圧縮機に用いて好適な両歯型のオイルフリースクロール圧縮機に関する。
鏡板に直立した渦巻き状のラップを有する固定スクロールと、この固定スクロールのラップと噛合うラップを有する旋回スクロールを備えたスクロール圧縮機は、特に冷凍空調用の圧縮機として多く用いられているが、スクロール圧縮機は低騒音であるという利点があり、空気圧縮機の分野にも用いられている。
この空気圧縮用のスクロール圧縮機は、使い勝手の良さから、塗装用等の小風量のものにとどまらず、最近では工場空気源等の大風量のものへもその需要が高まっている。そこで、大風量のスクロール圧縮機とするため、鏡板の両側にラップが形成された旋回スクロールを有する両歯型のスクロール圧縮機が実用化されている。この種従来技術としては特許文献1〜3に記載されたものなどがある。
特開平10−220366号公報 特開2001−123968号公報 特開2004−285924号公報
前記両歯型スクロール圧縮機は部品の汎用性の観点から、クランク軸を支持する軸受には深溝玉軸受が使用されている。この場合、軸とハウジングの運転時の軸方向への熱膨張差等を吸収するため、また組立上の利便性を考慮し、クランク軸を固定スクロールに支持する2つの軸受のうち、一方の固定スクロールに配置された軸受の外輪と軸受ハウジングとの嵌め合いを隙間嵌合(隙間ばめ)にする必要がある。
特許文献1(特開平10−220366号公報)のものには、隙間嵌合にした軸受に与圧バネで所定の与圧をかけて、軸受の位置決めをしている例が記載されている。
また、特許文献2(特開2001−123968号公報)や特許文献3(特開2004−285924号公報)のものには、軸受外輪に回り止めピンを設け、この回り止めピンを軸受ハウジングに係合させて、軸受の回転方向の動きを規制し、これにより軸受を軸受ハウジングに隙間嵌合しても軸受が回転方向に動かないようにして、クリープ現象を防止するようにした発明が記載されている。
即ち、スクロール圧縮機はその荷重のかかり方から、軸受の外輪を隙間嵌合にした場合、単なるすべりではなく、軸受外輪が軸受ハウジング内を転がるクリープ現象が発生することがある。前記特許文献のものでは、与圧バネによる押付力や、回り止めピンにより、軸受外輪の回転規制をし、クリープ現象を抑制するようにしている。しかし、前記特許文献2,3に記載のもののように、与圧バネによる押付力と回り止めピンを組み合わせたものでも、固定スクロールの軸受ハウジングと回り止めピンの間に相対振動が発生し、軸受ハウジングと回り止めピンが経年的に摩耗して、特に回り止めピンの摩耗が次第に進行し、回り止めピンの強度が低下していくことがわかってきた。このため、軸受外輪が軸受ハウジング内を転動するクリープ現象が発生する可能性があり、クリープ現象が発生すると、軸受け外輪や軸受ハウジングが摩耗し、ガタつきが大きくなって、振動等の問題が発生し、スクロール圧縮機の信頼性を低下させる。
本発明の目的は、軸受外輪の回転を規制するため該軸受外輪と軸受ハウジングとの間に設けられた回り止めピンの摩耗を防止することで長期間、高い信頼性で運転できるスクロール圧縮機を得ることにある。
上記目的を達成するために、本発明は、鏡板の両側に渦巻き状のラップを有する旋回スクロールと、この旋回スクロールの両側に配置され前記旋回スクロールのラップと噛合う渦巻き状のラップを有する2つの固定スクロールと、前記両側に配置された固定スクロールに回転支持され前記旋回クロールを旋回運動させるために前記固定スクロールのラップ外周部に位置して回転支持された複数のクランク軸と、これら複数のクランク軸をそれぞれ支持するために前記固定スクロールに設けられた複数の軸受とを備えるスクロール圧縮機において、前記クランク軸を支持する複数の軸受の少なくとも一つを玉軸受とし、この玉軸受の外輪を固定スクロールの軸受ハウジングに隙間ばめで配置すると共に、前記玉軸受の外輪が周方向に回転するのを規制する回り止め部材を設け、且つ前記回り止め部材と前記軸受ハウジングとの間に緩衝材を設けたことを特徴とする。
前記緩衝材を樹脂材で構成し、クリープ力と機械振動により前記回り止め部材が前記軸受ハウジングとの間で相対すべりを発生して摩耗するのを前記樹脂材により抑制するようにすると良い。
また、前記緩衝材を構成する樹脂材は、エンジニアリングプラスチックまたはスーパーエンジニアリングプラスチックで構成した樹脂板とすることが好ましく、特に、前記樹脂板は、ポリカーボネート、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、PEEK、PTFE、ポリベゾイミダゾール樹脂のうちの少なくとも何れかにすると良い。
軸受ハウジングに隙間ばめで配置され且つ外輪に回り止め部材が設けられた前記玉軸受は、与圧バネ及び軸受押えを介して前記軸受ハウジングに位置決めすることができる。
軸受ハウジングに隙間ばめで配置され且つ外輪に回り止め部材が設けられた前記玉軸受には、その外輪の外周面に前記回り止め部材が挿入される穴或いは溝が形成され、前記軸受ハウジングの内面には前記回り止め部材が係合する凹溝が形成された構成にすることが好ましい。また、前記緩衝材は、軸受ハウジングに形成した前記凹溝の幅と長さが概ね一致する方形の樹脂板に形成され、この樹脂板は前記玉軸受の外輪外周面に挿入された前記回り止め部材に保持されると共に、前記凹溝に挿入配置される構成にすると良い。更に、前記回り止め部材は円筒形状の2本の回り止めピンで構成され、これら回り止めピンは前記玉軸受の外輪外周面の穴に挿入して設置され、前記樹脂板には前記2本の回り止めピンを挿入するための穴が形成された構成とすることが好ましい。
本発明によれば、軸受外輪の回転を規制するため該軸受外輪と軸受ハウジングとの間に設けられた回り止めピンの摩耗を抑制することができるので、長期間、高い信頼性で運転できるスクロール圧縮機を得ることができる効果がある。
本発明のスクロール圧縮機の実施例1を示す要部の拡大断面図。 図1のII−II線矢視断面図。 本発明のスクロール圧縮機の実施例1を示す縦断面図。 本実施例のスクロール圧縮機が適用されるスクロール式空気圧縮機ユニットの例を示す系統図。 図1に示す緩衝材の構造を示す平面図(a)と、断面図(b)である。
以下、図面に基づき本発明の具体的実施例を説明する。
まず図3を用いて、本実施例が適用される両歯型スクロール圧縮機の全体構成を説明する。
両歯型のスクロール圧縮機100は、鏡板30の両面に渦巻き状のスクロールラップ31、32が形成された旋回スクロール1、この旋回スクロール1のラップ31,32と噛合って圧縮作動室を形成する渦巻き状のスクロールラップ41,42が鏡板44,45に形成された左側固定スクロール2及び右側固定スクロール3、前記旋回スクロール1を駆動する主クランク軸4、この主クランク軸4と同期回転する補助クランク軸5、主クランク軸4と補助クランク軸5を同期して回転させるためのタイミングベルト6、このタイミングベルト6が装架される2個のタイミングプーリ7A,7B、前記主クランク軸4を駆動するモータ(図4の60を参照)の動力を前記主クランク軸4に伝達するために用いるVプーリ8などを備えている。また、前記左側固定スクロール2及び前記右側固定スクロール3のほぼ中央部には、圧縮された空気を吐出する吐出口9が形成されている。
前記旋回スクロール1は、前記主クランク軸4と補助クランク軸5にそれぞれ玉軸受17,18を介して外周側が支持され、前記クランク軸4,5の回転に伴い旋回運動される。また、前記主クランク軸4は、前記左側固定スクロール2には玉軸受11により、前記右固定スクロール3には玉軸受13によりそれぞれ支持されている。前記補助クランク軸5は前記左側固定スクロール2には玉軸受12により、前記右側固定スクロール3には玉軸受14によりそれぞれ支持されている。主クランク軸4の反プーリ側(反負荷側)を支持する玉軸受13及び補助クランク軸5の反プーリ側を支持する玉軸受14は右固定スクロール3の軸受ハウジング3aに隙間ばめとして取り付けられ、玉軸受13,14は、それぞれ与圧ばね15,16及び軸受押え73,74によってプーリ側(負荷側)に押圧されることで、クランク軸4,5の軸方向の位置決めが為されている。また、前記玉軸受13,14の外輪と右側固定スクロール3の軸受ハウジング3aとの間には、前記玉軸受13,14の外輪が回転方向に回るのを規制するための回り止め部材としての回り止めピン46A,46Bが設けられている。
なお、左側固定スクロール2及び右側固定スクロール3の両ラップ41,42の外径側には、圧縮作動室内にダストが侵入するのを防止するため、リング状のダストラップ10A,10Bが設けられている。また、22A,22Bは固定スクロール2,3の反ラップ側に形成された冷却フィン間に冷却風通路21A,21Bを形成するために設けられたカバー、23は旋回スクロール1の鏡板30内に形成された冷却空気用通路である。
図4は、図3に示したスクロール圧縮機が適用されるスクロール式空気圧縮機ユニットの例を示す系統図である。本実施例のスクロール圧縮機は、主として空気圧縮用に使用される。図4において、圧縮機ユニット50は筐体51内の底部に設けたベース58上にモータ60が据え付けられている。モータ60の回転軸に取付けたプーリに装架されたVベルト64により、モータ60の駆動力はスクロール圧縮機100のVプーリ8に伝達される。スクロール圧縮機100は、前記筐体51内に設けた圧縮機支持部材62にその脚部が据え付けられている。モータ60の回転軸のプーリ取付け側と反対側には、ファン56が取り付けられ、モータ60が回転すると、圧縮機ユニット50の周囲空気が筐体51に設けた取入口51aから矢印66のように流れて、スクロール圧縮機100やモータ60を冷却後、ファン56の吸込側に導かれ、ファン56の吐出側に形成されたダクト52を経由して外部に排出される。54はスクロール圧縮機100から吐出された圧縮空気を予冷却する熱交換器で、前記ダクト52内に配置され、この熱交換器54を通過する圧縮空気は、筐体51の取入口51bから前記ファン56により取り入れられた外部空気により冷却される。熱交換器54で冷却された圧縮空気は、その後ドライヤ72で適正温度まで冷却され、外部の用途に供給される。
前記ドライヤ72は、圧縮機72a、凝縮器72b、キャピラリ72c及び蒸発器72dを備えたヒートポンプ式の冷凍サイクルであり、これにより前記熱交換器54からの圧縮空気を適正温度まで冷却するようになっている。また、ドライヤ72には、凝縮器72b及び蒸発器72dを空気冷却するファン72eが備えられており、取入口51cから導入された外部空気は、蒸発器74dや凝縮器72bと熱交換後、排気口51dから排気される。
なお、図4において、70は前記熱交換器54下流の吐出側圧力を検出する吐出側圧力検出器、71は圧縮機100への吸込圧力を検出する吸込側圧力検出器である。
次に、前述した図3に示す両歯型スクロール圧縮機100の動作を説明する。
モータ60で発生した動力は、Vプーリ8にVベルト64を介して伝達される。これにより、主クランク軸4が回転し、同期用のタイミングベルト6及びタイミングプーリ7A,7Bを介して補助クランク軸5にも動力が伝達され、補助クランク軸5も主クランク軸4と共に同期回転する。両クランク軸4,5が同期回転すると、旋回スクロール1が、固定スクロール2,3の双方に対して自転することなく偏心運動(旋回運動)する。流体は吸込口(図示せず)から吸い込まれ、旋回スクロール1の回転が進むにつれて圧縮され、吐出口9から吐出される。
図3に示すスクロール圧縮機100における玉軸受11〜14の組立手順を説明する。
まず、プーリ7A,7Bが設けられている側の左側固定スクロール2に軸受11と軸受12を組付ける。次に、主クランク軸4及び補助クランク軸5を組み付ける。この際、前記2本のクランク軸4,5に予め旋回スクロール1を組付けたアセンブリとしてから組付けるようにすると良い。その後、前記両クランク軸4,5にそれぞれ右側固定スクロール3用の軸受13または14を取り付け、最後に右側固定スクロール3を前記軸受13,14の外輪に組付ける。軸受13,14の外輪は右側固定スクロールに隙間ばめとして組付けられる。
即ち、製造組立時において主クランク軸4及び補助クランク軸5を適正な位置関係に組み立てる必要があり、また運転時には主クランク軸4及び補助クランク軸5と固定スクロール2,3との温度差による熱膨張差から過剰な軸方向荷重が発生する。このため、本実施例では、負荷側(プーリ7A,7B側)である左側固定スクロール2の軸受ハウジング2aに設けた玉軸受11,12は内輪・外輪共に締りばめとし、反負荷側である右側固定スクロール3の軸受ハウジング3aに設けた玉軸受13,14の内輪を締りばめ、外輪を隙間ばめとしている。このように玉軸受13,14の外輪を隙間ばめとすることで、運転時の熱膨張差による過剰な軸方向荷重を吸収するようにしている。
また、前記玉軸受13,14のスラスト方向(軸方向)の位置決めは、右側固定スクロール3側に設置した与圧バネ15,16と軸受押え73,74により、これらの玉軸受13,14を軸方向に一定圧力で押すことによって行なわれる。
前記玉軸受13,14には、それぞれの外輪の外周部に回り止めピンを挿入するための穴が形成されており、右側固定スクロール3の軸受ハウジング3aには前記穴に対応する凹溝(切欠き)が形成されている。玉軸受13,14の組立時には、前記玉軸受の外輪に形成された前記穴に回り止めピン46A,46Bが挿入された状態で固定スクロール3の軸受ハウジング3aに組み込み、前記回り止めピン46A,46Bが軸受ハウジングの前記凹溝に挿入されることで、玉軸受の外輪が軸受ハウジングに対し回転規制される。
しかし、スクロール圧縮機が運転されると、その機械振動により固定スクロール3の軸受ハウジング3aと前記回り止めピン46A,46Bとの間に微小相対すべりが発生し、その結果回り止めピン46A,46Bが摩耗して断面係数が小さくなり、強度が低下することがわかった。強度低下により回り止めピン46A,46Bが破損すると玉軸受13,14の外輪は軸受ハウジング3a内を転動するクリープ現象が発生する。クリープ現象が発生すると、軸受外輪や軸受ハウジングが摩耗し、ガタつきが大きくなって、振動等の問題を引き起す。
そこで本発明では、玉軸受13,14におけるクリープ現象の発生を防止し、スクロール圧縮機の信頼性を高めるため、玉軸受13,14部分の構成を図1、図2に示すようにしている。図1、図2では玉軸受14の部分について例にとり説明するが、玉軸受13についても同様の構成となっている。
図1は、本実施例における玉軸受14の部分の拡大断面図、図2は図1のII−II線矢視断面図である。これらの図において、14は補助クランク軸5の反負荷側(反プーリ側)を右側固定スクロール3に支持するための玉軸受で、この玉軸受14の外輪にはその外周面に、回り止めピン46Bを挿入するための穴14aが軸方向に2個形成されており、この穴14aには前記回り止めピン46Bが挿入して取り付けられている。一方、右側固定スクロール3の軸受ハウジング3aには前記穴14aに対応する位置に、前記回り止めピン46Bが周方向に係合する凹溝(切欠き)3bが軸方向に形成されている。47は前記回り止めピン46Bと前記軸受ハウジング3aとの間に設けられた樹脂板(緩衝材)であり、回り止めピン46Bが、スクロール圧縮機の運転時のクリープ力と機械振動により、軸受ハウジングとの間で相対すべりを発生し、その結果回り止めピン46Bが摩耗して強度が低下するのを防止するためのものである。
なお、玉軸受に作用するクリープ力は、一般に以下の式で求めることができる。
(クリープ力)=(外輪と軸受ハウジング間の摩擦係数)×(回転荷重)
前記樹脂板47は、図5に示すように、軸受ハウジング3aに形成した凹溝3bの幅と長さが概ね一致する方形に形成されており、また、玉軸受14の外輪外周面に挿入された前記2つの回り止めピン46Bを挿入するための概ね円形の穴47aが、前記回り止めピン46Bと同数の2個形成されている。この樹脂板47は、前記玉軸受14の外輪に回り止めピン46Bを取り付けた後に、この回り止めピン46Bに挿入され、玉軸受14が軸受ハウジング3aに組み込まれる際に、前記回り止めピン46Bと共に樹脂板47も軸受ハウジング3aの凹溝3bに挿入される。その後、玉軸受14は、与圧ばね16と軸受押え74により軸方向に位置決めされる。
前記樹脂板47がない場合、前記回り止めピン46Bは、軸受外輪に発生するクリープ力により、例えば図2に示す凹溝3bの左側の壁に押し付けられ、更に圧縮機の運転による機械振動によりこの壁と相対すべりを発生し、摩耗(たたかれ摩耗)が進行していく。
一方本実施例の場合、軸受ハウジング3aの凹溝3bの壁と、回り止めピン46Bとの間に前記樹脂板47が挿入されていることにより、樹脂板自体はその弾性から振動を吸収する役割を果たし、相対すべりを発生し難くすると共に、樹脂板自身の摩耗も少ない。これにより回り止めピン46Bの摩耗を抑制できるから、回り止めピン46Bの強度を長期間保つことができ、その結果、軸受外輪のクリープを抑制できる信頼性の高いスクロール圧縮機を得ることができる。即ち、本実施例によれば、経時的なクリープ力増加に対して長期間に亘ってスクロール圧縮機を、高い信頼性を保ちつつ運転できる。
なお、前記緩衝材としての樹脂板47の材質は、ポリカーボネートやポリアミド樹脂などのエンジニアリングプラスチック、またはポリイミド樹脂、PEEK、PTFE、ポリベゾイミダゾール樹脂などのスーパーエンジニアリングプラスチックを用いることが好ましい。また、前記樹脂板47の形状も図5に示すものには限られず、回り止めピン46Bと軸受ハウジング3aとの間に設けられて、回り止めピン46Bが直接軸受ハウジングに当るのを防止できる形状の樹脂材であれば良い。樹脂板47を図5に示す形状とした場合、玉軸受14を軸受ハウジング3aに組み込む際、回り止めピン46で樹脂板47を保持できるから組み込みが容易になり、また運転中に樹脂板47の脱落も防止できる。なお、前記樹脂板47は緩衝材であれば良く、樹脂材には限らず、弾性、耐久性があれば他の材料を使用することもできる。
また、上記実施例では、クランク軸4,5を支持する軸受の全てを玉軸受11〜14とした例で説明したが、クランク軸4,5を支持する軸受(11〜14)のうちの少なくとも一つを玉軸受(深溝玉軸受や複列アンギュラ玉軸受などスラスト力も支持できる軸受であればこの玉軸受の概念に含まれる)とすれば良く、他の軸受は例えば円筒コロ軸受でも良い。しかし、両クランク軸4,5共、スラスト方向の位置決めをすることが好ましく、この場合、それぞれのクランク軸4,5を支持する軸受の少なくとも一つを玉軸受にする必要がある。
また、玉軸受を押圧する与圧ばね15,16は、軸受ハウジングとの間を隙間ばめとした玉軸受の部分に設ければ良い。図3に示した実施例では、玉軸受11,12については固定スクロール2に締りばめで固定し、玉軸受13,14を固定スクロール3に隙間ばめで配置しているので、隙間ばめとされた玉軸受13,14のみが前記与圧ばね15,16と軸受押え73,74で軸方向の位置決めが為されている。
前記軸受ハウジング3aに形成された凹溝3bは、軸受ハウジング3aを軸方向に貫通する長さに形成し、樹脂板47も前記凹溝3bの長さと概ね同じにした例を示したが、前記凹溝3bは軸受ハウジング3aを貫通する長さとするものには限られず、前記回り止めピン46A,46Bが挿入されて周方向に係合できるものであれば良く、軸受ハウジング3a内面の軸受押え73,74側にのみ開口した短い凹溝であっても良い。前記回り止めピン46A,46Bも軸受外輪に1つのみ設けるようにしても良い。また、回り止め部材は前記円柱状の回り止めピンには限られず、角柱状としたり、軸方向に延びる板状或いは棒状のキー形状の回り止め部材を用いることもでき、同様の効果を得ることができる。
1…旋回スクロール
2…左側固定スクロール(2a:軸受ハウジング)
3…右側固定スクロール(3a:軸受ハウジング、3b:凹溝)
4…主クランク軸
5…補助クランク軸
6…タイミングベルト
7A,7B…タイミングプーリ
8…Vプーリ
9…吐出口
10A,10B…ダストラップ
11,12,13,14,17,18…玉軸受
15,16…与圧バネ
21A,21B…冷却風通路
22A,22B…カバー
23…冷却空気用通路
30,44,45…鏡板
31,32…旋回スクロールのラップ
41,42…固定スクロールのラップ
46A,46B…回り止めピン(回り止め部材)
47…樹脂板(緩衝材)(47a:穴)
50…圧縮機ユニット
51…筐体(51a〜51c:取入口、51d:排気口)
52…ダクト
54…熱交換器
56…ファン
58…ベース
60…モータ
62…圧縮機支持部材
64…Vベルト
66…矢印
70…吐出側圧力検出器、71…吸込側圧力検出器
72…ドライヤ
73,74…軸受押え
100…スクロール圧縮機。

Claims (5)

  1. 鏡板の両側に渦巻き状のラップを有する旋回スクロールと、この旋回スクロールの両側に配置され前記旋回スクロールのラップと噛合う渦巻き状のラップを有する2つの固定スクロールと、前記両側に配置された固定スクロールに回転支持され前記旋回クロールを旋回運動させるために前記固定スクロールのラップ外周部に位置して回転支持された複数のクランク軸と、これら複数のクランク軸をそれぞれ支持するために前記固定スクロールに設けられた複数の軸受とを備えるスクロール圧縮機において、
    前記クランク軸を支持する複数の軸受の少なくとも一つを玉軸受とし、この玉軸受の外輪を固定スクロールの軸受ハウジングに隙間ばめで配置すると共に、前記玉軸受の外輪が周方向に回転するのを規制する回り止め部材を設け、且つ前記回り止め部材と前記軸受ハウジングとの間に緩衝材を設け
    前記緩衝材を樹脂材で構成し、クリープ力と機械振動により前記回り止め部材が前記軸受ハウジングとの間で相対すべりを発生して摩耗するのを前記樹脂材により抑制すると共に、
    前記緩衝材を構成する樹脂材は、エンジニアリングプラスチックまたはスーパーエンジニアリングプラスチックで構成した樹脂板である
    ことを特徴とするスクロール圧縮機。
  2. 請求項に記載のスクロール圧縮機において、前記緩衝材としての樹脂板は、ポリカーボネート、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、PEEK、PTFE、ポリベゾイミダゾール樹脂のうちの少なくとも何れかであることを特徴とするスクロール圧縮機。
  3. 請求項1または2に記載のスクロール圧縮機において、軸受ハウジングに隙間ばめで配置され且つ外輪に回り止め部材が設けられた前記玉軸受は、与圧バネ及び軸受押えを介して前記軸受ハウジングに位置決めされていることを特徴とするスクロール圧縮機。
  4. 鏡板の両側に渦巻き状のラップを有する旋回スクロールと、この旋回スクロールの両側に配置され前記旋回スクロールのラップと噛合う渦巻き状のラップを有する2つの固定スクロールと、前記両側に配置された固定スクロールに回転支持され前記旋回クロールを旋回運動させるために前記固定スクロールのラップ外周部に位置して回転支持された複数のクランク軸と、これら複数のクランク軸をそれぞれ支持するために前記固定スクロールに設けられた複数の軸受とを備えるスクロール圧縮機において、
    前記クランク軸を支持する複数の軸受の少なくとも一つを玉軸受とし、この玉軸受の外輪を固定スクロールの軸受ハウジングに隙間ばめで配置すると共に、前記玉軸受の外輪が周方向に回転するのを規制する回り止め部材を設け、且つ前記回り止め部材と前記軸受ハウジングとの間に緩衝材を設け
    軸受ハウジングに隙間ばめで配置され且つ外輪に回り止め部材が設けられた前記玉軸受には、その外輪の外周面に前記回り止め部材が挿入される穴或いは溝が形成され、前記軸受ハウジングの内面には前記回り止め部材が係合する凹溝が形成されており、
    前記緩衝材は、軸受ハウジングに形成した前記凹溝の幅と長さが概ね一致する方形の樹脂板に形成され、この樹脂板は前記玉軸受の外輪外周面に挿入された前記回り止め部材に保持されると共に、前記凹溝に挿入配置されている
    ことを特徴とするスクロール圧縮機。
  5. 請求項に記載のスクロール圧縮機において、前記回り止め部材は円筒形状の2本の回り止めピンで構成され、これら回り止めピンは前記玉軸受の外輪外周面の穴に挿入して設置され、前記樹脂板には前記2本の回り止めピンを挿入するための穴が形成されていることを特徴とするスクロール圧縮機。
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