JP5503574B2 - レーザダイオード - Google Patents

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Description

本発明は、レーザダイオードに関するものである。
特許文献1には、ジャンクションダウン実装される半導体レーザと実装基板との熱伝導を劣化させることなくはんだと電極との反応を抑制するために、電極の一部を絶縁膜で被覆する技術が記載されている。
特許文献2には、アノード電極とカソード電極とが基板の同一面側に設けられている半導体レーザのこれらの電極間を、ジャンクションダウン実装のために絶縁膜によって分離する技術が記載されている。
特許文献3には、波長が相互に異なる複数の半導体レーザが共通の基板上に形成された構成を備える半導体レーザ装置において、半導体レーザ間に溝を形成することにより、ジャンクションダウン実装の際の電流のリークを防ぐ技術が記載されている。
特許文献4には、基板の一方の面上に正電極及び負電極を有する半導体素子を支持体にフェースダウンで固定する方法において、支持体の形状を工夫することにより、正電極と負電極との間にはんだが流れることを防ぎ、正負間のショートを防止する技術が記載されている。
特開2004−087866号公報 特開2000−058965号公報 特開2001−135891号公報 特開2003−092431号公報
レーザダイオードを実装基板等に実装する方法として、一般的に、支持基板の裏面と実装基板とを対向させた状態ではんだ付けを行う方法(ジャンクションアップ実装)と、支持基板の主面(すなわち活性層等の半導体層が積層された面)と実装基板とを対向させた状態ではんだ付けを行う方法(ジャンクションダウン実装)とがある。例えば、レーザダイオードへの投入電力が大きいような場合には、活性層付近における発熱を効果的に逃がす目的で、ジャンクションダウン実装が採用されることがある。特に、窒化ガリウム系の緑色レーザダイオードに対しては、投入電力が極めて大きいことから、このような実装方法が好適である。
しかしながら、レーザダイオードをジャンクションダウンで実装する場合、次の課題がある。すなわち、ジャンクションダウン実装では、支持基板上に形成された活性層等の半導体層が実装基板と近接することとなる。このため、電極と実装基板との間に配置されるはんだが側方へはみ出すと、そのはんだが半導体層の側面に接触して電流のリークが生じるおそれがある。ここで、図8は、レーザダイオード100をジャンクションダウンで実装した様子を示す走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。図8(a)は、レーザダイオード100及び実装基板102を上方から写した写真であり、図8(b)は、図8(a)の部分Aを斜め上方から拡大して写した写真である。図8(b)を参照すると、レーザダイオード100と実装基板102との間に配置されたはんだ104が、レーザダイオード100の側方へはみ出していることがわかる。なお、ジャンクションアップ実装では、支持基板の厚みの分だけ半導体層と実装基板とが離れているので、はんだがはみ出たとしても、このような問題が生じることは少ない。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、ジャンクションダウンで実装する場合であっても電流のリークを抑えることができるレーザダイオードを提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明によるレーザダイオードは、支持基板の主面上に設けられ、該主面に沿って延びる光共振器を含む半導体積層構造と、半導体積層構造の上に設けられた電極とを備え、光共振器の一対の端面をそれぞれ含む半導体積層構造の一対の側面に誘電体膜が形成されており、半導体積層構造の積層方向における、少なくとも一方の側面に形成された誘電体膜の縁部が電極上にわたって延びており、該縁部の平均粗さが0.1μm以上0.5μm以下であることを特徴とする。
このレーザダイオードにおいては、半導体積層構造の一対の側面に形成される誘電体膜の少なくとも一方が、電極上にわたって延びる縁部を有しており、この縁部は、その平均粗さが0.1μm以上0.5μm以下といった粗い表面形状を有している。従って、このレーザダイオードのジャンクションダウン実装の際には、この縁部が、実装基板に最も近接することとなる。そして、この縁部によって電極と実装基板との隙間が拡大するので、レーザダイオードの側方へのはんだのはみ出し量を少なく抑えることができる。すなわち、上記レーザダイオードによれば、ジャンクションダウンで実装する場合であっても電流のリークを効果的に抑えることができる。
なお、このような粗い表面形状を有する縁部は、レーザダイオードの側面に誘電体膜を形成する際の形成条件(例えば成膜温度など)を調整することによって形成可能である。例えば成膜温度を調整することによってこのような縁部を形成するためには、成膜温度を通常より低くするとよい。成膜温度を低くすると成膜中のマイグレーションが低下し、膜の縁部にこのような粗い表面形状が生じやすくなるからである。
また、上記レーザダイオードは、電極の表面を基準とする縁部の平均厚さが0.25μm以上であることを特徴としてもよい。本発明者の実験によれば、このような厚さを有する縁部によって、電流のリークをより効果的に抑えることができる。
また、上記レーザダイオードは、誘電体膜が、屈折率が互いに異なる第1及び第2の膜が交互に積層されて成ることを特徴としてもよい。レーザダイオードにおいて、このような誘電体膜は高反射率膜(HR膜)及び反射防止膜(AR膜)として働くことができる。従って、このレーザダイオードによれば、特別な工程を増加させることなく、上述した効果を有する誘電体膜を形成することができる。
また、上記レーザダイオードは、誘電体膜が、電子ビーム法及びECR法のうち少なくとも一方により形成されていることを特徴としてもよい。これにより、上述した作用効果を奏する誘電体膜を好適に形成することができる。
また、上記レーザダイオードは、半導体積層構造がIII族窒化物半導体からなることを特徴としてもよい。半導体積層構造が例えば窒化ガリウム系半導体といったIII族窒化物半導体からなる場合には、前述したように、放熱のためにジャンクションダウン実装を行う場合が多い。このようなレーザダイオードに対し、本発明によれば、側方へのはんだのはみ出し量を少なく抑え、電流のリークを効果的に抑えることができる。
また、上記レーザダイオードは、光共振器の発振波長が500nm以上600nm以下であることが好ましい。
また、上記レーザダイオードは、支持基板がIII族窒化物半導体からなり、支持基板の主面が、該III族窒化物半導体の半極性面または無極性面を含むことが好ましい。
また、上記レーザダイオードは、支持基板の主面における法線ベクトルと、支持基板のIII族窒化物半導体のc軸との成す傾斜角は、10度以上80度以下、又は100度以上170度以下の範囲に含まれることが好ましい。或いは、上記レーザダイオードは、支持基板の主面における法線ベクトルと、支持基板のIII族窒化物半導体のc軸との成す傾斜角は、63度以上80度以下、又は100度以上117度以下の範囲に含まれることが好ましい。
本発明に係るレーザダイオードによれば、ジャンクションダウンで実装する場合であっても電流のリークを抑えることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るレーザダイオードの構成を示す斜視図である。 図2は、誘電体膜の上縁部付近の構造を拡大して示す断面図である。 図3は、レーザダイオードを実装基板にジャンクションダウン実装した様子を示す断面図である。 図4(a)は、ECR法によって形成された誘電体膜を示すSEM写真である。図4(b)は、電子ビーム法によって形成された誘電体膜を示すSEM写真である。 図5は、誘電体多層膜の上縁部のSEM像を示す図である。(a)は凹凸が大きい場合を示しており、(b)は凹凸が小さい場合を示している。 図6は、誘電体多層膜の上縁部の透過型電子顕微鏡像(TEM像)を示す図である。 図7は、誘電体多層膜の上縁部の厚さと、レーザダイオードチップのリークとの関係を、ヒストグラムによって表した図である。 図8は、従来のレーザダイオードをジャンクションダウンで実装した様子を示すSEM写真である。(a)は、レーザダイオード及び実装基板を上方から写した写真であり、(b)は、(a)の部分Aを斜め上方から拡大して写した写真である。
以下、添付図面を参照しながら本発明によるレーザダイオードの実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
(実施の形態)
図1は、本発明の一実施形態に係るレーザダイオード10の構成を示す斜視図である。このレーザダイオード10は、490nm以上(より好ましくは500nm以上600nm以下)の発振波長の光を発生するIII族窒化物半導体レーザダイオードである。レーザダイオード10は、支持基板としての半導体基板12と、半導体積層構造14と、アノード電極16と、カソード電極18とを備える。
半導体基板12は、III族窒化物半導体からなり、一実施例ではn型GaNからなる。半導体基板12の厚さは、例えば100μmである。半導体基板12は、半極性面または無極性面を含む主面12a及び裏面12bを有する。すなわち、半導体基板12を構成するIII族窒化物のc軸は、主面12aに対して傾斜している。半導体基板12の主面12aの傾斜角は、主面12aの法線ベクトルとc軸との成す角度によって規定される。この角度は、10度以上80度以下の範囲にあることができ、或いは100度以上170度以下の範囲にあることができる。半導体基板12が例えばGaNである場合、この角度範囲によればGaNの半極性の性質を提供できる。さらに、傾斜角は63度以上80度以下の範囲にあることが好ましく、或いは100度以上117度以下の範囲にあることが好ましい。この角度範囲によれば、500nm以上の発光のための活性層34(後述)に好適なIn組成のInGaN層を提供できる。
半導体積層構造14は、III族窒化物半導体からなる。半導体積層構造14は、半導体基板12の主面12a上に設けられており、主面12aの法線方向に積層された複数の半導体層からなる。本実施形態の半導体積層構造14は、n型クラッド領域22、p型クラッド領域24、及びコア半導体領域26を有する。
n型クラッド領域22は、半導体基板12と同じ導電型のIII族窒化物半導体からなり、例えばn型AlGaN、n型InAlGaN等からなることができる。p型クラッド領域24は、半導体基板12とは異なる導電型のIII族窒化物半導体からなり、例えばp型AlGaN、p型InAlGaN等からなることができる。n型クラッド領域22及びp型クラッド領域24は、半導体基板12の主面12a上に設けられている。
コア半導体領域26は、n型クラッド領域22とp型クラッド領域24との間に設けられている。コア半導体領域26は、第1光ガイド層32、活性層34及び第2光ガイド層36を含む。活性層34は、第1光ガイド層32と第2光ガイド層36との間に設けられている。活性層34は、単一層からなることができ、或いは量子井戸構造を有することができる。必要な場合には、量子井戸構造は、交互に配列された井戸層及び障壁層を含むことができる。井戸層はInGaN等からなることができ、障壁層はGaN又はInGaN等からなることができる。一実施例では、井戸層の厚さは例えば3nmであり、障壁層の厚さは例えば15nmであり、井戸層の数は例えば3つである。活性層34の発光波長は、井戸層のバンドギャップやIn組成、その厚さ等によって制御される。
第1光ガイド層32は、第1GaN層32a及び第1InGaN層32bを含む。同様に、第2光ガイド層36は、第2GaN層36a及び第2InGaN層36bを含む。InGaN層32b及び36bは例えばアンドープであり、GaN層32aの導電型はn型であり、GaN層36aの導電型はp型である。InGaN層32b,36bのIn組成は、活性層34内のInGaN井戸層のIn組成より小さい。第1GaN層32aは、n型クラッド領域22と第1InGaN層32bとの間に設けられ、第1InGaN層32bは、活性層34と第1GaN層32aとの間に設けられる。第2GaN層36aは、p型クラッド領域24と第2InGaN層36bとの間に設けられ、第2InGaN層36bは、活性層34と第2GaN層36aとの間に設けられる。
レーザダイオード10は、p型クラッド領域24上に設けられたp型コンタクト層28を更に備える。p型コンタクト層28は、例えばGaN、AlGaN等からなる。アノード電極16が絶縁膜44の開口を介してp型コンタクト層28に接触している。半導体基板12の裏面12bには、カソード電極18が接触している。
半導体積層構造14には、電流狭窄の為のリッジ構造52が形成されている。リッジ構造52は、ストライプ状の平面形状を有しており、コア半導体領域26の幅方向の屈折率を変化させることによって、半導体基板12の主面12aに沿って延びる光導波路をコア半導体領域26に形成する。この光導波路の両端面は、半導体積層構造14の一対の側面14a、14bに達している。これにより、半導体積層構造14には、半導体基板12の主面12aに沿って延びる光共振器が形成されている。
リッジ構造52は、第2光ガイド層36、p型クラッド領域24、及びp型コンタクト層28を含む。リッジ構造52上には、絶縁膜44及びアノード電極16が設けられている。アノード電極16は、絶縁膜44の開口を介してp型コンタクト層28とオーミック接合を成す。また、半導体基板12の裏面12bには、カソード電極18が設けられている。カソード電極18は、半導体基板12の裏面12bとオーミック接合を成す。
レーザダイオード10は、誘電体膜62及び64を更に備える。誘電体膜62は、半導体積層構造14の光共振器の一方の端面を覆う為に、該端面を含む半導体積層構造14の一方の側面14a(本実施形態では、半導体基板12の一側面を含むレーザダイオード10の一側面)上に形成されている。また、誘電体膜64は、半導体積層構造14の光共振器の他方の端面を覆う為に、該端面を含む半導体積層構造14の他方の側面14b(本実施形態では、半導体基板12の他の一側面を含むレーザダイオード10の他の一側面)上に形成されている。誘電体膜62及び64は、屈折率が互いに異なる第1及び第2の膜が交互に積層されて成る誘電体多層膜であることができる。誘電体膜62は例えば反射防止膜(AR膜)として機能し、誘電体膜64は例えば高反射率膜(HR膜)として機能する。
ここで、図2は、誘電体膜62の上縁部付近の構造を拡大して示す断面図である。図2は、半導体積層構造14の積層方向及びリッジ構造52の延伸方向を含む切断面でもってレーザダイオード10が切断された様子を示している。なお、誘電体膜64も、層数を除いて、以下に説明する誘電体膜62と同様の構成及び形状を有する。
図2に示されるように、誘電体膜62は、屈折率が互いに異なる第1の膜62a及び第2の膜62bが交互に積層されて成る。第1の膜62aの構成材料は、例えばTiOである。第2の膜62bの構成材料は、例えばSiOである。AR膜としての誘電体膜62は、第1の膜62a及び第2の膜62bを例えばそれぞれ4層ずつ有するとよい。なお、HR膜としての誘電体膜64は、第1及び第2の膜を例えばそれぞれ5層ずつ有するとよい。
また、半導体積層構造14の積層方向における誘電体膜62の縁部(以下、単に上縁部という)62cは、半導体積層構造14の側面14a上からアノード電極16上にわたって延びている。一実施例では、この上縁部62cは、アノード電極16の表面16aを含む仮想平面から半導体積層構造14の積層方向に突き出ており、且つ、誘電体膜62の最表面を含む仮想平面からリッジ構造52の延伸方向に突き出ている。また、アノード電極16の表面16a上において、上縁部62cは凹凸状または粒形状といった粗い表面形状を有しており、その算術平均粗さRaは例えば0.1μm以上0.5μm以下である。この粗い表面形状を有する部分は、アノード電極16の表面16a上においてリッジ構造52の延伸方向に沿って並んでいる。
このような上縁部62cは、レーザダイオード10の側面に誘電体膜62を形成する際の形成条件(例えば成膜温度など)が調整されることによって好適に生成される。例えば成膜温度を調整することによってこのような粗い表面形状を有する上縁部62cを生成させるためには、成膜温度を通常より低くするとよい。成膜温度を低くすると膜のマイグレーションが低下し、誘電体膜62の上縁部62cにこのような粗い表面形状を有する部分が生じやすくなるからである。
図2には、アノード電極16の表面16aを含む仮想平面を基準とする、上縁部62cの厚さTが示されている。本発明の実験によれば、この厚さTの平均値は、0.25μm以上であることが好ましい。また、この厚さTが厚くなると、同時に上縁部62cの下端が半導体基板12へ近づく方向へ伸びる。従って、上縁部62cの厚さTは、上縁部62cが半導体積層構造14の光共振器の端面を覆わない程度に抑えられることが好ましい。
以上の構成を備えるレーザダイオード10によれば、次の効果を奏することができる。図3は、レーザダイオード10を実装基板70にジャンクションダウン実装した様子を示す断面図である。この図は、半導体基板12の厚さ方向及び光共振器の長手方向を含む切断面でレーザダイオード10を切断した様子を示している。実装基板70とレーザダイオード10との間には、導電性接着剤としてのはんだ72が配置されている。図3に示されるように、このレーザダイオード10のジャンクションダウン実装の際には、誘電体膜62,64の縁部62c,64cが、実装基板70に最も近接することとなる。そして、これらの縁部62c,64cによって、アノード電極16と実装基板70との隙間が拡大することとなる。従って、アノード電極16と実装基板70との隙間におけるはんだ72の収容量が増し、レーザダイオード10の側方へのはんだ72のはみ出し量を少なく抑えることができる。すなわち、本実施形態のレーザダイオード10によれば、ジャンクションダウンで実装する場合であっても電流のリークを効果的に抑えることができる。そして、レーザダイオード10をジャンクションダウンで実装することによって、高い放熱特性を有する高出力のレーザダイオード装置を作製することが可能となる。
また、本実施形態のように、誘電体膜62及び64は、屈折率が互いに異なる2種類の膜が交互に積層されて成ることが好ましい。レーザダイオード10において、このような誘電体膜62及び64はHR膜及びAR膜として働くことができる。従って、工程を増加させることなく、上述した効果を有する誘電体膜62及び64を得ることができる。
また、本実施形態のように、半導体積層構造14はIII族窒化物半導体からなることが好ましい。半導体積層構造14が例えば窒化ガリウム系半導体といったIII族窒化物半導体からなる場合には、放熱のためにジャンクションダウン実装を行う場合が多い。これに対し、本実施形態のレーザダイオード10によれば、側方へのはんだのはみ出し量を少なく抑え、電流のリークを効果的に抑えることができる。
なお、本実施形態の上述した効果は、特に投入電力が大きな、III族窒化物半導体からなる緑色レーザダイオード(発振波長500nm以上550nm以下)において顕著となるが、発振波長550nm以上600nm以下であっても投入電力が大きくなる場合が多いと考えられ、上記効果が顕著となる。また、これらの発振波長に限らず、ジャンクションダウン実装が行われる青色、青紫、又は赤色といった他の波長のレーザダイオードにおいても上記効果を好適に奏することができる。
なお、上述した形状を有する誘電体膜62及び64は、コーティングのほか、電子ビーム法やECR(Electron Cyclotron Resonance)法によっても好適に形成されることができる。図4(a)は、ECR法によって形成された誘電体膜62を示す走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。また、図4(b)は、電子ビーム法によって形成された誘電体膜62を示すSEM写真である。双方共に、誘電体膜62の上縁部62cが好適に形成されていることがわかる。
(実施例)
半極性面である{20−21}面を主面とするn型窒化ガリウムウェハ上に、上述した実施形態と同様の構造を有する半導体積層構造を成長させ、アノード電極及びカソード電極を形成することにより、緑色のレーザ光を発振する複数のレーザダイオード構造を形成した。そのウェハをバー状に劈開し、そのレーザダイオードバーの劈開面(すなわち光共振器の両端面)に、TiO膜及びSiO膜からなる誘電体多層膜(端面コート)を形成した。そして、この誘電体多層膜のアノード電極上への回り込み部分(上縁部)のSEM像及び透過型電子顕微鏡像(TEM像)を観察し、アノード電極の表面を基準とする上縁部の厚さを観察した。図5はそのSEM像を示す図であり、図6はTEM像を示す図である。なお、図5において、(a)は凹凸が大きい場合(すなわち表面粗さが大きい場合)を示しており、(b)は凹凸が小さい場合(すなわち表面粗さが小さい場合)を示している。
その後、レーザダイオードバーを切断してチップ化した。そして、窒化アルミニウムから成る部材にAu膜を厚さ0.5μm蒸着し、その上にSnAgはんだを厚さ3μm蒸着して成るサブマウントを用意した。このサブマウントを、直径5.6mmのステム上に実装(マウント)し、その上に、上記レーザダイオードチップをジャンクションダウンで実装した。その状態で、レーザダイオードチップのリークによる不良を、電流電圧測定により確認した。そして、以上のような測定を、誘電体多層膜の成膜条件(温度等)を変化させることにより作成された複数のレーザダイオードチップに対して行った。
図7は、誘電体多層膜の上縁部の厚さと、レーザダイオードチップのリークとの関係を、ヒストグラムによって表した図である。図7に示されるように、上縁部の厚さが0.20μm以下である場合には、リーク発生率は88%(49個中、リーク発生数は43個)であったのに対して、上縁部の厚さが0.25μm以上である場合には、リーク発生率は顕著に改善され、0%(51個中、リーク発生数は0個)であった。このことから、アノード電極の表面を基準とする上縁部の厚さの好適な値は0.25μm以上であることがわかる。
このような結果が得られた理由として、次のことが考えられる。すなわち、ジャンクションダウン実装の際にはみ出たはんだの厚さが約0.1μm〜0.2μmであったことから、誘電体多層膜の上縁部によってこの厚さより大きな隙間がアノード電極とサブマウントとの間に形成されると、はんだのはみ出し量が顕著に低減する。
なお、レーザダイオードチップから出射されるレーザ光がサブマウントによって反射することを避けるために、レーザダイオードチップの出射側の側面をサブマウントから約20μmほどせり出させて実装した場合でも、リーク抑制に関する効果は顕著であった。このことは、レーザダイオードチップの背面側に設けられた誘電体多層膜(HR膜)の上縁部の形状もまた、リークの抑制に有効に作用することを示している。
本発明によるレーザダイオードは、上述した実施形態に限られるものではなく、他に様々な変形が可能である。例えば、上記実施形態ではリッジ構造を有するレーザダイオードに本発明を適用したが、本発明は、他の様々な形態のレーザダイオードに適用可能である。また、上記実施形態ではIII族窒化物半導体からなるレーザダイオードに本発明を適用したが、本発明は、他の様々な半導体材料からなるレーザダイオードに適用可能である。
10…レーザダイオード、12…半導体基板、12a…主面、12b…裏面、14…半導体積層構造、14a,14b…側面、16…アノード電極、18…カソード電極、22…n型クラッド領域、24…p型クラッド領域、26…コア半導体領域、28…p型コンタクト層、29…バッファ層、32…第1光ガイド層、34…活性層、36…第2光ガイド層、44…絶縁膜、52…リッジ構造、62,64…誘電体膜、62a…第1の膜、62b…第2の膜、62c,64c…上縁部、70…実装基板、72…はんだ。

Claims (4)

  1. 支持基板の主面上に設けられ、該主面に沿って延びる光共振器を含む半導体積層構造と、
    前記半導体積層構造の上に設けられた電極と、
    を備え、
    前記支持基板及び前記半導体積層構造がIII族窒化物半導体からなり、前記支持基板の前記主面が、該III族窒化物半導体の半極性面を含み、
    前記支持基板の前記主面における法線ベクトルと、前記支持基板のIII族窒化物半導体のc軸との成す傾斜角は、63度以上80度以下、又は100度以上117度以下の範囲に含まれ、
    前記光共振器の一対の端面をそれぞれ含む前記半導体積層構造の一対の側面に誘電体膜が形成されており、
    前記半導体積層構造の積層方向における、少なくとも一方の前記側面に形成された前記誘電体膜の上縁部が前記電極上にわたって延びており、該上縁部の厚さが0.25μm以上であり、該上縁部の平均粗さが0.1μm以上0.5μm以下であることを特徴とする、レーザダイオード。
  2. 前記誘電体膜は、屈折率が互いに異なる第1及び第2の膜が交互に積層されて成ることを特徴とする、請求項1に記載のレーザダイオード。
  3. 前記誘電体膜は、電子ビーム法及びECR法のうち少なくとも一方により形成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載のレーザダイオード。
  4. 前記光共振器の発振波長が500nm以上600nm以下であることを特徴とする、請求項1〜のいずれか一項に記載のレーザダイオード。
JP2011034940A 2011-02-21 2011-02-21 レーザダイオード Expired - Fee Related JP5503574B2 (ja)

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