JP2005233342A - 軸受装置及びスクロール型流体機械 - Google Patents
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Abstract
【課題】 軸受装置を含む機構を構成する部品の寸法誤差や組付誤差に起因する効率及び耐久性の低下を抑制することに加え、部品の熱膨張に起因する効率及び耐久性の低下を抑制することができる軸受装置及びスクロール型流体機械を提供する。
【解決手段】 可動スクロール部材の自転を阻止するクランクピン29は、その旋回軸部29bが、可動スクロール部材の第2支持孔32aに対し波板状ばね部材36を介して支持される。波板状ばね部材36は、円筒状のばね性基板36aから内周側に突出する複数の突部36bにより、旋回軸部29bを弾発的に支持する。波板状ばね部材36には、可動スクロール部材の熱膨張に伴って第2支持孔32aが旋回軸部29bに対して相対変位する側に、突部36bに代わる平坦部36cが設けられている。この平坦部36cにより、相対変位した旋回軸部29bに対して波板状ばね部材36から加わるばね力が過大とならない。
【選択図】 図1
【解決手段】 可動スクロール部材の自転を阻止するクランクピン29は、その旋回軸部29bが、可動スクロール部材の第2支持孔32aに対し波板状ばね部材36を介して支持される。波板状ばね部材36は、円筒状のばね性基板36aから内周側に突出する複数の突部36bにより、旋回軸部29bを弾発的に支持する。波板状ばね部材36には、可動スクロール部材の熱膨張に伴って第2支持孔32aが旋回軸部29bに対して相対変位する側に、突部36bに代わる平坦部36cが設けられている。この平坦部36cにより、相対変位した旋回軸部29bに対して波板状ばね部材36から加わるばね力が過大とならない。
【選択図】 図1
Description
本発明は、軸受を介して回転軸を支持する軸受装置と、同軸受装置を備えたスクロール型流体機械に関するものである。
従来、スクロール型圧縮機には、可動スクロール部材の自転阻止機構として、ハウジングと可動スクロール部材とが複数のクランクピンで連結されているものがある(例えば、特許文献1参照)。各クランクピンは、可動スクロール部材が支持されたクランク軸の周りに等間隔に配設されている。
前記特許文献1において、クランクピンは、ハウジングに対して回転可能に連結される回転軸部と、可動スクロール部材に対して回転可能に連結され、回転軸部に対して偏心した旋回軸部とからなる。旋回軸部は、可動スクロール部材の基板に設けられた円形孔に対し、軸受を介して支持されている。一方、回転軸部は、ハウジングの端壁に設けられた円形孔に対し、軸受及び波板状ばね部材を介して支持されている。すなわち、回転軸部は、軸受の径方向における波板状ばね部材の弾性変形により、ハウジングの円形孔に対しその径方向において全方向に変位可能な状態で弾発的に支持されている。
そして、上記従来のスクロール型圧縮機では、可動スクロール部材やハウジングの円形孔に対するクランクピンの径方向での位置ずれが、波板状ばね部材の弾性変形によって許容される。これにより、軸受に対して過大な偏荷重が加わることが防止される。このため、このような位置ずれの原因となるクランク軸やクランクピン等の加工誤差や組付誤差が許容される。
特開平9−133086号公報(第3,4頁、第1,2図)
一方、圧縮機が運転されると、被圧縮流体の圧縮熱や、スクロール部材同士の摩擦熱等により、両スクロール部材の温度が上昇する。このとき、圧縮室に直接臨んでいないハウジングの温度よりも、圧縮室に直接臨んでいる可動スクロール部材の温度の方が高くなる。このため、ハウジングが熱膨張によってクランク軸の径方向外方に延びる量よりも、可動スクロール部材の基板が熱膨張によって径方向外方に延びる量の方が大きくなる。この結果、各クランクピンの回転軸部は、対応するハウジングの円形孔に対し、それぞれ径方向外方に変位することになる。
このような状態では、円形孔に対して変位した回転軸部から、波板状ばね部材の周方向における一部に対して荷重が加わることになる。このため、回転軸部が嵌合する軸受には、その周方向の一部に、波板状ばね部材から強いばね力(弾発力)が加わった状態となる。また、各クランクピンの旋回軸部が嵌合する軸受にも、その周方向における一部に旋回軸部から大きな荷重が加わった状態となる。従って、圧縮機の運転中は、各クランクピンを支持する各軸受に加わる荷重が過大となるため、機械損失が増大して圧縮機の効率が低下し、また、軸受等の耐久性が低下する。
本発明の目的は、軸受装置を含む機構を構成する部品の寸法誤差や組付誤差に起因する効率及び耐久性の低下を抑制することに加え、部品の熱膨張に起因する効率及び耐久性の低下を抑制することができる軸受装置及びスクロール型流体機械を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、軸を支持するための軸受を、支持孔の内周面に対して、弾性材よりなるリング状の軸受支持部材を介在させて支持孔の径方向に変位可能な状態で弾発的に支持する軸受装置であって、前記軸受支持部材の周方向における一部には、その径方向におけるばね定数が他の部位よりも小さい低弾発部が設けられている。なお、この「支持孔」とは、有底孔及び貫通孔の意味を含む。また、「弾発」とは、弾性材としてのばねのばね力と、弾性材としてのゴムの弾力との意味を含む。さらに、「ばね定数」とは、ばねを弾性変形させるときの定数と、ゴムを弾性変形させるときの定数との意味を含む。
従って、請求項1に記載の発明によれば、弾性材よりなるリング状の軸受支持部材により、支持孔に対する軸の径方向における位置ずれが、周方向におけるどの方向においても許容される。また、支持孔に対し軸が径方向における特定の方向に変位するときには、その変位方向に配置した低弾発部により、軸受支持部材から軸受に加わる弾発力を弱くすることができる。従って、部品の寸法誤差や組付誤差等があっても、また、部品の熱膨張等が発生しても、支持孔に対して径方向に位置ずれした軸から軸受に対して過大な荷重は加わらない。このため、軸受における機械損失の増大を招きにくい。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記軸受支持部材は、リング状の波板状ばね部材であって、その内周側に突出するように周方向に列設形成された複数の突部を有し、前記低弾発部は、前記波板状ばね部材において、前記突部が設けられていない部位からなる。
従って、請求項2に記載の発明によれば、リング状の波板状ばね部材により、支持孔内で軸受が弾発的に支持されるとともに、各突部の弾性変形により、支持孔に対する軸の径方向における位置ずれが許容される。また、波板状ばね部材において突部が設けられていない部位により、この部位側に位置ずれした軸に対して加わる弾発力が弱くされる。従って、波板状ばね部材における周方向の一部に、突部を設けない部位を形成するだけでよいので、波板状ばね部材を容易に製造することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記軸受支持部材は、リング状の波板状ばね部材であって、その内周側に突出するように周方向に列設形成された複数の突部を有し、前記低弾発部は、前記波板状ばね部材において、周方向の幅が他の突部の同幅よりも広い前記突部からなる。
従って、請求項3に記載の発明によれば、リング状の波板状ばね部材により、支持孔内で軸受が弾発的に支持されるとともに、各突部の弾性変形により、支持孔に対する軸の径方向における位置ずれが許容される。また、波板状ばね部材において、周方向の幅が他の突部の同幅よりも広い突部により、この突部側に位置ずれした軸に対して加わる弾発力が弱くされる。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記軸受支持部材は、リング状の波板状ばね部材であって、その内周側に突出するように周方向に列設形成された複数の突部を有し、前記低弾発部は、前記波板状ばね部材において、その基材の厚さが他の突部よりも薄くされた前記突部からなる。
従って、請求項4に記載の発明によれば、リング状の波板状ばね部材により、支持孔内で軸受が弾発的に支持されるとともに、各突部の弾性変形により、支持孔に対する軸の径方向における位置ずれが許容される。また、波板状ばね部材において、その基材の厚さが他の突部よりも薄くされた突部により、この突部側に位置ずれした軸に対して加わる弾発力が弱くされる。
請求項5に記載の発明は、クランク軸の旋回軸部に対し回転可能に支持された可動スクロール部材と、前記旋回軸部の旋回に伴う前記可動スクロール部材の自転を阻止する自転阻止機構とを備え、前記自転阻止機構は、固定側部材に設けられた第1支持孔と、前記可動スクロール部材に設けられた第2支持孔とにそれぞれ軸受を介して支持されるクランクピンからなるスクロール型流体機械において、前記第1支持孔及び第2支持孔の少なくともいずれか一方の内周面と、前記クランクピンを支持する軸受の外周面との間に請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の軸受支持部材を介在させるとともに、前記可動スクロール部材の熱膨張に伴う前記クランクピンの前記第1支持孔又は第2支持孔に対する径方向での変位方向に前記低弾発部を配置した。
従って、請求項5に記載の発明によれば、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の軸受支持部材により、第1支持孔又は第2支持孔に対するクランクピンの径方向における位置ずれが、周方向におけるどの方向においても許容される。また、可動スクロール部材の熱膨張に伴い、第1支持孔又は第2支持孔に対しクランクピンが径方向における特定の方向に変位するときには、その変位方向に配置した低弾発部により、軸受支持部材から軸受に加わる弾発力を弱くすることができる。従って、クランク軸やクランクピンの寸法誤差や組付誤差等があっても、また、可動スクロール部材の熱膨張が発生しても、第1支持孔又は第2支持孔に対して位置ずれしたクランクピンから軸受に対して過大な荷重が加わることはない。このため、軸受における機械損失の増大を招きにくく、また、軸受等に加わる荷重が過大となることがない。
請求項1〜請求項5に記載の発明によれば、軸受装置を含む機構を構成する部品に寸法誤差や組付誤差があっても、また、部品に熱膨張が発生しても、支持孔に対して径方向に位置ずれした軸から軸受に対して加えられる荷重が過大となることがない。このため、軸受装置を含む機構を構成する部品の寸法誤差や組付誤差に起因する効率及び耐久性の低下を抑制することに加え、部品の熱膨張に起因する効率及び耐久性の低下を抑制することができる。
次に、本発明を、空気圧縮用の電動圧縮機に具体化した一実施形態を図1及び図2に従って説明する。
図2に示すように、スクロール型流体機械としての電動圧縮機10は、モータハウジング11、固定側部材としてのセンタハウジング12及び固定スクロール部材13によってそのハウジング全体が構成されている。モータハウジング11の内側にはモータ14が設けられているとともに、センタハウジング12及び固定スクロール部材13等により圧縮機構15が構成されている。
図2に示すように、スクロール型流体機械としての電動圧縮機10は、モータハウジング11、固定側部材としてのセンタハウジング12及び固定スクロール部材13によってそのハウジング全体が構成されている。モータハウジング11の内側にはモータ14が設けられているとともに、センタハウジング12及び固定スクロール部材13等により圧縮機構15が構成されている。
ハウジングの内側には、モータ14と圧縮機構15とを連結するクランク軸16が配設されている。クランク軸16は、モータハウジング11側に位置する回転軸部17と、センタハウジング12及び固定スクロール部材13側に位置し、回転軸部17に対して偏心した旋回軸部18とからなる。クランク軸16の回転軸部17は、モータハウジング11の端壁11aに設けられた軸受20と、センタハウジング12の端壁12aに設けられた軸受21とにより支持されている。回転軸部17は、バランスを取るためのトリムウェイト17a,17bを有している。また、旋回軸部18は、バランスを取るためのバランスウェイト18aを有している。
前記モータ14は、励磁コイル22が巻回されたステータ23、クランク軸16の回転軸部17に固定されたロータ24等によって構成される同期モータである。
前記圧縮機構15は、ハウジングの一部を形成する固定スクロール部材13、クランク軸16の旋回軸部18に支持された可動スクロール部材25等によって構成されるスクロール型圧縮機構である。可動スクロール部材25の基板26には、その中心部に筒部27が設けられ、この筒部27には、ローラベアリングよりなる軸受28を介して旋回軸部18が回転可能に連結されている。そして、固定スクロール部材13の基板35及び固定渦巻壁13aと、可動スクロール部材25の基板26及び可動渦巻壁25aとにより、圧縮室となる密閉空間Sが形成される。
前記圧縮機構15は、ハウジングの一部を形成する固定スクロール部材13、クランク軸16の旋回軸部18に支持された可動スクロール部材25等によって構成されるスクロール型圧縮機構である。可動スクロール部材25の基板26には、その中心部に筒部27が設けられ、この筒部27には、ローラベアリングよりなる軸受28を介して旋回軸部18が回転可能に連結されている。そして、固定スクロール部材13の基板35及び固定渦巻壁13aと、可動スクロール部材25の基板26及び可動渦巻壁25aとにより、圧縮室となる密閉空間Sが形成される。
また、可動スクロール部材25は、クランク軸16を中心とした円上に等間隔をおいて配置された3つの自転阻止機構40により、センタハウジング12に対して連結されている。(但し、図2には、1つのみ図示する。)
自転阻止機構40は、センタハウジング12と可動スクロール部材25とを連結する軸としてのクランクピン29を備えている。クランクピン29は、回転軸部29aと、その回転軸部29aに対して偏心した旋回軸部29bとからなる。各クランクピン29の回転軸部29aに対する旋回軸部29bのクランク偏心量は、クランク軸16の回転軸部17に対する旋回軸部18のクランク偏心量と略同じに設定されている。
自転阻止機構40は、センタハウジング12と可動スクロール部材25とを連結する軸としてのクランクピン29を備えている。クランクピン29は、回転軸部29aと、その回転軸部29aに対して偏心した旋回軸部29bとからなる。各クランクピン29の回転軸部29aに対する旋回軸部29bのクランク偏心量は、クランク軸16の回転軸部17に対する旋回軸部18のクランク偏心量と略同じに設定されている。
各クランクピン29の回転軸部29aは、センタハウジング12の端壁12aに設けられた3つの第1支持孔30に対し、それぞれボールベアリングよりなる軸受31を介して支持されている。一方、各クランクピン29の旋回軸部29bは、可動スクロール部材25に設けられた3つの筒部32の第2支持孔32aに対し、それぞれボールベアリングよりなる軸受33を介して支持されている。
そして、モータ14によってクランク軸16の回転軸部17が回転駆動されると、旋回軸部18とともに可動スクロール部材25が旋回する。このとき、可動スクロール部材25は、クランク軸16とともに回転する3つのクランクピン29によってその自転が阻止され、回転軸部17の中心軸線周りに公転する。
可動スクロール部材25が公転すると、固定スクロール部材13の周壁に設けられた吸入孔34を通じて、固定スクロール部材13と可動スクロール部材25とが形成する密閉空間Sに空気が導入される。密閉空間Sは、可動スクロール部材25の公転に伴って、容積を減少しながら固定スクロール部材13の中心部に移動する。このため、密閉空間Sに導入された空気は、可動スクロール部材25の公転に伴って圧縮された後、固定スクロール部材13の基板35の吐出孔35aに接続されたパイプ(図示しない)を通じて所定箇所に供給される。
次に、可動スクロール部材25の第2支持孔32aに対して、クランクピン29の旋回軸部29bを支持するための軸受装置について詳述する。
図1(a)に示すように、クランクピン29の旋回軸部29bが嵌合する軸受33は、第2支持孔32aの内周面に対し、弾性材よりなるリング状の軸受支持部材としての波板状ばね部材36を介在させて支持されている。波板状ばね部材36は、図3に示すように、円筒状のばね性基板36aから、複数の突部36bが内周側に向かって波状に切り起こされたものである。
図1(a)に示すように、クランクピン29の旋回軸部29bが嵌合する軸受33は、第2支持孔32aの内周面に対し、弾性材よりなるリング状の軸受支持部材としての波板状ばね部材36を介在させて支持されている。波板状ばね部材36は、図3に示すように、円筒状のばね性基板36aから、複数の突部36bが内周側に向かって波状に切り起こされたものである。
図1(a)に示すように、波板状ばね部材36は、ばね性基板36aの外周面が第2支持孔32aの内周面にばね力(弾発力)を伴いながら当接した状態で、各突部36bの先端が、軸受33におけるアウタレース33aの外周面に同じくばね力を伴いながら当接されている。従って、波板状ばね部材36は、各突部36bにより、クランクピン29の旋回軸部29bに対し径方向内向きのばね力を加えるとともに、ばね性基板36aの外周面が第2支持孔32aの内周面に押し付けられている。これにより、波板状ばね部材36は、第2支持孔32aの内周面との間の摩擦力により、第2支持孔32a内に相対回転不能に支持されている。
また、軸受33は、波板状ばね部材36により、第2支持孔32aの中心部において弾発的に支持されている。そして、軸受33は、各突部36bが軸受33に対して加えるばね力によって得られる波板状ばね部材36との間の摩擦力により、軸受33のアウタレース33aが第2支持孔32aに対して相対回転不能な状態で支持されている。そして、第2支持孔32aに対する旋回軸部29bの径方向における位置ずれは、波板状ばね部材36の弾性変形によって吸収される。このため、クランク軸16やクランクピン29の加工誤差や組付誤差が吸収され、クランク軸16、軸受20,21,28,31,33、クランクピン29、可動スクロール部材25等に対して加工誤差等に起因する径方向への力が過大に加わることはない。
また、波板状ばね部材36には、その周方向における1箇所に、前記突部36bのない平坦部36c(低弾発部)が設けられている。すなわち、平坦部36cの両側に位置する両突部36b間の間隔は、他の部位において隣り合う両突部36b間の間隔よりも大きくなっている。これにより、第2支持孔32aに対し、平坦部36c側に相対変位した旋回軸部29bに波板状ばね部材36から加わるばね力は、平坦部36c以外の部位に向かって相対変位した旋回軸部29bに加わるばね力よりも小さくなるようになっている。すなわち、平坦部36cを含む部位における波板状ばね部材36のばね定数は、他の部位におけるばね定数よりも小さくなっている。そして、波板状ばね部材36は、第2支持孔32a内において、クランク軸16の回転軸部17の回転中心側(内径側)に平坦部36cが位置するように配置されている。
すなわち、電動圧縮機10の運転に伴って可動スクロール部材25の温度が上昇すると、可動スクロール部材25が熱膨張する。このとき、可動スクロール部材25の、クランク軸16の旋回軸部18を中心とする径方向での熱膨張に伴い、各クランクピン29の旋回軸部29bに対して筒部32(第2支持穴32a)が、図1,2に矢印Aで示す向き(外径側)に相対変位する。このとき、波板状ばね部材36は、旋回軸部29bに対して第2支持孔32aが相対変位する向きと反対側に平坦部36cが位置するように第2支持孔32a内に配設されている。
従って、可動スクロール部材25の熱膨張により、各クランクピン29の旋回軸部29bに対して第2支持孔32a(筒部32)が外径側に相対変位したときには、その相対変位が波板状ばね部材36によって有効に吸収され、波板状ばね部材36から軸受33に加わるばね力が過大とならない。また、波板状ばね部材36から軸受33を介してクランクピン29の旋回軸部29bに加わる荷重も過大とはならないので、回転軸部29aから軸受31に加わる荷重も過大とはならない。
この結果、クランク軸16や各クランクピン29のクランク偏心量にばらつきがあっても、また、可動スクロール部材25に熱膨張が発生しても、可動スクロール部材25の第2支持孔32aに対して位置ずれした旋回軸部29b(クランクピン29)から軸受33に加わる荷重が過大とはならない。このため、軸受31,33における機械損失の増大を招きにくく、圧縮機構15の効率低下を防止することができる。また、軸受31,33等の耐久性低下を防止することができる。
また、軸受支持手段は、リング状の波板状ばね部材36であって、低弾発部は、波板状ばね部材36において、その内周側に突出するように周方向に複数列設形成された突部36bが設けられていない平坦部36c(突部36bが設けられていない部位)からなる。このため、従来の波板状ばね部材における周方向の一部に、平坦部36cを形成するだけでよいので、波板状ばね部材36を容易に製造することができる。
次に、上記実施形態以外の実施形態を記載する。
○ 前記波板状ばね部材36において径方向に対向する両位置に、それぞれ平坦部36cを設ける。そして、両平坦部36cの一方が回転軸部17側(内径側)に、他方が回転軸部17と反対側(外径側)にそれぞれ位置するように、波板状ばね部材36が第2支持孔32a内に配置された構成とする。
○ 前記波板状ばね部材36において径方向に対向する両位置に、それぞれ平坦部36cを設ける。そして、両平坦部36cの一方が回転軸部17側(内径側)に、他方が回転軸部17と反対側(外径側)にそれぞれ位置するように、波板状ばね部材36が第2支持孔32a内に配置された構成とする。
○ 図4に示すように、低弾発部を、波板状ばね部材36の周方向における1箇所に設けた突部36dとしてもよい。この突部36dは、他の部位に設けられた突部36bよりも広い幅を有し、この結果、波板状ばね部材36の径方向におけるばね定数が、突部36bの同ばね定数よりも小さくなっている。
○ 図5に示すように、低弾発部を、波板状ばね部材36の周方向における1箇所に設けた突部36eとしてもよい。この突部36eにおける基材の厚さは、他の部位に設けられた突部36bの基材よりも薄くされ、この結果、波板状ばね部材36の径方向におけるばね定数が、突部36bの同ばね定数よりも小さくなっている。
○ 図6に示すように、第2支持孔32aには、可動スクロール部材25の熱膨張に伴う旋回軸部29bの径方向での相対変位方向に、第2支持孔32aの径方向外側に後退した後退部32bを設ける。一方、波板状ばね部材36において、後退部32b内に配設される部位には、突部36bよりも径方向の高さが高い突部36fを設ける。突部36fのばね定数は、突部36bのばね定数よりも小さくなっている。この構成では、後退部32b及び突部36fが低弾発部を構成する。
○ センタハウジング12の第1支持孔30に対する軸受31の支持構造に、本発明の軸受装置を適用してもよい。この場合、可動スクロール部材25の熱膨張に伴い、第1支持孔30に対してクランクピン29の回転軸部29aが径方向外向きに相対変位する。このとき、波板状ばね部材36は、第1支持孔30に対して回転軸部29aが相対変位する向きに平坦部36cが位置するように第1支持孔30内に配設される。
さらに、可動スクロール部材25の各筒部32における軸受33の支持構造と、センタハウジング12の各第1支持孔30における軸受31の支持構造との両方に本発明の軸受装置を適用してもよい。
○ 波板状ばね部材36に代えて、軸受支持部材としてリング状のゴム部材を配設した構成とする。このゴム部材は、その周方向における一部の厚さが、他の部位の厚さよりも薄く設定され、ゴム部材の径方向における弾力のばね定数が、他の部位の同ばね定数よりも小さくなっている。
○ 固定側部材は、ハウジング内に設けられた固定スクロール部材であってもよい。
○ 本発明は、空気圧縮用に限らず、冷媒圧縮用のスクロール型圧縮機の圧縮機構において、自転阻止機構のクランクピンを支持する軸受装置に具体化してもよい。
○ 本発明は、空気圧縮用に限らず、冷媒圧縮用のスクロール型圧縮機の圧縮機構において、自転阻止機構のクランクピンを支持する軸受装置に具体化してもよい。
○ 本発明は、モータを動力とするスクロール型圧縮機に限らず、外部のエンジンを動力とするスクロール型圧縮機の圧縮機構において、自転阻止機構のクランクピンを支持する軸受装置に具体化してもよい。
○ 本発明は、内蔵されたモータ14の動力によって駆動されるスクロール型圧縮機に限らず、外部から供給されるエンジン動力によって駆動されるスクロール型圧縮機に実施してもよい。
○ 本発明は、スクロール型圧縮機に限らず、真空ポンプ等のスクロール型膨張機に実施してもよい。
10…スクロール型流体機械としての電動圧縮機、12…固定側部材としてのセンタハウジング、16…軸としてのクランク軸、16b…旋回軸部、25…可動スクロール部材、29…軸としてのクランクピン、29a…回転軸部、29b…旋回軸部、30…第1支持孔、31,33…軸受、32a…第2支持孔、32b…低弾発部を構成する後退部、36…軸受支持部材としての波板状ばね部材、36b…突部、36c…低弾発部及び部位としての平坦部、36d,36e…低弾発部としての突部、36f…低弾発部を構成する突部、40…自転阻止機構。
Claims (5)
- 軸を支持するための軸受を、支持孔の内周面に対して、弾性材よりなるリング状の軸受支持部材を介在させて支持孔の径方向に変位可能な状態で弾発的に支持する軸受装置であって、
前記軸受支持部材の周方向における一部には、その径方向におけるばね定数が他の部位よりも小さい低弾発部が設けられている軸受装置。 - 前記軸受支持部材は、リング状の波板状ばね部材であって、その内周側に突出するように周方向に列設形成された複数の突部を有し、
前記低弾発部は、前記波板状ばね部材において、前記突部が設けられていない部位からなる請求項1に記載の軸受装置。 - 前記軸受支持部材は、リング状の波板状ばね部材であって、その内周側に突出するように周方向に列設形成された複数の突部を有し、
前記低弾発部は、前記波板状ばね部材において、周方向の幅が他の突部の同幅よりも広い前記突部からなる請求項1に記載の軸受装置。 - 前記軸受支持部材は、リング状の波板状ばね部材であって、その内周側に突出するように周方向に列設形成された複数の突部を有し、
前記低弾発部は、前記波板状ばね部材において、その基材の厚さが他の突部よりも薄くされた前記突部からなる請求項1に記載の軸受装置。 - クランク軸の旋回軸部に対し回転可能に支持された可動スクロール部材と、
前記旋回軸部の旋回に伴う前記可動スクロール部材の自転を阻止する自転阻止機構とを備え、
前記自転阻止機構は、固定側部材に設けられた第1支持孔と、前記可動スクロール部材に設けられた第2支持孔とにそれぞれ軸受を介して支持されるクランクピンからなるスクロール型流体機械において、
前記第1支持孔及び第2支持孔の少なくともいずれか一方の内周面と、前記クランクピンを支持する軸受の外周面との間に請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の軸受支持部材を介在させるとともに、前記可動スクロール部材の熱膨張に伴う前記クランクピンの前記第1支持孔又は第2支持孔に対する径方向での変位方向に前記低弾発部を配置したスクロール型流体機械。
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