JP5501195B2 - 導電性高分子溶液、導電性塗膜および入力デバイス - Google Patents
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Description
タッチパネルとしては、例えば、抵抗膜式タッチパネルが知られている。抵抗膜式タッチパネルにおいては、透明基材の片面に透明電極が形成された固定電極シートおよび可動電極シートが、透明電極同士が対向するように配置されている。電極シートの透明電極としては、インジウムドープの酸化錫の膜(以下、ITO膜という。)が広く使用されてきた。
透明基材の片面にITO膜が形成されたシート(以下、ITO膜形成シートという。)は可撓性が低く、固定しやすいため、画像表示装置側の固定電極シートとしては好適である。しかし、耐屈曲性が低いため、タッチパネルの入力者側の可動電極シートとして用いる場合には、繰り返し可撓した際の耐久性(耐水性、耐エタノール性、耐傷付き性)が低いという問題を有していた。
そこで、ITO膜形成シートの代替として、タッチパネルの入力者側の可動電極シートとして、透明基材の片面に、π共役系導電性高分子を含む導電性塗膜が形成された可撓性を有するシート(以下、導電性高分子膜形成シートという。)を用いることがある。
ところが、画像表示装置側の固定電極シートとしてITO膜形成シートを用い、タッチパネルの入力者側の可動電極シートとして導電性高分子膜形成シートを用いた場合、すなわち異導体同士を接続する場合には、接触抵抗が大きく、入力感度の低下や座標入力時間の遅れ等の問題が生じることがあった。
また、特許文献2,3には、π共役系導電性高分子を含む導電性塗膜に金属粒子を添加した電極シートが開示されている。しかしながら、特許文献2,3に記載の電極シートは、透明性が低くなることがあり、さらには、接触抵抗の低下が不均一になることがあった。そのため、抵抗膜式タッチパネルに適用した場合には、画像表示装置上に設置した際に画像表示装置の画像の視認性が低くなったり、入力感度の低下および座標入力時間の遅れが生じたりすることがあった。
したがって、特許文献1〜3に記載の電極シートはタッチパネル用として適していなかった。
これらの問題を解決するために、特許文献4では、π共役系導電性高分子を含む導電性塗膜にカーボンブラックを添加することが提案されている。
特許文献4に記載の塗膜を用いると接触抵抗に優れ、耐エタノール性に優れた電極シートを得ることができる。しかし、近年、タッチパネルの高機能化や使用環境の変化に伴い、さらなる優れた接触抵抗と、耐エタノール性の向上、透明性の向上および基材との密着性の向上が求められている。また、特許文献4に記載の導電性塗膜を形成するための導電性高分子溶液は保存安定性が不充分であり、導電性塗膜の摺動筆記耐久試験後の電圧分布の直線性も不充分であるという問題を有していた。
[2]さらに、オキセタン化合物、エポキシ化合物の一方または両方を含有することを特徴とする[1]に記載の導電性高分子溶液。
[3][1]または[2]に記載の導電性高分子溶液が塗布されて形成されたことを特徴とする導電性塗膜。
[4][3]に記載の導電性塗膜を透明電極として備えることを特徴とする入力デバイス。
本発明の導電性塗膜は、異導体に対する接触抵抗が小さく、導電性、耐久性、透明性、基材に対する密着性に優れている。
本発明の入力デバイスは、画像表示装置上に設置した際に画像表示装置の画像の視認性に優れ、動作不良が防止され、しかも耐久性にも優れる。
本発明の導電性高分子溶液は、π共役系導電性高分子と、ポリアニオンと、表面改質カーボンと、溶媒とを含有する。また、本発明の導電性高分子溶液は、必要に応じて、バインダ、硬化剤、導電性向上剤、添加剤を含有することができる。
π共役系導電性高分子は、主鎖がπ共役系で構成されている有機高分子であれば使用できる。例えば、ポリピロール類、ポリチオフェン類、ポリアセチレン類、ポリフェニレン類、ポリフェニレンビニレン類、ポリアニリン類、ポリアセン類、ポリチオフェンビニレン類、およびこれらの共重合体等が挙げられる。重合の容易さ、空気中での安定性の点からは、ポリピロール類、ポリチオフェン類およびポリアニリン類が好ましい。
π共役系導電性高分子は無置換のままでも、充分な導電性を得ることができるが、導電性をより高めるためには、アルキル基、カルボキシ基、スルホ基、アルコキシ基、ヒドロキシ基、シアノ基等の官能基をπ共役系導電性高分子に導入することが好ましい。
ポリアニオンとしては、例えば、置換若しくは未置換のポリアルキレン、置換若しくは未置換のポリアルケニレン、置換若しくは未置換のポリイミド、置換若しくは未置換のポリアミド、置換若しくは未置換のポリエステルであって、アニオン基を有する構成単位のみからなるポリマー、アニオン基を有する構成単位とアニオン基を有さない構成単位とからなるポリマーが挙げられる。
また、このアニオン基は、隣接してまたは一定間隔をあけてポリアニオンの主鎖に配置されていることが好ましい。
表面改質カーボンは、カーボンの表面に酸性官能基を有するものである。酸性官能基としては、カルボキシ基、ヒドロキシ基、スルホ基、ホスホ基が挙げられ、カルボキシ基およびヒドロキシ基の両方を有することが好ましい。
前記酸性官能基は、その一部又は全てが塩基性化合物の無機化合物によって中和されていてもよい。塩基性の無機化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、アンモニア等が挙げられる。また、中和によってpHは4〜7に調整されていることが好ましい。
ここで、酸性官能基当量とは、カルボキシ基当量、ヒドロキシ基当量、および塩基性化合物やナトリウムで中和され結合したカルボキシ基当量、ヒドロキシ基当量の和である。
なお、これらの官能基当量は下記の方法で測定する。
「カルボキシ基当量」:0.976mol/dm3の炭酸水素ナトリウム水溶液0.5dm3の中に、表面改質カーボン2〜5gを添加して6時間振とうして反応させる。その後、得られた反応液からカーボンを濾別する。そして、pHが7.0になるまで0.05mol/dm3の水酸化ナトリウム水溶液を用いて中和滴定して、カルボキシ基量を定量する。
「ヒドロキシ基当量」:2,2’−ジフェニル−1−ピクリルヒドラジド(DPPH)を四塩化炭素中に溶解して、濃度50mmol/dm3の溶液を調製する。該溶液に表面改質カーボンを0.1〜0.6g添加し、60℃の恒温槽中で6時間撹拌する。その後、カーボンを濾別し、濾液に含まれるヒドロキシ基量を、紫外線吸光光度計を用いて定量する。
「塩基で中和したカルボキシ基当量」、「塩基で中和したヒドロキシ基当量」:塩酸などの強酸で表面改質カーボンを処理してカルボキシ基、ヒドロキシ基にイオン結合した陰イオンを除去し、イオンクロマトグラフで陰イオンが検出されなくなったところを終点として、上記カルボキシ基量及びヒドロキシ基量の測定方法と同様にして定量する。
すなわち、三菱化学株式会社製、#2700、#2650、#2400、#2350、#1000、MA7、MA77、MA8、MA11、MA100、MA100R、MA220、MA230、独Degussa社製、Colour Black FW200、FW2、FW2V、FW285、FW1、FW18、S170、S160、Special Black6、5、4、4A、Printex U、V、140U、140V、米Cabot社製CAB−O−JET 200、300、東海カーボン株式会社製、トーカブラック#3855、3845、3800、Aqua−Black001、120、162、164などが挙げられる。
これらの中でも、カルボキシ基及びヒドロキシ基を適量に有することから、Aqua−Black001、120、162、164が好ましい。カルボキシ基及びヒドロキシ基を表面に有するカーボンブラックは、水中におけるカーボンブラック粒子同士の分散性により優れ、長期の保存安定性がより高い。
バインダは、耐久性および透明性の向上、基材との密着性向上を目的として含まれる。バインダは、熱硬化性樹脂であってもよいし、熱可塑樹脂であってもよく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド6、ポリアミド6,6、ポリアミド12、ポリアミド11等のポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル等のビニル樹脂、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、キシレン樹脂、アラミド樹脂、ポリイミドシリコーン、ポリウレタン、ポリウレア、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリエーテル、アクリル樹脂およびこれらの共重合体等が挙げられる。
バインダの中でも、基材との密着性が高いことから、オキセタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂が好ましい。
オキセタン樹脂を構成するオキセタン化合物の具体例としては、例えば、キシリレンビスオキセタン、3−エチル−3{[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}オキセタン、4,4’−(3−エチルオキセタン−3−イルメチルオキシメチル)ビフェニル、1,4−ビス{[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ]メチル}ベンゼン、ジ{1−エチル(3−オキセタニル)}メチルエーテル、1,6−ビス{(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシ}ヘキサン、9,9−ビス{2−メチル−4−[2−(3−オキセタニル)]ブトキシフェニル}フルオレン、9,9−ビス{4−{2−[2−(3−オキセタニル)]ブトキシ}エトキシフェニル}フルオレンなど2官能のオキセタン環を有する化合物、オキセタン化ノボラック樹脂などの多官能オキセタン化合物、3−エチル−3−(ヒドロキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−(2−エチルヘキシロキシメチル)オキセタン、3−エチル−3−フェノキシメチルオキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン、3−(メタクリロイルオキシメチル)−2−フェニルオキセタン等の1官能のオキセタン環を有する化合物が挙げられる。
エポキシ樹脂を構成するエポキシ化合物としては、水溶性エポキシ樹脂、エポキシエマルジョンが挙げられる。透明性の点から水溶性エポキシ樹脂であることが好ましい。さらにモノマーであることがより好ましい。水溶性エポキシ樹脂は、エポキシ基を有し、25℃の水100gに対して1g以上溶解する樹脂である。
水溶性エポキシ樹脂の具体例としては、例えば、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、脂肪酸変性エポキシ、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンポリグリシジルエーテル、ジグリセリンポリグリシジルエーテル、ポリグリセリンポリグリシジルエーテル、ソルビトール系ポリグリシジルエーテル、エチレンオキシドラウリルアルコールグリシジルエーテル、エチレンオキシドフェノールグリシジルエーテル、アジピン酸グリシジルエーテル、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアネート等が挙げられる。
水溶性エポキシ樹脂の中でも、2個以上のエポキシ基を有するものが好ましい。
エポキシ樹脂としては、例えば、ビフェニル型、ナフタレン型、フルオレン型、ポリアルキレングリコール型、アルキレングリコール型等の2官能タイプのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型、オルソクレゾールノボラック型、DPPノボラック型、3官能型、トリス・ヒドロキシフェニルメタン型、テトラフェニロールエタン型等の多官能タイプのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジルイソシアヌレート、ヒダントイン型、TRAD−D型、アミノフェノール型、アニリン型、トルイジン型等のグリシジルアミン型エポキシ樹脂、脂環型エポキシ樹脂、ウレタン結合を有するウレタン変性エポキシ樹脂、ポリブタジエンまたはポリアクリロニトリル−ブタジエンを含有するゴム変性エポキシ樹脂などが挙げられる。
アクリル樹脂を構成するアクリル化合物には単官能アクリル化合物と多官能アクリル化合物がある。
単官能アクリル化合物としては、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、エチル−α−ヒドロキシメチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリルアミドが挙げられる。
(メタ)アクリルアミド化合物の重合体は、π共役系導電性高分子とポリアニオンの複合体との相溶性が良い上に導電性をより向上させることもできる。
多官能アクリル化合物の具体例としては、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(以下、PEGと表記する。)400ジ(メタ)アクリレート、PEG300ジ(メタ)アクリレート、PEG600ジ(メタ)アクリレート、N,N’−メチレンビスアクリルアミド等の2官能アクリル化合物、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、グリセリンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エトキシ化グリセリントリアクリレート等の3官能アクリル化合物、ペンタエリスリトールエトキシテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(ペンタ)(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート等の4官能以上のアクリル化合物、ソルビトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート等の5官能以上のアクリル化合物、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、アルキレンオキサイド変性ヘキサアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の6官能以上のアクリル化合物、2官能以上のウレタンアクリレートが挙げられる。
また、多官能アクリル化合物のうち、多官能ウレタンアクリレートは、溶剤溶解性、耐摩耗性、低収縮の点で、分子量1000以下であることが好ましい。分子量が1000を超える多官能ウレタンアクリレートでは、イソシアネート基とポリオール(水酸基)により形成されるウレタン基の導入率が減少して、溶剤に対する溶解性が低くなる傾向にある。
導電性高分子溶液がバインダとしてオキセタン化合物やエポキシ化合物を含む場合には、得られる導電性塗膜の耐水性と強度がより高くなることから、オキセタン/エポキシ用の硬化剤を含有することが好ましい。
硬化剤としては、例えば、アミン系硬化剤、酸または酸無水物系硬化剤、塩基性活性水素化合物、イミダゾール類、ポリメルカプタン系硬化剤、イソシアネート系硬化剤等が挙げられる。
アミン系硬化剤としては、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等の脂肪族ポリアミン、イソホロンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン等の脂肪族ポリアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン等の芳香族ポリアミン、直鎖状ジアミン、テトラメチルグアニジン、トリエタノール、アミン、ピペリジン、ピリジン、ベンジルジメチルアミン等の2級アミン類または、3級アミン類、ダイマー酸とジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等のポリアミンとを反応させて得たポリアミドアミンなどが挙げられる。
酸または、酸無水物系硬化剤として、例えば、アジピン酸、アゼライン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、デカンジカルボン酸等のポリカルボン酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物等の芳香族無水物、無水マレイン酸、無水コハク酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸等の環状脂肪族酸無水物、ポリアジピン酸無水物、ポリアゼライン酸無水物、ポリセバシン酸無水物、ドデセニル無水コハク酸、ポリ(エチル)オクタデカン二酸)無水物等の脂肪族酸無水物などが挙げられる。
活性水素化合物としては、例えば、有機酸ジヒドラジドなどが挙げられる。
イミダゾールとしては、例えば、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタンデシルイミダゾールなどが挙げられる。
ポリメルカプタン系硬化剤としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラチオグリコーレート、ジペンタエリスリトールヘキサチオグリコレート等のチオグリコール酸のエステルなどが挙げられる。
イソシアネート系硬化剤としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート等のイソシアネート化合物、イソシアネート基をフェノール、アルコール、カプロラクトン等と反応させてブロックイソシアネート化合物などが挙げられる。
カチオン発生化合物は、ルイス酸を発生させる化合物である。ここで、カチオン発生化合物の具体例としては、光カチオン開始剤、熱カチオン開始剤等が挙げられる。光カチオン開始剤と熱カチオン開始剤は併用しても構わない。
具体例としては、例えば、四フッ化ホウ素のフェニルジアゾニウム塩、六フッ化リンのジフェニルヨードニウム塩、六フッ化アンチモンのジフェニルヨードニウム塩、六フッ化ヒ素のトリ−4−メチルフェニルスルホニウム塩、四フッ化アンチモンのトリ−4−メチルフェニルスルホニウム塩、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ホウ素のジフェニルヨードニウム塩、アセチルアセトンアルミニウム塩とオルトニトロベンジルシリルエーテル混合体、フェニルチオピリジニウム塩、六フッ化リンアレン−鉄錯体が挙げられる。
光カチオン開始剤の市販品としては、CD−1012(サートマー社製)。PCI−019、PCI−021(日本化薬社製)、オプトマーSP−150、オプトマーSP−170(ADEKA社製)、UVI−6990(ダウケミカル社製)、CPI−100P、CPI100A(サンアプロ社製)、TEPBI−S(日本触媒社製)、WPI031、WPI−054、WPI−113、WPI−116、WPI−170(和光純薬工業社製)、イルガキュア250(チバ・スペシャルティ・ケミカル社製)等が挙げられる。
三新化学社製以外の熱カチオン開始剤としては、例えば、アデカオプトンCP−66、CP−77(ADEKA社製)、CI−2920、CI2921、CI2946、CI−2639、CI−2624、CI−2064(日本曹達社製)、FC−520(スリーエム社製)等が挙げられる。
上記カチオン発生化合物は1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
導電性高分子溶液がバインダとしてアクリル化合物を含有する場合、アクリル化合物の重合では、ラジカル重合法、熱重合法、光ラジカル重合法、カチオン重合法、プラズマ重合法を適用できる。
ラジカル重合法では、重合開始剤として、例えばアゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、過酸化ベンゾイル、ジアシルペルオキシド類、ペルオキシエステル類、ヒドロペルオキシド類等の過酸化物などを用いて重合する。
光ラジカル重合法では、重合開始剤として、カルボニル化合物、イオウ化合物、有機過酸化物、アゾ化合物などを用いて重合する。具体的には、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、キサントン、チオキサントン、2−エチルアントラキノン、アセトフェノン、トリクロロアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインエーテル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ベンジル、メチルベンゾイルホルメート、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、テトラメチルチウラム、ジチオカーバメート、過酸化ベンゾイル、N−ラウリルピリジウムアジド、ポリメチルフェニルシランなどが挙げられる。さらに、光ラジカル重合法光増感剤として、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン等を混合できる。
また、カチオン重合法では、カチオン重合開始剤として、アリールジアゾニウム塩類、ジアリールハロニウム塩類、トリフェニルスルホニウム塩類、シラノール/アルミニウムキレート、α−スルホニルオキシケトン類等を用いることができる。
プラズマ重合では、プラズマを短時間照射し、プラズマの電子衝撃によるエネルギーを受けて、フラグメンテーションとリアレンジメントをしたのち、ラジカルの再結合により重合体を生成する。
溶媒は、表面改質カーボンの分散性の点から、水を主体としていることが好ましく、安価で安全性の面から水、特に脱イオン水がより好ましい。
溶媒としては、水溶性有機溶媒を用いることもできる。水溶性有機溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノールなどの水溶性のアルコール類、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール類、グリセリン、ポリグリセリン、1,2-ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール等の多価アルコール類、アセトンなどの水溶性のケトン類、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸などの水溶性の脂肪酸類、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどの水溶性の窒素化合物、ジメチルスルホキシドなどの水溶性の硫黄化合物など挙げられる。
導電性向上剤は、導電性高分子溶液から形成される導電性塗膜の導電性を向上させる成分である。
具体的に、導電性向上剤は、前記アクリル化合物、窒素含有芳香族性環式化合物、2 個以上のヒドロキシ基を有する化合物、2個以上のカルボキシ基を有する化合物、1個以上のヒドロキシ基および1個以上のカルボキシ基を有する化合物、アミド基を有する化合物、イミド基を有する化合物、ラクタム化合物、グリシジル基を有する化合物、水溶性有機溶剤からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である。
窒素含有芳香族性環式化合物としては、例えば、一つの窒素原子を含有するピリジン類及びその誘導体、二つの窒素原子を含有するイミダゾール類及びその誘導体、ピリミジン類及びその誘導体、ピラジン類及びその誘導体、三つの窒素原子を含有するトリアジン類及びその誘導体等が挙げられる。溶媒溶解性等の観点からは、ピリジン類及びその誘導体、イミダゾール類及びその誘導体、ピリミジン類及びその誘導体が好ましい。
2個以上のヒドロキシ基を有する化合物としては、例えば、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、D−グルコース、D−グルシトール、イソプレングリコール、ジメチロールプロピオン酸、ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、チオジエタノール、グルコース、酒石酸、D−グルカル酸、グルタコン酸等の多価脂肪族アルコール類;
セルロース、多糖、糖アルコール等の高分子アルコール;
1,4−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジヒドロキシベンゼン、2,3−ジヒドロキシ−1−ペンタデシルベンゼン、2,4−ジヒドロキシアセトフェノン、2,5−ジヒドロキシアセトフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,6−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,5−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、2,2’,5,5’−テトラヒドロキシジフェニルスルフォン、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフォン、ヒドロキシキノンカルボン酸及びその塩類、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、1,4−ヒドロキノンスルホン酸及びその塩類、4,5−ヒドロキシベンゼン−1,3−ジスルホン酸及びその塩類、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン−2,6−ジカルボン酸、1,6−ジヒドロキシナフタレン−2,5−ジカルボン酸、1,5−ジヒドロキシナフトエ酸、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルエステル、4,5−ジヒドロキシナフタレン−2,7−ジスルホン酸及びその塩類、1,8−ジヒドロキシ−3,6−ナフタレンジスルホン酸及びその塩類、6,7−ジヒドロキシ−2−ナフタレンスルホン酸及びその塩類、1,2,3−トリヒドロキシベンゼン(ピロガロール)、1,2,4−トリヒドロキシベンゼン、5−メチル−1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、5−エチル−1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、5−プロピル−1,2,3−トリヒドロキシベンゼン、トリヒドロキシ安息香酸、トリヒドロキシアセトフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾアルデヒド、トリヒドロキシアントラキノン、2,4,6−トリヒドロキシベンゼン、テトラヒドロキシ−p−ベンゾキノン、テトラヒドロキシアントラキノン、ガーリック酸メチル(没食子酸メチル)、ガーリック酸エチル(没食子酸エチル)等の芳香族化合物、ヒドロキノンスルホン酸カリウム等が挙げられる。
2個以上のカルボキシ基を有する化合物としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、マロン酸、1,4−ブタンジカルボン酸、コハク酸、酒石酸、アジピン酸、D−グルカル酸、グルタコン酸、クエン酸等の脂肪族カルボン酸類化合物;
フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、5−スルホイソフタル酸、5−ヒドロキシイソフタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、4,4’−オキシジフタル酸、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、ナフタレンジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等の、芳香族性環に少なくとも一つ以上のカルボキシ基が結合している芳香族カルボン酸類化合物;ジグリコール酸、オキシ二酪酸、チオ二酢酸(チオジ酢酸)、チオ二酪酸、イミノ二酢酸、イミノ酪酸等が挙げられる。
1個以上のヒドロキシ基及び1個以上のカルボキシ基を有する化合物としては、酒石酸、グリセリン酸、ジメチロールブタン酸、ジメチロールプロパン酸、D−グルカル酸、グルタコン酸等が挙げられる。
アミド基を有する化合物は、−CO−NH−(COの部分は二重結合)で表されるアミド結合を分子中に有する単分子化合物である。すなわち、アミド化合物としては、例えば、上記結合の両末端に官能基を有する化合物、上記結合の一方の末端に環状化合物が結合された化合物、上記両末端の官能基が水素である尿素及び尿素誘導体などが挙げられる。
アミド化合物の具体例としては、アセトアミド、マロンアミド、スクシンアミド、マレアミド、フマルアミド、ベンズアミド、ナフトアミド、フタルアミド、イソフタルアミド、テレフタルアミド、ニコチンアミド、イソニコチンアミド、2−フルアミド、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、プロピオンアミド、プロピオルアミド、ブチルアミド、イソブチルアミド、メタクリルアミド、パルミトアミド、ステアリルアミド、オレアミド、オキサミド、グルタルアミド、アジプアミド、シンナムアミド、グリコールアミド、ラクトアミド、グリセルアミド、タルタルアミド、シトルアミド、グリオキシルアミド、ピルボアミド、アセトアセトアミド、ジメチルアセトアミド、ベンジルアミド、アントラニルアミド、エチレンジアミンテトラアセトアミド、ジアセトアミド、トリアセトアミド、ジベンズアミド、トリベンズアミド、ローダニン、尿素、1−アセチル−2−チオ尿素、ビウレット、ブチル尿素、ジブチル尿素、1,3−ジメチル尿素、1,3−ジエチル尿素及びこれらの誘導体等が挙げられる。
アミド化合物としては、導電性がより高くなることから、イミド結合を有する単分子化合物(以下、イミド化合物という。)が好ましい。イミド化合物としては、その骨格より、フタルイミド及びフタルイミド誘導体、スクシンイミド及びスクシンイミド誘導体、ベンズイミド及びベンズイミド誘導体、マレイミド及びマレイミド誘導体、ナフタルイミド及びナフタルイミド誘導体などが挙げられる。
さらに、脂肪族イミド化合物は、分子内の炭素間に不飽和結合を有する飽和脂肪族イミド化合物と、分子内の炭素間に不飽和結合を有する不飽和脂肪族イミド化合物とに分類される。
飽和脂肪族イミド化合物は、R1−CO−NH−CO−R2で表される化合物であり、R1,R2の両方が飽和炭化水素である化合物である。具体的には、シクロヘキサン−1,2−ジカルボキシイミド、アラントイン、ヒダントイン、バルビツル酸、アロキサン、グルタルイミド、スクシンイミド、5−ブチルヒダントイン酸、5,5−ジメチルヒダントイン、1−メチルヒダントイン、1,5,5−トリメチルヒダントイン、5−ヒダントイン酢酸、N−ヒドロキシ−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド、セミカルバジド、α,α−ジメチル−6−メチルスクシンイミド、ビス[2−(スクシンイミドオキシカルボニルオキシ)エチル]スルホン、α−メチル−α−プロピルスクシンイミド、シクロヘキシルイミドなどが挙げられる。
不飽和脂肪族イミド化合物は、R1−CO−NH−CO−R2で表される化合物であり、R1,R2の一方又は両方が1つ以上の不飽和結合である化合物である。具体例は、1,3−ジプロピレン尿素、マレイミド、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−ヒドロキシマレイミド、1,4−ビスマレイミドブタン、1,6−ビスマレイミドヘキサン、1,8−ビスマレイミドオクタン、N−カルボキシヘプチルマレイミドなどが挙げられる。
ラクタム化合物とは、アミノカルボン酸の分子内環状アミドであり、環の一部が−CO−NR−(Rは水素又は任意の置換基)である化合物である。ただし、環の一個以上の炭素原子が不飽和やヘテロ原子に置き換わっていてもよい。
ラクタム化合物としては、例えば、ペンタノ−4−ラクタム、4−ペンタンラクタム−5−メチル−2−ピロリドン、5−メチル−2−ピロリジノン、ヘキサノ−6−ラクタム、6−ヘキサンラクタム等が挙げられる。
グリシジル基を有する化合物としては、例えば、エチルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、t−ブチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、ベンジルグリシジルエーテル、グリシジルフェニルエーテル、ビスフェノールA、ジグリシジルエーテル、アクリル酸グリシジルエーテル、メタクリル酸グリシジルエーテル等のグリシジル化合物などが挙げられる。
水溶性有機溶媒としては、例えば、N−メチル−2ピロリドン、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチレンホスホルトリアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド等の極性溶媒、クレゾール、フェノール、キシレノール等のフェノール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4ブチレングリコール、D−グルコース、D−グルシトール、イソプレングリコール、ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール等の多価脂肪族アルコール類、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート化合物、ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル化合物、ジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテル等の鎖状エーテル類、3−メチル−2−オキサゾリジノン等の複素環化合物、アセトニトリル、グルタロニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル化合物等が挙げられる。これらの溶媒は、単独で用いてもよいし、2種類以上の混合物としてもよい。
導電性高分子溶液には、必要に応じて、添加剤が含まれてもよい。添加剤としてはπ共役系導電性高分子及びポリアニオンと混合しうるものであれば特に制限されず、例えば、無機導電剤、消泡剤、カップリング剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などを使用できる。
無機導電剤としては、金属イオン(金属塩を水に溶解させて形成する)類、導電性カーボン等が挙げられる。
消泡剤としては、シリコーン樹脂、ポリジメチルシロキサン、シリコーンレジン等が挙げられる。
カップリング剤としては、ビニル基、アミノ基、エポキシ基等を有するシランカップリング剤等が挙げられる。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、糖類、ビタミン類等が挙げられる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、サリシレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、オギザニリド系紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系紫外線吸収剤、ベンゾエート系紫外線吸収剤等が挙げられる。酸化防止剤と紫外線吸収剤とは併用することが好ましい。
本発明の導電性塗膜は、上記導電性高分子溶液が塗布されて形成された塗膜である。
導電性高分子溶液の塗布方法として、例えば、バーコーティング、コンマコーティング、リバースコーティング、リップコーティング、スプレーコーティング、フレキソ印刷、グラビア印刷などが適用される。導電性高分子溶液塗布後には、硬化処理を施すことが好ましい。
硬化方法としては、加熱または光照射が適用される。加熱方法としては、例えば、熱風加熱や赤外線加熱などの通常の方法を採用できる。また、光照射により硬化する場合には、例えば、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプなどの光源から紫外線を照射する方法を採用できる。
紫外線照射における照度は100mW/cm2以上が好ましい。還元剤がアクリル化合物の重合を阻害することがあるため、照度が100mW/cm2未満であると、充分に架橋せず、導電性塗膜の耐摺動性(耐久性)が低くなる傾向にある。なお、本発明における照度は、トプコン社製UVR−T1(工業用UVチェッカー、受光器;UD−T36、測定波長範囲;300〜390nm、ピーク感度波長;約355nm)を用いて測定した値である。
本発明の入力デバイスは、上記本発明の導電性塗膜を透明電極として備えるものである。入力デバイスの中でも、本発明の効果がとりわけ発揮されることから、抵抗膜式タッチパネルが好適である。
以下、上記本発明の導電性塗膜を透明電極として備えた抵抗膜式タッチパネルの例について説明する。
本例の抵抗膜式タッチパネルは、図1に示すように、透明基材11表面に導電性塗膜12が形成され、入力者側に配置された可動電極シート10と、透明基材21表面にITO膜22が形成され、画像表示装置側に配置された固定電極シート20とが、導電性塗膜12とITO膜22が対向するように設けられたものである。また、可動電極シート10と固定電極シート20との間には、透明なドットスペーサ24が配置されて、隙間が形成されている。
可動電極シート10の導電性塗膜12の厚さは50〜700μmであることが好ましい。透明基材11の厚さが前記下限値以上であれば、充分な導電性を確保でき、前記上限値以下であれば、充分な可撓性及び透明性を確保できる。
固定電極シート20の透明基材21の厚さは0.8〜2.5mmであることが好ましい。透明基材11の厚さが前記下限値以上であれば、充分な強度を確保でき、前記上限値以下であれば、薄くすることができ、省スペース化を実現できる。
固定電極シート20のITO膜22の厚さは0.01〜1.0μmであることが好ましい。ITO膜22の厚さが前記下限値以上であれば、充分な導電性を確保でき、前記上限値以下であれば、薄くすることができ、省スペース化を実現できる。
可動電極シート10と固定電極シート20の非押圧時の間隔は20〜100μmであることが好ましい。可動電極シート10と固定電極シート20の非押圧時の間隔は前記下限値以上であれば、非押圧時に可動電極シート10と固定電極シート20とを確実に接触させないようにすることができ、前記上限値以下であれば、押圧時に可動電極シート10と固定電極シート20とを確実に接触させることができる。前記間隔になるようにするためには、ドットスペーサ24の大きさを適宜選択すればよい。
本発明の入力デバイスは、例えば、電子手帳、携帯情報端末(PDA)、携帯電話、PHS、現金自動預け払い機(ATM)、自動販売機、販売時点情報管理(POS)用レジスタなどに備え付けられる。
(製造例1)ポリスチレンスルホン酸の調製
1000mlのイオン交換水に206gのスチレンスルホン酸ナトリウムを溶解し、80℃で攪拌しながら、予め10mlの水に溶解した1.14gの過硫酸アンモニウム酸化剤溶液を20分間滴下し、この溶液を2時間攪拌した。
これにより得られたスチレンスルホン酸ナトリウム含有溶液に10質量%に希釈した硫酸を1000mlと10000mlのイオン交換水を添加し、限外ろ過法を用いてポリスチレンスルホン酸含有溶液の約10000ml溶液を除去し、残液に10000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法を用いて約10000ml溶液を除去した。上記の限外ろ過操作を3回繰り返した。
さらに、得られたろ液に約10000mlのイオン交換水を添加し、限外ろ過法を用いて約10000ml溶液を除去した。この限外ろ過操作を3回繰り返した。
限外ろ過条件は下記の通りとした(他の例でも同様)。
限外ろ過膜の分画分子量:30K
クロスフロー式
供給液流量:3000ml/分
膜分圧:0.12Pa
得られた溶液中の水を減圧除去して、無色の固形状のポリスチレンスルホン酸を得た。
14.2gの3,4−エチレンジオキシチオフェンと、36.7gの製造例1で得たポリスチレンスルホン酸を2000mlのイオン交換水に溶かした溶液とを20℃で混合した。
これにより得られた混合溶液を20℃に保ち、掻き混ぜながら、200mlのイオン交換水に溶かした29.64gの過硫酸アンモニウムと8.0gの硫酸第二鉄の酸化触媒溶液とをゆっくり添加し、3時間攪拌して反応させた。
得られた反応液に2000mlのイオン交換水を添加し、限外ろ過法を用いて約2000ml溶液を除去した。この操作を3回繰り返した。
そして、上記ろ過処理が行われた処理液に200mlの10質量%に希釈した硫酸と2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法を用いて約2000mlの処理液を除去し、これに2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法を用いて約2000mlの液を除去した。この操作を3回繰り返した。
さらに、得られた処理液に2000mlのイオン交換水を加え、限外ろ過法を用いて約2000mlの処理液を除去した。この操作を5回繰り返し、約1.5質量%の青色のポリスチレンスルホン酸ドープポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT−PSS)水溶液を得た。
製造例2で得たPEDOT−PSS水溶液100gに、#2350(三菱化学社製、カルボキシ基当量1.5μeq/m2、ヒドロキシ基当量0.2μeq/m2、平均粒子径15nm)0.096g(8質量%)を添加し、超音波振動機(アレックス・コーポレーション社製ハイパワー超音波洗浄機ネオネニック)を用いて撹拌して、#2350を含有したPEDOT−PSS水溶液を調製した。
これとは別に、ポリグリセリンポリグリシジルエーテル(阪本薬品工業社製SR−4GLS)3g、サンエイドSI−110L(三新化学社製)0.03g、ジメチルスルホキシド3.3g、エタノール133gを混合し、撹拌した。これにより得た溶液に、前記#2350を含有したPEDOT−PSS水溶液を添加して、超音波振動機にて攪拌し、導電性高分子溶液Aを得た。
導電性高分子溶液Aをポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績製A4300、厚さ:188μm)にバーコーターで塗布し、130℃、2分間、赤外線加熱により乾燥し、導電性塗膜を形成した。
導電性塗膜の表面抵抗、全光線透過率およびヘイズ、接触抵抗、耐傷性、耐水性、耐エタノール性、密着性、電圧分布の直線性と、溶液の保存安定性を以下の方法により測定した。それらの結果を表1に示す。
三菱化学社製ロレスタMCP−T600を用い、JIS K 7194に準じて測定した。測定結果を表1に示す。
日本電色工業社製ヘイズメータ測定器(NDH5000)を用い、JIS K7136に準じて全光線透過率およびヘイズを測定した。測定結果を表2に示す。
得られた導電性シートを40mm×50mmに裁断し、その裁断したシートの無機導電層12b上の幅方向の縁に導電性ペースト(藤倉化成社製FA−401CA)をスクリーン印刷し、乾燥させて電極配線13a,13bを形成して、入力者側の可動電極シート10(図2参照)を得た。
また、ITO膜22が設けられ、40mm×50mmに裁断されたガラス板21(表面抵抗:300Ω)を用意した。その用意したガラス板21のITO膜22上の長手方向の縁に、導電性ペースト(藤倉化成社製XA436)をスクリーン印刷し、乾燥させて電極配線23a,23bを形成した。次いで、ITO膜22上に、ドットスペーサ用ペースト(藤倉化成社製SN−8400C)をスクリーン印刷し、乾燥し、紫外線照射して、ドットスペーサ24を形成させた。次いで、電極配線23a,23b上に、レジスト用ペースト(藤倉化成社製SN−8800G)をスクリーン印刷し、乾燥し、UV照射して、絶縁層25を形成させた。さらに、絶縁層25上に、接着剤(藤倉化成社製XB−114)をスクリーン印刷し、乾燥させて、可動電極シート10に貼り合わせるための接着剤層26を形成させた。これにより、画像表示装置用の固定電極シート20(図3参照)を得た。
次いで、図4に示すように、可動電極シート10と固定電極シート20とを、無機導電層12bとITO膜22が対向するように配置させ、接着剤層26により貼り合せて抵抗膜式タッチパネルモジュールを作製した。また、固定電極シート20の一方の電極配線23aと精密電源31とを、プルアップ抵抗(82.3kΩ)32、およびプルアップ抵抗32に並列に接続されたプルアップ抵抗32の電圧測定用テスタ33を介して電気的に接続した。また、精密電源31と可動電極シート10の一方の電極配線13aとを電気的に接続した。また、可動電極シート10の他方の電極配線13bと固定電極シート20の他方の電極配線23bとを、抵抗膜式タッチパネルモジュールの電圧測定用テスタ34を介して電気的に接続した。これにより、接触抵抗測定用の電気回路を得た。
接触抵抗は次のように測定した。先端が0.8Rのポリアセタール製スタイラス35で、可動電極シート10を250gの荷重で押圧し、精密電源31により電圧5Vを印加した際のプルアップ抵抗の電圧と抵抗膜式タッチパネルモジュールの電圧を測定し、これらの測定結果より、接触抵抗を測定した。
具体的には、プルアップ抵抗32に流れる電流値を、測定した電圧値を用いてオームの法則から算出し、その算出した電流値および抵抗膜式タッチパネルモジュールの電圧値を下記式に代入して接触抵抗を求めた。
接触抵抗(Ω)=[(抵抗膜式タッチパネルモジュールの電圧(V))/(プルアップ抵抗の電圧(V))]×プルアップ抵抗(Ω)
導電性塗膜の塗膜強度を測定するため、キムワイプ(日本製紙クレシア社製)に、100gf/cm2の荷重をかけて50往復擦って傷付け試験を行った後、導電性塗膜の傷を目視により以下の評価基準に基づいて評価した。それらの結果を表1に示す。これらの結果は導電性塗膜の膜強度の指標になる。
◎ :傷なし、○:数本傷があり、△:数10本の傷があり、×:無数の傷があり
導電性塗膜の塗膜強度を測定するため、水もしくはエタノールで湿らせたキムワイプ(日本製紙クレシア社製)を、100gf/cm2の荷重をかけて50往復擦った後、導電性塗膜の剥がれを目視により以下の評価基準に基づいて評価した。また、表面抵抗と接触抵抗を測定した。それらの結果を表1に示す。
◎ :剥離なし、○:わずかに剥離、△:一部剥離、×:完全剥離
形成した導電性塗膜の表面を、透明基材(ポリエチレンテレフタレート、またはガラス)まで到達するようにして、カッターナイフで格子状の切り込みを入れた。その切り込みを入れた導電性塗膜にセロハンテープを接着した後、剥離した。その際の導電性塗膜の剥離状況を目視により観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。それらの結果を表1に示す。
◎ :剥離なし、○:わずかに剥離、△:一部剥離、×:完全剥離
タッチパネル研究所社製摺動筆記耐久試験機を用いて、タッチパネルの可動電極シートの表面に、直径0.8mmのペン先を有するポリアセタールペンの先端を450gの荷重で30万回摺動させた。
その摺動前後の電圧分布の直線性を下記のように測定した。結果を表1に示す。なお、摺動前後の電圧分布直線性の変化が小さい程、耐久性に優れる。
・電圧分布直線性
図5に示すように、可動電極シートにおいて、一方の電極配線と他方の電極配線とを一定電圧を印加すると共に、一方の電極配線から他方の電極配線に向かって任意の間隔で電圧を測定した。
理論的には電圧分布は直線になるが、実物では理論直線からのずれが見られる(図6参照)。測定開始点aにおける電圧をEa、測定終了点bにおける電圧をEb、測定開始点aから測定終了点bまでの距離をY、測定開始点aから測定点xまでの距離をX、印加電圧をEab、測定点xにおける実測の電圧をEx、測定点xにおける理論電圧をEx’とすると、直線性は下式で示される。
直線性(%)={(Ex’−Ex)/(Eb−Ea)}×100(%)
ただし、Ex’=Eab×(X/Y)+Ea
導電性高分子溶液を100mlのガラス製の試料瓶に80mlの溶液を入れ、40℃にて3日間放置し、溶液の安定性を評価した。3日間放置後の溶液を目視にて観察し、カーボンが全く沈殿していないものを「○」、カーボンが多量に沈殿しているものを「×」とした。それらの結果を表1に示す。
#2350(三菱化学社製、カルボキシ基当量1.5μeq/m2、ヒドロキシ基当量0.2μeq/m2、平均粒子径15nm)0.096g(8質量%)をMA230(三菱化学社製、カルボキシ基当量6.6μeq/m2、ヒドロキシ基当量0.2μeq/m2、平均粒子径30nm)0.084g(7質量%)に変更し、ポリグリセリンポリグリシジルエーテル(阪本薬品工業社製SR−4GLS)の添加量を2.532gに変更し、サンエイドSI−110L(三新化学社製)の添加量を0.02532gに変更した以外は、実施例1と同様にして導電性高分子溶液Bを調製した。そして、導電性高分子溶液Aの代わりに導電性高分子溶液Bを用いたこと以外は実施例1と同様に導電性塗膜を形成し、評価した。評価結果を表1に示す。
#2350(三菱化学社製)0.096g(8質量%)を、MA8(三菱化学社製、カルボキシ基当量3.8μeq/m2、ヒドロキシ基当量0.2μeq/m2、平均粒子径24nm)0.072g(6質量%)に変更し、ポリグリセリンポリグリシジルエーテル(阪本薬品工業社製SR−4GLS)の添加量を2.132gに変更し、サンエイドSI−110L(三新化学社製)の添加量を0.02132gに変更した以外は、実施例1と同様にして導電性高分子溶液Cを調製した。そして、導電性高分子溶液Aの代わりに導電性高分子溶液Cを用いたこと以外は実施例1と同様に導電性塗膜を形成し、評価した。評価結果を表1に示す。
#2350(三菱化学社製)0.096g(8質量%)を、MA100(三菱化学社製、カルボキシ基当量9.6μeq/m2、ヒドロキシ基当量0.2μeq/m2、平均粒子径24nm)0.06g(5質量%)に変更し、ポリグリセリンポリグリシジルエーテル(阪本薬品工業社製SR−4GLS)の添加量を2.935gに変更し、サンエイドSI−110L(三新化学社製)の添加量を0.2935gに変更した以外は、実施例1と同様にして導電性高分子溶液Dを調製した。そして、導電性高分子溶液Aの代わりに導電性高分子溶液Dを用いたこと以外は実施例1と同様に導電性塗膜を形成し、評価した。評価結果を表1に示す。
#2350(三菱化学社製)0.096g(8質量%)を、MA220(三菱化学社製、カルボキシ基当量4.3μeq/m2、ヒドロキシ基当量0.2μeq/m2、平均粒子径55nm)0.048g(4質量%)に変更し、ポリグリセリンポリグリシジルエーテル(阪本薬品工業社製SR−4GLS)3gを、3−エチル−3{[(3−エチルオキセタン−3−イル)メトキシ]メチル}オキセタン(東亞合成社製OXT221)1.125gに変更し、サンエイドSI−110L(三新化学社製)の添加量を0.01125gに変更した以外は、実施例1と同様にして導電性高分子溶液Eを調製した。そして、導電性高分子溶液Aの代わりに導電性高分子溶液Eを用いたこと以外は実施例1と同様に導電性塗膜を形成し、評価した。評価結果を表1に示す。
製造例2で得たPEDOT−PSS水溶液100gに、Aqua−Black162(東海カーボン社製、カルボキシ基当量4.8μeq/m2、ヒドロキシ基当量0.2μeq/m2、平均粒子径200nm、固形分濃度19.2質量%)を0.1875g(3質量%)を添加し、超音波振動機(アレックス・コーポレーション社製ハイパワー超音波洗浄機ネオネニック)を用いて撹拌して、Aqua−Black162(東海カーボン社製)を含有したPEDOT−PSS水溶液を調製した。
これとは別に、ペンタエリスリトールトリアクリレート0.52g、イルガキュア184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)0.0052g、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート3.3g、2,3,3’,4,4’,5’−ヘキサヒドロキシベンゾフェノン0.36g、エタノール133gを混合し、撹拌した。これにより得た溶液に、前記Aqua−Black162を含有したPEDOT−PSS水溶液を添加して、超音波振動機にて攪拌し、導電性高分子溶液Fを得た。
導電性高分子溶液Fをポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績製A4300、厚さ;188μm)に、バーコーターで塗布し、100℃、2分間、赤外線照射により乾燥した後、紫外線(高圧水銀灯120W、360mJ/cm2、178mW/cm2)照射し、硬化させて、導電性塗膜を形成した。導電性途膜は、実施例1と同様にして評価した。評価結果を表1に示す。
#2350(三菱化学社製)0.096g(8質量%)を、#25(三菱化学社製、カルボキシ基当量7.8μeq/m2、ヒドロキシ基当量0.2μeq/m2、平均粒子径25nm)0.024g(2質量%)に変更し、ポリグリセリンポリグリシジルエーテル(阪本薬品工業社製SR−4GLS)の添加量を2.25gに変更し、サンエイドSI−110L(三新化学社製)の添加量を0.0225gに変更した以外は、実施例1と同様にして導電性高分子溶液Gを調製した。そして、導電性高分子溶液Aの代わりに導電性高分子溶液Gを用いたこと以外は実施例1と同様に導電性塗膜を形成し、評価した。評価結果を表1に示す。
#2350(三菱化学社製)0.096g(8質量%)を、#5(三菱化学社製、カルボキシ基当量3.7μeq/m2、ヒドロキシ基当量0.2μeq/m2、平均粒子径76nm)0.018g(1.5質量%)に変更し、ポリグリセリンポリグリシジルエーテル(阪本薬品工業社製SR−4GLS)の添加量を2.58gに変更し、サンエイドSI−110L(三新化学社製)の添加量を0.0258gに変更した以外は、実施例1と同様にして導電性高分子溶液Hを調製した。そして、導電性高分子溶液Aの代わりに導電性高分子溶液Hを用いたこと以外は実施例1と同様に導電性塗膜を形成し、評価した。評価結果を表1に示す。
#2350(三菱化学社製)0.096g(8質量%)を、#10(三菱化学社製、カルボキシ基当量3.3μeq/m2、ヒドロキシ基当量0.2μeq/m2、平均粒子径75nm)0.012g(1質量%)に変更し、ポリグリセリンポリグリシジルエーテル(阪本薬品工業社製SR−4GLS)3gを、ジグリセリンポリグリシジルエーテル(阪本薬品工業社製SR−DGE)2.63gに変更し、サンエイドSI−110L(三新化学社製)の添加量を0.0263gに変更した以外は、実施例1と同様にして導電性高分子溶液Iを調製した。そして、導電性高分子溶液Aの代わりに導電性高分子溶液Iを用いたこと以外は実施例1と同様に導電性塗膜を形成し、評価した。評価結果を表1に示す。
#2350(三菱化学社製)0.096g(8質量%)を、#850(三菱化学社製、カルボキシ基当量10.6μeq/m2、ヒドロキシ基0.3μeq/m2、平均粒子径17nm)0.036g(3質量%)に変更した以外は、実施例1と同様にして導電性高分子溶液Nを調製した。そして、導電性高分子溶液Aの代わりに導電性高分子溶液Nを用いたこと以外は実施例1と同様に導電性塗膜を形成し評価した。評価結果を表1に示す。
#2350(三菱化学社製)0.096g(8質量%)を、表面が改質されていないカーボンであるE300J(ライオン社製、酸性官能基なし、平均粒子径25nm)0.06g(5質量%)に変更した以外は、実施例1と同様にして導電性高分子溶液Jを調製した。そして、導電性高分子溶液Aの代わりに導電性高分子溶液Jを用いたこと以外は実施例1と同様に導電性塗膜を形成し、評価した。評価結果を表1に示す。
E300Jの量を0.24g(20質量%)に変更した以外は、比較例1と同様にして導電性高分子溶液Kを調製した。そして、導電性高分子溶液Aの代わりに導電性高分子溶液Kを用いたこと以外は実施例1と同様に導電性塗膜を形成し、評価した。評価結果を表1に示す。
#2350(三菱化学社製)0.096g(8質量%)を、表面が改質されていないカーボンである#3955(東海カーボン社製、酸性官能基なし、平均粒子径21nm)0.00012g(0.0001質量%)に変更した以外は、実施例1と同様にして導電性高分子溶液Lを調製した。そして、導電性高分子溶液Aの代わりに導電性高分子溶液Lを用いたこと以外は実施例1と同様に導電性塗膜を形成し、評価した。評価結果を表1に示す。
#3955の量を0.144g(12質量%)に変更した以外は、実施例1と同様にして導電性高分子溶液Mを調製した。そして、導電性高分子溶液Aの代わりに導電性高分子溶液Mを用いたこと以外は実施例1と同様に導電性塗膜を形成し、評価した。評価結果を表1に示す。
表面未改質カーボンをπ共役系導電性高分子とポリアニオンの合計100質量%に対して20質量%含有する比較例2では、全光線透過率とヘイズ、耐傷付性、耐エタノール性、密着性が低い上に溶液の保存安定性が不充分であった。
表面未改質カーボンをπ共役系導電性高分子とポリアニオンの合計100質量%に対して0.0001質量%含有する比較例3では、接触抵抗、電圧分布直線性が不充分である上に溶液の保存安定性が不充分であった。
表面未改質カーボンをπ共役系導電性高分子とポリアニオンの合計100質量%に対して12質量%含有する比較例4では、全光線透過率とヘイズ、耐傷付性、耐エタノール性、密着性が低い上に溶液の保存安定性が不充分であった。
11 透明基材
12a 有機導電層
12b 無機導電層
13a,13b 電極配線
20 固定電極シート
21 透明基材
22 ITO膜
23a,23b 電極配線
24 ドットスペーサ
Claims (4)
- π共役系導電性高分子と、ポリアニオンと、カーボンの表面に酸性官能基を有する表面改質カーボンと、溶媒とを含有し、表面改質カーボンの含有量が、π共役系導電性高分子とポリアニオンの合計100質量%に対し、0.01〜10質量%であり、前記表面改質カーボンの酸性官能基はカルボキシ基およびヒドロキシ基であり、官能基当量がカーボン表面積当たり0.1〜10μeq/m 2 であることを特徴とする導電性高分子溶液。
- さらに、オキセタン化合物、エポキシ化合物の一方または両方を含有することを特徴とする請求項1に記載の導電性高分子溶液。
- 請求項1または2に記載の導電性高分子溶液が塗布されて形成されたことを特徴とする導電性塗膜。
- 請求項3に記載の導電性塗膜を透明電極として備えることを特徴とする入力デバイス。
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